(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042778
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/21 20060101AFI20240322BHJP
G01N 21/892 20060101ALI20240322BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240322BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H04N1/21
G01N21/892 A
H04N1/00 002A
G03G21/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147583
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 将吾
(72)【発明者】
【氏名】菊本 尚
(72)【発明者】
【氏名】大平 芳恵
【テーマコード(参考)】
2G051
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2G051AA34
2G051AB11
2G051AC21
2H270KA59
2H270KA61
2H270LA22
2H270RA03
2H270RA04
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AB05
5C062AB08
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB33
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB46
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC24
5C062AC25
5C062AC55
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基準画像データと検査対象画像データとの間における差異を含む不良領域の画質の劣化を抑制しつつ、基準画像データ及び検査対象画像データのデータ容量を低減する画像処理装置及び画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置としての検査装置16において、比較処理部42は、基準画像データと検査対象画像データとを比較し、検査対象画像が不良であると判定した場合、画素値の差分が閾値以上となった画素を含む所定の大きさの座標領域を不良領域として特定する。保存処理部44は、基準画像データの不良領域以外の領域である良好領域及び検査対象画像データの良好領域を、データ容量が小さい低容量形式で画像DB38に保存し、基準画像データにおける不良領域及び検査対象画像データにおける不良領域を、上記低容量形式に比して、データ容量が大きく、且つ、高画質な高画質形式で画像DB38に保存する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
検査の基準となる基準画像データと、検査対象物が表された検査対象画像データとを比較して、前記基準画像データと前記検査対象画像データとの間における差異を含む座標領域を不良領域として特定し、
前記基準画像データの前記不良領域以外の領域である良好領域、及び、前記検査対象画像データの前記良好領域を、データ容量が小さい低容量形式でメモリに保存し、前記基準画像データにおける前記不良領域、及び、前記検査対象画像データにおける前記不良領域を、前記低容量形式に比して、データ容量が大きく且つ高画質な高画質形式で前記メモリに保存する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記低容量形式は、高圧縮率で圧縮された画像データであり、
前記高画質形式は、前記高圧縮率よりも圧縮率が小さい低圧縮率で圧縮された画像データ、又は、無圧縮の画像データである、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記検査対象画像データは、印刷要求に係る印刷画像データが印刷された印刷媒体を読み取って得られ、
前記プロセッサは、
前記印刷画像データに基づいて特定された、前記不良領域内の、前記基準画像データ又は前記検査対象画像データの内容に応じて、前記基準画像データにおける前記不良領域、及び、前記検査対象画像データにおける前記不良領域を、前記低容量形式で前記メモリに保存するか、前記高画質形式で前記メモリに保存するかを決定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記基準画像データ又は前記検査対象画像データのいずれか一方の前記良好領域を前記メモリに保存しない、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記低容量形式の前記基準画像データの前記良好領域と、前記高画質形式の前記基準画像データの前記不良領域とが組み合わされた組み合わせ基準画像データ、及び、前記低容量形式の前記検査対象画像データの前記良好領域と、前記高画質形式の前記検査対象画像データの前記不良領域とが組み合わされた組み合わせ検査対象画像データを表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記メモリに保存された、前記基準画像データ又は前記検査対象画像データのいずれか一方の前記良好領域と、前記高画質形式の前記基準画像データの前記不良領域とが組み合わされた組み合わせ基準画像データ、及び、前記メモリに保存された、前記基準画像データ又は前記検査対象画像データのいずれか一方の前記良好領域と、前記高画質形式の前記検査対象画像データの前記不良領域とが組み合わされた組み合わせ検査対象画像データを表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
検査の基準となる基準画像データと、検査対象物が表わされた検査対象画像データとを比較して、前記基準画像データと前記検査対象画像データとの間における差異を含む座標領域を不良領域として特定させ、
前記基準画像データの前記不良領域以外の領域、及び、前記検査対象画像データの前記不良領域以外の領域を、データ容量が小さい低容量形式でメモリに保存させ、前記基準画像データにおける前記不良領域、及び、前記検査対象画像データにおける前記不良領域を、前記低容量形式に比して、データ容量が大きく且つ高画質な高画質形式で前記メモリに保存させる、
ことを特徴とする画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検査において不良と判断された検査対象物を表す画像データを保存することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電子部品が搭載された基板を検査し、不良基板の画像データを保存する検査機であって、高圧縮した基板全体画像データ、及び、低圧縮の不良部位画像データを保存する検査機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、検査の基準となる基準画像データと、検査対象物が表された検査対象画像データとを比較することで、検査対象物の検査を行う場合がある。この場合、検査後において、ユーザが検査結果を確認できるようにするため、あるいは、検査結果のエビデンス(証拠)のために、検査対象画像データのみならず基準画像データも保存することが望まれる場合がある。
【0006】
ここで、検査対象物に応じて基準画像データが変わる場合においては、検査対象物の数が多くなると、検査対象画像データのみならず、基準画像データの数も増えてしまう。これにより、基準画像データ及び検査対象画像データを保存するメモリの記憶容量を圧迫してしまう。
【0007】
なお、メモリの記憶容量の圧迫を抑制すべく、基準画像データ及び検査対象画像データの全体を圧縮などして低容量化してメモリに保存させることも考えられるが、このようにすると、基準画像データ及び検査対象画像データの全体の画質が劣化し、ユーザが検査結果を確認することが困難となったり、エビデンスとしての役割を果たせなくなり得、適切ではない。
【0008】
本発明の目的は、基準画像データと検査対象画像データとの間における差異を含む不良領域の画質の劣化を抑制しつつ、基準画像データ及び検査対象画像データのデータ容量を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、検査の基準となる基準画像データと、検査対象物が表された検査対象画像データとを比較して、前記基準画像データと前記検査対象画像データとの間における差異を含む座標領域を不良領域として特定し、前記基準画像データの前記不良領域以外の領域である良好領域、及び、前記検査対象画像データの前記良好領域を、データ容量が小さい低容量形式でメモリに保存し、前記基準画像データにおける前記不良領域、及び、前記検査対象画像データにおける前記不良領域を、前記低容量形式に比して、データ容量が大きく且つ高画質な高画質形式で前記メモリに保存する、ことを特徴とする画像処理装置である。
請求項2に係る発明は、前記低容量形式は、高圧縮率で圧縮された画像データであり、前記高画質形式は、前記高圧縮率よりも圧縮率が小さい低圧縮率で圧縮された画像データ、又は、無圧縮の画像データである、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項3に係る発明は、前記検査対象画像データは、印刷要求に係る印刷画像データが印刷された印刷媒体を読み取って得られ、前記プロセッサは、前記印刷画像データに基づいて特定された、前記不良領域内の、前記基準画像データ又は前記検査対象画像データの内容に応じて、前記基準画像データにおける前記不良領域、及び、前記検査対象画像データにおける前記不良領域を、前記低容量形式で前記メモリに保存するか、前記高画質形式で前記メモリに保存するかを決定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置である。
請求項4に係る発明は、前記プロセッサは、前記基準画像データ又は前記検査対象画像データのいずれか一方の前記良好領域を前記メモリに保存しない、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置である。
請求項5に係る発明は、前記プロセッサは、前記低容量形式の前記基準画像データの前記良好領域と、前記高画質形式の前記基準画像データの前記不良領域とが組み合わされた組み合わせ基準画像データ、及び、前記低容量形式の前記検査対象画像データの前記良好領域と、前記高画質形式の前記検査対象画像データの前記不良領域とが組み合わされた組み合わせ検査対象画像データを表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置である。
請求項6に係る発明は、前記プロセッサは、前記メモリに保存された、前記基準画像データ又は前記検査対象画像データのいずれか一方の前記良好領域と、前記高画質形式の前記基準画像データの前記不良領域とが組み合わされた組み合わせ基準画像データ、及び、前記メモリに保存された、前記基準画像データ又は前記検査対象画像データのいずれか一方の前記良好領域と、前記高画質形式の前記検査対象画像データの前記不良領域とが組み合わされた組み合わせ検査対象画像データを表示部に表示させる、ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置である。
請求項7に係る発明は、コンピュータに、検査の基準となる基準画像データと、検査対象物が表わされた検査対象画像データとを比較して、前記基準画像データと前記検査対象画像データとの間における差異を含む座標領域を不良領域として特定させ、前記基準画像データの前記不良領域以外の領域、及び、前記検査対象画像データの前記不良領域以外の領域を、データ容量が小さい低容量形式でメモリに保存させ、前記基準画像データにおける前記不良領域、及び、前記検査対象画像データにおける前記不良領域を、前記低容量形式に比して、データ容量が大きく且つ高画質な高画質形式で前記メモリに保存させる、ことを特徴とする画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1又は7に係る発明によれば、基準画像データと検査対象画像データとの間における差異を含む不良領域の画質の劣化を抑制しつつ、基準画像データ及び検査対象画像データのデータ容量を低減することができる。
請求項2に係る発明によれば、画像データの圧縮率を変化させることで、低容量形式と高画質形式を実現することができる。
請求項3に係る発明によれば、不良領域内の画像データの内容に応じて、不良領域の形式を決定することができる。
請求項4に係る発明によれば、基準画像データ及び検査対象画像データの両方の良好領域をメモリに保存する場合に比して、さらに、基準画像データ及び検査対象画像データのデータ容量を低減することができる。
請求項5又は6に係る発明によれば、ユーザは、基準画像データ及び検査対象画像データの高画質形式の不良領域を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る検査システムの構成概略図である。
【
図3】比較処理部による比較処理を示す概念図である。
【
図4】基準画像の不良領域画像データを示す図である。
【
図5】基準画像の良好領域画像データを示す図である。
【
図6】検査対象画像の不良領域画像データを示す図である。
【
図7】検査対象画像の良好領域画像データを示す図である。
【
図8】組み合わせ基準画像データ及び組み合わせ検査対象画像データの表示例を示す図である。
【
図9】基準画像及び検査対象画像の良好領域画像データの表示例を示す図である。
【
図10】基準画像及び検査対象画像の不良領域画像データの表示例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る検査装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本実施形態に係る検査システム10の構成概略図である。検査システム10は、検査の基準となる基準画像データと、検査対象物が表わされた検査対象画像データとを比較して、基準画像データと検査対象画像データとの間における差異を検出するシステムである。これにより、検査対象物の不良の検出などを行う。本実施形態では、検査対象物は、複合機14で印刷された印刷媒体である。すなわち、検査システム10は、複合機14が印刷した印刷媒体の不良(印刷処理の失敗や印刷媒体の汚れなど)を検出する。
【0013】
検査システム10においては、基準画像データと検査対象画像データとの間に差異が検出された場合、ユーザが検査結果を事後確認できるようにするため、あるいは、検査結果のエビデンスのために、基準画像データと検査対象画像データとが保存される。
【0014】
図1に示すように、検査システム10は、プリントサーバ12、複合機14、及び、画像処理装置としての検査装置16を含んで構成される。プリントサーバ12、複合機14、及び検査装置16は、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)などの通信回線18を介して互いに通信可能に接続されている。
【0015】
プリントサーバ12は、例えばコンピュータから構成される。プリントサーバ12は、通信回線18を介して複合機14及び検査装置16と通信するための通信インターフェース、ディスプレイ、ユーザが指示を入力するための入力インターフェース、データを記憶するためのメモリ、及び、各処理を実行するプロセッサなどを含んで構成される。
【0016】
プリントサーバ12は、複合機14に印刷処理を実行させるための印刷要求としての印刷ジョブを、ユーザが使用するユーザ端末(不図示)から受信する。プリントサーバ12は、印刷ジョブに基づいてラスタライズ処理を実行し、当該印刷ジョブで印刷が指示されている印刷画像データを、複合機14が認識可能なラスタ画像データ(例えばビットマップ形式の画像データ)に変換する。本実施形態では、当該ラスタ画像データが、検査の基準となる基準画像データとして利用される。プリントサーバ12は、ラスタ画像データを複合機14及び検査装置16に送信する。
【0017】
また、プリントサーバ12は、印刷ジョブを解析することで、印刷画像データ(すなわちラスタ画像データ)の内容を特定することができる。詳しくは、プリントサーバ12は、ラスタ画像データにおいて、文字が印刷される文字領域、絵や写真などが印刷される画像領域などを特定することができる。また、プリントサーバ12は、ラスタ画像データにおいて、カラーで印刷されているカラー領域、白黒又はグレースケールで印刷されているモノクロ領域を特定することができる。このような、印刷ジョブを解析することで得られた解析情報は検査装置16に送信される。
【0018】
複合機14は、通信回線18を介してプリントサーバ12及び検査装置16と通信するための通信インターフェース、プリント装置、及び、スキャン装置などから構成される。プリント装置は、帯電ローラ、感光体ドラム、転写ローラ、定着ローラ、加圧ローラ、トナー、及び、印刷媒体を搬送するための媒体搬送機構などから構成される。スキャン装置は、光源及び画像センサなどから構成される。
【0019】
複合機14は、印刷ジョブに係る印刷画像データを紙などの印刷媒体に印刷するプリント処理、印刷媒体などの読取対象物を光学的に読み取って読取対象物が表わされた画像データを生成するスキャン処理などを実行する。
【0020】
複合機14は、プリントサーバ12から受信したラスタ画像データを印刷媒体に印刷し、ラスタ画像データが印刷された印刷媒体をスキャナ装置で光学的に読み取って、当該印刷媒体が表わされた読取画像データを取得する。本実施形態では、ラスタ画像データが印刷された印刷媒体が検査対象物であり、当該読取画像データが検査対象画像データとして利用される。複合機14は、読取画像データを検査装置16に送信する。
【0021】
図2は、検査装置16の構成概略図である。検査装置16は、例えばサーバコンピュータから構成されるが、以下に説明する機能を発揮可能な限りにおいてどのような装置であってもよい。
【0022】
通信インターフェース30は、例えばネットワークアダプタなどを含んで構成される。通信インターフェース30は、通信回線18を介してプリントサーバ12及び複合機14と通信する機能を発揮する。通信インターフェース30は、プリントサーバ12から基準画像データ(本実施形態ではラスタ画像データ)を受信し、複合機14から検査対象画像データ(本実施形態では読取画像データ)を受信する。
【0023】
入力インターフェース32は、例えばマウス、キーボード、あるいはタッチパネルなどから構成される。入力インターフェース32は、ユーザが種々の命令を検査装置16に入力するために用いられる。
【0024】
表示部としてのディスプレイ34は、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)などから構成されるものである。ディスプレイ34には、後述のプロセッサ40(特に表示制御部46)により種々の画面が表示される。
【0025】
メモリ36は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)、あるいはRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。メモリ36は、後述のプロセッサ40とは別に設けられてもよいし、少なくとも一部がプロセッサ40の内部に設けられていてもよい。メモリ36には、検査装置16の各部を動作させるための画像処理プログラムが記憶される。なお、画像処理プログラムは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はCD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体に格納することもできる。検査装置16は、そのような記憶媒体から画像処理プログラムを読み取って実行することができる。また、
図2に示すように、メモリ36には、画像DB38が記憶される。
【0026】
画像DB38には、プリントサーバ12から受信した基準画像データと、複合機14から受信した、当該基準画像データに対応する検査対象画像データとが関連付けられて保存される。本実施形態では、プロセッサ40(特に後述の比較処理部42)によって、基準画像データと検査対象画像データとの間に差異があると判定された場合に、ユーザが検査結果を事後確認できるようにするため、あるいは、検査結果のエビデンスのために、当該基準画像データと当該検査対象画像データが画像DB38に保存される。画像DB38への基準画像データ及び検査対象画像データへの保存方法については後述する。
【0027】
プロセッサ40は、広義的な処理装置を指し、汎用的な処理装置(例えばCPU(Central Processing Unit)など)、及び、専用の処理装置(例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ40としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。
図1に示す通り、プロセッサ40は、メモリ36に記憶された画像処理プログラムにより、比較処理部42、保存処理部44、及び、表示制御部46としての機能を発揮する。
【0028】
図3は、比較処理部42による比較処理を示す概念図である。
図3の左側に示されているのが基準画像データRIであり、
図3の右側に示されているのが検査対象画像データTIである。比較処理部42は、プリントサーバ12から受信した基準画像データRIと、複合機14から受信した検査対象画像データTIとを比較する。具体的には、比較処理部42は、基準画像データRIと検査対象画像データTIとの間で、対応する画素毎に画素値(例えばRGB値)を比較する。比較処理部42は、当該比較により、画素値の差分が、予め定められた閾値未満である場合は当該画素に差分が無いと判定し、画素値の差分が所定の閾値以上である場合は当該画素に差分が有ると判定する。なお、当該閾値は、検査装置16の管理者などによって適宜決定されてよい。
【0029】
本実施形態では、基準画像データRIと検査対象画像データTIとの間で、画素値の差分が閾値以上である画素が所定数未満である場合、比較処理部42は、検査対象画像データTIが不良ではない良好な画像データであると判定する。一方、基準画像データRIと検査対象画像データTIとの間で、画素値の差分が閾値以上である画素が所定数以上である場合、比較処理部42は、検査対象画像データTIが不良であると判定する。なお、当該所定数も、検査装置16の管理者などによって適宜決定されてよい。
【0030】
図3の例では、黒塗りの画素Dが、画素値の差分が閾値以上である画素であり、検査対象画像データTIが不良であると比較処理部42が判定したとする。比較処理部42は、検査対象画像データTIが不良であると判定した場合、画素値の差分が閾値以上となった画素Dを含む所定の大きさの座標領域を不良領域として特定する。具体的には、比較処理部42は、基準画像データRIにおいて不良領域RNGを特定し、検査対象画像データTIにおいて不良領域TNGを特定する。本明細書では、基準画像データRIにおける不良領域RNG以外の領域を良好領域ROKと呼び、検査対象画像データTIにおける不良領域TNG以外の領域を良好領域TOKと呼ぶ。
【0031】
保存処理部44は、検査対象画像データTIが不良であると比較処理部42が判定した場合、当該検査対象画像データTIに基づく画像データと、それに対応する基準画像データRIに基づく画像データとを関連付けて画像DB38に保存する。ここで、本実施形態では、保存処理部44は、基準画像データRIの良好領域ROK、及び、検査対象画像データTIの良好領域TOKを、データ容量が小さい低容量形式で画像DB38に保存し、基準画像データRIにおける不良領域RNG、及び、検査対象画像データTIにおける不良領域TNGを、上記低容量形式に比して、データ容量が大きく且つ高画質な高画質形式で画像DB38に保存する。
【0032】
本実施形態では、保存処理部44は、基準画像データRIから不良領域RNGを抽出した画像データである、基準画像の不良領域画像データRNGI(
図4参照)、及び、基準画像データRIの良好領域ROKを含む画像データである、基準画像の良好領域画像データROKI(
図5参照)を画像DB38に保存する。本実施形態では、良好領域画像データROKIは、良好領域ROK及び不良領域RNGを含む、すなわち、基準画像データRIの全体を含むものとなっているが、良好領域画像データROKIは、基準画像データRIから良好領域ROKを抽出した画像データ(不良領域RNGを含まない画像データ)であってもよい。上述の通り、不良領域画像データRNGIは高画質形式の画像データであり、良好領域画像データROKIは低容量形式の画像データである。
【0033】
同様に、本実施形態では、保存処理部44は、検査対象画像データTIから不良領域TNGを抽出した画像データである、検査対象画像の不良領域画像データTNGI(
図6参照)、及び、検査対象画像データTIの良好領域TOKを含む画像データである、検査対象画像の良好領域画像データTOKI(
図7参照)を画像DB38に保存する。本実施形態では、良好領域画像データTOKIは、良好領域TOK及び不良領域TNGを含む、すなわち、検査対象画像データTIの全体を含むものとなっていが、良好領域画像データTOKIは、検査対象画像データTIから良好領域TOKを抽出した画像データ(不良領域TNGを含まない画像データ)であってもよい。上述の通り、不良領域画像データTNGIは高画質形式の画像データであり、良好領域画像データTOKIは低容量形式の画像データである。
【0034】
低容量形式とは、例えば、高圧縮率で圧縮された画像データであり、高画質形式とは、例えば、当該高圧縮率よりも圧縮率が小さい低圧縮率で圧縮された画像データ、又は、無圧縮の画像データである。
【0035】
圧縮率は、例えば画像データのフォーマットによって変更することができる。例えば、保存処理部44は、高圧縮でありデータ容量が小さいJPEGフォーマットで良好領域画像データROKI,TOKIを画像DB38に保存し、低圧縮でありデータ容量が大きいTIFFフォーマットで不良領域画像データRNGI,TNGIを画像DB38に保存する。あるいは、保存処理部44は、JPEGフォーマットで良好領域画像データROKI,TOKIを画像DB38に保存し、無圧縮であるビットマップ(BMP)フォーマットで不良領域画像データRNGI,TNGIを画像DB38に保存する。
【0036】
また、同じフォーマットでも圧縮率に差を付けられる場合には、保存処理部44は、良好領域画像データROKI,TOKIと、不良領域画像データRNGI,TNGIとを同フォーマットとしてもよい。例えば、保存処理部44は、高圧縮率のJPEGフォーマットで良好領域画像データROKI,TOKIを画像DB38に保存し、当該高圧縮率よりも圧縮率が低い低圧縮率のJPEGフォーマットで不良領域画像データRNGI,TNGIを画像DB38に保存してもよい。
【0037】
また、保存処理部44は、良好領域画像データROKI,TOKIをグレースケール画像で画像DB38に保存し、グレースケール画像よりもデータ容量が大きく且つ高画質であるカラー画像で不良領域画像データRNGI,TNGIを画像DB38に保存してもよい。さらに、保存処理部44は、高圧縮でありデータ容量が小さいフォーマット、且つ、グレースケール画像で良好領域画像データROKI,TOKIを画像DB38に保存し、低圧縮でありデータ容量が大きいフォーマット、且つ、カラー画像で不良領域画像データRNGI,TNGIを画像DB38に保存してもよい。
【0038】
本実施形態によれば、良好領域ROK,TOKが低容量形式で画像DB38に記憶される。これにより、基準画像データRI及び検査対象画像データTIの全体を高画質形式で画像DB38に記憶させた場合に比して、基準画像データRI及び検査対象画像データTIのデータ容量が低減され、画像DB38(すなわちメモリ36)の記憶容量の圧迫が抑制される。一方、本実施形態では、不良領域RNG,TNGは高画質形式で画像DB38に記憶される。これにより、基準画像データRI及び検査対象画像データTIのデータ容量の低減に伴う、不良領域RNG,TNGの画質の低下が抑制される。
【0039】
保存処理部44は、検査対象画像データTIが不良であると比較処理部42が判定した場合、プリントサーバ12から受信した上述の解析情報に基づいて、不良領域RNG,TNG内の、基準画像データRI又は検査対象画像データTIの内容に応じて、不良領域RNG,TNGを、低容量形式で画像DB38に保存するか、高画質形式で画像DB38に保存するかを決定するようにしてもよい。
【0040】
例えば、保存処理部44は、不良領域RNG,TNGの内容が文字である場合、換言すれば、不良領域RNG,TNGが、解析情報が示す文字領域内にある場合、保存処理部44は、不良領域RNG,TNGを高画質形式ではなく、低画質形式で画像DB38に保存する。これは、文字領域については、ユーザは低画質でも十分に確認できると考えられるからである。一方、保存処理部44は、不良領域RNG,TNGの内容が絵や写真である場合、換言すれば、不良領域RNG,TNGが、解析情報が示す画像領域内にある場合、保存処理部44は、不良領域RNG,TNGを高画質形式で画像DB38に保存する。
【0041】
また、例えば、保存処理部44は、不良領域RNG,TNG内の色が白黒又はグレースケールである場合、換言すれば、不良領域RNG,TNGが、解析情報が示すモノクロ領域内にある場合、保存処理部44は、不良領域RNG,TNGを高画質形式ではなく、低画質形式で画像DB38に保存する。一方、保存処理部44は、不良領域RNG,TNG内の色がカラーである場合、換言すれば、不良領域RNG,TNGが、解析情報が示すカラー領域内にある場合、保存処理部44は、不良領域RNG,TNGを高画質形式で画像DB38に保存する。
【0042】
なお、不良領域RNG,TNGを低画質形式とする場合、基準画像データRI及び検査対象画像データTIの全体を低画質形式とする(例えば画像全体をJPEGフォーマットに変換する)ことができる。また、不良領域RNG,TNGを低画質形式とすべく圧縮する場合、不良領域RNG,TNGの圧縮率と、良好領域ROK,TOKの圧縮率は同じでなくてもよい。
【0043】
基準画像データRIの良好領域ROKと、検査対象画像データTIの良好領域TOKは、たがいに差異が無いと判定されているため、良好領域ROKと良好領域TOKは、対応する画素の画素値の差分がかなり小さいことになる。すなわち、良好領域ROKと良好領域TOKは、実質的に同一の画像であるといってよい。したがって、保存処理部44は、基準画像データRIの良好領域ROK、又は、検査対象画像データTIの良好領域TOKのいずれか一方画像DB38に保存しないようにしてもよい。これにより、さらに画像DB38の記憶容量の圧迫が抑制される。
【0044】
表示制御部46は、画像DB38に保存された、基準画像データRIに基づく画像データ、及び、検査対象画像データTIに基づく画像データをディスプレイ34に表示させる。なお、表示制御部46は、ディスプレイ34に代えてあるいは加えて、表示部としての、プリントサーバ12のディスプレイ、あるいは、基準画像データRI及び検査対象画像データTIに係る印刷ジョブをプリントサーバ12に送信したユーザが利用するユーザ端末のディスプレイに、基準画像データRIに基づく画像データ、及び、検査対象画像データTIに基づく画像データを表示させてもよい。
【0045】
図8は、基準画像データRIに基づく画像データ、及び、検査対象画像データTIに基づく画像データの表示例を示す図である。上述のように、画像DB38には、基準画像データRIの良好領域ROK、及び、検査対象画像データTIの良好領域TOKは、低容量形式で保存され、基準画像データRIの不良領域RNG、及び、検査対象画像データTIの不良領域TNGは、高画質形式で保存されている。したがって、表示制御部46は、低容量形式の基準画像データRIの良好領域ROKと、高画質形式の基準画像データRIの不良領域RNGとが組み合わされた組み合わせ基準画像データCRI、及び、低容量形式の検査対象画像データTIの良好領域TOKと、高画質形式の検査対象画像データTIの不良領域TNGとが組み合わされた組み合わせ検査対象画像データCTIをディスプレイ34に表示させる。これにより、ユーザは、不良領域RNG,TNGを高画質で確認することができる。
【0046】
本実施形態では、
図8に示すように、表示制御部46は、基準画像の良好領域画像データROKIと基準画像の不良領域画像データRNGIを組み合わせた組み合わせ基準画像データCRIをディスプレイ34に表示させる。また、表示制御部46は、検査対象画像の良好領域画像データTOKIと検査対象画像の不良領域画像データTNGIを組み合わせた組み合わせ検査対象画像データCTIをディスプレイ34に表示させる。ユーザが両画像データ比較し易いように、表示制御部46は、組み合わせ基準画像データCRIと組み合わせ検査対象画像データCTIとを並べて表示させるとよい。
【0047】
保存処理部44が、基準画像データRIの良好領域ROK、又は、検査対象画像データTIの良好領域TOKのいずれか一方画像DB38に保存しなかった場合、表示制御部46は、画像DB38に保存された、基準画像データRI又は検査対象画像データTIのいずれか一方の良好領域ROK又はTOKと、高画質形式の基準画像データRIの不良領域RNGとが組み合わされた組み合わせ基準画像データCRI、及び、画像DB38に保存された、基準画像データRI又は検査対象画像データTIのいずれか一方の良好領域ROK又はTOKと、高画質形式の検査対象画像データTIの不良領域TNGとが組み合わされた組み合わせ検査対象画像データCTIをディスプレイ34に表示させる。
【0048】
また、表示制御部46は、
図9に示すように、まず、良好領域ROK及び不良領域RNGを含む低容量形式の基準画像の良好領域画像データROKIと、良好領域TOK及び不良領域TNGを含む低容量形式の検査対象画像の良好領域画像データTOKIとをディスプレイ34に表示させてもよい。このとき、ユーザが不良領域RNG,TNGの位置が分かるように、RNGを示すアイコンが表示されるとよい。その上で、ユーザがカーソルなどで不良領域RNG,TNGを選択すると、
図10に示すように、表示制御部46は、基準画像の不良領域画像データRNGIと、検査対象画像の不良領域画像データTNGIをディスプレイ34に拡大表示するようにしてもよい。
【0049】
本実施形態では、基準画像データRIがプリントサーバ12から受信したラスタ画像データであり、検査対象画像データTIが複合機14から受信した読取画像である。そこで、比較処理部42による基準画像データRIと検査対象画像データTIとの比較、保存処理部44による基準画像データRI及び検査対象画像データTIの良好領域ROK,TOK及び基準画像データRI及び検査対象画像データTIの不良領域RNG,TNGの画像DB36への保存、並びに、表示制御部46による組み合わせ基準画像データCRI及び組み合わせ検査対象画像データCTIのディスプレイ34への表示は、検査装置16が基準画像データRI及び検査対象画像データTIを受信した後、直ちに行われるとよい。換言すれば、プロセッサ40による検査処理は、印刷ジョブの印刷処理とリアルタイムに実行されるとよい。これにより、ユーザは、検査処理により印刷媒体が不良であると判定された場合、直ちに、当該ラスタ画像データに関する印刷処理を再度実行することなどが可能となる。
【0050】
本実施形態に係る検査装置16の概要は以上の通りである。以下、
図11に示すフローチャートに従って、検査装置16の処理の流れを説明する。
【0051】
ステップS10において、プロセッサ40は、プリントサーバ12から、基準画像データRIとしてのラスタ画像データを受信する。また、プロセッサ40は、プリントサーバ12から、印刷ジョブを解析して、ラスタ画像データ(又は印刷画像データ)の内容を表す解析情報を受信する。
【0052】
ステップS12において、プロセッサ40は、複合機14から、検査対象画像データTIとしての読取画像データを受信する。
【0053】
ステップS14において、比較処理部42は、ステップS10で取得した基準画像データRIと、ステップS12で取得した検査対象画像データTIを比較し、検査対象画像データTIが不良であるか否かを判定する。検査対象画像データTIが不良ではない場合は、処理を終了する。検査対象画像データTIが不良である場合はステップS16に進む。
【0054】
ステップS16において、比較処理部42は、ステップS14における比較において、画素値の差分が閾値以上となった画素を含む所定の大きさの座標領域を不良領域RNG,TNGとして特定する。
【0055】
ステップS18において、保存処理部44は、ステップS10で取得した解析情報に基づいて、ステップS16で特定された不良領域RNG,TNGの内容を特定する。不良領域RNG,TNGの内容が、例えば、絵や写真、あるいは、色がカラーであるなど、高画質対象である場合はステップS20に進み、不良領域RNG,TNGの内容が、例えば、文字、あるいは、色が白黒又はグレースケールであるなど、低容量対象である場合はステップS24に進む。
【0056】
ステップS20において、保存処理部44は、基準画像データRIの良好領域ROK、及び、検査対象画像データTIの良好領域TOKを低容量形式で画像DB38に保存し、基準画像データRIにおける不良領域RNG、及び、検査対象画像データTIにおける不良領域TNGを高画質形式で画像DB38に保存する。
【0057】
ステップS22において、表示制御部46は、低容量形式の基準画像データRIの良好領域ROKと、高画質形式の基準画像データRIの不良領域RNGとが組み合わされた組み合わせ基準画像データCRI、及び、低容量形式の検査対象画像データTIの良好領域TOKと、高画質形式の検査対象画像データTIの不良領域TNGとが組み合わされた組み合わせ検査対象画像データCTIをディスプレイ34に表示させる。
【0058】
ステップS24において、保存処理部44は、低容量形式の基準画像データRI及び検査対象画像データTIを画像DB38に保存する。
【0059】
ステップS26において、表示制御部46は、低容量形式の基準画像データRI及び検査対象画像データTIをディスプレイ34に表示させる。
【0060】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0061】
例えば、本実施形態では、検査対象物は、複合機14で印刷された印刷媒体であったが、検査対象物はこれには限られない。基準画像データと検査対象画像データとを比較し、両画像データの間に差異があった場合に、基準画像データ及び検査対象画像データをメモリに記憶させる限りにおいて、本発明を好適に適用することができる。
【0062】
また、本実施形態では、画像DB38、並びに、比較処理部42、保存処理部44、及び表示制御部46の各機能を検査装置16が有していたが、画像DB38及びこれらの機能は、プリントサーバ12あるいは複合機14が有していてもよい。
【0063】
(付記)
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
検査の基準となる基準画像データと、検査対象物が表された検査対象画像データとを比較して、前記基準画像データと前記検査対象画像データとの間における差異を含む座標領域を不良領域として特定し、
前記基準画像データの前記不良領域以外の領域である良好領域、及び、前記検査対象画像データの前記良好領域を、データ容量が小さい低容量形式でメモリに保存し、前記基準画像データにおける前記不良領域、及び、前記検査対象画像データにおける前記不良領域を、前記低容量形式に比して、データ容量が大きく且つ高画質な高画質形式で前記メモリに保存する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(((2)))
前記低容量形式は、高圧縮率で圧縮された画像データであり、
前記高画質形式は、前記高圧縮率よりも圧縮率が小さい低圧縮率で圧縮された画像データ、又は、無圧縮の画像データである、
ことを特徴とする(((1)))に記載の画像処理装置。
(((3)))
前記検査対象画像データは、印刷要求に係る印刷画像データが印刷された印刷媒体を読み取って得られ、
前記プロセッサは、
前記印刷画像データに基づいて特定された、前記不良領域内の、前記基準画像データ又は前記検査対象画像データの内容に応じて、前記基準画像データにおける前記不良領域、及び、前記検査対象画像データにおける前記不良領域を、前記低容量形式で前記メモリに保存するか、前記高画質形式で前記メモリに保存するかを決定する、
ことを特徴とする(((1)))又は(((2)))に記載の画像処理装置。
(((4)))
前記プロセッサは、
前記基準画像データ又は前記検査対象画像データのいずれか一方の前記良好領域を前記メモリに保存しない、
ことを特徴とする(((1)))から(((3)))のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(((5)))
前記プロセッサは、
前記低容量形式の前記基準画像データの前記良好領域と、前記高画質形式の前記基準画像データの前記不良領域とが組み合わされた組み合わせ基準画像データ、及び、前記低容量形式の前記検査対象画像データの前記良好領域と、前記高画質形式の前記検査対象画像データの前記不良領域とが組み合わされた組み合わせ検査対象画像データを表示部に表示させる、
ことを特徴とする(((1)))から(((3)))のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(((6)))
前記プロセッサは、
前記メモリに保存された、前記基準画像データ又は前記検査対象画像データのいずれか一方の前記良好領域と、前記高画質形式の前記基準画像データの前記不良領域とが組み合わされた組み合わせ基準画像データ、及び、前記メモリに保存された、前記基準画像データ又は前記検査対象画像データのいずれか一方の前記良好領域と、前記高画質形式の前記検査対象画像データの前記不良領域とが組み合わされた組み合わせ検査対象画像データを表示部に表示させる、
ことを特徴とする(((4)))に記載の画像処理装置。
(((7)))
コンピュータに、
検査の基準となる基準画像データと、検査対象物が表わされた検査対象画像データとを比較して、前記基準画像データと前記検査対象画像データとの間における差異を含む座標領域を不良領域として特定させ、
前記基準画像データの前記不良領域以外の領域、及び、前記検査対象画像データの前記不良領域以外の領域を、データ容量が小さい低容量形式でメモリに保存させ、前記基準画像データにおける前記不良領域、及び、前記検査対象画像データにおける前記不良領域を、前記低容量形式に比して、データ容量が大きく且つ高画質な高画質形式で前記メモリに保存させる、
ことを特徴とする画像処理プログラム。
【0064】
(((1)))又は(((7)))に係る発明によれば、基準画像データと検査対象画像データとの間における差異を含む不良領域の画質の劣化を抑制しつつ、基準画像データ及び検査対象画像データのデータ容量を低減することができる。
(((2)))に係る発明によれば、画像データの圧縮率を変化させることで、低容量形式と高画質形式を実現することができる。
(((3)))に係る発明によれば、不良領域内の画像データの内容に応じて、不良領域の形式を決定することができる。
(((4)))に係る発明によれば、基準画像データ及び検査対象画像データの両方の良好領域をメモリに保存する場合に比して、さらに、基準画像データ及び検査対象画像データのデータ容量を低減することができる。
(((5)))又は(((6)))に係る発明によれば、ユーザは、基準画像データ及び検査対象画像データの高画質形式の不良領域を確認することができる。
【符号の説明】
【0065】
10 検査システム、12 プリントサーバ、14 複合機、16 検査装置、18 通信回線、30 通信インターフェース、32 入力インターフェース、34 ディスプレイ、36 メモリ、38 画像DB、40 プロセッサ、42 比較処理部、44 保存処理部、46 表示処理部。