(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042791
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】冷媒ユニット
(51)【国際特許分類】
F25B 31/00 20060101AFI20240322BHJP
F25B 41/40 20210101ALI20240322BHJP
【FI】
F25B31/00 Z
F25B41/40 B
F25B41/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147635
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古嶋 慎太郎
(57)【要約】
【課題】圧縮機等の振動に対する耐性を確保すると共に、冷媒配管における熱ロス及び冷媒圧力損失を低減させる。
【解決手段】圧縮機20、加熱器40、減圧装置71,72、冷却器30、及び、気液分離器22を含む冷媒回路と、冷媒回路を支持する支持プレート12と、を備え、少なくとも圧縮機、加熱器、冷却器、及び、気液分離器が、それぞれ支持プレートに固定された冷媒ユニット10を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、加熱器、減圧装置、冷却器、及び、気液分離器が、冷媒配管によって接続されている冷媒回路と、
前記冷媒回路を支持する支持プレートと、を備え、
少なくとも前記圧縮機、前記加熱器、前記冷却器、及び、前記気液分離器が、それぞれ前記支持プレートに固定されている、冷媒ユニット。
【請求項2】
前記圧縮機の冷媒吸入口に接続された前記冷媒配管は、少なくとも1つの屈曲部を有している、請求項1記載の冷媒ユニット。
【請求項3】
前記冷媒配管は、前記冷媒配管によって前記圧縮機の冷媒吸入口と接続された被接続機器よりも前記圧縮機側に少なくとも1つの屈曲部を有している、請求項2記載の冷媒ユニット。
【請求項4】
前記冷媒回路は、前記冷媒回路を循環する冷媒を流通させる冷媒流路の少なくとも一部が一体的に形成され、前記支持プレートに固定される流路モジュールを含み、
前記流路モジュールに、前記減圧装置の接続部が形成されている、請求項1記載の冷媒ユニット。
【請求項5】
前記圧縮機、前記加熱器、前記減圧装置、前記冷却器、前記気液分離器、及び、前記流路モジュールを接続する冷媒配管は、
前記減圧装置の最も高い位置と同程度又はそれより低い位置に配置されている、請求項4記載の冷媒ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒と他の熱媒体との熱交換を行う冷媒ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、圧縮機、凝縮器、蒸発器、膨張機構などを冷媒配管で接続した冷媒回路が知られている。このような冷媒回路は、例えば、車両用空調装置に適用され、冷媒回路を構成する各機器が車両の所定の位置に配置される(特許文献1)。
ところで、冷媒回路において、特に、圧縮機における冷媒の吸入口及び吐出口は、圧縮機と冷媒配管との接続部であり、圧縮機の振動の影響を受けやすい。このため、圧縮機における冷媒の吸入口及び吐出口と冷媒配管とをゴム製の冷媒ホースによって接続することで、圧縮機の振動を吸収している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゴム製の冷媒ホースを長期間使用していると、経年劣化等に起因して冷媒ホースから内部に水分が侵入してしまう。このため、アキュムレータまたはレシーバの内部に乾燥剤を設置する必要があった。
また、冷媒回路を構成する各機器間の距離に応じて、各機器を接続する冷媒配管の表面における熱ロスと冷媒圧力損失が増加することがある。特に、外気と冷媒との熱交換を行う熱交換器を備えている場合には、冷媒配管の長さが長くなり、熱ロスと冷媒圧力損失の増加が問題となる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、圧縮機等の振動に対する耐性を確保すると共に、冷媒配管における熱ロス及び冷媒圧力損失を低減させること、を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る冷媒ユニットは、圧縮機、加熱器、減圧装置、冷却器、及び、気液分離器を含む冷媒回路と、前記冷媒回路を支持する支持プレートと、を備え、少なくとも前記圧縮機、前記加熱器、前記冷却器、及び、前記気液分離器が、それぞれ前記支持プレートに固定されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、圧縮機等の振動に対する耐性を確保すると共に、冷媒配管における熱ロス及び冷媒圧力損失を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る冷媒ユニットの斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る冷媒ユニットの斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る冷媒ユニットの斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る冷媒ユニットの斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る冷媒ユニットに適用される流路モジュールの斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る冷媒ユニットに適用される流路モジュールの斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る冷媒ユニットに適用される支持プレートの斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る冷媒ユニットに適用される支持プレートの斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る冷媒ユニットに適用される支持プレートの斜視図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る冷媒ユニットに適用される支持プレートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、同一の符号は同一の機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0010】
図1から
図4は、本実施形態に係る冷媒ユニット10の斜視図である。本実施形態に係る冷媒ユニット10は、例えば、走行用バッテリを備えた車両に搭載され、車室内の空調や車載機器の温度調整などを行う空調装置や熱管理システムに用いられる。
【0011】
図1から
図4に示すように、冷媒ユニット10は、圧縮機20、アキュムレータ22、冷却器(蒸発器)30、加熱器(凝縮器)40、流路モジュール50、及び、膨張弁(減圧装置)71,72を冷媒配管81~86によって接続した冷媒回路と、これらを支持する支持プレート12とを備えている。
【0012】
ここで、冷却器30と加熱器40は、冷媒と熱媒体(例えば、水)との熱交換を行う冷媒-熱媒体熱交換器であり、冷媒の熱を、熱媒体回路(図示せず)を介して温調対象に供給することで車室内の空調や車載機器の温調などを行っている。
図1から
図4の例では、冷却器30には、熱媒体回路を循環する熱媒体が、熱媒体配管93から流入し冷却器30において冷媒と熱交換して熱媒体配管94に流出する。同様に、加熱器40には、熱媒体回路を循環する熱媒体が、熱媒体配管91から流入し加熱器40において冷媒と熱交換して熱媒体配管92に流出する。
【0013】
図1は、圧縮機20及び加熱器40側から見た斜視図、
図2は、加熱器40及び冷却器30側から見た斜視図、
図3は、冷却器30及びアキュムレータ22側から見た斜視図、
図4は、アキュムレータ22及び圧縮機20側から見た斜視図である。
図1から
図4に示すように、冷媒ユニット10では、冷媒回路を構成する圧縮機20、アキュムレータ22、冷却器30、加熱器40、及び、流路モジュール50がそれぞれ支持プレート12に固定されることでユニット化されている。なお、後述するように、膨張弁71,72は流路モジュール50に固定されることにより、支持プレート12に間接的に固定される。
【0014】
具体的には、冷媒ユニット10において、支持プレート12の一端に圧縮機20、他端に冷却器30及び加熱器40が配置され、圧縮機20と冷却器30及び加熱器40との間に流路モジュール50及びアキュムレータ22が配置されている。
【0015】
すなわち、
図1から
図4に示す冷媒ユニット10は、支持プレート12において、流路モジュール50を挟んで一方側に圧縮機20、他方側に冷却器30及び加熱器40が配置されている。また、流路モジュール50には、一端側の上面に膨張弁71,72が配置され、他端側の側面にはアキュムレータ22が設けられている。
【0016】
冷媒ユニット10において、冷媒回路を構成する各機器は、次のように接続されている。圧縮機20の冷媒吸入口は、冷媒配管85によって流路モジュール50を介してアキュムレータ22と接続されている。冷媒配管85は、アキュムレータ22及び流路モジュール50(被接続機器)よりも圧縮機20側において屈曲する屈曲部85Aを有している。圧縮機20の冷媒吐出口は、冷媒配管81によって加熱器40の冷媒入口に接続されると共に、冷媒配管81から分岐した冷媒配管86によって流路モジュール50に接続されている。
【0017】
また、加熱器40の冷媒出口は、冷媒配管82によって流路モジュール50に接続されている。冷却器30の冷媒入口は、冷媒配管83によって流路モジュール50に接続され、冷却器30の冷媒出口は、冷媒配管84によって流路モジュール50を介してアキュムレータ22に接続されている。
【0018】
冷媒配管81~86は、いずれも冷媒回路を構成する各機器の最も高い位置よりも低い位置に配置されている。本実施形態においては、
図1から
図4に示すように、本実施形態においては、冷媒ユニット10を構成する各機器のうち膨張弁71,72が最も高い位置に配置され、冷媒配管81~86は、膨張弁71,72の最も高い位置よりも低い位置に配置されている。
【0019】
冷媒ユニット10は、支持プレート12のベースプレート15に設けられる締結孔106(後述)を、ゴムブッシュ61を介して締結具62によって車体に締結することで、車体等の取付対象に取り付けられる。
【0020】
図5及び
図6に、流路モジュール50の斜視図を示す。
図5は、流路モジュール50の圧縮機20に隣接する面から見た斜視図であり、
図6は、流路モジュール50の冷却器30及び加熱器40に隣接する面から見た斜視図である。
【0021】
流路モジュール50は、金属体の内部に複数の冷媒流路が一体的に形成されたマニホールド構造をなし、冷媒回路において冷媒が循環する流路の少なくとも一部を構成している。また、流路モジュール50には、一端側の上面に膨張弁71,72を接続する接続部50A,50Bが設けられ、他端側の側面にはアキュムレータ22が一体的に取り付けられている。流路モジュール50に接続部50A,50Bを設けて膨張弁71,72を接続することにより、膨張弁71,72の着脱が容易となり、メンテナンス性が向上する。
【0022】
流路モジュール50の冷媒流路には、高圧冷媒が流通する高圧流路と低圧冷媒が流通する低圧流路とが含まれている。つまり、1つの金属体において、冷媒が循環することにより高温となる高圧流路と、低温となる低温流路とが併存している。
【0023】
そこで、冷媒が循環することにより高温となる高圧流路と、低温となる低圧流路とを無作為に混在させないように、流路モジュール50において、高圧流路は高圧側領域51に集約させるように配置し、低圧流路は低圧側領域52に集約させるように配置し、さらに高圧側領域51と低圧側領域52とを区画している。
【0024】
つまり、1つの金属体において、冷媒の循環により高温となる高圧側領域51と、低温となる低圧側領域52との2つの領域を設け、高圧側領域51と低圧側領域52とを区切るように、高圧側領域51と低圧側領域52との間にスリット55を設けている。
【0025】
すなわち、流路モジュール50は、高圧流路が設けられた高圧側領域51と、低圧流路が設けられた低圧側領域52とを有し、高圧側領域51と低圧側領域52とがスリット55によって区切られている。
【0026】
スリット55は、高圧側領域51と低圧側領域52との間に設けられ、高圧側領域51と低圧側領域52との間の熱移動を抑制する役割を担っている。すなわち、金属体である流路モジュール50において、高圧側領域51と低圧側領域52との間にスリット55によって空気溝が形成されることで、高圧側領域51と低圧側領域52との間の熱移動が抑制される。
【0027】
図7から
図10に、支持プレート12の全体を示す斜視図を示す。
図7から
図10に示すように、支持プレート12は、冷媒ユニット10の被設置面と略平行に設けられるベースプレート15と、ベースプレート15に対して垂直に設けられる熱交換器支持プレート16とを有している。
【0028】
ベースプレート15は、圧縮機20を載置する領域15Aと、アキュムレータ22及び流路モジュール50を載置する領域15Bと、領域15Aと領域15Bとの間及び領域15Aと領域15Dとの間に設けられる段差部15Cと、領域15Aを挟んで領域15Bの反対側に位置する領域15Dと、を有している。
【0029】
ベースプレート15において、領域15Bと領域15Dとは鉛直方向において略同じ高さに位置し、領域15Aは段差部15Cによって領域15B及び領域15Dよりも鉛直方向の下方に位置するように形成されている。また、段差部15Cの高さは、圧縮機の脚部21及び後述するゴムブッシュ61の高さに対応している。
【0030】
領域15Aには、圧縮機20の脚部21が載置される。領域15Bには、アキュムレータ22を取り付けるための締結孔104と、流路モジュールを取り付けるための締結孔105と、冷媒ユニット10を取付対象に取り付けるための締結孔106が設けられている。段差部15Cには、圧縮機20の脚部21を締結するための締結孔101が設けられている。領域15Dには、冷媒ユニット10を取付対象に締結するための締結孔106が設けられている。
【0031】
これにより、領域15Aに載置された圧縮機20の脚部21が締結具(不図示)によって締結され、圧縮機20がベースプレート15に固定される。また、領域15Bに載置されたアキュムレータ22と流路モジュール50が締結具(不図示)によって締結されてベースプレート15に固定される。このように、圧縮機20、アキュムレータ22、及び、流路モジュール50がベースプレート15に載置され、それぞれがベースプレート15に締結されて固定されている。
【0032】
さらに、ベースプレート15に設けられた締結孔106を、ゴムブッシュ61を介して締結具62によって車体に締結されることで、冷媒ユニット10が車体等の取付対象に取り付けられる(
図1から
図4参照)。
【0033】
熱交換器支持プレート16は、その側部がベースプレート15の側部に対して垂直となるようにベースプレート15の側部に係合している。
【0034】
熱交換器支持プレート16には、冷却器30及び加熱器40を取り付けるための締結孔102,103が設けられ、熱交換器支持プレート16の一方側の面に冷却器30が締結具(不図示)により締結され、他方側の面に加熱器40が締結具(不図示)により締結される。これにより、冷却器30及び加熱器40が熱交換器支持プレート16に固定されて支持される。
【0035】
また、熱交換器支持プレート16の一部は、流路モジュール50のスリット55に挿入されている。これにより、流路モジュール50、冷却器30及び加熱器40の冷媒ユニット10における位置決めが容易となり、冷媒ユニット10の組立性が向上する。
【0036】
このような冷媒ユニット10において、冷媒は以下のように循環する。
すなわち、冷媒は、圧縮機20によって圧縮されて高圧のガス冷媒となって吐出される。圧縮機20において圧縮された高圧のガス冷媒は、冷媒配管81を流通して加熱器40に流入する。
【0037】
このとき、膨張弁71が開放されている場合には、圧縮機20において圧縮された高圧のガスが、膨張弁71の開度に応じて冷媒配管81から冷媒配管86に分流される。冷媒配管86に分流された少なくとも一部の冷媒は、流路モジュール50の高圧流路を通過して膨張弁71に流入し、膨張弁71において減圧されて膨張した後にアキュムレータ22に流入し、冷媒配管85を介して再び圧縮機20に吸い込まれる。
【0038】
一方、冷媒配管81から加熱器40に流入した冷媒は、加熱器40において他の熱媒体と熱交換することにより放熱した後に、加熱器40を流出して冷媒配管82を介して流路モジュール50に流入する。
【0039】
流路モジュール50に流入した冷媒は、流路モジュール50の高圧側領域51に設けられた高圧流路を通過して膨張弁72に流入し、膨張弁72によって減圧されて膨張し、低圧冷媒となる。膨張弁72において低圧になった冷媒は、流路モジュール50の低圧側領域に設けられた低圧流路を通過した後に、流路モジュール50から流出し、冷媒配管83を通過して冷却器30に流入する。
【0040】
冷却器30に流入した低圧冷媒は、冷却器30において他の熱媒体と熱交換することにより吸熱した後に、冷却器30を流出し、流路モジュール50の低圧流路を通過して冷媒配管84を流れて流路モジュール50を介してアキュムレータ22に流入し、アキュムレータ22から冷媒配管85を介して圧縮機20へ戻る。圧縮機20に流入した冷媒は、再び圧縮され、上記循環を繰り返す。
【0041】
上述のように冷媒が循環する過程において、凝縮器40を流出して流路モジュール50に冷媒が流入すると、高圧流路を高圧冷媒が通過して高圧側領域51の温度が上昇する。一方、膨張弁72を通過して減圧された低圧冷媒が低圧流路を通過して低圧側領域52の温度が下降する。このとき、高圧側領域51から低圧側領域52への熱移動が生じるが、スリット55が設けられて空気溝が形成されていることから、高圧側領域51と低圧側領域52とが金属体として連続しておらず、高圧側領域51から低圧側領域52への熱伝導が阻害される。
【0042】
なお、支持プレート12全体、又は、少なくとも熱交換器支持プレート16を断熱性材料によって構成することで、スリット55に断熱材が挿入されることとなり、高圧側領域51と低圧側領域52との間の熱移動をさらに抑制させることができる。
【0043】
以上述べた如く本実施形態によれば、冷媒回路を構成する圧縮機20、アキュムレータ22、冷却器30、加熱器40、及び、流路モジュール50がそれぞれ支持プレート12に固定されることでユニット化されている。このため、冷媒ユニット10に備えられた各機器の距離が互いに近接し、冷媒配管81~86の長さを最小限に留めることができるので、冷媒配管81~86における熱ロスや、冷媒圧力損失を低減させることができる。
【0044】
冷媒ユニット10を車体等に取り付けた場合に、圧縮機20の動作や車両の走行に起因して生じる振動によって、冷媒ユニット10全体が振動するため、冷媒ユニット10に備えられた機器間の変位差が小さく、冷媒ユニット10の耐振性が向上する。
【0045】
冷媒配管81~86を膨張弁71,72の最も高い位置よりも低い位置に配置しているため、冷媒ユニット10が振動した場合でも、冷媒配管81~86及び冷媒配管81~86の接続部の破損を防止することができる。なお、冷媒ユニット10が上述のように構成されていることで、冷媒配管85と圧縮機20との間に冷媒ホースを用いる必要がなく、冷媒ホースの劣化に伴う内部への水分の侵入を考慮する必要がないため、アキュムレータ22等内部に乾燥剤を設置する必要がない。
【0046】
圧縮機の冷媒吸入口に接続された冷媒配管85に少なくとも屈曲部85Aが設けられていることで、冷媒ユニット10の組立時における設置誤差ないしは組立誤差を吸収することができる。なお、屈曲部85Aが被接続機器(本実施形態では、アキュムレータ22や流路モジュール50)よりも圧縮機20により近い位置に設けられていることで、圧縮機20を基準とする設置誤差ないしは組立誤差をより吸収することができる。
【0047】
このように本実施形態によれば、圧縮機等の振動に対する耐性を確保すると共に、冷媒配管における熱ロス及び冷媒圧力損失を低減させることができる。
【0048】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
10:冷媒ユニット、12:支持プレート、15:ベースプレート
15A、15B,15D:領域、15C:段差部、16:熱交換器支持プレート
20:圧縮機、21:脚部、22:アキュムレータ、30:冷却器、40:加熱器
50:流路モジュール、50A,50B:接続部
51:高圧側領域、52:低圧側領域、55:スリット
61:ゴムブッシュ、62:締結具
71,72:膨張弁、81~86:冷媒配管、85A:屈曲部
91~94:熱媒体配管、101~106:締結孔