(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042506
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 9/445 20180101AFI20240321BHJP
【FI】
G06F9/445
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147268
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉川 孝大
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AE47
(57)【要約】
【課題】インターネットやクラウドなどのオープンな環境に接続しない分散制御システム上のネットワーク環境において、自動で各HMIのデータの同期を行うこと。
【解決手段】情報処理装置10は、取得部12aとデータ同期部12bと決定部12cとを備える。取得部12aは、起動時に他のノードの起動状況について取得する。データ同期部12bは、自身が有するデータとマスターノードが有するデータとを同期する。決定部12cは、各ノードのノード番号と起動状況とからマスターノードを決定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム上に存在する他のノードの起動状況を取得する取得部と、
自身が有するデータとマスタ―ノードが有するデータとを同期するデータ同期部と、
各ノードのノード番号と前記他のノードの起動状況とに基づき、前記マスタ―ノードを決定する決定部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記決定部により、自身が前記マスタ―ノードと決定された場合、起動している前記他のノードに対しマスタ―ノード移行通知を行う通知部を有し、
前記データ同期部は、前記マスタ―ノード移行通知の受信に応じて、自身が有するデータと前記マスタ―ノードが有するデータとを同期する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データ同期部により同期されるデータをコンパイルしたときに、前記同期されるデータの複製を行う複製部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置で実行される情報処理工程であって、
システム上に存在する他のノードの起動状況を取得する取得工程と、
自身が有するデータとマスタ―ノードが有するデータとを同期するデータ同期工程と、
各ノードのノード番号と前記他のノードの起動状況とに基づき、前記マスタ―ノードを決定する決定工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
システム上に存在する他のノードの起動状況を取得する取得手順と、
自身が有するデータとマスタ―ノードが有するデータとを同期するデータ同期手順と、
各ノードのノード番号と前記他のノードの起動状況とに基づき、前記マスタ―ノードを決定する決定手順と、
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大規模プラントにおいて、複数のHMI(Human Machine Interface)が存在する場合があり、そのようなプラントでは、各HMIは画面ファイルの編集機能を有することで、ユーザーは任意のHMIで作業をすることができる。
【0003】
また、従来技術として、システム上の装置とクラウドシステムとの間のネットワークを同期時のみ接続することで、装置が有するデータとクラウド上のサーバが有するデータとを連携、同期するという技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来技術では、自動で各HMIのデータの同期を行うことができず、任意のHMIで作業をすると、どのHMIが最新の画面ファイルを有するかが分からないため、作業をする度に手動で画面ファイルをコピーする場合があるという課題があった。また、上記の従来技術では、同期時にはクラウドに接続するため、インターネットやクラウドなどのオープンな環境に接続しないクローズな分散制御システム上のネットワーク環境でデータの同期をすることができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、システム上に存在する他のノードの起動状況を取得する取得部と、自身が有するデータとマスタ―ノードが有するデータとを同期するデータ同期部と、各ノードのノード番号と他のノードの起動状況とに基づき、マスタ―ノードを決定する決定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、インターネットやクラウドなどのオープンな環境に接続しない分散制御システム上のネットワーク環境において、自動で各HMIのデータの同期を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、ノードが有する画面ファイル情報の具体例を示す図である。
【
図4】
図4は、ノードが有する画面ファイル情報の具体例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理の具体例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理の具体例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理の具体例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
〔1.システムの構成例〕
図1は、本実施形態に係る情報処理装置を含むシステムの構成を示す図である。
図1に示すシステムは、情報処理装置10と、マスターノードとなっている他のノード20と、情報処理装置10及び他のノード20とは異なる、他のノード30とを有する。なお、本実施形態に係る情報処理装置を含むシステムは、他のノード20及び30以外の任意の数の他のノードを含んでもよい。
【0011】
情報処理装置10は、起動時にシステム上に存在する他のノードの起動状況を取得し、自身が有するデータとマスターノードが有するデータとを同期する。そして、情報処理装置10は、取得した起動状況とノード番号とからマスターノードを決定する。
【0012】
情報処理装置10は、まず、起動時にシステム上に存在する他のノードの起動状況を取得する。例えば、情報処理装置10は、システム上において、他のノードが起動状態にあるか否かを、後述する通信部11を介して取得する。そして、情報処理装置10は、自身が有するデータとマスターノードが有するデータとを同期する。例えば、情報処理装置10は、自身が有するデータと、起動状況にありマスターノードとなっている他のノード20が有するデータとを比較し、最新の状態を共有する。
【0013】
その後、情報処理装置10は、取得した起動状況とノード番号とからマスターノードを決定する。例えば、情報処理装置10は、取得した他のノードの起動状況と、予め設定されたノード番号とから、自身を含めた起動状態にあるノードの中で、最もノード番号が小さいノードをマスターノードと決定する。
【0014】
他のノード20及び他のノード30は、情報処理装置10と同様の構成を有するHMIであり、情報処理装置10と他のノード20と他のノード30とは、互いに通信を行いそれぞれが有するデータを同期し、最新の状態のデータを共有する。
【0015】
〔2.情報処理装置10の構成〕
次に、
図2を参照し、
図1に示した情報処理装置10の構成を説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを有する。また、情報処理装置10と他のノード20及び他のノード30は有線又は無線により互いに通信可能に接続される。
【0016】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、他のノード20又は他のノード30と有線又は無線で接続され、他のノード20又は他のノード30との間で情報の送受信を行う。
【0017】
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部13は、制御部12による各種処理に必要なデータ及びプログラムを格納するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、他のノード情報記憶部13aと、マスターノード情報記憶部13bと、保存ファイル情報記憶部13cと共有ファイル情報記憶部13dとを有する。
【0018】
他のノード情報記憶部13aは、システム上に存在する他のノードに関する情報を記憶する。例えば、他のノード情報記憶部13aは、システム上に存在する他のノードのノード番号等の、システム上で起動されているノードを判別することができる情報や、他のノードの起動状況について記憶する。
【0019】
なお、ノード番号は、それぞれのノードについて、システム上において重複することのないHMIの識別番号として、本実施形態の情報処理が行われる前に予め設定されているものとする。
【0020】
マスターノード情報記憶部13bは、起動時におけるマスターノードとなっているノードの情報について記憶する。例えば、マスターノード情報記憶部13bは、起動時にマスターノードとなっているノードのノード番号や、後述するマスターノード決定処理によるマスターノード移行通知後のマスターノードのノード番号について記憶する。
【0021】
保存ファイル情報記憶部13cは、作成及び編集された画面ファイルに関する情報について記憶する。例えば、保存ファイル情報記憶部13cは、作成及び編集された画面ファイルのファイル名や改番情報、保存時刻等の情報について記憶する。
【0022】
共有ファイル情報記憶部13dは、作成及び編集後の画面ファイルについてコンパイル処理を行った後の画面ファイルに関する情報について記憶する。例えば、共有ファイル情報記憶部13dは、コンパイル処理を行った後の画面ファイルのファイル名や改番情報、コンパイル時刻等の情報を記憶する。
【0023】
なお、情報処理装置10は、データ同期の際に共有ファイル情報記憶部13dに記憶された画面ファイルを使用する。また、情報処理装置10は、作成及び編集した画面ファイルについてコンパイル処理をすることなく、保存ファイル情報記憶部13cに格納することは可能であるが、コンパイル処理をすることなく共有ファイル情報記憶部13dに格納することは不可能である。
【0024】
ここで、
図3を参照し、共有ファイル情報記憶部13dに記憶される画面ファイル情報の具体例について説明する。
図3は、ノードが有する画面ファイル情報の具体例を示す図である。共有ファイル情報記憶部13dは、画面ファイル情報として、ファイル名、改番情報、最終編集ノード、コンパイル時刻、保存時刻について記憶する。情報処理装置10は、各ファイルの改番情報及びコンパイル時刻を比較し、他のノードとデータ同期を行うことで、他のノードと最新のファイルを共有する。
【0025】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。制御部12は、取得部12aと、データ同期部12b、決定部12cとを有し、必要に応じて、通知部12dと複製部12eとを有してもよい。
【0026】
取得部12aは、システム上に存在する他のノードの起動状況を取得する。そして、取得部12aは、他のノードの起動状況を他のノード情報記憶部13aに格納する。例えば、取得部12aは、他のノード情報記憶部13aに記憶されている情報を参照し、起動時にシステム上に存在する他のノードが起動されているか否かの起動状況について取得し、他のノード情報記憶部13aに格納する。また、例えば、取得部12aはシステム上で起動されている他のノードの中で、マスターノードとなっている他のノードについての情報を取得し、マスターノード情報記憶部13bに格納する。
【0027】
データ同期部12bは、自身が有するデータとマスタ―ノードが有するデータとを同期する。例えば、データ同期部12bは、マスターノード情報記憶部13bに記憶されている情報を参照し、起動時にマスターノードに対し最新の画面ファイル情報を問い合わせ、共有ファイル情報記憶部13dに保存されている画面ファイル情報と照合する。
【0028】
そして、データ同期部12bは、マスターノードにより新しい画面ファイルが存在する場合、マスターノードにその画面ファイルを要求し、自身の画面ファイルと置き換える。一方、自身の共有ファイル情報記憶部13dに、マスターノードよりも新しい画面ファイルが記憶されている場合、データ同期部12bは、その画面ファイルをマスターノードに送る。
【0029】
ここで、
図4を参照し、データ同期部12bによる画面ファイルの照合方法について説明する。
図4は、ノードが有する画面ファイル情報の具体例を示す図である。
図4の例では、マスターノードの画面ファイル情報が上部に、他のノードであるノードXの画面ファイル情報が下部に示されている。この状態でノードXが立ち上がった場合、各画面ファイルについて下記の処理が行われる。
【0030】
まず、ファイル名「GrapA」は、マスターノードと改番情報及びコンパイル時刻が同一であるため、処理が行われない。次に、ファイル名「GrapB」は、マスターノードの方が改番情報及びコンパイル時刻が新しいため、マスターノードからノードXにコピーされ、置き換えられる。そして、ファイル名「GrapC」は、ノードXの方が改番情報及びコンパイル時刻が新しいため、ノードXからマスターノードへ送る。
【0031】
次に、ファイル名「GrapD」は、マスターノードには存在しノードXには存在しない画面ファイルであるため、マスターノードからノードXにコピーされる。そして、ファイル名「GrapE」はノードXには存在し、マスターノードには存在しない画面ファイルであるため、ノードXからマスターノードに送り、マスターノードは受信した「GrapE」を起動状態にある他のノードへ送る。
【0032】
また、データ同期部12bは、マスタ―ノード移行通知の受信に応じて、自身が有するデータとマスタ―ノードが有するデータとを同期してもよい。例えば、データ同期部12bは、情報処理装置10がマスターノード移行通知を受信した場合、移行後のマスターノードに対し、前述のデータ同期処理を行い、データ同期を行う。
【0033】
ここで、データ同期部12bは、自身がマスターノードである時に、他のノードから前述のデータ同期処理による画面ファイルが送られてきた場合、共有ファイル情報記憶部13dに記憶されている画面ファイルを更新後、起動状態にある他のノード全てに対して更新した画面ファイルの情報を通知する。そして、通知を受信した他のノードは、更新した画面ファイルについてデータ同期を行う。
【0034】
決定部12cは、各ノードのノード番号と他のノードの起動状況とに基づき、マスタ―ノードを決定する。例えば、決定部12cは、他のノード情報記憶部13aに記憶された他のノードの起動状況と、マスターノード情報記憶部13bに記憶された起動時におけるマスターノードとなっている他のノードのノード番号とにより、自身を含めた起動状態にあるノードの中で、最もノード番号が小さいノードをマスターノードとして決定する。なお、自身以外に起動状態にある他のノードが存在しない場合、自身をマスターノードとして決定する。
【0035】
通知部12dは、決定部12cにより、自身がマスタ―ノードと決定された場合、起動している他のノードに対しマスタ―ノード移行通知を行う。例えば、通知部12dは、前述の決定部12cの処理により、自身がマスターノードと決定された場合、起動状況にある他のノード全てに対し、マスターノードが自身に移行された旨の通知を行う。
【0036】
複製部12eは、データ同期部12bにより同期されるデータをコンパイルしたときに、同期されるデータの複製を行う。例えば、複製部12eは、情報処理装置10が画面ファイルをコンパイルし、共有ファイル情報記憶部13dに格納する際に、コンパイル後の画面ファイルを複製し、保存ファイル情報記憶部13cに格納する。
【0037】
〔3.情報処理の具体例〕
ここで、
図5から
図7を参照し、情報処理装置10による、データ同期処理からマスターノード決定処理及びマスタ―ノード移行通知処理を含む情報処理の具体例について説明する。
図5から
図7は、実施形態に係る情報処理の具体例を示す図である。
図5は、マスターノードが変更されない場合の処理内容を示す図であり、
図6及び
図7は、マスターノードが変更される場合の処理内容を示す図である。
【0038】
まず、
図5を参照し、マスターノードが変更されない場合の処理内容について説明する。取得部12aは、システム上で起動されている他のノードについての情報を記憶する。
図5の例では、情報処理装置10の起動時に他のノード20が起動されているため、取得部12aは、他のノード20が起動状態にあること及びマスターノードであることを取得する。
【0039】
次に、データ同期部12bは、自身のデータとマスターノードが有するデータとについてデータ同期を行う。
図5の例では、情報処理装置10のデータ同期部12bは、マスターノードである他のノード20に対しデータ同期を行う。
【0040】
その後、決定部12cは、ノード番号と起動状況とからマスターノードを決定する。
図5の例では、情報処理装置10のノード番号が「2」であり、他のノード20のノード番号が「1」である。よって、起動状況にある情報処理装置10と他のノード20の中で、最も小さいノード番号「1」を有する他のノード20がマスターノードであると決定される。そして、他のノード30が起動された場合は、同様にマスターノードである他のノード20と他のノード30との間で、データ同期処理及びマスターノード決定処理が行われる。
【0041】
次に、
図6及び
図7を参照し、マスターノードが変更される場合の処理内容について説明する。取得部12aは、システム上で起動されている他のノードについての情報を記憶する。
図6の例では、情報処理装置10の起動時に他のノード20及び他のノード30が起動されているため、取得部12aは、他のノード20及び他のノード30が起動状態にあること及び他のノード20がマスターノードであることを取得する。
【0042】
次に、データ同期部12bは、自身のデータとマスターノードが有するデータとについてデータ同期を行う。
図6の例では、情報処理装置10のデータ同期部12bは、マスターノードである他のノード20に対しデータ同期を行う。
【0043】
その後、決定部12cは、ノード番号と起動状況とからマスターノードを決定する。
図6の例では、情報処理装置10のノード番号が「1」であり、他のノード20のノード番号が「2」であり、他のノード30のノード番号が「3」である。よって、起動状況にある情報処理装置10と他のノード20と他のノード30との中で、最も小さいノード番号「1」を有する情報処理装置10がマスターノードであると決定される。
【0044】
そして、通知部12dは、他のノードに対しマスタ―ノード移行通知を行う。
図7の例では、マスターノードである情報処理装置10の通知部12dは、起動状態にある他のノード20及び他のノード30に対し、マスターノード移行通知を行う。
【0045】
その後、データ同期部12bは、マスターノード移行通知の受信に応じてデータ同期を行う。
図7の例では、マスターノード移行通知を受信した他のノード20及び他のノード30のそれぞれのデータ同期部12bは、移行後のマスターノードである情報処理装置10とそれぞれデータ同期を行う。
【0046】
〔4.情報処理装置の情報処理の一例〕
次に、
図8を用いて、情報処理装置10の情報処理について説明する。
図8は、実施形態に係る情報処理装置における情報処理の流れを示すフローチャートである。取得部12aは、例えば、システム上の他のノードの起動状況を受付ける(ステップS101)。
【0047】
取得部12aが、システム上の他のノードの起動状況を受付けた場合(ステップS101;Yes)、データ同期部12bは、マスターノードとデータ同期を行う(ステップS102)。一方、取得部12aは、システム上の他のノードの起動状況を受付けていない場合(ステップS101;No)、システム上の他のノードの起動状況を受付けるまで待機する。
【0048】
その後、決定部12cは、ノード番号と起動状況とに基づき、マスターノードを決定する(ステップS103)。そして、自身がマスターノードと決定された場合(ステップS104;Yes)、通知部12dは、マスターノード移行通知を行う(ステップS105)。一方、自身がマスタ―ノードと決定されていない場合(ステップS104;No)、情報処理装置10は処理を終了する。
【0049】
〔5.実施形態の効果〕
前述してきたように、本実施形態に係る情報処理装置10は、起動時に他のノードの起動状況について取得する取得部12aと、自身のデータとマスターノードのデータとを同期するデータ同期部12bと、ノード番号と起動状況とからマスターノードを決定する決定部12cとを有する。
【0050】
取得部12aは、起動時にシステム上に存在する他のノードの起動状況について取得する。また、データ同期部12bは、自身の有するデータと起動時にマスターノードとなっている他のノードが有するデータとを同期する。さらに、決定部12cは、システム上の他のノードの起動状況とノード番号とから、起動状態にあるノードの中で最もノード番号が小さいノードをマスターノードとして決定する。
【0051】
これにより、情報処理装置10は、クローズな環境の分散制御システム上のノードの一つであるマスターノードと、起動時にデータ同期を行うことにより、インターネットやクラウドなどのオープンな環境に接続しない分散制御システム上のネットワーク環境において、自動で各HMIのデータの同期を行うことができるという効果を奏する。
【0052】
また、情報処理装置10の通知部12dは、自身がマスターノード決定された場合、マスターノード移行通知を起動状態にある他のノードに通知し、情報処理装置10のデータ同期部12bは、マスターノード移行通知を受信した場合、自身のデータと移行後のマスターノードが有するデータとについて同期を行う。
【0053】
これにより、情報処理装置10は、マスターノードが移行された場合、起動状態の他のノードにマスターノードの変更があったことを通知することができ、移行通知によりデータ同期を行うことで、移行後のマスターノードと他のノードとが最新の状態のファイルを共有することができるという効果を奏する。
【0054】
さらに、情報処理装置10の複製部12eは、データ同期部12bにより同期されるデータがコンパイルされた時に、コンパイル後のデータを複製し保存ファイル情報記憶部13cに格納する。これにより、情報処理装置10は、コンパイル後のデータを別領域に保存することで、複数のノード上で同一のファイルについて編集していたことによりファイルの競合が発生した場合であっても、編集した状態の画面ファイルを復元することができるという効果を奏する。
【0055】
[6.ハードウェア構成]
前述した、実施形態に係る情報処理装置10は、例えば、
図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図9は、情報処理装置10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、補助記憶装置1400、通信I/F(インタフェース)1500、入出力I/F(インタフェース)1600が、バス1800により接続された形態を有する。
【0056】
CPU1100は、ROM1300又は補助記憶装置1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0057】
補助記憶装置1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、係るプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信I/F1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0058】
CPU1100は、入出力I/F1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入出力装置1700を制御する。CPU1100は、入出力I/F1600を介して、入出力装置1700からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータについて入出力I/F1600を介して入出力装置1700へ出力する。
【0059】
例えば、コンピュータ1000が本実施形態に係る情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部12の機能を実現する。
【0060】
[7.その他]
前述の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0061】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の通り構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0062】
前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0063】
また、前述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」等に読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【0064】
以上、本発明の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0065】
10 情報処理装置
11 通信部
12 制御部
12a 取得部
12b データ同期部
12c 決定部
12d 通知部
12e 複製部
13 記憶部
13a 他のノード情報記憶部
13b マスターノード情報記憶部
13c 保存ファイル情報記憶部
13d 共有ファイル情報記憶部
20 他のノード
30 他のノード