(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042593
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】反射光型測定装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/08 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
G01B11/08 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147407
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000145806
【氏名又は名称】株式会社小野測器
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】小森 一正
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA26
2F065BB05
2F065BB06
2F065DD02
2F065FF02
2F065GG07
2F065HH03
2F065HH12
2F065HH14
2F065JJ03
2F065JJ09
2F065LL22
2F065LL28
2F065MM16
2F065PP22
2F065QQ03
2F065QQ21
2F065QQ24
2F065QQ31
2F065UU01
(57)【要約】
【課題】小型で携行性に優れた反射光型測定装置を提供する。
【解決手段】反射光型測定装置は、把持部である本体1と、本体1の一方の端部側に先端が広がって設けられた一対の投光部2と、一対の投光部2の根本部の間に設けられた受光部7と、一対の投光部2の対向面から光を照射する光源と、一対の投光部2の光源から照射されて被検物に反射した反射光のうち、受光部7の光軸と平行な光を抽出する光学系と、光学系から抽出された平行な光を入力するCCD18と、CCD18の出力信号に基づいて被検物Wの外縁の位置を演算する演算部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部である本体と、
前記本体の一方の端部側に先端が広がって設けられた一対の投光部と、
前記本体の一対の前記投光部側の端部であって、一対の前記投光部の根本部の間に設けられた受光部と、
一対の前記投光部にそれぞれ設けられ、一対の前記投光部の対向面から光を照射する光源と、
前記受光部に設けられ、一対の前記投光部の前記光源から照射されて被検物に反射した反射光のうち、前記受光部の光軸と平行な光を抽出する光学系と、
前記光学系から抽出された平行な光を入力するCCDと、
前記CCDの出力信号に基づいて、前記被検物の外縁の位置を演算する演算部と、
を備えることを特徴とする反射光型測定装置。
【請求項2】
前記光学系は、前記受光部に入射された前記反射光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの焦点部分に設けられたピンホール板と、前記ピンホール板のピンホールを通過した光を前記受光部の光軸と平行な光に屈曲させる拡散レンズとから構成される請求項1に記載の反射光型測定装置。
【請求項3】
前記投光部は、細幅の光を照射するスリットを備え、前記受光部は前記被検物からの前記反射光の一部を入射するスリットを備える請求項2に記載の反射光型測定装置。
【請求項4】
前記投光部は、前記光源からの光を均等化するコリメータレンズを備える請求項3に記載の反射光型測定装置。
【請求項5】
前記受光部は、入射した前記反射光中の特定の波長の光を除去するバンドパスフィルタを備える記載の請求項2から請求項4のいずれかに記載の反射光型測定装置。
【請求項6】
前記本体は、測定結果を表示する表示部を備える請求項1に記載の反射光型測定装置。
【請求項7】
前記本体は、外部/機器との接続用コネクタ及び/又は送受信部を備える請求項1に記載の反射光型測定装置。
【請求項8】
一対の前記投光部の先端開口部分を塞ぐ遮蔽板を備える請求項1、請求項2、請求項4、請求項6、請求項7のいずれかに記載の反射光型測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の外径寸法などを測定するために使用される反射光型測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載されるように、物体に光源からの光を照射し、その透過光又は反射光の光量分布を測定することにより、物体の外径寸法、物体間の間隔、物体の位置、物体の形状等を測定する光学測定装置が知られている。
【0003】
この種の光学測定装置は、投光部と受光部の間に被検物を配置させ、被検物にレーザ光を照射して、レーザ光が遮られた影の部分を検出し、被検物の外形寸法等を測定する。この場合、レーザ光として半導体レーザ(多くは、赤もしくは緑色のレーザ光線)を使用するため、装置が小型であり、非接触のため被測定物に影響を与えることなく高精度で測定できるという特徴がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような従来技術は、投光部と受光部を対向して設け、その間に被検物を配置していたため、被検物の外形を測定するためには、被検物全体にレーザ光を照射する必要があった。その結果、投光部と受光部の間隔寸法として被検物よりも大きなものが必要となり、装置全体が大型化する欠点があった。
【0006】
また、この従来技術は、投光部、受光部及びコントローラが別々の筐体に収納されていることからも、装置の小型化が困難であった。特に、最近では、この種の測定装置を工場や建築現場などで使用するために、容易に持ち運びができ、測定時も片手で簡単に操作が可能な測定装置が要望されていた。
【0007】
本発明は前記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであって、その目的は、小型で携行性に優れた反射光型測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の反射光型測定装置は、次のような構成を有することを特徴とする。
(1)把持部である本体。
(2)本体の一方の端部側に先端が広がって設けられた一対の投光部。
(3)本体の一対の投光部側の端部であって、一対の投光部の根本部の間に設けられた受光部。
(4)一対の投光部にそれぞれ設けられ、一対の投光部の対向面から光を照射する光源。
(5)受光部に設けられ、一対の投光部の光源から照射されて被検物に反射した反射光のうち、受光部の光軸と平行な光を抽出する光学系。
(6)光学系から抽出された平行な光を入力するCCD。
(7)CCDの出力信号に基づいて、被検物の外縁の位置を演算する演算部。
【0009】
本発明において、下記のような構成を採用することも可能である。
(1)光学系は、受光部に入射された反射光を集光する集光レンズと、集光レンズの焦点部分に設けられたピンホール板と、ピンホール板のピンホールを通過した光を受光部の光軸と平行な光に屈曲させる拡散レンズとから構成される。
(2)投光部は、細幅の光を照射するスリットを備え、受光部は被検物からの反射光の一部を入射するスリットを備える。
(3)投光部は、光源からの光を均等化するコリメータレンズを備える。
(4)受光部は、入射した反射光中の特定の波長の光を除去するバンドパスフィルタを備える。
(5)本体は、測定結果を表示する表示部を備える。
(6)本体は、外部/機器との接続用コネクタ及び/又は送受信部を備える。
(7)一対の投光部の先端開口部分を塞ぐ遮蔽板を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、Y字形状に配置された投光部によって被検物に対して斜め方向から光を照射し、その反射光を投光部に対して斜め方向に配置された受光部を用いて被検物を測定するようにしたことから、投光部と受光部、及び両者の間に必要とされる被検物の配置スペースを縮小化することが可能となる。その結果、装置全体の小型化が可能となり、投光部、受光部及び計測用の機器や表示装置を一体化することにより、可搬性に優れたハンディタイプの測定装置を提供することができる。更に、装置全体を一体化して、ハンディタイプで行うため、被検物がその設置場所から安易に取り外しできないものや、従来の測定装置では設置スペースが取れないものであっても、容易に測定が行える。さらに、同一の測定装置で、被検物の外径・外形(幅)に限らず、穴径なども非接触で測定が可能であり、汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態の測定装置を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態における光源部分の斜視図である。
【
図3】第1実施形態の測定装置の内部構成を模式的に示す断面図である。
【
図4】第1実施形態の測定装置に外部機器を接続する状態を示す模式図である。
【
図5】他の実施形態の遮蔽版付き測定装置を示す斜視図である。
【
図6】他の実施形態の測定装置の使用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
本実施形態の測定装置は、
図1の外観斜視図に示すように、把持部として使用可能な略直方体の本体1と、その先端にY字形に突出して設けられた一対の投光部2を備えている。本体1の上面には、被検物Wの外径の測定結果を示す液晶表示部3が設けられている。本体1には、電源のオン・オフ、測定の開始・終了、などの操作部4が設けられている。操作部4は、ボタン、摘み、又はホイール等の物理的ボタンでも良いし、液晶表示部3を利用したタッチパネル式でも良い。本体1には、本実施形態の測定装置を外部のモニタ21やオシロスコープ22、コンピュータ23などに接続するため、有線ケーブル用コネクタ5及び/又は無線接続用の送受信部6が設けられている。また、図示しないが、本体1の内部には演算部と記憶部が設けられている。
【0013】
一対の投光部2は本体1の一方の端の両側面に突出して設けられており、一対の投光部2の根本部の間には本体1の端部が露出して、その露出部分に受光部7が設けられている。受光部7の幅は被検物Wの幅に合わせて設定されるもので、大型の被検物Wを対象とする測定装置においては幅が大きく、小型の被検物Wを対象とする測定装置では幅が小さい。したがって、測定エリアAは、一対の投光部2の先端よりも外側であり、受光部7の直線上となり、その範囲に被検物Wをセットすることで測定ができる。
【0014】
各投光部2の内部には、
図2に示すように、LED10などの光源8が内蔵されている。本実施形態では、
図2に示すように、投光部2の内部に細長い基板9を設け、その基板9上に複数個の細長いLED10を投光部2の長さ方向に沿って所定の間隔で配置した光源8を使用する。
【0015】
各投光部2は、それぞれの対向面が斜めに向き合うように設けられ、両者の対向面のなす角度は、30°から120°程度であるが、好ましくは90°程度である。また、各投光部2の長さは、被検物Wの寸法に合わせて、受光部7の幅と同一又はほぼ同一に設定されている。各投光部2の対向面には、光源8からの光を被検物Wに導くように、スリット11aが設けられている。スリット11aの形状は、投光部2の長さ方向に伸びる長方形になっており、その短辺については、光の強度を下がらないように、狭い方が良い。スリット11aの長辺については、投光部2並びに受光部7の大きさ(被検物Wの大きさ)によって適宜設定される。
【0016】
被検物Wからの反射光が入射される受光部7における被検物Wとの対向面にも、スリット11bが設けられている。即ち、受光部7は、被検物Wの外径よりも大きな寸法のスリット11bを有し、そのスリット11bが、投光部2側のスリット11aと同じ高さに、投光部2側のスリット11aと同様な幅と長さで設けられ、スリット11bを通過した光が受光部7内部に導入される。
【0017】
図3は、本実施形態の測定装置の内部構造を示す模式図である。
図3に示すように、各投光部2においては、光源8の出光側に、複数のLED10からの光を均等化する第1のコリメータレンズ12と、スリット11aを通過した光がスリット11aの短辺方向に拡散することを抑制する第2のコリメータレンズ13が、順次設けられている。
【0018】
受光部7においては、受光側から順に、スリット11b、バンドパスフィルタ14、集光レンズ15、ピンホール板16、拡散レンズ17及びCCD18が所定の間隔で設けられている。これらの各部材は、本体1の受光部7に内蔵されている。
【0019】
バンドパスフィルタ14は、被検物Wからの反射光の中でCCD18の受光特性に対応した波長の光を透過する。集光レンズ15は、バンドパスフィルタ14を通過した光の中で受光部7の中心軸と平行な光を焦点に導く角度に屈曲させる。ピンホール板16は、集光レンズ15によって屈曲された光の中で、焦点近傍に集光された光のみを、CCD18側に通過させる。拡散レンズ17は、ピンホール板16を通過した屈曲光を受光部7の中心軸と平行な光に屈曲させる。CCD18は、拡散レンズ17からの平行な光を受光して、被検物Wからの反射光とそれによって形成される被検物Wの影の部分とを電気信号として出力する。
【0020】
CCD18の出力側には、CCD18から得られた被検物Wの反射光と影の部分に基づいて、被検物Wの外形寸法等を演算する演算部が接続されている。演算部の出力側は、本体1に設けられた液晶表示部3や、有線ケーブル用コネクタ5及び/又は無線接続用の送受信部6に接続されている。
【0021】
[1-2.作用]
本実施形態の測定装置によって被検物Wの外径を測定するには、まず、本体1に設けられた操作部4の電源ボタンを押し、測定機器の電源をONにする。その状態で、被検物Wが、Y字形に設けられた一対の投光部2の間、即ち測定エリアA内に入るように本体1を近づける。
【0022】
被検物Wに対する本体1のセットが完了した後は、操作部4の測定開始ボタンを操作し、測定を開始する。測定開始ボタンを押すと、投光部2内部に設けられた複数の光源が点灯する。光源より投光された光は、第1のコリメータレンズ12を通過することで、スリット11aの長さ方向に均等化され、スリット11aを通過することで、被検物Wの外径方向と平行な細幅の光となる。スリット11aを通過した細幅の光はさらに第2のコリメータレンズ13を通過することにより、光が短辺方向に拡散することを抑制され、細幅の状態が維持される。
【0023】
投光部2の第2のコリメータレンズ13より投光された光は被検物Wに当たって反射し、
図3に示すように被検物Wの全周囲に拡散する。この全周囲に拡散した光の中で、受光部7側に拡散した反射光は受光部7のスリット11bから本体1内部に取り込まれる。受光部7のスリット11bを通過した光は、バンドパスフィルタ14を通過し、このバンドパスフィルタ14により、光源8から投稿された波長の光のみ、あるいはCCD18の検出特性に対応した波長の光のみが透過される。
【0024】
バンドパスフィルタ14を通過する光は、被検物Wの全周囲に拡散された反射光の中でスリット11bを通過したものであるが、その光には被検物Wからの反射角度がさまざまに異なるものが含まれている。本実施形態では、これらさまざまな反射角度の光の中で、受光部7の光軸と平行な光を抽出する。受光部7の光軸と平行な光の中で光軸から最も離れた光は、被検物Wの外径を通る光であることから、この光軸と平行な光の位置を検出することで、被検物Wの外径を測定する。このような光軸と平行な光を取り出すために、本実施形態では、集光レンズ15、ピンホール板16及び拡散レンズ17を備えた光学系を使用する。
【0025】
即ち、バンドパスフィルタ14を透過した反射光は、集光レンズ15を通過することで、光軸に対して平行な光のみが集光レンズ15の焦点に向かうので、その焦点部分に配置したピンポール板によって焦点を通過する光以外の反射光を遮蔽する。その結果、ピンホールを通過した光軸に対して平行な光のみがピンホール板16の後段に設けられた拡散レンズ17に達し、拡散レンズ17によって元の光軸と平行な光に戻る。このようにすると、CCD18には、被検物Wの外径部分を示す平行な光のみが入射されることになるので、このCCD18からの出力信号を演算部によって処理することで、被検物Wの外径を測定することができる。
【0026】
計測結果は、演算部から本体1に設けられた液晶表示部3に送られて表示されたり、
図4に示すように、コネクタ5や送受信部6を介して、本体1に接続された外部のモニタ21やオシロスコープ22、コンピュータ23に送信され、それら外部機器に組み込まれた種々のアプリケーションのデータとして使用されたりする。また、測定結果を本体1の内部にある記憶部に保存をして置き、あとから周辺機器へ接続部を介して、送信することも可能である。
【0027】
[1-3.効果]
次のような構成並びに作用を有する本実施形態の効果は、次のとおりである。
(1)投光部2、受光部7、本体1などの測定に必要な各部分が一体に設けられているので、取り扱いが簡単で、携行性にも優れている。また、各部分が一体のため、従来技術のように、測定装置を被検物Wの周囲に設置する作業が不要になり、測定前の準備が簡単で、電源を入れ、測定装置を被検物Wに近づけるだけで測定が可能となる。
【0028】
(2)測定装置さえ届けば、被検物Wが移動できないもの、取り外しが困難なものであっても測定が可能となる。
(3)LED光源を使用したため、レーザと比較した場合、使用者の失明等のリスクが低く安全性が高い。
【0029】
(4)被検物Wの反射光のうち、外径測定に必要な受光部7の光軸と平行な光を取得する手段として、集光レンズ15、ピンホール板16及び拡散レンズ17を使用したことから、簡単な構成で、測定に必要な光のみをCCD18に導くことができる。そのため、CCD18は、測定に必要な光を強いコントラストで受光することができ、被検物Wの外径を精度良く測定することが可能となる。
【0030】
(5)Y字形に設けた一対の受光部7内には、それぞれ光源として、基板上に複数のLED10を配置したが、第1のコリメータレンズ12、スリット11a及び第2のコリメータレンズ13を設けることで、長さ方向に均一な光量を有する細幅の光を被検物Wに照射することができ、使用者が希望する被検物Wの特定の箇所の寸法を精度良く測定できる。特に、測定位置が上下方向にずれると、外径が変化するような被検物Wにおいて、光の幅が広いと測定位置に光を正確に照射することが難しいが、本実施形態の測定装置では、測定箇所を正確に位置決めできる。
【0031】
(6)受光部7にバンドパスフィルタ14を設けたことにより、光源の波長のみ、あるいはCCD18の検出特性に対応した波長のみの光を透過させることで、外部からの光の影響を抑制し、LED光源の光強度でも測定が可能な光強度を確保することができる。
(7)本体1にコネクタ5や送受信部6を設けたことにより、外部のモニタ21やオシロスコープ22、コンピュータ23との接続が可能になり、測定結果を種々の用途に利用できる。
【0032】
[2.他の実施形態]
本発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。具体的には、次のような他の実施形態も包含する。
【0033】
(1)測定が状況や完了後の数値は操作部4に設けられた液晶表示部3に表示されるが、仮に、測定誤差が大きいとき、又は測定エラーが起きた場合は、光源の出力を調整することで測定を再度行う。例えば、操作部4のボタンを操作して、光源の光強度、又は波長を変更することで反射光の光強度を調整し、反射光と反射光以外光強度に差を設ける。
【0034】
(2)CCD18におけるスレッショルドレベルを自動に設定する機能を付与することができる。即ち、外乱光の影響などによりCCD18に対する入力光のコントラストが低く、測定結果がエラーとなることを防止するため、CCD18において入力光のコントラストを測定し、それに応じて、CCD18で取得した被検物Wの外径を判定する光量に基づく測定信号のスレッショルドレベルを自動調整できる。また、入力光のコントラストに応じて、測定の可否を判別して、エラー表示などを表示させることができる。
【0035】
例えば、反射光以外の光が、反射光と同じもしくは差がわずかな光強度となる場合、又は被検物Wのサイズに判定に誤りが出てしまう場合は、測定エラーを液晶表示部3に表示させる、又は本体1に測定エラーを知らせるLEDランプを取り付けても良い。測定エラーが出た場合は、光源の光強度、又は波長を自動、又は手動で再度測定を行うようにしても良い。自動測定の場合は、光源の光強度、又は波長のいくつかパターンを用意しておき、連続測定するようにしても良い。
【0036】
光源の光強度よりも外乱光の影響が強い場合には、被検物Wからの反射光よりも強い場合には、外乱光の影響が強いと判断することが可能である。具体的には、反射光が当たる中心部よりも外周部の方が、光強度が強い場合が該当する。そのような場合は、測定に適さない為、測定前に測定可否を自動で判定しても良い。判定結果は、操作部4の液晶表示部3にその旨表示するか、もしくは本体1にエラー表示のLEDランプを取り付けても良い。
【0037】
(3)測定完了後、結果は本体1内部の記憶部に保存しても良い。その後、送信部により自動、又は測定者の判断により送信をするようにしても良い。また、送信は測定毎に送信しても良いし、後から一括で送信するようにしても良い。
【0038】
(4)測定装置は、単体のみで測定が可能であるが、より精密な測定や分析を行うために、周辺機器と接続することができる。接続には、本体1のコネクタ5や送受信部6より、有線、又は無線が可能である。有線の場合は、シリアルケーブルやUSBケーブルなど従来からよく使われているもので良い。無線の場合は、無線LAN、赤外線、又はBluetooth(登録商標)などで良い。周辺機器には、CCD18の信号を確認する機器やそれらを表示するためのモニタ21、スレッショルドレベルの確認又は調整を行うオシロスコープ22、専用アプリケーション、専用カード・ボードを有するコンピュータ23に接続が可能である。例えば、本体1を固定して、被検物Wを同じ条件で連続に測定を行う際や、測定値を離れた場所で確認するときに、本体1を別体のモニタ21に接続して利用することもできる。
【0039】
(5)本実施形態では、被検物Wの反射光から受光部7の光軸と平行な光を抽出する光学系として、集光レンズ15、ピンホール板16及び拡散レンズ17の組み合わせを使用したが、この構成に限定されるものではない。反射鏡を利用した光学系を使用したり、フィルタなどを使用したりすることも可能である。
【0040】
(6)本実施形態では、反射光をより確実に集めるために、一対の投光部2の先端開口部分を塞ぐように、
図5のような遮蔽板20が設けてもよい。この遮蔽板20は、本体1の側面に着脱が可能なように取り付けられており、測定時において、被検物Wの各投光部2とは反対側の部分を覆うように、例えばL字形の板状部材から構成される。遮蔽板20は、被検物Wの寸法に合わせて、測定エリアAを広げたり狭めたりできるように、本体1に対してスライドが可能になっている。なお、遮蔽板20の着脱はネジなどで固定しても良いし、はめ込み式など、その他、適宜な取り付け方法で良い。遮蔽板20は、光の反射を抑えるため、光を吸収する色や光を透過しない素材を使用すると良い。
【0041】
例えば、測定時に外部からの光の影響が大きい場合には、被検物Wの背後に遮蔽板20をセットする。具体的には、測定装置に遮蔽板20を取り付けて、被検物Wの大きさに合わせて遮蔽板20を本体1あるいはY字形の投光部2に対してスライドさせ、外部からの光の影響が小さくなるように遮蔽板20と被検物Wが近づくように調整をする。なお、被検物Wと遮蔽板20が接触しても問題はない。このように、遮蔽板20を利用することで、昼間の屋外のように外光が多い場所や、悪条件下での測定にも対応できる
【0042】
(7)測定対象は、被検物Wの外形に限定されず、
図6(a)から(g)に示すように、次のような多種多様のものが使用できる。
(a)ピンやシャフト径
(b)複数の物体の隙間
(c)ノズルから噴出するような流体物の外径、流量、流れの有無
(d)クリーム状物質のような柔軟な物体
(e)スッリト、溝、穴、凹部などの空隙部分
(f)本体1をロボットに取り付けることで、位置決めセンサ、複数の被検物Wのカウンタ、複数個所の位置測定、本体1の移動による各地点の値を確認・記録
(g)小型の動物、その他動く物体
【符号の説明】
【0043】
W 被検物
A 測定エリア
1 本体
2 投光部
3 液晶表示部
4 操作部
5 コネクタ
6 送受信部
7 受光部
8 光源
9 基板
10 LED
11a,11b スリット
12 第1のコリメータレンズ
13 第2のコリメータレンズ
14 バンドパスフィルタ
15 集光レンズ
16 ピンホール板
17 拡散レンズ
18 CCD
19 演算部
20 遮蔽板
21 モニタ
22 オシロスコープ
23 コンピュータ