(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042654
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】物理的な書き込み機能を有するアクティブスタイラス
(51)【国際特許分類】
G06F 3/03 20060101AFI20240321BHJP
B43K 19/06 20060101ALI20240321BHJP
B43K 29/00 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
G06F3/03 400F
B43K19/06
B43K29/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023137846
(22)【出願日】2023-08-28
(31)【優先権主張番号】202222446601.8
(32)【優先日】2022-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523327271
【氏名又は名称】ルネッサー テクノロジー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523327282
【氏名又は名称】デキシン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】リー シー-イェン
(72)【発明者】
【氏名】ティン ツー-ユー
(72)【発明者】
【氏名】チュエ イェ セン-ファン
(72)【発明者】
【氏名】リン ミン-フン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ シー-シウン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】物理的な書き込み機能を有するアクティブスタイラスを提供する。
【解決手段】アクティブスタイラスは、第一の開口部及び第二の開口部61を含むチップシェル6と、チップシェルの第一の開口部から突出する第一の端部12と、チップシェルの第二の開口部61から突出し、アクティブスタイラスの本体ハウジングDに入る第二の端部11と、を含み、導電性材料を含む第一の電極1を含む。チップシェル6は、非導電性材料を含む。第一の電極1の第一の端部12は、第一の電極1の第一の端部12と対象物との間に生じる物理的な摩擦により、対象物に有色トレースを残す。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的な書き込み機能を有するアクティブスタイラスであって、
第一の開口部及び第二の開口部を含み、非導電性材料を含むチップシェルと、
前記チップシェルの前記第一の開口部から突出する第一の端部、及び前記チップシェルの前記第二の開口部から突出し、前記アクティブスタイラスの本体ハウジングに入る第二の端部を含み、導電性材料を含む第一の電極と、
を備え、
前記第一の電極の前記第一の端部は、前記第一の電極の前記第一の端部と対象物との間に生じる物理的な摩擦により、前記対象物に有色トレースを残すように構成される、アクティブスタイラス。
【請求項2】
前記第一の電極の前記第一の端部は、書き込み可能な導電性材料を含む、請求項1に記載のアクティブスタイラス。
【請求項3】
前記書き込み可能な導電性材料は、黒鉛合金を含む、請求項2に記載のアクティブスタイラス。
【請求項4】
前記書き込み可能な導電性材料は、亜鉛合金を含む、請求項2に記載のアクティブスタイラス。
【請求項5】
前記書き込み可能な導電性材料は、鉛合金を含む、請求項2に記載のアクティブスタイラス。
【請求項6】
前記第一の電極は、
前記第一の開口部から突出する第一の端部を含む書き込み電極であって、前記書き込み電極の前記第一の端部が前記対象物に書き込むことができる、書き込み電極と、
前記書き込み電極の第二の端部を受け入れる受け入れキャビティを含む非書き込み電極であって、前記書き込み電極から離れる前記非書き込み電極の端部が前記第一の電極の前記第二の端部である非書き込み電極と、
を更に含む、請求項1に記載のアクティブスタイラス。
【請求項7】
前記書き込み電極は、書き込み可能な導電性材料を含み、前記非書き込み電極は、導電性材料を含む、請求項6に記載のアクティブスタイラス。
【請求項8】
前記書き込み電極は、書き込み可能な導電性材料を含み、前記非書き込み電極は、書き込み可能な導電性材料を含む、請求項6に記載のアクティブスタイラス。
【請求項9】
前記書き込み電極の前記第一の端部は、
円錐台を含み、前記円錐台の第一の端面は、円弧面、及び前記円弧面から前記円錐台までの円滑な遷移面を含み、
前記円錐台の第二の端面は、円筒を含み、前記円錐台から離れる前記円筒の端部は、前記書き込み電極の前記第二の端部である、請求項6に記載のアクティブスタイラス。
【請求項10】
前記チップシェルは、円錐台状の中空ハウジングを含み、滑らかな遷移面は、前記円錐台の外周面から前記円錐台状の中空ハウジングの外周面までである、請求項9に記載のアクティブスタイラス。
【請求項11】
前記チップシェルは、前記チップシェルの横断面に形成された第一の開口部と、前記チップシェルの底部に形成された第二の開口部とを含み、第一のリミットリングは、前記チップシェルの内側に形成され、前記第一の開口部に近接し、第二のリミットリングは、前記チップシェルの内側に形成され、前記第一の開口部と前記第二の開口部との間に位置し、前記第一のリミットリングは、前記書き込み電極の着脱を防止するように構成される、請求項9に記載のアクティブスタイラス。
【請求項12】
前記第一の電極は、無線信号を送信するように構成される、請求項1に記載のアクティブスタイラス。
【請求項13】
前記本体ハウジングは、
ピンホルダと、
前記第一の電極を絶縁するように構成された第一の絶縁リングを含み、第一の端部が前記本体ハウジング内に位置し、第二の端部が前記本体ハウジングから突出する第二の電極と、
を含み、
前記第一の電極の前記第二の端部は、前記第二の電極を貫通し、前記ピンホルダの保持部により保持され、前記第二の電極の前記第二の端部は、前記チップシェル内に着脱可能に取り付けられる、請求項1に記載のアクティブスタイラス。
【請求項14】
前記第二の電極は、円筒電極を含む、請求項13に記載のアクティブスタイラス。
【請求項15】
前記対象物は、1枚の紙を含む、請求項1に記載のアクティブスタイラス。
【請求項16】
前記書き込み可能な導電性材料は、前記第一の電極と前記対象物との間に生じる物理的な摩擦により前記対象物に残されて、前記対象物に有色トレースを形成する、請求項2に記載のアクティブスタイラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の主題は、一般に、アクティブスタイラス(active stylus)に関し、より具体的に、物理的な書き込み機能を有するアクティブスタイラスに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な電子機器の発展につれて、スマートフォン及びタブレットなどの多数の電子機器は、タッチパネルを操作インタフェースとして使用する。これらの電子機器の制御を実現するために、スタイラスは、必要に応じて出現してきた。スタイラスは、ペン型のツールであり、ユーザは、スタイラスをタッチパネル上で操作して電子機器へのコマンド入力を実行する。現在のスタイラスは、信号相互作用に基づく電子トレース書き込み能力のみを有し、物理的な書き込み能力を有していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の目的は、物理的な書き込み機能を有するアクティブスタイラスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本願は、アクティブスタイラスを提供する。前記アクティブスタイラスは、チップシェル(tip shell)及び第一の電極を含む。前記チップシェルは、第一の開口部及び第二の開口部を含む。前記チップシェルは、非導電性材料を含む。前記第一の電極は、前記チップシェルの前記第一の開口部から突出する第一の端部、及び前記チップシェルの前記第二の開口部から突出して、前記アクティブスタイラスの本体ハウジングに入る第二の端部を含む。前記第一の電極は、導電性材料を含む。また、前記第一の電極の前記第一の端部は、前記第一の電極の前記第一の端部と対象物との間に生じる物理的な摩擦により、前記対象物に有色トレース(colored traces)を残すように構成される。
【0005】
本節における説明は、本開示の実施形態の主要又は重要な特徴を特定することを意図するものではなく、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。本開示の他の特徴は、以下の明細書から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付図面において、特に明示しない限り、複数の添付図面を通して、同じ参照符号は、同じ若しくは同様の部品又は要素を示す。これらの添付図面は、必ずしも縮尺に合わせて描かれているわけではない。これらの添付図面は、本開示によって開示されたいくつかの実施形態のみを示すものであり、本開示の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態のアクティブスタイラスの概略図である。
【
図2】本開示の一実施形態のアクティブスタイラスの一部の概略分解図である。
【
図3A】本開示の一実施形態のアクティブスタイラスの一部の概略分解図である。
【
図3B】本開示の一実施形態のアクティブスタイラスの一部の概略分解図である。
【
図4A】本開示の一実施形態の第一の電極の概略分解図である。
【
図4B】本開示の一実施形態のチップシェルの概略断面図である。
【
図5】本開示の一実施形態の第二の電極の概略分解図である。
【
図6】本開示の一実施形態のアクティブスタイラスの一部の概略分解図である。
【
図7】本開示の一実施形態のアクティブスタイラスの一部の概略分解図である。
【
図8】本開示の一実施形態のアクティブスタイラスの一部の概略断面図である。
【
図9】本開示の一実施形態のアクティブスタイラスの一部の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
なお、説明の簡易化と明確化のために、適宜、参照符号は、対応又は類似する要素を示すために、異なる図面において繰り返されている。また、本明細書に記載の実施形態の詳細な理解を容易にするために、多くの具体的な内容が記載されている。しかしながら、これらの具体的内容なしに本明細書に記載の実施形態を実施することができることは、当業者には理解されるであろう。他の例では、説明されている関連する相関特徴を不明瞭にしないように、方法、手順、構成要素については、詳細な説明を省略した。また、この記載は本明細書に記載の実施形態の範囲を限定するものとしてみなされるべきではない。図面は、縮尺について必ずしも一致せず、各部品の比率は、本開示の詳細及び特徴をよく説明するために誇張されている。
【0009】
本開示を通して適用するいくつかの定義を示す。
【0010】
用語「結合」は、直接的な、又は介在する構成要素による間接的な接続として定義され、必ずしも物理的な接続に限定されるものではない。接続は、対象物が永久に接続又は解放可能に接続されるものであってもよい。用語「外側」とは、物理的な対象物の最も外側の範囲外にある領域を指す。用語「内側」は、領域の少なくとも一部が対象物によって形成された境界内に部分的に含まれることを示す。用語「実質的に」は、構成要素が厳密である必要がないように構成要素を実質的に修飾する特定の寸法、形状又は他の用語に基本的に一致するように定義される。例えば、実質的に円筒であることは、対象物が円筒に似ているが、真の円筒から1つ以上の偏差を有することができることを意味する。用語「含む」は、利用時に、「含むが、必ずしも~に限定されない」を意味し、具体的には、開放形式の包含又はこのような組み合わせ、グループ、シリーズなどにおけるメンバーシップを示す。
【0011】
図1~
図9に示すように、本開示は、物理的な書き込み機能を有するアクティブスタイラスを提供する。アクティブスタイラスは、本体ハウジングD、チップシェル6及び第一の電極1を含む。いくつかの実施形態では、チップシェル6は、非導電性材料を含む。チップシェル6は、第一の開口部62及び第二の開口部61を含む。第一の電極1は、導電性材料を含み、チップシェル6内に取り付けられる。第一の電極1の第一の端部12は、第一の開口部62から突出し、第二の端部11は、チップシェル6の第二の開口部61から突出し、アクティブスタイラスの本体ハウジングに入る。
【0012】
この実施形態では、第一の電極1の第一の端部12は、書き込み可能な導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、書き込み可能な導電性材料は、黒鉛合金を含む。いくつかの実施形態では、書き込み可能な導電性材料は、亜鉛合金を含む。いくつかの他の実施形態では、書き込み可能な導電性材料は、鉛合金を含む。
【0013】
したがって、いくつかの実施形態では、第一の電極1の第一の端部12は、第一の電極1の第一の端部12と対象物との間に生じる物理的な摩擦により、対象物に有色トレースを残すことができる。いくつかの実施形態では、対象物は、1枚の紙を含む。いくつかの実施形態では、対象物は、壁を含む。いくつかの実施形態では、対象物は、ホワイトボードを含む。
【0014】
したがって、本開示のアクティブスタイラスの第一の電極1は、少なくとも2つの書き込み機能を含む。
【0015】
本開示のアクティブスタイラスの第一の電極1は、アクティブスタイラスがタッチ制御パネルを有する電子機器、例えば、タブレットに適用される間に、電子機器に無線タッチ制御信号を送信するように構成される。そして、電子機器は、受信された無線タッチ制御信号に応答して、アクティブスタイラスのタッチ制御パネルでの位置、アクティブスタイラスの傾き、及びアクティブスタイラスの他の情報を決定することができる。したがって、アクティブスタイラスと電子機器のタッチパネルとの間のタッチ制御相互作用により生じるアクティブスタイラスのトレースは、タッチ制御パネルに表示される。
【0016】
また、ユーザが本開示のアクティブスタイラスを使用して1枚の紙などの対象物に書き込む場合、第一の端部12の書き込み可能な導電性材料は、第一の端部12と当該1枚の紙との間に生じる物理的な摩擦により当該1枚の紙に残されて、当該1枚の紙に有色トレースを形成する。
【0017】
したがって、本開示のアクティブスタイラスは、信号ベースの電子書き込み及び制御機能を有し、また、物理的な接触に基づいて、紙、壁及び他の書き込み対象物に非電子書き込みを実行する。
【0018】
この実施形態では、チップシェル6は、第一の電極1の信号伝送に影響を与えない非導電性材料、例えば、ゴム又はシリコーンを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、第一の電極1の第一の端部12は、アクティブスタイラスが電子書き込み及び物理的な書き込み機能を有することを可能にする書き込み可能な導電性材料を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、第一の電極1は、非書き込み電極P1及び書き込み電極P2を含む。書き込み電極P2の第一の端部は、第一の開口部62から突出し、電子書き込み及び物理的な書き込み機能を実行するために使用される。非書き込み電極P1は、書き込み電極P2の端部から離れる端部を含み、非書き込み電極P1の当該端部は、第一の電極1の第二の端部11である。非書き込み電極P1の端部は、書き込み電極P2の第二の端部を受け入れる受け入れキャビティ13を含む。この構成では、書き込み電極P2は、過度に摩耗される場合に交換可能である。
【0021】
いくつかの実施形態では、書き込み電極P2は、書き込み可能な導電性材料を含み、非書き込み電極P1は、導電性材料を含む。したがって、非書き込み電極P1の材料は、書き込み電極P2の材料とは異なる。
【0022】
いくつかの実施形態では、書き込み電極P2の材料は、黒鉛合金を含む。いくつかの実施形態では、書き込み電極P2の材料は、亜鉛合金を含む。いくつかの実施形態では、書き込み電極P2の材料は、鉛合金を含む。また、いくつかの実施形態では、非書き込み電極P1の材料は、アルミニウム合金を含む。いくつかの実施形態では、非書き込み電極P1の材料は、ステンレス鋼を含む。いくつかの他の実施形態では、非書き込み電極P1の材料は、銅を含む。したがって、書き込み可能な導電性材料の量は、第一の電極1の製造において減少する。また、いくつかの実施形態では、非書き込み電極P1は、書き込み可能な導電性材料を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、書き込み電極P2の第一の端部は、円錐台(frustum)121を含み、円錐台121の第一の端面は、円弧面122、及び円弧面122から円錐台121までの円滑な遷移面を含む。この実施形態では、円錐台121の第二の端面は、円筒14を含む。また、円錐台121から離れる円筒14の端部は、書き込み電極P2の第二の端部である。この実施形態では、書き込み電極P2の形状は、滑らかな書き込みを保証し、電子機器の傷付きを防止する。更に、円弧面122から円錐台121までの円滑な遷移面も書き込み電極P2の信号伝送を強化する。
【0024】
いくつかの実施形態では、チップシェル6は、円錐台状の中空シェルを含み、滑らかな遷移面は、円錐台121の外周面から円錐台状の中空ハウジングの外周面までであり、アクティブスタイラスの清潔な外観を提供する。
【0025】
いくつかの実施形態では、チップシェル6は、円錐台状のハウジング、第一のリミットリング63及び第二のリミットリング64を含む。チップシェル6は、チップシェル6の横断面に形成された第一の開口部62と、チップシェル6の底部に形成された第二の開口部61とを更に含む。第一のリミットリング63は、チップシェル6の内側に形成され、第一の開口部62に近接する。第二のリミットリングは、チップシェル6の内側に形成され、第一の開口部62と第二の開口部61との間に位置する。第一のリミットリング63は、書き込み電極P2の着脱を防止するように構成される。また、第一の電極1は、チップシェル6の内部構造により固定される。
【0026】
図4A及び
図4Bに示すように、この実施形態では、第一の電極1の受け入れキャビティ13の外径は、第一のリミットリング63の内径より大きい。第一の電極1の受け入れキャビティ13の外径も、第二のリミットリング64の内径より大きい。したがって、この実施形態では、第一の電極1は、第一のリミットリング63及び第二のリミットリング64により固定される。円錐台121に近接する円筒14の端部は、第一のリミットリング63を受け入れ、書き込み電極P2の着脱を防止するために使用される凹部(図示せず)を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、アクティブスタイラス100は、本体ハウジングDを更に含む。本体ハウジングDは、ピンホルダ2及び第二の電極7を含む。第二の電極7は、第一の絶縁リング73を含む。第一の絶縁リング73は、第一の電極1を絶縁するように構成される。第二の電極7の第一の端部は、本体ハウジングD内に位置し、第二の電極7の第二の端部は、本体ハウジング7から突出する。この実施形態では、第二の電極7は、円筒電極を含む。また、第一の絶縁リング73は、第二の電極7内に嵌め込まれる。第一の電極1は、第一の絶縁リング73を通過することができる。
【0028】
また、第一の電極1の第二の端部は、第二の電極7を貫通し、ピンホルダ2の保持部21により保持され、第二の電極7の第二の端部は、チップシェル6内に着脱可能に取り付けられる。
【0029】
図1に示すように、アクティブスタイラスの外観は、チップシェル6及び本体ハウジングDを含む。したがって、アクティブスタイラスの審美的な外観及び簡潔さが向上する。第二の電極7が外部に露出(空気に露出)しないため、第二の電極7の耐用年数が延長される。
【0030】
また、この実施形態では、第一の電極1の第二の端部は、ピンホルダ2の保持部21により着脱可能に保持される。第二の電極7の第二の端部は、チップシェル6内に着脱可能に取り付けられる。第二の電極7は、保持部21から着脱され、これは、第二の電極7が本体ハウジングDから着脱されることを意味する。この実施形態では、第二の電極7もチップシェル6から着脱される。したがって、第一の電極1及びチップシェル6は、交換可能である。
【0031】
図1に示すように、本体ハウジングDは、中空直筒部及び中空円台部を含む。中空円台部は、チップシェル6に向かって縮小し、第三の開口部は、中空直筒部の端部に形成され、中空円台部から離れる。チップシェル6は、円錐台状のハウジング、及びチップシェル6の底部に形成された第二の開口部61を含む。第三の開口部は、第二の開口部61と適合するために使用される。
【0032】
いくつかの実施形態では、第一の電極1は、第一の無線信号を送信するように構成され、第二の電極7は、第二の無線信号を送信するように構成される。この実施形態では、第一の無線信号の周波数は、第二の無線信号の周波数とは異なる。したがって、位置、傾斜角及び他の関連情報は、電子機器、例えばタブレットにより受信された第一の無線信号及び第二の無線信号に応答して決定される。
【0033】
いくつかの実施形態では、アクティブスタイラスは、第二の絶縁リング72を更に含み、第二の電極7は、第二の絶縁リング72内に嵌め込まれる。第二の絶縁リング72の外周面は、第三の開口部に当接し、第二の電極7は、本体ハウジングDと接触しない。したがって、第二の電極7は、本体ハウジングDに移動せずに固定される。
【0034】
いくつかの実施形態では、本体ハウジングDは、金属材料を含む。第二の電極7が本体ハウジングDと接触しないため、この実施形態では、第二の電極7の電気信号は、本体ハウジングD及び人体を介して地面に流れない。
【0035】
いくつかの実施形態では、第二の電極7は、第一の円筒部71a及び第二の円筒部71bを含む。第一の円筒部71aは、第二の電極7の第一の端部を本体ハウジングD内に固定するように使用される。第二の円筒部71bは、第一の円筒部71aと同軸である。第二の円筒部71bの外半径は、第一の円筒部71aの外半径より短い。環状段部は、第一の円筒部71aと第二の円筒部71bとの接合部に形成される。第二の絶縁リング72は、第二の円筒部71bの外周面71b2に嵌設される。第二の絶縁リング72の第一の端部は、環状段部に当接し、第二の絶縁リング72の第二の端部は、第三の開口部に当接する。したがって、第二の絶縁リング72は、第三の開口部に固定され、第一の円筒部71aは、本体ハウジングDと接触しない。
【0036】
図9に示すように、第二の円筒部71bの内面71b1は、第一の絶縁リング73の外周面に嵌設される。第二の円筒部71bの内半径は、第一の円筒部71aの内半径より短い。
【0037】
したがって、第二の電極7の一部は、本体ハウジングD内に位置し、第二の電極7の他の部分は、チップシェル6内に位置する。第二の電極7も、本体ハウジングD及び第一の電極1から絶縁される。また、第二の絶縁リング72が第三の開口部に固定され、環状段部に当接するため、第二の電極7がチップシェル6の方向において緩むことが防止される。
【0038】
更に、第二の円筒部71bは、円筒電極チップ715及び円筒導電性部716を含む。円筒導電性部716は、第一の円筒部71aに結合された第一の端部と、円筒電極チップ715の第一の端部に結合された第二の端部とを含む。円筒電極チップ715の第一の端部の外半径は、円筒電極チップ715の第二の端部の外半径より長い。円筒電極チップ715の第一の端部の外周面から円筒電極チップ715の第二の端部の外周面までの円滑な遷移面は、傾斜状の外周面である。
【0039】
いくつかの実施形態では、チップシェル6は、内側円錐台受け入れ部を含む。内側円錐台受け入れ部の先端は、第一の電極1の第一の端部を包むために使用される。内側円錐台受け入れ部の中間部に位置する内壁は、円筒電極チップ715の傾斜状の外周面に当接する。また、この実施形態では、円筒電極チップ715は、チップシェル6内に固定され、チップシェル6は、アクティブスタイラスの軸方向に沿って移動する。更に、円筒電極チップ715の外周面は、傾斜状の外周面であり、第二の電極7の無線信号は、効率的に送信される。
【0040】
図4Aに示すように、第一の電極1の端部は、円錐台121及び円弧面122を含む。また、円滑な遷移面が円弧面122から円錐台121まで形成されるため、第一の電極1により送信された無線信号は、効率的に送信され、第一の電極1は、チップシェル6内に固定される。
【0041】
いくつかの実施形態では、第一の隙間は、円筒電極チップ715のチップヘッドと円錐台受け入れ部との間に位置する。また、第二の隙間は、第二の開口部と第三の開口部との間に位置する。したがって、第一の隙間及び第二の隙間により提供された緩衝空間により、アクティブスタイラスの力センサの破損確率が大幅に低下することになる。
【0042】
いくつかの実施形態では、アクティブスタイラスは、非金属材料で製造された内側ケース9を更に含む。内側ケース9は、本体ハウジングD内に固定される。内側ケース9の第一の端部は、第一の円筒部71aに結合されて第二の電極7を固定する。プリント基板(M、F)、ピンホルダ2を保持する固定部S、及びピンホルダ2は、内側ケース9内に位置する。プリント基板Mは、第一の電極1及び第二の電極7に電気的に結合される。プリント基板Mは、第一の信号を第一の電極1に提供し、第二の信号を第二の電極7に提供する。チップシェル6に向かう固定部Sの端部は、受け入れ部を含む。ピンホルダ2の第一の端部は、受け入れ部に受け入れられ、ピンホルダ2の第二の端部は、第一の電極1を保持するために使用される。
【0043】
いくつかの実施形態では、本体ハウジングDは、金属材料で製造される。内側ケース9が非金属材料で製造されるため、内側ケース9における導電性構成要素は、本体ハウジングDから絶縁される。この実施形態では、金属材料は、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金及びチタン合金を含む。
【0044】
固定部Sは、本体部及び延長部を含む。固定部Sの本体部の端部は、受け入れ部を含み、受け入れ部の開口部は、チップシェル6に向かう。固定部Sの延長部は、固定部Sの本体部の両側にそれぞれ位置する。延長部は、内側ケース9内のバックル構造と連携するために使用される。そして、固定部Sは、内側ケース9内の所定の位置に配置される。したがって、固定部Sの本体部及び延長部により、固定部Sは、内側ケース9内に固定される。受け入れ部がピンホルダ2を保持するため、ピンホルダ2は、アクティブスタイラスの方向に沿って僅かに移動するしかない。
【0045】
更に、力センサS1は、受け入れ部の底部に位置する。チップシェル6が押されると、第一の電極1は、アクティブスタイラスの軸方向に沿って相対的に移動し、ピンホルダ2は、アクティブスタイラスの軸方向に沿って相対的に移動するように駆動される。したがって、力センサS1が押され、応力が発生する。応力は、力センサS1により検知され、検知された応力に応答して、検知信号が生成される。そして、検知信号は、タッチスクリーンを有する外部電子機器に送信された無線信号に変換される。情報は、受信された無線信号に応答して、タッチスクリーンに表示される。
【0046】
いくつかの実施形態では、ピンホルダ2は、応力伝達部22、保持部21、第一のばね(図示せず)、第二のばね3及び第三のばね5を含む。この実施形態では、応力伝達部22は、固定部Sに向かう開口部を有する受け入れキャビティと、リングブロック23とを含む。凹リング24は、応力伝達部22の周面と保持部21の周面との間に形成される。スナップリング4は、凹リング24に取り付けられる。第一のばねの端部は、受け入れキャビティの底部に当接する。第一のばねの他の端部は、スライダ221に当接し、スライダ221は、力センサS1に当接する。第二のばね3は、応力伝達部22の周面に嵌設され、リングブロック23及び固定部Sにそれぞれ当接する。また、第二のばね3は、プリント基板Mに結合された延長部を含む。第三のばね5は、応力伝達部22の周面に嵌設され、リングブロック23及びスナップリング4にそれぞれ当接する。スナップリング4の一側は、第三のばね5に当接し、スナップリング4の他側は、内側ケース9の内壁における段部92に当接する。
【0047】
アクティブスタイラスの使用中に、第一の電極1が押され、応力が発生し、アクティブスタイラスの軸に沿って、第一の電極1、保持部21及び応力伝達部22を介して伝達されて、第一のばねを圧縮する。したがって、応力は、スライダ221を介して力センサに伝達される。第二のばね3は、常時に予圧縮状態にあって、第二のばね3がリングブロック23と物理的に接触することを保証する。また、第二のばね3が常時に予圧縮状態にあるため、スライダ221は、常時に力センサS1と接触する。いくつかの実施形態では、スライダは、常時に力センサS1に近接する。更に、本開示のピンホルダ2により、ユーザの書き込み押圧により引き起こされた応力は、効率的に検知されて、プリント基板Mから送信される電子信号は、確実に送信される。
【0048】
いくつかの実施形態では、本開示のアクティブスタイラスは、第一の円筒部71aと物理的に接触する第四のばね8を更に含む。第四のばね8は、プリント基板Mに結合された延長部を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、内側ケース9の第二の端部は、雄ねじ91を含む。段部は、雄ねじ91と、内側ケース9の外面にある、雄ねじ91に隣接する領域との間に形成される。また、第一の円筒部71aは、雌ねじ711を含む。したがって、内側ケース9の第二の端部は、雄ねじ91及び雌ねじ711により第一の円筒部71a内にねじ込まれる。第四のばね8は、内側ケース9の外面に嵌設され、第一の円筒部71a、及び雄ねじ91と、内側ケース9の外面にある、雄ねじ91に隣接する領域との間に形成される段部にそれぞれ当接する。第四のばね4は、常時に圧縮状態にあって、第四のばね4が第二の円筒部71bと物理的に接触し、プリント基板Mから送信される電子信号が確実に送信されることを保証する。また、内側ケース9及びねじ構造により、第二の電極7が固定される。
【0050】
いくつかの実施形態では、本体ハウジングDは、信号遮蔽機能を提供する金属材料で構成される。
【0051】
いくつかの実施形態では、本体ハウジングDは、内部回路基板の接地端子に電気的に接続されて、ループを形成する。
【0052】
いくつかの実施形態では、アクティブスタイラスは、ユーザ体験を向上させ、使用の楽しみを高めることができるバイブレータを更に含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、アクティブスタイラスは、電池、磁石、ボタン、ライトなどの他の構成要素を更に含む。
【0054】
以下は、本開示の一実施形態のアクティブスタイラスの信号伝送方法である。第一の信号は、第二のばね3及びピンホルダ2を介して、プリント基板Mから第一の電極1に送信される。第一の信号は、第一の無線信号に変換され、そして、第一の無線信号は、第一の電極1の第一の端部12により発信される。第二の信号は、第四のばね8を介して、プリント基板Mから第二の電極7に送信される。第二の信号は、第二の無線信号に変換され、そして、第二の無線信号は、第二の電極7の第二の端部の円筒電極チップ715により発信される。
【0055】
いくつかの実施形態では、チップシェル6は、非導電性材料で製造される。いくつかの実施形態では、本体ハウジングDは、金属材料で製造され、内側シェル9は、非金属材料で製造される。いくつかの実施形態では、固定部Sは、非金属材料で製造され、プリント基板(M及びF)の接地端子は、本体ハウジングDに接続される。
【0056】
以上に示され説明された実施形態は、例示的なものだけであり、本開示の特許出願の範囲を限定するものではない。したがって、このような多数の詳細が示されず、説明されない。以上の説明では、本開示の構造及び機能の詳細とともに本技術の多数の特徴及び利点を述べたが、本開示は、例示的なものに過ぎず、特許請求の範囲に使用される用語の広い一般的な意味で定められる限り、詳細、特に本開示の原理内での各部材の形状、サイズ、配置の面に変更を行うことができる。したがって、上述した実施形態は、特許請求の範囲において、様々な変更を行うことができることを理解されたい。
【外国語明細書】