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特開2024-42608情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042608
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240321BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20240321BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240321BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240321BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20240321BHJP
【FI】
G08G1/00 C
G08G1/01 C
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147427
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 里穂
(72)【発明者】
【氏名】大朏 勇人
(72)【発明者】
【氏名】北村 みよ
(72)【発明者】
【氏名】横田 和哉
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB12
5H181BB13
5H181DD03
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181MC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】交通流データから交通信号機の設置位置情報を特定する。
【解決手段】情報処理装置は、実空間における複数の車両の実際の走行から取得される走行履歴の情報を含む交通流データを取得する交通流データ取得部と、交通流データに基づいて、複数の車両の時系列の走行情報を取得する走行情報取得部と、複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、複数の車両が予め定められたパターンで滞留するか否かを判定することによって、交通信号機が設置されているか否かを判定する信号機設置位置判定部とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実空間における複数の車両の実際の走行から取得される走行履歴の情報を含む交通流データを取得する交通流データ取得部と、
前記交通流データに基づいて、前記複数の車両の時系列の走行情報を取得する走行情報取得部と、
前記複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、前記複数の車両が予め定められたパターンで滞留するか否かを判定することによって、交通信号機が設置されているか否かを判定する信号機設置位置判定部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記信号機設置位置判定部は、前記複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、第1の経路における前記複数の車両の滞留と、前記第1の経路と交わる第2の経路上における前記複数の車両の滞留とが特定の時間間隔で交互に発生する位置を特定することによって、前記交通信号機が設置されている位置を特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記信号機設置位置判定部は、前記複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、一つの経路上において、滞留する2つ以上の列が発生する位置を特定することによって、前記交通信号機が設置されている位置を特定する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記信号機設置位置判定部は、予め定められた期間における前記複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、前記複数の車両が予め定められたパターンで滞留する位置を特定することによって、前記予め定められた期間において前記交通信号機が設置されている位置を特定する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記信号機設置位置判定部は、前記複数の車両が予め定められたパターンで滞留する位置と地理的な位置情報とをマッピングすることによって、前記交通信号機が設置されている地理的な位置を特定する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記交通流データにより仮想的に構築される再現空間において仮想車両の模擬走行計算を行う模擬走行計算部と、
前記交通流データに基づいて前記再現空間内に再現される前記複数の車両に対応する再現車両のうち、前記仮想車両の模擬走行のために参照すべき先行車両を決定する先行車両決定部と
をさらに備える請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、前記信号機設置位置判定部によって前記交通信号機が設置されていると判定された位置において発生する、前記複数の車両が滞留する時間的なパターンを特定し、特定した時間的パターンに基づいて、前記交通信号機の交通信号が切り替わる時間を特定する時間特定部
をさらに備え、
前記先行車両決定部は、前記再現車両のうち前記先行車両として決定された第1の再現車両が停車している状態が、前記時間特定部によって特定された時間に基づいて定められた時間を超える場合に、前記再現車両のうち、前記第1の再現車両を除外して、前記先行車両を決定する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
実空間における複数の車両の実際の走行から取得される走行履歴の情報を含む交通流データを取得する段階と、
前記交通流データに基づいて、前記複数の車両の時系列の走行情報を取得する段階と、
前記複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、前記複数の車両が予め定められたパターンで滞留する位置を特定することによって、交通信号機が設置されている位置を特定する段階と
を備える情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1又は2に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の個々のナビゲーションユニットからプローブデータを収集する工程を備え、信号機又は一時停止の標識等の存在を判定することが記載されている。特許文献2には、車両の実際の走行に基づいて取得される交通流データを用い、車両の後方を走行する仮想後続車両の走行を模擬するシミュレーション装置が開示されている。近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する研究開発が行われている。
[先行技術文献]
[特許文献]
特許文献1 特表2013-545176号公報
特許文献2 特開2014-232497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、本技術においては、車両の電費等のシミュレーションを正確に行う場合、交通信号機の設置位置情報を取得することが課題である。本願は上記課題の解決のため、交通流データから交通信号機の設置位置情報を特定する技術を達成することを目的としたものである。そして、延いてはエネルギーの効率化に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、実空間における複数の車両の実際の走行から取得される走行履歴の情報を含む交通流データを取得する交通流データ取得部を備える。前記情報処理装置は、前記交通流データに基づいて、前記複数の車両の時系列の走行情報を取得する走行情報取得部を備える。前記情報処理装置は、前記複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、前記複数の車両が予め定められたパターンで滞留するか否かを判定することによって、交通信号機が設置されているか否かを判定する信号機設置位置判定部を備える。
【0005】
上記の前記情報処理装置において、前記信号機設置位置判定部は、前記複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、第1の経路における前記複数の車両の滞留と、前記第1の経路と交わる第2の経路上における前記複数の車両の滞留とが特定の時間間隔で交互に発生する位置を特定することによって、前記交通信号機が設置されている位置を特定してよい。
【0006】
上記いずれかの情報処理装置において、前記信号機設置位置判定部は、前記複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、一つの経路上において、滞留する2つ以上の列が発生する位置を特定することによって、前記交通信号機が設置されている位置を特定してよい。
【0007】
上記いずれかの情報処理装置において、前記信号機設置位置判定部は、予め定められた期間における前記複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、前記複数の車両が予め定められたパターンで滞留する位置を特定することによって、前記予め定められた期間において前記交通信号機が設置されている位置を特定してよい。
【0008】
上記いずれかの情報処理装置において、前記信号機設置位置判定部は、前記複数の車両が予め定められたパターンで滞留する位置と地理的な位置情報とをマッピングすることによって、前記交通信号機が設置されている地理的な位置を特定してよい。
【0009】
上記いずれかの情報処理装置は、前記交通流データにより仮想的に構築される再現空間において仮想車両の模擬走行計算を行う模擬走行計算部を備えてよい。上記いずれかの情報処理装置は、前記交通流データに基づいて前記再現空間内に再現される前記複数の車両に対応する再現車両のうち、前記仮想車両の模擬走行のために参照すべき先行車両を決定する先行車両決定部を備えてよい。
【0010】
上記いずれかの情報処理装置は、前記複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、前記信号機設置位置判定部によって前記交通信号機が設置されていると判定された位置において発生する、前記複数の車両が滞留する時間的なパターンを特定し、特定した時間的パターンに基づいて、前記交通信号機の交通信号が切り替わる時間を特定する時間特定部を備えてよい。上記いずれかの情報処理装置において、前記先行車両決定部は、前記再現車両のうち前記先行車両として決定された第1の再現車両が停車している状態が、前記時間特定部によって特定された時間に基づいて定められた時間を超える場合に、前記再現車両のうち、前記第1の再現車両を除外して、前記先行車両を決定してよい。
【0011】
本発明の第2の態様においては、情報処理方法が提供される。前記情報処理方法は、実空間における複数の車両の実際の走行から取得される走行履歴の情報を含む交通流データを取得する段階を備える。前記情報処理方法は、前記交通流データに基づいて、前記複数の車両の時系列の走行情報を取得する段階を備える。前記情報処理方法は、前記複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、前記複数の車両が予め定められたパターンで滞留する位置を特定することによって、交通信号機が設置されている位置を特定する段階を備える。
【0012】
本発明の第3の態様においては、プログラムが提供される。前記プログラムは、コンピュータを、上記いずれかの情報処理装置として機能させる。
【0013】
上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係るシステム5の全体構成を示す図である。
図2】情報処理装置100の機能構成を示す。
図3】交差点がない道路40に設置されている交通信号機48によって発生する再現車両20の滞留パターンの一例を示す。
図4】道路50aに設置されている交通信号機58が赤色の灯火信号を表示し、道路50bに設置されている交通信号機58が青色の灯火信号を表示している場合を示す。
図5】道路50aと道路50bの交差点に設置されている交通信号機58によって発生する再現車両20の滞留パターンの一例を示す。
図6】道路60aと道路60bが交差する丁字路の交差点に設置されている交通信号機68によって発生する再現車両20の滞留パターンの一例を示す。
図7】先行車両を決定する方法を説明するための図である。
図8】先行車両として決定した再現車両20aが停止した状態を示す。
図9】情報処理装置100が実行する情報処理方法に関する処理の手順を示すフローチャートである。
図10】コンピュータ2000の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
図1は、一実施形態に係るシステム5の全体構成を示す図である。システム5は、情報処理装置100と、サーバ80とを備える。
【0017】
車両10a、車両10b及び車両10cは、実空間内を実際に走行する車両である。車両10aは、車載装置12aを備え、車両10bは車載装置12bを備え、車両10cは車載装置12cを備える。本実施形態において、車両10a、車両10b及び車両10cを「車両10」と総称する場合がある。本実施形態において、車載装置12a、車載装置12b及び車載装置12cを「車載装置12」と総称する場合がある。
【0018】
車載装置12は、それぞれの車両10の走行履歴情報を取得して、サーバ80に送信する。走行履歴情報は、例えば車両10内に設けられたセンサから取得したデータを含む。走行履歴情報は、予め定められた時間間隔で取得した車両10の位置、速度、灯体の点灯状態、及び時刻情報等を含んでよい。灯体は、例えば、車両10の制動灯、方向指示灯、非常点滅表示灯、駐車灯等であってよい。
【0019】
サーバ80は、車両10から送信された走行履歴情報を受信する。サーバ80は、車両10から受信した走行履歴情報に基づいて、交通流データを生成する。交通流データは、複数の時刻における車両10の位置、速度、灯体の点灯状態を示すデータであってよい。交通流データは、例えば、フローティングカーデータ(FCD)またはプローブカーデータなどと称されるデータであってよい。
【0020】
情報処理装置100は、サーバ80から取得した交通流データに基づいて、仮想車両30の走行を模擬する。例えば、情報処理装置100は、交通流データに基づいて、交通流データから再現される仮想的な再現空間において、仮想車両30の走行を模擬する。
【0021】
再現空間は、例えば、仮想的な地図上において、車両10aの位置に対応する位置に仮想的な再現車両20aをプロットし、車両10bの位置に対応する位置に仮想的な再現車両20bをプロットし、車両10cの位置に対応する位置に仮想的な再現車両20cをプロットした仮想的な二次元空間である。本実施形態において、再現車両20a、再現車両20b及び再現車両20cを「再現車両20」と総称する場合がある。再現車両20の灯体の点灯状態は、再現空間における再現車両20の属性情報として表現される。
【0022】
情報処理装置100は、仮想車両30の模擬走行の計算を行う場合、仮想車両30の前方を走行する再現車両20aの情報を参照して、模擬走行させる。一例として、情報処理装置100は、再現車両20aの位置を参照して、再現車両20aとの間に一定の車間距離が開いた状態で走行するように、仮想車両30の速度及び加速度の制御を逐次に行う。情報処理装置100は、再現車両20aの属性情報として制動灯の点灯されたときには、仮想車両30を模擬的に制動し、仮想車両30を減速させる。
【0023】
情報処理装置100は、仮想車両30の車両性能情報に基づいて、模擬走行における仮想車両30の運動状態を計算し、模擬走行における仮想車両30の単位消費電力当たりの走行距離(いわゆる電費)、バッテリ充電頻度、車体の構造疲労度等の、仮想車両30の走行特性を計算する。これにより、実際に試験用車両を製作して実空間で実走しなくても、実空間の交通流を考慮した電費を仮想的に評価することができる。したがって、実空間において電費が高い車両を設計することが容易となる。ひいては、エネルギーの効率化に寄与する。
【0024】
本実施形態において、情報処理装置100は、交通流データに基づいて、交通信号機が設置されている位置を特定する。情報処理装置100は、交通信号機が設置されている位置を考慮して、仮想車両30の模擬走行計算を行う。
【0025】
図2は、情報処理装置100の機能構成を示す。情報処理装置100は、処理部200と、記憶部280とを備える。処理部200は、交通流データ取得部210と、模擬走行計算部220と、走行情報取得部230と、先行車両決定部240と、信号機設置位置判定部250と、時間特定部260と、を備える。
【0026】
情報処理装置100はコンピュータを含んで構成され得る。処理部200は、演算処理を行うCPU等のプロセッサにより実装されてよい。記憶部280は、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶媒体を含んでよい。情報処理装置100は、記憶部280に含まれる不揮発性記憶媒体に記憶されたプログラムに従って処理部200が動作することによって、各種の処理を実行してよい。
【0027】
交通流データ取得部210は、実空間における複数の車両の実際の走行から取得される走行履歴の情報を含む交通流データを取得する。走行情報取得部230は、交通流データに基づいて、複数の車両の時系列の走行情報を取得する。時系列の走行情報は、時系列の車速情報であってよい。時系列の走行情報は、時系列の位置情報であってよい。信号機設置位置判定部250は、複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、複数の車両が予め定められたパターンで滞留するか否かを判定することによって、交通信号機が設置されているか否かを判定する。
【0028】
信号機設置位置判定部250は、複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、第1の経路における複数の車両の滞留と、第1の経路と交わる第2の経路上における複数の車両の滞留とが特定の時間間隔で交互に発生する位置を特定することによって、交通信号機が設置されている位置を特定する。これにより、交差点における交通信号機の設置情報を取得することができる。
【0029】
信号機設置位置判定部250は、複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、一つの経路上において、滞留する2つ以上の列が同時に発生する位置を特定することによって、交通信号機が設置されている位置を特定してよい。これにより、交差点のない道路上に交通信号機が設置されていることを特定することができる。
【0030】
信号機設置位置判定部250は、予め定められた期間における複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、複数の車両が予め定められたパターンで滞留する位置を特定することによって、予め定められた期間において交通信号機が設置されている位置を特定してよい。予め定められた期間の走行情報を用いて交通信号機の設置位置を特定することで、例えば基準となる日の前後数日の交通信号機の状態に基づく滞留位置情報を用いることができるようになる。したがって、交通信号機の種類の変更や、交通信号機の工事期間中の臨時信号に対応できるようになる。更に、予め定められた期間をより短期間(例えば、数時間)に設定することで、突然の停電時における滞留位置情報を用いた各種のシミュレーションが可能となる。
【0031】
信号機設置位置判定部250は、複数の車両が予め定められたパターンで滞留する位置と地理的な位置情報とをマッピングすることによって、交通信号機が設置されている地理的な位置を特定する。これにより、交通信号機が設置された地理的な位置情報を取得することができる。
【0032】
模擬走行計算部220は、交通流データにより仮想的に構築される再現空間において仮想車両の模擬走行計算を行う。先行車両決定部240は、交通流データに基づいて再現空間内に再現される複数の車両に対応する再現車両のうち、仮想車両の模擬走行のために参照すべき先行車両を決定する。
【0033】
時間特定部260は、複数の車両の時系列の走行情報に基づいて、信号機設置位置判定部250によって交通信号機が設置されていると判定された位置において発生する、複数の車両が滞留する時間的なパターンを特定し、特定した時間的パターンに基づいて、交通信号機の交通信号が切り替わる時間を特定する。先行車両決定部240は、先行車両として決定された再現車両が停車している状態が、時間特定部260によって特定された時間に基づいて定められた時間を超える場合に、再現車両のうち、第1の再現車両を除外して、先行車両を決定する。これにより、例えば長時間にわたって路側等に停車する車両を除外して先行車両を決定することができるとともに、仮想車両の直前で信号待ちをしている車両が先行車両の対象から除外されないようにすることができる。
【0034】
図3は、交差点がない道路40に設置されている交通信号機48によって発生する再現車両20の滞留パターンの一例を示す。再現車両20の滞留は、一例として、予め定められた時間以上停車状態が継続する再現車両20の列が発生している状態をいう。
【0035】
交通信号機48が赤色の灯火信号を表示している場合、再現車両20の滞留パターンは、符号45に示すように、交通信号機48の設置位置を挟んで、一方の車線41に複数の再現車両20a~dが実質的に一列に並んで停車し、他方の車線42に複数の再現車両20e~hが実質的に一列に並んで停車する滞留パターンとなる。このように、交差点がない道路40に交通信号機48が設置されている場合、両車線に同時に発生し得る。
【0036】
交通信号機48が青色の灯火信号を表示している場合、符号46に示すように、両方の車線において再現車両20の滞留は実質的に生じていない状態となる。符号45に示す滞留パターンは、交通信号機48の灯火信号の切り替わりに応じて、定期的に発生する。
【0037】
したがって、信号機設置位置判定部250は、予め定められた時間以上停車状態が継続する再現車両20の2つ以上の列が同時に発生する状態が定期的に繰り返される場合、停車状態が継続する再現車両20の列の先頭位置から予め定められた範囲内に、交通信号機が設置されていると判定する。信号機設置位置判定部250は、再現車両20の列の先頭位置を、列を形成する再現車両20の過去又は未来の移動方向ベクトルに基づいて判定してよい。
【0038】
図4及び図5は、道路50aと道路50bの交差点に設置されている交通信号機58によって発生する再現車両20の滞留パターンの一例を示す。
【0039】
図4は、道路50aに設置されている交通信号機58が赤色の灯火信号を表示し、道路50bに設置されている交通信号機58が青色の灯火信号を表示している場合を示す。図4に示されるように、再現車両20の滞留パターンは、道路50aの交通信号機58の設置位置を挟んで、一方の車線51aに複数の再現車両20a~dが実質的に一列に並んで停車し、他方の車線52aに複数の再現車両20e~hが実質的に一列に並んで停車する滞留パターンとなる。一方、道路50bにおいては、両方の車線において再現車両20の滞留は実質的に生じていない状態となる。
【0040】
図5は、道路50aに設置された交通信号機58が青色の灯火信号を表示し、道路50bに設置されている交通信号機58が赤色の灯火信号を表示している場合を示す。図5に示されるように、再現車両20の滞留パターンは、道路50bの交通信号機58の設置位置を挟んで、一方の車線51bに複数の再現車両20a~dが実質的に一列に並んで停車し、他方の車線52bに複数の再現車両20e~hが実質的に一列に並んで停車する滞留パターンとなる。一方、道路50aにおいては、両方の車線において再現車両20の滞留は実質的に生じていない状態となる。
【0041】
したがって、信号機設置位置判定部250は、予め定められた時間以上停車状態が継続する再現車両20の1つ以上の列が発生している状態が、一方の道路50a及び他方の道路50bにおいて交互に繰り返される場合、停車状態が継続する再現車両20の列の先頭位置から予め定められた範囲内に、2つの道路の交差点において交通信号機が設置されていると判定する。
【0042】
図6は、道路60aと道路60bが交差する丁字路の交差点に設置されている交通信号機68によって発生する再現車両20の滞留パターンの一例を示す。
【0043】
道路60aに設置されている交通信号機68が赤色の灯火信号を表示し、道路60bに設置されている交通信号機68が青色の灯火信号を表示している場合、符号65に示すように、再現車両20の滞留パターンは、道路60aの交通信号機68の設置位置を挟んで、一方の車線61aに複数の再現車両20a~dが実質的に一列に並んで停車し、他方の車線62aに複数の再現車両20e~hが実質的に一列に並んで停車する滞留パターンとなる。一方、道路60bにおいては、車線61及び車線62bのいずれにも再現車両20の滞留は実質的に生じていない状態となる。
【0044】
道路60aに設置されている交通信号機68が青色の灯火信号を表示し、道路60bに設置されている交通信号機68が青色の灯火信号を表示している場合、符号66に示すように、再現車両20の滞留パターンは、道路60bの一方の車線61bに複数の再現車両20i~kが実質的に一列に並んで停車する滞留パターンとなる。一方、道路60aにおいては、車線61a及び車線62aのいずれにも再現車両20の滞留は実質的に生じていない状態となる。
【0045】
したがって、信号機設置位置判定部250は、予め定められた時間以上停車状態が継続する再現車両20の1つ以上の列が発生している状態が、一方の道路50a及び他方の道路50bにおいて交互に繰り返される場合、停車状態が継続する再現車両20の列の先頭位置から予め定められた範囲内に、2つの道路の交差点において交通信号機が設置されていると判定する。
【0046】
上述したように、交通信号機によって停車状態が継続する再現車両20の列は、特定の道路において定期的に発生する。時間特定部260は、信号機設置位置判定部250によって交通信号機が設置されていると判定された位置から予め定められた範囲内のエリアにおいて、停車状態が継続する再現車両20の列が繰り返し発生する時間間隔の平均値を、交通信号機が設置されていると判定された位置において交通信号が切り替わる時間を特定する。
【0047】
時間特定部260は、複数の時間帯毎に、交通信号が切り替わる時間を特定してよい。これにより、時間帯毎に、交通信号が切り替わる時間を特定することができる。時間特定部260が特定した時間は、情報処理装置100が仮想車両30の模擬走行を計算する場合に使用され得る。
【0048】
図7は、先行車両を決定する方法を説明するための図である。図7に示す再現空間では、再現車両20a、再現車両20b及び再現車両20cが道路31上を走行している状態を示す。図7は、この再現空間において、仮想車両30は道路31上を模擬走行している状態を示す。
【0049】
先行車両決定部240は、再現車両20a、再現車両20b及び再現車両20cのうち、仮想車両30の前方の探索エリア300内に存在する再現車両20a、再現車両20b及び再現車両20cを、先行車両候補として抽出する。探索エリア300は、仮想車両30の位置から仮想車両30の進行方向に沿って設定され、予め定められた長さを持ち、かつ、予め定められた幅を持つエリアである。
【0050】
先行車両決定部240は、交通流データに含まれる再現車両20の位置の変化情報に基づいて、先行車両候補として抽出した再現車両20a、再現車両20b及び再現車両20cのそれぞれの移動方向ベクトル320a、移動方向ベクトル320b、及び移動方向ベクトル320cを算出する。更に、先行車両決定部240は、模擬走行計算で算出された仮想車両30の位置に基づいて、仮想車両30の移動方向ベクトル330を算出する。
【0051】
移動方向ベクトルは、各車両の移動方向を表すベクトルである。仮想車両30の移動方向ベクトルは、現在時刻における仮想車両30の位置と、一つ前の時刻における仮想車両30の位置と差から算出され得る。同様に、再現車両20の移動方向ベクトルは、現在時刻における再現車両20の位置と、一つ前の時刻における再現車両20の位置と差から算出され得る。
【0052】
先行車両決定部240は、仮想車両30の移動方向ベクトル330と、探索エリア300内の再現車両20の移動方向ベクトルとがなす角度が予め定められた角度条件を満たす場合に、再現車両20を先行車両として決定する。角度条件は、例えば、移動方向ベクトルのなす角度が20°以下であるという条件であってよい。図7の例では、角度条件を満たす移動方向ベクトルを持つ再現車両20は、再現車両20aと再現車両20cの2台である。
【0053】
先行車両決定部240は、角度条件を満たす移動方向ベクトルを持つ複数の再現車両20が存在する場合、当該複数の再現車両20のうち、仮想車両30から最も近い再現車両20を先行車両として決定する。図7の例では、先行車両決定部240は、再現車両20aを、先行車両として決定する。
【0054】
図8は、先行車両として決定した再現車両20aが停止した状態を示す。先行車両決定部240は、再現車両20aが停止したと判定すると、交通流データから、現在から90秒先までの期間における再現車両20aの走行履歴情報を抽出する。
【0055】
先行車両決定部240は、抽出した再現車両20aの走行履歴情報に基づいて、再現車両20aが現在から予め定められた期間継続して停止しているか否かを判定する。再現車両20aが現在から予め定められた期間継続して停止していると判定された場合、先行車両決定部240は、再現車両20aを先行車両とした決定を破棄し、再現車両20aを先行車両候補から除外して、先行車両を再度決定する。図8の例では、先行車両決定部240は、先行車両の再選択によって、再現車両20cを先行車両として選択する。
【0056】
路側に駐車する再現車両20を先行車両と決定すると、仮想車両30は、再現車両20に従って停車しつづけることとなってしまう。これに対し、先行車両決定部240は、予め定められた期間継続して停止している再現車両20を先行車両とは見なさないようにすることができる。これにより、先行車両として決定した再現車両20が継続的に停車する場合、先行車両を決定し直すことができる。
【0057】
ここで、再現車両20が継続して停止しているか否かを判定するための予め定められた期間(継続停止の判定時間)は、90秒の期間であってよく、90秒以上の期間であってよい。当該継続停止の判時間として90秒程度の期間を設定することで、交通信号機の赤色の灯火信号に従って一定期間停車した再現車両20を誤って先行車両から除外しないようにすることができる。
【0058】
上述した継続停止の判定時間として、時間特定部260が特定した時間を適用してよい。継続停止の判定時間として、時間特定部260が特定した時間に予め定められたマージンを加えた時間を適用してよい。継続停止の判定時間として、時間特定部260が時間帯毎に特定した時間を設定してよい。これにより、実空間における交通信号の切り替え時間に基づいて決定された時間を、継続停止の判定時間に適用することができる。そのため、交通信号機の赤色の灯火信号に従って一定期間停車した再現車両20を誤って先行車両から除外しないようにすることができる。
【0059】
図9は、情報処理装置100が実行する情報処理方法に関する処理の手順を示すフローチャートである。本処理が開始すると、S902において、交通流データ取得部210は、サーバ80または記憶部280から、交通流データを取得する。
【0060】
S904において、信号機設置位置判定部250は、交通流データから取得した複数の再現車両20の時系列の走行情報に基づいて、交通信号機の設置位置を判定する。S906において、時間特定部260は、交通信号機の設置位置における滞留パターンの切り替わり状態に基づいて、交通信号機の信号が切り替わる時間を特定する。
【0061】
S908において、模擬走行計算部220は、仮想車両30の車両性能情報及び計画経路情報を、記憶部280から取得する。
【0062】
車両性能情報は、仮想車両の車両性能についての情報である。例えば、車両性能情報は、仮想車両が備える駆動モータ、バッテリ、及び電気装備等の電気的特性についての情報、並びに、仮想車両の重量、サイズ、および車輪摩擦係数等の機械的特性についての情報を含んでよい。計画経路情報は、再現空間内において仮想車両に走行させる経路として予め計画された地図上の始点と終点を結ぶ経路である計画経路の情報を含んでよい。
【0063】
S910において、模擬走行計算部220は、記憶部280に記憶された交通流データから、一の時刻における交通流データを読み込んで再現空間を構築し、再現空間内において仮想車両30を単位時間だけ模擬走行させる。ここで、単位時間は、交通流データの記録時刻の間隔であってよい。模擬走行計算部220は、記憶部280に記憶された計画経路情報が示す計画経路に沿って、車両性能情報が示す車両性能に基づいて、模擬走行計算を行う。
【0064】
S912において、模擬走行計算部220は、模擬走行計算によって得られた仮想車両30の現在位置に基づいて、仮想車両30が計画経路の終点に到着したか否かを判断する。仮想車両30が計画経路の終点に到着したと判断される場合、本フローチャートの処理を終了する。この場合、情報処理装置100は、計画経路を模擬走行した期間における仮想車両30の各種走行データに基づいて、仮想車両30の電費情報等の走行特性を計算して、外部に出力してよい。
【0065】
S912において仮想車両30が計画経路の終点に到着していないと判断した場合、S914において、先行車両決定部240は、再現車両20の中から、先行車両を決定する。先行車両決定部240は、例えば図7及び図8等に関連して説明した手法を用いて、先行車両を決定する。
【0066】
S914において先行車両を決定するための処理が完了すると、S910に移行する。S914で先行車両が決定された場合、模擬走行計算部220は、決定された先行車両を参照して次の時間ステップにおける模擬走行計算を行う。例えば、模擬走行計算部220は、交通流データから次の時間ステップのデータを読み込み、再現空間の現在時刻を進め、決定された先行車両を参照して模擬走行計算を行う。S914で先行車両が決定されなかった場合、S910において、模擬走行計算部220は、先行車両なしで次の時間ステップにおける模擬走行計算を行う。例えば、模擬走行計算部220は、交通流データから次の時間ステップのデータを読み込み、再現空間の現在時刻を進め、先行車両なしで模擬走行計算を行う。
【0067】
本実施形態に係る情報処理装置100によれば、交通信号機が設置された位置で発生する車両の走行情報の特徴的なパターンから、交通信号機が設置されているか否かを判定する。これにより、実際の交通流データを用いて、交通信号機の設置位置を特定することができる。したがって、外部ベンダから、交通信号機の設置情報を購入する必要がないので、コストを削減することができる。また、最新の交通流データを用いることで、交通信号機の最新の設置位置を取得することができるので、交通信号機の設置情報を頻繁に更新することができる。更に、交通信号機の設置位置に基づいて車両の走行シミュレーションを行うことができるので、電気自動車の車両用のバッテリの電費情報をより正確に予測することが可能になる。
【0068】
図10は、本発明の複数の実施形態が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ2000の例を示す。コンピュータ2000にインストールされたプログラムは、コンピュータ2000を、実施形態に係るシステム5等のシステム又はシステムの各部、もしくは情報処理装置100等の装置又は当該装置の各部として機能させる、当該システム又はシステムの各部もしくは当該装置又は当該装置の各部に関連付けられるオペレーションを実行させる、及び/又は、実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2000に、本明細書に記載の処理手順及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU2012によって実行されてよい。
【0069】
本実施形態によるコンピュータ2000は、CPU2012、及びRAM2014を含み、それらはホストコントローラ2010によって相互に接続されている。コンピュータ2000はまた、ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040を含む。ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040は、入力/出力コントローラ2020を介してホストコントローラ2010に接続されている。
【0070】
CPU2012は、ROM2026及びRAM2014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0071】
通信インタフェース2022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。フラッシュメモリ2024は、コンピュータ2000内のCPU2012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ROM2026は、アクティブ化時にコンピュータ2000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入力/出力チップ2040はまた、キーボード、マウス及びモニタ等の様々な入力/出力ユニットをシリアルポート、パラレルポート、キーボードポート、マウスポート、モニタポート、USBポート、HDMI(登録商標)ポート等の入力/出力ポートを介して、入力/出力コントローラ2020に接続してよい。
【0072】
プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、又はメモリカードのようなコンピュータ可読記憶媒体又はネットワークを介して提供される。RAM2014、ROM2026、又はフラッシュメモリ2024は、コンピュータ可読記憶媒体の例である。プログラムは、フラッシュメモリ2024、RAM2014、又はROM2026にインストールされ、CPU2012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2000に読み取られ、プログラムと上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0073】
例えば、コンピュータ2000及び外部デバイス間で通信が実行される場合、CPU2012は、RAM2014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2022は、CPU2012の制御下、RAM2014及びフラッシュメモリ2024のような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取った送信データをネットワークに送信し、ネットワークから受信された受信データを、記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0074】
また、CPU2012は、フラッシュメモリ2024等のような記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2014に読み取られるようにし、RAM2014上のデータに対し様々な種類の処理を実行してよい。CPU2012は次に、処理されたデータを記録媒体にライトバックする。
【0075】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理にかけられてよい。CPU2012は、RAM2014から読み取られたデータに対し、本明細書に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々な種類のオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々な種類の処理を実行してよく、結果をRAM2014にライトバックする。また、CPU2012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2012は、第1の属性の属性値が指定されている、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0076】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ2000上又はコンピュータ2000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能である。コンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2000に提供してよい。
【0077】
コンピュータ2000にインストールされ、コンピュータ2000を情報処理装置100として機能させるプログラムは、CPU2012等に働きかけて、コンピュータ2000を、情報処理装置100の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ2000に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である情報処理装置100の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ2000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の情報処理装置100が構築される。
【0078】
様々な実施形態が、ブロック図等を参照して説明された。ブロック図において各ブロックは、(1)オペレーションが実行されるプロセスの段階又は(2)オペレーションを実行する役割を持つ装置の各部を表わしてよい。特定の段階及び各部が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウエア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理オペレーション、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウエア回路を含んでよい。
【0079】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく実行され得る命令を含む製品の少なくとも一部を構成する。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0080】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0081】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、説明された処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0082】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0083】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の序順で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0084】
5 システム
10 車両
12 車載装置
20 再現車両
30 仮想車両
31 道路
40 道路
41 車線
42 車線
48 交通信号機
50 道路
51 車線
52 車線
58 交通信号機
60 道路
61 車線
62 車線
68 交通信号機
80 サーバ
100 情報処理装置
200 処理部
210 交通流データ取得部
220 模擬走行計算部
230 走行情報取得部
240 先行車両決定部
250 信号機設置位置判定部
260 時間特定部
280 記憶部
300 探索エリア
320 移動方向ベクトル
330 移動方向ベクトル
2000 コンピュータ
2010 ホストコントローラ
2012 CPU
2014 RAM
2020 入力/出力コントローラ
2022 通信インタフェース
2024 フラッシュメモリ
2026 ROM
2040 入力/出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10