(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042622
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】ズームレンズ、およびそれを有する撮像装置、撮像システム
(51)【国際特許分類】
G02B 15/20 20060101AFI20240321BHJP
G02B 13/18 20060101ALN20240321BHJP
【FI】
G02B15/20
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147470
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】市村 純也
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087MA13
2H087MA16
2H087MA19
2H087PA12
2H087PA13
2H087PA16
2H087PB17
2H087PB18
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA22
2H087QA26
2H087QA34
2H087QA41
2H087QA45
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA36
2H087RA44
2H087SA57
2H087SA61
2H087SA62
2H087SA63
2H087SA64
2H087SA65
2H087SA66
2H087SB06
2H087SB13
2H087SB23
2H087SB24
2H087SB37
2H087SB42
(57)【要約】
【課題】小型で物体距離全域にわたり高い光学性能が得られる超広角ズームレンズを提供する。
【解決手段】ズームレンズB0は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群B1、複数のレンズ群を含み、全体として正の屈折力の後群BRを有し、広角端から望遠端へのズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力のレンズ群Fpと、少なくとも2つの正の屈折力のレンズ群と、負の屈折力のレンズ群Fnを含み、レンズ群Fpおよびレンズ群Fnが、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して移動し、広角端におけるズームレンズの入射瞳位置ENPw、広角端における前記ズームレンズの焦点距離fwは、所定の条件式を満足する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、複数のレンズ群を含み、全体として正の屈折力の後群を有し、広角端から望遠端へのズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力のレンズ群Fpと、少なくとも2つの正の屈折力のレンズ群と、負の屈折力のレンズ群Fnを含み、
前記レンズ群Fpおよび前記レンズ群Fnが、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して移動し、
広角端における前記ズームレンズの入射瞳位置をENPw、広角端における前記ズームレンズの焦点距離をfwとするとき、
1.0<ENPw/fw<3.0
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して、前記レンズ群Fpは像側へ移動し、
広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記レンズ群Fpと前記レンズ群Fpの像側に隣接して配置されたレンズ群との間隔は狭まることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して、前記レンズ群Fnは物体側へ移動し、
広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記レンズ群Fnと前記レンズ群Fnの像側に隣接して配置されたレンズ群との間隔は広がることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記レンズ群Fnの物体側に隣接して配置された正の屈折力のレンズ群の光軸上の厚さをDp、広角端における前記ズームレンズの最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をLwとするとき、
0.05<Dp/Lw<0.40
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項5】
広角端における前記ズームレンズの射出瞳位置から像面までの光軸上の距離をPOw、広角端における前記ズームレンズのバックフォーカスの空気換算長をBFwとするとき、
2.0<Pow/BFw<6.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記レンズ群Fpの焦点距離をfFpとするとき、
3.0<fFp/fw<8.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項7】
前記レンズ群Fnの焦点距離をfFnとするとき、
-10<fFn/fw<-1
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項8】
前記レンズ群Fpの像側に隣接して配置された正の屈折力のレンズ群の焦点距離をfBaとするとき、
4.0<fBa/fw<100.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項9】
前記第1レンズ群の光軸上の厚さをD1とするとき、
1.0<D1/fw<5.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項10】
前記第1レンズ群は、3または4枚の負レンズと、1枚の正レンズを含むことを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項11】
前記第1レンズ群は、前記第1レンズ群の最も物体側に配置された物体側に凸形状の負メニスカスレンズL11と、該負メニスカスレンズL11の像側に隣接して配置された物体側に凸形状の負メニスカスレンズL12を含むことを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項12】
前記負メニスカスレンズL11の屈折率をN11、前記負メニスカスレンズL12の屈折率をN12とするとき、
0.86<N11/N12<1.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項11に記載のズームレンズ。
【請求項13】
前記後群は、最も像側に配置された正の屈折力のレンズ群を含み、
広角端における前記ズームレンズのバックフォーカスをBFwとするとき、
0.2<BFw/fw<3.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項14】
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群、正の屈折力の第6レンズ群からなることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項15】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群は移動し、前記第2レンズ群は物体側へ移動し、前記第3レンズ群は物体側へ移動し、前記第4レンズ群は物体側へ移動し、前記第5レンズ群は物体側へ移動し、前記第6レンズ群は物体側へ移動することを特徴とする請求項14に記載のズームレンズ。
【請求項16】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群は、像側に凸の軌跡で移動することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項17】
前記レンズ群Fpは、負レンズと正レンズの接合レンズからなることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ
【請求項18】
前記レンズ群Fnは負レンズからなることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項19】
前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の間に開口絞りが配置されていることを特徴とする請求項14に記載のズームレンズ。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載のズームレンズと、該ズームレンズよって形成される像を受光する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項21】
請求項1から19のいずれか一項に記載のズームレンズと、ズーミングに際して前記ズームレンズを制御する制御部とを有することを特徴とする撮像システム。
【請求項22】
前記制御部は、前記ズームレンズとは別体として構成されており、前記ズームレンズを制御するための制御信号を送信する送信部を有することを特徴とする請求項21に記載の撮像システム。
【請求項23】
前記制御部は、前記ズームレンズとは別体として構成されており、前記ズームレンズを操作するための操作部を有することを特徴とする請求項21に記載の撮像システム。
【請求項24】
前記ズームレンズのズームに関する情報を表示する表示部を有することを特徴とする請求項21に記載の撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズに関し、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
撮像用光学系として、広角端での半画角が50度を超える撮像レンズは、超広角レンズと呼ばれ、そのうちF値が2.8以下の明るいレンズは、広い画角と短いシャッタースピードを生かした星空や暗所の撮影に好適である。このような超広角レンズは、無限被写体から近距離にわたって球面収差やサジタルフレアを抑えた高い解像性能が求められる。特にズームレンズにおいては、広角端から望遠端まで収差変動を抑えつつ小型化することが難しいという課題があった。
【0003】
超広角のズームレンズとして、特許文献1は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群からなるズームレンズを開示している。特許文献1のズームレンズでは、無限被写体から近距離までの解像性能の向上のため、フォーカシングに際して第2レンズ群と第3レンズ群が像側へ移動する。
【0004】
また、特許文献2には、特許文献1のズームレンズに対し大口径化したズームレンズが開示されている。特許文献2のズームレンズは、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群からなる。特許文献2のズームレンズでは、無限被写体から近距離までの解像性能の向上のため、フォーカシングに際して第2レンズ群の一部と第5レンズ群の一部が移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-75741号公報
【特許文献2】国際公開2021/039695号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のズームレンズでは、F値が大きく、大口径化に伴うズーミング時の収差変動を十分低減できない。特許文献2のズームレンズは、特許文献1のズームレンズに対して多群化することで、ズーミング時の収差変動を低減しているが、さらなる広角化と小型化が求められている。
【0007】
本発明は、小型で物体距離全域にわたり高い光学性能が得られる超広角ズームレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面としてのズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、複数のレンズ群を含み、全体として正の屈折力の後群を有し、広角端から望遠端へのズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力のレンズ群Fpと、少なくとも2つの正の屈折力のレンズ群と、負の屈折力のレンズ群Fnを含み、前記レンズ群Fpおよび前記レンズ群Fnが、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して移動し、広角端における前記ズームレンズの入射瞳位置をENPw、広角端における前記ズームレンズの焦点距離をfwとするとき、
1.0<ENPw/fw<3.0
なる条件式を満足することを特徴とする。
【0009】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、小型で物体距離全域にわたり高い光学性能が得られる超広角ズームレンズを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】実施例1のズームレンズの無限遠合焦時における(A)広角端および(B)望遠端での収差図である。
【
図3】実施例1のズームレンズの至近距離に合焦した時の(A)広角端および(B)望遠端での収差図である。
【
図5】実施例2のズームレンズの無限遠合焦時における(A)広角端および(B)望遠端での収差図である。
【
図6】実施例2のズームレンズの至近距離に合焦した時の(A)広角端および(B)望遠端での収差図である
【
図8】実施例3のズームレンズの無限遠合焦時における(A)広角端および(B)望遠端での収差図である。
【
図9】実施例3のズームレンズの至近距離に合焦した時の(A)広角端および(B)望遠端での収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のズームレンズおよびそれを有する撮像装置、撮像システムの実施例について、添付の図面に基づいて説明する。
【0013】
図1、
図4、
図7は、それぞれ実施例1乃至3のズームレンズB0の広角端での無限遠に合焦した状態(無限遠合焦状態)での断面図である。各実施例のズームレンズB0は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等の撮像装置や交換レンズを含む光学機器に用いられる。
【0014】
各断面図において左方が物体側で、右方が像側である。各実施例のズームレンズB0は、複数のレンズ群を有して構成されている。本願明細書におけるレンズ群とは、1または複数のレンズから構成されるズームレンズB0の構成要素である。各実施例のズームレンズB0において、広角端から望遠端のズーミングに際して、隣り合うレンズ群の間隔は変化する。また、レンズ群は開口絞りを含んでいても良い。
【0015】
各断面図において、BiはズームレンズB0に含まれるレンズ群のうち物体側から数えてi番目(iは自然数)のレンズ群を表している。BRは第1レンズ群B1よりも像側に配置された全てのレンズ群を含む後群である。
【0016】
また、SPは開口絞りである。FPはフレアカット絞りである。IPは像面であり、各実施例のズームレンズB0をデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。各実施例のズームレンズB0を銀塩フィルム用カメラの撮影光学系として使用する際には、像面IPにはフィルム面に相当する感光面が置かれる。Fi(i=n,p)はフォーカス時に移動するレンズ群を示す。
【0017】
各レンズ断面図に示した実線の矢印は、広角端から望遠端へのズーミングに際しての各レンズ群の移動軌跡を簡略化して表したものである。なお、本願明細書において広角端および望遠端は各レンズ群が、機構上、光軸上を移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。また、各レンズ断面図に示したfocusに関する矢印は、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際してのレンズ群の移動軌跡を簡略化して表したものである。
【0018】
図2、
図5、
図8は、それぞれ実施例1乃至3のズームレンズB0の無限遠合焦時の収差図である。
図3、
図6、
図9は、それぞれ実施例1乃至3のズームレンズB0の至近距離に合焦した時の収差図である。各収差図において、(A)は広角端における収差図、(B)は望遠端における収差図である。
【0019】
球面収差図においてFnoはFナンバーであり、d線(波長587.56nm)、f線(波長486.13nm)、C線(波長656.27nm)g線(波長435.83nm)に対する球面収差量を示している。横軸のスケールはデフォーカス量であり、-0.4~+0.4[mm]である。非点収差図においてSはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。横軸は球面収差と同じである。歪曲収差図においてd線に対する歪曲収差量を示している。歪曲収差においては、横軸のスケールが-15~+15[%]で示されている。色収差図ではf線、C線、g線における色収差量を示している。ωは撮像半画角(°)であり、近軸計算による画角である。
【0020】
次に、各実施例のズームレンズB0における特徴的な構成について述べる。
【0021】
各実施例のズームレンズB0は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群B1、複数のレンズ群を含み、全体として正の屈折力の後群BRを有する。各実施例のズームレンズB0では、広角端から望遠端へのズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。後群BRは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力のレンズ群Fpと、少なくとも2つの正の屈折力のレンズ群と、負の屈折力のレンズ群Fnを含む。レンズ群Fpおよびレンズ群Fnが、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際し光軸方向に移動する。
【0022】
後群BRに複数の正の屈折力のレンズ群を配置することで、大口径化してもレンズ全長を抑えることが可能であり、さらに複数に分割して移動することでズーム全域にわたって球面収差と像面湾曲の変動を抑制できる。
【0023】
また、主フォーカス群であるレンズ群Fpに加えて、軸外光線高さの高いレンズ群Fnを移動させることで、ズーミング時および近距離における像面湾曲の変動を抑え、明るいF値においても良好な結像性能を得ることができる。
【0024】
さらに、各実施例のズームレンズB0は、以下の条件式(1)を満足する。
【0025】
1.0<ENPw/fw<3.0 ・・・(1)
ここで、ENPwは広角端におけるズームレンズB0の入射瞳位置である。fwは広角端におけるズームレンズB0の焦点距離である。
【0026】
条件式(1)は、広角端における焦点距離fwに対する入射瞳位置ENPwの適切な範囲を規定しており、ズームレンズB0の射出瞳位置ENPwの適切な範囲を示している。条件式(1)の上限値を上回ると、入射瞳の物体側に過剰にレンズを配置していることになり、レンズ径が大きくなりすぎ、レンズ全長が長くなりすぎる。条件式(1)の下限値を下回ると、入射瞳の物体側のレンズが少なくなり、歪曲が大きくなりすぎ、像面湾曲やコマフレアを補正することが難しくなる。
【0027】
さらに、条件式(1)の数値範囲は、以下の条件式(1a)の範囲とすることがより好ましい。
【0028】
1.2<ENPw/fw<2.5 ・・・(1a)
また、条件式(1)の数値範囲は、以下の条件式(1b)の範囲とすることが更に好ましい。
【0029】
1.5<ENPw/fw<2.0 ・・・(1b)
次に、各実施例のズームレンズB0において、満足することが好ましい構成について述べる。
【0030】
ズームレンズB0は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群B1、正の屈折力の第2レンズ群B2、正の屈折力の第3レンズ群B3、正の屈折力の第4レンズ群B4、負の屈折力の第5レンズ群B5、正の屈折力の第6レンズ群B6からなる。第2レンズ群B2から第6レンズ群B6が後群BRに相当し、後群BRは全体で正の屈折力を有する。
【0031】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群B1は移動し、第2レンズ群B2、第3レンズ群B3、第4レンズ群B4、および第5レンズ群B、および第6レンズ群B6は、物体側へ移動する。
【0032】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群B1は、中間位置で像側へ移動し、望遠位置で物体側へ移動する、いわゆる像側に凸の軌跡で移動する。これにより、広角端のレンズ全長を短縮している。ここで、レンズ群Aが像側に凸の軌跡とは、レンズ群Aの無限遠合焦時の広角端からの移動量に関して、像側に移動する場合を正の値として、ズーミングの際の中間領域において移動量が最大値をとることを意味する。広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群B1と第2レンズ群B2の間隔は狭まり、第2レンズ群B2と第3レンズ群B3の間隔は狭まる。また、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第3レンズ群B3と第4レンズ群B4の間隔は狭まり、第4レンズ群B4と第5レンズ群B5B5の間隔は広がり、第5レンズ群B5と第6レンズ群B6の間隔は広がる。
【0033】
各実施例において、レンズ群Fpは第2レンズ群B2に相当し、レンズ群Fnは第5レンズ群B5に相当する。無限遠から至近距離のフォーカシングに際し、主フォーカス群であるレンズ群Fpは像側へ移動し、レンズ群Fnはレンズ群Fpで発生する球面収差と像面湾曲を打ち消すように物体側へ移動する。
【0034】
レンズ群Fp及びレンズ群Fnが、フォーカシング時だけでなくズーミング時にも移動することで、ズーミングに伴う像面湾曲をはじめとした諸収差の変動を低減するとともに、ズームレンズB0の小型化に寄与している。
【0035】
レンズ群Fp及びレンズ群Fnは、ズーミングに際して迅速に移動することが求められるため、重量が軽いと好ましい。各実施例では、レンズ群Fpを負レンズと正レンズの接合レンズとし、レンズ群Fnを負レンズとすることで移動するレンズ群の軽量化を達成している。
【0036】
ズーミングは、主に負の屈折力の第1レンズ群B1と、正の屈折力の第2~第4レンズ群B2~B4により行われる。第2~第4レンズ群B2~B4をそれぞれ正の屈折力とすることでこれら各レンズ群の屈折力を弱くすることができ、これらを大口径化しても諸収差の発生を抑えることができる。
【0037】
広角端から望遠端へのズーミングに際して、負の屈折力の第5レンズ群B5は、第4レンズ群B4との間隔を広げるように移動することで、広角端から望遠端へのズーミングに伴う像点変化を補助するとともに、像面湾曲のズーム変動を低減している。
【0038】
第6レンズ群B6を正の屈折力のレンズ群とすることで、像面IPへの光線入射角度を抑えることができ、画面全域で発生する輝度ムラや色ムラを低減できる。また、広角端から望遠端へのズーミングに際し第6レンズ群B6を物体側に移動させることで、像面入射角度の変化を抑えるとともに、レンズ径が不要に大きくなることを防いでいる。
【0039】
大口径の広角ズームレンズは、周辺光のビネッティングを適切に行うことが難しく、しばしば開口絞りSPの他に可変の補助絞りを用意することがある。各実施例では開口絞りSPを第3レンズ群B3と第4レンズ群B4の間に配置し、第2レンズ群B2と開口絞りSPの間隔をズーミングに伴い変化させることで、可変の補助絞りがなくてもビネッティングを適切に設定できる。
【0040】
第1レンズ群B1は、3または4枚の負レンズと、1枚の正レンズを含む。好ましくは、第1レンズ群B1は、物体側から像側へ順に配置された、3枚の負レンズと、負レンズと正レンズの接合レンズから構成される。また、第1レンズ群B1は、その最も物体側に配置された物体側に凸形状の負メニスカスレンズL11と、負メニスカスレンズL11の像側に隣接して配置された物体側に凸形状の負メニスカスレンズL12を含む。
【0041】
半画角が50度を超える広角レンズでは、物体側からの光線入射角度が非常に大きい。このため、各レンズ面で発生するコマフレア、像面湾曲、歪曲が大きくなりやすく、レンズ面に対して光線を滑らかに屈折させることが必要であり、上記の構成をとることが好ましい。
【0042】
次に、各実施例のズームレンズB0が満足するが好ましい条件について述べる。各実施例のズームレンズB0は、以下の条件式(2)から(9)のうち1つ以上を満足することが好ましい。
【0043】
0.05<DP/Lw<0.40 ・・・(2)
2.0<POw/BFw<7.0 ・・・(3)
3.0<fFp/fw<8.0 ・・・(4)
-10<fFn/fw<-1 ・・・(5)
4.0<fBa/fw<100.0 ・・・(6)
1.0<D1/fw<5.0 ・・・(7)
0.86<N11/N12<1.00 ・・・(8)
0.2<BFw/fw<3.0 ・・・(9)
ここで、Dpはレンズ群Fnの物体側に隣接して配置された正の屈折力のレンズ群Bp(第4レンズ群B4)の光軸上の厚さである。Lwは広角端におけるズームレンズB0の最も物体側のレンズ面から像面IPまでの光軸上の距離である。POwは広角端におけるズームレンズB0の射出瞳位置から像面IPまでの光軸上の距離である。BFwは広角端におけるズームレンズB0のバックフォーカスである。fFpはレンズ群Fpの焦点距離である。fFnはレンズ群Fnの焦点距離である。fBaはレンズ群Fpの像側に隣接して配置された正の屈折力のレンズ群Ba(第3レンズ群B3)の焦点距離である。D1は第1レンズ群B1の光軸上の厚さである。N11は負メニスカスレンズL11の屈折率である。N12は負メニスカスレンズL12の屈折率である。
【0044】
条件式(2)は、レンズ群Fnの物体側に隣接して配置されたレンズ群Bpの厚さDpとレンズ全長Lwとの比を規定したもので、レンズ群Bpの厚さDpの適切な範囲を示している。レンズ群Bpは大口径化に伴い屈折力が高くなりやすい。また、球面収差や軸上色収差を良好に補正するため、レンズ群Bpには十分な厚さを用意するとともに、2枚以上の正レンズと、2枚以上の負レンズを配置することが好ましい。条件式(2)の上限値を上回ると、レンズ群Bpが厚くなりすぎて、ズーミングに必要な空気間隔を十分用意することができないため好ましくない。条件式(2)の下限値を下回ると、レンズ群Bpが薄くなりすぎて、レンズ群Bpに含まれるレンズ要素の屈折力が下がりすぎ、大口径化に伴う収差補正が不十分となるため好ましくない。
【0045】
条件式(3)は、射出瞳位置POwとバックフォーカスBFwの関係を規定しており、像面入射角度の適切な範囲を示している。条件式(3)の上限値を上回ると、広角端での射出瞳が長くなりすぎ、レンズ全長が長くなるため好ましくない。条件式(3)の下限値を下回ると、射出瞳が短くなりすぎ、像面IPの入射角度が強くなることによる輝度ムラや色ムラが大きくなりすぎるため好ましくない。
【0046】
条件式(4)は、レンズ群Fpの焦点距離fFpと広角端でのズームレンズB0の焦点距離fwの比を規定しており、レンズ群Fpの屈折力の適切な範囲を示してしている。条件式(4)の上限値を上回ると、フォーカシング時のレンズ移動量が大きくなりすぎ、レンズ全長が長くなるため好ましくない。条件式(4)の下限値を下回ると、レンズ群Fpの屈折力が強くなりすぎ、ズーミング時やフォーカシング時の球面収差の変動が良好に補正できないため好ましくない。
【0047】
条件式(5)は、レンズ群Fnの焦点距離fFnと広角端でのズームレンズB0の焦点距離fwの比を規定しており、レンズ群Fnの屈折力の適切な範囲を示してしている。条件式(5)の上限値を上回ると、レンズ群Fnの屈折力が強くなりすぎ、レンズ群Fnが光軸方向に移動した際の球面収差や像面湾曲の変化が大きくなるため好ましくない。条件式(5)の下限値を下回ると、ズーミング時およびフォーカシング時にレンズ群Fnの移動量が大きくなりすぎ、レンズ全長が長くなるため好ましくない。
【0048】
条件式(6)は、レンズ群Baの焦点距離fBaと広角端でのズームレンズの焦点距離fwの比を規定しており、レンズ群Baの屈折力の適切な範囲を示している。条件式(6)の上限値を上回ると、レンズ群Baの屈折力が弱くなりすぎ、レンズ群Fpの屈折力を強くする必要があり、コマ収差や球面収差が悪化するため好ましくない。条件式(6)の下限値を下回ると、レンズ群Baの屈折力が強くなりすぎ、レンズ群Fpの屈折力を弱くする必要があり、レンズ群Fpのフォーカシング時の移動量が大きくなるため好ましくない。
【0049】
条件式(7)は、第1レンズ群B1の厚さD1と広角端でのズームレンズの焦点距離fwとの比を規定しており、第1レンズ群B1の厚さD1の適切な範囲を示している。条件式(7)の上限値を上回ると、広角端での性能が改善するが、レンズ全長およびレンズ径が大きくなるため好ましくない。条件式(7)の下限値を下回ると、画角に対して十分なレンズが配置できなくなり、像面湾曲や歪曲収差が良好に補正できなくなるため好ましくない。
【0050】
条件式(8)は、第1レンズ群B0の負メニスカスレンズL11の屈折率N11と負メニスカスレンズL12の屈折率N12との比を規定しており、第1レンズ群B1のレンズの屈折率の好ましい範囲を示している。条件式(8)の上限値を上回ると、負メニスカスレンズL11の屈折率N11が負メニスカスレンズL12の屈折率N12よりも高くなり、相対的に光線高さの高い負メニスカスレンズL11で発生する色収差が増大するため好ましくない。条件式(8)の下限値を下回ると、負メニスカスレンズL11の屈折率N11が負メニスカスレンズL12の屈折率N12よりも低くなりすぎ、画角が大きい領域で負メニスカスレンズL11の偏肉比が増大し、レンズ径を大きくする必要があるため好ましくない。
【0051】
条件式(9)は、バックフォーカスBFwと広角端でのズームレンズの焦点距離fwの比を規定しており、焦点距離fwに対するバックフォーカスBFwの好ましい範囲を示している。条件式(9)の上限値を上回ると、焦点距離fwに対してバックフォーカスBFwが長すぎて、レンズ全長を短縮することが困難になるため好ましくない。条件式(9)下限値を下回ると、バックフォーカスBFwが短すぎてレンズ及び鏡筒とセンサーが干渉しやすいので好ましくない。
【0052】
なお、条件式(2)乃至(9)の数値範囲は、以下の条件式(2a)乃至(9a)の範囲とすることがより好ましい。
【0053】
0.10<DP/Lw<0.30 ・・・(2a)
3.0<POw/BFw<6.0 ・・・(3a)
3.5<fFp/fw<7.0 ・・・(4a)
-8.0<fFn/fw<-1.5 ・・・(5a)
5.0<fBa/fw<50.0 ・・・(6a)
1.5<D1/fw<4.5 ・・・(7a)
0.90<N11/N12<1.00 ・・・(8a)
0.5<BFw/fw<2.0 ・・・(9a)
また、条件式(2)乃至(9)の数値範囲は、以下の条件式(2b)乃至(9b)の範囲とすることがさらに好ましい。
【0054】
0.15<DP/Lw<0.25 ・・・(2b)
3.6<POw/BFw<5.0 ・・・(3b)
4.0<fFp/fw<6.0 ・・・(4b)
-6.0<fFn/fw<-1.8 ・・・(5b)
7.0<fBa/fw<30.0 ・・・(6b)
2.0<D1/fw<4.0 ・・・(7b)
0.92<N11/N12<1.00 ・・・(8b)
0.8<BFw/fw<1.5 ・・・(9b)
次に、各実施例のズームレンズB0について詳細に述べる。
【0055】
実施例1のズームレンズB0では、広角端での半画角が60.4度と広画角であるとともに、F値が2.8程度の明るさを達成している。
図2に示すように、広角端から望遠端まで球面収差および像面湾曲の変動を抑制し、明るいF値に対応可能な結像性能を確保している。歪曲収差では画像処理で補正可能な量を残存させ、第1レンズ群B1の補正負担を軽減させることで、第1レンズ群B1のレンズ径の小型化とレンズ全長の小型化を達成している。
図3に示すように、無限遠から至近距離まで球面収差と像面湾曲の変動を抑えた良好な結像性能を確保している。
【0056】
実施例2のズームレンズB0では、広角端での半画角が62.4度であり、実施例1よりさらに広角化しつつ、F値が2.8~4.0程度の明るさを達成している。実施例1に対してさらに広角化することで第1レンズ群B1のレンズ径は増大するが、望遠端でのF値を抑えることでレンズ全長を短くすることができる。
図5および
図6に示すように、実施例2のズームレンズB0では、無限遠から至近距離まで球面収差と像面湾曲の変動を抑えた良好な結像性能を確保している。
【0057】
実施例3のズームレンズB0では、広角端での半画角が56.5度であり、F値を2.0程度まで明るくしている。F値を明るくすることで後群BRのレンズ径は増大するが、変倍比を抑えることでレンズ全長の増加を抑制できる。さらに後群BRが大口径化した際にも、軸外光線が分離しやすい像側にフローティングレンズ群Fnを配置できるため、フォーカシング時の収差変動を良好に補正できる。
図8および
図9に示すように、実施例3のズームレンズB0では、無限遠から至近距離まで球面収差と像面湾曲の変動を抑えた良好な結像性能を確保している。
【0058】
以下に、実施例1~3にそれぞれ対応する数値実施例1~3を示す。
【0059】
各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表わしている。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のアッベ数を表わしている。なお、ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd、NF、NCとするとき、νd=(Nd-1)/(NF-NC)で表される。有効径は、レンズ面のうち結像に寄与する有効光束が通過する領域(有効領域)の最大径を意味する。
【0060】
なお、各数値実施例において、d、焦点距離(mm)、Fナンバー、半画角(°)は全て各実施例のズームレンズB0が無限遠物体に焦点を合わせた時の値である。像高は、近軸像高を表しており、歪曲収差による像の歪みを撮影画像の処理によって補正することを想定している。「バックフォーカスBF」は、レンズ最終面(最も像側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものである。「レンズ全長」は、ズームレンズの最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。「レンズ群」は、複数のレンズから構成される場合に限らず、1枚のレンズから構成される場合も含むものとする。
【0061】
また、光学面が非球面の場合は、面番号の右側に、*の符号を付している。非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、Rを近軸曲率半径、kを円錐定数、A4、A6、A8、A10、A12を各次数の非球面係数とするとき、
x=(h2/R)/[1+{1-(1+k)(h/R)2}1/2]+A4×h4+A6×h6
+A8×h8+A10×h10+A12×h12
で表している。なお、各非球面係数における「e±XX」は「×10±XX」を意味している。
【0062】
間隔データにおいて、OBJは物体距離を示し、物体位置から像面IPまでの距離である。
【0063】
(数値実施例1)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 36.479 3.20 1.76450 49.1 60.00
2* 13.916 12.50 41.93
3* 89.903 2.20 1.85400 40.4 40.45
4* 38.368 6.65 32.36
5 -288.607 1.40 1.43875 94.7 32.06
6 64.991 3.40 30.67
7 -107.543 1.40 1.49700 81.5 30.51
8 28.486 5.50 1.85478 24.8 29.70
9 160.242 (可変) 29.06
10 ∞ 0.50 21.23
11 37.933 0.90 2.00069 25.5 20.36
12 17.522 5.00 1.85025 30.1 19.93
13 308.918 (可変) 20.05
14 26.920 1.00 2.00069 25.5 21.16
15 16.869 5.40 1.51633 64.1 20.42
16 525.314 1.60 20.50
17(絞り) ∞ (可変) 14.00
18* 40.200 4.75 1.49700 81.5 20.81
19 -39.643 5.30 20.51
20 -22.867 0.90 1.85478 24.8 18.00
21 31.429 5.60 1.92286 20.9 18.63
22 -24.532 0.30 19.00
23 -75.737 4.85 1.49700 81.5 19.29
24 -15.814 0.90 1.77047 29.7 19.72
25 72.597 0.30 21.86
26 32.068 6.85 1.59522 67.7 23.88
27 -34.523 (可変) 24.49
28* -36.337 1.20 1.88202 37.2 24.42
29* -163.280 (可変) 25.48
30 205.193 4.30 1.85478 24.8 37.42
31 -122.444 (可変) 38.00
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A4 =-9.81021e-006 A6=-5.15449e-010 A8= 1.45629e-011
A10=-1.68208e-014 A12= 6.83429e-018
第2面
K =-6.76330e-001 A4 =-8.71079e-006 A6=-4.53718e-008 A8=-8.35053e-011
A10= 1.16441e-013
第3面
K = 0.00000e+000 A4 =-9.67785e-006 A6= 4.16533e-008 A8=-7.09715e-011
A10= 5.02745e-014 A12=-4.24754e-018
第4面
K = 1.71066e+000 A4 =-1.68380e-006 A6= 8.29296e-008 A8= 8.97570e-012
A10= 2.71284e-013
第18面
K = 0.00000e+000 A4 = 5.15619e-006 A6= 1.92497e-008 A8= 3.30914e-011
A10= 3.74306e-013 A12=-1.31534e-015
第28面
K = 0.00000e+000 A4 = 1.46758e-006 A6= 2.52186e-008 A8= 3.15661e-011
A10=-7.76255e-013
第29面
K = 0.00000e+000 A4 = 2.32242e-005 A6= 4.28486e-008 A8= 5.23957e-011
A10=-5.71571e-013
各種データ
ズーム比 1.94
広角 中間 望遠
焦点距離 12.29 18.00 23.80
Fナンバー 2.93 2.93 2.93
半画角(°) 60.39 50.25 42.27
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 138.05 132.29 134.83
BF 13.86 17.55 19.48
入射瞳位置 21.05 20.14 19.65
射出瞳位置 -52.94 -62.81 -82.15
前側主点位置 31.08 34.11 37.88
後側主点位置 1.57 -0.44 -4.32
間隔データ
広角 中間 望遠 広角 中間 望遠
OBJ 無限 無限 無限 280mm 280mm 280mm
d 9 21.16 7.44 1.00 22.97 9.83 3.70
d13 4.81 3.89 4.19 3.00 1.50 1.49
d17 6.73 3.87 1.00 6.73 3.87 1.00
d27 2.61 4.50 5.89 2.55 3.97 5.15
d29 2.98 9.14 17.36 3.04 9.66 18.11
d31 13.86 17.55 19.48 13.86 17.55 19.48
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -16.84 36.25 7.89 -20.10
2 10 65.32 6.40 -0.32 -3.93
3 14 124.06 8.00 -2.28 -7.88
4 18 37.78 29.75 13.69 -11.14
5 28 -53.23 1.20 -0.18 -0.82
6 30 90.26 4.30 1.46 -0.87
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -31.35
2 3 -79.95
3 5 -120.76
4 7 -45.16
5 8 39.77
6 11 -33.27
7 12 21.68
8 14 -47.52
9 15 33.63
10 18 40.97
11 20 -15.37
12 21 15.68
13 23 39.16
14 24 -16.78
15 26 29.05
16 28 -53.23
17 30 90.26
(数値実施例2)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 41.595 3.20 1.76450 49.1 66.00
2* 14.582 14.40 45.21
3* 75.791 2.20 1.85400 40.4 43.58
4* 38.270 6.60 34.73
5 -1287.449 1.40 1.43875 94.7 34.35
6 43.598 4.00 32.06
7 -283.917 1.40 1.49700 81.5 31.87
8 29.039 5.50 1.85478 24.8 30.61
9 125.684 (可変) 29.82
10 ∞ 0.50 19.19
11 35.240 0.90 2.00069 25.5 17.92
12 15.326 4.30 1.85025 30.1 16.90
13 591.666 (可変) 16.26
14 22.913 1.00 2.00069 25.5 15.23
15 14.799 3.20 1.51823 58.9 14.62
16 64.989 1.95 14.53
17(絞り) ∞ (可変) 14.64
18* 34.986 5.00 1.49700 81.5 15.03
19 -34.275 4.57 15.19
20 -20.081 0.90 1.85478 24.8 15.28
21 25.189 5.60 1.92286 20.9 17.12
22 -20.719 0.30 18.03
23 -49.623 4.85 1.49700 81.5 18.02
24 -13.283 0.80 1.77047 29.7 18.31
25 94.209 0.30 20.44
26 33.166 6.65 1.59522 67.7 22.32
27 -28.703 (可変) 23.02
28* -26.977 1.20 1.95150 29.8 22.97
29* -106.927 (可変) 24.48
30 155.839 5.00 1.80518 25.4 37.37
31 -95.700 (可変) 38.00
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A4 =-3.71522e-006 A6=-8.33123e-009 A8= 1.87934e-011
A10=-1.53912e-014 A12= 5.11160e-018
第2面
K =-6.67750e-001 A4 =-5.39613e-006 A6=-2.82370e-008 A8=-8.66836e-011
A10= 8.55987e-014
第3面
K = 0.00000e+000 A4 =-1.96419e-005 A6= 6.00839e-008 A8=-8.77427e-011
A10= 7.00538e-014 A12=-2.17642e-017
第4面
K = 2.41969e+000 A4 =-1.41786e-005 A6= 6.80301e-008 A8= 2.54708e-011
A10= 3.78623e-014
第18面
K = 0.00000e+000 A4 = 1.01004e-005 A6=-3.16875e-008 A8= 1.95288e-009
A10=-2.50933e-011 A12= 1.22740e-013
第28面
K = 0.00000e+000 A4 =-5.04728e-006 A6= 2.33745e-008 A8= 4.23117e-010
A10=-1.98750e-012
第29面
K = 0.00000e+000 A4 = 1.66938e-005 A6= 5.24775e-008 A8= 1.42848e-010
A10=-9.03803e-013
各種データ
ズーム比 2.11
広角 中間 望遠
焦点距離 11.30 18.00 23.80
Fナンバー 2.93 3.49 4.09
半画角(°) 62.42 50.24 42.27
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 138.04 131.89 136.22
BF 13.87 19.38 22.14
入射瞳位置 21.34 20.27 19.86
射出瞳位置 -45.34 -59.80 -84.48
前側主点位置 30.49 34.18 38.35
後側主点位置 2.57 1.38 -1.66
間隔データ
広角 中間 望遠 広角 中間 望遠
OBJ 無限 無限 無限 280mm 280mm 280mm
d 9 24.50 7.48 1.00 26.46 9.52 3.43
d13 4.50 3.61 4.57 2.54 1.57 2.14
d17 4.85 3.13 1.00 4.85 3.13 1.00
d27 2.05 3.82 5.17 1.93 3.57 4.66
d29 2.56 8.76 16.62 2.68 9.01 17.13
d31 13.87 19.38 22.14 13.87 19.38 22.14
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -16.63 38.70 8.22 -21.42
2 10 57.64 5.70 0.01 -3.24
3 14 239.11 6.15 -8.93 -13.11
4 18 33.05 28.97 13.86 -10.53
5 28 -38.20 1.20 -0.21 -0.83
6 30 74.29 5.00 1.73 -1.06
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -30.96
2 3 -93.03
3 5 -96.08
4 7 -52.93
5 8 43.05
6 11 -27.73
7 12 18.44
8 14 -44.51
9 15 36.19
10 18 35.69
11 20 -12.95
12 21 13.08
13 23 34.95
14 24 -15.06
15 26 26.93
16 28 -38.20
17 30 74.29
(数値実施例3)
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1* 48.910 3.20 1.76450 49.1 59.81
2* 16.800 9.72 44.21
3* 50.911 2.40 1.85135 40.1 42.97
4* 31.703 6.25 35.22
5 164.177 1.60 1.43875 94.7 34.97
6 59.636 7.10 33.66
7 -67.597 1.40 1.49700 81.5 32.70
8 32.748 5.00 1.85478 24.8 32.21
9 143.304 (可変) 31.78
10 ∞ 0.50 27.73
11 65.439 0.90 2.00069 25.5 26.88
12 25.045 6.20 1.85025 30.1 26.08
13 -258.882 (可変) 25.99
14 48.697 2.70 1.77250 49.6 27.16
15 72.406 0.30 26.96
16 35.241 1.20 2.00069 25.5 27.18
17 21.000 5.82 1.51823 58.9 26.11
18 81.369 7.30 26.15
19(絞り) ∞ (可変) 27.38
20* 34.641 8.50 1.49700 81.5 28.19
21 -36.153 2.72 27.70
22 -31.063 1.00 1.85478 24.8 25.52
23 32.955 6.50 1.92286 20.9 25.88
24 -47.640 0.30 26.09
25 94.207 4.40 1.49700 81.5 25.35
26 -38.129 0.80 1.77047 29.7 25.22
27 72.205 0.30 25.57
28 25.407 7.05 1.59522 67.7 27.30
29 -110.853 (可変) 26.94
30* -596.105 1.20 1.88202 37.2 25.51
31* 37.639 (可変) 25.36
32 118.188 3.30 1.96300 24.1 32.28
33 -1000.000 (可変) 32.80
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0.00000e+000 A4 =-4.08812e-006 A6=-3.84183e-009 A8= 1.44799e-011
A10=-1.36535e-014 A12= 4.76412e-018
第2面
K =-6.95711e-001 A4 =-2.38693e-006 A6=-2.68831e-008 A8=-5.85358e-011
A10= 8.31504e-014
第3面
K = 0.00000e+000 A4 =-1.76742e-005 A6= 4.47027e-008 A8=-6.04816e-011
A10= 2.59679e-014 A12= 1.00276e-017
第4面
K =-8.92251e-001 A4 =-8.91359e-006 A6= 8.42729e-008 A8=-4.38131e-011
A10= 1.82471e-013
第20面
K = 0.00000e+000 A4 = 1.91378e-006 A6= 1.53503e-009 A8= 1.46978e-011
A10=-6.42805e-014 A12= 8.13491e-017
第30面
K = 0.00000e+000 A4 =-1.60809e-005 A6=-3.25453e-009 A8=-3.85420e-011
A10=-3.37311e-014
第31面
K = 0.00000e+000 A4 = 1.19619e-005 A6= 1.64220e-008 A8= 8.08864e-011
A10=-5.75092e-013
各種データ
ズーム比 1.50
広角 中間 望遠
焦点距離 14.30 18.00 21.50
Fナンバー 2.06 2.06 2.06
半画角(°) 56.54 50.24 45.18
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 148.04 141.94 139.46
BF 13.87 16.78 20.30
入射瞳位置 22.85 22.32 22.05
射出瞳位置 -44.62 -45.23 -43.55
前側主点位置 33.66 35.10 36.31
後側主点位置 -0.43 -1.22 -1.20
間隔データ
広角 中間 望遠 広角 中間 望遠
OBJ 無限 無限 無限 280mm 280mm 280mm
d 9 14.55 6.09 0.95 17.16 9.08 4.17
d13 5.76 4.49 4.72 3.15 1.50 1.50
d19 7.30 4.36 1.00 7.30 4.36 1.00
d29 3.18 3.89 4.43 3.09 3.65 4.12
d31 5.71 8.66 10.41 5.80 8.90 10.72
d33 13.87 16.78 20.30 13.87 16.78 20.30
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -18.56 36.67 8.09 -20.02
2 10 80.09 7.60 1.29 -3.05
3 14 185.69 17.32 -11.11 -23.74
4 20 30.39 31.57 11.70 -12.21
5 30 -40.10 1.20 0.60 -0.04
6 32 109.92 3.30 0.18 -1.51
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -34.98
2 3 -104.72
3 5 -214.46
4 7 -44.18
5 8 48.65
6 11 -41.00
7 12 27.13
8 14 183.41
9 16 -54.22
10 17 52.88
11 20 37.07
12 22 -18.57
13 23 21.96
14 25 55.22
15 26 -32.28
16 28 35.41
17 30 -40.10
18 32 109.92
各数値実施例における種々の値を、以下の表1にまとめて示す。
【0064】
【0065】
[撮像装置]
次に、本発明のズームレンズB0を撮像光学系として用いたデジタルカメラ(撮像装置)の実施例について、
図10を用いて説明する。
図10は、本実施例の撮像装置(デジタルスチルカメラ)10の概略図である。撮像装置10は、カメラ本体13と、上述した実施例1乃至3のいずれかと同様であるズームレンズ11と、ズームレンズ11によって形成される光学像を光電変換する受光素子(撮像素子)12を備える。
【0066】
本実施例の撮像装置10は、小型で物体距離全域にわたり高い光学性能が得られる超広角ズームレンズ11を有するため、高品位な画像を得ることができる。
【0067】
なお、受光素子12としては、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子を用いることができる。このとき、受光素子12により取得された画像の歪曲収差や色収差等の諸収差を電気的に補正することにより、出力画像を高画質化することもできる。カメラ本体13はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでも良いし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでも良い。
【0068】
なお、上述した各実施例のズームレンズB0は、
図10に示したデジタルスチルカメラに限らず、銀塩フィルム用カメラやビデオカメラ、望遠鏡等の種々の光学機器に適用することができる。
[撮像システム]
なお、各実施例のズームレンズB0と、ズームレンズB0を制御する制御部とを含めた撮像システム(監視カメラシステム)を構成してもよい。この場合、制御部は、ズーミングやフォーカシング、像ぶれ補正に際して各レンズ群が上述したように移動するようズームレンズB0を制御することができる。このとき、制御部がズームレンズB0と一体的に構成されている必要はなく、制御部をズームレンズB0とは別体として構成してもよい。例えば、ズームレンズB0の各レンズを駆動する駆動部に対して遠方に配置された制御部(制御装置)が、ズームレンズB0を制御するための制御信号(命令)を送る送信部を備える構成を採用してもよい。このような制御部によれば、ズームレンズB0を遠隔操作することができる。
【0069】
また、ズームレンズB0を遠隔操作するためのコントローラーやボタンなどの操作部を制御部に設けることで、ユーザーの操作部への入力に応じてズームレンズB0を制御する構成を採ってもよい。例えば、操作部として拡大ボタン及び縮小ボタンを設ける。そして、ユーザーが拡大ボタンを押したらズームレンズB0の倍率が大きくなり、ユーザーが縮小ボタンを押したらズームレンズB0の倍率が小さくなるように、制御部からズームレンズB0の駆動部に信号が送られるように構成すればよい。
【0070】
また、撮像システムは、ズームレンズB0のズームに関する情報(移動状態)を表示する液晶パネルなどの表示部を有していてもよい。ズームレンズB0のズームに関する情報とは、例えばズーム倍率(ズーム状態)や各レンズ群の移動量(移動状態)である。この場合、表示部に示されるズームレンズB0のズームに関する情報を見ながら、操作部を介してユーザーがズームレンズB0を遠隔操作することができる。このとき、例えばタッチパネルなどを採用することで表示部と操作部とを一体化してもよい。
【0071】
上記各実施例の開示は、以下の構成を含む。
【0072】
(構成1)
物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、複数のレンズ群を含み、全体として正の屈折力の後群を有し、広角端から望遠端へのズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力のレンズ群Fpと、少なくとも2つの正の屈折力のレンズ群と、負の屈折力のレンズ群Fnを含み、
前記レンズ群Fpおよび前記レンズ群Fnが、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して移動し、
広角端における前記ズームレンズの入射瞳位置をENPw、広角端における前記ズームレンズの焦点距離をfwとするとき、
1.0<ENPw/fw<3.0
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
(構成2)
無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して、前記レンズ群Fpは像側へ移動し、
広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記レンズ群Fpと前記レンズ群Fpの像側に隣接して配置されたレンズ群との間隔は狭まることを特徴とする構成1に記載のズームレンズ。
(構成3)
無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して、前記レンズ群Fnは物体側へ移動し、
広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記レンズ群Fnと前記レンズ群Fnの像側に隣接して配置されたレンズ群との間隔は広がることを特徴とする構成1または2に記載のズームレンズ。
(構成4)
前記レンズ群Fnの物体側に隣接して配置された正の屈折力のレンズ群の光軸上の厚さをDp、広角端における前記ズームレンズの最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をLwとするとき、
0.05<Dp/Lw<0.40
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から3のいずれかに記載のズームレンズ。
(構成5)
広角端における前記ズームレンズの射出瞳位置から像面までの光軸上の距離をPOw、広角端における前記ズームレンズのバックフォーカスの空気換算長をBFwとするとき、
2.0<Pow/BFw<6.0
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から4のいずれかに記載のズームレンズ。
(構成6)
前記レンズ群Fpの焦点距離をfFpとするとき、
3.0<fFp/fw<8.0
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から5のいずれかに記載のズームレンズ。
(構成7)
前記レンズ群Fnの焦点距離をfFnとするとき、
-10<fFn/fw<-1
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から6のいずれかに記載のズームレンズ。
(構成8)
前記レンズ群Fpの像側に隣接して配置された正の屈折力のレンズ群の焦点距離をfBaとするとき、
4.0<fBa/fw<100.0
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から7のいずれかに記載のズームレンズ。
(構成9)
前記第1レンズ群の光軸上の厚さをD1とするとき、
1.0<D1/fw<5.0
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から8のいずれかに記載のズームレンズ。
(構成10)
前記第1レンズ群は、3または4枚の負レンズと、1枚の正レンズを含むことを特徴とする構成1から9のいずれかに記載のズームレンズ。
(構成11)
前記第1レンズ群は、前記第1レンズ群の最も物体側に配置された物体側に凸形状の負メニスカスレンズL11と、該負メニスカスレンズL11の像側に隣接して配置された物体側に凸形状の負メニスカスレンズL12を含むことを特徴とする構成1から10のいずれかに記載のズームレンズ。
(構成12)
前記負メニスカスレンズL11の屈折率をN11、前記負メニスカスレンズL12の屈折率をN12とするとき、
0.86<N11/N12<1.00
なる条件式を満足することを特徴とする構成11に記載のズームレンズ。
(構成13)
前記後群は、最も像側に配置された正の屈折力のレンズ群を含み、
広角端における前記ズームレンズのバックフォーカスをBFwとするとき、
0.2<BFw/fw<3.0
なる条件式を満足することを特徴とする構成1から12のいずれかに記載のズームレンズ。
(構成14)
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群、正の屈折力の第6レンズ群からなることを特徴とする構成1から13のいずれかに記載のズームレンズ。
(構成15)
広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群は移動し、前記第2レンズ群は物体側へ移動し、前記第3レンズ群は物体側へ移動し、前記第4レンズ群は物体側へ移動し、前記第5レンズ群は物体側へ移動し、前記第6レンズ群は物体側へ移動することを特徴とする構成14に記載のズームレンズ。
(構成16)
広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群は、像側に凸の軌跡で移動することを特徴とする構成1から15のいずれかに記載のズームレンズ。
(構成17)
前記レンズ群Fpは、負レンズと正レンズの接合レンズからなることを特徴とする構成1から16のいずれかに記載のズームレンズ
(構成18)
前記レンズ群Fnは負レンズからなることを特徴とする構成1から17のいずれかに記載のズームレンズ。
(構成19)
前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の間に開口絞りが配置されていることを特徴とする構成14または15に記載のズームレンズ。
(構成20)
構成1から19のいずれかに記載のズームレンズと、該ズームレンズよって形成される像を受光する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
(構成21)
構成1から19のいずれかに記載のズームレンズと、ズーミングに際して前記ズームレンズを制御する制御部とを有することを特徴とする撮像システム。
(構成22)
前記制御部は、前記ズームレンズとは別体として構成されており、前記ズームレンズを制御するための制御信号を送信する送信部を有することを特徴とする構成21に記載の撮像システム。
(構成23)
前記制御部は、前記ズームレンズとは別体として構成されており、前記ズームレンズを操作するための操作部を有することを特徴とする構成21または22に記載の撮像システム。
(構成24)
前記ズームレンズのズームに関する情報を表示する表示部を有することを特徴とする構成21から23のいずれかに記載の撮像システム。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0074】
たとえば、ズームレンズB0の物体側または像側に、弱い屈折力のレンズ群や平板などの屈折力を有さない素子を配置してもよい。
【符号の説明】
【0075】
Bi 第iレンズ群
BR 後群
FP フレアカット絞り
SP 開口絞り
IP 像面