(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042788
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】折り畳み式テーブル
(51)【国際特許分類】
B60N 3/00 20060101AFI20240322BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20240322BHJP
B61D 33/00 20060101ALI20240322BHJP
B61D 37/00 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
B60N3/00 A
A47C7/62 B
B61D33/00 A
B61D37/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147622
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】521475989
【氏名又は名称】川崎車両株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 武史
【テーマコード(参考)】
3B084
3B088
【Fターム(参考)】
3B084JA04
3B088AA02
(57)【要約】
【課題】簡易な構造で揺動溝が露出することを防止することができる折り畳み式テーブルを提供する。
【解決手段】一実施形態に係る折り畳み式テーブルは、両側面から突出する一対のストッパーシャフト32を含むテーブル本体3と、一対の回転シャフト4を介してテーブル本体3を揺動可能に支持する一対のテーブルアーム2を含む。各テーブルアーム2は、ストッパーシャフト32との係合によってテーブル本体3の揺動範囲を規定する揺動溝22を含む。テーブル本体3とテーブルアーム2との間には一対の塞ぎ板5がそれぞれ挟み込まれている。各塞ぎ板5は、回転シャフト4回りに揺動可能であり、ストッパーシャフト32が挿入される、揺動溝22と同方向に延びるスリット52を含む。各塞ぎ板5はテーブル本体3の厚さよりも大きな幅を有し、スリット52の長さは揺動溝22の長さよりも短い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側面から突出する一対のストッパーシャフトを含むテーブル本体と、
一対の回転シャフトを介して前記テーブル本体を揺動可能に支持する一対のテーブルアームであって、前記ストッパーシャフトとの係合によって前記テーブル本体の揺動範囲を規定する揺動溝を含む一対のテーブルアームと、
前記テーブル本体と前記一対のテーブルアームとの間にそれぞれ挟み込まれた、前記回転シャフト回りに揺動可能な一対の塞ぎ板であって、前記ストッパーシャフトが挿入される、前記揺動溝と同方向に延びるスリットを含む一対の塞ぎ板と、を備え、
前記一対の塞ぎ板のそれぞれは、当該塞ぎ板の揺動方向において前記テーブル本体の厚さよりも大きな幅を有し、
前記スリットの長さは前記揺動溝の長さよりも短い、折り畳み式テーブル。
【請求項2】
前記一対の塞ぎ板のそれぞれは、前記テーブルアームと対向する主面から前記スリットの少なくとも一端および他端に沿って突出し、前記揺動溝内に挿入されるフランジを含む、請求項1に記載の折り畳み式テーブル。
【請求項3】
前記一対のテーブルアームのそれぞれと、前記一対の塞ぎ板のそれぞれの一方には、突起が設けられ、他方には、前記突起と係合することで、前記塞ぎ板の揺動範囲を前記揺動溝の長さと前記スリットの長さの差分に一致させる係合穴が設けられている、請求項1に記載の折り畳み式テーブル。
【請求項4】
前記一対のテーブルアームのそれぞれにおける前記テーブル本体に近い先端部に、当該先端部を前記塞ぎ板と共に覆うカバーが取り付けられている、請求項1に記載の折り畳み式テーブル。
【請求項5】
前記一対の塞ぎ板のそれぞれは、前記回転シャフトに挿通される挿通穴を含み、前記挿通穴から前記スリットに向かって幅が広がる形状を有する、請求項1~4の何れか一項に記載の折り畳み式テーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載される折り畳み式テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば鉄道車両などの車両では、前列シートの背面に、後列シート用の折り畳み式テーブルが設けられる。例えば、特許文献1には、
図8に示すような折り畳み式テーブル100が開示されている。
【0003】
具体的に、折り畳み式テーブル100は、シート200に揺動可能に取り付けられた一対のテーブルアーム110と、テーブルアーム110に回転シャフト130を介して揺動可能に支持されたテーブル本体120を含む。なお、テーブルアーム110は特許文献1では「支柱」と呼ばれている。
【0004】
テーブル本体120には、両側面から突出するように一対のストッパーシャフト121が設けられており、テーブルアーム110には、ストッパーシャフト121との係合によってテーブル本体120の揺動範囲を規定する揺動穴111が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図8に示す折り畳み式テーブル100では、テーブルアーム110の揺動穴111が貫通穴であるので、揺動穴111にテーブルアーム110の外側から異物が入り込むことがある。そこで、揺動穴111を外側から塞いで、揺動穴111を底の有る揺動溝とすることが行われている。
【0007】
しかしながら、揺動穴111を揺動溝とした場合でも、
図8に示す使用状態では、テーブルアーム110の内側およびテーブル本体120の下方で揺動溝が露出するため、揺動溝にテーブルアーム110の内側から異物が入り込むおそれがある。
【0008】
そこで、本開示は、簡易な構造で揺動溝が露出することを防止することができる折り畳み式テーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、両側面から突出する一対のストッパーシャフトを含むテーブル本体と、一対の回転シャフトを介して前記テーブル本体を揺動可能に支持する一対のテーブルアームであって、前記ストッパーシャフトとの係合によって前記テーブル本体の揺動範囲を規定する揺動溝を含む一対のテーブルアームと、前記テーブル本体と前記一対のテーブルアームとの間にそれぞれ挟み込まれた、前記回転シャフト回りに揺動可能な一対の塞ぎ板であって、前記ストッパーシャフトが挿入される、前記揺動溝と同方向に延びるスリットを含む一対の塞ぎ板と、を備え、前記一対の塞ぎ板のそれぞれは、当該塞ぎ板の揺動方向において前記テーブル本体の厚さよりも大きな幅を有し、前記スリットの長さは前記揺動溝の長さよりも短い、折り畳み式テーブルを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、簡易な構造で揺動溝が露出することを防止することができる折り畳み式テーブルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係る折り畳み式テーブルの側面図である。
【
図2】前記折り畳み式テーブルの分解斜視図である。
【
図4】
図4Aは格納状態でのテーブル本体、テーブルアームおよび塞ぎ板の位置関係を示す図、
図4Bは使用状態でのテーブル本体、テーブルアームおよび塞ぎ板の位置関係を示す図である。
【
図5】塞ぎ板が本来の揺動範囲を超える位置まで揺動したときのテーブル本体、テーブルアームおよび塞ぎ板の位置関係を示す図である。
【
図6】変形例の折り畳み式テーブルにおけるテーブルアームおよび塞ぎ板の分解斜視図である。
【
図7】
図7Aは別の変形例の折り畳み式テーブルにおけるテーブルアームおよびカバーの斜視図であり、
図7Bは前記テーブルアームおよび前記カバーの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に、一実施形態に係る折り畳み式テーブル1を示す。折り畳み式テーブル1は、シート10の背面に設けられ、実線で示す格納状態と、二点鎖線で示す使用状態との間で操作される。
【0013】
具体的に、折り畳み式テーブル1は、シート10に揺動可能に取り付けられた一対のテーブルアーム2と、一対のテーブルアーム2の間に挟持され、かつ、テーブルアーム2に揺動可能に支持されたテーブル本体3を含む。
図1に示すように、格納状態ではテーブルアーム2およびテーブル本体3がシート10の背面と平行となり、使用状態ではテーブルアーム2が後ろ向きに傾倒されるとともにテーブル本体3が水平となる。
【0014】
より詳しくは、
図2に示すように、テーブル本体3は、一対の回転シャフト4を介してテーブルアーム2に揺動可能に支持されている。一対の回転シャフト4は同軸上に位置する。
【0015】
テーブル本体3は略長方形状であり、長辺側に正面および背面を有するとともに、短辺側に一対の側面を有する。正面とは使用状態で使用者側を向く端面であり、背面とは使用状態で使用者と反対側、すなわちシート10側を向く端面である。また、テーブル本体3の厚さ方向の一方を向く主面が使用状態で上面となる載置面であり、他方を向く主面が使用状態で下面となる裏面である。
【0016】
本実施形態では、テーブル本体3の両側面における背面に近い位置に一対のネジ穴31が設けられており、回転シャフト4はネジ穴31に螺合するボルトである。各テーブルアーム2におけるテーブル本体3に近い先端部には、回転シャフト4と嵌合する嵌合穴21が設けられている。嵌合穴21の直径は回転シャフト4におけるテーブルアーム2を貫通する部分の直径とほぼ等しい。
【0017】
ただし、回転シャフト4はテーブル本体3に一体的に設けられてもよい。あるいは、回転シャフト4はテーブルアーム2に一体的に設けられてもよい。
【0018】
テーブル本体3には、両側面から突出するように一対のストッパーシャフト32が設けられている。一対のストッパーシャフト32は、ネジ穴31とテーブル本体3の背面との間で同軸上に位置する。
【0019】
一方、各テーブルアーム2には、ストッパーシャフト32が挿入される揺動溝22が設けられている。揺動溝22は、嵌合穴21を中心とする円弧状であり、ストッパーシャフト32との係合によってテーブル本体3の揺動範囲を規定する。
【0020】
つまり、格納状態では
図4Aに示すようにストッパーシャフト32が揺動溝22の一端22aに係合し、使用状態では
図4Bに示すようにストッパーシャフト32が揺動溝22の他端22bに係合する。
【0021】
さらに、本実施形態では、
図2に示すように、テーブル本体3と一対のテーブルアーム2との間に一対の塞ぎ板5がそれぞれ挟み込まれている。各塞ぎ板5は、回転シャフト4回りに揺動可能であり、回転シャフト4およびストッパーシャフト32に貫通される。
【0022】
各塞ぎ板5の厚さ方向は回転シャフト4およびストッパーシャフト32の軸方向と平行であり、各塞ぎ板5の一方の主面5aがテーブルアーム2と対向し、他方の主面5bがテーブル本体3の側面と対向する。主面5a,5bについては、
図3を参照。
【0023】
より詳しくは、
図3に示すように、各塞ぎ板5には、回転シャフト4に挿通される挿通穴51と、ストッパーシャフト32が挿入されるスリット52が設けられている。本実施形態では、挿通穴51の直径が回転シャフト4における塞ぎ板5を貫通する部分の直径とほぼ等しく設定されている。つまり、挿通穴51が回転シャフト4に嵌合することで、塞ぎ板5が回転シャフト4回りに揺動可能となっている。スリット52は揺動溝22と同方向に延びる円弧状である。
【0024】
スリット52の長さは、揺動溝22の長さよりも短い。ここで、「スリット52の長さ」とは、スリット52の一端52aから他端52bまでの円弧状の中心線の長さであり、「揺動溝22の長さ」とは、揺動溝22の一端22aから他端22bまでの円弧状の中心線の長さである。一端22aおよび他端22bについては、
図4Aを参照。
【0025】
また、各塞ぎ板5は、当該塞ぎ板5の揺動方向、すなわち挿通穴51の中心とスリット52の中心とを結ぶ線と直交する方向において、テーブル本体3の厚さTよりも大きな幅Wを有する。テーブル本体3の厚さTおよび塞ぎ板5の幅Wについては、
図4Bを参照。本実施形態では、各塞ぎ板5が、挿通穴51からスリット52に向かって幅が広がる略二等辺三角形状の形状を有し、等辺間の底辺が挿通穴51を中心とする円弧状である。
【0026】
各塞ぎ板5におけるスリット52の延在方向でスリット52の両側に位置する部分の幅、換言すればスリット52の中心線の延長線上に位置する部分の幅は、テーブル本体3の載置面からストッパーシャフト32までの距離以下であるとともに、テーブル本体3の裏面からストッパーシャフト32までの距離以下である。このため、
図4Aに示すようにストッパーシャフト32がスリット52の一端52aに係合したときには塞ぎ板5がテーブル本体3の裏面から張り出さず、
図4Bに示すようにストッパーシャフト32がスリット52の他端52bに係合したときには塞ぎ板5がテーブル本体3の載置面から張り出さない。
【0027】
さらに、各塞ぎ板5には、
図3に示すように、テーブルアーム2と対向する主面2aからスリット52の全周に沿って突出するフランジ53が設けられている。フランジ53は、テーブルアーム2の揺動溝22内に挿入される。ただし、フランジ53は、スリット52の少なくとも一端52aおよび他端52bに沿って主面5aから突出すればよい。
【0028】
次に、
図4A,4Bを参照して、格納状態および使用状態でのテーブル本体3、テーブルアーム2および塞ぎ板5の位置関係を説明する。なお、
図4A,4Bは、テーブルアーム2の内側から見た図であり、テーブル本体3を二点鎖線で示す。
【0029】
図4Aに示すように、格納状態では、ストッパーシャフト32がテーブルアーム2の揺動溝22の一端22aおよび塞ぎ板5のスリット52の一端52aに係合する。このため、塞ぎ板5がテーブル本体3から載置面側である一方に張り出して揺動溝22の他端22b側を覆う。
【0030】
テーブル本体3が格納状態から使用状態までテーブルアーム2に対して相対的に揺動すると、ストッパーシャフト32が塞ぎ板5のスリット52の他端52bに係合した後は、塞ぎ板5がテーブル本体3と共に、ストッパーシャフト32が揺動溝22の他端22bに係合するまで揺動する。つまり、塞ぎ板5の揺動範囲は、揺動溝22の長さとスリット52の長さ差分である。
【0031】
図4Bに示すように、使用状態では、ストッパーシャフト32がテーブルアーム2の揺動溝22の他端22bおよび塞ぎ板5のスリット52の他端52bに係合する。このため、塞ぎ板5がテーブル本体3から裏面側である他方に張り出して揺動溝22の一端22a側を覆う。
【0032】
このように、本実施形態では、格納状態でも使用状態でも、揺動溝22が露出することを防止することができる。しかも、揺動溝22の露出の防止は、テーブル本体3とテーブルアーム2との間に塞ぎ板5を挟み込むという簡易な構造で実現される。さらには、既設の折り畳み式テーブルに対しては、塞ぎ板5を追加するだけで上記の効果を得ることができる。
【0033】
ところで、各塞ぎ板5にフランジ53が設けられていない場合には、
図5に示すように、テーブル本体3が格納状態から使用状態まで揺動する際に、塞ぎ板5とテーブル本体3との摩擦によって塞ぎ板5がテーブル本体3と一緒に揺動することがある。この場合には、使用状態で、テーブル本体3の裏面側で揺動溝22が露出する。
【0034】
これに対し、本実施形態では各塞ぎ板5にフランジ53が設けられているので、塞ぎ板5の揺動範囲が揺動溝22の長さとスリット52の長さの差分に一致する。このため、塞ぎ板5が本来の揺動範囲を超える位置まで揺動して揺動溝22が露出することを防止することができる。
【0035】
<変形例>
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0036】
例えば、塞ぎ板5が本来の揺動範囲を超える位置まで揺動して揺動溝22が露出することを防止するための構成としては、
図6に示すように、各塞ぎ板5のテーブルアーム2と対向する主面5aに突起55が設けられる一方、各テーブルアーム2には、突起55と係合することで、塞ぎ板5の揺動範囲を揺動溝22の長さとスリット52の長さの差分に一致させる係合穴25が設けられてもよい。
図6とは逆に、突起55がテーブルアーム2に設けられ、係合穴25が塞ぎ板5に設けられてもよい。
【0037】
あるいは、
図7A,7Bに示すように、テーブルアーム2の先端部に、当該先端部を塞ぎ板5と共に覆うカバー6が取り付けられてもよい。カバー6は一方向に開口する容器状の形状を有し、その開口からテーブルアーム2の先端部がカバー6内に挿入される。
【0038】
具体的に、カバー6は、塞ぎ板5を挟んでテーブルアーム2の内側面と対向する略三角形状の内壁61と、テーブルアーム2の外側面と対向する略三角形状の外壁62と、内壁61と外壁62の二辺同士を連結する断面略V字状の連結壁63を含む。内壁61および外壁62には回転シャフト4に挿通される開口64が設けられている。また、内壁61には、揺動溝22と同形状のスリット65が設けられている。
【0039】
図7A,7Bに示す変形例では、塞ぎ板5のテーブルアーム2と反対側の主面5bに、挿通穴51を取り囲む環状のリム56が設けられており、このリム56がカバー6の内壁61の開口64に嵌合することで、カバー6がテーブルアーム2の先端部に装着される。
【0040】
図7A,7Bに示す構成でも、塞ぎ板5が本来の揺動範囲を超える位置まで揺動して揺動溝22が露出することを防止することができる。しかも、塞ぎ板5がテーブルアーム2とカバー6とに挟まれた密接構造になっているので、塞ぎ板5とカバー6との間への異物の噛み込みを確実に防止できる。
【0041】
<まとめ>
第1の態様として、本開示は、両側面から突出する一対のストッパーシャフトを含むテーブル本体と、一対の回転シャフトを介して前記テーブル本体を揺動可能に支持する一対のテーブルアームであって、前記ストッパーシャフトとの係合によって前記テーブル本体の揺動範囲を規定する揺動溝を含む一対のテーブルアームと、前記テーブル本体と前記一対のテーブルアームとの間にそれぞれ挟み込まれた、前記回転シャフト回りに揺動可能な一対の塞ぎ板であって、前記ストッパーシャフトが挿入される、前記揺動溝と同方向に延びるスリットを含む一対の塞ぎ板と、を備え、前記一対の塞ぎ板のそれぞれは、当該塞ぎ板の揺動方向において前記テーブル本体の厚さよりも大きな幅を有し、前記スリットの長さは前記揺動溝の長さよりも短い、折り畳み式テーブルを提供する。
【0042】
上記の構成によれば、ストッパーシャフトがテーブルアームの揺動溝の一端および塞ぎ板のスリットの一端に係合する格納状態では塞ぎ板がテーブル本体から一方に張り出して揺動溝の他端側を覆い、ストッパーシャフトがテーブルアームの揺動溝の他端および塞ぎ板のスリットの他端に係合する使用状態では塞ぎ板がテーブル本体から他方に張り出して揺動溝の一端側を覆う。従って、簡易な構造で揺動溝が露出することを防止することができる。しかも、既設の折り畳み式テーブルに対しては、塞ぎ板を追加するだけで上記の効果を得ることができる。
【0043】
第2の態様として、第1の態様において、前記一対の塞ぎ板のそれぞれは、前記テーブルアームと対向する主面から前記スリットの少なくとも一端および他端に沿って突出し、前記揺動溝内に挿入されるフランジを含んでもよい。この構成によれば、塞ぎ板の揺動範囲が揺動溝の長さとスリットの長さの差分に一致するため、塞ぎ板が本来の揺動範囲を超える位置まで揺動して揺動溝が露出することを防止することができる。
【0044】
第3の態様として、第1の態様において、前記一対のテーブルアームのそれぞれと、前記一対の塞ぎ板のそれぞれの一方には、突起が設けられ、他方には、前記突起と係合することで、前記塞ぎ板の揺動範囲を前記揺動溝の長さと前記スリットの長さの差分に一致させる係合穴が設けられてもよい。この構成によれば、塞ぎ板が本来の揺動範囲を超える位置まで揺動して揺動溝が露出することを防止することができる。
【0045】
第4の態様として、第1の態様において、前記一対のテーブルアームのそれぞれにおける前記テーブル本体に近い先端部に、当該先端部を前記塞ぎ板と共に覆うカバーが取り付けられてもよい。この構成によれば、塞ぎ板が本来の揺動範囲を超える位置まで揺動して揺動溝が露出することを防止することができる。しかも、塞ぎ板がテーブルアームとカバーとに挟まれた密接構造になっているので、塞ぎ板とカバーとの間への異物の噛み込みを確実に防止できる。
【0046】
第5の態様として、第1乃至第4の態様の何れかにおいて、例えば、前記一対の塞ぎ板のそれぞれは、前記回転シャフトに挿通される挿通穴を含み、前記挿通穴から前記スリットに向かって幅が広がる形状を有してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 折り畳み式テーブル
2 テーブルアーム
22 揺動溝
22a 一端
22b 他端
25 係合穴
3 テーブル本体
32 ストッパーシャフト
4 回転シャフト
5 塞ぎ板
51 挿通穴
52 スリット
52a 一端
52b 他端
53 フランジ
55 突起
6 カバー