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特開2024-43079物品管理システム、物品管理方法及び物品管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043079
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】物品管理システム、物品管理方法及び物品管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20240322BHJP
【FI】
G06Q30/06 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148067
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】303040219
【氏名又は名称】サッポロ不動産開発株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100176773
【弁理士】
【氏名又は名称】坂西 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100153040
【弁理士】
【氏名又は名称】川井 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】青田 啓吾
(72)【発明者】
【氏名】須貝 譲
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB68
(57)【要約】
【課題】物品の貸出サービスを提供するに際して、貸出対象の物品とユーザとの関連付けを容易にする。
【解決手段】物品管理装置10は、ユーザを識別するユーザ識別情報を取得する第1ユーザ情報取得部11と、貸出対象の物品が保管される保管場所に存在する物品を識別する物品識別情報を検知する第1物品情報検知部12と、第1ユーザ情報取得部11によりユーザ識別情報が取得された後に、第1物品情報検知部12により検知された物品識別情報の状態に変化が生じた場合に、当該変化分に相当する物品識別情報に当該ユーザ識別情報を関連付ける管理部13と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の在庫及びユーザ間の移動を管理する物品管理システムであって、
ユーザを識別するユーザ識別情報を取得する第1ユーザ情報取得部と、
貸出対象の物品が保管される保管場所に存在する前記物品を識別する物品識別情報を検知する第1物品情報検知部と、
前記第1ユーザ情報取得部により前記ユーザ識別情報が取得された後に、前記第1物品情報検知部により検知された前記物品識別情報の状態に変化が生じた場合に、当該変化分に相当する物品識別情報に当該ユーザ識別情報を関連付ける管理部と、
を備える物品管理システム。
【請求項2】
前記管理部は、前記第1ユーザ情報取得部により前記ユーザ識別情報が取得された後に、前記第1物品情報検知部により検知された前記物品識別情報の数が減少した場合に、当該減少した差分に相当する物品識別情報に当該ユーザ識別情報を関連付ける、
請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項3】
前記保管場所は、前記物品を保管するための保管庫により構成され、
前記保管庫は、前記物品を前記保管場所から取り出し可能にするための取出機構を有し、
前記取出機構は、前記第1ユーザ情報取得部による前記ユーザ識別情報の取得を契機として、前記物品の取り出しを可能とし、又は、解錠され、
前記第1物品情報検知部は、少なくとも前記保管庫の前記取出機構が閉じられたこと、又は、前記取出機構が解錠後に施錠されたことを検知契機として前記物品識別情報を検知し、
前記管理部は、前記検知契機より前に検知された前記物品識別情報と、前記検知契機において検知された前記物品識別情報との差分に相当する物品識別情報に前記ユーザ識別情報を関連付ける、
請求項1または2に記載の物品管理システム。
【請求項4】
前記ユーザ識別情報が関連付けられた前記物品識別情報を少なくとも含むメッセージを、当該ユーザ識別情報により識別されるユーザに送信する第1通知部、を更に備える、
請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項5】
前記第1ユーザ情報取得部は、前記ユーザの端末に表示された2次元コード、又は、前記端末との通信に基づいて、前記ユーザ識別情報を取得する、
請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項6】
前記第1物品情報検知部は、前記保管場所に設けられたRFIDリーダにより、前記物品の各々に付されたRFIDタグを読み取ることにより、前記物品識別情報を検知する、
請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項7】
貸し出されていた前記物品が返却される返却場所に存在する前記物品の前記物品識別情報を検知する第2物品情報検知部、を更に備える、
請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項8】
前記管理部は、前記第2物品情報検知部により検知された前記物品識別情報の数が増加した場合に、当該増加した差分に相当する前記物品識別情報に関連付けられていた前記ユーザ識別情報との関連付けを解除する、
請求項7に記載の物品管理システム。
【請求項9】
前記増加した差分に相当する前記物品識別情報を少なくとも含むメッセージを、当該物品識別情報との関連付けが解除された前記ユーザ識別情報により識別されるユーザに送信する第2通知部、を更に備える、
請求項8に記載の物品管理システム。
【請求項10】
前記第1ユーザ情報取得部は、前記保管場所におけるユーザの前記ユーザ識別情報を取得し、
前記物品管理システムは、
前記返却場所におけるユーザのユーザ識別情報を取得する第2ユーザ情報取得部、を備え、
前記第2物品情報検知部は、前記第2ユーザ情報取得部による前記ユーザ識別情報の取得を契機として、前記返却場所に存在する前記物品の前記物品識別情報を検知する、
請求項7または8に記載の物品管理システム。
【請求項11】
前記第2物品情報検知部は、前記返却場所に設けられたRFIDリーダにより、前記物品の各々に付されたRFIDタグを読み取ることにより、前記物品識別情報を検知する、
請求項7または8に記載の物品管理システム。
【請求項12】
前記管理部は、前記物品識別情報に対して前記ユーザ識別情報を関連付けたことを、当該物品識別情報に係る物品がユーザに貸し出された履歴である貸出履歴として、及び、前記物品識別情報に対する前記ユーザ識別情報の関連付けを解除したことを、当該物品識別情報に係る物品が返却された履歴である返却履歴として、当該物品ごとに貸出及び返却の状況である物品使用状況を管理する所定の記憶手段に記憶させ、
前記物品管理システムは、
前記物品使用状況が所与の条件に該当する場合に、当該物品管理システムの管理者に当該物品使用状況及び当該物品の物品識別情報を含むメッセージを通知する管理情報通知部、をさらに備える、
請求項8に記載の物品管理システム。
【請求項13】
前記物品使用状況に関する前記所与の条件は、当該物品の貸出の回数が所与の回数に達したことである、
請求項12に記載の物品管理システム。
【請求項14】
前記物品使用状況に関する前記所与の条件は、最後に当該物品が貸し出された時から所定期間が経過し且つ未返却であることである、
請求項12または13に記載の物品管理システム。
【請求項15】
前記物品使用状況に関する前記所与の条件は、最後に当該物品が返却された時から所定期間が経過し且つ貸出がされていないことである、
請求項12または13に記載の物品管理システム。
【請求項16】
物品の在庫及びユーザ間の移動を管理する物品管理システムにおける物品管理方法であって、
ユーザを識別するユーザ識別情報を取得する第1ユーザ情報取得ステップと、
貸出対象の物品が保管される保管場所に存在する前記物品を識別する物品識別情報を検知する第1物品情報検知ステップと、
前記第1ユーザ情報取得ステップにおいて前記ユーザ識別情報が取得された後に前記第1物品情報検知ステップにおいて検知された前記物品識別情報の状態に変化が生じた場合に、当該変化分に相当する物品識別情報に当該ユーザ識別情報を関連付ける管理ステップと、
を有する物品管理方法。
【請求項17】
物品の在庫及びユーザ間の移動を管理する物品管理システムにおける物品管理方法であって、
貸し出されていた前記物品が返却される返却場所に存在する前記物品の前記物品識別情報を検知する第2物品情報検知ステップと、
前記第2物品情報検知ステップにおいて検知された前記物品識別情報の数が増加した場合に、当該増加した差分に相当する前記物品識別情報に関連付けられていた前記ユーザ識別情報との関連付けを解除する管理ステップと、
を有する物品管理方法。
【請求項18】
コンピュータを、物品の在庫及びユーザ間の移動を管理する物品管理システムとして機能させるための物品管理プログラムであって、
前記コンピュータに、
ユーザを識別するユーザ識別情報を取得する第1ユーザ情報取得機能と、
貸出対象の物品が保管される保管場所に存在する前記物品を識別する物品識別情報を検知する第1物品情報検知機能と、
前記第1ユーザ情報取得機能により前記ユーザ識別情報が取得された後に、前記第1物品情報検知機能により検知された前記物品識別情報の状態に変化が生じた場合に、当該変化分に相当する物品識別情報に当該ユーザ識別情報を関連付ける管理機能と、
を実現させる物品管理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の在庫及びユーザ間の移動を管理する物品管理システム、物品管理方法及び物品管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物品の在庫及びユーザ間の移動を管理するシステムの一例として物品の貸出を管理するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、物品に関する物品情報を取得し、物品情報を用いて所定条件を満たす場合に当該物品が貸出可能であることを判定し、貸出処理を実行する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-180891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、飲料の提供のために飲料容器をユーザに貸し出すサービスが行われている。ユーザへの貸し出しに関する適切な管理を実現するためには、飲料容器の貸出に際して、ユーザからの貸出要求に基づき、貸出対象の飲料容器の識別情報及びユーザの識別情報を取得し、両者の識別情報を関連付ける必要がある。飲料容器の貸出のサービスをユーザに気軽に利用してもらうためには、貸出に際してのユーザの手間が少ないことが好ましいが、飲料容器等の識別情報の取得に係るユーザにおける手間が煩雑である場合には、サービスの利用が促進されないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、物品の貸出サービスを提供するに際して、貸出対象の物品とユーザとの関連付けを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の第1の一側面に係る物品管理システムは、物品の在庫及びユーザ間の移動を管理する物品管理システムであって、ユーザを識別するユーザ識別情報を取得する第1ユーザ情報取得部と、貸出対象の物品が保管される保管場所に存在する物品を識別する物品識別情報を検知する第1物品情報検知部と、第1ユーザ情報取得部によりユーザ識別情報が取得された後に、第1物品情報検知部により検知された物品識別情報の状態に変化が生じた場合に、当該変化分に相当する物品識別情報に当該ユーザ識別情報を関連付ける管理部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の第1の一側面に係る物品管理方法は、物品の在庫及びユーザ間の移動を管理する物品管理システムにおける物品管理方法であって、ユーザを識別するユーザ識別情報を取得する第1ユーザ情報取得ステップと、貸出対象の物品が保管される保管場所に存在する物品を識別する物品識別情報を検知する第1物品情報検知ステップと、第1ユーザ情報取得ステップにおいてユーザ識別情報が取得された後に第1物品情報検知ステップにおいて検知された物品識別情報の状態に変化が生じた場合に、当該変化分に相当する物品識別情報に当該ユーザ識別情報を関連付ける管理ステップと、を有する。
【0008】
上記課題を解決するために、本開示の第1の一側面に係る物品管理プログラムは、コンピュータを、物品の在庫及びユーザ間の移動を管理する物品管理システムとして機能させるための物品管理プログラムであって、コンピュータに、ユーザを識別するユーザ識別情報を取得する第1ユーザ情報取得機能と、貸出対象の物品が保管される保管場所に存在する物品を識別する物品識別情報を検知する第1物品情報検知機能と、第1ユーザ情報取得機能によりユーザ識別情報が取得された後に、第1物品情報検知機能により検知された物品識別情報の状態に変化が生じた場合に、当該変化分に相当する物品識別情報に当該ユーザ識別情報を関連付ける管理機能と、を実現させる。
【0009】
上記の側面によれば、保管場所に存在する物品の物品識別情報が検知され、ユーザ識別情報の取得の前後のそれぞれにおいて検知された物品識別情報における状態の変化分に相当する物品識別情報に、当該ユーザ識別情報が関連付けられる。従って、ユーザ識別情報を物品管理システムに取得させるための最小限の手間により、貸出対象の物品の物品識別情報とユーザの識別情報との関連付けが可能となる。
【0010】
上記課題を解決するために、本開示の第1の一側面の物品の返却の局面に係る物品管理方法は、物品の在庫及びユーザ間の移動を管理する物品管理システムにおける物品管理方法であって、貸し出されていた物品が返却される返却場所に存在する物品の物品識別情報を検知する第2物品情報検知ステップと、第2物品情報検知ステップにおいて検知された物品識別情報の数が増加した場合に、当該増加した差分に相当する物品識別情報に関連付けられていたユーザ識別情報との関連付けを解除する管理ステップと、を有する。
【0011】
上記の側面によれば、物品の返却場所に存在する物品の物品識別情報が増加した場合に、増加した差分に相当する物品識別情報とユーザ識別情報との関連付けが解除される。従って、ユーザにおける、物品の識別情報を取得させること等の特段の手間を要することなく、物品の返却時における物品識別情報とユーザの識別情報との関連付けの解除が可能となる。
【0012】
第2の側面に係る物品管理システムでは、第1の側面に係る物品管理システムにおいて、管理部は、第1ユーザ情報取得部によりユーザ識別情報が取得された後に、第1物品情報検知部により検知された物品識別情報の数が減少した場合に、当該減少した差分に相当する物品識別情報に当該ユーザ識別情報を関連付けることとしてもよい。
【0013】
上記の側面によれば、ユーザ識別情報の取得の前後のそれぞれにおいて検知された物品識別情報における減少した差分に相当する物品識別情報に、当該ユーザ識別情報が関連付けられる。従って、ユーザ識別情報を物品管理システムに取得させるための最小限の手間により、貸出対象の物品の物品識別情報とユーザの識別情報との関連付けが可能となる。
【0014】
第3の側面に係る物品管理システムでは、第1または2の側面に係る物品管理システムにおいて、保管場所は、物品を保管するための保管庫により構成され、保管庫は、物品を保管場所から取り出し可能にするための取出機構を有し、取出機構は、第1ユーザ情報取得部によるユーザ識別情報の取得を契機として、物品の取り出しを可能とし、又は、解錠され、第1物品情報検知部は、少なくとも保管庫の取出機構が閉じられたこと、又は、取出機構が解錠後に施錠されたことを検知契機として物品識別情報を検知し、管理部は、検知契機より前に検知された物品識別情報と、検知契機において検知された物品識別情報との差分に相当する物品識別情報にユーザ識別情報を関連付けることとしてもよい。
【0015】
上記の側面によれば、ユーザ識別情報の取得を契機として、保管庫の取出機構が物品の取り出しを可能とし、又は、解錠されるので、物品を保管庫から取り出す意図を有するユーザのユーザ識別情報が確実に取得される。また、保管庫の取出機構が閉じられたこと又は取出機構の施錠後を物品識別情報の検知契機とすることにより、物品が取り出された後に保管庫に存在する物品識別情報が取得される。検知契機前に検知された物品識別情報と検知契機において検知された物品識別情報との差分は、ユーザにより保管庫から取り出された物品に相当するので、ユーザが取り出した物品の物品識別情報を確実に認識できる。そして、ユーザが取り出した物品の物品識別情報にユーザ識別情報を関連付けることにより、貸出対象の物品の物品識別情報とユーザの識別情報との関連付けが可能となる。
【0016】
第4の側面に係る物品管理システムでは、第1~3の側面のいずれか一つの側面に係る物品管理システムにおいて、ユーザ識別情報が関連付けられた物品識別情報を少なくとも含むメッセージを、当該ユーザ識別情報により識別されるユーザに送信する第1通知部、を更に備えることとしてもよい。
【0017】
上記の側面によれば、自身が借りた物品の物品識別情報をユーザに認識させることが可能となる。
【0018】
第5の側面に係る物品管理システムでは、第1~4の側面のいずれか一つの側面に係る物品管理システムにおいて、第1ユーザ情報取得部は、ユーザの端末に表示された2次元コード、又は、端末との通信に基づいて、ユーザ識別情報を取得することとしてもよい。
【0019】
上記の側面によれば、ユーザに対するユーザ識別情報の発行が容易である。また、保管場所においてユーザ識別情報を確実に取得できる。
【0020】
第6の側面に係る物品管理システムでは、第1~5の側面いずれか一つの側面に係る物品管理システムにおいて、第1物品情報検知部は、保管場所に設けられたRFIDリーダにより、物品の各々に付されたRFIDタグを読み取ることにより、物品識別情報を検知することとしてもよい。
【0021】
上記の側面によれば、保管場所における物品の載置の態様に依らず、取得契機において短時間に多数の物品識別情報を取得できる。
【0022】
第7の側面に係る物品管理システムでは、第1~6の側面のいずれか一つの側面に係る物品管理システムにおいて、貸し出されていた物品が返却される返却場所に存在する物品の物品識別情報を検知する第2物品情報検知部、を更に備えることとしてもよい。
【0023】
上記の側面によれば、返却された物品の物品識別情報が確実に取得される。従って、返却された物品の管理が可能となる。
【0024】
第8の側面に係る物品管理システムでは、第7の側面に係る物品管理システムにおいて、管理部は、第2物品情報検知部により検知された物品識別情報の数が増加した場合に、当該増加した差分に相当する物品識別情報に関連付けられていたユーザ識別情報との関連付けを解除することとしてもよい。
【0025】
上記の側面によれば、物品の返却場所に存在する物品の物品識別情報が増加した場合に、増加した差分に相当する物品識別情報とユーザ識別情報との関連付けが解除される。従って、ユーザにおける、物品の識別情報を取得させること等の特段の手間を要することなく、物品の返却時における物品識別情報とユーザの識別情報との関連付けの解除が可能となる。
【0026】
第9の側面に係る物品管理システムでは、第8の側面に係る物品管理システムにおいて、増加した差分に相当する物品識別情報を少なくとも含むメッセージを、当該物品識別情報との関連付けが解除されたユーザ識別情報により識別されるユーザに送信する第2通知部、を更に備えることとしてもよい。
【0027】
上記の側面によれば、自身が返却した物品の物品識別情報をユーザに認識させることが可能となる。
【0028】
第10の側面に係る物品管理システムでは、第7~9の側面のいずれか一つの側面に係る物品管理システムにおいて、第1ユーザ情報取得部は、保管場所におけるユーザのユーザ識別情報を取得し、物品管理システムは、返却場所におけるユーザのユーザ識別情報を取得する第2ユーザ情報取得部、を備え、第2物品情報検知部は、第2ユーザ情報取得部によるユーザ識別情報の取得を契機として、返却場所に存在する物品の物品識別情報を検知することとしてもよい。
【0029】
上記の側面によれば、返却場所におけるユーザ識別情報の取得を、ユーザにより物品が返却されたタイミングとみなすことにより、物品の返却後において返却場所に存在する物品の物品識別情報を確実に取得できる。
【0030】
第11の側面に係る物品管理システムでは、第7~10の側面いずれか一つの側面に係る物品管理システムにおいて、第2物品情報検知部は、返却場所に設けられたRFIDリーダにより、物品の各々に付されたRFIDタグを読み取ることにより、物品識別情報を検知することとしてもよい。
【0031】
上記の側面によれば、返却場所における物品の載置の態様に依らず、取得契機において短時間に多数の物品識別情報を取得できる。
【0032】
第12の側面に係る物品管理システムでは、第8及び9の側面、並びに、第8の側面を少なくとも引用する第10及び11の側面のいずれか一つの側面に係る物品管理システムにおいて、管理部は、物品識別情報に対してユーザ識別情報を関連付けたことを、当該物品識別情報に係る物品がユーザに貸し出された履歴である貸出履歴として、及び、物品識別情報に対するユーザ識別情報の関連付けを解除したことを、当該物品識別情報に係る物品が返却された履歴である返却履歴として、当該物品ごとに貸出及び返却の状況である物品使用状況を管理する所定の記憶手段に記憶させ、物品管理システムは、物品使用状況が所与の条件に該当する場合に、当該物品管理システムの管理者に当該物品使用状況及び当該物品の物品識別情報を含むメッセージを通知する管理情報通知部、をさらに備えることとしてもよい。
【0033】
上記の側面によれば、物品の貸出履歴及び返却履歴に関する物品使用状況が所与の条件に該当するに至ったことを、管理者に認識させることが可能となる。
【0034】
第13の側面に係る物品管理システムでは、第12の側面に係る物品管理システムにおいて、物品使用状況に関する所与の条件は、当該物品の貸出の回数が所与の回数に達したことであることとしてもよい。
【0035】
上記の側面によれば、物品の貸出の回数が所与の回数に至ったことを管理者に認識させることが可能となる。
【0036】
第14の側面に係る物品管理システムでは、第12または13の側面に係る物品管理システムにおいて、物品使用状況に関する所与の条件は、最後に当該物品が貸し出された時から所定期間が経過し且つ未返却であることであることとしてもよい。
【0037】
上記の側面によれば、貸し出された物品が一定期間を超えて未返却の状態にあることを管理者に認識させることが可能となる。
【0038】
第15の側面に係る物品管理システムでは、第12~14の側面のいずれか一つの側面に係る物品管理システムにおいて、物品使用状況に関する所与の条件は、最後に当該物品が返却された時から所定期間が経過し且つ貸出がされていないことであることとしてもよい。
【0039】
上記の側面によれば、保管されている物品が一定期間を超えて貸し出された履歴がないことを管理者に認識させることが可能となる。
【発明の効果】
【0040】
本開示の一側面によれば、物品の貸出サービスを提供するに際して、貸出対象の物品とユーザとの関連付けを容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】物品管理システムの装置構成を示す図である。
図2】物品管理装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】物品管理装置のハードウェア構成を示す図である。
図4】物品の貸出の局面における物品識別情報の取得の例を模式的に示す図である。
図5】ユーザ情報記憶部に記憶されているユーザ情報の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
図6】物品使用状況情報記憶部に記憶されている物品使用状況情報の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
図7】物品を借りたユーザに対して送信されたメッセージが表示された表示画面の例を示す図である。
図8】物品の返却の局面における物品識別情報の取得の例を模式的に示す図である。
図9】物品を返却したユーザに対して送信されたメッセージが表示された表示画面の例を示す図である。
図10】物品使用状況情報記憶部に記憶されている物品の使用履歴を示す履歴情報の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
図11】ユーザ情報及び物品使用状況情報から抽出されたユーザの詳細情報及びユーザごとの物品の利用履歴を示す利用履歴情報の例を示す図である。
図12】物品管理システムにおいて実施される物品の貸出の局面における物品管理方法の処理内容を示すフローチャートである。
図13】物品管理システムにおいて実施される物品の返却の局面における物品管理方法の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0043】
図1は、物品管理システムの装置構成を示す図である。物品管理システム1は、物品の在庫及びユーザ間の移動を管理するシステムである。物品の在庫及びユーザ間の移動とは保管場所とユーザ間での物品の移動である。本実施形態では貸出における実施例を説明するが、貸出に限らず、購入、譲渡、またはその他の態様であってもよい。本実施形態の物品管理システム1は、物品の管理の一例として、物品の貸出及び返却を管理するシステムであって、物品管理装置10を含んで構成される。物品管理システム1は、物品管理装置10とネットワークNを介して通信可能に構成された物品貸出管理装置30及び物品返却管理装置40を含む。
【0044】
物品貸出管理装置30は、物品の保管場所に設けられる。また、物品貸出管理装置30は、物品の保管庫SB1を含んでもよい。即ち、保管庫SB1の内部空間が、貸出対象の物品を保管するための保管場所であってもよい。本実施形態では、保管場所が、保管庫SB1により構成される例を説明するが、保管場所が保管庫により構成されることは必須ではない。また、保管庫であっても物品の全体を収容することは必須でなく、物品の一部が収容される構成でも良い。また、物品貸出管理装置30は、ユーザの端末Tに表示されたQRコード(登録商標)を読み込むためのリーダを備えてもよいし、端末Tに備えられたICチップと通信可能に構成されていてもよい。また、物品貸出管理装置30は、その他の周知の通信方式により端末Tと情報の通信が可能に構成されていてもよい。
【0045】
物品返却管理装置40は、物品の返却場所に設けられる。また、物品返却管理装置40は、返却された物品を保管するための保管庫SB2を含んでもよい。即ち、保管庫SB2の内部空間が、返却された物品を保管するための返却場所であってもよい。本実施形態では、返却場所が、保管庫SB2により構成される例を説明するが、返却場所が保管庫により構成されることは必須ではない。また、物品返却管理装置40は、ユーザの端末Tに表示されたQRコードを読み込むためのリーダを備えてもよいし、端末Tに備えられたICチップと通信可能に構成されていてもよい。また、物品返却管理装置40は、その他の周知の通信方式により端末Tと情報の通信が可能に構成されていてもよい。
【0046】
本実施形態の物品管理システム1において、ユーザに貸し出される物品は、例えば飲料容器であってもよい。その場合には、物品管理システム1は、ユーザに対する飲料容器の貸出及び返却を管理する。具体的には、物品管理システム1は、飲料容器の適切な管理の実現のために、貸出及び返却される飲料容器の識別情報と、ユーザの識別情報との関連付けを実現させる。
【0047】
図2は、本実施形態に係る物品管理装置10の機能構成を示すブロック図である。物品管理装置10は、プロセッサ101を含むコンピュータにより構成され、機能的には、第1ユーザ情報取得部11、第1物品情報検知部12、管理部13、第1通知部14、第2ユーザ情報取得部15,第2物品情報検知部16、第2通知部17及び管理情報通知部18を備える。これらの各機能部11~18は、図3を参照して説明されるプロセッサ101にプログラムP1(物品管理プログラム)が読み込まれて、そのプログラムが実行されることにより実現される。各機能部の説明は後述する。なお、本実施形態では、各機能部11~18が、物品管理装置10に構成されることとしているが、複数のコンピュータに分散して構成されることとしてもよい。各機能部11~18は、コンピュータにより構成される物品貸出管理装置30及び物品返却管理装置40に分散して構成されてもよい。また、なお、第1物品情報検知部12と第2物品情報検知部16とが一の機能部として構成されてもよいことは当然に除外されず、物品の保管場所と返却場所とが同じ場所であってもよい。
【0048】
また、物品管理装置10は、ユーザ情報記憶部21及び物品使用状況情報記憶部22といった記憶手段を備える。なお、これらの記憶部21,22は、図2に示す例では、物品管理装置10に構成されることとしているが、物品管理装置10からアクセス可能に構成された他の装置に物品管理システム1の要素として構成されてもよい。各記憶部の説明は後述する。
【0049】
図3は、物品管理装置10のハードウェア構成の一例を示す図であって、物品管理装置10として機能するコンピュータ100を示す。
【0050】
一例として、コンピュータ100はハードウェア構成要素として、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、および通信部104を備える。
【0051】
プロセッサ101は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置である。プロセッサの例としてCPU(Central Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)が挙げられるが、プロセッサ101の種類はこれらに限定されない。例えば、プロセッサ101は専用回路の組合せでもよい。専用回路はFPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラム可能な回路でもよいし、他の種類の回路でもよい。
【0052】
主記憶部102は、物品管理装置10を実現するためのプログラム、プロセッサ101から出力された演算結果などを記憶する装置である。主記憶部102は例えばROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)のうちの少なくとも一つにより構成される。
【0053】
補助記憶部103は、一般に主記憶部102よりも大量のデータを記憶することが可能な装置である。補助記憶部103は例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部103は、コンピュータ100を物品管理装置10として機能させるためのプログラムP1と各種のデータとを記憶する。本実施形態では、物品管理装置10を実現させる物品管理プログラムは、プログラムP1として実装される。また、各記憶部21~22が物品管理装置10に含まれる場合には、各記憶部21~22は、主記憶部102、補助記憶部103及びその他の記憶素子のいずれかに構成されてもよい。
【0054】
通信部104は、通信ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置である。通信部104は例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。
【0055】
物品管理装置10の各機能要素は、プロセッサ101または主記憶部102の上に、対応するプログラムP1を読み込ませてプロセッサ101にそのプログラムを実行させることで実現される。プログラムP1は、物品管理装置10の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ101はプログラムP1に従って通信部104を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを実行する。このような処理により、物品管理装置10の各機能要素が実現される。
【0056】
プログラムP1は、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、プログラムP1は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0057】
再び図2を参照して、物品管理装置10の各機能部及び各記憶部を説明する。第1ユーザ情報取得部11は、ユーザを識別するユーザ識別情報を取得する。具体的には、第1ユーザ情報取得部11は、保管場所において物品の貸出を受けるユーザのユーザ識別情報を取得する。
【0058】
さらに具体的には、第1ユーザ情報取得部11は、貸出に供される物品の保管場所に設けられた物品貸出管理装置30が、ユーザの端末Tから取得したユーザID(ユーザ識別情報)を取得する。
【0059】
物品貸出管理装置30は、ユーザの端末Tに表示されユーザIDを示す2次元コード(例えばQRコード)を、リーダを介して読み込むことによりユーザIDを取得してもよい。物品貸出管理装置30は、その他の通信方式により端末TからユーザIDを取得してもよい。第1ユーザ情報取得部11は、物品貸出管理装置30により端末Tから取得されたユーザIDを取得する。また、ユーザIDを物品貸出管理装置30に取得させるための媒体は、端末Tには限定されず、2次元コードが印刷されたカード及びICカード等であってもよい。また、物品貸出管理装置30が、ユーザの顔、声、指紋及び静脈等の生体情報を認識する装置を備えていてもよい。この場合には、第1ユーザ情報取得部11は、物品貸出管理装置30において認識された生体情報に基づいて、生体情報に関連付けられたユーザIDを取得してもよい。また、物品管理システム1は、システムの一部として管理される所定のサイトに端末Tからアクセス及びユーザIDに基づくログインをし、当該サイトにおいて解錠対象の保管庫SB1を指定し、物品貸出管理装置30に保管庫SB1の解錠をさせるように構成されていてもよい。この場合には、物品貸出管理装置30は、端末Tと直接の通信をすることを要さない。また、物品の保管場所又は保管庫が物品の一部を収容する構成を有する場合には、物品ごとにロック機構が設けられ、それを解錠するように構成されていてもよい。
【0060】
図1に示されるように、物品の保管場所は、保管庫SB1により構成されてもよい。
この場合において、保管庫SB1は、物品を保管場所から取り出し可能にするための取出機構を有してもよい。本実施形態では、一例として、物品の保管場所が保管庫SB1の内部空間により構成され、取出機構が、保管庫SB1の内部空間を開閉するための開閉機構により構成される。保管庫SB1の内部空間が物品を保管するための保管場所であり、保管庫SB1が内部空間を開閉するための開閉機構を備える場合において、物品貸出管理装置30にユーザIDを取得させることにより、保管庫SB1の開閉機構を開くことが可能となるように保管庫SB1が構成されていてもよい。また、開閉機構に鍵が設けられている場合には、物品貸出管理装置30にユーザIDを取得させることにより、保管庫SB1の解錠が可能となるように保管庫SB1が構成されていてもよい。即ち、物品の貸出を望むユーザは、端末TによりユーザIDを物品貸出管理装置30に取得させることにより、保管庫SB1の開閉機構を開き、保管庫SB1の内部空間に存在する物品を取り出すことが可能となる。なお、保管場所が保管庫SB1により構成されない場合には、ユーザは、ユーザIDを物品貸出管理装置30に取得させた後に、特段の解錠等の処理を経ることなく、保管場所から物品を取り出すことができる。
【0061】
第1物品情報検知部12は、保管場所に存在する物品を識別する物品識別情報を検知する。図4は、物品の一例である飲料容器の貸出の局面における物品識別情報の取得の例を模式的に示す図である。図4に示される例では、保管場所hs1は、RFIDリーダrd1を備える。RFIDリーダrd1は、物品の各々に付されたRFIDタグを読み取る。RFIDタグは、ユニークな容器ID(物品識別情報)を有する。保管場所hs1が保管庫SB1の内部空間により構成される場合には、保管庫SB1の内部空間に、RFIDリーダrd1が備えられてもよい。なお、物品識別情報の検知手段は、RFIDリーダ及びRFIDタグに限定されず、あらゆる周知技術を適用できる。例えば、物品に付されたその他のICタグ、光学的に読み取り可能な2次元コード、刻印された番号、電磁的媒体等が、保管場所に設けられた、対応するリーダ、カメラ及びセンサ等により検知され、検知された情報を第1物品情報検知部12が物品識別情報として取得してもよい。
【0062】
RFIDリーダrd1は、保管場所hs1に存在する飲料容器の容器ID(物品識別情報)を、例えば予め設定された時間間隔で読み取る。例えば容器の取り出し前において、RFIDリーダrd1は、物品識別情報X01,X02,X03,X04を検知する。そして、第1物品情報検知部12は、RFIDリーダrd1を介して物品識別情報X01,X02,X03,X04を検知及び取得する。
【0063】
符号ltに示されるように、物品識別情報X04を有する容器がユーザにより取り出されると、RFIDリーダrd1は、保管場所hs1に存在する飲料容器の物品識別情報を読み取る。RFIDリーダrd1は、例えば、保管場所hs1を構成する保管庫SB1の開閉機構が閉じられたことを検知契機として、RFIDタグの読み取りを実施してもよい。また、RFIDリーダrd1は、保管庫SB1の開閉機構が容器の取り出しのために解錠された後に施錠されたことを検知契機として、RFIDタグの読み取りを実施してもよい。また、RFIDリーダrd1は、保管庫SB1の解錠または開閉機構が開けられたことの検知から予め設定された一定時間の経過後を検知契機として、RFIDタグの読み取りを実施してもよい。図示される例では、RFIDリーダrd1は、物品識別情報X01,X02,X03を検知する。そして、第1物品情報検知部12は、所定の検知契機にRFIDリーダrd1を介して物品識別情報を検知及び取得する。
【0064】
管理部13は、第1物品情報検知部12により検知された物品識別情報に基づいて物品の貸出状況を管理する。具体的には、管理部13は、第1ユーザ情報取得部11によりユーザ識別情報が取得された後に、第1物品情報検知部12により検知された物品識別情報の状態に変化が生じた場合に、当該変化分に相当する物品識別情報に当該ユーザ識別情報を関連付ける。さらに具体的には、管理部13は、第1物品情報検知部12により検知された物品識別情報の数が減少した場合に、当該減少した差分に相当する物品識別情報に当該ユーザ識別情報を関連付ける。
【0065】
ユーザが飲料容器の貸出を所望する場合に、ユーザは、端末Tを介して、自身のユーザ識別情報を物品貸出管理装置30に取得させ、更に第1ユーザ情報取得部11に取得させる。次いで、ユーザ識別情報が物品貸出管理装置30及び第1ユーザ情報取得部11により取得されると共に、保管庫SB1からの飲料容器の取り出しが開閉機構の解錠等により可能になるので、ユーザが保管場所hs1から飲料容器を取り出す。そして、飲料容器の取り出しの後に、保管庫SB1の開閉機構が閉じられ及び/又は施錠されたことを契機として、第1物品情報検知部12が保管場所hs1に存在する飲料容器の物品識別情報を取得する。
【0066】
管理部13は、飲料容器の取り出しの後の検知契機に検知された物品識別情報と、当該検知契機の前に検知された物品識別情報(例えば、所定時間間隔の検知契機で検知された物品識別情報)との差分を抽出する。そして、管理部13は、抽出した物品識別情報に、第1ユーザ情報取得部11により取得されたユーザ識別情報を関連付ける。
【0067】
例えば、ユーザY01(ユーザ識別情報Y01を有するユーザ)が、飲料容器の貸出を所望して、端末Tが有する自身のユーザ識別情報を物品貸出管理装置30に取得させると、第1ユーザ情報取得部11は、ユーザ識別情報Y01を取得する。ここで、管理部13は、取得したユーザ識別情報に対応するユーザが飲料容器の貸出の資格を有することを、ユーザ情報記憶部21を参照して確認してもよい。
【0068】
図5は、ユーザ情報記憶部21に記憶されているユーザ情報の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。図5に示されるように、ユーザ情報は、ユーザID(ユーザ識別情報)ごとに、ユーザの名前、通知先及び状態を記憶している。ユーザの状態は、飲料容器の貸出の資格の有無を示し、状態「1」は、資格を有することを示し、状態「0」は資格を有さないことを示す。飲料容器の貸出を受けているユーザのユーザ情報は、状態「0」にセットされ、飲料容器の貸出を受けていないユーザのユーザ情報は、状態「1」にセットされる。また、ユーザが、飲料容器の貸出のサービスを受けるために登録することが必要とされているその他のユーザ情報(図示せず)がユーザ情報記憶部21等に登録及び記憶されていない場合には、当該ユーザのユーザ情報は、状態「0」にセットされてもよい。管理部13は、ユーザID(Y01)に関連付けられた状態「1」を参照することにより、当該ユーザが飲料容器の貸出の資格を有することを認識する。
【0069】
第1ユーザ情報取得部11にユーザ識別情報が取得されたことにより、保管庫SB1の開閉機構が解錠されるので、ユーザY01は、容器ID(X04)を有する飲料容器を保管場所hs1から取り出すことができる。そして、容器の取り出しの後に保管庫SB1の開閉機構が施錠されたことを契機として、第1物品情報検知部12は、保管場所hs1に存在する飲料容器の物品識別情報X01,X02,X03を検知及び取得する。
【0070】
管理部13は、保管庫SB1の施錠を契機として取得した物品識別情報X01,X02,X03と、当該取得契機前に取得していた物品識別情報X01,X02,X03,X04との差分として、物品識別情報X04を抽出する。管理部13は、抽出した物品識別情報X04に、ユーザ識別情報Y01を関連付ける。
【0071】
管理部13は、物品識別情報とユーザ識別情報との関連付けを、例えば物品使用状況情報記憶部22において管理する。図6は、物品使用状況情報記憶部22に記憶されている物品使用状況情報の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
【0072】
図6に示されるように、物品使用状況情報記憶部22は、飲料容器を識別する容器ID(物品識別情報)に関連付けて、保管状況、保管場所、利用しているユーザ、貸出期間、保管期間及び利用回数等の情報を記憶している。保管状況は、当該飲料容器が保管庫等に保管されているか、又はユーザによる利用中であるか等を示す情報である。保管場所は、当該飲料容器が保管されている保管場所の識別情報を示す。利用しているユーザは、当該飲料容器を利用しているユーザのユーザ識別情報である。貸出期間は、当該飲料容器が貸し出された時から経過した期間である。保管期間は、当該容器が保管庫の返却された時から経過した期間である。貸出期間及び保管期間は、日数を単位として管理されてもよいし、時間数(時、分及び秒)、又は期間数(週、月、又は年)を単位として管理されてもよい。利用回数は、当該飲料容器がユーザに貸し出された回数である。
【0073】
管理部13は、ユーザ識別情報を、物品使用状況情報記憶部22の「利用しているユーザ」に登録することにより、物品識別情報に対するユーザ識別情報の関連付けを実現してもよい。即ち、管理部13は、ユーザ識別情報Y01を「利用しているユーザ」として、物品識別情報X04に関連付けて記憶させる。
【0074】
再び図2を参照して、第1通知部14は、ユーザ識別情報が関連付けられた物品識別情報を少なくとも含むメッセージを、当該ユーザ識別情報により識別されるユーザに送信する。
【0075】
図7は、物品を借りたユーザに対して送信されたメッセージが表示された表示画面D1の例を示す図である。第1通知部14は、ユーザY01(ユーザ識別情報Y01)に、飲料容器(物品識別情報X04)をユーザY01が借りたことを示すメッセージms1を通知する。メッセージms1は、符号cn1に示されるように、ユーザY01が借りた飲料容器を示し物品使用状況情報記憶部22においてユーザ識別情報Y01に関連付けられた物品識別情報である「X04」を含む。
【0076】
第1通知部14は、メッセージの送信先を、ユーザ情報記憶部21の「通知先」を参照して取得してもよい。第1通知部14は、メッセージms1を、例えば電子メールとして送信してもよいが、当該ユーザのアカウントを宛先としたその他の周知の通知手段であってもよい。
【0077】
再び図2を参照して、第2ユーザ情報取得部15は、返却場所におけるユーザのユーザ識別情報を取得する。なお、第2ユーザ情報取得部15は、物品管理装置10において非必須の構成要素である。具体的には、第2ユーザ情報取得部15は、物品の返却場所において、物品を返却しようとするユーザのユーザ識別情報を取得する。
【0078】
第2ユーザ情報取得部15は、貸し出されていた物品の返却を受け付けるための返却場所に設けられた物品返却管理装置40が、ユーザの端末Tから取得したユーザID(ユーザ識別情報)を取得してもよい。
【0079】
物品返却管理装置40は、物品貸出管理装置30と同様に、ユーザの端末Tに表示されユーザIDを示す2次元コード(例えばQRコード)を、リーダを介して読み込むことによりユーザIDを取得してもよい。物品返却管理装置40は、その他の通信方式により端末TからユーザIDを取得してもよい。第2ユーザ情報取得部15は、物品返却管理装置40により端末Tから取得されたユーザIDを取得する。また、ユーザIDを物品返却管理装置40に取得させるための媒体は、端末Tには限定されず、2次元コードが印刷されたカード及びICカード等であってもよい。また、物品返却管理装置40が、ユーザの顔、声、指紋及び静脈等の生体情報を認識する装置を備えていてもよい。この場合には、第2ユーザ情報取得部15は、物品返却管理装置40において認識された生体情報に基づいて、生体情報に関連付けられたユーザIDを取得してもよい。
【0080】
保管庫SB2の内部空間が、返却された物品を保管するための返却場所であり、保管庫SB2が内部空間を開閉するための開閉機構を備える場合において、物品返却管理装置40にユーザIDを取得させることにより、保管庫SB2の開閉機構を開くこと又は解錠が可能となるように保管庫SB2が構成されていてもよい。即ち、物品を返却しようとするユーザは、端末TによりユーザIDを物品返却管理装置40に取得させることにより、保管庫SB2の開閉機構を開き、保管庫SB2の内部空間に物品を置くことが可能となる。
【0081】
第2物品情報検知部16は、返却場所に存在する物品を識別する物品識別情報を検知する。図8は、物品の一例である飲料容器の返却の局面における物品識別情報の取得の例を模式的に示す図である。図8に示される例では、返却場所rs1は、RFIDリーダrd2を備える。RFIDリーダrd2は、物品の各々に付されたRFIDタグを読み取る。RFIDタグは、ユニークな容器ID(物品識別情報)を有する。返却場所rs1が保管庫SB2の内部空間により構成される場合には、保管庫SB2の内部空間に、RFIDリーダrd2が備えられてもよい。なお、返却場所における物品識別情報の検知手段は、RFIDリーダ及びRFIDタグに限定されず、あらゆる周知技術を適用できる。例えば、物品に付されたその他のICタグ、光学的に読み取り可能な2次元コード、刻印された番号、電磁的媒体等が、返却場所に設けられた、対応するリーダ、カメラ及びセンサ等により検知され、検知された情報を第2物品情報検知部16が物品識別情報として取得してもよい。
【0082】
RFIDリーダrd2は、保管場所rs1に存在する飲料容器の容器ID(物品識別情報)を、例えば予め設定された時間間隔で読み取る。例えば飲料容器の返却前において、RFIDリーダrd2は、物品識別情報X01,X02,X03を検知する。そして、第2物品情報検知部16は、RFIDリーダrd2を介して物品識別情報X01,X02,X03を検知及び取得する。
【0083】
飲料容器の返却後として示されるように、物品識別情報X04を有する飲料容器がユーザにより返却場所に返却されると、RFIDリーダrd2は、保管場所rs1に存在する飲料容器の物品識別情報を読み取る。RFIDリーダrd2は、検知される物品識別情報の数の増加を認識したことを検知契機としてもよい。また、RFIDリーダrd2は、飲料容器を返却するユーザのユーザ識別情報が第2ユーザ情報取得部15により取得されたことを契機として、RFIDタグの読み取りを実施してもよい。また、RFIDリーダrd2は、例えば、返却場所rs1を構成する保管庫SB2の開閉機構が閉じられたことを検知契機として、RFIDタグの読み取りを実施してもよい。また、RFIDリーダrd2は、保管庫SB2の開閉機構が飲料容器の返却のために解錠された後に施錠されたことを検知契機として、RFIDタグの読み取りを実施してもよい。図示される例では、RFIDリーダrd2は、飲料容器の返却後において、物品識別情報X01,X02,X03,X04を検知する。そして、第2物品情報検知部16は、所定の検知契機にRFIDリーダrd2を介して物品識別情報を検知及び取得する。
【0084】
管理部13は、第2物品情報検知部12により検知された物品識別情報に基づいて物品の貸出及び返却状況を管理する。具体的には、管理部13は、第2物品情報検知部16により検知された物品識別情報の数が増加した場合に、当該増加した差分に相当する物品識別情報に関連付けられていたユーザ識別情報との関連付けを解除する。
【0085】
ユーザが飲料容器を返却する場合には、ユーザは、少なくとも、借りていた飲料容器を返却場所に置く。ユーザが飲料容器を返却場所に置くことにより、RFIDリーダrd2及び第2物品情報検知部16により検知される物品識別情報の数が増加する。管理部13は、検知される物品識別情報の数が増加した後に検知された物品識別情報X01,X02,X03,X04と、検知される物品識別情報の数が増加する前に検知された物品識別情報X01,X02,X03との差分である物品識別情報X04を抽出する。そして、管理部13は、抽出した物品識別情報に関連付けられていたユーザ識別情報との関連付けを解除する。
【0086】
管理部13は、RFIDリーダrd2が所定時間間隔で物品識別情報の検知を実施している場合に、ある時刻に検知した物品識別情報の数に対して、次の時刻に検知した物品識別情報の数が増加したことを認識してもよい。また、飲料容器の返却時に、返却場所におけるユーザ識別情報の取得を伴う場合には、管理部13は、第2ユーザ情報取得部15によるユーザ識別情報の取得を契機として、その前後において検知される物品識別情報の数の増加を認識してもよい。
【0087】
管理部13は、物品識別情報とユーザ識別情報との関連付けの解除を、例えば物品使用状況情報記憶部22において管理する。再び図6を参照して、管理部13は、検知された物品識別情報の数の増加の前後における差分として抽出した物品識別情報X04に、「利用しているユーザ」として関連付けられていたユーザ識別情報Y01との関連付けを解除する。具体的には、管理部13は、物品識別情報X04に関連付けられていたユーザ識別情報Y01を削除する。
【0088】
再び図2を参照して、第2通知部17は、第2物品情報検知部16により検知された物品識別情報の数の増加した差分に相当する物品識別情報を少なくとも含むメッセージを、当該物品識別情報との関連付けが解除されたユーザ識別情報により識別されるユーザに送信する。
【0089】
図9は、物品を返却したユーザに対して送信されたメッセージが表示された表示画面D2の例を示す図である。第2通知部17は、ユーザY01(ユーザ識別情報Y01)に、飲料容器(物品識別情報X04)がユーザY01により返却されたことを示すメッセージms2を通知する。メッセージms2は、符号cn2に示されるように、ユーザY01が返却した飲料容器を示し物品使用状況情報記憶部22においてユーザ識別情報Y01との関連付けが解除された物品識別情報である「X04」を含む。
【0090】
第2通知部17は、メッセージの送信先を、ユーザ情報記憶部21の「通知先」を参照して取得してもよい。第1通知部14は、メッセージms1を、例えば電子メールとして送信してもよいが、当該ユーザのアカウントを宛先としたその他の周知の通知手段であってもよい。
【0091】
再び図2を参照して、管理情報通知部18は、物品使用状況が所与の条件に該当する場合に、物品管理システム1の管理者に当該物品使用状況及び当該物品の物品識別情報を含むメッセージを、メールまたはその他の周知の電子的な通知手段により通知してもよい。
【0092】
管理者への通知のために、管理部13は、物品識別情報に対してユーザ識別情報を関連付けたことを、当該物品識別情報に係る物品がユーザに貸し出された履歴である貸出履歴として、及び、物品識別情報に対するユーザ識別情報の関連付けを解除したことを、当該物品識別情報に係る物品が返却された履歴である返却履歴として、貸出履歴及び返却履歴からなる履歴情報を物品使用状況情報の一部として、物品使用状況情報記憶部22に記憶させてもよい。
【0093】
図10は、物品使用状況情報記憶部22に記憶されている物品の使用履歴を示す履歴情報の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。図10に示されるように、履歴情報は、飲料容器(物品)を識別する容器ID(物品識別情報)に関連付けられた、当該容器の貸出回数、並びに、当該容器の出庫(貸出)及び入庫(返却)の履歴からなる利用履歴を含む。
【0094】
管理部13は、図6を参照して説明したように、物品の貸出及び返却を物品使用状況情報により管理しているので、貸出及び返却の履歴を物品毎に抽出して、図10に示されるような履歴情報を生成できる。
【0095】
管理情報通知部18は、物品の貸出回数が予め設定された回数に達した場合に、当該物品の物品識別情報及び貸出回数が所与の回数に達した旨のメッセージを管理者に通知してもよい。このような通知により、物品の貸出の回数が所与の回数に至ったことを管理者に認識させることが可能となるので、管理者は、例えば、貸出に供する物品のメンテナンス及び入れ替え等の契機を認識できる。
【0096】
管理情報通知部18は、図6に例示される物品使用状況情報の貸出期間及び図10に例示される履歴情報の参照により、最後に物品が貸し出された時から所定期間が経過し且つ未返却である場合に、当該物品の物品識別情報及び当該物品が未返却のまま一定期間が経過した旨のメッセージを管理者に通知してもよい。このような通知により、貸し出された物品が一定期間を超えて未返却の状態にあることを管理者に認識させることが可能となるので、管理者は、例えば、当該物品を借りているユーザに対して、督促等の手段を取ることが可能となる。
【0097】
管理情報通知部18は、図6に例示される物品使用状況情報の保管期間及び図10に例示される履歴情報の参照により、最後に当該物品が返却された時から所定期間が経過し且つ貸出がされていない場合に、当該物品の物品識別情報及び当該物品が長期間にわたって貸出に供されていない旨のメッセージを管理者に通知してもよい。このような通知により、保管されている物品が一定期間を超えて貸し出された履歴がないことを管理者に認識させることが可能となるので、管理者は、例えば、当該物品に対して、長期保管による汚損の有無の点検等の措置を取ることができる。
【0098】
また、管理情報通知部18は、図10に示されるような物品ごとの履歴情報を、例えば管理者からのリクエストに応じて、当該管理者に通知してもよい。このような通知により、物品ごとの貸出の履歴を、管理者に認識させることが可能となる。
【0099】
また、管理部13は、図6を参照して説明したように、物品の貸出及び返却を物品使用状況情報により管理しているので、貸出及び返却の履歴をユーザ毎に抽出して、ユーザごとの物品の貸出及び返却の履歴を示す利用履歴情報を生成してもよい。
【0100】
図11は、ユーザ情報及び物品使用状況情報から抽出されたユーザの詳細情報及びユーザごとの物品の利用履歴を示す利用履歴情報の例を示す図である。図11に例示されるように、利用履歴情報は、ユーザごとの、ユーザに関する詳細情報であるユーザの名前、通知先及び利用回数、並びに、物品の利用履歴詳細の情報を含む。
【0101】
管理情報通知部18は、図11に示されるようなユーザごとの利用履歴情報を、例えば管理者からのリクエストに応じて、当該管理者に通知してもよい。このような通知により、ユーザごとの物品の貸出の履歴を、管理者に認識させることが可能となる。
【0102】
次に、図12及び図13を参照して、本実施形態の物品管理システム1の動作の例について説明する。図12は、物品管理システムにおいて実施される物品管理方法であって、物品の貸出の局面における物品(貸出)管理方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0103】
ステップS1において、第1物品情報検知部12は、保管場所hs1に存在する物品の物品識別情報を取得する。
【0104】
ステップS2において、管理部13は、物品の取り出しに伴う操作が行われたか否かを判定する。即ち、管理部13は、第1ユーザ情報取得部11によりユーザ識別情報が取得された後に、保管場所hs1の開閉機構が開閉されたか、又は、解錠の後に施錠されたかを、判定する。物品の取り出しに伴う操作が行われたと判定された場合には、処理はステップS3に進む。一方、物品の取り出しに伴う操作が行われたと判定されなかった場合には、処理はステップS1に戻る。ステップS1における物品識別情報の取得は、ステップS1及びステップS2(No)の処理の繰り返しにより、例えば、予め設定された時間間隔で実施される。
【0105】
ステップS3において、第1物品情報検知部12は、保管場所hs1に存在する物品の識別情報を取得する。ステップS3において取得される物品識別情報は、物品が取り出された後に保管場所hs1に存在する物品の物品識別情報である。
【0106】
ステップS4において、管理部13は、物品の取り出しの後の検知契機に検知された物品識別情報(ステップS3)と、当該検知契機の前に検知された物品識別情報(ステップS1)との差分を抽出する。
【0107】
ステップS5において、管理部13は、抽出した物品識別情報に、第1ユーザ情報取得部11により取得されたユーザ識別情報を関連付ける。これにより、保管場所hs1から取り出された物品の物品識別情報に、当該物品を取り出したユーザのユーザ識別情報が関連付けられる。
【0108】
図13は、物品管理システムにおいて実施される物品管理方法であって、物品の返却の局面における物品(返却)管理方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0109】
ステップS11において、第2物品情報検知部16は、返却場所rs1に存在する物品の物品識別情報を取得する。
【0110】
ステップS12において、管理部13は、物品の返却に伴う操作が行われたか否かを判定する。即ち、管理部13は、第2物品情報検知部16により検出された物品識別情報の数が増加したか否かを判定する。物品識別情報の数が増加したと判定された場合には、処理はステップS13に進む。一方、物品識別情報の数が増加したと判定されなかった場合には、処理はステップS11に戻る。
【0111】
ステップS13において、管理部13は、検知された物品識別情報の数の増加の前後における差分として抽出した物品識別情報に関連付けられていたユーザ識別情報との関連付けを解除する。これにより、返却場所rs1に返却された物品の物品識別情報とユーザ識別情報との関連付けが解除される。
【0112】
以上説明した本実施形態の物品管理システム1、物品管理装置10、物品管理方法及び物品管理プログラムによれば、ユーザ識別情報の取得を契機として、保管庫の開閉機構が物品の取り出しを可能とし、又は、解錠されるので、物品を保管庫から取り出す意図を有するユーザのユーザ識別情報が確実に取得される。また、保管庫の開閉機構が閉じられたこと又は開閉機構の施錠後を物品識別情報の検知契機とすることにより、物品が取り出された後に保管庫に存在する物品識別情報が取得される。検知契機前に検知された物品識別情報と検知契機において検知された物品識別情報との差分は、ユーザにより保管庫から取り出された物品に相当するので、ユーザが取り出した物品の物品識別情報を確実に認識できる。そして、ユーザが取り出した物品の物品識別情報にユーザ識別情報を関連付けることにより、貸出対象の物品の物品識別情報とユーザの識別情報との関連付けが可能となる。
【0113】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0114】
本実施形態では、物品管理システム1及び物品管理装置10が、物品の貸出管理及び返却管理のための構成を有する例により説明したが、物品管理システム1及び物品管理装置10は、物品の貸出のための構成のみを有することとしてもよい。即ち、物品管理装置10は、第1ユーザ情報取得部11、第1物品情報検知部12及び管理部13を備える装置であってもよい。このように構成された物品管理システム1及び物品管理装置10は、いわゆるディスポーザルな物品の貸出(提供)管理に適用できる。
【符号の説明】
【0115】
1…物品管理システム、10…物品管理装置、11…第1ユーザ情報取得部、12…第1物品情報検知部、13…管理部、14…第1通知部、15…第2ユーザ情報取得部、16…第2物品情報検知部、17…第2通知部、18…管理情報通知部、21…ユーザ情報記憶部、22…物品使用状況情報記憶部、P1…物品管理プログラム。
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図13