(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042547
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】カード位置決め方法及びカードリーダ
(51)【国際特許分類】
G06K 13/067 20060101AFI20240321BHJP
G06K 7/00 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
G06K13/067
G06K7/00 021
G06K7/00 069
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147327
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 宗政
(72)【発明者】
【氏名】北澤 康博
【テーマコード(参考)】
5B023
【Fターム(参考)】
5B023CA07
5B023FA03
(57)【要約】
【課題】搬送路内においてモータによりICカードを搬送するカードリーダにおいて、透明あるいは透光性を有する領域が設けられているICカードであってもICカードからのデータの読み出し位置にそのICカードを正確に位置づける。
【解決手段】カードリーダ10は、ICカード30の通信用端子32に電気的に接触するIC接点ブロック47と、搬送路40に設けられたいずれも光学センサである複数のセンサPD1,PD2,PD3,PDiとを備えている。ICカード30をIC接点ブロック47に対して位置決めするときに、挿入口41に挿入されたICカード30を搬送路40の最奥側まで搬送する第1の搬送工程と、第1の搬送工程ののち、搬送の方向を反転させ、その後、第1センサPD1がICカード30の挿入口41側の端部を検出したら、所定の距離だけICカード30をさらに搬送してから搬送を停止する第2の搬送工程と、を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信用端子を備えるICカードから少なくともデータを読み出すカードリーダにおけるカード位置決め方法であって、
前記カードリーダは、前記ICカードが当該ICカードの前端から挿入される挿入口を一端に備える搬送路と、前記搬送路に沿って設けられて前記ICカードを搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを駆動するモータと、前記ICカードの前記通信用端子に電気的に接触するIC接点ブロックと、前記ICカードの搬送の方向に沿って前記搬送路に設けられて前記ICカードを検出する複数のセンサと、を備え、
前記複数のセンサは、いずれも、搬送中の前記ICカードによって光路が遮断されたことを検出する光学センサであり、
前記複数のセンサのうちの第1センサは、前記搬送路に沿って前記IC接点ブロックよりも前記搬送路の前記一端の側となる位置に設けられており、
前記搬送路内での前記ICカードの位置であって前記通信用端子に対して前記IC接点ブロックに電気的に接触させることが可能な位置を通信位置として、前記搬送路内で前記ICカードを前記通信位置に対して位置決めするときに、
前記挿入口に挿入された前記ICカードを前記搬送路の他端に向けて前記搬送路に沿って搬送する第1の搬送工程と、
前記第1の搬送工程ののち、前記ICカードの搬送の方向を反転させ、その後、前記第1センサが前記ICカードの後端を検出したら、所定の距離だけ前記ICカードをさらに搬送してから搬送を停止する第2の搬送工程と、
を備える拡張位置決め処理を実行する、カード位置決め方法。
【請求項2】
前記ICカードは、前記ICカードの搬送の方向に沿って前記ICカードの前記前端から前記後端まで延びて形成された非透光性領域を有し、
前記第1センサは、前記非透光性領域に対応する位置において前記搬送路に設けられている、請求項1に記載のカード位置決め方法。
【請求項3】
前記複数のセンサのうちの第2センサは、前記第1センサよりも前記搬送路の前記他端の側となる位置であって、前記通信位置にある前記ICカードの前記前端に対応する位置に設けられている、請求項1または2に記載のカード位置決め方法。
【請求項4】
前記搬送路内で前記ICカードを前記通信位置に対して位置決めするときに、前記拡張位置決め処理と通常位置決め処理とのいずれかを選択して実行し、
前記通常位置決め処理は、
前記第1の搬送工程と、
前記第1の搬送工程ののち前記ICカードの搬送の方向を反転させ、その後、前記第2センサが前記ICカードの前記前端を検出したら搬送を停止する第3の搬送工程と、
を有する、請求項3に記載のカード位置決め方法。
【請求項5】
前記第1の搬送工程を実施しているときの前記複数のセンサの各々の出力の遷移パターンに基づいて、前記拡張位置決め処理と前記通常位置決め処理とのいずれかを選択する、請求項4に記載のカード位置決め方法。
【請求項6】
通信用端子を備えるICカードから少なくともデータを読み出すカードリーダであって、
前記ICカードが当該ICカードの前端から挿入される挿入口を一端に備える搬送路と、
前記搬送路に沿って設けられて前記ICカードを搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラを駆動するモータと、
前記ICカードの前記通信用端子に電気的に接触するIC接点ブロックと、
前記ICカードの搬送の方向に沿って前記搬送路に設けられて前記ICカードを検出する複数のセンサと、
前記複数のセンサの出力に基づいて前記モータを制御する制御部と、
を備え、
前記複数のセンサは、いずれも、搬送中の前記ICカードによって光路が遮断されたことを検出する光学センサであり、
前記複数のセンサのうちの第1センサは、前記搬送路に沿って前記IC接点ブロックよりも前記搬送路の前記一端の側となる位置に設けられており、
前記搬送路内での前記ICカードの位置であって前記通信用端子に対して前記IC接点ブロックに電気的に接触させることが可能な位置を通信位置として、前記制御部は、前記挿入口に挿入された前記ICカードを前記搬送路の他端に向けて前記搬送路に沿って搬送する第1の搬送工程と、前記第1の搬送工程ののち、前記ICカードの搬送の方向を反転させ、その後、前記第1センサが前記ICカードの後端を検出したら、所定の距離だけ前記ICカードをさらに搬送してから搬送を停止する第2の搬送工程と、を有する拡張位置決め処理を実行するように前記モータを制御して、前記搬送路内で前記ICカードを前記通信位置に位置決めする、カードリーダ。
【請求項7】
前記ICカードは前記ICカードの搬送の方向に沿って前記ICカードの前記前端から前記後端まで延びて形成された非透光性領域を有し、
前記第1センサは、前記非透光性領域に対応する位置において前記搬送路に設けられている、請求項6に記載のカードリーダ。
【請求項8】
前記複数のセンサのうちの第2センサは、前記第1センサよりも前記搬送路の前記他端の側となる位置であって、前記通信位置にある前記ICカードの前記前端に対応する位置に設けられている、請求項6または7に記載のカードリーダ。
【請求項9】
前記制御部は、前記搬送路内で前記ICカードを前記通信位置に対して位置決めするときに、前記拡張位置決め処理と通常位置決め処理とのいずれかを選択して実行し、
前記通常位置決め処理は、
前記第1の搬送工程と、
前記第1の搬送工程ののち前記ICカードの搬送の方向を反転させ、その後、前記第2センサが前記ICカードの前端を検出したら搬送を停止する第3の搬送工程と、
を有する、請求項8に記載のカードリーダ。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1の搬送工程を実施しているときの前記複数のセンサの各々の出力の遷移パターンに基づいて、前記拡張位置決め処理と前記通常位置決め処理とのいずれかを選択して実行する、請求項9に記載のカードリーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータによってカードを搬送するカードリーダにおけるカードの位置決め方法と、そのような位置決め方法を実施するカードリーダとに関する。
【背景技術】
【0002】
ICチップを内蔵したICカードは、クレジットカードなどに広く用いられている。ICカードに対してデータの読み書きを行うカードリーダでは、ICカードとの通信を行うために、ICチップの表面に露出している通信用の端子(接点)に対してカードリーダ側のIC接点ブロックを接触させて両者間での電気的な接続を確立する必要がある。IC接点ブロックには、ICチップ側の端子に対応した接点ピンが設けられている。カードリーダの挿入口にICカードが挿し込まれたときにモータによる駆動によってICカードをカードリーダの内部に取り込むモータ式のカードリーダでは、カードリーダ内の搬送路に沿ってICカードを搬送するときに、カードリーダ側のIC接点ブロックの位置にまでICカードを移動させて正確な位置でICカードを停止させる必要がある。このためカードリーダでは、搬送路に沿ってICカードの位置を検出するためのセンサが設けられる。このセンサとしては、ICカードによって光路が遮られたことを検出する光学センサが広く用いられている。ICカードの位置を検出するためのセンサとして光学センサを用いる場合には、センサの位置にICカードが存在するか否かだけでなく、センサの出力状態の変化を検出することによって、ICカードの端部がそのセンサの位置を通過したか否かを検出することができる。なお、ICカードでは、磁気カードとしても使用できるように磁気ストライプが設けられることが多い。
【0003】
ICカードの外形寸法、ICカードにおける通信用の端子の位置や磁気ストライプの位置はISO規格などの規格によって定められている。近年、ICカードのデザイン性の向上などのために、ICカードの外形寸法を変化させることなく、ICカードの一部を透明な材料(あるいは透光性を有する材料)によって形成することがある。透明部分あるいは透光部分を有するICカードに対してモータ式のカードリーダを用いてデータの読み書きを行う場合、透明(透光)部分が存在するためにカードリーダ内でのICカードの正確な位置を光学センサが検出できないことがあり、そのような場合には、ICカード側の通信用端子に対してカードリーダのIC接点ブロックが接触できなくなり、カードリーダとICカードとの通信が行えなくなることがある。
【0004】
ICチップの有無に係らず透明な部分を有するカードを検出することについての技術として、特許文献1は、透明な部分を有するカードの検出のために、カードリーダにおいて搬送路に沿って接触型のカード検知用センサを設けることを開示している。接触型のカード検知用センサは、例えば、搬送路内に突出するように付勢されていてカードによって押圧されることにより変位するカード検知部材と、カード検知部材に取り付けられた遮光板と、カード検知部材の変位によって移動した遮光板によって光路が遮断される光学センサとによって構成される。特許文献2,3は、搬送中のカードとの接触によって変位するローラと、ローラの変位を検知する光学センサとからなる検知部を用いてカード位置を検出することを開示している。また、ICチップの有無によらず磁気ストライプを有するカードでは磁気ストライプ部分は透明なあるいは透光性を有する部分とはならないので、特許文献4は、カードの移動に際して磁気ストライプ部分が通過することとなる位置に光学センサを配置することを開示している。
【0005】
特許文献5は、破損した部分や透明部分を有するICカードに対しても正常にカード処理を行えるようにするために、モータによってカードを搬送しているときにセンサがカードを検知したかを監視し、センサがカードを検知したときはその時点からタイマーをスタートさせてカードの搬送時間を計数し、搬送時間が所定値になった時点でカードの搬送を停止してICカードの通信用の端子に対してカードリーダ側のIC接点ブロックを接触させることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-199272号公報
【特許文献2】特開2016-115091号公報
【特許文献3】特開2017ー204309号公報
【特許文献4】特開2005-173947号公報
【特許文献5】特開2009-110280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1~3に開示された技術を適用すれば、透明部分または透光部分を有するICカードの正確な位置を検出することができ、ICカード側の通信用端子に対してカードリーダのIC接点ブロックを確実に接触させることができるが、これらの技術で用いる接触式のセンサは、カードによって遮光されることによりカードを検出する光学センサに比べてコストが高く、また、カードリーダ内においてセンサを配置する位置が制約される、という課題を有する。特許文献4に記載される技術も、カードリーダ内でICカードを位置決めするためには、カードリーダに既に設けられているセンサのほかに追加の光学センサを設けることが必要となるので、コスト上昇をもたらす。特許文献5に記載された技術は、センサでカードを検知することにより搬送時間の計時を開始するものであるが、透明部分を有するカードをセンサによってどのようにして正確に検知するかについては、特許文献5には記載されていない。
【0008】
本発明の目的は、搬送路内においてICカードがモータにより搬送されるカードリーダにおいて、透明あるいは透光性を有する領域が設けられているICモータであってもそのICカードの通信用端子をカードリーダ側のIC接点ブロックに正確に位置づけることができるカード位置決め方法と、そのようなカード位置決め方法を実施するカードリーダとを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様においてカード位置決め方法は、通信用端子を備えるICカードから少なくともデータを読み出すカードリーダにおけるカード位置決め方法であって、
カードリーダは、ICカードがそのICカードの前端から挿入される挿入口を一端に備える搬送路と、搬送路に沿って設けられてICカードを搬送する搬送ローラと、搬送ローラを駆動するモータと、ICカードの通信用端子に電気的に接触するIC接点ブロックと、ICカードの搬送の方向に沿って搬送路に設けられてICカードを検出する複数のセンサと、を備え、
複数のセンサは、いずれも、搬送中のICカードによって光路が遮断されたことを検出する光学センサであり、
複数のセンサのうちの第1センサは、搬送路に沿ってIC接点ブロックよりも搬送路の一端の側となる位置に設けられており、
搬送路内でのICカードの位置であって通信用端子に対してIC接点ブロックに電気的に接触させることが可能な位置を通信位置として、搬送路内でICカードを通信位置に対して位置決めするときに、
挿入口に挿入されたICカードを搬送路の他端に向けて搬送路に沿って搬送する第1の搬送工程と、
第1の搬送工程ののち、ICカードの搬送の方向を反転させ、その後、第1センサがICカードの後端を検出したら、所定の距離だけICカードをさらに搬送してから搬送を停止する第2の搬送工程と、
を備える拡張位置決め処理を実行する。
【0010】
一態様のカード位置決め方法では、第1センサによってICカードの後端(挿入口側の端部)を検出してから所定の距離だけICカードを搬送させてICカードを通信位置に位置決めするので、ICカードが通信位置にあることを直接検知するセンサが設けられているがICカードにおける透明領域などのためにそのセンサがICカードを適切に検出することができない場合であってもICカードを通信位置に正確に位置決めすることが可能になる。
【0011】
一態様のカード位置決め方法では、ICカードの搬送の方向に沿ってICカードの前端から後端まで延びて形成された非透光性領域をICカードが備える場合に、第1センサは、非透光性領域に対応する位置において搬送路に設けられていることが好ましい。ICカードにおいて前端から後端まで延びて形成された非透光性領域の例としては、ICカードに設けられている磁気ストライプが挙げられる。ICカードにおいてこのように非透光性領域が設けられている場合にその非透光性領域に対応させて第1センサを配置することによって、第1センサによりICカードの後端を正確に検出できるようになって通信位置にICカードを正確に位置決めすることが容易になる。
【0012】
一態様のカード位置決め方法では、複数のセンサのうちの第2センサは、一例として、第1センサよりも搬送路の他端の側となる位置であって、通信位置にあるICカードの前端に対応する位置に設けられている。このような第2センサは、既存の一般的なカードリーダにおいてICカードが通信位置にあるか否かを判定するために使用されるものである。したがって、この態様のカード位置決め方法は、既存の一般的なカードリーダにおいても使用できるものである。この場合、搬送路内でICカードを通信位置に対して位置決めするときに、上述した拡張位置決め処理と通常位置決め処理とのいずれかを選択して実行するようにしてもよい。通常位置決め処理は、既存の一般的なカードリーダにおいて行われる処理であって、上述した第1の搬送工程と、第1の搬送工程ののちICカードの搬送の方向を反転させ、その後、第2センサがICカードの前端を検出したら搬送を停止する第3の搬送工程と、を有する。拡張位置決め処理と通常位置決め処理とを選択できるようにすることによって、透明な領域を有しないことが分かっているICカードに対しては既存の通常位置決め処理を選択して実行することが可能になり、処理に伴う演算量などを削減することができる。さらに、第1の搬送工程を実施しているときの複数のセンサの各々の出力の遷移パターンに基づいて、拡張位置決め処理と通常位置決め処理とのいずれかを選択するよういしてもよい。このような選択を行うことによって、透明な領域を有するICカードに対しても透明な領域を有しないICカードに対しても、そのICカードを通信位置に位置決めする処理を最適化することができる。
【0013】
本発明の一態様においてカードリーダは、通信用端子を備えるICカードから少なくともデータを読み出すカードリーダであって、
ICカードがそのICカードの前端から挿入される挿入口を一端に備える搬送路と、
搬送路に沿って設けられてICカードを搬送する搬送ローラと、
搬送ローラを駆動するモータと、
ICカードの通信用端子に電気的に接触するIC接点ブロックと、
ICカードの搬送の方向に沿って搬送路に設けられてICカードを検出する複数のセンサと、
複数のセンサの出力に基づいてモータを制御する制御部と、
を備え、
複数のセンサは、いずれも、搬送中のICカードによって光路が遮断されたことを検出する光学センサであり、
複数のセンサのうちの第1センサは、搬送路に沿ってIC接点ブロックよりも搬送路の一端の側となる位置に設けられており、
搬送路内でのICカードの位置であって通信用端子に対してIC接点ブロックに電気的に接触させることが可能な位置を通信位置として、制御部は、挿入口に挿入されたICカードを搬送路の他端に向けて搬送路に沿って搬送する第1の搬送工程と、第1の搬送工程ののち、ICカードの搬送の方向を反転させ、その後、第1センサがICカードの後端を検出したら、所定の距離だけICカードをさらに搬送してから搬送を停止する第2の搬送工程と、を有する拡張位置決め処理を実行するようにモータを制御して、搬送路内でICカードを通信位置に位置決めする。
【0014】
一態様のカードリーダでは、制御部は、第1センサによってICカードの後端を検出してから所定の距離だけICカードを搬送させることにより、ICカードを通信位置に位置決めする。これにより、ICカードが通信位置にあることを直接検知するセンサが設けられているがICカードにおける透明領域などのためにそのセンサがICカードを適切に検出することができない場合であっても、ICカードを通信位置に正確に位置決めすることが可能になる。
【0015】
一態様のカードリーダでは、ICカードの搬送の方向に沿ってICカードの前端から後端まで延びて形成された例えば磁気ストライプなどである非透光性領域をICカードが備える場合に、第1センサは、非透光性領域に対応する位置において搬送路に設けられていることが好ましい。ICカードにおいてこのように非透光性領域が設けられている場合にその非透光性領域に対応させて第1センサを配置することによって、第1センサによりICカードの後端を正確に検出できるようになって通信位置にICカードを正確に位置決めすることが容易になる。
【0016】
一態様のカードリーダでは、複数のセンサのうちの第2センサは、一例として、第1センサよりも搬送路の他端の側となる位置であって、通信位置にあるICカードの前端に対応する位置に設けられている。このような第2センサは、一般的なカードリーダにおいてICカードが通信位置にあるか否かを判定するために使用されるものである。したがって、制御部が実行する処理に拡張位置決め処理を追加することによって、既存の一般的なカードリーダを本態様のカードリーダとすることができる。この場合、制御部は、搬送路内でICカードを通信位置に対して位置決めするときに、拡張位置決め処理と通常位置決め処理とのいずれかを選択して実行することができる。拡張位置決め処理と通常位置決め処理とを選択できるようにすることによって、透明な領域を有しないことが分かっているICカードに対しては既存の通常位置決め処理を選択して実行することが可能になり、処理に伴う演算量などを削減することができる。さらに制御部は、第1の搬送工程を実施しているときの複数のセンサの各々の出力の遷移パターンに基づいて、拡張位置決め処理と通常位置決め処理とのいずれかを選択するようにしてもよい。このような選択を行うことによって、透明な領域を有するICカードに対しても透明な領域を有しないICカードに対しても、そのICカードを通信位置に位置決めする処理を最適化することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、搬送路内においてモータによりICカードを搬送するカードリーダにおいて、透明あるいは透光性を有する領域が設けられているICカードであってもそのICカードの通信用端子をカードリーダ側のIC接点ブロックに正確に位置づけることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】(a),(b)は、それぞれ、本発明の実施の一形態のカードリーダを示す側面視断面図及び平面視断面図であり、(c)はICカードの搬送過程を示す模式図であり、(d)はICカードの一例を示す平面図である。
【
図2】カードリーダの構成を示すブロック図である。
【
図3】ICカードの搬送の制御を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の一形態のカードリーダを説明する図であって、(a),(b)はそれぞれ側面視断面図及び平面視断面図であり、(c)は拡張位置決め処理でのICカードの搬送過程を示す模式側面図であり、(d)はICカードの一例を示す平面図である。本実施形態のカードリーダ10が取り扱うICカード30は、略長方形の板状に形成されたものであってISO規格などに準拠した一般的なものであり、例えば磁気ストライプ31を備えるとともに、規格で定められた位置に、内蔵のICチップと電気的に接続する通信用端子32を有する。またICカード30には、透明であるか光を透過させる領域である透光性領域33が設けられている。磁気ストライプ31も通信用端子32も不透明であるから、透光性領域33は、磁気ストライプ31の形成領域と通信用端子32の形成領域とを除いた領域に設定されている。ICカード30の表面には、ICカード30をカードリーダ10に挿入するときの挿入方向を示す、挿入方向指示マーク34が印刷されている。本実施形態のカードリーダ10は、例えばATM(現金自動預け払い機:Automated Teller Machine)などの上位装置15(
図2参照)に搭載されて使用される。
【0020】
まず、カードリーダ10について説明する。カードリーダ10は、ICチップを内蔵するICカード30と通信してICカード30から少なくともデータの読み出しを行う。カードリーダ10において、ICカード30の長手方向がこのICカード30の搬送方向とされている。カードリーダ10にはICカード30が搬送される通路である直線状の搬送路40が、カードリーダ10の前後方向に延びるように設けられている。搬送路40の一端には挿入口41が形成されており、ATMなどの上位装置15にカードリーダ10を搭載したときに利用者が上位装置15の外部から挿入口41を介してカードリーダ10内にICカード30を挿入できるようになっている。挿入口41には、ICカード30が挿入されることを検出するカード検出スイッチ(不図示)が設けられている。
図1(a),(b)において、挿入口41からICカード30をカードリーダ10内に挿入するときのICカード30の挿入方向が矢印で示されている。
【0021】
搬送路40の両側には一対の側板であるガイド部43が設けられており、ガイド部43の相互の間隔が搬送路40における通路幅となっている。この通路幅は、ICカード30の幅と同じか若干大きくなっている。以下の説明において、カードリーダ10の手前側とは、搬送路40において挿入口41の側を意味し、カードリーダ10の奥側とは、挿入口41とは反対側を意味する。また、ICカード30に関し、前端とは、カードリーダ10に挿入されたときにカードリーダ10の奥側となる端部を意味し、後端とは、カードリーダ10の手前側となる端部を意味する。したがってICカード30は、カードリーダ10に挿入されるときは、前端側からカードリーダ10に挿入される。ICカード30の幅方向とは、カードリーダ10におけるICカード30の搬送方向とICカード30の厚さ方向との両方に直交する方向を意味する。
【0022】
搬送路40には、搬送路40の通路幅方向のほぼ中央の位置において、ICカード30の搬送方向に沿って、3組の搬送ローラが設けられている。挿入口41に最も近い搬送ローラは、搬送路40の上面側に設けられた駆動ローラ51aと搬送路40の下面側に設けられた従動ローラ51bからなり、挿入口41から最も遠い搬送ローラは、搬送路40の上面側に設けられた駆動ローラ53aと搬送路40の下面側に設けられた従動ローラ53bからなる。そしてこれらの搬送ローラのほぼ中間の位置に設けられた搬送ローラは、搬送路40の上面側に設けられた駆動ローラ52aと搬送路40の下面側に設けられた従動ローラ52bからなる。各搬送ローラは、駆動ローラ51a,52a,53aと従動ローラ51b,52b,53bとによってICカード30を挟み込んで送り出す機能を有する。駆動ローラ51a,52a,53aは、後述するようにモータ60の駆動力により回転し、従動ローラ51b,52b,53bは、駆動ローラ51a,52a,53aの回転に追従して、あるいは駆動ローラ51a,52a,53aの回転によって動くICカード30の摺動に追従して回転する。搬送路40の下面側には、ICカード30における磁気ストライプ31の位置に対応して磁気ヘッド46が設けられている。搬送路40の上面側には、ICカード30における通信用端子32の位置に対応してIC接点ブロック47が設けられている。
【0023】
搬送路40におけるICカード30の位置を検出するために、搬送路40に沿って4個のセンサPD1,PD2,PD3,PDiが設けられている。センサPD1は、搬送路40において手前側の位置であって、ICカード30の磁気ストライプ31に対応する位置に設けられている。図示した例では、ICカード30の搬送方向に沿って考えると、センサPD1は、駆動ローラ51aの位置よりは若干奥側に設けられている。センサPD3は、搬送路40において奥側の位置であって、ICカード30の磁気ストライプ31に対応する位置に設けられている。図示した例では、ICカード30の搬送方向に沿って考えると、センサPD3は、ほぼ駆動ローラ53aの位置にある。センサPD2は、センサPD1とセンサPD3とのほぼ中間の位置に設けられている。この位置では磁気ヘッド46が設けられているので、ICカード30の磁気ストライプ31の位置に対応してセンサPD2を設けることはできず、ICカード30の幅方向の中央側にずれた位置にセンサPD2が設けられている。図示した例では、ICカード30の搬送方向に沿って考えると、センサPD2は、ほぼ駆動ローラ53aの位置にある。センサPDiは、センサPD2よりも少し手前側の位置に設けられている。この位置でも磁気ヘッド48と干渉するため、ICカード30の磁気ストライプ31に対応する位置よりもICカード30の幅方向の中央側にずれた位置にセンサPDiが設けられている。搬送路40内でのICカード30の位置であって通信用端子32に対してIC接点ブロック47に電気的に接触させることが可能な位置を通信位置とすれば、センサPDiは、ICカード30が通信位置にあるときにそのセンサPDiによってICカード30の前端を検出できるように配置されている。ICカード30の搬送方向に沿ったセンサPDiとセンサPD1との間の距離Dは、ICカード30の長さL、すなわちICカード30における前端と後端との間の距離よりも短くなっている。センサPD1,PD2,PD3,PDiは、ICカード30によって光路が遮断されたことによってそのICカード30を検出できる光学センサによって構成されている。
【0024】
モータ60の駆動力を駆動ローラ51a,52a,53aに伝達する動力伝達部材は、歯付ベルト71,72を含んでいる。モータ60の出力はまず、モータ60の回転軸に取り付けられた歯車61と歯付ベルト71を介して、駆動ローラ52aを支持する軸体56に設けられた歯車部である大径歯車部56bに伝達される。軸体56には大径歯車部56bよりも小さな径の歯車部である小径歯車部56aも設けられており、小径歯車部56aは大径歯車部56bの回転に連動して回転する。駆動ローラ51aを支持する軸体55、及び駆動ローラ53aを支持する軸体57にもそれぞれ歯車部55a,57aが設けられている。駆動ローラ52aの軸体56の小径歯車部56aと、駆動ローラ51a及び駆動ローラ53aの軸体55,57の歯車部55a,57aとは、歯付ベルト72で連結されており、これらは互いに連動して回転する。駆動ローラ52aの前後には歯付ベルト72のテンショナー74,75が配置されており、これにより歯付ベルト72には一定の張力が付与されている。結局このカードリーダ10では、駆動ローラ51a,52a,53aはいずれも、単一のモータ60により駆動される。ここではカードリーダ10に設けられる搬送ローラすなわち駆動ローラと従動ローラとの組み合わせが3組であるものとしたが、搬送ローラの数は3組に限られるものではなく、2組以下あるいは4組以上であってもよい。なお、搬送路40の下面側にある従動ローラ51b,52b,53bは、搬送路40の上面側にある駆動ローラ51a,52a,53aによって隠されることになるので、
図1(b)には従動ローラ51b,52b,53bは描かれていない。
【0025】
図2は、電子機器としてのカードリーダ10の機能構成を示すブロック図である。カードリーダ10の全体的な動作制御を行なう制御部20が設けられており、制御部20は、カードリーダ10が搭載されるATMなどの上位装置15と通信を行うことができる。制御部20は、例えば、マイクロコンピュータあるいはマイクロプロセッサなどによって構成されてソフトウェアによって動作する。センサPD1,PD2,PD3,PDi、磁気ヘッド46及びIC接点ブロック47も制御部20に接続している。IC接点ブロック47は、通常時には搬送路40の上方に位置しているが、制御部20によって制御されるソレノイド(不図示)によって搬送路40側に押し出され、ICカード30の通信用端子32と電気的に接触して通信用端子32を介した通信を行なえるように構成されている。モータ60にはその回転軸に接続したエンコーダ62が付属しており、エンコーダ62によってモータ60の回転位置を検出できるようになっている。モータ60はDC(直流)モータであり、駆動回路21を介して制御部20によって制御される。制御部20は、モータ60に対する位置指令や電流指令(あるいはトルク指令)を駆動回路21に出力し、駆動回路21は、制御部20からの指令に基づいてサーボ制御によりモータ60を駆動する。サーボ制御のために、モータ60の回転位置情報がエンコーダ62から駆動回路21に入力する。モータ60の回転位置情報は、エンコーダ62から制御部20にも入力する。
【0026】
このカードリーダ10では、上位装置15からの指令により制御部20がモータ60の駆動を制御してカードリーダ10へのICカード30の取り込みや吐き出しを行い、また搬送路40上に位置するカードIC30に対するデータの読み書きを行う。磁気ヘッド46によるICカード30の磁気ストライプ31へのデータの読み書きや、IC接点ブロック47によりICカード30の通信用端子32を介したデータの読み書きを行うときは、搬送路40内でICカード30が適切な速度で搬送され、また、ICカード30が適切な位置すなわち上述した通信位置で停止するように制御を行なうことが必要である。制御部20で動作する制御するプログラムには、センサPD1,PD2,PD3,PDiでの検出結果に基づいてモータ60を制御し、ICカード30の搬送を制御するルーチンが含まれている。本実施形態のカードリーダ10は、磁気ヘッド46、IC接点ブロック47及びセンサPD1,PD2,PD3,PDiの配置に関していえば、磁気ストライプ31も設けられているICカード30に対してデータの読み書きを行う既存の一般的なカードリーダと同等のものである。
【0027】
図3は、ICカード30の搬送の制御のために制御部20が実行する処理を説明するフローチャートである。透光性領域33が設けられない一般的なICカード30の場合、センサPDiによってICカード30の前端を確実に制御することができる。そのような場合には、
図3において(a)で示す通常位置決め処理によってICカード30を搬送し、ICカード30の通信用端子32をカードリーダ10側のIC接点ブロック47に確実に位置付けることができる。通常位置決め処理では、制御部20は、ステップ101において、挿入口41に設けられているカード検出スイッチ(不図示)の出力を監視し、ICカード30が挿入口41に挿入されたことを検知するまで待ち合わせる。ICカード30の挿入が検知した場合、制御部20は、ステップ102において、モータ68を制御してICカード30をカードリーダ10内に取り込み、搬送路40に沿って奥側に最奥位置までICカード30を搬送し、その後、ステップ103において搬送方向を反転させ、ICカード30の手前側への搬送を開始する。そして制御部20はセンサPDiの出力を監視しており、ステップ104において、センサPDiがICカード30の前端を検出するまで待ち合わせる。ICカード30の前端を検出するまでは、手前側へのICカード30は継続している。
【0028】
ステップ104においてICカード30の前端が検知されたら、制御部20は、ステップ105において直ちにICカード30の搬送を停止する。この状態においてICカード30は通信位置に位置決めされたことになり、ICカード30の通信用端子32はカードリーダ10のIC接点ブロック47と真正面に向かい合う。制御部20は、ステップ106において、IC接点ブロック47を通信用端子32に接触させてICカード30との通信を開始する。ICカード30との通信が終了すれば、制御部20は、ステップ107において、IC接点ブロック47を搬送路40の上方へと後退させ、モータ68を駆動してICカード30さらに挿入口41の方に搬送してICカード30を挿入口41から排出させる。これにより通常位置決め処理によるICカード30の搬送が終了する。この通常位置決め処理は、既存の一般的なカードリーダにおいても制御部により実行される。
【0029】
透光性領域33が設けられない一般的なICカード30の場合、センサPDiによってICカード30の前端を検出することにより、上述した通常位置決め処理によって、搬送路40内で通信位置となるようにICカード30を正確に位置決めすることができる。しかしながら、
図1(d)に示すようにICカード30に透光性領域33が存在すると、センサPDiによってICカード30の前端の位置を正確には検出できなくなり、その結果、通信用端子32の位置がIC接点ブロック47に対応する位置からずれ、カードリーダ10においてICカード30との通信が行えなくなることがある。本実施形態のカードリーダ10では、透光性領域33を有するICカード30をIC接点ブロック47に対して正確に位置づけることができるようにするために、ICカード30の搬送の制御として拡張位置決め処理が設定されている。通常位置決め処理も拡張位置決め処理も、制御部20がソフトウェアプログラムを実行することによって実現される。
【0030】
図3(b)は拡張位置決め処理を示している。拡張位置決め処理において制御部20は、まず、通常位置決め処理のときのステップ101からステップ103の処理をそのまま実行する。ステップ103において搬送方向を反転させたとき、制御部20はセンサPD1の出力を監視しており、ステップ111において、センサPD1がICカード30の後端を検出するまで待ち合わせる。センサPD1は、ICカード30において透光性領域33とはなり得ない領域である磁気ストライプ31の形成領域に対応してカードリーダ10の搬送路40に設けられており、センサPD1によるICカード30の前端の検出は確実に行われる。ICカード30の後端を検出するまでは、手前側へのICカード30は継続している。
【0031】
センサPD1とセンサPDiとの間のICカード30の搬送方向に沿った距離Dは、ICカード30の長さLよりも短く、センサPD1がICカード30の後端を検出した時点でICカード30の前端はセンサPDiの位置よりも奥側にある。そこで制御部20は、ステップ111においてICカード30の後端を検出したら、ステップ112において、所定の距離だけICカード30を挿入口41の側に搬送してICカード30の搬送を停止する。ここでの所定の距離は、長さLから距離Dを減じたものに等しく、所定の距離だけICカード30を搬送することによって、ICカード30の前端はセンサPDiの位置まで移動する。この状態では、通常位置決め処理の場合と同様に、ICカード30は通信位置にある。そこで制御部20は、上述した通常位置決め処理において説明したステップ106とステップ107の処理を実行する。これにより拡張位置決め処理によるICカード30の搬送が終了する。
【0032】
図1(c)は、拡張位置決め処理でのICカード30の搬送過程を模式的に示したものである。
図1(c)の状態Aは、ステップ103においてICカード30の搬送方向が反転したときのカードリーダ10内でのICカード30の位置を示している。状態Bは、ステップ111においてセンサPD1によりICカード30の後縁を検出した状態を示しており、状態Cは、ステップ112において所定の距離だけICカード30を搬送し、ICカード30が通信位置にある状態を示している。
【0033】
本実施形態のカードリーダ10では、ICカード30との通信を行ってICカード30から少なくともデータの読み出しを行うために、通常位置決め処理と拡張位置決め処理とのいずれかの処理が実行される。どちらの処理を行うかは、上位装置15から制御部20に送られるコマンドによって指定することができる。例えば、上位装置15が特定の顧客向けのものであってその顧客が発行するICカード30には透光性領域33が設けられていないことが分かっているときは、通常位置決め処理を行うように上位装置15から制御部20にコマンドを送ることができる。逆に、顧客が発行するICカード30に透光性領域33が設けられていることが分かっているときは、拡張位置決め処理を行うように上位装置15から制御部20にコマンドを送ることができる。さらに上位装置15は、制御部20に対して通常位置決め処理を行うコマンドを送信したのち、制御部20から読み出し失敗の通知を受けた取ったときに、拡張位置決め処理を行うコマンドを制御部20に送信するようにしてもよい。また、ステップ102までの処理は通常位置決め処理と拡張異議決め処理とにおいて共通であるから、カードリーダ10側において制御部20が、ステップ102において最奥側までICカード30を搬送するときにセンサPD1,PD2,PD3,PDiの各々の検出結果を監視して各センサからの検出結果の遷移を解析し、透光性領域33が設けられていないICカード30に想定される遷移パターンと同じ遷移パターンが得られたときには通常位置決め処理を実行し、異なる遷移パターンが得られたときには拡張位置決め処理を実行するようにしてもよい。
【0034】
以上説明した本実施形態のカードリーダ10によれば、ICカード30の位置の検出を行うセンサPD1,PD2,PD3,PDiとして安価で構成の簡単な光学センサを使用しつつ、透明な領域あるいは透光性のある領域を有するICカード30をIC接点ブロック47の位置に正確に位置付けることができて、ICカード30に対するデータの読み書きを正常に行うことができるようになる。
【符号の説明】
【0035】
10…カードリーダ;15…上位装置;20…制御部;21…駆動回路;30…ICカード;31…磁気ストライプ;32…通信用端子;33…透光性領域;34…挿入方向指示マーク;40…搬送路;41…挿入口;43…ガイド部;46…磁気ヘッド;47…IC接点ブロック;51a,52a,53a…駆動ローラ;51b,52b,53b…従動ローラ;60…モータ;62…エンコーダ;PD1,PD2,PD3,PDi…センサ。