(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042999
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】来店者限定ポイントサービスシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0226 20230101AFI20240322BHJP
【FI】
G06Q30/02 354
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147964
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】393010396
【氏名又は名称】エヌカント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085224
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 重隆
(74)【代理人】
【識別番号】100140501
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 栄一郎
(72)【発明者】
【氏名】野澤 紀元
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】来店者のみに携帯情報端末を利用したポイントサービスを提供できて、店舗への顧客の来店促進と、店舗内での商品売上げアップと、顧客の継続的来店と、固定客の獲得と、DXの推進を同時に図れることで、店舗やメーカーや卸売業者又は商社の経営改善や業績アップに貢献できる来店者限定ポイントサービスシステムを提供する。
【解決手段】来店ポイントと店内購入ポイントとの両方を組み合わせて特典抽選の当選確率を変動させたため、来店者のみにスマートフォン18を利用したポイントサービスを提供でき、かつ店舗への顧客の来店促進と、店舗内での商品売上げアップと、顧客の継続的来店と、固定客の獲得と、DXの推進を同時に図れることで、店舗やメーカーや卸売業者又は商社の経営改善や業績アップに貢献できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
来店者限定ポイントサービスにエントリーした来店者が所持する携帯情報端末のみに、インターネット回線を介して、来店ポイント及び店舗での商品の購入金額の累計に基づく当選ポイントをそれぞれサーバから付与し、該サーバが提供する所定の特典が得られる抽選に対して、前記携帯情報端末から前記インターネット回線を介して応募があった際に、前記来店ポイント及び前記当選ポイントに応じて、前記特典の当選確率を変動させて前記抽選を行う来店者限定ポイントサービスシステムであって、
前記店舗に設置されて、前記携帯情報端末と近距離無線通信を行うためのタグ側通信部と、前記サーバのアドレスが記憶されたタグ側記憶部を有するNFCタグを備え、
前記携帯情報端末は、
前記インターネット回線に接続する端末側通信部と、
端末側記憶部と、
前記近距離無線通信を介して、前記タグ側記憶部に記憶された前記サーバのアドレスを読み取るNFCリーダと、
前記店舗で購入した商品のレシートを撮影してレシート画像を得るカメラと、
前記来店者限定ポイントサービスへのエントリー者情報及び前記抽選への応募者情報をそれぞれ入力するための文字入力手段と、
ディスプレイとを有し、
前記サーバは、
前記インターネット回線に接続するサーバ側通信部と、
前記インターネット回線を介して、前記携帯情報端末から受信した前記レシート画像より前記商品の購入金額を読み取るレシート読み取り部と、
該レシート読み取り部から読み取った前記購入金額の累計に基づき、前記当選ポイントを発行する当選ポイント発行部と、
前記インターネット回線を介しての前記携帯情報端末からのアクセスに基づき、前記来店ポイントを発行する来店ポイント発行部と、
前記応募の前には、前記エントリー者情報及び前記来店ポイントとを、それぞれ対応するエントリーと関連付けて記憶する一方、前記応募の後には、前記応募者情報、前記レシート画像、前記来店ポイント及び前記当選ポイントを、それぞれ対応した応募と関連付けて記憶するサーバ側記憶部と、
前記応募ごとに、関連する前記来店ポイント及び前記当選ポイントに基づき、前記特典の当選確率をそれぞれ演算して決定する当選確率決定部と、
該当選確率決定部により決定された前記当選確率に基づき、対応する応募ごとに前記特典の抽選をそれぞれ行う抽選部とを有したことを特徴とする来店者限定ポイントサービスシステム。
【請求項2】
前記サーバ側記憶部には、前記来店ポイント及び前記当選ポイントを要素として前記特典の当選確率を決定するための当選確率決定条件が記憶され、
前記当選確率決定部は、前記応募ごとに、前記来店ポイント及び前記当選ポイントを前記当選確率決定条件に照らし合わせて演算することで前記各当選確率をそれぞれ決定することを特徴とする請求項1に記載の来店者限定ポイントサービスシステム。
【請求項3】
前記当選確率決定条件は、
前記応募の来店ポイントが予め設定された基準ポイント以上の場合に、対応する応募の前記当選ポイントを所定値まで倍増させることを特徴とする請求項2に記載の来店者限定ポイントサービスシステム。
【請求項4】
前記当選確率決定条件は、
前記来店ポイントを優先した際には、前記当選ポイントに拘わりなく、前記来店ポイントの昇順に前記応募の当選確率を高めるとともに、前記来店ポイントが同数の場合のみに、前記当選ポイントの昇順に前記応募の当選確率を高める一方、
前記当選ポイントを優先した際には、前記来店ポイントに拘わりなく、前記当選ポイントの昇順に前記応募の当選確率を高めるとともに、前記当選ポイントが同数の場合のみに、前記来店ポイントの昇順に前記応募の当選確率を高めることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の来店者限定ポイントサービスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗を訪れた来店者(顧客)のみに、携帯情報端末(スマートフォン等)を利用したポイントサービスを提供する来店者限定ポイントサービスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、来店者に来店ポイントを付与して、店舗への来店を促進するサービスシステムとして、例えば、近距離無線通信の一種であるNFC(Near Field Communication)タグ等を利用した“スタンプラリー”などが知られている(例えば、非特許文献1など)。
【0003】
これは、店内のポスターやPOP等に貼付されたNFCタグにNFCリーダ搭載のスマートフォンをかざす(タッチする)ことで、NFCリーダがポイントサービスを提供するサーバのURL(アドレス)を読み取り、インターネットを介してサーバに自動アクセスする。その後、サーバが1日1回付与の来店ポイントとしてのスタンプを、インターネットよりスマートフォンに送信するものである。
【0004】
また、別の来店者ポイントサービスとして、来店者が店内での商品の購入金額に応じてサーバが付与した店内購入ポイントを、インターネットを介して、サーバから来店者のスマートフォンに送信するというものもあった。
来店者は、(1)スタンプラリーで得たスタンプや(2)店内購入ポイントを貯めて、景品、割引チケット等の特典を得るための抽選に参加する。
その際、従来は、スタンプ数に応じて当選確率が変動するか、店内購入ポイント数に応じて当選確率が変動する抽選システムが採用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】NFCモバイルスタンプラリー、[令和4年5月20日検索]、インターネット<URL:https://www.pkbsolution.co.jp/qr-rally/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来の抽選システムでは、(1)来店ポイントのスタンプ数、又は、(2)店内での商品購入で得られる店内購入ポイント数に比例して、景品等の特典が得られる当選確率が変動していた。
そのため、当接確率の変動要素に、(1)スタンプラリーでのスタンプ(来店ポイント)数を採用した場合には、来店ポイントだけを目的とした者にもスタンプを付与するため、売り上げに貢献しない来店者に対しても前記当選確率を高めていた。
【0007】
一方、(2)店内購入ポイントを採用した場合には、店内での商品購入金額に応じて付与される店内購入ポイントで当選確率が変動するため、1日だけしか来店していない顧客であっても商品を高額購入すれば、高い店内購入ポイントが得られる。これにより、顧客の来店回数を増やして店舗内での商品売り上げアップを図ることはできなかった。
【0008】
そこで、発明者は鋭意研究の結果、(1)の来店ポイントと(2)の店内購入ポイントとの両方を組み合わせて、景品、割引チケット等の特典を得る抽選の当選確率を変動させれば、上述した課題はすべて解消されることを知見し、この発明を完成させた。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたもので、来店者のみに携帯情報端末を利用したポイントサービスを提供できて、店舗への顧客の来店促進と、店舗内での商品売り上げアップと、顧客の継続的来店と、固定客の獲得と、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を同時に図れることで、店舗やメーカーや卸売業者あるいは商社の経営改善や業績アップに貢献できる来店者限定ポイントサービスシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、来店者限定ポイントサービスにエントリーした来店者が所持する携帯情報端末のみに、インターネット回線を介して、来店ポイント及び店舗での商品の購入金額の累計に基づく当選ポイントをそれぞれサーバから付与し、該サーバが提供する所定の特典が得られる抽選に対して、前記携帯情報端末から前記インターネット回線を介して応募があった際に、前記来店ポイント及び前記当選ポイントに応じて、前記特典の当選確率を変動させて前記抽選を行う来店者限定ポイントサービスシステムであって、前記店舗に設置されて、前記携帯情報端末と近距離無線通信を行うためのタグ側通信部と、前記サーバのアドレスが記憶されたタグ側記憶部を有するNFCタグを備え、前記携帯情報端末は、前記インターネット回線に接続する端末側通信部と、端末側記憶部と、前記近距離無線通信を介して、前記タグ側記憶部に記憶された前記サーバのアドレスを読み取るNFCリーダと、前記店舗で購入した商品のレシートを撮影してレシート画像を得るカメラと、前記来店者限定ポイントサービスへのエントリー者情報及び前記抽選への応募者情報をそれぞれ入力するための文字入力手段と、ディスプレイとを有し、前記サーバは、前記インターネット回線に接続するサーバ側通信部と、前記インターネット回線を介して、前記携帯情報端末から受信した前記レシート画像より前記商品の購入金額を読み取るレシート読み取り部と、該レシート読み取り部から読み取った前記購入金額の累計に基づき、前記当選ポイントを発行する当選ポイント発行部と、前記インターネット回線を介しての前記携帯情報端末からのアクセスに基づき、前記来店ポイントを発行する来店ポイント発行部と、前記応募の前には、前記エントリー者情報及び前記来店ポイントとを、それぞれ対応するエントリーと関連付けて記憶する一方、前記応募の後には、前記応募者情報、前記レシート画像、前記来店ポイント及び前記当選ポイントを、それぞれ対応した応募と関連付けて記憶するサーバ側記憶部と、前記応募ごとに、関連する前記来店ポイント及び前記当選ポイントに基づき、前記特典の当選確率をそれぞれ演算して決定する当選確率決定部と、該当選確率決定部により決定された前記当選確率に基づき、対応する応募ごとに前記特典の抽選をそれぞれ行う抽選部とを有したことを特徴とする来店者限定ポイントサービスシステムである。
【0011】
ここでいう“来店者限定ポイントサービスシステム”とは、店舗の来店者(来客、顧客)に限定したポイントサービスを利用し、例えば、店舗への来店を促進するためのシステムである。
来店者へのポイントサービスは、例えば、店舗で開催される各種のキャンペーンなどで実施される。具体的なキャンペーンとしては、スタンプラリー、ポイントアップキャンペーンなどが挙げられる。
店舗の種類は限定されない。例えば、スーパーマーケット、百貨店、ショッピングモール、個人の店などでもよい。
【0012】
ここでいう“来店ポイント”とは、インターネット回線を介して、来店者が所持する携帯情報端末に、来店者が店舗を訪れた報酬としてサーバから付与される電子ポイントである。この来店ポイントは、例えば、所定の特典が得られる抽選に参加するために使用される。
【0013】
特典の種類は限定されない。例えば、各種の景品(商品)、現金、各種の割引チケット、特に店舗で即日使用できるデジタルクーポンなどを採用することができる。その他にも、例えば、グリーンライフポイント、サステナビリティポイント、エコ・アクションポイントといった公的なものでもよい。このような公的ポイントを採用すれば、SDGs等の社会的課題の解決に貢献できる。なお、特典の付与は、商品購入や来店時だけでなく、スタンプラリー等のゲーム的な要素のものも含められる。
【0014】
ここでいう“当選ポイント”とは、来店者が店舗内で購入した商品の購入金額の累計に応じてサーバの当選ポイント発行部から発行されるポイントである。この当選ポイントは、例えば、所定の特典が得られる抽選に参加するためなどに使用される。
【0015】
ここでいう「来店ポイント及び当選ポイントに応じて、特典の当選確率を変動させる」とは、来店ポイントのみや当選ポイントのみではなく、両方のポイントの取得状況に応じて、特典の当選確率を変更することを意味する。
【0016】
例えば、(1)来店ポイント(来店回数)が基準ポイント以上取得すれば当選ポイントを倍増し、この当選ポイント数の違いで、各応募に順位をつけて当選確率を決定したり、(2)来店ポイントと当選ポイントとのうち、来店ポイント(来店回数)を優先した際には、当選ポイントに拘わりなく、来店ポイントの大きい応募の方を高い当選確率とすることを基本として、来店ポイントが同数の場合のみに、当選ポイントが高い方を高当選確率とする決定を行ったり、その他にも、(3)来店ポイントと当選ポイントとのうち、当選ポイントを優先した際には、来店ポイントに拘わりなく、当選ポイントの大きい応募の方を高当選確率とすることを基本とし、当選ポイント数が同じ場合のみに、来店ポイントの大きい方の応募の当選確率を高くする決定を行うこと、などが挙げられる。
また、1つの当選確率(例えば、当選確率2倍)が付与される応募の数は1つのみでも、複数でもよい。
【0017】
また、NFC(Near Field Communication)タグとは、数メートル以内の近距離無線通信を行うためのRFID(Radio frequency identification)である。NFCタグは、一般的にアンテナと、高周波回路を有したタグ側通信部と、タグ側記憶部と、CPUを内蔵した制御部と、電源回路の受電部とを有している。
【0018】
このうち、タグ側通信部とは、タグに搭載され、かつインターネット回線を利用してデータ(情報)の送信及び受信を行うためのものである。
タグ側記憶部としては、ROM又はRAMなどが採用されている。ここには、サーバのアドレスなどが記憶される。その他、例えば、店舗の情報などを記憶させてもよい。これにより、携帯情報端末をNFCタグにかざした際、この携帯情報端末のディスプレイの画面に、店舗に関連した各種の情報を表示することができる。
【0019】
NFCタグが配されるものとしては、例えば、店内のポスター、POP、商品陳列器、商品吊下フック、値札、商品ケースなどが挙げられる。その他、NFCタグを自動販売機に貼着してもよい。この場合、自動販売機のNFCタグ(又はNFCカード)にタッチした顧客にも、同様のポイントサービスを提供してもよい。
【0020】
このNFCタグとしては、ワンタイムURL機能を搭載したものを採用してもよい。ワンタイムURLとは、一度あるいは限られた時間もしくは限られた回数だけしか取得リクエストを受け付けないメカニズムである。また、このワンタイムURL型NFCタグは、NFCタグの読み取り機能付きの携帯情報端末をNFCタグにかざした際に、サーバに送信される署名を含む一意のURLを作成できるタグである。
【0021】
携帯情報端末としては、例えば、スマートフォン、タブレットなどの携帯可能な端末を採用することができる。
端末側通信部としては、インターネット回線に情報通信可能に接続されて、サーバから携帯情報端末へ送信された情報を受信するとともに、サーバにアクセスした際に、来店者の情報(応募者情報を含む)などをサーバに送信する機能を有したものであれば限定されない。
【0022】
携帯情報端末には、例えばROM又はRAMからなる端末側記憶部が搭載されている。この端末側記憶部には、例えば、来店者の応募者情報や、カメラ撮像したレシート画像、来店者が店舗の会員の場合における、来店者の会員データなどを記憶してもよい。
NFCリーダとは、近距離無線通信を利用してNFCタグのタグ側記憶部に記憶されたデータを読み取るNFC読み取り装置である。このNFCリーダは、読み取り機能だけでなく書き換え機能を有したNFCリーダライタでもよい。
【0023】
カメラとしては、例えばCCDセンサ、CMOSセンサなどを搭載した各種のデジタルカメラを採用することができる。
文字入力手段の種類は限定されない。例えば、各種のソフトウェアキーボード(フリック入力式、トグル入力式、フルキー入力式など)を採用することができる。この文字入力手段により、来店者限定ポイントサービスへのエントリー者情報及び応募者情報などを入力する。
【0024】
ここでいう“応募者情報”とは、例えば、応募者の氏名、郵便番号、住所、電話番号、性別、年齢などである(レシート画像の添付項目を含む)。
また、“エントリー者情報”とは、例えば、メールアドレスとパスワードといった応募者情報より簡易なものを採用することができる。
【0025】
ディスプレイとしては、例えば、液晶画面方式、有機EL画面方式などを採用することができる。
このディスプレイには、カメラが撮像したレシート画像を含むカメラ画像、文字入力手段が入力した文字情報(エントリー者情報、応募者情報など)、サーバから受信した来店ポイント、当選ポイント、及び特典の抽選結果などが表示される。
【0026】
サーバとしては、例えば、店舗の運営会社、又は、この運営会社と提携したサービス提供会社などが管理するコンピュータなどを採用することができる。具体的には、例えば、HTTPに則り、クライアントソフトウェアのウェブブラウザに対して、HTMLやオブジェクトの表示を提供するサービスプログラムや、そのサービスが動作する“ウェブサーバ”などを採用することができる。
【0027】
サーバ側通信部としては、インターネット回線に情報通信可能に接続されて、携帯情報端末からサーバへ送信された情報を受信するとともに、携帯情報端末に、例えば応募者情報を記入する応募フォーム、抽選結果などを送信する機能を有したものであれば任意のものを採用することができる。
【0028】
レシート読み取り部としては、各種のOCR(Optical Character Recognition/Reader、オーシーアール、光学的文字認識)などを採用することができる。これにより、手書きや印刷された文字を、イメージスキャナやデジタルカメラによって読み取り、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する。レシート読み取り部には、カメラで撮影されたレシート画像に対して、例えば台形補正・歪み補正、ノイズ処理を施して、文字認識の精度を高める機能を搭載したものを採用してもよい。
【0029】
当選ポイント発行部は、レシート読み取り部から読み取った商品の購入金額の累計(総額)に基づき、当選ポイントを発行するロジック(プログラム)である。商品の購入金額累計に対する当選ポイントの発行値(発行レート)は任意である。
来店ポイント発行部は、携帯情報端末からのアクセスに基づき、来店ポイントを発行するロジックである。このアクセス回数に対する来店ポイントの発行値(ゼロ発行を含む)は任意である。
【0030】
サーバ側記憶部としては、ROM又はRAMなどが採用されている。ここには、例えば、来店者限定ポイントサービスの開催情報、このポイントサービスへの応募で取得可能な特典情報などが記憶される。また、応募前のエントリー時には、各エントリーごとに、携帯情報端末のアドレス、エントリー者情報(パスワードなど)、来店ポイントなどが記憶される。一方、応募後は、各応募ごとに、応募者のメールアドレス、応募者情報、来店ポイント、レシート画像、レシート画像から読み取った商品の購入金額累計、当選ポイント、来店ポイント及び当選ポイントを要素として当選確率を決定する当選確率決定条件、当選確率、及び抽選後の当選結果などがそれぞれ記憶される。その他、例えば、ポイントサービスのエントリー用の初回登録フォーム、応募者情報の入力用の応募フォームなどを採用してもよい。
【0031】
当選確率決定部とは、各応募に付された来店ポイント及び当選ポイントに応じて、特典の当選確率を決定するロジック(プログラム)である。
この当選確率決定部は、例えば、所定のポイント評価基準(例えば、当選確率決定条件など)にしたがい、来店ポイント及び当選ポイントを総合的に評価して当選確率を演算する当選確率演算部を有している。
抽選部とは、当選確率決定部により決定された当選確率に基づき、応募ごとに各種の景品や割引チケットといった特典の抽選を行うためのロジックである。
【0032】
サーバには、各種のサービスを提供する情報サイトを設けてもよい。この情報サイトは、インターネット回線に接続されたサーバ(クラウドサーバを含む)により運営され、そのデータベースに来店者へのサービスとしての各種コンテンツ(デジタルコンテンツ)などが記憶されている。
コンテンツの種類は限定されない。例えば、各種の電子ポイント、画像(動画、静止画を含む)、文字列(メッセージ等を含む)、音(音楽を含む)、ソフトウエア(ゲーム・データベースなど)といった情報やサービスなどが挙げられる。
【0033】
また、所定の店舗で行う来店者限定ポイントサービスを、SNSの公式アカウントやスマートフォンアプリ等のオウンドメディアで告知・宣伝すれば、それを見た人(ファン)がその店舗に来店し、実際にこのポイントサービスに参加して、その体験をSNS上で拡散することで話題となれば、新規なファンと顧客を指数関数的に増やすことができる。
【0034】
請求項2に記載の発明は、前記サーバ側記憶部には、前記来店ポイント及び前記当選ポイントを要素として前記特典の当選確率を決定するための当選確率決定条件が記憶され、前記当選確率決定部は、前記応募ごとに、前記来店ポイント及び前記当選ポイントを前記当選確率決定条件に照らし合わせて演算することで前記各当選確率をそれぞれ決定することを特徴とする請求項1に記載の来店者限定ポイントサービスシステムである。
【0035】
当選確率決定条件とは、特典の当選確率を決定する際に利用されるものであって、その条件内容は限定されない。例えば、来店ポイント及び当選ポイントのうち、何れか一方の評価比重を高めてもよい。
【0036】
請求項3に記載の発明は、前記当選確率決定条件は、前記応募の来店ポイントが予め設定された基準ポイント以上の場合に、対応する応募の前記当選ポイントを所定値まで倍増させることを特徴とする請求項2に記載の来店者限定ポイントサービスシステムである。
【0037】
ここでいう“基準ポイント”や“所定値”の値はそれぞれ任意である。これらは来店ポイントサービスの開始前に設定されるが、これらをサービス開始後から特典の抽選が行われるまでの間に適宜変更してもよい。
【0038】
請求項4に記載の発明は、前記当選確率決定条件は、前記来店ポイントを優先した際には、前記当選ポイントに拘わりなく、前記来店ポイントの昇順に前記応募の当選確率を高めるとともに、前記来店ポイントが同数の場合のみに、前記当選ポイントの昇順に前記応募の当選確率を高める一方、前記当選ポイントを優先した際には、前記来店ポイントに拘わりなく、前記当選ポイントの昇順に前記応募の当選確率を高めるとともに、前記当選ポイントが同数の場合のみに、前記来店ポイントの昇順に前記応募の当選確率を高めることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の来店者限定ポイントサービスシステムである。
【発明の効果】
【0039】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、店舗を訪れた来店者がNFCタグに携帯情報端末をかざす(タッチする)。これにより、近距離無線通信を利用してNFCリーダがNFCタグのタグ側記憶部に記憶されたサーバのアドレス(URL)を読み取って携帯情報端末を自動起動させ、インターネット回線を介して、サーバにアクセスする。
次いで、来店者が文字入力手段により作成したエントリー者情報を、インターネット回線を介してサーバに送信する。これを受けたサーバは、このエントリー者情報と、アクセス受信後に来店ポイント発行部が発行した来店ポイントとを、対応するエントリー(No.)と関連付けてサーバ側記憶部に記憶するとともに、インターネット回線を介して、その来店ポイントを携帯情報端末に送信する。この携帯情報端末では、受信した来店ポイントを、例えば、ディスプレイに表示するとともに、端末側記憶部に記憶する。
【0040】
その後の来店時には、来店者がNFCタグに携帯情報端末をかざしてサーバにアクセスすることで、来店ポイント発行部が発行した来店ポイントを、対応するエントリーと関連付けてサーバ側記憶部に記憶する一方、同じようにインターネット回線を介してサーバから携帯情報端末に送信して、例えばこれをディスプレイに表示するとともに、端末側記憶部にも記憶する。
【0041】
その後、特典が得られえる抽選の応募時には、例えば、来店者が文字入力手段により作成した応募者情報と、来店者が店内で購入した商品のレシートを携帯情報端末のカメラにより撮影したレシート画像と、端末側記憶部に記憶された来店ポイント等とを、インターネット回線を介して、携帯情報端末からサーバに送信する。これらのデータは、対応した応募と関連付けてサーバ側記憶部に記憶される。
【0042】
一方、サーバでは、受信したレシート画像をレシート読み取り部が読み取り、その読み取った商品の購入金額累計に基づき、当選ポイント発行部より当選ポイントが発行される。発行された当選ポイントは、対応した応募と関連付けてサーバ側記憶部に記憶される。
また、当選確率の決定時には、サーバの当選確率決定部において、応募ごとに、サーバ側記憶部に記憶された関連する来店ポイント及び当選ポイントに基づき、これらを適宜演算して決定する。
【0043】
その後の抽選時には、サーバの抽選部において、予め当選確率決定部により決定された当選確率に基づき、対応する応募ごとに抽選を行うことで、特典の当落を決定する。
その抽選結果は、インターネット回線を介して、サーバから携帯情報端末に送信されて、例えばディスプレイなどに表示される。
【0044】
このように、来店ポイントと店内購入ポイントとの両方を組み合わせて、特典を得る抽選の当選確率を変動するようにしたため、来店者のみに携帯情報端末を利用したポイントサービスを提供できて、店舗への顧客の来店促進と、店舗内での商品売り上げアップと、顧客の継続的来店と、固定客の獲得と、DXの推進を同時に図れることで、店舗やメーカーや卸売業者あるいは商社の経営改善や業績アップに貢献することができる。
【0045】
特に、請求項2に記載の本発明によれば、当選確率の決定時には、サーバの当選確率決定部において、応募ごとに、サーバ側記憶部に記憶された来店ポイント及び当選ポイントを当選確率決定条件に照らし合わせて演算することで、それぞれの当選確率を決定する。
このように、予め設定された当選確率決定条件に基づき、特典の当選確率を決定するため、複雑で分かりにくくなり易い来店ポイントと当選ポイントという2つの要素を利用した当選確率の決定工程を、簡素化することができる。
【0046】
また、請求項3に記載の本発明によれば、当選確率決定条件として、応募に添付された来店ポイントが予め設定された基準ポイント以上の場合に、対応する応募の当選ポイントを所定値まで倍増するものを採用したため、来店ポイントが基準ポイントに達していない応募に比べて当選ポイントが高まることで、顧客の商品購買意欲をさらに向上させることができる。
【0047】
さらに、請求項4に記載の本発明によれば、来店ポイントの優先時には、当選ポイントに拘わりなく、来店ポイントの昇順に応募の当選確率を高めることができる。ただし、来店ポイントが同数の場合には、当選ポイントの昇順に応募の当選確率を高めることができる。
一方、当選ポイントの優先時には、来店ポイントに拘わりなく、当選ポイントの昇順に応募の当選確率を高めることができる。ただし、当選ポイントが同数の場合は、来店ポイントの昇順に応募の当選確率を高めることができる。
【0048】
このように、当選確率決定条件として、来店ポイント優先と当選ポイント優先との2つの条件を具備したものを採用したため、店舗の要望に応じて、来店ポイント優先による店舗への顧客の来店促進の優位モードと、当選ポイント優先による店舗内での商品売り上げアップの優位モードとを任意に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】本発明の実施例1に係る来店者限定ポイントサービスシステムの全体構成図である。
【
図2】本発明の実施例1に係る来店者限定ポイントサービスシステム一部を構成するNFCタグの電気系統のブロック図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る来店者限定ポイントサービスシステムを利用したスタンプラリーの流れの前半部分を示すフロー図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る来店者限定ポイントサービスシステムを利用したスタンプラリーの流れの後半部分のフロー図である。
【
図5】本発明の実施例1に係る来店者限定ポイントサービスシステムを利用したスタンプラリーにおいて、スタンプ獲得数による特典の当選確率の変動を示す3日目から4日目の応募者状況を示す表である。
【
図6】本発明の実施例1に係る来店者限定ポイントサービスシステムを利用したスタンプラリーにおいて、応募者数による特典の当選確率の変動を示す4日目から5日目の応募者状況を示す表である。
【
図7】本発明の実施例1に係る来店者限定ポイントサービスシステムを利用したスタンプラリーにおいて、店舗での商品購入金額の累計による特典の当選確率の変動を示す5日目から6日目の応募者状況を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
【実施例0051】
図1において、10は本発明の実施例1に係る来店者限定ポイントサービスシステムで、この来店者限定ポイントサービスシステム10は、店舗内で開催された来店者限定ポイントサービスにエントリーした来店者(顧客)が、自己の所持するスマートフォン(携帯情報端末)18のみに、インターネット回線15を介して、来店ポイント及び当選ポイントをそれぞれサーバ11から付与し、その後、サーバ11が提供する所定の特典が得られる抽選に対して、スマートフォン18からインターネット回線15を介して応募があった際に、来店ポイント及び当選ポイントに応じて、特典の当選確率を変動させて抽選を行う電子的なスタンプラリーに適用されるものである。ここでの特典は、賞金10万円が10名である。
【0052】
以下、来店者限定ポイントサービスシステム10を具体的に説明する。
図1及び
図2に示すように、この来店者限定ポイントサービスシステム10は、スーパーマーケットである店舗内の商品(歯磨き)Aの陳列棚Sに設置された、スタンプラリーキャンペーンの告知カードとしてのIoTデジタルPOP21の中央部に埋め込まれたワンタイムURL型のNFCタグ14を有している。
NFCタグ14は、ISO/IEC18092で標準化された周波数13.56MHzの近距離無線通信方式のRFID(Radio frequency identification)タグである。NFCタグ14は、パッシブ型無線タグと同様に、スマートフォン18から非接触で供給された電力により動作する。
【0053】
また、
図2のブロック図に示すように、このNFCタグ14には、合成樹脂からなるベースシート22の面に、渦巻状のアンテナ23と、タグ側通信部24と、タグ側記憶部12と、ワンタイムURL作成部13と、タグ側制御部25と、受電部26とが配設されている。
このうち、タグ側通信部24は、近傍(例えば数m)に存在しているスマートフォン18との近距離無線通信を実行する手段である。
【0054】
タグ側記憶部12は、サーバ11のアドレス等を記憶する手段である。
タグ側制御部25は、CPUを内蔵して、NFCタグ14の全体を制御する手段である。
受電部26は、電源回路を有して、タグ側通信部24を通してスマートフォン18からの電力を非接触で受電する手段である。
【0055】
ワンタイムURL作成部13は、NFCタグ14をスマートフォン18のNFCリーダライタ17にかざした際に、サーバ11に送信される署名を含む一意のURLを作成(発行)するためのものである。
このワンタイムURL作成部13は、カウンタ、タグ改ざんステータス、メッセージ認証コードの一部あるいは全てを使用してタッチの都度ユニークなワンタイムURLを発行する構成を有している。
【0056】
ここで、具体的なワンタイムURL作成部13によるワンタイムURLの発行を説明する。
すなわち、スマートフォン18のNFCリーダライタ17をワンタイムURL型のNFCタグ14にかざす都度、ワンタイムURL作成部13により、カウンタ、タグ改ざんステータス、メッセージ認証コードの一部あるいは全てが動的に変化することで、NFCタグ14によりワンタイムURLが発行される。
【0057】
図1に示すように、スマートフォン18は、インターネット回線15に接続される携帯情報端末の一種である。このスマートフォン18は、インターネット回線15に接続するための端末側通信部16と、端末側記憶部33と、近距離無線通信を介して、タグ側記憶部12に記憶されたサーバ11のアドレス(データ)を読み取るNFCリーダライタ(NFCリーダ)17と、店舗で購入した商品Aのレシートを撮影してレシート画像を得るカメラ40と、来店者限定ポイントサービスへのエントリー者情報及び抽選への応募者情報をそれぞれ入力するための文字入力手段41と、ディスプレイ42と、スマートフォン18の電気系統の全体を制御する端末側制御部34とを有している。
を有している。
【0058】
NFCリーダライタ17は、近距離無線通信を介して、NFCタグ14のタグ側記憶部12に記憶されたデータを読み取る。
端末側制御部34は、CPUを内蔵して、スマートフォン18の全体を制御する手段である。
カメラ40は、CMOSセンサを搭載したデジタルカメラである。
文字入力手段41は、スマートフォン18に搭載されたソフトウェアキーボード(フリック入力式、トグル入力式、フルキー入力式など)である。この文字入力手段41により、来店者限定ポイントサービスへのエントリー者情報及び応募者情報などを入力する。
【0059】
ここでのエントリー者情報は、応募者のメールアドレスとパスワードである。
また、ここでの応募者情報は、応募者の氏名、郵便番号、住所、電話番号、及びレシート画像である。
ディスプレイ42は、有機EL画面方式のモニタで、カメラ40が撮像したレシート画像を含むカメラ画像、文字入力手段41が入力した文字情報(エントリー者情報、応募者情報など)、サーバ11から受信した来店ポイント、当選ポイント、及び特典の抽選結果などが表示される。
【0060】
図1に示すように、サーバ11は、インターネット回線15に接続されるクラウドサーバである。
サーバ11は、インターネット回線15に接続するサーバ側通信部19と、インターネット回線15を介して、スマートフォン18から受信したレシート画像よりスタンプラリー対象の商品Aの購入金額を読み取るレシート読み取り部43と、レシート読み取り部43から読み取った商品Aの購入金額累計に基づき、当選ポイントを発行する当選ポイント発行部44と、インターネット回線15を介してのスマートフォン18からのアクセスに基づき、来店ポイントとしてのスタンプを発行する来店ポイント発行部45と、サーバ側記憶部(データベース)20と、応募ごとに、関連する来店ポイント及び当選ポイントに基づき、特典の当選確率をそれぞれ演算して決定する当選確率決定部46と、当選確率決定部46により決定された当選確率に基づき、対応する応募ごとに特典の抽選をそれぞれ行う抽選部47と、サーバ11の電気系統の全体を制御するサーバ側制御部27と、ワンタイムURLの検証手段29とを有している。
【0061】
以下、これらの構成体を具体的に説明する。
サーバ側記憶部20としては、ROM又はRAMなどが採用されている。ここには、例えば、スタンプラリーの開催情報(参加者の募集情報)、このスタンプラリーへの応募で取得可能な特典情報、スタンプラリーへのエントリー用の初回登録フォームa、その他のエントリー関連情報(各種の画像情報を含む)、応募者情報の入力用の応募フォーム、その他の応募関連情報(各種の画像情報を含む)、来店ポイント及び当選ポイントを要素として特典の当選確率を決定するための当選確率決定条件などが記憶される。
【0062】
なお、応募前には、エントリー者情報と来店ポイントとが、それぞれ対応するエントリー(No.)と関連付けてサーバ側記憶部20に記憶される。一方、応募後は、各応募(No.)に関連して、応募者情報、来店ポイント、レシート画像、このレシート画像から読み取った当選ポイント、当選確率、及び抽選後の当落結果などが、サーバ側記憶部20にそれぞれ記憶される。
【0063】
レシート読み取り部43は、OCR(Optical Character Recognition/Reader)により、レシート画像から商品Aの購入金額を読み取ってデジタルコードに変換するロジックである。
【0064】
来店ポイント発行部45は、スマートフォン18からのアクセスに基づき、来店ポイントを発行するロジックである。このアクセス回数に対する基本的な来店ポイントの発行値(ゼロ発行を含む)は、当選確率決定条件によって、各店舗ごとに1日1ポイントで、かつ最大3ポイントまでしか累計されない。
【0065】
当選ポイント発行部44は、レシート読み取り部43から読み取った購入金額累計に基づき、当選ポイントを発行するロジック(プログラム)である。
基本的な商品Aの購入金額累計に対する当選ポイントの発行値は、等価(1円につき1ポイント)である。しかしながら、ここでは、来店ポイント(スタンプ)が予め設定された3ポイント(3つ)に達した場合には、1円につき当選ポイントが2ポイント(当選確率が2倍)となる来店ポイント優先モードの当選確率決定条件が採用されている。ただし、来店ポイントが同数の場合には、当選ポイントの昇順に応募の当選確率が高められる。
【0066】
なお、来店ポイント優先モードに代えて、当選ポイント優先モードを採用してもよい。この当選ポイント優先モードでは、来店ポイントに拘わりなく、当選ポイントの昇順に応募の当選確率が高められる。ただし、当選ポイントが同数の場合には、来店ポイントの昇順に応募の当選確率が高められる。
【0067】
以下、当選確率決定条件について詳細に説明する。
当選ポイントの算出方法について:
(1)来店回数が3回未満(スタンプ獲得数は1~2つ)では、店舗での商品Aの購入金額に拘わらず、商品購入金額1円=当選ポイント1とする。
(2)来店回数が3回以上(スタンプ獲得数は3つ)では、店舗での商品Aの購入金額1円を当選ポイント2とする。
【0068】
2.スマートフォン18のディスプレイ42における当選確率の画面表示について:
(1)来店回数が3回未満では、指定された商品(歯磨き)Aの購入金額に関係なく“★(当選確率)1つ”がディスプレイ42に表示される。
(2)来店回数が3回以上では“★2つ~★5つ(当選確率は2倍~5倍)”がディスプレイ42に表示される。以下、これを詳述する。
【0069】
基本事項として、商品Aの購入金額累計と応募者数とにより★の数は変動する。
・来店回数3回以上で、かつ当選ポイント1~3位を★5つ(当選確率5倍)とする。
・来店回数3回以上で、かつ当選ポイント4~7位を★4つ(当選確率4倍)とする。
・来店回数3回以上で、かつ当選ポイント8~9位を★3つ(当選確率3倍)とする。
・来店回数3回以上で、かつ当選ポイント10位以降を★2つ(当選確率2倍)とする。
【0070】
なお、購入金額累計が上位で、来店回数が3回未満の応募を当選とするかは、店舗側の判断によるものとする。また、来店回数より店舗での購入金額を優先することも可能である(当選ポイント優先モード)。さらには、来店者の応募回数を判定基準に加えてもよいし、応募回数は来店者一人1回のみに限定してもよい。
【0071】
なお、応募後に、現在の当選確率を確認したい場合には、来店者が店舗内に設置されたIoTデジタルPOP21のNFCタグ14にスマートフォン18をタッチすれば、インターネット回線15を介して、サーバ側記憶部20に記憶された現在の当選確率がスマートフォン18に送信されてディスプレイ42に表示される。また、この当選確率は、応募数が増えたり、当選確率決定条件の変更によって変えられる。
【0072】
例えば、応募後に、来店者が自分の応募の当選確率を高めたい場合には、(1)来店ポイントの追加と、(2)商品Aの当選ポイントの追加の2つの方法を利用すればよい(両方の追加も可能)。すなわち、(1)来店ポイントの追加に関しては、応募後に来店者が店舗内のNFCタグ14にスマートフォン18をタッチして得た来店ポイントを、当該応募に紐づけしてサーバ11に送信すればよい。一方、(2)商品Aの当選ポイントの追加に関しては、応募後に来店者が店内で商品Aを購入し、そのレシートをカメラ40により撮影してレシート画像とし、これを当該応募に紐づけして、インターネット回線15を介してサーバ11に送信すればよい。
【0073】
当選確率決定部46とは、各応募に付された来店ポイント及び当選ポイントを当選確率決定条件に照らし合わせて、特典の当選確率を決定するロジック(プログラム)である。
具体的には、当選確率決定条件にしたがい、来店ポイント及び当選ポイントを総合的に評価し、その評価に基づいてこの当選確率を図示しない当選確率演算部により演算する。
【0074】
抽選部47とは、スタンプラリー終了後、当選確率決定部46により決定された当選確率に基づき、応募ごとに特典の抽選を行うロジックである。
また、サーバ側制御部27は、CPUを内蔵して、サーバ11の全体を制御する手段である。
【0075】
次に、
図1~
図7を参照して、本発明の実施例1に係る来店者限定ポイントサービスシステム10を利用して、店舗を訪れた来店者(顧客)のみに10万円の賞金(特典)が当たるスタンプラリーキャンペーンについて説明する。
【0076】
図3に示すように、まずスタンプラリー参加希望の利用者がスーパーマーケット(店舗)に来店し、所持したスマートフォン18を、指定の商品Aの陳列棚に設置されたIoTデジタルPOP21のNFCタグ14にタッチする(ステップ1)。
これにより、スマートフォン18から近距離無線通信を通して発信された電力が、アンテナ23からタグ側通信部24を通して受電部26が受電し、NFCタグ14が作動する(
図2を参照)。
【0077】
その後、スマートフォン18のNFCリーダライタ17が作動し、近距離無線通信を介して、NFCタグ14のタグ側記憶部12に記憶されたサーバ11のアドレス(URL)を読み取ることで、スマートフォン18を自動起動させ、端末側通信部16からインターネット回線15を介して、サーバ11のアドレスにアクセスする。
【0078】
その際、スマートフォン18をNFCタグ14にかざすことで、ワンタイムURL作成部13により一意のURLが発行される。
具体的には、スマートフォン18をNFCタグ14にタッチすれば、ワンタイムURL作成部13により、カウンタ、タグ改ざんステータス、メッセージ認証コードの一部あるいは全てが動的に変化することで、NFCタグ14によりワンタイムURLが発行される。
【0079】
その後、スマートフォン18が、端末側通信部16よりインターネット回線15を介してサーバ11にアクセスすることで、サーバ11はサーバ側通信部19から、インターネット回線15を介して、サーバ側記憶部20に記憶されたスタンプラリーの開催情報(特典情報を含む)、スタンプラリーへのエントリー用の初回登録フォームa、及び各種のエントリー関連情報をスマートフォン18にそれぞれ送信し、これらが所定順序でディスプレイ42に表示される。
【0080】
すなわち、来店者がスタンプラリーにエントリーする際には、ディスプレイ42に表示された初回登録フォームaの空欄に、エントリー者情報としてのメールアドレスとパスワードとを入力し、送信キーa1をタップすることで、インターネット回線15を介して、これをサーバ11に送信する。なお、エントリー者情報の入力時に、入力不備(確認用メールアドレスとの不一致、パスワード入力記載(半角英数混在8文字以上等)があった場合は、ディスプレイ42に再入力を促す画面を表示する。
【0081】
その後、このエントリー者情報を受信したサーバ11では、割り振られたエントリー(No.)に紐づけした状態でこのエントリー者情報をサーバ側記憶部20に記憶するとともに、インターネット回線15を介して、エントリー完了通知をスマートフォン18に送信してディスプレイ42に表示する(ステップ2―1)。
【0082】
その際、スマートフォン18からのアクセスによって来店ポイント発行部45が発行した1つのスタンプ(来店ポイント)を、対応するエントリーに紐づけしてサーバ側記憶部20に記憶するとともに、インターネット回線15を介して、サーバ11からスマートフォン18に1個目のスタンプを送信し、それをディスプレイ42に自動切替えで表示する(ステップ3)。
【0083】
なお、当日同じ店舗でスマートフォン18をNFCタグ14に複数回タッチした場合には、サーバ側記憶部20に記憶された「本日は既にスタンプを獲得しています。明日のご来店を心よりお待ちしております。」というメッセージ画面が、スマートフォン18のディスプレイ42に表示される(ステップ2-2)。
【0084】
その後、エントリーした翌日以降の来店時(2回目)には、スマートフォン18をNFCタグ14にタッチすることで、来店ポイント(スタンプ)発行部45が発行した2個目のスタンプが、対応するエントリーに紐づけされてサーバ側記憶部20に記憶される。しかも、インターネット回線15を介して、サーバ11からスマートフォン18にこの2個目のスタンプが送信されて、ディスプレイ42に表示される。なお、翌日以降の来店時(2回目以降)には、スマートフォン18をNFCタグ14にタッチしても、ディスプレイ42に初回登録フォームaは表示されない。
【0085】
そして、後日の3回目来店時には、スマートフォン18をNFCタグ14にタッチすることで、インターネット回線15を介して、来店ポイント発行部45が発行した3個目のスタンプが、対応するエントリーに紐づけられてサーバ側記憶部20に記憶される。一方、この3個目のスタンプが、インターネット回線15を介してサーバ11からスマートフォン18に送信されて、ディスプレイ42に表示される(ステップ4)。
その直後、自動切替えによって、サーバ側記憶部20に記憶された応募者10名に10万円の特典が当たる抽選への応募参加を促すメッセージ画面が、インターネット回線15を介して、サーバ11からスマートフォン18に送信されてディスプレイ42に表示される(ステップ5)。
【0086】
ここで、来店者がディスプレイ42の画面上の“応募b”をタップすれば、インターネット回線15を介して、サーバ11からスマートフォン18に、サーバ側記憶部20に記憶された応募に関する利用上の注意点と応募登録のメールアドレスの入力画面cが送信され、ディスプレイ42に表示される(ステップ6)。
その後、来店者が文字入力手段41により応募用のメールアドレス(ここでは初回登録時で使用したものと同じもの)を入力し、エントリーキーc1をタップすることで、インターネット回線15を介して、この応募用のメールアドレスがスマートフォン18からサーバ11に送信される(ステップ7)。
【0087】
次いで、サーバ11がこれを受信すると、応募用のメールアドレスが当該応募に紐づけされてサーバ側記憶部20に記憶されるとともに、インターネット回線15を介して、サーバ11から応募用のメールアドレス(スマートフォン18)に、この応募用アドレスの受信通知メールが送信されて、そのメールを開くことでディスプレイ42にその受信通知画面dが表示される(ステップ8,9)。
その後、この画面dに表示された応募フォームキーd1をタップすることにより、メール添付された応募フォームeがディスプレイ42に表示される。
【0088】
ここで、来店者が文字入力手段41を用いて応募者の氏名、郵便番号、住所及び電話番号という応募者情報を入力する一方、スマートフォン18のカメラ40により商品A(歯磨き)の購入レシートを撮影したレシート画像をメール添付して送信キーe1をタップする。これにより、ディスプレイ42に“送信完了”の画面fが表示される(ステップ11)。
【0089】
これにより、インターネット回線15を介して、スマートフォン18からサーバ11にこの応募者情報がメール送信される。これを受けたサーバ11では、OCR機能付きのレシート読み取り部43を用いてレシート画像から商品Aの購入金額を読み取り、この読み取った金額の累計に基づき当選ポイント発行部44が発行した当選ポイントと、応募者情報とを、対応する応募に紐づけしてサーバ側記憶部20に記憶する。こうしてスタンプラリーキャンペーンへの応募が完了する。
なお、10万円の当選者(応募)10名は、サーバ11の当選確率決定部46が自動計算した各応募の当選確率に基づき、キャンペーン終了後にサーバ11の抽選部47が自動抽選する。
また、応募後でもキャンペーン期間内であればスタンプの追加や、再応募も可能である。
【0090】
次に、
図5~
図7の表を参照して、サーバ11の当選確率決定部46による各応募の当選確率の変動について説明する。
スタンプラリーの開始から3日目の応募状況は、12名の応募者A~Lがそれぞれ1回ずつ応募した。ここでの当選確率決定条件は以下の通りで、来店ポイント優先モードを採用している。
【0091】
当選ポイント発行部44での当選ポイントの算出方法については、来店回数が3回未満(スタンプ数1つ又は2つ)の場合には、店舗での商品(歯磨き)Aの購入金額1円を当選ポイント1とする。このとき、商品Aの購入金額累計に関係なく★の数は1つで、特典の当選確率は1倍となる。
一方、来店回数が3回(スタンプ数3つ)に達すれば、店舗での商品Aの購入金額1円を、来店回数3回未満の際の2倍となる“当選ポイント2”とするとともに、同じ来店回数3回のグループ内での当選ポイントの昇順で、★2つ~★5つを決定する。以下、これについて詳述する。
【0092】
・来店回数3回以上で、かつ当選ポイントが1~3位は★5つ(来店回数3回未満の★1つに比べて当選確率は5倍)
・来店回数3回以上で、かつ当選ポイントが4~7位は★4つ(当選確率は4倍)
・来店回数3回以上で、かつ当選ポイントが8~9位は★3つ(当選確率は3倍)
・来店回数3回以上で、かつ当選ポイントが10位以降は★2つ(当選確率は2倍)
とする。
【0093】
以下、
図5の表に基づき、スタンプ獲得数により★の数(当選確率)が変動することを説明する。
3日目の応募状況では、応募者12名のうち、上位8名(応募者A~H)がスタンプ3つ、次の2名(応募者I,J)がスタンプ2つ、残りの2名(応募者K,L)がスタンプ1つであった。これを当選確率決定条件に照らし合わせた。
その結果、スタンプ3つのグループ中で、応募者A~C(当選ポイント10,000~7,000)が★5つ(当選確率5倍)、応募者D~G(当選ポイント3,000~2,000)が★4つ(当選確率4倍)、応募者H(当選ポイント1,000)が★3つ(当選確率3倍)だった。
【0094】
一方、4日目の応募状況については、応募者数と各応募者の商品Aの購入額累計には変更がなかったものの、応募者Iが店舗に来店してスタンプ数が3つとなった。その結果、応募者Iの当選ポイントが1,500ポイントから3,000ポイントに増え、順位は9位から5位に上がって★4つ(当選確率4倍)を獲得した。
これに伴い、応募者E~Gは順位が1つずつ下がった。特に、4日目に商品Aを購入しなかった応募者Gは、順位が7位から8位に下がることで、★4つから★3つとなって当選確率は3倍に減少した。
【0095】
次いで、
図6の表を参照して、応募者数の増加により★の数(当選確率)が変動することを説明する。
4日目の応募状況では、応募者はA~Lまでの12名だったのが、5日目に応募者Xが店舗に来店してスタンプ3つを獲得しスタンプラリーに応募したことで13名に増えた。このとき、応募者Xの商品Aの購入金額累計は3,800円だった。そのため、当選ポイントは3,800ポイントの2倍の7,600ポイントとなり、スタンプ3つのグループ中で3位(当選確率5倍)となった。これにより、4日目に3位~12位だった応募者C~Lの順位が1つずつ下がった。その結果、応募者Cは★5つから★4つ(当選確率4倍)、応募者Fは★4つから★3つ(当選確率3倍)、応募者Hは★3つから★2(当選確率2倍)にそれぞれ減少した。
【0096】
次に、
図7の表を参照して、商品Aの購入金額累計により★の数(当選確率)が変動することを説明する。
5日目の応募状況では、応募者Hの商品Aの購入金額累計は500円で当選ポイントは、その購入金額の2倍の1,000ポイントだったが、6日目に応募者Hが店舗に来店して商品Aを1,500円分購入したことで、応募者Hの商品Aの購入金額累計は2,000円となり、当選ポイントは4,000ポイントに増えた。これにより、応募者Hの★の数が2つから4つ(当選確率4倍)に高まった。
【0097】
一方、6日目に商品Aを購入しなかった応募者Eは、自動的に順位が7位から8位に下がることで、★4つから★3つとなって当選確率は3倍に減少した。また、応募者Gも自動的に順位が9位から10位に下がり、★3つから★2つ(当選確率2倍)に減った。
【0098】
次に、サーバ11の抽選部47により、当選確率決定条件にしたがった当選確率で、各応募者の応募の抽選を行った。
当選結果は、対応する応募に紐づけしてサーバ側記憶部20に記憶されるとともに、インターネット回線15を介して各応募者のスマートフォン18に送信され、ディスプレイ42に表示される。
【0099】
このように、来店ポイントと、店内購入ポイントとの両方を組み合わせて、特典を得る抽選の当選確率を変動させるようにしたため、来店者のみにスマートフォン18を利用したポイントサービスを提供できて、店舗への顧客の来店促進と、店舗内での商品売り上げアップと、顧客の継続的来店と、固定客の獲得と、DXの推進を同時に図れることで、店舗やメーカーや卸売業者あるいは商社の経営改善や業績アップに貢献することができる。
また、当選確率の決定時には、サーバ11の当選確率決定部46において、応募ごとに、サーバ側記憶部20に記憶された来店ポイント及び当選ポイントを当選確率決定条件に照らし合わせて演算して各当選確率を決定するため、複雑で分かりにくくなり易い来店ポイントと当選ポイントという2つの要素を利用した当選確率の決定工程を、簡素化することができる。
【0100】
さらには、当選確率決定条件として、応募に添付された来店ポイントが予め設定された基準ポイント以上の場合に、対応する応募の当選ポイントを所定値まで倍増するものを採用したため、来店ポイントが基準ポイントに達していない応募に比べて当選ポイントが高まることで、顧客の商品購買意欲をさらに向上させることができる。
【0101】
さらにまた、来店ポイントの優先時には、当選ポイントに拘わりなく、来店ポイントの昇順に応募の当選確率を高めることができる。ただし、来店ポイントが同数の場合には、当選ポイントの昇順に応募の当選確率を高めることができる。
このように、当選確率決定条件として、来店ポイント優先を採用したため、店舗の要望に応じて、来店ポイント優先による店舗への顧客の来店促進をさらに高めることができる。
【0102】
なお、★の数は抽選時の当選確率であり、特典の当選数(当選者数)ではない。そのため、仮に、高い当選確率(例えば、ここでの★5つ)に属する応募数が増えても当選数(当選者数)に変化はなく、特典の提供者(ここでは店舗側)の負担(賞金総額など)は増えない。
そこで、ポイントサービス(スタンプラリーなど)への応募(応募者)が、予め設定された数(人数)だけ増加する毎に、★2つ以上(当選確率2倍以上、ここでは★2つ~★5つ(当選確率2~5倍))に属する応募数(応募者数)を、(1)一律で所定数だけ増やすか、(2)特定の★の数(特定の当選確率、例えば★5つなど)のみ、所定数だけ増やすようにしてもよい。
【0103】
その他、ポイントサービスへの応募が予め設定された数だけ増加する毎に、同一当選確率に帰属する応募数を抽選によって(増加)変動させる応募数抽選手段(ロジック)をサーバに設けてもよい。すなわち、例えば、ポイントサービスへの応募が予め設定された数だけ増加する毎に、★2つ(当選確率2倍)…、★5つ(当選確率5倍)にそれぞれ属する応募数を(増加)変更する抽選を行うようにしてもよい。