(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042976
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】予測方法及び飲食品組成物
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6837 20180101AFI20240322BHJP
C12Q 1/6858 20180101ALI20240322BHJP
C12Q 1/683 20180101ALI20240322BHJP
A23L 33/19 20160101ALI20240322BHJP
【ＦＩ】
C12Q1/6837 Z
C12Q1/6858 Z
C12Q1/683 Z
A23L33/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022147930
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】中村 佳菜恵
(72)【発明者】
【氏名】松野 あゆみ
(72)【発明者】
【氏名】西浦 大祐
(72)【発明者】
【氏名】満留 卓実
(72)【発明者】
【氏名】小野 知二
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久典
【テーマコード（参考）】
4B018
4B063
【Ｆターム（参考）】
4B018LE01
4B018MD20
4B018MD71
4B018ME04
4B063QA01
4B063QA12
4B063QA13
4B063QA17
4B063QA20
4B063QQ42
4B063QR08
4B063QR16
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS16
4B063QS25
4B063QS34
4B063QX02
(57)【要約】
【課題】ラクトフェリンの摂取効果を予測できる予測方法及びラクトフェリンを含有する飲食品組成物の提供。
【解決手段】被験者由来のＤＮＡ含有試料中の総コレステロール低減効果に関与する１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果の予測方法。予測方法は、さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記総コレステロール低減効果の程度を補正する工程を含む。
【選択図】図２
【解決手段】被験者由来のＤＮＡ含有試料中の総コレステロール低減効果に関与する１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果の予測方法。予測方法は、さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記総コレステロール低減効果の程度を補正する工程を含む。
【選択図】図２
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs11999258、rs654139、rs659818、rs660323、rs6503638、rs4811530、rs9362203、rs12652500、rs6444705、rs4255220、rs35338079、rs6454463、rs1378127、rs60978131、rs12821706、rs2115520、rs78107101、rs74250602、rs6670655、rs28609156、rs55957523、rs2012869、rs7025293、rs41424745、rs447558、rs12437834、rs1537014、rs654523、rs876056、rs55918609、rs6987915、rs74673843、rs7765191、rs17153028、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779、rs954037、rs17469009、rs560059、rs7927955、rs1255533、rs7650285、及びrs6815672からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、
前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測方法。
前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測方法。
【請求項2】
前記判定する工程において、前記登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する、請求項１に記載のラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測方法。
【請求項3】
さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記総コレステロール低減効果の程度を補正する工程を含む、請求項１又は２に記載のラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測方法。
【請求項4】
対象の総コレステロール低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
【請求項5】
被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs513114、rs2360166、rs2307306、rs78107101、rs1868435、rs1378127、rs10849372、rs872699、rs9535279、rs7796182、rs3782475、rs142070657、rs4755367、rs12652500、rs11030210、rs10938978、rs6953944、rs4078356、rs41424745、rs6454463、rs10902813、rs57663220、rs4969331、rs4969236、rs4410822、rs11980518、rs36148766、rs202228820、rs9507881、rs59069517、rs2087343、rs2092772、rs902771、rs55743856、rs2187048、rs17624357、rs77431709、rs17153028、rs12545265、rs7765191、rs4750727、rs28609156、rs55957523、rs6575806、rs560059、rs10509369、rs11954601、rs9378541、rs61419621、rs13076001、rs78480057、rs80295512、rs706045、rs9853873、rs76069417、rs2067876、rs74406934、rs578708、rs12916332、rs1127745、rs1127743、rs7109140、rs13150268、rs1157492、rs11665452、rs11236644、rs4395923、rs9507713及びrs247179からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、
前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＬＤＬコレステロール低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測方法。
前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＬＤＬコレステロール低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測方法。
【請求項6】
前記判定する工程において、前記登録番号rs7109140、rs13150268及びrs11236644からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する、請求項５に記載のラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測方法。
【請求項7】
さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記ＬＤＬコレステロール低減効果の程度を補正する工程を含む、請求項５又は６に記載のラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測方法。
【請求項8】
対象のＬＤＬコレステロール低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs7109140、rs13150268及びrs11236644からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
【請求項9】
被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs73085186、rs1385213、rs12638651、rs3733082、rs56708826、rs12591900、rs8040834、rs7935733、rs4731627、rs7819518、rs297276、rs1720326、rs12864812、rs1494225、rs77933765、rs11555351、rs3981、rs149116714、rs11948241、rs75407408、rs73604952、rs16827624、rs79319846、rs78468528、rs208358、rs7193420、rs77306981、rs1038587、rs1799931、rs16887217、rs6796173、rs7806011、rs7794040、rs6888011、rs10215721、rs1019382、rs10787419、rs3932728、rs7159326、rs73816007、rs6454568、rs4381541、rs1681053、rs11072975、rs1509547、rs9559508、rs4405810、rs352340、rs8008884、rs2326486、rs1865574、rs9985134、rs11135930、rs11073650、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs870550、rs11135932、rs77706234、rs3125929、rs4820821、rs5763604、rs5763662、rs10102733、rs7109000、rs6719628、rs72893851、rs3793301、rs6544366、rs9827374、rs10092988、rs75717958、rs9833256、rs3812335、rs975563、rs9533298、rs1801182及びrs56081500からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、
前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＨＤＬコレステロール上昇効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測方法。
前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＨＤＬコレステロール上昇効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測方法。
【請求項10】
前記判定する工程において、前記登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する、請求項９に記載のラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測方法。
【請求項11】
さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記ＨＤＬコレステロール上昇効果の程度を補正する工程を含む、請求項９又は１０に記載のラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測方法。
【請求項12】
対象のＨＤＬコレステロール上昇に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
【請求項13】
被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4440958、rs10926298、rs4131542、rs2908000、rs3787399、rs12663232、rs1968681、rs10775226、rs28723477、rs11170264、rs7536668、rs75603375、rs11170249、rs11170250、rs11835897、rs11683443、rs4332915、rs3887925、rs9903292、rs7823221、rs8097673、rs3848073、rs17091741、rs6455893、rs12409617、rs2612390、rs1123509、rs1373966、rs62366308、rs7004403、rs2450209、rs4842169、rs12881368、rs10121981、rs4981194、rs7612256、rs58098457、rs2407177、rs7712594、rs7651051、rs11949873、rs4747916、rs17828957、rs8012701、rs2270324、rs1760944、rs11206349、rs35662478、rs75604067、rs230166、rs78601613、rs74431421、rs271342、rs9296294及びrs16911453からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、
前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる中性脂肪低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測方法。
前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる中性脂肪低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測方法。
【請求項14】
前記判定する工程において、前記登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型のアレルを判定する、請求項１３に記載のラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測方法。
【請求項15】
さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記中性脂肪低減効果の程度を補正する工程を含む、請求項１３又は１４に記載の予測方法。
【請求項16】
対象の中性脂肪低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
【請求項17】
被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4807944、rs7087125、rs4620236、rs220291、rs2536501、rs115034638、rs9304302、rs72913608、rs11727845、rs78519877、rs76036278、rs10012483、rs10025344、rs72615899、rs11997691、rs4780054、rs4956035、rs4547871、rs6593296、rs9905211、rs3025170、rs10761659、rs16854251、rs8068574、rs4652101、rs11660733、rs2655234、rs635247、rs11151935、rs12208969、rs277536、rs730278、rs9376046、rs73024364、rs153225、rs34241583、rs7637081、rs1148540、rs10282225、rs9855392、rs669161、rs4328435、rs3735925、rs56251528、rs6836368、rs6651443、rs12465524、rs77686101、rs13284968、rs729525、rs1514327、rs657816、rs74798626、rs79457831、rs77308811、rs72725487、rs7148256、rs3129949、rs1003878、rs3117137、rs12491304、rs62243155、rs7844036、rs12054152、rs16931455、rs17014429、rs11060700、rs1353811、rs10026485、rs11723502、rs17311875、rs12088391、rs1250574及びrs17563513からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、
前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる空腹時血糖低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測方法。
前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる空腹時血糖低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測方法。
【請求項18】
前記判定する工程において、前記登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291、rs729525、rs1514327、rs657816、rs7844036及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する、請求項１７に記載のラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測方法。
【請求項19】
さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記空腹時血糖低減効果の程度を補正する工程を含む、請求項１７又は１８に記載のラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測方法。
【請求項20】
対象の空腹時血糖低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291、rs729525、rs1514327、rs657816、rs7844036及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予測方法及び飲食品組成物に関する。具体的には、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果の予測方法及びラクトフェリンを含有する飲食品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ラクトフェリンは、鉄結合性の糖蛋白質であり、ヒトを含む哺乳動物の乳汁、唾液、汗、涙液及び血液等の体液、粘液及び好中球等に存在している。ラクトフェリンは、抗菌作用、抗ウイルス作用、免疫調節作用、ビフィズス菌増殖促進作用、鉄吸収調節作用、抗炎症作用及び脂質代謝改善作用等を有することが知られている。そのため、ラクトフェリンは、サプリメント等の健康食品等の原料（機能性関与成分）に用いられている。例えば、特許文献１は、ラクトフェリンの溶出性に優れる錠剤組成物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第２０１５／０２０１８６号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
内臓脂肪の蓄積は、脂質代謝に悪影響を及ぼし、コレステロール、中性脂肪及び血糖といった脂質代謝関連の血液マーカーの値を悪化させて糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病を招くことが知られている（厚生労働省ｅ－ヘルスネット、日本肥満症予防協会）。そこで、多機能タンパク質のラクトフェリン摂取により、血液マーカーである総コレステロール、ＬＤＬコレステロール、ＨＤＬコレステロール、中性脂肪及び空腹時血糖の値を維持または改善出来れば、生活習慣病の患者を減らす一助となる。
【0005】
一方で、ラクトフェリンには脂質代謝改善作用があるにもかかわらず、継続的にラクトフェリンを摂取しても総コレステロール、ＬＤＬコレステロール、ＨＤＬコレステロール、中性脂肪及び空腹時血糖の値に改善効果がみられない人がいることを見出した。
【0006】
そこで、本発明者らは、ラクトフェリン摂取群及びラクトフェリン非摂取群を対象にゲノムワイド関連解析（以下、ＧＷＡＳともいう）を用いて一塩基多型（以下、ＳＮＰ（複数形：ＳＮＰｓ）ともいう）を網羅的に解析したところ、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖の低減効果に関連するＳＮＰｓを見出した。
【0007】
本発明の課題は、ラクトフェリンの摂取効果を予測できる予測方法及びラクトフェリンを含有する飲食品組成物を提供することにある。特に、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果をラクトフェリン摂取者の一塩基多型情報に基づいて予測する予測方法及びラクトフェリンを含有する飲食品組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の態様を包含する。
［１］被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs11999258、rs654139、rs659818、rs660323、rs6503638、rs4811530、rs9362203、rs12652500、rs6444705、rs4255220、rs35338079、rs6454463、rs1378127、rs60978131、rs12821706、rs2115520、rs78107101、rs74250602、rs6670655、rs28609156、rs55957523、rs2012869、rs7025293、rs41424745、rs447558、rs12437834、rs1537014、rs654523、rs876056、rs55918609、rs6987915、rs74673843、rs7765191、rs17153028、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779、rs954037、rs17469009、rs560059、rs7927955、rs1255533、rs7650285、及びrs6815672からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測方法。
［２］前記判定する工程において、前記登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する、［１］に記載のラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測方法。
［３］さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記総コレステロール低減効果の程度を補正する工程を含む、［１］又は［２］に記載のラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測方法。
［４］被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs11999258、rs654139、rs659818、rs660323、rs6503638、rs4811530、rs9362203、rs12652500、rs6444705、rs4255220、rs35338079、rs6454463、rs1378127、rs60978131、rs12821706、rs2115520、rs78107101、rs74250602、rs6670655、rs28609156、rs55957523、rs2012869、rs7025293、rs41424745、rs447558、rs12437834、rs1537014、rs654523、rs876056、rs55918609、rs6987915、rs74673843、rs7765191、rs17153028、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779、rs954037、rs17469009、rs560059、rs7927955、rs1255533、rs7650285、及びrs6815672からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測システム。
［５］前記一塩基多型が、前記登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、［４］に記載のラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測システム。
［６］前記入力部に、さらに前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報が入力され、前記予測システムが、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、総コレステロール低減効果の程度を補正する補正部をさらに含む、［４］又は［５］に記載のラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測システム。
［７］対象の総コレステロール低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
［８］被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs513114、rs2360166、rs2307306、rs78107101、rs1868435、rs1378127、rs10849372、rs872699、rs9535279、rs7796182、rs3782475、rs142070657、rs4755367、rs12652500、rs11030210、rs10938978、rs6953944、rs4078356、rs41424745、rs6454463、rs10902813、rs57663220、rs4969331、rs4969236、rs4410822、rs11980518、rs36148766、rs202228820、rs9507881、rs59069517、rs2087343、rs2092772、rs902771、rs55743856、rs2187048、rs17624357、rs77431709、rs17153028、rs12545265、rs7765191、rs4750727、rs28609156、rs55957523、rs6575806、rs560059、rs10509369、rs11954601、rs9378541、rs61419621、rs13076001、rs78480057、rs80295512、rs706045、rs9853873、rs76069417、rs2067876、rs74406934、rs578708、rs12916332、rs1127745、rs1127743、rs7109140、rs13150268、rs1157492、rs11665452、rs11236644、rs4395923、rs9507713及びrs247179からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＬＤＬコレステロール低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測方法。
［９］前記判定する工程において、前記登録番号rs7109140、rs13150268及びrs11236644からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する、［８］に記載のラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測方法。
［１０］さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記ＬＤＬコレステロール低減効果の程度を補正する工程を含む、［８］又は［９］に記載のラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測方法。
［１１］被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs513114、rs2360166、rs2307306、rs78107101、rs1868435、rs1378127、rs10849372、rs872699、rs9535279、rs7796182、rs3782475、rs142070657、rs4755367、rs12652500、rs11030210、rs10938978、rs6953944、rs4078356、rs41424745、rs6454463、rs10902813、rs57663220、rs4969331、rs4969236、rs4410822、rs11980518、rs36148766、rs202228820、rs9507881、rs59069517、rs2087343、rs2092772、rs902771、rs55743856、rs2187048、rs17624357、rs77431709、rs17153028、rs12545265、rs7765191、rs4750727、rs28609156、rs55957523、rs6575806、rs560059、rs10509369、rs11954601、rs9378541、rs61419621、rs13076001、rs78480057、rs80295512、rs706045、rs9853873、rs76069417、rs2067876、rs74406934、rs578708、rs12916332、rs1127745、rs1127743、rs7109140、rs13150268、rs1157492、rs11665452、rs11236644、rs4395923、rs9507713及びrs247179からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＬＤＬコレステロール低減効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測システム。
［１２］前記一塩基多型が、前記登録番号rs7109140、rs13150268及びrs11236644からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、［１１］に記載のラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測システム。
［１３］前記入力部に、さらに前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報が入力され、前記予測システムが、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、ＬＤＬコレステロール低減効果の程度を補正する補正部をさらに含む、［１１］又は［１２］に記載のラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測システム。
［１４］対象のＬＤＬコレステロール低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs7109140、rs13150268及びrs11236644からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
［１５］被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs73085186、rs1385213、rs12638651、rs3733082、rs56708826、rs12591900、rs8040834、rs7935733、rs4731627、rs7819518、rs297276、rs1720326、rs12864812、rs1494225、rs77933765、rs11555351、rs3981、rs149116714、rs11948241、rs75407408、rs73604952、rs16827624、rs79319846、rs78468528、rs208358、rs7193420、rs77306981、rs1038587、rs1799931、rs16887217、rs6796173、rs7806011、rs7794040、rs6888011、rs10215721、rs1019382、rs10787419、rs3932728、rs7159326、rs73816007、rs6454568、rs4381541、rs1681053、rs11072975、rs1509547、rs9559508、rs4405810、rs352340、rs8008884、rs2326486、rs1865574、rs9985134、rs11135930、rs11073650、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs870550、rs11135932、rs77706234、rs3125929、rs4820821、rs5763604、rs5763662、rs10102733、rs7109000、rs6719628、rs72893851、rs3793301、rs6544366、rs9827374、rs10092988、rs75717958、rs9833256、rs3812335、rs975563、rs9533298、rs1801182及びrs56081500からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＨＤＬコレステロール上昇効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測方法。
［１６］前記判定する工程において、前記登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する、［１５］に記載のラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測方法。
［１７］さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記ＨＤＬコレステロール上昇効果の程度を補正する工程を含む、［１５］又は［１６］に記載のラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測方法。
［１８］被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs73085186、rs1385213、rs12638651、rs3733082、rs56708826、rs12591900、rs8040834、rs7935733、rs4731627、rs7819518、rs297276、rs1720326、rs12864812、rs1494225、rs77933765、rs11555351、rs3981、rs149116714、rs11948241、rs75407408、rs73604952、rs16827624、rs79319846、rs78468528、rs208358、rs7193420、rs77306981、rs1038587、rs1799931、rs16887217、rs6796173、rs7806011、rs7794040、rs6888011、rs10215721、rs1019382、rs10787419、rs3932728、rs7159326、rs73816007、rs6454568、rs4381541、rs1681053、rs11072975、rs1509547、rs9559508、rs4405810、rs352340、rs8008884、rs2326486、rs1865574、rs9985134、rs11135930、rs11073650、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs870550、rs11135932、rs77706234、rs3125929、rs4820821、rs5763604、rs5763662、rs10102733、rs7109000、rs6719628、rs72893851、rs3793301、rs6544366、rs9827374、rs10092988、rs75717958、rs9833256、rs3812335、rs975563、rs9533298、rs1801182及びrs56081500からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＨＤＬコレステロール上昇効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測システム。
［１９］前記一塩基多型が、前記登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、［１８］に記載のラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測システム。
［２０］前記入力部に、さらに前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報が入力され、前記予測システムが、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、ＨＤＬコレステロール上昇効果の程度を補正する補正部をさらに含む、［１８］又は［１９］に記載のラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測システム。
［２１］対象のＨＤＬコレステロール上昇に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
［２２］被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4440958、rs10926298、rs4131542、rs2908000、rs3787399、rs12663232、rs1968681、rs10775226、rs28723477、rs11170264、rs7536668、rs75603375、rs11170249、rs11170250、rs11835897、rs11683443、rs4332915、rs3887925、rs9903292、rs7823221、rs8097673、rs3848073、rs17091741、rs6455893、rs12409617、rs2612390、rs1123509、rs1373966、rs62366308、rs7004403、rs2450209、rs4842169、rs12881368、rs10121981、rs4981194、rs7612256、rs58098457、rs2407177、rs7712594、rs7651051、rs11949873、rs4747916、rs17828957、rs8012701、rs2270324、rs1760944、rs11206349、rs35662478、rs75604067、rs230166、rs78601613、rs74431421、rs271342、rs9296294及びrs16911453からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる中性脂肪低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測方法。
［２３］前記判定する工程において、前記登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型のアレルを判定する、［２２］に記載のラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測方法。
［２４］さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記中性脂肪低減効果の程度を補正する工程を含む、［２２］又は［２３］に記載の予測方法。
［２５］被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4440958、rs10926298、rs4131542、rs2908000、rs3787399、rs12663232、rs1968681、rs10775226、rs28723477、rs11170264、rs7536668、rs75603375、rs11170249、rs11170250、rs11835897、rs11683443、rs4332915、rs3887925、rs9903292、rs7823221、rs8097673、rs3848073、rs17091741、rs6455893、rs12409617、rs2612390、rs1123509、rs1373966、rs62366308、rs7004403、rs2450209、rs4842169、rs12881368、rs10121981、rs4981194、rs7612256、rs58098457、rs2407177、rs7712594、rs7651051、rs11949873、rs4747916、rs17828957、rs8012701、rs2270324、rs1760944、rs11206349、rs35662478、rs75604067、rs230166、rs78601613、rs74431421、rs271342、rs9296294及びrs16911453からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる中性脂肪低減効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測システム。
［２６］前記一塩基多型が、前記登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型である、［２５］に記載のラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測システム。
［２７］前記入力部に、さらに前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報が入力され、前記予測システムが、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、中性脂肪低減効果の程度を補正する補正部をさらに含む、［２５］又は［２６］に記載のラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測システム。
［２８］対象の中性脂肪低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
［２９］被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4807944、rs7087125、rs4620236、rs220291、rs2536501、rs115034638、rs9304302、rs72913608、rs11727845、rs78519877、rs76036278、rs10012483、rs10025344、rs72615899、rs11997691、rs4780054、rs4956035、rs4547871、rs6593296、rs9905211、rs3025170、rs10761659、rs16854251、rs8068574、rs4652101、rs11660733、rs2655234、rs635247、rs11151935、rs12208969、rs277536、rs730278、rs9376046、rs73024364、rs153225、rs34241583、rs7637081、rs1148540、rs10282225、rs9855392、rs669161、rs4328435、rs3735925、rs56251528、rs6836368、rs6651443、rs12465524、rs77686101、rs13284968、rs729525、rs1514327、rs657816、rs74798626、rs79457831、rs77308811、rs72725487、rs7148256、rs3129949、rs1003878、rs3117137、rs12491304、rs62243155、rs7844036、rs12054152、rs16931455、rs17014429、rs11060700、rs1353811、rs10026485、rs11723502、rs17311875、rs12088391、rs1250574及びrs17563513からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる空腹時血糖低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測方法。
［３０］前記判定する工程において、前記登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291、rs729525、rs1514327、rs657816、rs7844036及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する、［２９］に記載のラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測方法。
［３１］さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記空腹時血糖低減効果の程度を補正する工程を含む、［２９］又は［３０］に記載のラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測方法。
［３２］被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4807944、rs7087125、rs4620236、rs220291、rs2536501、rs115034638、rs9304302、rs72913608、rs11727845、rs78519877、rs76036278、rs10012483、rs10025344、rs72615899、rs11997691、rs4780054、rs4956035、rs4547871、rs6593296、rs9905211、rs3025170、rs10761659、rs16854251、rs8068574、rs4652101、rs11660733、rs2655234、rs635247、rs11151935、rs12208969、rs277536、rs730278、rs9376046、rs73024364、rs153225、rs34241583、rs7637081、rs1148540、rs10282225、rs9855392、rs669161、rs4328435、rs3735925、rs56251528、rs6836368、rs6651443、rs12465524、rs77686101、rs13284968、rs729525、rs1514327、rs657816、rs74798626、rs79457831、rs77308811、rs72725487、rs7148256、rs3129949、rs1003878、rs3117137、rs12491304、rs62243155、rs7844036、rs12054152、rs16931455、rs17014429、rs11060700、rs1353811、rs10026485、rs11723502、rs17311875、rs12088391、rs1250574及びrs17563513からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる空腹時血糖低減効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測システム。
［３３］前記一塩基多型が、前記登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291、rs729525、rs1514327、rs657816、rs7844036及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、［３２］に記載の予測システム。
［３４］前記入力部に、さらに前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報が入力され、前記予測システムが、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、空腹時血糖低減効果効果の程度を補正する補正部をさらに含む、［３２］又は［３３］に記載のラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測システム。
［３５］対象の空腹時血糖低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291、rs729525、rs1514327、rs657816、rs7844036及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
［１］被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs11999258、rs654139、rs659818、rs660323、rs6503638、rs4811530、rs9362203、rs12652500、rs6444705、rs4255220、rs35338079、rs6454463、rs1378127、rs60978131、rs12821706、rs2115520、rs78107101、rs74250602、rs6670655、rs28609156、rs55957523、rs2012869、rs7025293、rs41424745、rs447558、rs12437834、rs1537014、rs654523、rs876056、rs55918609、rs6987915、rs74673843、rs7765191、rs17153028、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779、rs954037、rs17469009、rs560059、rs7927955、rs1255533、rs7650285、及びrs6815672からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測方法。
［２］前記判定する工程において、前記登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する、［１］に記載のラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測方法。
［３］さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記総コレステロール低減効果の程度を補正する工程を含む、［１］又は［２］に記載のラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測方法。
［４］被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs11999258、rs654139、rs659818、rs660323、rs6503638、rs4811530、rs9362203、rs12652500、rs6444705、rs4255220、rs35338079、rs6454463、rs1378127、rs60978131、rs12821706、rs2115520、rs78107101、rs74250602、rs6670655、rs28609156、rs55957523、rs2012869、rs7025293、rs41424745、rs447558、rs12437834、rs1537014、rs654523、rs876056、rs55918609、rs6987915、rs74673843、rs7765191、rs17153028、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779、rs954037、rs17469009、rs560059、rs7927955、rs1255533、rs7650285、及びrs6815672からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測システム。
［５］前記一塩基多型が、前記登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、［４］に記載のラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測システム。
［６］前記入力部に、さらに前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報が入力され、前記予測システムが、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、総コレステロール低減効果の程度を補正する補正部をさらに含む、［４］又は［５］に記載のラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測システム。
［７］対象の総コレステロール低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
［８］被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs513114、rs2360166、rs2307306、rs78107101、rs1868435、rs1378127、rs10849372、rs872699、rs9535279、rs7796182、rs3782475、rs142070657、rs4755367、rs12652500、rs11030210、rs10938978、rs6953944、rs4078356、rs41424745、rs6454463、rs10902813、rs57663220、rs4969331、rs4969236、rs4410822、rs11980518、rs36148766、rs202228820、rs9507881、rs59069517、rs2087343、rs2092772、rs902771、rs55743856、rs2187048、rs17624357、rs77431709、rs17153028、rs12545265、rs7765191、rs4750727、rs28609156、rs55957523、rs6575806、rs560059、rs10509369、rs11954601、rs9378541、rs61419621、rs13076001、rs78480057、rs80295512、rs706045、rs9853873、rs76069417、rs2067876、rs74406934、rs578708、rs12916332、rs1127745、rs1127743、rs7109140、rs13150268、rs1157492、rs11665452、rs11236644、rs4395923、rs9507713及びrs247179からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＬＤＬコレステロール低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測方法。
［９］前記判定する工程において、前記登録番号rs7109140、rs13150268及びrs11236644からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する、［８］に記載のラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測方法。
［１０］さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記ＬＤＬコレステロール低減効果の程度を補正する工程を含む、［８］又は［９］に記載のラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測方法。
［１１］被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs513114、rs2360166、rs2307306、rs78107101、rs1868435、rs1378127、rs10849372、rs872699、rs9535279、rs7796182、rs3782475、rs142070657、rs4755367、rs12652500、rs11030210、rs10938978、rs6953944、rs4078356、rs41424745、rs6454463、rs10902813、rs57663220、rs4969331、rs4969236、rs4410822、rs11980518、rs36148766、rs202228820、rs9507881、rs59069517、rs2087343、rs2092772、rs902771、rs55743856、rs2187048、rs17624357、rs77431709、rs17153028、rs12545265、rs7765191、rs4750727、rs28609156、rs55957523、rs6575806、rs560059、rs10509369、rs11954601、rs9378541、rs61419621、rs13076001、rs78480057、rs80295512、rs706045、rs9853873、rs76069417、rs2067876、rs74406934、rs578708、rs12916332、rs1127745、rs1127743、rs7109140、rs13150268、rs1157492、rs11665452、rs11236644、rs4395923、rs9507713及びrs247179からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＬＤＬコレステロール低減効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測システム。
［１２］前記一塩基多型が、前記登録番号rs7109140、rs13150268及びrs11236644からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、［１１］に記載のラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測システム。
［１３］前記入力部に、さらに前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報が入力され、前記予測システムが、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、ＬＤＬコレステロール低減効果の程度を補正する補正部をさらに含む、［１１］又は［１２］に記載のラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測システム。
［１４］対象のＬＤＬコレステロール低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs7109140、rs13150268及びrs11236644からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
［１５］被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs73085186、rs1385213、rs12638651、rs3733082、rs56708826、rs12591900、rs8040834、rs7935733、rs4731627、rs7819518、rs297276、rs1720326、rs12864812、rs1494225、rs77933765、rs11555351、rs3981、rs149116714、rs11948241、rs75407408、rs73604952、rs16827624、rs79319846、rs78468528、rs208358、rs7193420、rs77306981、rs1038587、rs1799931、rs16887217、rs6796173、rs7806011、rs7794040、rs6888011、rs10215721、rs1019382、rs10787419、rs3932728、rs7159326、rs73816007、rs6454568、rs4381541、rs1681053、rs11072975、rs1509547、rs9559508、rs4405810、rs352340、rs8008884、rs2326486、rs1865574、rs9985134、rs11135930、rs11073650、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs870550、rs11135932、rs77706234、rs3125929、rs4820821、rs5763604、rs5763662、rs10102733、rs7109000、rs6719628、rs72893851、rs3793301、rs6544366、rs9827374、rs10092988、rs75717958、rs9833256、rs3812335、rs975563、rs9533298、rs1801182及びrs56081500からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＨＤＬコレステロール上昇効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測方法。
［１６］前記判定する工程において、前記登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する、［１５］に記載のラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測方法。
［１７］さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記ＨＤＬコレステロール上昇効果の程度を補正する工程を含む、［１５］又は［１６］に記載のラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測方法。
［１８］被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs73085186、rs1385213、rs12638651、rs3733082、rs56708826、rs12591900、rs8040834、rs7935733、rs4731627、rs7819518、rs297276、rs1720326、rs12864812、rs1494225、rs77933765、rs11555351、rs3981、rs149116714、rs11948241、rs75407408、rs73604952、rs16827624、rs79319846、rs78468528、rs208358、rs7193420、rs77306981、rs1038587、rs1799931、rs16887217、rs6796173、rs7806011、rs7794040、rs6888011、rs10215721、rs1019382、rs10787419、rs3932728、rs7159326、rs73816007、rs6454568、rs4381541、rs1681053、rs11072975、rs1509547、rs9559508、rs4405810、rs352340、rs8008884、rs2326486、rs1865574、rs9985134、rs11135930、rs11073650、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs870550、rs11135932、rs77706234、rs3125929、rs4820821、rs5763604、rs5763662、rs10102733、rs7109000、rs6719628、rs72893851、rs3793301、rs6544366、rs9827374、rs10092988、rs75717958、rs9833256、rs3812335、rs975563、rs9533298、rs1801182及びrs56081500からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＨＤＬコレステロール上昇効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測システム。
［１９］前記一塩基多型が、前記登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、［１８］に記載のラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測システム。
［２０］前記入力部に、さらに前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報が入力され、前記予測システムが、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、ＨＤＬコレステロール上昇効果の程度を補正する補正部をさらに含む、［１８］又は［１９］に記載のラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測システム。
［２１］対象のＨＤＬコレステロール上昇に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
［２２］被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4440958、rs10926298、rs4131542、rs2908000、rs3787399、rs12663232、rs1968681、rs10775226、rs28723477、rs11170264、rs7536668、rs75603375、rs11170249、rs11170250、rs11835897、rs11683443、rs4332915、rs3887925、rs9903292、rs7823221、rs8097673、rs3848073、rs17091741、rs6455893、rs12409617、rs2612390、rs1123509、rs1373966、rs62366308、rs7004403、rs2450209、rs4842169、rs12881368、rs10121981、rs4981194、rs7612256、rs58098457、rs2407177、rs7712594、rs7651051、rs11949873、rs4747916、rs17828957、rs8012701、rs2270324、rs1760944、rs11206349、rs35662478、rs75604067、rs230166、rs78601613、rs74431421、rs271342、rs9296294及びrs16911453からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる中性脂肪低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測方法。
［２３］前記判定する工程において、前記登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型のアレルを判定する、［２２］に記載のラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測方法。
［２４］さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記中性脂肪低減効果の程度を補正する工程を含む、［２２］又は［２３］に記載の予測方法。
［２５］被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4440958、rs10926298、rs4131542、rs2908000、rs3787399、rs12663232、rs1968681、rs10775226、rs28723477、rs11170264、rs7536668、rs75603375、rs11170249、rs11170250、rs11835897、rs11683443、rs4332915、rs3887925、rs9903292、rs7823221、rs8097673、rs3848073、rs17091741、rs6455893、rs12409617、rs2612390、rs1123509、rs1373966、rs62366308、rs7004403、rs2450209、rs4842169、rs12881368、rs10121981、rs4981194、rs7612256、rs58098457、rs2407177、rs7712594、rs7651051、rs11949873、rs4747916、rs17828957、rs8012701、rs2270324、rs1760944、rs11206349、rs35662478、rs75604067、rs230166、rs78601613、rs74431421、rs271342、rs9296294及びrs16911453からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる中性脂肪低減効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測システム。
［２６］前記一塩基多型が、前記登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型である、［２５］に記載のラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測システム。
［２７］前記入力部に、さらに前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報が入力され、前記予測システムが、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、中性脂肪低減効果の程度を補正する補正部をさらに含む、［２５］又は［２６］に記載のラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測システム。
［２８］対象の中性脂肪低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
［２９］被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4807944、rs7087125、rs4620236、rs220291、rs2536501、rs115034638、rs9304302、rs72913608、rs11727845、rs78519877、rs76036278、rs10012483、rs10025344、rs72615899、rs11997691、rs4780054、rs4956035、rs4547871、rs6593296、rs9905211、rs3025170、rs10761659、rs16854251、rs8068574、rs4652101、rs11660733、rs2655234、rs635247、rs11151935、rs12208969、rs277536、rs730278、rs9376046、rs73024364、rs153225、rs34241583、rs7637081、rs1148540、rs10282225、rs9855392、rs669161、rs4328435、rs3735925、rs56251528、rs6836368、rs6651443、rs12465524、rs77686101、rs13284968、rs729525、rs1514327、rs657816、rs74798626、rs79457831、rs77308811、rs72725487、rs7148256、rs3129949、rs1003878、rs3117137、rs12491304、rs62243155、rs7844036、rs12054152、rs16931455、rs17014429、rs11060700、rs1353811、rs10026485、rs11723502、rs17311875、rs12088391、rs1250574及びrs17563513からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる空腹時血糖低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測方法。
［３０］前記判定する工程において、前記登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291、rs729525、rs1514327、rs657816、rs7844036及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する、［２９］に記載のラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測方法。
［３１］さらに、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、前記空腹時血糖低減効果の程度を補正する工程を含む、［２９］又は［３０］に記載のラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測方法。
［３２］被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4807944、rs7087125、rs4620236、rs220291、rs2536501、rs115034638、rs9304302、rs72913608、rs11727845、rs78519877、rs76036278、rs10012483、rs10025344、rs72615899、rs11997691、rs4780054、rs4956035、rs4547871、rs6593296、rs9905211、rs3025170、rs10761659、rs16854251、rs8068574、rs4652101、rs11660733、rs2655234、rs635247、rs11151935、rs12208969、rs277536、rs730278、rs9376046、rs73024364、rs153225、rs34241583、rs7637081、rs1148540、rs10282225、rs9855392、rs669161、rs4328435、rs3735925、rs56251528、rs6836368、rs6651443、rs12465524、rs77686101、rs13284968、rs729525、rs1514327、rs657816、rs74798626、rs79457831、rs77308811、rs72725487、rs7148256、rs3129949、rs1003878、rs3117137、rs12491304、rs62243155、rs7844036、rs12054152、rs16931455、rs17014429、rs11060700、rs1353811、rs10026485、rs11723502、rs17311875、rs12088391、rs1250574及びrs17563513からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる空腹時血糖低減効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測システム。
［３３］前記一塩基多型が、前記登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291、rs729525、rs1514327、rs657816、rs7844036及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、［３２］に記載の予測システム。
［３４］前記入力部に、さらに前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報が入力され、前記予測システムが、前記被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、空腹時血糖低減効果効果の程度を補正する補正部をさらに含む、［３２］又は［３３］に記載のラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測システム。
［３５］対象の空腹時血糖低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291、rs729525、rs1514327、rs657816、rs7844036及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、ラクトフェリンの摂取効果を予測できる予測方法及びラクトフェリンを含有する飲食品組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一態様における予測システムを表すブロック図である。
【図2】本発明の一態様におけるラクトフェリンの総コレステロール低減効果を予測する手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の他の態様における予測システムを表すブロック図である。
【図4】本発明の他の態様におけるラクトフェリンの総コレステロール低減効果を予測する手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の態様におけるシステムにより出力される出力結果の表示の一例である。
【図6】総コレステロール値の変化割合の実測値に対する本発明の実施形態に係る回帰モデルによって推定される総コレステロール値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【図7】総コレステロール値の変化割合の実測値に対する本発明の実施形態に係る回帰モデルによって推定される総コレステロール値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【図8】ＬＤＬコレステロール値の変化割合の実測値に対する本発明の実施形態に係る回帰モデルによって推定されるＬＤＬコレステロール値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【図9】ＬＤＬコレステロール値の変化割合の実測値に対する本発明の実施形態に係る回帰モデルによって推定されるＬＤＬコレステロール値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【図10】ＨＤＬコレステロール値の変化割合の実測値に対する本発明の実施形態に係る回帰モデルによって推定されるＨＤＬコレステロール値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【図11】ＨＤＬコレステロール値の変化割合の実測値に対する本発明の実施形態に係る回帰モデルによって推定されるＨＤＬコレステロール値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【図12】中性脂肪値の変化割合の実測値に対する本発明の実施形態に係る回帰モデルによって推定される中性脂肪値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【図13】中性脂肪値の変化割合の実測値に対する本発明の実施形態に係る回帰モデルによって推定される中性脂肪値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【図14】空腹時血糖値の変化割合の実測値に対する本発明の実施形態に係る回帰モデルによって推定される空腹時血糖値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【図15】空腹時血糖値の変化割合の実測値に対する本発明の実施形態に係る回帰モデルによって推定される空腹時血糖値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
用語「被験者」及び「対象」は、ヒトである。
用語「被験者」及び「対象」は、ヒトである。
【0012】
＜ラクトフェリン＞
ラクトフェリンは、鉄結合性の糖蛋白質であり、ヒトを含む哺乳動物の乳汁、唾液、汗、涙液及び血液等の体液、粘液、好中球及び消化管粘膜の細胞表面等に存在する。ラクトフェリンの摂取を目的とする場合、ラクトフェリンは、市販のラクトフェリン、哺乳類（例えば人、牛、羊、山羊及び馬等）の初乳、移行乳、常乳、末期乳等又はこれらの乳の処理物である脱脂乳又はホエ一等から、常法（例えば、イオン交換クロマトグラフィー）により分離したラクトフェリン、植物（例えばトマト、イネ及びタバコ等）から生産されたラクトフェリン、遺伝子組み換えによって得られたラクトフェリンが挙げられる。これらは、１種単独で又は２種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、ラクトフェリンとしては、牛由来のものが好ましい。ラクトフェリンは、通常の製法にて製造された物が挙げられるが、凍結乾燥品又はスプレードライ品であることが好ましい。
ラクトフェリンは、鉄結合性の糖蛋白質であり、ヒトを含む哺乳動物の乳汁、唾液、汗、涙液及び血液等の体液、粘液、好中球及び消化管粘膜の細胞表面等に存在する。ラクトフェリンの摂取を目的とする場合、ラクトフェリンは、市販のラクトフェリン、哺乳類（例えば人、牛、羊、山羊及び馬等）の初乳、移行乳、常乳、末期乳等又はこれらの乳の処理物である脱脂乳又はホエ一等から、常法（例えば、イオン交換クロマトグラフィー）により分離したラクトフェリン、植物（例えばトマト、イネ及びタバコ等）から生産されたラクトフェリン、遺伝子組み換えによって得られたラクトフェリンが挙げられる。これらは、１種単独で又は２種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、ラクトフェリンとしては、牛由来のものが好ましい。ラクトフェリンは、通常の製法にて製造された物が挙げられるが、凍結乾燥品又はスプレードライ品であることが好ましい。
【0013】
（第１の実施形態）
＜ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果の予測方法＞
本実施形態の一態様は、被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs11999258、rs654139、rs659818、rs660323、rs6503638、rs4811530、rs9362203、rs12652500、rs6444705、rs4255220、rs35338079、rs6454463、rs1378127、rs60978131、rs12821706、rs2115520、rs78107101、rs74250602、rs6670655、rs28609156、rs55957523、rs2012869、rs7025293、rs41424745、rs447558、rs12437834、rs1537014、rs654523、rs876056、rs55918609、rs6987915、rs74673843、rs7765191、rs17153028、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779、rs954037、rs17469009、rs560059、rs7927955、rs1255533、rs7650285、及びrs6815672からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測方法である。
＜ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果の予測方法＞
本実施形態の一態様は、被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs11999258、rs654139、rs659818、rs660323、rs6503638、rs4811530、rs9362203、rs12652500、rs6444705、rs4255220、rs35338079、rs6454463、rs1378127、rs60978131、rs12821706、rs2115520、rs78107101、rs74250602、rs6670655、rs28609156、rs55957523、rs2012869、rs7025293、rs41424745、rs447558、rs12437834、rs1537014、rs654523、rs876056、rs55918609、rs6987915、rs74673843、rs7765191、rs17153028、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779、rs954037、rs17469009、rs560059、rs7927955、rs1255533、rs7650285、及びrs6815672からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測方法である。
【0014】
本実施形態のもう一つの態様は、被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs513114、rs2360166、rs2307306、rs78107101、rs1868435、rs1378127、rs10849372、rs872699、rs9535279、rs7796182、rs3782475、rs142070657、rs4755367、rs12652500、rs11030210、rs10938978、rs6953944、rs4078356、rs41424745、rs6454463、rs10902813、rs57663220、rs4969331、rs4969236、rs4410822、rs11980518、rs36148766、rs202228820、rs9507881、rs59069517、rs2087343、rs2092772、rs902771、rs55743856、rs2187048、rs17624357、rs77431709、rs17153028、rs12545265、rs7765191、rs4750727、rs28609156、rs55957523、rs6575806、rs560059、rs10509369、rs11954601、rs9378541、rs61419621、rs13076001、rs78480057、rs80295512、rs706045、rs9853873、rs76069417、rs2067876、rs74406934、rs578708、rs12916332、rs1127745、rs1127743、rs7109140、rs13150268、rs1157492、rs11665452、rs11236644、rs4395923、rs9507713及びrs247179からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＬＤＬコレステロール低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測方法である。
【0015】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs73085186、rs1385213、rs12638651、rs3733082、rs56708826、rs12591900、rs8040834、rs7935733、rs4731627、rs7819518、rs297276、rs1720326、rs12864812、rs1494225、rs77933765、rs11555351、rs3981、rs149116714、rs11948241、rs75407408、rs73604952、rs16827624、rs79319846、rs78468528、rs208358、rs7193420、rs77306981、rs1038587、rs1799931、rs16887217、rs6796173、rs7806011、rs7794040、rs6888011、rs10215721、rs1019382、rs10787419、rs3932728、rs7159326、rs73816007、rs6454568、rs4381541、rs1681053、rs11072975、rs1509547、rs9559508、rs4405810、rs352340、rs8008884、rs2326486、rs1865574、rs9985134、rs11135930、rs11073650、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs870550、rs11135932、rs77706234、rs3125929、rs4820821、rs5763604、rs5763662、rs10102733、rs7109000、rs6719628、rs72893851、rs3793301、rs6544366、rs9827374、rs10092988、rs75717958、rs9833256、rs3812335、rs975563、rs9533298、rs1801182及びrs56081500からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＨＤＬコレステロール上昇効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測方法である。
【0016】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4440958、rs10926298、rs4131542、rs2908000、rs3787399、rs12663232、rs1968681、rs10775226、rs28723477、rs11170264、rs7536668、rs75603375、rs11170249、rs11170250、rs11835897、rs11683443、rs4332915、rs3887925、rs9903292、rs7823221、rs8097673、rs3848073、rs17091741、rs6455893、rs12409617、rs2612390、rs1123509、rs1373966、rs62366308、rs7004403、rs2450209、rs4842169、rs12881368、rs10121981、rs4981194、rs7612256、rs58098457、rs2407177、rs7712594、rs7651051、rs11949873、rs4747916、rs17828957、rs8012701、rs2270324、rs1760944、rs11206349、rs35662478、rs75604067、rs230166、rs78601613、rs74431421、rs271342、rs9296294及びrs16911453からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる中性脂肪低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測方法である。
【0017】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、被験者由来のＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4807944、rs7087125、rs4620236、rs220291、rs2536501、rs115034638、rs9304302、rs72913608、rs11727845、rs78519877、rs76036278、rs10012483、rs10025344、rs72615899、rs11997691、rs4780054、rs4956035、rs4547871、rs6593296、rs9905211、rs3025170、rs10761659、rs16854251、rs8068574、rs4652101、rs11660733、rs2655234、rs635247、rs11151935、rs12208969、rs277536、rs730278、rs9376046、rs73024364、rs153225、rs34241583、rs7637081、rs1148540、rs10282225、rs9855392、rs669161、rs4328435、rs3735925、rs56251528、rs6836368、rs6651443、rs12465524、rs77686101、rs13284968、rs729525、rs1514327、rs657816、rs74798626、rs79457831、rs77308811、rs72725487、rs7148256、rs3129949、rs1003878、rs3117137、rs12491304、rs62243155、rs7844036、rs12054152、rs16931455、rs17014429、rs11060700、rs1353811、rs10026485、rs11723502、rs17311875、rs12088391、rs1250574及びrs17563513からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる空腹時血糖低減効果を予測する工程とを含む、ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測方法である。
【0018】
＜一塩基多型＞
発明者らは、後述する実施例においてＧＷＡＳを行い、表１及び６に示すラクトフェリンの総コレステロール低減効果、表２及び７に示すラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果、表３及び８に示すラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果、表４及び９に示すラクトフェリンの中性脂肪低減効果及び表５及び１０に示すラクトフェリンの空腹時血糖低減効果に関連する一塩基多型を同定した。なお、表１～１０におけるＡ１アレル及びＡ２アレルは、使用した解析ソフトウェア（ＰＬＩＮＫ）によって選ばれ、各個人の遺伝子型をＡ２／Ａ２＝０、Ａ１／Ａ２＝１、Ａ１／Ａ１＝２と数値化し、回帰分析によるＢＥＴＡ値として示した。
発明者らは、後述する実施例においてＧＷＡＳを行い、表１及び６に示すラクトフェリンの総コレステロール低減効果、表２及び７に示すラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果、表３及び８に示すラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果、表４及び９に示すラクトフェリンの中性脂肪低減効果及び表５及び１０に示すラクトフェリンの空腹時血糖低減効果に関連する一塩基多型を同定した。なお、表１～１０におけるＡ１アレル及びＡ２アレルは、使用した解析ソフトウェア（ＰＬＩＮＫ）によって選ばれ、各個人の遺伝子型をＡ２／Ａ２＝０、Ａ１／Ａ２＝１、Ａ１／Ａ１＝２と数値化し、回帰分析によるＢＥＴＡ値として示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】
【表9】
【0028】
【表10】
【0029】
後述の実施例のＧＷＡＳ結果に示すように、表１～５に示すＳＮＰｓについては、ラクトフェリン摂取群と対照食品群の比較結果であるＩｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ－Ｐ値が１０－４未満であり、表６～１０に示すＳＮＰｓについては、ラクトフェリン摂取群でのＰ値（表６～１０中におけるＬＦ群－Ｐ値）が１０－４未満である。即ち、表１及び６に示すＳＮＰｓは、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果と関連が示唆され、表２及び７に示すＳＮＰｓは、ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果と関連が示唆され、表３及び８に示すＳＮＰｓは、ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果と関連が示唆され、表４及び９に示すＳＮＰｓは、ラクトフェリンの中性脂肪低減効果と関連が示唆され、表５及び１０に示すＳＮＰｓは、ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果と関連が示唆されたものである。
【0030】
なお、各一塩基多型のＢＥＴＡ値（表１～１０中のＢＥＴＡ（Ｉｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ））は、後述する実施例１－１及び実施例１－２に記載の方法で得られた値であり、回帰係数を指す。具体的には、実施例１－１及び実施例１－２に記載の解析において、表１～５は対照食品群の摂取前後の差とラクトフェリン摂取群の摂取前後の差を比較した際に、性別、年齢を考慮した線形回帰分析により得られる係数で、ＳＮＰのＡ１アレルを１つ持つ場合に、全く持たない場合と比較して、ＢＥＴＡ値×１００％の効果があるということを示す。なお、表６～１０におけるＢＥＴＡ（ＬＦ群）は、ラクトフェリン摂取群の摂取前後の差を比較した際に、性別、年齢を考慮した線形回帰分析により得られる係数で、ラクトフェリン摂取群においてＳＮＰのＡ１アレルを１つ持つ場合に、全く持たない場合と比較して、ＢＥＴＡ値×１００％の効果があるということを示す。以下、単にＢＥＴＡ値と記載する場合は、ＢＥＴＡ（Ｉｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ）及びＢＥＴＡ（ＬＦ群）のいずれかの値を意味する。
【0031】
なお、表中のＳＮＰ ＩＤとは、米国国立生物工学情報センター（Ｎａｔｉｏｎａｌ Ｃｅｎｔｅｒ ｆｏｒ Ｂｉｏｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ：ＮＣＢＩ）のＳＮＰデータベース（https://www.ncbi.nlm.nih.gov/snp/）における登録番号を示す。
【0032】
ラクトフェリンの総コレステロール低減効果と関連性が高いことから、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測方法においては、登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定することが好ましい。
【0033】
ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果と関連性が高いことから、ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測方法においては、登録番号rs7109140、rs13150268及びrs11236644からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定することが好ましい。
【0034】
ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果と関連性が高いことから、ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測方法においては、登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定することが好ましい。
【0035】
ラクトフェリンの中性脂肪低減効果と関連性が高いことから、ラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測方法においては、登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型のアレルを判定することが好ましい。
【0036】
ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果と関連性が高いことから、ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測方法においては、登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291、rs729525、rs1514327、rs657816、rs7844036及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定することが好ましい。
【0037】
本実施形態の一塩基多型は、上記の一塩基多型そのものであってもよいが、前記一塩基多型と連鎖不平衡の関係にある一塩基多型も含む。連鎖不平衡とは、２つの対立遺伝子がそれぞれ独立に遺伝する場合よりも大きな頻度で互いに連鎖して遺伝することをいう。本実施形態の一塩基多型として、上記の一塩基多型との連鎖不平衡係数ｒ２が０．６以上、好ましくは０．８５以上、より好ましくは０．９以上である一塩基多型を用いることができる。特定の一塩基多型と連鎖不平衡にある一塩基多型は、例えば、Ｅｎｓｅｍｂｌ Ｇｅｎｏｍｅ Ｂｒｏｗｓｅｒ（https://asia.Ensembl.org/index.html）や、ＬＤｌｉｎｋ（https://ldlink.nci.nih.gov/?tab=home）等を用いて同定することができる。あるいは、複数人から採取したＤＮＡをシークエンサーにて配列解析し、連鎖不平衡にある一塩基多型を探索することにより同定することもできる。
【0038】
例えば、表１１に示すように、総コレステロール低減効果に関連するＳＮＰｓの座位のうちrs654139とrs659818及びrs660323は、連鎖不平衡の関係（ｒ２＝０．９１８）である。他の例では、表１２に示すように、ＬＤＬコレステロール低減効果に関連する座位のうちrs9853873とrs1127745及びrs1127743は、連鎖不平衡の関係（ｒ２＝０．６８２）である。表１３に示すように、ＨＤＬコレステロール上昇効果に関連する座位のうちrs6719628とrs72893851は、連鎖不平衡の関係（ｒ２＝０．９６５）である。表１４に示すように、中性脂肪低減効果に関連する座位のうちrs12409617とrs7536668は、連鎖不平衡の関係（ｒ２＝０．９０２）である。表１５に示すように、空腹時血糖低減効果に関連する座位のうちrs17311875とrs12088391は、連鎖不平衡の関係（ｒ２＝０．７１６）である。
【0039】
一方、ＤＮＡチップ上の連鎖不平衡ＳＮＰｓにおいて、表１１のＳＮＰ ＩＤに示すＳＮＰｓは、連鎖不平衡係数が０．６以上のＳＮＰｓについては実施例１－１又は実施例１－２において抽出されたが、連鎖不平衡係数が０．６未満のＳＮＰｓについては抽出されないものもあった。具体的には、総コレステロール低減効果に関連するＳＮＰｓの座位のうちrs654139とrs636624（ｒ２＝０．２２２）は、ｒ２が０．６未満であり、この連鎖不平衡ＳＮＰは、実施例１－１又は実施例１－２で抽出されなかった。同様に、ＬＤＬコレステロール低減効果に関連するＳＮＰｓの座位については、表１２に示すＳＮＰ ＩＤの内、例えば、rs9853873とrs7625947（ｒ２＝０．５７４）は、ｒ２が０．６未満であり、この連鎖不平衡ＳＮＰは、実施例１－１又は実施例１－２で抽出されなかった。ＨＤＬコレステロール上昇効果に関連するＳＮＰｓの座位については、表１３に示すＳＮＰ ＩＤの内、例えば、rs6719628とrs11680356（ｒ２＝０．０９２）は、ｒ２が０．６未満であり、この連鎖不平衡ＳＮＰは、実施例１－１又は実施例１－２で抽出されなかった。中性脂肪低減効果に関連するＳＮＰｓの座位については、表１４に示すＳＮＰ ＩＤの内、例えば、rs12409617とrs11184726（ｒ２＝０．４２２）は、ｒ２が０．６未満であり、この連鎖不平衡ＳＮＰは、実施例１－１又は実施例１－２で抽出されなかった。空腹時血糖低減効果に関連するＳＮＰｓの座位については、表１５に示すＳＮＰ ＩＤの内、例えば、rs17311875とrs4652099（ｒ２＝０．０６５）は、ｒ２が０．６未満であり、この連鎖不平衡ＳＮＰは、実施例１－１又は実施例１－２で抽出されなかった。
【0040】
【表11】
【0041】
【表12】
【0042】
【表13】
【0043】
【表14】
【0044】
【表15】
【0045】
本実施形態の予測方法において、「一塩基多型のアレルを判定する」とは、その一塩基多型のアレルの塩基の種類を同定することを意味し、「一塩基多型を検出する」の態様には、一塩基多型の一方のアレルを検出すること、一塩基多型の両方のアレルを検出すること、一塩基多型の遺伝子型を同定することを含む。
【0046】
本実施形態の予測方法において、判定されるアレルの塩基の少なくとも一つが、ＢＥＴＡ値が負の値（ＨＤＬコレステロールの場合は正の値）であるＡ１アレルである場合、１つもＡ１アレルではない場合と比較して被験者がラクトフェリンを摂取することにより総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果が得られやすいと予測する。また、判定されるアレルの塩基の少なくとも一つが、ＢＥＴＡ値が正の値（ＨＤＬコレステロールの場合は負の値）であるＡ２アレルである場合、１つもＡ２アレルではない場合と比較して被験者がラクトフェリンを摂取することにより総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果が得られやすいと予測する。
【0047】
具体的には、表１及び６の一塩基多型の内、少なくとも１つの一塩基多型のアレルを評価することにより、被験者がラクトフェリンを摂取した場合の総コレステロール低減効果（ラクトフェリン摂取前後の総コレステロール低減変化割合）を予測する。表２及び７の一塩基多型の内、少なくとも１か所の一塩基多型のアレルを評価することにより、被験者がラクトフェリンを摂取した場合のＬＤＬコレステロール低減効果（ラクトフェリン摂取前後のＬＤＬコレステロール低減変化割合）を予測する。表３及び８の一塩基多型の内、少なくとも１か所の一塩基多型のアレルを評価することにより、被験者がラクトフェリンを摂取した場合のＨＤＬコレステロール上昇効果（ラクトフェリン摂取前後のＨＤＬコレステロール上昇変化割合）を予測する。表４及び９の一塩基多型の内、少なくとも１か所の一塩基多型のアレルを評価することにより、被験者がラクトフェリンを摂取した場合の中性脂肪低減効果（ラクトフェリン摂取前後の中性脂肪低減変化割合）を予測する。表５及び１０の一塩基多型の内、少なくとも１か所の一塩基多型のアレルを評価することにより、被験者がラクトフェリンを摂取した場合の空腹時血糖低減効果（ラクトフェリン摂取前後の空腹時血糖低減割合）を予測する。
【0048】
好ましくは、少なくとも一方のアレルが表１及び６の一塩基多型でＢＥＴＡ値が負の値のＡ１アレルであると判定されると、Ａ１アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られやすいと予測する。好ましくは、少なくとも一方のアレルが表２及び７の一塩基多型でＢＥＴＡ値が負の値のＡ１アレルであると判定されると、Ａ１アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取するとＬＤＬコレステロール低減効果が得られやすいと予測する。好ましくは、少なくとも一方のアレルが表３及び８の一塩基多型でＢＥＴＡ値が正の値のＡ１アレルであると判定されると、Ａ１アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取するとＨＤＬコレステロール上昇効果が得られやすいと予測する。好ましくは、少なくとも一方のアレルが表４及び９の一塩基多型でＢＥＴＡ値が負の値のＡ１アレルであると判定されると、Ａ１アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると中性脂肪低減効果が得られやすいと予測する。好ましくは、少なくとも一方のアレルが表５及び１０の一塩基多型でＢＥＴＡ値が負の値のＡ１アレルであると判定されると、Ａ１アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると空腹時血糖低減効果が得られやすいと予測する。
【0049】
また、少なくとも一方のアレルが表１及び６の一塩基多型でＢＥＴＡ値が正の値のＡ２アレルであると判定されると、Ａ２アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られやすいと予測する。少なくとも一方のアレルが表２及び７の一塩基多型でＢＥＴＡ値が正の値のＡ２アレルであると判定されると、Ａ２アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取するとＬＤＬコレステロール低減効果が得られやすいと予測する。好ましくは、少なくとも一方のアレルが表３及び８の一塩基多型でＢＥＴＡ値が負の値のＡ２アレルであると判定されると、Ａ２アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取するとＨＤＬコレステロール上昇効果が得られやすいと予測する。少なくとも一方のアレルが表４及び９の一塩基多型でＢＥＴＡ値が正の値のＡ２アレルであると判定されると、Ａ２アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると中性脂肪低減効果が得られやすいと予測する。好ましくは、少なくとも一方のアレルが表５及び１０の一塩基多型でＢＥＴＡ値が正の値のＡ２アレルであると判定されると、Ａ２アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると空腹時血糖低減効果が得られやすいと予測する。
【0050】
本実施形態の予測方法は、さらに、被験者の属性及び生活習慣の情報の少なくとも一つの情報に基づいて、総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果の程度を補正する工程を含んでいてもよい。
【0051】
被験者の属性及び生活習慣の情報としては、後述する＜ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果の予測システム＞にて説明される生活習慣の情報を用いることができる。
【0052】
＜ＤＮＡ含有試料＞
被験者由来のＤＮＡ含有試料としては、被験者の生体から採取されたものであれば特別な限定はないが、例えば、血液、血清、血漿、尿、バフィーコート、唾液、精液、胸部滲出液、脳脊髄液、涙液、痰、粘液、リンパ液、腹水、胸水、羊水、膀胱洗浄液、気管支肺胞洗浄液、毛髪、便、生体から直接採取された細胞又は組織等が挙げられ、これらに限定されない。ＤＮＡ含有試料としては、容易性及び低侵襲性の点から唾液が好ましい。これら試料からＤＮＡを抽出して、一塩基多型を検出する試料とすることが好ましい。
被験者由来のＤＮＡ含有試料としては、被験者の生体から採取されたものであれば特別な限定はないが、例えば、血液、血清、血漿、尿、バフィーコート、唾液、精液、胸部滲出液、脳脊髄液、涙液、痰、粘液、リンパ液、腹水、胸水、羊水、膀胱洗浄液、気管支肺胞洗浄液、毛髪、便、生体から直接採取された細胞又は組織等が挙げられ、これらに限定されない。ＤＮＡ含有試料としては、容易性及び低侵襲性の点から唾液が好ましい。これら試料からＤＮＡを抽出して、一塩基多型を検出する試料とすることが好ましい。
【0053】
ＤＮＡの抽出方法としては、特別な限定はなく、公知の方法を用いて抽出することができる。例えば、磁性ビーズ法、フェノール／クロロホルム法及びセチルトリメチルアンモニウムブロミド（ＣＴＡＢ）法等が挙げられる。ＤＮＡの抽出には、市販のキット（例えば、Ｗｉｚａｒｄ Ｇｅｎｏｍｉｃ ＤＮＡ Ｐｕｒｉｆｉｃａｔｉｏｎ Ｋｉｔ、Ｐｒｏｍｅｇａ製）を用いてもよい。
【0054】
また、ＤＮＡは、ｍＲＮＡを抽出し、このｍＲＮＡを鋳型として合成されたｃＤＮＡであってもよい。ｍＲＮＡの抽出方法としては、特別な限定はなく、公知の方法を用いて抽出することができる。例えば、グアニジンイソチオシアネート法等が挙げられる。ｍＲＮＡの抽出には、市販のキットを用いてもよい。当該キットとしては、例えば、ＮｕｃｌｅｏＴｒａｐ（登録商標） ｍＲＮＡ Ｋｉｔ（Ｃｌｏｎｔｅｃｈ製）等が挙げられる。ｃＤＮＡの合成方法についても、特別な限定はなく、公知の方法を用いて合成することができる。例えば、ランダムプライマー又はポリＴプライマーを用いて、ＲＮＡから逆転写酵素－ポリメラーゼ連鎖反応（ＲＴ－ＰＣＲ）によりｃＤＮＡを合成することができる。
【0055】
＜一塩基多型のアレル判定方法＞
ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果に関連する一塩基多型のアレルの判定は、公知の一塩基多型検出法を用いて行うことができる。例えば、ＤＮＡチップを用いる方法、直接配列決定法、ポリメラーゼ連鎖反応（ＰＣＲ）法、制限酵素断片長多型（ＲＦＬＰ）法、ハイブリダイゼーション法、ＴａｑＭａｎ（登録商標）ＰＣＲ法及び質量分析法等を用いる方法が挙げられる。
ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果に関連する一塩基多型のアレルの判定は、公知の一塩基多型検出法を用いて行うことができる。例えば、ＤＮＡチップを用いる方法、直接配列決定法、ポリメラーゼ連鎖反応（ＰＣＲ）法、制限酵素断片長多型（ＲＦＬＰ）法、ハイブリダイゼーション法、ＴａｑＭａｎ（登録商標）ＰＣＲ法及び質量分析法等を用いる方法が挙げられる。
【0056】
ＤＮＡチップを用いた方法では、基板上に多種類のＤＮＡプローブを整列して固定したＤＮＡチップを用い、標識したＤＮＡ試料をＤＮＡチップ上でハイブリダイゼーションし、プローブによる蛍光シグナルを検出する。例えば、ＤＮＡチップとしてＩｌｌｕｍｉｎａ Ｇｌｏｂａｌ Ｓｃｒｅｅｎｉｎｇ Ａｒｒａｙ＋（イルミナ社製）を用いることができる。
【0057】
本実施形態の予測方法により得られた結果は、総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果を期待する者がラクトフェリンを摂取するか否かを選択する上で有用な指標となる。例えば、ラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られると予測された者は、ラクトフェリンを積極的に摂取することを選択できる。
【0058】
（第２の実施形態）
＜総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果と関連する一塩基多型のアレルを判定するキット＞
本実施形態の一態様は、ＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs11999258、rs654139、rs659818、rs660323、rs6503638、rs4811530、rs9362203、rs12652500、rs6444705、rs4255220、rs35338079、rs6454463、rs1378127、rs60978131、rs12821706、rs2115520、rs78107101、rs74250602、rs6670655、rs28609156、rs55957523、rs2012869、rs7025293、rs41424745、rs447558、rs12437834、rs1537014、rs654523、rs876056、rs55918609、rs6987915、rs74673843、rs7765191、rs17153028、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779、rs954037、rs17469009、rs560059、rs7927955、rs1255533、rs7650285、及びrs6815672からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する１以上の核酸プローブ又はプライマーを含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果を予測するためのキットである。
＜総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果と関連する一塩基多型のアレルを判定するキット＞
本実施形態の一態様は、ＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs11999258、rs654139、rs659818、rs660323、rs6503638、rs4811530、rs9362203、rs12652500、rs6444705、rs4255220、rs35338079、rs6454463、rs1378127、rs60978131、rs12821706、rs2115520、rs78107101、rs74250602、rs6670655、rs28609156、rs55957523、rs2012869、rs7025293、rs41424745、rs447558、rs12437834、rs1537014、rs654523、rs876056、rs55918609、rs6987915、rs74673843、rs7765191、rs17153028、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779、rs954037、rs17469009、rs560059、rs7927955、rs1255533、rs7650285、及びrs6815672からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する１以上の核酸プローブ又はプライマーを含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果を予測するためのキットである。
【0059】
ラクトフェリンの総コレステロール低減効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型であることが好ましい。
【0060】
本実施形態のもう一つの態様は、ＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs513114、rs2360166、rs2307306、rs78107101、rs1868435、rs1378127、rs10849372、rs872699、rs9535279、rs7796182、rs3782475、rs142070657、rs4755367、rs12652500、rs11030210、rs10938978、rs6953944、rs4078356、rs41424745、rs6454463、rs10902813、rs57663220、rs4969331、rs4969236、rs4410822、rs11980518、rs36148766、rs202228820、rs9507881、rs59069517、rs2087343、rs2092772、rs902771、rs55743856、rs2187048、rs17624357、rs77431709、rs17153028、rs12545265、rs7765191、rs4750727、rs28609156、rs55957523、rs6575806、rs560059、rs10509369、rs11954601、rs9378541、rs61419621、rs13076001、rs78480057、rs80295512、rs706045、rs9853873、rs76069417、rs2067876、rs74406934、rs578708、rs12916332、rs1127745、rs1127743、rs7109140、rs13150268、rs1157492、rs11665452、rs11236644、rs4395923、rs9507713及びrs247179からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する１以上の核酸プローブ又はプライマーを含む、ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果を予測するためのキットである。
【0061】
ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs7109140、rs13150268及びrs11236644からなる群から選択される１以上の一塩基多型であることが好ましい。
【0062】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、ＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs73085186、rs1385213、rs12638651、rs3733082、rs56708826、rs12591900、rs8040834、rs7935733、rs4731627、rs7819518、rs297276、rs1720326、rs12864812、rs1494225、rs77933765、rs11555351、rs3981、rs149116714、rs11948241、rs75407408、rs73604952、rs16827624、rs79319846、rs78468528、rs208358、rs7193420、rs77306981、rs1038587、rs1799931、rs16887217、rs6796173、rs7806011、rs7794040、rs6888011、rs10215721、rs1019382、rs10787419、rs3932728、rs7159326、rs73816007、rs6454568、rs4381541、rs1681053、rs11072975、rs1509547、rs9559508、rs4405810、rs352340、rs8008884、rs2326486、rs1865574、rs9985134、rs11135930、rs11073650、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs870550、rs11135932、rs77706234、rs3125929、rs4820821、rs5763604、rs5763662、rs10102733、rs7109000、rs6719628、rs72893851、rs3793301、rs6544366、rs9827374、rs10092988、rs75717958、rs9833256、rs3812335、rs975563、rs9533298、rs1801182及びrs56081500からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する１以上の核酸プローブ又はプライマーを含む、ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果を予測するためのキットである。
【0063】
ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型であることが好ましい。
【0064】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、ＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4440958、rs10926298、rs4131542、rs2908000、rs3787399、rs12663232、rs1968681、rs10775226、rs28723477、rs11170264、rs7536668、rs75603375、rs11170249、rs11170250、rs11835897、rs11683443、rs4332915、rs3887925、rs9903292、rs7823221、rs8097673、rs3848073、rs17091741、rs6455893、rs12409617、rs2612390、rs1123509、rs1373966、rs62366308、rs7004403、rs2450209、rs4842169、rs12881368、rs10121981、rs4981194、rs7612256、rs58098457、rs2407177、rs7712594、rs7651051、rs11949873、rs4747916、rs17828957、rs8012701、rs2270324、rs1760944、rs11206349、rs35662478、rs75604067、rs230166、rs78601613、rs74431421、rs271342、rs9296294及びrs16911453からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する１以上の核酸プローブ又はプライマーを含む、ラクトフェリンの中性脂肪低減効果を予測するためのキットである。
【0065】
ラクトフェリンの中性脂肪低減効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型であることが好ましい。
【0066】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、ＤＮＡ含有試料中のＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4807944、rs7087125、rs4620236、rs220291、rs2536501、rs115034638、rs9304302、rs72913608、rs11727845、rs78519877、rs76036278、rs10012483、rs10025344、rs72615899、rs11997691、rs4780054、rs4956035、rs4547871、rs6593296、rs9905211、rs3025170、rs10761659、rs16854251、rs8068574、rs4652101、rs11660733、rs2655234、rs635247、rs11151935、rs12208969、rs277536、rs730278、rs9376046、rs73024364、rs153225、rs34241583、rs7637081、rs1148540、rs10282225、rs9855392、rs669161、rs4328435、rs3735925、rs56251528、rs6836368、rs6651443、rs12465524、rs77686101、rs13284968、rs729525、rs1514327、rs657816、rs74798626、rs79457831、rs77308811、rs72725487、rs7148256、rs3129949、rs1003878、rs3117137、rs12491304、rs62243155、rs7844036、rs12054152、rs16931455、rs17014429、rs11060700、rs1353811、rs10026485、rs11723502、rs17311875、rs12088391、rs1250574及びrs17563513からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルを判定する１以上の核酸プローブ又はプライマーを含む、ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果を予測するためのキットである。
【0067】
ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291、rs729525、rs1514327、rs657816、rs7844036及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型であることが好ましい。
【0068】
本実施形態のキットは、総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果と関連する一塩基多型のアレルを判定する核酸プローブ又はプライマーを含む。本実施形態のキットは、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果判定用キットとして有用である。ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果と関連する一塩基多型としては、上記＜ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果の予測方法＞において例示されたものと同じものが挙げられる。また、核酸プローブ又はプライマーについては、当業者であれば、上記＜ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果の予測方法＞において、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果と関連する一塩基多型のアレル判定方法に記載した方法に基づいて適宜作製することができる。
【0069】
例えば、核酸プローブとしては、上記の一塩基多型を含み、ハイブリダイズの有無によって一塩基多型部位の塩基の種類を判別できるプローブが挙げられる。具体的には、上記一塩基多型を含む連続する少なくとも１０塩基以上、好ましくは１５塩基以上の配列又はその相補配列を有するプローブが挙げられる。プローブの長さは、好ましくは１５～４０塩基、より好ましくは２０～３５塩基である。
【0070】
例えば、プライマーとしては、上記一塩基多型部位を増幅するためのＰＣＲに用いることのできるプライマー、又は上記一塩基多型部位を配列解析するために用いることのできるプライマーが挙げられる。具体的には、表１～１０の一塩基多型部位の塩基を含む領域の増幅や、配列解析のできるプライマーが挙げられる。上記一塩基多型部位を増幅するためのＰＣＲに用いることのできるプライマーは、前記一塩基多型部位を含む領域のＤＮＡを鋳型として、前記一塩基多型部位に向かって相補鎖合成を開始することができるオリゴヌクレオチドであればよく、このようなプライマーの長さは、１０～３０塩基が好ましく、１５～２５塩基がより好ましい。プライマーは、前記一塩基多型部位の上流または下流の位置に設定することができる。
【0071】
上記核酸プローブ又はプライマーは、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果と関連する一塩基多型とは無関係な配列が含まれていてもよい。また、上記核酸プローブ又はプライマーは、ＤＮＡとＲＮＡのキメラであってもよい。また、上記核酸プローブ又はプライマーは、蛍光物質や、ビオチン又はジゴキシンのような結合親和性物質、酵素、放射性同位元素又は発光物質等で標識されていてもよい。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン及びフルオレッセインイソチオシアネート等が挙げられる。酵素としては、例えば、パーオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、リンゴ酸脱水酵素、α－グルコシダーゼ及びα－ガラクトシダーゼ等が挙げられる。放射性同位元素としては、例えば、１２５Ｉ、１３１Ｉ、３Ｈ及び１４Ｃ等が挙げられる。発光物質としては、例えば、ルシフェリン、ルシゲニン、ルミノール及びルミノール誘導体等が挙げられる。
【0072】
本実施形態のキットは、上記核酸プローブ又はプライマーに加えて、ＳＮＰタイピングに通常用いられる試薬、陽性コントロール、溶媒及び溶質を更に含むことができる。当該試薬としては、例えば、デオキシヌクレオチド３リン酸（ｄＮＴＰｓ）やＤＮＡポリメラーゼ等が挙げられる。溶媒及び溶質としては、例えば、蒸留水、ｐＨ緩衝試薬、塩、タンパク質及び界面活性剤等が挙げられる。
【0073】
本実施形態のキットは、上記核酸プローブ又はプライマーに加えて、比較基準とするためのあるいは検量線を作成するための照合サンプル及び検出器等も含んでもよい。検出器としては、例えば、分光器、放射線検出器及び光散乱検出器等の上記核酸プローブ又はプライマーの標識を検出可能なものが挙げられる。
【0074】
（第３の実施形態）
＜バイオマーカー＞
本実施形態の一態様は、 ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs11999258、rs654139、rs659818、rs660323、rs6503638、rs4811530、rs9362203、rs12652500、rs6444705、rs4255220、rs35338079、rs6454463、rs1378127、rs60978131、rs12821706、rs2115520、rs78107101、rs74250602、rs6670655、rs28609156、rs55957523、rs2012869、rs7025293、rs41424745、rs447558、rs12437834、rs1537014、rs654523、rs876056、rs55918609、rs6987915、rs74673843、rs7765191、rs17153028、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779、rs954037、rs17469009、rs560059、rs7927955、rs1255533、rs7650285、及びrs6815672からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果を予測するためのバイオマーカーである。
＜バイオマーカー＞
本実施形態の一態様は、 ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs11999258、rs654139、rs659818、rs660323、rs6503638、rs4811530、rs9362203、rs12652500、rs6444705、rs4255220、rs35338079、rs6454463、rs1378127、rs60978131、rs12821706、rs2115520、rs78107101、rs74250602、rs6670655、rs28609156、rs55957523、rs2012869、rs7025293、rs41424745、rs447558、rs12437834、rs1537014、rs654523、rs876056、rs55918609、rs6987915、rs74673843、rs7765191、rs17153028、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779、rs954037、rs17469009、rs560059、rs7927955、rs1255533、rs7650285、及びrs6815672からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果を予測するためのバイオマーカーである。
【0075】
ラクトフェリンの総コレステロール低減効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型であることが好ましい。
【0076】
本実施形態のもう一つの態様は、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs513114、rs2360166、rs2307306、rs78107101、rs1868435、rs1378127、rs10849372、rs872699、rs9535279、rs7796182、rs3782475、rs142070657、rs4755367、rs12652500、rs11030210、rs10938978、rs6953944、rs4078356、rs41424745、rs6454463、rs10902813、rs57663220、rs4969331、rs4969236、rs4410822、rs11980518、rs36148766、rs202228820、rs9507881、rs59069517、rs2087343、rs2092772、rs902771、rs55743856、rs2187048、rs17624357、rs77431709、rs17153028、rs12545265、rs7765191、rs4750727、rs28609156、rs55957523、rs6575806、rs560059、rs10509369、rs11954601、rs9378541、rs61419621、rs13076001、rs78480057、rs80295512、rs706045、rs9853873、rs76069417、rs2067876、rs74406934、rs578708、rs12916332、rs1127745、rs1127743、rs7109140、rs13150268、rs1157492、rs11665452、rs11236644、rs4395923、rs9507713及びrs247179からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果を判定するためのバイオマーカーである。
【0077】
ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs7109140、rs13150268及びrs11236644からなる群から選択される１以上の一塩基多型であることが好ましい。
【0078】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs73085186、rs1385213、rs12638651、rs3733082、rs56708826、rs12591900、rs8040834、rs7935733、rs4731627、rs7819518、rs297276、rs1720326、rs12864812、rs1494225、rs77933765、rs11555351、rs3981、rs149116714、rs11948241、rs75407408、rs73604952、rs16827624、rs79319846、rs78468528、rs208358、rs7193420、rs77306981、rs1038587、rs1799931、rs16887217、rs6796173、rs7806011、rs7794040、rs6888011、rs10215721、rs1019382、rs10787419、rs3932728、rs7159326、rs73816007、rs6454568、rs4381541、rs1681053、rs11072975、rs1509547、rs9559508、rs4405810、rs352340、rs8008884、rs2326486、rs1865574、rs9985134、rs11135930、rs11073650、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs870550、rs11135932、rs77706234、rs3125929、rs4820821、rs5763604、rs5763662、rs10102733、rs7109000、rs6719628、rs72893851、rs3793301、rs6544366、rs9827374、rs10092988、rs75717958、rs9833256、rs3812335、rs975563、rs9533298、rs1801182及びrs56081500からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果を判定するためのバイオマーカーである。
【0079】
ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型であることが好ましい。
【0080】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4440958、rs10926298、rs4131542、rs2908000、rs3787399、rs12663232、rs1968681、rs10775226、rs28723477、rs11170264、rs7536668、rs75603375、rs11170249、rs11170250、rs11835897、rs11683443、rs4332915、rs3887925、rs9903292、rs7823221、rs8097673、rs3848073、rs17091741、rs6455893、rs12409617、rs2612390、rs1123509、rs1373966、rs62366308、rs7004403、rs2450209、rs4842169、rs12881368、rs10121981、rs4981194、rs7612256、rs58098457、rs2407177、rs7712594、rs7651051、rs11949873、rs4747916、rs17828957、rs8012701、rs2270324、rs1760944、rs11206349、rs35662478、rs75604067、rs230166、rs78601613、rs74431421、rs271342、rs9296294及びrs16911453からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、ラクトフェリンの中性脂肪低減効果を判定するためのバイオマーカーである。
【0081】
ラクトフェリンの中性脂肪低減効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型であることが好ましい。
【0082】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4807944、rs7087125、rs4620236、rs220291、rs2536501、rs115034638、rs9304302、rs72913608、rs11727845、rs78519877、rs76036278、rs10012483、rs10025344、rs72615899、rs11997691、rs4780054、rs4956035、rs4547871、rs6593296、rs9905211、rs3025170、rs10761659、rs16854251、rs8068574、rs4652101、rs11660733、rs2655234、rs635247、rs11151935、rs12208969、rs277536、rs730278、rs9376046、rs73024364、rs153225、rs34241583、rs7637081、rs1148540、rs10282225、rs9855392、rs669161、rs4328435、rs3735925、rs56251528、rs6836368、rs6651443、rs12465524、rs77686101、rs13284968、rs729525、rs1514327、rs657816、rs74798626、rs79457831、rs77308811、rs72725487、rs7148256、rs3129949、rs1003878、rs3117137、rs12491304、rs62243155、rs7844036、rs12054152、rs16931455、rs17014429、rs11060700、rs1353811、rs10026485、rs11723502、rs17311875、rs12088391、rs1250574及びrs17563513からなる群から選択される１以上の一塩基多型である、ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果を判定するためのバイオマーカーである。
【0083】
ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291、rs729525、rs1514327、rs657816、rs7844036及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型であることが好ましい。
【0084】
本明細書において、「バイオマーカー」は、ヒトにおけるラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果を予測するための遺伝子マーカーであり、つまりラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果に特異的にそして有意的に関わる核酸配列である。上記の一塩基多型が総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果と関連することは、本発明によって初めて見出された知見である。
【0085】
本実施形態のバイオマーカーを被験者のＤＮＡ含有試料から検出することにより、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果を予測することができる。
【0086】
（第４の実施形態）
＜ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果の予測システム＞
本実施形態の一態様は、被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs11999258、rs654139、rs659818、rs660323、rs6503638、rs4811530、rs9362203、rs12652500、rs6444705、rs4255220、rs35338079、rs6454463、rs1378127、rs60978131、rs12821706、rs2115520、rs78107101、rs74250602、rs6670655、rs28609156、rs55957523、rs2012869、rs7025293、rs41424745、rs447558、rs12437834、rs1537014、rs654523、rs876056、rs55918609、rs6987915、rs74673843、rs7765191、rs17153028、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779、rs954037、rs17469009、rs560059、rs7927955、rs1255533、rs7650285、及びrs6815672からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測システムである。
＜ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果の予測システム＞
本実施形態の一態様は、被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs11999258、rs654139、rs659818、rs660323、rs6503638、rs4811530、rs9362203、rs12652500、rs6444705、rs4255220、rs35338079、rs6454463、rs1378127、rs60978131、rs12821706、rs2115520、rs78107101、rs74250602、rs6670655、rs28609156、rs55957523、rs2012869、rs7025293、rs41424745、rs447558、rs12437834、rs1537014、rs654523、rs876056、rs55918609、rs6987915、rs74673843、rs7765191、rs17153028、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779、rs954037、rs17469009、rs560059、rs7927955、rs1255533、rs7650285、及びrs6815672からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測システムである。
【0087】
ラクトフェリンの総コレステロール低減効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型であることが好ましい。
【0088】
本実施形態のもう一つの態様は、被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs513114、rs2360166、rs2307306、rs78107101、rs1868435、rs1378127、rs10849372、rs872699、rs9535279、rs7796182、rs3782475、rs142070657、rs4755367、rs12652500、rs11030210、rs10938978、rs6953944、rs4078356、rs41424745、rs6454463、rs10902813、rs57663220、rs4969331、rs4969236、rs4410822、rs11980518、rs36148766、rs202228820、rs9507881、rs59069517、rs2087343、rs2092772、rs902771、rs55743856、rs2187048、rs17624357、rs77431709、rs17153028、rs12545265、rs7765191、rs4750727、rs28609156、rs55957523、rs6575806、rs560059、rs10509369、rs11954601、rs9378541、rs61419621、rs13076001、rs78480057、rs80295512、rs706045、rs9853873、rs76069417、rs2067876、rs74406934、rs578708、rs12916332、rs1127745、rs1127743、rs7109140、rs13150268、rs1157492、rs11665452、rs11236644、rs4395923、rs9507713及びrs247179からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＬＤＬコレステロール低減効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測システムである。
【0089】
ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs7109140、rs13150268及びrs11236644からなる群から選択される１以上の一塩基多型であることが好ましい。
【0090】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs73085186、rs1385213、rs12638651、rs3733082、rs56708826、rs12591900、rs8040834、rs7935733、rs4731627、rs7819518、rs297276、rs1720326、rs12864812、rs1494225、rs77933765、rs11555351、rs3981、rs149116714、rs11948241、rs75407408、rs73604952、rs16827624、rs79319846、rs78468528、rs208358、rs7193420、rs77306981、rs1038587、rs1799931、rs16887217、rs6796173、rs7806011、rs7794040、rs6888011、rs10215721、rs1019382、rs10787419、rs3932728、rs7159326、rs73816007、rs6454568、rs4381541、rs1681053、rs11072975、rs1509547、rs9559508、rs4405810、rs352340、rs8008884、rs2326486、rs1865574、rs9985134、rs11135930、rs11073650、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs870550、rs11135932、rs77706234、rs3125929、rs4820821、rs5763604、rs5763662、rs10102733、rs7109000、rs6719628、rs72893851、rs3793301、rs6544366、rs9827374、rs10092988、rs75717958、rs9833256、rs3812335、rs975563、rs9533298、rs1801182及びrs56081500からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによるＨＤＬコレステロール上昇効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測システムである。
【0091】
ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型であることが好ましい。
【0092】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4440958、rs10926298、rs4131542、rs2908000、rs3787399、rs12663232、rs1968681、rs10775226、rs28723477、rs11170264、rs7536668、rs75603375、rs11170249、rs11170250、rs11835897、rs11683443、rs4332915、rs3887925、rs9903292、rs7823221、rs8097673、rs3848073、rs17091741、rs6455893、rs12409617、rs2612390、rs1123509、rs1373966、rs62366308、rs7004403、rs2450209、rs4842169、rs12881368、rs10121981、rs4981194、rs7612256、rs58098457、rs2407177、rs7712594、rs7651051、rs11949873、rs4747916、rs17828957、rs8012701、rs2270324、rs1760944、rs11206349、rs35662478、rs75604067、rs230166、rs78601613、rs74431421、rs271342、rs9296294及びrs16911453からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる中性脂肪低減効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測システムである。
【0093】
ラクトフェリンの中性脂肪低減効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型であることが好ましい。
【0094】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、被験者の遺伝子検査結果を入力する入力部と、前記遺伝子検査結果と、データベースに保存されているＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs4807944、rs7087125、rs4620236、rs220291、rs2536501、rs115034638、rs9304302、rs72913608、rs11727845、rs78519877、rs76036278、rs10012483、rs10025344、rs72615899、rs11997691、rs4780054、rs4956035、rs4547871、rs6593296、rs9905211、rs3025170、rs10761659、rs16854251、rs8068574、rs4652101、rs11660733、rs2655234、rs635247、rs11151935、rs12208969、rs277536、rs730278、rs9376046、rs73024364、rs153225、rs34241583、rs7637081、rs1148540、rs10282225、rs9855392、rs669161、rs4328435、rs3735925、rs56251528、rs6836368、rs6651443、rs12465524、rs77686101、rs13284968、rs729525、rs1514327、rs657816、rs74798626、rs79457831、rs77308811、rs72725487、rs7148256、rs3129949、rs1003878、rs3117137、rs12491304、rs62243155、rs7844036、rs12054152、rs16931455、rs17014429、rs11060700、rs1353811、rs10026485、rs11723502、rs17311875、rs12088391、rs1250574及びrs17563513からなる群から選択される１以上の一塩基多型のアレルの情報を照合する照合部と、前記遺伝子検査結果と前記一塩基多型のアレルの情報の照合結果に基づき、前記被験者がラクトフェリンを摂取することによる空腹時血糖低減効果を予測する判定部と、前記判定部の結果を出力する出力部を含む、ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測システムである。
【0095】
ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果と関連性が高いことから、前記一塩基多型は、登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291、rs729525、rs1514327、rs657816、rs7844036及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型であることが好ましい。
【0096】
以下に、本実施形態の予測システムについて説明する。ここでは、一例としてラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測システムについて説明する。図１は、本実施形態の一態様における予測システムを表すブロック図である。図２は、本実施形態の一態様におけるラクトフェリンの総コレステロール低減効果を予測する手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態のシステム１は、入力部１０と、照合部１１と、判定部１２と、出力部１３と、データベース１４とを含む。
【0097】
システム１は、種々の情報処理及び情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータ又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。
【0098】
入力部１０は、被験者の遺伝子検査結果が入力される（Ｓ１）。被験者の遺伝子検査結果は、上述の＜一塩基多型のアレル判定方法＞で得られる結果である。被験者の遺伝子検査結果は、インターネット等のネットワークを介して入力部に入力されてもよく、被験者の遺伝子検査結果のデータが保存されたＣＤ（Compact Disc）－ＲＯＭ、ＤＶＤ（Digital Versatile Disc）－ＲＯＭ、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）メモリ、ＳＤ（Secure Digital）カード等を含む可搬型記憶媒体をシステム１に接続することで入力されてもよい。
【0099】
照合部１１では、入力部１０に入力された被験者の遺伝子検査結果と、データベース１４に保存されているラクトフェリンの総コレステロール低減効果に関連する一塩基多型の情報とが照合される（Ｓ２）。データベース１４に保存されている一塩基多型の情報とは、表１及び６に示す一塩基多型の情報である。データベース１４は、ＲＡＭ（Random Access Memory）、フラッシュメモリ、ハードディスク、ＳＳＤ（Solid State Drive）等を含む。なお、データベース１４は、コンピュータに接続された他の記憶装置であってもよく、コンピュータが通信可能な他の記憶装置であってもよい。
【0100】
判定部１２は、照合部１１で照合された結果、被験者の遺伝子検査結果がデータベース１４に保存されている一塩基多型のアレルにおいてＡ１アレル又はＡ２アレルを判定する（Ｓ３）。判定の結果、被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する（Ｓ４１又はＳ４２）。
【0101】
好ましくは、少なくとも一方のアレルが表１及び６の一塩基多型でＢＥＴＡ値が負の値のＡ１アレルであると判定されると、Ａ１アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られやすいと予測する（Ｓ４１）。
【0102】
また、少なくとも一方のアレルが表１及び６の一塩基多型でＢＥＴＡ値が正の値のＡ２アレルであると判定されると、Ａ２アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られやすいと予測する（Ｓ４１）。
【0103】
なお、少なくとも一方のアレルが表１及び６の一塩基多型でＢＥＴＡ値が負の値のＡ２アレルであると判定されると、Ａ２アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られにくいと予測する。若しくは、少なくとも一方のアレルが表１及び６の一塩基多型でＢＥＴＡ値が正の値のＡ１アレルであると判定されると、Ａ１アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られにくいと予測する（Ｓ４２）。
【0104】
出力部１３は、判定部１２で予測されたラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果の予測結果を出力する（Ｓ５）。予測結果の出力形式は特に限定されず、別途接続されるプリンターにより印刷するためのデータであってもよく、被験者の所持する携帯端末に表示するためのデータであってもよい。
【0105】
上記システムによれば、被験者の遺伝子検査結果に基づいてラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測することができる。この予測結果は、総コレステロール低減効果を期待する者がラクトフェリンを摂取するか否かを選択する上で有用な指標となる。例えば、ラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られると予測された者は、ラクトフェリンを積極的に摂取することを選択できる。あるいは、予測結果を知った者が被験者にラクトフェリンの摂取を推奨することが出来る。あるいは、予測結果に基づいてラクトフェリンを摂取した際の目標（例えば、総コレステロールをどの程度低減させるのか）を設定することが出来る。あるいは、予測結果に基づいてラクトフェリンの臨床試験の被験者を選定することが出来る。また、例えば、ラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られにくいと予測された者は、ラクトフェリンを積極的に摂取する以外のことを選択できる。あるいは、予測結果を知った者が被験者にラクトフェリンの摂取以外のことを推奨することが出来る。あるいは、予測結果を知った者が被験者にラクトフェリンの摂取を推奨すると共に、ラクトフェリンの効果を増強出来る生活習慣を取り入れることを推奨することが出来る。あるいは、予測結果に基づいてラクトフェリンの臨床試験の被験者を選定することが出来る。
【0106】
本実施形態のもう一つの態様である予測システムについて以下に説明する。図３は、本実施形態の他の態様における予測システムを表すブロック図である。図４は、本実施形態の一態様におけるラクトフェリンの総コレステロール低減効果を予測する手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態のシステム２は、入力部２０と、照合部２１と、判定部２２と、出力部２３と、データベース２４と、補正部２５と行動様式提案抽出部２６とを含む。
【0107】
本態様では、システム２が補正部２５と、行動様式提案抽出部２６とをさらに有する点がシステム１と異なる。また、データベース２４に保存される情報がラクトフェリンの総コレステロール低減効果に関連する一塩基多型の情報に加え、被験者の属性や、生活習慣、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果に関連する情報とをさらに有する点がシステム１と異なる。
【0108】
入力部２０は、被験者の遺伝子検査結果及び被験者の属性及び生活習慣等の情報が入力される（Ｓ１１）。被験者の遺伝子検査結果は、上述の＜一塩基多型の検出方法＞で得られる結果である。被験者の属性の情報とは、例えば、性別、年齢、身長、体重、筋肉量、体脂肪量、臨床検査指標、健康状態、職業、居住地及び経済状況等が挙げられる。被験者の属性の情報は、上記の情報のうち少なくとも１つが入力されればよいが、好ましい属性の情報としては、年齢及び性別が挙げられる。被験者の生活習慣の情報とは、食習慣、睡眠習慣及び運動習慣等の情報が挙げられる。例えば、食習慣として、各食事（朝食、昼食及び夕食）の摂取量、食事の調理方法、飲食物の嗜好傾向、飲食物の選択傾向等が挙げられる。被験者の生活習慣の情報は、上記の情報のうち少なくとも１つが入力されればよい。
【0109】
被験者の生活習慣情報は、ラクトフェリンの摂取と、一塩基多型情報と、被験者の生活習慣情報との相互作用についてのモデル式に基づいて適宜選択される。例えば、説明変数を総コレステロール低減効果に関するＧＷＡＳで抽出した一塩基多型、被験者の属性及び生活習慣情報として食習慣を選択し、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、及び回帰分析を行ってモデル式を作成することができる。
【0110】
照合部２１では、入力部２０に入力された被験者の遺伝子検査結果と、データベース２４に保存されているラクトフェリンの総コレステロール低減効果に関連する一塩基多型の情報とが照合される（Ｓ１２）。データベース２４に保存されている一塩基多型の情報とは、表１及び６に示す一塩基多型の情報である。
【0111】
判定部２２は、照合部２１で照合された結果、被験者の遺伝子検査結果がデータベース２４に保存されている一塩基多型のアレルにおいてＡ１アレル又はＡ２アレルを判定する（Ｓ１３）。判定の結果、被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測する（Ｓ１４１又はＳ１４２）。
【0112】
好ましくは、少なくとも一方のアレルが表１及び６の一塩基多型でＢＥＴＡ値が負の値のＡ１アレルであると判定されると、Ａ１アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られやすいと予測する（Ｓ１４１）。
【0113】
また、少なくとも一方のアレルが表１及び６の一塩基多型でＢＥＴＡ値が正の値のＡ２アレルであると判定されると、Ａ２アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られやすいと予測する（Ｓ１４１）。
【0114】
なお、少なくとも一方のアレルが表１及び６の一塩基多型でＢＥＴＡ値が負の値のＡ２アレルであると判定される場合、Ａ２アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると総コレステロール減効果が得られにくいと予測する。若しくは、少なくとも一方のアレルが表１及び６の一塩基多型でＢＥＴＡ値が正の値のＡ１アレルであると判定される場合は、Ａ１アレルを全く持たない場合と比較して、被験者がラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られにくいと予測する（Ｓ１４２）。
【0115】
補正部２５は、データベース２４に保存されている被験者の属性に関する項目（例えば、性別、年齢、身長、体重、筋肉量、体脂肪量、臨床検査指標、健康状態、職業、居住地及び経済状況等）、生活習慣に関する項目（食習慣、睡眠習慣及び運動習慣等）を加えたラクトフェリンの総コレステロール低減効果に関連するモデル式と、入力部２０に入力された被験者の属性及び生活習慣の情報とを照合する（Ｓ１５）。補正部２５は、照合した結果に基づいて判定部２２で得られた予測結果を補正する。つまり、前記回帰分析を使ったモデル式を適用して、ラクトフェリンを摂取することよる総コレステロール低減変化割合の予測結果を補正することができる（Ｓ１６）。
【0116】
行動様式提案抽出部２６は、入力部２０に入力された被験者の属性及び生活習慣の情報及び補正部２５で補正された予測結果に基づいて、被験者への行動様式の提案を抽出する（Ｓ１７）。行動様式としては、上述の生活習慣として挙げられたものが該当する。例えば、補正された予測結果が「ラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られやすい」という結果である場合、ラクトフェリンの摂取を推奨する提案を抽出する。また、補正部２５で照合された被験者の生活習慣情報によって、総コレステロール低減効果の程度が下方修正された場合、被験者に前記生活習慣を改善する提案を抽出する。さらに、被験者の総コレステロール低減効果の程度を上方修正しうる行動様式がある場合には、その行動を提案する。
【0117】
出力部２３は、補正部２５で補正されたラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果の予測結果及び被験者への行動様式の提案を出力する（Ｓ１８）。予測結果の出力形式は特に限定されず、別途接続されるプリンターにより印刷するためのデータであってもよく、被験者の所持する携帯端末に表示するためのデータであってもよい。
【0118】
なお、この実施形態において、行動様式提案抽出部２６は含まれていなくてもよい。この場合、出力部２３からは補正された予測結果のみが出力される。図５は、本実施形態の予測システムにより出力される出力結果の表示の一例である。
【0119】
上記予測システムによれば、被験者の遺伝子検査結果に基づいてラクトフェリンの総コレステロール低減効果をより正確に予測することができる。この予測結果は、総コレステロール低減効果を期待する者がラクトフェリンを摂取するか否かを選択する上で有用な指標となる。例えば、ラクトフェリンを摂取すると総コレステロール低減効果が得られると予測された者は、ラクトフェリンを積極的に摂取することを選択できる。あるいは、予測結果を知った者が被験者にラクトフェリンの摂取を推奨することが出来る。あるいは、予測結果に基づいてラクトフェリンを摂取した際の目標（例えば、総コレステロールをどの程度低減させるのか）を設定することが出来る。あるいは、予測結果に基づいてラクトフェリンの臨床試験の被験者を選定することが出来る。
【0120】
上記の例では、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測システムについて説明したが、本実施形態は、ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果予測システムを包含する。ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果予測システムにおいては、上記のデータベース１４、２４において表２及び７に示す一塩基多型の情報が保存され、照合部１１，２１においてこの一塩基多型情報と被験者の遺伝子検査結果が照合される。ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果予測システムにおいては、上記のデータベース１４、２４において表３及び８に示す一塩基多型の情報が保存され、照合部１１，２１においてこの一塩基多型情報と被験者の遺伝子検査結果が照合される。ラクトフェリンの中性脂肪低減効果予測システムにおいては、上記のデータベース１４、２４において表４及び９に示す一塩基多型の情報が保存され、照合部１１，２１においてこの一塩基多型情報と被験者の遺伝子検査結果が照合される。ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果予測システムにおいては、上記のデータベース１４、２４において表５及び１０に示す一塩基多型の情報が保存され、照合部１１，２１においてこの一塩基多型情報と被験者の遺伝子検査結果が照合される。その他の工程については、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果予測システムと同じ工程が行われる。
【0121】
（第５の実施形態）
＜ラクトフェリンを含有する飲食品組成物＞
本実施形態の一態様は、対象の総コレステロール低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物である。ラクトフェリンの総コレステロール低減効果と関連性が更に高いことから、前記対象者は、登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695及びrs241561からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有し、選択された各一塩基多型の少なくとも１つがＡ２アレルであるか、登録番号rs12156358、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有し、選択された各一塩基多型の少なくとも１つがＡ１アレルであることが好ましく、これらのＡ２アレル若しくはＡ１アレルを２つ有するとさらに好ましい。
＜ラクトフェリンを含有する飲食品組成物＞
本実施形態の一態様は、対象の総コレステロール低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695、rs12156358、rs241561、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物である。ラクトフェリンの総コレステロール低減効果と関連性が更に高いことから、前記対象者は、登録番号rs654523、rs876056、rs55918609、rs2631695及びrs241561からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有し、選択された各一塩基多型の少なくとも１つがＡ２アレルであるか、登録番号rs12156358、rs2844779及びrs954037からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有し、選択された各一塩基多型の少なくとも１つがＡ１アレルであることが好ましく、これらのＡ２アレル若しくはＡ１アレルを２つ有するとさらに好ましい。
【0122】
本実施形態のもう一つの態様は、対象のＬＤＬコレステロール低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs7109140、rs13150268及びrs11236644からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物である。ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果と関連性が更に高いことから、前記対象者は、登録番号rs11236644の一塩基多型を有し且つこの一塩基多型の少なくとも１つがＡ２アレルであるか、登録番号rs7109140及びrs13150268の少なくとも一方の一塩基多型を有し、選択された各一塩基多型の少なくとも１つがＡ１アレルであることが好ましく、これらのＡ２アレル若しくはＡ１アレルを２つ有することがさらに好ましい。
【0123】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、対象のＨＤＬコレステロール上昇に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物である。ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果と関連性が更に高いことから、前記対象者は、登録番号rs7794040、rs6888011、rs7159326、rs73816007、rs4381541、rs352340、rs1865574、rs9985134、rs7027389、rs2206333、rs3736638、rs77706234、rs6719628、rs72893851、rs6544366及びrs9827374からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有し、選択された各一塩基多型の少なくとも１つがＡ１アレルであることが好ましく、Ａ１アレルを２つ有することがさらに好ましい。
【0124】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、対象の中性脂肪低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物である。ラクトフェリンの中性脂肪低減効果と関連性が更に高いことから、前記対象者は、登録番号rs230166及びrs16911453の少なくとも一方の一塩基多型を有し、選択された各一塩基多型の少なくとも１つがＡ１アレルであることが好ましく、Ａ１アレルを２つ有することがさらに好ましい。
【0125】
本実施形態のさらにもう一つの態様は、対象の空腹時血糖低減に使用するための、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物であって、ＮＣＢＩ ＳＮＰ Ｄａｔａｂａｓｅにおける登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291、rs729525、rs1514327、rs657816、rs7844036及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有する前記対象に摂取される、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物である。また、ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果と関連性が更に高いことから、前記対象者は、登録番号rs729525、rs1514327、rs657816及びrs16931455からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有し、選択された各一塩基多型の少なくとも１つがＡ２アレルであるか、登録番号rs8068574、rs4780054、rs220291及びrs7844036からなる群から選択される１以上の一塩基多型を有し、選択された各一塩基多型の少なくとも１つがＡ１アレルであることが好ましく、これらのＡ２アレル若しくはＡ１アレルを２つ有することがさらに好ましい。
【0126】
上述の通り、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果は、ラクトフェリンを摂取する対象が有する遺伝子型によって異なる。すなわち、表２３に示すラクトフェリンの総コレステロール低減効果に関する一塩基多型、表２４に示すＬＤＬコレステロール低減効果に関する一塩基多型、表２５に示すＨＤＬコレステロール上昇効果に関する一塩基多型、表２６に示す中性脂肪低減効果に関する一塩基多型及び表２７に示す空腹時血糖低減効果に関する一塩基多型を有する対象は、ラクトフェリンを含有する飲食品組成物を摂取すると、上記効果を十分に得ることができる。
【0127】
飲食品組成物としては、ラクトフェリンが腸内で分散されるような腸溶性の形態であることが好ましい。例えば、飲食品組成物は、錠剤（タブレット）、顆粒、細粒、粉及びカプセル等の固形であってもよく、液体、ゼリー及びシロップ等の流動物であってもよい。
【0128】
飲食品組成物に含まれるラクトフェリンの含有量は、１日あたりの摂取量として５０ｍｇ以上１０００ｍｇ以下が好ましく、１００ｍｇ以上５００ｍｇ以下がより好ましく、２００ｍｇ以上４００ｍｇ以下が特に好ましい。
【実施例0129】
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
【0130】
＜被験者＞
Satoko Sato et al., Jpn Pharmacol Ther 2020; 48(7): 1179-1185（臨床データ取得試験）のＰｅｒ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ Ｓｅｔ（ＰＰＳ：試験計画を遵守し、解析除外基準に該当する被験者を除いた集団を指す）解析対象者１０７名の内、試験の目的や内容について十分に理解したうえで、試験への参加について本人の自由意思による同意を文書にて得た者で、食事、運動及び睡眠等、生活習慣に影響する他の臨床試験に既に参加している者及び試験責任医師が不適当と判断した者を除く７３名を対象とした。
Satoko Sato et al., Jpn Pharmacol Ther 2020; 48(7): 1179-1185（臨床データ取得試験）のＰｅｒ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ Ｓｅｔ（ＰＰＳ：試験計画を遵守し、解析除外基準に該当する被験者を除いた集団を指す）解析対象者１０７名の内、試験の目的や内容について十分に理解したうえで、試験への参加について本人の自由意思による同意を文書にて得た者で、食事、運動及び睡眠等、生活習慣に影響する他の臨床試験に既に参加している者及び試験責任医師が不適当と判断した者を除く７３名を対象とした。
【0131】
＜臨床データ取得試験＞
臨床データ取得試験は、プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験であり、ラクトフェリンを２５０ｍｇ含有するタブレット若しくはラクトフェリンを含有していないタブレットを１日１回、１２週間連続摂取し、摂取前及び１２週間摂取後にそれぞれ血液検体を採取し、検査施設（株式会社エスアールエル）にて総コレステロール値、ＬＤＬコレステロール値、ＨＤＬコレステロール値、中性脂肪値及び空腹時血糖値を測定した。以下、ラクトフェリンを２５０ｍｇ含有するタブレットを摂取した被験者群をラクトフェリン摂取群、ラクトフェリンを含有していないタブレットを摂取した被験者群を対照食品群と称する。
臨床データ取得試験は、プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験であり、ラクトフェリンを２５０ｍｇ含有するタブレット若しくはラクトフェリンを含有していないタブレットを１日１回、１２週間連続摂取し、摂取前及び１２週間摂取後にそれぞれ血液検体を採取し、検査施設（株式会社エスアールエル）にて総コレステロール値、ＬＤＬコレステロール値、ＨＤＬコレステロール値、中性脂肪値及び空腹時血糖値を測定した。以下、ラクトフェリンを２５０ｍｇ含有するタブレットを摂取した被験者群をラクトフェリン摂取群、ラクトフェリンを含有していないタブレットを摂取した被験者群を対照食品群と称する。
【0132】
臨床データ取得試験時の食習慣や運動習慣等の生活習慣に関して、アンケートにより回答を得た。生活習慣に関する項目については、後述する。
【0133】
＜ゲノムワイド関連解析（ＧＷＡＳ）＞
（１）試料と解析用アレイ
試料は、サンプリング用のＧｅｎｅＦｉｘ Ｓａｌｉｖａ Ｃｏｌｌｅｃｔｏｒ（ＩｓｏｈｅｌｉｘＴＭ）により唾液を採取した。ＤＮＡを抽出後、Ｉｌｌｕｍｉｎａ Ｇｌｏｂａｌ Ｓｃｒｅｅｎｉｎｇ Ａｒｒａｙ＋（イルミナ社製）を用いてゲノムワイドに遺伝子型タイピングを行い、ＳＮＰｓ情報を得た。
（１）試料と解析用アレイ
試料は、サンプリング用のＧｅｎｅＦｉｘ Ｓａｌｉｖａ Ｃｏｌｌｅｃｔｏｒ（ＩｓｏｈｅｌｉｘＴＭ）により唾液を採取した。ＤＮＡを抽出後、Ｉｌｌｕｍｉｎａ Ｇｌｏｂａｌ Ｓｃｒｅｅｎｉｎｇ Ａｒｒａｙ＋（イルミナ社製）を用いてゲノムワイドに遺伝子型タイピングを行い、ＳＮＰｓ情報を得た。
【0134】
（２）品質評価
解析には、下記の条件を満たす被験者及びＳＮＰｓデータを使用した。
（ｉ）被験者
Ｘ染色体上ＳＮＰｓの遺伝子型より性別を推定し、ゲノムから推定された性別が臨床データ取得試験時に取得した性別と一致することを確認した。被験者間のペアワイズｉｄｅｎｔｉｆｙ ｂｙ ｄｅｓｃｅｎｔ（ＩＢＤ）推定を行い、血縁関係又は同一人物由来と推定される被験者のデータが存在しないことを確認した。日本人集団で解析を行うため、アジア系集団（国際Ｈａｐ Ｍａｐ計画のＣＨＢ及びＪＰＴと同じ集団）に属していない被験者のデータ１名、日本人集団に属していない被験者のデータ１名を除外した。
解析には、下記の条件を満たす被験者及びＳＮＰｓデータを使用した。
（ｉ）被験者
Ｘ染色体上ＳＮＰｓの遺伝子型より性別を推定し、ゲノムから推定された性別が臨床データ取得試験時に取得した性別と一致することを確認した。被験者間のペアワイズｉｄｅｎｔｉｆｙ ｂｙ ｄｅｓｃｅｎｔ（ＩＢＤ）推定を行い、血縁関係又は同一人物由来と推定される被験者のデータが存在しないことを確認した。日本人集団で解析を行うため、アジア系集団（国際Ｈａｐ Ｍａｐ計画のＣＨＢ及びＪＰＴと同じ集団）に属していない被験者のデータ１名、日本人集団に属していない被験者のデータ１名を除外した。
【0135】
（ｉｉ）ＳＮＰｓ
以下の条件を満たすものを本試験における解析対象のＳＮＰｓとした。（以下の条件を満たさない１名を除外した）
－被験者ごとのｃａｌｌ ｒａｔｅ＞９５％
－ＳＮＰｓごとのｃａｌｌ ｒａｔｅ＞９５％
－マイナーアレル頻度＞５%
－ハーディーワインベルグ平衡の適合度検定 ｐ値＞０．０００００１
－常染色体上に位置するＳＮＰｓ
以下の条件を満たすものを本試験における解析対象のＳＮＰｓとした。（以下の条件を満たさない１名を除外した）
－被験者ごとのｃａｌｌ ｒａｔｅ＞９５％
－ＳＮＰｓごとのｃａｌｌ ｒａｔｅ＞９５％
－マイナーアレル頻度＞５%
－ハーディーワインベルグ平衡の適合度検定 ｐ値＞０．０００００１
－常染色体上に位置するＳＮＰｓ
【0136】
（ｉ）及び（ｉｉ）により、７０名を解析対象者として採用した。表１６に品質評価後の被験者の属性を示す。
【0137】
【表16】
【0138】
（３）統計解析に用いたＳＮＰ数
（２）の品質評価により、２８６，２０４ヶ所のＳＮＰｓを解析対象とした。
（２）の品質評価により、２８６，２０４ヶ所のＳＮＰｓを解析対象とした。
【0139】
（４）統計解析
ラクトフェリン摂取による総コレステロール値、ＬＤＬコレステロール値、ＨＤＬコレステロール値、中性脂肪値及び空腹時血糖値への影響を確認するため、ラクトフェリン摂取群におけるラクトフェリンの摂取開始前と摂取１２週後の値を測定し、摂取前後の変化割合を算出した。その結果を表１７に示す。
ラクトフェリン摂取による総コレステロール値、ＬＤＬコレステロール値、ＨＤＬコレステロール値、中性脂肪値及び空腹時血糖値への影響を確認するため、ラクトフェリン摂取群におけるラクトフェリンの摂取開始前と摂取１２週後の値を測定し、摂取前後の変化割合を算出した。その結果を表１７に示す。
【0140】
【表17】
【0141】
被験者のＳＮＰｓデータと臨床データ取得試験の総コレステロール値、ＬＤＬコレステロール値、ＨＤＬコレステロール値、中性脂肪値及び空腹時血糖値の変化割合（摂取１２週後の値／摂取開始前の値）を用いてＧＷＡＳを実施した。ラクトフェリン摂取群又は対照食品群において、ＳＮＰと総コレステロール値、ＬＤＬコレステロール値、ＨＤＬコレステロール値、中性脂肪値又は空腹時血糖値の変化割合について回帰分析を行った。また、ラクトフェリン摂取群で特異的に効果のあるＳＮＰｓを抽出するため、ＳＮＰとラクトフェリン摂取群と対照食品群の相互作用項を含めた回帰分析も行った。目的変数は、総コレステロール値、ＬＤＬコレステロール値、ＨＤＬコレステロール値、中性脂肪値又は空腹時血糖値の変化割合とし、共変数は、性別及び年齢とした。遺伝モデルは、相加モデルを用いた。
【0142】
＜実施例１－１＞
ラクトフェリンの効果を予測可能なＳＮＰｓの水準をラクトフェリン摂取群と対照食品群の比較結果であるＩｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ－Ｐ値＜１０－４と設定したところ、ＧＷＡＳにより総コレステロール低減効果に関連するＳＮＰｓ座位、ＬＤＬコレステロール低減効果に関連するＳＮＰｓ座位、ＨＤＬコレステロール上昇効果に関連するＳＮＰｓ座位、中性脂肪低減効果に関連するＳＮＰｓ座位及び空腹時血糖低減効果に関連するＳＮＰｓ座位が抽出された。総コレステロール低減効果に関連するＳＮＰｓ座位を表１、ＬＤＬコレステロール低減効果に関連するＳＮＰｓ座位を表２、ＨＤＬコレステロール上昇効果効果に関連するＳＮＰｓ座位を表３、中性脂肪低減効果に関連するＳＮＰｓ座位を表４及び空腹時血糖低減効果に関連するＳＮＰｓ座位を表５に示す。
ラクトフェリンの効果を予測可能なＳＮＰｓの水準をラクトフェリン摂取群と対照食品群の比較結果であるＩｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ－Ｐ値＜１０－４と設定したところ、ＧＷＡＳにより総コレステロール低減効果に関連するＳＮＰｓ座位、ＬＤＬコレステロール低減効果に関連するＳＮＰｓ座位、ＨＤＬコレステロール上昇効果に関連するＳＮＰｓ座位、中性脂肪低減効果に関連するＳＮＰｓ座位及び空腹時血糖低減効果に関連するＳＮＰｓ座位が抽出された。総コレステロール低減効果に関連するＳＮＰｓ座位を表１、ＬＤＬコレステロール低減効果に関連するＳＮＰｓ座位を表２、ＨＤＬコレステロール上昇効果効果に関連するＳＮＰｓ座位を表３、中性脂肪低減効果に関連するＳＮＰｓ座位を表４及び空腹時血糖低減効果に関連するＳＮＰｓ座位を表５に示す。
【0143】
例えば、総コレステロール低減に関連する座位として抽出したＳＮＰ ＩＤ：rs2115520の場合のＢＥＴＡ（Ｉｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ）は、－０．２７３９である。具体的には、ＳＮＰ ＩＤ：rs2115520の遺伝子型がＡをもたない（ＧＧである）場合の、ラクトフェリン摂取群と対照食品群の総コレステロール変化割合の平均値の差と、ＳＮＰ ＩＤ：rs2115520の遺伝子型がＡＧである場合の、ラクトフェリン摂取群と対照食品群の総コレステロール変化割合の平均値の差とを比較して、遺伝子型がＡをもたない場合の平均値の差に対して遺伝子型がＡＧである場合の平均値の差が２７．３９％低くなると予測できることを意味する。つまり、表１中のＢＥＴＡ（Ｉｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ）の値が負の場合には、その値が低いほど、そのＳＮＰのＡ１アレルを有するとラクトフェリン摂取による総コレステロール低減効果が大きいことが示唆された。
【0144】
また、総コレステロール低減に関連する座位として抽出したＳＮＰ ＩＤ：rs60978131の場合のＢＥＴＡ（Ｉｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ）は、０．２６０３である。具体的には、ＳＮＰ ＩＤ：rs60978131の遺伝子型がＣをもたない（ＴＴである）場合の、ラクトフェリン摂取群と対照食品群の総コレステロール変化割合の平均値の差と、ＳＮＰ ＩＤ：rs60978131の遺伝子型がＣＴである場合の、ラクトフェリン摂取群と対照食品群の総コレステロール変化割合の平均値の差とを比較して、遺伝子型がＣをもたない場合の平均値の差に対して遺伝子型がＣＴである場合の平均値の差が２６．０３％低くなると予測できることを意味する。つまり、表１中のＢＥＴＡ（Ｉｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ）の値が正の場合には、その値が高いほど、そのＳＮＰのＡ２アレルを有するとラクトフェリン摂取による総コレステロール低減効果が大きいことが示唆された。
【0145】
以上の結果から、表１～５に示すＳＮＰｓ座位を用いてラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果を予測できることが示唆された。
【0146】
＜実施例１－２＞
ラクトフェリンの効果を予測可能なＳＮＰｓの水準をラクトフェリン摂取群での摂取前後の比較結果であるＬＦ群Ｐ値＜１０－４と設定したところ、ＧＷＡＳにより総コレステロール低減に関連するＳＮＰｓ座位、ＬＤＬコレステロール低減に関連するＳＮＰｓ座位、ＨＤＬコレステロール上昇に関連するＳＮＰｓ座位、中性脂肪低減に関連するＳＮＰｓ座位、及び空腹時血糖低減に関連するＳＮＰｓ座位が抽出された。総コレステロール低減に関連するＳＮＰｓ座位を表６、ＬＤＬコレステロール低減に関連するＳＮＰｓ座位を表７、ＨＤＬコレステロール上昇に関連するＳＮＰｓ座位を表８、中性脂肪低減に関連するＳＮＰｓ座位を表９及び空腹時血糖低減に関連するＳＮＰｓ座位を表１０に示す。なお、実施例１－１でも抽出したＬＤＬコレステロール低減に関連するＳＮＰｓは、rs41424745、ＨＤＬコレステロール上昇に関連するＳＮＰｓは、rs7794040、中性脂肪低減に関連するＳＮＰｓは、rs3848073、rs9903292、rs11683443、rs75603375及びrs4131542、空腹時血糖低減に関連するＳＮＰｓは、rs12465524、rs730278、rs11151935、rs635247、rs11660733、rs4652101、rs8068574、rs4780054、rs2536501及びrs220291だった。
ラクトフェリンの効果を予測可能なＳＮＰｓの水準をラクトフェリン摂取群での摂取前後の比較結果であるＬＦ群Ｐ値＜１０－４と設定したところ、ＧＷＡＳにより総コレステロール低減に関連するＳＮＰｓ座位、ＬＤＬコレステロール低減に関連するＳＮＰｓ座位、ＨＤＬコレステロール上昇に関連するＳＮＰｓ座位、中性脂肪低減に関連するＳＮＰｓ座位、及び空腹時血糖低減に関連するＳＮＰｓ座位が抽出された。総コレステロール低減に関連するＳＮＰｓ座位を表６、ＬＤＬコレステロール低減に関連するＳＮＰｓ座位を表７、ＨＤＬコレステロール上昇に関連するＳＮＰｓ座位を表８、中性脂肪低減に関連するＳＮＰｓ座位を表９及び空腹時血糖低減に関連するＳＮＰｓ座位を表１０に示す。なお、実施例１－１でも抽出したＬＤＬコレステロール低減に関連するＳＮＰｓは、rs41424745、ＨＤＬコレステロール上昇に関連するＳＮＰｓは、rs7794040、中性脂肪低減に関連するＳＮＰｓは、rs3848073、rs9903292、rs11683443、rs75603375及びrs4131542、空腹時血糖低減に関連するＳＮＰｓは、rs12465524、rs730278、rs11151935、rs635247、rs11660733、rs4652101、rs8068574、rs4780054、rs2536501及びrs220291だった。
【0147】
例えば、総コレステロール低減に関連する座位として抽出したＳＮＰ ＩＤ：rs28609156の場合のＢＥＴＡ（ＬＦ群）は、０．１８９７である。具体的には、ラクトフェリン摂取群におけるＳＮＰ ＩＤ：rs28609156の遺伝子型がＣをもたない（ＡＡである）場合の総コレステロール変化割合の平均値に対し、ＳＮＰ ＩＤ：rs28609156の遺伝子型がＡＣでありラクトフェリンを摂取した場合の総コレステロール変化割合が、１８．９７％低くなると予測できることを意味する。つまり、表６中のＢＥＴＡ（ＬＦ群）の値が正の場合には、その値が高いほど、そのＳＮＰのＡ２アレルを有するとラクトフェリン摂取による総コレステロール低減効果が大きいことが示唆された。また、ＢＥＴＡ（ＬＦ群）の値が負の場合には、その値が低いほど、そのＳＮＰのＡ１アレルを有するとラクトフェリン摂取による総コレステロール低減効果が大きいことが示唆された。
【0148】
以上の結果から、表６～１０に示すＳＮＰｓ座位を用いて総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果を予測できることが示唆された。
【0149】
＜実施例２＞
実施例１－２で抽出したＳＮＰｓについて、プラセボの影響を考慮し、ラクトフェリン摂取群と対照食品群の比較結果のＩｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ－Ｐ値にて更に選別を実施した。Ｉｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ－Ｐ値の水準は、有意傾向水準Ｐ＜０．１とした。次に、ラクトフェリン摂取により総コレステロール低減、ＬＤＬコレステロール低減、ＨＤＬコレステロール上昇、中性脂肪低減又は空腹時血糖低減に効果を持つアレルを含む遺伝子型（例：総コレステロール低減、rs654523、ＴＣ＋ＴＴ）に層別して、総コレステロール値、ＬＤＬコレステロール値、ＨＤＬコレステロール値、中性脂肪値及び空腹時血糖値のラクトフェリン摂取前後の測定値の平均値と変化割合を算出した。さらに、Ｉｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ－Ｐ値＜０．１のＳＮＰｓのうち、ラクトフェリン摂取により総コレステロール低減、ＬＤＬコレステロール低減、ＨＤＬコレステロール上昇、中性脂肪低減又は空腹時血糖低減に効果を持つアレルを含む遺伝子型の変化割合が、表１７に記載のラクトフェリン摂取群全体の平均よりも大きく低減した（ＨＤＬコレステロールの場合は大きく上昇した）ＳＮＰｓを抽出した。また、その確からしさを確認するため、ラクトフェリン摂取前と摂取後の測定値の平均値を対応のあるｔ検定により解析した。対応のあるｔ検定の有意水準は、Ｐ＜０．０５とした。また、各効果の変化割合がラクトフェリン摂取群全体の２倍以上低減しなかった（ＨＤＬコレステロールの場合は２倍以上上昇しなかった）ＳＮＰｓ座位に関しては、東北メディカル・メガバンク機構、全ゲノムリファレンスパネルに記載の日本人アレル頻度を参考に、日本人アレル頻度が１０％以上のＳＮＰｓ座位のみを選別した。以上の解析により、総コレステロール低減に関与するとして抽出されたＳＮＰｓ座位を表１８、ＬＤＬコレステロール低減に関与するとして抽出されたＳＮＰｓ座位を表１９、ＨＤＬコレステロール上昇に関与するとして抽出されたＳＮＰｓ座位を表２０、中性脂肪低減に関与するとして抽出されたＳＮＰｓ座位を表２１及び空腹時血糖低減に関与するとして抽出されたＳＮＰｓ座位を表２２に示す。なお、表１８～２２中のＲｅｆ／Ａｌｔは、Ｒｅｆｅｒｅｎｃｅ／Ａｌｔｅｒｎａｔｉｖｅの塩基を示す。
実施例１－２で抽出したＳＮＰｓについて、プラセボの影響を考慮し、ラクトフェリン摂取群と対照食品群の比較結果のＩｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ－Ｐ値にて更に選別を実施した。Ｉｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ－Ｐ値の水準は、有意傾向水準Ｐ＜０．１とした。次に、ラクトフェリン摂取により総コレステロール低減、ＬＤＬコレステロール低減、ＨＤＬコレステロール上昇、中性脂肪低減又は空腹時血糖低減に効果を持つアレルを含む遺伝子型（例：総コレステロール低減、rs654523、ＴＣ＋ＴＴ）に層別して、総コレステロール値、ＬＤＬコレステロール値、ＨＤＬコレステロール値、中性脂肪値及び空腹時血糖値のラクトフェリン摂取前後の測定値の平均値と変化割合を算出した。さらに、Ｉｎｔｅｒａｃｔｉｏｎ－Ｐ値＜０．１のＳＮＰｓのうち、ラクトフェリン摂取により総コレステロール低減、ＬＤＬコレステロール低減、ＨＤＬコレステロール上昇、中性脂肪低減又は空腹時血糖低減に効果を持つアレルを含む遺伝子型の変化割合が、表１７に記載のラクトフェリン摂取群全体の平均よりも大きく低減した（ＨＤＬコレステロールの場合は大きく上昇した）ＳＮＰｓを抽出した。また、その確からしさを確認するため、ラクトフェリン摂取前と摂取後の測定値の平均値を対応のあるｔ検定により解析した。対応のあるｔ検定の有意水準は、Ｐ＜０．０５とした。また、各効果の変化割合がラクトフェリン摂取群全体の２倍以上低減しなかった（ＨＤＬコレステロールの場合は２倍以上上昇しなかった）ＳＮＰｓ座位に関しては、東北メディカル・メガバンク機構、全ゲノムリファレンスパネルに記載の日本人アレル頻度を参考に、日本人アレル頻度が１０％以上のＳＮＰｓ座位のみを選別した。以上の解析により、総コレステロール低減に関与するとして抽出されたＳＮＰｓ座位を表１８、ＬＤＬコレステロール低減に関与するとして抽出されたＳＮＰｓ座位を表１９、ＨＤＬコレステロール上昇に関与するとして抽出されたＳＮＰｓ座位を表２０、中性脂肪低減に関与するとして抽出されたＳＮＰｓ座位を表２１及び空腹時血糖低減に関与するとして抽出されたＳＮＰｓ座位を表２２に示す。なお、表１８～２２中のＲｅｆ／Ａｌｔは、Ｒｅｆｅｒｅｎｃｅ／Ａｌｔｅｒｎａｔｉｖｅの塩基を示す。
【0150】
【表18】
【0151】
【表19】
【0152】
【表20】
【0153】
【表21】
【0154】
【表22】
【0155】
例えば、総コレステロール低減に関連する座位として抽出したＳＮＰ ＩＤ：rs654523は、遺伝子型がＴＣとＴＴの場合、ラクトフェリン摂取前から摂取後の総コレステロール値変化割合の平均値は、９７．３％であり、ラクトフェリンの摂取により高い総コレステロール低減効果が得られることが示唆された。
【0156】
以上の結果から、表１８～２２に示すＳＮＰｓ座位を用いて、より高い精度でラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果を予測できることが示唆された。
【0157】
＜実施例３＞
実施例２で抽出されたＳＮＰｓ座位について、遺伝子型によってラクトフェリン摂取による総コレステロール低減効果が得られるかについて検証した。
実施例２で抽出されたＳＮＰｓ座位について、遺伝子型によってラクトフェリン摂取による総コレステロール低減効果が得られるかについて検証した。
【0158】
ラクトフェリン摂取群を、各ＳＮＰｓの遺伝子型３つに層別した（例：Ａ１アレルがＣ、Ａ２アレルがＴである場合、ＣＣ、ＣＴ、ＴＴの３型）。各遺伝子型におけるラクトフェリン摂取前後の平均変化率を確認し、平均変化率の減少量が１０％以上である遺伝子型をａ、平均変化率の減少量が０％以上１０％未満の値となった遺伝子型をｂ、平均変化率が増加していた遺伝子型をｃとした。結果を表２３に示す。
【0159】
【表23】
【0160】
表１又は表６におけるＢＥＴＡ値が負のＡ１アレル又はＢＥＴＡ値が正のＡ２アレルを２つ有する遺伝子型では、結果がａ又はｂとなった。また、表１又は表６におけるＢＥＴＡ値が負のＡ１アレル又はＢＥＴＡ値が正のＡ２アレルを１つ有する遺伝型ではｂの結果があった。つまり、実施例２で抽出されたＳＮＰｓ座位において、表１又は表６におけるＢＥＴＡ値が負のＡ１アレル又はＢＥＴＡ値が正のＡ２アレルを１つ又は２つ有する遺伝子型を有する対象がラクトフェリン、又はラクトフェリンを含有する飲食品組成物を摂取すると、総コレステロール低減効果がより高いことが分かった。なお、rs954037の遺伝子型タイピングが出来なかった被験者が１名存在したため、３つの遺伝子型の合計人数が、ラクトフェリン摂取群より１名少ない３３名となった。
【0161】
同様にＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果についても検証を行った。但し、ＨＤＬコレステロール上昇効果については、平均変化率の増加量が１０％以上である遺伝子型をａ、平均変化率の増加量が０％以上１０％未満の値となった遺伝子型をｂ、平均変化率が減少していた遺伝子型をｃとした。また、空腹時血糖低減効果については、ラクトフェリン摂取前後の平均変化率の減少量が５％以上である遺伝子型をａ、平均変化率の減少量が０％以上５％未満の値となった遺伝子型をｂ、平均変化率が増加していた遺伝子型をｃとした。ＬＤＬコレステロール低減効果の結果を表２４、ＨＤＬコレステロール上昇効果の結果を表２５、中性脂肪低減効果の結果を表２６、空腹時血糖低減効果の結果を表２７に示す。
【0162】
【表24】
【0163】
【表25】
【0164】
【表26】
【0165】
【表27】
【0166】
何れの場合においても表２～５、又は表７～表１０におけるＢＥＴＡ値が負のＡ１アレル又はＢＥＴＡ値が正のＡ２アレル（表３、８の場合はＢＥＴＡ値が正のＡ１アレル又はＢＥＴＡ値が負のＡ２アレル）を１つ又は２つ有する遺伝子型では、結果がａ又はｂとなった。つまり、実施例２で抽出されたＳＮＰｓ座位において、表２～５又は表７～表１０におけるＢＥＴＡ値が負のＡ１アレル又はＢＥＴＡ値が正のＡ２アレル（表３、８の場合はＢＥＴＡ値が正のＡ１アレル又はＢＥＴＡ値が負のＡ２アレル）を１つ又は２つ有する遺伝子型を有する対象がラクトフェリン、又はラクトフェリンを含有する飲食品組成物を摂取すると、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果及び空腹時血糖低減効果がより高いことが分かった。
【0167】
＜実施例４－１＞
ＧＷＡＳで抽出されたＳＮＰｓと、ラクトフェリン摂取者の属性を組み合わせることで精度よく予測できると考えた。そこで、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果を予測するモデル式の作成を行った。説明変数を総コレステロール値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取による総コレステロール低減効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。総コレステロール値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓとしては、実施例２のＳＮＰｓとした。被験者の属性としては、年齢及び性別とした。
ＧＷＡＳで抽出されたＳＮＰｓと、ラクトフェリン摂取者の属性を組み合わせることで精度よく予測できると考えた。そこで、ラクトフェリンの総コレステロール低減効果を予測するモデル式の作成を行った。説明変数を総コレステロール値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取による総コレステロール低減効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。総コレステロール値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓとしては、実施例２のＳＮＰｓとした。被験者の属性としては、年齢及び性別とした。
【0168】
Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択にて選択された項目とその効果量（回帰係数ともいう）を表２８に示す。表２８中、ＢＥＴＡは回帰係数を、ＳＥは標準誤差を、Ｐは、ｐ値を表す。回帰分析による決定係数は、表２８のモデル式ではｒ２＝０．８３５９だった。
【0169】
【表28】
【0170】
図６は、総コレステロール値の変化割合の実測値に対する表２８で作成したモデル式による総コレステロール値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【0171】
また、ＧＷＡＳで抽出されたＳＮＰｓと、ラクトフェリン摂取者の属性及び生活習慣等を組み合わせることでさらに精度よく予測できると考えた。説明変数を総コレステロール値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性及び生活習慣情報とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取による総コレステロール低減効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。
【0172】
Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択にて選択された項目とその効果量を表２９に示す。選択された生活習慣情報については、以下のように項目ごとに重み付けを行った。回帰分析による決定係数は、表２９のモデル式ではｒ２＝０．８７６１だった。
・試験期間に合成甘味飲料を飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
・試験期間の一日の合計徒歩時間（分単位でスコア化）
・試験期間に主食（米やパン等）、主菜（肉や魚等）、野菜をどのような順番で食べていたか（１：主食・野菜・主菜の順、２：主食・野菜・主菜の順を選択しない）
・試験期間に合成甘味飲料を飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
・試験期間の一日の合計徒歩時間（分単位でスコア化）
・試験期間に主食（米やパン等）、主菜（肉や魚等）、野菜をどのような順番で食べていたか（１：主食・野菜・主菜の順、２：主食・野菜・主菜の順を選択しない）
【0173】
【表29】
【0174】
図７は、総コレステロール値の変化割合の実測値に対する表２９で作成したモデル式による総コレステロール値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【0175】
＜実施例４－２＞
ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果を予測するモデル式の作成を行った。説明変数をＬＤＬコレステロール値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取によるＬＤＬコレステロール低減効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。説明変数の詳細は、実施例４－１と同じとした。
ラクトフェリンのＬＤＬコレステロール低減効果を予測するモデル式の作成を行った。説明変数をＬＤＬコレステロール値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取によるＬＤＬコレステロール低減効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。説明変数の詳細は、実施例４－１と同じとした。
【0176】
Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択にて選択された項目とその効果量を表３０に示す。回帰分析による決定係数は、表３０のモデル式ではｒ２＝０．７２２４だった。
【0177】
【表30】
【0178】
図８は、ＬＤＬコレステロール値の変化割合の実測値に対する表３０で作成したモデル式によるＬＤＬコレステロール値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【0179】
また、説明変数をＬＤＬコレステロール値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性及び生活習慣情報とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取によるＬＤＬコレステロール低減効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。説明変数の詳細は、実施例４－１と同じとした。
【0180】
Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択にて選択された項目とその効果量を表３１に示す。選択された生活習慣情報については、以下のように項目ごとに重み付けを行った。回帰分析による決定係数は、表３１のモデル式ではｒ２＝０．７３５だった。
・試験期間に合成甘味飲料を飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
・試験期間に合成甘味飲料を飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
【0181】
【表31】
【0182】
図９は、ＬＤＬコレステロール値の変化割合の実測値に対する表３１で作成したモデル式によるＬＤＬコレステロール値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【0183】
＜実施例４－３＞
ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果を予測するモデル式の作成を行った。説明変数をＨＤＬコレステロール値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取によるＨＤＬコレステロール上昇効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。説明変数の詳細は、実施例４－１と同じとした。
ラクトフェリンのＨＤＬコレステロール上昇効果を予測するモデル式の作成を行った。説明変数をＨＤＬコレステロール値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取によるＨＤＬコレステロール上昇効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。説明変数の詳細は、実施例４－１と同じとした。
【0184】
Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択にて選択された項目とその効果量を表３２に示す。回帰分析による決定係数は、表３２のモデル式ではｒ２＝０．９２１９だった。
【0185】
【表32】
【0186】
図１０は、ＨＤＬコレステロール値の変化割合の実測値に対する表３２で作成したモデル式によるＨＤＬコレステロール値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【0187】
また、説明変数をＨＤＬコレステロール値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性及び生活習慣情報とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取によるＨＤＬコレステロール上昇効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。説明変数の詳細は、実施例４－１と同じとした。
【0188】
Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択にて選択された項目とその効果量を表３３に示す。選択された生活習慣情報については、以下のように項目ごとに重み付けを行った。回帰分析による決定係数は、表３３のモデル式ではｒ２＝０．９７７７だった。
・ゆったりした服を着ると細くなったと感じていた（０：全然違う、１：あまりそう思わない、２：どちらでもない、３：まあそう思う、４：その通り）
・ゆっくり食事をとる暇がなかった（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・最も多く食べていた野菜料理の調理方法について１つ選択（１：焼くを選択、０：焼くを選択してない）
・最も多く食べていた野菜料理の調理方法について１つ選択（１：生を選択、０：生を選択してない）
・試験期間に野菜ジュースを飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
・理想の自己実現のために行動を起こしていた（１：はい、０：いいえ）
・試験期間に中国茶を飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
・夕食の品数が少ないと不満だった（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・最も多く食べていた野菜料理の調理方法について１つ選択（１：煮るを選択、０：煮るを選択してない）
・ゆったりした服を着ると細くなったと感じていた（０：全然違う、１：あまりそう思わない、２：どちらでもない、３：まあそう思う、４：その通り）
・ゆっくり食事をとる暇がなかった（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・最も多く食べていた野菜料理の調理方法について１つ選択（１：焼くを選択、０：焼くを選択してない）
・最も多く食べていた野菜料理の調理方法について１つ選択（１：生を選択、０：生を選択してない）
・試験期間に野菜ジュースを飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
・理想の自己実現のために行動を起こしていた（１：はい、０：いいえ）
・試験期間に中国茶を飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
・夕食の品数が少ないと不満だった（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・最も多く食べていた野菜料理の調理方法について１つ選択（１：煮るを選択、０：煮るを選択してない）
【0189】
【表33】
【0190】
図１１は、ＨＤＬコレステロール値の変化割合の実測値に対する表３３で作成したモデル式によるＨＤＬコレステロール値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【0191】
＜実施例４－４＞
ラクトフェリンの中性脂肪低減効果を予測するモデル式の作成を行った。説明変数を中性脂肪値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取による中性脂肪低減効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。説明変数の詳細は、実施例４－１と同じとした。
ラクトフェリンの中性脂肪低減効果を予測するモデル式の作成を行った。説明変数を中性脂肪値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取による中性脂肪低減効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。説明変数の詳細は、実施例４－１と同じとした。
【0192】
Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択にて選択された項目とその効果量を表３４に示す。回帰分析による決定係数は、表３４のモデル式ではｒ２＝０．６１９５だった。
【0193】
【表34】
【0194】
図１２は、中性脂肪値の変化割合の実測値に対する表３４で作成したモデル式による中性脂肪値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【0195】
また、説明変数を中性脂肪値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性及び生活習慣情報とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取による中性脂肪低減効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。説明変数の詳細は、実施例４－１と同じとした。
【0196】
Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択にて選択された項目とその効果量を表３５に示す。選択された生活習慣情報については、以下のように項目ごとに重み付けを行った。回帰分析による決定係数は、表３５のモデル式ではｒ２＝０．９３７７だった。
・ゆったりした服を着ると細くなったと感じていた（０：全然違う、１：あまりそう思わない、２：どちらでもない、３：まあそう思う、４：その通り）
・お尻を覆う服が手に入らないとき自分は太っていると感じていた（０：全然違う、１：あまりそう思わない、２：どちらでもない、３：まあそう思う、４：その通り）
・普段の食事量はどれが最も多かったか（０：満腹の半分以下 １：満腹の八分目、２：満腹）
・試験期間に果汁１００％ジュースを飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
・食後に三食以外の夜食をとることが週に３回以上あった（１：はい、０：いいえ）
・他人に私のお腹や腰の周りのぜい肉が見えるのではないかと心配であった（０：全然違う、１：あまりそう思わない、２：どちらでもない、３：まあそう思う、４：その通り）
・最も多く食べていた野菜料理の調理方法について１つ選択（１：生を選択、０：生を選択してない）
・油っこいものが好きであった（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・他人に体を見せることを好まなかった（０：全然違う、１：あまりそう思わない、２：どちらでもない、３：まあそう思う、４：その通り）
・最も多く食べていた野菜料理の調理方法について１つ選択（１：煮るを選択、０：煮るを選択してない）
・食前にはお腹が空いていないことが多かった（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・最も多く食べていた野菜料理の調理方法について１つ選択（１：焼くを選択、０：焼くを選択してない）
・試験期間中はこってりした料理が好きであった（２：好き、１：普通、０：嫌い）
・連休や盆、正月はいつも太っていた（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・一日の食事中、夕食が豪華で量も多かった（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・ゆったりした服を着ると細くなったと感じていた（０：全然違う、１：あまりそう思わない、２：どちらでもない、３：まあそう思う、４：その通り）
・お尻を覆う服が手に入らないとき自分は太っていると感じていた（０：全然違う、１：あまりそう思わない、２：どちらでもない、３：まあそう思う、４：その通り）
・普段の食事量はどれが最も多かったか（０：満腹の半分以下 １：満腹の八分目、２：満腹）
・試験期間に果汁１００％ジュースを飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
・食後に三食以外の夜食をとることが週に３回以上あった（１：はい、０：いいえ）
・他人に私のお腹や腰の周りのぜい肉が見えるのではないかと心配であった（０：全然違う、１：あまりそう思わない、２：どちらでもない、３：まあそう思う、４：その通り）
・最も多く食べていた野菜料理の調理方法について１つ選択（１：生を選択、０：生を選択してない）
・油っこいものが好きであった（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・他人に体を見せることを好まなかった（０：全然違う、１：あまりそう思わない、２：どちらでもない、３：まあそう思う、４：その通り）
・最も多く食べていた野菜料理の調理方法について１つ選択（１：煮るを選択、０：煮るを選択してない）
・食前にはお腹が空いていないことが多かった（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・最も多く食べていた野菜料理の調理方法について１つ選択（１：焼くを選択、０：焼くを選択してない）
・試験期間中はこってりした料理が好きであった（２：好き、１：普通、０：嫌い）
・連休や盆、正月はいつも太っていた（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・一日の食事中、夕食が豪華で量も多かった（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
【0197】
【表35】
【0198】
図１３は、中性脂肪値の変化割合の実測値に対する表３５で作成したモデル式による中性脂肪の変化割合の予測値を表す散布図である。
＜実施例４－５＞
ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果を予測するモデル式の作成を行った。説明変数を空腹時血糖値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取による空腹時血糖低減効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。説明変数の詳細は、実施例４－１と同じとした。
＜実施例４－５＞
ラクトフェリンの空腹時血糖低減効果を予測するモデル式の作成を行った。説明変数を空腹時血糖値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取による空腹時血糖低減効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。説明変数の詳細は、実施例４－１と同じとした。
【0199】
Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択にて選択された項目とその効果量を表３６に示す。回帰分析による決定係数は、表３６のモデル式ではｒ２＝０．８４１９だった。
【0200】
【表36】
【0201】
図１４は、空腹時血糖値の変化割合の実測値に対する表３６で作成したモデル式による空腹時血糖値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【0202】
また、説明変数を空腹時血糖値についてのＧＷＡＳで抽出したＳＮＰｓ、被験者の属性及び生活習慣情報とし、Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択、および回帰分析を行い、ラクトフェリンの摂取による空腹時血糖低減効果を精度よく予測可能なモデル式を作成した。説明変数の詳細は、実施例４－１と同じとした。
【0203】
Ｓｔｅｐ－ｗｉｓｅ法による変数選択にて選択された項目とその効果量を表３７に示す。選択された生活習慣情報については、以下のように項目ごとに重み付けを行った。回帰分析による決定係数は、表３７のモデル式ではｒ２＝０．９３４８だった。
・腸内環境を整えることを意識していた（１：意識していた、０：意識していなかった）
・風邪をひいてもよく食べた（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・ゆっくり食事をとる暇がなかった（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・仕事や家事が忙しくて自分の時間を取れなかった（１：はい、０：いいえ）
・試験期間に野菜ジュースを飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
・ハンバーガーなどのファーストフードをよく利用した（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・試験期間に緑茶を飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
・腸内環境を整えることを意識していた（１：意識していた、０：意識していなかった）
・風邪をひいてもよく食べた（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・ゆっくり食事をとる暇がなかった（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・仕事や家事が忙しくて自分の時間を取れなかった（１：はい、０：いいえ）
・試験期間に野菜ジュースを飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
・ハンバーガーなどのファーストフードをよく利用した（０：あてはまらない、１：時々あてはまる、２：その傾向があった、３：その通り）
・試験期間に緑茶を飲んだ日数（０：飲まなかった、１．５：週１～２日、３．５：週３～４日、１０．５：１～２杯／日、２４．５：３～４杯／日、３５：５杯以上／日）
【0204】
【表37】
【0205】
図１５は、空腹時血糖値の変化割合の実測値に対する表３７で作成したモデル式による空腹時血糖値の変化割合の予測値を表す散布図である。
【0206】
＜実施例５＞
ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果を予測できることを示す一例として、実施例４－１で得られたモデル式に基づいて、被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測した。表２８の結果から被験者の属性及び一塩基多型情報に基づき、総コレステロール低減効果を下記の式により予測することができた。
総コレステロールの変化割合＝年齢（歳）×（－０．００２８）＋rs654523のアレル数×（０．０４４９）＋rs876056のアレル数×（０．０２４８）＋rs55918609のアレル数×（０．０３７４）＋rs2631695のアレル数×（０．０３４６）＋rs12156358のアレル数×（－０．０３８０）＋rs2844779のアレル数×（－０．０２４６）＋１．０９２４
ラクトフェリンの総コレステロール低減効果、ＬＤＬコレステロール低減効果、ＨＤＬコレステロール上昇効果、中性脂肪低減効果又は空腹時血糖低減効果を予測できることを示す一例として、実施例４－１で得られたモデル式に基づいて、被験者がラクトフェリンを摂取することによる総コレステロール低減効果を予測した。表２８の結果から被験者の属性及び一塩基多型情報に基づき、総コレステロール低減効果を下記の式により予測することができた。
総コレステロールの変化割合＝年齢（歳）×（－０．００２８）＋rs654523のアレル数×（０．０４４９）＋rs876056のアレル数×（０．０２４８）＋rs55918609のアレル数×（０．０３７４）＋rs2631695のアレル数×（０．０３４６）＋rs12156358のアレル数×（－０．０３８０）＋rs2844779のアレル数×（－０．０２４６）＋１．０９２４
【0207】
また、表２９の結果から被験者の属性、生活習慣情報及び一塩基多型情報に基づき、総コレステロール低減効果を下記の式により予測することができた。
総コレステロールの変化割合＝年齢（歳）×（－０．００３０）＋rs654523のアレル数×（０．０３９５）＋rs55918609のアレル数×（０．０２８５）＋rs2631695のアレル数×（０．０３０８）＋rs12156358のアレル数×（－０．０３９９）＋rs241561のアレル数×（０．０１３０）＋rs2844779のアレル数×（－０．０２４９）＋試験期間に合成甘味飲料を飲んだ日数×（０．００７８）＋試験期間の一日の合計徒歩時間×０．０００１＋試験期間に主食、主菜、野菜をどのような順番で食べていたか×（０．０６３７）＋１．０９００
総コレステロールの変化割合＝年齢（歳）×（－０．００３０）＋rs654523のアレル数×（０．０３９５）＋rs55918609のアレル数×（０．０２８５）＋rs2631695のアレル数×（０．０３０８）＋rs12156358のアレル数×（－０．０３９９）＋rs241561のアレル数×（０．０１３０）＋rs2844779のアレル数×（－０．０２４９）＋試験期間に合成甘味飲料を飲んだ日数×（０．００７８）＋試験期間の一日の合計徒歩時間×０．０００１＋試験期間に主食、主菜、野菜をどのような順番で食べていたか×（０．０６３７）＋１．０９００
【0208】
上記式中、アレル数は、アレルが何れもＡ２アレルである場合は０、アレルの一方がＡ１アレルである場合は１、アレルが何れもＡ１アレルである場合は２とした。ＬＤＬコレステロール低減効果等の予測式の性別は、男性は１、女性は２とした。また生活習慣情報の数値は、上述の重み付けの値を使用した。
【0209】
さらに、遺伝子検査サービスでの提案（ラクトフェリンを摂取すること等）について、遺伝子検査前と比較して提案された行動に対する意欲がどのように変化したかを成人男女１９名に対して７段階のアンケート調査を実施した。行動に対する意欲が低下したと回答した人は０名で、どちらともいえないと回答した人が２名、行動に対する意欲が高まった人は１７名であり、約９割の人の行動になんらかの影響を与え、遺伝子検査サービスで行動変容法を提示することにより、行動変容を促したことが示された。
【符号の説明】
【0210】
１，２…システム、１０，２０…入力部、１１，２１…照合部、１２，２２…判定部、１３，２３…出力部、１４，２４…データベース、２５…補正部、２６…行動様式提案抽出部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】