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特開2024-42802シールアッセンブリ用止め具、それを備えたシールアッセンブリ及びシールアッセンブリの組付方法
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  • 特開-シールアッセンブリ用止め具、それを備えたシールアッセンブリ及びシールアッセンブリの組付方法 図1
  • 特開-シールアッセンブリ用止め具、それを備えたシールアッセンブリ及びシールアッセンブリの組付方法 図2
  • 特開-シールアッセンブリ用止め具、それを備えたシールアッセンブリ及びシールアッセンブリの組付方法 図3
  • 特開-シールアッセンブリ用止め具、それを備えたシールアッセンブリ及びシールアッセンブリの組付方法 図4
  • 特開-シールアッセンブリ用止め具、それを備えたシールアッセンブリ及びシールアッセンブリの組付方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042802
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】シールアッセンブリ用止め具、それを備えたシールアッセンブリ及びシールアッセンブリの組付方法
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/00 20060101AFI20240322BHJP
   F16J 15/12 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
F16J15/00 Z
F16J15/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147660
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003263
【氏名又は名称】三菱電線工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 順一
(72)【発明者】
【氏名】山口 徹
【テーマコード(参考)】
3J040
【Fターム(参考)】
3J040AA15
3J040BA03
3J040BA05
3J040EA03
3J040EA15
3J040EA17
3J040EA25
3J040FA01
3J040FA06
3J040HA01
3J040HA05
(57)【要約】
【課題】シールアッセンブリを簡単且つ確実に組み付けることができ、運搬時にも一体化した状態を安定して保持できるようにする。
【解決手段】シールアッセンブリ用止め具4は、環状弾性部材2と、環状弾性部材2を内周側及び外周側の少なくとも一方側から覆う環状剛性部材3とが結合された状態のシールアッセンブリ1に取り付けてシールアッセンブリ1を安定させるものであり、シールアッセンブリ1の少なくとも一対の側面に当接する止め具本体4aと、止め具本体4aの開放された一側面の一対の端部で構成された抜け止め部4bとを備えている。シールアッセンブリ用止め具4は、一対の抜け止め部4bを開いた状態でシールアッセンブリ1を通し、閉じた状態でシールアッセンブリ1の環状弾性部材2と環状剛性部材3とが外れないように把持する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状弾性部材と、前記環状弾性部材を内周側及び外周側の少なくとも一方側から覆う環状剛性部材とが結合された状態のシールアッセンブリに取り付けて前記シールアッセンブリを安定させるシールアッセンブリ用止め具であって、
前記シールアッセンブリの少なくとも一対の側面に当接する止め具本体と、
上記止め具本体の開放された一側面の一対の端部で構成された、抜け止め部とを備えており、
一対の前記抜け止め部を開いた状態で前記シールアッセンブリを通し、閉じた状態で前記シールアッセンブリの前記環状弾性部材と前記環状剛性部材とが外れないように把持するように構成されている
ことを特徴とするシールアッセンブリ用止め具。
【請求項2】
一体の樹脂成形品で構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシールアッセンブリ用止め具。
【請求項3】
環状弾性部材と、
前記環状弾性部材を内周側及び外周側の少なくとも一方側から覆う環状剛性部材と、
前記環状弾性部材が前記環状剛性部材に嵌め込まれたシールアッセンブリの少なくとも一対の側面に当接する止め具本体及び前記止め具本体の開放された一側面の一対の端部で構成された、複数の抜け止め部を有するシールアッセンブリ用止め具とを備えた
ことを特徴とするシールアッセンブリ。
【請求項4】
環状弾性部材と、
前記環状弾性部材を内周側及び外周側の少なくとも一方側から覆う環状剛性部材と、
前記環状弾性部材が前記環状剛性部材に嵌め込まれたシールアッセンブリの少なくとも一対の側面に当接する止め具本体及び前記止め具本体の開放された一側面の一対の端部で構成された抜け止め部とを備えたシールアッセンブリ用止め具を準備し、
前記環状剛性部材の外周側及び内周側の少なくとも一方側から前記環状弾性部材を全周の少なくとも一部の領域だけ嵌め込み、
前記環状弾性部材が嵌め込まれた領域において、複数の前記シールアッセンブリ用止め具の一対の前記抜け止め部を開いて前記シールアッセンブリを通し、
複数の前記シールアッセンブリ用止め具の一対の抜け止め部を閉じた状態で前記シールアッセンブリの前記環状弾性部材と前記環状剛性部材とが外れないように把持する
ことを特徴とするシールアッセンブリの組付方法。
【請求項5】
複数の前記シールアッセンブリ用止め具を閉じた状態で前記シールアッセンブリの前記環状弾性部材と前記環状剛性部材とが外れないように把持するようにした後、
複数のシールアッセンブリ用止め具を周方向にずらして適切な位置に移動させる
ことを特徴とする請求項4に記載のシールアッセンブリの組付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状弾性部材が環状剛性部材に嵌め込まれたシールアッセンブリを安定した状態で保持するシールアッセンブリ用止め具、それを備えたシールアッセンブリ及びシールアッセンブリの組付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、環状弾性部材と、この環状弾性部材の内縁部分及び外縁部分のうち一方の部分を全周にわたって内側に収容するとともに他方の部分を露出するように当該環状弾性部材に取り付けられた断面コ字状の環状封止部材と、を有するシール部材は知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-185638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシール部材では、剛性の高い環状封止部材に環状弾性部材を嵌め込んでいくときに、特に最終段階の、膨らんだ環状弾性部材を環状封止部材に嵌め込むのは困難で時間がかかる上に、運搬時などに一体化したシール部材が外れ易いという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シールアッセンブリを簡単且つ確実に組み付けることができ、運搬時にも一体化した状態を安定して保持できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明では、特別なシールアッセンブリ用止め具を使用するようにした。
【0007】
具体的には、第1の発明では、
環状弾性部材と、前記環状弾性部材を内周側及び外周側の少なくとも一方側から覆う環状剛性部材とが結合された状態のシールアッセンブリに取り付けて前記シールアッセンブリを安定させるシールアッセンブリ用止め具を対象とし、
前記シールアッセンブリの少なくとも一対の側面に当接する止め具本体と、
上記止め具本体の開放された一側面の一対の端部で構成された抜け止め部とを備えており、
一対の前記抜け止め部を開いた状態で前記シールアッセンブリを通し、閉じた状態で前記シールアッセンブリの前記環状弾性部材と前記環状剛性部材とが外れないように把持するように構成されている。
【0008】
上記の構成によると、環状弾性部材の全周のうち少なくとも一部と環状剛性部材とが結合された状態のシールアッセンブリを、シールアッセンブリ用止め具の一対の抜け止め部を開いた状態で通した後、一対の抜け止め部を閉じた状態で止め具本体によってシールアッセンブリの環状弾性部材と環状剛性部材とを挟み込んで外れないように把持できる。そして、複数のシールアッセンブリ用止め具を嵌め込んだ後、周方向に移動させながら環状弾性部材の全周のうち残りの部分と、環状剛性部材とを結合させることができる。このため、簡単な構成のシールアッセンブリ用止め具で、シールアッセンブリを簡単且つ確実に組み付けることができる。また、シールアッセンブリ用止め具で、環状弾性部材と環状剛性部材とが結合された状態を維持できるので、運搬時にも一体化した状態が安定する。なお、「環状弾性部材を内周側及び外周側の少なくとも一方側から覆う」とは、環状剛性部材が、環状部材の内周側のみ、外周側のみ、内周側及び外周側の両方を覆うようにしてもよいことを意味する。例えば、内周側及び外周側の両方を覆う場合は、シールアッセンブリの平面側又は底面側に一方が開放された一対の抜け止め部が配置される。
【0009】
第2の発明では、第1の発明において、
シールアッセンブリ用止め具は、一体の樹脂成形品で構成されている。
【0010】
上記の構成によると、樹脂成形品であれば、好みの形状に容易に成形でき、また、適度な柔らかさがあるので、シールアッセンブリ用止め具によってシールアッセンブリ側に傷が付きにくい。
【0011】
第3の発明のシールアッセンブリは、
環状弾性部材と、
前記環状弾性部材を内周側及び外周側の少なくとも一方側から覆う環状剛性部材と、
前記環状弾性部材が前記環状剛性部材に嵌め込まれたシールアッセンブリの少なくとも一対の側面に当接する止め具本体及び前記止め具本体の開放された一側面の一対の端部で構成された複数の抜け止め部を有するシールアッセンブリ用止め具とを備えている。
【0012】
上記の構成によると、簡単な構成のシールアッセンブリ用止め具によって、結合された環状弾性部材と環状剛性部材とを挟み込むことで、結合状態を容易に維持できる。このため、簡単に装着でき、装着後は運搬し易い構成となる。シールアッセンブリを装置に組み込むときには、シールアッセンブリ用止め具を外して装置に組み込めばよい。
【0013】
第4の発明のシールアッセンブリの組付方法では、
環状弾性部材と、
前記環状弾性部材を内周側及び外周側の少なくとも一方側から覆う環状剛性部材と、
前記環状弾性部材が前記環状剛性部材に嵌め込まれたシールアッセンブリの少なくとも一対の側面に当接する止め具本体及び前記止め具本体の開放された一側面の一対の端部で構成された抜け止め部を備えたシールアッセンブリ用止め具とを準備し、
前記環状剛性部材の外周側及び内周側の少なくとも一方側から前記環状弾性部材を全周の少なくとも一部の領域だけ嵌め込み、
前記環状弾性部材が嵌め込まれた領域において、複数の前記シールアッセンブリ用止め具の一対の前記抜け止め部を開いて前記シールアッセンブリを通し、
複数の前記シールアッセンブリ用止め具の一対の抜け止め部を閉じた状態で前記シールアッセンブリの前記環状弾性部材と前記環状剛性部材とが外れないように把持する。
【0014】
上記の構成によると、予め全周の一部の環状弾性部材と環状剛性部材とが結合された部分に、一対の抜け止め部を開いてシールアッセンブリ用止め具を嵌め込んだ後、一対の抜け止め部を閉じるようにして複数のシールアッセンブリ用止め具を取り付けることにより、環状弾性部材と環状剛性部材とが結合された状態が維持されるので、運搬時の安定性が向上する。
【0015】
第5の発明では、第4の発明において、
複数の前記シールアッセンブリ用止め具を閉じた状態で前記シールアッセンブリの前記環状弾性部材と前記環状剛性部材とが外れないように把持するようにした後、
複数のシールアッセンブリ用止め具を周方向にずらして適切な位置に移動させる。
【0016】
上記の構成によると、一対の抜け止め部を閉じてシールアッセンブリ用止め具を複数取り付け、その後、シールアッセンブリ用止め具を周方向の適度な位置に移動させることにより、手で順に全周を嵌め込んでいくときに比べて環状弾性部材の取付が格段に容易且つ確実に行える。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、シールアッセンブリ用止め具によって一対の抜け止め部を開いた状態でシールアッセンブリを通し、閉じた状態でシールアッセンブリの環状弾性部材と環状剛性部材とが外れないように把持するようにしたことにより、シールアッセンブリを簡単且つ確実に組み付けることができ、運搬時にも一体化した状態を安定して保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】シールアッセンブリ用止め具で把持された状態のシールアッセンブリを示す正面図である。
図2】(a)は、図1のIIa-IIa線拡大断面図であり、(b)は、シールアッセンブリ用止め具の平面図であり、(c)はシールアッセンブリ用止め具の側面図である。
図3】(a)は、環状剛性部材に環状弾性部材を嵌め込む様子を示す正面図であり、(b)は、環状剛性部材に環状弾性部材を嵌め込んだ部分にシールアッセンブリ用止め具を嵌めた状態を示す正面図である。
図4】(a)は、嵌め込んだ状態のシールアッセンブリ用止め具を周方向にスライドさせる様子を示す正面図であり、(b)は、シールアッセンブリ用止め具を周方向にスライドさせながら、環状剛性部材に環状弾性部材を順に嵌め込む様子を示す正面図である。
図5】変形例にかかる図2(a)相当図であり、(a)は変形例1を、(b)は変形例2を、(c)は変形例3を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は本発明の実施形態のシールアッセンブリ1を示し、このシールアッセンブリ1は、環状弾性部材2と、環状弾性部材2を内周側及び外周側の少なくとも一方側から覆う環状剛性部材3と、複数の(本実施形態では4つの)シールアッセンブリ用止め具4とを備えている。
【0021】
環状弾性部材2は、例えば、図2(a)~(c)に示すような、内周側2aは円弧状で、外周側2bはそれよりも小さな円弧の突条を含むと共に、上下面2cに突条を含む断面を有するが、その断面形状は特に限定されない。環状弾性部材2は、適度に変形してシール効果を発揮し易い、シリコーンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、フッ素系ゴムなどで構成されている。
【0022】
環状剛性部材3は、環状弾性部材2よりも剛性の高い材料、例えば、樹脂成形品で構成されており、例えば、図2に示すように、環状弾性部材2の外周側2bの突条が嵌まり込むような断面コ字状であるが、この形状に限定されず、要は、シールアッセンブリ1が装着される機器の設計要件に沿うものであればよい。
【0023】
シールアッセンブリ用止め具4は、環状弾性部材2と環状剛性部材3とが結合された状態のシールアッセンブリ1に取り付けてシールアッセンブリ1を安定させるものである。具体的には、一対の抜け止め部4bを開いた状態でシールアッセンブリ1を通し、閉じた状態でシールアッセンブリ1の環状弾性部材2と環状剛性部材3とが外れないように把持するように構成されている。
【0024】
シールアッセンブリ用止め具4は、環状弾性部材2が環状剛性部材3に嵌め込まれたシールアッセンブリ1の少なくとも一対の側面に当接する止め具本体4aを有する。そしてこの止め具本体4aの開放された一側面の一対の端部で、抜け止め部4bが構成されている。
【0025】
一対の抜け止め部4bの傾斜角度θは、例えば、10°以上50°以下であり、特に、25°以上35°以下がより望ましい。例えば、傾斜角度を50°にして、抜け止め部4bが環状弾性部材2の上下面2cの突条の一方に接触するようにすることもできる。
【0026】
シールアッセンブリ用止め具4は、例えば、耐薬品性、耐熱性、電気特性がきわめて優れた、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の一体の樹脂成形品よりなるが、材料はこれに限定されず、例えば、MCナイロン、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)でもよい。
【0027】
シールアッセンブリ用止め具4を樹脂成形品とすることで、好みの形状に容易に成形でき、また、硬度の高すぎる金属よりも、シールアッセンブリ1を傷つけないという利点がある。
【0028】
一方、シールアッセンブリ用止め具4は、例えば、軽金属である、アルミで構成してもよい。
【0029】
そして、図2に示すように、シールアッセンブリ用止め具4の幅Wは、
W=WB+2T1+α
で表される。ここで、WBは、シールアッセンブリ1の幅で、T1は、シールアッセンブリ用止め具4の厚みで、αは、シールアッセンブリ1とシールアッセンブリ用止め具4との間のクリアランスであり、例えば、α=0.2±0.1である。T1は、例えば、0.15±0.1mmであり、シールアッセンブリ用止め具4の奥行きT2は、20±10mmである。
【0030】
シールアッセンブリ用止め具4の高さのうち、直線部分は、例えば、シールアッセンブリ1の高さWAに対してβ倍となっている。例えば、2.85mm×βである。ここで、β=0.7±0.1mmである。
【0031】
-シールアッセンブリの組付方法-
次に、本実施形態に係るシールアッセンブリ1の組付方法について説明する。
【0032】
まず、上述した環状弾性部材2と、環状剛性部材3と、複数のシールアッセンブリ用止め具4とを準備する。本実施形態では、例えば、1つのシールアッセンブリ1に対して4つのシールアッセンブリ用止め具4を準備する。
【0033】
次いで、環状剛性部材3の外周側及び内周側の少なくとも一方側から環状弾性部材2を全周の少なくとも一部の領域だけ嵌め込む。具体的には本実施形態では、環状弾性部材2が嵌め込まれた領域において、複数のシールアッセンブリ用止め具4の一対の抜け止め部4bを開いてシールアッセンブリ1の図2(a)に示す上方から通し、例えば、4つのシールアッセンブリ用止め具の一対の抜け止め部4bを閉じた状態でシールアッセンブリの環状弾性部材2と環状剛性部材3とが外れないように把持する。まず、この領域において、シールアッセンブリ用止め具4が、シールアッセンブリの環状弾性部材2と環状剛性部材3とを挟み込んで外れないように把持できる。
【0034】
複数のシールアッセンブリ用止め具4の一対の抜け止め部4bを閉じた状態でシールアッセンブリの環状弾性部材2と環状剛性部材3とが外れないように把持するようにした後、複数のシールアッセンブリ用止め具4を周方向にずらして適切な位置に移動させる。これにより、環状弾性部材2の全周のうち残りの部分と、環状剛性部材3とを結合させることができる。このように、手で順に全周を嵌め込んでいくときに比べて環状弾性部材2の取付が格段に容易になる。
【0035】
このため、簡単な構成のシールアッセンブリ用止め具4で、シールアッセンブリ1を簡単且つ確実に組み付けることができる。
【0036】
また、シールアッセンブリ用止め具4で環状弾性部材2と、環状剛性部材3とが結合された状態を維持できるので、運搬時にも一体化した状態が安定する。
【0037】
本実施形態では、簡単な構成のシールアッセンブリ用止め具4の止め具本体4aによって、結合された環状弾性部材2と環状剛性部材3とを挟み込むことで、結合状態を容易に維持できる。このため、簡単に装着でき、装着後は、運搬し易い。
【0038】
そして、シールアッセンブリ1を、封止したい装置に組み込むときには、シールアッセンブリ用止め具4を外して組み込めばよい。
【0039】
したがって、本実施形態に係るシールアッセンブリ用止め具4によると、シールアッセンブリ1を簡単且つ確実に組み付けることができ、運搬時にも一体化した状態を安定して保持できる。
【0040】
-変形例1-
図5(a)は、本発明の実施形態の変形例1を示し、一対の抜け止め部104bの形状が異なる点で上記実施形態と異なる。なお、以下の各変形例では、図1図4と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0041】
本変形例では、一対の抜け止め部104bが、止め具本体104aから真っ直ぐ延びた端部で構成されている。
【0042】
この場合には、一対の抜け止め部104b自体での抜け止め効果が小さいが、装着は容易である。代わりに止め具本体104aで環状弾性部材2及び環状剛性部材3をしっかり保持できる寸法関係とすればよい。
【0043】
-変形例2-
図5(b)は、本発明の実施形態の変形例2を示し、一対の抜け止め部204bの形状が異なる点で上記実施形態と異なる。
【0044】
本変形例では、一対の抜け止め部204bは、止め具本体204aから互いに近付くように折れ曲がった後、さらに先端が20°±1°の角度で互いに近付くように折れ曲がっているので、さらに抜け止め効果が大きい。
【0045】
この場合には、装着がし易いように、一対の抜け止め部204bが開閉し易いような柔軟性を確保しておくとよい。
【0046】
-変形例3-
図5(c)は、本発明の実施形態の変形例3を示し、一対の抜け止め部304bの形状が異なる点で上記実施形態と異なる。
【0047】
本変形例では、一対の抜け止め部304bは、直線状の止め具本体304aから互いに近付くように折れ曲がった後、さらに先端が互いに近付くように折れ曲がっているので、抜け止め効果を確保している。
【0048】
この場合には、装着がし易いように、一対の抜け止め部304bを開閉し易いような柔軟性を確保しておくとよい。
【0049】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0050】
すなわち、上記実施形態では、シールアッセンブリ用止め具4がシールアッセンブリ1の内周側、外周側及び上面を覆って、下面の一部は覆わないようにしているが、例えば、外周側、上面及び下面を覆ったり、内周側、上面及び下面を覆ったりするようにしてもよい。
【0051】
また、シールアッセンブリ1は、環状弾性部材2の外周側を環状剛性部材3で覆っているが、内周側を覆っていてもよく、場合によっては、例えば、環状弾性部材2の外周側、内周側及び下面を覆うような構成でもよい。
【0052】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0053】
1 シールアッセンブリ
2 環状弾性部材
2a 内周側
2b 外周側
2c 上下面
3 環状剛性部材
4 シールアッセンブリ用止め具
4a,104a,204a,304a 止め具本体
4b,104b,204b,304b 抜け止め部
図1
図2
図3
図4
図5