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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043054
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20240322BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240322BHJP
   H02S 10/20 20140101ALI20240322BHJP
   H02S 50/00 20140101ALI20240322BHJP
【FI】
H02J7/35 K
H02J7/34 J
H02J7/34 B
H02S10/20
H02S50/00
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148035
(22)【出願日】2022-09-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 佳美
(72)【発明者】
【氏名】小川 誠
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
5G503
【Fターム(参考)】
5F151JA28
5F151KA02
5F151KA03
5F151KA04
5F151KA05
5F151KA08
5F251JA28
5F251KA02
5F251KA03
5F251KA04
5F251KA05
5F251KA08
5G503AA06
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA08
5G503CB05
5G503CC02
5G503EA08
5G503GB03
(57)【要約】
【課題】蓄電器の最適な交換を実現できる電源システムを提供すること。
【解決手段】電源システムは、太陽電池と、太陽電池と電気的に接続された負荷と、太陽電池と負荷との間に設けられ、太陽電池および負荷のそれぞれと電気的に接続された第1蓄電器と、を有する電源システムであって、太陽電池と負荷との間において第1蓄電器と並列に設けられ、太陽電池および負荷のそれぞれと電気的に接続された第1DCDCコンバータと、第1DCDCコンバータに着脱される交換用の第2蓄電器と、日射量情報に基づいて、前記太陽電池の発電量を予測し、当該太陽電池の発電量に基づいて、充電状態が異なる複数の前記第2蓄電器の中から、前記第1DCDCコンバータに接続すべき蓄電器を選択する制御装置と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池と、前記太陽電池と電気的に接続された負荷と、前記太陽電池と前記負荷との間に設けられ、前記太陽電池および前記負荷のそれぞれと電気的に接続された第1蓄電器と、を有する電源システムであって、
前記太陽電池と前記負荷との間において前記第1蓄電器と並列に設けられ、前記太陽電池および前記負荷のそれぞれと電気的に接続された第1DCDCコンバータと、
前記第1DCDCコンバータに着脱される交換用の第2蓄電器と、
日射量情報に基づいて、前記太陽電池の発電量を予測し、当該太陽電池の発電量に基づいて、充電状態が異なる複数の前記第2蓄電器の中から、前記第1DCDCコンバータに接続すべき蓄電器を選択する制御装置と、を有する、
電源システム。
【請求項2】
ユーザに対して視覚的な通知および聴覚的な通知のうちの少なくとも一方を行う通知装置をさらに有し、
前記制御装置は、
選択された前記第2蓄電器への交換を促す旨の通知を行うように前記通知装置を制御する、
請求項1に記載の電源システム。
【請求項3】
前記第2蓄電器の交換を行う交換装置をさらに有し、
前記制御装置は、
選択された前記第2蓄電器への交換を行うように前記交換装置を制御する、
請求項1に記載の電源システム。
【請求項4】
前記複数の第2蓄電器は、並列に設けられており、
前記第2蓄電器のそれぞれと前記第1DCDCコンバータとの間の電力供給路毎に設けられた複数のスイッチをさらに有し、
前記制御装置は、
前記複数のスイッチのうち、選択された前記第2蓄電器に接続されているスイッチをオンにし、当該スイッチ以外をオフにする、
請求項1に記載の電源システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
予測された前記太陽電池の発電量に基づいて、選択された前記第2蓄電器への交換を行うタイミングを判定する、
請求項1に記載の電源システム。
【請求項6】
前記第1蓄電器は、
前記太陽電池の最大発電電力を充電可能な充電特性、および、前記負荷の最大消費電力を供給可能な放電特性を備える、
請求項1に記載の電源システム。
【請求項7】
前記第1蓄電器は、固定蓄電器である、
請求項1に記載の電源システム。
【請求項8】
前記太陽電池と前記負荷との間において前記第1DCDCコンバータと並列に設けられ、前記太陽電池および前記負荷のそれぞれと電気的に接続された第2DCDCコンバータをさらに有し、
前記第1蓄電器は、前記第2DCDCコンバータに着脱される交換用の蓄電器である、
請求項1に記載の電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電を利用した電源システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
例えば、太陽電池と負荷との間に蓄電器が接続された(換言すると、負荷に対して太陽電池と蓄電器とが並列に接続された)電源システムでは、太陽電池の発電量が負荷の消費電力量よりも大きい場合には、太陽電池で発電された電力(以下、発電電力という)を負荷へ供給するとともに蓄電器に充電し、太陽電池の発電量が負荷の消費電力量よりも小さい場合には、太陽電池の発電電力に加えて、蓄電器に充電されている電力も負荷へ供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-206781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の電源システムにおいて交換可能な蓄電器が用いられる場合、最適な交換を実現できるようにすることが望まれる。
【0006】
本開示の一態様の目的は、蓄電器の最適な交換を実現することができる電源システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る電源システムは、太陽電池と、前記太陽電池と電気的に接続された負荷と、前記太陽電池と前記負荷との間に設けられ、前記太陽電池および前記負荷のそれぞれと電気的に接続された第1蓄電器と、を有する電源システムであって、前記太陽電池と前記負荷との間において前記第1蓄電器と並列に設けられ、前記太陽電池および前記負荷のそれぞれと電気的に接続された第1DCDCコンバータと、前記第1DCDCコンバータに着脱される交換用の第2蓄電器と、日射量情報に基づいて、前記太陽電池の発電量を予測し、当該太陽電池の発電量に基づいて、充電状態が異なる複数の前記第2蓄電器の中から、前記第1DCDCコンバータに接続すべき蓄電器を選択する制御装置と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、蓄電器の最適な交換を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態に係る電源システムの構成例を模式的に示す図
図2】本開示の実施の形態に係る制御装置の構成例を模式的に示す図
図3】本開示の変形例2に係る電源システムの構成例を模式的に示す図
図4】本開示の変形例3に係る電源システムの構成例を模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する構成要素については同一の符号を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0011】
図1を用いて、本実施の形態の電源システム1の構成について説明する。図1は、本実施の形態の電源システム1の構成例を模式的に示す図である。
【0012】
図1に示す電源システム1は、太陽光発電を利用した電源システムである。なお、電源システム1は、定置用として用いられてもよいし、移動体(例えば、自動車)搭載用として用いられてもよい。
【0013】
図1に示すように、電源システム1は、太陽電池10と、負荷20と、固定用蓄電器30と、DCDCコンバータ40と、交換用蓄電器50と、を有する。また、図1では図示を省略しているが、電源システム1は、図2に示す制御装置100(詳細は後述)も有する。
【0014】
太陽電池10は、太陽光の照射を受けて電力(直流電力)を発生させる装置である。太陽電池10としては、公知の装置を適用できるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0015】
負荷20は、供給された電力を用いて所定の動作を行う装置である。負荷20は、例えば、車載機器であってもよいし、DCDCコンバータとUSB(Universal Serial Bus)機器の組み合わせであってもよいし、DCACコンバータと家電品の組み合わせであってもよい。
【0016】
図1に示すように、負荷20に対しては、太陽電池10と、固定蓄電器30と、DCDCコンバータ40とが互いに並列に接続されている。
【0017】
固定蓄電器30は、電源システム1に固定的に設けられ、交換されない蓄電器である。固定蓄電器30としては、例えば、バッテリが挙げられるが、これに限定されない。
【0018】
図1に示すように、固定蓄電器30は、太陽電池10と負荷20との間に設けられ、太陽電池10および負荷20のそれぞれと電気的に接続されている。固定蓄電器30は、太陽電池10の発電電力を充電し、充電した電力を負荷20へ供給する。
【0019】
なお、固定蓄電器30は、太陽電池10の最大発電電力を充電可能な充電特性、および、負荷20の最大消費電力を供給可能な放電特性を備えてもよい。
【0020】
交換用蓄電器50は、DCDCコンバータ40に対して着脱自在に設けられ、交換可能な蓄電器である。交換用蓄電器50としては、例えば、バッテリが挙げられるが、これに限定されない。
【0021】
図1に示すように、3つの交換用蓄電器50のうちの1つは、DCDCコンバータ40に対して直列に接続されている。この交換用蓄電器50は、太陽電池10の発電電力を充電し、充電した電力を負荷20へ供給する。
【0022】
図1において、DCDCコンバータ40に接続されていない2つの交換用蓄電器50は、次にDCDCコンバータ40に接続される候補として配備された蓄電器(以下、待機中の交換用蓄電器という)である。なお、ここでは、待機中の交換用蓄電器50の数が2つである場合を例に挙げるが、これに限定されない。また、本実施の形態では、交換用蓄電器50は、人手によって交換される場合を例とする。
【0023】
待機中の交換用蓄電器50それぞれのSOC(State Of Charge)は、異なる値であるとする。また、待機中の交換用蓄電器50それぞれのSOCは、図示しないバッテリセンサ等により検知され、後述する図2の制御装置100へ通知される。よって、待機中の交換用蓄電器50のSOCは、制御装置100にとって既知である。
【0024】
DCDCコンバータ40は、電圧の調整を行う装置である。
【0025】
図1に示すように、DCDCコンバータ40は、太陽電池10と負荷20との間において固定蓄電器30と並列に設けられ、太陽電池10および負荷20のそれぞれと電気的に接続されている。また、DCDCコンバータ40は、交換用蓄電器50と電気的に接続されている。
【0026】
例えば、固定蓄電器30が低SOC状態(SOCが0%である完全放電状態を含んでもよい)であり、かつ、太陽電池10の発電量が負荷20の消費電力量よりも少ない場合、DCDCコンバータ40は、交換用蓄電器50の電力がDCDCコンバータ40を介して負荷20へ供給されるように、DCDCコンバータ40の負荷20側の電圧を調整する。このとき、電圧は、固定蓄電器30の必要充電量に合わせて調整される(具体的には、電圧は、固定蓄電器30の充電許容電流量以上にならないように調整される)。
【0027】
例えば、固定蓄電器30が高SOC状態(SOCが100%である満充電状態を含んでもよい)であり、かつ、太陽電池10の発電量が負荷20の消費電力量よりも多い場合、DCDCコンバータ40は、太陽電池10の電力がDCDCコンバータ40を介して交換用蓄電器50へ供給されるように、DCDCコンバータ40の交換用蓄電器50側の電圧を調整する。このとき、電圧は、交換用蓄電器50の必要充電量に合わせて調整される(具体的には、電圧は、交換用蓄電器50の充電許容電流量以上にならないように調整される)。
【0028】
なお、DCDCコンバータ40の動作は、図示しない制御装置(例えば、後述する図2の制御装置100でもよい)により制御されてもよい。
【0029】
以上、電源システム1の構成について説明した。
【0030】
次に、電源システム1において用いられる制御装置100について、図2を参照して説明する。図2は、制御装置100の構成例を模式的に示す図である。
【0031】
なお、図示は省略するが、制御装置100は、ハードウェアとして、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置、コンピュータプログラムを格納したハードディスク、フラッシュメモリなどの補助記憶装置、それらを接続するバス等を有する。以下に説明する制御装置100の機能は、CPUが補助記憶装置から読み出したコンピュータプログラムを主記憶装置のRAMに展開して実行することにより実現される。
【0032】
制御装置100は、予測部110と、選択部120と、制御部130とを有する。
【0033】
予測部110は、外部から日射量情報を取得し、その日射量情報に基づいて太陽電池10の発電量を予測する。
【0034】
ここでは例として、日射量情報は、その配信サービスを行う企業のサーバからネットワーク通信により取得される情報であるとするが、これに限定されない。また、ここでは例として、日射量情報は、電源システム1が用いられる位置における翌日の日射量を示す情報であるとするが、これに限定されない。また、ここでは例として、予測される発電量(以下、予測発電量という)は、例えば、翌日(24時間)中の総発電量であるとするが、これに限定されない。
【0035】
なお、日射量情報に基づいて発電量を予測する技術は、公知の技術を適用できるため、ここでの説明は省略する。また、日射量情報だけでなく、他の情報を加味して発電量を予測してもよい。
【0036】
選択部120は、予測発電量と、待機中の交換用蓄電器50それぞれのSOCとに基づいて、待機中の交換用蓄電器50の中から、次にDCDCコンバータ40に接続すべき蓄電器を選択する。
【0037】
例えば、予測発電量が多い場合、選択部120は、SOCが低い交換用蓄電器50を選択する。一方、例えば、予測発電量が少ない場合、選択部120は、SOCが高い交換用蓄電器50を選択する。なお、選択にあたり、選択部120は、例えば、予め用意された、予測発電量とSOCとが対応付けられたマップを参照してもよい。
【0038】
制御部130は、選択された交換用蓄電器50への交換を促す旨の通知を実行するように、図示しない通知装置を制御する。
【0039】
通知装置としては、例えば、ランプ、ディスプレイ、スピーカ等が挙げられる。なお、通知装置は、ランプまたはディスプレイと、スピーカとの組み合わせでもよい。視覚的な通知としては、例えば、ランプの点灯(点滅を含む)、ディスプレイにおける所定の画像の表示が挙げられる。聴覚的な通知としては、例えば、スピーカからの音声(警告音を含む)の出力が挙げられる。なお、通知装置は、例えば、電源システム1に含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
【0040】
このようにして、ユーザ(例えば、作業者)は、交換すべき交換用蓄電器50を知ることができ、容易に交換作業を行うことができる。
【0041】
また、制御部130は、予測発電量に基づいて、選択された交換用蓄電器50への交換を行うタイミング(以下、交換タイミングという)を判定してもよい。
【0042】
例えば、制御部130は、予測発電量が多い場合、夜間などの発電量が少ない時間帯(または、固定用蓄電器30のみで充放電可能な時間帯であってもよい)を交換タイミングと判定してもよい。そして、制御部130は、上述した通知において、判定された交換タイミングを含めるようにしてもよい。
【0043】
このようにして、ユーザは、交換用蓄電器50の交換作業をいつ行えばよいかを知ることができ、容易に交換作業を行うことができる。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態の電源システム1は、太陽電池10と、太陽電池10と電気的に接続された負荷20と、太陽電池10と負荷20との間に設けられ、太陽電池10および負荷20のそれぞれと電気的に接続された第1蓄電器(例えば、固定蓄電器30)と、を有する電源システムであって、太陽電池10と負荷20との間において第1蓄電器と並列に設けられ、太陽電池10および負荷の20それぞれと電気的に接続された第1DCDCコンバータ(DCDCコンバータ40)と、第1DCDCコンバータに着脱される交換用の第2蓄電器(例えば、交換用蓄電器50)と、を有することを特徴とする。
【0045】
この特徴により、固定蓄電器30が低SOC状態であり、かつ、太陽電池10の発電量が負荷20の消費電力量よりも少ない場合には、高SOC状態の交換用蓄電器50を用いることにより、交換用蓄電器50の発電電力がDCDCコンバータ40を介して負荷20へ供給される。その一方で、固定蓄電器30が高SOC状態であり、かつ、太陽電池10の発電量が負荷20の消費電力量よりも多い場合には、低SOC状態の交換用蓄電器50を用いることにより、太陽電池10の発電電力がDCDCコンバータ40を介して交換用蓄電器50へ供給される。したがって、太陽電池10の発電電力を無駄なく充電できるとともに、外部からの電力供給を必要とせずに負荷20の稼働率を確保できる。
【0046】
また、本実施の形態の電源システム1は、日射量情報に基づいて、太陽電池10の発電量を予測し、太陽電池10の発電量に基づいて、充電状態が異なる複数の第2蓄電器(例えば、図1に示した3つの交換用蓄電器50)の中から、第1DCDCコンバータに接続すべき蓄電器を選択する制御装置100を有することを特徴とする。
【0047】
この特徴により、太陽電池10の将来の発電量と、使用中の交換用蓄電器50のSOCとを考慮した適切なSOCの交換用蓄電器50に交換することができるので、交換用蓄電器50の最適な交換を実現することができる。
【0048】
また、本実施の形態の電源システム1は、制御装置100は、予測された太陽電池10の発電量に基づいて、選択された第2蓄電器への交換を行うタイミングを判定することを特徴としてもよい。
【0049】
この特徴により、例えば最大発電時等を避けて、適切なタイミングで交換を行うことができるので、交換用蓄電器50の最適な交換を実現することができる。
【0050】
また、本実施の形態の電源システム1では、第1蓄電器(例えば、固定蓄電器30)は、太陽電池10の最大発電電力を充電可能な充電特性、および、負荷20の最大消費電力を供給可能な放電特性を備えることを特徴としてもよい。
【0051】
この特徴により、交換用蓄電器50の交換が行われる間(DCDCコンバータ40に接続中の交換用蓄電器50を取り外して新たな交換用蓄電器50をDCDCコンバータ40に接続するまでの間)における一時的な充放電能力の低下を抑制することができる。したがって、交換用蓄電器50の交換時において、太陽電池10の発電電力を充電できなかったり、負荷への電力供給が不足したりする、といった問題を解決することができる。
【0052】
なお、本開示は、上記実施の形態の説明に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下、変形例について説明する。
【0053】
[変形例1]
実施の形態では、人の手作業により交換用蓄電器50が交換される場合を例に挙げて説明したが、交換用蓄電器50は、例えば、装置(機械)によって交換されてもよい。この場合の具体例を以下に説明する。
【0054】
本変形例における予測部110および選択部120の動作は、実施の形態と同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0055】
制御部130は、選択された交換用蓄電器50への交換を実行するように、図示しない交換装置を制御する。
【0056】
交換装置は、DCDCコンバータ40に接続されている交換用蓄電器50を取り外し、予め用意された複数の交換用蓄電器50(例えば、図1に図示した3つの交換用蓄電器50)のうちの1つをDCDCコンバータ40へ接続する装置である。交換装置としては、公知の装置を適用できるので、ここでの詳細な説明は省略する。なお、交換装置は、例えば、電源システム1に含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
【0057】
これにより、人手によらず、適切なSOCの交換用蓄電器50に交換することができる。
【0058】
また、実施の形態で説明したように、制御部130は、予測発電量に基づいて交換タイミング(選択された交換用蓄電器50への交換を行うタイミング)を判定してもよい。そして、制御部130は、判定された交換タイミングが到来したときに、選択された交換用蓄電器50への交換を交換装置に実行させてもよい。
【0059】
例えば、制御部130は、予測発電量が多い場合、夜間などの発電量が少ない時間帯(または、固定用蓄電器30のみで充放電可能な時間帯であってもよい)に、選択された交換用蓄電器50への交換を交換装置に実行させる。
【0060】
これにより、人手によらず、適切なタイミングで交換を実行することができる。
【0061】
[変形例2]
変形例1では、装置(機械)により交換用蓄電器50が交換される場合を例に挙げて説明したが、交換用蓄電器50は、例えば、スイッチの切り替えによって交換されてもよい。この場合の具体例を以下に説明する。
【0062】
図3を用いて、本変形例の電源システム1の構成について説明する。図3は、本変形例の電源システム1の構成例を模式的に示す図である。
【0063】
図3に示すように、1つのDCDCコンバータ40に対して、3つの交換用蓄電器50が並列に設けられている。以下では、最左方に図示された交換用蓄電器50を「第1交換用蓄電器50」といい、中央に図示された交換用蓄電器50を「第2交換用蓄電器50」といい、最右方に図示された交換用蓄電器50を「第3交換用蓄電器50」という
【0064】
また、図3に示すように、第1交換用蓄電器50とDCDCコンバータ40との間の電力供給路(符号略)にはスイッチSW1が設けられている。第2交換用蓄電器50とDCDCコンバータ40との間の電力供給路(符号略)にはスイッチSW2が設けられている。第3交換用蓄電器50とDCDCコンバータ40との間の電力供給路(符号略)にはスイッチSW3が設けられている。
【0065】
制御部130は、例えば図示しないバッテリセンサからの通知により、第1~第3交換用蓄電器50それぞれのSOCを認識している。ここでは例として、第2交換用蓄電器50は高SOC状態であり、第3交換用蓄電器50は低SOC状態であるとする。また、例えば、第1交換用蓄電器50のSOCは、第2交換用蓄電器50のSOCと第3交換用蓄電器50のSOCとの中間程度であるとする。
【0066】
また、ここでは例として、第1交換用蓄電器50がDCDCコンバータ40に接続中(スイッチSW1がオン)であり、第2、第3交換用蓄電器50がDCDCコンバータ40に接続されていない(スイッチSW2、3がオフ)とする。すなわち、第2、第3交換用蓄電器50は、待機中の交換用蓄電器50である。また、第2交換用蓄電器50のSOCは低く、第3交換用蓄電器50のSOCは高いとする。
【0067】
本変形例における予測部110および選択部120の動作は、実施の形態と同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0068】
制御部130は、複数のスイッチSW1~SW3のうち、選択された交換用蓄電器50に接続されているスイッチをオンにし、そのスイッチ以外をオフにする。
【0069】
例えば、予測発電量が多い場合、制御部130は、低SOC状態である第2交換用蓄電器50への交換が行われるように、スイッチSW1、SW3をオフにし、スイッチSW2をオンにする。
【0070】
一方、予測発電量が少ない場合、制御部130は、高SOC状態である第3交換用蓄電器50への交換が行われるように、スイッチSW1、SW2をオフにし、スイッチSW3をオンにする。
【0071】
これにより、人手によらず、適切なSOCの交換用蓄電器50に交換することができる。
【0072】
また、実施の形態で説明したように、制御部130は、予測発電量に基づいて交換タイミング(選択された交換用蓄電器50への交換を行うタイミング)を判定してもよい。そして、制御部130は、判定された交換タイミングが到来したときに、選択された交換用蓄電器50への交換を交換装置に実行させてもよい。
【0073】
例えば、制御部130は、予測発電量が多い場合、夜間などの発電量が少ない時間帯(または、固定用蓄電器30のみで充放電可能な時間帯であってもよい)に、上述したスイッチのオン/オフ制御を行ってもよい。
【0074】
これにより、人手によらず、適切なタイミングで交換を実行することができる。
【0075】
[変形例3]
実施の形態では、電源システム1は、固定蓄電器30を備える場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。固定蓄電器30を備えない場合の構成例について、図4を用いて以下に説明する。図4は、本変形例の電源システム1の構成例を模式的に示す図である。
【0076】
図4に示すように、本変形例の電源システム1では、図1に示した固定蓄電器30の代わりに、DCDCコンバータ40と交換用蓄電器50の組がもう1つ設けられている。
【0077】
図1に示した電源システム1では、固定蓄電器30側の充放電効率が高い、固定蓄電器30のSOCにより負荷系統の電圧が変化する、という特性がある。これに対して、図4に示した電源システム1では、交換用蓄電器50側の充放電効率が低い、DCDCコンバータ40により負荷系統の電圧が安定する(交換用蓄電器50の電圧の影響がない)という特性がある。
【0078】
なお、本変形例では、2つの交換用蓄電器50のうち、いずれか一方が「第1蓄電器」の一例に相当し、いずれか他方が「第2蓄電器」に相当する。また、2つのDCDCコンバータ40のうち、第2蓄電器が着脱される方が「第1DCDCコンバータ」に相当し、第1蓄電器が着脱される方が「第2DCDCコンバータ」に相当する。
【0079】
[変形例4]
上述した制御装置100の制御部130による通知装置(実施の形態)、交換装置(変形例1)、またはスイッチ(変形例2)に対する制御の実行タイミングは、固定蓄電器30のSOCと、太陽電池10の発電量と負荷20の消費電力量との大小とに基づいてもよい。この具体例について以下に説明する。
【0080】
例えば、制御部130は、固定蓄電器30のSOCを検知するバッテリセンサ(図示略)の検知結果の通知を随時受け取り、その通知に基づいて、固定蓄電器30のSOCが第1閾値以上であり、かつ、第2閾値以下であるか否かを監視する。
【0081】
第1閾値および第2閾値は、予め設定された値である。第2閾値は、第1閾値よりも大きい。例えば、第1閾値は、入出力制限がかからないSOC範囲の下限値よりも少し大きい値である。一方、第2閾値は、入出力制限がかからないSOC範囲の上限値よりも少し小さい値である。なお、第1閾値は、上記SOC範囲の下限値であってもよいし、第2閾値は、上記SOC範囲の上限値であってもよい。
【0082】
なお、第1閾値以上かつ第2閾値以下の範囲は、太陽電池10の最大発電電力を充電可能な充電特性、および、負荷20の最大消費電力を供給可能な放電特性を発揮可能な範囲であってもよい。または、上記SOC範囲は、太陽電池10の最大発電電力を充電可能な充電特性、および、負荷20の最大消費電力を供給可能な放電特性を発揮可能な範囲であってもよい。
【0083】
また、制御部130は、太陽電池10の発電量および負荷20の消費電力量を監視し、太陽電池10の発電量が負荷20の消費電力量より多いか否かを監視する。
【0084】
そして、制御部130は、固定蓄電器30のSOCが第1閾値を下回り(すなわち固定蓄電器30が低SOC状態となり)、かつ、太陽電池10の発電量が負荷20の消費電力量よりも少ない場合、選択された交換用蓄電器50(例えば、高SOC状態の交換用蓄電器50)への交換を促す旨の通知を通知装置に実行させたり、または、選択された交換用蓄電器50への交換を交換装置に実行させたり、あるいは、選択された交換用蓄電器50への交換が行われるように、スイッチのオン/オフを切り替えたりする。
【0085】
一方、制御部130は、固定蓄電器30のSOCが第2閾値を上回り(すなわち固定蓄電器30が高SOC状態となり)、かつ、太陽電池10の発電量が負荷20の消費電力量よりも多い場合、選択された交換用蓄電器50(例えば、低SOC状態の交換用蓄電器50)への交換を促す旨の通知を通知装置に実行させたり、選択された交換用蓄電器50への交換を交換装置に実行させたり、あるいは、選択された交換用蓄電器50への交換が行われるように、スイッチのオン/オフを切り替えたりする。
【0086】
以上、変形例について説明した。なお、上述した変形例は適宜組み合わせることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本開示の電源システムは、太陽電池と負荷と蓄電器とを備えた電源システムに有用である。
【符号の説明】
【0088】
1 電源システム
10 太陽電池
20 負荷
30 固定蓄電器
40 DCDCコンバータ
50 交換用蓄電器
100 制御装置
110 予測部
120 選択部
130 制御部
図1
図2
図3
図4