(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042557
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1368 20060101AFI20240321BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
G02F1/1368
G02F1/1343
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147345
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(72)【発明者】
【氏名】吉田 基彦
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
【Fターム(参考)】
2H092HA04
2H092JA24
2H092JA26
2H092JA38
2H092JA42
2H092JB42
2H092JB62
2H092KA05
2H092NA23
2H192BC34
2H192CB05
2H192CB14
2H192CB35
2H192CC02
2H192CC42
2H192DA12
2H192DA73
(57)【要約】
【課題】 動作特性を向上させることが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】 表示装置は、複数の画素を備える。複数の画素の各々は、第1及び第2TFTを含む。第1及び第2TFTは、放射状に配置される。第1及び第2TFTの各々は、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層、ソース電極、及びドレイン電極を含む。ゲート電極は、走査線に接続され、ソース電極は、画素電極に接続され、ドレイン電極は、信号線に接続される。ゲート電極及び半導体層は、それぞれが半円状であり、互いに重なるように配置される。ソース電極は、半円状であり、半導体層の半円の中心に重なるように配置される。ドレイン電極は、ソース電極を囲むように構成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を備え、
前記複数の画素の各々は、第1及び第2TFT(thin film transistor)を含み、
前記第1及び第2TFTは、放射状に配置され、
前記第1及び第2TFTの各々は、
基板上に設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極上に設けられたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に設けられた半導体層と、
前記半導体層上に設けられたソース電極及びドレイン電極とを含み、
前記ゲート電極は、走査線に接続され、
前記ソース電極は、画素電極に接続され、
前記ドレイン電極は、信号線に接続され、
前記ゲート電極及び前記半導体層は、それぞれが半円状であり、互いに重なるように配置され、
前記ソース電極は、半円状であり、前記半導体層の半円の中心に重なるように配置され、
前記ドレイン電極は、前記ソース電極を囲むように構成される
表示装置。
【請求項2】
前記ソース電極と前記画素電極とを接続する接続電極をさらに具備し、
前記画素電極は、前記接続電極と接続されるスルーホールを含み、
前記スルーホールは、前記放射状の中心に配置される
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1TFTと同じ構成を有する第3TFTをさらに具備し、
前記第1乃至第3TFTは、放射状に配置される
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1乃至第3TFTは、回転対称に配置される
請求項3に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリックス方式の液晶表示装置は、スイッチング素子に薄膜トランジスタ(TFT)を用いている。TFTは、基板上に設けられたゲート電極と、ゲート電極上に設けられたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に設けられた半導体層と、半導体層上に部分的に設けられたソース電極及びドレイン電極とを有する。ゲート電極は、走査線に接続され、ソース電極は、画素電極に接続され、ドレイン電極は、信号線に接続される。
【0003】
TFTは、走査線に印加されるゲート電圧に応じて、信号線の電位を画素電極に印加する。TFTは、ゲート-ソース間容量Cgsを有する。このゲート-ソース間容量Cgsに応じて、画素電極に電圧降下ΔVが発生する。ΔVを抑制するために、画素電極に重なるように絶縁層を介して蓄積電極を配置し、画素に蓄積容量(補助容量ともいう)が付加される。
【0004】
画素数を増やすことにより、TFTの高速駆動が求められる。この場合、必然的にTFTのチャネル幅(ゲート幅)Wを大きくする必要がある。TFTのサイズを大きくすると、ゲート-ソース間容量Cgsが増大するとともに、ΔVが大きくなる。ΔVが大きくなると、液晶表示装置の動作特性が劣化してしまう。また、ΔVを抑制するために、蓄積容量を大きくする必要がある。結果として、TFTの高速駆動の妨げになってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2-285326号公報
【特許文献2】特開2001-209070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、動作特性を向上させることが可能な表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様によると、複数の画素を備え、前記複数の画素の各々は、第1及び第2TFT(thin film transistor)を含み、前記第1及び第2TFTは、放射状に配置され、前記第1及び第2TFTの各々は、基板上に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極上に設けられたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に設けられた半導体層と、前記半導体層上に設けられたソース電極及びドレイン電極とを含み、前記ゲート電極は、走査線に接続され、前記ソース電極は、画素電極に接続され、前記ドレイン電極は、信号線に接続され、前記ゲート電極及び前記半導体層は、それぞれが半円状であり、互いに重なるように配置され、前記ソース電極は、半円状であり、前記半導体層の半円の中心に重なるように配置され、前記ドレイン電極は、前記ソース電極を囲むように構成される、表示装置が提供される。
【0008】
本発明の第2態様によると、前記ソース電極と前記画素電極とを接続する接続電極をさらに具備し、前記画素電極は、前記接続電極と接続されるスルーホールを含み、前記スルーホールは、前記放射状の中心に配置される、第1態様に係る表示装置が提供される。
【0009】
本発明の第3態様によると、前記画素電極は、前記TFTに重ならないように配置される、第1態様に係る表示装置が提供される。
【0010】
本発明の第4態様によると、前記画素電極に重なるように配置され、前記TFTに重ならないように配置された蓄積電極をさらに具備する、第1態様に係る表示装置が提供される。
【0011】
本発明の第5態様によると、前記第1TFTと同じ構成を有する第3TFTをさらに具備し、前記第1乃至第3TFTは、放射状に配置される、第1態様に係る表示装置が提供される。
【0012】
本発明の第6態様によると、前記第1乃至第3TFTは、回転対称に配置される、第5態様に係る表示装置が提供される。
【0013】
本発明の第7態様によると、前記画素電極は、前記TFTに重なるように配置される、第6態様に係る表示装置が提供される。
【0014】
本発明の第8態様によると、前記画素電極及び前記TFTに重なるように配置された蓄積電極をさらに具備する、第6態様に係る表示装置が提供される。
【0015】
本発明の第9態様によると、前記第1TFTと同じ構成を有する第3TFTをさらに具備し、前記第3TFTは、回転対称に配置された3個のTFTのうち1つを平行移動するようにして、前記第1及び第2TFTから離れて配置される、第1態様に係る表示装置が提供される。
【0016】
本発明の第10態様によると、前記ソース電極と前記画素電極とを接続する第1接続電極をさらに具備し、前記画素電極は、前記第1接続電極と接続されるスルーホールを含み、前記スルーホールは、前記第1及び第2TFTと前記第3TFTとの間に配置される、第9態様に係る表示装置が提供される。
【0017】
本発明の第11態様によると、前記第1TFTの前記ゲート電極と、前記第3TFTの前記ゲート電極とを接続する第2接続電極と、前記第1TFTの前記ドレイン電極と、前記第3TFTの前記ドレイン電極とを接続する第3接続電極とをさらに具備する、第10態様に係る表示装置が提供される。
【0018】
本発明の第12態様によると、前記画素は、液晶層を含む、第1態様に係る表示装置が提供される。
【0019】
本発明の第13態様によると、複数の画素を備え、前記複数の画素の各々は、第1及び第2TFT群を含み、前記第1及び第2TFT群の各々は、第1及び第2TFTを含み、前記第1及び第2TFTは、放射状に配置され、前記第1及び第2TFTの各々は、基板上に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極上に設けられたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に設けられた半導体層と、前記半導体層上に設けられたソース電極及びドレイン電極とを含み、前記ゲート電極は、走査線に接続され、前記ソース電極は、画素電極に接続され、前記ドレイン電極は、信号線に接続され、前記ゲート電極及び前記半導体層は、それぞれが半円状であり、互いに重なるように配置され、前記ソース電極は、半円状であり、前記半導体層の半円の中心に重なるように配置され、前記ドレイン電極は、前記ソース電極を囲むように構成され、前記第1及び第2TFT群は、前記画素電極を挟むように配置され、前記第2TFT群は、前記第1TFT群を180度回転した形状を有する、表示装置が提供される。
【0020】
本発明の第14態様によると、前記第1TFT群の前記ソース電極と前記画素電極とを接続する第1接続電極と、前記第2TFT群の前記ソース電極と前記画素電極とを接続する第2接続電極と、前記第1TFT群の前記ゲート電極と、前記第2TFT群の前記ゲート電極とを接続する第3接続電極と、前記第1TFT群の前記ドレイン電極と、前記第2TFT群の前記ドレイン電極とを接続する第4接続電極とをさらに具備し、前記画素電極は、前記第1接続電極と接続される第1スルーホールと、前記第2接続電極と接続される第2スルーホールとを含む、第13態様に係る表示装置が提供される。
【0021】
本発明の第15態様によると、前記画素電極は、前記TFTに重ならないように配置される、第13態様に係る表示装置が提供される。
【0022】
本発明の第16態様によると、前記画素電極に重なるように配置され、前記TFTに重ならないように配置された蓄積電極をさらに具備する、第13態様に係る表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、動作特性を向上させることが可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置の回路図である。
【
図3】
図3は、画素に含まれる2個のTFTを抽出して示した平面図である。
【
図4】
図4は、
図3のP-P’線に沿ったTFTの断面図である。
【
図5】
図5は、変形例に係るTFTの平面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第2実施形態に係るTFTの平面図である。
【
図7】
図7は、第1変形例に係るTFTの平面図である。
【
図8】
図8は、第2変形例に係るTFTの平面図である。
【
図9】
図9は、本発明の第3実施形態に係る画素の平面図である。
【
図11】
図11は、本発明の第4実施形態に係るTFTの平面図である。
【
図13】
図13は、本発明の第5実施形態に係るTFTの平面図である。
【
図16】
図16は、本発明の第6実施形態に係る液晶表示装置の平面図である。
【
図21】
図21は、本発明の第7実施形態に係る液晶表示装置の平面図である。
【
図22】
図22は、画素に含まれる4個のTFTを抽出して示した平面図である。
【
図24】
図24は、本発明の第8実施形態に係る液晶表示装置の平面図である。
【
図25】
図25は、画素に含まれる6個のTFTを抽出して示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、図面の相互間で同じ部分を表す場合においても、互いの寸法の関係や比率が異なって表される場合もある。特に、以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0026】
[1] 第1実施形態
[1-1] 液晶表示装置1の全体構成
本実施形態では、表示装置として液晶表示装置を例に挙げて説明する。液晶表示装置は、アクティブマトリクス型の液晶表示装置である。
【0027】
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置1の回路図である。液晶表示装置1は、画素アレイ2、走査線駆動回路3、信号線駆動回路4、及び共通電極駆動回路5を備える。
【0028】
画素アレイ2は、マトリクス状に配置された複数の画素PXを備える。画素アレイ2には、それぞれがX方向(ロウ方向ともいう)に延びる複数の走査線GL1~GLmと、それぞれがX方向に直交するY方向(カラム方向ともいう)に延びる複数の信号線SL1~SLnとが配設される。“m”及び“n”はそれぞれ、2以上の整数である。走査線GLと信号線SLとの交差領域には、画素PXが配置される。
【0029】
画素PXは、スイッチング素子(アクティブ素子)6、液晶容量(液晶素子)Clc、及び蓄積容量Csを備える。スイッチング素子6としては、例えば薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が用いられ、またnチャネルTFTが用いられる。なお、トランジスタのソース及びドレインは、トランジスタに流れる電流の向きによって変化するが、以下の説明では、トランジスタの接続状態の一例を説明する。しかし、ソース及びドレインが名称通りに固定されるものでないことは勿論である。
【0030】
後述するように、画素PXに含まれるTFTは、2個以上のTFTが並列接続されて構成される。
図1では、並列接続された複数のTFTを纏めて1個のTFTとして図示している。
【0031】
TFT6のドレインは、信号線SLに接続され、そのゲートは、走査線GLに接続され、そのソースは、液晶容量Clcの一方の電極に接続される。液晶素子としての液晶容量Clcは、画素電極と、共通電極と、これらに挟まれた液晶層とにより構成される。液晶容量Clcの他方の電極には、共通電極駆動回路5により共通電圧Vcomが印加される。
【0032】
蓄積容量Csの一方の電極は、液晶容量Clcの一方の電極に接続される。蓄積容量Csの他方の電極には、共通電極駆動回路5により共通電圧Vcomが印加される。蓄積容量Csは、画素電極に生じる電位変動を抑制するとともに、画素電極に印加された駆動電圧を次の信号に対応する駆動電圧が印加されるまでの間保持する機能を有する。蓄積容量Csは、画素電極と、蓄積容量線と、これらに挟まれた絶縁層とにより構成される。蓄積容量Csの他方の電極(蓄積容量線)には、共通電圧Vcomと異なる蓄積容量電圧を印加してもよい。
【0033】
画素アレイ2の背面には、バックライト(図示せず)が配置される。バックライトは、画素アレイ2の背面に、照明光を照射する。バックライトとしては、例えば、直下型又はサイドライト型(エッジライト型)のLEDバックライトが用いられる。
【0034】
走査線駆動回路3は、複数の走査線GLに接続される。走査線駆動回路3は、制御回路(図示せず)から送られる制御信号に基づいて、TFTをオン/オフするための走査信号を画素アレイ2に送る。
【0035】
信号線駆動回路4は、複数の信号線SLに電気的に接続される。信号線駆動回路4は、制御回路から制御信号、及び表示データを受ける。信号線駆動回路4は、制御信号に基づいて、表示データに対応する複数の階調信号(複数の駆動電圧)を画素アレイ2に送る。
【0036】
共通電極駆動回路5は、共通電圧Vcomを生成し、これを画素アレイ2内の共通電極及び蓄積容量線に供給する。
【0037】
[1-2] 液晶表示装置1の具体的な構成
次に、液晶表示装置1の具体的な構成について説明する。
【0038】
図2は、液晶表示装置1の平面図である。
図2は、画素アレイに含まれる2個の画素PXを抽出して示している。液晶表示装置1は、
図2示した画素PXがX方向及びY方向にマトリクス状に配置される。X方向に並んだ1行分の画素は、1本の走査線GLに共通接続される。Y方向に並んだ1列分の画素は、1本の信号線SLに共通接続される。
【0039】
画素PXは、2個のTFT6-1、6-2を備える。TFT6-1、6-2は、共通の走査線GLに接続されるとともに、互いに並列接続される。TFTは、例えば、逆スタガ型かつチャネルエッチ型のTFTである。逆スタガ型TFTとは、走査線として機能するゲート電極がソース電極及びドレイン電極よりも下方(絶縁基板側)に設けられたTFTである。逆スタガ型TFTは、ボトムゲート型TFTとも呼ばれる。チャネルエッチ型TFTとは、ソース電極及びドレイン電極を分離する際に、半導体層を多少エッチングするような製法で製造されたTFTである。なお、本実施形態は、逆スタガ型かつチャネルエッチ型のTFTに限定されず、他の種類のTFTに適用してもよい。
【0040】
画素PXは、Y方向に延びる画素電極20を備える。画素アレイには、画素アレイの各行に共通して、X方向に延びる蓄積電極22が設けられる。蓄積電極22は、前述した蓄積容量線に対応し、蓄積容量を構成する。蓄積電極22は、画素PXのY方向における端部に配置される。画素電極20及び蓄積電極22の具体的な構成については後述する。
【0041】
図3は、画素PXに含まれる2個のTFT6-1、6-2を抽出して示した平面図である。
図4は、
図3のP-P’線に沿ったTFT6-1の断面図である。
図4には、蓄積電極22が設けられた部分をY方向に切断した断面図(
図4の右側の断面図)も図示している。
【0042】
液晶表示装置1は、TFT及び画素電極が配置される基板(TFT基板ともいう)10を備える。TFT基板10は、透明かつ絶縁性を有する基板(例えば、ガラス基板、又はプラスチック基板)から構成される。
【0043】
なお、図示は省略するが、液晶表示装置1は、TFT基板10に対向して配置される対向基板と、TFT基板10と対向基板との間に挟持された液晶層とを備える。対向基板は、透明かつ絶縁性を有する基板(例えば、ガラス基板、又はプラスチック基板)から構成される。対向基板には、ブラックマトリクス、カラーフィルタ、及び共通電極などが設けられる。
【0044】
まず、TFT6-1の構成について説明する。TFT6-1は、
図3に示した対称軸AX1を基準にして線対称の形状を有する。
【0045】
TFT基板10上には、ゲート電極11Aが設けられる。ゲート電極11Aは、走査線GLとして機能するとともに、走査線GLに電気的に接続される。ゲート電極11Aは、半円状である。対称軸AX1は、ゲート電極11Aの半円の対称軸に対応する。本明細書では、半円は、弧(又円弧)と直線とで囲まれた形状を意味する。半円は、円の半分の形状のみを意味するものではない。
【0046】
ゲート電極11A及びTFT基板10上には、ゲート絶縁膜12が設けられる。ゲート絶縁膜12を絶縁層ともいう。
【0047】
ゲート絶縁膜12上には、半導体層13Aが設けられる。半導体層13Aは、半円状である。半導体層13Aは、ゲート電極11Aに重なるように配置され、半導体層13Aの対称軸は、ゲート電極11Aの対称軸と同じである。半導体層13Aの面積は、ゲート電極11Aの面積より大きい。
図3において、半導体層13Aの円周側の端部は、ゲート電極11Aの円周側の端部とほぼ同じである。半導体層13Aの直線側の端部は、ゲート電極11Aの直線側の端部より突出するように配置される。
【0048】
半導体層13A上には、オーミックコンタクト層14を介して、ソース電極15Aが設けられる。オーミックコンタクト層14は、半導体層と電極との電気的接続を良好にする機能を有する。オーミックコンタクト層14は、高濃度のn型不純物が導入されたn+型半導体層で構成される。オーミックコンタクト層14は、省略しても構わない。
【0049】
ソース電極15Aは、半円状の電極部分を含み、この電極部分が、半円状の半導体層13Aの中心に重なるように配置される。ソース電極15Aは、対称軸AX1に沿って延びる。ソース電極15Aの幅は、例えば、製造工程で規定される最小配線幅である。
【0050】
半導体層13A上には、オーミックコンタクト層16を介して、ドレイン電極17Aが設けられる。オーミックコンタクト層16の構成は、オーミックコンタクト層14と同じである。オーミックコンタクト層16は、省略しても構わない。
【0051】
ドレイン電極17Aは、ソース電極15Aを囲むように構成される。ドレイン電極17Aは、C字状である。ドレイン電極17Aの幅は、例えば、製造工程で規定される最小配線幅である。ドレイン電極17Aは、信号線SLに電気的に接続される。
【0052】
ゲート絶縁膜12上には、接続電極18が設けられる。接続電極18は、対称軸AX1上に配置された円形の電極部分と、円形の電極部分からソース電極15Aまで延びる電極部分とを含む。接続電極18の幅は、例えば、製造工程で規定される最小配線幅である。接続電極18の幅は、円形の電極部分のうち画素電極20と接する部分以外の円環部分の幅と、ソース電極15Aまで延びる直線部分の幅とを意味する。
【0053】
ソース電極15A及びドレイン電極17A上には、絶縁層19が設けられる。
【0054】
絶縁層19上には、Y方向に延びる画素電極20が設けられる。画素電極20は、画素PXが占める領域より若干小さい面積を有する。画素電極20は、対称軸AX1上かつ接続電極18と重なる位置に配置されたスルーホール21を有する。スルーホール21は、接続電極18に向けて窪んだ電極部分に対応する。スルーホール21は、円形である。画素電極20は、スルーホール21を介して接続電極18に電気的に接続される。
図2に示すように、画素電極20は、TFT6-1、6-2に重ならない位置に配置されるとともに、画素PXのうちTFT6-1、6-2が設けられた領域以外の領域に設けられる。
【0055】
次に、TFT6-2の構成について説明する。TFT6-2は、
図3に示した対称軸AX2を基準にして線対称の形状を有する。対称軸AX1と対称軸AX2とは、例えば90度の角度をなす。
【0056】
TFT6-2の構成(レイアウト及び積層構造)は、TFT6-1と同じである。TFT6-2は、ゲート電極11B、半導体層13B、オーミックコンタクト層14、ソース電極15B、オーミックコンタクト層16、及びドレイン電極17Bを含む。対称軸AX2は、ゲート電極11Bの半円の対称軸に対応する。
【0057】
TFT6-1とTFT6-2とは、放射状に配置される。具体的には、TFT6-1とTFT6-2とは、スルーホール21を中心として放射状に配置される。本明細書で放射状とは、ある中心から周囲に広がるように配置される形状をいう。スルーホール21は、対称軸AX1と対称軸AX2との交点に配置される。
【0058】
ゲート電極11Aとゲート電極11Bとは、電気的に接続される。半導体層13Aと半導体層13Bとは、物理的に接続される。ソース電極15Bは、接続電極18に電気的に接続される。ドレイン電極17Aとドレイン電極17Bとは、電気的に接続される。
【0059】
画素電極20のY方向における端部には、画素電極20に部分的に重なるように配置された蓄積電極22が設けられる。すなわち、ゲート絶縁膜12上には、絶縁層19-1が設けられる。絶縁層19-1上には、X方向に延びる蓄積電極22が設けられる。蓄積電極22は、TFT6-1、6-2に重ならない位置に配置される。
【0060】
蓄積電極22上には、絶縁層19-2が設けられる。絶縁層19-2上には、画素電極20が設けられる。絶縁層19-1、19-2は、前述した絶縁層19に対応する。
【0061】
(材料の例示)
半導体層13A、13Bとしては、アモルファスシリコンが用いられる。
【0062】
ゲート電極11A、11B、ソース電極15A、15B、ドレイン電極17A、17B、接続電極18、走査線GL、及び信号線SLとしては、例えば、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、及びタングステン(W)のいずれか、又はこれらの1種類以上を含む合金等が用いられる。
【0063】
画素電極20、及び蓄積電極22としては、透明電極が用いられ、例えばITO(インジウム錫酸化物)が用いられる。
【0064】
ゲート絶縁膜12、及び絶縁層19としては、透明な絶縁材料が用いられ、例えばシリコン窒化物(SiN)が用いられる。
【0065】
[1-3] 作用
ゲート電極11Aとソース電極15Aとの重なり部分は、ゲート-ソース間容量Cgsを構成する。ソース電極15Aは、半導体層13の中心に重なるように配置される。ソース電極15Aの幅は、例えば、製造工程で規定される最小配線幅である。本実施形態では、ゲート電極11Aとソース電極15Aとの重なり部分の面積を小さくできる。これにより、ゲート-ソース間容量Cgsを小さくできる。ゲート電極11Bとソース電極15Bとの関係についても同様である。
【0066】
TFT6-1、6-2のゲートにゲート電圧が印加されると、信号線SLの電位が画素電極20に印加される。この時、画素電極20には、ΔVの電圧降下が生じる。ΔVは、以下の式で表される。
【0067】
ΔV=Cgs・Vg/(Clc+Cgs)
Vgは、ゲート電圧であり、Clcは、液晶容量である。
【0068】
本実施形態では、ゲート-ソース間容量Cgsを小さくできるため、ΔVを低減できる。また、画素PXごとのΔVを低減できるため、複数の画素PXでΔVの変動を抑制できる。
【0069】
本実施形態では、画素PXごとに2個のTFT6-1、6-2を配置している。すなわち、画素PXごとに2個のソース電極15A、15Bが設けられる。よって、画素PXにおけるチャネル幅(ゲート幅)Wを大きくすることができる。
【0070】
[1-4] 変形例
図5は、変形例に係るTFTの平面図である。
【0071】
図5のTFT群6-1、6-2は、
図3のTFT群6-1、6-2を反時計回りに45度回転させたものである。それに合わせて、接続電極18は、ソース電極15A、15Bに電気的に接続されるように配線される。
【0072】
TFT6-1、6-2の各々の構成は、第1実施形態で説明したTFT6-1と同じである。TFT6-1の対称軸AX1は、X方向に平行である。TFT6-2の対称軸AX2は、Y方向に平行である。
【0073】
このように、TFT6-1の対称軸AX1と、TFT6-2の対称軸AX2とは、任意の方向に設定可能である。
【0074】
[1-5] 第1実施形態の効果
第1実施形態によれば、ゲート電極とソース電極との重なり部分の面積を小さくできるため、ゲート-ソース間容量Cgsを小さくできる。これにより、画素電極20の電圧降下ΔVを低減できる。結果として、液晶表示装置1の動作特性を向上させることができる。
【0075】
また、画素PXは、並列接続された複数のTFTを備えている。これにより、画素PXにおけるチャネル幅Wを大きくすることができる。これにより、TFTの駆動能力を向上させることが可能であり、またTFTの動作を高速化できる。結果として、液晶表示装置1の動作特性を向上させることができる。
【0076】
また、複数のTFTを放射状に配置している。これにより、ソース電極と画素電極とを接続する配線を短くできる。よって、画素PXの開口率を大きくすることができる。
【0077】
また、画素電極20は、TFTと重ならない位置に配置される。これにより、画素電極20がTFT周りの電位変動の影響を受けるのを避けることができる。よって、液晶表示装置1の動作特性を向上させることができる。
【0078】
また、蓄積電極22は、画素電極20の端部に重なるように配置され、TFTと重ならない位置に配置される。これにより、共通電圧Vcomが印加される蓄積電極22からの電界に起因してTFTのオフ電流が増えるのを抑制できる。
【0079】
[2] 第2実施形態
第2実施形態は、画素PXが、放射状に配置されかつ並列接続された3個のTFTを備えるようにしている。
【0080】
[2-1] 液晶表示装置1の構成
図6は、本発明の第2実施形態に係るTFTの平面図である。
【0081】
画素PXは、3個のTFT6-1~6-3を備える。TFT6-1~6-3は、放射状に配置される。TFT6-1~6-3の各々の構成は、第1実施形態で説明したTFT6-1の構成と同じである。TFT6-3は、ゲート電極11C、半導体層13C、オーミックコンタクト層14、ソース電極15C、オーミックコンタクト層16、及びドレイン電極17Cを含む。
【0082】
ゲート電極11A~11Cは、電気的に接続される。半導体層13A~13Cは、物理的に接続される。ドレイン電極17A~17Cは、電気的に接続される。接続電極18は、ソース電極15A~15Cに電気的に接続されるように配線される。
【0083】
図6に示した対称軸AX1は、TFT6-1の対称軸に対応し、対称軸AX2は、TFT6-2の対称軸に対応し、対称軸AX3は、TFT6-3の対称軸に対応する。対称軸AX1~AX3は、この順に60度の角度をなす。スルーホール21は、対称軸AX1~AX3の交点に配置される。
【0084】
[2-2] 第1変形例
図7は、第1変形例に係るTFTの平面図である。TFT6-1~6-3の各々の構成は、第1実施形態で説明したTFT6-1の構成と同じである。
【0085】
対称軸AX1は、TFT6-1、6-3の対称軸である。対称軸AX2は、TFT6-2の対称軸である。対称軸AX1と対称軸AX2とは、90度の角度をなす。TFT6-3は、TFT6-1と線対称である。
【0086】
スルーホール21は、対称軸AX1と対称軸AX2との交点に配置される。接続電極18は、ソース電極15A~15Cに電気的に接続されるように配線される。
【0087】
このように、TFT6-1~6-3の対称軸は、任意の方向に設定可能である。
【0088】
[2-3] 第2変形例
図8は、第2変形例に係るTFTの平面図である。TFT6-1~6-3の各々の構成は、第1実施形態で説明したTFT6-1の構成と同じである。
【0089】
TFT6-1~6-3は、回転対称(具体的には、3回回転対称)である。対称軸AX1は、TFT6-1の対称軸であり、対称軸AX2は、TFT6-2の対称軸であり、対称軸AX3は、TFT6-3の対称軸である。対称軸AX1~AX3は、この順に120度の角度をなす。
【0090】
ゲート電極11A~11Cは、電気的に接続される。半導体層13A~13Cは、それぞれが半円状であり、物理的に分離される。ドレイン電極17A~17Cは、電気的に接続される。スルーホール21は、対称軸AX1~AX3の交点に配置され、TFT6-1~6-3の中心に配置される。接続電極18は、ソース電極15A~15Cに電気的に接続されるように配線される。
【0091】
このように、TFT6-1~6-3を回転対称に配置することも可能である。
【0092】
[2-4] 第2実施形態の効果
第2実施形態では、画素PXが3個のTFTを備えているため、TFTの駆動能力をより向上させることができる。
【0093】
また、第2変形例において複数のTFTを回転対称に配置することで、TFTの製造工程においてゲート電極とソース及びドレイン電極とのアライメントにズレが生じた場合でも、複数のTFTのアライメントズレが相互に補完されて相殺される。これにより、液晶表示装置1の安定性を向上させることができる。
【0094】
また、第2変形例において、スルーホール21は、複数のTFTの中心に配置される。これにより、ソース電極とスルーホールとを接続する接続電極18の配線長を短くできる。よって、画素PXの開口率を大きくすることができる。
【0095】
その他の効果は、第1実施形態と同じである。
【0096】
[3] 第3実施形態
第3実施形態は、第1TFT群と第2TFT群とを画素電極20を挟むように配置している。
【0097】
図9は、本発明の第3実施形態に係る画素PXの平面図である。
【0098】
画素PXは、第1TFT群6-1~6-3と、第2TFT群6-4~6-6とを備える。
【0099】
第1TFT群6-1~6-3の構成は、第2実施形態で示したTFT6-1~6-3と同じである。第2TFT群6-4~6-6の構成も、第2実施形態で示したTFT6-1~6-3と同じである。
【0100】
第1TFT群6-1~6-3と第2TFT群6-4~6-6とは、画素電極20のY方向両側に配置される。第1TFT群6-1~6-3と第2TFT群6-4~6-6とは、点対称である。すなわち、第2TFT群6-4~6-6は、第1TFT群6-1~6-3を180度回転させた形状を有する。
【0101】
第1TFT群6-1~6-3のソース電極は、接続電極18-1に接続される。接続電極18-1は、スルーホール21-1を介して画素電極20に接続される。
【0102】
第2TFT群6-4~6-6のソース電極は、接続電極18-2に接続される。接続電極18-2は、スルーホール21-2を介して画素電極20に接続される。
【0103】
第1TFT群6-1~6-3のゲート電極と、第2TFT群6-4~6-6のゲート電極とは、Y方向に延びる接続電極23で接続される。第1TFT群6-1~6-3のドレイン電極と、第2TFT群6-4~6-6のドレイン電極とは、Y方向に延びる接続電極24で接続される。
【0104】
図10は、液晶表示装置1の平面図である。
図10は、画素アレイに含まれる2個の画素PXを抽出して示している。
【0105】
第1画素のゲート電極は、第1画素のX方向に隣接する第2画素の接続電極23に電気的に接続される。ゲート電極と接続電極23とが全体として走査線GLとして機能する。TFT6-1~6-6のドレイン電極は、信号線SLに電気的に接続される。
【0106】
第3実施形態によれば、第1TFT群と第2TFT群とのアライメントにズレが生じた場合でも、第1TFT群と第2TFT群とのアライメントズレが相互に補完されて相殺される。これにより、液晶表示装置1の安定性を向上させることができる。
【0107】
その他の効果は、第1実施形態と同じである。
【0108】
第3実施形態は、2個のTFT群がそれぞれ、3個のTFTを備える構成に限定されず、各TFT群が2個、又は4個以上のTFTを備える構成にも適用できる。
【0109】
[4] 第4実施形態
第4実施形態は、画素PXが、放射状に配置されかつ並列接続された4個以上のTFTを備えるようにしている。
【0110】
[4-1] 液晶表示装置1の構成
図11は、本発明の第4実施形態に係るTFTの平面図である。
【0111】
画素PXは、4個のTFT6-1~6-4を備える。TFT6-1~6-4は、放射状に配置される。TFT6-1~6-4の各々の構成は、第1実施形態で説明したTFT6-1の構成と同じである。
【0112】
対称軸AX1は、TFT6-1、6-4の対称軸である。対称軸AX2は、TFT6-2の対称軸である。対称軸AX3は、TFT6-3の対称軸である。対称軸AX1~AX3は、この順に60度の角度をなす。TFT6-4は、TFT6-1と線対称である。
【0113】
スルーホール21は、対称軸AX1~AX3の交点に配置される。接続電極18は、TFT6-1~6-4の4個のソース電極に電気的に接続されるように配線される。
【0114】
このように、画素PXが4個のTFT6-1~6-4を備えることも可能である。
【0115】
[4-2] 変形例
図12は、変形例に係るTFTの平面図である。
【0116】
画素PXは、5個のTFT6-1~6-5を備える。TFT6-1~6-5は、放射状に配置される。TFT6-1~6-5の各々の構成は、第1実施形態で説明したTFT6-1の構成と同じである。
【0117】
対称軸AX1は、TFT6-1、6-4の対称軸である。対称軸AX2は、TFT6-2、6-5の対称軸である。対称軸AX3は、TFT6-3の対称軸である。対称軸AX1~AX3は、この順に60度の角度をなす。TFT6-4は、TFT6-1と線対称である。TFT6-5は、TFT6-2と線対称である。
【0118】
スルーホール21は、対称軸AX1~AX3の交点に配置される。接続電極18は、TFT6-1~6-5の5個のソース電極に電気的に接続されるように配線される。
【0119】
このように、画素PXが5個のTFT6-1~6-5を備えることも可能である。なお、画素PXは、6個以上のFTFを備えていてもよい。
【0120】
[4-3] 第4実施形態の効果
第4実施形態においても、第1実施形態と同じ効果を得ることができる。
【0121】
[5] 第5実施形態
第5実施形態では、回転対称に配置された3個のTFTのうち1個のTFTを平行移動するように配置している。
【0122】
[5-1] 液晶表示装置1の構成
図13は、本発明の第5実施形態に係るTFTの平面図である。
【0123】
画素PXは、3個のTFT6-1~6-3を備える。TFT6-1~6-3の各々の構成は、第1実施形態で説明したTFT6-1の構成と同じである。
【0124】
対称軸AX1は、TFT6-1の対称軸であり、対称軸AX2は、TFT6-2の対称軸であり、対称軸AX3は、TFT6-3の対称軸である。
【0125】
TFT6-1、6-2は、放射状に配置される。対称軸AX1と対称軸AX2とは、120度の角度をなす。ゲート電極11Aとゲート電極11Bとは、電気的に接続される。半導体層13Aと半導体層13Bとは、物理的に接続される。ドレイン電極17Aとドレイン電極17Bとは、電気的に接続される。
【0126】
TFT6-3は、TFT6-1からY方向に離れて配置される。対称軸AX1と対称軸AX3とは、120度の角度をなす。半導体層13Cは、半導体層13Aと分離される。換言すると、TFT6-3は、回転対称に配置された3個のTFTのうち1個のTFTをY方向に沿って平行移動して構成される。
【0127】
ゲート電極11Cは、Y方向に延びる接続電極23を介してゲート電極11Aに電気的に接続される。ドレイン電極17Cは、Y方向に延びる接続電極24を介してドレイン電極17Aに電気的に接続される。
【0128】
スルーホール21は、TFT6-1、6-2とTFT6-3との間に配置される。接続電極18は、ソース電極15A~15Cに電気的に接続されるように配線される。
【0129】
[5-2] 第1変形例
図14は、第1変形例に係るTFTの平面図である。
【0130】
図14のTFT6-1、6-2は、
図13のTFT6-1、6-2を反時計回りに30度回転させたものである。
図14のTFT6-3は、
図13の1~6-3を反時計回りに30度回転させたものである。それに合わせて、接続電極18は、ソース電極15A~15Cに電気的に接続されるように配線される。
【0131】
[5-3] 第2変形例
図15は、第2変形例に係るTFTの平面図である。
【0132】
図15のTFT6-1~6-3のレイアウトは、
図14と同じである。第2変形例では、第1変形例と比べて、スルーホール21がY方向にずれて配置される。それに合わせて、接続電極18は、スルーホール21に電気的に接続されるように配線される。
【0133】
[5-4] 第5実施形態の効果
第5実施形態によれば、スルーホール21をTFTから離して配置することができる。このより、スルーホール21の電位、及び接続電極18の電位に起因してTFTの動作に干渉するのを抑制できる。
【0134】
また、画素PXのX方向(短手方向)の幅を低減することができる。第5実施形態の構成は、主にリアルカラー画素配置のように、各画素(サブピクセル)の短手方向の幅が長手方向の1/3程度となるような画素において、有用である。
【0135】
その他の効果は、第1実施形態と同じである。
【0136】
[6] 第6実施形態
第6実施形態では、回転対称に配置された4個のTFTのうち1個のTFTを平行移動するように配置している。
【0137】
[6-1] 液晶表示装置1の構成
図16は、本発明の第6実施形態に係る液晶表示装置1の平面図である。
図16は、画素アレイに含まれる2個の画素PXを抽出して示している。
【0138】
画素PXは、4個のTFT6-1~6-4を備える。TFT6-4は、ゲート電極11D、半導体層13D、オーミックコンタクト層14、ソース電極15D、オーミックコンタクト層16、及びドレイン電極17Dを含む。TFT6-1~6-4の各々の構成は、第1実施形態で説明したTFT6-1の構成と同じである。X方向に隣接する複数の画素PXのゲート電極は、1本の走査線GLに共通接続される。
【0139】
図17は、画素PXに含まれるTFTの平面図である。
対称軸AX1は、TFT6-1、6-3の対称軸である。対称軸AX2は、TFT6-2の対称軸である。対称軸AX3は、TFT6-4の対称軸である。対称軸AX1と対称軸AX2とは、90度の角度をなす。TFT6-1~6-3は、放射状に配置される。TFT6-3は、TFT6-1と線対称である。
【0140】
ゲート電極11A~11Cは、電気的に接続される。半導体層13A~13Cは、物理的に接続される。ドレイン電極17A~17Cは、電気的に接続される。
【0141】
TFT6-4は、TFT群6-1~6-3から離れて配置される。対称軸AX1と対称軸AX3とは、90度の角度をなす。半導体層13Dは、半導体層13Aと分離される。換言すると、TFT6-4は、回転対称に配置された4個のTFTのうち1個のTFTをY方向に沿って平行移動して構成される。
【0142】
ゲート電極11Dは、Y方向に延びる接続電極23を介してゲート電極11Aに電気的に接続される。ドレイン電極17Dは、Y方向に延びる接続電極24を介してドレイン電極17Aに電気的に接続される。
【0143】
スルーホール21は、TFT6-1~6-3とTFT6-4との間に配置される。接続電極18は、ソース電極15A~15Dに電気的に接続されるように配線される。
【0144】
[6-2] 第1変形例
図18は、第1変形例に係るTFTの平面図である。
【0145】
図18のTFT6-1~6-3は、
図16のTFT6-1~6-3を反時計回りに45度回転させたものである。
図18のTFT6-4は、
図16のTFT6-4を反時計回りに45度回転させたものである。それに合わせて、接続電極18は、ソース電極15A~15Dに電気的に接続されるように配線される。
【0146】
[6-3] 第2変形例
図19は、第2変形例に係るTFTの平面図である。
【0147】
TFT6-4は、対称軸AX2上に配置される。TFT6-4は、TFT6-2と線対称である。
【0148】
[6-4] 第3変形例
図20は、第3変形例に係るTFTの平面図である。
【0149】
図20のTFT6-4は、
図19のTFT6-4よりも、TFT6-1~6-3から離れて配置される。スルーホール21は、対称軸AX2上に配置される。
【0150】
[6-5] 第6実施形態の効果
第6実施形態においても、第5実施形態と同じ効果を得ることができる。
【0151】
[7] 第7実施形態
第7実施形態は、画素PXが回転対称に配置された4個のTFTを備えるようにしている。
【0152】
図21は、本発明の第7実施形態に係る液晶表示装置1の平面図である。
図21は、画素アレイに含まれる2個の画素PXを抽出して示している。X方向に並んだ1行分の画素は、1本の走査線GLに共通接続される。Y方向に並んだ1列分の画素は、1本の信号線SLに共通接続される。
【0153】
画素PXは、4個のTFT6-1~6-4を備える。TFT6-1~6-4は、共通の走査線GLに接続されるとともに、互いに並列接続される。画素PXは、Y方向に延びる画素電極20を備える。画素電極20は、TFTに重なるように配置される。画素アレイには、画素アレイの各行に共通して、X方向に延びる蓄積電極22が設けられる。蓄積電極22は、TFTに重なるように配置される。画素電極20及び蓄積電極22の具体的な構成については後述する。
【0154】
図22は、画素PXに含まれる4個のTFT6-1~6-4を抽出して示した平面図である。
図23は、
図22のQ-Q’-Q’’線に沿ったTFT6-1の断面図である。なお、図示は省略するが、液晶表示装置1は、TFT基板10に対向して配置される対向基板と、TFT基板10と対向基板との間に挟持された液晶層とを備える。対向基板には、ブラックマトリクス、カラーフィルタ、及び共通電極などが設けられる。
【0155】
TFT6-1~6-4は、放射状かつ回転対称に配置される。TFT6-1~6-4は、全体が四角形で構成され、それぞれが四角形の4つの角に配置される。四角形は、典型的には正方形である。正方形の対角線を通る軸を対称軸AX1、AX2とする。対称軸AX1と対角線AX2とは、90度の角度をなす。
【0156】
TFT6-1は、対称軸AX1を基準にして線対称の形状を有する。TFT6-2は、対称軸AX2を基準にして線対称の形状を有する。TFT6-3は、対称軸AX1を基準にして線対称の形状を有する。TFT6-4は、対称軸AX2を基準にして線対称の形状を有する。TFT6-1は、TFT6-3と線対称である。TFT6-2は、TFT6-4と線対称である。
【0157】
まず、TFT6-1の構成について説明する。
TFT基板10上には、ゲート電極11Aが設けられる。ゲート電極11Aは、一端が曲線で構成され、他端が直線で構成される。換言すると、ゲート電極11Aは、おおよそ半円状である。
【0158】
ゲート電極11A及びTFT基板10上には、ゲート絶縁膜12が設けられる。
【0159】
ゲート絶縁膜12上には、半導体層13Aが設けられる。半導体層13Aは、一端が曲線で構成され、他端が直線で構成される。換言すると、半導体層13Aは、おおよそ半円状である。半導体層13Aは、ゲート電極11Aに重なるように配置される。半導体層13Aの面積は、ゲート電極11Aの面積より大きい。
図22において、半導体層13Aの曲線側の端部は、ゲート電極11Aの曲線側の端部とほぼ同じである。半導体層13Aの直線側の端部は、ゲート電極11Aの直線側の端部より突出するように配置される。
【0160】
半導体層13A上には、オーミックコンタクト層14を介して、ソース電極15Aが設けられる。ソース電極15Aは、対称軸AX1に沿って延びる。ソース電極15Aは、半円状の電極部分を含み、この電極部分が、半導体層13Aに重なるように配置される。ソース電極15Aの幅は、例えば、製造工程で規定される最小配線幅である。
【0161】
半導体層13A上には、オーミックコンタクト層16を介して、ドレイン電極17Aが設けられる。ドレイン電極17Aは、ソース電極15Aを囲むように構成される。ドレイン電極17Aは、C字状である。ドレイン電極17Aの幅は、例えば、製造工程で規定される最小配線幅である。ドレイン電極17Aは、信号線SLに電気的に接続される。
【0162】
ゲート絶縁膜12上には、接続電極18が設けられる。接続電極18は、対称軸AX1と対称軸AX2との交点に配置された円形の電極部分と、円形の電極部分からソース電極15Aまで延びる電極部分とを含む。接続電極18の幅は、例えば、製造工程で規定される最小配線幅である。接続電極18の幅は、円形の電極部分のうち画素電極20と接する部分以外の円環部分の幅と、ソース電極15Aまで延びる直線部分の幅とを意味する。
【0163】
ソース電極15A及びドレイン電極17A上には、絶縁層19-1が設けられる。
【0164】
絶縁層19-1上には、X方向に延びる蓄積電極22が設けられる。蓄積電極22は、TFT6-1~6-4に重なるように配置される。蓄積電極22は、TFT6-1~6-4全体の中央部分に、円形の開口部22Aを有する。
【0165】
蓄積電極22及び絶縁層19-1上には、絶縁層19-2が設けられる。
【0166】
絶縁層19-2上には、Y方向に延びる画素電極20が設けられる。画素電極20は、画素PXが占める領域より若干小さい面積を有する。画素電極20は、TFT6-1~6-4に重なるように配置される。
【0167】
画素電極20は、対称軸AX1と対称軸AX2との交点にスルーホール21を有する。スルーホール21は、円形である。スルーホール21は、蓄積電極22の開口部22Aを通過する。画素電極20は、スルーホール21を介して接続電極18に電気的に接続される。
【0168】
TFT6-2~6-4は、TFT6-1と同じ構成である。
【0169】
4個のゲート電極11A~11Dは、電気的に接続される。ゲート電極11A~11Dは、全体として、その外周が、角の丸まった正方形を有する。ゲート電極11A~11Dは、全体として、中央部に正方形の開口部を有する。ゲート電極11A~11Dは、走査線GLに電気的に接続される。
【0170】
4個の半導体層13A~13Dは、物理的に接続される。半導体層13A~13Dは、全体として、その外周が、角の丸まった正方形を有する。半導体層13A~13Dは、全体として、中央部に八角形の開口部を有する。
【0171】
4個のソース電極15A~15Dは、対称軸AX1、AX2に重なるようにして、十字状に配置される。
【0172】
4個のドレイン電極17A~17Dは、電気的に接続される。ドレイン電極17A~17Dは、全体として、その外周が、角の丸まった正方形を有する。ドレイン電極17A~17Dは、信号線SLに電気的に接続される。
【0173】
第7実施形態によれば、複数のTFTを回転対称に配置することで、TFTの製造工程においてゲート電極とソース及びドレイン電極とのアライメントにズレが生じた場合でも、複数のTFTのアライメントズレが相互に補完されて相殺される。これにより、液晶表示装置1の安定性を向上させることができる。
【0174】
また、スルーホール21は、複数のTFTの中心に配置される。これにより、ソース電極とスルーホールとを接続する接続電極18の配線長を短くできる。よって、画素PXの開口率を大きくすることができる。
【0175】
その他の効果は、第1実施形態と同じである。
【0176】
なお、画素PXに含まれるTFTの数は、4個に限らず、3個でもよいし、5個以上でもよい。
【0177】
[8] 第8実施形態
第8実施形態は、画素PXが回転対称に配置された6個のTFTを備えるようにしている。
【0178】
図24は、本発明の第8実施形態に係る液晶表示装置1の平面図である。
図24は、画素アレイに含まれる2個の画素PXを抽出して示している。
【0179】
画素PXは、6個のTFT6-1~6-6を備える。TFT6-1~6-6は、共通の走査線GLに接続されるとともに、互いに並列接続される。
【0180】
図25は、画素PXに含まれる6個のTFT6-1~6-6を抽出して示した平面図である。TFT6-1~6-6の各々の構成は、第7実施形態で説明したTFT6-1の構成と同じである。
【0181】
TFT6-1~6-6は、放射状かつ回転対称に配置される。TFT6-1~6-6は、全体が六角形で構成され、それぞれが六角形の6つの角に配置される。六角形の頂点と中心とを通る軸を対称軸AX1~AX3とする。対称軸AX1~AX3は、六角形の中心を通る対角線に対応する。対称軸AX1~AX3は、この順に60度の角度をなす。
【0182】
対称軸AX1は、TFT6-1、6-4の対称軸である。対称軸AX2は、TFT6-2、6-5の対称軸である。対称軸AX3は、TFT6-3、6-6の対称軸である。
【0183】
スルーホール21は、対称軸AX1~AX3の交点に配置される。接続電極18は、TFT6-1~6-6のそれぞれのソース電極に電気的に接続されるように配線される。
【0184】
TFT6-1~6-6の6個のゲート電極は、電気的に接続される。6個のゲート電極は、全体として、その外周が、角の丸まった六角形を有する。6個のゲート電極11Dは、全体として、中央部に六角形の開口部を有する。ゲート電極は、走査線GLに電気的に接続される。
【0185】
TFT6-1~6-6の6個の半導体層は、物理的に接続される。6個の半導体層は、全体として、その外周が、角の丸まった六角形を有する。6個の半導体層は、全体として、中央部におおよそ六角形の開口部を有する。
【0186】
TFT6-1~6-6の6個のソース電極は、対称軸AX1~AX3に重なるように配置される。
【0187】
TFT6-1~6-6の6個のドレイン電極は、電気的に接続される。6個のドレイン電極は、全体として、その外周が、角の丸まった六角形を有する。ドレイン電極は、信号線SLに電気的に接続される。
【0188】
第8実施形態においても、第7実施形態と同じ効果を得ることができる。
【0189】
なお、画素PXに含まれるTFTの数は、6個に限らず、7個以上でもよい。
【0190】
上記各実施形態では、表示装置として液晶表示装置を例に挙げて説明している。本実施形態は、液晶表示装置以外の表示装置にも適用可能である。例えば、本実施形態は、有機EL(electroluminescence)表示装置にも適用可能である。
【0191】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0192】
1…液晶表示装置、2…画素アレイ、3…走査線駆動回路、4…信号線駆動回路、5…共通電極駆動回路、6…TFT、10…TFT基板、11A~11D…ゲート電極、12…ゲート絶縁膜、13A~13D…半導体層、14…オーミックコンタクト層、15A~15D…ソース電極、16…オーミックコンタクト層、17A~17D…ドレイン電極、18…接続電極、19…絶縁層、20…画素電極、21…スルーホール、22…蓄積電極、22A…開口部、23…接続電極、24…接続電極、GL…走査線、SL…信号線。