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特開2024-42489処理装置、基地局、方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042489
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】処理装置、基地局、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20230101AFI20240321BHJP
   H04W 84/02 20090101ALI20240321BHJP
   H04W 92/16 20090101ALI20240321BHJP
【FI】
H04W72/04
H04W84/02
H04W92/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147240
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋田 耕司
(72)【発明者】
【氏名】米澤 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】旦代 智哉
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA14
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】通信の低遅延化を実現する処理装置を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る処理装置は、基地局に含まれる第1レイヤと第2レイヤとの間のインターフェースに配置される処理部を具備する。第1レイヤは物理レイヤ信号を第2レイヤへ送信する。処理部は、端末が第1制御信号を送信できる通信リソースを表す割り当て情報を記憶するメモリを具備する。処理部は、割り当て情報に基づいて第2制御信号を生成し、前記第2制御信号を割り当て情報に基づいて前記第1レイヤから入力された物理レイヤ信号に加算することにより合成信号を生成し、合成信号を第2レイヤへ送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局に含まれる第1レイヤと第2レイヤとの間のインターフェースに配置される処理装置であって、
処理部と、
端末が第1制御信号を送信できる通信リソースを表す割り当て情報を記憶するメモリと、を具備し、
前記第1レイヤは物理レイヤ信号を前記第2レイヤへ送信し、
前記処理部は、
前記割り当て情報に基づいて第2制御信号を生成し、
前記割り当て情報に基づいて前記第2制御信号を前記第1レイヤから送信された物理レイヤ信号に加算することにより合成信号を生成し、
前記合成信号を前記第2レイヤへ送信する、処理装置。
【請求項2】
前記第1制御信号は、前記端末が前記基地局に対して前記通信リソースの割り当てを要求するスケジューリングリクエストを含み、
前記第2制御信号は、前記スケジューリングリクエストを含む、請求項1記載の処理装置。
【請求項3】
前記基地局は、前記端末から送信される信号を受信し、受信信号を復調する物理レイヤを含み、
前記物理レイヤは、前記第1レイヤと前記第2レイヤを含み、
前記第2レイヤは、前記合成信号をMACレイヤ信号に変換する、請求項1記載の処理装置。
【請求項4】
前記割り当て情報を入力する入力部をさらに具備する、請求項1記載の処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記割り当て情報を取得し、前記割り当て情報を前記メモリに書き込む、請求項1記載の処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記物理レイヤ信号及び前記第2レイヤから前記第1レイヤへ送信される第2物理レイヤ信号の少なくとも一方から前記割り当て情報を取得する、請求項5記載の処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記第2レイヤから前記割り当て情報を取得する、請求項5記載の処理装置。
【請求項8】
前記通信リソースは、時間であり、
前記割り当て情報は、複数の時刻を表し、
前記処理部は、
前記複数の時刻の中の一部の時刻を選択し、
前記第2制御信号を前記物理レイヤ信号に前記一部の時刻で加算する、請求項1記載の処理装置。
【請求項9】
前記処理部は、時刻を選択するための選択信号を生成するサーバに接続され、前記選択信号に基づいて前記一部の時刻を選択する、請求項8記載の処理装置。
【請求項10】
前記処理部は、前記端末のデータ送信タイミングの推定結果に基づいて前記一部の時刻を選択する、請求項8記載の処理装置。
【請求項11】
前記処理部は、前記物理レイヤ信号及び前記第2レイヤから前記第1レイヤへ送信される第2物理レイヤ信号の少なくとも一方に基づいて前記端末のデータ送信タイミングを推定する推定部を具備する、請求項10記載の処理装置。
【請求項12】
前記基地局は、前記物理レイヤ信号及び前記第2レイヤから前記第1レイヤへ送信される第2物理レイヤ信号の少なくとも一方に基づいて前記端末のデータ送信タイミングを推定する推定部を具備し、
前記処理部は、前記推定部の推定結果に基づいて前記一部の時刻を選択する、請求項10記載の処理装置。
【請求項13】
前記基地局は、前記物理レイヤ信号及び前記第2レイヤから前記第1レイヤへ送信される第2物理レイヤ信号の少なくとも一方に基づいて前記端末のデータ送信タイミングを推定する推定部に接続され、
前記処理部は、前記推定部の推定結果に基づいて前記一部の時刻を選択する、請求項10記載の処理装置。
【請求項14】
前記処理部は、サーバに接続され、
前記サーバは、前記端末のデータ送信タイミングを推定する推定部を具備し、
前記処理部は、前記推定部の推定結果に基づいて前記一部の時刻を選択する、請求項10記載の処理装置。
【請求項15】
前記基地局は、RFレイヤとLow PHYレイヤを含むRadio Unitと、High PHYレイヤ、Low MACレイヤ、High MACレイヤ、Low RLCレイヤ、及びHigh RLCレイヤを含むDistibuted Unitと、を具備し、
前記Distibuted Unitは、前記処理部と前記第2レイヤを具備する、請求項1記載の処理装置。
【請求項16】
前記基地局は、RFレイヤとLow PHYレイヤを含むRadio Unitと、High PHYレイヤ、Low MACレイヤ、High MACレイヤ、Low RLCレイヤ、及びHigh RLCレイヤを含むDistibuted Unitと、を具備し、
前記Radio Unitは、前記処理部と前記第1レイヤを具備する、請求項1記載の処理装置。
【請求項17】
前記基地局は、RFレイヤとLow PHYレイヤを含むRadio Unitと、High PHYレイヤ、Low MACレイヤ、High MACレイヤ、Low RLCレイヤ、及びHigh RLCレイヤを含むDistibuted Unitと、を具備し
前記Distibuted Unitは、前記第2レイヤを具備し、
前記Radio Unitは、前記第1レイヤを具備し、
前記処理部は、前記Radio Unitと前記Distibuted Unitの間に接続される、請求項1記載の処理装置。
【請求項18】
請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の処理装置と、
前記端末と通信する無線装置と、
コアネットワークと通信する通信装置と、
を具備する基地局。
【請求項19】
請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の処理装置と、
前記端末と通信する無線装置と、
コアネットワークと通信する通信装置と、
前記コアネットワークに接続されるサーバと、
を具備する通信システム。
【請求項20】
基地局に含まれる第1レイヤと第2レイヤとの間のインターフェースに配置される処理部と、
端末が第1制御信号を送信できる通信リソースを表す割り当て情報を記憶するメモリと、を具備する処理装置が実行する方法であって、
前記割り当て情報に基づいて第2制御信号を生成し、
前記割り当て情報に基づいて、前記第2制御信号を前記第1レイヤから入力された物理レイヤ信号に加算することにより、合成信号を生成し、
前記合成信号を前記第2レイヤへ送信する、方法。
【請求項21】
基地局に含まれる第1レイヤと第2レイヤとの間のインターフェースに配置される処理部と、
端末が第1制御信号を送信できる通信リソースを表す割り当て情報を記憶するメモリと、を具備する処理装置が実行するプログラムであって、
前記割り当て情報に基づいて第2制御信号を生成させ、
前記割り当て情報に基づいて、前記第2制御信号を前記第1レイヤから入力された物理レイヤ信号に加算することにより、合成信号を生成させ、
前記合成信号を前記第2レイヤへ送信させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、処理装置、基地局、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、端末と無線通信する基地局を含む。基地局は、上位のネットワークに接続される。端末は、基地局へ送信するデータの発生を加算する検出すると、基地局へスケジューリングリクエストを送信する。基地局は、スケジューリングリクエストを受信すると、端末に通信リソースを割り当て、割り当て情報を端末へ送信する。端末は、割り当て情報を受信すると、割り当て情報が表す通信リソースを用いてデータを基地局へ送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-143525号公報
【特許文献2】特開2018‐133663号公報
【特許文献3】国際公開第2017/170118号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
端末がデータの発生を検出してからデータを実際に基地局へ送信するまでに、端末と基地局の間でスケジューリングリクエストと割り当て情報が送受信される。このため、端末から基地局へのアップリンク通信は遅延時間を含む。
【0005】
本発明の目的は、通信の遅延を低減する処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る処理装置は、基地局に含まれる第1レイヤと第2レイヤとの間のインターフェースに配置される処理部を具備する。第1レイヤは物理レイヤ信号を第2レイヤへ送信する。処理部は、端末が第1制御信号を送信できる通信リソースを表す割り当て情報を記憶するメモリを具備する。処理部は、割り当て情報に基づいて第2制御信号を生成し、第2制御信号を割り当て情報に基づいて第1レイヤから入力された物理レイヤ信号に加算することにより合成信号を生成し、合成信号を第2レイヤへ送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る無線通信システムの一例を説明するためのブロック図。
図2】第1実施形態に係る基地局の一例を説明するためのブロック図。
図3】第1実施形態に係る基地局のプロトコルスタックの一例を説明するための図。
図4】第1実施形態に係る基地局のプロトコルスタックとインターフェースの一例を説明するための図。
図5】第1実施形態に係るアップリンク通信に関するRFレイヤ、Low PHYレイヤ、及びHigh PHYレイヤの処理部の一例を説明するための図。
図6】第1実施形態に係るアップリンクのフレーム構成の一例を説明するための図。
図7】第1実施形態に係るアップリンクの1フレームの構成の一例を説明するための図。
図8】第1実施形態に係るアップリンクの1サブフレームの構成の一例を説明するための図。
図9】第1実施形態に係るリソースブロックの一例を説明するための図。
図10】第1実施形態に係る基地局と端末との間の通信の一例を参考例と比較して説明するための図。
図11】第2実施形態に係る基地局の一例を説明するためのブロック図。
図12】第3実施形態に係る基地局の一例を説明するためのブロック図。
図13】第4実施形態に係る基地局の一例を説明するためのブロック図。
図14】第5実施形態に係る基地局の一例を説明するためのブロック図。
図15】第6実施形態に係る基地局の一例を説明するためのブロック図。
図16】第6実施形態に係る基地局の第1変形例を説明するためのブロック図。
図17】第6実施形態に係る基地局の第2変形例を説明するためのブロック図。
図18】第6実施形態に係る基地局の第3変形例を説明するためのブロック図。
図19】第7実施形態に係る基地局の一例を説明するためのブロック図。
図20】第8実施形態に係る基地局の一例を説明するためのブロック図。
図21】第8実施形態に係る基地局の信号処理部の配置の第1例を説明するためのブロック図。
図22】第8実施形態に係る基地局の信号処理部の配置の第2例を説明するためのブロック図。
図23】第8実施形態に係る基地局の信号処理部の配置の第3例を説明するためのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態を説明する。以下の説明は、実施形態の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、実施形態の技術的思想は、以下に説明する構成要素の構造、形状、配置、材質等に限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各要素のサイズ、厚み、平面寸法又は形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、互いの寸法の関係や比率が異なる要素が含まれることもある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して重複する説明を省略する場合もある。いくつかの要素に複数の呼称を付す場合があるが、これら呼称の例はあくまで例示であり、これらの要素に他の呼称を付すことを否定するものではない。また、複数の呼称が付されていない要素についても、他の呼称を付すことを否定するものではない。なお、以下の説明において、「接続」は直接接続のみならず、他の要素を介した接続も含む場合もある。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る無線通信システムの一例を説明するためのブロック図である。無線通信システムは、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)10、コアネットワーク12、及びサーバ16を備える。RAN10は、アンテナと複数の基地局20を備える。基地局20は、無線通信機能を備える。基地局20は、無線通信機能を備える端末24に無線回線を介して接続される。複数の端末24が基地局20に接続可能である。コアネットワーク12は、ルーティング等の様々な制御を行うバックエンドのネットワークである。サーバ16は、クラウド上に存在してもよいし、物理的なサーバから構成されてもよい。
【0010】
基地局20は、有線通信機能を備え、信号線を介してコアネットワーク12に接続される。基地局20は、有線通信機能を備え、信号線を介して親局に接続される。コアネットワーク12は、交換機,加入者情報管理装置などにより構成される。
【0011】
端末24は、サーバ16と連携してアプリケーションを実行することができる。
【0012】
あるアプリケーションでは、端末24は、アップリンクデータを生成し、アップリンクデータを基地局20へ送信する。基地局20は、アップリンクデータをコアネットワーク12を介してサーバ16へ送信する。サーバ16は、アップリンクデータに基づいてダウンリンクデータを生成し、ダウンリンクデータをコアネットワーク12を介して基地局20へ送信する。基地局20は、ダウンリンクデータを端末24へ送信する。このアプリケーションでは、端末24の例は、産業用ロボティクスの制御対象機器である。アップリンクデータの例は、制御対象機器が備えるセンサが出力するセンサ情報である。ダウンリンクデータの例は、制御対象機器の動作を駆動する駆動信号である。サーバ16は、センサ情報に基づいて駆動信号を生成する。
【0013】
他のアプリケーションでは、サーバ16は、ダウンリンクデータを生成し、ダウンリンクデータをコアネットワーク12を介して基地局20へ送信する。基地局20は、ダウンリンクデータを端末24へ送信する。端末24は、ダウンリンクデータに基づいてアップリンクデータを生成し、アップリンクデータを基地局20へ送信する。基地局20は、アップリンクデータをコアネットワーク12を介してサーバ16へ送信する。このアプリケーションでは、端末24の例は、センサを備えるIoTデバイスである。ダウンリンクデータの例は、IoTデバイスに対してセンサ情報を要求する信号である。アップリンクデータの例は、センサ情報である。端末24は、センサ情報を要求する信号に応答してセンサからセンサ情報を取得して、センサ情報をサーバ16へ送信する。
【0014】
RAN10及びコアネットワーク12は、移動通信システムの一例である3GPP(登録商標)(Third Generation Partership Project)で規格化がなされている第4世代移動通信システム(4G方式又はLTE-Advanced方式)、第5世代移動通信システム(5G方式)や、3GPPにおいて規格化が検討されている第6世代移動通信システム(6G方式)等の規定のネットワークを構成する。このようなネットワークでは、基地局20から端末24へのダウンリンク通信と、端末24から基地局20へのアップリンク通信の両方について、基本的には基地局20が通信リソースの割り当てを行う。実施形態は、アップリンク通信の通信リソースの割り当てに関する。通信リソースは、周波数、時間、空間(空間ストリーム)、電力、符号、軌道角運動量等の組合せである。
【0015】
端末24は、アップリンクデータの発生を検知すると、基地局20へ通信を制御するための制御信号を送信する。制御信号の一例は、スケジューリングリクエストである。スケジューリングリクエストは、端末24が基地局20へ通信リソースの割り当てを要求する信号である。スケジューリングとは、通信リソースの割り当てである。スケジューリングリクエストの一例は、3GPPで定義されている上りの制御チャネルPhysical Uplink Control Channel(PUCCH)である。
【0016】
スケジューリングリクエストを受け取った基地局20は、端末24がアップリンクデータを送信できる通信リソースを端末24に割り当て、割り当て情報を端末24へ送信する。割り当て情報を受け取った端末24は、割り当てられた通信リソースを使ってアップリンク通信を行う。アップリンクデータの一例は、3GPPで定義されている上りのデータ通信チャネルPhysical Uplink Shared Channel(PUSCH)である。
【0017】
アップリンクデータを送信できる通信リソースは、スケジューリングリクエストを送信できる通信リソースとは異なる。基地局20(のRRCレイヤ)は、端末24との接続を検出すると、端末24がスケジューリングリクエストを送信できる通信リソースを示す割り当て情報(SchedulingRequst_congig)を端末24へ送信する。端末24は、割り当て情報に示される通信リソースを使ってスケジューリングリクエストを送信する。この明細書では、スケジューリングリクエストを送信できる通信リソースを表す割り当て情報は第1割り当て情報とも称され、アップリンクデータを送信できる通信リソースを表す割り当て情報は第2割り当て情報とも称される。
【0018】
割り当て情報は、或る時刻を起点として10ミリ秒毎に1回送信するとか、送信に使う周波数はF0であるとか、符号の系列は何であるか等の情報を示す。
【0019】
このようにアップリンクデータを送信するためには、その前段に複数の手続きが発生する。この複数の手続きは、アップリンク通信の遅延が大きくなる要因となっている。通信遅延時間は、スケジューリングリクエストの送信から割り当て情報の受信までの遅延時間が大部分を占める。さらに、端末24がスケジューリングリクエストを送信可能なタイミングが限られている点も遅延の要因となる。すなわち、アップリンクデータの発生タイミングからスケジューリングリクエストを送信するまでの待ち時間も、アップリンク通信の遅延の増加の要因となっている。
【0020】
実施形態は、アップリンクデータの発生タイミングからスケジューリングリクエストの送信までの待ち時間を短縮し、アップリンク通信の遅延を低減する。実施形態は、端末24を変更することなく、基地局20を変更することにより、遅延を低減する。
【0021】
図2は、第1実施形態に係る基地局20の一例を説明するためのブロック図である。基地局20は、論理的に分割された多数の機能部(レイヤと称する)を備える。多数のレイヤの中の第1レイヤ32と第2レイヤ34との間のインターフェースに信号処理部36が配置される。信号処理部36は、第1レイヤ32と第2レイヤ34に接続される。接続は、有線、無線、論理的な接続のいずれであってもよい。
【0022】
実施形態は、アップリンク通信の遅延の低減に関するものである。実施形態に係る基地局20は、端末24に代わってスケジューリングリクエストを生成し、スケジューリングリクエストをアップリンク信号に加算する。第1レイヤ32から出力されたアップリンク信号が信号処理部36を介して第2レイヤ34に入力される。信号処理部36はアップリンク信号に対して信号処理を施して、処理後のアップリンク信号を第2レイヤ34へ送信する。信号処理部36はダウンリンク信号に対しては何も信号処理を施さず、ダウンリンク信号そのままを第1レイヤ32へ送信する。ダウンリンク信号は、ダウンリンクデータと割り当て情報の総称である。
【0023】
信号処理部36は、入力部40、割り当て情報管理部42、制御信号生成部44、合成部46、及びメモリ48を備える。
【0024】
信号処理部36は、端末24がスケジューリングリクエストを送信できる通信リソースを表す第1割り当て情報について、基地局から通知されないため、もしくは基地局から直接取得できないため、基地局20のオペレータは、入力部40を用いて、端末24がスケジューリングリクエストを送信できる通信リソースを表す第1割り当て情報を入力する。割り当て情報管理部42は、第1割り当て情報をメモリ48に書き込む。割り当て情報管理部42は、第1割り当て情報をメモリ48から読み出し、第1割り当て情報を制御信号生成部44と合成部46へ送信する。制御信号生成部44は、通信を制御するためのスケジューリングリクエストを第1割り当て情報に基づいて生成する。制御信号生成部44が生成するスケジューリングリクエストは、端末24が送信するスケジューリングリクエストと等価な信号である。この明細書では、端末24が送信するスケジューリングリクエストは第1スケジューリングリクエスト(又は第1制御信号)とも称され、制御信号生成部44が生成するスケジューリングリクエストは第2スケジューリングリクエスト(又は第2制御信号)とも称される。
【0025】
制御信号生成部44は、第1割り当て情報に基づいて第2スケジューリングリクエストを合成部46へ送信する。合成部46は、第1割り当て情報に基づいて第2スケジューリングリクエストを第1レイヤ32から第2レイヤ34へ送信されるアップリンク信号に加算し、合成信号を生成する。合成部46から出力される合成信号は、第1レイヤ32からのアップリンク信号として第2レイヤ34へ送信される。信号処理部36は、スケジューリングリクエストの加算後のアップリンク信号を第2レイヤ34へ送信する。信号処理部36は、第2レイヤ34からのダウンリンク信号に対しては何の処理も施さない。信号処理部36は、第2レイヤ34からのダウンリンク信号をそのまま第1レイヤ32へ送信する。
【0026】
図2は、信号処理部36を複数の機能を夫々実現する複数の処理部(割り当て情報管理部42、制御信号生成部44、合成部46)による構成する例を示した。しかし、信号処理部36を複数の機能を実現する1つの処理部により構成してもよい。1つの処理部又は複数の処理部の夫々をFPGA等のハードウェアから構成してもよい。1つの処理部又は複数の処理部の夫々をCPUから構成してもよい。CPUは、プログラムを実行することにより、信号処理部36の機能を実現することができる。CPUが実行するプログラムは不揮発性のメモリに記憶されている。
【0027】
基地局20内の信号処理部36の接続箇所、すなわち第1レイヤ32と第2レイヤ34との間のインターフェースの例を説明する。
【0028】
図3は、第1実施形態に係る基地局20のプロトコルスタックの一例を説明するための図である。3GPPの定義では、基地局はRRC(Radio Resource Control)レイヤ、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤ、RLC(Radio Link Control)レイヤ、MAC(Media Access Control)レイヤ、PHY(Physical)レイヤ、RF(Radio Frequency)レイヤを含む。RFレイヤは、アンテナに接続される。PHYレイヤは物理レイヤとも称される。RRCレイヤは、コアネットワーク12に接続される。RLCレイヤ、MACレイヤ、PHYレイヤの夫々は、上位(High)レイヤ、下位(Low)レイヤにさらに分割される場合もある。各レイヤは、少なくとも1つの処理部を備える。
【0029】
図4は、第1実施形態に係る基地局のプロトコルスタックとインターフェースの一例を説明するための図である。RLCレイヤは、High RLCレイヤとLow RLCレイヤに分割される。MACレイヤは、High MACレイヤとLow MACレイヤに分割される。PHYレイヤは、High PHYレイヤとLow PHYレイヤに分割される。Low PHYレイヤは、RFレイヤに接続される。
【0030】
各レイヤ間は標準インターフェースで構築することが可能である。3GPPでは、各レイヤ間のインターフェースはOption1-Option8まで規定されている。RRCレイヤとPDCPレイヤの間のインターフェースはOption1である。以下、同様に、High PHYレイヤとLow PHYレイヤの間のインターフェースはOption7である。Low PHYレイヤとRFレイヤの間のインターフェースはOption8である。
【0031】
RANの仕様を策定する業界団体であるOpen RAN Alliance(O-RAN)は、3GPPが規定するOption7を、Option7-1とOption7-2に細分したO-RAN spilit option 7-2xという構成を提案している。
【0032】
図5は、O-RANによって提案されているO-RAN spilit option 7-2xを採用した場合の第1実施形態に係るRFレイヤ、Low PHYレイヤ、及びHigh PHYレイヤのアップリンクに関する処理部の一例を説明するための図である。
【0033】
RFレイヤは、アナログビームフォーミング(アナログBF)部と、A/D変換部を備える。アナログBF部は、アンテナ(アレーアンテナ)で受信したRF信号(高周波信号)の指向性を制御する。A/D変換部はRF信号をデジタル信号に変換して、デジタル信号をLow PHYレイヤへ送信する。Low PHYレイヤが受信するデジタル信号は物理レイヤ信号と称される。
【0034】
Low PHYレイヤは、フーリエ変換(FFT)/コンティニュアスパイロット(CP)除去部と、リソースエレメントデマッピング(REデマッピング)部を備える。Low PHYレイヤは、RFレイヤから出力されたデジタル信号(時間領域のOFDM信号)に対してFFT処理を施し、OFDM信号からパイロット信号(コンティニュアスパイロット信号)を除去し、さらに、REデマッピングを行い、周波数領域のOFDM信号のI・Qサンプル列を生成する。
【0035】
OFDMは、デジタル変調方式の1つであり、伝送信号を直交サブキャリアで変調し、複数の搬送波で情報ビットを並列伝送するマルチキャリア変調方式を指す。
【0036】
High PHYレイヤは、チャネル推定/等化部、逆離散フーリエ変換(IDFT)部、復調部、デスクランブリング部、レートデマッチング部、及び復号部を備える。High PHYレイヤは、周波数領域のOFDM信号のI・Qサンプル列に対して、チャネル推定/等化処理、IDFT処理、復調処理、デスクランブリング処理、復号処理を行い、ビット列をMACレイヤへ送信する。このビット列はMACレイヤ信号と称される。すなわち、Low PHYレイヤとHigh PHYレイヤは、物理レイヤ信号に種々の処理を行い、物理レイヤ信号をMACレイヤ信号に変換する。
【0037】
BF処理はアナログ信号に関して行われたが、デジタル信号に関して行われてもよい。その場合、FFT/CP除去部とREデマッピング部の間にデジタルBF部が設けられる。
【0038】
信号処理部36は、PHYレイヤ(Low PHYレイヤとHigh PHYレイヤ)の内部に配置される。信号処理部36は、Option7-1のインターフェースに配置されてもよい。3GPPでLow PHYレイヤとHigh PHYレイヤの間のインターフェースとして定義されたOption7は、O-RANではOption7-1である。この場合、第1レイヤ32は、Low PHYレイヤのFFT/CP除去部である。第2レイヤ34は、Low PHYレイヤのREデマッピング部である。デジタル処理の場合、第1レイヤ32は、Low PHYレイヤのデジタルBF部である。第2レイヤ34は、Low PHYレイヤのREデマッピング部である。
【0039】
信号処理部36は、Option7-2のインターフェースに配置されてもよい。この場合、第1レイヤ32は、Low PHYレイヤである。第2レイヤ34は、High PHYレイヤである。
【0040】
さらに、現在は標準化されていないHigh PHYレイヤ内の隣接する処理部の間のインターフェースに配置されてもよい。信号処理部36は、チャネル推定/等化部とIDFT部の間のインターフェース、IDFT部と復調部の間のインターフェース、復調部とデスクランブリング部の間のインターフェース、デスクランブリング部とレートデマッチング部の間のインターフェース、レートデマッチング部と復号部の間のインターフェースに配置されてもよい。
【0041】
信号処理部36は、PHYレイヤの内部に配置されるので、第1レイヤ32から信号処理部36に送信されるアップリンク信号は物理レイヤ信号である。信号処理部36から第2レイヤ34に送信されるアップリンク信号も物理レイヤ信号である。基地局20は通信リソースを端末24に割り当てるスケジューラを備える。MACレイヤは、スケジューラを含む。基地局20は、スケジューラが第2レイヤ34に含まれるように、2つの機能部に分割される。
【0042】
図6は、第1実施形態に係るアップリンクのフレーム構成の一例を説明するための図である。このフレーム構成は、5G方式のフレーム構成に準拠する。5G方式では、予め定められた時間長のフレームが定義される。フレームの時間長は、10m秒である。1つのフレームは、それぞれが予め定められた時間長の10個のサブフレームを含む。サブフレームの時間長は、1m秒である。
【0043】
5G方式は、サブキャリア間隔として、15kHz(μ=0)、30kHz(μ=1)、60kHz(μ=2)、120kHz(μ=3)、及び240kHz(μ=5)の5種類を定める。μは、サブキャリア間隔を識別する値である。
【0044】
5G方式は、スロットと呼ばれる単位を定める。スロットは、14個のOFDMシンボルから構成される。OFDMシンボルは、サブキャリア間隔によって時間長が異なる。従って、スロットの時間長は、サブキャリア間隔によって異なる。
【0045】
1つのサブフレームは、少なくとも1つのスロットを含む。サブキャリア間隔が15kHzに設定されている場合、1つのサブフレームは、1つのスロットを含む。サブキャリア間隔が30kHzに設定されている場合、1つのサブフレームは、2個のスロットを含む。サブキャリア間隔が60kHzに設定されている場合、1つのサブフレームは、4個のスロットを含む。サブキャリア間隔が120kHzに設定されている場合、1つのサブフレームは、8個のスロットを含む。サブキャリア間隔が240kHzに設定されている場合、1つのサブフレームは、16個のスロットを含む。
【0046】
図7は、第1実施形態に係るアップリンクの1フレームの構成の一例を説明するための図である。図7で、横軸は時間、縦軸は周波数を示す。1フレームは制御チャネルPUCCHとデータ通信チャネルPUSCHの2種類の物理チャネルを含む。制御チャネルPUCCHは、スケジューリングリクエストを送信するために使用されるチャネルである。データ通信チャネルPUSCHは、アップリンク通信するユーザデータのための共有データチャネルである。全てのユーザのデータが集約されてデータ通信チャネルPUSCHで送信される。
【0047】
制御チャネルPUCCHとデータ通信チャネルPUSCHは、複数のユーザで共有される。
【0048】
制御チャネルPUCCHは、アップリンク(UL)周波数帯域の最も高い周波数を含む帯域と、最も低い周波数を含む帯域を使う。データ通信チャネルPUSCHは、制御チャネルPUCCHの帯域以外である中央部の帯域を使う。
【0049】
図8は、第1実施形態に係るアップリンクの1サブフレームの構成の一例を説明するための図である。1ミリ秒のサブフレーム期間は、2つのスロット(スロット0とスロット1)に分割される。端末24は複数の端末グループGrのいずれかに分類されている。複数の端末24が1つの端末グループGrに属する。制御チャネルPUCCHは、アップリンク周波数帯域の対向する端部のリソースブロック(RB)対毎に端末グループに割り当てられている。このため、複数の端末24からのスケジューリングリクエスト(PUCCH)を1つのサブフレームで送信することができる。リソースブロックは通信リソースの最小割当て単位である。1リソースブロックは、周波数方向に12本のサブキャリア、時間方向に7シンボルで構成される。スケジューリングの最小時間単位(TTI:Transmission Time Interval)は1サブフレームである。
【0050】
スロット0のRB 0とスロット1のRB Nが端末グループGr1の制御チャネルPUCCHに割り当てられる。スロット1のRB 0とスロット0のRB Nが端末グループGr2の制御チャネルPUCCHに割り当てられる。以下、同様に、スロット1のRB 2とスロット0のRB N-2が端末グループGr6の制御チャネルPUCCHに割り当てられる。
【0051】
図9は、第1実施形態に係るリソースブロックの一例を説明するための図である。1サブフレームは2つのリソースブロックを含む。
【0052】
図10は、第1実施形態に係る基地局20と端末24との間の通信手順の一例を参考例と比較して説明するための図である。図10(a)は、参考例の通信手順を示す。参考例は、信号処理部36を含まない基地局である。図10(b)は、第1実施形態の通信手順を示す。図10は、通信リソースとして時間を割り当てる場合の通信手順を示す。
【0053】
実施形態でも参考例でも、基地局20に複数の端末24が接続される。通信リソースとして時間を用いる場合、通信リソースの選択肢としてタイミング1~タイミング19が定義される。タイミング1~タイミング19は繰り返し定義される。図10の数字1~19はタイミングのインデックスである。図10の文字Uはアップリンク通信を表す。図10の文字Dはダウンリンク通信を表す。或る端末24において、タイミング15でアップリンク(UL)データが発生する。端末24が第1スケジューリングリクエストを送信できるタイミングは予め決められている。予め決められているタイミングは、例えばタイミング9とタイミング19である。基地局20は、図10の動作の前に、これらのタイミングを示す第1割り当て情報を端末24へ送信している。
【0054】
参考例では、或る端末24は、タイミング15でのアップリンクデータの発生後、第1割り当て情報により示されるタイミング19で第1スケジューリングリクエスト(SR)を基地局20へ送信する。
【0055】
基地局20は、第1スケジューリングリクエストに応答して、或る端末24に対してアップリンクデータを送信できる通信リソースとして或るタイミング、例えばタイミング10を割り当て、タイミング10を示す第2割り当て情報を或る端末24へ送信する。第2割り当て情報をダウンリンク通信するタイミングも予め決められている。予め決められているタイミングは、例えばタイミング7とタイミング17である。基地局20は、タイミング7で第2割り当て情報を或る端末24へ送信する。
【0056】
或る端末24は、第2割り当て情報に基づいて、タイミング10でアップリンクデータを基地局20へ送信する。
【0057】
参考例では、通信遅延時間は、アップリンクデータの発生タイミング15から第1スケジューリングリクエストの送信タイミング19までの遅延時間と、第1スケジューリングリクエストの送信タイミング19から第2割り当て情報の受信タイミング7までの遅延時間と、第2割り当て情報の受信タイミング7からアップリンクデータの送信タイミング10までの遅延時間の和である。
【0058】
第1実施形態では、或る端末24が第1スケジューリングリクエストを送信できるタイミング9とタイミング19を示す第1割り当て情報がメモリ48に記憶されている。
【0059】
図10(b)に示すように、制御信号生成部44は、アップリンクデータの発生の有無に関わらず、第1割り当て情報で示されるタイミング9で第2スケジューリングリクエストを生成する。合成部46は、タイミング9で第2スケジューリングリクエストを物理レイヤ信号に加算して、合成信号を第2レイヤ34に送信する。
【0060】
第2レイヤ34内のスケジューラは、第2スケジューリングリクエストを含む合成信号に応答して、或る端末24に対してアップリンクデータを送信できる通信リソースとして、或るタイミング、例えばタイミング20を割り当てる。基地局20は、タイミング20を示す第2割り当て情報を或る端末24へ送信する。第2割り当て情報を送信するタイミングは、タイミング7とタイミング17であるので、基地局20は、タイミング7で第2割り当て情報を或る端末24へ送信する。
【0061】
或る端末24は、第2割り当て情報に基づいて、タイミング20でアップリンクデータを基地局20へ送信する。
【0062】
第1実施形態では、アップリンクデータの発生前に第2スケジューリングリクエストが生成されるので、基地局20から第2情報割り当て情報が端末24に送信するタイミングが参考例に比べて早まる。通信遅延時間は、アップリンクデータの発生タイミング15から第2割り当て情報の受信タイミング17までの遅延時間と、第2割り当て情報の受信タイミング17からアップリンクデータの送信タイミング20までの遅延時間の和である。
【0063】
第1実施形態に係る信号処理部36は以下の効果を奏する。通常、複数のユーザ(端末24)から送信された信号は空間を伝搬し、基地局20のアンテナで合成されて受信される。この合成は、演算処理で言えば単純な加算処理であるため、基地局20の第1レイヤ32が受信信号をベースバンド信号に変換した後や、それをデジタル化した後や、ビームフォーミング処理をした後や、FFT処理をした後などにおいても、同様の処理を施した信号を加算すると、アンテナで合成された信号と同等の合成信号を生成することが可能である。信号処理部36は、これを利用する。
【0064】
制御信号生成部44が第2スケジューリングリクエストを生成し、合成部46が物理レイヤ信号と第2スケジューリングリクエストを合成する。これにより、端末24が第1スケジューリングリクエストを送信していない場合であっても、信号処理部36において第2スケジューリングリクエストと物理レイヤ信号を合成して、第2レイヤ34へ送信することができる。このため、端末24が第1スケジューリングリクエストを生成していない場合であっても、信号処理部36は、第2スケジューリングリクエストを物理レイヤ信号に加算することより、端末が送信したスケジューリングリクエストと同等のスケジューリングリクエストを生成することが可能となる。しかも、信号処理部36は、アップリンクデータの発生タイミングより前に第2スケジューリングリクエストを含む合成信号をスケジューラに送信しているので、第2割り当て情報の受信タイミング(タイミング17)が参考例の受信タイミング(次の周期のタイミング7)より早められる。第1割り当て情報に基づき、送信できる全ての無線リソースを使って第2スケジューリングリクエストを生成し、物理レイヤ信号と合成すれば、最大限の低遅延化効果が得られる。
【0065】
これにより、端末24側を変更することなく低遅延化を実現可能である。第1実施形態では、物理レイヤ信号にスケジューリングリクエストが加算されているだけである。そのため、基地局20側で通常行われている一連の処理についても何ら変更が加えられていないので、基地局20において一連の処理が動作不良となるリスクを低減することも可能である。
【0066】
以下、他の実施形態を説明する。他の実施形態において、第1実施形態と同じ要素は同じ参照数字を付して、詳細な説明は省略する。他の実施形態に係る無線通信システムのブロック図は、図1に示した第1実施形態のブロック図と同じである。第1実施形態に関する図3乃至図9の説明は、他の実施形態にも適用される。
【0067】
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態に係る基地局20の一例を説明するためのブロック図である。第2実施形態に係る基地局20は、第1実施形態に係る基地局(図2)20において、入力部40が削除され、その代わりに割り当て情報取得部52が追加される。第1レイヤ32から合成部46へ送信される第1物理レイヤ信号、及び第2レイヤ34から第1レイヤ32へ送信される第2物理レイヤ信号の中の少なくとも一方が割り当て情報取得部52へも送信される。
【0068】
割り当て情報取得部52は、第1レイヤ32から送信される第1物理レイヤ信号と、第2レイヤ34から送信される第2物理レイヤ信号の中の第1割り当て情報(SchedulingRequst_congig)を一定期間観測すると、第1割り当て情報のタイミングを検出することができる。これにより、割り当て情報取得部52は、第1割り当て情報を取得することができる。
【0069】
第2実施形態によれば、第1実施形態における基地局20のオペレータによる第1割り当て情報の入力を省略することができる。図10の説明も第2実施形態に適用される。
【0070】
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態に係る基地局20の一例を説明するためのブロック図である。第3実施形態に係る基地局20は、第2実施形態に係る基地局20と同じ要素から構成される。第3実施形態の割り当て情報取得部52は、第2実施例とは異なる方法で、第1割り当て情報を取得する。第2実施形態では、第1レイヤ32と第2レイヤ34の間で送受信される物理レイヤ信号を一定期間観測することにより第1割り当て情報を取得した。第2レイヤ34内のRRCは、予め決められている通信リソースを示す第1割り当て情報(SchedulingRequst_congig)を端末へ送信するとともに、割り当て情報取得部52へ送信する。
【0071】
第3実施形態によっても、割り当て情報取得部52は、第2レイヤ34から送信される第1割り当て情報を短時間に取得することができる。第3実施形態によっても、第1実施形態における基地局20のオペレータによる第1割り当て情報の入力を省略することができる。
【0072】
第2実施形態と第3実施形態を組み合わせてもよい。すなわち、第1レイヤ32から合成部46へ送信される第1物理レイヤ信号、及び第2レイヤ34から第1レイヤ32へ送信される第2物理レイヤ信号の中の少なくとも一方が割り当て情報取得部52へも送信されるとともに、第2レイヤ34内のRRCからの第1割り当て情報が割り当て情報取得部52へ送信されてもよい。これにより、割り当て情報取得部52が第1割り当て情報を正しく取得する可能性が高くなる。
【0073】
第1実施形態乃至第3実施形態において、制御信号生成部44が第1割り当て情報に示される全てのタイミングで第2スケジューリングリクエストを送信すると、アップリンクデータが発生していないのに第2スケジューリングリクエストを含む合成信号が第2レイヤ34に送信され、第2スケジューリングリクエストに応答してアップリンクデータの送信タイミングが割り当てられてしまう。これにより、無線リソース(アップリングデータを送信できるタイミング)を他の端末に割り当てることができなくなる可能性がある。これを解決し無線リソースの有効利用を図ることができる第4実施形態乃至第7実施形態態を説明する。
【0074】
(第4実施形態)
図13は、第4実施形態に係る基地局20の一例を説明するためのブロック図である。第3実施形態に係る基地局20は、第1実施形態に係る基地局(図2)20において、タイミング制御部56が追加されたものである。
【0075】
割り当て情報管理部42は、第1割り当て情報を制御信号生成部44とタイミング制御部56へ送信する。タイミング制御部56は、第1割り当て情報により示される第2スケジューリングリクエストの複数の割り当てタイミングの中の一部のタイミングを選択する。一部のタイミングは、少なくとも1つのタイミングである。タイミング制御部56は、選択した一部のタイミングを示す情報を合成部46へ送信する。
【0076】
制御信号生成部44は、第2スケジューリングリクエストを生成し、第2スケジューリングリクエストを合成部46へ送信する。合成部46は、タイミング制御部56から送信されたタイミングで第2スケジューリングリクエストを物理レイヤ信号に加算して物理レイヤ信号を生成する。
【0077】
タイミング制御部56は、第1割り当て情報により示される複数のタイミングの中からアップリンク通信に要求される低遅延化の程度に応じた数のタイミングを選択する。タイミング制御部56は、何らかの方法により、要求される低遅延化の程度を取得する。取得方法は、サーバ16からの信号の受信や、基地局20のオペレータによる設定・入力であってもよい。
【0078】
アップリンク通信の低遅延化が必要な場合、タイミング制御部56は、多数のタイミングを選択する。制御信号生成部44は、選択された多数のタイミングで、多数の第2スケジューリングリクエストを生成する。これにより、合成部46は、多数のタイミングで、多数の第2スケジューリングリクエストを物理レイヤ信号に加算する。これにより、多数の第2スケジューリングリクエストが第2レイヤ34へ送信され、多くの通信リソース(アップリンクデータの送信タイミング)割り当てられ、低遅延化が実現される。
【0079】
反対に、アップリンク通信の低遅延化がそれ程必要ではない場合、タイミング制御部56は、少数のタイミングを選択し、選択したタイミングで、少数の第2スケジューリングリクエストを生成する。これにより、合成部46は、少数のタイミングで、少数の第2スケジューリングリクエストを物理レイヤ信号に加算する。これにより、少数の第2スケジューリングリクエストが第2レイヤ34へ送信され、少数の通信リソース(アップリンクデータの送信タイミング)割り当てられ、低遅延化よりも、通信の公平性が達成される。
【0080】
第4実施形態によれば、通信に対する要求に応じて第2スケジューリングリクエストを生成するので、アップリンクデータが無いにも関わらず無線リソースを無駄に割り当てるという事態を防ぐことができ、無線リソースをより効率的に利用することが可能となる。
【0081】
(第5実施形態)
図14は、第5実施形態に係る基地局20の一例を説明するためのブロック図である。第5実施形態に係る基地局20は、第4実施形態に係る基地局20と同じ要素から構成される。第5実施形態のタイミング制御部56は、選択するタイミングの個数を制御するのではなく、選択するタイミング自体を制御する。タイミング制御部56は、サーバ16に接続される。
【0082】
サーバ16は、アップリンク通信の頻度、アップリンク通信のタイミング、アップリンク通信の通信量、アップリンク通信に要求される低遅延化の程度といったアップリンク通信に対する種々の要求を示す情報からアップリンクデータが発生するタイミングを決定する。サーバ16は、アップリンクデータが発生するイミングを示す情報をタイミング制御部56へ送信する。タイミング制御部56は、サーバ16からの情報に応じてアップリンクデータが発生するタイミングを検出し、第1割り当て情報により示される複数のタイミングの中から検出したタイミングを抽出する。タイミング制御部56は、抽出したタイミングを示す情報を制御信号生成部44と合成部46へ送信する。
【0083】
制御信号生成部44は、タイミング制御部56から送信された情報により示されるタイミングで、第2スケジューリングリクエストを生成し、第2スケジューリングリクエストを合成部46へ送信する。合成部46は、タイミング制御部56から送信された情報により示されるタイミングで、第2スケジューリングリクエストを物理レイヤ信号に加算する。
【0084】
サーバ16がダウンリンク通信で端末24の温度を問い合わせ、端末24がアップリンク通信で温度をサーバ16へ返信するアプリケーションでは、ダウンリンク通信から一定時間後にアップリンクデータが発生する。サーバ16は、ダウンリンク通信から一定時間後をアップリンクデータの発生タイミングとして、アップリンクデータの発生タイミングを示す情報をタイミング制御部56に送信する。これにより、制御信号生成部44は、アップリンクデータの発生タイミングの少し前に第2スケジューリングリクエストを生成し、第2スケジューリングリクエストを合成部46へ送信する。合成部46は、アップリンクデータの発生タイミングの少し前に、第2スケジューリングリクエストを物理レイヤ信号に加算する。
【0085】
第5実施形態によっても、アップリンクデータが無いにも関わらず無線リソースを無駄に割り当てるという事態を防ぐことができ、無線リソースをより効率的に利用することが可能となる。
【0086】
(第6実施形態)
図15は、第6実施形態に係る基地局20の一例を説明するためのブロック図である。第6実施形態に係る基地局20は、第5実施形態に係る基地局20に対して、タイミング情報推定部62が追加されたものである。タイミング情報推定部62の配置位置は、種々の位置から選ぶことができるが、第6実施形態では、タイミング情報推定部62は信号処理部36の内部に配置される。
【0087】
第5実施形態は、サーバ16からコアネットワーク12および基地局20を介して送信するためのデータが発生したタイミングを元にアップリンクデータの発生タイミングを決定するが、第6実施形態は、第1レイヤ32と第2レイヤ34との間で送受信される物理レイヤ信号からアップリンクデータの発生タイミングを推定する。合成部46から第2レイヤ34へ送信される合成信号、及び第2レイヤ34から第1レイヤ32へ送信される第2物理レイヤ信号の中の少なくとも一方がタイミング情報推定部62へも送信される。
【0088】
タイミング情報推定部62は、第1レイヤ32と第2レイヤ34との間で送受信される物理レイヤ信号を観測することにより、アップリンクデータが発生するタイミングを推定する。タイミング情報推定部62は、推定したタイミングを示す情報をタイミング制御部56へ送信する。
【0089】
タイミング制御部56は、タイミング情報推定部62からの情報に応じてアップリンクデータが発生する推定タイミングを検出し、第1割り当て情報により示される複数のタイミングの中から検出したタイミングを抽出する。以降の処理は、第5実施形態と同じである。
【0090】
第6実施形態によっても、通信に対する要求に応じて第2スケジューリングリクエストを生成するので、アップリンクデータが無いにも関わらず無線リソースを無駄に割り当てるという事態を防ぐことができ、無線リソースをより効率的に利用することが可能となる。さらに、第6実施形態によれば、サーバ16からアップリンクデータの送信タイミングを示す信号を基地局20に送信する必要が無いので、サーバ16との接続を必要とせず、基地局20単体でアップリンクデータの発生タイミングを求めることができる。
【0091】
タイミング情報推定部62の配置箇所の変更に係る第6実施形態の変形例を説明する。
【0092】
図16は、第6実施形態の第1変形例に係る基地局20の一例を説明するための図である。タイミング情報推定部62は、基地局20の内部であるが、信号処理部36の外部に配置される。合成部46から第2レイヤ34へ送信される合成信号、及び第2レイヤ34から第1レイヤ32へ送信される第2物理レイヤ信号の中の少なくとも一方がタイミング情報推定部62へも送信される点は第6実施形態と同じである。そのため、第1変形例は第6実施形態と同じ作用効果を奏する。
【0093】
図17は、第6実施形態の第2変形例に係る基地局20の一例を説明するための図である。タイミング情報推定部62は、基地局20の外部に配置される。タイミング情報推定部62は、基地局20とは独立した装置である。基地局20の第1レイヤ32と第2レイヤ34との間で送受信される物理レイヤ信号は、タイミング情報推定部62へ送信されない。代わりに、基地局20からコアネットワーク12へ送信される信号、及びコアネットワーク12から基地局20へ送信される信号の中の少なくとも一方がタイミング情報推定部62へも送信される。タイミング情報推定部62は、これらの信号からもアップリンクデータの送信タイミングを推定することができる。そのため、第2変形例も第6実施形態と同じ作用効果を奏する。
【0094】
図18は、第6実施形態の第3変形例に係る基地局20の一例を説明するための図である。タイミング情報推定部62は、サーバ16の内部に配置される。サーバ16は、アップリンク通信の頻度、アップリンク通信のタイミング、アップリンク通信の通信量、アップリンク通信に要求される低遅延化の程度といったアップリンク通信に対する種々の要求を示す情報からアップリンクデータが発生するタイミングを推定する。第3変形例も第6実施形態と同じ作用効果を奏する。
【0095】
(第7実施形態)
図19は、第7実施形態に係る基地局20の一例を説明するためのブロック図である。第7実施形態に係る基地局20の信号処理部36は、第2実施形態と第3実施形態に係る割り当て情報取得部52と、第4実施形態と第5実施形態に係るタイミング制御部56、及び第6実施形態に係るタイミング情報推定部62を備える。
【0096】
メモリ48と割り当て情報取得部52が割り当て情報管理部42に接続される。入力部40が割り当て情報管理部42に接続されてもよい。第1レイヤ32から合成部46へ送信される第1物理レイヤ信号、及び第2レイヤ34から第1レイヤ32へ送信される第2物理レイヤ信号の中の少なくとも一方が割り当て情報取得部52へも送信される。図12に示すように、第2レイヤ34からの第1割り当て情報が情報取得部52へ送信されてもよい。
【0097】
割り当て情報管理部42は、第1割り当て情報をタイミング制御部56へ送信する。タイミング制御部56は、タイミング情報推定部62からの信号に基づいて一部のタイミングを選択する。タイミング制御部56は、選択した一部のタイミングを示す情報を制御信号生成部44と合成部46へ送信する。
【0098】
合成部46から第2レイヤ34へ送信される合成信号、及び第2レイヤ34から第1レイヤ32へ送信される第2物理レイヤ信号の中の少なくとも一方がタイミング情報推定部62へも送信される。図14に示すように、サーバ16は、アップリンクデータが発生するイミングを示す情報をタイミング制御部56へ送信してもよい。
【0099】
第6実施形態の変形例のように、タイミング情報推定部62は、基地局20の内部であるが、信号処理部36の外部に配置してもよいし、基地局20とは独立した装置として基地局20の外部に配置してもよいし、サーバ16の内部に配置してもよい。
【0100】
第7実施形態によれば、上述した全ての実施形態の作用効果を奏する。
【0101】
(第8実施形態)
図20は、第8実施形態に係る基地局20の一例を説明するためのブロック図である。図20は、O-RANによって提案されているO-RAN spilit option 7-2xを採用した場合の一例を示す。基地局20は、RAN10を構成し、端末24とコアネットワーク(CN)12とを接続する。RAN10は、無線周波数(RF)信号を処理する部分と、無線周波数以外の信号を処理する部分を含む。無線周波数信号を処理する部分はRU(Radio Unit)と称される。RUは、RFレイヤとLow PHYレイヤの処理を実行する。無線周波数以外の信号を処理する部分は、DU(Distributed Unit)とCU(Centralized Unit)を含む。RUとDUの間のインターフェースは、Option7-2である。DUは第2レイヤ34を含む。DUは、High PHYレイヤ、Low MACレイヤ、High MACレイヤ、Low RLCレイヤ、及びHigh RLCレイヤの処理を実行する。RUは第1レイヤ32を含む。CUはPDCPレイヤとRRCレイヤの処理を実行する。
【0102】
基地局20は、親局20-1と子局20-3、20-4に分類される。親局20-1はコアネットワーク12に信号線(バックフォール)を介して接続される。親局20-1は、CU82とDU84を含む。CU82は、パケットデータコンバージェンスプロトコル、無線リソース制御、及びサービスデータアダプテーションプロトコル等を実行する。DU84は、変復調処理、符号化/復号処理、スクランブリング処理等を実行する。
【0103】
子局20-3、20-4は、フロントホールと称されるネットワークを介して親局20-1に接続される。子局20-3、20-4は、親局20-1を介してコアネットワーク12に接続される。フロントホールは光ファイバによるネットワークでもよい。子局20-3、20-4の夫々は、RU86とアンテナ88を備える。アンテナ88は、アレイ状に配列される多数のアンテナからなるMassive MIMO(Multi Input Multi Output)アンテナである。RU86は、AD/DA変換、iFFT、アナログ(またはデジタル)ビームフォーミング等を実行する。
【0104】
このように親局20-1と子局20-3、20-4に分割されている基地局における信号処理部36の配置例を説明する。
【0105】
図21は、信号処理部36の配置の第1例を説明するためのブロック図である。信号処理部36は、DU84(親局20-1)の内部に配置される。DU84は、第2レイヤ34と信号処理部36を含む。RU86は、第1レイヤ32を含む。
【0106】
図22は、信号処理部36の配置の第2例を説明するためのブロック図である。信号処理部36は、RU86(子局20-3、20-4)の内部に配置される。RU86は、第1レイヤ32と信号処理部36を含む。DU84は第2レイヤ34を含む。
【0107】
第2例又は第3例の配置によれば、装置数を増やすことなく、信号処理部36を実装し、低遅延化を実現することができる。装置数が増えないことは、装置の取り扱いを容易にする。
【0108】
図23は、信号処理部36の配置の第3例を説明するためのブロック図である。信号処理部36は、DU84(親局20-1)の外部、かつRU86(子局20-3、20-4)の外部に配置される。DU84は第2レイヤ34を含む。RU86は第1レイヤ32を含む。
【0109】
第3例の配置によれば、DU84とRU86のいずれも変更することなく、信号処理部36を実装することができ、簡易に低遅延化を実現できる。
【0110】
実施形態によれば、下記の処理装置、基地局、通信システム、方法及びプログラムが実現される。
【0111】
(1) 基地局に含まれる第1レイヤと第2レイヤとの間のインターフェースに配置される処理装置であって、
処理部と、
端末が第1制御信号を送信できる通信リソースを表す割り当て情報を記憶するメモリと、を具備し、
前記第1レイヤは物理レイヤ信号を前記第2レイヤへ送信し、
前記処理部は、
前記割り当て情報に基づいて第2制御信号を生成し、
前記割り当て情報に基づいて前記第2制御信号を前記第1レイヤから送信された物理レイヤ信号に加算することにより合成信号を生成し、
前記合成信号を前記第2レイヤへ送信する、処理装置。
【0112】
(2) 前記第1制御信号は、前記端末が前記基地局に対して前記通信リソースの割り当てを要求するスケジューリングリクエストを含み、
前記第2制御信号は、前記スケジューリングリクエストを含む、(1)に記載の処理装置。
【0113】
(3) 前記基地局は、前記端末から送信される信号を受信し、受信信号を復調する物理レイヤを含み、
前記物理レイヤは、前記第1レイヤと前記第2レイヤを含み、
前記第2レイヤは、前記合成信号をMACレイヤ信号に変換する、(1)又は(2)に記載の処理装置。
【0114】
(4) 前記割り当て情報を入力する入力部をさらに具備する、(1)乃至(3)のいずれかに記載の処理装置。
【0115】
(5) 前記処理部は、前記割り当て情報を取得し、前記割り当て情報を前記メモリに書き込む、(1)乃至(3)のいずれかに記載の処理装置。
【0116】
(6) 前記処理部は、前記物理レイヤ信号及び前記第2レイヤから前記第1レイヤへ送信される第2物理レイヤ信号の少なくとも一方から前記割り当て情報を取得する、(5)に記載の処理装置。
【0117】
(7) 前記処理部は、前記第2レイヤから前記割り当て情報を取得する、(5)に記載の処理装置。
【0118】
(8) 前記通信リソースは、時間であり、
前記割り当て情報は、複数の時刻を表し、
前記処理部は、
前記複数の時刻の中の一部の時刻を選択し、
前記第2制御信号を前記物理レイヤ信号に前記一部の時刻で加算する、(1)乃至(7)のいずれかに記載の処理装置。
【0119】
(9) 前記処理部は、時刻を選択するための選択信号を生成するサーバに接続され、前記選択信号に基づいて前記一部の時刻を選択する、(8)に記載の処理装置。
【0120】
(10) 前記処理部は、前記端末のデータ送信タイミングの推定結果に基づいて前記一部の時刻を選択する、(8)に記載の処理装置。
【0121】
(11) 前記処理部は、前記物理レイヤ信号及び前記第2レイヤから前記第1レイヤへ送信される第2物理レイヤ信号の少なくとも一方に基づいて前記端末のデータ送信タイミングを推定する推定部を具備する、(10)に記載の処理装置。
【0122】
(12) 前記基地局は、前記物理レイヤ信号及び前記第2レイヤから前記第1レイヤへ送信される第2物理レイヤ信号の少なくとも一方に基づいて前記端末のデータ送信タイミングを推定する推定部を具備し、
前記処理部は、前記推定部の推定結果に基づいて前記一部の時刻を選択する、(10)に記載の処理装置。
【0123】
(13) 前記基地局は、前記物理レイヤ信号及び前記第2レイヤから前記第1レイヤへ送信される第2物理レイヤ信号の少なくとも一方に基づいて前記端末のデータ送信タイミングを推定する推定部に接続され、
前記処理部は、前記推定部の推定結果に基づいて前記一部の時刻を選択する、(10)に記載の処理装置。
【0124】
(14) 前記処理部は、サーバに接続され、
前記サーバは、前記端末のデータ送信タイミングを推定する推定部を具備し、
前記処理部は、前記推定部の推定結果に基づいて前記一部の時刻を選択する、(10)に記載の処理装置。
【0125】
(15) 前記基地局は、RFレイヤとLow PHYレイヤを含むRadio Unitと、High PHYレイヤ、Low MACレイヤ、High MACレイヤ、Low RLCレイヤ、及びHigh RLCレイヤを含むDistibuted Unitと、を具備し、
前記Distibuted Unitは、前記処理部と前記第2レイヤを具備する、(1)乃至(13)のいずれかに記載の処理装置。
【0126】
(16) 前記基地局は、RFレイヤとLow PHYレイヤを含むRadio Unitと、High PHYレイヤ、Low MACレイヤ、High MACレイヤ、Low RLCレイヤ、及びHigh RLCレイヤを含むDistibuted Unitと、を具備し、
前記Radio Unitは、前記処理部と前記第1レイヤを具備する、(1)乃至(13)のいずれかに記載の処理装置。
【0127】
(17) 前記基地局は、RFレイヤとLow PHYレイヤを含むRadio Unitと、High PHYレイヤ、Low MACレイヤ、High MACレイヤ、Low RLCレイヤ、及びHigh RLCレイヤを含むDistibuted Unitと、を具備し
前記Distibuted Unitは、前記第2レイヤを具備し、
前記Radio Unitは、前記第1レイヤを具備し、
前記処理部は、前記Radio Unitと前記Distibuted Unitの間に接続される、(1)乃至(13)のいずれかに記載の処理装置。
【0128】
(18) (1)乃至(17)のいずれかに記載の処理装置と、
前記端末と通信する無線装置と、
コアネットワークと通信する通信装置と、
を具備する基地局。
【0129】
(19) (1)乃至(17)のいずれかに記載の処理装置と、
前記端末と通信する無線装置と、
コアネットワークと通信する通信装置と、
前記コアネットワークに接続されるサーバと、
を具備する通信システム。
【0130】
(20) 基地局に含まれる第1レイヤと第2レイヤとの間のインターフェースに配置される処理部と、
端末が第1制御信号を送信できる通信リソースを表す割り当て情報を記憶するメモリと、を具備する処理装置が実行する方法であって、
前記割り当て情報に基づいて第2制御信号を生成し、
前記割り当て情報に基づいて、前記第2制御信号を前記第1レイヤから入力された物理レイヤ信号に加算することにより、合成信号を生成し、
前記合成信号を前記第2レイヤへ送信する、方法。
【0131】
(21) 基地局に含まれる第1レイヤと第2レイヤとの間のインターフェースに配置される処理部と、
端末が第1制御信号を送信できる通信リソースを表す割り当て情報を記憶するメモリと、を具備する処理装置が実行するプログラムであって、
前記割り当て情報に基づいて第2制御信号を生成させ、
前記割り当て情報に基づいて、前記第2制御信号を前記第1レイヤから入力された物理レイヤ信号に加算することにより、合成信号を生成させ、
前記合成信号を前記第2レイヤへ送信させる、プログラム。
【0132】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0133】
10…無線アクセスネットワーク、12…コアネットワーク、16…サーバ、20…基地局、24…端末、32…第1レイヤ、34…第2レイヤ、36…信号処理部、42…割り当て情報管理部、44…制御信号生成部、46…合成部
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