IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラクテン アジア プライベート リミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-与信審査装置、方法及びプログラム 図1
  • 特開-与信審査装置、方法及びプログラム 図2
  • 特開-与信審査装置、方法及びプログラム 図3
  • 特開-与信審査装置、方法及びプログラム 図4
  • 特開-与信審査装置、方法及びプログラム 図5
  • 特開-与信審査装置、方法及びプログラム 図6
  • 特開-与信審査装置、方法及びプログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042827
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】与信審査装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20240322BHJP
【FI】
G06Q20/40 320
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147703
(22)【出願日】2022-09-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】522369337
【氏名又は名称】ラクテン アジア プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(72)【発明者】
【氏名】クマール ガーラヴ
(72)【発明者】
【氏名】クシリサガ ヴィシャール
(72)【発明者】
【氏名】山下 智彦
(72)【発明者】
【氏名】町田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】呉 垠
(72)【発明者】
【氏名】オシュ スブラタ
(72)【発明者】
【氏名】河崎 麻里子
(72)【発明者】
【氏名】ジェーン アシュリー
(72)【発明者】
【氏名】梅田 卓志
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA75
(57)【要約】
【課題】ユーザの属性全般を統一的に与信審査に活用するための情報処理を実現することを課題とする。
【解決手段】与信審査装置に、対象ユーザが後払い決済によって購入しようとする商品及び/又はサービスの商品関連データを取得する商品関連データ取得部と、対象ユーザについて設定されたユーザスコア及び商品関連データを学習済み機械学習モデルに入力して得られた出力値に基づいて、対象ユーザによる商品及び/又はサービスの購入について後払い決済の承認又は却下を判定する後払い決済判定部と、を備えた。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象ユーザが後払い決済によって購入しようとする商品及び/又はサービスの商品関連データを取得する商品関連データ取得手段と、
前記対象ユーザについて設定されたユーザスコア及び前記商品関連データを学習済み機械学習モデルに入力して得られた出力値に基づいて、前記対象ユーザによる前記商品及び/又はサービスの購入について後払い決済の承認又は却下を判定する後払い決済判定手段と、
を備える与信審査装置。
【請求項2】
前記機械学習モデルの出力値は、前記対象ユーザが前記商品及び/又はサービスを後払い決済で購入した場合に後払い決済の精算が該対象ユーザによって正しく履行されないリスクに応じて変化する判定用スコアであり、
前記後払い決済判定手段は、前記判定用スコアが所定の範囲内である場合に、前記商品及び/又はサービスの購入について後払い決済を承認する判定を行う、
請求項1に記載の与信審査装置。
【請求項3】
前記商品関連データ取得手段は、前記商品関連データとして、前記商品及び/又はサービスの属性データ、及び該商品及び/又はサービスを販売する店舗の属性データの少なくともいずれかを取得し、
前記後払い決済判定手段は、前記対象ユーザについて設定されたユーザスコアと、前記商品及び/又はサービスの属性データ及び/又は前記店舗の属性データとを学習済み機械学習モデルに入力して得られた出力値に基づいて、前記対象ユーザによる前記商品及び/又はサービスの購入について後払い決済の承認又は却下を判定する、
請求項1に記載の与信審査装置。
【請求項4】
前記後払い決済判定手段は、更に、前記対象ユーザの所定期間における利用限度に従って、前記対象ユーザによる前記商品及び/又はサービスの購入について後払い決済の承認又は却下を判定する、
請求項1に記載の与信審査装置。
【請求項5】
前記後払い決済判定手段によって後払い決済の却下の判定がなされた購入のうち、ランダムに選択された購入について、前記後払い決済判定手段による判定結果に関わらず後払い決済を承認する追加承認手段を更に備える、
請求項1に記載の与信審査装置。
【請求項6】
前記後払い決済判定手段は、1又は複数の第三者による後払い決済の承認又は却下の判定結果に基づくラベル又はスコアを出力値とする教師データを用いて生成及び/又は更新された機械学習モデルを用いて、前記対象ユーザによる前記商品及び/又はサービスの購入について後払い決済の承認又は却下を判定する、
請求項1に記載の与信審査装置。
【請求項7】
前記機械学習モデルの生成及び/又は更新には、1のユーザに対して付された互いに相反する複数の判定結果が除外された教師データが用いられる、
請求項6に記載の与信審査装置。
【請求項8】
前記ユーザに係る属性データ群に基づいて、前記ユーザに設定されるユーザスコアを推定するユーザスコア推定手段を更に備え、
前記後払い決済判定手段は、前記対象ユーザについて前記ユーザスコア推定手段によって推定されたユーザスコア、及び前記商品関連データを学習済み機械学習モデルに入力して得られた出力値に基づいて、前記対象ユーザによる前記商品及び/又はサービスの購入について後払い決済の承認又は却下を判定する、
請求項1に記載の与信審査装置。
【請求項9】
ユーザ自身から提供されたユーザ提供データ又は該ユーザの履歴データに基づいて、該ユーザについて事実であると確認可能な事実属性を決定する事実属性決定手段と、
少なくとも該ユーザに係る前記事実属性に基づいて、該ユーザについて推定された推定属性を決定する推定属性決定手段と、を更に備え、
前記ユーザスコア推定手段は、前記ユーザに係る前記事実属性及び推定属性を含む属性データ群に基づいて、前記ユーザに設定されるユーザスコアを推定する、
請求項8に記載の与信審査装置。
【請求項10】
コンピュータが、
対象ユーザが後払い決済によって購入しようとする商品及び/又はサービスの商品関連データを取得する商品関連データ取得ステップと、
前記対象ユーザについて設定されたユーザスコア及び前記商品関連データを学習済み機械学習モデルに入力して得られた出力値に基づいて、前記対象ユーザによる前記商品及び/又はサービスの購入について後払い決済の承認又は却下を判定する後払い決済判定ステップと、
を実行する方法。
【請求項11】
コンピュータを、
対象ユーザが後払い決済によって購入しようとする商品及び/又はサービスの商品関連データを取得する商品関連データ取得手段と、
前記対象ユーザについて設定されたユーザスコア及び前記商品関連データを学習済み機械学習モデルに入力して得られた出力値に基づいて、前記対象ユーザによる前記商品及び/又はサービスの購入について後払い決済の承認又は却下を判定する後払い決済判定手段と、
として機能させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザに関する与信審査を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの行動を示す行動情報を取得するユーザ情報取得部と、行動情報に基づいて、将来のユーザの融資に対する返済能力に関する信用度を判定する信用度判定部と、を備える判定装置が提案されている(特許文献1を参照)。
【0003】
また、従来、オンラインストアにアクセスしたユーザの端末装置から電話番号を含むユーザ識別情報を取得する識別情報取得部と、ユーザの注文データを取得する注文データ取得部と、取得した電話番号を用いて認証された認証情報を端末装置から取得する認証情報取得部と、取得した注文データを用いてユーザの注文決済の可否を判定する判定部とを備える注文決済装置が提案されている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-174039号公報
【特許文献2】特開2020-098491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、決済時に支払いを行うことなくユーザが商品を手に入れたりサービスを受けたりすることが可能な後払い決済サービスが提供されており、また、ユーザの注文データを用いてユーザの注文決済の可否を判定する技術が提案されている。しかし、対象ユーザによる後払い決済サービスの利用可否の判定に際しては、ユーザペルソナ(ユーザの人物像や行動傾向)を含むユーザの属性全般を統一的に活用した与信審査を実現するという点において改善の余地があった。
【0006】
本開示は、上記した問題に鑑み、ユーザの属性全般を統一的に与信審査に活用するための情報処理を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一例は、対象ユーザが後払い決済によって購入しようとする商品及び/又はサービスの商品関連データを取得する商品関連データ取得手段と、前記対象ユーザについて設定されたユーザスコア及び前記商品関連データを学習済み機械学習モデルに入力して得られた出力値に基づいて、前記対象ユーザによる前記商品及び/又はサービスの購入について後払い決済の承認又は却下を判定する後払い決済判定手段と、を備える与信審査装置である。
【0008】
本開示は、与信審査装置、システム、コンピュータによって実行される方法又はコンピュータに実行させるプログラムとして把握することが可能である。また、本開示は、そのようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものとしても把握できる。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ユーザの属性全般を統一的に与信審査に活用するための情報処理を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成を示す概略図である。
図2】実施形態に係る与信審査装置の機能構成の概略を示す図である。
図3】実施形態に係るユーザスコア推定処理の簡略図である。
図4】実施形態において採用される機械学習モデルの決定木の概念を簡略図である。
図5】実施形態に係る機械学習処理の流れを示すフローチャートである。
図6】実施形態に係るユーザスコア推定処理の流れを示すフローチャートである。
図7】実施形態に係る後払い決済判定処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係る与信審査装置、方法及びプログラムの実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、以下に説明する実施の形態は、実施形態を例示するものであって、本開示に係る与信審査装置、方法及びプログラムを以下に説明する具体的構成に限定するものではない。実施にあたっては、実施の態様に応じた具体的構成が適宜採用され、また、種々の改良や変形が行われてよい。本発明は、後述する実施形態、バリエーションの夫々における構成の少なくとも一部を適宜、互いに採用することができる。
【0012】
本実施形態では、本開示に係る技術を、ユーザに関連する何らかの尺度(例えば、信用等)を示すユーザスコアの管理及び/又は活用のために実施した場合の実施の形態について説明する。但し、本開示に係る技術は、ユーザスコアの推定等のユーザ評価を支援するための技術について広く用いることが可能であり、本開示の適用対象は、実施形態において示した例に限定されない。
【0013】
<システムの構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの構成を示す概略図である。本実施形態に係る情報処理システムでは、与信審査装置1と、1又は複数のサービス提供システム5と、が互いに通信可能に接続されている。ユーザは、サービス提供システム5によって提供されるサービスの利用者であり、ユーザ端末からサービス提供システム5にアクセスすることでサービスの提供を受ける。
【0014】
与信審査装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置14、NIC(Network Interface Card)等の通信ユニット15、等を備えるコンピュータである。但し、与信審査装置1の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、与信審査装置1は、単一の筐体からなる装置に限定されない。与信審査装置1は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
【0015】
与信審査装置1は、ユーザ毎にユーザスコアを管理し、サービス提供システム5に対してユーザスコアを提供する。サービス提供システム5は、与信審査装置1から提供されたユーザスコアに応じて、対象ユーザに対するサービスをカスタマイズすることが可能である。
【0016】
サービス提供システム5は、CPU、ROM、RAM、記憶装置、通信ユニット、入力装置、出力装置等(図示は省略する)を備えるコンピュータである。また、これらのシステム及び端末は、いずれも、単一の筐体からなる装置に限定されない。これらのシステム及び端末は、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
【0017】
サービス提供システム5によって提供されるサービスは、例えば、オンラインショッピングサービス、オンライン予約サービス、クレジットカード/後払い決済サービス、電子マネー決済サービス、オペレーションセンターサービス、又は地図情報サービス等である。なお、「後払い決済」には、所謂Buy Now Pay Later(BNPL)と称されるサービスに限定されず、あらゆる後払いによる商品/サービスの購入が含まれてよいものとする。
【0018】
サービス提供システム5によって提供されるサービスは本実施形態における例示に限定されない。そして、サービス提供システム5は、サービスの提供に際してユーザ関連データを与信審査装置1に通知する。ここで、ユーザ関連データには当該ユーザによるサービスの利用履歴データが含まれる。サービスの利用履歴データの内容はサービスの内容に応じて様々であり、例えば、ユーザの位置情報の履歴データ、クレジットカード利用額/後払い決済利用額の支払履歴データ、電子マネー利用履歴データ、取引履歴データ(商品等の購入履歴データを含む)、予約履歴データ、オペレーションセンターからのユーザに対するオペレーション履歴データ等が含まれてよい。
【0019】
本開示に係る与信審査装置では、ユーザ属性データ等を入力として、ユーザスコアを出力する機械学習モデルを用いる。なお、ここで入力として用いられる属性データには、後払い決済におけるデフォルト(債務不履行)を示すデータも含まれてよい。様々な属性データを入力として用いることで、本開示に係る与信審査装置1によれば、ユーザの属性全般が統一的に反映されることで生成された普遍的(universal)且つ一般化された(generalized)ユーザスコアを算出し、算出されたユーザスコアを、後払い決済サービス等における与信審査に活用する。
【0020】
ここで、ユーザ属性データには、事実属性データ及び推定属性データが含まれる。属性データは、例えば、スコア(例えば、0以上1以下の連続的な値)又はラベル(例えば、有無や是非に応じた二値)等のデータ形式で表されるデータが含まれる。但し、属性データのフォーマットは本開示における例示に限定されない。また、属性データには、例えば、オンラインサービス利用状況、ポイントを含む電子的バリューの利用状況等、オンラインサービスにおけるキャンセル率が含まれてよい。
【0021】
事実属性データは、ユーザ自身から提供されることで得られたユーザ提供データやユーザについて収集された履歴データ等に基づいて、当該ユーザについて事実であると確認可能な事実属性(factual attribute)を示すデータである。ユーザ提供データとしては、例えば、ユーザ自身によって登録された氏名やメールアドレス、電話番号、住所、勤務先、就学先等を含む登録データや、アンケート等にユーザ自身が回答した結果得られたデータが挙げられる。履歴データとしては、例えば、上述した、サービス提供システム5によって提供される電子商取引サービスの利用履歴データが挙げられる。事実属性データは、先述のユーザ提供データや履歴データが、マーケティング及び/又は分析目的に適したデータ形式に変換されたデータであることが好ましい。例えば、利用履歴データに基づいて得ることができる事実属性データとして、ユーザが頻繁に利用する商品/サービスのジャンル/カテゴリやブランドの他、ユーザが頻繁に訪れる商業地や行楽地、観光地等が挙げられる。
【0022】
また、推定属性データは、ユーザ提供データや履歴データ、事実属性データ等に基づいて推定されることで得られる推定属性(inferred attribute)を示すデータである。本実施形態において、推定属性データは、機械学習技術を用いて推定又は予測されたユーザの性格等を含む。推定属性データは、ターゲティングに用いられた場合にユーザの行動(振る舞い)に影響する属性についてのデータであることが好ましい。
【0023】
本実施形態において、各属性データには、重みが設定される。重みは、ユーザスコアの算出にあたって属性データが用いられる際の、属性データとユーザスコアとの相関性の高さを示すものであり、後述する機械学習部24によってユーザスコアの適切性が評価される毎に、モデルのパラメータが、ユーザスコアがより適切な値となるように調整される。各属性データと対応する重みは、例として、後述の決定モデル等のユーザスコア算出のためのモデルにおける各ノード(各回帰木)と対応する重みに相当し、ユーザスコアが算出される過程で適宜、決定される。なお、ユーザスコアは、例として、各ノードの重みに基づいて決定される。
【0024】
ここで、属性データ群には、デモグラフィック属性、ビヘイビオラル属性、又はサイコグラフィック属性が含まれてよい。デモグラフィック属性は、例えば、ユーザの性別(ジェンダー)、家族構成、年齢等であり、ビヘイビオラル属性は、サービスの利用履歴データに基づいてよく、例えば、キャッシング利用有無、リボ払い利用有無、所定の口座に係る入出金履歴、賭博又はくじを含む何らかの商品/サービスに係る商取引履歴(オンラインマーケットプレイス等におけるオンライン取引履歴を含んでよい)、位置情報や場所情報を用いたユーザの移動履歴等であり、サイコグラフィック属性は、例えば、賭博又はくじに係る趣向等である。但し、利用可能なユーザの属性は、本実施形態における例示に限定されない。例えば、オペレーションセンターサービス等からの「オペレーション(架電等)に要する時間」、「クレジットカード利用額/後払い決済利用額」も、属性として用いられてよい。デモグラフィック属性及びビヘイビオラル属性は、事実属性として扱われてよい。サイコグラフィック属性は、推定属性として扱われてよい。なお、デモグラフィック属性に類する属性がユーザ提供データ又は履歴データを根拠とする事実属性に基づいて推定された推定属性であってよい。同様に、ビヘイビオラル属性に類する属性がユーザ提供データ又は履歴データを根拠とする事実属性に基づいて推定された推定属性であってよい。サイコグラフィック属性は、ユーザによる意思入力の結果を一例として含むユーザ提供データを根拠とする事実属性であってよい。
【0025】
図2は、本実施形態に係る与信審査装置1の機能構成の概略を示す図である。与信審査装置1は、記憶装置14に記録されているプログラムが、RAM13に読み出され、CPU11によって実行されて、与信審査装置1に備えられた各ハードウェアが制御されることで、事実属性決定部21、推定属性決定部22、ユーザスコア推定部23、機械学習部24、商品関連データ取得部25、後払い決済判定部26、及び追加承認部27を備える与信審査装置として機能する。なお、本実施形態及び後述する他の実施形態では、与信審査装置1の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU11によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
【0026】
事実属性決定部21は、ユーザ自身から提供されたユーザ提供データ及び/又は当該ユーザの履歴データに基づいて、当該ユーザについて事実であると確認可能な事実属性データを決定する。本実施形態において、事実属性決定部21は、ユーザ提供データ及び/又は履歴データを集計する、マップ等の他のデータを参照して該当する属性を決定する、ユーザ提供データ及び/又は履歴データをそのまま用いる、等の手法を用いて、当該ユーザに係る事実属性データを決定する。なお、本実施形態では、ユーザに係る事実属性データをユーザ提供データ及び/又は該ユーザの履歴データに基づいて決定する方法を採用しているが、ユーザに係る事実属性データはその他の方法で取得されてもよい。
【0027】
推定属性決定部22は、少なくとも、事実属性決定部21によって対象ユーザについて決定された1又は複数の事実属性データを含むユーザ関連データに基づいて、当該ユーザについて推定された推定属性データを決定する。本実施形態において、推定属性決定部22は、対象ユーザに係る1又は複数の事実属性データを含むユーザ関連データを機械学習モデルである属性推定モデルに入力して得られた出力値に基づいて、推定属性を決定する。なお、本実施形態において、属性推定モデルからの出力値は対象ユーザが所定の推定属性を有する蓋然性を示す値であり、推定属性決定部22は、属性推定モデルから得られた出力値が所定の範囲内にある場合に、対象ユーザが当該推定属性を有すると決定する。対象ユーザが所定の推定属性を有すると決定された場合、推定属性決定部22は、対象ユーザについて推定された属性データのラベルを、属性の有無又は属性の種類を示す値に設定する。また、推定属性データはラベルではなくスコアで示されてもよい。この場合、推定属性決定部22は、対象ユーザについて推定された属性データのスコアに、推定された属性が適用され得る度合い(確率)を示す値を設定する。当該度合いは、属性推定モデルの出力値であってよい。
【0028】
ユーザスコア推定部23は、対象ユーザに係る事実属性及び推定属性を含む属性データ群に基づいて、対象ユーザに設定されるユーザスコアを推定する。この際、ユーザスコア推定部23は、決定された事実属性及び/又は推定属性に対して何らかの加工(正規化やランク化、ラベル化等)を施して属性データ群の一部としてもよいし、決定された事実属性及び/又は推定属性を用いて算出された他の種類のスコア又はラベルを属性データ群の一部としてもよい。ここで、他の種類のスコア又はラベルの算出には、他の機械学習モデルが介在してもよい。
【0029】
図3は、実施形態に係るユーザスコア推定処理の簡略図である。本実施形態において、ユーザスコア推定部23は、ユーザの属性データ群をユーザスコア推定モデルに入力することで、当該ユーザに設定されるユーザスコアを推定(算出)する。ここで、ユーザスコア推定モデルの出力値は、例として、0を最小値、1を最大値として正規化/規格化されたユーザスコアである。
【0030】
機械学習部24は、ユーザスコア推定部23によるユーザスコア推定に用いられるユーザスコア推定モデルを生成及び/又は更新する。ユーザスコア推定用機械学習モデルは、対象ユーザに係る1又は複数の属性データ(属性データ群)が入力された場合に、ユーザに関連する何らかの尺度(例えば、信用等)を示すユーザスコアを出力する機械学習モデルである。
【0031】
ユーザスコア推定モデルの生成及び/又は更新にあたって、機械学習部24は、ユーザ毎に、当該ユーザの属性データ群を入力値とし当該ユーザに係るユーザスコアを出力値として定義した教師データを作成する。そして、機械学習部24は、当該教師データに基づいて、ユーザスコア推定モデルを生成及び/又は更新する。上述の通り、ユーザスコア推定モデルに入力される属性データ群には、事実属性決定部21によって決定された事実属性データと、事実属性データを含むユーザ関連データに基づいて推定属性決定部22によって推定された推定属性データが含まれ、対応するユーザのユーザスコアと組み合わせられて、教師データとして機械学習部24に入力される。教師データに設定されるユーザスコアは、ルールベースで決定されたユーザスコアであってよく、マニュアルで設定された(アノテーションがなされた)ユーザスコアであってもよい。また、ユーザスコア推定モデルによって過去に出力された後で、管理者等によって修正されたユーザスコアであってもよい。
【0032】
本開示に係る技術を実装するにあたりユーザスコア推定モデル等として採用可能な機械学習モデル生成/更新のフレームワークは、例として、アンサンブル学習アルゴリズムに基づく。当該フレームワークには、例えば、勾配ブースティング決定木(Gradient Boosting Decision Tree:GBDT)に基づく機械学習フレームワーク(例えば、LightGBM)が採用されてよい。換言すると、当該フレームワークは、前後の弱学習器(弱分類器)間で正解と予測値との誤差を引き継がせるような決定木モデルに基づく機械学習フレームワークが採用されてよい。ここでの予測値とは、例として、ユーザスコアの予測値を指す。なお、当該フレームワークは、LightGBMの他、XGBoostやCatBoost等のブースティング手法を採用してよい。決定木を用いるフレームワークによれば、ニューラルネットワークを用いるフレームワークと比較して少ないパラメータ調整の手間で、比較的高い性能を有する機械学習モデルを生成/更新することができる。但し、本開示に係る技術を実装するにあたり採用可能な機械学習モデル生成/更新のフレームワークは、本実施形態における例示に限定されない。例えば、学習器として勾配ブースティング決定木に代えてランダムフォレスト等の他の学習器が採用されてよいし、ニューラルネットワーク等の所謂弱学習器とは称されない学習器が採用されてもよい。また、特にニューラルネットワーク等の所謂弱学習器とは称されない学習器が採用される場合には、アンサンブル学習が採用されなくてもよい。
【0033】
図4は、本実施形態においてユーザスコア推定モデル等として採用される機械学習モデルの決定木の概念を簡略図である。決定木アルゴリズムに基づいた勾配ブースティングの機械学習フレームワークを採用する場合、決定木の各ノードの分岐条件の最適化が行われる。具体的には、決定木アルゴリズムに基づいた勾配ブースティングの機械学習フレームワークでは、一つの親のノードから分岐した二つの子のノードの夫々が示す属性を有するユーザ群についてユーザスコアを夫々算出し、このユーザスコアの差分が大きくなるように(例えば、差分が最大になるように、又は所定の閾値以上になるように)、即ち、二つの子のノードがきれいに分岐するように、親のノードの分岐条件が最適化される。例えば、ノードの分岐条件として示される属性が年齢である場合、分岐の閾値に設定される年齢を変更したり、分岐条件を年齢以外の属性に変更したりしてもよい。このようにして、決定木の全ノードの分岐条件を再帰的に最適化することで、属性データ群に基づくユーザスコアの推定精度を向上させることができる。
【0034】
オンラインショッピングサービス等において、サービス提供システム5は、クレジットカード決済、銀行振込、代金引換、コンビニエンスストア・郵便局支払等、様々な決済手段を提供することができるが、この中には、上述の通り、BNPL(後払い決済)が含まれてもよい。本実施形態では、与信審査装置1がサービス提供システム5のための後払い決済の承認/却下判定を行う処理について説明する。
【0035】
本実施形態において、与信審査装置1は、決済の選択肢として後払い決済を利用可能なサービス提供システム5のために、上記説明した対象ユーザの属性データ群及び対象商品/サービスの商品関連データに基づいて後払い決済の承認/却下判定を行う。
【0036】
商品関連データ取得部25は、対象ユーザが後払い決済によって購入しようとする商品/サービスの商品関連データを取得する。ここで、商品関連データ取得部25は、商品関連データとして、商品/サービスの属性データ、及び当該商品/サービスを販売する店舗(オンライン店舗を含む。)の属性データの少なくともいずれかを取得する。ここで、商品関連データは商品/サービスに関連する情報であればよく、商品関連データとして取得されるデータは限定されないが、商品/サービスの属性データとしては、例えば、価格や商品/サービスカテゴリ/ジャンル等が挙げられ、店舗の属性データとしては、例えば、店舗価格帯や店舗カテゴリ/ジャンル等が挙げられる。更に、商品関連データには、対象商品/サービスの取引に付随するビジネスルールや取引の種類も含まれてよい。ここで、ビジネスルールや取引の種類には、当該商品/サービスに関連する商慣習や取引に付随する契約の内容、商品/サービスの引き渡し態様(配送方法や店舗での受け渡し等)が含まれてよい。
【0037】
後払い決済判定部26は、対象ユーザについてユーザスコア推定部23によって推定されたユーザスコア、及び商品関連データを、学習済み機械学習モデルである後払いリスク判定モデルに入力して得られた出力値に基づいて、対象ユーザによる商品/サービスの購入について後払い決済の承認又は却下を判定する。本実施形態において、後払いリスク判定モデルの出力値は、対象ユーザが商品/サービスを後払い決済で購入した場合に後払い決済の精算が当該対象ユーザによって正しく履行されないリスクに応じて変化する判定用スコア(本実施形態では、リスクの大きさを示す。)である。そして、後払い決済判定部26は、判定用スコアが所定の範囲内(本実施形態では、所定の閾値以下)である場合に、商品/サービスの購入について後払い決済を承認する判定を行う。但し、後払いリスク判定モデルの出力値はスコアに限定されず、後払い決済の承認又は却下のいずれかを示すラベルであってもよい。なお、本実施形態における与信審査とは、後払い決済の承認又は却下を伴う判定を指す。
【0038】
なお、後払い決済の承認/却下を決定するために判定用スコアと比較される閾値は、承認率やデフォルト率に応じて変動してよい。後払い決済の承認/却下判定は、対象の決済が後払いでもデフォルトしない(ユーザが期限内に支払いを完了させる)と予測される場合に、承認判定を行う。但し、ここで後払い決済がデフォルトしないことを過度に重視した場合、他の決済手段の利用が困難なユーザに対して後払い決済を提供することで商品/サービスの購入を可能とするという目的に反し、決済の選択肢として後払い決済を追加する効果が小さくなってしまう。このため、後払い決済の承認/却下判定に際しては、他の決済手段との関係で適切な基準が設定されることが好ましい。このため、与信審査装置1は、デフォルト率が所定の許容範囲内に収まる限度において、承認率が高まるように閾値を調整してもよい。このようにすることで、デフォルト率を抑制しつつ、ユーザに対して適切な基準の下で後払い決済サービス(BNPLサービス)を提供することができる。
【0039】
なお、本実施形態ではユーザスコア及び商品関連データに基づいて後払い決済の承認又は却下が判定される例について説明するが、後払い決済の承認又は却下は、後払いリスク判定モデルによる判定結果に加えて、その他の条件を加味して決定されてもよい。例えば、後払い決済判定部26は、後払いリスク判定モデルによる判定結果に加えて、対象ユーザの所定期間(例えば、1月。)における利用限度(例えば、利用限度額や利用限度回数等。)に従って、対象ユーザによる商品/サービスの購入について後払い決済の承認又は却下を判定してもよい。例えば、1月あたりの利用限度額や利用限度回数を超えたユーザについては、後払い決済判定部26による判定結果にかかわらず、後払い決済の利用を却下することとしてもよい。このような他の条件を加味して判定を行うことで、複数回の後払い決済の利用に係るユーザの状況に応じた判定を行うことが可能となる。
【0040】
追加承認部27は、後払い決済判定部26によって後払い決済の却下の判定がなされた購入のうち、ランダムに選択された購入について、後払い決済判定部26による判定結果に関わらず後払い決済を承認する。このようにすることで、現在の後払いリスク判定モデルによる判定結果では後払い決済が却下となるユーザについても後払い決済を承認し、精算状況を追跡することで、利用された後払い決済についてデフォルト有無のデータを収集することが可能となる。そして、収集されたデータ(より具体的には、ユーザスコア、商品関連データ、判定結果に基づくラベル/スコア、及びデフォルト(債務不履行)データを含む教師データ。)を後払いリスク判定モデルの更新に用いることで、後払いリスク判定モデルの精度を高めることが可能となる。
【0041】
機械学習部24は、本実施形態において、後払い決済判定部26において用いられる機械学習モデル(後払いリスク判定モデル)の生成及び更新を行う。後払いリスク判定モデルの生成及び/又は更新において採用可能な機械学習モデル生成/更新のフレームワークは限定されない。例えば、上記説明したユーザスコア推定モデルと同様、決定木アルゴリズムに基づいた勾配ブースティングの機械学習フレームワークが採用されてよい。
【0042】
本実施形態では、後払いリスク判定モデルとして、後払い決済サービスの運用において得られるデータが不足している状態で生成される第一のモデルと、運用データが得られてから生成/更新される第二のモデルとが用いられる。このため、機械学習部24は、以下に説明する流れに沿って、後払いリスク判定モデルを生成/更新する。
【0043】
後払い決済サービスの運用開始前において、本実施形態に係る与信審査装置1は、後払い決済承認された決済がデフォルトしたか否かのデータを有していない。このため、機械学習部24は、デフォルト有無のデータを用いることなく、1又は複数の第三者による後払い決済の承認又は却下の判定結果に基づくラベル又はスコアを出力値とする教師データ(より具体的には、ユーザスコア、商品関連データ、及び判定結果に基づくラベル/スコアを含む教師データ。)を用いて、第一のモデルを生成及び/又は更新する。ここで用いられる第三者による判定結果は、人による判定結果であってもよいし、何らかのアルゴリズムを用いた判定結果であってもよい。なお、この際、1のユーザについて互いに相反する複数の判定結果(承認と却下の双方)が付されている場合があり得るが、このようなユーザについては、当該ユーザの判定結果を教師データから除外することとしてよい。
【0044】
第一のモデルを用いて後払い決済サービスの運用が開始されると、与信審査装置1は、第一のモデルを用いて後払い決済の承認/却下の判定を行い、承認された決済について精算状況を追跡することで、当該後払い決済がデフォルトしたか否かを示すデータを蓄積する。そして、所定期間(例えば、半年から1年)にわたる十分なデフォルト(債務不履行)データが蓄積されると、機械学習部24は、ユーザスコア及び商品関連データに加えて、蓄積された判定結果に基づくラベル/スコア及びデフォルト(債務不履行)データを含む教師データを用いて、以降の運用で用いられる第二のモデルを生成/更新する。
【0045】
<処理の流れ>
次に、本実施形態に係る与信審査装置によって実行される処理の流れを説明する。なお、以下に説明する処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容及び処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0046】
図5は、本実施形態に係る機械学習処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、定期的に、又は管理者によって指定されたタイミングで実行される。
【0047】
本実施形態において、機械学習処理では、ユーザスコア推定モデルが生成及び/又は更新される。機械学習部24は、過去に蓄積されたユーザ毎の属性データ群と、対応するユーザについて予め決定されたユーザスコアと、の組み合わせを含む教師データを作成する(ステップS101)。そして、機械学習部24は、作成された教師データをユーザスコア推定モデルに入力し、ユーザスコア推定部23によるユーザスコア推定に用いられるユーザスコア推定モデルを生成及び/又は更新する(ステップS102)。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0048】
図6は、本実施形態に係るユーザスコア推定処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、定期的に、又は指定されたタイミングで、対象となるユーザ毎に実行される。
【0049】
ステップS201及びステップS202では、事実属性データ及び推定属性データが決定される。事実属性決定部21は、対象ユーザのユーザ提供データ及び/又は履歴データに基づいて、対象ユーザに係る事実属性データを決定する(ステップS201)。そして、推定属性決定部22は、少なくともステップS201で決定された事実属性データに基づいて、対象ユーザに係る推定属性データを決定する(ステップS202)。その後、処理はステップS203へ進む。
【0050】
ステップS203及びステップS204では、ユーザスコアが決定され、出力される。ユーザスコア推定部23は、ステップS201で決定された事実属性データ及びステップS202で決定された推定属性データを含む属性データ群を決定する(ステップS203)。そして、ユーザスコア推定部23は、ステップS203で決定された属性データ群をユーザスコア推定モデルに入力し、出力された値を当該ユーザに設定されるユーザスコアとして取得する(ステップS204)。但し、ユーザスコアの推定方法は、本実施形態における例示に限定されない。例えば、ユーザスコアは、属性データ群を機械学習モデルではない所定の関数や統計モデル等に入力して算出された値を含むものであってもよい。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0051】
ユーザ毎に設定されたユーザスコアは、サービス提供システム5等の他のシステムに対して提供され、サービス提供システム5等の他のシステムによって対象ユーザに対して提供されるサービスに活用される。例えば、サービス提供システム5は、信用情報機関のデータがないユーザに対しても、ユーザスコアに基づいて低リスクユーザを特定し、個人向け融資や保険サービスの案内を行うことができる。また、サービス提供システム5は、クレジットカードの申込者のうち、信用情報機関のデータがないユーザについても、ユーザスコアに基づいて審査を行うことが可能となる。
【0052】
図7は、本実施形態に係る後払い決済判定処理の流れを示す図である。ユーザスコア推定部23は、定期的に、又は指定されたタイミングで、図6を参照して説明したユーザスコア推定処理を実行し、機械学習部24によって生成又は更新された最新のユーザスコア推定モデルに対象ユーザの属性データ群を入力することで、対象ユーザのユーザスコアを取得する。上述の通り、本実施形態においてユーザスコアは、0を最小値、1を最大値として正規化/規格化されたスコアである。
【0053】
商品関連データ取得部25は、対象ユーザによる後払い決済サービスの利用申込が受け付けられたタイミングで、当該後払い決済サービスの利用対象としてユーザから指定された商品/サービスの商品関連データを取得する。上述の通り、商品関連データには、商品/サービスの属性データ、及び当該商品/サービスを販売する店舗の属性データの他、ビジネスルールや取引の種類も含まれてよい。
【0054】
後払い決済サービス利用対象商品/サービスの商品関連データが取得されると、後払い決済判定部26は、対象ユーザのユーザスコア及び対象商品/サービスの商品関連データを、機械学習部24によって生成又は更新された最新の後払いリスク判定モデルに入力することで、出力値として、対象ユーザが対象商品/サービスを後払い決済で購入した場合に後払い決済の精算が当該対象ユーザによって正しく履行されないリスクに応じて変化する判定用スコアを得る。判定用スコアが得られると、後払い決済判定部26は、得られた判定用スコアが所定の閾値以下であるか否かを判定し、閾値以下である場合に、対象ユーザによる対象商品/サービスの購入について後払い決済を承認する。一方、判定用スコアが閾値より大きい場合、後払い決済判定部26は、対象ユーザによる対象商品/サービスの購入について後払い決済を却下する。
【0055】
対象ユーザによる後払い決済サービスの利用申込毎に判定された後払い決済の承認/却下は、サービス提供システム5等の他のシステムに対して提供され、サービス提供システム5等の他のシステムは、当該判定結果に従って、商品/サービスの購入手続きを処理する。
【0056】
<効果>
本実施形態によれば、ユーザの属性全般を統一的に与信審査に活用するための情報処理を実現することが可能となり、また、デフォルト率を抑制しつつユーザに対して適切な基準の下、後払い決済サービス(BNPLサービス)を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0057】
1 与信審査装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7