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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042744
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
H01R13/42 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147521
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【弁理士】
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】直井 光
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE06
5E087EE08
5E087FF13
5E087GG14
5E087GG31
5E087MM02
5E087MM05
5E087QQ04
5E087RR25
(57)【要約】
【課題】ハウジングに対する端子の挿入作業における作業効率を向上させることができるコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ1は、ハウジング10と端子20とを備える。ハウジング10は、端子挿入孔10aが形成され、端子挿入孔10aの内部において、第1ランス11と第2ランス12(被係止部)とが設けられている。端子20は、第1ランス11及び第2ランス12のいずれにも係止可能な第1係止部21aが形成されているアウターターミナル21と、アウターターミナル21に挿入され、第1ランス11及び第2ランス12のいずれにも係止可能な第2係止部22aが形成されているスリーブ22と、を有し、端子挿入孔10aに対して挿入方向D1に挿入されて配置される。端子20は、第1係止部21aが第1ランス11及び第2ランス12の一方に係止すると、第2係止部22aが第1ランス11及び第2ランス12の他方に係止するように形成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子挿入孔が形成され、前記端子挿入孔の内部において、第1ランスと被係止部とが設けられているハウジングと、
前記第1ランス及び前記被係止部のいずれにも係止可能な第1係止部が形成されているアウターターミナルと、前記アウターターミナルに挿入され、前記第1ランス及び前記被係止部のいずれにも係止可能な第2係止部が形成されているスリーブと、を有し、前記端子挿入孔に対して所定の挿入方向に挿入されて配置される端子と、を備え、
前記端子は、前記第1係止部が前記第1ランス及び前記被係止部の一方に係止すると、前記第2係止部が前記第1ランス及び前記被係止部の他方に係止するように形成されている、コネクタ。
【請求項2】
前記端子は、前記スリーブに挿入されると共に、前記アウターターミナルの内部に収容されるインナーハウジングを有する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記被係止部は、前記ハウジングの前記端子挿入孔の内部において形成されている第2ランスである、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングは、ハウジング本体と、前記ハウジング本体に嵌め込まれて、前記ハウジング本体からの前記端子の抜けを防止するリテーナと、を有し、
前記被係止部は、前記ハウジング本体に嵌め込まれている前記リテーナに設けられている、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第1ランス及び前記被係止部は、前記挿入方向における同じ位置に形成されている、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記端子挿入孔は、少なくとも一部が前記挿入方向に平行な中心軸を中心とする孔に形成され、
前記第1ランスは、前記中心軸を含む面を対称面として、前記被係止部が形成されている位置と面対称となる位置に形成されている、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記端子挿入孔は、少なくとも一部が前記挿入方向に平行な中心軸を中心とする孔に形成され、
前記第1ランスは、前記中心軸を含む面を対称面として、前記被係止部の形状に対して面対称となる形状に形成されている、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記アウターターミナルに形成されている前記第1係止部には、前記挿入方向における先端寄りの位置に設けられ、前記挿入方向に対して傾斜する第1傾斜部が形成されている、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記スリーブに形成されている前記第2係止部には、前記挿入方向の先端寄りの位置に設けられ、前記挿入方向に対して傾斜する第2傾斜部が形成されている、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記アウターターミナルに形成されている前記第1係止部には、前記挿入方向の後端寄りの位置に設けられ、前記第1ランス又は前記被係止部に当接して係止する第1当接部が形成され、
前記スリーブに形成されている前記第2係止部には、前記挿入方向の後端寄りの位置に設けられ、前記第1ランス又は前記被係止部に当接して係止する第2当接部が形成され、
前記第1当接部及び前記第2当接部は、前記挿入方向における同じ位置に形成されている、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記アウターターミナルには、前記ハウジングに前記端子を挿入する際に、前記ハウジングに対する前記端子の挿入位置を決める位置決め部が形成され、
前記位置決め部は、前記スリーブに形成されている前記第2係止部と隣り合う位置に形成されている、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記第2係止部は、前記スリーブから突出して形成され、
前記位置決め部は、前記アウターターミナルから、前記第2係止部の突出方向と同じ方向に突出して形成されている、請求項11に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハウジングと、端子金具と、リテーナとを備えるコネクタが開示されている。特許文献1に記載のコネクタにおいて、ハウジングには、前後方向に延びるように形成され、端子金具が配置されるキャビティと、キャビティに配置された端子金具を係止するランスと、キャビティの延びる前後方向に交差して連通すると共に、外面に開口するリテーナ挿入孔とが形成されている。端子金具は、キャビティに後方から挿入される。この端子金具には、キャビティに対して挿入を案内しつつ、誤った姿勢での挿入を規制するスタビライザが外側に突設されている。また、端子金具には、ハウジングのランスに係止する係止部が形成されている。リテーナは、端子金具のスタビライザに引っ掛かる抜け止め部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-114489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のものにおいては、端子金具は、ハウジングに対して挿入されると、端子金具の係止部がハウジングに形成されているランスに係止することで、ハウジングのキャビティに配置される。したがって、端子金具がハウジングのキャビティに配置されるには、作業者は、端子金具の係止部がランスに係止するように、ハウジングに対して端子金具を挿入する必要がある。このため、作業者は、端子金具の係止部をランスに係止させるために、ハウジングに対して、挿入方向回りに一つの定まった姿勢、向きで端子金具を挿入する必要がある。
【0005】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、ハウジングに対する端子の挿入作業における作業効率を向上させることができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明に係るコネクタは、
端子挿入孔が形成され、前記端子挿入孔の内部において、第1ランスと被係止部とが設けられているハウジングと、
前記第1ランス及び前記被係止部のいずれにも係止可能な第1係止部が形成されているアウターターミナルと、前記アウターターミナルに挿入され、前記第1ランス及び前記被係止部のいずれにも係止可能な第2係止部が形成されているスリーブと、を有し、前記端子挿入孔に対して所定の挿入方向に挿入されて配置される端子と、を備え、
前記端子は、前記第1係止部が前記第1ランス及び前記被係止部の一方に係止すると、前記第2係止部が前記第1ランス及び前記被係止部の他方に係止するように形成されている。
【0007】
前記端子は、前記スリーブに挿入されると共に、前記アウターターミナルの内部に収容されるインナーハウジングを有してもよい。
【0008】
前記被係止部は、前記ハウジングの前記端子挿入孔の内部において形成されている第2ランスであってもよい。
【0009】
前記ハウジングは、ハウジング本体と、前記ハウジング本体に嵌め込まれて、前記ハウジング本体からの前記端子の抜けを防止するリテーナと、を有し、
前記被係止部は、前記ハウジング本体に嵌め込まれている前記リテーナに設けられていてもよい。
【0010】
前記第1ランス及び前記被係止部は、前記挿入方向における同じ位置に形成されていてもよい。
【0011】
前記端子挿入孔は、少なくとも一部が前記挿入方向に平行な中心軸を中心とする孔に形成され、
前記第1ランスは、前記中心軸を含む面を対称面として、前記被係止部が形成されている位置と面対称となる位置に形成されていてもよい。
【0012】
前記端子挿入孔は、少なくとも一部が前記挿入方向に平行な中心軸を中心とする孔に形成され、
前記第1ランスは、前記中心軸を含む面を対称面として、前記被係止部の形状に対して面対称となる形状に形成されていてもよい。
【0013】
前記アウターターミナルに形成されている前記第1係止部には、前記挿入方向における先端寄りの位置に設けられ、前記挿入方向に対して傾斜する第1傾斜部が形成されていてもよい。
【0014】
前記スリーブに形成されている前記第2係止部には、前記挿入方向の先端寄りの位置に設けられ、前記挿入方向に対して傾斜する第2傾斜部が形成されていてもよい。
【0015】
前記アウターターミナルに形成されている前記第1係止部には、前記挿入方向の後端寄りの位置に設けられ、前記第1ランス又は前記被係止部に当接して係止する第1当接部が形成され、
前記スリーブに形成されている前記第2係止部には、前記挿入方向の後端寄りの位置に設けられ、前記第1ランス又は前記被係止部に当接して係止する第2当接部が形成され、
前記第1当接部及び前記第2当接部は、前記挿入方向における同じ位置に形成されていてもよい。
【0016】
前記アウターターミナルには、前記ハウジングに前記端子を挿入する際に、前記ハウジングに対する前記端子の挿入位置を決める位置決め部が形成され、
前記位置決め部は、前記スリーブに形成されている前記第2係止部と隣り合う位置に形成されていてもよい。
【0017】
前記第2係止部は、前記スリーブから突出して形成され、
前記位置決め部は、前記アウターターミナルから、前記第2係止部の突出方向と同じ方向に突出して形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るコネクタでは、端子は、第1係止部がハウジングの第1ランス及び被係止部の一方に係止すると、第2係止部がハウジングの第1ランス及び被係止部の他方に係止するように形成されている。これにより、端子は、ハウジングに対して、挿入方向回りに複数の姿勢、向きで挿入することが可能になる。この結果、本発明に係るコネクタは、ハウジングに対する端子の挿入作業における作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態1に係るコネクタユニットの分解斜視図である。
図2】実施の形態1に係るコネクタの分解斜視図(その1)である。
図3】実施の形態1に係るコネクタの分解斜視図(その2)である。
図4】実施の形態1に係るコネクタの断面図である。
図5】実施の形態1に係るコネクタの分解断面図(その1)である。
図6】実施の形態1に係るコネクタの作用を説明するための断面図である。
図7】実施の形態1に係るコネクタの分解断面図(その2)である。
図8】実施の形態1に係るコネクタの分解断面図(その3)である。
図9】実施の形態1に係るハウジングの断面図である。
図10】(A)は、実施の形態1に係るハウジングの正面図である。(B)は、(A)のB-B断面図である。
図11】実施の形態1に係る端子の正面図である。
図12】実施の形態1に係るコネクタの作用を説明するための斜視図である。
図13】比較例に係る端子の正面図である。
図14】実施の形態2に係るコネクタの断面図である。
図15】実施の形態2に係るコネクタの作用を説明するための断面図である。
図16】実施の形態2に係るハウジングの断面図(その1)である。
図17】実施の形態2に係るハウジングの断面図(その2)である。
図18】変形例に係る端子の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係るコネクタ1について、図を参照して説明する。なお、理解を容易にするために、相互に直交するXYZ座標を設定し、適宜参照する。XYZ座標の-Y方向は、図1及び図2に示すように、ハウジング10に対して端子20が挿入される挿入方向D1と同じ方向である。XYZ座標のX軸方向は、ハウジング10の幅方向と同じ方向である。XYZ座標のZ軸方向は、X軸方向及びY軸方向の双方向に直交する方向である。
【0021】
コネクタ1は、図1に示すように、その嵌合対象である相手コネクタ90と共に用いられる。コネクタ1と相手コネクタ90とから構成されるコネクタユニットAは、例えば、自動車部品としての車載用コネクタであり、同軸ケーブルWと基板Bとを電気的に接続する。コネクタユニットAのコネクタ1は、図2及び図3に示すように、ハウジング10と、端子20とを備える。
【0022】
ハウジング10は、例えば、樹脂等の絶縁性の素材からなる。このハウジング10には、図4及び図5に示すように、端子挿入孔10aと、第1ランス11と、第2ランス12(被係止部)と、係止部13と、支持アーム14と、係止解除操作部15と、保護壁16R(図2参照)と、保護壁16Lとが形成されている。
【0023】
端子挿入孔10aは、図5に示すように、ハウジング10をY軸方向に貫通して形成されている。端子挿入孔10aには、端子20が+Y寄りの開口から挿入されて配置される。端子挿入孔10aは、少なくとも一部が挿入方向D1に平行な中心軸A1を中心とする円孔に形成されている。ただし、これに限られない。端子挿入孔10aは、円孔以外の孔であってもよい。例えば、端子挿入孔10aは、角孔であってもよい。
【0024】
第1ランス11は、端子挿入孔10aの内部に形成されている。具体的には、第1ランス11は、端子挿入孔10aの孔内面において、突出した形状にて+Z寄りの位置に設けられている。この第1ランス11には、傾斜部と当接部とが形成されている。第1ランス11の傾斜部は、第1ランス11の+Y寄りの位置に形成され、ハウジング10の端子挿入孔10aに対する端子20の挿入効率を向上させるために、挿入方向D1に対して傾斜して形成されている。第1ランス11の当接部は、第1ランス11の-Y寄りの位置に形成され、端子挿入孔10aに挿入された端子20の一部が引っ掛かって当接する部分である。
【0025】
第2ランス12(被係止部)は、端子挿入孔10aの内部に形成されている。具体的には、第2ランス12は、端子挿入孔10aの孔内面において、突出した形状にて-Z寄りの位置に設けられていることで、第1ランス11に対向する位置に形成されている。この第2ランス12には、傾斜部と当接部とが形成されている。第2ランス12の傾斜部は、第2ランス12の+Y寄りの位置に形成され、ハウジング10の端子挿入孔10aに対する端子20の挿入効率を向上させるために、挿入方向D1に対して傾斜して形成されている。第2ランス12の当接部は、第2ランス12の-Y寄りの位置に形成され、端子挿入孔10aに挿入された端子20の一部が引っ掛かって当接する部分である。
【0026】
第1ランス11と第2ランス12とは、挿入方向D1に直交する同一面F1上に設けられている。これにより、第1ランス11及び第2ランス12は、挿入方向D1における同じ位置に形成される。また、第1ランス11は、中心軸A1を含むXY平面を対称面F2として、第2ランス12が形成されている位置と面対称となる位置に形成されている。なお、本実施の形態1において、対称面F2は、円孔である端子挿入孔10aの中心軸A1を含む面であるため、端子挿入孔10aを上下方向(Z軸方向)の中央で二分する面になる。さらに、第1ランス11は、中心軸A1を含むXY平面を対称面F2として、第2ランス12の形状に対して面対称となる形状に形成されている。
【0027】
係止部13は、図1に示すように、相手コネクタ90のハウジング91に形成された被係止孔91aに係止することで、相手コネクタ90にコネクタ1を嵌合しつつ固定するために用いられる。係止部13は、支持アーム14から+Z方向に突出して設けられている。
【0028】
支持アーム14は、ハウジング10の-Y寄りの先端部分から後端方向(+Y方向)に延設されて、ハウジング10の+Y寄りの後端部分に接続されることで、Z軸方向に撓み可能に形成されている。具体的には、支持アーム14は、コネクタ1と相手コネクタ90との嵌合の進行に伴って撓むように設けられている。
【0029】
係止解除操作部15は、支持アーム14に設けられている。係止解除操作部15は、ユーザが、相手コネクタ90からコネクタ1を取り外す際に操作するために用いられる。この係止解除操作部15は、ユーザの押圧操作により、支持アーム14が撓んで、-Z方向に移動可能に設けられている。
【0030】
保護壁16R、16Lは、係止解除操作部15の+X寄り及び-X寄りの両側に設けられている。保護壁16R、16Lは、例えば、係止解除操作部15に他の部材が接触して、誤って、係止部13と被係止孔91aとの係止が解除されてしまうことを防止するために形成されている。
【0031】
端子20には、図2及び図3に示すように、同軸ケーブルWが可締められて接続される。
【0032】
同軸ケーブルWは、中心導体W1と、絶縁体W2と、同軸ケーブル用外部導体W3と、被覆部W4とを有する。
【0033】
中心導体W1は、導電性の素材から形成されている。中心導体W1は、高周波信号を伝搬する。
【0034】
絶縁体W2は、絶縁性の素材から形成されている。この絶縁体W2は、中心導体W1を覆うように、中心導体W1と同軸ケーブル用外部導体W3との間に配置されている。
【0035】
同軸ケーブル用外部導体W3は、導電性の素材から形成されている。同軸ケーブル用外部導体W3は、例えば、金属線が組み合わされた編組状に形成されている編組部分として形成されている。
【0036】
被覆部W4は、絶縁性の素材から形成され、中心導体W1、絶縁体W2、及び同軸ケーブル用外部導体W3を覆うことで、これら各部材を保護する。
【0037】
端子20は、アウターターミナル21と、スリーブ22と、インナーハウジング23と、中心端子24とを有する。
【0038】
アウターターミナル21は、同軸ケーブルWの同軸ケーブル用外部導体W3に電気的に接続される外部導体である。アウターターミナル21は、中心端子24における高周波信号を効率的に伝搬するために用いられる。具体的には、アウターターミナル21は、同軸ケーブルW及び端子20の外部への高周波信号の漏洩を防ぐと共に、外部からの電波を遮断するグランド端子として機能する。アウターターミナル21は、例えば、導電性の素材からなる板材が折り曲げられて形成されている。導電性の板材としては、例えば、銅、銅合金等が用いられる。このアウターターミナル21は、図5に示すように、本体部21-1と、加締め部21-2、21-3とを有する。
【0039】
本体部21-1は、Y軸方向に平行な筒軸A2を中心軸とする円筒形状に形成されている。本実施の形態1においては、筒軸A2は、端子挿入孔10aの中心軸A1と一致する軸である。本体部21-1の+Y寄りの円筒状先端部21-4は、径方向(Y軸方向に直交する方向)に撓み可能な撓み部分を有するように形成されている。この円筒状先端部21-4に図示しない相手端子が挿入されると、円筒状先端部21-4は、その撓みの作用に基づいて、相手端子の外周面に接触する。この接触により、端子20のアウターターミナル21は、相手端子に電気的に接続される。
【0040】
加締め部21-2は、同軸ケーブル用外部導体W3に加締められる部位である。加締め部21-2は、本体部21-1の+Y寄りの端部から延設されている。加締め部21-2が、同軸ケーブル用外部導体W3に加締められることで、アウターターミナル21は、同軸ケーブル用外部導体W3に電気的に接続される。さらに、加締め部21-2の+Y寄りの端部からは、もう一つの加締め部21-3が延設されている。
【0041】
加締め部21-3は、被覆部W4に加締められる部位である。加締め部21-3が、被覆部W4に加締められることで、端子20は、同軸ケーブルWに強固に接続される。
【0042】
また、アウターターミナル21には、第1係止部21aと、位置決め部21bが形成されている。
【0043】
第1係止部21aは、アウターターミナル21の本体部21-1に設けられ、本体部21-1の外周面から+Z方向に突出して形成されている。第1係止部21aは、図6に示すように、ハウジング10に対して、端子20をY軸方向回りに回転させて、端子20の二つの姿勢(後述する第1の姿勢および第2の姿勢)のうちのいずれかで端子挿入孔10aに挿入させることで、第1ランス11及び第2ランス12のいずれにも係止可能に形成されている。この第1係止部21aには、図5及び図7に示すように、第1傾斜部21a-1と、第1当接部21a-2とが形成されている。ここで、端子20の二つの姿勢とは、第2係止部22aをハウジング10の第2ランス12に係止させる第1の姿勢と、第1の姿勢からY軸方向回りに180°回転させた第2の姿勢とを指す。
【0044】
第1傾斜部21a-1は、第1係止部21aにおいて、挿入方向D1における先端寄り(-Y寄り)の位置に設けられている。第1傾斜部21a-1は、ハウジング10の端子挿入孔10aに対する端子20の挿入効率を向上させるために、挿入方向D1及び筒軸A2に対して傾斜して形成されている。
【0045】
第1当接部21a-2は、第1係止部21aにおいて、挿入方向D1の後端寄り(+Y寄り)の位置に設けられているXZ平面に平行な面である。第1当接部21a-2は、第1ランス11又は第2ランス12に当接して係止して、ハウジング10から端子20が+Y方向に外れることを抑制する。なお、本実施の形態1において、第1当接部21a-2は、XZ平面に平行な面である。しかしながら、これに限られない。第1当接部21a-2は、XZ平面に平行な面以外の形状のものであってもよい。
【0046】
位置決め部21bは、アウターターミナル21の本体部21-1に設けられている。位置決め部21bは、ハウジング10に端子20を挿入する際に、ハウジング10に対する端子20の挿入位置を決めるために形成されている。位置決め部21bは、アウターターミナル21の本体部21-1の外周面から、第1係止部21aの突出方向とは反対方向である-Z方向に突出して形成されている。また、本実施の形態1においては、図3に示すように、位置決め部21bは、アウターターミナル21を形成する板材の端部を外側に折り曲げて突出させた一対の突出形状部分から構成されている。ただし、これに限られない。位置決め部21bは、一つの突出形状部分から構成されていてもよい。
【0047】
位置決め部21bは、図8に示すハウジング10の端子挿入孔10aの内部に形成されている位置決め部用溝10bと、図9及び図10に示す位置決め部用溝10cとのいずれかに嵌まるように形成されている。
【0048】
位置決め部用溝10bには、図8に示すように、-Y寄りの位置において、端子挿入孔10aに挿入された端子20の位置決め部21bが当接する面である位置決め用当接面10dが形成されている。位置決め部21bが位置決め用当接面10dに当接することにより、端子挿入孔10aの内部での挿入方向D1における端子20の位置が決められる。また、位置決め部用溝10bに端子20の位置決め部21bが嵌まることにより、位置決め部21bは、ハウジング10に対する端子20の挿入方向D1回りの回り止めを行う。
【0049】
また、位置決め部用溝10cにも、図9及び図10に示すように、-Y寄りの位置において、位置決め用当接面10eが形成されている。
【0050】
スリーブ22は、図5に示すように、外径が異なる二つの円筒部分を有する形状の部材である。スリーブ22は、例えば、導電性の素材からなる板材が折り曲げられて形成されている。導電性の板材としては、例えば、銅、銅合金等が用いられる。このスリーブ22には、第2係止部22aが形成されている。
【0051】
第2係止部22aは、スリーブ22において、外径が異なる二つの円筒部分のうちの外径の大きい方の円筒部分の外周面から-Z方向に突出して形成されている。また、本実施の形態1においては、第2係止部22aは、アウターターミナル21に形成されている位置決め部21bの突出方向と同じ方向である-Z方向に突出して形成されている。本実施の形態1においては、図3に示すように、第2係止部22aは、スリーブ22を形成する板材の端部を外側に折り曲げて突出させた一対の突出形状部分から構成されている。ただし、これに限られない。第2係止部22aは、一つの突出形状部分から構成されていてもよい。
【0052】
また、第2係止部22aは、図7及び図11に示すように、一対の突出形状部分から構成されている位置決め部21bの間に設けられている。これにより、第2係止部22aは、位置決め部21bと隣り合う位置に形成される。この第2係止部22aは、図6に示すように、ハウジング10に対して、端子20をY軸方向回りに回転させて、端子20の二つの姿勢(第1の姿勢および第2の姿勢)のうちのいずれかで端子挿入孔10aに挿入させることで、第1ランス11及び第2ランス12のいずれにも係止可能に形成されている。第2係止部22aには、図5に示すように、第2傾斜部22a-1と、第2当接部22a-2とが形成されている。
【0053】
第2傾斜部22a-1は、第2係止部22aにおいて、挿入方向D1における先端寄り(-Y寄り)の位置に設けられている。第2傾斜部22a-1は、ハウジング10の端子挿入孔10aに対する端子20の挿入効率を向上させるために、挿入方向D1に対して傾斜して形成されている。
【0054】
第2当接部22a-2は、第2係止部22aにおいて、挿入方向D1の後端寄り(+Y寄り)の位置に設けられているXZ平面に平行な面である。第2当接部22a-2は、第1ランス11又は第2ランス12に当接して係止して、ハウジング10から端子20が+Y方向に外れることを抑制する。なお、本実施の形態1において、第2当接部22a-2は、XZ平面に平行な面である。しかしながら、これに限られない。第2当接部22a-2は、XZ平面に平行な面以外の形状のものであってもよい。また、第2当接部22a-2と第1当接部21a-2とは、図7に示すように、端子20の筒軸A2に直交する同一面F3上に設けられている。これにより、第2当接部22a-2と第1当接部21a-2とは、挿入方向D1における同じ位置に形成される。
【0055】
インナーハウジング23は、図2及び図5に示すように、伝送路の特性インピーダンスを整合させ、中心端子24における高周波信号を効率的に伝搬するために用いられる。インナーハウジング23は、例えば、絶縁性の素材からなる誘電体である。インナーハウジング23は、外径が異なる二つの円筒部分を有する形状に形成されている。このインナーハウジング23には、中心端子24が嵌め込まれる。
【0056】
中心端子24は、図2及び図3に示すように、同軸ケーブルWの中心導体W1に可締められて固定されることで、中心導体W1に電気的に接続され、中心導体W1と共に高周波信号を伝搬する。
【0057】
上述のように構成されている端子20は、図6に示すように、第1係止部21aが第1ランス11及び第2ランス12の一方に係止すると、第2係止部22aが第1ランス11及び第2ランス12の他方に係止するように形成されている。
【0058】
相手コネクタ90は、図1に示すように、相手端子(図示なし)と、相手端子を収容するハウジング91と、ホールドダウン部92とを備える。
【0059】
ハウジング91は、+Y方向に開口すると共に、コネクタ1のハウジング10が嵌め込まれる嵌合穴93が形成された略箱形状の部材である。ハウジング91は、例えば、樹脂等の絶縁性の素材からなる。また、ハウジング91には、被係止孔91aが形成されている。
【0060】
被係止孔91aには、コネクタ1の係止部13が係止する。被係止孔91aは、嵌合穴93の内部からハウジング91の外部にZ軸方向に貫通して形成されている。なお、本実施の形態1においては、被係止孔91aは、Z軸方向に貫通する孔である。しかしながら、これに限られない。被係止孔91aは、非貫通孔であってもよい。被係止孔91aと係止部13との係止の解除は、係止解除操作部15を-Z方向に移動させることによって行われる。
【0061】
ホールドダウン部92は、ハウジング91に固定されると共に、相手コネクタ90の接続対象である基板Bの表面に固定される部材である。ホールドダウン部92は、例えば、比較的、剛性の高い金属からなる。このホールドダウン部92により、ハウジング91と基板Bとは強固に固定される。なお、本実施の形態1では、相手コネクタ90の接続対象は、基板Bである。しかしながら、これに限られない。相手コネクタ90の接続対象は、基板B以外のものであってもよい。
【0062】
以上、説明したように、本実施の形態1に係るコネクタ1では、図6に示すように、端子20は、第1係止部21aがハウジング10の第1ランス11及び第2ランス12の一方に係止すると、第2係止部22aがハウジング10の第1ランス11及び第2ランス12の他方に係止するように形成されている。このため、ユーザは、第1係止部21aをハウジング10の第1ランス11に係止させて、第2係止部22aをハウジング10の第2ランス12に係止させる第1の姿勢と、第1係止部21aをハウジング10の第2ランス12に係止させて、第2係止部22aをハウジング10の第1ランス11に係止させる第2の姿勢とのいずれかの姿勢で、ハウジング10に端子20を挿入することが可能になる。すなわち、図12に示すように、端子20を、第1の姿勢と、第1の姿勢からY軸方向回りに180°回転させた第2の姿勢との二つの姿勢でハウジング10に挿入することが可能になる。これにより、端子20は、ハウジング10に対して、Y軸方向回りに複数の姿勢、向きで挿入することが可能になる。この結果、本実施の形態1に係るコネクタ1は、ハウジング10に対する端子20の挿入作業における作業効率を向上させることができる。
【0063】
また、本実施の形態1に係るコネクタ1においては、図6に示すように、ハウジング10に対して端子20を保持するためのリテーナなどの別部品を不要にすることができる。このため、本実施の形態1に係るコネクタ1は、2つの係止構造を有することで、ハウジング10に対する端子20の保持力、及びハウジング10からの端子20の抜け止めを維持しつつ、部品点数を削減することができる。
【0064】
また、本実施の形態1に係るコネクタ1においては、第2係止部22aは、図11に示すように、位置決め部21bと隣り合う位置に形成されている。これにより、端子20の外径を小さくすることができる。
【0065】
例えば、図13に示す比較例に係る端子20Aのように、第2係止部22aが位置決め部21bと隣り合う位置に形成されていない場合、端子20Aの外径が大きくなるおそれがある。この結果、コネクタ1A全体が大型化するおそれがある。
【0066】
これに対して、本実施の形態1に係るコネクタ1においては、第2係止部22aは、図7に示すように、位置決め部21bと隣り合う位置に形成されている。このため、端子20の外径を小さくすることができる。ひいては、コネクタ1全体の小型化を実現することができる。
【0067】
また、本実施の形態1に係るコネクタ1においては、位置決め部21bは、第2係止部22aの突出方向と同じ方向である-Z方向に突出して形成されている。このため、端子20の外径を小さくすることができる。ひいては、コネクタ1全体の小型化を実現することができる。
【0068】
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、図5及び図6に示すように、ハウジング10の端子挿入孔10aの内部においては、端子20の第1係止部21a又は第2係止部22aが係止する被係止部として、第2ランス12が形成されている。しかしながら、これに限られない。以下、形状の異なるハウジング10を備える実施の形態2に係るコネクタ2について、図を参照して、実施の形態1との相違点を主に説明する。説明した相違点以外は、実施の形態1と同一又は同等のものとする。なお、理解を容易にするために、XYZ座標を設定し、適宜参照する。
【0069】
コネクタ2は、図14及び図15に示すように、実施の形態1に係るコネクタ1と同様に、ハウジング10と、端子20とを備える。
【0070】
ハウジング10は、図16及び図17に示すように、ハウジング本体10-1と、リテーナ10-2とを有する。
【0071】
ハウジング本体10-1には、端子挿入孔10aと、第1ランス11と、係止部13と、支持アーム14と、係止解除操作部15と、保護壁16R(図2参照)と、保護壁16Lとが形成されている。さらに、ハウジング本体10-1には、リテーナ10-2が嵌め込まれるリテーナ嵌込み穴17が形成されている。なお、ハウジング本体10-1には、実施の形態1のものと異なり、第2ランス12は形成されていない。
【0072】
端子挿入孔10aは、少なくとも一部が挿入方向D1に平行な軸を中心とする円孔に形成されている。ただし、これに限られない。端子挿入孔10aは、円孔以外の孔であってもよい。例えば、端子挿入孔10aは、角孔であってもよい。
【0073】
リテーナ10-2は、図15及び図16に示すように、ハウジング本体10-1のリテーナ嵌込み穴17に嵌め込まれて、ハウジング本体10-1からの端子20の抜けを防止する部材である。本実施の形態2においては、リテーナ10-2は、ヒンジ構造部を介して接続されることで、ハウジング本体10-1に一体的に形成されている。しかしながら、これに限られない。リテーナ10-2は、ハウジング本体10-1とは別体に形成されていてもよい。ハウジング本体10-1から延びたリテーナ10-2の先端部分は、端子20の第1係止部21a及び第2係止部22aのいずれかに係止される被係止部18として形成されている。
【0074】
被係止部18は、リテーナ10-2がリテーナ嵌込み穴17に嵌め込まれると、端子挿入孔10aの内部に配置される。具体的には、被係止部18は、リテーナ10-2がリテーナ嵌込み穴17に嵌め込まれると、Z軸方向において、第1ランス11に対向する位置に配置される。この被係止部18には、端子挿入孔10aに挿入された端子20の一部が引っ掛かって当接する部分が形成されている。
【0075】
第1ランス11と被係止部18とは、リテーナ10-2がリテーナ嵌込み穴17に嵌め込まれている場合、挿入方向D1に直交する同一面F1上に設けられている。これにより、第1ランス11及び被係止部18は、挿入方向D1における同じ位置に形成される。また、第1ランス11は、中心軸A1を含むXY平面を対称面F2として、被係止部18が配置される位置と面対称となる位置に形成されている。
【0076】
端子20は、実施の形態1と同じものである。
【0077】
以上、説明したように、本実施の形態2に係るコネクタ2においても、図15に示すように、端子20は、第1係止部21aがハウジング10の第1ランス11及び被係止部18の一方に係止すると、第2係止部22aがハウジング10の第1ランス11及び被係止部18の他方に係止するように形成されている。このため、ユーザは、第1係止部21aをハウジング10の第1ランス11に係止させて、第2係止部22aをハウジング10の被係止部18に係止させる第1の姿勢と、第1係止部21aをハウジング10の被係止部18に係止させて、第2係止部22aをハウジング10の第1ランス11に係止させる第2の姿勢とのいずれかの姿勢で、ハウジング10に端子20を挿入することが可能になる。すなわち、端子20を、第1の姿勢と、第1の姿勢からY軸方向回りに180°回転させた第2の姿勢との二つの姿勢でハウジング10に挿入することが可能になる。これにより、端子20は、ハウジング10に対して、Y軸方向回りに複数の姿勢、向きで挿入することが可能になる。この結果、本実施の形態2に係るコネクタ2は、ハウジング10に対する端子20の挿入作業における作業効率を向上させることができる。
【0078】
また、本実施の形態2に係るコネクタ2においては、ハウジング10の形状が実施の形態1のものと異なるものに関わらず、端子20に、実施の形態1のものと同じものを流用することができる。
【0079】
また、本実施の形態2に係るコネクタ2においても、実施の形態1に係るコネクタ1と同等の効果を奏することができる。
【0080】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。
【0081】
例えば、図5に示すように、上記実施の形態1においては、第1ランス11及び第2ランス12は、挿入方向D1における同じ位置に形成されている。しかしながら、これに限られない。第1ランス11及び第2ランス12は、挿入方向D1における同じ位置に形成されていなくてもよい。ただし、ハウジング10に対する端子20の保持力に関する観点からは、第1ランス11及び第2ランス12は、挿入方向D1における同じ位置に形成されている方が好ましい。
【0082】
また、図16に示すように、上記実施の形態2においては、第1ランス11及び被係止部18は、挿入方向D1における同じ位置に形成されている。しかしながら、これに限られない。第1ランス11及び被係止部18は、挿入方向D1における同じ位置に形成されていなくてもよい。ただし、ハウジング10に対する端子20の保持力に関する観点からは、第1ランス11及び被係止部18は、挿入方向D1における同じ位置に形成されている方が好ましい。
【0083】
また、図5に示すように、上記実施の形態1においては、第1ランス11は、中心軸A1を含むXY平面を対称面F2として、第2ランス12が形成されている位置と面対称となる位置に形成されている。しかしながら、これに限られない。第1ランス11は、第2ランス12が形成されている位置と面対称となる位置に形成されていなくてもよい。ただし、ハウジング10に対する端子20の保持力に関する観点からは、第1ランス11は、中心軸A1を含むXY平面を対称面F2として、第2ランス12が形成されている位置と面対称となる位置に形成されている方が好ましい。
【0084】
また、図15に示すように、上記実施の形態2においては、第1ランス11は、中心軸A1を含むXY平面を対称面F2として、被係止部18が配置される位置と面対称となる位置に形成されている。しかしながら、これに限られない。第1ランス11は、被係止部18が配置される位置と面対称となる位置に形成されていなくてもよい。ただし、ハウジング10に対する端子20の保持力に関する観点からは、第1ランス11は、中心軸A1を含むXY平面を対称面F2として、被係止部18が配置される位置と面対称となる位置に形成されている方が好ましい。
【0085】
また、図5に示すように、上記実施の形態1においては、第1ランス11は、中心軸A1を含むXY平面を対称面F2として、第2ランス12の形状に対して面対称となる形状に形成されている。しかしながら、これに限られない。第1ランス11は、中心軸A1を含むXY平面を対称面F2として、第2ランス12の形状に対して面対称となる形状に形成されていなくてもよい。ただし、ハウジング10に対する端子20の保持力に関する観点からは、第1ランス11は、中心軸A1を含むXY平面を対称面F2として、第2ランス12の形状に対して面対称となる形状に形成されている方が好ましい。
【0086】
また、図15及び図16に示すように、上記実施の形態2においては、被係止部18は、中心軸A1を含むXY平面を対称面F2として、第1ランス11の形状に対して面対称となる形状に形成されてはいない。しかしながら、これに限られない。実施の形態1に係る第2ランスと同様に、実施の形態2において、被係止部18は、第1ランス11の形状に対して面対称となる形状に形成されてもよい。
【0087】
また、本実施の形態1に係るコネクタ1においては、図11に示すように、位置決め部21bは、第2係止部22aの突出方向と同じ方向である-Z方向に突出して形成されていると共に、第2係止部22aと隣り合う位置に形成されている。しかしながら、これに限られない。例えば、図18に示すように、位置決め部21bは、第2係止部22aの突出方向と同じ方向である-Z方向に突出して形成されているのみでも、端子20の外径を小さくすることができる。
【0088】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0089】
1,1A,2:コネクタ、10:ハウジング、10-1:ハウジング本体、10-2:リテーナ、10a:端子挿入孔、10b,10c:位置決め部用溝、10d,10e:位置決め用当接面、11:第1ランス、12:第2ランス(被係止部)、13:係止部、14:支持アーム、15:係止解除操作部、16R,16L:保護壁、17:リテーナ嵌込み穴、18:被係止部、20,20A:端子、21:アウターターミナル、21-1:本体部、21-2,21-3:加締め部、21-4:円筒状先端部、21a:第1係止部、21a-1:第1傾斜部、21a-2:第1当接部、21b:位置決め部、22:スリーブ、22a:第2係止部、22a-1:第2傾斜部、22a-2:第2当接部、23:インナーハウジング、24:中心端子、90:相手コネクタ、91:ハウジング、91a:被係止孔、92:ホールドダウン部、93:嵌合穴、A:コネクタユニット、B:基板、W:同軸ケーブル、W1:中心導体、W2:絶縁体、W3:同軸ケーブル用外部導体、W4:被覆部、A1:中心軸、A2:筒軸、D1:挿入方向、F1:同一面、F2:対称面、F3:同一面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18