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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004257
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103838
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 嘉一
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA16
2C333CA49
2C333CA57
2C333FA05
2C333FA08
2C333FA17
(57)【要約】
【課題】演出モードに対する興趣の向上を図ることができる遊技機を提供する。
【解決手段】第1~第3モードM1-1~M1-3において、パチンコ遊技機の題材となった作品の世界観等を説明する内容で行われる説明演出を実行する。そして、説明演出が行われるこれらの演出モードにおいてモード移行条件が成立し、通常モードM1-0に移行すると、通常モードM1-0では、説明演出で説明された世界観等を反映した内容のリーチ演出や予告演出を実行対象として追加するようにした。これにより、パチンコ遊技機の題材となった作品の世界観等を、複数の演出モードに跨って学習させることができ、かつ異なる演出モード間で演出構成を連動させることができる。
【選択図】図31
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口への遊技球の入球を契機に大当たりか否かの大当たり判定が行われ、該大当たり判定で大当たりと判定された場合に大当たり遊技を行う遊技機であって、
複数の演出モードの中から何れかの演出モードを設定するモード設定手段と、
各種遊技演出を実行させる演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記モード設定手段によって特定演出モードが設定され、かつ前記特定演出モードの設定中に所定条件が成立した場合、前記特定演出モードに関連する内容を、前記特定演出モードと異なる演出モードである反映先演出モードにおいて実行対象とされる遊技演出に反映させるようになっており、
前記所定条件は、前記特定演出モードにおける前記大当たり判定の実行回数が規定回数に到達すること、前記特定演出モードの滞在時間が規定時間に到達すること、又は前記特定演出モードで特定の遊技演出が実行されることのうちいずれかであることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特定演出モードの設定中に前記所定条件が成立した場合、前記反映先演出モードでは、前記特定演出モードの演出テーマと関連する内容の遊技演出が実行対象として追加される請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特定演出モードに分類される演出モードは複数種類あり、前記特定演出モードに分類される各演出モードでは、当該遊技機の題材とされた作品を説明する説明演出が実行されるようになっており、
前記反映先演出モードでは、初期設定の段階においては実行対象となる遊技演出が何ら対応付けられておらず、
前記演出制御手段は、
前記特定演出モードで前記説明演出が実行された場合に前記所定条件が成立したと判定し、前記所定条件が成立したときに設定されていた特定演出モードに関連する内容を、前記反映先演出モードにおいて実行対象とされる遊技演出として追加する請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記反映先演出モードで追加される遊技演出は、前記特定演出モードで実行された説明演出に関連する内容が反映された演出である請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記特定演出モードに分類される演出モードは、遊技者による前記操作手段の操作によって任意に選択可能である請求項3に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、複数種類ある演出モードの中から1つの演出モードを設定可能なものが知られている(例えば、特許文献1)。複数の演出モードを備えたパチンコ遊技機では、例えば、演出モード毎に演出テーマが定められており、該演出テーマに従って各種遊技演出が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-183683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1のようなパチンコ遊技機では、複数の演出モードを備えるものの、各演出モードで行われる遊技演出は、それぞれ何ら関連性を有したものではなく、単に設定されている演出モードの種類に従って単純に各種遊技演出が実行されるだけであり、遊技者を十分楽しませているとは言い難かった。
【0005】
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、演出モードに対する興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、始動口への遊技球の入球を契機に大当たりか否かの大当たり判定が行われ、該大当たり判定で大当たりと判定された場合に大当たり遊技を行う遊技機であって、複数の演出モードの中から何れかの演出モードを設定するモード設定手段と、各種遊技演出を実行させる演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記モード設定手段によって特定演出モードが設定され、かつ前記特定演出モードの設定中に所定条件が成立した場合、前記特定演出モードに関連する内容を、前記特定演出モードと異なる演出モードである反映先演出モードにおいて実行対象とされる遊技演出に反映させるようになっており、前記所定条件は、前記特定演出モードにおける前記大当たり判定の実行回数が規定回数に到達すること、前記特定演出モードの滞在時間が規定時間に到達すること、又は前記特定演出モードで特定の遊技演出が実行されることのうちいずれかであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、演出モードに対する興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パチンコ遊技機の正面図である。
図2】主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図3】サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図4】大当たり判定テーブルの説明図である。
図5】大当たり種別判定テーブルの説明図である。
図6】リーチ判定テーブルの説明図である。
図7】特図変動パターン選択テーブルの説明図である。
図8】メイン側主制御処理のフローチャートである。
図9】メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。
図10】センサ検出処理のフローチャートである。
図11】特別図柄待機処理のフローチャートである。
図12】特図大当たり判定処理のフローチャートである。
図13】特図変動パターン選択処理のフローチャートである。
図14図13の続きのフローチャートである。
図15】特別図柄変動処理のフローチャートである。
図16】サブ側主制御処理のフローチャートである。
図17】1msタイマ割込処理のフローチャートである。
図18】10msタイマ割込処理のフローチャートである。
図19】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
図20】モードステータス設定処理のフローチャートである。
図21】変動演出開始処理のフローチャートである。
図22】モード移行態様を説明する模式図である。
図23】(a)~(e)は、各演出モードにおける遊技演出の特徴を説明する模式図である。
図24】演出内容選択処理のフローチャートである。
図25】第1モード用の変動演出パターン選択テーブルの説明図である。
図26】(a)~(c)は、第1~第3モード用の予告演出パターン選択テーブルの説明図である。
図27】通常モード用の変動演出パターン選択テーブルの説明図である。
図28】通常モード用の予告演出パターン選択テーブルの説明図である。
図29】通常モード用の予告演出パターン選択テーブルの説明図である。
図30】(a)は、説明演出を説明する模式図、(b)~(d)は、通常モードで実行される予告演出を説明する模式図である。
図31】モード移行に伴う予告演出の変遷を説明する模式図である。
図32】第2実施形態における演出内容選択処理のフローチャートである。
図33】第2実施形態における通常モード用の予告演出パターン選択テーブルの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、パチンコ遊技機を基準として遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0010】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、演出レバー6と、スピーカ8と、演出ボタン9(本発明の「操作手段」に相当)と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とを備えている。
【0011】
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッ
チ92(図2)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
【0012】
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。演出レバー6は、左手で把持できる形状とされており、右回転又は左回転の回転操作の他、上下左右の4方向に傾倒操作可能としている。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6c(図3)が設けられている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
【0013】
スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する。
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手又は左手で押圧操作可能な位置に設けられている。また、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押下操作可能な位置に設けられている。演出ボタン9は、例えばプッシュオン式のボタンスイッチを採用することができる。演出ボタン9には、演出ボタン振動モータ9b(図3)と、演出ボタンランプ9c(図3)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。演出ボタンランプ9cは、複数色を発光可能であり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときや演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。
【0014】
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0015】
前面枠18のうち、左方には左サイドランプ23aが設けられており、右方には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
【0016】
打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図2)及び賞球払出装置400(図2)から払い出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図2)に供給する遊技球を貯留するための
ものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0017】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。
遊技盤2は、パチンコ遊技機1の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。演出表示装置7は、遊技盤2の後方に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。
【0018】
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3Aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3Bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられており、図3では、それら各LEDを総称して「盤ランプ2a」と示している。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
【0019】
遊技盤2は、固定入賞装置10と、ゲート12と、一般入賞口13と、センター装飾体14と、可動体15と、レール部材17と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、大入賞装置30と、表示器類50とを備える。
【0020】
固定入賞装置10は、遊技盤2の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11(本発明の「始動口」に相当)を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3Bに配置されており、右遊技領域3Bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。一般入賞口13は、左遊技領域3Aであって固定入賞装置10の左方に配置されている。
【0021】
センター装飾体14は、遊技盤2の上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
【0022】
レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(図2)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。
【0023】
普通可変入賞装置20は、右遊技領域3Bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22(本発明の「始動口」に相当)が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。なお、図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右方に配置されているが、固定入賞装置10の下方に配置してもよい。
【0024】
大入賞装置30は、右遊技領域3Bであって、固定入賞装置10の右方に配置されてい
る。大入賞装置30は、大入賞口32を開閉する開閉部材31を備える。大入賞口32は、複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。開閉部材31は、左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。
【0025】
前述したように、パチンコ遊技機1では、ハンドル4の発射強度を調節することにより、遊技球の発射強度を調節できるようになっている。よって、パチンコ遊技機1では、左遊技領域3A又は右遊技領域3Bを流下するように遊技球を打ち分けることができる。左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、第1始動口11、一般入賞口13に入賞し得る。一方、右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、ゲート12、第2始動口22、大入賞口32に入賞し得る。
【0026】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって大入賞装置30の下方に設けられている。図2に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。第1特図保留表示器51aは、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する。第2特図保留表示器52aは、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する。普図保留表示器53aは、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0027】
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯・消灯するLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯・消灯するLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
【0028】
また、普通図柄表示器53は、複数(例えば2個)のLEDから構成されている。点灯・消灯するLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開動作し、第2始動口22が開口する。
【0029】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0030】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。
【0031】
次に、演出表示装置7について説明する。
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像(デモ画像)等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0032】
各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
【0033】
演出表示装置7は、特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0034】
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄の組み合わせを、演出図柄による大当たりの図柄組み合わせといい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄の組み合わせを、演出図柄によるハズレの図柄組み合わせという。演出図柄による大当たりの図柄組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、図1に示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。
また、演出図柄によるハズレの図柄組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。例えば、確定表示された左演出図柄7Lが「7」、中演出図柄7Cが「6」、右演出図柄7Rが「7」の状態である。以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄の変動パターンを演出図柄変動パターンといい、その演出図柄変動パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像又は動画像である。
【0035】
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、リーチ演出、予告演出等の各種遊技演出によって、大当たり判定の結果が報知される。予告演出は、大当たり判定の結果が大当たりとなる可能性を示唆する遊技演出の一種である。
【0036】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、図2及び図3に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図2)と、払出制御基板73(図2)と、サブ制御基板100(図3)と、画像制御基板200(図3)と、音声制御基板78(図3)と、ランプ制御基板79(図3)とを備えている。
【0037】
図2に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64とを備えている。また、主制御基板60は、入出力回路65を備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブル、大当たり種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブル等の各種のテーブルが記憶されている。
【0038】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。
【0039】
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第1特図保留記憶部64aに記憶される。
【0040】
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第2特図保留記憶部64bに記憶される。
【0041】
大当たり乱数等は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順
に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数等が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数等は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等に基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。
【0042】
普図保留記憶部64cには、遊技球がゲート12を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
【0043】
また、入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。前述したように、表示器類50は、第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄表示器52と、普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aとが電気的に接続されている。同様に、主制御基板60には、中継基板74を介して大入賞口センサ32aと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、大入賞口ソレノイド30aとが電気的に接続されている。
【0044】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。大入賞口センサ32aは、大入賞口32の直下に設けられており、遊技球が大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21を開閉駆動する。大入賞口ソレノイド30aは、大入賞装置30の開閉部材31を開閉駆動する。
【0045】
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読み取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出
力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払い出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払い出し可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払い出される。
【0046】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払い出した賞球数を計数する。
【0047】
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
【0048】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60、払出制御基板73、及びサブ制御基板100に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
【0049】
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0050】
主制御基板60は、サブ制御基板100に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0051】
図3に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120とを備えている。また、サブ制御基板100は、入出力回路103を備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
【0052】
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンド等を記憶する。
第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
【0053】
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンド等を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
【0054】
当該変動用演出記憶部123は、当該変動に用いる第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドを記憶する。
【0055】
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、演出表示装置7が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203とが実装されている。さらに、画像制御基板200には、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0056】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ9c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
【0057】
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
【0058】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0059】
また、サブ制御基板100には、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー振動モータ6cと、演出ボタン振動モータ9bとが電気的に接続されている。
【0060】
演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。
【0061】
演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位又は演出レバー6の内部に設けられている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。ROM110には、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。
【0062】
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機1の特別図柄表示器及び普通図柄表示器53には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能とが備わっている。特別図柄表示器の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。高確率状態と通常確率状態のどちらに移行するかは、大当たり時の抽選によって基本的に決定される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる確変機と呼ばれる機種である。
【0063】
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動
時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースを早め、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たり当選を狙うことができる。
【0064】
特別図柄表示器の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。したがって、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率が非時短状態よりも高くなっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53に確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。
【0065】
また、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。例えば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。さらに時短状態では、普通可変入賞装置20の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放回数増加機能が作動している。補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開閉させる遊技のことである。
【0066】
普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。また、電サポ制御が行われている状態を「高ベース状態」といい、電サポ制御が行われていない状態を「低ベース状態」という。なお、「高ベース状態」は、所謂、電サポ制御が実行されている状態であるため、「高ベース状態」を「電サポ制御状態」や「入球容易状態」ということがある。一方、「低ベース状態」を「非電サポ制御状態」や「非入球容易状態」ということがある。また、「高ベース状態」は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器53の確率変動機能、変動時間短縮機能、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能、開放回数増加機能のうち1つ以上の機能が作動することによって、その機能が作動していないときよりも普通可変入賞装置20が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるものであってもよい。
【0067】
パチンコ遊技機1では、後述する確変大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態は、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」となる。本実施形態においてこの遊技状態は、次回大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されるまで継続する。「大当たり遊技」は、大当たり判定で大当たりと判定された場合に、確定表示された特図の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンで大入賞口32を開放させるものである。
【0068】
また、パチンコ遊技機1では、後述する通常大当たりに当選した場合、大当たり遊技終
了後の遊技状態は、「通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」となる。この遊技状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、あるいは、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、「通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」である。以下、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」を「高確高ベース状態」といい、「通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」を「低確高ベース状態」といい、「通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」を「低確低ベース状態」又は「通常遊技状態」という。
【0069】
「高確高ベース状態」や「低確高ベース状態」のような「高ベース状態」では、電サポ制御によって普通可変入賞装置20が開放され易くなっており、第1始動口11よりも第2始動口22の方が入賞し易い。このため、右打ちにより右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射させた方が遊技を有利に進行することができる。
【0070】
一方、「低確低ベース状態」のような「低ベース状態」では、電サポ制御が実行されず、普通可変入賞装置20が開放され難いため、第2始動口22よりも第1始動口11の方が入賞し易い。このため、左打ちにより左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射させた方が、遊技が進行し易い。
【0071】
[大当たり判定テーブル]
図4に示す大当たり判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が大当たりか否かの大当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルT1は、遊技状態と、大当たり乱数値(大当たり判定値)とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態では、大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の大当たり乱数をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数を発生する。
【0072】
大当たり判定テーブルT1には、通常確率状態時における大当たり乱数値として、0~164の計165個の大当たり乱数が対応付けられている。遊技制御用マイコン61は、通常確率状態時に大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~164の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~164以外であった場合は、大当たりではない、つまり、「ハズレ」と判定する。
【0073】
また、大当たり判定テーブルT1には、高確率状態時における大当たり乱数値として、0~649の計650個の大当たり乱数が対応付けられている。遊技制御用マイコン61は、高確率状態時に大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数が0~649の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~649以外であった場合は、大当たりではない、つまり、「ハズレ」と判定する。このように、高確率状態では、通常確率状態のときよりも多くの大当たり乱数が設定されており、通常確率状態のときよりも大当たりと判定される確率が高くなっている。なお、本実施形態の大当たり判定テーブルT1は、第1特図の抽選と第2特図の抽選で共通としているが、抽選の種類(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)に応じてテーブルを分けて設定してもよい。
【0074】
[大当たり種別判定テーブル]
図5に示す大当たり種別判定テーブルT2は、大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種
別判定テーブルT2は、抽選の種類(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)に応じ、大当たり種別(大当たり図柄種別)毎に所定個数の大当たり種別乱数値(大当たり種別判定値)をそれぞれ対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において大当たり種別乱数カウンタは、0~9の計10個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~9の計10個の大当たり種別乱数を発生する。
【0075】
パチンコ遊技機1では、第1特図の抽選で大当たりと判定されたときに決定される大当たり図柄として、「大当たり図柄A」「大当たり図柄B」が設定されている。また、第2特図の抽選で大当たりと判定されたときに決定される大当たり図柄として、「大当たり図柄a」「大当たり図柄b」が設定されている。
【0076】
各大当たり図柄に基づく大当たり遊技は、初回のラウンド遊技が開始される前に実行されるオープニングと、複数回のラウンド遊技と、最終回のラウンド遊技が終了した後に実行されるエンディングと、を含む。各ラウンド遊技は、大入賞口32に入賞した遊技球の個数が予め定めた上限個数(この例では10球)に達するか、所定の開放時間(この例では30秒)が経過するか、いずれか早い方の終了条件が成立すると終了する(大入賞口32が閉鎖される)。ラウンド遊技終了後、所定のインターバル時間が経過すると、次のラウンド遊技が開始される。
【0077】
「大当たり図柄A」で特定される大当たり種別は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数を「7」とする「確変大当たり」である。以下の説明では、当該確変大当たりを「7R確変大当たり」と示す場合がある。「大当たり図柄A」が決定された場合、大当たり遊技終了後の大当たり確率が「高確率状態」とされる。「大当たり図柄B」で特定される大当たり種別は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数を「7」とする「通常大当たり」である。以下の説明では、当該通常大当たりを「7R通常大当たり」と示す場合がある。「大当たり図柄B」が決定された場合、大当たり遊技終了後の大当たり確率が「通常確率状態」とされる。
【0078】
「大当たり図柄a」で特定される大当たり種別は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数を「10」とする「確変大当たり」である。以下の説明では、当該確変大当たりを「10R確変大当たり」と示す場合がある。「大当たり図柄a」が決定された場合、大当たり遊技終了後の大当たり確率が「高確率状態」とされる。「大当たり図柄b」で特定される大当たり種別は、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数を「10」とする「通常大当たり」である。以下の説明では、当該通常大当たりを「10R通常大当たり」と示す場合がある。「大当たり図柄b」が決定された場合、大当たり遊技終了後の大当たり確率が「通常確率状態」とされる。
【0079】
また、第1特図の抽選では、取得した大当たり種別乱数が0~4の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄A」が、5~9の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄B」が、それぞれ選択される。一方、第2特図の抽選では、取得した大当たり種別乱数が0~4の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄a」が、5~9の範囲内の値であった場合は「大当たり図柄b」が、それぞれ選択される。
【0080】
なお、本実施形態では、いずれの大当たり種別に当選した場合であっても、大当たり遊技終了後には、電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。ただし、大当たり確率を
「高確率状態」とすることに伴って制御される電サポ制御状態は、次回、大当たり判定で大当たりと判定されるまで継続される(図中「次回まで」と示す)。一方、大当たり確率を「通常確率状態」とすることに伴って制御される電サポ制御状態は、その上限回数が「100回」とされる。当該上限回数を超えると、「低確低ベース状態」となる。「電サポ制御状態の上限回数」とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限回数を指す。なお、大当たりの種類、ラウンド遊技数、電サポ制御が行われる上限回数等は、遊技性等に応じて適宜変更してもよい。
【0081】
[リーチ判定テーブル]
図6に示すリーチ判定テーブルT3は、遊技制御用マイコン61が大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。
【0082】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルT3は、遊技状態とリーチ乱数値(リーチ判定値)とを対応付けて構成されている。リーチ乱数値は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数をカウントする。つまり、0~256の計256個のリーチ乱数を発生する。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。本実施形態では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数値として、0~27の計28個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~27の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~27以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
【0083】
また、本実施形態では、遊技状態が時短状態のときのリーチ乱数値として、0~11の計12個のリーチ乱数が設定されている。遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態のときにリーチ乱数カウンタから取得したリーチ乱数が0~11の範囲内の値であった場合は、リーチ判定においてリーチ有りと判定し、0~255のうち0~11以外であった場合は、リーチ無しと判定する。
【0084】
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。
【0085】
[特図変動パターン選択テーブル]
図7に示す特図変動パターン選択テーブルT4は、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルT4は、遊技状態と、判定(大当たり判定及びリーチ判定)結果と、特図保留数と、変動パターン乱数値(変動パターン判定値)と、特図変動パターンと、変動時間と、を対応付けて構成されている。大当たり種別について対応付けてもよい。また、特図変動パターン選択テーブルT4に示す「変動演出パターン」は、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7等で行われる演出内容を特定する変動演出パターン(サブ制御基板100側で決定)を指しており、参考のために記載してある。変動パターン乱数値は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。パチンコ遊技機1の変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動
パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。
【0086】
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定において大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~94の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP1が選択される。また、変動パターン乱数が95~99の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP2が選択される。特図変動パターンP1の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP2の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP1には、SP(スーパー)リーチ演出を実行可能な変動演出パターンが対応付けられている。特図変動パターンP2に対応する変動演出パターンには、N(ノーマル)リーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。スーパーリーチ演出は、通常変動とノーマルリーチ演出を経て発展的にリーチ演出が実行される演出であり、ノーマルリーチ演出よりもリーチ後の変動時間が長い。また、大当たり期待度がノーマルリーチ演出よりも高くなるよう、当該テーブルにおいて乱数値が振り分けられている。ノーマルリーチ演出は、複数列で変動する演出図柄のうち所定列の演出図柄が一旦停止してリーチを形成した後、当該リーチを形成する演出図柄が一旦停止した状態で、残り1つの演出図柄が変動する演出である。また、ノーマルリーチ演出は、リーチ形成後に大当たりとなる可能性があることを示唆する演出でもある。ただし、ノーマルリーチ演出の大当たり期待度がスーパーリーチ演出よりも低くなるよう、当該テーブルにおいて乱数値が振り分けられている。
【0087】
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数が0~4の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP3が選択される。取得した変動パターン乱数が5~99の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP4が選択される。特図変動パターンP3の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP4の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP3には、SPリーチ演出を実行可能な変動演出パターンが対応付けられている。特図変動パターンP4に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
【0088】
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~2個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP5が選択される。また、特図保留数が3~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP6が選択される。特図変動パターンP5の変動時間は10,000msであり、特図変動パターンP6の変動時間は5,000msである。特図変動パターンP5,P6に対応する変動演出パターンに
は、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。
【0089】
遊技状態が時短状態のときに大当たり判定で大当たりと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP7が選択される。特図変動パターンP7の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP7に対応する変動演出パターンには、スーパーリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
【0090】
遊技状態が時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP8が選択される。特図変動パターンP8の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP8に対応する変動演出パターンには、スーパーリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
【0091】
遊技状態が時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~1個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP9が選択される。また、特図保留数が2~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP10が選択される。特図変動パターンP9の変動時間は5,000msであり、特図変動パターンP10
の変動時間は2,500msである。特図変動パターンP9,P10に対応する変動演出パター
ンには、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。なお、この特図変動パターン選択テーブルT4は、第1特図及び第2特図で共通としているが、第1特図と第2特図で分けて設定してもよい。
【0092】
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、図8に従って、メイン側主制御処理の内容について説明する。
【0093】
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセ
ット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に到達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
【0094】
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
【0095】
(メイン側タイマ割込処理)
次に、図9に従って、メイン側タイマ割込処理(S5)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。遊技制御用マイコン61は、普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図用の変動開始コマンド、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始
したことを示す特図用の変動開始コマンドについても出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、大入賞口センサ32a、ゲートセンサ12a等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図8のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0096】
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述するセンサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄変動処理(S18)、その他の処理(S19)を実行して、本処理を終了する。その他の処理(S19)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理等である。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理(図8)のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
【0097】
(センサ検出処理)
次に、図10に従って、センサ検出処理(S15)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート12を通過したか否かを判定する(S20)。遊技球がゲート12を通過したことはゲートセンサ12aによって検出される。遊技球がゲート12を通過したと判定した場合(S20:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S21)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
【0098】
S21の終了後、又は遊技球がゲート12を通過していないと判定した場合(S20:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口22に入賞したか否かを判定する(S22)。遊技球が第2始動口22に入賞したことは第2始動口センサ22aによって検出される。遊技球が第2始動口22に入賞したと判定した場合(S22:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値の「4」に達しているか否かを判定する(S23)。第2特図保留数U2が「4」に達していないと判定した場合(S23:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S24)。これにより、第2特別図柄の変動保留条件が成立する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S25)。この第2特図関係乱数取得処理
では、大当たり乱数カウンタがカウントする大当たり乱数と、大当たり種別乱数カウンタがカウントする大当たり種別乱数と、リーチ乱数カウンタがカウントするリーチ乱数と、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に記憶する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0099】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S26)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示すデータ、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S26において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S27)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0100】
S27の終了後、遊技球が第2始動口22に入賞していないと判定した場合(S22:No)、又は第2特図保留数U2が「4」に達していると判定した場合(S23:Yes)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口11に入賞したか否かを判定する(S28)。遊技球が第1始動口11に入賞したことは第1始動口センサ11aによって検出される。遊技球が第1始動口11に入賞したと判定した場合(S28:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否かを判定する(S29)。第1特図保留数U1が「4」に達していないと判定した場合(S29:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S30)。これにより、第1特別図柄の変動保留条件が成立する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S31)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0101】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S32)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示すデータ、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S32において作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S33)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。S33の終了後、遊技球が第1始動口11に入賞していないと判定した場合(S28:No)、又は第1特図保留数U1が「4」に達していると判定した場合(S29:Yes)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
【0102】
(普通動作処理)
次に、普通動作処理(S16)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、普図保留数の加算、普通図柄表示器53による普通図柄の変動表示、普通図柄が当たりか否かの当たり判定、当たり判定の結果が当たりであった場合の普通可変入賞装置20の開閉動作等の処理を行う。
【0103】
(特別図柄待機処理)
次に、図11に従って、特別図柄待機処理(S17)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する(S40)。「0」ではないと判定した場合(S40:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図大当たり判定処理(図12)を実行する(S41)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図変動パターン選択処理(図13図14)を実行する(S42)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S43)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S44)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S45)。つまり、第2特別図柄表示器52は、遊技制御用マイコン61が第2特図保留記憶部64bに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第2特別図柄の変動表示を行う。また、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄の変動表示を行う毎に、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
【0104】
この第2特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(図12)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図13図14)においてセットされた特図変動パターンのデータが含まれている。S45の実行後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
【0105】
また、遊技制御用マイコン61は、S40で、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S40:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S46)。「0」ではないと判定した場合(S46:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図大当たり判定処理(図12)を実行する(S47)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図変動パターン選択処理(図13図14)を実行する(S48)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1から「1」を減算し(S49)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S50)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S51)。つまり、第1特別図柄表示器51は、遊技制御用マイコン61が第1特図保留記憶部64aに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第1特別図柄の変動表示を行う。また、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄の変動表示を行う毎に、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
【0106】
この第1特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第1特図大当たり判定処理(図12)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図13図14)においてセットされた変動パターンのデータが含まれている。S51の実行後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
【0107】
また、遊技制御用マイコン61は、S46において、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S46:Yes)、待機状態中であるか否かを判定する(S52)。待機状態は、大当たり遊技中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図
柄)の確定表示後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起される状態である。ここで、待機状態中であると判定した場合(S52:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了し、待機状態中ではないと判定した場合(S52:No)、待機画面設定処理を実行する(S53)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間(前述の一定時間に相当)の経過を待って、客待ち用のデモ画面である待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は本処理を終了する。なお、遊技制御用マイコン61は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって待機状態であるか否かを判定するようにしてもよい。また、本実施形態では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留数U2が「0」の場合(S40:Yesの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
【0108】
(第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理))
次に、図12に従って、第2特図大当たり判定処理(S41)及び第1特図大当たり判定処理(S47)の内容について説明する。なお、第2特図大当たり判定処理(S41)と第1特図大当たり判定処理(S47)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
【0109】
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S60)、大当たり判定テーブル(この例では大当たり判定テーブルT1)を参照する(S61)。続いて、遊技制御用マイコン61は、確変フラグがONであるか否か、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(S62)。確変フラグは、いずれかの確変大当たりに当選したときにONにされ、いずれかの通常大当たりに当選したときにOFFにされる。ここで、確変フラグがONではない、つまり、通常確率状態であると判定した場合(S62:No)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルのうち、通常確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S63)。
【0110】
一方、S62において確変フラグがONである、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であると判定した場合(S62:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルのうち、高確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S64)。
【0111】
S63で大当たりと判定した場合(S63:Yes)又はS64で大当たりと判定した場合(S64:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、大当たり種別判定テーブル(この例では大当たり種別判定テーブルT2)を参照して大当たりの種別を判定する(S65)。
【0112】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S66)。S63で大当たりと判定しなかった場合(S63:No)、S66の終了後、又はS64で大当たりと判定しなかった場合(S64:No)、遊技制御用マイコン61は、S67に移行する。大当たりと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、S65で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし、本処理を終了する。また、大当たりではない、つまり、ハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし、本処理を終了する。
【0113】
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、図13及び図14に従って、第2特図変動パターン選択処理(S42)及び第1特図変動パターン選択処理(S48)の内容について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理(S42)と第1特図変動パターン選択処理(S48)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
【0114】
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態中であるか否かを判定する(S70)。時短状態中であるか否かは、時短状態中であるか否かを特定可能な情報(時短フラグ)がONである否かによって判定することができる。時短フラグは、時短状態に制御されるときにONにされる一方、時短状態が終了するときにOFFにされる。
【0115】
時短フラグがONではない、つまり、時短状態中ではないと判定した場合(S70:No)、遊技制御用マイコン61は、S71に移行する。一方、時短フラグがONである、つまり、時短状態中であると判定した場合(S70:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S77に移行する。S71又はS77に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S71,S77)。大当たりフラグがONであると判定した場合(S71,S77:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブル(この例では特図変動パターン選択テーブルT4)を参照して特図変動パターンを選択する(S72,S78)。例えば、非時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、非時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。同様に、時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。
【0116】
また、S71又はS77において大当たりフラグがONではない、つまり、ハズレと判定した場合(S71,S77:No)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S73,S79)。非時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブル(この例ではリーチ判定テーブルT3)のうち非時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S73:Yes)。同様に、時短状態である場合、取得したリーチ乱数がリーチ判定テーブルのうち時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S79:Yes)。
【0117】
その後、遊技制御用マイコン61は、非時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、非時短状態に対応付けられているリーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S74)。同様に、遊技制御用マイコン61は、時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、時短状態に対応付けられているリーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S80)。
【0118】
また、S73又はS79においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S73,S79:No)、遊技制御用マイコン61は、非時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、非時短状態に対応付けられているリーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S75)。同様に、遊技制御用マイコン61は、時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、時短状態に対応付けられているリーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S81)。
【0119】
S72,S74,S75,S78,S80,S81の終了後、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パタ
ーンバッファにセットし(S76)、本処理を終了する。S76において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS45,S51においてセットされる特図用の変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板100へ出力される。
【0120】
(特別図柄変動処理)
次に、図15に従って、特別図柄変動処理(S18)の内容について説明する。なお、第2特図の特別図柄変動処理と第1特図の特別図柄変動処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
【0121】
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(S42,S48で選択された特図変動パターンに応じて決まる変動時間)が終了したか否かを判定する(S90)。特別図柄の変動時間が終了していないと判定した場合(S90:No)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。特別図柄の変動時間が終了したと判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を停止させるための特図用の変動停止コマンドをRAM64に設けた出力バッファにセットする(S91)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄表示器で実行中である特別図柄の変動表示を、特図変動パターンに定められた変動時間の経過後に、特図大当たり判定処理でセットした特図停止図柄データに応じた図柄(特図の大当たり図柄又は特図のハズレ図柄)で停止させる特別図柄停止処理を実行する(S92)。
【0122】
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技状態管理処理を実行する(S93)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、時短フラグがONになっているか否か判定し、ONになっていると判定した場合は、時短状態中における特別図柄の変動回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1減算し、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」であると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。遊技制御用マイコン61は、各フラグの情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、遊技状態管理処理を終了する。なお、パチンコ遊技機1では、確変大当たりに当選した場合、次回大当たりに当選するまで高確率状態が継続されるため、遊技状態管理処理として、確変フラグをOFFにしたり、確変状態中における特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタを設ける必要はない。
【0123】
その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S94)、ONであると判定した場合(S94:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S95)。この遊技状態リセット処理では、確変フラグがONであるか否かを判定し、ONであると判定した場合は、確変フラグをOFFにする。また、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態かつ非時短状態に制御される。一方、大当たりフラグがOFFであると判定した場合(S94:No)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
【0124】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するために、大当たりオープニング設定を行い(S96)、大当たりオープニングを実行させるためのオープニングコマンドをセットする(S97)。大当たりオープニングとは、大当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、大当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。オープニング設定では、大当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
【0125】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニングが終了すると、特別電動役物処理を実行する(S98)。まず、遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理にお
いて、特別電役作動有効カウンタの値をセットする。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド遊技数の残回数をカウントするカウンタである。そして、ラウンド開始時期に到達すると、遊技制御用マイコン61は、ラウンド開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。そして、遊技制御用マイコン61は、大当たりの種類に応じた開放パターンで大入賞口32を開閉させる。そして、ラウンド遊技中、大入賞口32が開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは所定の開放時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は、開閉部材31の閉動作により大入賞口32を閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別毎に定められたラウンド回数分、大入賞口32の開閉動作を行う。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合、大当たり遊技を終了させる。具体的には、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングを実行させるためのエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットする。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。大当たりエンディングの終了により大当たり遊技が終了すると、その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをOFFとする。
【0126】
S98の終了後、遊技制御用マイコン61は、遊技状態設定処理(S99)を実行する。遊技状態設定処理において遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別として通常大当たり(実施形態の例では「大当たり図柄B」又は「大当たり図柄b」で特定される大当たり種別)を決定している場合、時短フラグをONにし、時短カウンタに大当たり種別に応じた回数(実施形態の例では100)をセットする。遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、本処理を終了する。遊技状態指定コマンドには、設定した遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ等)に関する情報が含まれている。一方、大当たりの種別として確変大当たり(実施形態の例では「大当たり図柄A」又は「大当たり図柄a」で特定される大当たり種別)を決定している場合、遊技制御用マイコン61は、確変フラグ及び時短フラグをONにする。なお、本実施例における確変大当たりでは、大当たり遊技終了後、次回大当たりに当選するまで時短状態に制御されるため、時短回数として時短カウンタに特定の値をセットしなくてもよい。そして、遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、遊技状態設定処理を終了する。
【0127】
(サブ側主制御処理)
次に、図16に従って、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S100)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer
Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ
等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S101)、否定判定した場合(S101:No)、RAM120を初期化し(S102)、S103に進む。また、S101において肯定判定した場合(S101:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS103に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S101:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S101:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS100~S102は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0128】
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S103)、乱数更新処理を実行する(S104)。この乱数更新処理では、種々の演出選択乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出選択乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S105)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S106)。以降、S103~S106を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S107)、1msタイマ割込処理(S108)及び10msタイマ割込処理(S109)の実行が可能となる。
【0129】
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S107)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S108,S109)に優先して実行される処理である。
【0130】
(1msタイマ割込処理)
次に、図17に従って、1msタイマ割込処理(S108)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S110)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ9aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0131】
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S111)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理(図21)においてRAM120の出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S123)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S124)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体15を駆動させるために、駆動データ(可動体15を駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体15を所定の動作パターンで駆動させる。
【0132】
続いて、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したか否かを判定
する(S112)。変動演出開始コマンドは、後述する変動演出開始処理(図21)においてRAM120の出力バッファにセットされ、S111において画像制御基板200に出力される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したと判定した場合(S112:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S113)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S114)。S114の終了後、又は変動演出開始コマンドを出力していないと判定した場合(S112:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
【0133】
(10msタイマ割込処理)
次に、図18に従って、10msタイマ割込処理(S109)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図19)を実行し(S120)、スイッチ状態取得処理を実行する(S121)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S110)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S122)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S123)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
【0134】
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S124)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S125)、本処理を終了する。その他の処理(S125)では、演出選択乱数である変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。
【0135】
(受信コマンド解析処理)
次に、図19に従って、受信コマンド解析処理(S120)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S130)。遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合(S130:Yes)、演出制御用マイコン101は、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S131)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグなど)を示す情報等が含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態を特定し、特定した遊技状態を記憶する。例えば、遊技状態指定コマンドに含まれる情報に基づき、RAM120に記憶されている時短演出カウンタの値などが更新される。具体的には、時短状態で行われる特別図柄の残り変動回数が時短演出カウンタにセットされる。これにより、主制御基板60側だけでなく、サブ制御基板100側でも時短回数等の情報を保持することができる。
【0136】
S131の終了後、又は遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合(S130:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S132)。オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S132:Yes)、演出制御用マイコン101は、オープニング演出選択処理を
実行する(S133)。このオープニング演出選択処理では、大当たり遊技のオープニング中に実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出が対応付けられたオープニング演出選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出を選択する。そして、選択した内容のオープニング演出を開始するためのオープニング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
【0137】
S133の終了後、又はオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S132:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S134)。ラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合(S134:Yes)、演出制御用マイコン101は、ラウンド演出選択処理を実行する(S135)。このラウンド演出選択処理では、大当たり遊技の各ラウンドにおいて実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、ラウンド指定コマンド毎にラウンド演出が対応付けられたラウンド演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したラウンド指定コマンドと対応付けられているラウンド演出を選択する。そして、選択した内容のラウンド演出を開始するためのラウンド演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
【0138】
S135の終了後、又はラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合(S134:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S136)。主制御基板60からエンディングコマンドを受信したと判定した場合(S136:Yes)、演出制御用マイコン101は、エンディング演出選択処理を実行する(S137)。このエンディング演出選択処理では、実行中の大当たり遊技の契機となった大当たりの種類に応じて、大当たりの終了時において実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出が対応付けられたエンディング演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出を選択する。そして、選択した内容のエンディング演出を開始するためのエンディング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
【0139】
S137の終了後、又は主制御基板60からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S136:No)、演出制御用マイコン101は、後述するモードステータス設定処理を実行する(S138)。S138の終了後、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S139)。特図用の変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S139:Yes)、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出開始処理(図21)を実行する(S140)。
【0140】
S140の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S139:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S141)。主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S141:Yes)、演出制御用マイコン101は、変動演出終了処理を実行する(S142)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S105)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rを
所定の停止パターンを経て確定表示させる。
【0141】
S142の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S141:No)、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S143)、本処理を終了する。その他の処理(S143)では、上記各コマンド以外のコマンド(例えば、普図用の変動開始コマンドや普図用の変動停止コマンド)に基づく処理等を行う。
【0142】
(モードステータス設定処理)
次に、図20に従って、モードステータス設定処理(S138)について説明する。
まず、演出制御用マイコン101は、現在設定されているモードステータスを確認する(S150)。モードステータスは、設定すべき演出モードを示すものである。パチンコ遊技機1では、演出モードに応じて演出表示装置7で実行される各種遊技演出の実行態様が定められている。
【0143】
パチンコ遊技機1では、遊技状態によってモードステータスが異なる。低確低ベース状態であればモードステータス「1」がセットされ、低確高ベース状態であればモードステータス「2」がセットされ、高確高ベース状態であればモードステータス「3」がセットされる。さらに、低確低ベース状態では、後に詳述するモード移行条件(本発明の「所定条件」に相当)の成立によって、遊技状態を維持したまま演出モードが変更され得る。低確低ベース状態で設定可能な演出モードには、「通常モードM1-0」と、「第1モードM1-1」、「第2モードM1-2」と、「第3モードM1-3」と、がある。これらの演出モードは全て遊技状態が同じであるため、演出モードを区別できるよう、モードステータスを2つの数字の組み合わせ「1-N(N:整数)」で管理している。具体的には、「通常モードM1-0」であればモードステータス「1-0」がセットされ、「第2モードM1-2」であればモードステータス「1-2」がセットされ、「第3モードM1-3」であればモードステータス「1-3」がセットされる。なお、電源投入後におけるモードステータスの初期設定は「1-0」である(通常モードM1-0)。
【0144】
モードステータスを確認した演出制御用マイコン101は、続いて、受信した遊技状態指定コマンドを解析する(S151)。そして、演出制御用マイコン101は、解析した遊技状態指定コマンドで特定される遊技状態と、S150で確認したモードステータスより判別した遊技状態が異なるか否かを判定する(S152)。演出制御用マイコン101は、遊技状態が異なると判定した場合に、受信した遊技状態指定コマンドに基づいてモードステータスを変更する。
【0145】
例えば、S150で確認したモードステータスが「2」であって、S151で解析した遊技状態が「低確低ベース状態」であったとする。モードステータス「2」に対応する遊技状態は「低確高ベース状態」であるため、演出制御用マイコン101は、「遊技状態が異なる」と判定し、モードステータスの変更を決定する。一方、例えば、S150で確認したモードステータスが「1-0」であって、S151で解析した遊技状態が「低確低ベース状態」であったとする。モードステータス「1-0」に対応する遊技状態は「低確低ベース状態」であるため、仮にモード移行条件の成立によって「第1モードM1-1」に移行させることが決定されていたとしても、遊技状態は「低確低ベース状態」から変化しない。このため、演出制御用マイコン101は、遊技状態が変化したわけではないので、モードステータスを変更しない。ただし、モードステータス「1-N」のうち「1」を変更しないのであって、「N」に該当する値は変更する。
【0146】
遊技状態指定コマンドで特定される遊技状態と、S150で確認したモードステータスより判別した遊技状態が異なると判定した場合(S152:Yes)、演出制御用マイコ
ン101は、S153の処理に進む。S153において演出制御用マイコン101は、S151で解析した遊技状態が「低確低ベース状態」であるか否かを判定する。「低確低ベース状態」であると判定した場合(S153:Yes)、「低確低ベース状態」とは異なる遊技状態から「低確低ベース状態」に変更されたことになるので、演出制御用マイコン101は、モードステータスに「1」をセットし(S154)、S155の処理に進む。より詳しくは、演出制御用マイコン101は、S154において、モードステータスに「通常モードM1-0」を特定する「1-0」をセットする。つまり、遊技状態の変化を伴って「低確低ベース状態」に制御される場合、必ず通常モードM1-0が設定される。
【0147】
一方、S151で解析した遊技状態が「低確低ベース状態」ではないと判定した場合(S153:No)、演出制御用マイコン101は、S151で解析した遊技状態が「低確高ベース状態」であるか否かを判定する(S156)。遊技状態指定コマンドで特定される遊技状態が「低確高ベース状態」であると判定した場合(S156:Yes)、「低確高ベース状態」とは異なる遊技状態から「低確高ベース状態」に変更されたことになるので、演出制御用マイコン101は、モードステータスに「2」をセットし(S157)、S155の処理に進む。一方、S151で解析した遊技状態が「低確高ベース状態」ではないと判定した場合(S156:No)、「高確高ベース状態」であるということになる。これにより、演出制御用マイコン101は、モードステータスに「3」をセットし(S158)、S155の処理に進む。
【0148】
S155において演出制御用マイコン101は、モードステータスの情報を含むモードステータス指示コマンドをRAM120の出力バッファにセットし、本処理を終了する。セットしたモードステータス指示コマンドがコマンド送信処理(S105)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において、指示されたモードステータスに対応する演出モード用の背景画像を表示させる。
【0149】
一方、遊技状態指定コマンドで特定される遊技状態と、S150で確認したモードステータスより判別した遊技状態が同一であると判定した場合(S152:No)、演出制御用マイコン101は、現在のモードステータスが「1」であるか否かを判定する(S159)。より詳しくは、演出制御用マイコン101は、「低確低ベース状態」で設定可能な前述の4つの演出モードのうち何れかに対応する値がモードステータスにセットされているか否かを判定する。
【0150】
現在のモードステータスが「1」ではないと判定した場合(S159:No)、現在の遊技状態が「低確低ベース状態」ではなく、かつ遊技状態指定コマンドで特定される遊技状態と、S150で確認したモードステータスより判別した遊技状態が同一であって、遊技状態を変化させる必要がないということになる。これにより、演出制御用マイコン101は、S155に移行することなく、本処理を終了する。
【0151】
一方、現在のモードステータスが「1」であると判定した場合(S159:Yes)、「低確低ベース状態」であるときに設定可能な通常モードM1-0、第1モードM1-1、第2モードM1-2、第3モードM1-3のうち何れかの演出モードが設定されているということになる。そして、演出制御用マイコン101は、予め定めたモード移行条件が成立したか否かを判定する(S160)。「モード移行条件」としては様々な条件を設定し得るが、本実施形態におけるモード移行条件は、「設定中の演出モードにおける大当たり判定の実行回数が規定回数に到達すること」である。規定回数に到達したか否かについては、例えば、特定の演出モードが設定されてから受信した特図用の変動開始コマンドの受信回数をカウントすること等によって判別可能である。
【0152】
モード移行条件が成立していないと判定した場合(S160:No)、演出制御用マイ
コン101は、本処理を終了する。一方、モード移行条件が成立していると判定した場合(S160:Yes)、演出制御用マイコン101は、モード特定フラグに、モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードを特定するための値をセットする(S161)。
【0153】
モード特定フラグは、「低確低ベース状態」で使用されるフラグである。
モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードが「第1モードM1-1」であった場合、演出制御用マイコン101は、モード特定フラグに「1」をセットする。モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードが「第2モードM1-2」であった場合、演出制御用マイコン101は、モード特定フラグに「2」をセットする。モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードが「第3モードM1-3」であった場合、演出制御用マイコン101は、モード特定フラグに「3」をセットする。
【0154】
ちなみに、異なる演出モードが設定されているときにモード移行条件が成立した場合、新たな条件成立が優先されてモード特定フラグの値が上書きして書き換えられるのではなく、セットされた値を維持したまま、新たな演出モードを特定する値が別途セットされるようになっている。具体的に説明すると、モード特定フラグに「1」がセットされている状態で「第2モードM1-2」においてモード移行条件が成立した場合には、「1」の値を維持したまま、「第2モードM1-2」を特定する「2」が、別途セットされる。同様に、モード特定フラグに「1」と「2」がセットされている状態で「第3モードM1-3」においてモード移行条件が成立した場合には、「1」の値と「2」の値を維持したまま、「第3モードM1-3」を特定する「3」が、別途セットされる。
【0155】
なお、モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードが「通常モードM1-0」であった場合、演出制御用マイコン101は、モード特定フラグに「0」をセットする。また、モード特定フラグにセットされた値は、所定のクリア条件が成立するまで維持される。クリア条件は、パチンコ遊技機1の電源がOFFされることでもよく、待機状態に制御されることでもよく、「低確低ベース状態」以外の遊技状態に移行すること等でもよい。また、パチンコ遊技機1に対して遊技者情報を入力できるようにし、遊技を行う遊技者が代わったこと等としてもよい。
【0156】
S161においてモード特定フラグに何れかの値をセットした演出制御用マイコン101は、その後、移行先の演出モードが決定されたか否かを判定する(S162)。移行先の演出モードの決定方法としては様々な方法が考えられるが、本実施形態では、モード移行条件が成立した後、移行先の演出モードを選択させる選択画面を表示させ、遊技者による演出ボタン9の操作によって移行先の演出モードを任意に選択させる方法を採用している。
【0157】
例えば、図23(a)に示すように、演出表示装置7において、「低確低ベース状態」で設定可能な4つの演出モードに対応するアイコン画像IGと、演出ボタン9の操作を促すメッセージ画像MGとを含む選択画面を表示する。そして、演出ボタン9を操作すると、1つのアイコン画像IGを囲うように表示されていたカーソルCが次のアイコン画像IGの表示位置まで移動し、特定のアイコン画像IGをカーソルCによって選択している状態で、再度、演出ボタン9を操作すると、カーソルCによって選択されていたアイコン画像IGに対応する演出モードが選択されたことになる。なお、選択画面が表示された時点では、現時点で設定されている演出モードに対応するアイコン画像IGを囲うようにカーソルCが表示されているものとする。また、演出ボタン9が操作されたか否かは、演出ボタン検出スイッチ9aからボタン操作を示す信号を入力したか否かを判定することによって判別することができる。さらに、演出ボタン9の操作有効期間を設けてもよく、操作有効期間内に演出ボタン9が操作されなかった場合には、現時点でカーソルCによって囲わ
れているアイコン画像IGに対応する演出モードが強制的に決定されるようにしてもよい。
【0158】
図20の説明に戻り、移行先の演出モードが決定されていないと判定した場合(S162:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、移行先の演出モードが決定されていると判定した場合(S162:Yes)、演出制御用マイコン101は、ボタン操作によって選択されたアイコン画像IGに対応する演出モードを示す値をモードステータスにセットし(S163)、S155の処理に進む。
【0159】
前述同様、S155において演出制御用マイコン101は、モードステータスの情報を含むモードステータス指示コマンドをRAM120の出力バッファにセットし、本処理を終了する。セットしたモードステータス指示コマンドがコマンド送信処理(S105)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において、指示されたモードステータスに対応する演出モード用の背景画像を表示させる。
【0160】
このように、他の遊技状態から「低確低ベース状態」に変更される場合、移行先の演出モードは「通常モードM1-0」一択であったが(S154)、「低確低ベース状態」が維持されており、かつモード移行条件が成立した場合には、「通常モードM1-0」「第1モードM1-1」「第2モードM1-2」「第3モードM1-3」で示す4つの演出モードのうち任意の演出モードが設定されることになる。
【0161】
(変動演出開始処理)
次に、図21に従って、変動演出開始処理(S140)について説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した特図用の変動開始コマンドを解析する(S170)。特図用の変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理)でセットされた第2特図変動パターン(第1特図変動パターン)の情報、特図停止図柄(大当たり種別判定結果)等が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S170において解析した特図用の変動開始コマンドが第1特図用の変動開始コマンドである場合は、第1特図保留数と同期するよう、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図用の変動開始コマンドである場合は、第2特図保留数と同期するよう、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S171)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタであり、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S172)。
【0162】
その後、演出制御用マイコン101は、現在のモードステータスを確認する(S173)。続いて、演出制御用マイコン101は、モードステータスの値を参照しつつ、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rの組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S174)。その後、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S175)。詳細は後述するが、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理として、指示された特図変動パターンに基づいて変動演出パターンや予告演出パターン等を決定する。続いて、演出制御用マイコン101は、S175で選択した演出内容の表示を演出表示装置7に開始させるための変動演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S176)。変動演出開始コマンドには、演出内容の他、演出図柄を演出表示装置7に表示させるための演出画像データが含まれている。そして、その演出画像データを含む変動演出開始コマンドが、RAM120の出力バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(図17のS111)において、演出画像デ
ータが画像制御基板200に出力される。これにより、演出画像データに基づく演出図柄や演出画像が演出表示装置7に表示される。その後、演出制御用マイコン101は、変動演出開始処理を終了する。
【0163】
前述したような態様で演出モードを設定する演出制御用マイコン101は、本発明の「モード設定手段」の一例である。また、リーチ演出や予告演出等の遊技演出の実行指示を行う演出制御用マイコン101は、「演出制御手段」の一例である。また、演出制御用マイコン101からの指示を受け、演出表示装置7に各種遊技演出を実行させる画像制御基板200も、「演出制御手段」の一例である。また、演出内容に合わせてスピーカ8から音声が出力されたり、サイドランプ23a,23b等が点滅してもよい。この場合、これらの部材を制御する各制御基板78,79も、「演出制御手段」の一例である。
【0164】
次に、図22に従って、モード移行態様について説明する。
前述したように、電源投入直後は、まず「通常モードM1-0」が設定される。そして、前述したように、「低確低ベース状態」で設定される何れかの演出モードにおける大当たり判定の実行回数が規定回数に到達すると、モード移行条件が成立する。そして、モード移行条件の成立後に演出ボタン9が操作されると、「低確低ベース状態」で設定可能な4つの演出モードのうち何れかの演出モードが設定され得る。
【0165】
そして、「低確低ベース状態」で設定可能な何れかの演出モードが設定されているときに、大当たり判定で大当たりと判定され、かつ図柄A又は図柄aに基づく大当たり種別が決定されたとする。この場合、大当たり遊技終了後の遊技状態が「高確高ベース状態」となり、「確定モードM3」が設定される。図柄A又は図柄aに基づく大当たり種別に当選した場合、次回大当たりに当選するまで「高確高ベース状態」が維持されるため、その期間中は「確定モードM3」が設定される。なお、「低確低ベース状態」では、電サポ制御が実行されず、普通可変入賞装置20が開放され難いため、第1始動口11への入賞に基づく第1特図の大当たり判定が実行され易く、図柄aに基づく大当たり種別に比して図柄Aに基づく大当たり種別が決定されるケースが多い。
【0166】
ちなみに、「確定モードM3」が設定されているときに、図柄A又は図柄aに基づく大当たり種別が決定されたとすると、大当たり遊技終了後の遊技状態は「高確高ベース状態」となり、再度、「確定モードM3」が設定される。一方、「確定モードM3」が設定されているときに、図柄B又は図柄bに基づく大当たり種別が決定された場合、大当たり遊技終了後の遊技状態が「低確高ベース状態」となる。ただし、その「低確高ベース状態」は、高ベース状態の上限回数が「100回」に設定されているため、その期間中は「時短モードM2」が設定される。なお、「高確高ベース状態」では、電サポ制御によって普通可変入賞装置20が開放され易くなっているため、第2始動口22への入賞に基づく第2特図の大当たり判定が実行され易く、図柄A又は図柄Bに基づく大当たり種別に比して図柄a又は図柄bに基づく大当たり種別が決定されるケースが多い。
【0167】
また、「低確低ベース状態」で設定可能な何れかの演出モードが設定されているときに、大当たり判定で大当たりと判定され、かつ図柄B又は図柄bに基づく大当たり種別が決定されたとする。図柄B又は図柄bに基づく大当たり種別が決定された場合、大当たり遊技終了後の遊技状態が「低確高ベース状態」となる。ただし、その「低確高ベース状態」は、高ベース状態の上限回数が「100回」に設定されているため、その期間中は「時短モードM2」が設定される。また、前述の理由より、「低確高ベース状態」では、第2始動口22への入賞に基づく第2特図の大当たり判定が実行され易く、図柄Bに基づく大当たり種別に比して図柄bに基づく大当たり種別が決定されるケースが多い。
【0168】
また、「時短モードM2」が設定されているときに、図柄A又は図柄aに基づく大当た
り種別が決定されたとすると、大当たり遊技終了後の遊技状態は「高確高ベース状態」となり、「確定モードM3」が設定される。一方、「時短モードM2」が設定されているときに、図柄B又は図柄bに基づく大当たり種別が決定されたとすると、大当たり遊技終了後の遊技状態は「低確高ベース状態」となり、再度、「時短モードM2」が設定される。一方、「時短モードM2」が設定されているときに、一度も大当たり判定で大当たりと判定されることなく、特別図柄の変動表示回数が上限回数である「100回」に到達すると、遊技状態が「低確高ベース状態」から「低確低ベース状態」となる。また、本実施形態では、遊技状態の変化を伴って「低確低ベース状態」に制御される場合、「低確低ベース状態」で設定可能な4つの演出モードのうち「通常モードM1-0」が設定されるようになっている。
【0169】
(通常モードM1-0で実行される各種遊技演出について)
パチンコ遊技機1は、あるアニメ作品を題材(モチーフ)としており、その作品をテーマとした各種遊技演出が実行されるようになっている。この題材となった作品に親しんだ遊技者にとっては、当該作品の有名シーンや登場人物等を熟知しているため、パチンコ遊技機1で実行される各種遊技演出も、遊技者にとって親近感の湧くものとなる。例えば、当該作品の有名シーンを再現したリーチ演出中に、特定のキャラクタ画像を割り込ませて表示するカットイン予告が実行されたとする。この作品に親しんだ遊技者であれば、どのような展開でリーチ演出が進行するかを容易に想像し易い、又はカットインするキャラクタとリーチ演出の演出内容との関係性を容易に想定し易い。このため、この作品に親しんだ遊技者は、パチンコ遊技機1用に編集されたアニメ作品であっても十分に楽しむことができる。また、この作品に親しんだ遊技者は、当該作品の有名シーンや登場人物等を熟知しているため、どのような展開で遊技演出が実行されると大当たりに期待を持つことができるかという点についても容易に推測することができ、当該作品の内容と、大当たりを狙うという遊技機の特性と、の関連性を把握し易い。
【0170】
しかしながら、この作品に親しんでいない遊技者は、当該作品の有名シーンや登場人物等を熟知していないため、パチンコ遊技機1で実行される各種遊技演出は、遊技者にとって何ら理解できないものとなる。よって、当該作品の有名シーンを再現したリーチ演出が実行されたとしても、そのリーチ演出がどのような展開となるかを想像し難く、かつリーチ演出の途中でキャラクタ画像のカットイン予告が実行されたとしても、そのキャラクタの詳細を知らないため、十分に楽しませているとは言い難い。よって、近年のパチンコ遊技機1では、多数のリーチ演出や予告演出等の遊技演出が搭載されているが、題材となる作品を知らない遊技者にとっては、各種遊技演出の展開や登場人物同士の関係性が分からないため、却って遊技演出のバリエーションの多さによって混乱を招いていた。
【0171】
そこで、本実施形態では、パチンコ遊技機1の題材となった作品の世界観やストーリー、登場人物等を説明する内容の遊技演出を行う説明専用の演出モード(この例では「第1~第3モードM1-1~M1-3」)を設定した。その上で、説明専用の演出モードで行われた遊技演出に関連する内容を、当該説明専用の演出モードとは異なる反映先の演出モード(この例では「通常モードM1-0」)において実行対象とされる遊技演出の内容として反映させるようにした。つまり、説明専用の演出モードで遊技を行わせることで、作品の世界観やストーリー、登場人物等を遊技者に集中的に学習させることができる。そして、反映先の演出モードでは、説明専用の演出モードで行われた遊技演出に関連する内容の遊技演出が実行可能となることで、遊技者が学習した内容で各種遊技演出が実行されることとなり、作品の有名シーンや登場人物等を熟知していない遊技者であっても、作品の内容と、大当たりを狙うという遊技機の特性と、の関連性を把握できるようになる。なお、「説明専用の演出モードで行われた遊技演出に関連する内容を、実行対象とされる遊技演出の内容として反映させる」とは、「説明専用の演出モードで行われた遊技演出に関連する内容の遊技演出を、反映先の演出モードで実行可能な遊技演出として追加する」こと
である。なお、パチンコ遊技機1の題材となる作品は、漫画、ゲーム、映画、テレビドラマ等であってもよい。
【0172】
以下、図23に従って、「低確低ベース状態」の各演出モードで実行される遊技演出の特徴について説明する。なお、以下の説明では、パチンコ遊技機1の題材となった作品の世界観やストーリー、登場人物等の作品に関する事項の一部又は全てを総称して「作品の世界観等」という場合がある。
【0173】
(第1モードM1-1)
第1モードM1-1では、作品の一部分を演出テーマとし、当該演出テーマを中心に作品の世界観等が説明される。例えば、パチンコ遊技機1の題材となったアニメ作品が3部作となっている場合、第1モードM1-1では、「第1部」を演出テーマとし、「第1部」を中心に作品の世界観等を説明する遊技演出が実行される。また、「第1部」では、主人公KAがライバルKBと出会い、一緒に旅に出発するまでの流れが描かれているとする。この場合、第1モードM1-1では、例えば、主人公KAの特徴、主人公KAの家族構成、ライバルKBの特徴、主人公KAとライバルKBが出会うまでの過程、主人公KAとライバルKBが共闘したときの内容等を説明する遊技演出が実行される(図23(b)参照)。
【0174】
(第2モードM1-2)
第2モードM1-2では、作品の一部分である「第2部」を演出テーマとし、「第2部」を中心に作品の世界観等を説明する遊技演出が実行される。また、「第2部」では、主人公KAがライバルKBとともにボスを倒すことを決意し、仲間を集めるためにアジアのとある国を訪れる流れが描かれているとする。この場合、第2モードM1-2では、例えば、アジアのとある国で仲間に加わったキャラKCの特徴、ボスの手下と戦ったときの内容、主人公KAがアジアのとある国で取得した必殺技の特徴等を説明する遊技演出が実行される(図23(c)参照)。
【0175】
(第3モードM1-3)
第3モードM1-3では、作品の一部分である「第3部」を演出テーマとし、「第3部」を中心に作品の世界観等を説明する遊技演出が実行される。また、「第3部」では、主人公KA一行が仲間を集めるためにヨーロッパのとある国を訪れる流れが描かれているとする。この場合、第3モードM1-3では、例えば、ヨーロッパのとある国で仲間に加わったキャラKEの特徴、ボスの手下と戦ったときの内容、ライバルKBがヨーロッパのとある国で取得した必殺技の特徴等を説明する遊技演出が実行される(図23(d)参照)。
【0176】
なお、作品の世界観等の説明は、世界観やストーリー、登場人物同士の関係性等を遊技者に理解させることを目的としており、説明の態様は問わない。例えば、実際のアニメ作品を早送りで流してもよいし、実際のアニメ作品の一場面を切り取って流してもよい。また、実際のアニメ作品の一場面を切り取りつつ、その画像とともに解説文を表示させてもよい。
【0177】
(通常モードM1-0)
本実施形態の通常モードM1-0では、演出表示装置7において演出図柄の変動表示以外、何も遊技演出を実行させないよう初期設定されている。これにより、図23(e)に示すように、リーチを許容する特図変動パターンが選択されている場合であっても、キャラクタ等が登場するリーチ演出等は行われず、単に図柄の変動並びに停止の様子が表示されるだけとなっている。
【0178】
ところが、パチンコ遊技機1では、前述したように、説明専用の演出モードである第1~第3モードM1-1~M1-3で遊技を行うと、これらの演出モードで行われた遊技演出に関連する内容のリーチ演出や予告演出等の遊技演出が、通常モードM1-0で実行可能となるよう追加されるようになっている。言い換えると、説明専用の演出モードである第1~第3モードM1-1~M1-3で遊技を行って作品の世界観等を学習しないと、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出のバリエーションが増加しないことになる。このため、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出のバリエーションを増やしたければ、複数の説明専用の演出モードで遊技を行う必要が生じる。そして、異なる説明専用の演出モード(第1~第3モードM1-1~M1-3)で遊技を実行する度に、通常モードM1-0において実行可能な遊技演出のバリエーションが増加することになるので、複数の演出モード間で演出構成を連動させることができる。
【0179】
本実施形態では、「第1~第3モードM1-1~M1-3」が、本発明の「特定演出モード」の一例である。また、「通常モードM1-0」が、本発明の「反映先演出モード」の一例である。なお、特定演出モードに分類される演出モードの種類は、上記の例に限られず、4種類以上としてもよいし2種類以下としてもよい。
【0180】
以下、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出のバリエーションを増加させるために、演出制御用マイコン101が実行する制御内容について説明する。
(演出内容選択処理)
最初に、図24に従って、演出内容選択処理(図21のS155)について説明する。
【0181】
(通常モードM1-0を除くその他の演出モードにおける演出内容選択処理の流れについて)
まず、演出制御用マイコン101は、モードステータスの値を確認する。このとき確認する値は、図20のS154、S157、S158、又はS163でセットされた値である。そして、演出制御用マイコン101は、確認した値が「通常モードM1-0」を示す「1-0」であるか否かを判定する(S180)。モードステータスの値が「1-0」ではないと判定した場合(S180:No)、現在設定されている演出モードが、通常モードM1-0を除くその他の演出モードであるということになる。この場合、演出制御用マイコン101は、設定中の演出モードに対応付けられた各種テーブル(例えば、図25及び図26)を参照し、変動演出パターン又は予告演出パターンを選択する(S181)。その後、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。なお、S181で選択された変動演出パターンや予告演出パターンを特定するデータは、図21のS176でセットされる変動演出開始コマンドに含められる。これにより、選択した変動演出パターンや予告演出パターンに基づくリーチ演出や予告演出等の遊技演出が演出表示装置7に表示される。
【0182】
(変動演出パターン選択テーブルT6)
図25に示す変動演出パターン選択テーブルT6は、第1モードM1-1が設定されているときに参照されるテーブルである。なお、第1モードM1-1用の変動演出パターン選択テーブルT6と同じく、その他の演出モード用の変動演出パターン選択テーブルもそれぞれ設定されている。
【0183】
変動演出パターン選択テーブルT6は、特図変動パターンと、判定結果と、変動演出パターン(変動演出内容)とを対応付けて構成されている。また、ここでは具体的な数値の記載を省略するが、変動演出パターン選択テーブルT6では、何れかの変動演出パターンを選択可能となるよう、所定個数の変動演出パターン乱数値(変動演出パターン判定値)が変動演出パターン毎に対応付けられている。特図変動パターン及び判定結果は、特図変動パターン選択テーブルT4に設定されている特図変動パターン及び判定結果と対応して
おり、実行される演出時間は、前述の特図変動パターンの変動時間と同一である。変動演出パターン乱数値は、演出選択乱数カウンタの一種である変動演出パターン乱数カウンタが発生する変動演出パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。
【0184】
特図変動パターンP1(大当たり)には、「SPリーチR1」を特定する変動演出パターンEP1-1-1と、「SPリーチR2」を特定する変動演出パターンEP1-1-2と、が対応付けられている。「SPリーチR1」及び「SPリーチR2」は、ノーマルリーチ演出の途中より、例えばキャラクタが登場するアニメ動画等を表示させる内容で行われるリーチ演出である。例えば、「SPリーチR1」は、主人公KAが魚釣りを行う内容である一方、「SPリーチR2」は、主人公KAが大食いにチャレンジする内容等である。これらの内容は、作品の世界観等を説明する内容ではない。
【0185】
特図変動パターンP2(大当たり)には、「Nリーチ」を特定する変動演出パターンEP1-1-3が対応付けられている。
特図変動パターンP3(リーチ有りハズレ)には、「SPリーチR1」を特定する変動演出パターンEP1-1-4と、「SPリーチR2」を特定する変動演出パターンEP1-1-4と、が対応付けられている。変動演出パターンEP1-1-1と変動演出パターンEP1-1-4で特定される動画は、同一の内容で展開されるが結末が異なる。例えば、変動演出パターンEP1-1-1で特定されるSPリーチ演出では、主人公KAが魚釣りに成功する結末とされているが、変動演出パターンEP1-1-4で特定されるSPリーチ演出では、主人公KAが魚釣りに失敗する結末とされている。変動演出パターンEP1-1-2と変動演出パターンEP1-1-5についても同様である。
【0186】
特図変動パターンP4(リーチ有りハズレ)には、「Nリーチ」を特定する変動演出パターンEP1-1-6が対応付けられている。
特図変動パターンP5(リーチ無しハズレ)には、「通常変動」を特定する変動演出パターンEP1-1-7が対応付けられている。特図変動パターンP6(リーチ無しハズレ)には、「通常変動」を特定する変動演出パターンEP1-1-8が対応付けられている。
【0187】
したがって、S181では、変動演出パターンを選択するに際し、設定中の演出モードに対応付けられている変動演出パターン選択テーブルを参照し、取得した変動演出パターン乱数と同一の値が対応付けられている変動演出パターンを選択することになる。
【0188】
(予告演出パターン選択テーブル)
図26(a)に示す予告演出パターン選択テーブルT7は、第1モードM1-1が設定されているときに参照されるテーブルである。図26(b)に示す予告演出パターン選択テーブルT8は、第2モードM1-2が設定されているときに参照されるテーブルである。図26(c)に示す予告演出パターン選択テーブルT9は、第3モードM1-3が設定されているときに参照されるテーブルである。なお、予告演出パターン選択テーブルT7~T9と同じく、時短モードM2及び確定モードM3用の予告演出パターン選択テーブルもそれぞれ設定されている。ただし、時短モードM2及び確定モードM3では、予告演出の一種として説明演出は対応付けられていない。
【0189】
予告演出パターン選択テーブルT7~T9は、特図変動パターンと、判定結果と、予告演出パターン(演出内容)とを対応付けてそれぞれ構成されている。また、ここでは具体的な数値の記載を省略するが、予告演出パターン選択テーブルT7~T9では、何れかの予告演出パターンを選択可能となるよう、所定個数の予告演出乱数値(予告演出判定値)が変動演出パターン毎に対応付けられている。予告演出乱数値は、演出選択乱数カウンタの一種である予告演出乱数カウンタが発生する予告演出乱数の中から所定の乱数を選択し
たものである。
【0190】
(予告演出パターン選択テーブルT7)
図26(a)に示すように、特図変動パターンP1(大当たり)には、予告演出の一種である「説明演出SE1」を特定する予告演出パターンY1-1-1と、「説明演出SE2」を特定する予告演出パターンY1-1-2と、が対応付けられている。特図変動パターンP2(大当たり)には、「説明演出SE3」を特定する予告演出パターンY1-1-3が対応付けられている。
【0191】
特図変動パターンP3(リーチ有りハズレ)には、「説明演出SE4」を特定する予告演出パターンY1-1-4と、「説明演出SE5」を特定する予告演出パターンY1-1-5と、が対応付けられている。特図変動パターンP4(リーチ有りハズレ)には、「説明演出SE6」を特定する予告演出パターンY1-1-6が対応付けられている。
【0192】
特図変動パターンP5(リーチ無しハズレ)には、「説明演出SE7」を特定する予告演出パターンY1-1-7が対応付けられている。特図変動パターンP6(リーチ無しハズレ)には、「説明演出SE8」を特定する予告演出パターンY1-1-8が対応付けられている。
【0193】
説明演出は、パチンコ遊技機1の題材となった作品の世界観等を説明する内容で実行される遊技演出である。第1モードM1-1では、「第1部」を演出テーマとし、「第1部」を中心に作品の世界観等を説明する遊技演出が実行されると説明したが、この「第1部」を中心とする説明が、説明演出SE1~SE8によって実行される。前述したように、作品の世界観等の説明は、世界観やストーリー、登場人物同士の関係性等を遊技者に理解させることを目的としており、説明の態様は問わない。本実施形態では、図30(a)で例示するように、実際のアニメ作品の一場面を示す静止画H2とともに解説文H1を表示させる態様で説明演出が実行される。この解説文H1の内容や静止画H2の内容が、説明演出SE1~SE8毎に異なる。例えば、説明演出SE1では、主人公KAの特徴等が説明される。また、説明演出SE2では、主人公KAとライバルKBが出会うまでの過程等が説明される。
【0194】
(予告演出パターン選択テーブルT8)
図26(b)に示すように、特図変動パターンP1(大当たり)には、予告演出の一種である「説明演出SE9」を特定する予告演出パターンY1-2-1と、「説明演出SE10」を特定する予告演出パターンY1-2-2と、が対応付けられている。特図変動パターンP2(大当たり)には、「説明演出SE11」を特定する予告演出パターンY1-2-3が対応付けられている。
【0195】
特図変動パターンP3(リーチ有りハズレ)には、「説明演出SE12」を特定する予告演出パターンY1-2-4と、「説明演出SE13」を特定する予告演出パターンY1-2-5と、が対応付けられている。特図変動パターンP4(リーチ有りハズレ)には、「説明演出SE14」を特定する予告演出パターンY1-2-6が対応付けられている。
【0196】
特図変動パターンP5(リーチ無しハズレ)には、「説明演出SE15」を特定する予告演出パターンY1-2-7が対応付けられている。特図変動パターンP6(リーチ無しハズレ)には、「説明演出SE16」を特定する予告演出パターンY1-2-8が対応付けられている。
【0197】
第2モードM1-2では、「第2部」を演出テーマとし、「第2部」を中心に作品の世界観等を説明する遊技演出が実行されると説明したが、この「第2部」を中心とする説明
が、説明演出SE9~SE16によって実行される。また、説明演出SE9~SE16も、図30(a)で例示した態様で実行されるようになっており、解説文H1の内容や静止画H2の内容が、説明演出SE9~SE16毎に異なる。例えば、説明演出SE9では、アジアのとある国で仲間に加わったキャラKCの特徴等が説明される。また、説明演出SE10では、アジアのとある国で主人公KAが習得した必殺技の特徴等が説明される。
【0198】
(予告演出パターン選択テーブルT9)
図26(c)に示すように、特図変動パターンP1(大当たり)には、予告演出の一種である「説明演出SE17」を特定する予告演出パターンY1-3-1と、「説明演出SE18」を特定する予告演出パターンY1-3-2と、が対応付けられている。特図変動パターンP2(大当たり)には、「説明演出SE19」を特定する予告演出パターンY1-3-3が対応付けられている。
【0199】
特図変動パターンP3(リーチ有りハズレ)には、「説明演出SE20」を特定する予告演出パターンY1-3-4と、「説明演出SE21」を特定する予告演出パターンY1-3-5と、が対応付けられている。特図変動パターンP4(リーチ有りハズレ)には、「説明演出SE22」を特定する予告演出パターンY1-3-6が対応付けられている。
【0200】
特図変動パターンP5(リーチ無しハズレ)には、「説明演出SE23」を特定する予告演出パターンY1-3-7が対応付けられている。特図変動パターンP6(リーチ無しハズレ)には、「説明演出SE24」を特定する予告演出パターンY1-3-8が対応付けられている。
【0201】
第3モードM1-3では、「第3部」を演出テーマとし、「第3部」を中心に作品の世界観等を説明する遊技演出が実行されると説明したが、この「第3部」を中心とする説明が、説明演出SE17~SE24によって実行される。また、説明演出SE17~SE24も、図30(a)で例示した態様で実行されるようになっており、解説文H1の内容や静止画H2の内容が、説明演出SE17~SE24毎に異なる。例えば、説明演出SE17では、ヨーロッパのとある国で仲間に加わったキャラKEの特徴等が説明される。また、説明演出SE18では、主人公KAの思い出の地であるイギリスの名所等が説明される。
【0202】
したがって、S181では、予告演出パターンを選択するに際し、設定中の演出モードに対応付けられている予告演出パターン選択テーブルを参照し、取得した予告演出乱数と同一の値が対応付けられている予告演出パターンを選択することになる。
【0203】
なお、前述したように、作品の世界観等を遊技者に理解させることが目的なので、説明演出の違いによって大当たり期待度を異ならせなくてもよい。したがって、実施形態の例のように、特図変動パターン毎にそれぞれ異なる内容を特定する予告演出パターンを対応付けてもよい。もちろん、説明演出の違いにより大当たり期待度を異ならせるにしてもよい。
【0204】
また、本実施形態では、第1~第3モードM1-1~M1-3で実行可能な予告演出を「説明演出」のみとしたが、その他の内容で実行される予告演出を設定してもよい。また、第1~第3モードM1-1~M1~3では、作品の世界観等がリーチ演出によって説明されてもよい。このとき、リーチ演出と予告演出の両方で作品の世界観等が説明されてもよいし、リーチ演出と予告演出のうち何れか一方で作品の世界観等が説明されてもよい。
【0205】
(通常モードM1-0における演出内容選択処理の流れについて)
図24の説明に戻り、確認したモードステータスの値が「1-0」であると判定した場
合(S180:Yes)、現在設定されている演出モードが、「通常モードM1-0」であるということになる。この場合、演出制御用マイコン101は、モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードを確認するため、モード特定フラグの値を確認する(S182)。
【0206】
ちなみに、本実施形態では、モード移行条件の成立条件を「設定中の演出モードにおける大当たり判定の実行回数が規定回数に到達すること」としている(図20のS160)。この「規定回数」は「低確率状態における大当たり確率の確率分母よりも少ない回数(例えば30回)」である。「規定回数」を前述したような回数とした理由は次の通りである。すなわち、モード移行条件の成立条件となる規定回数を「低確率状態における大当たり確率の確率分母よりも多い回数(例えば500回)」とすると、説明演出による説明を受けなくても、長期間、特定の演出モードで遊技を行ったことにより、作品の世界観等をある程度把握することができてしまい、説明演出を行う演出モードを設定する意味がなくなる。ところが、第1~第3モードM1-1~M1-3では、作品の世界観等を説明する説明演出が予告演出として実行されるため、モード移行条件の成立条件となる大当たり判定の実行回数を少なくしても、説明演出によって効率よく作品の世界観等を遊技者に理解させることができるからである。
【0207】
S182の説明に戻り、S182においてモード特定フラグの値を確認した演出制御用マイコン101は、通常モードM1-0が設定されているときに参照可能な各種テーブル(例えば図27図29)を参照し、モード特定フラグの値に応じて変動演出パターン又は予告演出パターンを選択する(S183)。その後、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。なお、S183で選択された変動演出パターンや予告演出パターンを特定するデータは、図21のS176でセットされる変動演出開始コマンドに含められる。これにより、選択した変動演出パターンや予告演出パターンに基づくリーチ演出や予告演出等の遊技演出が演出表示装置7に表示される。
【0208】
[変動演出パターン選択テーブルT10]
図27に示す変動演出パターン選択テーブルT10は、通常モードM1-0が設定されているときに参照されるテーブルである。
【0209】
変動演出パターン選択テーブルT10は、特図変動パターンと、判定結果と、変動演出パターン(変動演出内容)と、モード特定フラグの値と、を対応付けて構成されている。また、ここでは具体的な数値の記載を省略するが、変動演出パターン選択テーブルT10では、何れかの変動演出パターンを選択可能となるよう、所定個数の変動演出パターン乱数値(変動演出パターン判定値)が変動演出パターン毎に対応付けられている。
【0210】
<特図変動パターンP1(大当たり)>
特図変動パターンP1が選択された場合、モード特定フラグの値によってそれぞれ異なる変動演出パターンが選択されるよう、変動演出パターンが対応付けられている。
【0211】
(モード特定フラグ「0」)
モード特定フラグの値が「0」、すなわち第1~第3モードM1-1~M1-3において未だモード移行条件が成立していない場合、「Nリーチ」を特定する変動演出パターンEP1-0-0が対応付けられている。つまり、モード特定フラグの値が「0」以外の値であるか、通常モードM1-0を除くその他の演出モードが設定されている場合、SPリーチ演出が実行される(図25等)。しかし、モード特定フラグの値が「0」である場合、「Nリーチ」を特定する変動演出パターンEP1-0-0しか対応付けられていないため、たとえ特図変動パターンP1が指示されていたとしても、SPリーチ演出に発展することなくノーマルリーチ演出が継続し、変動時間の到達を以て図柄変動が終了することに
なる。
【0212】
(モード特定フラグ「1」)
モード特定フラグの値が「1」、すなわちモード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードが「第1モードM1-1」であった場合、以下の変動演出パターンが選択対象となるよう、変動演出パターンが対応付けられている。すなわち、主人公KAが登場する「SPリーチ 主人公KA」を特定する変動演出パターンEP1-0-1と、ライバルKBが登場する「SPリーチ ライバルKB」を特定する変動演出パターンEP1-0-2と、が対応付けられている。これらの変動演出パターンで特定される変動演出内容は、第1モードM1-1で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0213】
前述したように、第1モードM1-1では、主人公KAの特徴等を説明する態様で説明演出SE1が実行され、主人公KAとライバルKBが出会うまでの過程等を説明する態様で説明演出SE2が実行される。このため、モード特定フラグの値が「1」である場合、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出に「第1モードM1-1で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されている」と言うことができる。また、モード特定フラグの値が「1」である場合、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出として「第1モードM1-1で実行可能とされている説明演出に関連する内容の遊技演出」が、実行対象として追加されたとも言うことができる。
【0214】
なお、ここでは説明を省略するが、変動演出パターンEP1-0-1,EP1-0-2の他にも、複数の変動演出パターン(変動演出パターンEP1-0-X)が対応付けられている。この変動演出パターンEP1-0-Xで特定される変動演出内容も、第1モードM1-1で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0215】
このようなテーブル構成により、モード特定フラグの値を確認した演出制御用マイコン101は、S183の処理において、モード特定フラグ「1」がセットされているときに選択可能とされている変動演出パターン群(変動演出パターンEP1-0-1,EP1-0-2,EP1-0-X)の中から、取得した変動演出パターン乱数の値に従って、何れかの変動演出パターンを選択する。なお、本実施形態では、第1~第3演出モードM1-1~M1-3で実際に実行された説明演出の種類等を考慮せず「大当たり判定の実行回数が規定回数に到達した」ことを条件として、モード特定フラグに値がセットされるようになっている。そして、変動演出パターン選択テーブルでは、モード特定フラグの値毎に変動演出パターン群を定めているため、取得した変動演出パターン乱数の値によっては、第1~第3演出モードM1-1~M1-3で実際に実行されなかった説明演出に関連する内容のリーチ演出を特定する変動演出パターンが選択されることもある。ただし、第1~第3演出モードM1~M3で実際に実行されなかった説明演出に関連する内容のリーチ演出が実行されたとしても、この「リーチ演出」は、モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードに関連する内容であることに違いはない。
【0216】
(モード特定フラグ「2」)
モード特定フラグの値が「2」、すなわちモード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードが「第2モードM1-2」であった場合、以下の変動演出パターンが選択対象となるよう、変動演出パターンが対応付けられている。すなわち、キャラKCが登場する「SPリーチ キャラKC」を特定する変動演出パターンEP2-0-1と、主人公KAが必殺技を繰り出す「SPリーチ 必殺技」を特定する変動演出パターンEP2-0-2と、が対応付けられている。これらの変動演出パターンで特定される変動演出内容は、第2モードM1-2で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0217】
前述したように、第2モードM1-2では、アジアのとある国で仲間に加わったキャラKCの特徴等を説明する態様で説明演出SE9が実行され、アジアのとある国で主人公KAが習得した必殺技の特徴等を説明する態様で説明演出SE10が実行される。このため、モード特定フラグの値が「2」である場合、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出に「第2モードM1-2で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されている」と言うことができる。また、モード特定フラグの値が「2」である場合、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出として「第2モードM1-2で実行可能とされている説明演出に関連する内容の遊技演出」が、実行対象として追加されたとも言うことができる。
【0218】
なお、ここでは説明を省略するが、変動演出パターンEP2-0-1,EP2-0-2の他にも、複数の変動演出パターン(変動演出パターンEP2-0-Y)が対応付けられている。この変動演出パターンEP2-0-Yで特定される変動演出内容も、第2モードM1-2で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0219】
このようなテーブル構成により、モード特定フラグの値を確認した演出制御用マイコン101は、S183の処理において、モード特定フラグ「2」がセットされているときに選択可能とされている変動演出パターン群(変動演出パターンEP2-0-1,EP2-0-2,EP2-0-Y)の中から、取得した変動演出パターン乱数の値に従って、何れかの変動演出パターンを選択する。
【0220】
(モード特定フラグ「3」)
モード特定フラグの値が「3」、すなわちモード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードが「第3モードM1-3」であった場合、以下の変動演出パターンが選択対象となるよう、変動演出パターンが対応付けられている。すなわち、キャラKEが登場する「SPリーチ キャラKE」を特定する変動演出パターンEP3-0-1と、イギリスの名所を紹介する「SPリーチ イギリス」を特定する変動演出パターンEP3-0-2と、が対応付けられている。これらの変動演出パターンで特定される変動演出内容は、第3モードM1-3で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0221】
前述したように、第3モードM1-3では、ヨーロッパのとある国で仲間に加わったキャラKEの特徴等を説明する態様で説明演出SE17が実行され、主人公の思い出の地であるイギリスの名所等を説明する態様で説明演出SE18が実行される。このため、モード特定フラグの値が「3」である場合、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出に「第3モードM1-3で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されている」と言うことができる。また、モード特定フラグの値が「3」である場合、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出として「第3モードM1-3で実行可能とされている説明演出に関連する内容の遊技演出」が、実行対象として追加されたとも言うことができる。
【0222】
なお、ここでは説明を省略するが、変動演出パターンEP3-0-1,EP3-0-2の他にも、複数の変動演出パターン(変動演出パターンEP3-0-Z)が対応付けられている。この変動演出パターンEP3-0-Zで特定される変動演出内容も、第3モードM1-3で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0223】
このようなテーブル構成により、モード特定フラグの値を確認した演出制御用マイコン101は、S183の処理において、モード特定フラグ「3」がセットされているときに選択可能とされている変動演出パターン群(変動演出パターンEP3-0-1,EP3-0-2,EP3-0-Z)の中から、取得した変動演出パターン乱数の値に従って、何れかの変動演出パターンを選択する。
【0224】
<特図変動パターンP2(大当たり)>
特図変動パターンP2には、モード特定フラグの値に関わらず、「Nリーチ」を特定する変動演出パターンEP4が対応付けられている。
【0225】
<特図変動パターンP3(リーチ有りハズレ)>
モード特定フラグの値が「0」である場合、「Nリーチ」を特定する変動演出パターンEP5-0-0が対応付けられている。この変動演出内容は、変動演出パターンEP1-0-0で特定される変動演出内容と同じである。
【0226】
モード特定フラグの値が「1」である場合、次の変動演出パターンが選択可能とされている。すなわち、「SPリーチ 主人公KA」を特定する変動演出パターンEP5-0-1と、「SPリーチ ライバルKB」を特定する変動演出パターンEP5-0-2と、が対応付けられている。加えて、第1モードM1-1で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映された変動演出内容を特定する変動演出パターンEP5-0-Xも対応付けられている。これらの変動演出パターンで特定される変動演出内容は、変動演出パターンEP1-0-1,EP1-0-2,EP1-0-Xで特定される変動演出内容と同一の内容で展開されるが、結末が異なる。例えば、変動演出パターンEP1-0-1に基づくSPリーチ演出では、ジャンプした主人公KAが着地に成功する結末とされるが、変動演出パターンEP5-0-1に基づくSPリーチ演出では、ジャンプした主人公KAが着地に失敗する結末とされる。
【0227】
モード特定フラグの値が「2」である場合、次の変動演出パターンが選択可能とされている。すなわち、「SPリーチ キャラKC」を特定する変動演出パターンEP6-0-1と、「SPリーチ 必殺技」を特定する変動演出パターンEP6-0-2と、が対応付けられている。加えて、第2モードM1-2で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映された変動演出内容を特定する変動演出パターンEP6-0-Yも対応付けられている。これらの変動演出パターンで特定される変動演出内容は、変動演出パターンEP2-0-1,EP2-0-2,EP2-0-Yで特定される変動演出内容と同一の内容で展開されるが、前述の変動演出パターンEP1-0-1,EP5-0-1の関係と同じく、結末が異なる。
【0228】
モード特定フラグの値が「3」である場合、次の変動演出パターンが選択可能とされている。すなわち、「SPリーチ キャラKE」を特定する変動演出パターンEP7-0-1と、「SPリーチ イギリス」を特定する変動演出パターンEP7-0-2と、が対応付けられている。加えて、第3モードM1-3で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映された変動演出内容を特定する変動演出パターンEP7-0-Zも対応付けられている。これらの変動演出パターンで特定される変動演出内容は、変動演出パターンEP3-0-1,EP3-0-2,EP3-0-Zで特定される変動演出内容と同一の内容で展開されるが、前述の変動演出パターンEP1-0-1と,EP5-0-1の関係と同じく、結末が異なる。
【0229】
<特図変動パターンP4(リーチ有りハズレ)>
特図変動パターンP4には、モード特定フラグの値に関わらず、「Nリーチ」を特定する変動演出パターンEP8が対応付けられている。
【0230】
<特図変動パターンP5(リーチ無しハズレ)>
特図変動パターンP5には、モード特定フラグの値に関わらず、「通常変動」を特定する変動演出パターンEP9が対応付けられている。
【0231】
<特図変動パターンP6(リーチ無しハズレ)>
特図変動パターンP6には、モード特定フラグの値に関わらず、「通常変動」を特定する変動演出パターンEP10が対応付けられている。
【0232】
このように、変動演出パターン選択テーブルT10では、選択される可能性のある最大数の変動演出パターンが前もって対応付けられており、モード特定フラグの値に従って、選択可能な変動演出パターンと、選択不能な変動演出パターンと、に分けられることになる。そして、このようなテーブル構成とすることで、図24のS183では、設定されているモード特定フラグの値に対応する変動演出パターン群の中から、取得した変動演出パターン乱数の値に従って何れかの変動演出パターンが選択されることになる。また、このとき選択される変動演出パターンは、モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードで実行可能とされている説明演出に関連する内容を反映した変動演出内容を特定するものである。
【0233】
なお、前述したように、モード特定フラグの値は、所定のクリア条件が成立するまで維持されるため、クリア条件が成立しなければ、既にセットされていた値が維持されたまま、新たにモード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードを特定する値が別途セットされることになる。つまり、複数の説明専用の演出モードで遊技を行うほど、通常モードM1-0で実行可能となるリーチ演出のバリエーションが増加することになるので、複数の演出モード間で演出構成を連動させることができる。
【0234】
また、本実施形態では、大当たり判定の実行回数が規定回数に到達した場合にモード移行条件が成立するが、大当たり判定が実行されると特図変動パターンが選択され、その特図変動パターンに従って予告演出パターンが選択されて説明演出が実行されるようになっている。これにより、本実施形態では、説明演出が実行されたことによってモード移行条件が成立したとも言うことができる。
【0235】
[予告演出パターン選択テーブルT11,T12]
図28に示す予告演出パターン選択テーブルT11及び図29に示す予告演出パターン選択テーブルT12は、通常モードM1-0が設定されているときに参照されるテーブルである。予告演出パターン選択テーブルT11は、大当たり用の特図変動パターンが指示されたときに参照されるテーブルであり、予告演出パターン選択テーブルT12は、ハズレ用の特図変動パターンが指示されたときに参照されるテーブルである。
【0236】
予告演出パターン選択テーブルT11,T12は、特図変動パターンと、判定結果と、予告演出パターン(演出内容)と、モード特定フラグの値と、を対応付けてそれぞれ構成されている。また、ここでは具体的な数値の記載を省略するが、予告演出パターン選択テーブルT11,T12では、何れかの予告演出パターンを選択可能となるよう、所定個数の予告演出乱数値(予告演出判定値)が予告演出パターン毎に対応付けられている。
【0237】
<特図変動パターンP1又は特図変動パターンP3>
特図変動パターンP1又は特図変動パターンP3が選択された場合、モード特定フラグの値によってそれぞれ異なる予告演出パターンが選択されるよう、予告演出パターンが対応付けられている。
【0238】
(モード特定フラグ「0」)
モード特定フラグの値が「0」である場合、予告演出を実行させない予告演出パターンY1-0-0が対応付けられている。つまり、モード特定フラグの値が「0」である場合、予告演出は実行されない。
【0239】
一方、モード特定フラグの値が「1」~「3」の何れかである場合、何れかの予告演出を実行し得るよう、予告演出パターンが対応付けられている。本実施形態では、モード特定フラグに「1」~「3」のうち何れかの値がセットされている場合に選択可能な予告演出として、「カットイン予告」「セリフ予告」「アイキャッチ予告」を設定している。これらの予告演出は、前述したリーチ演出と同様、モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードで実行可能とされている説明演出に関連する内容を反映した内容で実行される。
【0240】
図30(b)に示すように、カットイン予告は、図柄の変動中に演出画像等を割り込ませる態様で表示させる演出である。
図30(c)に示すように、セリフ予告は、キャラクタが喋っているかのように見せるために、図柄の変動中、キャラクタ画像と吹き出しを表示させる演出である。
【0241】
図30(d)に示すように、アイキャッチ予告は、図柄の変動中に、遊技者の目を引き付けるような画像を表示させる演出である。パチンコ遊技機1はあるアニメ作品を題材としており、実際に放映されたアニメ作品のオープニング画像H3がアイキャッチ画像として表示されるようになっている。
【0242】
(モード特定フラグ「1」)
図28及び図29の説明に戻り、モード特定フラグの値が「1」であった場合、以下の予告演出パターンが選択対象となるよう、予告演出パターンが対応付けられている。すなわち、「カットイン予告 主人公KA」を特定する予告演出パターンY1-0-1と、「カットイン予告 ライバルKB」を特定する予告演出パターンY1-0-2と、が対応付けられている。これらの予告演出パターンで特定される演出内容は、モード特定フラグの値が「1」であった場合に実行されるリーチ演出と同じく、第1モードM1-1で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。なお、ここでは説明を省略するが、予告演出パターンY1-0-1,Y1-0-2の他にも、複数の予告演出パターン(予告演出パターンY1-0-X)が対応付けられている。この予告演出パターンY1-0-Xで特定される演出内容も、第1モードM1-1で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0243】
さらに、モード特定フラグの値が「1」であった場合、以下の予告演出パターンが選択対象となるよう、予告演出パターンが対応付けられている。すなわち、「セリフ予告 セリフW1」を特定する予告演出パターンY1-0-3と、「セリフ予告 セリフW2」を特定する予告演出パターンY1-0-4と、が対応付けられている。なお、ここでは説明を省略するが、予告演出パターンY1-0-3,Y1-0-4の他にも、複数の予告演出パターン(予告演出パターンY1-0-Y)が対応付けられている。この予告演出パターンY1-0-Yで特定される演出内容も、第1モードM1-1で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0244】
加えて、モード特定フラグの値が「1」であった場合、以下の予告演出パターンが選択対象となるよう、予告演出パターンが対応付けられている。すなわち、「アイキャッチ予告 第1話」を特定する予告演出パターンY1-0-5と、「アイキャッチ予告 第2話」を特定する予告演出パターンY1-0-6と、が対応付けられている。なお、ここでは説明を省略するが、予告演出パターンY1-0-5,Y1-0-6の他にも、複数の予告演出パターン(予告演出パターンY1-0-Z)が対応付けられている。この予告演出パターンY1-0-Zで特定される演出内容も、第1モードM1-1で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0245】
このように予告演出パターンを対応付けるとともに、予告演出の演出内容を設定するこ
とで、モード特定フラグの値が「1」である場合、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出に「第1モードM1-1で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されている」と言うことができる。また、モード特定フラグの値が「1」である場合、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出として「第1モードM1-1で実行可能とされている説明演出に関連する内容の遊技演出」が、実行対象として追加されたとも言うことができる。
【0246】
(モード特定フラグ「2」)
モード特定フラグの値が「2」であった場合、以下の予告演出パターンが選択対象となるよう、予告演出パターンが対応付けられている。すなわち、「カットイン予告 キャラKC」を特定する予告演出パターンY2-0-1と、「カットイン予告 キャラKD」を特定する予告演出パターンY2-0-2と、が対応付けられている。これらの予告演出パターンで特定される演出内容は、モード特定フラグの値が「2」であった場合に実行されるリーチ演出と同じく、第2モードM1-2で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。なお、ここでは説明を省略するが、予告演出パターンY2-0-1,Y2-0-2の他にも、複数の予告演出パターン(予告演出パターンY2-0-X)が対応付けられている。この予告演出パターンY2-0-Xで特定される演出内容も、第2モードM1-2で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0247】
さらに、モード特定フラグの値が「2」であった場合、以下の予告演出パターンが選択対象となるよう、予告演出パターンが対応付けられている。すなわち、「セリフ予告 セリフW3」を特定する予告演出パターンY2-0-3と、「セリフ予告 セリフW4」を特定する予告演出パターンY2-0-4と、が対応付けられている。なお、ここでは説明を省略するが、予告演出パターンY2-0-3,Y2-0-4の他にも、複数の予告演出パターン(予告演出パターンY2-0-Y)が対応付けられている。この予告演出パターンY2-0-Yで特定される演出内容も、第2モードM1-2で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0248】
加えて、モード特定フラグの値が「1」であった場合、以下の予告演出パターンが選択対象となるよう、予告演出パターンが対応付けられている。すなわち、「アイキャッチ予告 第3話」を特定する予告演出パターンY2-0-5と、「アイキャッチ予告 第4話」を特定する予告演出パターンY2-0-6と、が対応付けられている。なお、ここでは説明を省略するが、予告演出パターンY2-0-5,Y2-0-6の他にも、複数の予告演出パターン(予告演出パターンY2-0-Z)が対応付けられている。この予告演出パターンY2-0-Zで特定される演出内容も、第2モードM1-2で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0249】
このように予告演出パターンを対応付けるとともに、予告演出の演出内容を設定することで、モード特定フラグの値が「2」である場合、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出に「第2モードM1-2で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されている」と言うことができる。また、モード特定フラグの値が「2」である場合、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出として「第2モードM1-2で実行可能とされている説明演出に関連する内容の遊技演出」が、実行対象として追加されたとも言うことができる。
【0250】
(モード特定フラグ「3」)
モード特定フラグの値が「3」であった場合、以下の予告演出パターンが選択対象となるよう、予告演出パターンが対応付けられている。すなわち、「カットイン予告 キャラKE」を特定する予告演出パターンY3-0-1と、「カットイン予告 キャラKF」を
特定する予告演出パターンY3-0-2と、が対応付けられている。なお、ここでは説明を省略するが、予告演出パターンY3-0-1,Y3-0-2の他にも、複数の予告演出パターン(予告演出パターンY3-0-X)が対応付けられている。この予告演出パターンY3-0-Xで特定される演出内容も、モード特定フラグの値が「3」であった場合に実行されるリーチ演出と同じく、第3モードM1-3で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0251】
さらに、モード特定フラグの値が「3」であった場合、以下の予告演出パターンが選択対象となるよう、予告演出パターンが対応付けられている。すなわち、「セリフ予告 セリフW5」を特定する予告演出パターンY3-0-3と、「セリフ予告 セリフW6」を特定する予告演出パターンY3-0-4と、が対応付けられている。なお、ここでは説明を省略するが、予告演出パターンY3-0-3,Y3-0-4の他にも、複数の予告演出パターン(予告演出パターンY3-0-Y)が対応付けられている。この予告演出パターンY3-0-Yで特定される演出内容も、第3モードM1-3で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0252】
加えて、モード特定フラグの値が「3」であった場合、以下の予告演出パターンが選択対象となるよう、予告演出パターンが対応付けられている。すなわち、「アイキャッチ予告 第5話」を特定する予告演出パターンY3-0-5と、「アイキャッチ予告 第6話」を特定する予告演出パターンY3-0-6と、が対応付けられている。なお、ここでは説明を省略するが、予告演出パターンY3-0-5,Y3-0-6の他にも、複数の予告演出パターン(予告演出パターンY3-0-Z)が対応付けられている。この予告演出パターンY3-0-Zで特定される演出内容も、第3モードM1-3で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されたものである。
【0253】
このように予告演出パターンを対応付けるとともに、予告演出の演出内容を設定することで、モード特定フラグの値が「3」である場合、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出に「第3モードM1-3で実行可能とされている説明演出に関連する内容が反映されている」と言うことができる。また、モード特定フラグの値が「3」である場合、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出として「第3モードM1-3で実行可能とされている説明演出に関連する内容の遊技演出」が、実行対象として追加されたとも言うことができる。
【0254】
このようなテーブル構成により、モード特定フラグの値を確認した演出制御用マイコン101は、S183の処理において、モード特定フラグの値毎に対応付けられている予告演出パターン群の中から、取得した予告演出乱数の値に従って何れかの予告演出パターンを選択する。なお、本実施形態では、第1~第3演出モードM1-1~M1-3で実際に実行された説明演出の種類等を考慮せず「大当たり判定の実行回数が規定回数に到達した」ことを条件として、モード特定フラグに値がセットされるようになっている。そして、予告演出パターン選択テーブルでは、変動演出パターン選択テーブルと同じく、モード特定フラグの値毎に予告演出パターン群を定めているため、取得した予告演出乱数の値によっては、第1~第3演出モードM1-1~M1-3で実行されなかった説明演出に関連する内容の予告演出を特定する予告演出パターンが選択されることもある。ただし、第1~第3演出モードM1~M3で実際に実行されなかった説明演出に関連する内容の予告演出が実行されたとしても、この「予告演出」は、モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードに関連する内容であることに違いはない。
【0255】
<特図変動パターンP2又は特図変動パターンP4>
特図変動パターンP2,P4には、モード特定フラグの値に関わらず、予告演出を実行させない予告演出パターンY4が対応付けられている。
【0256】
(特図変動パターンP5(リーチ無しハズレ))
特図変動パターンP5には、モード特定フラグの値に関わらず、予告演出を実行させない予告演出パターンY5が対応付けられている。
【0257】
(特図変動パターンP6(リーチ無しハズレ))
特図変動パターンP6には、モード特定フラグの値に関わらず、予告演出を実行させない予告演出パターンY6が対応付けられている。
【0258】
このように、予告演出パターン選択テーブルT11,T12では、変動演出パターン選択テーブルT10と同じく、選択される可能性のある最大数の予告演出パターンが前もって対応付けられており、モード特定フラグの値に従って、選択可能な予告演出パターンと、選択不能な予告演出パターンと、に分けられることになる。そして、このようなテーブル構成とすることで、図24のS183では、設定されているモード特定フラグの値に対応する予告演出パターン群の中から、取得した予告演出乱数の値に従って何れかの予告演出パターンが選択されることになる。また、このとき選択される予告演出パターンは、モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードで実行可能とされている説明演出に関連する内容を反映した演出内容を特定するものである。
【0259】
なお、前述したように、モード特定フラグの値は、所定のクリア条件が成立するまで維持されるため、クリア条件が成立しなければ、既にセットされていた値が維持されたまま、新たにモード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードを特定する値が別途セットされることになる。つまり、通常モードM1-0では、初期設定の段階では何らリーチ演出及び予告演出が実行されないが、複数の説明専用の演出モードで遊技を行うほど、通常モードM1-0で実行可能となる予告演出のバリエーションが増加することになるので、複数の演出モード間で演出構成を連動させることができる。
【0260】
また、本実施形態では、大当たり判定の実行回数が規定回数に到達した場合にモード移行条件が成立するが、大当たり判定が実行されると特図変動パターンが選択され、その特図変動パターンに従って予告演出パターンが選択されて説明演出が実行されるようになっている。これにより、本実施形態では、説明演出が実行されたことによってモード移行条件が成立したとも言うことができる。
【0261】
(モード移行に伴う遊技演出の変遷)
以下、図31に従って、モード移行に伴う遊技演出の変遷について説明する。なお、以下の説明では、遊技演出に含まれるリーチ演出と予告演出のうち、予告演出の変遷について説明する。
【0262】
前述したように、電源投入後におけるモードステータスの初期設定値は「1-0」であるため、電源投入直後は「通常モードM1-0」が設定される。この時点では、モード移行条件が成立していないため、モード特定フラグの値「0」が維持された状態となり、何ら予告演出が実行されない。
【0263】
その後、通常モードM1-0における大当たり判定の実行回数が規定回数に到達したことによってモード移行条件が成立し、遊技者のボタン操作によって第1モードM1-1が選択されたとする。これにより、通常モードM1-0から第1モードM1-1に移行する。前述したように、第1モードM1-1では、第1部を中心に作品の世界観等を説明する内容で遊技演出(説明演出)が実行される。この説明演出を視認することによって、遊技者は、特に第1部を中心として、パチンコ遊技機1の題材となった作品の世界観等を学習することができる。その後、第1モードM1-1における大当たり判定の実行回数が規定
回数に到達したことによってモード移行条件が成立すると、モード特定フラグに「1」がセットされる。
【0264】
その後、遊技者のボタン操作によって通常モードM1-0が選択されたとする。これにより、第1モードM1-1から通常モードM1-0に移行する。この時点で設定される通常モードM1-0では、第1モードM1-1で行われた説明演出に関連する内容の遊技演出(リーチ演出及び予告演出)が、実行対象として追加されることになる。つまり、第1モードM1-1の説明演出によって、第1部を中心として作品の世界観等を集中的に学習させた上で、通常モードM1-0では、第1モードM1-1で行われた説明演出に関連する内容の予告演出が実行可能となり、当該作品の有名シーンや登場人物等を熟知していない遊技者であっても、当該作品の内容と、大当たりを狙うという遊技機の特性と、の関連性を把握できるようになる。例えば、第1部の見どころが「主人公KAがライバルKBの妹を助けた場面」であると説明演出によって学習した後に、通常モードM1-0においてライバルKBの妹が登場する内容の予告演出等が出現すれば、当該内容で行われる予告演出は大当たりに期待できるかもしれないと推測することができる。
【0265】
その後、通常モードM1-0における大当たり判定の実行回数が規定回数に到達したことによってモード移行条件が成立し、遊技者のボタン操作によって第2モードM1-2が選択されたとする。これにより、通常モードM1-0から第2モードM1-2に移行する。前述したように、第2モードM1-2では、第2部を中心に作品の世界観等を説明する内容で遊技演出(説明演出)が実行される。この説明演出を視認することによって、遊技者は、特に第2部を中心として、パチンコ遊技機1の題材となった作品の世界観等を学習することができる。その後、第2モードM1-2における大当たり判定の実行回数が規定回数に到達したことによってモード移行条件が成立すると、モード特定フラグに「2」がセットされる。
【0266】
その後、遊技者のボタン操作によって通常モードM1-0が選択されたとする。これにより、第2モードM1-2から通常モードM1-0に移行する。この時点で設定される通常モードM1-0では、作品の第1部に関連する内容の予告演出に加え、第2モードM1-2で行われた説明演出に関連する内容の遊技演出(リーチ演出及び予告演出)が実行対象として追加されることになる。つまり、第2モードM1-2の説明演出によって、第2部を中心として作品の世界観等を集中的に学習させた上で、通常モードM1-0では、第1部に関連する内容の予告演出と、第2モードM1-2で行われた説明演出に関連する内容の予告演出が実行可能となる。
【0267】
その後、通常モードM1-0における大当たり判定の実行回数が規定回数に到達したことによってモード移行条件が成立し、遊技者のボタン操作によって第3モードM1-3が選択されたとする。これにより、通常モードM1-0から第3モードM1-3に移行する。前述したように、第3モードM1-3では、第3部を中心に作品の世界観等を説明する内容で遊技演出(説明演出)が実行される。この説明演出を視認することによって、遊技者は、特に第3部を中心として、パチンコ遊技機1の題材となった作品の世界観等を学習することができる。その後、第3モードM1-3における大当たり判定の実行回数が規定回数に到達したことによってモード移行条件が成立すると、モード特定フラグに「3」がセットされる。
【0268】
その後、遊技者のボタン操作によって通常モードM1-0が選択されたとする。これにより、第3モードM1-3から通常モードM1-0に移行する。この時点で設定される通常モードM1-0では、作品の第1部と第2部に関連する内容の予告演出に加え、第3モードM1-3で行われた説明演出に関連する内容の遊技演出(リーチ演出及び予告演出)が実行対象として追加されることになる。つまり、第3モードM1-3の説明演出によっ
て、第3部を中心として作品の世界観等を学習させた上で、通常モードM1-0では、第1部及び第2部に関連する内容の予告演出と、第3モードM1-3で行われた説明演出に関連する内容の予告演出が実行可能となる。
【0269】
[第1実施形態の効果]
(1)第1実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、単に設定されている演出モードの種類に従って単純に各種遊技演出が実行されるのではなく、第1~第3モードM1-1~M1-3(特定演出モード)で行われた遊技演出に関連する内容が、通常モードM1-0(反映先演出モード)において実行対象とされるリーチ演出又は予告演出(遊技演出)に反映される。つまり、複数の演出モード間で演出構成が連動することになり、結果的に演出モードに対する興趣の向上を図ることができる。
【0270】
(2)また、第1~第3モードM1-1~M1-3の設定中にモード移行条件(所定条件)が成立した場合、第1~第3モードM1-1~M1-3で行われた遊技演出に関連する内容のリーチ演出又は予告演出等の遊技演出を、通常モードM1-0において実行対象として追加するようにした。これにより、第1~第3演出モードM1-1~M1-3において作品の世界観等を学習すると、学習した内容に関連する遊技演出が、通常モードM1-0における遊技演出のバリエーションとして追加されることになり、遊技演出のバリエーションを増加させるために、遊技者に対して積極的に遊技に参加させることができる。また、遊技を行うほど作品への没入感や理解度が向上するという新規の遊技体感を遊技者に与えることができる。
【0271】
(3)仮に、遊技者が、パチンコ遊技機1の題材となった作品を知らなかったとしても、第1~第3モードM1-1~M1-3において説明演出が実行されることで、作品の世界観等を学習することができる。つまり、作品の世界観等を集中的に学習させた上で、通常モードM1-0では学習済みの内容でリーチ演出や予告演出等の遊技演出が実行されることになる。これにより、パチンコ遊技機1の題材となった作品を知らない遊技者であっても、作品への没入感や理解度を向上させることができるだけでなく、当該作品の内容と、大当たりを狙うという遊技機の特性と、の関連性を把握させることができる。
【0272】
(4)また、第1~第3モードM1-1~M1-3では、パチンコ遊技機1の題材とされた作品を説明する説明演出が実行されるようになっている。なお、通常モードM1-0では、初期設定の段階においては実行対象となる遊技演出が何ら対応付けられていない。つまり、SPリーチ演出や予告演出は行われず、単純に図柄の変動表示のみが行われる。このような状況下において、演出制御用マイコン101は、第1~第3モードM1-1~M1-3で説明演出が実行された場合にモード移行条件が成立したと判定し、モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードに関連する内容を、通常モードM1-0において実行対象とされる遊技演出として追加するするようにした。通常モードM1-0で実行可能な遊技演出のバリエーションを増やしたければ、遊技者は、複数の演出モードで遊技を行う必要がある。そして、異なる演出モードで遊技を実行する度に、通常モードM1-0において実行可能な遊技演出のバリエーションが増加することになるので、複数の演出モード間で演出構成を連動させることができる。また、遊技演出のバリエーションを増加させるために、積極的に通常モードM1-0以外の演出モードで遊技を行うことを促すことができる。
【0273】
(5)通常モードM1-0で追加される遊技演出を、第1~第3モードM1-1~M1-3で実行された説明演出に関連する内容の遊技演出とした。これにより、作品の世界観等を学習させた上で、通常モードM1-0において、学習済みの内容の遊技演出が実行されることになる。つまり、通常モードM1-0では、余計な演出が出現せず、第1~第3モードM1-1~M1-3で学習した内容の遊技演出のみ出現し得るので、その作品の世
界観等とパチンコ遊技機1における遊技演出に定められた大当たり期待度との関係等の法則を覚え易い。
【0274】
(6)第1~第3モードM1-1~M1-3は、遊技者による演出ボタン9の操作によって任意に選択可能とした。このため、例えば、未だ理解していないキャラクタの特徴等が説明される演出モードを遊技者の意思によって選択すれば、新たな知識を選択的に学習することができるとともに、学習した内容に関連する遊技演出が、通常モードM1-0で予告演出等として出現し得ることになるので、異なる演出モード間で演出構成が連動する。その結果、演出モードに対する興趣の向上を図ることができる。
【0275】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる点について説明する。また、第1実施形態と同一の構成又は同様に対応する構成については同一の符号及び用語を用い、図面の一部又は全部を割愛する。
【0276】
第1実施形態では、第1~第3モードM1-1~M1-3で実際に実行された説明演出の種類等を考慮せず、「大当たり判定の実行回数が規定回数に到達した」ことを条件としてモード特定フラグに値がセットされるようになっていた。そして、変動演出パターン選択テーブル及び予告演出パターン選択テーブルでは、モード特定フラグの値毎に演出パターン群を定め、該演出パターン群の中から何れかの演出パターンを選択するようにしていた。第2実施形態では、第1~第3モードM1-1~M1-3において実際に実行された説明演出の種類を確認し、実行済みの説明演出に関連する内容の遊技演出(リーチ演出及び予告演出)を、通常モードM1-0における実行対象として追加するようにしている。
【0277】
(演出内容選択処理)
以下、図32に従って、第2実施形態における演出内容選択処理(図21のS175)について説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態における演出内容選択処理(図24)との差異点を中心に説明する。
【0278】
S182においてモード特定フラグの値を確認した演出制御用マイコン101は、モード特定フラグの値で特定される演出モードにおいて、モード移行条件が成立するまでの間に実行した説明演出の種類を確認する(S182a)。実行済みの説明演出の種類を確認する方法としては、例えば、説明演出を特定する予告演出パターンを選択する度に、その予告演出パターンの種類をRAM120に記憶しておき、記憶した予告演出パターンの種類を確認する方法等がある。
【0279】
そして、演出制御用マイコン101は、モード特定フラグの値に対応付けられている演出パターン群のうち、特に実行済みの説明演出に関連する演出内容を特定する演出パターンの中から変動演出パターン又は予告演出パターンを選択する(S183a)。その後、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
【0280】
[予告演出パターン選択テーブルT13]
図33に示す予告演出パターン選択テーブルT13は、通常モードM1-0が設定されているときに参照されるテーブルである。なお、以下の説明では、予告演出パターン選択テーブルT11(図28)との差異点を中心に説明する。
【0281】
予告演出パターン選択テーブルT13に対応付けられている予告演出パターンの種類やモード特定フラグの値に応じて選択可能とされる予告演出パターン群の構成は、予告演出パターン選択テーブルT11(図28)と同一である。ただし、第2実施形態で選択可能とされる予告演出パターンは、第1~第3モードM1-1~M1-3で実際に実行された
説明演出に関連する演出内容を特定するパターンである。
【0282】
(モード特定フラグ「1」)
例えば、モード特定フラグに「1」がセットされている場合に選択可能とされている予告演出パターンY1-0-1で特定される「カットイン予告 主人公KA」は、説明演出SE1と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY1-0-1と予告演出パターンY1-1-1(図26(a))は対応関係にある。
【0283】
予告演出パターンY1-0-2で特定される「カットイン予告 ライバルKB」は、説明演出SE2と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY1-0-2と予告演出パターンY1-1-2は対応関係にある。
【0284】
予告演出パターンY1-0-3で特定される「セリフ予告 セリフW1」は、説明演出SE3と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY1-0-3と予告演出パターンY1-1-3は対応関係にある。
【0285】
予告演出パターンY1-0-4で特定される「セリフ予告 セリフW2」は、説明演出SE4と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY1-0-4と予告演出パターンY1-1-4は対応関係にある。
【0286】
予告演出パターンY1-0-5で特定される「アイキャッチ予告 第1話」は、説明演出SE5と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY1-0-5と予告演出パターンY1-1-5は対応関係にある。
【0287】
予告演出パターンY1-0-6で特定される「アイキャッチ予告 第2話」は、説明演出SE6と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY1-0-6と予告演出パターンY1-1-6は対応関係にある。
【0288】
(モード特定フラグ「2」)
モード特定フラグに「2」がセットされている場合に選択可能とされている予告演出パターンY2-0-1で特定される「カットイン予告 キャラKC」は、説明演出SE9と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY2-0-1と予告演出パターンY1-2-1(図26(b))は対応関係にある。
【0289】
予告演出パターンY2-0-2で特定される「カットイン予告 必殺技」は、説明演出SE10と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY2-0-2と予告演出パターンY1-2-2は対応関係にある。
【0290】
予告演出パターンY2-0-3で特定される「セリフ予告 セリフW3」は、説明演出SE11と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY2-0-3と予告演出パターンY1-2-3は対応関係にある。
【0291】
予告演出パターンY2-0-4で特定される「セリフ予告 セリフW4」は、説明演出SE12と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY2-0-4と予告演出パターンY1-2-4は対応関係にある。
【0292】
予告演出パターンY2-0-5で特定される「アイキャッチ予告 第3話」は、説明演出SE13と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY2-0-5と予告演出パターンY1-2-5は対応関係にある。
【0293】
予告演出パターンY2-0-6で特定される「アイキャッチ予告 第4話」は、説明演出SE14と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY2-0-6と予告演出パターンY1-2-6は対応関係にある。
【0294】
(モード特定フラグ「3」)
モード特定フラグに「3」がセットされている場合に選択可能とされている予告演出パターンY3-0-1で特定される「カットイン予告 キャラKE」は、説明演出SE17と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY3-0-1と予告演出パターンY1-3-1(図26(c))は対応関係にある。
【0295】
予告演出パターンY3-0-2で特定される「カットイン予告 イギリス」は、説明演出SE18と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY3-0-2と予告演出パターンY1-3-2は対応関係にある。
【0296】
予告演出パターンY3-0-3で特定される「セリフ予告 セリフW5」は、説明演出SE19と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY3-0-3と予告演出パターンY1-3-3は対応関係にある。
【0297】
予告演出パターンY3-0-4で特定される「セリフ予告 セリフW6」は、説明演出SE20と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY3-0-4と予告演出パターンY1-3-4は対応関係にある。
【0298】
予告演出パターンY3-0-5で特定される「アイキャッチ予告 第5話」は、説明演出SE21と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY3-0-5と予告演出パターンY1-3-5は対応関係にある。
【0299】
予告演出パターンY3-0-6で特定される「アイキャッチ予告 第6話」は、説明演出SE22と関連する内容である。つまり、予告演出パターンY3-0-6と予告演出パターンY1-3-6は対応関係にある。
【0300】
このように構成された予告演出パターン選択テーブルT13を用いることで、モード特定フラグに何れかの値がセットされているからといって、予告演出パターン群に含まれる全ての予告演出パターンの中から何れかの予告演出パターンが選択されるのではなく、第1~第3演出モードM1-1~M1-3の何れかにおいて実際に実行された説明演出に関連する内容を特定する予告演出パターンのみが選択可能となる。
【0301】
例えば、モード特定フラグに「1」がセットされており、かつ第1モードM1-1で実際に実行された説明演出が「説明演出SE1」「説明演出SE2」「説明演出SE6」の3種類であるとする。この場合、通常モードM1-0では、モード特定フラグに「1」がセットされている場合に選択可能な予告演出パターン群のうち「予告演出パターンY1-0-1」「予告演出パターンY1-0-2」「予告演出パターンY1-0-6」の3種類の中から何れかの予告演出パターンが選択されることになる。つまり、通常モードM1-0において実行対象として追加される遊技演出は、第1~第3演出モードM1-1~M1-3において実際に実行された説明演出に関連する内容で行われるもののみということになる。
【0302】
なお、ここでは説明を省略したが、変動演出パターン選択テーブルにおいても、予告演出パターン選択テーブルと同様、実行済みの説明演出と対応関係にあるリーチ演出内容を特定する変動演出パターンの中から何れかの変動演出パターンが選択されることになる。
【0303】
[第2実施形態の効果]
(1)第2実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、第1~第3モードM1-1~M1-3において実際に実行された説明演出に関連する演出内容の遊技演出が、通常モードM1-0における実行対象として追加されることになる。これにより、複数の演出モード間で演出構成を連動させつつ、かつ通常モードM1-0では、第1~第3モードM1-1~M1-3で学習した内容に関連する演出内容の遊技演出しか実行されないことになるので、世界観等を常に把握させ続けることができる。また、実行済みの説明演出に関連する演出内容の遊技演出しか出現し得ないことになるので、その作品の世界観等とパチンコ遊技機1における遊技演出に定められた大当たり期待度との関係等の法則を覚え易い。
【0304】
<他の実施形態>
以下、変更例について説明する。なお、以下の変更例は、互いに適宜組み合わせることが可能である。
【0305】
・実施形態では、遊技者のボタン操作によって移行先の演出モードを選択し得るようにした。これに代えて、抽選で移行先の演出モードを決定するようにしてもよい。この場合、どの演出モードが選択されるか分からないので、通常モードM1-0で実行可能な遊技演出のバリエーションを増やしたい遊技者は、偏ることなく様々な種類の演出モードが抽選で選択されることを望むようになる。
【0306】
・実施形態では、第1~第3モードM1-1~M1-3において必ず説明演出が実行されるようになっていたが、予告演出の種類として説明演出を有さない演出モードを設定してもよい。
【0307】
・通常モードM1-0では、初期設定の段階では何らリーチ演出及び予告演出が実行されず、第1~第3モードM1-1~M1-3において遊技を実行した後でなければ、遊技演出のバリエーションが増加しなかった。第1~第3モードM1-1~M1-3における遊技の実行を契機として追加される遊技演出とは別に、通常モードM1-0で実行可能なリーチ演出や予告演出等を初期設定の段階で定めていてもよい。なお、この初期設定の段階で設定されるリーチ演出や予告演出等は、第1~第3演出モードM1-1~M1-3で行われる遊技演出と関連性のない内容とすることが好ましい。
【0308】
・特定演出モード(実施形態では第1~第3演出モードM1-1~M1-3)に関連する内容の、反映先演出モード(実施形態では通常モードM1-0)で実行対象とされる遊技演出への反映例は、実施形態の例に限られない。例えば、モード移行条件が成立する度に、通常モードM1-0で実行可能とするリーチ演出又は予告演出の種類を1つずつ単純に増加させるようにしてもよい。つまり、モード移行条件が成立したことによって反映先の演出モードにおいて何らかの変化が生じればよく、増加されるリーチ演出や予告演出の種類が、モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードと関連していなくてもよい。また、第1~第3モードM1-1~M1-3において、ストーリー性のある内容でリーチ演出を実行させるようにし、モード移行条件が成立すると、そのストーリーの続きが通常モードM1-0で視聴できるよう、通常モードM1-0で実行可能とするリーチ演出の演出内容として、続きとなる演出内容を追加するようにしてもよい。
【0309】
・通常モードM1-0では、リーチ演出及び予告演出の両方において、第1~第3モードM1-1~M1-3で行われた遊技演出に関連する内容が反映されていたが、どちらか一方のみに反映されていればよい。
【0310】
・第1モードM1-1では「第1部」を演出テーマとし、第2モードM1-2では「第2部」を演出テーマとし、第3モードM1-3では「第3部」を演出テーマとし、各部数
を中心に作品の世界観等を説明する態様で遊技演出を行っていた。第1~第3モードM1-1~M1-3では、作品の世界観等を説明することができればよく、その説明内容は実施形態の例に限られない。例えば、第1モードM1-1では、主人公KAを演出テーマとして主人公KAに関連する事項が説明されるようにし、第2モードM1-2では、ライバルKBを演出テーマとしてライバルKBに関連する事項が説明されるようにしてもよい。そして、通常モードM1-0では、モード移行条件が成立したときに設定されていた演出モードで演出テーマとされていたキャラクタが登場するリーチ演出又は予告演出を、実行対象として追加するようにしてもよい。
【0311】
・実施形態では、第1~第3モードM1-1~M1-3における大当たり判定の実行回数が規定回数に到達することをモード移行条件の成立条件としていたが、その他の条件としてもよい。例えば、特定の特図変動パターンが選択されることとしてもよいし、モード移行抽選に当選することとしてもよい。また、特定の演出モードにおける遊技時間が規定時間に到達することをモード移行条件の成立としてもよい。この場合、演出制御用マイコン101は、特定の演出モードが設定されたタイミングでタイマの計測を開始し、計測時間が予め定めた規定時間に到達すると、モード移行条件が成立したとして、モード特定フラグに対応する値をセットする。なお、モード移行条件となる「規定時間」は、実施形態における「規定回数」と同じ理由により、例えば「低確率状態における大当たり確率の確率分母よりも少ない回数だけ実行された大当たり判定に基づく平均的な図柄変動の合計時間(例えば10分)」等とすることが望ましい。
【0312】
・実施形態では、同一の遊技状態である「低確低ベース状態」で設定され得る演出モード間で演出構成を連動させるようにした。これに代えて、作品の世界観等を説明する演出モードと、説明された内容が遊技演出に反映される演出モードが設定される遊技状態を異ならせてもよい。例えば、「低確低ベース状態」で設定される第1~第3モードM1-1~M1-3に代えて、「高ベース状態」で設定される演出モード(例えば時短モードM2)で説明演出を実行させるとする。「高ベース状態」は、「低確低ベース状態」に比して生起され難い遊技状態であるため、何度か大当たりに当選して時短モードM2に突入しないと、通常モードM1-0における遊技演出のバリエーションを増加させることができないということになる。これにより、通常モードM1-0において実行される遊技演出のバリエーションを増加させるべく、積極的に遊技に参加させることができる。
【0313】
・大当たり種別として「高確低ベース状態」を生起し得る大当たり種別を設定してもよい。
・実施形態では、第1~第3モードM1-1~M1-3において、作品の世界観等を説明する内容で予告演出を実行させるようにしたが、作品の世界観等を説明する内容でリーチ演出が実行されてもよい。また、第1~第3モードM1-1~M1-3において、予告演出に代えてリーチ演出によって作品の世界観等を説明するようにしてもよいし、予告演出とリーチ演出の両方によって作品の世界観等を説明するようにしてもよい。
【0314】
・第1~第3モードM1-1~M1-3において、作品の世界観等を説明する内容の予告演出だけでなく、その他の態様の予告演出も実行されてもよい。例えば、可動体15を演出表示装置7と重複する位置まで下降させる可動体予告が実行されてもよい。
【0315】
・実施形態では、第1~第3モードM1-1~M1-3で実行された説明演出の種類に関わらず、大当たり判定の実行回数が規定回数に到達した場合にモード移行条件を成立させていた。これに代えて、第1~第3モードM1-1~M1-3で選択可能とされている全ての説明演出のうちモード移行条件の対象とする特定の説明演出が選択された場合に、モード移行条件を成立させるようにしてもよい。「特定の説明演出」として、全ての説明演出が選択された場合にモード移行条件を成立させるとすると、例えば、モード移行条件
が成立したときに設定されていた演出モードが「第1モードM1-1」であった場合、全ての説明演出が実行されたことによって第1部の世界観等を把握することができるため、通常モードM1-0で実行可能とされているリーチ演出や予告演出の内容を十分に楽しませることができる。また、全ての説明演出が選択された場合にモード移行条件を成立させる場合、実行させる説明演出の種類を、遊技者のボタン操作によって任意に選択できるようにしてもよい。この場合、遊技者が未だ理解していない世界観等を説明する説明演出を遊技者の意思によって自由に選択することができるため、効率よく世界観等を学習することができる。また、抽選によって説明演出の種類を決定する場合に比して、モード移行条件の成立に要する時間を短縮することができる。
【0316】
・また、第1部の世界観等を個別に説明する説明演出に加えて、第1部の世界観等を一度にまとめて説明する説明演出を設定してもよい。この場合、大当たり判定の実行回数や選択された説明演出の種類が予め定めた個数に到達したか否かを問わず、「第1部の世界観等を一度にまとめて説明する説明演出」が実行されたことによってモード移行条件を成立させるようにしてもよい。
【0317】
・上記実施形態は、非封入式パチンコ遊技機を前提として説明したが、封入式パチンコ遊技機においても実施可能である。
・大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。
【0318】
・パチンコ遊技機1として、第1特別図柄のみを変動させて行うパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・実施形態は、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。
【0319】
・上記実施形態の技術は、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)に適用してもよい。
以上、実施形態及び変更例に基づき、本発明に係る構成について説明したが、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本実施形態の例に限定されるものではない。
【0320】
[本明細書に開示されている発明]
前述した他の実施形態には、以下の発明が開示されている。以下の説明では、各実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。ただし、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0321】
(発明A)
前記反映先演出モード(通常モードM1-0)で追加される遊技演出は、前記特定演出モード(第1~第3演出モードM1-1~M1-3)で実行された説明演出に関連する内容が反映された演出である請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0322】
M1-0 通常モード(反映先演出モード)
M1-1 第1モード(特定演出モード)
M1-2 第2モード(特定演出モード)
M1-3 第3モード(特定演出モード)
1 パチンコ遊技機
9 演出ボタン(操作手段)
11 第1始動口
22 第2始動口
30 大入賞装置
61 遊技制御用マイコン
101 演出制御用マイコン(モード設定手段、演出制御手段)
200 画像制御基板(演出制御手段)
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