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<図1>
  • 特開-車両用のシートベルト装置 図1
  • 特開-車両用のシートベルト装置 図2
  • 特開-車両用のシートベルト装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042490
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】車両用のシートベルト装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/12 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
B60R22/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147242
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 圭一
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 豊二
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018BA16
3D018CA09
3D018CB02
(57)【要約】
【課題】 車内の美観を高めるシートベルト装置を提供する。
【解決手段】 シートベルト装置は、シートベルトウェビングと、シートベルトウェビングの一端を車両の車体に固定するベルトアンカーとを備える。ベルトアンカーは、車体に取り付けられた内装パネルの裏側に位置している。シートベルトウェビングは、内装パネルに形成されたスリットを通過して、内装パネルの表側へと延びている。そして、シートベルトウェビングには、内装パネルの裏側からスリットに隣接する位置に、その剛性が部分的に高められた高剛性部が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のシートベルト装置であって、
シートベルトウェビングと、
前記シートベルトウェビングの一端を前記車両の車体に固定するベルトアンカーと、
を備え、
前記ベルトアンカーは、前記車体に取り付けられた内装パネルの裏側に位置しており、
前記シートベルトウェビングは、前記内装パネルに形成されたスリットを通過して、前記内装パネルの表側へと延びており、
前記シートベルトウェビングには、前記内装パネルの裏側から前記スリットに隣接する位置に、その剛性が局所的に高められた高剛性部が設けられている、
シートベルト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、車両用のシートベルト装置に関する。
【0002】
特許文献1に、車両用のシートベルト装置が記載されている。このシートベルト装置では、シートベルトウェビングの一端が、ベルトアンカーによって車体に固定されている。ベルトアンカーは、車体に取り付けられた内装パネルの裏側に位置しており、シートベルトウェビングは、内装パネルに形成されたスリットを通過して、内装パネルの表側へと延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-286338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シートベルトウェビングは、柔軟性を有することから、折れやしわが生じやすい。特に、内装パネルのスリットを通過する位置で、シートベルトウェビングに折れやしわが生じると、スリットに対してシートベルトウェビングが片寄ることがある。この場合、スリットを通じて内装パネルの裏側(例えば車体の板金等)が、ユーザによって意図せず視認されるおそれがある。本明細書は、このような問題を解決又は低減して、車内の美観を高めることのできる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する技術は、車両用のシートベルト装置に具現化される。このシートベルト装置は、シートベルトウェビングと、前記シートベルトウェビングの一端を前記車両の車体に固定するベルトアンカーとを備える。前記ベルトアンカーは、前記車体に取り付けられた内装パネルの裏側に位置している。前記シートベルトウェビングは、前記内装パネルに形成されたスリットを通過して、前記内装パネルの表側へと延びている。そして、前記シートベルトウェビングには、前記内装パネルの裏側から前記スリットに隣接する位置に、その剛性が局所的に高められた高剛性部が設けられている。
【0006】
上記した構成では、シートベルトウェビングに、折れやしわの発生を抑制する高剛性部が設けられている。特に、高剛性部は、内装パネルのスリットに隣接しているので、当該スリットを通過する位置において、シートベルトウェビングに折れやしわが生じることを効果的に抑制することができる。これにより、スリットに対してシートベルトウェビングが片寄ることがなく、例えば内装パネルの裏側が意図せず視認されることを避けることができる。また、高剛性部は、内装パネルの裏側に位置しているので、その存在がユーザによって認識され難く、ユーザに違和感を与えることも避けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例のシートベルト装置10を示す。
図2図1中のII-II線における断面図を示す。
図3】高剛性部13の変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して、実施例のシートベルト装置10について説明する。本実施例のシートベルト装置10は、車両用のシートベルト装置であって、車両のシート2に着座するユーザを拘束するための安全装置である。なお、シートベルト装置10が適用される車両の種類や、車両におけるシート2の位置については、特に限定されない。
【0009】
図1に示すように、シートベルト装置10は、シートベルトウェビング12と、シートベルトウェビング12に取り付けられたタングプレート14と、タングプレート14が着脱可能に固定されるバックル16とを備える。シートベルトウェビング12は、柔軟性を有するベルト状の部材であって、例えば合成繊維で構成されている。
【0010】
図2に示すように、シートベルト装置10は、ベルトアンカー18をさらに備える。ベルトアンカー18は、車内の内装パネル6の裏面6b側(以下、単に裏側という)に位置しており、シートベルトウェビング12の一端12aを車体4に固定している。シートベルトウェビング12は、その固定された一端12aから、内装パネル6に形成されたスリット8を通過して、内装パネル6の表面6a側(以下、単に表側という)へと延びている。なお、ここでいう内装パネル6の表面6aとは、ユーザが搭乗する車室に露出する面を意味し、裏面6bはその反対側に位置する面を意味する。
【0011】
前述したように、シートベルトウェビング12は柔軟性を有する。そのことから、シートベルトウェビング12には、折れやしわが生じやすい。特に、内装パネル6のスリット8を通過する位置で、シートベルトウェビング12に折れやしわが生じると、スリット8に対してシートベルトウェビング12が片寄ることがある。この場合、スリット8を通じて内装パネル6の裏側(例えば車体4の板金等)が、ユーザによって意図せず視認されるおそれがある(図2中の矢印E参照)。
【0012】
上記の問題に関して、本実施例のシートベルトウェビング12には、高剛性部13が設けられている。高剛性部13は、シートベルトウェビング12の剛性が、局所的に高められた部分である。このような高剛性部13を設けることで、その近傍ではシートベルトウェビング12の折れやしわを抑制することができる。特に、高剛性部13は、内装パネル6の裏側からスリット8に隣接している。従って、内装パネル6のスリット8を通過する位置において、シートベルトウェビング12に生じる折れやしわを、効果的に抑制することができる。これにより、スリット8に対してシートベルトウェビング12が片寄ることがなく、内装パネル6の裏側が意図せず視認されることを避けることができる。
【0013】
高剛性部13は、内装パネル6の表側に設けられてもよい。この場合でも、スリット8を通過する位置において、シートベルトウェビング12に生じる折れやしわを抑制することができる。但し、高剛性部13が内装パネル6の裏側に位置していると、その存在がユーザによって認識され難く、例えば美観や装着性の面でユーザに違和感を与えることを避けることができる。
【0014】
高剛性部13の具体的な構成は特に限定されない。一例ではあるが、本実施例における高剛性部13では、シートベルトウェビング12が折り返され、重ね縫いされることによって、その剛性が局所的に高められている。あるいは、図3に示すように、高剛性部13には、例えば樹脂で構成された補強部材13aが取り付けられてもよく、それによってシートベルトウェビング12の剛性が局所的に高められてもよい。
【符号の説明】
【0015】
2:シート、 4:車体、 6:内装パネル 、8:スリット、 10:シートベルト装置、 12:シートベルトウェビング、 13:高剛性部、 13a:補強部材、 14:タングプレート、 16:バックル、 18:ベルトアンカー
図1
図2
図3