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  • 特開-新規な懸吊台 図1
  • 特開-新規な懸吊台 図2
  • 特開-新規な懸吊台 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042738
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】新規な懸吊台
(51)【国際特許分類】
   A62B 35/00 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
A62B35/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147512
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】508326297
【氏名又は名称】株式会社ジェネス
(74)【代理人】
【識別番号】100216286
【弁理士】
【氏名又は名称】篠崎 史典
(72)【発明者】
【氏名】香西 健二
【テーマコード(参考)】
2E184
【Fターム(参考)】
2E184JA01
2E184KA04
2E184LA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】トラック(貨物自動車)の荷台上での作業が容易かつ効率的に行うことが可能になる懸吊台を提供すること。
【解決手段】本発明の懸吊台は、貨物自動車の荷台上で作業する作業者に使用するための懸吊台であって、地面に載置される土台部(A1)と当該土台部(A1)に立設された前方支柱部(A2)および後方支柱部(A3)を有する、一対の側面部(A)と、側面部(A)の前方支柱部(A2)と、他方の側面部(A)の前方支柱部(A2)とを連結し、かつ貨物自動車の全幅よりも長い前方梁部(B1)と、側面部(A)の後方支柱部(A3)と、他方の側面部(A)の後方支柱部(A3)とを連結し、かつ貨物自動車の全幅よりも長い後方梁部(B2)と、前方梁部(B1)と後方梁部(B2)とを連結するワイヤ部(C)と、当該ワイヤ部(C)に懸吊された安全帯用フック(D)とを有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物自動車の荷台上で作業する作業者に使用するための懸吊台であって、
地面に載置される土台部(A1)と当該土台部(A1)に立設された前方支柱部(A2)および後方支柱部(A3)を有する、一対の側面部(A)と、
前記側面部(A)の前方支柱部(A2)と、他方の側面部(A)の前方支柱部(A2)とを連結し、かつ貨物自動車の全幅よりも長い前方梁部(B1)と、
前記側面部(A)の後方支柱部(A3)と、他方の側面部(A)の後方支柱部(A3)とを連結し、かつ貨物自動車の全幅よりも長い後方梁部(B2)と、
前記前方梁部(B1)と前記後方梁部(B2)とを連結するワイヤ部(C)と、
当該ワイヤ部(C)に懸吊された安全帯用フック(D)とを有することを特徴とする懸吊台。
【請求項2】
前記土台部(A1)と、前記前方支柱部(A2)および/または前記後方支柱部(A3)とを連結する筋交い補強材(E)とを有することを特徴とする請求項1に記載の懸吊台。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な懸吊台に関し、より具体的には、トラック(貨物自動車)のの荷台上での作業が安全で容易かつ効率的に行うことが可能になる懸吊台に関する。
【背景技術】
【0002】
産業廃棄物は、貨物自動車(トラックなど)の荷台に積載されて、埋め立て施設(産業廃棄物最終処分場)まで運搬されて埋め立て処理される。この埋め立て施設までの走行中においては、荷台から産業廃棄物の落下を防止するため、産業廃棄物が積載された荷台にはカバー(幌)により被覆する必要がある。このカバーは、埋め立て施設にて作業員によって外される。ここで、作業員は、荷台の上に乗り、産業廃棄物が足元にあるため非常に不安定な状態で作業しなければならず、荷台上での転倒や荷台からの転落などのおそれがある。
【0003】
このような荷台上での作業の安全性を確保するには、安全帯フックと安全帯(ハーネス)を使用することも考えられる。なお、このような安全帯フックや安全帯については、たとえば、特許文献1などで開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-236651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、埋設処理施設の多くは、屋内ではなく露天であるため、安全帯フックと安全帯(ハーネス)を使用するには困難を伴う。
【0006】
本発明者は、鋭意検討の結果、作業場(埋設処理施設)に、貨物自動車の荷台の上部にハーネス(安全帯)に接続可能なワイヤと当該ワイヤに懸吊された安全帯用フックを有するとともに、安全帯用フックの懸吊台を使用することで、安全帯(ハーネス)を利用した安全かつ効率的・容易にトラック荷台上で作業(たとえば、幌を外す作業)をすることができることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、トラック(貨物自動車)のの荷台上での作業が安全で容易かつ効率的に行うことが可能になる懸吊台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る懸吊台は、貨物自動車の荷台上で作業する作業者に使用するための懸吊台であって、
地面に載置される土台部(A1)と当該土台部(A1)に立設された前方支柱部(A2)および後方支柱部(A3)を有する、一対の側面部(A)と、
前記側面部(A)の前方支柱部(A2)と、他方の側面部(A)の前方支柱部(A2)とを連結し、かつ貨物自動車の全幅よりも長い前方梁部(B1)と、
前記側面部(A)の後方支柱部(A3)と、他方の側面部(A)の後方支柱部(A3)とを連結し、かつ貨物自動車の全幅よりも長い後方梁部(B2)と、
前記前方梁部(B1)と前記後方梁部(B2)とを連結するワイヤ部(C)と、
当該ワイヤ部(C)に懸吊された安全帯用フック(D)とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の懸吊台においては、前記土台部(A1)と前記前方支柱部(A2)および/または前記後方支柱部(A3)とを連結する筋交い補強材(E)とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る懸吊台によれば、トラック(貨物自動車)の荷台上での作業が安全で、容易かつ効率的に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1(A)および(B)は、本発明に係る懸吊台の一態様を説明するための側面図および正面図である。
図2図2(A)および(B)は、本発明に係る懸吊台の試作品を示すための側面図および正面図である。
図3図3は、本発明に係る懸吊台の試作品の使用例を示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る懸吊台について、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。
【0013】
本発明に係る懸吊台は、貨物自動車(トラック)の荷台上で作業する作業者に使用するための懸吊台である。ここで、荷台上での作業としては、たとえば、荷台を被覆するカバー(幌)を撤去する作業などが挙げられる。
また、懸吊台は、図1(A)の付番10に示されるように、地面に載置される土台部A1と当該土台部A1に立設された前方支柱部A2および後方支柱部A3を有する側面部が1対(すなわち、側面部が2つ)有する。
【0014】
また、本発明の懸吊台は、梁部(前方梁部B1と後方梁部B2)を有する。前方梁部B1は、側面部の前方支柱部A2と、他方の側面部の前方支柱部A2とに連結し、後方梁部B2は、側面部の後方支柱部A3と、他方の側面部の後方支柱部A3とに連結している。ここで、前方梁部B1および後方梁部B2は、貨物自動車の全幅よりも長い。
【0015】
さらには、図1の(A)の付番Cに示されるように、本発明の懸吊台は、前方梁部B1と後方梁部2とを連結するワイヤ部Cを有し、当該ワイヤ部Cには、安全帯用フックDが懸吊されている。当該安全帯用フックDは、作業者が着用する安全帯を懸吊するためのものである。
なお、図1(B)の付番L1およびL2は、それぞれ、側面部A間(一対の側面部の間隔)の長さと、地面Gから梁部Bまでの長さとを示す。
L1は、貨物自動車の全幅よりも長く、L2は、貨物自動車の全高よりも長い。
【0016】
また、懸吊台の安定性を高めるなどの観点からは、図1(A)の付番Eに示すように、土台部A1と前記前方支柱部A2および/または前記後方支柱部A3とを連結する筋交い補強材Eとを有することが好ましい。なお、図1(A)では、筋交い補強材Eは、土台部A1と前記前方支柱部A2とを連結するもののみを示している。また、図2では、筋交い補強材Eは、土台部と前方支柱部とを連結するものの他に、土台部と後方支柱部とを連結するものも設けられている態様を示す。
【0017】
なお、本発明の懸吊台の各部材の材質は特に限定されないが、木材、金属などが例示される。ただし、懸吊台の安定性を高めるなどの観点からは、ステンレス材などの金属が望ましい。
【0018】
図2(A)および(B)は、それぞれ本発明に係る懸吊台の試作品を示す斜視方向からの写真および正面写真である。図3は、当該試作品の懸吊台内に、幌付き荷台を有する貨物車両(トラック)を停止させている状態を示す。ここで、図示はしないが、一般的な安全帯(ハーネス)を着用した作業者は、当該幌付き荷台に乗るとともに、当該安全帯(ハーネス)に安全帯用フックを連結する。そのため、作業者は、作業中の転倒や荷台からの落下を防止することができ、効率的かつ容易に作業が可能となる。
【0019】
また、安全帯用フックDや当該フックに係吊される安全帯は、一般的な市販品が使用可能であり、作業者の体重とそれに耐えうる強度などを考慮して適宜選択することができる。たとえば、作業者が最大体重120kgまでと想定し、その最大体重に耐えうる安全帯用フックDや安全帯およびその他の部材の強度を選択して、仮に作業者が作業中に荷台より落下しても安全なように対応させておくことが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明によれば、トラック(貨物自動車)の荷台上での作業が容易かつ効率的に行うことが可能になる懸吊台を提供できる。

図1
図2
図3