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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042651
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】モビリティユニット
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/343 20060101AFI20240321BHJP
   B60P 3/335 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
E04B1/343 Q
B60P3/335
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132196
(22)【出願日】2023-08-15
(62)【分割の表示】P 2022146631の分割
【原出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】馬場 純
(72)【発明者】
【氏名】仁木 政揮
(72)【発明者】
【氏名】吉崎 遼
(57)【要約】
【課題】自動車によって牽引・搬送が可能なモビリティユニットの内部に、安全性を考慮しつつ、十分な広さの収納スペースを確保する。
【解決手段】第一床10と、屋根11と、第一床10と屋根11との間に設けられた四面の側壁12~15と、を備えて箱状に形成され、台車2に載せられて自動車によって搬送されるモビリティユニット1であり、第一床10の一部の上方に配置された第二床16は、支持壁17によって下方から支持されるとともに、四面の側壁12~15のうち少なくとも一つの側壁に固定されており、第二床16は、支持壁17に対してオーバーハングした状態となっていて、第二床16における支持壁17に対してオーバーハングしている側の先端部の下方には、当該先端部の幅方向に亘って、当該先端部を支持する他の壁が設けられていない。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一床と、屋根と、前記第一床と前記屋根との間に設けられた四面の側壁と、を備えて箱状に形成され、台車に載せられて自動車によって搬送されるモビリティユニットであって、
前記第一床の一部の上方に、前記第一床と平行して第二床が配置され、
前記第二床は、前記第一床に立設された支持壁によって下方から支持されるとともに、前記四面の側壁のうち少なくとも一つの側壁に固定され、
前記第二床の下方に第一空間が形成され、上方に第二空間が形成されており、
前記支持壁は、前記第二床の端部よりも前記第一空間の中央側に寄せられて配置され、前記第二床は、前記支持壁に対してオーバーハングした状態となっていて、
前記第二床における前記支持壁に対してオーバーハングしている側の先端部の下方には、当該先端部の幅方向に亘って、当該先端部を支持する他の壁が設けられていないことを特徴とするモビリティユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のモビリティユニットにおいて、
前記支持壁は、前記四面の側壁のうち少なくとも一つの側壁に平行して配置され、
前記支持壁には、前記第一空間に出入りするための室内側開口部が形成されていることを特徴とするモビリティユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のモビリティユニットにおいて、
前記第二床における前記先端部の幅寸法は、前記室内側開口部の幅寸法よりも長く設定されていることを特徴とするモビリティユニット。
【請求項4】
請求項1に記載のモビリティユニットにおいて、
前記第二床における前記先端部は、幅方向一端部から他端部にかけて真っ直ぐに形成されていることを特徴とするモビリティユニット。
【請求項5】
請求項1に記載のモビリティユニットにおいて、
前記第二床は、前記四面の側壁のうち互いに直交する二つ又は三つの前記側壁に固定されていることを特徴とするモビリティユニット。
【請求項6】
請求項1に記載のモビリティユニットにおいて、
前記四面の側壁のうち前記第一空間に面する側壁のいずれかに、前記第一空間と屋外とを連通する屋外側開口部が形成されていることを特徴とするモビリティユニット。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のモビリティユニットにおいて、
前記第二床は、前記第一床と前記屋根との間に位置し、前記屋根よりも前記第一床に近接して配置されていて、前記第一空間の天井高は、前記第二空間の天井高よりも低く設定されて、前記第一空間は、物品の収納スペースである低天井収納室とされていることを特徴とするモビリティユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーラーハウス等のモビリティユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、簡易的に移設や設置が可能なモビリティユニットについては、コンテナハウスやトレーラーハウス、キャンピングカー等として広く知られている。また、モビリティユニットは、住居や店舗、事務所として常設されたり、仮設の宿泊施設として利用されたり、自然災害時における仮設住宅としても利用されるなど、近年、需要が高まっている。
特許文献1に記載のトレーラーハウスは、台車に載せられて自動車によって牽引・搬送され、台車に載せられた状態のまま、定置可能な場所に定置可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-181421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トレーラーハウス等のモビリティユニットは、自動車によって牽引・搬送されるため、法規制(道路運送車両法等)内に収まる大きさとなっている。これにより、たとえ予期せぬ自然災害時であってもすぐに移動ができて臨機応変な対応が可能となっていることが大きな利点となっている。その反面、モビリティユニットは、法規制内に収まる大きさであることから、室内の広さに限りがあり、十分な収納スペースを確保できないという問題があった。
しかしながら、収納スペースを確保するために、収納用の置き家具を室内に設置すれば居住スペースが狭くなってしまうことは言うまでもない。それに加えて、モビリティユニットは、自動車によって牽引・搬送されることが前提となっている。そのため、安全性を考慮すると、例えば箪笥等を始めとする背の高い置き家具や器具などは、バランスを取ることが難しく、なるべく設置しない方が望ましい。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、自動車によって牽引・搬送が可能なモビリティユニットの内部に、安全性を考慮しつつ、十分な広さの収納スペースを確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば図1図9に示すように、第一床10と、屋根11と、前記第一床10と前記屋根11との間に設けられた四面の側壁12~15と、を備えて箱状に形成され、台車2に載せられて自動車によって搬送されるモビリティユニット1であって、
前記第一床10の一部の上方に、前記第一床10と平行して第二床16が配置され、
前記第二床16は、前記第一床10に立設された支持壁17によって下方から支持されるとともに、前記四面の側壁12~15のうち少なくとも一つの側壁に固定され、
前記第二床16の下方に第一空間21が形成され、上方に第二空間22が形成されており、
前記支持壁17は、前記第二床16の端部よりも前記第一空間21の中央側に寄せられて配置され、前記第二床16は、前記支持壁17に対してオーバーハングした状態となっていて、
前記第二床16における前記支持壁17に対してオーバーハングしている側の先端部の下方には、当該先端部の幅方向に亘って、当該先端部を支持する他の壁が設けられていないことを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、第二床16の下方に第一空間21が形成され、上方に第二空間22が形成されているので、第一空間21と第二空間22のうち一方を収納スペースとして利用できるとともに、他方を居住スペースとして利用することができる。また、居住スペースとして利用される空間の床下又は天井裏を収納スペースとして利用できるので、収納用の置き家具を設置して居住スペース20が狭まるようなことを防ぎつつ、十分な広さの収納スペースを確保できることとなる。
さらに、第二床16は、第一床10に立設された支持壁17によって下方から支持されるとともに、四面の側壁12~15のうち少なくとも一つの側壁に固定されているので、支持壁17と四面の側壁12~15のうち少なくとも一つの側壁によって安定的に支持されることになり、自動車による牽引・搬送時における安全性が高い。
また、支持壁17は、第二床16の端部よりも第一空間21の中央側に寄せられて配置され、第二床16は、支持壁17に対してオーバーハングした状態となっているので、第一空間21を、支持壁17によって一方側と他方側に区切ることができ、第一空間21のうち、第二床16におけるオーバーハングした部分の下方を、モビリティユニット1の内部空間における第一空間21の外部側(居住スペース20)に開放できる。すなわち、第二空間22の床面積を変更せずに、第一空間21を一方と他方に区切ることができるので、第一空間21のうち、第二床16におけるオーバーハングした部分の下方を、露出した収納スペースとして確保したり、居住スペース20の拡張を図ったりすることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば図4図9に示すように、請求項1に記載のモビリティユニット1において、
前記支持壁17は、前記四面の側壁12~15のうち少なくとも一つの側壁に平行して配置され、
前記支持壁17には、前記第一空間21に出入りするための室内側開口部30が形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、支持壁17には、第一空間21に出入りするための室内側開口部30が形成されているので、第二床16が、例えば四面の側壁12~15のうち三面の側壁12~15に固定された場合であっても、第一空間21への出入りが可能となり、使い勝手が良い。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図4図9に示すように、請求項2に記載のモビリティユニット1において、
前記第二床16における前記先端部の幅寸法は、前記室内側開口部30の幅寸法よりも長く設定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図4図9に示すように、請求項1に記載のモビリティユニット1において、
前記第二床16における前記先端部は、幅方向一端部から他端部にかけて真っ直ぐに形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば図4図9に示すように、請求項1に記載のモビリティユニット1において、
前記第二床16は、前記四面の側壁12~15のうち互いに直交する二つ又は三つの前記側壁に固定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、例えば図1図9に示すように、請求項1に記載のモビリティユニット1において、
前記四面の側壁12~15のうち前記第一空間21に面する側壁のいずれかに、前記第一空間21と屋外とを連通する屋外側開口部32が形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、四面の側壁12~15のうち第一空間21に面する側壁のいずれかに、第一空間21と屋外とを連通する屋外側開口部32が形成されているので、屋外側から第一空間21を使用することができる。
さらに、モビリティユニット1を台車2に載せた状態で利用した場合に、屋外側開口部32は、台車2の直上に配置されることとなるので、地面に立つ人の腰高以上の高さに配置されることとなる。これにより、屋外側開口部32を開放したときに屋外側から第一空間21を見ると、目線よりも若干低い程度の高さで、第一空間21の内部が見えることとなる。そのため、第一空間21に物品を収納すれば、屋外側開口部32からの出し入れが行いやすい。
【0018】
請求項7に記載の発明は、例えば図4図9に示すように、請求項1から6のいずれか一項に記載のモビリティユニット1において、
前記第二床は、前記第一床と前記屋根との間に位置し、前記屋根よりも前記第一床に近接して配置されていて、前記第一空間の天井高は、前記第二空間の天井高よりも低く設定されて、前記第一空間は、物品の収納スペースである低天井収納室とされていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、天井高の低い第一空間21を収納スペースとして利用すれば、物品を、モビリティユニット1のうち低い高さ位置に納めておくことができるので、モビリティユニット1が自動車によって牽引・搬送されることを考慮すると、例えば高い位置に物品が収納される場合に比して安全性が高い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、自動車によって牽引・搬送が可能なモビリティユニットの内部に、安全性を考慮しつつ、十分な広さの収納スペースを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】モビリティユニットの使用例を示す斜視図である。
図2】モビリティユニットを示す斜視図である。
図3】モビリティユニットの背面を示す立面図である。
図4】モビリティユニットの内部を透視した状態を示す斜視図である。
図5】モビリティユニットを示す平断面図である。
図6】モビリティユニットを示す縦断面図である。
図7図6におけるVII-VII断面図である。
図8】第一空間及び第二空間の使用例を示す斜視図である。
図9】モビリティユニットの変形例を示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下の実施形態及び図示例における方向は、あくまでも説明の便宜上設定したものである。
【0023】
図1において符号1は、モビリティユニットを示す。本実施形態におけるモビリティユニット1は、トレーラーハウスであり、台車2に載せられて自動車(図示省略)によって牽引・搬送され、台車2に載せられた状態のまま、定置可能な場所に定置される。
なお、本実施形態におけるモビリティユニット1は、トレーラーハウスとされているが、これに限られるものではなく、台車2から降ろされて使用されるコンテナハウスであってもよい。その場合、モビリティユニット1は、基礎の上に設置される。
【0024】
図1に示す例において、モビリティユニット1は、他のモビリティユニット100とセットで用いられている。二つのモビリティユニット1,100間には、階段付きデッキ200が配置され、この階段付きデッキ200を通じて行き来が可能となっている。
階段付きデッキ200は、脚部によって支持される本体デッキ210と、地面と本体デッキ210上との間を移動できるようにする階段220と、を備えている。また、本体デッキ210のうち、階段220とは反対側の端部には手摺230が設けられている。
本体デッキ210上にテーブルや椅子を設置し、本体デッキ210を、屋外(アウトドア)のリビングとして利用することが好ましい。
【0025】
また、モビリティユニット1,100は、車検を取得し、かつ、法規制(建築基準法、道路運送車両法)内の大きさに設定されている(保安基準第2条の制限値:車幅2.5m以内、車長12m以内、車高3.8m以内)。これにより、モビリティユニット1は、公道を適法に移動することができる。ただし、特別な許可を受けることで、制限値より大きいサイズに設定される場合もある。
さらに、モビリティユニット1は、定置場所に定置するのに必要とされる全ての基準を満たすものとする。
【0026】
台車2は、シャーシとも呼ばれるものであり、車輪3aが取り付けられた支持台3と、支持台3に着脱自在に設けられた複数の支持脚4と、を備えている。
支持台3は、モビリティユニット1における箱状のユニット本体が載せられて一体化されている。また、この支持台3の前側端部には、前方に突出して設けられて自動車に連結される連結部(図示省略)が一体形成されているものとする。
複数の支持脚4は、支持台3の四隅と、車輪3a近傍(支持台3の長さ方向中央)の二箇所の、計6か所に設けられている。なお、支持脚4は、支持台3に接する部位を手動で昇降させることが可能なジャッキ装置である。
【0027】
なお、図1に示す例において、階段付きデッキ200を挟んで設置されたモビリティユニット1と他のモビリティユニット100は、宿泊施設として使用されている。
また、後述する第一空間21は、宿泊施設の管理者が、宿泊者用のリネン類やアメニティグッズ、その他の各種備品の収納スペースや、分電盤や蓄電池等の各種設備の設置スペースとして利用している。そのため、第一空間21は、管理者のみが使用できるようになっているものとする。
ただし、モビリティユニット1の用途が宿泊施設でない場合は、第一空間21の使用者も異なるものとする。もしくは、モビリティユニット1の用途が宿泊施設の場合も、第一空間21の使用者が管理者である必要はなく、例えば宿泊者であってもよい。
【0028】
(モビリティユニットの構成)
次に、モビリティユニット1の構成について詳細に説明する。
トレーラーハウスである本実施形態のモビリティユニット1は、台車2を含んで構成されているものとするが、以下では、台車2の支持台3に載せられる箱状のユニット本体について説明する。
【0029】
ユニット本体は、図1図8に示すように、外郭部として、支持台3に載せられて一体化される第一床10と、屋根11と、第一床10と屋根11との間に設けられた四面の側壁12~15と、を備えて箱状に形成されている。
このようなユニット本体は、一方向(前後方向)に長く、他方向(左右方向)に短く形成されて直方体状に形成されている。
【0030】
第一床10は、一方向(前後方向)に長く、他方向(左右方向)に短く形成されて平面視長方形となっている。そして、モビリティユニット1内の空間における最下方の床の全面を構成している。
なお、第一床10は、床本体が、内部中空状の建築用木質パネルによって構成されている。床本体の上面には床仕上げ材(例えばフローリング材)が設けられ、内部中空部には断熱材が充填されている。
【0031】
屋根11は、階段付きデッキ200側(右側)が高く、その反対側(左側)が低くなっている片流れ屋根とされている。
これにより、アウトドアリビングである本体デッキ210上に雨水が流れることを防ぐことができる。また、後述するが、ユニット本体の階段付きデッキ200側には出入口15aが設けられるため、出入口15aに雨水が流れることも防ぐことができる。
なお、屋根11は、屋根本体が、内部中空状の建築用木質パネルによって構成されている。屋根本体の表面には屋根材(例えばガルバリウム鋼板屋根)(ガルバリウム鋼板は商標登録である)が設けられ、内部中空部には断熱材が充填されている。
また、屋根本体の下面には天井材(例えば化粧貼り天井板材)が取り付けられている。屋根11は片流れ屋根であるため、ユニット本体の内部から見た場合、天井は勾配天井となっている。ただし、これに限られるものではなく、屋根本体の下方に野縁や天井材等からなる水平な天井を形成してもよい。
【0032】
四面の側壁は、第一側壁12と、第二側壁13と、第三側壁14と、第四側壁15と、を有している。
第一側壁12は、第一床10の長さ方向一端部側(前端部側)に設けられている。
第二側壁13は、第一床10の長さ方向他端部側(後端部側)に設けられている。
第三側壁14は、第一側壁12の幅方向一端部(左側端部)と第二側壁13の幅方向一端部(左側端部)との間に設けられている。
第四側壁15は、第一側壁12の幅方向他端部(右側端部)と第二側壁13の幅方向他端部(右側端部)との間に設けられている。
第一側壁12及び第二側壁13は、ユニット本体における前後面を形成し、幅寸法(左右方向の寸法)が短い。第三側壁14及び第四側壁15は、ユニット本体における左右面を形成し、幅寸法(前後方向の寸法)が長い。
なお、四面の側壁12~15は、壁本体が、内部中空状の建築用木質パネルによって構成されている。壁本体の屋外側には外壁材(例えばガルバリウム鋼板外壁やサイディング材)が設けられ、屋内側には内壁材(例えば石膏ボード)が設けられるとともに壁仕上げ材(例えばクロス)が施され、内部中空部には断熱材が充填されている。
【0033】
第三側壁14には、下端部の高さが第一床10よりも上方に位置する腰高窓として、開閉可能に構成された開閉窓14aと、開閉できない嵌め殺し窓14bが横並びに設けられている。開閉窓14a及び嵌め殺し窓14bは、双方ともガラス窓とされている。
【0034】
第四側壁15には、下端部の高さが第一床10と略等しく、上端部の高さが屋根11の近傍に到達する建具付きの出入口15aが形成されている。また、第四側壁15には、出入口15aと同一の高さに設定された嵌め殺し窓15bが、出入口15aと横並びに設けられている。出入口15aの建具及び嵌め殺し窓15bは、双方ともガラス建具、ガラス窓(ガラス壁)とされている。
【0035】
以上のような外郭部(第一床10、屋根11、四面の側壁12~15)によって囲まれたユニット本体の内部において、第一床10の一部の上方には、この第一床10と平行して第二床16が配置されている。
第二床16は、第一床10に立設された支持壁17によって下方から支持されている。
また、第二床16は、四面の側壁12~15のうち少なくとも一つの側壁に固定されている。本実施形態の第二床16は、図4図8に示すように、第二側壁13、第三側壁14、第四側壁15の三方の側壁に対して固定されている。
このような第二床16は、平面視正方形状に形成されている。そして、第二側壁13とは反対側の端部が、第三側壁14の嵌め殺し窓14b及び第四側壁15の嵌め殺し窓15bの直近に位置している。
なお、第二床16は、床本体が、内部中空状の建築用木質パネルによって構成されている。床本体の上面には床仕上げ材(例えばタイルカーペット)が設けられ、床本体の下面には天井材が設けられ、内部中空部には断熱材が充填されている。
【0036】
第二床16は、ユニット本体の内部のうち当該第二床16が設けられた部分の空間を上下に仕切っている。これにより、第二床16の下方には第一空間21が形成され、第二床16の上方には第二空間22が形成されることとなる。
また、第二床16は、屋根11よりも第一床10に近接して配置されている。これにより、第一空間21の天井高は、第二空間22の天井高よりも低く設定されることとなる。なお、第一空間21の天井高は、700~800mm程度に設定されている。また、第二空間22の天井高は、最も高い部分で1500~1600mm程度に設定されており、平均的な身長の成人男性が若干腰をかがめて歩行できる。
このように第二床16は、屋根11よりも、第一床10に対して近接して配置されているため、第一空間21は、第二空間22に比しておおよそ半分の天井高に設定された低天井な空間となる。
なお、仮に、第二床16を、第一床10よりも屋根11に近接して配置してしまうと、第二空間22はロフトとして認識されることが考えられる。ロフトは、高い位置の収納スペースとして利用されたり、ベッドルーム(ロフトベッド)として利用されたりする。ロフトに上がるためには、梯子等の背の高い器具が必要となるし、高い位置に多くの物品が収納される場合がある。そのため、自動車によって牽引・搬送されるモビリティユニット1としての安全性を考慮すると、第二床16を、屋根11に近接して配置するよりも、第一床10に近接して配置した方が望ましい。
【0037】
第二床16の前側端部には、柵16aが第三側壁14側に寄せて設けられている。柵16aは、第四側壁15との間に間隔を空けた状態で配置されている。これにより、柵16aと第四側壁15との間は、人が、第一床10と第二床16上との間を行き来する場合の通路となる。
【0038】
第二床16を支持する支持壁17は、本実施形態においては、第一側壁12と第二側壁13に平行して配置されている。また、支持壁17は、第一側壁12よりも第二側壁13に近い位置に配置されている。さらに、支持壁17は、第三側壁14と第四側壁15との間に亘って設けられている。
しかも、本実施形態においては、支持壁17は、第二床16における前側端部よりも第一空間21の中央側に寄せられて配置されている。これにより、第二床16は、支持壁17に対してオーバーハングした状態となっている。換言すれば、第二床16の下方空間である第一空間21は、支持壁17によって前方側と後方側に区切られており、第一空間21の前方側は、前方に向かって開放された状態となっている。
なお、支持壁17は、壁本体が、内部中空状の建築用木質パネルによって構成されている。壁本体の表裏両面には内壁材(例えば石膏ボード)が設けられるとともに壁仕上げ材(例えばクロス)が施され、内部中空部には断熱材が充填されている。
【0039】
また、支持壁17には、第一空間21に出入りするための室内側開口部30が形成されている。室内側開口部30は、第一床10に設けられて第二床16を下方から支持する支持壁17に形成されているため、支持壁17のうち第二床16よりも上方には形成されない。そのため、室内側開口部30の高さ寸法は、必然的に、第一床10と第二床16との間に収まる範囲に設定されることとなる。
【0040】
さらに、室内側開口部30には、当該室内側開口部30を開閉する錠31b付きの第一建具31が設けられている。
本実施形態の第一建具31は引戸であり、室内側開口部30を開放したときに、支持壁17における第四側壁15側部と重なるようにして収まる。
第一建具31には、第一建具31を開閉操作する際に指を引っ掛ける指掛かり31aがある。また、第一建具31には、錠31bが付属しているため、室内側開口部30を閉塞した状態でロックすることができる。
なお、本実施形態のモビリティユニット1は宿泊施設であり、第一空間21は宿泊施設の管理者によって使用されるため、錠31bは、管理者にのみ操作可能となっている。
【0041】
第一空間21への出入りは、支持壁17に形成された室内側開口部30だけでなく、屋外側開口部32からも行うことができる。
すなわち、屋外側開口部32は、第一空間21と屋外とを連通する開口部であり、四面の側壁12~15のうち第一空間21に面する側壁のいずれかに形成されている。本実施形態においては、第二側壁13に形成されているものとするが、他の側壁に形成されてもよいし、複数形成されてもよい。
このような屋外側開口部32は第一空間21に面しているため、第二側壁13のうち第二床16よりも上方には形成されない。そのため、屋外側開口部32の高さ寸法は、必然的に、第一床10と第二床16との間に収まる範囲に設定されることとなる。
なお、モビリティユニット1は台車2に載せられているため、屋外側開口部32は、モビリティユニット1の下端部にあるとは言え、地面に立つ人の腰高以上の高さに配置されることとなる。そのため、屋外側開口部32を開放したときに屋外側から第一空間21を見ると、目線に近い高さや目線よりも若干低い高さで、第一空間21の物品等が見えることとなる。
【0042】
さらに、屋外側開口部32には、当該屋外側開口部32を開閉する錠33b付きの第二建具33が設けられている。
本実施形態の第二建具33は片開戸であり、屋外側開口部32を開放したときに、屋外側に向かって回転移動する。
第二建具33には、第二建具33を開閉操作する際に把持する把手33aが設けられている。また、第二建具33には、錠33bが付属しているため、屋外側開口部32を閉塞した状態でロックすることができる。
なお、本実施形態のモビリティユニット1は宿泊施設であり、第一空間21は宿泊施設の管理者によって使用されるため、錠33bは、管理者にのみ操作可能となっている。
【0043】
以上のようなユニット本体の内部は、出入口15aから入った位置がメインの居住スペース20とされており、通常の天井高(第一床10から屋根11下面の勾配天井までの高さ)とされている。
【0044】
そして、第二床16の上方空間である第二空間22は、居住スペース20に対して隔てがなく、空間的に連続しており、居住スペース20と連続する空間として認識される。この第二空間22は、小上がり空間とも称呼され、例えば寝室(ベッドルーム)として好適に利用される。
【0045】
第二床16の下方空間である第一空間21は、上記のように、支持壁17が、第二床16の前側端部よりも第一空間21の中央側(第二側壁13側)に寄せて配置されている。そして、第一空間21は、支持壁17によって前方側と後方側に区切られている。そのため、第一空間21の前方側は、居住スペース20に前方に向かって開放された状態となっている。換言すれば、この第一空間21における前方側スペースは、第二空間22と同様に、居住スペース20に対して隔てがなく、空間的に連続しており、居住スペース20と連続する空間として認識される。
また、第一空間21は、上記のように天井高が低いため、人の出入りよりも物品の収納や各種設備(分電盤、蓄電池等)の設置に適している。そのため、第一空間21は、例えば物品や各種設備、備品等の収納スペースとして好適に利用される。すなわち、第一空間21は、低天井収納空間(低天井収納室)とされている。
ただし、第一空間21における前方側スペースは、上記のように居住スペース20と連続しているため、モビリティユニット1の利用者が持ち込んだ荷物を邪魔にならないように一時的に置いておくような場所として好適に機能する。
【0046】
また、第一空間21のうち前方側スペースには、図8に示すように、例えば、階段型収納家具40や居住スペース20に亘って設置されたベンチ型収納家具41の後端部が収納されている。
階段型収納家具40は、第一床10と第二床16との間を昇降する際に用いられるとともに、側面から物品を収納できるように形成されている。階段型収納家具40は、第二空間22に上がる際に、前方側スペースから引き出して使うことができる。なお、この階段型収納家具40の底面には、フェルトが貼設されており、前方側スペースから引き出すことを可能としつつ、自動車による搬送時にむやみに動きにくい。
ベンチ型収納家具41は、上面が座面とされて、引き出し収納部を備えた収納家具であり、第一床10又は第三側壁に固定されている。
また、第一空間21のうち後方側スペースには、図8に示すように、例えば、ワゴン42が収納されている。ワゴン42は、ストッパー付きのキャスターを備える。
すなわち、第一空間21の後方側スペースに収納される家具は、例えばワゴン42のように、第一空間21の天井高を超えることがないことは言うまでもない。また、キャスターにはストッパーが必須とされる。
一方、第一空間21の前方側スペースに収納される家具は、当然、第一空間21の天井高を超えることがないことは言うまでもないが、極力、二つ以上の機能を有する兼用家具であることが好ましい。
さらに言えば、モビリティユニット1内に設置される他の家具等は、自動車による牽引・搬送時の安全性を考慮し、せいぜい腰高までの高さであることが望ましく、しかも、床(第一床10、第二床16)又は側壁(四面の側壁12~15)に固定されている。より上方の高い位置に収納を設けたい場合は、吊り戸棚を四面の側壁12~15のいずれかの上端部に固定し、正面の戸は、磁石やロック機構等により容易に開かないようにすることが望ましい。
【0047】
ユニット本体の前方側には、仕切壁を介して居住スペース20に隣り合うトイレ23及びシャワールーム24が設けられている。トイレ23には、洗面台も設置されることが望ましい。
【0048】
なお、以上のように構成されたモビリティユニット1と隣り合う他のモビリティユニット100は、モビリティユニット1と同様に、第一床(図示省略)と、屋根111と、第一床と屋根111との間に設けられた四面の側壁113,114,115と、を備えて箱状に形成されている。そして、階段付きデッキ200側の側壁115には、出入口115a及び嵌め殺し窓115b(ガラス壁)が設けられている。
このような他のモビリティユニット100の内部には、例えばキッチン等のような、モビリティユニット1側にない機能の部屋があるものとする。ただし、モビリティユニット1を単独で用いる場合は、モビリティユニット1内にキッチンに必要な設備等(流し台、冷蔵庫など)を設けてもよい。
【0049】
本実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、第二床16の下方に第一空間21が形成され、上方に第二空間22が形成されているので、第一空間21と第二空間22のうち一方を収納スペースとして利用できるとともに、他方を居住スペースとして利用することができる。また、居住スペースとして利用される空間の床下又は天井裏を収納スペースとして利用できるので、収納用の置き家具を設置して居住スペース20が狭まるようなことを防ぎつつ、十分な広さの収納スペースを確保できることとなる。
さらに、第二床16は、第一床10に立設された支持壁17によって下方から支持されるとともに、四面の側壁12~15のうち少なくとも一つの側壁に固定されているので、支持壁17と四面の側壁12~15のうち少なくとも一つの側壁によって安定的に支持されることになり、自動車による牽引・搬送時における安全性が高い。
【0050】
また、支持壁17には、第一空間21に出入りするための室内側開口部30が形成されているので、第二床16が、例えば四面の側壁12~15のうち三面の側壁12~15に固定された場合であっても、第一空間21への出入りが可能となり、使い勝手が良い。
【0051】
また、室内側開口部30には、当該室内側開口部30を開閉する錠31b付きの第一建具31が設けられているので、必要に応じて室内側開口部30を開閉できる。これにより、室内側開口部30を閉塞しておけば、モビリティユニット1の内部空間における第一空間21の外部側(居住スペース20)から第一空間21の内部が見えないように遮蔽できるので見栄えが良い。
【0052】
また、支持壁17は、第二床16の端部よりも第一空間21の中央側に寄せられて配置され、第二床16は、支持壁17に対してオーバーハングした状態となっているので、第一空間21を、支持壁17によって一方側と他方側に区切ることができ、第一空間21のうち、第二床16におけるオーバーハングした部分の下方を、モビリティユニット1の内部空間における第一空間21の外部側(居住スペース20)に開放できる。すなわち、第二空間22の床面積を変更せずに、第一空間21を一方と他方に区切ることができるので、第一空間21のうち、第二床16におけるオーバーハングした部分の下方を、露出した収納スペースとして確保したり、居住スペース20の拡張を図ったりすることができる。
【0053】
また、四面の側壁12~15のうち第一空間21に面する側壁のいずれかに、第一空間21と屋外とを連通する屋外側開口部32が形成されているので、屋外側から第一空間21を使用することができ、使用しないときには錠33bをかけて閉塞しておくことができる。
さらに、モビリティユニット1を台車2に載せた状態で利用した場合に、屋外側開口部32は、台車2の直上に配置されることとなるので、地面に立つ人の腰高以上の高さに配置されることとなる。これにより、屋外側開口部32を開放したときに屋外側から第一空間21を見ると、目線よりも若干低い程度の高さで、第一空間21の内部が見えることとなる。そのため、第一空間21に物品を収納すれば、屋外側開口部32からの出し入れが行いやすい。
【0054】
また、第一空間21の天井高は、第二空間22の天井高よりも低く設定されており、屋外側開口部32の高さ寸法は、第一床10と第二床16との間に収まる範囲に設定されているので、屋外側開口部32は、人の出入りがしにくい高さに形成されることとなる。これにより、第一空間21は、特に物品の収納に特化した使い方をするのに適したスペースとなる。その一方で、第二空間22は、第一空間21よりも天井高が高くなるので、収納スペースとしてよりも、居住スペース20の一部として使いやすくなる。
さらに、天井高の低い第一空間21を収納スペースとして利用すれば、物品を、モビリティユニット1のうち低い高さ位置に納めておくことができるので、モビリティユニット1が自動車によって牽引・搬送されることを考慮すると、例えば高い位置に物品が収納される場合に比して安全性が高い。
【0055】
また、近年、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標達成が求められており、建築業界においても、建物を二酸化炭素排出量の少ない木造とする取り組みが進められている。本実施形態のモビリティユニット1におけるユニット本体は、大部分が建築用木質パネルによって構成されているので、カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できる。
【0056】
なお、本実施形態における建築用木質パネルとは、図示はしないが、縦横の框材が矩形状に組み立てられるとともに、矩形枠の内部に補助桟材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面もしくは片面に、面材(例えば合板)が貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。さらに、その内部中空な部分には、通常、グラスウールやロックウール等の断熱材が装填される。
また、床や屋根に利用される建築用木質パネルは、面材が片面(枠体の上面)にのみ貼設されるものである。本実施形態における床用の建築用木質パネルの下面には、道路走行時の水はねを防ぐための防水シートが貼設されていてもよい。屋根用の建築用木質パネルの下面には、上記のように天井材が貼設されている。一方、壁用の建築用木質パネルの場合は、両面に面材が貼設されている。
【0057】
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。また、以下の各変形例において、上述の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
【0058】
〔変形例1〕
上記の実施形態において、第二床16は、第二側壁13、第三側壁14、第四側壁15の三方の側壁に対して固定されるものとしたが、本変形例の第二床16は、図9(a)に示すように、第二側壁13及び第四側壁15の二方向の側壁に対して固定されている。
本変形例の第二床16は、第三側壁14に対しては固定されておらず、間隔を空けて配置されている。
【0059】
また、本変形例の支持壁17は、第三側壁14に平行して配置されており、室内側開口部30は、第三側壁14側に開口している。
なお、支持壁17をこのような配置とする場合は、第一空間21を居住スペース20に対して閉じられた空間とするために、支持壁17と直交して配置される補助壁18を設けてもよい。
【0060】
本変形例の支持壁17は、第二床16における左側端部の直下に設けられていて、これにより、第二床16は、支持壁17に対してオーバーハングしていないが、補助壁18を、図示例よりも第二側壁13側に寄せて配置することで、第二床16を、補助壁18に対してオーバーハングさせてもよい。
なお、上記の実施形態及び本変形例においては、室内側開口部30は支持壁17に形成されているが、これに限られるものではなく、室内側開口部30は補助壁18に形成されてもよい。換言すれば、支持壁17には、必ずしも室内側開口部30が形成されていなくてもよい。
【0061】
本変形例によれば、室内側開口部30を居住スペース20側から見えにくくすることができる。また、第二床16の配置次第で、第一空間21や第二空間22の使い方(空間設計)にバリエーションを持たせることができるので好ましい。
【0062】
〔変形例2〕
上記の実施形態において、第二床16は、第二側壁13、第三側壁14、第四側壁15の三方の側壁に対して固定されるものとしたが、本変形例の第二床16は、図9(b)に示すように、第三側壁14のみに対して固定されている。
【0063】
また、本変形例の支持壁17は、第三側壁14に平行して配置されている。そして、本変形例の支持壁17には、室内側開口部30が形成されていない。
なお、支持壁17をこのような配置とする場合は、第一空間21を居住スペース20に対して閉じられた空間とするために、支持壁17と直交して配置される補助壁18を設けてもよい。
つまり、本変形例の第一空間21は、居住スペース20側からは利用不可とされ、屋外側開口部32を通じて屋外側から利用可能となっている。
【0064】
本変形例の支持壁17は、第二床16における右側端部よりも第一空間21の中央側に寄せられて配置されている。そのため、本変形例の第二床16は、支持壁17に対してオーバーハングした状態となっている。
【0065】
本変形例によれば、第一空間21を居住スペース20側から完全に遮蔽できる。また、第二床16の配置次第で、第一空間21や第二空間22の使い方(空間設計)にバリエーションを持たせることができるので好ましい。
【0066】
〔変形例3〕
上記の実施形態において、第二床16は、第二側壁13、第三側壁14、第四側壁15の三方の側壁に対して固定されるものとしたが、本変形例の第二床16は、図示はしないが、第一側壁12、第二側壁13、第三側壁14、第四側壁15の四方の側壁に対して固定されている。
すなわち、本変形例のモビリティユニット1は、内部の空間全体が、第二床16を境に上下二層に完全に分かれて構成されている。
【0067】
このような変形例の場合、支持壁17は複数設けられてもよいし、屋外側開口部32も複数形成されてもよい。すなわち、第二床16の下方空間である第一空間21が、複数のブースに分かれて構成されてもよい。これにより、例えば第二空間22を収納スペースや居住スペースとして利用するとともに、複数に分かれた第一空間21をカプセル型の睡眠ブースとして利用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 モビリティユニット
2 台車
10 第一床
11 屋根
12 第一側壁
13 第二側壁
14 第三側壁
15 第四側壁
16 第二床
17 支持壁
20 居住スペース
21 第一空間
22 第二空間
30 室内側開口部
31 第一建具
31a 指掛かり
31b 錠
32 屋外側開口部
33 第二建具
33a 把手
33b 錠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9