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特開2024-42941ディスプレイ診断装置及びディスプレイ診断プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042941
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】ディスプレイ診断装置及びディスプレイ診断プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 17/04 20060101AFI20240322BHJP
   H04N 1/60 20060101ALI20240322BHJP
   H04N 1/46 20060101ALI20240322BHJP
   H04N 5/262 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H04N17/04 A
H04N1/60
H04N1/46
H04N5/262
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147869
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横橋 麻美
【テーマコード(参考)】
5C023
5C061
5C079
【Fターム(参考)】
5C023AA38
5C023BA01
5C023CA01
5C061BB07
5C079HB01
5C079HB08
5C079LA02
5C079LA10
5C079LA31
5C079LB01
5C079MA10
5C079MA17
5C079NA03
5C079NA25
5C079PA05
(57)【要約】
【課題】入力した白色の設定値に応じて変化する色域内に目標色が無いことをカラープロファイルの設定前にユーザが把握可能とする。
【解決手段】白色設定部20は、ディスプレイDにおける白色の設定値をユーザから受け付ける。色域特定部24は、色を表す入力色データと、当該入力色データに基づいてディスプレイDに表示された色を測色して得られた測色値との組み合わせからなる特性データ16、及び、白色設定部20が設定した白色の設定値に基づいて、ディスプレイDで表示可能な色空間の部分である色域を特定する。色域内外判定部26は、ディスプレイDの色域内に、ユーザがディスプレイDに表示したい色である目標色が有るか否かを判定する。目標色が色域内に無いと色域内外判定部26が判定した場合、通知処理部28は、ディスプレイDにおいて当該目標色が再現できないことをユーザに通知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ディスプレイにおける白色の設定値をユーザから受け付け、
色を表す入力色データと、前記入力色データに基づいて前記ディスプレイに表示された色を測色して得られた測色値との組み合わせである特性データ、及び、前記白色の設定値に基づいて、前記ディスプレイで表示可能な色空間の部分である色域を特定し、
特定した前記色域内に目標色が無い場合に、前記ディスプレイにおいて前記目標色が再現できないことを前記ユーザに通知する、
ことを特徴とするディスプレイ診断装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
特定した前記色域内に目標色が無い場合に、前記目標色と前記色域との間の色差を前記ユーザに通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ診断装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
特定した前記色域内に目標色が無い場合に、前記目標色を前記色域内に含めることができる前記白色の設定値を前記ユーザに通知する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のディスプレイ診断装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記ユーザの指示に基づいて前記目標色を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ診断装置。
【請求項5】
それぞれが複数の目標色を示す、1又は複数の目標色セットデータが予め用意され、
前記プロセッサは、
前記ユーザが選択した前記目標色セットデータに基づいて、前記目標色を決定する、
ことを特徴とする請求項4に記載のディスプレイ診断装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記特性データ及び前記白色の設定値に基づいて、前記ディスプレイにおいて前記白色が再現できない場合に、前記ユーザに通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ診断装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記ディスプレイにおいて前記白色が再現できると判定した場合に、前記色域を特定する、
ことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ診断装置。
【請求項8】
コンピュータに、
ディスプレイにおける白色の設定値をユーザから受け付けさせ、
色を表す入力色データと、前記入力色データに基づいて前記ディスプレイに表示された色を測色して得られた測色値との組み合わせである特性データ、及び、前記白色の設定値に基づいて、前記ディスプレイで表示可能な色空間の部分である色域を特定させ、
特定した前記色域内に目標色が無い場合に、前記ディスプレイにおいて前記目標色が再現できないことを前記ユーザに通知させる、
ことを特徴とするディスプレイ診断プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ診断装置及びディスプレイ診断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異なるディスプレイに同じ画像データを表示させたときに、各ディスプレイにおける表示色が同等となるようにディスプレイのカラープロファイルを調整することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ディスプレイに表示された白色を測色して得られた測色値に基づいて、輝度及び色温度で設定された色再現目標が当該ディスプレイで再現可能か否かを判定する再生可否判定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許2018-46398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ディスプレイで表示可能な色空間の部分である色域は、白色の設定値に応じて変化する場合がある。したがって、ユーザが表示したい白色が表示可能なようにディスプレイのカラープロファイルを設定しても、ユーザが表示したい白色以外の他の目標色が表示できなくなってしまう場合がある。
【0006】
このような場合、ユーザは、再度カラープロファイルの設定を行う必要があり、カラープロファイルの再設定に手間が掛かるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、入力した白色の設定値に応じて変化する色域内に目標色が無いことをカラープロファイルの設定前にユーザが把握可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ディスプレイにおける白色の設定値をユーザから受け付け、色を表す入力色データと、前記入力色データに基づいて前記ディスプレイに表示された色を測色して得られた測色値との組み合わせである特性データ、及び、前記白色の設定値に基づいて、前記ディスプレイで表示可能な色空間の部分である色域を特定し、特定した前記色域内に目標色が無い場合に、前記ディスプレイにおいて前記目標色が再現できないことを前記ユーザに通知する、ことを特徴とするディスプレイ診断装置である。
請求項2に係る発明は、前記プロセッサは、特定した前記色域内に目標色が無い場合に、前記目標色と前記色域との間の色差を前記ユーザに通知する、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ診断装置である。
請求項3に係る発明は、前記プロセッサは、特定した前記色域内に目標色が無い場合に、前記目標色を前記色域内に含めることができる前記白色の設定値を前記ユーザに通知する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のディスプレイ診断装置である。
請求項4に係る発明は、前記プロセッサは、前記ユーザの指示に基づいて前記目標色を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ診断装置である。
請求項5に係る発明は、それぞれが複数の目標色を示す、1又は複数の目標色セットデータが予め用意され、前記プロセッサは、前記ユーザが選択した前記目標色セットデータに基づいて、前記目標色を決定する、ことを特徴とする請求項4に記載のディスプレイ診断装置である。
請求項6に係る発明は、前記プロセッサは、前記特性データ及び前記白色の設定値に基づいて、前記ディスプレイにおいて前記白色が再現できない場合に、前記ユーザに通知する、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ診断装置である。
請求項7に係る発明は、前記プロセッサは、前記ディスプレイにおいて前記白色が再現できると判定した場合に、前記色域を特定する、ことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ診断装置である。
請求項8に係る発明は、コンピュータに、ディスプレイにおける白色の設定値をユーザから受け付けさせ、色を表す入力色データと、前記入力色データに基づいて前記ディスプレイに表示された色を測色して得られた測色値との組み合わせである特性データ、及び、前記白色の設定値に基づいて、前記ディスプレイで表示可能な色空間の部分である色域を特定させ、特定した前記色域内に目標色が無い場合に、前記ディスプレイにおいて前記目標色が再現できないことを前記ユーザに通知させる、ことを特徴とするディスプレイ診断プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1又は8に係る発明によれば、入力した白色の設定値に応じて変化する色域内に目標色が無いことをカラープロファイルの設定前にユーザが把握することができる。
請求項2に係る発明によれば、ユーザは、目標色と色域との間の色差を把握することができる。
請求項3に係る発明によれば、ユーザは、目標色を色域内に含めることができる白色の設定値を把握することができる。
請求項4に係る発明によれば、ユーザは、目標色を決定することができる。
請求項5に係る発明によれば、ユーザは、予め用意された目標色セットデータを選択することで目標色を決定することができる。
請求項6に係る発明によれば、ユーザは、自らが入力した白色の設定値がディスプレイで再現できないことを把握することができる。
請求項7に係る発明によれば、ユーザは、自らが入力した白色の設定値がディスプレイで再現できることを確認した上で、色域内に目標色が無いことを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るディスプレイ診断装置の構成概略図である。
図2】ユーザインターフェースの例を示す第1の図である。
図3】白色の設定値の変更を示す概念図である。
図4】白色の設定値による色域の変化を示す図である。
図5】ユーザインターフェースの例を示す第2の図である。
図6】目標色及び色域を示す図である。
図7】ディスプレイにおいて設定された白色が再現できない場合の第1の通知例を示す図である。
図8】ディスプレイにおいて設定された白色が再現できない場合の第2の通知例を示す図である。
図9】目標色がディスプレイで再現できない場合の第1の通知例を示す図である。
図10】目標色がディスプレイで再現できない場合の第2の通知例を示す図である。
図11】目標色がディスプレイで再現できる場合の通知例を示す図である。
図12】本実施形態に係るディスプレイ診断装置の処理の流れを示す第1のフローチャートである。
図13】本実施形態に係るディスプレイ診断装置の処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態に係るディスプレイ診断装置10の構成概略図である。ディスプレイ診断装置10は、ディスプレイDに画面を表示させる処理、ディスプレイDのカラープロファイルを調整する処理、及び、カラープロファイルの調整に先立って、ディスプレイDにユーザが表示させようとする色である目標色が表示可能であるか否かを診断する処理などを行う装置である。ディスプレイ診断装置10は、代表的にはパーソナルコンピュータであるが、上述の処理を実行可能であれば、どのような装置であってもよい。なお、ディスプレイDは、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)などから構成されるものである。
【0012】
入力インターフェース12は、例えばマウス、キーボード、あるいはタッチパネルなどから構成される。入力インターフェース12は、ユーザが種々の命令をディスプレイ診断装置10に入力するために用いられる。
【0013】
メモリ14は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)、あるいはRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。メモリ14は、後述のプロセッサ18とは別に設けられてもよいし、少なくとも一部がプロセッサ18の内部に設けられていてもよい。メモリ14には、ディスプレイ診断装置10の各部を動作させるためのディスプレイ診断プログラムが記憶される。なお、ディスプレイ診断プログラムは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はCD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体に格納することもできる。ディスプレイ診断装置10は、そのような記憶媒体からディスプレイ診断プログラムを読み取って実行することができる。また、図1に示すように、メモリ14には、特性データ16が記憶される。
【0014】
特性データ16とは、ディスプレイDに入力される、色を表す入力色データと、当該入力色データに基づいてディスプレイDに表示された色を測色して得られた測色値との組み合わせからなるデータである。色を表す入力色データとは、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の各値(一般的には0~255)である。本実施形態では、測色値はLab色空間で表現され、具体的にはa及びbの値で表現される。測色値の表現方法はこれには限られず、例えば、XYZ色空間におけるx及びyの値などで表現されてもよい。
【0015】
特性データ16の取得方法は以下の通りである。特性データ16の取得者は、複数の入力色データで表される複数の色をディスプレイDに表示させ、ディスプレイDに表示された各色を測色機で測色する。本実施形態では、白色を含む複数の色が測色機で測色される。そして、特性データ16の取得者は、各色の入力色データと測色値とを関連付け、入力色データと測色値との複数の組み合わせを特性データ16としてメモリ14に記憶させる。
【0016】
プロセッサ18は、広義的な処理装置を指し、汎用的な処理装置(例えばCPU(Central Processing Unit)など)、及び、専用の処理装置(例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ18としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。
【0017】
図1に示す通り、プロセッサ18は、メモリ14に記憶されたディスプレイ診断プログラムにより、白色設定部20、白色精度判定部22、色域特定部24、色域内外判定部26、及び、通知処理部28としての機能を発揮する。プロセッサ18が有する各機能により、ディスプレイDのカラープロファイルの作成(又は調整)に先立って、ディスプレイDの診断、特に、ユーザが白色の設定値を設定した際に、当該白色の設定値に応じて変化する色域内に、ユーザが所望する目標色があるか否の診断(換言すればシミュレーション)が実行される。
【0018】
当該診断の大まかな流れは以下の通りである。上述のように、あるいは、詳細は後述するように、ディスプレイDの色域は、白色の設定値に応じて変化する。したがって、まず、プロセッサ18は、ユーザから白色の設定値を受け付けた上で、当該白色の設定値に基づいてディスプレイDの色域を特定する。そして、プロセッサ18は、ユーザがディスプレイDに表示させたい色である目標色が、特定した色域内に有るか否かを判定し、色域内に無い場合にはユーザに通知を行う。以下、プロセッサ18が発揮する各機能の詳細を説明する。
【0019】
白色設定部20は、ディスプレイDにおける白色の設定値をユーザから受け付け、それに基づいて、診断に用いる白色の設定値を決定する。ユーザは、入力インターフェース12を用いて、白色の設定値をディスプレイ診断装置10に入力する。例えば、プロセッサ18は、図2に示すようなユーザインターフェースをディスプレイDに表示させる。当該ユーザインターフェースには、白色の設定値を入力する欄が設けられている。図2の例では、「プロファイル作成条件」のうちの「輝度」及び「色温度」が白色の設定値である。すなわち、本実施形態では、ユーザは、白色の輝度及び色温度によって白色の設定値を入力する。
【0020】
白色精度判定部22は、白色設定部20により設定された白色がディスプレイDで再現できるか否か(表示できるか否か)を判定する。具体的には、以下に説明する通り、白色精度判定部22は、特性データ16、及び、白色設定部20により設定された白色の設定値に基づいて、ディスプレイDで当該白色が再現できるか否かを判定する。なお、メモリ14には、複数のディスプレイDに対応する複数の特性データ16が記憶されている場合がある。その場合、ユーザは、図2に示すユーザインターフェースにて、白色がディスプレイDで再現できるか否か、あるいは、後述の色域の特定のために使用する特性データ16を選択可能となっているとよい。図2の例では、ディスプレイ特性データの欄にて特性データ16を選択できるようになっている。なお、当該ユーザインターフェースには測定ボタンが設けられていてもよく、ユーザは、当該測定ボタンを操作することによって、ディスプレイDの特性データ16を取得することもできる。
【0021】
まず、白色を設定するということは、入力色データのR,G,Bが、それぞれ255であるとき(以後(R,G,B)=(255,255,255)と表現する場合がある)の色を設定する、ということである。図3は、白色の設定値の変更を示す概念図である。図3では、R、G、Bの値が3次元で表現されている。例えば、白色の設定値がW1で表現される場合、W1の座標が(R,G,B)=(255,255,255)となり、実線で表された立方体の範囲内で入力色データが表現される。例えば、W1で表現される色は、特性データ16が取得されたときの白色の入力色データである。
【0022】
ここで、白色設定部20によって白色が設定されると、RGBの座標空間における白色の座標が変更される。ここでは、青っぽい白色が設定されたとし、W1に比して、R及びGの値が少し小さくBの値は同じであるW2の座標が白色となる。この場合、W2が表現する色は、あくまで白色であるため、W2の座標が(R,G,B)=(255,255,255)となり、一点鎖線で表された立方体の範囲内で入力色データが表現される。ただし、白色の設定値がW1で表現される場合を基準とすると、W2の座標は(R,G,B)=(255,255,255)ではなく、例えば、(R,G,B)=(250,250,255)などで表現される。
【0023】
このように、白色の設定値が変更されると、白色の設定が変更される前(ここでは白色がW1で表現された場合とする)、換言すれば特性データ16が示す入力色データ(R,G,B)と、白色設定部20が設定した白色の設定値(ここでは、W1とは異なるW2で白色が表現された場合とする)の入力色データ(R,G,B)とが同じ値であっても、それらは互いに異なる色を示すことになる。換言すれば、白色がW1で表現される場合と、白色がW2で表現される場合とで、同じ色を表す入力色データ(R,G,B)が互いに異なることになる。なお、白色設定部20が設定した輝度及び色温度によっては、白色の設定値がW1で表現される場合を基準としたときのW2の入力色データ(R,G,B)の少なくとも1つが255を超える場合もあり得る。
【0024】
白色精度判定部22は、特性データ16に基づいて、特性データ16が示す入力色データ(R,G,B)(ここでは白色がW1で表現される場合)と、白色設定部20によって設定された白色(ここでは白色がW2で表現される場合)が示す入力色データ(R,G,B)との関係を示すLUT(Look Up Table)を作成する。
【0025】
詳しくは、白色精度判定部22は、まず、特性データ16を参照し、白色設定部20が設定した白色の輝度及び色温度(これは測色値に相当する)に対応する、W1の場合を基準とした場合の入力色データ(R,G,B)を特定する。例えば、(R,G,B)=(250,250,255)と特定する。そして、白色精度判定部22は、LUTにおいて、白色がW2で表現される場合の白色の入力色データ(R,G,B)=(255,255,255)と、特定した入力色データ(R,G,B)=(250,250,255)とを対応付ける。当該LUTによれば、上述の例の場合、R及びGの値が255から250に変換され(あるいはその逆も可)、Bの値はそのまま255の値を維持するように変換することができる。白色精度判定部22は、他の色についても白色と同様の割合で変換されるように各入力色データの対応関係を特定し、それらに基づいてLUTを作成する。このように作成されたLUTを用いることで、白色設定部20によって設定された白色を基準としたときの入力色データ(R,G,B)を、特性データ16が示す入力色データ(R,G,B)に変換することができる。当該LUTは、白色の再現可否の判定のみならず、後述の色域算出のためにも用いられる。
【0026】
次いで、白色精度判定部22は、白色を示す入力色データ、すなわち、入力色データ(R,G,B)=(255,255,255)、作成したLUTを適用して、特性データ16が示す白色(図3の例では、W1で表現される白色)を基準としたときの、白色設定部20によって設定された白色の入力色データ(R,G,B)に変換する。そして、白色精度判定部22は、変換後の入力色データ(R,G,B)と、特性データ16に基づいて、白色設定部20によって設定された白色の輝度及び色温度を特定する。具体的には、特性データ16において、変換後の入力色データ(R,G,B)に対して測色値が関連付けられていれば、白色精度判定部22は、当該測色値に基づいて、白色設定部20によって設定された白色の輝度及び色温度を特定することができる。特性データ16において、変換後の入力色データ(R,G,B)に対して測色値が関連付けられていなければ、白色精度判定部22は、その近傍入力色データ(R,G,B)に対して関連付けられている測色値に基づいて、白色設定部20によって設定された白色の輝度及び色温度を予測することができる。
【0027】
その後、白色精度判定部22は、特定した輝度と、白色設定部20によって設定された輝度とを比較する。また、白色精度判定部22は、特定した色温度と、白色設定部20によって設定された色温度とを比較する。比較の結果、輝度の差及び色温度の差が、それぞれ所定の閾値未満である場合は、白色精度判定部22は、白色設定部20により設定された白色がディスプレイDで再現できる、と判定する。一方、比較の結果、輝度の差又は色温度の差の少なくとも一方が、所定の閾値以上である場合は、白色精度判定部22は、白色設定部20により設定された白色がディスプレイDで再現できない、と判定する。
【0028】
また、白色精度判定部22は、白色設定部20により設定された白色がディスプレイDで再現できない、と判定した場合、白色の設定値がどの程度の値であれば、ディスプレイDで再現可能であるかを特定しておくとよい。例えば、予め、ディスプレイDで表示可能な最大輝度及び最大色温度を求めておく。そして、白色精度判定部22は、特定した輝度と最大輝度との差分、又は、特定した色温度と最大色温度との差分を演算しておく。
【0029】
色域特定部24は、特性データ16、及び、白色設定部20が設定した白色の設定値に基づいて、ディスプレイDで表示可能な色空間の部分である色域を特定する。上述のように、白色の設定値に応じて、ディスプレイDの色域が変化する。図4は、白色の設定値による色域の変化を示す図である。例えば、図3のW1で白色が表現される場合の色域がCG1で示される範囲である場合、図3のW2で白色が表現される場合の色域は、CG2で示される範囲となる。この場合、ディスプレイDは、W2で表現される白色を再現可能であったとしても、色域CG2の範囲外にある色は再現することができなくなる。
【0030】
まず、色域を特定するために、複数の入力色データ(R,G,B)が用意される。本実施形態では、複数の入力色データ(R,G,B)には、白色(R,G,B)=(255,255,255)、赤色(R,G,B)=(255,0,0)、緑色(R,G,B)=(0,255,0)、及び、青色(R,G,B)=(0,0,255)が含まれるが、これに限られるものではない。なお、赤色、緑色、及び青色は、Lab色空間やXYZ色空間において、色域の端部に位置する色である。
【0031】
色域特定部24は、用意された色域特定用の各入力色データ(R,G,B)に、白色精度判定部22が作成したLUTを適用する。これにより、白色設定部20によって設定された白色を(R,G,B)=(255,255,255)としたときの、白色、赤色、緑色、及び青色を含む複数の入力色データ(R,G,B)を、特性データ16が示す白色を基準としたときの入力色データ(R,G,B)に変換することができる。そして、色域特定部24は、変換後の各色の入力色データ(R,G,B)と、特性データ16に基づいて、白色設定部20によって設定された白色の設定値に応じて決定されるディスプレイDの色域を特定する。具体的には、色域特定部24は、特性データ16を参照して特定される、変換後の各色の入力色データ(R,G,B)に関連付けられている測色値に基づいて、ディスプレイDの色域を特定する。
【0032】
色域特定部24は、白色精度判定部22が、白色設定部20により設定された白色がディスプレイDで再現できると判定した場合に、ディスプレイDの色域を特定するとよい。換言すれば、色域特定部24は、白色精度判定部22が、白色設定部20により設定された白色がディスプレイDで再現できないと判定した場合は、ディスプレイDの色域を特定しなくてもよい。
【0033】
色域内外判定部26は、色域特定部24によって特定されたディスプレイDの色域(以下、単に「色域」と記載する場合がある)内に、ユーザがディスプレイDに表示したい色である目標色が有るか否かを判定する。目標色としては、予め定められた色セット(例えば色域において端部に位置する色のセットなど)であってもよいが、本実施形態では、色域内外判定部26は、ユーザの指示に基づいて目標色を決定する。例えば、プロセッサ18は、図5に示すように、目標色をセットする欄(図5の例では「事前診断目標色」の欄)を有するユーザインターフェースをディスプレイDに表示させる。ユーザが当該欄に目標色を入力することで、色域内外判定部26は、目標色をユーザから受け付ける。
【0034】
好適には、それぞれが複数の目標色を示す、1又は複数の目標色セットデータが予め用意され、色域内外判定部26は、ユーザが選択した目標色セットデータに基づいて、目標色を決定するとよい。具体的には、図5に示す「事前診断目標色」の欄において、ユーザは、予め用意された複数の目標色セットデータから所望の目標色セットデータを選択することができるとよい。
【0035】
本実施形態では、図5に示すユーザインターフェースには、診断ボタンが設けられており、ユーザが目標色を指定した上で診断ボタンを操作すると、色域内外判定部26は、当該目標色が色域内に有るか否かを判定する。目標色が複数有る場合は、色域内外判定部26は、複数の目標色の全てが色域内に有る場合に、目標色が色域内に有る、と判定する。反対に、色域内外判定部26は、複数の目標色のうちの少なくとも1つが色域内に無い場合に、目標色が色域内に無い、と判定する。
【0036】
図6を参照し、色域特定部24によって特定された色域がCG2で示される範囲であり、目標色がP1~P4で示される4つの色であったとする。この場合、目標色P1~P3は色域CG2内に有るが、目標色P4は色域CG2内に無い。したがって、この場合は、色域内外判定部26は、目標色が色域内に無い、と判定する。
【0037】
このように、目標色の少なくとも一部が色域内に無い場合、白色設定部20により設定された白色で表現されるカラープロファイルをディスプレイDに適用した場合、色域内に無い目標色を含む画像データを当該ディスプレイDに表示させると、当該画像データの色の一部が正しく(入力色データが示す通りに)再現できないことになる。図6の例では、目標色P4は、目標色P4に近い色域CG2内の色である色Tに変換され、ディスプレイD上において、目標色P4は色Tに変換されて再現されることになる。色域内外判定部26は、目標色が色域内に無い場合、当該目標色(図6の例では目標色P4)と、当該目標色に近い色域内の色(図6の例では色T)との色差を演算しておくとよい。なお、目標色P4を色Tに変換する方法、及び、色差の演算方法は、種々の既知の方法があるためここでは詳細な説明は省略する。
【0038】
通知処理部28は、白色精度判定部22の判定結果をユーザに通知する処理を実行する。具体的には、白色設定部20により設定された白色がディスプレイDで再現できない、と白色精度判定部22が判定した場合、通知処理部28は、当該白色がディスプレイDで再現できないことをユーザに通知する。
【0039】
また、白色設定部20により設定された白色がディスプレイDで再現できない場合であって、本実施形態のように、白色の設定値が複数の項目(本実施形態では輝度及び色温度)を有している場合、通知処理部28は、当該複数の項目のうち、どの項目が原因で当該白色がディスプレイDで再現できないのかをユーザに通知するとよい。例えば、通知処理部28は、図7に示すように、ユーザインターフェースにおいて、「輝度が再現できません。」というようなメッセージを表示させる。もちろん、色温度が原因である場合には、通知処理部28は、ユーザインターフェースにおいて、「色温度が再現できません。」というようなメッセージを表示させる。
【0040】
また、通知処理部28は、白色精度判定部22が特定した、白色設定部20により設定された白色の設定値がどの程度の値であれば、ディスプレイDで再現可能であるかをユーザに通知するとよい。例えば、例えば、通知処理部28は、図7に示すように、ユーザインターフェースにおいて、「輝度が再現できません。(予想:200)」というようなメッセージを表示させるとよい。これは、輝度が200であれば、当該白色がディスプレイDで再現可能であることを意味する。また、色温度が原因である場合には、通知処理部28は、ユーザインターフェースにおいて、「色温度が再現できません。(予想:6000)」というようなメッセージを表示させるとよい。
【0041】
また、通知処理部28は、白色設定部20により設定された白色がディスプレイDで再現できない場合に、白色をディスプレイDで再現するための対処方法をユーザに通知するとよい。例えば、白色設定部20により設定された輝度が、白色精度判定部22により特定された最大輝度よりも大きい場合、通知処理部28は、ユーザインターフェースに「目標輝度を下げて下さい。」というようなメッセージを表示させる。また、白色設定部20により設定された色温度が、白色精度判定部22により特定された最大色温度よりも大きい場合、通知処理部28は、ユーザインターフェースに「目標色温度を下げて下さい。」というようなメッセージを表示させる。
【0042】
一方、白色設定部20により設定された白色がディスプレイDで再現できる、と白色精度判定部22が判定した場合、通知処理部28は、当該白色がディスプレイDで再現できることをユーザに通知する。
【0043】
また、通知処理部28は、色域内外判定部26の判定結果をユーザに通知する処理を実行する。具体的には、目標色が色域内に無いと色域内外判定部26が判定した場合、通知処理部28は、ディスプレイDにおいて当該目標色が再現できないことをユーザに通知する。例えば、通知処理部28は、図9に示すように、ユーザインターフェースにおいて、「一部の色の精度が下がります。」というようなメッセージを表示させる。
【0044】
目標色が色域内に無いと色域内外判定部26が判定した場合であって、目標色が複数有る場合、通知処理部28は、当該複数の目標色のうち、色域内に無い目標色をユーザに通知するとよい。例えば、通知処理部28は、図9に示すように、ユーザインターフェースにおいて、「(青パッチ)」というようなメッセージを表示させる。
【0045】
また、目標色が色域内に無いと色域内外判定部26が判定した場合、通知処理部28は、色域内に無い目標色と色域との間の色差をユーザに通知するとよい。例えば、通知処理部28は、図9に示すように、ユーザインターフェースにおいて、「(青パッチ:色差 10)」というようなメッセージを表示させる。当該色差は、上述のように、色域内外判定部26により演算される。
【0046】
さらに、目標色が色域内に無いと色域内外判定部26が判定した場合、通知処理部28は、当該目標色を色域内に含めることができる白色の設定値を特定してユーザに通知するとよい。例えば、通知処理部28は、図10に示すように、ユーザインターフェースにおいて、「色温度を7000以下にすると精度良く再現できます。」というようなメッセージを表示させる。
【0047】
色域内に無い目標色を色域内に含めることができる白色の設定値は、例えば以下のような処理で特定することができる。まず、白色設定部20が白色の設定値を少しずつ変化させながら、色域特定部24が変化後の白色の設定値に応じた色域を特定する。そして、色域内外判定部26が、特定した色域内に当該目標色が有るか否かを判定する。このような処理を繰り返し、色域内外判定部26が、特定した色域内に当該目標色が有ると判定した時点の白色の設定値を、色域内に無い目標色を色域内に含めることができる白色の設定値として特定することができる。
【0048】
一方、目標色が色域内に有ると色域内外判定部26が判定した場合、通知処理部28は、当該目標色がディスプレイDで再現できることをユーザに通知する。例えば、通知処理部28は、図11に示すように、ユーザインターフェースにおいて、「問題なく再現できます。」というようなメッセージを表示させる。
【0049】
本実施形態に係るディスプレイ診断装置10の概要は以上の通りである。本実施形態に係るディスプレイ診断装置10によれば、ディスプレイDのカラープロファイルの作成あるいは調整に先立って、ユーザ指定の白色の設定値に応じて変化する色域内に、ユーザが所望する目標色があるか否のシミュレーションを行うことができる。これにより、ユーザは、指定した白色の設定値で目標色がディスプレイDで再現可能であることを容易に把握することができ、目標色をディスプレイDで再現すべくユーザがカラープロファイルの調整を繰り返し行うことが抑制される。
【0050】
以下、図12及び図13に示すフローチャートに従って、ディスプレイ診断装置10の処理の流れを説明する。
【0051】
ステップS10において、プロセッサ18は、特性データ16を取得してメモリ14に記憶させる。
【0052】
ステップS12において、プロセッサ18は、ユーザインターフェース(図2参照)をディスプレイDに表示させる。ユーザは、当該ユーザインターフェースにおいて白色の設定値(輝度及び色温度)を入力する。白色設定部20は、当該ユーザ入力に基づいて白色の設定値を設定する。
【0053】
ステップS14において、ユーザは、当該ユーザインターフェースにおいて目標色セットを入力する。プロセッサ18は、当該ユーザ入力に基づいて目標色セットを決定する。
【0054】
ステップS16において、ユーザがユーザインターフェースに設けられた診断ボタンを操作すると、プロセッサ18は、診断指示を受け付ける。
【0055】
ステップS18において、白色精度判定部22は、ステップS10で取得した特性データ16に基づいて、特性データ16が示す入力色データ(R,G,B)と、ステップS12で設定された白色が示す入力色データ(R,G,B)との関係を示すLUTを作成する。
【0056】
ステップS20において、白色精度判定部22は、白色を示す入力色データ(R,G,B)=(255,255,255)に、ステップS18で作成したLUTを適用して、特性データ16が示す白色を基準としたときの、ステップS12で設定された白色の入力色データ(R,G,B)に変換する。
【0057】
ステップS22において、白色精度判定部22は、変換後の入力色データ(R,G,B)と、特性データ16に基づいて、白色設定部20によって設定された白色の輝度及び色温度を特定する。
【0058】
ステップS24において、白色精度判定部22は、ステップS22で特定した輝度と、ステップS12で設定された輝度とを比較する。また、白色精度判定部22は、特定した色温度と、白色設定部20によって設定された色温度とを比較する。輝度の差又は色温度の差の少なくとも一方が、所定の閾値以上であると判定した場合は、ステップS26に進む。
【0059】
ステップS26において、通知処理部28は、ステップS12で設定された白色がディスプレイDで再現できないことをユーザに通知して処理を終了する。
【0060】
ステップS24で、輝度の差及び色温度の差が、それぞれ所定の閾値未満であると判定した場合は、ステップS30(図13参照)に進む。
【0061】
ステップS30において、色域特定部24は、用意された色域特定用の複数の入力色データの各入力色データ(R,G,B)に、ステップS18で作成したLUTを適用する。
【0062】
ステップS32において、色域特定部24は、ステップS30におけるLUT適用後の各色の入力色データ(R,G,B)と、特性データ16に基づいて、ステップS12で設定された白色の設定値に応じて決定されるディスプレイDの色域を特定する。
【0063】
ステップS34において、ステップS32で特定されたディスプレイDの色域内に、ステップS14で受け付けた目標色セットが有るか否かを判定する。目標色セットのうちの少なくとも1つが当該色域内に無い場合は、ステップS36に進む。
【0064】
ステップS36において、通知処理部28は、ディスプレイDにおいて当該目標色が再現できないことをユーザに通知する。
【0065】
ステップS34で、目標色セットのうちの全ての目標色が当該色域内に有る場合は、ステップS38に進む。
【0066】
ステップS36において、通知処理部28は、ディスプレイDにおいて当該目標色が再現できることをユーザに通知する。
【0067】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0068】
(付記)
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ディスプレイにおける白色の設定値をユーザから受け付け、
色を表す入力色データと、前記入力色データに基づいて前記ディスプレイに表示された色を測色して得られた測色値との組み合わせである特性データ、及び、前記白色の設定値に基づいて、前記ディスプレイで表示可能な色空間の部分である色域を特定し、
特定した前記色域内に目標色が無い場合に、前記ディスプレイにおいて前記目標色が再現できないことを前記ユーザに通知する、
ことを特徴とするディスプレイ診断装置。
(((2)))
前記プロセッサは、
特定した前記色域内に目標色が無い場合に、前記目標色と前記色域との間の色差を前記ユーザに通知する、
ことを特徴とする(((1)))に記載のディスプレイ診断装置。
(((3)))
前記プロセッサは、
特定した前記色域内に目標色が無い場合に、前記目標色を前記色域内に含めることができる前記白色の設定値を前記ユーザに通知する、
ことを特徴とする(((1)))又は(((2)))に記載のディスプレイ診断装置。
(((4)))
前記プロセッサは、
前記ユーザの指示に基づいて前記目標色を決定する、
ことを特徴とする(((1)))に記載のディスプレイ診断装置。
(((5)))
それぞれが複数の目標色を示す、1又は複数の目標色セットデータが予め用意され、
前記プロセッサは、
前記ユーザが選択した前記目標色セットデータに基づいて、前記目標色を決定する、
ことを特徴とする(((4)))に記載のディスプレイ診断装置。
(((6)))
前記プロセッサは、
前記特性データ及び前記白色の設定値に基づいて、前記ディスプレイにおいて前記白色が再現できない場合に、前記ユーザに通知する、
ことを特徴とする(((1)))に記載のディスプレイ診断装置。
(((7)))
前記プロセッサは、
前記ディスプレイにおいて前記白色が再現できると判定した場合に、前記色域を特定する、
ことを特徴とする(((6)))に記載のディスプレイ診断装置。
(((8)))
コンピュータに、
ディスプレイにおける白色の設定値をユーザから受け付けさせ、
色を表す入力色データと、前記入力色データに基づいて前記ディスプレイに表示された色を測色して得られた測色値との組み合わせである特性データ、及び、前記白色の設定値に基づいて、前記ディスプレイで表示可能な色空間の部分である色域を特定させ、
特定した前記色域内に目標色が無い場合に、前記ディスプレイにおいて前記目標色が再現できないことを前記ユーザに通知させる、
ことを特徴とするディスプレイ診断プログラム。
【0069】
(((1)))又は(((8)))に係る発明によれば、入力した白色の設定値に応じて変化する色域内に目標色が無いことをカラープロファイルの設定前にユーザが把握することができる。
(((2)))に係る発明によれば、ユーザは、目標色と色域との間の色差を把握することができる。
(((3)))に係る発明によれば、ユーザは、目標色を色域内に含めることができる白色の設定値を把握することができる。
(((4)))に係る発明によれば、ユーザは、目標色を決定することができる。
(((5)))に係る発明によれば、ユーザは、予め用意された目標色セットデータを選択することで目標色を決定することができる。
(((6)))に係る発明によれば、ユーザは、自らが入力した白色の設定値がディスプレイで再現できないことを把握することができる。
(((7)))に係る発明によれば、ユーザは、自らが入力した白色の設定値がディスプレイで再現できることを確認した上で、色域内に目標色が無いことを把握することができる。
【符号の説明】
【0070】
10 ディスプレイ診断装置、12 入力インターフェース、14 メモリ、16 特性データ、18 プロセッサ、20 白色設定部、22 白色精度判定部、24 色域特定部、26 色域内外判定部、28 通知処理部、D ディスプレイ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13