(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042829
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 21/24 20060101AFI20240322BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20240322BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240322BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240322BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20240322BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20240322BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240322BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240322BHJP
【FI】
G08B21/24
G08B21/00 U
G08B21/02
G06Q50/30
G16Y40/30
G16Y40/10
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147706
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】516329543
【氏名又は名称】株式会社バカン
(72)【発明者】
【氏名】河野 剛進
(72)【発明者】
【氏名】篠原 清志
(72)【発明者】
【氏名】田巻 流
(72)【発明者】
【氏名】水谷 宗隆
(72)【発明者】
【氏名】春口 敦郎
(72)【発明者】
【氏名】志波 由季子
(72)【発明者】
【氏名】横山 慶
(72)【発明者】
【氏名】松丸 美央
【テーマコード(参考)】
5C086
5L049
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA22
5C086CA01
5C086CB36
5C086DA07
5C086FA02
5C086FA18
5L049CC42
(57)【要約】 (修正有)
【課題】比較的簡単な構成により車内に人が取り残されることを防止できる情報処理装置、方法及びプログラムを提供する
【解決手段】管理サーバと、バス内の施設端末とが、ネットワークを介して通信可能に接続されている管理システムにおいて、車内の見回りを促すための情報処理装置である施設端末30は、車両のエンジンの稼働を検知する検知部34と、検知部34の検知結果に応じて、警告を出力する音声出力部37と、近接して識別情報を読み取る撮像制御部36とを有する。音声出力部37は、撮像制御部36が識別情報が読み取ると、警告を停止する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内の見回りを促すための情報処理装置であって、
車両のエンジンの稼働を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果に応じて、警告を出力する出力手段と、
近接して識別情報を読み取る読み取り手段とを有し、
前記出力手段は、前記読み取り手段により前記識別情報が読み取られると、前記警告を停止することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記識別情報は、前記車両の後方に掲示されることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記車両のエンジンの稼働が第1の所定時間以上継続しなかった場合には、警告を出力しないことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記検知手段が前記車両のエンジンの停止を検知してから第2の所定時間、経過すると、第1の警告を出力することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記車両のエンジンの停止を検知してから、前記第2の所定時間よりも長い第3の所定時間、経過すると、第2の警告を出力することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
車内の見回りを促すための情報処理方法であって、
車両のエンジンの稼働を検知するステップと、
前記エンジンの稼働の検知結果に応じて、警告を出力するステップと、
近接して識別情報を読み取るステップとを有し、
前記読み取ステップにより前記識別情報が読み取られると、前記警告を停止することを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両内に子供が置き去りにされていることを検知し、警報を行う置き去り防止システムが知られている。特許文献1には、前方座席(運転席や助手席)から人が離れる離席状態が発生したか否かを検知し、離席状態の発生を検知した時に、車室内の検知エリア内の物体が人であると判定されると警報を出力する乗員状態検知システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、センサやカメラなどの機器により自動的に乗員状態を検知するシステムでは、システムが正確に遂行されるようにするため、機器の設置やメンテナンスの負荷が高くなってしまう。
【0005】
そこで、本開示の一側面は、比較的簡単な構成により車内に人が取り残されることを防止できる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る装置は、車内の見回りを促すための情報処理装置であって、車両のエンジンの稼働を検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果に応じて、警告を出力する出力手段と、近接して識別情報を読み取る読み取り手段とを有し、前記出力手段は、前記読み取り手段により前記識別情報が読み取られると、前記警告を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一側面によれば、比較的簡単な構成により車内に人が取り残されることを防止できる情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る管理システムの構成を示す図である。
【
図2】管理サーバ及び施設端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本開示の一実施形態について詳細に説明する。図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。尚、以下の実施形態は本開示の技術を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが上記課題の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
[第1の実施形態]
<管理システム1の構成例>
第1の実施形態では、バス内においてバス車内の見回りを促進するためのシステムについて説明する。
【0011】
図1は、一実施形態に係る管理システム1の全体構成を示す図である。
図1に示されるように、管理システム1は、管理サーバ10と、バス20内の施設端末30とを含んで構成されている。バス20は、例えば幼稚園や保育園などの施設Aが送迎に利用するための乗り物である。バス20には、前方の座席(運転席や助手席)の付近に施設端末30が取り外し可能なように設置され、バス20の後方(リアウインドウや最後列座席の背面など)には、QRコード(登録商標)が印字されたカード(印刷物)が掲示されている。QRコードは、バス20を運営する施設Aに固有に与えられた識別情報をコード化した情報である。なお、本実施形態ではQRコードを用いるが、施設端末30が近接して読み取り可能なコードであれば、他の二次元コードでもよいし、一次元バーコードでもよい。
【0012】
管理サーバ10と施設端末30は、ネットワーク50を介して通信可能に接続されている。ネットワーク50は、有線又は無線の任意の通信ネットワークであり、例えば、インターネット、公衆回線網、専用回線網等である。
【0013】
施設端末30は、バス30の運営に携わるスタッフ(運転手や付き添いの先生など)によって利用される情報処理装置であり、例えば、スマートフォンやタブレットなど端末である。施設端末30は、カーチャージャーやシガーソケットを介してバス20と有線で接続され、エンジンの起動と連動してバス20から給電されるものとする。施設端末30は、給電状況の監視することによりバス20のエンジン起動や停止を検知する検知機能を有する。
【0014】
また、施設端末30は、車内の見回りを促すための見回り促進機能を有する。施設端末30は、見回り促進機能として、見回りを促す画面用ユーザインターフェース(GUI)を表示しつつ、エンジンの停止を検知した後、所定時間経過すると、警告を出力する。また、バス20のエンジンが停止された後、スタッフにより警告を停止するための警告停止操作を行われると、施設端末30は警告を停止する。本実施形態において、警告停止操作は、施設端末30のカメラ(撮像部)を起動して、バス20の後方に掲示されたQRコードを施設端末30で読み込む操作である。つまりスタッフは、バス20のエンジンを停止した後、施設端末30を携帯してバス車内の見回りをしながら後方に行き、後方のQRコードを施設端末30で読み込むと、警告を停止、あるいは、事前に警告が出力されないように警告を解除することができる。
【0015】
管理サーバ10は、施設端末30から受信した情報に基づいて、バス20に関する情報を格納するデータベースを更新したり、警告通知の1つとして所定の条件が満たされた場合には事前に設定されたアドレスに連絡したりする。
【0016】
<管理サーバ10のハードウェア構成例>
図2は、管理サーバ10及び施設端末30のハードウェア構成の一例を示す図である。管理サーバ10は、情報処理装置であり、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、複数のコンピュータを用いて管理サーバ10を構成することも可能である。図に示されるように、管理サーバ10は、物理的には、プロセッサである一以上のCPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120とストレージ130とネットワークNと通信を行うための通信インタフェース等の通信部140と、入出力部150とを有する。管理サーバ10のハードウェアの各構成要素は、バスを介して相互に接続されている。
【0017】
CPU110は、ストレージ130に予め格納されている後述のプログラムを実行することにより、CPU110の制御のもとで各ハードウェアが動作し、
図3に示される管理サーバ10の各機能が実現される。メモリ120は、ストレージ130からロードしたプログラムを一時的に記憶し、CPU110に対して作業領域を提供する。メモリ120には、CPU110がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に保存される。メモリ120は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含む。ストレージ130は、各種のプログラムを記憶する。ストレージは例えば、HDD(Hard Disk Drive)である。通信部140は、ネットワークを介して外部の情報処理装置と各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。
【0018】
入出力部150は、管理サーバ10に対する各種操作による入力を受け付けて、当該入力にかかる情報をCPU110に伝達する入力装置、およびCPU110の処理結果を出力する出力装置を有する。入力装置は、タッチパネル、マウス及びキーボード等、マイクなどにより実現される。また出力装置は、ディスプレイ及びスピーカ等である。入出力部150は、タッチパネルディスプレイのように入力装置と出力装置が一体化していても良いし、入力装置と出力装置それぞれに分離していてもよい。
【0019】
施設端末30のハードウェア構成として、CPU310、メモリ320、ストレージ330、通信部340、入出力部350は、管理サーバ10のCPU110、メモリ120、ストレージ130、通信部140、入出力部150それぞれと同様であるため、説明を省略する。施設端末30における撮像部360は、画像を取得可能なカメラである。撮像部360としては、例えば、一般的なタブレット端末同様、背面側の背面カメラと、画像を表示するスクリーン側を撮像可能な前面カメラとが設置されている。施設端末30は、バス20に設置されると、入出力部150であるタッチパネルディスプレイが運転席や助手席に座っている人から閲覧可能であり、かつ、そのまま車内全体を撮像できる位置に撮像部360が設置されている。
【0020】
<管理システムの機能構成例>
図3は、管理サーバ10及び施設端末30を含む管理システムの機能構成図である。管理サーバ10の機能構成から説明する。管理サーバ10は、CPU110が実行するソフトウェアモジュール(各種プログラムがCPU110の内部メモリに展開されて構成される機能)として、受信部11、管理部12、送信部13、保持部14を備える。以下では記載の便宜上、これらモジュールを動作主体として記載するが、実際にこれらモジュールを実行するのはCPU110であるため、CPU110を動作主体とすることもできる。
【0021】
まず、管理サーバ10の機能構成から説明する。保持部14は、施設Aが運営するバスに関するデータベースを格納している。データベースは、施設テーブル141を含む。
図4は、保持部14が保持する施設テーブルの一例を示す図である。なお、本実施形態では、施設テーブル141はテーブル形式で表されているが、この形式に限らず、各データが紐付けされていればどのような形式で構築してもよい。
【0022】
施設テーブル141は、施設毎に施設に関する情報を格納するデータセットある。一例として、1つの施設情報(すなわち、1レコード)は、施設ID、名称、施設端末ID、バスID、エンジン稼働状態、認証情報、連絡先を関連付けた情報である。
「施設ID」は、施設Aを一意に特定するための識別情報である。「名称」は、施設IDにより特定される施設Aの名称である。「端末ID」は、施設Aが運営しているバス20に設置された施設端末30を一意に特定するための識別情報である。端末IDとしては例えば、施設端末30に内蔵された通信部340のMACアドレスを事前に登録しておいてもいいし、機器に固有の識別情報の代わりに、施設端末30を用いてログインすることによって施設に関する情報を登録できるようにする場合には、ログイン情報や認証情報を端末IDとしてもよい。
【0023】
「バスID」は、施設Aが管理し、送迎に利用するバスを一位に特定するための識別情報である。「エンジン稼働状態」は、バスのエンジンが稼働中であるか、停止されているかを示す情報である。エンジン稼働状態は、施設端末30から送信される情報に基づいて更新される。「認証情報」は、施設端末30から出力される警告を停止する警告停止操作に利用される情報である。認証情報は、各施設によって互いに異なる情報であり、施設の名称や電話番号などから類推されない文字列であることが望ましい。なお、認証情報をQRコードに変換し、印字したものがバス20の後方に掲示される。「連絡先」は、警告のメッセージや見回り完了報告の送信先であり、ここではメールアドレスを用いることとする。ここでは連絡先として1つのみ登録されるようにしたが、これはメーリングリストでもよいし、複数の連絡先が登録されていてもよい。
【0024】
受信部11は、施設端末30からエンジンの起動や停止を通知するための情報や、見回りが完了したこと示す情報を受信する。管理部12は、施設端末30から受信した情報に基づいて施設テーブル141を管理する。送信部13は、施設端末30から送信された情報に基づいて、施設テーブル141に登録された連絡先に警告のメッセージや見回り完了報告を送信する。
【0025】
次に施設端末30の機能構成を説明する。施設端末30は、受信部31、表示制御部32、送信部33、検知部34、判定部35、撮像制御部36を有する。施設端末30の各機能または処理は、施設端末30が備えるCPU310が各種プログラムを実行することにより実現される。
【0026】
受信部31は、管理サーバ10との通信を行い、管理サーバ10から事前に認証情報や連絡先などの各種情報を受信する。表示制御部32は、事前に保存されたGUI画面データに基づいて、GUI画面を生成して表示する。また表示制御部32は、GUI画面を介してユーザによる操作を受け付ける。検知部34は、バス20のエンジンが起動したこと、及び停止したことを検知する。本形態では、検知部34は、バス20からの給電を検知することによりエンジンの起動を検知し、給電の終了を検知することによりエンジン停止を検知する。判定部35は、検知部34の検知結果に応じて、警告を出力するか否かを判定したり、警告を停止するか否かを判定する。撮像制御部46は、GUI画面を介し操作に応じて、撮像部360を起動する。
【0027】
音声出力部37は、判定部35における判定結果に応じて警告を出力すると判定された場合には、入出力部350として備えられた施設端末30のスピーカーから警告音を出力する。送信部33は、検知部34の検知結果や、車内の見回りを完了したことを通知する完了報告を、管理サーバ10に送信する。
【0028】
<見回り促進処理>
施設端末30における見回り促進処理について説明する。
図5は、施設端末30が実行する見回り促進処理のフローチャートである。なお、以下の説明について各工程(ステップ)を「S」と表記することとする。施設端末30のCPU310が以下に示す処理を実現可能なプログラムを実行することにより、施設端末30の見回り促進機能が実現される。
【0029】
まずS501において検知部34は、バス20からの給電を検知すると、エンジンが起動されたとみなし、S502において送信部33は、施設端末ID、検知時刻とともにエンジンが起動されたことを示す給電通知(エンジン起動情報)を管理サーバ10に送信する。なお管理サーバ10において受信部11がエンジン起動情報を受信すると、管理部12は、バス20の稼働履歴として保存する。
【0030】
S503において表示制御部32は、初期画像を生成して表示する。
図6(a)は、初期画像の一例を示す。画像60は、運転後の車内の見回りを促すテキストと、後部座席のQRコードの読み取りを促すテキストを含む。表示制御部35は、事前に保存された初期画像用データに基づいて画像60を生成し、画面に表示させる。
【0031】
S504において検知部34は、バス20からの給電が停止したことを検知すると、エンジンが停止されたとみなし、S505において送信部33は、施設端末ID、検知時刻とともにエンジンが停止されたことを示す給電停止通知(エンジン停止情報)を管理サーバ10に送信する。なお管理サーバ10において受信部11がエンジン停止情報を受信すると、管理部12は、バス20のエンジン稼働履歴として保存する。
【0032】
S506において判定部35は、見回り促進機能を実行するか否かを判定する。具体的には判定部35は、エンジン起動から停止まで第1の所定時間(例えば、10分など)以上あるか否かを判定する。判定部35は、エンジンが起動されて停止されるまでの時間(以下、エンジン稼働時間とする)が第1の所定時間以上である場合には、見回り促進機能を実行すると判定し、エンジン稼働時間が第1の所定時間未満である場合には、見回り促進機能を実行しないと判定する。これは例えば、バス20のメンテナンスや、忘れ物を取りに戻るなどの理由により、送迎に回ることなくエンジンを停止させた場合には、見回りを省略しても問題ないため、見回り促進機能を実行しないようにする。したがって、第1の所定時間は、送迎にかかる時間よりは十分短い時間が設定される。S506において判定部35が見回り促進機能を実行すると判定すると、S507及びS515の処理に進み、見回り促進機能を実行しないと判定した場合には、処理を終了する。
【0033】
以下では、S507からS512までの処理と、S514からS517までの処理が並行して進められることになる。
【0034】
S507において表示制御部32は、見回り促進用の表示画像を表示する。
図6(b)に見回り促進用の表示画像の一例を示す。画像61は、見回りを促進するテキストとともに、QRスキャンを開始するためのボタン62を含む。表示制御部32は、見回り促進用画像データに基づいて画像61を生成し、表示する。
【0035】
画像61におけるボタン62をスタッフによりタッチ操作されると、S508において表示制御部32は、スキャン開始操作を受け付ける。S609において撮像制御部36は、カメラを起動し、QRコードを読み取るスキャンモードを開始する。スタッフが施設端末30をバス後方に掲示されたQRコードにかざすと、S510において撮像部360がQRコードを読み取り、S511において判定部35は、認証情報に基づいて照合判定処理を実行する。読み取ったQRコードを解析して得られるスキャン情報が、事前に管理サーバ10から受信した認証情報と一致するか否かを判定する。
【0036】
S512において判定部512は、適切なQRコードが読み取られた場合には、車内の見回りが完了したとみなして、S513に進む。一方、照合判定処理の結果、読み取られたQRコードが事前に設定された情報ではなかった場合、S509に戻る。なお、一度QRスキャンしたが適合できなかったためにスキャンモードに戻る場合には、「QR
コードを読み直してください」のような再読み込みを促すメッセージや「正しいQRコードではない可能性があります」のように原因を提示するメッセージを表示するようにしてもよい。
【0037】
このようにS507からS512までの処理は、スタッフによる車内の見回り作業を促し、見回り作業が完了したことを確認するための処理である。一方で、S514からS517の処理では、必要に応じて警告を行う処理である。
【0038】
S514において検知部34は、エンジン停止を検知してから第2の所定時間(例えば10秒)が経過したことを検知する。検知部34がエンジン停止してから第2の所定時間が経過したことを検出したら、S515に進む。
S515において、第1の警告出力として、音声出力部37は事前に設定された警告音をスピーカーから発生させる。なお、第2の所定時間が長いと、スタッフが車内の見回りを忘れてバス20の施錠をしてしまいかねないので、見回りせずにスタッフがバス20を降りようとする前に警告がスタッフに聞こえるように、第2の所定時間は比較的短い時間が設定されている。
【0039】
さらにS316において検知部34が、エンジン停止してから第3の所定時間(例えば5分)が経過したことを検知する。検知部34がエンジン停止してから第3の所定時間が経過したことを検出したら、S516に進む。
S516において、第2の警告出力として、音声出力部37は、第1の警告出力ときは異なる音で、より大きな警告音をスピーカーから発生させる。また、送信部33は、事前に登録されたメールアドレスに、バスの名称とともに、エンジン停止後、見回り作業が完了していないことを通知するメールを送信する。
【0040】
S513において施設端末30は、完了処理を実行する。第1の警告や第2の警告の出力中である場合には、音声出力部37は警告音を停止させる。また、第2の警告出力を行った後である場合には、S517においてメールを送信したメールアドレスに対して、見回り作業を完了したことを通知するメールを送信する。また、第1の警告出力および第2の警告出力いずれも実行される前である場合には、事前に登録されたメールアドレス(S517においてメールを送信したアドレスと同じでもよいし、異なるアドレスであってもよい)に対して、送迎後の見回り作業が完了したことを示すレポートを送信し、表示制御部32が完了画面を表示させる。
図6(c)は、完了画面の一例を示す図である。画像63は、見回り作業が完了したことを示すテキストを含む。表示制御部32は、完了画面を生成するためのデータに基づいて、画像63を生成し、表示する。
以上で、施設端末30における見回り促進処理を終了する。
【0041】
<第1の実施形態のまとめ>
本実施形態に係る管理システム1において、バス20内に設置された施設端末30がエンジン停止を検知すると、所定時間経過後に警告が出力され、スタッフが施設端末30を用いてバス20内の後方に掲示されたQRコードをスキャンすると、警告が停止する。撮像部(カメラ)を用いてQRコードをスキャンするためには、QRコードが掲示されている位置に近づく必要がある。そこでQRコードのスキャンを警告の停止操作とすることで、スタッフはバス20後方まで行く必要が生じ、車内の見回りを促進できる。
エンジンの起動と停止を検知する検知機能や、必要に応じて警告する警告機能を施設端末30が備えることで、入手しやすいタブレットやスマートフォンを用いて、見回り促進する管理システムを簡単に導入することができる。また、施設端末30をカーチャージャーやシガーソケットなどにつなげるだけで、エンジンの起動・停止を検知することができるので、面倒な配線なしに取り付けることができる。
【0042】
本管理システムは、スタッフによる車内の見回りを支援するシステムである。従来のセンサやカメラを用いて自動で着席・離席を検知してアラートする方法では、センサやカメラに不具合が生じた場合には、取り残された子供の検知が漏れてしまう。このようなシステムによりスタッフが自動検知を頼る運用になっていると、機器の不具合により取り残された子供を見落としかねない。現実的には機器が不具合を起こさないようにするためには、高頻度のメンテナンスが必要にあり、バス20を運営する施設Aにとっては重い負担になってしまう。一方、本実施形態における管理システムでは、人が目視で車内を確認する仕組みを支援する。これにより、日常的な管理体制を強力にバックアップし、負荷の高いメンテナンスなく車内の置き去りを防止することができる。
【0043】
なお、上述では、バス20の後方にQRコードを掲示し、施設端末30を用いて読み取ることとしたが、QRコードを他の機器で読み取ることを可能としたシステムにすることもできる。例えば、警告を出力する施設端末30とは別に、スタッフが携帯する携帯端末(スマートフォンなど)を用いて、QRコードをスキャンできるようにしてもよい。この場合、S511における照合判定処理を携帯端末が実行するか、あるいはスキャンすることで得られるスキャン情報を携帯端末が施設端末30に送信するようにすればよい。
【0044】
また、バス20の稼働や第2の警告出力のために、施設端末30は管理サーバ10に各種情報を送信するようにしたが、管理サーバ10へのデータ送信ができなくても処理を進めることもできる。このとき、第2の警告において連絡するメールアドレスを事前に施設端末30に登録しておいてもいいし、特定のメールアドレスへの連絡はなしに、警告音のみの警告としてもよい。このようにすることで、通信環境が悪い場合や一時的に管理サーバ10と通信できない場合においても、施設端末30の見回り促進機能は保持される。
【0045】
また、上述の説明では、警告としては警告音や連絡を例に説明したが、施設端末30の表示部に表示する画像を、注意喚起を促すようなユーザインターフェースを表示したり、振動したりしてもよい。第1の警告では、
図6(b)に示す画像61の背景を緑色として、第1の警告時に背景が黄色になり、さらに第2に警告時には背景が赤色になるようにする。さらに例えば、第2の警告では、管理サーバ10からの通信を介して、施設端末30に電話をかけたり、呼びかけできるようにしてもよい。さらに、警告を促すだけではなく、車内に人がいることにそなえて、第2の警告として、バス20に対して遠隔からエンジンやエアコンをつけられるようにしたり、ドアを遠隔で開けられるようにしてもよい。
【0046】
また、警告を出力するまでの第2の所定時間、第3の所定時間は、自由に設定することができる。バス20で1回に送迎する園児の数や年齢に応じて、園児の降車にかかる時間は異なるので、適宜設定すればよい。第2の所定時間は、上述では10秒とした。スタッフが施設端末30を取り外して、車内を見回りすることを想定すると、見回り促進機能は、基本的にエンジン停止まもなく警告音が鳴り、その後、スタッフの警告停止操作により警告音が停止される。上述の通り、スタッフが見回りを忘れないようにするため、第2の所定時間を十分短く設定して、エンジン停止後すぐに警告音がなり、積極的に注意喚起することができる。しかしながら例えば、バス20内に警告音がなると園児の不安が強まるなどを懸念して極力警告音が鳴らないようにしたい場合は、施設端末30の表示画像による注意喚起のみにしてもよいし、第2、第3の所定時間を例えば、5分、10分のように長く設定してもよい。ただしこの場合には、スタッフがつい車内見回りを忘れてしまった場合には、本来見回りすべきスタッフに警告音が届かない可能性があるので、第1の警告として所定の連絡先に通報することが望ましい。
【0047】
また、上述の説明では、QRコードをバス20の後方に掲示することで、車内の後方までスタッフが見回りに行く動機付けとした。近接して識別情報を読み取る方法であれば、QRコードの読み取り以外の方法を用いることもできる。例えばQRコードの代わりに、RFIDを適用する。RFタグをバス20の後方に配置しておき、スタッフが携帯できるRFリーダライタを用いてRFタグを読み取る。RFIDリーダライタ(読み取り手段)は、読み取ったRFタグの情報を施設端末30に送信すると、施設端末30は、S511を実行する(この場合には、S507~S510の処理は不要)。RFIDを用いる場合には、RFIDリーダライタによるRFタグの読み取り可能な範囲は、バス20の後方まで移動しないとできない程度に近接する必要のある範囲であることが望ましい。また、QRコードを識別情報として用いる場合には、
図4に示すようなランダムな文字列以外にもURLなど識別可能な情報であればなんでもよい。QRコードがURLである場合、施設端末30は、QRコードが示すURLにアクセスすることで、識別情報を取得し、照合判定処理を実行する。
【0048】
<第1の実施形態の変形例>
第1の実施形態の変形例として、さらに、施設端末30が自動監視機能を実行するシステムついて説明する。自動監視機能とは、施設端末30が有する撮像部360が自動で車内を撮影する機能である。S513における見回り促進機能の完了処理を実行した後、施設端末30は、スタッフにより運転席付近の前方に施設端末30の設置位置に戻される。施設端末30(ここではタブレット端末)の表示画面はバス20の車内を向いている。そこで、施設端末30の前面カメラを自動で起動し、見回り完了した後の車内を定期的に撮影し、管理サーバ10に送信する。
【0049】
図7は、施設端末30が実行する自動監視処理のフローチャートを示す。施設端末30のCPU310は、S312の完了処理が実行された後に、以下の処理を実現可能なプログラムを実行する。
【0050】
まずS701において撮像制御部36は、前面の撮像部360(カメラ)を起動し、S702において車内を撮像する。S703において送信部33は、撮像した車内の画像を管理サーバ10に送信する。
【0051】
S704において判定部35は、自動監視処理を終了するか否かを判定する。ここでは、判定部35は、撮像を開始してから第4の所定時間(例えば2時間)が経過したか否かを判定基準とする。判定部35は、自動監視処理を開始してから第4の所定時間経過していると判定した場合には、処理を終了し、まだ第4の所定時間には達していない場合にはS702に戻る。なお、S702においては、前回の撮像から一定期間(1分など)の間隔が空くようにしてもよい。
【0052】
管理サーバ10は、施設端末30から車内の画像を受信すると、公知の方法を用いて解析し、画像に人物が写っていないかを検出する。画像における人物検知方法は公知なので説明は省略するが、ここで人物が検知された場合には、管理サーバ10は、所定のメールアドレスに連絡したり、電話番号に自動音声で連絡したりする。
このように、施設端末30を用いて自動的に車内を撮影しつつ、管理サーバ10が解析することで、送迎に関わるスタッフ以外にも車内の見回りを多重化し、置き去りを抑止することができる。
【0053】
なお自動監視機能は、S505の処理の後以外に実行するようにしてもよい。例えば、施設端末30が前方に設置される状態で、S505の処理の後に
図7に示す処理を実行し、自動で撮像する。ただし、施設端末30の撮像部360が撮像すると、車内全体が画像に含まれ、仮に園児(人)がいた場合には必ず写り込むように、施設端末30が設置されていることが望ましい。S506において判定部35は、撮像した画像を解析した結果に基づいて、見回り促進処理を実行するか否かを判定することもできる。撮像した画像を1回以上解析した結果、人物が一人でも検出された場合に、判定部35は見回り促進機能が必要であると判定する。このような構成にすることにより、車内に人物がいる場合に、警告を出力することができる。
【0054】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、S506においてエンジン稼働時間に基づいて見守り促進機能を実行するか否か判定した。第2の実施形態では、事前に登録された送迎時間に基づいて判定する方法について説明する。以下、第2の実施形態について説明するが、第1の実施形態と共通する構成については説明を省略し、第1の実施形態と異なる構成について主に説明する。
【0055】
図8は、見守り促進処理のS506において実行される要否判定処理のフローチャートである。
S801において判定部35は、事前に設定された送迎時間情報をメモリ320から取得する。送迎時間情報は、バス20が送迎に使用され得る時間を規定する情報であり、曜日と送迎開始時間と送迎終了時間とによって定義される。例えば、平日、午前08:00を送迎開始時間、10:00を送迎終了時間が送迎時間情報として設定されているものとする。
【0056】
S802において判定部802は、エンジンが起動されたと検知してからのエンジン起動時間が第1の所定時間以上であるか否かを判定する。ここでエンジン起動時間が第1の所定時間未満である場合は、S805に進み、エンジン起動時間が第1の所定時間以上である場合には、S803に進む。
【0057】
S803において判定部35は、S801において取得した送迎時間情報を参照して、現在日時が送迎時間に含まれるか否かを判定する。現在日時が送迎時間に含まれる場合は、S804に進み、判定部35は、見回り促進機能を実行する必要があると判定する。また、現在日時が送迎時間に含まれない場合は、S805に進む。S805において判定部35は、判定結果として見回り促進機能を実行する必要はないとする。
【0058】
以上の通り、第2実施形態では、エンジンの稼働時間が第1の所定時間よりも長く、現在日時が送迎時間として想定されている時間内である場合に、S507からS517までの処理を実行することとする。バス20を送迎以外に利用する場合もある。そのような場合には、置き去りを防止する見回り促進機能は不要なため、送迎時間に応じて要否判定処理をする。これにより、見回り促進機能を適切に働かせることができる。
【0059】
[第3の実施形態]
上述の実施形態では、バス20の後方にQRコードを設置することで、車内の見回りを促進した。第3実施形態では、園児それぞれ固有のQRコードを名札など園児の持ち物に貼り付け、バス20に乗車した園児、降車した園児を管理できるようにすることで、バス20に残っている園児がいないことを確認する方法について説明する。
【0060】
図9は、乗車する園児を登録する乗車登録処理のフローチャートである。施設端末30を用いてスタッフは、園児が乗車するときに園児のQRコードを順にスキャンすることで、園児の乗車を登録する。なお、施設端末30および管理サーバ10には、事前に、バス20の送迎でバス20に乗車する可能性のある園児それぞれに対応するQRコードを園児テーブルに記憶しておく。各園児には、例えば12文字のアルファベットなど固有の識別情報が割り当てられ、識別情報をQRコードに変換したものを配布する。
【0061】
S901において撮像制御部36は、撮像部360を起動し、QRコードをスキャンする。S902において判定部35は、QRコードをスキャンすることで取得できる識別情報に基づいて、園児テーブルから園児を検索する。
S903において判定部35は、S902において検索した園児に対応する乗車フラグを、乗車したことを示す状態に更新する。
S904において判定部35は、バス20に乗車した園児の数をカウントアップし、処理を終了する。
【0062】
以上の処理を、施設端末30を用いて園児のQRコードをスキャンするたびに実行することで、バス20に乗車した園児を検知し、乗車している人数を管理する。
【0063】
次に、第3の実施形態における見回り促進処理を説明する。本実施形態においては、施設Aにバス20が到着して園児が施設Aに登園する際に、スタッフは施設端末30を用いて再度、各園児のQRコードをスキャンすることで、各園児の降車を検知し、車内に取り残された園児がいないことを確認する。ここでは
図5に示すフローチャートにうち、異なる部分を説明する。
【0064】
まず、S503において表示される初期画像や、
図507において表示される見回り促進用UIは、「降車する園児全員のQRコードをスキャンして下さい」のようなテキストを含む。S509において施設端末30がスキャンモードになると、園児がバス20を降車する際にスタッフが園児が保有するQRコードをスキャンすることで、S510においてQRコードを読み取り、識別情報を取得できる。
【0065】
S511において判定部35は、S510において取得した識別情報に基づいて、園児テーブルから園児を検索し、検索した園児に対応する乗車フラグを、降車したことを示す状態に更新する。また、施設端末30は、バス20に乗車している園児の人数から1を減算し、バス20内に残っている園児数を導出する。
S512において判定部35は、バス20内に残っている園児の数が0になったか否かを判定することにより、車内確認が完了したか否かを判定する。判定部35は、バス20に残っている園児数が0になったら、車内確認が完了したとみなして、S513に進む。
【0066】
以上の通り第3の実施形態では、園児がバス20に乗車するときと、降車するときに、園児のQRコードを読み込むことで、バスの乗車人数を管理することができ、乗車した全員が降車しないと施設端末30からの警告を停止できないため、バス20車内に残っている人がいないか見回りを促進することができる。
【0067】
第3の実施形態では、各園児の乗車、降車を管理できるので、バスの送迎により登園する園児の出欠確認システムとしても機能させることができる。そのため例えば、園児それぞれの保護者の連絡先(メールアドレス)も園児テーブルに登録しておき、施設端末30は、バス20の降車時にQRコードがスキャンされたことを園児に対応する保護者の連絡先に送信するようにしてもよい。または、施設Aが管理する情報端末において、園児の名前と、各園児のステータス(乗車中、降車済み)とを一覧で表示できるようにすることもできる。
【0068】
なお、第3の実施形態の説明では、各園児にQRコードを持たせる方法を例に説明したが、ここでもQRコードの代わりにRFIDを適用することもできる。携帯型のRFID
リーダライタを用いて園児がバス20に乗車する時に園児のRFタグを読み取り、降車時にも園児のRFタグを読み取ることで、上述の説明と同様のシステムを実現することができる。例えば、バス20の降車時には、携帯型のRFIDリーダライタではなく、門など必ず児童が通過する場所にRFリーダライタを設置しておいてもよい。また、園児がRFタグを紛失したり壊したりする可能性を踏まえて、カバン、名札、防止など複数の箇所にRFタグを貼り付けておいてもよい。RFIDリーダライタが、一人の園児につきどれか1つのRFタグを読み取れれば、降車したものと検知する。
【0069】
また、園児がバス20に乗車する際には、施設Aのスタッフではなく、各園児の保護者が園児を乗車させる直前にQRコードをスキャンするようにしてもよい。この場合、各保護者が所有する情報端末から、事前に園児の識別情報を管理サーバ10に送信し、管理サーバ10が園児テーブルにおける各園児のステータスを管理する。さらに管理サーバ10は、各保護者の情報端末から送信された情報に基づいて園児テーブルを更新するたびに、施設端末30にも新しい園児のステータス情報を送信するようにする。
【0070】
また、例えば、S511において降車時に園児のQRコードの読み取りがなされたことを確認できたら、その都度、第2、第3の所定時間に例えば5秒など一定期間の時間を追加して、警告が出力されるまでの時間を延長するようにしてもよい。
【0071】
[変形例]
説明を簡単にするため、1つの施設20は1つの施設端末20を保有している構成としたが、各施設で複数の施設端末20を利用してもよい。その場合には、各施設端末20は、管理サーバ10に検知結果やスキャン情報を送信し、管理サーバ10が、判定部35が実行する各種判定処理を実行する。
【0072】
さらに、上述の説明では施設端末30が検知機能および警告機能を備えるシステムについて説明したが、例えばバス20自体が管理サーバ10と通信可能なように構成され、かつ検知機能や警告機能を有するように設計してもよい。この場合、施設端末30は、QRコードの読み取りに用いられる。スタッフが施設端末30を用いてQRコードを読み取ると、管理サーバ10にスキャン情報と施設端末IDを送信する。管理サーバ10は、施設テーブル141を参照してスキャン情報と施設端末IDに基づいて、施設端末IDに対応するQRコードが読み取れられたか否かを確認するための照合判定処理を実行し、照合できた場合には、バス20に警告を停止することを許可する停止許可情報を送信する。
【0073】
なお、上述の説明では、バス20を例に説明したが、バス以外の車両でもよいし、たとえば、部屋に適用することもできる。部屋の見回りを促進する場合には、部屋のドアから離れた場所にQRコードなど識別情報を掲示することが望ましい。また、1つのQRコードでは十分ではない場合には、部屋の複数の箇所の異なるQRコードを掲示し、すべてのQRコードのスキャンが完了したら、見回り完了したとみなすようにすることもできる。
【0074】
なお、開示技術は、上述した実施形態に限定されるものではなく、開示技術の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0075】
1…管理システム、20…管理サーバ、30…施設端末、310…CPU、320…メモリ、330…ストレージ、340…通信部、350…入出力部、360…撮像部、31…受信部、32…表示制御部、33…送信部、34…検知部、35…判定部、36…撮像制御部36、音声出力部37