IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コーセーの特許一覧

<>
  • 特開-水中油型化粧料 図1
  • 特開-水中油型化粧料 図2
  • 特開-水中油型化粧料 図3
  • 特開-水中油型化粧料 図4
  • 特開-水中油型化粧料 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042745
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】水中油型化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20240322BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20240322BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/06
A61Q1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147522
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(72)【発明者】
【氏名】伊夫伎 夏希
(72)【発明者】
【氏名】大塚 千恵
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA072
4C083AA122
4C083AB132
4C083AB172
4C083AB232
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC172
4C083AC242
4C083AC331
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC542
4C083AC912
4C083AD022
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD222
4C083BB21
4C083BB23
4C083CC14
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD33
4C083DD39
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】 本発明は、適度な付着性 、滲みのなさ、ベタつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりに優れる水中油型化粧料の開発を課題とする。
【課題の解決手段】
次の成分(A)~(C);
(A)次の条件(1)及び(2)を満たす油溶性樹脂であるアクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体、
(1)アクリル酸アルキルと、酢酸ビニルとの含有モル比が15:85~50:50
(2)イソドデカンと(A)との質量比10:1で80℃に加熱混合した際に溶解する
(B)炭素数1~12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルと酢酸ビニルの共重合体の水性エマルジョン
(C)粉体
を含有し、成分(A)と成分(B)の固体分の含有質量割合が、(A)/(B)=0.1~15.0である水中油型化粧料である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(C);
(A)次の条件(1)及び(2)を満たす油溶性樹脂であるアクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体、
(1)アクリル酸アルキルと、酢酸ビニルとの含有モル比が15:85~50:50
(2)イソドデカンと(A)との質量比10:1で80℃に加熱混合した際に溶解する
(B)炭素数1~12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルと酢酸ビニルの共重合体の水性エマルジョン
(C)粉体
を含有し、成分(A)と成分(B)の固体分の含有質量割合が、(A)/(B)=0.1~15.0である水中油型化粧料。
【請求項2】
さらに成分(D)としてワックスエステルを含有する請求項1記載の水中油型化粧料。
【請求項3】
さらに成分(E)としてアクリル酸アルキル共重合体を含有する請求項1又は2に記載の水中油型化粧料。
【請求項4】
前記成分(A)の条件(1)におけるアクリル酸アルキルのアルキル基が、炭素数12~24である請求項1又は2に記載の水中油型化粧料。
【請求項5】
前記成分(C)が、無機顔料である請求項1又は2に記載の水中油型化粧料。
【請求項6】
前記成分(A)と成分(B)の固形分の含有質量合計が、(A)+(B)=2.5~25質量%である請求項1又は2に記載の水中油型化粧料。
【請求項7】
前記成分(A)と、成分(C)が油層中に分散されている請求項1又は2に記載の水中油型化粧料。
【請求項8】
前記成分(C)がカーボンブラックを含まない請求項1又は2に記載の水中油型化粧料。
【請求項9】
目元用化粧料である請求項1又は2に記載の水中油型化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水中油型化粧料は、みずみずしい感触や、なめらかな伸び広がりを与えることが出来ることから、外用組成物、特に化粧料として広く用いられている。水中油型化粧料は、外層の水層から肌や毛髪に付着するため、みずみずしさはあるが、皮脂や汗に滲みにくい機能も同時に求められてきた。また、使用中に内層が付着するため、着手からの一貫した付着性を保ち、均一な化粧膜を形成することによるツヤのある仕上がりや、止まり際のべたつきが生じやすい問題の解消が求められてきた。特に粉体を配合するメイクアップ化粧料や、日焼け止め化粧料においては、その機能がさらに重要となっている。
なかでも毛髪や睫毛に塗布する水中油型化粧料においては、毛を長く、または太く、さらに形状維持することで、印象を美しく際立たせる機能も求められる。特に、着手から簡単に毛1本1本に均一に付着することは、美しく仕上げるために重要である。さらに、目元化粧料においては、経時での滲みのなさや、塗布時や乾燥際のベタつきのなさという使用面での品質要望は高く、色をしっかりとのせる発色の良さが求められるために、粉体の分散性の高さや、塗布膜の均一性によるツヤのある仕上がりも重要となっている。
睫毛に塗布する水中油型化粧料としては、これまでにも水溶性皮膜形成剤、セルロース系増粘剤及び多糖類系増粘剤を少なくとも1種含む水溶性増粘剤、カーボンブラックを含む粉体及び、HLB10~17の非イオン界面活性剤とHLB8未満の非イオン界面活性剤とを含有することで、重ね塗りしてもダマ付きが発生しにくく且つ付着性にも優れ、睫にツヤと高いカール効果とボリューム感とを与えることができる水中油型睫毛用化粧料が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、分岐型炭化水素、水溶性高分子、分岐型高級脂肪酸及び高級アルコールを含有することで睫毛にボリュームを付与する効果に優れているにもかかわらず、組成物が下瞼に色移りせず、滲みにくいため化粧持ちが良好で、経時的な安定性に優れた睫毛用水中油型乳化組成物が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
また、ポリ酢酸ビニルエマルションと、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体エマルションを特定の配合比で含有し、べたつきがなく、フィルム落ちの良い睫毛又は毛髪に適用される水中油型乳化化粧料が開発されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-182792号公報
【特許文献2】特開2005-225798号公報
【特許文献3】特開2013-227229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば特許文献1の技術では、ツヤと高いカール効果とボリューム感は優れているものの、水溶性の皮膜形成剤と水溶性増粘剤という水層中での機能に着目しているが、内層の油層中の素材との相乗効果に着眼が無く、粉体の分散性という機能において十分とは言えなかった。また、例えば特許文献2および3の技術においても、外層の水層中の特定の皮膜形成剤や水溶性高分子、または内層の特定の油剤を使用し、滲みのなさやべたつきのなさといった点は優れているものの、粉体の分散性やツヤのある仕上がりといった点は着目されていなかった。
【0005】
そこで本発明は、適度な付着性 、滲みのなさ、ベタつきのなさに優れ、さらに粉体の分散性、ツヤのある仕上がりにも優れる水中油型化粧料の開発を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記実情に鑑み、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、特定の油溶性のアクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体と、同じアクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体でありながら水に分散しているエマルジョンと、粉体を組み合わせて水中油型とすることで、均一で凹凸のない皮膜を形成することができ、適度な付着性、滲みのなさ、ベタつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりに優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、
[1]次の成分(A)~(C);
(A)次の条件(1)及び(2)を満たす油溶性樹脂であるアクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体、
(1)アクリル酸アルキルと、酢酸ビニルとの含有モル比が15:85~50:50
(2)イソドデカンと(A)との質量比10:1で80℃に加熱混合した際に溶解する
(B)炭素数1~12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルと酢酸ビニルの共重合体の水性エマルジョン
(C)粉体
を含有し、成分(A)と成分(B)の含有質量割合が、(A)/(B)=0.1~15.0である水中油型化粧料に関するものである。
[2]さらに成分(D)としてワックスエステルを含有する[1]に記載の水中油型化粧料に関するものである。
[3]さらに成分(E)としてアクリル酸アルキル共重合体を含有する[1]又は[2]に記載の水中油型化粧料に関するものである。
[4]前記成分(A)の条件(1)におけるアクリル酸アルキルのアルキル基が、炭素数12~24である[1]又は[2]に記載の水中油型化粧料に関するものである。
[5]前記成分(C)が、無機顔料である[1]又は[2]に記載の水中油型化粧料に関するものである。
[6]前記成分(A)と成分(B)の固形分の質量合計が、(A)+(B)=2.5~25質量%である[1]又は[2]に記載の水中油型化粧料に関するものである。
[7]前記成分(A)と、成分(C)が油層中に分散されている[1]又は[2]に記載の水中油型化粧料に関するものである。
[8]前記成分(C)がカーボンブラックを含まない[1]又は[2]に記載の水中油型化粧料に関するものである。
[9]目元用化粧料である[1]又は[2]に記載の水中油型化粧料に関するものである。
【0008】
さらに、以下の発明も追加することができる。
[10]睫用化粧料である[1]又は[2]に記載の水中油型化粧料に関するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、適度な付着性 、滲みのなさ、ベタつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりに優れる水中油型化粧料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の塗布乾燥後の光学顕微鏡観察画像を示す図である。塗布膜は、ガラス板にサンプルをドクターブレード400μmにおいて塗布後、室温24時間乾燥し、マイクロスコープ顕微鏡VHS-8000(キーエンス社製)にて撮影したものである。
図2】比較例1の塗布乾燥後の光学顕微鏡観察画像を示す図である。塗布膜、撮影条件は図1に準じる。
図3】比較例3の塗布乾燥後の光学顕微鏡観察画像を示す図である。塗布膜、撮影条件は図1に準じる。
図4】実施例1,比較例1、比較例3の膜の凹凸評価(Sa(算術平均高さ:三次元表面性状国際規格 ISO25178):表面の平均面に対し、各点の高さの差の絶対値の平均)。低いほど凹凸が少なくつや高いことを示す図である。塗布膜、撮影条件は図1に準じる。
図5】粉体の分散性:測色結果(実施例1と比較例1、3)を示す図である。色調は、分光色差計SE―7700(日本電色工業社製)において、セル充填後に測色した、マンセル表色系、L、a、b値の値であり、ΔL、Δa、Δbは実施例1との差である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。また、本明細書においては、「~」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。また、本発明における「平均粒子径」とは、走査型電子顕微鏡(日本電子製、JSM-7800prime)を用いて、表面状態を観察し、画像解析装置(ルーゼックスAP、ニレコ社製)による測定により求めた値(D50)を用いる。なお、非対称形状の場合、本発明においては最も大きい粒子径の分布から求めたメジアン径D50を平均粒子径とする。
【0012】
本発明に用いられる成分(A)は、油溶性樹脂であるアクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体であり、次の条件(1)及び(2)を満たすものである。
(1)アクリル酸アルキルと、酢酸ビニルとの含有モル比が15:85~50:50である
(2)イソドデカンと(A)との質量比10:10で80℃に加熱混合した際に溶解する
【0013】
本発明に用いられる成分(A)のアクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体は、アクリル酸アルキルと酢酸ビニルを共重合して得ることができる。ここで、アクリル酸アルキルにおけるアルキル基は、直鎖または分岐鎖等、特に限定されないが、炭素数12~22が好ましく、炭素数14~22がより好ましく、炭素数16~22がさらにより好ましく、アクリル酸ステアリルが最も好ましい。また、アルキル基は直鎖状がより好ましい。この範囲であると、適度な付着性 、滲みのなさ、ベタつきのなさに優れるためより好ましい。また、アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体における共重合体の形態は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれでもよいが、滲みのなさの観点からランダム共重合体が好ましい。
【0014】
本発明に用いられる成分(A)は、次の条件(1)を満たす。
(1)アクリル酸アルキルと、酢酸ビニルとの含有モル比が15:85~50:50であるアクリル酸アルキルと、酢酸ビニルとの含有モル比は、15:85~35:65が好ましく、さらに20:80~30:70であるとより好ましい。なお、含有モル比は重合前の単量体の仕込み量の質量を単量体の分子量で除した値の比である。この範囲であると、適度な付着性、滲みのなさにより優れるためより好ましい。
【0015】
本発明に用いられる成分(A)は、さらに次の条件(2)を満たす。
(2)イソドデカンと質量比1:10で80℃に加熱混合した際に溶解する
本発明において、成分(A)とイソドデカンとを質量比1:10となるよう調製し、80℃に加熱混合した際、溶解すればよい。ここで、溶解するとは、透明な溶液となっていることを指し、条件(2)であることが油溶性樹脂であることを示している。さらに水性エマルションではないものである。成分(A)が溶解していない場合は、沈殿または懸濁した状態となる。ここで透明とは、温度80℃下で分光光度計にて700nmの光の波長領域で透過率を測定した場合に、透過率が80%以上のものを指す。ここで、透過率は、具体的には、例えば、光路長10mm×光路幅5mmのガラスセルに測定サンプルを入れ、分光光度計「UV-2500PC UV-VIS REDCORDING SPECTROPHOTOMETER」(SHIMADZU社製)にて測定することができるが、分光光度計であれば特に限定するものではない。
【0016】
本発明に用いられる成分(A)の重量平均分子量は、特に限定されないが、1,000~100,000が好ましく、3,000~50,000がより好ましく、5,000~30,000がさらにより好ましく、5,000~15,000が最も好ましい。この範囲であれば、適度な付着性、滲みのなさ、ベタつきのなさ、粉体の分散性により優れるためより好ましい。なお、重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定することができる。
【0017】
本発明に用いられる成分(A)は、特に製法は限定しないが、一般の重合の製法により製造することができる。例えば、揮発性溶媒中(例えば、2-プロパノール、エタノール、イソドデカン等)で、アクリル酸アルキル、酢酸ビニル、及び重合開始剤(例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル等)を用いて重合反応させて得ることができる。また、必要に応じて溶媒置換をして溶液として用いても良く、洗浄、ろ過をし、粒子化して用いても良い。
【0018】
本発明に用いられる成分(A)の含有量は、特に限定されないが、水中油型化粧料全量に対して、固形分換算で0.5%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、5%以上がさらにより好ましい。また、25%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、15%以下がさらにより好ましい。また、0.5~25%が好ましく、1~20%がより好ましく、5~15%がさらにより好ましい。この範囲であれば、適度な付着性、滲みのなさ、べたつきのなさ、粉体の分散性により優れるため、より好ましい。
【0019】
本発明に用いられる成分(B)は、水性エマルジョンである炭素数1~12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルと酢酸ビニルの共重合体である。炭素数1~12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルと酢酸ビニルの共重合体とは、炭素数1~12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルモノマー及び/又はメタクリル酸アルキルモノマーの1種以上と、酢酸ビニルモノマーとの共重合体である。成分(B)は、通常、水性の溶媒中に高分子の微粒子が安定に分散した水中油型の系で、界面活性剤で乳化させたモノマーを重合することによって得られる液や自然界に存在する乳状の樹液を含むものであり、このアルキル基については、炭素数1~12の1種でも、また2種以上であっても良い。成分(B)は、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で、ACRYLATES/VA COPOLYMERとして収載されているものである。通常皮膜形成剤として化粧料に配合することが多く、本発明においても皮膜形成剤として水層中に含有することで、皮膜形成によりツヤのある仕上がり、滲みのなさの効果を奏するものである。本発明において、成分(B)の市販品としては、大同化成工業社製のビニゾール2140L、ビニゾール2140LH(アクリル酸アルキル及びメタクリル酸アルキル(炭素数1~4、8、12)の中の1種以上の成分と酢酸ビニルからなる共重合体のエマルション、固形分45%)等が例示されるが、これに限らず使用することができる。
【0020】
本発明に用いられる成分(B)の含有量は、特に限定されるものではないが、固形分として、下限としては、0.4%以上が好ましく、2%以上がより好ましく、4%以上がさらに好ましい。上限としては、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。範囲としては、0.4~20%が好ましく、2~15%がより好ましく、4~10%がさらに好ましい。この範囲であると、ベタつきのなさ、滲みのなさ、ツヤのある仕上がりの点でより好ましい。
【0021】
なお、本発明に用いられる成分(A)と成分(B)を組み合わせる効果は、塗布直後に、外層である水層中の、または乳化界面に存在していると想定される成分(B)が、肌や毛髪等に素早く付着後に、内層の油層に存在する成分(A)が付着するメカニズムであることが想定される。成分(A)と(B)が類似構造であることで無理なく付着しやすく、組み合わせることで、初めて化粧膜の均一性が高まり、特に粉体分散性とツヤのある仕上がりに優れる効果を付与することが想定される。成分(A)と成分(B)の含有質量割合、(A)/(B)は、固形分として、下限としては、0.1以上が好ましく、0.7以上がより好ましく、1.0以上がさらに好ましい。上限としては、15.0以下が好ましく、10.0以下がより好ましく、5.0以下がさらに好ましい。範囲としては、0.1~15.0が好ましく、0.7~10.0がより好ましく、1.0~5.0がさらに好ましい。この範囲であると、特に、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりの点でより好ましい。
【0022】
なお、本発明に用いられる成分(A)と成分(B)の固形分の質量合計(A)+(B)は、固形分として、下限としては、2.5以上が好ましく、4.0以上がより好ましく、6.0以上がさらに好ましい。上限としては、45以下が好ましく、35以下がより好ましく、25以下がさらに好ましい。範囲としては、2.5~40が好ましく、5~35がより好ましく、10~25がさらに好ましい。この範囲であると、特に、適度な付着性、ベタつきのなさ、滲みのなさの点でより好ましい。
【0023】
本発明に用いられる成分(C)の粉体とは、通常化粧料に使用するものであればいずれのものも使用でき、特に限定はしない。例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、チタン・酸化チタン焼結物、酸化クロム、水酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ等の金属酸化物、紺青、群青等の無機着色顔料、カーボンブラック、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、黒色401号、褐色201号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色203号、青色205号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、黄色4号、黄色5号、黄色202号(1)、黄色202号(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、橙色205号、橙色402号、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号(1)、赤色105号(1)、赤色106号、赤色227号、赤色230号(1)、赤色231号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有色色素、タルク、マイカ、セリサイト、無水ケイ酸、合成金雲母、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、硫酸バリウム等の白色無機体質粉体等、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂の有機高分子樹脂粉体、金属石鹸粉体、N-アシルリジン等の有機低分子性粉体、アクリルデンプン、コメデンプン等のデンプン粉末、ナイロン粉末、ガラス末、シルク粉末、セルロース粉末、デキストリン粉末等の天然有機粉体、シリコーン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末、ポリスチレン粉末、ウレタン粉末等が挙げられる。これらの中でも、金属酸化物、グンジョウ、コンジョウ等の無機顔料、または、金属石鹸粉体、N-アシルリジン等の有機低分子性粉体、アクリルデンプン、コメデンプン等のデンプン粉末、シルク粉末、セルロース粉末、デキストリン粉末等の天然有機粉体が好ましい。特に、無機顔料が好ましく、特に、無機顔料の中でも、酸化チタン、黒酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄がより好ましい。なお、分散性と発色性が高いカーボンブラック等の粉体を用いない場合でも、適度な付着性、粉体の分散性を維持できる点が、さらに好ましい。
また、本発明に用いられる成分(C)粉体は、リン脂質、アミノ酸、アミノ酸誘導体、セラミド、デキストリン誘導体、シリコーン化合物、脂肪酸金属塩、フッ素化合物、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いても良い。
【0024】
本発明に用いられる成分(C)の平均粒子径は、とくに限定しないが、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、0.5μm以上がさらにより好ましい。また、40μm以下が好ましく、35μm以下がより好ましく、30μm以下がさらにより好ましい。また、0.01~40μmが好ましく、0.1~35μmがより好ましく、0.5~30μmがさらにより好ましい。この範囲であると、粉体の分散性の点から、好ましい。
【0025】
本発明に用いられる成分(C)の含有量は、特に限定されるものではないが、下限としては、0.1%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、5%以上がさらに好ましい。上限としては、30%以下が好ましく、25%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。範囲としては、0.1~30%が好ましく、1~25%がより好ましく、5~20%がさらに好ましい。この範囲であると、適度な付着性、粉体の分散性の点でより好ましい。
【0026】
本発明は、さらに成分(D)ワックスエステルを含有してもいい。本発明に用いられる成分(D)ワックスエステルは、通常化粧料に使用されるものであれば、動物、植物、合成等の起源に限定されず、いずれのものも使用できる。例えば、硬質ラノリン、カルナウバロウ、ミツロウ、ステアリン酸ステアリル、モンタンワックス、水添ホホバ油、ベヘン酸ベヘニル、キャンデリラロウ、ヒマワリ種子ロウ、コメヌカロウ、シア脂等が挙げられ、これらから1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、化粧膜の落としやすさ、形状保持効果の観点から、カルナウバロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、ヒマワリ種子ロウ、及びコメヌカロウよりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましく、カルナウバロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、及びコメヌカロウよりなる群から選ばれる1種または2種以上がより好ましく、カルナウバロウ、ミツロウ、及びキャンデリラロウよりなる群から選ばれる1種または2種以上がさらにより好ましい。
【0027】
本発明に用いられる成分(D)の融点は、医薬部外品原料規格2006一般試験法、融点試験法第1法にて測定することができる。例えば、本発明におけるワックスエステルの融点は、以下の方法により測定することができる。試料を約2mg秤量し、アルミニウム試料パン中に入れる。このパンにアルミニウムカバーを取り付け、示差走査熱量計「DSC7020」(日立ハイテクサイエンス社製、製品名)中に設置する。電気冷却ユニット「Polyscience」(日立ハイテクサイエンス社製、製品名)を用いて、窒素ガス流量30~50mL/minのもと試料及び基準試料を-10℃で1分間保持した後、昇温速度10℃/minで-10℃から100℃まで昇温させ、降温条件-10℃/minで100℃から-10℃まで降温させ、再び昇温速度10℃/minで-10℃から100℃まで昇温することにより、融解吸熱カーブを得る。このときの2回目の昇温における融解吸熱カーブのピーク温度を融点として採用する。なお、ピーク温度が複数ある場合、融解温度が最も高いピーク温度を融点とする。融点は、特に限定されないが、例えば、50~90℃が好ましく、55~85℃がより好ましく、60~80℃がさらにより好ましい。この範囲であれば、適度な付着性、滲みのなさ、べたつきのなさにより優れるため、より好ましい。
【0028】
本発明に用いられる成分(D)の含有量は、特に限定されないが、水中油型化粧料全量に対して、2%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、10%以上がさらにより好ましい。また、35%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、25%以下がさらにより好ましい。また、2~35%が好ましく、5~30%がより好ましく、10~25%がさらにより好ましい。この範囲であれば、適度な付着性、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりにより優れるため、より好ましい。
【0029】
本発明において、成分(D)に対する成分(A)の含有質量割合(A)/(D)は、特に限定されないが、は、0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上がさらにより好ましい。また、10.0以下が好ましく、5.0以下がより好ましく、1以下がさらにより好ましい。また、0.05~10.0が好ましく、0.1~5.0がより好ましく、0.3~1.0がさらにより好ましい。この範囲であれば、適度な付着性、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりにより優れるため、より好ましい。
【0030】
本発明は、さらに成分(E)アクリル酸アルキル共重合体を含有してもいい。本発明に用いられる成分(E)アクリル酸アルキル共重合体は、アクリル酸アルキル(C1~C4及びC8)、メタクリル酸アルキル(C1~C4及びC8)、アクリル酸又はメタクリル酸の中の2種以上のモノマーからなる共重合体であり、水性エマルション形態であってもよい。中性下では、乳白液状のエマルションであり、アルカリ剤で中和することにより増粘し、化粧料に粘度を付与することが出来る。本発明において、成分(E)の市販品としては、ローム&ハース社製のACULYN33A(固形分28%)が例示されるが、これに限らず使用することができる。
【0031】
本発明に用いられる成分(E)の含有量は、特に限定されないが、固形分として、下限としては、0.1%以上が好ましく、0.2%以上がより好ましく、0.5%以上がさらに好ましい。上限としては、3.0%以下が好ましく、2.5%以下がより好ましく、2.0%以下がさらに好ましい。範囲としては、0.1~3.0%が好ましく、0.2~2.5%がより好ましく、0.5~2.0%がさらに好ましい。この範囲であると、滲みのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりの点でより好ましい。
【0032】
本発明の水中油型化粧料は、上記の成分(A)~(E)の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば、成分(D)以外の油性成分、界面活性剤、繊維、アルコール類、水溶性高分子、保湿剤等の水性成分、糖類、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる。
【0033】
本発明に用いられる成分(D)以外の油性成分は、通常化粧料に使用されるものであれば、特に限定されず、固形状、ペースト状、液状等のいずれの性状のものを用いても良い。揮発性油でも、不揮発性油でもよい。このような油性成分として、固形状の油性成分としては、例えば、ベヘニルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。ペースト状の油性成分としては、例えば、ワセリン等の炭化水素類等、アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル、フィトステロール脂肪酸エステル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/べへニル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、水添ヒマシ油脂肪酸エステル、マカデミアンナッツ油脂肪酸フィトステリル等のエステル類等が挙げられる。液状の油性成分としては、例えば、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、スクワラン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、パラメトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル等のエステル油、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチコノール等のシリコーン油類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油等が挙げられる。
【0034】
本発明の水中油型化粧料は、常法に従って製造することができる。例えば、成分(A)と必要に応じて成分(D)、及び任意成分を成分(A)、(D)の融点以上の温度(例えば、100℃)に加熱混合し、成分(C)を加えて混合した油層に、成分(B)並びに必要に応じて成分(E)及び任意成分を均一混合した水層を加え、乳化することで得ることが出来る。この製造方法に限定されるものではないが、成分(A)と、成分(C)が油層中に分散されたのちに乳化する工程があると、適度な付着性、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりの点で、より好ましい。
【0035】
本発明の水中油型化粧料は、特に限定されないが、液状、固形状、クリーム状等、いずれの性状とすることもできる。
【0036】
本発明の水中油型化粧料は、皮膚や毛髪に用いるものであれば特に限定されないが、特に、皮膚であれば、アイライナー、アイシャドウ、チーク、コンシーラー、ファンデーション、体に模様を描くタトウ等のメイクアップ化粧料や、日焼け止め料等が挙げられる。これらの中でも、アイライナー、コンシーラー、タトウ等が好ましい。毛髪化粧料であれば、例えば、マスカラ等の睫毛用化粧料、アイブロウ等の眉毛用化粧料、整髪剤、毛髪着色料等の毛髪用化粧料等が挙げられる。これらの中でも、睫毛用化粧料が好ましく、マスカラに用いるとより好ましい。
【0037】
さらに以下の発明も追加することができる。
[11]前記成分(A)の(1)におけるアクリル酸アルキルのアルキル基が、炭素数12~24である[1]~[3]の何れかに記載の水中油型化粧料に関するものである。
[12]前記成分(C)が、無機顔料である[1]~[4]の何れかに記載の水中油型化粧料に関するものである。
[13]前記成分(A)と成分(B)の固形分の質量合計が、(A)+(B)=2.5~25質量%である[1]~[5]の何れかに記載の水中油型化粧料に関するものである。
[14]前記成分(A)と、成分(C)が油層中に分散されている[1]~[6]の何れかに記載の水中油型化粧料に関するものである。
[15]前記成分(C)がカーボンブラックを含まない[1]~[7]の何れかに記載の水中油型化粧料に関するものである。
[16]目元用化粧料である[1]~[8]の何れかに記載の水中油型化粧料に関するものである。
[17]睫用化粧料である[1]~[9]の何れかに記載の水中油型化粧料に関するものである。
【実施例0038】
以下に本発明に用いられる成分(A)の製造例及び比較製造例と、実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0039】
<(A)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体の製造例>
製造例1:アクリル酸ステアリル/酢酸ビニル共重合体(含有モル比25:75)
還流冷却器、温度計、窒素置換用菅及び攪拌機を備えた容量1リットルの四つ口フラスコを反応容器として用いた。この反応容器内に2-プロパノール80質量部を仕込み、窒素気流下で反応容器内を昇温させた。反応容器内が70℃に到達した時点で重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル1質量部を添加し、内温70℃を保持しながら、アクリル酸ステアリル55.7質量部と酢酸ビニル44.3質量部の混合液を反応容器内に供給した。単量体の供給後は内温70℃を2時間保持することで重合反応を進行させた。次いで、蒸留により反応容器から2-プロパノールを留去し、減圧乾燥させることで、共重合体の固体を得た。得られた共重合体は、重量平均分子量8,000であった。尚、共重合体の重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した結果である。ゲル浸透クロマトグラフィでの分子量測定は 、例えば、次の条件の下で行うことができる。
【0040】
GPC装置:Prominence HPLCシステム(株式会社島津製作所製)
カラム:KF-805、KF-803、KF-801(直列)(昭和電工株式会社製)
移動相:テトラヒドロフラン
流速:1mL/min
検出器:示差屈折率検出器
温度:40℃
分子量標準試料:ポリスチレン
【0041】
製造例2:アクリル酸イソステアリル/酢酸ビニル共重合体(含有モル比25:75)
製造例1の重合反応させる単量体のアクリル酸ステアリルをアクリル酸イソステアリルに換えた以外は、製造例1に準じて共重合体を得た。得られた共重合体は、重量平均分子量7,000であった。
【0042】
製造例3:アクリル酸ラウリル/酢酸ビニル共重合体(含有モル比25:75)
製造例1の重合反応させる単量体のアクリル酸ステアリルをアクリル酸ラウリルに換えた以外は、製造例1に準じて共重合体を得た。得られた共重合体は、重量平均分子量7,400であった。
【0043】
製造例4:アクリル酸ベヘニル/酢酸ビニル共重合体(含有モル比25:75)
製造例1の重合反応させる単量体のアクリル酸ステアリルをアクリル酸ベヘニルに換えた以外は、製造例1に準じて共重合体を得た。得られた共重合体は、重量平均分子量8,600であった。
【0044】
製造例5:アクリル酸ステアリル/酢酸ビニル共重合体(含有モル比15:85)
製造例1のアクリル酸ステアリルと酢酸ビニルの仕込み量を、それぞれ39.9質量部と60.1質量部に換えた以外は、製造例1に準じて共重合体を得た。得られた共重合体は、重量平均分子量8,000であった。
【0045】
製造例6:アクリル酸ステアリル/酢酸ビニル共重合体(含有モル比35:65)
製造例1のアクリル酸ステアリルと酢酸ビニルの仕込み量を、それぞれ66.9質量部と33.1質量部に換えた以外は、製造例1に準じて共重合体を得た。得られた共重合体は、重量平均分子量8,500であった。
【0046】
製造例7:アクリル酸ステアリル/酢酸ビニル共重合体(含有モル比50:50)
製造例1のアクリル酸ステアリルと酢酸ビニルの仕込み量を、それぞれ79.0質量部と21.0質量部に換えた以外は、製造例1に準じて共重合体を得た。得られた共重合体は、重量平均分子量7,700であった。
【0047】
製造例8(比較製造例):アクリル酸ステアリル/酢酸ビニル共重合体(含有モル比10:90)
製造例1のアクリル酸ステアリルと酢酸ビニルの仕込み量を、それぞれ29.5質量部と70.5質量部に換えた以外は、製造例1に準じて共重合体を得た。得られた共重合体は、重量平均分子量7,800であった。
【0048】
実施例1~24および比較例1~13:水中油型マスカラ
下記表1~3に示す処方の水中油型マスカラを下記に示す製造方法で調製し、イ.適度な付着性 、ロ.滲みのなさ、ハ.ベタつきのなさ、ニ.粉体の分散性、ホ.ツヤのある仕上がりについて、下記評価方法により評価した。その結果も併せて表1~3に示す。
【0049】
【表1】
*1:SR1000(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
*5:カルナウバワックス(マチャードケミカル社製)
*9:シュガーワックスS―10E(第一工業製薬社製)
*10:ビニゾール2140L(大東化成社製)
*14:ACULYN33A(ローム&ハース社製)
*15:ニップシールE-220(日本シリカ工業社製)
【0050】
【表2】
*6:SUPER REFINED BEESWAX(クローダジャパン社製)
*7:合成ワックスP-200(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*8:EPSワックス(日本ナチュラルプロダクツ社製)
*11:ビニゾール2140LH(大東化成社製)
【0051】
【表3】
*2:SILFORM FLEXIBLE RESIN(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
*3:エステルガムHP(荒川化学工業社製)
*4:パインクリスタル KE-311(荒川化学工業社製)
*12:ヨドゾールGH800F(ヌーリオ・ジャパン社製)
*13:ビニブランGV-5651(固形分36%、日信化学工業社製)
【0052】
(製造方法)(表1~3において、記載されている成分のみを使用するものとする。)
A:成分1~22を100℃に加熱し、均一に混合した。
B:Aに23~25を加え、3本ロールミルにて均一に分散した。
C:26~35を均一混合した・
D:BにCを加え乳化した。
E:Dを容器に充填し水中油型マスカラを得た。
【0053】
(評価方法)
下記イ~ニの項目について、各試料について化粧品評価専門パネル20名による使用テストを行った。パネル全員が各試料を睫毛に塗布し、イ~ニの各項目を下記評価観点に従って下記絶対評価基準にて5段階に評点をつけ、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。
【0054】
(評価項目):イ.適度な付着性、ロ.滲みのなさ、ハ.ベタつきのなさ、ホ.ツヤのある仕上がり:
以下、イ、ロ、ハは、化粧品専門パネル20名による評価を実施した。
イ.適度な付着性 :各試料を睫毛に塗布し、塗布後の睫毛の太さ・濃さを目視で評価した。
ロ.滲みのなさ:各試料を睫毛に塗布後、パネルに通常の生活をしてもらい、6時間後の塗布部位周辺の滲みのなさを目視で評価した。
ハ.ベタつきのなさ:各試料を睫毛に塗布する際の睫毛同士の付着のしにくさを官能評価した。
ホ.ツヤのある仕上がり:各試料を睫毛に塗布し、睫毛にツヤがあるかを目視で評価した。
【0055】
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
5 :非常に良い
4 :良い
3 :普通
2 :悪い
1 :非常に悪い
<判定基準>
(判定):(評価)
◎ :4.2より高い
○ :3.5点より高く4.2点以下
△ :2.5点より高く3.5点以下
× :2.5点以下
【0056】
(評価項目):ニ.粉体の分散性 凝集評価(図1~3)
各試料をガラス板にドクターブレードを用いて400μm厚にて塗布後、室温24時間乾燥し作成した塗膜を、マイクロスコープ顕微鏡VHS-8000(キーエンス社製)で撮影し、倍率100倍で観察し、粉体の凝集物の有無、大きさを観察し評価した。
【0057】
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
5 :粉体の大きさが揃っていて、大きい凝集物が確認できない。
4 :粉体の大きい凝集物が確認できない。
3 :粉体の大きい凝集物が1個確認される。
2 :粉体の大きい凝集物が2~3個確認される。
1 :粉体の大きい凝集物が4個以上確認され、大きさが揃っていない。
<判定基準>
(判定):(評価)
◎ :4.2より高い
○ :3.5点より高く4.2点以下
△ :2.5点より高く3.5点以下
× :2.5点以下
【0058】
(評価項目):ヒビの有無の観察、膜の凹凸評価(Sa(算術平均高さ)の算出評価(図4
各試料を睫毛に塗布し、睫毛にツヤがあるかを目視で評価した結果以外に、各試料をガラス板にドクターブレード400μmにおいて塗布後、室温24時間乾燥し作成した塗膜を、マイクロスコープ顕微鏡VHS-8000(キーエンス社製)を用いて、ヒビの有無の観察、膜の凹凸評価(Sa(算術平均高さ:ISO25178表面粗さの評価方法を定めた国際規格。)の算出N=2か所行い平均評価した。ヒビがあり、粉体の分散性が悪いと、Sa(算術平均高さ)が高い傾向にあり、6.5未満であることが好ましく、5.5未満であるとより好ましく、5.0未満であるとさらに好ましい。
【0059】
表1~3結果から明らかなように、本発明の実施例1~24の水中油型化粧料は、適度な付着性、滲みのなさ、べたつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりに優れたものであった。
一方、成分(A)を用いていない比較例1では、成分(B)との相乗効果が発揮されず、適度な付着性、滲みのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(A)の代わりに成分(B)を増やした比較例2では、適度な付着性、滲みのなさ、ベタつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(B)を用いていない比較例3では、成分(A)との相乗効果が発揮されず、滲みのなさ、ベタつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(B)の代わりに成分(A)を増量した比較例4では、滲みのなさ、ベタつきのなさ、ツヤのある仕上がりの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(A)の代わりに製造例8の共重合体を用いた比較例5では、滲みのなさ、ベタつきのなさの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(A)の代わりにトリメチルシロキシケイ酸を用いた比較例6では、ベタつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(A)の代わりにポリメチルシルセスキオキサンを用いた比較例7では、ベタつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(A)の代わりに水添ロジン酸ペンタエリスリチルを用いた比較例8は、ベタつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(A)の代わりに水添アビエチン酸グリセリルを用いた比較例9はベタつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(B)の代わりにアクリレーツコポリマーを用いた比較例10では、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(B)の代わりにポリ酢酸ビニルを用いた比較例11では、滲みのなさ、ベタつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(A)/成分(B)の比率の高い比較例12は、適度な付着性、ツヤのある仕上がりの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(A)と成分(B)の含有質量割合(A)/(B)の小さい比較例13では、適度な付着性、滲みのなさ、ベタつきのなさの点で満足のいくものが得られなかった。
【0060】
また、図4に示すように、ヒビの有無の観察と膜の凹凸評価(Sa(算術平均高さ):表面の平均面に対し、各点の高さの差の絶対値の平均)を評価したところ、低いほど凹凸が少なくつや高いことを確認し、実施例1は、Saの値が低く、比較例1、3は、高い傾向にあった。この結果より、ツヤのある仕上がりの評価と連動していた。
【0061】
また、図5で示すように、実施例1と比較例1、3の、黒酸化鉄の場合に、特別に粉体の分散性を別の視点で比較した結果を示す。色調は、分光色差計SE―7700(日本電色工業社製)において、セル充填後に測色した、マンセル表色系、L、a、b値の値であり、ΔL、Δa、Δbは実施例1との差である。例として、実施例1のように、L値13.5未満であると黒酸化鉄の分散性が良い傾向にあり、比較例1又は3のように、L値14.5以上で高いと、黒酸化鉄の発色の弱さを感じる傾向にあった。これらの評価は、二.粉体の分散性の評価と連動していた。
【0062】
実施例25:水中油型マスカラ下地
(成分) (%)
(1)製造例1のアクリル酸ステアリル/酢酸ビニル共重合体 5
(2)ジヒドロコレス-30 2
(3)カルナウバロウ 5
(4)キャンデリラロウ 2
(5)ヒマワリ種子ロウ 2
(6)セトステアリルアルコール 1.3
(7)セスキオレイン酸ソルビタン 0.9
(8)モノオレイン酸ポリオキシエチレン 1
(9)ミネラルオイル 0.5
(10)黄酸化鉄 0.1
(11)赤酸化鉄 0.1
(12)雲母チタン(CLOISONNE COPPER 340X) 1
(13)ラウロイルリシン *16 0.3
(14)精製水 残量
(15)ポリビニルアルコール 0.2
(16)1,3-BG 1
(17)クオタニウム-18ヘクトライト 2
(18)EDTA2Na 0.1
(19)デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
(20)無水ケイ酸(平均粒子径10μm、吸油量80ml/100g) 2
(21)パラオキシ安息香酸メチル 0.2
(22)フェノキシエタノール 0.3
(23)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン*10
固形分 15
(24)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*14 6
(25)トリエタノールアミン 5.4
(26)クロルフェネシン 0.3
(27)レモン果実エキス 0.1
(28)マリツカ花エキス 0.1
*16:アミホープLL(味の素社製)
【0063】
(製造方法)
A.成分(1)~(10)を110℃まで加熱し、均一に混合した。
B.成分(11)~(28)を均一に分散した。
C.BにCを加え乳化した。
D.Cを容器に充填した。
【0064】
本発明の実施例25:水中油型マスカラ下地は、適度な付着性、滲みのなさ、べたつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりに優れたものであった。成分(A)と成分(B)の固体分の含有質量割合は、(A)/(B)=5/(15×0.43)であった。
【0065】
実施例26:水中油型マスカラオーバーコート
(成分) (%)
(1)製造例3のアクリル酸ステアリル/酢酸ビニル共重合体 5
(2)カルナウバロウ 10
(3)ミツロウ 1
(4)自己乳化型モノステアリン酸グリセリル 1
(5)ポリステアリン酸スクロース 1.5
(6)(エイコセン/ビニルピロリドン)コポリマー 1.5
(7)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(8)ステアリン酸 2
(9)ポリソルベート80 1
(10)精製水 残量
(11)1,3-BG 1
(12)PG 1
(13)シリカ 3
(14)ポリビニルアルコール 1
(15)トリエタノールアミン 5.4
(16)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン*10
固形分 10
(17)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*14 6
(18)EDTA2Na 0.01
(19)デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
(20)フェノキシエタノール 0.3
(21)ヒアルロン酸Na 0.1
【0066】
(製造方法)
A.成分(1)~(9)を110℃まで加熱し、均一に混合した。
B.成分(10)~(21)を均一に分散した。
C.BにCを加え乳化した
D.Cを容器に充填して製品とした。
【0067】
本発明の実施例26:水中油型マスカラオーバーコートは、適度な付着性、滲みのなさ、べたつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりに優れたものであった。成分(A)と成分(B)の固体分の含有質量割合は、(A)/(B)=5/(10×0.43)であった。
【0068】
実施例27:水中油型目周り用下地化粧料
(成分) (%)
(1)精製水 残量
(2)EDTA2Na 0.03
(3)フェノキシエタノール 0.3
(4)1,3-BG 15
(5)PEG-60水添ヒマシ油 0.3
(6)ポリソルベート80 1
(7)トリエチルヘキサノイン 12.5
(8)ジメチコン 10
(9)製造例5のアクリル酸ステアリル/酢酸ビニル共重合体 5
(10)カルボマー 0.05
(11)(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
0.2
(12)トリエタノールアミン 0.2
(13)精製水 15
(14)黄酸化鉄 0.1
(15)赤酸化鉄 0.1
(16)レシチン処理タルク 5
(17)トリセテアレスー4リン酸 0.1
(18)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン*10
固形分 10
(20)1,3-BG 1.5
(21)ポリソルベート80 0.3
(22)シリカ 1
(23)アスタキサンチン 0.0005
(24)水溶性コラーゲン 0.0001
【0069】
(製造方法)
A.成分(17)~(21)を100℃まで加熱し、均一に混合した。
B.Aに成分(14)~(16)を加え、均一に分散した。
C.成分(1)~(6)を100℃まで加熱し、均一に混合した。
D.成分(7)~(9)を混合溶解。
E.Bに(22)を分散した。
F.CにDを加え乳化した。
G.Fに(10)、(11)を加え均一に混合した。
H.Gに(12)、(13)を加え均一に混合した。
I.Hに(23)、(24)を加え均一に混合した。
J.IにEを加え分散した。
K.Jを容器に充填した。
【0070】
本発明の実施例27:水中油型目周り用下地化粧料は、適度な付着性、滲みのなさ、べたつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりに優れたものであった。成分(A)と成分(B)の固体分の含有質量割合は、(A)/(B)=5/(10×0.43)であった。
【0071】
実施例28:水中油型アイカラー
(成分) (%)
(1)製造例2のアクリル酸ステアリル/酢酸ビニル共重合体 1
(2)ステアリン酸グリセリル 0.5
(3)パルミチン酸デキストリン *19 1
(4)キャンデリラロウ 5
(5)ワセリン 2
(6)ジメチコン *20 5
(7)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(8)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1
(9)酸化チタン 0.5
(10)赤色226号 0.2
(11)トリエトキシカプリリルシラン処理ベンガラ 0.1
(12)トリエトキシカプリリルシラン処理黄酸化鉄 0.09
(13)トリエトキシカプリリルシラン処理黒酸化鉄 0.01
(14)ホウケイ酸(Ca/Al) *21 3
(15)精製水 残量
(16)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン*10
固形分 2
(17)(アクリル酸ジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー *22

(18)1,3-BG 1
(19)キサンタンガム 5
(20)シリカ 3
(21)トリエタノールアミン 1.2
(22)EDTA2Na 0.1
(23)デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
(24)フェノキシエタノール 0.3
(25)ヒアルロン酸 0.1
*19:レオパールTL2(千葉製粉社製)
*20:KF-96L-2CS(信越化学工業社製)
*21:マイクログラスメタシャイン MT1080RS(日本板ガラス社製)
*22:ARISTOFLEX AVC(クラリアント・ジャパン社製)
【0072】
(製造方法)
A.成分(1)~(6)を110℃まで加熱し、均一に混合した。
B.Aに成分(7)~(15)を加え、均一に分散した。
C.成分(16)~(26)を均一に分散した。
D.BにCを加え40℃以下で乳化した。
E.Dを容器に充填した。
【0073】
本発明の実施例28:水中油型アイカラーは、適度な付着性、滲みのなさ、べたつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりに優れたものであった。成分(A)と成分(B)の固体分の含有質量割合は、(A)/(B)=1/(2×0.43)であった。
【0074】
実施例29:水中油型アイライナー
(成分) (%)
(1)製造例6のアクリル酸ステアリル/酢酸ビニル共重合体 2
(2)セスキステアリン酸ソルビタン *17 0.5
(3)パルミチン酸デキストリン *19 1
(4)キャンデリラロウ 5
(5)ミツロウ 3
(6)カルナウバロウ 1
(7)イソドデカン 10
(8)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(9)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1
(10)黒酸化チタン 0.5
(11)黒酸化鉄被覆マイカ *23 10
(12)パーフルオロオクチルトリエトキシシラン処理黒酸化鉄 5
(13)(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)コポリマー
*24 2
(14)ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム
*25 0.5
(15)精製水 残量
(17)エタノール 1
(18)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン*10
固形分 3
(19)シリカ *26 3
(20)ポリビニルアルコール 1
(21)アルギニン 1.2
(22)EDTA2Na 0.1
(23)1,2-ペンタンジオール 0.1
(24)フェノキシエタノール 0.3
*23:COLORONA MICA BLACK(メルクパフォーマンスマテリアルズ社製)
*24:KSP-100(信越化学工業社製)
*25:オーロラフレークブルー 0.01(角八魚鱗箔社製)
*26:シリカマイクロビード P-1505(日記触媒化成社製)
【0075】
(製造方法)
A.成分(1)~(6)を110℃まで加熱し、均一に混合した。
B.Aに成分(7)~(14)を加え、均一に分散した。
C.成分(15)~(24)を均一に分散した。
D.BにCを加え40℃以下で乳化した。
E.Dをアプリケーター容器に充填した。
【0076】
本発明の実施例29:水中油型アイライナーは、適度な付着性、滲みのなさ、べたつきのなさ、粉体の分散性、ツヤのある仕上がりに優れたものであった。成分(A)と成分(B)の固体分の含有質量割合は、(A)/(B)=2/(3×0.43)であった。
図1
図2
図3
図4
図5