(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004256
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】物品管理システム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20240109BHJP
H04B 5/48 20240101ALI20240109BHJP
【FI】
G06K7/10 184
G06K7/10 128
H04B5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103837
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】梅津 駿
(72)【発明者】
【氏名】水沼 義博
【テーマコード(参考)】
5K012
【Fターム(参考)】
5K012AB02
5K012AC01
5K012AC08
5K012AC09
5K012AC10
5K012AC11
(57)【要約】
【課題】箱体内に収容された物品をRFIDタグから情報を読み取ることで管理する場合に箱体が開けられた旨をRFIDタグから情報を読み取る仕組みを用いて検知する。
【解決手段】管理用のRFIDタグが添付された物品を収容するための開口部14を具備する収容部11と、開口部14を開閉可能に塞ぐ蓋体15とを有する箱体10と、箱体10内のアンテナ30a~30dから電波を放射することで、箱体10内のRFIDタグから情報を読み取るRFIDリーダー40と、箱体10内に取り付けられた検知用のRFIDタグ20とを有し、RFIDリーダー40は、アンテナ30a~30dから放射する電波の出力が、箱体10内に存在する全てのRFIDタグから情報を読み取り可能となる値と、開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにてRFIDタグ20からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる値とに切り替え可能に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理用のRFIDタグが添付された物品を管理する物品管理システムであって、
前記管理用のRFIDタグが添付された物品を収容可能とし、該物品を収容するための開口部を具備する収容部と、前記開口部を開閉可能に塞ぐ被覆部とを有し、電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料から構成され、または電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料で囲まれた箱体と、
前記箱体内に設けられたアンテナから電波を放射することで、前記箱体内に存在するRFIDタグから当該アンテナを介して情報を読み取る読取手段と、
前記開口部が前記被覆部にて塞がれていない状態における前記アンテナとの距離が、前記開口部が前記被覆部にて塞がれた状態における前記アンテナとの距離よりも長くなる前記箱体内の領域に取り付けられた検知用のRFIDタグとを有し、
前記読取手段は、前記アンテナから放射する電波の出力が、前記箱体内に存在する全てのRFIDタグから前記アンテナを介して情報を読み取り可能となる第1の値と、前記開口部が前記被覆部にて塞がれた状態のみにて前記検知用のRFIDタグから前記アンテナを介して情報を読み取り可能となる第2の値とに切り替え可能に構成され、
さらに、
前記アンテナから放射する電波の出力を前記第1の値と前記第2の値とに切り替える切替手段と、
前記読取手段にて前記アンテナから放射する電波の出力が前記第2の値の場合において前記アンテナを介して前記検知用のRFIDタグから情報が読み取られない場合、前記開口部が前記被覆部にて塞がれていない状態と判断する判断手段とを有する、物品管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の物品管理システムにおいて、
前記切替手段は、前記アンテナから放射する電波の出力を前記第1の値として前記管理用のRFIDタグからの情報の読取期間中に、前記アンテナから放射する電波の出力を前記第2の値に切り替え、前記検知用のRFIDタグから情報が読み取られた場合、前記アンテナから放射する電波の出力を前記第1の値に戻して前記管理用のRFIDタグからの情報の読み取りを引き続き実行し、
前記判断手段は、前記アンテナから放射する電波の出力が前記第2の値に切り替えられた状態にて前記検知用のRFIDタグから情報が読み取られなかった場合、警報を出力する、物品管理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の物品管理システムにおいて、
前記検知用のRFIDタグから読み取られる情報は、前記管理用のRFIDタグから読み取られる情報と区別可能なコードを含み、
前記読取手段は、前記アンテナから放射する電波の出力が前記第2の値に切り替えられている場合に、前記検知用のRFIDタグから読み取られる情報のみに含まれるコードを含む情報のみを判別する、物品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグが添付された物品を箱体内に収容してRFIDタグから情報を読み取ることで物品を管理する物品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触状態にて情報の書き込みや読み取りが可能なRFIDタグが様々な用途に利用されている。例えば、商品等の物品にRFIDタグを添付し、このRFIDタグに対して情報を書き込んだり読み取ったりすることで、物品を管理する技術が考えられている。このようにRFIDタグを用いて物品を管理する場合、複数のRFIDタグに対して一括で情報を書き込んだり読み取ったりすることができることで、物品の管理等にかかる業務の効率化を図ることができる。
【0003】
特許文献1には、商品にRFIDタグを付しておき、このRFIDタグから商品情報を読み取ることで決済を行う技術が開示されている。具体的には、RFIDタグが付された商品を筐体の開口部から収容室に収容し、RFIDタグから情報を読み取って決済を行う。その場合、収容室の外部に存在するRFIDタグから誤って情報を読み取ることがないように、筐体を電波を反射する材料や電波を吸収する材料から構成するとともに、筐体の開口部を塞ぐ蓋体を有している。
【0004】
このように、RFIDタグが付された物品を筐体内に収容し、RFIDタグから情報を読み取って物品を管理するものにおいては、RFIDタグが付された物品を、いわゆるトンネルリーダを通過させて管理するものよりも、小型で簡易的な構成とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、RFIDタグが付された物品を筐体内に収容し、RFIDタグから情報を読み取って物品を管理する場合、電波を反射する材料や電波を吸収する材料から構成された筐体の開口部を蓋体で塞ぐことにより、外部に存在するRFIDタグから誤って情報を読み取ることを回避できる。ところが、そのように蓋体を有するものであっても、RFIDタグに対して情報を書き込んだり読み取ったりしている最中に蓋体が開けられてしまうと、外部に存在するRFIDタグから誤って情報を読み取ってしまう虞が生じてしまう。また、物品に添付されたRFIDタグから情報を読み取って物品を管理している最中に蓋体が開けられてしまうと、新たな物品が筐体内に収容されてしまい、筐体内に収容された物品を正確に管理することができなくなってしまう。
【0007】
ここで、特許文献1に開示されたものにおいては、蓋体の開状態または閉状態を検出する開閉センサを有しているが、その場合、物品を管理するために物品に付されたRFIDタグから情報を読み取る仕組みとは別に開閉センサを設けることになるため、開閉センサと処理装置との接続等、開閉センサによる検出結果を取り込むための仕組みを新たに構築しなければならず、その分の手間やコストが新たにかかってしまうという問題点がある。
【0008】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、RFIDタグが添付された物品を箱体内に収容してRFIDタグから情報を読み取ることで物品を管理する場合に、箱体が開けられた旨をRFIDタグから情報を読み取る仕組みを用いて検知することができる物品管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、
管理用のRFIDタグが添付された物品を管理する物品管理システムであって、
前記管理用のRFIDタグが添付された物品を収容可能とし、該物品を収容するための開口部を具備する収容部と、前記開口部を開閉可能に塞ぐ被覆部とを有し、電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料から構成され、または電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料で囲まれた箱体と、
前記箱体内に設けられたアンテナから電波を放射することで、前記箱体内に存在するRFIDタグから当該アンテナを介して情報を読み取る読取手段と、
前記開口部が前記被覆部にて塞がれていない状態における前記アンテナとの距離が、前記開口部が前記被覆部にて塞がれた状態における前記アンテナとの距離よりも長くなる前記箱体内の領域に取り付けられた検知用のRFIDタグとを有し、
前記読取手段は、前記アンテナから放射する電波の出力が、前記箱体内に存在する全てのRFIDタグから前記アンテナを介して情報を読み取り可能となる第1の値と、前記開口部が前記被覆部にて塞がれた状態のみにて前記検知用のRFIDタグから前記アンテナを介して情報を読み取り可能となる第2の値とに切り替え可能に構成され、
さらに、
前記アンテナから放射する電波の出力を前記第1の値と前記第2の値とに切り替える切替手段と、
前記読取手段にて前記アンテナから放射する電波の出力が前記第2の値の場合において前記アンテナを介して前記検知用のRFIDタグから情報が読み取られない場合、前記開口部が前記被覆部にて塞がれていない状態と判断する判断手段とを有する、物品管理システムである。
【0010】
上記のように構成された本発明においては、管理用のRFIDタグが添付された物品を箱体内に収容し、読取手段にて箱体内に設けられたアンテナから電波を放射することで箱体内に存在するRFIDタグからアンテナを介して情報を読み取り、それにより、管理用のRFIDタグが添付された物品を管理することになる。この際、箱体は、管理用のRFIDタグが添付された物品を収容可能とし、物品を収容するための開口部を具備する収容部と、開口部を開閉可能に塞ぐ被覆部とを有し、電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料から構成され、または電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料で囲まれた構成を有しているため、収容部の開口部が被覆部にて塞がれた状態においては、読取手段にてアンテナを介して外部に存在するRFIDタグから誤って情報を読み取ってしまう虞がなく、管理用のRFIDタグのみから情報が読み取られることになり、箱体に収容された物品を正確に管理することができる。ところが、箱体が開けられて開口部が塞がれていない状態となると、読取手段にてアンテナを介して外部に存在するRFIDタグから誤って情報を読み取ってしまう虞が生じる。
【0011】
ここで、箱体内には、開口部が被覆部にて塞がれていない状態におけるアンテナとの距離が、開口部が被覆部にて塞がれた状態におけるアンテナとの距離よりも長くなる領域に検知用のRFIDタグが取り付けられており、読取手段は、アンテナから放射する電波の出力が、箱体内に存在する全てのRFIDタグからアンテナを介して情報を読み取り可能となる第1の値と、開口部が被覆部にて塞がれた状態のみにて検知用のRFIDタグからアンテナを介して情報を読み取り可能となる第2の値とに切り替え可能に構成されている。そこで、切替手段において、アンテナから放射する電波の出力を第1の値とすることで、箱体に収容された物品に添付された管理用のRFIDタグからアンテナを介して読取手段にて情報を読み取ることにより箱体に収容された物品を管理し、また、アンテナから放射する電波の出力を第2の値とし、判断手段において、アンテナを介して読取手段にて検知用のRFIDタグから情報が読み取られない場合、開口部が被覆部にて塞がれていない状態と判断することにより、箱体が開けられたことを検知する。
【0012】
このように、管理用のRFIDタグが添付された物品が収容される箱体内に検知用のRFIDタグを取り付け、管理対象となる物品に添付された管理用のRFIDタグから情報を読み取る読取手段のアンテナから放射する電波の出力を、開口部が被覆部にて塞がれた状態のみにて検知用のRFIDタグからアンテナを介して情報を読み取り可能となる第2の値に切り替え可能とし、アンテナから放射する電波の出力が第2の値である場合に検知用のRFIDタグから情報が読み取られるかどうかによって箱体が開けられたことを検知するというように、RFIDタグが添付された物品を箱体内に収容してRFIDタグから情報を読み取ることで物品を管理する場合に、箱体が開けられた旨をRFIDタグから情報を読み取る仕組みを用いて検知することになる。
【0013】
また、切替手段が、アンテナから放射する電波の出力を第1の値として管理用のRFIDタグからの情報の読取期間中に、アンテナから放射する電波の出力を第2の値に切り替え、検知用のRFIDタグから情報が読み取られた場合、アンテナから放射する電波の出力を第1の値に戻して管理用のRFIDタグからの情報の読み取りを引き続き実行し、判断手段が、アンテナから放射する電波の出力が第2の値に切り替えられた状態にて検知用のRFIDタグから情報が読み取られなかった場合に警報を出力すれば、管理用のRFIDタグからの情報の読取期間中に箱体が開けられて開口部が塞がれていない状態となってもその旨を報知することができる。
【0014】
また、検知用のRFIDタグから読み取られる情報が、管理用のRFIDタグから読み取られる情報と区別可能なコードを含み、読取手段が、アンテナから放射する電波の出力が第2の値に切り替えられている場合に、検知用のRFIDタグから読み取られる情報のみに含まれるコードを含む情報のみを読み取れば、箱体が開けられたことを検知するためにRFIDタグから情報を読み取る際に、検知用のRFIDタグのみから情報を読み取ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、管理用のRFIDタグが添付された物品が収容される箱体内に検知用のRFIDタグを取り付け、管理対象となる物品に添付された管理用のRFIDタグから情報を読み取る読取手段のアンテナから放射する電波の出力を、開口部が被覆部にて塞がれた状態のみにて検知用のRFIDタグからアンテナを介して情報を読み取り可能となる第2の値に切り替え可能とし、アンテナから放射する電波の出力が第2の値である場合に検知用のRFIDタグから情報が読み取られるかどうかによって箱体が開けられたことを検知する構成としたため、RFIDタグが添付された物品を箱体内に収容してRFIDタグから情報を読み取ることで物品を管理する場合に、箱体が開けられた旨をRFIDタグから情報を読み取る仕組みを用いて検知することができる。
【0016】
また、切替手段が、アンテナから放射する電波の出力を第1の値として管理用のRFIDタグからの情報の読取期間中に、アンテナから放射する電波の出力を第2の値に切り替え、検知用のRFIDタグから情報が読み取られた場合、アンテナから放射する電波の出力を第1の値に戻して管理用のRFIDタグからの情報の読み取りを引き続き実行し、判断手段が、アンテナから放射する電波の出力が第2の値に切り替えられた状態にて検知用のRFIDタグから情報が読み取られなかった場合に警報を出力するものにおいては、管理用のRFIDタグからの情報の読取期間中に箱体が開けられて開口部が塞がれていない状態となってもその旨を報知することができる。
【0017】
また、検知用のRFIDタグから読み取られる情報が、管理用のRFIDタグから読み取られる情報と区別可能なコードを含み、読取手段が、アンテナから放射する電波の出力が第2の値に切り替えられている場合に、検知用のRFIDタグから読み取られる情報のみに含まれるコードを含む情報のみを読み取るものにおいては、箱体が開けられたことを検知するためにRFIDタグから情報を読み取る際に、検知用のRFIDタグのみから情報を読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の物品管理システムの実施の一形態を示す図である。
【
図2】
図1に示したRFIDタグの構成を示す図であり、(a)は積層状態を示す図、(b)はインレットの表面の構成を示す図、(c)はインレットの裏面の構成を示す図である。
【
図3】
図1に示したRFIDリーダーの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示した管理用パソコンの構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示した物品管理システムにおいて蓋体に取り付けられたRFIDタグと収容部の側面に取り付けられたアンテナとの距離を説明するための図である。
【
図6】
図1に示した物品管理システムにて箱体に収容されて管理対象となる物品について説明するための図である。
【
図7】
図6に示した箱体に収容される物品に添付されたRFIDタグの構成を示す図であり、(a)は積層状態を示す図、(b)はインレットの表面の構成を示す図である。
【
図8】
図1に示した物品管理システムにて物品を管理する際の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図1に示した物品管理システムにて物品読取モード中に開閉検知モードを実行する場合の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図10】本発明の物品管理システムに用いられる箱体の他の実施の形態を示す図である。
【
図11】
図10に示した箱体における、引き出し収容体の天面に取り付けられたRFIDタグと、引き出しの側面に取り付けられたアンテナとの距離を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
〈全体の構成〉
図1は、本発明の物品管理システムの実施の一形態を示す図である。
【0021】
本形態は
図1に示すように、箱体10に取り付けられたRFIDタグ20及びアンテナ30a~30dと、RFIDリーダー40と、管理用パソコン50とを有している。
【0022】
箱体10は、収容部11と蓋体15とを有している。
【0023】
収容部11は、長方形の底面13と、底面13の4つの辺にそれぞれ起立して設けられた側面12a~12dとを有し、側面12a~12dの端辺のうち底面13とは反対側の端辺で囲まれた部分、すなわち、底面13とは反対側に、収容部11に物品を収容するための開口部14を有している。側面12a~12dのそれぞれには、収容部11の内側となる面にアンテナ30a~30dが取り付けられている。
【0024】
蓋体15は、本願発明にて被覆部となるものである。蓋体15は、側面12cの底面13とは反対側の端辺に蝶番等によって回動自在に取り付けられており、側面12cに対して回動することで、開口部14を開閉可能に塞ぐ。蓋体15には、蓋体15が開口部14を塞いだ場合に収容部11側となる面にRFIDタグ20が取り付けられている。これにより、RFIDタグ20は、箱体10内の領域に取り付けられている。
【0025】
収容部11及び蓋体15は、電波を反射する材料または電波を吸収する材料から構成されており、例えば、金属から構成されている。または、収容部11及び蓋体15が、電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料で囲まれた構成としてもよい。
【0026】
RFIDリーダー40は、本願発明にて読取手段となるものである。RFIDリーダー40は、収容部11の側面12a~12dに取り付けられたアンテナ30a~30dとケーブルを介して電気的に接続されており、アンテナ30a~30dから電波を放射することで、箱体10内に存在するRFIDタグからアンテナ30a~30dを介して情報を読み取る。RFIDリーダー40は、アンテナ30a~30dから放射する電波の出力が、箱体10内に存在する全てのRFIDタグからアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる第1の値と、開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにて、蓋体15に取り付けられたRFIDタグ20からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる第2の値とに切り替え可能に構成されている。
【0027】
管理用パソコン50は、RFIDリーダー40とケーブルを介して電気的に接続されており、箱体10内に存在するRFIDタグからアンテナ30a~30dを介してRFIDリーダー40によって情報を読み取ることで、箱体10に収容された物品を管理するとともに、収容部11の開口部14が塞がれているかどうかを検知する。
【0028】
〈RFIDタグ20の構成〉
図2は、
図1に示したRFIDタグ20の構成を示す図であり、(a)は積層状態を示す図、(b)はインレット24の表面の構成を示す図、(c)はインレット24の裏面の構成を示す図である。なお、
図2に示すRFIDタグ20の構成はあくまでも一例であり、RFIDリーダー40にて情報の読み取りが可能なものであれば、その他の構成でもよい。
【0029】
図1に示したRFIDタグ20は、収容部11の開口部14が蓋体15によって塞がれているかどうかを検知するためのものであって、本願発明にて検知用のRFIDタグとなるものである。
図1に示したRFIDタグ20は
図2に示すように、帯状形状のインレット24の表裏に粘着層27a,27bがそれぞれ積層され、インレット24の表面には、粘着層27aを介して表面シート25が貼着されて構成されており、いわゆる金属対応タグと呼ばれるものである。
【0030】
インレット24は、ベース基材23と、2つのアンテナ22と、ICチップ21と、金属層26とを有している。
【0031】
ベース基材23は、例えばフィルム等の非導電性材料から構成されている。
【0032】
2つのアンテナ22は、ベース基材23の一方の面に、2つの二等辺三角形の導体が空隙を介して並ぶようにして形成されている。なお、アンテナ22の形状としてはこれに限らず、2つの帯状の導体が空隙を介して直線上に並んだものや、1つの導体から構成されたもの等、様々なものが考えられる。
【0033】
ICチップ21は、2つのアンテナ端子(不図示)が設けられており、アンテナ端子が設けられた面が搭載面となって、ベース基材23のアンテナ22が形成された面に搭載され、異方性導電ペースト(不図示)によって固定されている。ICチップ21の2つのアンテナ端子は2つのアンテナ22にそれぞれ接続されており、異方性導電ペーストによって、アンテナ端子とアンテナ22とが導通している。ICチップ21は、アンテナ22を介した非接触通信によって得た電力によって動作し、ICチップ21内に予めエンコードされた情報となる固有のIDを、アンテナ22を介して非接触送信する。
【0034】
金属層26は、ベース基材23のアンテナ22が形成された面とは反対側の面に、平面視にてアンテナ22を覆うように積層されている。
【0035】
上記のように構成されたRFIDタグ20は、粘着層27bによって
図1に示すように、蓋体15に貼着される。蓋体15は上述したように、電波を反射する材料または電波を吸収する材料から構成されている。しかしながら、蓋体15の貼着されるRFIDタグ20は、ベース基材23のアンテナ22が形成された面とは反対側の面に、平面視にてアンテナ22を覆うように金属層26が積層されていることで、アンテナ22を介した非接触通信における通信距離が短くなってしまうことが抑制される。
【0036】
〈RFIDリーダー40の構成〉
図3は、
図1に示したRFIDリーダー40の構成を示すブロック図である。
【0037】
図1に示したRFIDリーダー40は
図3に示すように、共用器41と、タグデータ送信処理部42と、デジタル信号変換部43と、通信部44と、送信レベル調整部45と、RF送信部46と、RF受信部47と、タグデータ受信処理部48とを有している。
【0038】
共用器41は、RF送信部46から出力された信号を、アンテナ30a~30dを介して電波信号として送信するとともに、アンテナ30a~30dにて受信された電波信号をRF受信部47に出力する。
【0039】
タグデータ送信処理部42は、ポーリングにおいてRFIDタグを検知するための信号を出力し、また、RFIDタグから非接触通信にて情報を読み取るための信号を出力する。
【0040】
デジタル信号変換部43は、タグデータ送信処理部42から出力された信号をアナログ信号に変換して送信レベル調整部45に出力し、また、RF受信部47にて受信された信号をデジタル信号に変換してタグデータ受信処理部48に出力する。
【0041】
通信部44は、管理用パソコン50との間にて情報を送受信する。
【0042】
送信レベル調整部45は、デジタル信号変換部43にてアナログ信号に変換された信号についてRF送信部46を介したアンテナ30a~30dからの電波の放射出力レベルを、通信部44にて管理用パソコン50から出力された命令に従って調整することで切り替える。
【0043】
RF送信部46は、送信レベル調整部45にて電波の放射出力レベルが調整された信号を搬送波に乗せて共用器41及びアンテナ30a~30dを介して送信する。
【0044】
RF受信部47は、RF送信部46から送信された信号に対するRFIDタグからの応答信号をアンテナ30a~30d及び共用器41を介して受信する。
【0045】
タグデータ受信処理部48は、デジタル信号変換部43にてデジタル信号に変換された信号を、RFIDタグから読み取った情報として通信部44を介して管理用パソコン50に送信する。
【0046】
〈管理用パソコン50の構成〉
図4は、
図1に示した管理用パソコン50の構成を示すブロック図である。なお、
図4においては、管理用パソコン50の構成のうち本発明に直接関係しない構成の図示及びその説明を省略している。
【0047】
図1に示した管理用パソコン50は
図4に示すように、通信部51と、送信レベル切替部52と、読み取り制御部56と、開閉状態判断部53と、物品管理部54と、出力部55とを有している。
【0048】
通信部51は、RFIDリーダー40との間にて情報を送受信する。
【0049】
送信レベル切替部52は、本願発明にて切替手段となるものである。送信レベル切替部52は、RFIDリーダー40にてアンテナ30a~30dから放射する電波の出力を切り替えるための命令を読み取り制御部56及び通信部51を介してRFIDリーダー40に送信することで、RFIDリーダー40にてアンテナ30a~30dから放射する電波の出力を切り替える。
【0050】
読み取り制御部56は、RFIDタグから情報を読み取るための命令をRFIDリーダー40に通信部51を介して送信し、また、RFIDリーダー40にてRFIDタグから読み取られた情報を通信部51を介して受信する。また、RFIDリーダー40にてアンテナ30a~30dから放射する電波の出力を切り替えるための命令が送信レベル切替部52から出力された場合は、この命令を、RFIDタグから情報を読み取るための命令に含めて、RFIDリーダー40に通信部51を介して送信する。
【0051】
開閉状態判断部53は、本願発明にて判断手段となるものである。開閉状態判断部53は、読み取り制御部56にて通信部51を介してRFIDリーダー40から受信した情報に基づいて、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれているかどうかを判断する。
【0052】
物品管理部54は、読み取り制御部56にて通信部51を介してRFIDリーダー40から受信した情報に基づいて、箱体10に収容される物品を管理する。例えば、物品管理部54は、箱体10の収容される物品に関するデータが登録されたデータベースを有し、このデータベースに登録された情報と、通信部51を介してRFIDリーダー40から受信した情報とを照合することで、箱体10に収容される物品を管理する。
【0053】
出力部55は、ディスプレイ等から構成され、開閉状態判断部53における判断結果や、物品管理部54による物品の管理状態を表示出力する。
【0054】
なお、本形態においては管理用パソコン50を例に挙げて説明するが、上述した構成を有するものとしては、携帯型端末等も含め、RFIDリーダー40の制御が可能なコンピュータ等の制御装置であればよい。また、上述した管理用パソコン50の構成をRFIDリーダー40に搭載したものとしてもよい。
【0055】
〈物品管理システムにおける処理〉
以下に、上記のように構成された物品管理システムにて物品を管理する際の処理について説明する。
【0056】
まず、蓋体15に取り付けられたRFIDタグ20と、収容部11の側面12a~12dに取り付けられたアンテナ30a~30dとの距離について説明する。
【0057】
図5は、
図1に示した物品管理システムにおいて、蓋体15に取り付けられたRFIDタグ20と、収容部11の側面12aに取り付けられたアンテナ30aとの距離を説明するための図である。
【0058】
図1に示した物品管理システムにおいては、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれている状態では、
図5(a)に示すように、蓋体15に取り付けられたRFIDタグ20と、収容部11の側面12aに取り付けられたアンテナ30aとの距離は、第1の距離D1となっている。
【0059】
一方、蓋体15が開かれることで、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれていない状態となると、
図5(b)に示すように、蓋体15に取り付けられたRFIDタグ20と、収容部11の側面12aに取り付けられたアンテナ30aとの距離は、第1の距離D1よりも長い第2の距離D2となる。
【0060】
また、収容部11の側面12b~12dにそれぞれ取り付けられたアンテナ30b~30dについても、同様に、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれていない状態におけるRFIDタグ20との距離が、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれている状態におけるRFIDタグ20との距離よりも長いものとなっている。
【0061】
このように、RFIDタグ20は、蓋体15が開口部14を塞いだ場合に収容部11側となる面、すなわち、箱体10内の領域のうち、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれていない状態におけるアンテナ30a~30dとの距離が、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれている状態におけるアンテナ30a~30dとの距離よりも長くなる領域に取り付けられている。
【0062】
そのため、箱体10の収容部11の側面12a~12dにそれぞれ取り付けられたアンテナ30a~30dから放射する電波の出力を、開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにてRFIDタグ20からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる値とすれば、RFIDリーダー40においてアンテナ30a~30dを介してRFIDタグ20から情報が読み取られるかどうかによって、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれているかどうかを判断することができる。
【0063】
ここで、上述した構成においては、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれている状態における検知用のRFIDタグ20と全てのアンテナ30a~30dとの距離D1が互いに均等となるようにRFIDタグ20と全てのアンテナ30a~30dとのそれぞれの取り付け位置を設定することが困難となる場合がある。そこで、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれている状態における検知用のRFIDタグ20とアンテナ30aとの距離がRFIDタグ20とアンテナ30b~30dとの距離よりも短くなるようにRFIDタグ20とアンテナ30a~30dとのそれぞれの取り付け位置を設定し、RFIDリーダー40においてアンテナ30aのみを介してRFIDタグ20から情報が読み取られるかどうかによって、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれているかどうかを判断してもよい。
【0064】
次に、箱体10に収容されて管理対象となる物品について説明する。
【0065】
図6は、
図1に示した物品管理システムにて箱体10に収容されて管理対象となる物品について説明するための図であり、物品が収容部11に収容された状態を開口部14側から見た図である。
【0066】
図6に示すように、
図1に示した物品管理システムにおける箱体10には、物品70が収容された折り畳み式コンテナ80が収容部11に収容される。収容部11に収容された折り畳み式コンテナ80内の物品70のそれぞれには、管理用のRFIDタグ60が貼り付けられることで添付されている。RFIDタグ60には、固有のIDが書き込まれており、管理用パソコン50の物品管理部54において、この固有のIDとその固有のIDを有するRFIDタグ60が添付された物品に関する情報とが対応づけて管理されている。なお、折り畳み式コンテナ80は、電波を反射したり吸収したりする材料から構成されておらず、それにより、RFIDリーダー40は、折り畳み式コンテナ80に収容された物品70に貼り付けられたRFIDタグ60からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取ることができる。
【0067】
図7は、
図6に示した箱体10に収容される物品70に添付されたRFIDタグ60の構成を示す図であり、(a)は積層状態を示す図、(b)はインレット64の表面の構成を示す図である。なお、
図7に示すRFIDタグ60の構成はあくまでも一例であり、RFIDリーダー40にて情報の読み取りが可能なものであれば、その他の構成でもよい。
【0068】
図6に示した箱体10に収容される物品70に添付されたRFIDタグ60は、箱体10に収容される物品70を管理するためのものであって、本願発明にて管理用のRFIDタグとなるものである。RFIDタグ60は
図7に示すように、帯状形状のインレット64の表裏に粘着層67a,67bがそれぞれ積層され、インレット64の表面には、粘着層67aを介して表面シート65が貼着されて構成されている。
【0069】
インレット64は、ベース基材63と、2つのアンテナ62と、ICチップ61とを有している。
【0070】
ベース基材63は、例えばフィルム等の非導電性材料から構成されている。
【0071】
2つのアンテナ62は、ベース基材63の一方の面に、2つの二等辺三角形の導体が空隙を介して並ぶようにして形成されている。アンテナ62は、上記のような形状を有することで、RFIDタグ20と同一の周波数で共振する。
【0072】
ICチップ61は、2つのアンテナ端子(不図示)が設けられており、アンテナ端子が設けられた面が搭載面となって、ベース基材63のアンテナ62が形成された面に搭載され、異方性導電ペースト(不図示)によって固定されている。ICチップ61の2つのアンテナ端子は2つのアンテナ62にそれぞれ接続されており、異方性導電ペーストによって、アンテナ端子とアンテナ62とが導通している。ICチップ61は、アンテナ62を介した非接触通信によって得た電力によって動作し、RFIDタグ20と同一のプロトコルによって、ICチップ61内に記憶された情報となる固有のIDを、アンテナ62を介して非接触送信する。
【0073】
本形態の物品管理システムにおいては、上記のように構成されたRFIDタグ60を
図6に示したように物品70に添付した状態で物品70を箱体10に収容し、RFIDタグ60から情報を読み取ることで、物品70を管理することになる。
【0074】
図8は、
図1に示した物品管理システムにて物品を管理する際の処理を説明するためのフローチャートである。なお、RFIDリーダー40におけるRFIDタグ20,60からの情報の読み取りに先立って実行されるポーリング処理についての説明は省略する。
【0075】
図1に示した物品管理システムにて物品を管理する場合はまず、管理用パソコン50において動作モードが開閉検知モードに設定される。
【0076】
開閉検知モードにおいては、まず、送信レベル切替部52において、アンテナ30a~30dから放射する電波の出力が、箱体10の開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにてRFIDタグ20からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる値(低出力)とするための命令が出力される。
【0077】
そして、読み取り制御部56において、RFIDタグ20からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取るための命令に、送信レベル切替部52から出力された命令が含められ、通信部51を介してRFIDリーダー40に送信される。
【0078】
RFIDリーダー40においては、読み取り制御部56から通信部51を介して送信されてきた命令が通信部44を介して受信されると、受信された命令に従って、RFIDタグ20から情報を読み取るための信号がタグデータ送信処理部42から出力され、デジタル信号変換部43にてアナログ信号に変換される。この際、RFIDタグ20から読み取る情報は、RFIDタグ20に記憶された固有のIDとなるが、RFIDタグ20と物品70に添付されたRFIDタグ60とで、区別可能なIDをエンコードしておくことで、RFIDリーダー40にてアンテナ30a~30dを介して読み取った情報が、RFIDタグ20から読み取った情報であるのか物品70に添付されたRFIDタグ60から読み取った情報であるのかを容易に判断することができる。例えば、RFIDタグ20には、先頭が"FFFF"のコードで始まるIDをエンコードし、物品70に添付されたRFIDタグ60には、先頭が"AAAA"の共通のコードで始まり、それ以下がRFIDタグ60毎に固有のコードからなるIDをエンコードしておくことが考えられる。
【0079】
また、送信レベル調整部45において、送信レベル切替部52から出力され、読み取り制御部56から通信部51を介して送信されてきて通信部44を介して受信した命令に従って、デジタル信号変換部43にてアナログ信号に変換された信号のアンテナ30a~30dからの電波の放射出力レベルが調整される。具体的には、アンテナ30a~30dから放射される電波の出力が、箱体10の開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにてRFIDタグ20からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる値に設定される。
【0080】
その後、RF送信部46において、送信レベル調整部45にて電波の放射出力レベルが調整された信号が搬送波に乗せられ、共用器41及びアンテナ30a~30dを介して送信され、これにより、開閉検知モードでのRFIDタグ20からの情報の読み取り処理が実行される(ステップS1)。
【0081】
このRF送信部46から共用器41及びアンテナ30a~30dを介して送信された信号がRFIDタグ20にて受信されると、RFIDタグ20から固有のIDが応答信号としてRFIDリーダー40に送信される。この際、上述したように、先頭が"FFFF"のコードで始まるIDをRFIDタグ20にエンコードし、物品70に添付されたRFIDタグ60に、先頭が"AAAA"のコードで始まるIDをエンコードするというように、RFIDタグ20から読み取られる情報が、RFIDタグ60から読み取られる情報と区別可能なコードを含むものにおいては、RFIDリーダー40にてRFIDタグ20から情報を読み取るために読み取り制御部56から通信部51を介して送信される命令に、先頭が"FFFF"のコードで始まるIDのみを送信する命令を含めておけば、アンテナ30a~30dから放射する電波の出力を開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにてRFIDタグ20からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる値とした状態で、IDによってフィルタリングをかけて、RFIDタグ20,60のうちRFIDタグ20のみからIDを送信させ、RFIDタグ20から送信されてきたIDを判別することができる。
【0082】
RFIDタグ20は、
図5を用いて説明したように、箱体10内の領域のうち、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれていない状態におけるアンテナ30a~30dとの距離が、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれている状態におけるアンテナ30a~30dとの距離よりも長くなる領域に取り付けられている。そして、アンテナ30a~30dからは、箱体10の開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにてRFIDタグ20からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる出力で電波が放射されている。そのため、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれている場合にのみ、RFIDタグ20から固有のIDが応答信号としてRFIDリーダー40に送信されることになる。また、RFIDタグ20は、上述したように、ベース基材23のアンテナ22が形成された面とは反対側の面に、平面視にてアンテナ22を覆うように金属層26が積層されていることで、金属からなる蓋体15に取り付けられた場合でも、アンテナ22を介した非接触通信における通信距離が短くなってしまうことが抑制される。
【0083】
RFIDタグ20から応答信号としてRFIDリーダー40に送信されたRFIDタグ20の固有のIDが、アンテナ30a~30d及び共用器41を介してRF受信部47にて受信されると、デジタル信号変換部43にてデジタル信号に変換され、その後、タグデータ受信処理部48において、デジタル信号に変換されたRFIDタグ20の固有のIDが判別されて通信部44を介して管理用パソコン50に送信される。
【0084】
RFIDリーダー40から送信されたRFIDタグ20の固有のIDが管理用パソコン50の通信部51を介して読み取り制御部56にて受信されると、開閉状態判断部53において、開口部14が蓋体15によって塞がれていると判断される。
【0085】
一方、管理用パソコン50においては、ステップS1にて開閉検知モードでのRFIDタグ20からの情報の読み取り処理が開始された後、RFIDタグ20の固有のIDがアンテナ30a~30d及び共用器41を介してRF受信部47にて受信されるまで、開閉検知モードでのRFIDタグ20からの情報の読み取り処理が引き続き実行される(ステップS2)。
【0086】
そして、RFIDタグ20の固有のIDがアンテナ30a~30d及び共用器41を介してRF受信部47にて受信され、さらにRFIDタグ20の固有のIDがRFIDリーダー40から送信されて管理用パソコン50にて受信されるまでは、管理用パソコン50においては、開閉状態判断部53にて開口部14が蓋体15によって塞がれていないと判断され、箱体10に収容された物品70に添付されたRFIDタグ60から情報を読み取る物品読取モードに移行しない。
【0087】
RFIDリーダー40から送信されたRFIDタグ20の固有のIDが通信部51を介して読み取り制御部56にて受信され、開閉状態判断部53において、開口部14が蓋体15によって塞がれていると判断されると、管理用パソコン50において動作モードが物品読取モードに切り替えられる。
【0088】
物品読取モードにおいては、まず、送信レベル切替部52において、アンテナ30a~30dから放射する電波の出力が、箱体10内に存在する全てのRFIDタグ20,60からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる値(高出力)とするための命令が出力される。
【0089】
そして、読み取り制御部56において、RFIDタグ20,60からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取るための命令に、送信レベル切替部52から出力された命令が含められ、通信部51を介してRFIDリーダー40に送信される。
【0090】
RFIDリーダー40においては、読み取り制御部56から通信部51を介して送信されてきた命令が通信部44を介して受信されると、受信された命令に従って、RFIDタグ20,60から情報を読み取るための信号がタグデータ送信処理部42から出力され、デジタル信号変換部43にてアナログ信号に変換される。
【0091】
また、送信レベル調整部45において、送信レベル切替部52から出力され、読み取り制御部56から通信部51を介して送信されてきて通信部44を介して受信した命令に従って、デジタル信号変換部43にてアナログ信号に変換された信号のアンテナ30a~30dからの電波の放射出力レベルが調整される。具体的には、アンテナ30a~30dから放射される電波の出力が、箱体10内に存在する全てのRFIDタグ20,60からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる値に設定される。
【0092】
その後、RF送信部46において、送信レベル調整部45にて電波の放射出力レベルが調整された信号が搬送波に乗せられ、共用器41及びアンテナ30a~30dを介して送信され、これにより、物品読取モードでのRFIDタグ60からの情報の読み取り処理が実行される(ステップS3)。このように、アンテナ30a~30dから放射される電波の出力が、箱体10内に存在する全てのRFIDタグ20,60からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる値に設定された状態で、RFIDタグ60からの情報の読み取り処理が実行されることにより、収容部11に収容された物品70に添付された全てのRFIDタグ60から読み落としなく情報を読み取ることができる。
【0093】
このRF送信部46から共用器41及びアンテナ30a~30dを介して送信された信号がRFIDタグ20,60にて受信されると、RFIDタグ20,60から固有のIDが応答信号としてRFIDリーダー40に送信される。この際、上述したように、先頭が"FFFF"のコードで始まるIDをRFIDタグ20にエンコードし、物品70に添付されたRFIDタグ60に、先頭が"AAAA"のコードで始まるIDをエンコードしている場合、RFIDリーダー40にてRFIDタグ60から情報を読み取るために読み取り制御部56から通信部51を介して送信される命令に、先頭が"AAAA"のコードで始まるIDのみを送信する命令を含めておけば、IDによってフィルタリングをかけてRFIDタグ20,60のうちRFIDタグ60のみからIDを送信させることができる。
【0094】
RFIDタグ60から応答信号としてRFIDリーダー40に送信されたRFIDタグ60の固有のIDが、アンテナ30a~30d及び共用器41を介してRF受信部47にて受信されると、デジタル信号変換部43にてデジタル信号に変換され、その後、タグデータ受信処理部48において、デジタル信号に変換されたRFIDタグ60の固有のIDが通信部44を介して管理用パソコン50に送信される。
【0095】
RFIDリーダー40から送信されたRFIDタグ60の固有のIDが管理用パソコン50の通信部51を介して読み取り制御部56にて受信されると、物品管理部54において、データベースに登録された情報と、通信部51を介して読み取り制御部56にて受信した情報とが照合されることで、箱体10に収容された物品70が管理されることになる。物品70の管理状態は、物品管理部54において出力部55を介して表示出力することが考えられる。
【0096】
管理用パソコン50においては、物品読取モードにおける処理を開始してから、箱体10に収容された物品70について1回の読み取り処理として設定された時間が経過すると(ステップS4)、再度、開閉検知モードに移行し、上記同様の開閉検知モードでの読み取り処理を実行する(ステップS5)。
【0097】
そして、RFIDタグ20の固有のIDがアンテナ30a~30d及び共用器41を介してRF受信部47にて受信されないことで管理用パソコン50の読み取り制御部56においても受信されない場合(ステップS6)、管理用パソコン50の開閉状態判断部53において、開口部14が蓋体15によって塞がれていないと判断され、出力部55を介して警報となるエラーが出力される(ステップS7)。なお、出力部55を介しての警報の出力としては、ブザー音を出力したり、ランプを点灯させたりする他、画面上にエラーメッセージを表示させたりすること等が考えられる。
【0098】
一方、RFIDタグ20の固有のIDがアンテナ30a~30d及び共用器41を介してRF受信部47にて受信され、さらにRFIDタグ20の固有のIDがRFIDリーダー40から送信されて管理用パソコン50の読み取り制御部56にて受信された場合、一定の待機時間経過後(ステップS8)、再度、開閉状態判断部53において、RFIDタグ20の固有のIDがアンテナ30a~30d及び共用器41を介してRF受信部47にて受信され、さらにRFIDタグ20の固有のIDがRFIDリーダー40から送信されて管理用パソコン50の読み取り制御部56にて受信されているかによって開口部14が蓋体15にて塞がれているかどうかが判断され(ステップS9)、開口部14が蓋体15にて塞がれていない場合は、箱体10に収容された物品70について1回の読み取り処理を終了し、次の物品についての読み取り処理を行う。これは、物品70に添付されたRFIDタグ60からIDが読み取られた後に、蓋体15を開けて開口部14から物品70が取り出されたと判断するための処理である。そのため、ステップS8における待機時間は、蓋体15を開けて開口部14から物品70を取り出すために要する時間が設定される。
【0099】
このように、管理用のRFIDタグ60が添付された物品70が収容される箱体10内に検知用のRFIDタグ20を取り付け、管理対象となる物品70に添付された管理用のRFIDタグ60から情報を読み取るRFIDリーダー40のアンテナ30a~30dから放射する電波の出力を、開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにて検知用のRFIDタグ20からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる値に切り替え可能とし、アンテナ30a~30dから放射する電波の出力がその値である場合に検知用のRFIDタグ20から情報が読み取られるかどうかによって箱体10が開けられたことを検知する構成としたため、RFIDタグ60が添付された物品70を箱体10内に収容してRFIDタグ60から情報を読み取ることで物品70を管理する場合に、箱体10が開けられた旨をRFIDタグから情報を読み取る仕組みを用いて検知することができる。
【0100】
ここで、上述した一連の処理においては、物品読取モードが開始されてから終了するまで開閉検知モードが実行されない。そのため、物品読取モードが開始されてから終了するまでの間に、蓋体15が開けられて開口部14が塞がれていない状態となった場合、その旨を報知することができない。
【0101】
図9は、
図1に示した物品管理システムにて物品読取モード中に開閉検知モードを実行する場合の処理を説明するためのフローチャートである。
【0102】
本処理においては、上述したステップS3における物品読取モードでのRFIDタグ60からの情報の読取期間中に、所定の間隔で、上述したステップS5における開閉検知モードでのRFIDタグ20からの情報の読み取り処理を実行する。例えば、上述したステップS4にて判断される物品読取モードの実行時間を1秒間とした場合、ステップS3における物品読取モードでのRFIDタグ60からの情報の読取期間中に、例えば、0.1秒間隔で上述したステップS5における開閉検知モードでのRFIDタグ20からの情報の読み取り処理を実行する。
【0103】
その場合、上述したステップS3において物品読取モードにてRFIDタグ60からの情報の読み取りを実行している最中に(ステップS11)、0.1秒間隔によるタイミングになると(ステップS12)、上述したステップ5と同様に、管理用パソコン50の送信レベル切替部52から出力され、読み取り制御部56から送信された命令に含まれたアンテナ30a~30dからの出力レベルに関する命令に従って、RFIDリーダー40の送信レベル調整部45においてアンテナ30a~30dから放射される電波の出力が、箱体10の開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにてRFIDタグ20からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる値に設定される。
【0104】
これにより、RFIDリーダー40におけるRFIDタグ20,60からの情報の読み取りモードが、物品読取モードから開閉検知モードに移行し、RFIDタグ20からの情報の読み取りが行われる(ステップS13)。その際、上記同様に、RFIDリーダー40にてアンテナ30a~30dを介してRFIDタグ20のみから情報を読み取るために、IDを用いたフィルタリングをかけてもよい。
【0105】
そして、上述したステップS6における処理と同様に、RFIDタグ20の固有のIDがアンテナ30a~30d及び共用器41を介してRF受信部47にて受信されないことで管理用パソコン50の読み取り制御部56においても受信されない場合(ステップS14)、管理用パソコン50の開閉状態判断部53において、開口部14が蓋体15によって塞がれていないと判断され、出力部55を介して警報となるエラーが出力される(ステップS15)。
【0106】
一方、RFIDタグ20の固有のIDがアンテナ30a~30d及び共用器41を介してRF受信部47にて受信され、さらにRFIDタグ20の固有のIDがRFIDリーダー40から送信されて管理用パソコン50の読み取り制御部56にて受信された場合は、管理用パソコン50の開閉状態判断部53において、開口部14が蓋体15によって塞がれていると判断され、ステップS11の処理に戻り、管理用パソコン50の送信レベル切替部52から出力され、読み取り制御部56から送信された命令に含まれたアンテナ30a~30dからの出力レベルに関する命令に従って、RFIDリーダー40の送信レベル調整部45においてアンテナ30a~30dから放射される電波の出力が、箱体10内に存在する全てのRFIDタグ20,60からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる値に設定され、物品読取モードにてRFIDタグ60からの情報の読み取りが引き続き実行される。
【0107】
このように、物品読取モードにてRFIDタグ60からの情報の読取期間中に、送信レベル切替部52においてアンテナ30a~30dから放射する電波の出力を切り替えて開閉検知モードとし、検知用のRFIDタグ20から情報が読み取られた場合、アンテナ30a~30dから放射する電波の出力を、箱体10内に存在する全てのRFIDタグ20,60からアンテナ30a~30dを介して情報を読み取り可能となる値に戻して物品読取モードにてRFIDタグ60からの情報の読み取りを引き続き実行し、開閉検知モードにおいて検知用のRFIDタグ20から情報が読み取られなかった場合、開閉状態判断部53にて出力部55からエラーを出力することにより、物品70に添付されたRFIDタグ60からの情報の読取期間中に箱体10が開けられて塞がれていない状態となってもその旨を報知することができる。
【0108】
(他の実施の形態)
図10は、本発明の物品管理システムに用いられる箱体の他の実施の形態を示す図である。
【0109】
本形態は
図10に示すように、引き出し111と、引き出し収容体115とから構成された箱体110である。
【0110】
引き出し111は、本願発明にて収容部となるものである。引き出し111は、長方形の底面113と、底面113の4つの辺にそれぞれ起立して設けられた側面112a~112bとを有し、側面112a~112dの端辺のうち底面113とは反対側の端辺で囲まれた部分、すなわち、底面113とは反対側に、引き出し111に物品を収容するための開口部114を有している。側面112a~112dのうち、引き出し収容体115から引き出し111が引き出される際の手前側となる側面112aには、引き出し111の内側となる面にアンテナ130が取り付けられている。
【0111】
引き出し収容体115は、本願発明にて被覆部となるものである。引き出し収容体115は、長方形の底面117と、底面117の3つの辺にそれぞれ起立して設けられた側面118a~118cと、底面117に対向し、側面118a~118cの底面117と当接する端辺とは反対側の端辺に当接した天面116とを有し、側面118a~118cが設けられていない面が開口している。引き出し収容体115は、開口した面から引き出し111を収容可能に構成されており、引き出し111を収容することで、引き出し111の開口部114を開閉可能に塞ぐ。引き出し収容体115には、天面116の引き出し111が収容される側の面のうち、開口した面の近傍の領域にRFIDタグ120が取り付けられている。これにより、RFIDタグ120は、箱体110内の領域に取り付けられている。
【0112】
引き出し111及び引き出し収容体115は、電波を反射する材料または電波を吸収する材料から構成されており、例えば、金属から構成されている。または、引き出し111及び引き出し収容体115が、電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料で囲まれた構成としてもよい。また、RFIDタグ120は、
図2に示したRFIDタグ20と同一の構成を有し、粘着層27bによって天面116に貼着されている。
【0113】
ここで、引き出し収容体115の天面116に取り付けられたRFIDタグ120と、引き出し111の側面112aに取り付けられたアンテナ130との距離について説明する。
【0114】
図11は、
図10に示した箱体110における、引き出し収容体115の天面116に取り付けられたRFIDタグ120と、引き出し111の側面112aに取り付けられたアンテナ130との距離を説明するための図である。
【0115】
図10に示した箱体110においては、引き出し111が引き出し収容体115に収容されていることで、引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116によって塞がれている状態では、
図11(a)に示すように、引き出し収容体115の天面116に取り付けられたRFIDタグ120と、引き出し111の側面112aに取り付けられたアンテナ130との距離は、第1の距離D1となっている。
【0116】
一方、引き出し111が引き出し収容体115から引き出されることで、引き出し111の開口部114が塞がれていない状態となると、
図11(b)に示すように、引き出し収容体115の天面116に取り付けられたRFIDタグ120と、引き出し111の側面112aに取り付けられたアンテナ130との距離は、第1の距離D1よりも長い第2の距離D2となる。
【0117】
このように、RFIDタグ120は、引き出し111が引き出し収容体115に収容されることで引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116で塞がれた場合に引き出し111側となる面、すなわち、箱体110内の領域のうち、引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116によって塞がれていない状態におけるアンテナ130との距離が、引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116によって塞がれている状態におけるアンテナ130との距離よりも長くなる領域に取り付けられている。
【0118】
そのため、本形態においても、引き出し111の側面112aに取り付けられたアンテナ130から放射する電波の出力を、引き出し111が引き出し収容体115に収容されることで引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116にて塞がれた状態のみにてRFIDタグ120からアンテナ130を介して情報を読み取り可能となる値とすれば、RFIDリーダー40においてアンテナ130を介してRFIDタグ120から情報が読み取られるかどうかによって、引き出し111が引き出し収容体115に収容され、引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116にて塞がれているかどうかを判断することができる。
【0119】
なお、上述した実施の形態においては、箱体10の蓋体15、または箱体110の引き出し収容体115に検知用のRFIDタグ20,120を取り付け、箱体10の収容部11または箱体110の引き出し111にアンテナ30a~30d,130を取り付けたものを例に挙げて説明したが、その逆に、箱体10の蓋体15、または箱体110の引き出し収容体115にアンテナを取り付け、箱体10の収容部11または箱体110の引き出し111に検知用のRFIDタグを取り付けた構成としてもよい。
【0120】
また、箱体10,110に取り付けられるアンテナの数は、箱体10,110やそれに収容される物品70の形態等に応じて適宜設定される。また、蓋体15や引き出し収容体115に検知用のRFIDタグ20,120を取り付けた場合であっても、箱体10の収容部11の開口部14が蓋体15によって塞がれた状態や、箱体110の引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116にて塞がれた状態において、RFIDタグ20,120との距離が、RFIDタグ20,120から情報を読み取るためのアンテナ30a,130よりも長くなる領域であれば、箱体10,110に収容された物品70の上面からの情報の読み取り用として、蓋体15や引き出し収容体115に、物品70に添付されたRFIDタグ60から情報を読み取るためのアンテナを取り付けてもよい。
【0121】
また、アンテナ30a,130との距離が、
図5や
図11に示した距離D1となるように、検知用のRFIDタグ20,120を、例えば並列に複数設置することも考えられる。その場合、複数のRFIDタグ20,120のうち少なくとも1つのRFIDタグ20,120からアンテナ30a,130を介して情報が読み取られた場合に箱体10の収容部11の開口部14が蓋体15によって塞がれた状態あるいは箱体110の引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116にて塞がれた状態と判断してもよいし、複数のRFIDタグ20,120の全てからアンテナ30a,130を介して情報が読み取られなければ、箱体10の収容部11の開口部14が蓋体15によって塞がれた状態あるいは箱体110の引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116にて塞がれた状態と判断されないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0122】
10,110 箱体
11 収容部
12a~12d,112a~112d,118a~118c 側面
13,113,117 底面
14,114 開口部
15 蓋体
20,60,120 RFIDタグ
21,61 ICチップ
22,30a~30d,62,130 アンテナ
23,63 ベース基材
24,64 インレット
25,65 表面シート
26 金属層
27a,27b,67a,67b 粘着層
40 RFIDリーダー
41 共用器
42 タグデータ送信処理部
43 デジタル信号変換部
44,51 通信部
45 送信レベル調整部
46 RF送信部
47 RF受信部
48 タグデータ受信処理部
50 管理用パソコン
52 送信レベル切替部
53 開閉状態判断部
54 物品管理部
55 出力部
56 読み取り制御部
70 物品
80 折り畳み式コンテナ
111 引き出し
115 引き出し収容体
116 天面