(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042816
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】液体吐出装置及び液体吐出装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/17 20060101AFI20240322BHJP
B41J 2/165 20060101ALI20240322BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
B41J2/17 203
B41J2/165 205
B41J2/165 303
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147687
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】藤井 優和
(72)【発明者】
【氏名】中村 史
(72)【発明者】
【氏名】小林 悟
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EC07
2C056EC23
2C056FA13
2C056JB03
2C056JB08
2C056JC13
2C056KA01
(57)【要約】
【課題】装置内を汚損するおそれを低減できる液体吐出装置及び液体吐出装置の制御方法を提供する。
【解決手段】液体を吐出する吐出部であって、1以上のノズルが開口するノズル面を有する吐出部と、吐出部内を加圧することによって、ノズルから液体を排出させる加圧部と、加圧部が吐出部内を加圧することによってノズルから排出される液体を受ける受容部であって、加圧部が吐出部内を加圧することによってノズルから排出される液体が通過する開口を有する受容部と、吐出部を走査方向に移動させる移動部と、制御部と、を備え、制御部は、加圧部によってノズルから液体を受容部に排出させた後に、ノズル面に付着する液体を開口の縁に接触させるように吐出部を走査方向に移動させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する吐出部であって、1以上のノズルが開口するノズル面を有する前記吐出部と、
前記吐出部内を加圧することによって、前記ノズルから前記液体を排出させる加圧部と、
前記加圧部が前記吐出部内を加圧することによって前記ノズルから排出される前記液体を受ける受容部であって、前記加圧部が前記吐出部内を加圧することによって前記ノズルから排出される前記液体が通過する開口を有する前記受容部と、
前記吐出部を走査方向に移動させる移動部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記加圧部によって前記ノズルから前記液体を前記受容部に排出させた後に、前記ノズル面に付着する前記液体を前記開口の縁に接触させるように前記吐出部を前記走査方向に移動させることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記吐出部は、第1吐出部であり、
前記ノズルは、第1ノズルであり、
前記ノズル面は、第1ノズル面であり、
前記加圧部は、第1加圧部であり、
前記受容部は、第1受容部であり、
前記開口は、第1開口であり、
前記移動部は、第1移動部であり、
前記液体は、第1液体であり、
前記液体吐出装置は、
前記第1液体を硬化させる成分を含む第2液体を吐出する第2吐出部であって、1以上の第2ノズルが開口する第2ノズル面を有する前記第2吐出部と、
前記第2吐出部内を加圧することによって、前記第2ノズルから前記第2液体を排出させる第2加圧部と、
前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容部であって、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体が通過する第2開口を有する前記第2受容部と、
前記第2吐出部を前記走査方向に移動させる第2移動部と、を備え、
前記第1受容部及び前記第2受容部は、前記走査方向に隣り合うことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記吐出部は、第1吐出部であり、
前記ノズルは、第1ノズルであり、
前記ノズル面は、第1ノズル面であり、
前記加圧部は、第1加圧部であり、
前記受容部は、第1受容部であり、
前記開口は、第1開口であり、
前記液体は、第1液体であり、
前記液体吐出装置は、
前記第1液体を硬化させる成分を含む第2液体を吐出する第2吐出部であって、1以上の第2ノズルが開口する第2ノズル面を有する前記第2吐出部と、
前記第2吐出部内を加圧することによって、前記第2ノズルから前記第2液体を排出させる第2加圧部と、
前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容部であって、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体が通過する第2開口を有する前記第2受容部と、を備え、
前記移動部は、前記第1吐出部及び前記第2吐出部を移動させ、
前記第1受容部及び前記第2受容部は、前記走査方向に隣り合うことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記第1吐出部及び前記第2吐出部は、前記走査方向に隣り合うことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
少なくとも前記第1ノズル面を払拭する払拭部を備え、
前記払拭部は、前記第2受容部と並ぶように位置することを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第2加圧部によって前記第2吐出部から前記第2液体を排出させた後、前記第2ノズル面に付着する前記第2液体を前記第2開口の縁に接触させるように前記第2吐出部を前記走査方向に移動させることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
少なくとも前記第2ノズル面を払拭する払拭部を備え、
前記払拭部は、前記第1受容部と並ぶように位置することを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
液体を吐出する吐出部であって、1以上のノズルが開口するノズル面を有する前記吐出部と、
前記吐出部内を加圧することによって、前記ノズルから前記液体を排出させる加圧部と、
前記加圧部が前記吐出部内を加圧することによって前記ノズルから排出される前記液体を受ける受容部であって、前記加圧部が前記吐出部内を加圧することによって前記ノズルから排出される前記液体が通過する開口を有する前記受容部と、
前記吐出部を走査方向に移動させる移動部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、
前記加圧部によって前記ノズルから前記液体を前記受容部に排出させることと、
前記加圧部によって前記ノズルから前記液体を前記受容部に排出させた後に、前記ノズル面に付着する前記液体を前記開口の縁に接触させるように前記吐出部を前記走査方向に移動させることと、を含むことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
【請求項9】
前記吐出部は、第1吐出部であり、
前記ノズルは、第1ノズルであり、
前記ノズル面は、第1ノズル面であり、
前記加圧部は、第1加圧部であり、
前記受容部は、第1受容部であり、
前記開口は、第1開口であり、
前記移動部は、第1移動部であり、
前記液体は、第1液体であり、
前記液体吐出装置は、
前記第1液体を硬化させる成分を含む第2液体を吐出する第2吐出部であって、1以上の第2ノズルが開口する第2ノズル面を有する前記第2吐出部と、
前記第2吐出部内を加圧することによって、前記第2ノズルから前記第2液体を排出させる第2加圧部と、
前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容部であって、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体が通過する第2開口を有する前記第2受容部と、
前記第2吐出部を前記走査方向に移動させる第2移動部と、
少なくとも前記第1ノズル面を払拭する払拭部と、を備え、
前記払拭部は、前記第2受容部と並ぶように位置し、
前記液体吐出装置の制御方法は、
前記第2受容部と対向する位置を前記第1吐出部に経由させて、前記第1ノズル面を前記払拭部で払拭すること、を含むことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項10】
前記吐出部は、第1吐出部であり、
前記ノズルは、第1ノズルであり、
前記ノズル面は、第1ノズル面であり、
前記加圧部は、第1加圧部であり、
前記受容部は、第1受容部であり、
前記開口は、第1開口であり、
前記液体は、第1液体であり、
前記液体吐出装置は、
前記第1液体を硬化させる成分を含む第2液体を吐出する第2吐出部であって、1以上の第2ノズルが開口する第2ノズル面を有する前記第2吐出部と、
前記第2吐出部内を加圧することによって、前記第2ノズルから前記第2液体を排出させる第2加圧部と、
前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容部であって、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体が通過する第2開口を有する前記第2受容部と、
少なくとも前記第1ノズル面を払拭する払拭部と、を備え、
前記移動部は、前記第1吐出部及び前記第2吐出部を移動させ、
前記払拭部は、前記第2受容部と並ぶように位置し、
前記液体吐出装置の制御方法は、
前記第2受容部と対向する位置を前記第1吐出部に経由させて、前記第1ノズル面を前記払拭部で払拭すること、を含むことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項11】
前記吐出部は、第1吐出部であり、
前記ノズルは、第1ノズルであり、
前記ノズル面は、第1ノズル面であり、
前記加圧部は、第1加圧部であり、
前記受容部は、第1受容部であり、
前記開口は、第1開口であり、
前記移動部は、第1移動部であり、
前記液体は、第1液体であり、
前記液体吐出装置は、
前記第1液体を硬化させる成分を含む第2液体を吐出する第2吐出部であって、1以上の第2ノズルが開口する第2ノズル面を有する前記第2吐出部と、
前記第2吐出部内を加圧することによって、前記第2ノズルから前記第2液体を排出させる第2加圧部と、
前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容部であって、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体が通過する第2開口を有する前記第2受容部と、
前記第2吐出部を前記走査方向に移動させる第2移動部と、
少なくとも前記第2ノズル面を払拭する払拭部と、を備え、
前記払拭部は、前記第1受容部と並ぶように位置し、
前記液体吐出装置の制御方法は、
前記第2加圧部によって前記第2ノズルから前記第2受容部に前記第2液体を排出させることと、
前記第2加圧部によって前記第2ノズルから前記第2液体を前記第2受容部に排出させた後に、前記第2ノズル面に付着する前記第2液体を前記第2開口の縁に接触させるように前記第2吐出部を前記走査方向に移動させることと、
前記第1受容部と対向する位置を前記第2吐出部に経由させて、前記第2ノズル面を前記払拭部で払拭することと、を含むことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置の制御方法。
【請求項12】
前記吐出部は、第1吐出部であり、
前記ノズルは、第1ノズルであり、
前記ノズル面は、第1ノズル面であり、
前記加圧部は、第1加圧部であり、
前記受容部は、第1受容部であり、
前記開口は、第1開口であり、
前記液体は、第1液体であり、
前記液体吐出装置は、
前記第1液体を硬化させる成分を含む第2液体を吐出する第2吐出部であって、1以上の第2ノズルが開口する第2ノズル面を有する前記第2吐出部と、
前記第2吐出部内を加圧することによって、前記第2ノズルから前記第2液体を排出させる第2加圧部と、
前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容部であって、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体が通過する第2開口を有する前記第2受容部と、
少なくとも前記第2ノズル面を払拭する払拭部と、を備え、
前記移動部は、前記第1吐出部及び前記第2吐出部を移動させ、
前記払拭部は、前記第1受容部と並ぶように位置し、
前記液体吐出装置の制御方法は、
前記第2加圧部によって前記第2ノズルから前記第2受容部に前記第2液体を排出させることと、
前記第2加圧部によって前記第2ノズルから前記第2液体を前記第2受容部に排出させた後に、前記第2ノズル面に付着する前記第2液体を前記第2開口の縁に接触させるように前記第2吐出部を前記走査方向に移動させることと、
前記第1受容部と対向する位置を前記第2吐出部に経由させて、前記第2ノズル面を前記払拭部で払拭することと、を含むことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置及び液体吐出装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液体を吐出する吐出部と、吐出部内を加圧する加圧部とを備える液体吐出装置が記載されている。加圧部は、吐出部内を加圧することによって、吐出部から液体を排出させる。これにより、液体とともに気泡、異物などが排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした液体吐出装置においては、加圧部が吐出部内を加圧することによって吐出部から液体を排出させると、ノズル面に液体が付着することがある。そのため、加圧部が吐出部内を加圧した後、吐出部から液体が滴下するおそれがある。そのため、通常、液体吐出装置は、吐出部を払拭する払拭部を備える。払拭部は、加圧部が吐出部内を加圧した後に、吐出部を払拭する。しかし、加圧部が吐出部内を加圧した後に吐出部が払拭部まで移動すると、その過程で液体が滴下するおそれがある。滴下した液体によって、装置内が汚損されるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出する吐出部であって、1以上のノズルが開口するノズル面を有する前記吐出部と、前記吐出部内を加圧することによって、前記ノズルから前記液体を排出させる加圧部と、前記加圧部が前記吐出部内を加圧することによって前記ノズルから排出される前記液体を受ける受容部であって、前記加圧部が前記吐出部内を加圧することによって前記ノズルから排出される前記液体が通過する開口を有する前記受容部と、前記吐出部を走査方向に移動させる移動部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記加圧部によって前記ノズルから前記液体を前記受容部に排出させた後に、前記ノズル面に付着する前記液体を前記開口の縁に接触させるように前記吐出部を前記走査方向に移動させる。
【0006】
上記課題を解決する液体吐出装置の制御方法は、液体を吐出する吐出部であって、1以上のノズルが開口するノズル面を有する前記吐出部と、前記吐出部内を加圧することによって、前記ノズルから前記液体を排出させる加圧部と、前記加圧部が前記吐出部内を加圧することによって前記ノズルから排出される前記液体を受ける受容部であって、前記加圧部が前記吐出部内を加圧することによって前記ノズルから排出される前記液体が通過する開口を有する前記受容部と、前記吐出部を走査方向に移動させる移動部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、前記加圧部によって前記ノズルから前記液体を前記受容部に排出させることと、前記加圧部によって前記ノズルから前記液体を前記受容部に排出させた後に、前記ノズル面に付着する前記液体を前記開口の縁に接触させるように前記吐出部を前記走査方向に移動させることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】液体吐出装置の第1実施例を示す正面図である。
【
図4】液体を擦り切る前の吐出部及び受容部を示す断面図である。
【
図5】液体を擦り切った後の吐出部及び受容部を示す断面図である。
【
図6】メンテナンス動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】液体吐出装置の第2実施例を示す正面図である。
【
図8】第3実施例におけるメンテナンスユニットを示す上面図である。
【
図9】メンテナンスユニットの変更例を示す上面図である。
【
図10】
図9とは別の変更例であるメンテナンスユニットの上面図である。
【
図11】
図9及び
図10とは別の変更例であるメンテナンスユニットの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、液体吐出装置の一実施形態について図を参照しながら説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙、布帛などの媒体に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。
【0009】
<第1実施例>
[液体吐出装置]
図1に示すように、液体吐出装置11は、筐体12を備える。
【0010】
液体吐出装置11は、支持部13を備える。支持部13は、搬送される媒体99を支持する。媒体99は、支持部13上において、搬送方向Yに搬送される。
液体吐出装置11は、1以上の吐出部を備える。液体吐出装置11は、例えば、1以上の第1吐出部14と、1の第2吐出部15とを備える。詳しくは、液体吐出装置11は、8つの第1吐出部14と、1つの第2吐出部15とを備える。
【0011】
吐出部は、液体を吐出するように構成される。吐出部は、1以上のノズルが開口するノズル面を有する。吐出部は、ノズルから液体を吐出する。吐出部は、支持部13と対向するように位置する。吐出部は、支持部13に支持される媒体99に液体を吐出する。
【0012】
吐出部は、媒体99に対して走査する。吐出部は、走査方向Xに移動しながら媒体99に液体を吐出する。したがって、液体吐出装置11は、シリアルプリンターである。走査方向Xは、搬送方向Yと異なる方向である。走査方向Xは、第1方向A1及び第2方向A2を含む双方向を示す。第1方向A1及び第2方向A2は、互いに反対の方向を示す。
【0013】
図2に示すように、第1吐出部14は、第1液体を吐出するように構成される。第1液体は、例えば、媒体99に印刷される画像の色を構成するインクである。第1液体は、例えば、顔料インクである。第1吐出部14は、1以上の第1ノズル16が開口する第1ノズル面17を有する。
【0014】
複数の第1吐出部14は、例えば、一方向に並ぶ。詳しくは、8つの第1吐出部14は、走査方向Xに並ぶ。複数の第1吐出部14は、複数種の第1液体を吐出する。複数の第1吐出部14は、例えば、色の異なる複数のインクを吐出する。複数の第1吐出部14は、同種の第1液体をそれぞれ吐出してもよい。
【0015】
第2吐出部15は、第2液体を吐出するように構成される。第2液体は、第1液体を硬化させる成分を含む液体である。第2液体は、例えば、顔料を凝集させる成分を含む液体である。第2液体は、第1液体と混ざることによって、第1液体を硬化させる。これにより、媒体99に第1液体が定着しやすくなる。第2吐出部15は、1以上の第2ノズル18が開口する第2ノズル面19を有する。
【0016】
第2吐出部15は、第1吐出部14と走査方向Xに並ぶ。第2吐出部15は、走査方向Xにおいて第1吐出部14と隣り合う。第2吐出部15は、走査方向Xにおいて、複数の第1吐出部14に挟まれるように位置する。詳しくは、第2吐出部15は、走査方向Xにおいて、4つの第1吐出部14と、4つの第1吐出部14との間に位置する。第2吐出部15が第1吐出部14と走査方向Xに隣り合うことによって、第1吐出部14及び第2吐出部15が媒体99に対して第1液体と第2液体とを並行して吐出できる。第1液体が媒体99に吐出された後にすぐさま第2液体が媒体99に吐出されることによって、第1液体と第2液体との反応性が向上する。したがって、媒体99に印刷される画像の品質が向上する。
【0017】
第1ノズル面17及び第2ノズル面19のそれぞれにおいて、複数のノズルが一方向に並ぶことによって、1以上のノズル列20が構成される。ノズル面において、例えば、複数のノズルが搬送方向Yに並ぶことによって、ノズル列20が構成される。第1吐出部14及び第2吐出部15のそれぞれにおいて、複数のノズルによって8つのノズル列20が構成される。
【0018】
第1ノズル面17及び第2ノズル面19のそれぞれにおいて、複数のノズル列20が走査方向Xに並ぶことによって、1以上のノズル群21が構成される。ノズル面において、例えば、2つのノズル列20が走査方向Xに並ぶことによって、ノズル群21が構成される。第1ノズル面17及び第2ノズル面19のそれぞれには、4つのノズル群21が構成される。4つのノズル群21は、走査方向X及び搬送方向Yにおいてそれぞれずれるように位置する。
【0019】
図1に示すように、液体吐出装置11は、移動部22を備える。移動部22は、走査方向Xに吐出部を移動させるように構成される。移動部22は、第1吐出部14及び第2吐出部15を走査方向Xに移動させる。移動部22は、鉛直方向Zに吐出部を移動させるように構成される。移動部22は、第1吐出部14及び第2吐出部15を鉛直方向Zに移動させる。
【0020】
移動部22は、キャリッジ23を有する。キャリッジ23は、吐出部を搭載する。キャリッジ23は、第1吐出部14及び第2吐出部15を搭載する。キャリッジ23は、支持部13の上方を走査方向Xに移動する。
【0021】
移動部22は、調整機構24を有する。調整機構24は、吐出部と媒体99との距離を調整する機構である。調整機構24は、例えば、キャリッジ23を鉛直方向Zに移動させることによって、吐出部を媒体99に接近させたり、吐出部を媒体99から離したりする。すなわち、調整機構24は、吐出部を昇降させる。調整機構24は、印刷時に限らず、メンテナンス時においても吐出部を昇降させる。
【0022】
液体吐出装置11は、加圧部を備えてもよい。加圧部は、吐出部内を加圧するように構成される。液体吐出装置11は、例えば、第1加圧部25と、第2加圧部26とを備える。第1加圧部25及び第2加圧部26は、共通の加圧部であってもよい。共通の加圧部は、例えば、複数の第1吐出部14、及び、第2吐出部15のうち、加圧する吐出部を選択可能に構成される。
【0023】
第1加圧部25は、第1吐出部14と接続される。第1加圧部25は、例えば、複数の第1吐出部14と接続される。第1加圧部25は、複数の第1吐出部14のうち、加圧する第1吐出部14を選択可能に構成される。液体吐出装置11は、第1吐出部14の数と対応するように複数の第1加圧部25を備えてもよい。
【0024】
第1加圧部25は、第1吐出部14内を加圧することによって、第1ノズル16から第1液体を排出させる。すなわち、第1加圧部25が第1吐出部14を加圧することによって、第1吐出部14に加圧クリーニングが実施される。加圧クリーニングは、ノズルから液体を強制的に排出させるメンテナンスである。加圧クリーニングによって、第1吐出部14から第1液体とともに気泡、異物などが排出される。
【0025】
第2加圧部26は、第2吐出部15と接続される。第2加圧部26は、第2吐出部15内を加圧することによって、第2ノズル18から第2液体を排出させる。第2加圧部26が第2吐出部15を加圧することによって、第2吐出部15に加圧クリーニングが実施される。加圧クリーニングによって、第2吐出部15から第2液体とともに気泡、異物などが排出される。
【0026】
液体吐出装置11は、メンテナンスユニット27を備える。メンテナンスユニット27は、吐出部にメンテナンスを実施するユニットである。メンテナンスユニット27は、第1吐出部14、第2吐出部15、又は、その双方にメンテナンスを実施する。メンテナンスユニット27は、走査方向Xにおいて、支持部13と並ぶ。例えば、支持部13とメンテナンスユニット27とは、第2方向A2にこの順で並ぶ。支持部13とメンテナンスユニット27とは、第1方向A1にこの順で並んでもよい。メンテナンスユニット27がメンテナンスを実施する場合、メンテナンスユニット27と対向する位置に吐出部が移動する。メンテナンスユニット27については、後で詳しく説明する。
【0027】
液体吐出装置11は、制御部28を備える。制御部28は、液体吐出装置11を統括的に制御する。制御部28は、例えば、第1吐出部14、第2吐出部15、移動部22、第1加圧部25、第2加圧部26、及び、メンテナンスユニット27などを制御する。
【0028】
制御部28は、コンピュータープログラムにしたがって各種処理を実行する1つ以上のプロセッサーで構成されてもよい。制御部28は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路などの1つ以上の専用のハードウェア回路で構成されてもよい。制御部28は、プロセッサー及びハードウェア回路の組み合わせを含む回路で構成されてもよい。プロセッサーは、CPU、ならびに、RAM及びROMなどのメモリーを含む。メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード、又は、指令を格納する。メモリー、すなわちコンピューター可読媒体は、汎用又は専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0029】
[メンテナンスユニット]
次に、メンテナンスユニット27について詳しく説明する。
図3に示すように、メンテナンスユニット27は、1以上の受容部を有する。メンテナンスユニット27は、例えば、第1受容部31と、第2受容部32とを有する。
【0030】
第1受容部31は、第1吐出部14から吐出される第1液体を受けるように構成される。第1受容部31は、対向する第1吐出部14から第1液体を受ける。第1受容部31は、加圧クリーニングによって排出される第1液体を受ける。これにより、第1受容部31は、第1吐出部14にメンテナンスを実施する。第1受容部31は、フラッシングによって排出される第1液体を受けてもよい。フラッシングは、印刷前、印刷中、印刷後などに、ノズルの目詰まりを抑制するために液体を適宜排出するメンテナンスである。
【0031】
第1受容部31は、例えば、走査方向Xに連続して並ぶ複数の第1吐出部14がそれぞれ吐出する第1液体を同時に受けることが可能に構成される。詳しくは、第1受容部31は、走査方向Xに連続して並ぶ4つの第1吐出部14がそれぞれ吐出する第1液体を同時に受けることができる。したがって、第1受容部31は、走査方向Xに連続する4つの第1吐出部14に対してメンテナンスを並行して実施できる。
【0032】
第1受容部31は、第1保持部材33を有する。第1保持部材33は、第1液体を受ける部材である。第1保持部材33は、例えば、加圧クリーニング時において、鉛直方向Zから見た場合に、複数の第1吐出部14と重なる。そのため、第1保持部材33は、例えば、複数の第1吐出部14からそれぞれ吐出される第1液体を同時に受けることができる。詳しくは、第1保持部材33は、加圧クリーニング時において、鉛直方向Zから見た場合に、走査方向Xに連続する4つの第1吐出部14と重なる。したがって、第1保持部材33は、走査方向Xに連続する4つの第1吐出部14からそれぞれ吐出される第1液体を並行して受けることができる。
【0033】
第1受容部31は、複数の第1保持部材33を有してもよい。この場合、複数の第1保持部材33は、加圧クリーニング時において、鉛直方向Zから見た場合に、複数の第1吐出部14とそれぞれ重なる。第1保持部材33が受けた第1液体は、例えば、図示しない廃液回収体に回収されてもよい。
【0034】
第1受容部31は、第1開口部材34を有する。第1開口部材34は、第1保持部材33に取り付けられる。第1開口部材34は、加圧クリーニング時に、第1吐出部14と対向する。第1開口部材34は、1以上の第1開口35を有する。第1開口35は、第1吐出部14から排出される第1液体が通過する開口である。第1開口35を第1液体が通過することによって、第1保持部材33が第1液体を受ける。
【0035】
第1受容部31は、例えば、複数の第1開口部材34を有する。複数の第1開口部材34は、走査方向Xに並ぶ。複数の第1開口部材34は、加圧クリーニング時において、複数の第1吐出部14とそれぞれ対向する。そのため、複数の第1開口部材34がそれぞれ有する第1開口35を、複数の第1吐出部14からそれぞれ吐出される第1液体が同時に通過できる。詳しくは、第1受容部31は、4つの第1開口部材34を有する。4つの第1開口部材34は、加圧クリーニング時において、走査方向Xに連続する4つの第1吐出部14とそれぞれ対向する。したがって、4つの第1開口部材34がそれぞれ有する第1開口35を、走査方向Xに連続する4つの第1吐出部14からそれぞれ吐出される第1液体が並行して通過できる。
【0036】
第1開口部材34は、例えば、複数の第1開口35を有する。詳しくは、第1開口部材34は、4つの第1開口35を有する。4つの第1開口35は、ノズル群21に対応するようにそれぞれ位置する。すなわち、1つの第1開口35につき、2列のノズル列20から排出される第1液体が通過する。第1開口部材34は、ノズル列20ごとに第1開口35を有してもよいし、1つの第1開口35のみを有してもよい。
【0037】
第1受容部31は、第1吸収材36を有してもよい。第1吸収材36は、第1保持部材33と第1開口部材34との間に位置する。第1吸収材36は、例えば、第1保持部材33に収容される。第1吸収材36は、第1液体を吸収する。詳しくは、第1吸収材36は、第1開口35を通過した第1液体を吸収する。第1吸収材36が第1液体を吸収することによって、第1液体が第1受容部31から漏れたり飛び散ったりするおそれが低減される。また、第1吸収材36によって、第1開口部材34に付着する第1液体を第1保持部材33内に引き込むことができる。
【0038】
第1吸収材36には、1以上の第1貫通口37が開口してもよい。第1貫通口37は、第1開口35と通じる開口である。第1吸収材36は、複数の第1貫通口37を有する。複数の第1貫通口37は、鉛直方向Zから見た場合に、複数の第1開口35とそれぞれ重なるように位置する。
【0039】
第2受容部32は、第2吐出部15から吐出される第2液体を受けるように構成される。第2液体が第1液体と混ざると硬化するため、第1液体及び第2液体をそれぞれ異なる受容部で受ける必要がある。第2受容部32は、対向する第2吐出部15から第2液体を受ける。第2受容部32は、加圧クリーニングによって排出される第2液体を受ける。これにより、第2受容部32は、第2吐出部15にメンテナンスを実施する。第2受容部32は、フラッシングによって排出される第2液体を受けてもよい。
【0040】
第2受容部32は、走査方向Xにおいて第1受容部31と隣り合う。第2受容部32及び第1受容部31は、例えば、第2方向A2にこの順で並ぶ。第2受容部32及び第1受容部31は、第1方向A1にこの順で並んでもよい。第2受容部32が第1受容部31と走査方向Xで隣り合うことによって、第1受容部31が第1吐出部14から第1液体を受けることと並行して、第2受容部32が第2吐出部15から第2液体を受けることができる。したがって、第1受容部31及び第2受容部32は、4つの第1吐出部14と1つの第2吐出部15とに対して並行してメンテナンスを実施できる。
【0041】
第2受容部32は、第2保持部材38を有する。第2保持部材38は、第2液体を受ける部材である。第2保持部材38は、例えば、加圧クリーニング時において、鉛直方向Zから見た場合に、第2吐出部15と重なる。第2保持部材38が受けた第2液体は、例えば、図示しない廃液回収体に回収されてもよい。
【0042】
第2受容部32は、第2開口部材39を有する。第2開口部材39は、第2保持部材38に取り付けられる。第2開口部材39は、加圧クリーニング時に、第2吐出部15と対向する。第2開口部材39は、1以上の第2開口40を有する。第2開口40は、第2吐出部15から排出される第2液体が通過する開口である。第2開口40を第2液体が通過することによって、第2保持部材38が第2液体を受ける。
【0043】
第2開口部材39は、例えば、複数の第2開口40を有する。詳しくは、第2開口部材39は、4つの第2開口40を有する。4つの第2開口40は、ノズル群21に対応するようにそれぞれ位置する。すなわち、1つの第2開口40につき、2列のノズル列20から排出される第2液体が通過する。第2開口部材39は、ノズル列20ごとに第2開口40を有してもよいし、1つの第2開口40のみを有してもよい。
【0044】
第2受容部32は、第2吸収材41を有してもよい。第2吸収材41は、第2保持部材38と第2開口部材39との間に位置する。第2吸収材41は、例えば、第2保持部材38に収容される。第2吸収材41は、第2液体を吸収する。詳しくは、第2吸収材41は、第2開口40を通過した第2液体を吸収する。第2吸収材41が第2液体を吸収することによって、第2液体が第2受容部32から漏れたり飛び散ったりするおそれが低減される。また、第2吸収材41によって、第2開口部材39に付着する第2液体を第2保持部材38内に引き込むことができる。
【0045】
第2吸収材41には、1以上の第2貫通口42が開口してもよい。第2貫通口42は、第2開口40と通じる開口である。第2吸収材41は、複数の第2貫通口42を有する。複数の第2貫通口42は、鉛直方向Zから見た場合に、複数の第2開口40とそれぞれ重なるように位置する。
【0046】
メンテナンスユニット27は、払拭部43を有する。払拭部43は、受容部と並ぶように位置する。払拭部43は、例えば、搬送方向Yにおいて受容部と並ぶ。詳しくは、払拭部43は、搬送方向Yにおいて第1受容部31と隣り合う。そのため、払拭部43は、搬送方向Yから見た場合に、第1受容部31と重なるように位置する。払拭部43は、第1受容部31よりも搬送方向Yの下流に位置する。払拭部43は、第1受容部31よりも搬送方向Yの上流に位置してもよい。
【0047】
払拭部43は、ノズル面を払拭するように構成される。払拭部43は、第1ノズル面17、第2ノズル面19、又は、その双方を払拭する。払拭部43は、例えば、第1ノズル面17及び第2ノズル面19の双方を払拭する。払拭部43は、少なくとも第1ノズル面17を払拭するように構成されてもよいし、少なくとも第2ノズル面19を払拭するように構成されてもよい。メンテナンスユニット27は、例えば、第1ノズル面17を払拭する第1払拭部と、第2ノズル面19を払拭する第2払拭部とを有してもよい。
【0048】
払拭部43は、例えば、払拭ローラー44と、払拭部材45とを有する。払拭ローラー44は、例えば、走査方向Xに延びる。払拭ローラー44は、搬送方向Yに延びてもよい。払拭部材45は、例えば、布である。払拭部材45は、払拭ローラー44に巻き掛けられる。払拭ローラー44が払拭部材45をノズル面に押し付けることによって、ノズル面が払拭部材45に払拭される。
【0049】
払拭部43は、ノズル面を所定回数払拭するごとに、払拭部材45を順次繰り出すように構成されてもよい。これにより、液体に対する払拭部材45の吸収性が低下するおそれが低減される。
【0050】
払拭部43は、吐出部に対して相対的に移動することによって、ノズル面を払拭する。払拭部43は、例えば、吐出部に対して、搬送方向Yの反対方向に移動することによって、ノズル面を払拭する。払拭部43がノズル面を払拭することによって、吐出部にワイピングが実施される。ワイピングは、メンテナンスの一例である。
【0051】
払拭部43は、複数の吐出部を同時に払拭するように構成される。払拭部43は、例えば、走査方向Xに連続して並ぶ複数の吐出部を同時に払拭するように構成される。具体的には、払拭部43は、走査方向Xに連続して並ぶ4つの吐出部を同時に払拭するように構成される。例えば、走査方向Xにおける払拭部43の長さは、走査方向Xにおける第1受容部31の長さとほぼ同一である。そのため、払拭部43は、搬送方向Yの反対方向に移動することによって、4つの吐出部を一斉に払拭する。払拭部43は、吐出部を1つずつ払拭するように構成されてもよい。払拭部43の長さ、位置などによって、払拭部43が同時に払拭可能な吐出部の数が変化する。
【0052】
払拭部43は、加圧クリーニング後に、ワイピングを実施する。その理由は、加圧クリーニングを実施すると、ノズル面に液体が付着するためである。加圧クリーニング後に払拭部43がノズル面を払拭することによって、加圧クリーニングによりノズル面に付着した液体が払拭部43によって除去される。
【0053】
メンテナンスユニット27は、移動機構46を有する。移動機構46は、払拭部43を移動させる機構である。移動機構46は、例えば、受容部ごと払拭部43を移動させる。詳しくは、移動機構46は、受容部及び払拭部43を搬送方向Yの反対方向に移動させる。これにより、払拭部43がノズル面を払拭できる。吐出部が移動することによって払拭部43にノズル面を払拭させる場合、メンテナンスユニット27は、移動機構46を有しなくともよい。
【0054】
[加圧クリーニング後の制御]
次に、制御部28による加圧クリーニング後の制御について説明する。
加圧クリーニング後においては、ノズル面に付着する液体が滴下するおそれがある。特に、払拭部43がノズル面を払拭する前に吐出部が移動を開始すると、ノズル面から液体が滴下しやすい。ノズル面から液体が滴下すると、液体吐出装置11内を汚損するおそれがある。そのため、制御部28は、液体吐出装置11内が汚損されるおそれを低減するように、払拭部43にノズル面を払拭させる。
【0055】
図4及び
図5に示すように、制御部28は、加圧クリーニング後、移動部22を走査方向Xに移動させることによって、擦り切り動作を実施する。擦り切り動作は、ノズル面に付着する液体を受容部が有する開口の縁に接触させることによって、液体を擦り切らせる動作である。すなわち、制御部28は、加圧クリーニング後、ノズル面に付着する液体を開口の縁に接触させるように吐出部を第1方向A1又は第2方向A2に移動させる。これにより、ノズル面に付着する液体が受容部に移動する。このように、擦り切り動作の結果、ノズル面に付着する液体の量が低減される。したがって、ノズル面から液体が滴下するおそれが低減される。液体吐出装置11に新たな構成を設けることなく、液体吐出装置11内にノズル面から液体が滴下するおそれが低減される。
【0056】
制御部28は、第1吐出部14の加圧クリーニング後、第1ノズル面17に付着する第1液体を第1開口35の縁に接触させるように第1吐出部14を第1方向A1に移動させる。これにより、第1ノズル面17に付着する第1液体が第1受容部31に移動する。したがって、制御部28が第1吐出部14について擦り切り動作を実施することによって、第1ノズル面17から第1液体が滴下するおそれが低減される。例えば、擦り切り動作によって、第1受容部31から払拭部43に向かって第1吐出部14が移動する過程で第1液体が滴下するおそれが低減される。そのため、第1受容部31と払拭部43とを離して配置させることもできる。
【0057】
制御部28は、第2吐出部15の加圧クリーニング後、第2ノズル面19に付着する第2液体を第2開口40の縁に接触させるように第2吐出部15を第1方向A1に移動させる。これにより、第2ノズル面19に付着する第2液体が第2受容部32に移動する。したがって、制御部28が第2吐出部15について擦り切り動作を実施することによって、第2ノズル面19から第2液体が滴下するおそれが低減される。例えば、擦り切り動作によって、第2受容部32から払拭部43に向かって第2吐出部15が接近する過程で第2液体が滴下するおそれが低減される。そのため、第2受容部32と払拭部43とを離して配置させることもできる。
【0058】
制御部28は、加圧クリーニング後、そのまま吐出部を走査方向Xに移動させてもよい。制御部28は、加圧クリーニング後、吐出部を受容部に接近、すなわち吐出部を下降させたうえで吐出部を走査方向Xに移動させてもよい。制御部28は、加圧クリーニング後、吐出部を受容部から一度離す、すなわち吐出部を上昇させた後に、再び吐出部を受容部に接近させたうえで吐出部を走査方向Xに移動させてもよい。制御部28は、吐出部を下降させながら走査方向Xに移動させてもよいし、吐出部を上昇させながら走査方向Xに移動させてもよい。制御部28は、擦り切り動作において、ノズル面に付着する液体が開口に進入するように吐出部を受容部に接近させたうえで、吐出部を走査方向Xに移動させるとよい。
【0059】
擦り切り動作によって、第1受容部31及び第2受容部32が走査方向Xに隣り合うように位置できる。これは、第1受容部31及び第2受容部32が走査方向Xに隣り合う場合、第1液体が第2受容部32に滴下するおそれ、及び、第2液体が第1受容部31に滴下するおそれが大きくなるが、擦り切り動作によってそうしたおそれが低減されるためである。
【0060】
受容部が吸収材を有することによって、擦り切り動作の品質が向上する。これは、ノズル面に付着する液体が開口の縁に接触した後、その液体が吸収材に接触することによって、ノズル面から受容部に液体が素早く移動するためである。すなわち、吸収材によってノズル面から液体を除去する速度が向上する。
【0061】
複数のノズル群21に対応するように複数の開口が開口部材に形成されていることによって、擦り切り動作の品質が向上する。これは、複数の開口によって、ノズル群21ごとに液体が擦り切られるためである。この場合、擦り切り動作のために必要な走査方向Xへの移動量が小さく済む。これにより、擦り切り動作に要する時間が少なく済む。また、複数の開口によって、走査方向Xへの移動を開始してから比較的短い時間で液体が開口の縁に接触する。そのため、加圧クリーニング後にすぐさま液体を擦り切ることができる。開口部材に1つの大きな開口のみが形成されている場合、すべてのノズル列20について液体を擦り切るために必要な走査方向Xへの移動量が大きくなる。
【0062】
[メンテナンス動作]
次に、制御部28によるメンテナンス動作の一例について説明する。このメンテナンス動作では、すべての吐出部について加圧クリーニング、擦り切り動作、及び、ワイピングが実施される。説明の便宜上、第1吐出部14及び第2吐出部15を、第2方向A2に向かって順に、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッド、第4ヘッド、第5ヘッド、第6ヘッド、第7ヘッド、第8ヘッド、第9ヘッドと称する。第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッド、第4ヘッド、第6ヘッド、第7ヘッド、第8ヘッド、及び、第9ヘッドが第1吐出部14である。第5ヘッドが、第2吐出部15である。
【0063】
図6に示すように、制御部28は、ステップS11において、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッド、及び、第4ヘッドを第1受容部31と対向する位置に移動させる。制御部28は、移動部22を走査方向Xに移動させることによって、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッド、及び、第4ヘッドを第1受容部31と対向させる。このとき、第5ヘッド、第6ヘッド、第7ヘッド、第8ヘッド、及び、第9ヘッドは、受容部と対向しない。
【0064】
制御部28は、ステップS12において、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッド、及び、第4ヘッドに加圧クリーニングを実施する。第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッド、及び、第4ヘッドからそれぞれ吐出される第1液体を、第1受容部31が受ける。
【0065】
制御部28は、ステップS13において、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッド、及び、第4ヘッドにワイピングを実施する。制御部28は、移動機構46によって払拭部43を搬送方向Yの反対方向に移動させることによって、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッド、及び、第4ヘッドを払拭部43に払拭させる。
【0066】
ステップS12からステップS13までの間においては、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッド、及び、第4ヘッドが移動する必要がない。そのため、第1ノズル面17から第1液体が滴下するおそれが小さい。また、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッド、及び、第4ヘッドは、第1受容部31又は払拭部43と対向するため、第1ノズル面17から滴下する第1液体が液体吐出装置11内を汚損するおそれが小さい。そのため、ステップS12の加圧クリーニング後においては、制御部28は擦り切り動作を実施しない。
【0067】
制御部28は、ステップS14において、第5ヘッドを第2受容部32と対向する位置に移動させる。すなわち、制御部28は、ステップS14において、第6ヘッド、第7ヘッド、第8ヘッド、及び、第9ヘッドを第1受容部31と対向する位置に移動させるともいえる。このとき、制御部28は、移動部22を第1方向A1に移動させることによって、第5ヘッドを第2受容部32と対向させる。
【0068】
制御部28は、ステップS15において、第5ヘッド、第6ヘッド、第7ヘッド、第8ヘッド、及び、第9ヘッドに加圧クリーニングを実施する。第5ヘッドから吐出される第2液体を第2受容部32が受け、第6ヘッド、第7ヘッド、第8ヘッド、及び、第9ヘッドからそれぞれ吐出される第1液体を第1受容部31が受ける。
【0069】
制御部28は、ステップS16において、第5ヘッド、第6ヘッド、第7ヘッド、第8ヘッド、及び、第9ヘッドについて擦り切り動作を実施する。このとき、制御部28は、移動部22を第1方向A1に移動させる。制御部28は、擦り切り動作を実施した後、移動部22を第2方向A2に移動させることによって、第5ヘッド、第6ヘッド、第7ヘッド、第8ヘッド、及び、第9ヘッドを加圧クリーニング時の位置に戻す。
【0070】
ステップS15の後にワイピングを実施する場合、払拭部43は、第6ヘッド、第7ヘッド、第8ヘッド、及び、第9ヘッドを一斉にワイピングできる一方で、第5ヘッドについてはワイピングできない。第5ヘッドをワイピングするためには、第5ヘッドを第1受容部31と対向する位置に移動させる必要がある。第5ヘッドを第1受容部31と対向させると、第5ヘッドから第2液体が第1受容部31に滴下することによって、第1受容部31内で第1液体が硬化するおそれがある。そのため、ステップS15にて加圧クリーニングを実施した後については、少なくとも第5ヘッドについて擦り切り動作を実施する必要がある。
【0071】
制御部28は、ステップS17において、第6ヘッド、第7ヘッド、第8ヘッド、及び、第9ヘッドにワイピングを実施する。このとき、制御部28は、移動機構46によって払拭部43を搬送方向Yの反対方向に移動させることによって、第6ヘッド、第7ヘッド、第8ヘッド、及び、第9ヘッドを払拭部43に払拭させる。
【0072】
制御部28は、ステップS18において、第5ヘッドを第1受容部31と対向する位置に移動させる。このとき、制御部28は、移動部22を第2方向A2に移動させる。
制御部28は、ステップS19において、第5ヘッドにワイピングを実施する。このとき、制御部28は、移動機構46によって払拭部43を搬送方向Yの反対方向に移動させることによって、第5ヘッドを払拭部43に払拭させる。すなわち、制御部28は、ステップS18及びステップS19において、第1受容部31と対向する位置を第5ヘッドに経由させて、そのノズル面を払拭部43に払拭させる。
【0073】
制御部28は、ステップS19の処理を終えると、メンテナンス動作を終了する。このように、液体吐出装置11の制御方法は、加圧部によってノズルから液体を受容部に排出させることを含む。液体吐出装置11の制御方法は、加圧部によってノズルから液体を受容部に排出させた後に、ノズル面に付着する液体を開口の縁に接触させるように吐出部を走査方向Xに移動させることを含む。液体吐出装置11の制御方法は、第1受容部31と対向する位置を第2吐出部15に経由させて、第2ノズル面19を払拭部43で払拭することを含む。メンテナンス動作では、第1吐出部14のみに加圧クリーニング、擦り切り動作、及び、ワイピングが実施されてもよいし、第2吐出部15のみに加圧クリーニング、擦り切り動作、及び、ワイピングが実施されてもよい。
【0074】
以上説明したように、第1実施例では、第2吐出部15について加圧クリーニング後にワイピングを実施する場合、第2吐出部15が第1受容部31と対向する位置を経由する。詳しくは、払拭部43は、第1受容部31と対向する位置で停止する第2吐出部15に対して搬送方向Yの反対方向に移動することによって、第2ノズル面19を払拭する。また、第1吐出部14、第2吐出部15、第1受容部31、第2受容部32、及び、払拭部43の位置関係によっては、第1吐出部14について加圧クリーニング後にワイピングを実施する場合、第1吐出部14が第2受容部32と対向する位置を経由することがある。この場合には、液体吐出装置11の制御方法は、第2受容部32と対向する位置を第1吐出部14に経由させて、第1ノズル面17を払拭部43で払拭することを含む。加圧クリーニング後に擦り切り動作を実施することによって、受容部で第1液体及び第2液体が混ざるおそれが低減される。
【0075】
[効果]
次に、第1実施例の効果について説明する。
(1)制御部28は、加圧部によってノズルから液体を受容部に排出させた後に、ノズル面に付着する液体を前記開口の縁に接触させるように吐出部を走査方向Xに移動させる。
【0076】
上記構成によれば、ノズル面に付着する液体が開口の縁に接触することによって、液体がノズル面から受容部に移動する。これにより、ノズル面に付着する液体の量が低減される。したがって、吐出部から液体が滴下するおそれが低減される。その結果、装置内を汚損するおそれが低減される。
【0077】
(2)第1受容部31及び第2受容部32は、走査方向Xに隣り合う。
第1受容部31及び第2受容部32が走査方向Xにおいて隣り合うように位置する場合、走査方向Xに移動する第1吐出部14が第2受容部32と対向する位置を経由することがある。そのため、第1ノズル面17に付着する第1液体が第2受容部32に滴下するおそれがある。この点、上記構成では、第1ノズル面17から第2受容部32に第1液体が滴下するおそれが低減されるため、第1受容部31及び第2受容部32を走査方向Xにおいて隣り合うように位置させることができる。したがって、液体吐出装置11の省スペース化が実現される。
【0078】
(3)第1吐出部14及び第2吐出部15は、走査方向Xに隣り合う。上記構成によれば、液体吐出装置11の省スペース化が実現される。
(4)制御部28は、第2加圧部26によって第2吐出部15から第2液体を排出させた後、第2ノズル面19に付着する第2液体を第2開口40の縁に接触させるように第2吐出部15を走査方向Xに移動させる。
【0079】
上記構成によれば、第2ノズル面19に付着する第2液体が第2開口40の縁に接触することによって、第2液体が第2ノズル面19から第2受容部32に移動する。これにより、第2ノズル面19に付着する第2液体の量が低減される。したがって、第2吐出部15から第2液体が滴下するおそれが低減される。その結果、装置内を汚損するおそれが低減される。
【0080】
(5)払拭部43は、第1受容部31と並ぶように位置する。
払拭部43が第2ノズル面19を払拭する場合、第2吐出部15が払拭部43に接近する。このとき、払拭部43が第1受容部31と並んでいるため、払拭部43が第2ノズル面19を払拭するまでの過程で、第2吐出部15が第1受容部31と対向する位置を経由することがある。そのため、第2ノズル面19に付着する第2液体が第1受容部31に滴下するおそれがある。この点、上記構成では、第2ノズル面19から第1受容部31に第2液体が滴下するおそれが低減されるため、払拭部43を第1受容部31と並ぶように位置させることができる。したがって、液体吐出装置11の省スペース化が実現される。
【0081】
<第2実施例>
次に、液体吐出装置11の第2実施例について説明する。第2実施例では、第1実施例と比べて、移動部22が異なる。第2実施例では、第1実施例と異なる点について主に説明する。
【0082】
図7に示すように、液体吐出装置11は、第1移動部51を備える。第1移動部51は、走査方向Xに第1吐出部14を移動させるように構成される。第1移動部51は、鉛直方向Zに第1吐出部14を移動させるように構成される。
【0083】
第1移動部51は、第1キャリッジ52を有する。第1キャリッジ52は、第1吐出部14を搭載する。第1キャリッジ52は、支持部13の上方を走査方向Xに移動する。
第1移動部51は、第1調整機構53を有する。第1調整機構53は、第1吐出部14と媒体99との距離を調整する機構である。第1調整機構53は、例えば、第1キャリッジ52を鉛直方向Zに移動させることによって、第1吐出部14を媒体99に接近させたり、第1吐出部14を媒体99から離したりする。すなわち、第1調整機構53は、第1吐出部14を昇降させる。
【0084】
液体吐出装置11は、第2移動部55を備える。第2移動部55は、走査方向Xに第2吐出部15を移動させるように構成される。第2移動部55は、鉛直方向Zに第2吐出部15を移動させるように構成される。したがって、第2実施例では、第1吐出部14及び第2吐出部15がそれぞれ個別に移動できる。
【0085】
第2移動部55は、第2キャリッジ56を有する。第2キャリッジ56は、第2吐出部15を搭載する。第2キャリッジ56は、支持部13の上方を走査方向Xに移動する。第2キャリッジ56は、例えば、第1キャリッジ52と同軸上を走査方向Xに移動する。
【0086】
第2移動部55は、第2調整機構57を有する。第2調整機構57は、第2吐出部15と媒体99との距離を調整する機構である。第2調整機構57は、例えば、第2キャリッジ56を鉛直方向Zに移動させることによって、第2吐出部15を媒体99に接近させたり、第2吐出部15を媒体99から離したりする。すなわち、第2調整機構57は、第2吐出部15を昇降させる。
【0087】
第2実施例においても、第1実施例と同様に、第2吐出部15について加圧クリーニングを実施した後にワイピングを実施する場合、第2吐出部15が第1受容部31と対向する位置を経由する必要がある。詳しくは、払拭部43は、第1受容部31と対向する位置で停止する第2吐出部15に対して搬送方向Yの反対方向に移動することによって、そのノズル面を払拭する。そのため、第2吐出部15について加圧クリーニングを実施した後、第2吐出部15について擦り切り動作を実施することによって、第2ノズル面19から第1受容部31に第2液体が滴下するおそれが低減される。したがって、第2実施例によれば、第1実施例と同様の効果が得られる。
【0088】
<第3実施例>
次に、液体吐出装置11の第3実施例について説明する。第3実施例では、第1実施例と比べて、払拭部43が異なる。第3実施例では、第1実施例と異なる点について主に説明する。
【0089】
図8に示すように、払拭部43は、受容部と並ぶように位置する。払拭部43は、例えば、走査方向Xにおいて受容部と並ぶ。詳しくは、払拭部43は、走査方向Xにおいて第2受容部32と隣り合うように並ぶ。そのため、払拭部43は、走査方向Xから見た場合に、第2受容部32と重なるように位置する。第2受容部32及び払拭部43は、例えば、第1方向A1にこの順で並ぶ。払拭部43は、走査方向Xにおいて第1受容部31と隣り合うように並んでもよい。払拭部43及び第1受容部31は、例えば、第1方向A1にこの順で並んでもよい。
【0090】
払拭ローラー44は、例えば、搬送方向Yに延びる。払拭ローラー44は、走査方向Xに延びてもよい。払拭ローラー44が払拭部材45をノズル面に押し付けることによって、ノズル面が払拭部材45に払拭される。
【0091】
払拭部43は、吐出部に対して相対的に移動することによって、ノズル面を払拭する。払拭部43は、例えば、走査方向Xに移動することによって、ノズル面を払拭する。払拭部43は、第1実施例と同様に、搬送方向Y又はその反対方向に移動することによって、ノズル面を払拭するように構成されてもよい。
【0092】
払拭部43は、複数の吐出部を順番に払拭するように構成される。すなわち、払拭部43は、複数の吐出部を1つずつ順番に払拭するように構成される。例えば、搬送方向Yにおける払拭部43の長さは、搬送方向Yにおける第1受容部31の長さ、搬送方向Yにおける第2受容部32の長さと同一、又はそれ以上である。そのため、払拭部43は、走査方向Xに移動することによって、複数の吐出部を順番に払拭する。
【0093】
第3実施例においては、第1吐出部14について加圧クリーニングを実施した後にワイピングを実施する場合、第1吐出部14が第1方向A1に移動する、又は、払拭部43が第2方向A2に移動する必要がある。このとき、第1吐出部14が第2受容部32と対向する位置を経由することがある。例えば、払拭部43は、第2受容部32と対向する位置で停止する第1吐出部14に対して走査方向Xに移動することによって、第1ノズル面17を払拭する。例えば、払拭部43は、第2受容部32と対向する位置を通過するように第1吐出部14が走査方向Xに移動することによって、第1ノズル面17を払拭する。例えば、第1吐出部14が第2受容部32と対向する位置を通過するように払拭部43が走査方向Xに移動することによって、第1ノズル面17を払拭する。このように、払拭部43が第1ノズル面17を払拭するにあたって、第1吐出部14が第2受容部32と対向する位置を経由する。そのため、第1吐出部14について加圧クリーニングを実施した後、第1吐出部14について擦り切り動作を実施することによって、第1ノズル面17から第2受容部32に第1液体が滴下するおそれが低減される。
【0094】
払拭部43が第1受容部31と走査方向Xに隣り合う構成では、第2吐出部15について加圧クリーニングを実施した後にワイピングを実施する場合、第2吐出部15が第1受容部31と対向する位置を経由することがある。そのため、この場合には、第2吐出部15について加圧クリーニングを実施した後、第2吐出部15について擦り切り動作を実施するとよい。
【0095】
[効果]
第3実施例によれば、以下の効果が得られる。
(6)払拭部43は、第2受容部32と並ぶように位置する。
【0096】
払拭部43が第1ノズル面17を払拭する場合、第1吐出部14が払拭部43に接近する。このとき、払拭部43が第2受容部32と並んでいるため、払拭部43が第1ノズル面17を払拭するまでの過程で、第1吐出部14が第2受容部32と対向する位置を経由することがある。そのため、第1ノズル面17に付着する第1液体が第2受容部32に滴下するおそれがある。この点、上記構成では、第1ノズル面17から第2受容部32に第1液体が滴下するおそれが低減されるため、払拭部43を第2受容部32と並ぶように位置させることができる。したがって、液体吐出装置11の省スペース化が実現される。
【0097】
<変更例>
上記第1実施例、第2実施例、及び、第3実施例は、以下のように変更して実施できる。上記第1実施例、第2実施例、第3実施例、及び、以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0098】
・
図9に示すように、払拭部43は、搬送方向Yにおいて第2受容部32と隣り合うように位置してもよい。この変更例において、払拭部43は、搬送方向Yにおいて第1受容部31及び第2受容部32と隣り合うように位置する。払拭ローラー44は、走査方向Xに延びる。この場合、払拭部43は、受容部と対向する位置に位置する吐出部に対して相対的に搬送方向Yに移動することによって、そのノズル面を払拭する。
【0099】
図9に示す変更例では、第1吐出部14について加圧クリーニング後にワイピングを実施する場合に、第1吐出部14が第2受容部32と対向する位置を経由することがある。例えば、第1吐出部14は、第1受容部31と対向する位置から第1方向A1に移動することによって、第2受容部32と対向する位置に位置する。払拭部43は、第2受容部32と対向する第1吐出部14に対して相対的に搬送方向Yに移動することによって、第1ノズル面17を払拭する。そのため、払拭部43が第2受容部32と隣り合う場合、第1吐出部14に対する擦り切り動作が有用である。
【0100】
・
図10に示すように、払拭部43は、走査方向Xにおいて第1受容部31と隣り合うように位置してもよい。払拭ローラー44は、搬送方向Yに延びる。この変更例では、第3実施例と同様、払拭部43は、受容部と対向する位置で停止する吐出部に対して走査方向Xに移動することによって、そのノズル面を払拭できる。また、払拭部43は、吐出部が受容部と対向する位置を通過するように走査方向Xに移動することによって、そのノズル面を払拭できる。
【0101】
図10に示す変更例では、第2吐出部15について加圧クリーニング後にワイピングを実施する場合に、第2吐出部15が第1受容部31と対向する位置を経由することがある。例えば、第2吐出部15は、第2受容部32と対向する位置から第2方向A2に移動すると、第1受容部31と対向する位置で停止する、又は、第1受容部31と対向する位置を通過する。払拭部43は、第1受容部31と対向する位置で停止する第2吐出部15に対して第1方向A1に移動することによって、第2ノズル面19を払拭する。また、払拭部43は、第1受容部31と対向する位置及び払拭部43と対向する位置を第2吐出部15が通過することによって、第2ノズル面19を払拭する。このように、払拭部43が第2ノズル面19を払拭するにあたって、第2吐出部15が第1受容部31と対向する位置を経由する。そのため、払拭部43が第1受容部31と隣り合う場合、第2吐出部15に対する擦り切り動作が有用である。
【0102】
・
図11に示すように、走査方向Xに第1受容部31と隣り合う払拭部43において、払拭ローラー44は、走査方向Xに延びてよい。この場合、払拭部43は、自身と対向する吐出部に対して相対的に搬送方向Yにおいて移動することによって、ノズル面を払拭する。走査方向Xにおける払拭部43の長さは、走査方向Xにおける第1吐出部14の長さ、走査方向Xにおける第2吐出部15の長さとほぼ同一である。そのため、払拭部43は、搬送方向Y又はその反対方向に移動することによって、吐出部を1つずつ払拭できる。
【0103】
図11に示す変更例では、吐出部が払拭部43と対向する位置に位置することによって、そのノズル面が払拭される。第2吐出部15について加圧クリーニング後にワイピングを実施する場合、第2吐出部15が払拭部43と対向する位置に移動する過程で、第2吐出部15が第1受容部31と対向する位置を経由することがある。例えば、第2吐出部15は、第2受容部32と対向する位置から第2方向A2に移動すると、払拭部43と対向する位置で停止する。このとき、第2吐出部15は、第1受容部31と対向する位置を通過する。払拭部43は、自身と対向する第2吐出部15に対して相対的に搬送方向Yにおいて移動することによって、第2ノズル面19を払拭する。このように、払拭部43が第2ノズル面19を払拭するにあたって、第2吐出部15が第1受容部31と対向する位置を経由する。そのため、払拭部43が第1受容部31と隣り合う場合、第2吐出部15に対する擦り切り動作が有用である。
【0104】
・
図8において、払拭ローラー44が走査方向Xに延びてもよい。この場合、第1吐出部14が払拭部43と対向する位置に移動する過程で、第1吐出部14が第2受容部32と対向する位置を経由することがある。例えば、第1吐出部14は、第1受容部31と対向する位置から第1方向A1に移動すると、払拭部43と対向する位置で停止する。このとき、第1吐出部14は、第2受容部32と対向する位置を通過する。払拭部43は、自身と対向する第1吐出部14に対して相対的に搬送方向Yにおいて移動することによって、第1ノズル面17を払拭する。したがって、払拭部43が第1ノズル面17を払拭するにあたって、第1吐出部14が第2受容部32と対向する位置を経由する。
【0105】
・
図12に示すように、受容部は、突起を有してもよい。第1受容部31は、例えば、第1突起61を有してもよい。詳しくは、第1開口部材34は、第1突起61を有してもよい。第2受容部32は、第2突起62を有してもよい。詳しくは、第2開口部材39は、第2突起62を有してもよい。
【0106】
第1突起61は、第1吐出部14に向かうように、すなわち上方に延びる。擦り切り動作において、第1ノズル面17に付着する第1液体が第1突起61に接触する。これにより、第1ノズル面17に付着する第1液体の量がより低減される。第1突起61と同様に、第2突起62は、第2吐出部15に向かうように、すなわち上方に延びる。擦り切り動作において、第2ノズル面19に付着する第2液体が第2突起62に接触する。これにより、第2ノズル面19に付着する第2液体の量がより低減される。
【0107】
・開口部材に親水処理が施されていてもよい。親水処理は、液体が付着しやすくなる処理である。親水処理は、例えば、親水剤を塗布することによって施される。これにより、擦り切り動作において、ノズル面から受容部に液体が移動しやすくなる。
【0108】
・開口部材の開口の縁に、液体に対して毛細管力が働くように溝が形成されていてもよい。これにより、擦り切り動作において、ノズル面から受容部に液体が移動しやすくなる。
【0109】
<技術的思想>
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0110】
(A)液体吐出装置は、液体を吐出する吐出部であって、1以上のノズルが開口するノズル面を有する前記吐出部と、前記吐出部内を加圧することによって、前記ノズルから前記液体を排出させる加圧部と、前記加圧部が前記吐出部内を加圧することによって前記ノズルから排出される前記液体を受ける受容部であって、前記加圧部が前記吐出部内を加圧することによって前記ノズルから排出される前記液体が通過する開口を有する前記受容部と、前記吐出部を走査方向に移動させる移動部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記加圧部によって前記ノズルから前記液体を前記受容部に排出させた後に、前記ノズル面に付着する前記液体を前記開口の縁に接触させるように前記吐出部を前記走査方向に移動させる。
【0111】
上記構成によれば、ノズル面に付着する液体が開口の縁に接触することによって、液体がノズル面から受容部に移動する。これにより、ノズル面に付着する液体の量が低減される。したがって、吐出部から液体が滴下するおそれが低減される。その結果、装置内を汚損するおそれが低減される。
【0112】
(B)上記液体吐出装置において、前記吐出部は、第1吐出部であり、前記ノズルは、第1ノズルであり、前記ノズル面は、第1ノズル面であり、前記加圧部は、第1加圧部であり、前記受容部は、第1受容部であり、前記開口は、第1開口であり、前記移動部は、第1移動部であり、前記液体は、第1液体であり、前記液体吐出装置は、前記第1液体を硬化させる成分を含む第2液体を吐出する第2吐出部であって、1以上の第2ノズルが開口する第2ノズル面を有する前記第2吐出部と、前記第2吐出部内を加圧することによって、前記第2ノズルから前記第2液体を排出させる第2加圧部と、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容部であって、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体が通過する第2開口を有する前記第2受容部と、前記第2吐出部を前記走査方向に移動させる第2移動部と、を備え、前記第1受容部及び前記第2受容部は、前記走査方向に隣り合ってもよい。
【0113】
第1受容部及び第2受容部が走査方向に隣り合う場合、走査方向に移動する第1吐出部が第2受容部と対向する位置を経由することがある。そのため、第1ノズル面に付着する第1液体が第2受容部に滴下するおそれがある。この点、上記構成によれば、第1ノズル面から第2受容部に第1液体が滴下するおそれが低減される。したがって、第1受容部及び第2受容部を走査方向において隣り合うように位置させることによって、液体吐出装置の省スペース化が実現される。
【0114】
(C)上記液体吐出装置において、前記吐出部は、第1吐出部であり、前記ノズルは、第1ノズルであり、前記ノズル面は、第1ノズル面であり、前記加圧部は、第1加圧部であり、前記受容部は、第1受容部であり、前記開口は、第1開口であり、前記液体は、第1液体であり、前記液体吐出装置は、前記第1液体を硬化させる成分を含む第2液体を吐出する第2吐出部であって、1以上の第2ノズルが開口する第2ノズル面を有する前記第2吐出部と、前記第2吐出部内を加圧することによって、前記第2ノズルから前記第2液体を排出させる第2加圧部と、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容部であって、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体が通過する第2開口を有する前記第2受容部と、を備え、前記移動部は、前記第1吐出部及び前記第2吐出部を移動させ、前記第1受容部及び前記第2受容部は、前記走査方向に隣り合ってもよい。
【0115】
第1受容部及び第2受容部が走査方向に隣り合う場合、走査方向に移動する第1吐出部が第2受容部と対向する位置を経由することがある。そのため、第1ノズル面に付着する第1液体が第2受容部に滴下するおそれがある。この点、上記構成では、第1ノズル面から第2受容部に第1液体が滴下するおそれが低減されるため、第1受容部及び第2受容部を走査方向において隣り合うように位置させることができる。したがって、液体吐出装置の省スペース化が実現される。
【0116】
(D)上記液体吐出装置において、前記第1吐出部及び前記第2吐出部は、前記走査方向に隣り合ってもよい。
上記構成によれば、液体吐出装置の省スペース化が実現される。
【0117】
(E)上記液体吐出装置は、少なくとも前記第1ノズル面を払拭する払拭部を備え、前記払拭部は、前記第2受容部と並ぶように位置してもよい。
払拭部が第1ノズル面を払拭する場合、第1吐出部が払拭部に接近する。このとき、払拭部が第2受容部と並んでいるため、払拭部が第1ノズル面を払拭するまでの過程で、第1吐出部が第2受容部と対向する位置を経由することがある。そのため、第1ノズル面に付着する第1液体が第2受容部に滴下するおそれがある。この点、上記構成では、第1ノズル面から第2受容部に第1液体が滴下するおそれが低減されるため、払拭部を第2受容部と並ぶように位置させることができる。したがって、液体吐出装置の省スペース化が実現される。
【0118】
(F)上記液体吐出装置において、前記制御部は、前記第2加圧部によって前記第2吐出部から前記第2液体を排出させた後、前記第2ノズル面に付着する前記第2液体を前記第2開口の縁に接触させるように前記第2吐出部を前記走査方向に移動させてもよい。
【0119】
上記構成によれば、第2ノズル面に付着する第2液体が第2開口の縁に接触することによって、第2液体が第2ノズル面から第2受容部に移動する。これにより、第2ノズル面に付着する第2液体の量が低減される。したがって、第2吐出部から第2液体が滴下するおそれが低減される。その結果、装置内を汚損するおそれが低減される。
【0120】
(G)上記液体吐出装置は、少なくとも前記第2ノズル面を払拭する払拭部を備え、前記払拭部は、前記第1受容部と並ぶように位置してもよい。
払拭部が第2ノズル面を払拭する場合、第2吐出部が払拭部に接近する。このとき、払拭部が第1受容部と並んでいるため、払拭部が第2ノズル面を払拭するまでの過程で、第2吐出部が第1受容部と対向する位置を経由することがある。そのため、第2ノズル面に付着する第2液体が第1受容部に滴下するおそれがある。この点、上記構成では、第2ノズル面から第1受容部に第2液体が滴下するおそれが低減されるため、払拭部を第1受容部と並ぶように位置させることができる。したがって、液体吐出装置の省スペース化が実現される。
【0121】
(H)液体吐出装置の制御方法は、液体を吐出する吐出部であって、1以上のノズルが開口するノズル面を有する前記吐出部と、前記吐出部内を加圧することによって、前記ノズルから前記液体を排出させる加圧部と、前記加圧部が前記吐出部内を加圧することによって前記ノズルから排出される前記液体を受ける受容部であって、前記加圧部が前記吐出部内を加圧することによって前記ノズルから排出される前記液体が通過する開口を有する前記受容部と、前記吐出部を走査方向に移動させる移動部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、前記加圧部によって前記ノズルから前記液体を前記受容部に排出させることと、前記加圧部によって前記ノズルから前記液体を前記受容部に排出させた後に、前記ノズル面に付着する前記液体を前記開口の縁に接触させるように前記吐出部を前記走査方向に移動させることと、を含む。上記方法によれば、上述した液体吐出装置と同様の効果が得られる。
【0122】
(I)上記液体吐出装置の制御方法において、前記吐出部は、第1吐出部であり、前記ノズルは、第1ノズルであり、前記ノズル面は、第1ノズル面であり、前記加圧部は、第1加圧部であり、前記受容部は、第1受容部であり、前記開口は、第1開口であり、前記移動部は、第1移動部であり、前記液体は、第1液体であり、前記液体吐出装置は、前記第1液体を硬化させる成分を含む第2液体を吐出する第2吐出部であって、1以上の第2ノズルが開口する第2ノズル面を有する前記第2吐出部と、前記第2吐出部内を加圧することによって、前記第2ノズルから前記第2液体を排出させる第2加圧部と、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容部であって、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体が通過する第2開口を有する前記第2受容部と、前記第2吐出部を前記走査方向に移動させる第2移動部と、少なくとも前記第1ノズル面を払拭する払拭部と、を備え、前記払拭部は、前記第2受容部と並ぶように位置し、前記液体吐出装置の制御方法は、前記第2受容部と対向する位置を前記第1吐出部に経由させて、前記第1ノズル面を前記払拭部で払拭すること、を含んでもよい。上記方法によれば、上述した液体吐出装置と同様の効果が得られる。
【0123】
(J)上記液体吐出装置の制御方法において、前記吐出部は、第1吐出部であり、前記ノズルは、第1ノズルであり、前記ノズル面は、第1ノズル面であり、前記加圧部は、第1加圧部であり、前記受容部は、第1受容部であり、前記開口は、第1開口であり、前記液体は、第1液体であり、前記液体吐出装置は、前記第1液体を硬化させる成分を含む第2液体を吐出する第2吐出部であって、1以上の第2ノズルが開口する第2ノズル面を有する前記第2吐出部と、前記第2吐出部内を加圧することによって、前記第2ノズルから前記第2液体を排出させる第2加圧部と、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容部であって、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体が通過する第2開口を有する前記第2受容部と、少なくとも前記第1ノズル面を払拭する払拭部と、を備え、前記移動部は、前記第1吐出部及び前記第2吐出部を移動させ、前記払拭部は、前記第2受容部と並ぶように位置し、前記液体吐出装置の制御方法は、前記第2受容部と対向する位置を前記第1吐出部に経由させて、前記第1ノズル面を前記払拭部で払拭すること、を含んでもよい。上記方法によれば、上述した液体吐出装置と同様の効果が得られる。
【0124】
(K)上記液体吐出装置の制御方法において、前記吐出部は、第1吐出部であり、前記ノズルは、第1ノズルであり、前記ノズル面は、第1ノズル面であり、前記加圧部は、第1加圧部であり、前記受容部は、第1受容部であり、前記開口は、第1開口であり、前記移動部は、第1移動部であり、前記液体は、第1液体であり、前記液体吐出装置は、前記第1液体を硬化させる成分を含む第2液体を吐出する第2吐出部であって、1以上の第2ノズルが開口する第2ノズル面を有する前記第2吐出部と、前記第2吐出部内を加圧することによって、前記第2ノズルから前記第2液体を排出させる第2加圧部と、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容部であって、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体が通過する第2開口を有する前記第2受容部と、前記第2吐出部を前記走査方向に移動させる第2移動部と、少なくとも前記第2ノズル面を払拭する払拭部と、を備え、前記払拭部は、前記第1受容部と並ぶように位置し、前記液体吐出装置の制御方法は、前記第2加圧部によって前記第2ノズルから前記第2受容部に前記第2液体を排出させることと、前記第2加圧部によって前記第2ノズルから前記第2液体を前記第2受容部に排出させた後に、前記第2ノズル面に付着する前記第2液体を前記第2開口の縁に接触させるように前記第2吐出部を前記走査方向に移動させることと、前記第1受容部と対向する位置を前記第2吐出部に経由させて、前記第2ノズル面を前記払拭部で払拭することと、を含んでもよい。上記方法によれば、上述した液体吐出装置と同様の効果が得られる。
【0125】
(L)上記液体吐出装置の制御方法において、前記吐出部は、第1吐出部であり、前記ノズルは、第1ノズルであり、前記ノズル面は、第1ノズル面であり、前記加圧部は、第1加圧部であり、前記受容部は、第1受容部であり、前記開口は、第1開口であり、前記液体は、第1液体であり、前記液体吐出装置は、前記第1液体を硬化させる成分を含む第2液体を吐出する第2吐出部であって、1以上の第2ノズルが開口する第2ノズル面を有する前記第2吐出部と、前記第2吐出部内を加圧することによって、前記第2ノズルから前記第2液体を排出させる第2加圧部と、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体を受ける第2受容部であって、前記第2加圧部が前記第2吐出部内を加圧することによって前記第2ノズルから排出される前記第2液体が通過する第2開口を有する前記第2受容部と、少なくとも前記第2ノズル面を払拭する払拭部と、を備え、前記移動部は、前記第1吐出部及び前記第2吐出部を移動させ、前記払拭部は、前記第1受容部と並ぶように位置し、前記液体吐出装置の制御方法は、前記第2加圧部によって前記第2ノズルから前記第2受容部に前記第2液体を排出させることと、前記第2加圧部によって前記第2ノズルから前記第2液体を前記第2受容部に排出させた後に、前記第2ノズル面に付着する前記第2液体を前記第2開口の縁に接触させるように前記第2吐出部を前記走査方向に移動させることと、前記第1受容部と対向する位置を前記第2吐出部に経由させて、前記第2ノズル面を前記払拭部で払拭することと、を含んでもよい。上記方法によれば、上述した液体吐出装置と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0126】
11…液体吐出装置、12…筐体、13…支持部、14…第1吐出部、15…第2吐出部、16…第1ノズル、17…第1ノズル面、18…第2ノズル、19…第2ノズル面、20…ノズル列、21…ノズル群、22…移動部、23…キャリッジ、24…調整機構、25…第1加圧部、26…第2加圧部、27…メンテナンスユニット、28…制御部、31…第1受容部、32…第2受容部、33…第1保持部材、34…第1開口部材、35…第1開口、36…第1吸収材、37…第1貫通口、38…第2保持部材、39…第2開口部材、40…第2開口、41…第2吸収材、42…第2貫通口、43…払拭部、44…払拭ローラー、45…払拭部材、46…移動機構、51…第1移動部、52…第1キャリッジ、53…第1調整機構、55…第2移動部、56…第2キャリッジ、57…第2調整機構、61…第1突起、62…第2突起、99…媒体、A1…第1方向、A2…第2方向、X…走査方向、Y…搬送方向、Z…鉛直方向。