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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042554
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240321BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20240321BHJP
   H01C 17/28 20060101ALI20240321BHJP
   H01C 1/142 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
H01G4/30 517
H01G4/30 311Z
H01G4/30 201H
H01G4/228 W
H01C17/28
H01C1/142
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147339
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 広祐
(72)【発明者】
【氏名】山本 正継
(72)【発明者】
【氏名】礒前 雄人
【テーマコード(参考)】
5E001
5E028
5E032
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC09
5E001AE01
5E001AE02
5E001AE03
5E001AF01
5E001AF06
5E001AJ03
5E028JA12
5E032CC11
5E082AA02
5E082AB03
5E082BC19
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG08
5E082GG11
5E082GG28
5E082JJ03
5E082JJ12
5E082JJ23
(57)【要約】
【課題】電気的特性の劣化を抑制し得る電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】電子部品の製造方法は、素体と、素体上で第一方向で互いに対向している一対の外部電極と、をそれぞれ有する複数の電子部品本体を準備することと、一対の金属端子を準備することと、複数の電子部品本体が有する素体が第一方向と交差する第二方向で互いに隣り合うように複数の電子部品本体を並べた状態で、フラックスを用い、かつ、はんだを加熱して、一対の金属端子のそれぞれと、複数の電子部品本体それぞれの一対の外部電極のうち、対応する外部電極とのはんだ接合を行うことと、はんだ接合を行うときに、複数の電子部品本体が有する素体の間に存在するフラックスを除去すること、を含む。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素体と、前記素体上で第一方向で互いに対向している一対の外部電極と、をそれぞれ有する複数の電子部品本体を準備することと、
一対の金属端子を準備することと、
前記複数の電子部品本体が有する前記素体が前記第一方向と交差する第二方向で互いに隣り合うように前記複数の電子部品本体を並べた状態で、フラックスを用い、かつ、はんだを加熱して、前記一対の金属端子のそれぞれと、前記複数の電子部品本体それぞれの前記一対の外部電極のうち、対応する外部電極とのはんだ接合を行うことと、
前記はんだ接合を行うときに、前記複数の電子部品本体が有する前記素体の間に存在する前記フラックスを除去すること、を含む、電子部品の製造方法。
【請求項2】
前記フラックスを除去することは、前記素体の間で流体を移動させることを含む、請求項1に記載の電子部品の製造方法。
【請求項3】
前記流体を移動させることは、前記素体の間に流体を吐出すること、又は、前記素体の間に存在する流体を吸引することの少なくとも一方を含む、請求項2に記載の電子部品の製造方法。
【請求項4】
前記素体の間に前記流体を吐出することは、流体を吐出するノズルを用いて、前記ノズルの開口が前記素体の間の空間に臨むように前記ノズルを前記素体のそれぞれに当接させた状態で、前記素体の間に前記流体を吐出することを含む、請求項3に記載の電子部品の製造方法。
【請求項5】
前記素体の間に存在する前記流体を吸引することは、流体を吸引するノズルを用いて、前記ノズルの開口が前記素体の間の空間に臨むように前記ノズルを前記素体のそれぞれに当接させた状態で、前記素体の間に存在する前記流体を吸引することを含む、請求項3に記載の電子部品の製造方法。
【請求項6】
前記流体を移動させることは、前記素体の間の空間の一方の開口から前記素体の間に流体を吐出すると共に、前記素体の間の空間の他方の開口から前記素体の間に存在する流体を吸引することを含む、請求項3に記載の電子部品の製造方法。
【請求項7】
前記複数の電子部品本体を準備することは、前記素体と前記一対の外部電極とをそれぞれ有する第一電子部品本体、第二電子部品本体、及び第三電子部品本体を少なくとも準備することを含み、
前記はんだ接合を行うことは、前記第一電子部品本体が有する前記素体と前記第二電子部品本体が有する前記素体とが前記第二方向で互いに隣り合うと共に前記第二電子部品本体が有する前記素体と前記第三電子部品本体が有する前記素体とが前記第二方向で互いに隣り合うように前記第一電子部品本体、前記第二電子部品本体、及び前記第三電子部品本体を並べることを含み、
前記フラックスを除去することは、流体を吐出するノズルを用いて、
前記ノズルの開口が、前記第一電子部品本体が有する前記素体と前記第二電子部品本体が有する前記素体との間の空間と前記第二電子部品本体が有する前記素体と前記第三電子部品本体が有する前記素体との間の空間とに臨むように、前記ノズルを位置させることと、
それぞれの前記空間に前記ノズルの前記開口から前記流体を吐出することを含む、請求項3に記載の電子部品の製造方法。
【請求項8】
前記複数の電子部品本体を準備することは、前記素体と前記一対の外部電極とをそれぞれ有する第一電子部品本体、第二電子部品本体、及び第三電子部品本体を少なくとも準備することを含み、
前記はんだ接合を行うことは、前記第一電子部品本体が有する前記素体と前記第二電子部品本体が有する前記素体とが前記第二方向で互いに隣り合うと共に前記第二電子部品本体が有する前記素体と前記第三電子部品本体が有する前記素体とが前記第二方向で互いに隣り合うように前記第一電子部品本体、前記第二電子部品本体、及び前記第三電子部品本体を並べることを含み、
前記フラックスを除去することは、流体を吸引するノズルを用いて、
前記ノズルの開口が、前記第一電子部品本体が有する前記素体と前記第二電子部品本体が有する前記素体との間の空間と前記第二電子部品本体が有する前記素体と前記第三電子部品本体が有する前記素体との間の空間とに臨むように、前記ノズルを位置させることと、
それぞれの前記空間に存在する前記流体を前記ノズルの前記開口から吸引することを含む、請求項3に記載の電子部品の製造方法。
【請求項9】
前記一対の金属端子を準備することは、前記対応する外部電極に接続される第一部分と、前記第一方向と前記第二方向とに交差する第三方向に前記第一部分から延在する第二部分と、をそれぞれ有する一対の金属端子を準備することを含み、
前記流体を移動させることは、前記素体の間の空間の、前記第三方向とは反対の方向の開口から、前記素体の間に流体を吐出すること、又は、前記素体の間に存在する流体を吸引することのいずれか一方を含む、請求項2に記載の電子部品の製造方法。
【請求項10】
前記はんだ接合を行うことは、前記金属端子に加熱部材を接触させて前記金属端子を加熱することにより、前記金属端子を通して前記はんだを加熱することを含む、請求項1に記載の電子部品の製造方法。
【請求項11】
前記フラックスを除去することは、前記素体の間で加熱された流体を移動させることを含む、請求項10に記載の電子部品の製造方法。
【請求項12】
前記はんだ接合を行うことは、前記はんだと前記フラックスとを含むはんだペーストを用いてはんだ接合を行うことを含む、請求項1に記載の電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
知られている電子部品は、複数の電子部品本体と、一対の金属端子と、を備える(たとえば、特許文献1参照)。複数の電子部品本体のそれぞれは、素体と、素体上で第一方向で互いに対向している一対の外部電極を有する。複数の電子部品本体は、複数の電子部品本体が有する素体が第一方向と交差する第二方向で互いに隣り合うように、並んでいる。一対の金属端子は、複数の電子部品本体のそれぞれの一対の外部電極のうち、対応する外部電極にはんだ接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-3837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一対の金属端子と外部電極とのはんだ接合には、通常、フラックスが用いられる。フラックスは、はんだを加熱する際の熱により、軟化する。はんだ接合の際に、軟化したフラックスが、互いに隣り合う素体の間の空間を拡がることがある。たとえば、素体の間隔が小さい構成では、素体の間隔が大きい構成に比して、軟化したフラックスが、素体の間の空間を拡がる傾向がある。素体の間の空間を拡がったフラックスは、一対の外部電極に接触することがある。一対の外部電極に接触したフラックスは、一対の外部電極の間での絶縁抵抗を低下させるおそれがある。一対の外部電極の間での絶縁抵抗の低下は、電子部品の電気的特性を劣化させ得る。
【0005】
本発明の一つの態様は、電気的特性の劣化を抑制し得る電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様に係る電子部品の製造方法は、素体と、素体上で第一方向で互いに対向している一対の外部電極と、をそれぞれ有する複数の電子部品本体を準備することと、一対の金属端子を準備すること、とを含む。この製造方法は、複数の電子部品本体が有する素体が第一方向と交差する第二方向で互いに隣り合うように複数の電子部品本体を並べた状態で、フラックスを用い、かつ、はんだを加熱して、一対の金属端子のそれぞれと、複数の電子部品本体それぞれの一対の外部電極のうち、対応する外部電極とのはんだ接合を行うことを含む。この製造方法は、はんだ接合を行うときに、複数の電子部品本体が有する素体の間に存在するフラックスを除去することを含む。
【0007】
上記一つの態様では、一対の金属端子のそれぞれと、上記対応する外部電極とのはんだ接合を行うときに、素体の間に存在するフラックスが除去される。上記一つの態様により得られる電子部品では、フラックスが素体の間に存在しがたい。したがって、上記一つの態様によれば、電気的特性の劣化を抑制し得る電子部品が得られる。
【0008】
上記一つの態様では、フラックスを除去することは、素体の間で流体を移動させることを含んでいてもよい。
フラックスを除去することが素体の間で流体を移動させることを含む場合、素体の間に存在するフラックスが確実に除去される。この場合、電気的特性の劣化を抑制し得る電子部品が確実に得られる。
【0009】
上記一つの態様では、流体を移動させることは、素体の間に流体を吐出すること、又は、素体の間に存在する流体を吸引することの少なくとも一方を含んでいてもよい。
流体を移動させることが、素体の間に流体を吐出すること、又は、素体の間に存在する流体を吸引することの少なくとも一方を含む場合、流体が素体の間で確実に移動する。この場合、素体の間に存在するフラックスがより一層確実に除去されるので、電気的特性の劣化を抑制し得る電子部品がより一層確実に得られる。
【0010】
上記一つの態様では、素体の間に流体を吐出することは、流体を吐出するノズルを用いて、ノズルの開口が素体の間の空間に臨むようにノズルを素体のそれぞれに当接させた状態で、素体の間に流体を吐出することを含んでいてもよい。
素体の間に流体を吐出することが、流体を吐出するノズルを用いて、ノズルの開口が素体の間の空間に臨むようにノズルを素体のそれぞれに当接させた状態で、素体の間に流体を吐出することを含む場合、流体が素体の間に確実に吐出される。
【0011】
上記一つの態様では、素体の間に存在する流体を吸引することは、流体を吸引するノズルを用いて、ノズルの開口が素体の間の空間に臨むようにノズルを素体のそれぞれに当接させた状態で、素体の間に存在する流体を吸引することを含んでいてもよい。
素体の間に存在する流体を吸引することが、流体を吸引するノズルを用いて、ノズルの開口が素体の間の空間に臨むようにノズルを素体のそれぞれに当接させた状態で、素体の間に存在する流体を吸引することを含む場合、素体の間に存在する流体が確実に吸引される。
【0012】
上記一つの態様では、流体を移動させることは、素体の間の空間の一方の開口から素体の間に流体を吐出すると共に、素体の間の空間の他方の開口から素体の間に存在する流体を吸引することを含んでいてもよい。
流体を移動させることが、素体の間の空間の一方の開口から素体の間に流体を吐出すると共に、素体の間の空間の他方の開口から素体の間に存在する流体を吸引することを含む場合、流体が素体の間で移動する方向が定まりやすい。この場合、流体が、上記一方の開口から上記他方の開口に向かう方向に素体の間を移動しやすいので、フラックスが確実に除去される。
【0013】
上記一つの態様では、複数の電子部品本体を準備することは、素体と一対の外部電極とをそれぞれ有する第一電子部品本体、第二電子部品本体、及び第三電子部品本体を少なくとも準備することを含んでいてもよい。はんだ接合を行うことは、第一電子部品本体が有する素体と第二電子部品本体が有する素体とが第二方向で互いに隣り合うと共に第二電子部品本体が有する素体と第三電子部品本体が有する素体とが第二方向で互いに隣り合うように第一電子部品本体、第二電子部品本体、及び第三電子部品本体を並べることを含んでいてもよい。フラックスを除去することは、流体を吐出するノズルを用いて、ノズルの開口が、第一電子部品本体が有する素体と第二電子部品本体が有する素体との間の空間と第二電子部品本体が有する素体と第三電子部品本体が有する素体との間の空間とに臨むように、ノズルを位置させることと、それぞれの空間にノズルの開口から流体を吐出することを含んでいてもよい。
第一電子部品本体、第二電子部品本体、及び第三電子部品本体が少なくとも準備される場合、素体の間の空間の数は、少なくとも二つである。以下では、第一電子部品本体が有する素体と第二電子部品本体が有する素体との空間は、「第一空間」と称され、第二電子部品本体が有する素体と第三電子部品本体が有する素体との空間は、「第二空間」と称されることがある。
開口が第一空間と第二空間とに臨むようにノズルを位置させる場合、複数の開口が第一空間及び第二空間のうち対応する空間に臨むようにノズルを位置させる場合と比して、流体が、第一空間及び第二空間に効率的に吐出される。
【0014】
上記一つの態様では、複数の電子部品本体を準備することは、素体と一対の外部電極とをそれぞれ有する第一電子部品本体、第二電子部品本体、及び第三電子部品本体を少なくとも準備することを含んでいてもよい。はんだ接合を行うことは、第一電子部品本体が有する素体と第二電子部品本体が有する素体とが第二方向で互いに隣り合うと共に第二電子部品本体が有する素体と第三電子部品本体が有する素体とが第二方向で互いに隣り合うように第一電子部品本体、第二電子部品本体、及び第三電子部品本体を並べることを含んでいてもよい。フラックスを除去することは、流体を吸引するノズルを用いて、ノズルの開口が、第一電子部品本体が有する素体と第二電子部品本体が有する素体との間の空間と第二電子部品本体が有する素体と第三電子部品本体が有する素体との間の空間とに臨むように、ノズルを位置させることと、それぞれの空間に存在する流体をノズルの開口から吸引することを含んでいてもよい。
開口が第一空間と第二空間とに臨むようにノズルを位置させる場合、複数の開口が第一空間及び第二空間のうち対応する空間に臨むようにノズルを位置させる場合と比して、第一空間と第二空間とのそれぞれに存在する流体が、効率的に吸引される。
【0015】
上記一つの態様では、一対の金属端子を準備することは、対応する外部電極に接続される第一部分と、第一方向と第二方向とに交差する第三方向に第一部分から延在する第二部分と、をそれぞれ有する一対の金属端子を準備することを含んでいてもよい。流体を移動させることは、素体の間の空間の、第三方向とは反対の方向の開口から、素体の間に流体を吐出すること、又は、素体の間に存在する流体を吸引することのいずれか一方を含んでいてもよい。
流体を移動させることが、素体の間の空間の、第三方向とは反対の方向の開口から、素体の間に流体を吐出することを含む場合、第二部分が、流体を吐出することを阻害しがたい。この場合、流体が素体の間の空間に確実に吐出される。
流体を移動させることが、素体の間の空間の、第三方向とは反対の方向の開口から、素体の間に存在する流体を吸引することを含む場合、第二部分が、流体を吸引することを阻害しがたい。この場合、流体が素体の間の空間から確実に吸引される。
【0016】
上記一つの態様では、はんだ接合を行うことは、金属端子に加熱部材を接触させて金属端子を加熱することにより、金属端子を通してはんだを加熱することを含んでいてもよい。
はんだ接合を行うことが、金属端子に加熱部材を接触させて金属端子を加熱することにより、金属端子を通してはんだを加熱することを含む場合、金属端子と上記対応する外部電極とが容易にはんだ接合される。
【0017】
上記一つの態様では、フラックスを除去することは、素体の間で加熱された流体を移動させることを含んでいてもよい。
フラックスを除去することが、素体の間に加熱された流体を移動させることを含む場合、外部電極と素体との間に温度差が生じがたい。この場合、熱衝撃が電子部品本体に作用しがたい。
【0018】
上記一つの態様では、はんだ接合を行うことは、はんだとフラックスとを含むはんだペーストを用いてはんだ接合を行うことを含んでいてもよい。
はんだ接合を行うことがはんだとフラックスとを含むはんだペーストを用いてはんだ接合を行うことを含む場合、金属端子と上記対応する外部電極とが容易にはんだ接合される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一つの態様は、電気的特性の劣化を抑制し得る電子部品の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、一実施形態に係る電子部品の製造方法により製造される電子部品の斜視図である。
図2図2は、電子部品の断面構成を示す図である。
図3図3は、電子部品の側面図である。
図4図4は、本実施形態に係る電子部品の製造方法を示すフローチャートである。
図5図5は、電子部品と加熱部材とノズルとの構成を示す図である。
図6図6は、電子部品とノズルとの構成を示す図である。
図7図7は、電子部品とノズルとの構成を示す図である。
図8図8は、電子部品と加熱部材とノズルとの構成を示す図である。
図9図9は、変形例に係る電子部品の製造方法により製造される電子部品の斜視図である。
図10図10は、電子部品とノズルとの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0022】
図1図3を参照して、本実施形態に係る電子部品の製造方法により製造される電子部品1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る電子部品の製造方法により製造される電子部品の斜視図である。図2は、電子部品の断面構成を示す図である。図3は、電子部品の側面図である。
【0023】
図1図3に示されるように、電子部品1は、複数の電子部品本体3と、一対の金属端子5と、複数のはんだ7と、を備えている。本実施形態では、電子部品1は、2つの電子部品本体3と、4つのはんだ7と、を備えている。本実施形態では、電子部品本体3は、積層コンデンサである。電子部品1において、複数の電子部品本体3は、方向D2に間隔を有して、互いに隣り合うように並べられている。複数の電子部品本体3は、方向D2に沿って配列されている。電子部品1は、たとえば、不図示の電子機器に実装される。電子部品1が実装される電子機器は、たとえば、回路基板又は別の電子部品を含む。
【0024】
図1図3に示されるように、電子部品本体3は、素体31と、複数の内部電極33,35と、一対の外部電極37と、を有している。
素体31は、直方体形状を呈している。直方体形状は、たとえば、角部及び稜線部が面取されている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含んでいる。素体31は、一対の端面31aと、一対の側面31cと、一対の側面31eとを含んでいている。一対の端面31aは、方向D1で互いに対向している。一対の側面31cは、方向D2で互いに対向している。一対の側面31eは、方向D3で互いに対向している。一対の端面31a、一対の側面31c、及び一対の側面31eは、素体31の外表面を構成している。一対の側面31c及び一対の側面31eは、それぞれ一対の端面31aと隣り合うと共に、一対の端面31aを接続するように方向D1に延在している。
【0025】
方向D1は、素体31の長さ方向であり、方向D2は、素体31の幅方向であり、方向D3は、素体31の高さ方向である。各素体31の長さは、たとえば、4.0mm以上8.0mm以下である。各素体31の幅は、たとえば、2.0mm以上3.2mm以下である。各素体31の高さは、たとえば、4.0mm以上6.5mm以下である。本実施形態では、素体31の長さは、5.7mmであり、素体31の幅は、2.5mmであり、素体31の高さは、5.0mmである。
【0026】
素体31は、不図示の複数の誘電体層が積層されて構成されている。素体31は、積層された複数の誘電体層を含んでいる。各誘電体層は、たとえば、誘電体材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成されている。誘電体材料は、たとえば、BaTiO系、Ba(Ti,Zr)O系、(Ba,Ca)TiO系、CaZrO系、又は(Ca,Sr)ZrO系の誘電体セラミックである。各誘電体層は、各誘電体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
【0027】
上述したように、電子部品1において、複数の電子部品本体3は、方向D2に間隔を有して、隣り合うように並べられている。互いに隣り合う二つの電子部品本体3は、それぞれの側面31cが互いに対向するように、配置されている。したがって、互いに隣り合う電子部品本体3が有する素体31も、方向D2に間隔を有して、並べられている。互いに隣り合う素体31の間には、方向D2における間隔に対応した、空間Sが画成されている。空間Sは、互いに隣り合う素体31の側面31cによって、画成されている。
互いに隣り合う素体31の間隔は、たとえば、0.01mm以上0.5mm以下である。本実施形態では、互いに隣り合う素体31の間隔は、0.1mmである。
【0028】
図2に示されるように、複数の内部電極33,35は、素体31の内部に配置されている。各内部電極33,35は、素体31内に配置されている内部導体である。内部電極33と内部電極35とは、方向D2において異なる位置に配置されている。内部電極33と内部電極35とは、素体31内において、方向D2に間隔を有して対向するように交互に配置されている。内部電極33と内部電極35とは、素体31内において、方向D3に間隔を有して対向するように交互に配置されていてもよい。内部電極33と内部電極35とは、互いに極性が異なる。内部電極33,35の一端は、対応する端面31aに露出している。内部電極33,35は、一対の端面31aのうち対応する端面31aに露出している一端を有している。
内部電極33,35は、導電性材料を含む。導電性材料は、たとえば、Cu、Ni又はSnを含む。内部電極33,35は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。
【0029】
一対の外部電極37は、素体31上で方向D1で互いに対向している。一対の外部電極37は、方向D1で互いに離間している。外部電極37は、素体31の端面31a側の端部に配置されている。外部電極37は、端面31aに配置されている。外部電極37は、一対の側面31c及び一対の側面31eの各一部にも配置されている。側面31cの、外部電極37が配置されている一部は、端面31a寄りに位置している。側面31eの、外部電極37が配置されている一部は、端面31a寄りに位置している。外部電極37は、端面31aの全面と、一対の側面31c及び一対の側面31eの端面31a寄りの端部とに、配置されている。外部電極37は、一つの端面31a、一対の側面31c、及び一対の側面31eの五つの面に配置されている。
【0030】
外部電極37の端面31a上に位置している部分は、対応する内部電極33,35の端面31aに露出している一端を覆うように配置されている。外部電極37の端面31a上に位置している部分は、対応する内部電極33,35と直接的に接続されている。内部電極33,35は、対応する外部電極37に電気的に接続されている。
【0031】
外部電極37は、図2に示されるように、電極層Eを有している。電極層Eは、焼結金属層を含んでいる。焼結金属層は、素体31の表面に付与された導電性ペーストを乾燥させ、焼き付けることにより形成されている。本実施形態では、焼結金属層は、Cuからなる。焼結金属層は、Agからなってもよい。導電性ペーストは、たとえば、Cu又はAgからなる金属粉、ガラス、樹脂、及び有機溶剤を含んでいる。電極層Eは、焼結金属層上に形成されるめっき層を含んでいてもよい。電極層Eは、焼結金属層上に形成される導電性樹脂層、及び、導電性樹脂層上に形成されるめっき層を含んでいてもよい。
【0032】
図1図3に示されるように、金属端子5は、方向D1で、素体31の端面31aに対向するように配置されている。一対の金属端子5は、方向D1で互いに対向している。一対の金属端子5は、対応する外部電極37と電気的に接続されている。金属端子5は、対応する外部電極37を介して、対応する内部電極33,35と電気的に接続されている。一方の金属端子5は、一方の外部電極37を介して、内部電極33と電気的に接続されている。他方の金属端子5は、他方の外部電極37を介して、内部電極35と電気的に接続されている。
【0033】
金属端子5は、部分51と、部分51から延在している部分53とを有している。部分51は、方向D3に延在している。部分51は、方向D1から見て、矩形状を呈している。部分51は、はんだ7によって、外部電極37の端面31a上に位置している部分と接続されている。金属端子5は、対応する外部電極37と接続されている。たとえば、部分51が第一部分を構成する場合、部分53は第二部分を構成する。
【0034】
部分51は、アーム部51a,51cを含んでいる。アーム部51a,51cは、電子部品本体3を方向D3に挟持する。アーム部51a,51cは、部分51から方向D1に延在している。アーム部51aは、部分53寄りに位置している。アーム部51aは、外部電極37の、一方の側面31e上に位置している部分を、支持する。上記一方の側面31eは、一対の側面31eのうち部分53寄りに位置する側面31eである。アーム部51cは、アーム部51aとは反対側に位置している。アーム部51cは、外部電極37の、他方の側面31e上に位置している部分を、支持する。
【0035】
上述したように、部分53は、部分51から延在している。部分53は、部分51の一端から方向D3に延在している。本実施形態では、部分53は、方向D3のうち、上記他方の側面31eから上記一方の側面31eに向かう方向に延在している。たとえば、方向D1が第一方向として規定される場合、方向D2が第二方向として規定され、部分53が部分51から延在している方向が第三方向として規定される。
【0036】
部分53は、領域53aと領域53cとを含んでいる。領域53aは、部分51の一端から方向D3に延在している。領域53aは、部分51と同様に方向D3に延在しており、部分51と領域53aとは略同一平面上に位置している。
【0037】
領域53cは、領域53aの一端から方向D1に延在している。領域53cは、方向D3から見て、矩形状を呈している。領域53aと領域53cとは、互いに交差する方向に延在している。本実施形態では、領域53aと領域53cとは、互いに直交する方向に延在している。一対の金属端子5の各領域53cは、略同一平面上に位置している。領域53cは、電子部品1が実装される電子機器に接続される。本実施形態では、各領域53cは、互いに向き合う方向に延在している。各領域53cは、相反する方向に延在していてもよい。
【0038】
領域53aは、部分51と領域53cとを連結している。領域53aは、部分51の一端と領域53cの一端との間を連結するように、方向D3に延在している。部分51と領域53cとは、方向D3に見て、領域53aの長さ分離れて位置している。部分51と部分53とは、一体的に形成されている。
【0039】
はんだ7は、外部電極37の端面31a上に位置している部分と、金属端子5の部分51との間に配置されている。外部電極37の端面31a上に位置している部分と金属端子5の部分51とは、方向D1において、はんだ7を介して互いに対向している。はんだ7は、外部電極37と金属端子5とを接合している。はんだ7は、導電性を有しており、外部電極37と金属端子5とを電気的に接続している。はんだ7は、外部電極37と金属端子5とを電気的かつ物理的に接続している。
【0040】
次に、図4図6を参照して、本実施形態における電子部品1の製造方法について説明する。図4は、本実施形態に係る電子部品の製造方法を示すフローチャートである。図5は、電子部品と加熱部材とノズルとの構成を示す図である。図6は、電子部品とノズルとの構成を示す図である。
【0041】
工程S10では、複数の電子部品本体3が準備される。本製造方法では、素体31と、素体31で方向D1で互いに対向している一対の外部電極37と、をそれぞれ有する複数の電子部品本体3が準備される。工程S10にて準備される電子部品本体3の数は、「2」である。複数の電子部品本体3は、工程S10において新たに作成してもよいし、既に作成された複数の電子部品本体3を準備してもよい。
【0042】
工程S20では、一対の金属端子5が準備される。本製造方法では、対応する外部電極37に接続される部分51と、方向D3に部分51から延在する部分53と、をそれぞれ有する一対の金属端子5が準備される。一対の金属端子5は、工程S20において新たに作成してもよいし、既に作成された一対の金属端子5を準備してもよい。
【0043】
工程S30では、はんだ接合及びフラックスの除去が行われる。以下では、まず、工程S30にて行われる、はんだ接合について説明する。工程S30にて行われるはんだ接合では、はんだとフラックスとを含むはんだペースト7aが用いられる。はんだペースト7aは、外部電極37の端面31a上に位置している部分と、金属端子5の部分51とに、付与される。はんだペースト7aは、溶剤を含んでいてもよい。フラックスには、たとえばロジンが使用される。
【0044】
次に、金属端子5に加熱部材100を接触させて金属端子5を加熱することで、金属端子5を通してはんだペースト7aを加熱する。本製造方法では、図5に示されるように、加熱部材100を、金属端子5の部分51に接触させて、部分51を電子部品本体3に向けて押圧する。これにより、加熱部材100は、部分51を通じてはんだとフラックスとを含むはんだペースト7aを加熱する。加熱部材100はたとえば抵抗発熱部分であり、加熱部材100が発熱して、はんだペースト7aを加熱する。
【0045】
加熱部材100による加熱の際には、加熱部材100とは電子部品1を反対側において、支持部材110が電子部品1を支持する。支持部材110は、外部電極37と金属端子5とが接触した状態で、電子部品1を支持する。支持部材110は、電子部品1のうち金属端子5の部分51を支持する。
【0046】
上述したように、支持部材110により電子部品1が支持された状態で、加熱部材100が部分51を通じて、はんだとフラックスとを含むはんだペースト7aを加熱する。加熱部材100による加熱の後、はんだペースト7aに含まれるはんだが冷却され凝固することで、はんだ7が形成される。これにより、金属端子5と外部電極37とのはんだ接合がなされる。
【0047】
続いて、工程S30にて行われるフラックスの除去について説明する。
はんだペースト7aに含まれるフラックスは、加熱部材100がはんだペースト7aを加熱する際の熱により、軟化する。軟化したフラックスは、上述したはんだ接合の際に、互いに隣り合い素体31の間の空間Sを拡がることがある。工程S30では、はんだ接合を行うときに、互いに隣り合う素体31の間に存在するフラックスを除去する。本製造方法では、工程S30において、はんだ接合とフラックスの除去とが同時に行われる。
本明細書において、「フラックスを除去する」とは、互いに隣り合う素体31の間の空間Sに存在するフラックスの全てを除去することだけでなく、互いに隣り合う素体31の間の空間Sに存在するフラックスの量を減少させることと、を含む。
【0048】
工程S30では、素体31の間で流体を移動させることによって、素体31の間に存在するフラックスを除去する。素体31の間で移動させる流体は、たとえば、気体又は液体を含む。気体は、たとえば、空気ガス又は窒素ガスを含む。工程S30では、素体31の間で流体を移動させるにあたって、素体31の間に流体を吐出すること、又は、素体31の間に存在する流体を吸引することの少なくとも一方が行われる。本製造方法では、素体31の間で流体を移動させるにあたって、素体31の間の空間Sの、部分53が部分51から延在している方向とは反対の方向の開口Saから素体31の間に流体を吐出すること、又は開口Saから素体31の間に存在する流体を吸引することのいずれか一方が行われる。
【0049】
工程S30では、素体31の間で流体を移動させるために、ノズル200と、ノズル200に接続されたポンプ210とが、用いられる。上述したように、本製造方法では、流体を移動させるにあたって、開口Saから素体31の間に流体を吐出することが行われる。したがって、本製造方法では、ノズル200は流体を吐出するノズルとして機能し、ポンプ210はノズル200に吐出する流体を送り出すポンプとして機能する。ノズル200は、流体を吐出する開口200aを有している。本製造方法では、開口200aの数は、「1」である。本製造方法では、図6に示されるように、方向D3から見て、開口200aは円形状を呈している。円形状は、真円形状、長円形状、又は楕円形状を含んでいる。開口200aの形状は、円形状に限定されない。たとえば、方向D3から見て、開口200aは矩形状を呈していてもよい。
【0050】
工程S30では、図6に示されるように、開口200aが素体31の間の空間Sに臨むように、ノズル200が素体31のそれぞれに当接される。本製造方法では、開口200aの中心が空間Sに臨むように、ノズル200が素体31のそれぞれに当接される。方向D3から見て開口200aが空間Sに跨るように、ノズル200が素体31のそれぞれに当接される。ノズル200は、方向D3のうち、部分53が部分51から延在している方向とは反対の方向から、素体31のそれぞれに当接される。
【0051】
開口200aの幅は、素体31の長さの1/8以上2/3未満である。本製造方法では、開口200aの幅は、素体31の長さの1/5である。開口200aの幅は、開口200aの方向D1での長さによって、規定される。
【0052】
次に、ノズル200の開口200aから素体31の間に流体が吐出される。工程S30では、ノズル200の開口200aが素体31の間の空間Sに臨むようにノズル200を素体31のそれぞれに当接させた状態で、素体31の間に流体が吐出される。上述したように、ノズル200は、方向D3のうち、部分53が部分51から延在している方向とは反対の方向から、素体31のそれぞれに当接される。本製造方法では、開口Saから素体31の間に加熱された流体が吐出される。すなわち、本製造方法では、フラックスを除去するにあたって、素体31の間で加熱された流体を移動させる。
【0053】
流体の温度は、加熱部材100が、はんだペースト7aを加熱する際の加熱温度に対応して設定される。たとえば、流体の温度は50度以上200度以下である。本製造方法では、流体の温度は、50度である。
【0054】
以上説明したように、本実施形態に係る電子部品の製造方法では、一対の金属端子5のそれぞれと、対応する外部電極37とのはんだ接合を行うときに、素体31の間に存在するフラックスが除去される。本実施形態に係る電子部品の製造方法により得られる電子部品1では、フラックスが素体31の間に存在しがたい。したがって、本実施形態に係る電子部品の製造方法によれば、電気的特性の劣化を抑制し得る電子部品1が得られる。
フラックスの電気抵抗は、一般的には大きい。しかしながら、たとえば、電子部品本体3の絶縁抵抗が小さい場合、フラックスの電気抵抗が、電子部品本体3の絶縁抵抗に影響を及ぼすおそれがある。絶縁抵抗が小さい電子部品本体3では、フラックスの付着による絶縁抵抗への影響を無視できないことがある。本実施形態の製造方法によれば、電子部品本体3の絶縁抵抗が小さい場合でも、電気的特性の劣化を抑制し得る電子部品1が確実に得られる。
フラックスが、空間Sを画成する側面31cとは別の側面31c、又は、側面31eに付着する場合、軟化したフラックスは付着した面上を拡がりがたい。フラックスが、空間Sを画成する側面31cに付着した場合、軟化したフラックスが空間Sを拡がる傾向がある。互いに対向する側面31cの間隔が小さい構成では、互いに対向する側面31cの間隔が大きい構成に比して、軟化したフラックスが空間Sを拡がる傾向がある。
【0055】
従来の電子部品の製造方法では、上記はんだ接合を行った後に、素体31の間に存在するフラックスの洗浄が行われる。本実施形態に係る電子部品の製造方法では、上記はんだ接合を行うときに素体31の間に存在するフラックスが除去されるので、上述したフラックスの洗浄が省略、又は簡略化される。したがって、本実施形態に係る電子部品の製造方法によれば、電気的特性の劣化を抑制し得る電子部品1が簡便に得られる。
【0056】
本実施形態に係る電子部品の製造方法では、フラックスを除去することは、素体31の間で流体を移動させることを含んでいる。
本実施形態に係る電子部品の製造方法では、素体31の間に存在するフラックスが確実に除去される。この場合、電気的特性の劣化を抑制し得る電子部品1が確実に得られる。
【0057】
本実施形態に係る電子部品の製造方法では、流体を移動させることは、素体31の間に流体を吐出すること、又は、素体31の間に存在する流体を吸引することの少なくとも一方を含んでいる。
本実施形態に係る電子部品の製造方法では、素体31の間で流体が確実に移動する。この場合、素体31の間に存在するフラックスがより一層確実に除去されるので、電気的特性の劣化を抑制し得る電子部品1がより一層確実に得られる。
【0058】
本実施形態に係る電子部品の製造方法では、素体31の間に流体を吐出することは、流体を吐出するノズル200を用いて、ノズル200の開口200aが素体31の間の空間Sに臨むようにノズル200を素体31のそれぞれに当接させた状態で、素体31の間に流体を吐出することを含んでいる。
本実施形態に係る電子部品の製造方法では、流体が素体31の間に確実に吐出される。
【0059】
本実施形態に係る電子部品の製造方法では、流体を移動させることは、素体31の間の空間Sの、開口Saから素体31の間に流体を吐出すること、又は、開口Saから素体31の間に存在する流体を吸引することのいずれか一方を含んでいる。
素体31の間の空間Sの、開口200aとは反対側に位置する開口から素体31の間に流体を吐出する、又は、上記開口から素体31の間の流体を吸引する場合、部分53により、流体の吐出又は吸引が阻害されるおそれがある。
流体を移動させるにあたって、素体31の間に流体を吐出する場合、本実施形態に係る電子部品の製造方法では、部分53が、流体を吐出することを阻害しがたい。この場合、流体が素体31の間の空間Sに確実に吐出される。
流体を移動させるにあたって、素体31の間に存在する流体を吸引する場合、本実施形態に係る電子部品の製造方法では、部分53が、流体を吸引することを阻害しがたい。この場合、流体が素体31の間の空間Sから確実に吸引される。
【0060】
本実施形態に係る電子部品の製造方法では、はんだ接合を行うことは、金属端子5に加熱部材100を接触させて金属端子5を加熱することにより、金属端子5を通してはんだを加熱することを含んでいる。
本実施形態に係る電子部品の製造方法では、金属端子5と対応する外部電極37とが容易にはんだ接合される。
【0061】
本実施形態に係る電子部品の製造方法では、フラックスを除去することは、素体31の間で加熱された流体を移動させることを含んでいる。
加熱部材100が、金属端子5を通じてはんだを加熱するときには、電子部品本体3が有する外部電極37もはんだと共に加熱される。したがって、素体31の間に加熱されていない流体を移動させた場合、外部電極37と素体31との間で温度差が生じる。上述した温度差によって、電子部品本体3に熱衝撃が作用するおそれがある。本実施形態に係る電子部品の製造方法では、外部電極37と素体31との間で温度差が生じがたい。この場合、熱衝撃が電子部品本体3に作用しがたい。
【0062】
本実施形態に係る電子部品の製造方法では、はんだ接合を行うことは、はんだとフラックスとを含むはんだペースト7aを用いてはんだ接合を行うことを含んでいる。
本実施形態に係る電子部品の製造方法は、金属端子5と対応する外部電極37とが容易にはんだ接合される。
【0063】
次に、流体を移動させることの変形例について説明する。本変形例では、流体を移動させる方法に関して、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と本変形との相違点を主として説明する。
【0064】
本変形例では、流体を移動させるにあたって、開口Saから素体31の間に存在する流体を吸引することが行われる。したがって、本変形例では、ノズル200は流体を吸引するノズルとして機能し、ポンプ210はノズル200の開口200aから流体を吸引する吸引力を発生させるポンプとして機能する。本変形例においても、まず、ノズル200は、開口200aが素体31の間の空間Sに臨むように、ノズル200が素体31のそれぞれに当接される。ノズル200は、方向D3のうち、部分53が部分51から延在している方向とは反対の方向から、素体31のそれぞれに当接される。
【0065】
次に、ノズル200の開口200aから素体31の間に存在する流体が吸引される。本変形例では、素体31の間に存在する流体が吸引するにあたって、ノズル200の開口200aが素体31の間の空間Sに臨むようにノズル200を素体31のそれぞれに当接させた状態で、素体31の間に存在する流体が吸引される。上述したように、ノズル200は、方向D3のうち、部分53が部分51から延在している方向とは反対の方向から、素体31のそれぞれに当接される。したがって、本変形例では、開口Saから素体31の間に存在する流体が吸引される。
【0066】
本変形例では、素体31の間に存在する流体を吸引することは、ノズル200の開口200aが素体31の間の空間Sに臨むようにノズル200を素体31のそれぞれに当接させた状態で、素体31の間に存在する流体を吸引することを含んでいる。
本変形例では、素体31の間に存在する流体が確実に吸引される。
【0067】
次に、図7を参照して、ノズル200の変形例について説明する。図7は、電子部品とノズルとの構成を示す図である。本変形例では、ノズル200の構成に関して、上述した実施形態及び変形例と相違する。以下、上述した実施形態及び変形例と本変形例との相違点を主として説明する。
【0068】
図7に示されるように、ノズル200は、複数の開口200aを有している。本変形例では、開口200aの数は、「2」である。本変形例では、工程S30において、まずノズル200が、複数の開口200aのそれぞれが空間Sに臨むように、素体31のそれぞれに当接される。複数の開口200aは、方向D1で互いに離間している。複数の開口200aは、方向D1で間隔を有している。上記間隔は、たとえば、素体の長さの1/4以上2/3未満である。次に、ノズルの開口200aから、素体31の間に流体を吐出すること、又は、素体31の間に存在する流体を吸引することの少なくとも一方が行われる。本変形例では、ノズル200は、流体を吐出するノズルとして機能してもよく、流体を吸引するノズルとして機能してもよい。
【0069】
次に、図8を参照して、流体を移動させることの別の変形例について説明する。図8は、電子部品と加熱部材とノズルとの構成を示す図である。本変形例では、流体を移動させる方法に関して、上述した上述した実施形態及び変形例と相違する。以下、上述した実施形態及び変形例と本変形例との相違点を主として説明する。
【0070】
本変形例では、素体31の間で流体を移動させるにあたって、素体31の間の空間Sの一方の開口から素体31の間に流体を吐出することと共に、素体31の間の空間Sの他方の開口から素体31の間に存在する流体を吸引することが行われる。本変形例では、空間Sの開口Saから素体31の間に流体が吐出されると共に、空間Sの、開口Saとは反対側に位置する別の開口から素体31の間に存在する流体が吸引される。流体の吐出及び流体の吸引と空間Sの各開口との関係は、上述した関係に限定されない。上記別の開口から素体31の間に流体が吐出されると共に、開口Saから素体31の間に存在する流体が吸引されてもよい。
【0071】
図8に示されるように、本変形例では、素体31の間で流体を移動させるために、ノズル200A及びノズル200Aに接続されたポンプ210Aと、ノズル200B及びノズル200Bに接続されたポンプ210Bとが、用いられる。ノズル200Aは流体を吐出するノズルとして機能し、ポンプ210Aはノズル200Aに吐出する流体を送り出すポンプとして機能する。ノズル200Bは流体を吸引するノズルとして機能し、ポンプ210Bはノズル200Bの開口から流体を吸引する吸引力を発生させるポンプとして機能する。
【0072】
本変形例では、工程S30において、ノズル200Aは、方向D3のうち、部分53が部分51から延在している方向とは反対の方向から、素体31のそれぞれに当接される。ノズル200Bは、方向D3のうち、部分53が部分51から延在している方向から、素体31のそれぞれに当接される。次に、ノズル200Aの開口から素体31の間に流体が吐出され、ノズル200Bの開口から素体31の間に存在する流体が吸引される。
【0073】
本変形例では、流体が素体31の間で移動する方向が定まりやすい。この場合、流体が、空間Sの一方の開口から空間Sの他方の開口に向かう方向に素体31の間を移動しやすいので、フラックスが確実に除去される。
【0074】
次に、図9及び図10を参照して、流体を移動させることの更に別の変形例について説明する。図9は、電子部品の斜視図である。図10は、電子部品とノズルとの構成を示す図である。本変形例では、準備される電子部品本体3の構成及びノズル200の構成に関して、上述した実施形態及び各及び各変形例と相違する。以下、上述した実施形態及び各変形例との相違点を主として説明する。
【0075】
工程S10では、複数の電子部品本体を準備するにあたって、上述した素体31と一対の外部電極37とをそれぞれ有する電子部品本体3A、電子部品本体3B、及び電子部品本体3Cが少なくとも準備される。本変形例においても、電子部品本体3A,3B,3Cは、積層コンデンサである。本変形例において、工程S10にて準備される電子部品本体の数は、「3」である。したがって、本変形例に係る電子部品の製造方法により製造される電子部品1Aは、電子部品本体3A、電子部品本体3B、及び電子部品本体3Cを備えている。たとえば、電子部品本体3Aが第一電子部品本体を構成する場合、電子部品本体3Bが第二電子部品本体を構成し、電子部品本体3Cが第三電子部品本体を構成する。
【0076】
工程S30では、はんだ接合を行うにあたって、まず、電子部品本体3Aが有する素体31と電子部品本体3Bが有する素体31とが方向D2で互いに隣り合うように、電子部品本体3A及び電子部品本体3Bが並べられる。互いに隣り合う二つの電子部品本体3は、それぞれの側面31cが互いに対向するように、配置されている。続いて、電子部品本体3Bが有する素体31と電子部品本体3Cが有する素体31とが方向D2で互いに隣り合うように電子部品本体3Cが並べられる。電子部品本体3A、電子部品本体3B、及び電子部品本体3Cは、方向D2に間隔を有して、隣り合うように並べられる。
【0077】
上述したように、電子部品本体3A,電子部品本体3B,及び電子部品本体3Cは、方向D2に間隔を有して、隣り合うように並べられている。互いに隣り合う電子部品本体3A,3Bは、それぞれの側面31cが互いに対向するように、配置されている。互いに隣り合う電子部品本体3B,3Cは、それぞれの側面31cが互いに対向するように、配置されている。したがって、電子部品本体3Aが有する素体31と電子部品本体3Bが有する素体31との間には、空間S1が画成されている。電子部品本体3Bが有する素体31と電子部品本体3Cが有する素体31との間には、空間S2が画成されている。
【0078】
工程S30では、図10に示されるように、フラックスを除去するにあたって、ノズル200の開口200aが、空間S1と空間S2とに臨むように、ノズル200を位置させる。すなわち、開口200aが空間S1と空間S2とに臨むように、ノズル200が各電子部品本体3A,3B,3Cが有する素体31に当接される。方向D3から見て、開口200aが空間S1及び空間S2に跨るように、ノズル200は素体31のそれぞれに当接される。次に、ノズルの開口200aから、それぞれの空間S1,S2に流体を吐出すること、又は、それぞれの空間S1,S2に存在する流体を吸引することの少なくとも一方が行われる。本変形例でも、ノズル200は、流体を吐出するノズルとして機能してもよく、流体を吸引するノズルとして機能してもよい。
【0079】
ノズル200が流体を吐出するノズルとして機能する際に、本変形例では、複数の開口が空間S1及び空間S2のうち対応する空間に臨むようにノズルを位置させる場合と比して、流体が、空間S1及び空間S2に効率的に吐出される。
ノズル200が流体を吸引するノズルとして機能する際に、本変形例では、複数の開口が空間S1及び空間S2のうち対応する空間に臨むようにノズルを位置させる場合と比して、空間S1と空間S2とのそれぞれに存在する流体が、効率的に吸引される。
【0080】
以上、本発明の実施形態及び各変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0081】
電子部品1の製造方法では、フラックスを除去することは、素体31の間で流体を移動させることを含んでいなくてもよい。
フラックスを除去することが素体31の間で流体を移動させることを含んでいる、電子部品1の製造方法では、上述したように、電気的特性の劣化を抑制し得る電子部品1が確実に得られる。
【0082】
電子部品1の製造方法では、流体を移動させることは、素体31の間に流体を吐出すること、又は、素体31の間に存在する流体を吸引することの少なくとも一方を含んでいなくてもよい。
流体を移動させることが、素体31の間に流体を吐出すること、又は、素体31の間に存在する流体を吸引することの少なくとも一方を含んでいる、電子部品1の製造方法では、上述したように、素体31の間に存在するフラックスがより一層確実に除去されるので、電気的特性の劣化を抑制し得る電子部品1がより一層確実に得られる。
【0083】
電子部品1の製造方法では、素体31の間に流体を吐出することは、流体を吐出するノズル200を用いて、ノズル200の開口200aが素体31の間の空間Sに臨むようにノズル200を素体31のそれぞれに当接させた状態で、素体31の間に流体を吐出することを含んでいなくてもよい。
素体31の間に流体を吐出することが、流体を吐出するノズル200を用いて、ノズル200の開口200aが素体31の間の空間Sに臨むようにノズル200を素体31のそれぞれに当接させた状態で、素体31の間に流体を吐出することを含んでいる、電子部品1の製造方法では、上述したように、流体が素体31の間に確実に吐出される。
【0084】
電子部品1の製造方法では、流体を移動させることは、素体31の間の空間Sの、開口Saから素体31の間に流体を吐出すること、又は、開口Saから素体31の間に存在する流体を吸引することのいずれか一方を含んでいなくてもよい。
流体を移動させることが、素体31の間の空間Sの、開口Saから素体31の間に流体を吐出することを含んでいる、電子部品1の製造方法では、上述したように、流体が素体31の間の空間Sに確実に吐出される。
流体を移動させることが、素体31の間の空間Sの、開口Saから素体31の間に存在する流体を吸引することを含んでいる、電子部品1の製造方法では、上述したように、流体が素体31の間の空間Sから確実に吸引される。
【0085】
電子部品1の製造方法では、はんだ接合を行うことは、金属端子5に加熱部材100を接触させて金属端子5を加熱することにより、金属端子5を通してはんだを加熱することを含んでいなくてもよい。
はんだ接合を行うことが、金属端子5に加熱部材100を接触させて金属端子5を加熱することにより、金属端子5を通してはんだを加熱することを含んでいる、電子部品1の製造方法では、上述したように、金属端子5と対応する外部電極37とが容易にはんだ接合される。
【0086】
電子部品1の製造方法では、フラックスを除去することは、素体31の間で加熱された流体を移動させることを含んでいなくてもよい。
フラックスを除去することが、素体31の間で加熱された流体を移動させることを含んでいる、電子部品1の製造方法では、上述したように、熱衝撃が電子部品本体3に作用しがたい。
【0087】
電子部品1の製造方法では、はんだ接合を行うことは、はんだとフラックスとを含むはんだペースト7aを用いてはんだ接合を行うことを含んでいてもよい。
はんだ接合を行うことが、はんだとフラックスとを含むはんだペースト7aを用いてはんだ接合を行うことを含んでいる、電子部品1の製造方法では、上述したように、金属端子5と対応する外部電極37とが容易にはんだ接合される。
【0088】
上述した実施形態及び各変形例では、電子部品1が備える電子部品本体3,3A,3B,3Cは積層コンデンサであるとして説明したが、本発明を適用可能な電子部品が備える電子部品本体は、積層コンデンサに限られない。本発明を適用可能な電子部品が備える電子部品本体は、たとえば、積層バリスタ、積層圧電アクチュエータ、積層サーミスタ、又は積層固体電池を含む。
【0089】
上述した実施形態及び各変形例では、複数の電子部品本体3と、電子部品本体3A,3B,3Cとは方向D2に間隔を有して、互いに隣り合うように並べられている。しかしながら、複数の電子部品本体3と、電子部品本体3A,3B,3Cとが並べられる方向は、上述した方向に限定されない。たとえば、複数の電子部品本体3と、電子部品本体3A,3B,3Cとは方向D3に間隔を有して、互いに隣り合うように並べられていてもよい。
【0090】
上述した実施形態及び各変形例の記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す態様の開示を含んでいる。
(付記1)
素体と、前記素体上で第一方向で互いに対向している一対の外部電極と、をそれぞれ有する複数の電子部品本体を準備することと、
一対の金属端子を準備することと、
前記複数の電子部品本体が有する前記素体が前記第一方向と交差する第二方向で互いに隣り合うように前記複数の電子部品本体を並べた状態で、フラックスを用い、かつ、はんだを加熱して、前記一対の金属端子のそれぞれと、前記複数の電子部品本体それぞれの前記一対の外部電極のうち、対応する外部電極とのはんだ接合を行うことと、
前記はんだ接合を行うときに、前記複数の電子部品本体が有する前記素体の間に存在する前記フラックスを除去すること、を含む、電子部品の製造方法。
(付記2)
前記フラックスを除去することは、前記素体の間で流体を移動させることを含む、付記1に記載の電子部品の製造方法。
(付記3)
前記流体を移動させることは、前記素体の間に流体を吐出すること、又は、前記素体の間に存在する流体を吸引することの少なくとも一方を含む、付記2に記載の電子部品の製造方法。
(付記4)
前記素体の間に前記流体を吐出することは、流体を吐出するノズルを用いて、前記ノズルの開口が前記素体の間の空間に臨むように前記ノズルを前記素体のそれぞれに当接させた状態で、前記素体の間に前記流体を吐出することを含む、付記3に記載の電子部品の製造方法。
(付記5)
前記素体の間に存在する前記流体を吸引することは、流体を吸引するノズルを用いて、前記ノズルの開口が前記素体の間の空間に臨むように前記ノズルを前記素体のそれぞれに当接させた状態で、前記素体の間に存在する前記流体を吸引することを含む、付記3に記載の電子部品の製造方法。
(付記6)
前記流体を移動させることは、前記素体の間の空間の一方の開口から前記素体の間に流体を吐出すると共に、前記素体の間の空間の他方の開口から前記素体の間に存在する流体を吸引することを含む、付記3~5のいずれか一つの付記に記載の電子部品の製造方法。
(付記7)
前記複数の電子部品本体を準備することは、前記素体と前記一対の外部電極とをそれぞれ有する第一電子部品本体、第二電子部品本体、及び第三電子部品本体を少なくとも準備することを含み、
前記はんだ接合を行うことは、前記第一電子部品本体が有する前記素体と前記第二電子部品本体が有する前記素体とが前記第二方向で互いに隣り合うと共に前記第二電子部品本体が有する前記素体と前記第三電子部品本体が有する前記素体とが前記第二方向で互いに隣り合うように前記第一電子部品本体、前記第二電子部品本体、及び前記第三電子部品本体を並べることを含み、
前記フラックスを除去することは、流体を吐出するノズルを用いて、
前記ノズルの開口が、前記第一電子部品本体が有する前記素体と前記第二電子部品本体が有する前記素体との間の空間と前記第二電子部品本体が有する前記素体と前記第三電子部品本体が有する前記素体との間の空間とに臨むように、前記ノズルを位置させることと、
それぞれの前記空間に前記ノズルの前記開口から前記流体を吐出することを含む、付記3に記載の電子部品の製造方法。
(付記8)
前記複数の電子部品本体を準備することは、前記素体と前記一対の外部電極とをそれぞれ有する第一電子部品本体、第二電子部品本体、及び第三電子部品本体を少なくとも準備することを含み、
前記はんだ接合を行うことは、前記第一電子部品本体が有する前記素体と前記第二電子部品本体が有する前記素体とが前記第二方向で互いに隣り合うと共に前記第二電子部品本体が有する前記素体と前記第三電子部品本体が有する前記素体とが前記第二方向で互いに隣り合うように前記第一電子部品本体、前記第二電子部品本体、及び前記第三電子部品本体を並べることを含み、
前記フラックスを除去することは、流体を吸引するノズルを用いて、
前記ノズルの開口が、前記第一電子部品本体が有する前記素体と前記第二電子部品本体が有する前記素体との間の空間と前記第二電子部品本体が有する前記素体と前記第三電子部品本体が有する前記素体との間の空間とに臨むように、前記ノズルを位置させることと、
それぞれの前記空間に存在する前記流体を前記ノズルの前記開口から吸引することを含む、付記3に記載の電子部品の製造方法。
(付記9)
前記一対の金属端子を準備することは、前記対応する外部電極に接続される第一部分と、前記第一方向と前記第二方向とに交差する第三方向に前記第一部分から延在する第二部分と、をそれぞれ有する一対の金属端子を準備することを含み、
前記流体を移動させることは、前記素体の間の空間の、前記第三方向とは反対の方向の開口から、前記素体の間に流体を吐出すること、又は、前記開口から前記素体の間に存在する流体を吸引することのいずれか一方を含む、付記2~5のいずれか一つの付記に記載の電子部品の製造方法。
(付記10)
前記はんだ接合を行うことは、前記金属端子に加熱部材を接触させて前記金属端子を加熱することにより、前記金属端子を通して前記はんだを加熱することを含む、付記1~9のいずれか一つの付記に記載の電子部品の製造方法。
(付記11)
前記フラックスを除去することは、前記素体の間で加熱された流体を移動させることを含む、付記10に記載の電子部品の製造方法。
(付記12)
前記はんだ接合を行うことは、前記はんだと前記フラックスとを含むはんだペーストを用いてはんだ接合を行うことを含む、付記1~12のいずれか一つの付記に記載の電子部品の製造方法。
【符号の説明】
【0091】
1,1A…電子部品、3,3A,3B,3C…電子部品本体、5…金属端子、7…はんだ、7a…はんだペースト、31…素体、37…外部電極、100…加熱部材、200,200A,200B…ノズル、200a…ノズルの開口、D1,D2,D3…方向、S,S1,S2…空間、Sa…空間の開口。
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