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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042558
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】目地装置
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/68 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
E04B1/68 100A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147346
(22)【出願日】2022-09-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-12
(71)【出願人】
【識別番号】000110365
【氏名又は名称】ドーエイ外装有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】後藤 英夫
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DH31
2E001FA03
2E001FA11
2E001FA52
2E001FA54
2E001FA71
2E001GA12
2E001HA01
2E001HA04
2E001HB01
2E001LA01
2E001LA13
2E001LA18
2E001PA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】美観を損なうことなく床面及び壁面の目地部が開口しないように塞ぐことができるとともに、地震時には目地プレートや躯体を破損することなく揺れ動きを吸収することができる目地装置を提供すること。
【解決手段】一方の躯体3と他方の躯体4の床面間の目地部2を塞ぐ床用目地カバー装置5と、前記一方の躯体3と前記他方の躯体4の壁面間の目地部2を塞ぐ壁面用目地カバー装置6からなる目地装置であって、前記壁面用目地カバー装置6は、前記一方の躯体3に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体4に他端部が取り付けられ、前記壁面間の目地部2の幅の変位に追従して伸縮可能な壁面用目地カバー26と、下端部が前記床用目地カバー装置5の上面に略当接するように前記壁面用目地カバー26の下端部付近に設けられ、かつ、前記壁面間の目地部2の幅の変位に追従して伸縮可能な下部カバー27とで構成されることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の躯体と他方の躯体の床面間の目地部を塞ぐ床用目地カバー装置と、前記一方の躯体と前記他方の躯体の壁面間の目地部を塞ぐ壁面用目地カバー装置からなる目地装置であって、
前記壁面用目地カバー装置は、前記一方の躯体に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体に他端部が取り付けられ、前記壁面間の目地部の幅の変位に追従して伸縮可能な壁面用目地カバーと、下端部が前記床用目地カバー装置の上面に略当接するように前記壁面用目地カバーの下端部付近に設けられ、かつ、前記壁面間の目地部の幅の変位に追従して伸縮可能な下部カバーとで構成され、
前記壁面用目地カバーは、前記一方の躯体に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体に他端部が取り付けられた複数個の枢支部を有するリンク部材と、前記リンク部材の前記枢支部に接続部材を介して取り付けられた複数個の壁面用目地カバー本体と、前記壁面用目地カバー本体の下端部付近に上下方向に摺動可能に設けられ、その下端部が前記下部カバーに略当接するカバー板とで構成され、
前記下部カバーは、一端部が前記一方の躯体に上下方向に移動可能に取り付けられるとともに、他端部が前記他方の躯体に上下方向に移動可能に取り付けられている目地装置。
【請求項2】
前記下部カバーは、断面視において略下向きコ字状の下部カバー本体を複数個連結して構成され、前記下向きコ字状の部位に前記下部カバーの下端部が入り込むことを特徴とする請求項1に記載の目地装置。
【請求項3】
前記床用目地カバー装置は、一方の躯体に一端部が取り付けられ、他方の躯体に他端部が取り付けられた目地カバー支持装置と、前記一方の躯体に一端部が支持され、他端部の底部が前記目地カバー支持装置に支持された可動目地カバーと、前記他方の躯体に一端部が取り付けられ、他端部に前記可動目地カバーが乗り上げる乗り上げ傾斜面か形成されるとともに他端部の底部が前記目地カバー支持装置に支持された固定目地カバーとで構成され、
前記目地カバー支持装置は、前記一方の躯体と前記他方の躯体に架け渡すように設けられ、前記床面間の目地部の幅方向に伸縮可能な受け梁と、前記受け梁に設けられ前記可動目地カバー及び固定目地カバーの他端部側の底部を支持する受け部材とで構成され、前記受け部材は、地震によって前記床面間の目地部が広くなり、前記可動目地カバーと前記固定目地カバーが離間した場合に、前記床面間の目地部が開口しないような長さに形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の目地装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は目地部を介して設けられた左右の躯体の間の目地部を塞ぐ目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一方の躯体と他方の躯体間の床面部分の目地部と壁面部分の目地部を塞ぐ目地装置としては、「角部を有する目地部を形成する一方の躯体と、該一方の躯体と前記目地部を介して設けられ、かつ、前記一方の躯体と対向する他方の躯体と、該他方の躯体に設けられた床目地プレート支持部と、該床用目地プレート支持部と対向する側であって前記一方の躯体に設けられた床用目地プレートスライド支持部と、前記床目地プレート支持部にその一端部が左右方向にスライド可能に支持されると共に、前記床用目地プレートスライド支持部にその他端部が前後方向にスライド可能に支持された床用目地プレートと、該床用目地プレートの一端部側の上方に位置し、前記一方の躯体と他方の躯体の壁面間に設けられた壁面用目地装置とで構成され、前記壁面用目地装置は、前記一方の躯体の一側壁面とこの一側壁面に対向する他方の躯体の一側壁面にそれぞれ設けられ、かつ、複数の枢支部を有するリンク部材と、該リンク部材の前記複数の枢支部にそれぞれ取り付けられた複数のバー部材と、該バー部材に固定され、その下端部が前記床用目地プレートと所定間隔を隔てて上方に位置する複数の壁面用目地プレートと、該複数の壁面用目地プレートの下端部に、それぞれ上下方向にスライド移動可能に設けられ、その下端部が前記床用目地プレートに当接する複数の補助板とで構成される目地装置」が知られている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、このような目地装置では、床用目地プレートの長辺側の壁面間の目地部を塞ぐ場合、床用目地プレートのせり上がりによって床用目地プレートや壁面用目地プレート、補助板等が破損するおそれがあった。すなわち、床用目地プレートがせり上がった場合、当初から床用目地プレートが配置されている部位に設けられた補助板は床用目地プレートのせり上がりに合わせて上方へせり上がるものの、床用目地プレートの他端部(せり上がる方の端部)よりも、他方の躯体側に設置されている壁面用目地プレートの補助板は上方へせり上がらず、床用目地プレートの他端部が補助板等に衝突し、破損等するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-214700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、美観を損なうことなく床面及び壁面の目地部が開口しないように塞ぐことができるとともに、地震時には目地プレートや躯体を破損することなく揺れ動きを吸収することができる目地装置を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の目地装置は、一方の躯体と他方の躯体の床面間の目地部を塞ぐ床用目地カバー装置と、前記一方の躯体と前記他方の躯体の壁面間の目地部を塞ぐ壁面用目地カバー装置からなる目地装置であって、前記壁面用目地カバー装置は、前記一方の躯体に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体に他端部が取り付けられ、前記壁面間の目地部の幅の変位に追従して伸縮可能な壁面用目地カバーと、下端部が前記床用目地カバー装置の上面に略当接するように前記壁面用目地カバーの下端部付近に設けられ、かつ、前記壁面間の目地部の幅の変位に追従して伸縮可能な下部カバーとで構成され、前記壁面用目地カバーは、前記一方の躯体に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体に他端部が取り付けられた複数個の枢支部を有するリンク部材と、前記リンク部材の前記枢支部に接続部材を介して取り付けられた複数個の壁面用目地カバー本体と、前記壁面用目地カバー本体の下端部付近に上下方向に摺動可能に設けられ、その下端部が前記下部カバーに略当接するカバー板とで構成され、前記下部カバーは、一端部が前記一方の躯体に上下方向に移動可能に取り付けられるとともに、他端部が前記他方の躯体に上下方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の目地装置の前記下部カバーは、断面視において略下向きコ字状の下部カバー本体を複数個連結して構成され、前記下向きコ字状の部位に前記下部カバーの下端部が入り込むことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の目地装置の前記床用目地カバー装置は、一方の躯体に一端部が取り付けられ、他方の躯体に他端部が取り付けられた目地カバー支持装置と、前記一方の躯体に一端部が支持され、他端部の底部が前記目地カバー支持装置に支持された可動目地カバーと、前記他方の躯体に一端部が取り付けられ、他端部に前記可動目地カバーが乗り上げる乗り上げ傾斜面か形成されるとともに他端部の底部が前記目地カバー支持装置に支持された固定目地カバーとで構成され、前記目地カバー支持装置は、前記一方の躯体と前記他方の躯体に架け渡すように設けられ、前記床面間の目地部の幅方向に伸縮可能な受け梁と、前記受け梁に設けられ前記可動目地カバー及び固定目地カバーの他端部側の底部を支持する受け部材とで構成され、前記受け部材は、地震によって前記床面間の目地部が広くなり、前記可動目地カバーと前記固定目地カバーが離間した場合に、前記床面間の目地部が開口しないような長さに形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1に記載の発明においては、上下方向に変位可動で、かつ、伸縮する下部カバーを備えているので、床用目地カバーが変位等した場合に、下部カバーが複数のカバー板をまとめて上下方向へ変位させることができ、床用目地カバー装置が壁面用目地カバー装置等に衝突することを確実に防止することができる。
(2)樹脂等のシール部材を用いる必要がないため、美観を損なうこと防止できる。
(3)請求項2に記載の発明においても前記(1)~(2)と同様な効果を得られるとともに、カバー板が下部カバーの凹所状の部位に入り込むので、より下部カバーとカバー板を一体的に動作させることができる。
(3)請求項3に記載の発明においても、前記(1)~(3)と同様な効果が得られるとともに、例えば車両等の重量が大きいものも通行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1乃至図9は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図10及び図11は本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
図1】第1の実施形態の床用目地装置の平面図。
図2図1の2-2線に沿う断面図。
図3図1の3-3線に沿う断面図。
図4】可動目地カバー及び固定目地カバーの説明図。
図5】壁面用目地カバー本体及びカバー板の説明図。
図6】下部カバーの説明図。
図7図6の7-7線に沿う断面図。
図8】地震で目地部が狭くなった状態の動作説明図。
図9】地震で目地部が広くなった状態の動作説明図。
図10】第2の実施形態の床用目地装置の平面図。
図11図10の11-11線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書では図1を基準として左右方向、前(図面下方)後(図面上方)方向という。また、図2を基準として上(図面上方)下(図面下方)方向という。
【0013】
また、本発明において躯体とは、建物、道路、スラブ、エレベーターシャフト等の目地プレートを設置可能な建造物をいい、出入口とはドアや扉の設けられた出入口だけではなく、人や車両等が通行できる通路も含むものである。
【0014】
図1乃至図9に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は一方の躯体3と他方の躯体4間の目地部2を塞ぐ目地装置である。
【0015】
この目地装置1は、例えば図1乃至図3で示すように、一方の躯体3と他方の躯体4の床面間の目地部2aを塞ぐ床用目地カバー装置5と、前記一方の躯体3と前記他方の躯体4の壁面間の目地部2bを塞ぐ壁面用目地カバー装置6とで構成されている。
【0016】
この床用目地カバー装置5は、図1乃至図3で示すように、一方の躯体3に一端部が取り付けられ、他方の躯体4に他端部が取り付けられた目地カバー支持装置7と、前記一方の躯体3に一端部が支持され、他端部の底部が前記目地カバー支持装置7に支持された可動目地カバー8と、前記他方の躯体4に一端部が取り付けられ、他端部に前記可動目地カバー8が乗り上げる乗り上げ傾斜面9か形成されるとともに他端部の底部が前記目地カバー支持装置7に支持された固定目地カバー10とで構成されている。
【0017】
まず、一方の躯体3と他方の躯体4の床面間の目地部2aには、架け渡すように目地カバー支持装置7が設けられている。この目地カバー支持装置7は、本実施形態では、一端部が前後方向に回動可能に一方の躯体3に取り付けられ、他端部が他方の躯体に前後方向に回動可能に取り付けられ、左右方向(目地部の幅方向)に伸縮可能な複数個の受け梁11と、前記受け梁11に設けられ、前記可動目地カバー8及び固定目地カバー10の他端部側の底部を支持する受け部材12とで構成されている。
【0018】
受け梁11は、本実施形態では、左右の躯体3、4の壁面に設けられたガイドレール13と、前記ガイドレール13に係合するローラー等の転動部材14を両端部に備える受け梁本体15とで構成されている。この受け梁本体15は、床面間の目地部2aに平面視において斜めに架け渡されており、地震によって目地部2が広くなったり狭くなった場合には、両端部の転動部材14がガイドレール13にそって前後方向に移動し、目地部2の幅に追従する。この受け梁本体15の略中央部に受け部材12の略中央部がピン等(図示せず)によって枢止状態で取り付けれられる。これにより、目地部の幅が変化しても、常時目地部の略中央部に受け部材12を位置させることができる。
【0019】
なお、受け梁としては一端部が一方の躯体3に前後方向に回動可能に取り付けられた角パイプ状の一方のアーム部材と、他方の躯体4に一端部が回動可能に取り付けられ、他端部が前記一方のアーム部材の他端部側に挿入状態で接続される角パイプ状の他方のアーム部材とで構成したものを用いてもよい。このような場合、一方のアーム部材を大径にし、他方のアーム部材の他端部を一方のアーム部材の他端部側に挿入してもよいし、他方のアーム部材を大径にし、他方のアーム部材の他端部側に一方のアーム部材の他端部を挿入してもよく、これらを混在させてもよい。
【0020】
受け部材12は、前記受け梁11の略中央部付近に設けられた板状の部材で、その上面で前記可動目地カバー8と前記固定目地カバー10の他端部側を支持している。また、地震によって前記床面間の目地部2aが広くなった場合であっても、前記可動目地カバー8と前記固定目地カバー10が離間した場合に、前記床面間の目地部2aが開口しないような(前記可動目地カバー8と前記固定目地カバー10の他端部側を支持可能な)長さに形成されている。なお、受け部材12は、可動目地カバー8及び固定目地カバー10の他端部側の底部を支持するとともに目地部2aが開口しないような部材であればどのようなものを用いてもよい。例えば、格子状の部材や金網等も用いることができる。ここで、「目地部2aが開口しない」とは、人等が目地部2aへ落下するような大きな隙間が生じないという意味であり、例えば目地部2aの通気性を考慮して小さな透孔を有する受け部材12を用いてもよいし、前述したような金網や格子状の部材を用いてもよい。
【0021】
可動目地カバー8は、平面視長方形状の浅皿状で一端部側の両端に一対の係止杭16を備える可動目地カバー本体17と、可動目地カバー本体17内へ充填されたモルタルやコンクリート等の充填部材18と、この充填部材18の上面に貼り付けられた大理石等のタイルやレンガ等の化粧板19と、可動目地カバー本体17の他端部側にヒンジ部材20を介して設けられたカバープレート21とで構成されている。一方の躯体3にはこの可動目地カバー8の一端部を支持するとともに、前記係止杭16が挿入される係止杭挿入孔22を備える可動目地カバー支持部23が設けられている。なお係止杭16は可動目地カバー8が固定目地カバー10の上面に乗り上げても脱落しない程度の長さに形成することが望ましい。
【0022】
固定目地カバー10は、平面視長方形状の浅皿状の固定目地カバー本体24と、固定目地カバー本体24内へ充填されたモルタルやコンクリート等の充填部材18と、この充填部材18の上面に貼り付けられた大理石等のタイルやレンガ等の化粧板19と、固定目地カバー本体24の他端部側に形成され、目地部2が狭くなった際に可動目地カバー8の他端部が乗り上げる乗り上げ傾斜面9とで構成されている。固定目地カバー10は、可動目地カバー8と同様に一端部が係止杭16で係止状態で取り付けられてもよいが、本実施形態では、他方の躯体4に設けられた固定目地カバー支持部25に、固定目地カバー10の一端部側がボルト等により固定状態で取り付けられている。
【0023】
この可動目地カバー8と固定目地カバー10の他端部は、通常時において略当接するように接近した状態で設けられることが望ましいが、地震による揺れ動きを吸収できるとともに、目地部2aが開口しないような配置であれば、どのように配置してもよい。
【0024】
壁面用目地カバー装置6は、本実施形態では、図1乃至図3に示すように、一方の躯体3に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体4に他端部が取り付けられ、前記壁面間の目地部2bの幅の変位に追従して伸縮可能な壁面用目地カバー26と、下端部が前記床用目地カバー装置5の上面に略当接するように前記壁面用目地カバー26の下端部付近に設けられ、かつ、前記壁面間の目地部2bの幅の変位に追従して伸縮可能な下部カバー27とで構成されている。
【0025】
この壁面用目地カバー26は、本実施形態では、図5に示すように、一方の躯体3に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体4に他端部が取り付けられた複数個の枢支部28を有するリンク部材29と、前記リンク部材29の前記枢支部28に接続部材30を介して取り付けられた複数個の壁面用目地カバー本体31と、前記壁面用目地カバー本体31の下端部付近に上下方向に摺動可能に設けられ、その下端部が前記下部カバー27に略当接するカバー板32とで構成されている。
【0026】
リンク部材29はパンタグラフ状の部材で、上下に複数個、本実施形態では、2つのリンク部材29を設けている。このリンク部材29は、一端部が一方の躯体3にヒンジ等の回動軸33を介して前後方向に回動可能に設けられ、他端部が他方の躯体4にヒンジ等の回動軸33を介して前後方向に回動可能に設けられている。また、複数個の枢支部28には、接続部材30を介して壁面用目地カバー本体31が取り付けられている。なお、本実施形態では、リンク部材29を平面視において傾斜するように設けているが、可動目地カバー8や前記固定目地カバー10の長手方向(左右方向)に平行になるように設けてもよい。
【0027】
壁面用目地カバー本体31は、平面視において略クランク状又は略ハット鋼状に形成された金属製の板材で、一端部側にリンク部材29に取り付けられる取付部34が形成されている。この取付部34には、適宜垂木等のバー部材を固定してもよい。
【0028】
また、この壁面用目地カバー本体31には、カバー板32を上下方向に移動可能に挿入状態でそれぞれ取り付けるカバー板取付部35が設けられている。このカバー板取付部35は、カバー板32が略垂直方向にのみ移動するようにガイドする構造であればどのような構造であってもよく、本実施形態では、カバー板32が上下移動する際にガイドになるように壁面用目地カバー本体31の突出端部を折り返してカバー板取付部35としているが、例えばこのカバー板取付部35と対向する位置に板材等を固定して1対のガイド部状のカバー板取付部35としてもよい。また、壁面用目地カバー本体31の裏面(カバー板32が当接する表面)に溝やガイドレール等のガイドを形成し、この溝に係合する係合部をカバー板32に形成してガイドに係合部を係合させてカバー板取付部35としてもよい。
【0029】
前記下部カバー27は、本実施形態では図6及び図7に示すように、断面視において略下向きコ字状の下部カバー本体36を複数個、入れ子構造のように係合状態で連結して構成されている。具体的には図7に示すように、上端部に折り返し部36aが形成され略垂直に形成された第1の垂直部36bと、この第1の垂直部36bと略直角に設けられた略水平の底部36cと、この底部36cを略直角に設けられた第2の垂直部36dと、この第2の垂直部の上端部に形成された第2折り返し部36eとで構成されている。この折り返し部36a、36eにやや寸法が小さい下部カバー本体36を入れ子状態で挿入することにより、左右方向(目地部の幅方向)に伸縮させることができる。なお、図示しないが下部カバー本体36が折り返し部36a、36eから脱落する(接続が解除される)ことを防止する脱落防止手段を適宜設けている。また、第1の垂直部と第2の垂直部の寸法は略同一でもよいし、いずれか一方を長くしてもよい。さらに、本実施形態では、下部カバー本体36を前述のような形状としたが、左右方向に伸縮でき、カバー板32の底部を一体的に押し上げることができる形状、例えば断面略L字状、略ハット鋼状、円弧状等の任意の形状に形成することができる。
【0030】
この下部カバー27は、一端部が前記一方の躯体3に上下方向に移動可能に取り付けられるとともに、他端部が前記他方の躯体4に上下方向に移動可能に取り付けられている。具体的には、本実施形態では、一方の躯体3側の下部カバー本体36A、中間の下部カバー本体36B、他方の躯体側の下部カバー本体36Cとからなっており、一方の躯体側の下部カバー本体36A及び他方の躯体側の下部カバー本体36Cの端部にそれぞれ形成された透孔37aを有する下部カバー取付部37に、一方の躯体3及び他方の躯体4に固定されたバー状の下部カバー取付具38を挿入して下部カバー27を取り付ける。なお、下部カバー取付具38から脱落しないように脱落防止手段を備えることが望ましい。なお、下部カバー取付部37に形成された透孔37aは下部カバー取付具の直径よりも大きい直径とすることが望ましく、そのように形成することで、下部カバー27をスムーズに上下方向に移動させることができる。
【0031】
ところで、本実施形態では、下部カバー27の下向きコ字状に形成された凹所部分は、カバー板32が入り込むカバー板収納部39となっており、このようなカバー板収納部39を設けることで、下部カバー27が上下方向に移動した場合に、スムーズにカバー板32との動きを連動させることができる。
【0032】
カバー板32の長さは、可動目地カバー8がせり上がる高さよりカバー板32の摺動幅が大きければ任意の長さにすることができるが、例えば、可動目地カバー8の厚さが100mmの場合、カバー板収納部39に収納される長さが100mm、摺動幅150mm(可動目地カバー8の厚さ及び余裕分)、壁面用目地カバー本体31にガイドされる部位100mm程度、すなわち長さ400mm程度に形成することが望ましい。また、カバー板32は、本実施形態では、平板状の部材を用いているが、平面視L字状(アングル状)の板材等、屈曲部や湾曲部を有する板材等をカバー板32に用いてもよい。
【0033】
前記下部カバー27は、断面視において略下向きのコ字状下部カバー本体36を複数個、入れ子構造のように係合状態で連結しているため、地震によって目地部2の幅が変化しても、複数個の下部カバー本体36の重なり幅が変化して左右方向の目地部の変化に追従することができ、さらに前述したように透孔37aを有する下部カバー取付部37に、一方の躯体3及び他方の躯体4に固定されたバー状の下部カバー取付具38を挿入して一方の躯体3及び他方の躯体4に取り付けられるため、左右の躯体3、4が異なる前後方向に揺れ動いた場合にも追従することができる。
【0034】
さらに、複数個の下部カバー本体36は入れ子構造のように係合状態になっているため、下部カバー本体36の一部が可動目地カバー8によって押し上げられた場合であっても、下部カバー27が一体となって上方へ押し上げられるため、カバー板32等に可動目地カバー8等が衝突することを防止できる。
【0035】
なお、下部カバー27は本実施形態のように複数個の下部カバー本体36を入れ子構造のように係合しても良いが、例えばレール状の係合部及び被係合部を形成して互いに左右方向に摺動可能に連結しても良い。
【0036】
ところで、下部カバー27は、本実施形態では一方の躯体3と他方の躯体4の床面に取り付けているが、一方の躯体3と他方の躯体4の目地部側の壁面に下部カバー27の両端部を取り付けてもよく、その他任意の部位に取り付けることができる。
【0037】
地震で目地部2が狭くなるように左右の躯体3、4が揺れ動くと、図8に示すように、可動目地カバー他端部が固定目地カバー10に形成された乗り上げ傾斜面9に沿って上方に乗り上げ、下部カバー27の底部を上方に押し上げる。そうすると下部カバー27は、複数個のカバー板32をそれぞれ上方へ押圧し、カバー板32を上方へ移動させる。また、壁面用目地カバー装置6は、壁面用目地カバー本体31がそれぞれ重なり幅が大きくなるように変位することで壁面用目地カバー26が縮み揺れ動きを吸収する。このような作用により躯体3、4や床用目地カバー装置5、壁面用目地カバー装置6を損傷することなく地震による揺れ動きを吸収する。
【0038】
地震で目地部2が広くなるように左右の躯体3、4が揺れ動くと、図9に示すように可動目地カバー8と固定目地カバー10が離間するように移動し、揺れ動きを吸収する。このとき、受け部材12により目地部2aが開口することを防止できる。また、壁面用目地カバー装置6は、壁面用目地カバー本体31がそれぞれ重なり幅が少なくなるように変位することで壁面用目地カバー26が伸長して揺れ動きを吸収する。
【0039】
地震で左右の躯体3、4が異なる前後方向に揺れ動いた場合、可動目地カバー8と固定目地カバー10はそれぞれ一方の躯体3又は他方の躯体4と同調して前後方向に移動するとともに、壁面用目地カバー装置6及び下部カバー27は前後方向に回動して地震による揺れ動きを吸収する。
【0040】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図10及び図11に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0041】
図10及び図11に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、床面間の目地部に設けられたリンク部材29と、このリンク部材29の枢支部28にそれぞれ板状の目地カバー板40を取り付けた床用目地カバー装置5Aにした点で、このような床用目地カバー装置5Aを用いた目地装置1Aにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。本実施形態では、目地カバー板40が上方へ変位するものではないが、地震によって目地部の幅が変位すると床用目地カバー装置の目地カバー板40の重なり幅が変化し、目地カバー板40の端部と壁面用目地カバー26が衝突することを防止できる。
【0042】
なお、本発明の実施の形態においては、固定目地カバーと可動目地カバーを用いた床用目地カバー装置や複数個の目地カバーをリンク部材を介して取り付けた床用目地カバー装置を用いたものについて説明したが、その他公知の床用目地カバー装置を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は床用目地装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0044】
1、1A:床用目地装置、 2:目地部、
3:一方の躯体、 4:他方の躯体、
5、5A:床用目地カバー装置、 6:壁面用目地カバー装置、
7:目地カバー支持装置、 8:可動目地カバー、
9:乗り上げ傾斜面、 10:固定目地カバー、
11:受け梁、 12:受け部材、
13:ガイドレール、 14:転動部材、
15:受け梁本体、 16:係止杭、
17:可動目地カバー本体、 18:充填部材、
19:化粧板、 20:ヒンジ部材、
21:カバープレート、 22:係止杭挿入孔、
23:可動目地カバー支持部、 24:固定目地カバー本体、
25:固定目地カバー支持部、 26:壁面用目地カバー、
27:下部カバー、 28:枢支部、
29:リンク部材、 30:接続部材、
31:壁面用目地カバー本体、 32:カバー板、
33:回動軸、 34:取付部、
35:カバー板取付部、 36:下部カバー本体、
37:下部カバー取付部、 38:下部カバー取付具、
39:カバー板収納部、 40:目地カバー板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の躯体と他方の躯体の床面間の目地部を塞ぐ床用目地カバー装置と、前記一方の躯体と前記他方の躯体の壁面間の目地部を塞ぐ壁面用目地カバー装置からなる目地装置であって、
前記壁面用目地カバー装置は、前記一方の躯体に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体に他端部が取り付けられ、前記壁面間の目地部の幅の変位に追従して伸縮可能な壁面用目地カバーと、下端部が前記床用目地カバー装置の上面に略当接するように前記壁面用目地カバーの下端部付近に設けられ、かつ、前記壁面間の目地部の幅の変位に追従して伸縮可能な下部カバーとで構成され、
前記壁面用目地カバーは、前記一方の躯体に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体に他端部が取り付けられた複数個の枢支部を有するリンク部材と、前記リンク部材の前記枢支部に接続部材を介して取り付けられた複数個の壁面用目地カバー本体と、前記壁面用目地カバー本体の下端部付近に上下方向に摺動可能に設けられ、その下端部が前記下部カバーに略当接するカバー板とで構成され、
前記下部カバーは、一端部が前記一方の躯体に上下方向に移動可能に取り付けられるとともに、他端部が前記他方の躯体に上下方向に移動可能に取り付けられている目地装置。
【請求項2】
前記下部カバーは、断面視において略下向きコ字状の下部カバー本体を複数個連結して構成され、前記下向きコ字状の部位に前記下部カバーの下端部が入り込むことを特徴とする請求項1に記載の目地装置。
【請求項3】
前記床用目地カバー装置は、一方の躯体に一端部が取り付けられ、他方の躯体に他端部が取り付けられた目地カバー支持装置と、前記一方の躯体に一端部が支持され、他端部の底部が前記目地カバー支持装置に支持された可動目地カバーと、前記他方の躯体に一端部が取り付けられ、他端部に前記可動目地カバーが乗り上げる乗り上げ傾斜面形成されるとともに他端部の底部が前記目地カバー支持装置に支持された固定目地カバーとで構成され、
前記目地カバー支持装置は、前記一方の躯体と前記他方の躯体に架け渡すように設けられ、前記床面間の目地部の幅方向に伸縮可能な受け梁と、前記受け梁に設けられ前記可動目地カバー及び固定目地カバーの他端部側の底部を支持する受け部材とで構成され、前記受け部材は、地震によって前記床面間の目地部が広くなり、前記可動目地カバーと前記固定目地カバーが離間した場合に、前記床面間の目地部が開口しないような長さに形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の目地装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は目地部を介して設けられた左右の躯体の間の目地部を塞ぐ目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一方の躯体と他方の躯体間の床面部分の目地部と壁面部分の目地部を塞ぐ目地装置としては、「角部を有する目地部を形成する一方の躯体と、該一方の躯体と前記目地部を介して設けられ、かつ、前記一方の躯体と対向する他方の躯体と、該他方の躯体に設けられた床目地プレート支持部と、該床用目地プレート支持部と対向する側であって前記一方の躯体に設けられた床用目地プレートスライド支持部と、前記床目地プレート支持部にその一端部が左右方向にスライド可能に支持されると共に、前記床用目地プレートスライド支持部にその他端部が前後方向にスライド可能に支持された床用目地プレートと、該床用目地プレートの一端部側の上方に位置し、前記一方の躯体と他方の躯体の壁面間に設けられた壁面用目地装置とで構成され、前記壁面用目地装置は、前記一方の躯体の一側壁面とこの一側壁面に対向する他方の躯体の一側壁面にそれぞれ設けられ、かつ、複数の枢支部を有するリンク部材と、該リンク部材の前記複数の枢支部にそれぞれ取り付けられた複数のバー部材と、該バー部材に固定され、その下端部が前記床用目地プレートと所定間隔を隔てて上方に位置する複数の壁面用目地プレートと、該複数の壁面用目地プレートの下端部に、それぞれ上下方向にスライド移動可能に設けられ、その下端部が前記床用目地プレートに当接する複数の補助板とで構成される目地装置」が知られている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、このような目地装置では、床用目地プレートの長辺側の壁面間の目地部を塞ぐ場合、床用目地プレートのせり上がりによって床用目地プレートや壁面用目地プレート、補助板等が破損するおそれがあった。すなわち、床用目地プレートがせり上がった場合、当初から床用目地プレートが配置されている部位に設けられた補助板は床用目地プレートのせり上がりに合わせて上方へせり上がるものの、床用目地プレートの他端部(せり上がる方の端部)よりも、他方の躯体側に設置されている壁面用目地プレートの補助板は上方へせり上がらず、床用目地プレートの他端部が補助板等に衝突し、破損等するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-214700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、美観を損なうことなく床面及び壁面の目地部が開口しないように塞ぐことができるとともに、地震時には目地プレートや躯体を破損することなく揺れ動きを吸収することができる目地装置を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の目地装置は、一方の躯体と他方の躯体の床面間の目地部を塞ぐ床用目地カバー装置と、前記一方の躯体と前記他方の躯体の壁面間の目地部を塞ぐ壁面用目地カバー装置からなる目地装置であって、前記壁面用目地カバー装置は、前記一方の躯体に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体に他端部が取り付けられ、前記壁面間の目地部の幅の変位に追従して伸縮可能な壁面用目地カバーと、下端部が前記床用目地カバー装置の上面に略当接するように前記壁面用目地カバーの下端部付近に設けられ、かつ、前記壁面間の目地部の幅の変位に追従して伸縮可能な下部カバーとで構成され、前記壁面用目地カバーは、前記一方の躯体に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体に他端部が取り付けられた複数個の枢支部を有するリンク部材と、前記リンク部材の前記枢支部に接続部材を介して取り付けられた複数個の壁面用目地カバー本体と、前記壁面用目地カバー本体の下端部付近に上下方向に摺動可能に設けられ、その下端部が前記下部カバーに略当接するカバー板とで構成され、前記下部カバーは、一端部が前記一方の躯体に上下方向に移動可能に取り付けられるとともに、他端部が前記他方の躯体に上下方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の目地装置の前記下部カバーは、断面視において略下向きコ字状の下部カバー本体を複数個連結して構成され、前記下向きコ字状の部位に前記下部カバーの下端部が入り込むことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の目地装置の前記床用目地カバー装置は、一方の躯体に一端部が取り付けられ、他方の躯体に他端部が取り付けられた目地カバー支持装置と、前記一方の躯体に一端部が支持され、他端部の底部が前記目地カバー支持装置に支持された可動目地カバーと、前記他方の躯体に一端部が取り付けられ、他端部に前記可動目地カバーが乗り上げる乗り上げ傾斜面形成されるとともに他端部の底部が前記目地カバー支持装置に支持された固定目地カバーとで構成され、前記目地カバー支持装置は、前記一方の躯体と前記他方の躯体に架け渡すように設けられ、前記床面間の目地部の幅方向に伸縮可能な受け梁と、前記受け梁に設けられ前記可動目地カバー及び固定目地カバーの他端部側の底部を支持する受け部材とで構成され、前記受け部材は、地震によって前記床面間の目地部が広くなり、前記可動目地カバーと前記固定目地カバーが離間した場合に、前記床面間の目地部が開口しないような長さに形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1に記載の発明においては、上下方向に変位可動で、かつ、伸縮する下部カバーを備えているので、床用目地カバーが変位等した場合に、下部カバーが複数のカバー板をまとめて上下方向へ変位させることができ、床用目地カバー装置が壁面用目地カバー装置等に衝突することを確実に防止することができる。
(2)樹脂等のシール部材を用いる必要がないため、美観を損なうこと防止できる。
(3)請求項2に記載の発明においても前記(1)~(2)と同様な効果を得られるとともに、カバー板が下部カバーの凹所状の部位に入り込むので、より下部カバーとカバー板を一体的に動作させることができる。
(3)請求項3に記載の発明においても、前記(1)~(3)と同様な効果が得られるとともに、例えば車両等の重量が大きいものも通行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1乃至図9は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図10及び図11は本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
図1】第1の実施形態の床用目地装置の平面図。
図2図1の2-2線に沿う断面図。
図3図1の3-3線に沿う断面図。
図4】可動目地カバー及び固定目地カバーの説明図。
図5】壁面用目地カバー本体及びカバー板の説明図。
図6】下部カバーの説明図。
図7図6の7-7線に沿う断面図。
図8】地震で目地部が狭くなった状態の動作説明図。
図9】地震で目地部が広くなった状態の動作説明図。
図10】第2の実施形態の床用目地装置の平面図。
図11図10の11-11線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書では図1を基準として左右方向、前(図面下方)後(図面上方)方向という。また、図2を基準として上(図面上方)下(図面下方)方向という。
【0013】
また、本発明において躯体とは、建物、道路、スラブ、エレベーターシャフト等の目地プレートを設置可能な建造物をいい、出入口とはドアや扉の設けられた出入口だけではなく、人や車両等が通行できる通路も含むものである。
【0014】
図1乃至図9に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は一方の躯体3と他方の躯体4間の目地部2を塞ぐ目地装置である。
【0015】
この目地装置1は、例えば図1乃至図3で示すように、一方の躯体3と他方の躯体4の床面間の目地部2aを塞ぐ床用目地カバー装置5と、前記一方の躯体3と前記他方の躯体4の壁面間の目地部2bを塞ぐ壁面用目地カバー装置6とで構成されている。
【0016】
この床用目地カバー装置5は、図1乃至図3で示すように、一方の躯体3に一端部が取り付けられ、他方の躯体4に他端部が取り付けられた目地カバー支持装置7と、前記一方の躯体3に一端部が支持され、他端部の底部が前記目地カバー支持装置7に支持された可動目地カバー8と、前記他方の躯体4に一端部が取り付けられ、他端部に前記可動目地カバー8が乗り上げる乗り上げ傾斜面9か形成されるとともに他端部の底部が前記目地カバー支持装置7に支持された固定目地カバー10とで構成されている。
【0017】
まず、一方の躯体3と他方の躯体4の床面間の目地部2aには、架け渡すように目地カバー支持装置7が設けられている。この目地カバー支持装置7は、本実施形態では、一端部が前後方向に回動可能に一方の躯体3に取り付けられ、他端部が他方の躯体に前後方向に回動可能に取り付けられ、左右方向(目地部の幅方向)に伸縮可能な複数個の受け梁11と、前記受け梁11に設けられ、前記可動目地カバー8及び固定目地カバー10の他端部側の底部を支持する受け部材12とで構成されている。
【0018】
受け梁11は、本実施形態では、左右の躯体3、4の壁面に設けられたガイドレール13と、前記ガイドレール13に係合するローラー等の転動部材14を両端部に備える受け梁本体15とで構成されている。この受け梁本体15は、床面間の目地部2aに平面視において斜めに架け渡されており、地震によって目地部2が広くなったり狭くなった場合には、両端部の転動部材14がガイドレール13にそって前後方向に移動し、目地部2の幅に追従する。この受け梁本体15の略中央部に受け部材12の略中央部がピン等(図示せず)によって枢止状態で取り付けれられる。これにより、目地部の幅が変化しても、常時目地部の略中央部に受け部材12を位置させることができる。
【0019】
なお、受け梁としては一端部が一方の躯体3に前後方向に回動可能に取り付けられた角パイプ状の一方のアーム部材と、他方の躯体4に一端部が回動可能に取り付けられ、他端部が前記一方のアーム部材の他端部側に挿入状態で接続される角パイプ状の他方のアーム部材とで構成したものを用いてもよい。このような場合、一方のアーム部材を大径にし、他方のアーム部材の他端部を一方のアーム部材の他端部側に挿入してもよいし、他方のアーム部材を大径にし、他方のアーム部材の他端部側に一方のアーム部材の他端部を挿入してもよく、これらを混在させてもよい。
【0020】
受け部材12は、前記受け梁11の略中央部付近に設けられた板状の部材で、その上面で前記可動目地カバー8と前記固定目地カバー10の他端部側を支持している。また、地震によって前記床面間の目地部2aが広くなった場合であっても、前記可動目地カバー8と前記固定目地カバー10が離間した場合に、前記床面間の目地部2aが開口しないような(前記可動目地カバー8と前記固定目地カバー10の他端部側を支持可能な)長さに形成されている。なお、受け部材12は、可動目地カバー8及び固定目地カバー10の他端部側の底部を支持するとともに目地部2aが開口しないような部材であればどのようなものを用いてもよい。例えば、格子状の部材や金網等も用いることができる。ここで、「目地部2aが開口しない」とは、人等が目地部2aへ落下するような大きな隙間が生じないという意味であり、例えば目地部2aの通気性を考慮して小さな透孔を有する受け部材12を用いてもよいし、前述したような金網や格子状の部材を用いてもよい。
【0021】
可動目地カバー8は、平面視長方形状の浅皿状で一端部側の両端に一対の係止杭16を備える可動目地カバー本体17と、可動目地カバー本体17内へ充填されたモルタルやコンクリート等の充填部材18と、この充填部材18の上面に貼り付けられた大理石等のタイルやレンガ等の化粧板19と、可動目地カバー本体17の他端部側にヒンジ部材20を介して設けられたカバープレート21とで構成されている。一方の躯体3にはこの可動目地カバー8の一端部を支持するとともに、前記係止杭16が挿入される係止杭挿入孔22を備える可動目地カバー支持部23が設けられている。なお係止杭16は可動目地カバー8が固定目地カバー10の上面に乗り上げても脱落しない程度の長さに形成することが望ましい。
【0022】
固定目地カバー10は、平面視長方形状の浅皿状の固定目地カバー本体24と、固定目地カバー本体24内へ充填されたモルタルやコンクリート等の充填部材18と、この充填部材18の上面に貼り付けられた大理石等のタイルやレンガ等の化粧板19と、固定目地カバー本体24の他端部側に形成され、目地部2が狭くなった際に可動目地カバー8の他端部が乗り上げる乗り上げ傾斜面9とで構成されている。固定目地カバー10は、可動目地カバー8と同様に一端部が係止杭16で係止状態で取り付けられてもよいが、本実施形態では、他方の躯体4に設けられた固定目地カバー支持部25に、固定目地カバー10の一端部側がボルト等により固定状態で取り付けられている。
【0023】
この可動目地カバー8と固定目地カバー10の他端部は、通常時において略当接するように接近した状態で設けられることが望ましいが、地震による揺れ動きを吸収できるとともに、目地部2aが開口しないような配置であれば、どのように配置してもよい。
【0024】
壁面用目地カバー装置6は、本実施形態では、図1乃至図3に示すように、一方の躯体3に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体4に他端部が取り付けられ、前記壁面間の目地部2bの幅の変位に追従して伸縮可能な壁面用目地カバー26と、下端部が前記床用目地カバー装置5の上面に略当接するように前記壁面用目地カバー26の下端部付近に設けられ、かつ、前記壁面間の目地部2bの幅の変位に追従して伸縮可能な下部カバー27とで構成されている。
【0025】
この壁面用目地カバー26は、本実施形態では、図5に示すように、一方の躯体3に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体4に他端部が取り付けられた複数個の枢支部28を有するリンク部材29と、前記リンク部材29の前記枢支部28に接続部材30を介して取り付けられた複数個の壁面用目地カバー本体31と、前記壁面用目地カバー本体31の下端部付近に上下方向に摺動可能に設けられ、その下端部が前記下部カバー27に略当接するカバー板32とで構成されている。
【0026】
リンク部材29はパンタグラフ状の部材で、上下に複数個、本実施形態では、2つのリンク部材29を設けている。このリンク部材29は、一端部が一方の躯体3にヒンジ等の回動軸33を介して前後方向に回動可能に設けられ、他端部が他方の躯体4にヒンジ等の回動軸33を介して前後方向に回動可能に設けられている。また、複数個の枢支部28には、接続部材30を介して壁面用目地カバー本体31が取り付けられている。なお、本実施形態では、リンク部材29を平面視において傾斜するように設けているが、可動目地カバー8や前記固定目地カバー10の長手方向(左右方向)に平行になるように設けてもよい。
【0027】
壁面用目地カバー本体31は、平面視において略クランク状又は略ハット鋼状に形成された金属製の板材で、一端部側にリンク部材29に取り付けられる取付部34が形成されている。この取付部34には、適宜垂木等のバー部材を固定してもよい。
【0028】
また、この壁面用目地カバー本体31には、カバー板32を上下方向に移動可能に挿入状態でそれぞれ取り付けるカバー板取付部35が設けられている。このカバー板取付部35は、カバー板32が略垂直方向にのみ移動するようにガイドする構造であればどのような構造であってもよく、本実施形態では、カバー板32が上下移動する際にガイドになるように壁面用目地カバー本体31の突出端部を折り返してカバー板取付部35としているが、例えばこのカバー板取付部35と対向する位置に板材等を固定して1対のガイド部状のカバー板取付部35としてもよい。また、壁面用目地カバー本体31の裏面(カバー板32が当接する表面)に溝やガイドレール等のガイドを形成し、この溝に係合する係合部をカバー板32に形成してガイドに係合部を係合させてカバー板取付部35としてもよい。
【0029】
前記下部カバー27は、本実施形態では図6及び図7に示すように、断面視において略下向きコ字状の下部カバー本体36を複数個、入れ子構造のように係合状態で連結して構成されている。具体的には図7に示すように、上端部に折り返し部36aが形成され略垂直に形成された第1の垂直部36bと、この第1の垂直部36bと略直角に設けられた略水平の底部36cと、この底部36cを略直角に設けられた第2の垂直部36dと、この第2の垂直部の上端部に形成された第2折り返し部36eとで構成されている。この折り返し部36a、36eにやや寸法が小さい下部カバー本体36を入れ子状態で挿入することにより、左右方向(目地部の幅方向)に伸縮させることができる。なお、図示しないが下部カバー本体36が折り返し部36a、36eから脱落する(接続が解除される)ことを防止する脱落防止手段を適宜設けている。また、第1の垂直部と第2の垂直部の寸法は略同一でもよいし、いずれか一方を長くしてもよい。さらに、本実施形態では、下部カバー本体36を前述のような形状としたが、左右方向に伸縮でき、カバー板32の底部を一体的に押し上げることができる形状、例えば断面略L字状、略ハット鋼状、円弧状等の任意の形状に形成することができる。
【0030】
この下部カバー27は、一端部が前記一方の躯体3に上下方向に移動可能に取り付けられるとともに、他端部が前記他方の躯体4に上下方向に移動可能に取り付けられている。具体的には、本実施形態では、一方の躯体3側の下部カバー本体36A、中間の下部カバー本体36B、他方の躯体側の下部カバー本体36Cとからなっており、一方の躯体側の下部カバー本体36A及び他方の躯体側の下部カバー本体36Cの端部にそれぞれ形成された透孔37aを有する下部カバー取付部37に、一方の躯体3及び他方の躯体4に固定されたバー状の下部カバー取付具38を挿入して下部カバー27を取り付ける。なお、下部カバー取付具38から脱落しないように脱落防止手段を備えることが望ましい。なお、下部カバー取付部37に形成された透孔37aは下部カバー取付具の直径よりも大きい直径とすることが望ましく、そのように形成することで、下部カバー27をスムーズに上下方向に移動させることができる。
【0031】
ところで、本実施形態では、下部カバー27の下向きコ字状に形成された凹所部分は、カバー板32が入り込むカバー板収納部39となっており、このようなカバー板収納部39を設けることで、下部カバー27が上下方向に移動した場合に、スムーズにカバー板32との動きを連動させることができる。
【0032】
カバー板32の長さは、可動目地カバー8がせり上がる高さよりカバー板32の摺動幅が大きければ任意の長さにすることができるが、例えば、可動目地カバー8の厚さが100mmの場合、カバー板収納部39に収納される長さが100mm、摺動幅150mm(可動目地カバー8の厚さ及び余裕分)、壁面用目地カバー本体31にガイドされる部位100mm程度、すなわち長さ400mm程度に形成することが望ましい。また、カバー板32は、本実施形態では、平板状の部材を用いているが、平面視L字状(アングル状)の板材等、屈曲部や湾曲部を有する板材等をカバー板32に用いてもよい。
【0033】
前記下部カバー27は、断面視において略下向きのコ字状下部カバー本体36を複数個、入れ子構造のように係合状態で連結しているため、地震によって目地部2の幅が変化しても、複数個の下部カバー本体36の重なり幅が変化して左右方向の目地部の変化に追従することができ、さらに前述したように透孔37aを有する下部カバー取付部37に、一方の躯体3及び他方の躯体4に固定されたバー状の下部カバー取付具38を挿入して一方の躯体3及び他方の躯体4に取り付けられるため、左右の躯体3、4が異なる前後方向に揺れ動いた場合にも追従することができる。
【0034】
さらに、複数個の下部カバー本体36は入れ子構造のように係合状態になっているため、下部カバー本体36の一部が可動目地カバー8によって押し上げられた場合であっても、下部カバー27が一体となって上方へ押し上げられるため、カバー板32等に可動目地カバー8等が衝突することを防止できる。
【0035】
なお、下部カバー27は本実施形態のように複数個の下部カバー本体36を入れ子構造のように係合しても良いが、例えばレール状の係合部及び被係合部を形成して互いに左右方向に摺動可能に連結しても良い。
【0036】
ところで、下部カバー27は、本実施形態では一方の躯体3と他方の躯体4の床面に取り付けているが、一方の躯体3と他方の躯体4の目地部側の壁面に下部カバー27の両端部を取り付けてもよく、その他任意の部位に取り付けることができる。
【0037】
地震で目地部2が狭くなるように左右の躯体3、4が揺れ動くと、図8に示すように、可動目地カバー他端部が固定目地カバー10に形成された乗り上げ傾斜面9に沿って上方に乗り上げ、下部カバー27の底部を上方に押し上げる。そうすると下部カバー27は、複数個のカバー板32をそれぞれ上方へ押圧し、カバー板32を上方へ移動させる。また、壁面用目地カバー装置6は、壁面用目地カバー本体31がそれぞれ重なり幅が大きくなるように変位することで壁面用目地カバー26が縮み揺れ動きを吸収する。このような作用により躯体3、4や床用目地カバー装置5、壁面用目地カバー装置6を損傷することなく地震による揺れ動きを吸収する。
【0038】
地震で目地部2が広くなるように左右の躯体3、4が揺れ動くと、図9に示すように可動目地カバー8と固定目地カバー10が離間するように移動し、揺れ動きを吸収する。このとき、受け部材12により目地部2aが開口することを防止できる。また、壁面用目地カバー装置6は、壁面用目地カバー本体31がそれぞれ重なり幅が少なくなるように変位することで壁面用目地カバー26が伸長して揺れ動きを吸収する。
【0039】
地震で左右の躯体3、4が異なる前後方向に揺れ動いた場合、可動目地カバー8と固定目地カバー10はそれぞれ一方の躯体3又は他方の躯体4と同調して前後方向に移動するとともに、壁面用目地カバー装置6及び下部カバー27は前後方向に回動して地震による揺れ動きを吸収する。
【0040】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図10及び図11に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0041】
図10及び図11に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、床面間の目地部に設けられたリンク部材29と、このリンク部材29の枢支部28にそれぞれ板状の目地カバー板40を取り付けた床用目地カバー装置5Aにした点で、このような床用目地カバー装置5Aを用いた目地装置1Aにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。本実施形態では、目地カバー板40が上方へ変位するものではないが、地震によって目地部の幅が変位すると床用目地カバー装置の目地カバー板40の重なり幅が変化し、目地カバー板40の端部と壁面用目地カバー26が衝突することを防止できる。
【0042】
なお、本発明の実施の形態においては、固定目地カバーと可動目地カバーを用いた床用目地カバー装置や複数個の目地カバーをリンク部材を介して取り付けた床用目地カバー装置を用いたものについて説明したが、その他公知の床用目地カバー装置を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は床用目地装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0044】
1、1A:床用目地装置、 2:目地部、
3:一方の躯体、 4:他方の躯体、
5、5A:床用目地カバー装置、 6:壁面用目地カバー装置、
7:目地カバー支持装置、 8:可動目地カバー、
9:乗り上げ傾斜面、 10:固定目地カバー、
11:受け梁、 12:受け部材、
13:ガイドレール、 14:転動部材、
15:受け梁本体、 16:係止杭、
17:可動目地カバー本体、 18:充填部材、
19:化粧板、 20:ヒンジ部材、
21:カバープレート、 22:係止杭挿入孔、
23:可動目地カバー支持部、 24:固定目地カバー本体、
25:固定目地カバー支持部、 26:壁面用目地カバー、
27:下部カバー、 28:枢支部、
29:リンク部材、 30:接続部材、
31:壁面用目地カバー本体、 32:カバー板、
33:回動軸、 34:取付部、
35:カバー板取付部、 36:下部カバー本体、
37:下部カバー取付部、 38:下部カバー取付具、
39:カバー板収納部、 40:目地カバー板。