(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043139
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】送受信装置、送受信装置の制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/04 20060101AFI20240322BHJP
H03F 1/32 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H04B1/04 R
H03F1/32 141
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148156
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】近藤 丈志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩貴
(72)【発明者】
【氏名】永井 大介
(72)【発明者】
【氏名】赤津 達也
【テーマコード(参考)】
5J500
5K060
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA41
5J500AC21
5J500AC41
5J500AC92
5J500AF14
5J500AF17
5J500AF18
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5J500AH38
5J500AK16
5J500AK26
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5J500NH04
5K060BB05
5K060CC04
5K060HH06
5K060HH32
5K060HH37
5K060JJ21
5K060KK03
(57)【要約】
【課題】DPDの帰還系専用ADCを設けず、受信系ADCを用いて帰還系の所望のSN比を実現する送受信装置を提供する。
【解決手段】送受信装置は、複数の送信部とDPD部を含む送信系と、同数の受信部と選択部を含む受信系と、同数のアンテナと、合成部を含む。送信部は、送信信号をアンテナに供給する電力増幅器を含む。受信部は、受信用ADCを含む。DPD部は、電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数を演算する演算部と、デジタル送信信号に係数を乗算する乗算部を含む。TDDの送信期間において、選択部は、1つの電力増幅器のフィードバック信号を選択し、選択部出力信号として出力し、少なくとも2つの受信用ADCの各々が、選択部出力信号をアナログ/デジタル変換して少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を生成し、合成部が、少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を合成して合成信号を生成し演算部へ合成信号を供給する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送信部とデジタルプリディストーション部を含む送信系と、複数の前記送信部と同数の受信部と前記受信部の各々に接続された選択部を含む受信系と、複数の前記送信部と同数のアンテナと、合成部を含み、
各々の前記アンテナが、前記送信部の1つと、前記選択部に接続され、
前記送信部の各々は、前記送信部の入力信号から生成した、電力増幅した送信信号を前記アンテナに供給する電力増幅器を含み、
前記受信部の各々は、前記アンテナで受信した受信信号をデジタル受信信号に変換する受信用アナログ/デジタル変換器を含み、
前記デジタルプリディストーション部は、前記電力増幅器の各々が出力する信号のフィードバック信号に基づいて、前記電力増幅器の各々の逆特性のひずみを有する係数を演算する演算部と、各デジタル送信信号に、前記送信部の各々の前記電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数を乗算して、各デジタルプリディストーション処理された信号を、前記送信部の各々へ前記入力信号として出力する乗算部を含み、
時分割複信方式の送信期間において、
前記選択部は、前記送信部の1つの電力増幅器が出力する送信信号のフィードバック信号を選択し、選択部出力信号として出力し、
少なくとも2つの前記受信用アナログ/デジタル変換器の各々が、前記選択部出力信号を、アナログ/デジタル変換して、少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を生成し、
前記合成部が、前記少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を合成して合成信号を生成し、前記演算部へ前記合成信号を供給する、送受信装置。
【請求項2】
前記送信部の各々は、前記電力増幅器と、前記アンテナの間に接続された、前記送信信号のフィードバック信号を出力するカプラを更に含み、
前記選択部は前記受信部と同数のスイッチを含み、前記スイッチの各々は、異なる前記送信部の前記カプラの前記フィードバック信号がそれぞれ供給される複数の入力と、前記受信用アナログ/デジタル変換器の入力に接続された1つの出力を含み、及び、
前記時分割複信方式の前記送信期間において、
前記選択部の前記スイッチの各々は、前記複数の入力のうち、前記送信部のうちの1つの送信部のカプラのフィードバック信号が供給されている入力を選択し、前記選択部出力信号として、スイッチ出力信号を出力し、
前記少なくとも2つの前記受信用アナログ/デジタル変換器の各々が、前記選択部の前記スイッチの各々の前記スイッチ出力信号を、アナログ/デジタル変換して、前記少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を生成する、請求項1に記載の送受信装置。
【請求項3】
前記送信系の前記デジタルプリディストーション部の前記演算部が、前記合成信号を用いて、定期的に、デジタルプリディストーション処理を実行するための全ての前記電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数を生成する、請求項1又は2に記載の送受信装置。
【請求項4】
前記送信系の前記デジタルプリディストーション部の前記演算部が、所定の期間内に、デジタルプリディストーション処理を実行するための全ての前記電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数を生成する、請求項1又は2に記載の送受信装置。
【請求項5】
前記合成部は、前記少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を、同位相に調整する位相調整部を含み、前記少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を同位相に調整した後に合成する、請求項1に記載の送受信装置。
【請求項6】
前記合成部は、前記少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を、同位相に調整する位相調整部を含み、前記少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を同位相に調整した後に合成する、請求項2に記載の送受信装置。
【請求項7】
前記スイッチを制御する制御部を更に含み、
前記制御部は、前記スイッチの各々が、前記複数の入力のうち、同じカプラが供給している分配出力信号が供給されている入力の選択を行ない、出力するように制御し、及び、前記入力の選択を定期的に切り替えるように制御する、請求項2または6に記載の送受信装置。
【請求項8】
前記スイッチを制御する制御部を更に含み、
前記制御部は、前記スイッチの各々が、前記複数の入力のうち、同じカプラが供給している分配出力信号が供給されている入力の選択を行い、出力するように制御し、及び、所定の期間内に前記入力の全てが選択されるように、前記入力の選択を切り替えるように制御する、請求項2または6に記載の送受信装置。
【請求項9】
請求項2に記載の送受信装置に含まれるコンピュータが、
前記スイッチの各々が、前記複数の入力のうち、同じカプラが供給している分配出力信号が供給されている入力の選択を行い、出力するように制御するステップと、
前記入力の選択を定期的に切り替えるように制御するステップを含む、送受信装置の制御方法。
【請求項10】
請求項2に記載の送受信装置に含まれるコンピュータに、
前記スイッチの各々が、前記複数の入力の、同じカプラが供給している分配出力信号が供給されている入力の選択を行い、出力するように制御する処理と、
前記入力の選択を定期的に切り替えるように制御する処理を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送受信装置、送受信装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルプリディストーション(DPD)のフィードバック信号に関しては、以下のような特許文献がある。
【0003】
特許文献1は、クロックによる干渉を防ぐことにより、送信無線信号を高い精度で測定することが可能な無線通信装置に関するものである。
【0004】
特許文献2は、最良のフィードバック信号を与える共用受信機を選択し得る、適応型送信機プリディストーションに関するものである。
【0005】
特許文献3は、アナログ-デジタル変換器(ADC)を含む無線周波数信号変換器を有するフィードバック信号変換部を含む、デジタルプリディストーション処理方法および装置に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-028990号公報
【特許文献2】特表2014-534704号公報
【特許文献3】特表2019-536381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以下の分析は、本発明者によって与えられたものである。
【0008】
デジタルプリディストーション(DPD)は、電力増幅器(PA)の持つ非線形性によって発生するひずみ成分を抑えるため、あらかじめ逆特性のひずみを信号に付加して電力増幅器に入力することで、電力増幅器の非線形性を補償する手法である。DPDは、例えば、無線基地局の信号処理部分で活用されることがある。
【0009】
DPDは、電力増幅器の出力信号を信号処理部に帰還させ、逆特性のひずみを作成する。例えば、無線基地局の信号処理部分は、送信系と受信系を含む送受信装置を含む。送信系のDPDの帰還系と、受信系は、それぞれ、アナログデジタル変換器(ADC)を必要とする。しかしながら、送信系のDPDの帰還系で使用するADCは、受信系で使用するADCよりも利得が高い(高SN比の)ものが求められ、従来、送信系を構築する場合には、DPDの帰還系に専用のADCを使用している。
【0010】
本発明は、DPDの帰還系専用の高利得(高SN比)のADCを設けることなく、受信系のADCを用いてDPDの帰還系の所望のSN比を実現することを可能とすることに貢献する、送受信装置、送受信装置の制御方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の視点によれば、複数の送信部とデジタルプリディストーション部を含む送信系と、複数の前記送信部と同数の受信部と前記受信部の各々に接続された選択部を含む受信系と、複数の前記送信部と同数のアンテナと、合成部を含み、
各々の前記アンテナが、前記送信部の1つと、前記選択部に接続され、
前記送信部の各々は、前記送信部の入力信号から生成した、電力増幅した送信信号を前記アンテナに供給する電力増幅器を含み、
前記受信部の各々は、前記アンテナで受信した受信信号をデジタル受信信号に変換する受信用アナログ/デジタル変換器を含み、
前記デジタルプリディストーション部は、前記電力増幅器の各々が出力する信号のフィードバック信号に基づいて、前記電力増幅器の各々の逆特性のひずみを有する係数を演算する演算部と、各デジタル送信信号に、前記送信部の各々の前記電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数を乗算して、各デジタルプリディストーション処理された信号を、前記送信部の各々へ前記入力信号として出力する乗算部を含み、
時分割複信方式の送信期間において、
前記選択部は、前記送信部の1つの電力増幅器が出力する送信信号のフィードバック信号を選択し、選択部出力信号として出力し、
少なくとも2つの前記受信用アナログ/デジタル変換器の各々が、前記選択部出力信号を、アナログ/デジタル変換して、少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を生成し、
前記合成部が、前記少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を合成して合成信号を生成し、前記演算部へ前記合成信号を供給する、送受信装置を、提供できる。
【0012】
本発明の第2の視点によれば、前記送信部の各々は、前記電力増幅器と、前記アンテナの間に接続された、前記送信信号のフィードバック信号を出力するカプラを更に含み、
前記選択部は前記受信部と同数のスイッチを含み、前記スイッチの各々は、異なる前記送信部の前記カプラの前記フィードバック信号がそれぞれ供給される複数の入力と、前記受信用アナログ/デジタル変換器の入力に接続された1つの出力を含み、及び、
前記時分割複信方式の前記送信期間において、
前記選択部の前記スイッチの各々は、前記複数の入力のうち、前記送信部のうちの1つの送信部のカプラのフィードバック信号が供給されている入力を選択し、前記選択部出力信号として、スイッチ出力信号を出力し、
前記少なくとも2つの前記受信用アナログ/デジタル変換器の各々が、前記選択部の前記スイッチの各々の前記スイッチ出力信号を、アナログ/デジタル変換して、前記少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を生成する、第1の視点に記載の送受信装置を、提供できる。
【0013】
本発明の第3視点によれば、第2の視点に記載の送受信装置に含まれるコンピュータが、
前記スイッチの各々が、前記複数の入力のうち、同じカプラが供給している分配出力信号が供給されている入力の選択を行い、出力するように制御するステップと、
前記入力の選択を定期的に切り替えるように制御するステップを含む、送受信装置の制御方法を、提供できる。本方法は、送受信装置の制御方法を実行するコンピュータという、特定の機械に結びつけられている。
【0014】
本発明の第4の視点によれば、第2の視点に記載の送受信装置に含まれるコンピュータに、
前記スイッチの各々が、前記複数の入力の、同じカプラが供給している分配出力信号が供給されている入力の選択を行い、出力するように制御する処理と、
前記入力の選択を定期的に切り替えるように制御する処理を実行させる、プログラムを提供できる。
【0015】
なお、これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、DPDの帰還系専用の高利得(高SN比)のADCを設けることなく、受信系のADCを用いてDPDの帰還系の所望のSN比を実現することを可能とすることに貢献する、送受信装置、送受信装置の制御方法、及び、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態の送受信装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】DPDにより電力増幅器の非線形性を補償する手法の概要を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態の送受信装置の合成部の構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態の送受信装置の構成の一例を示す図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態の送受信装置の構成の一例を示す図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態の送受信装置の制御部の動作の一例を示す図である。
【
図7】本発明の送受信装置の制御部を構成するコンピュータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
はじめに、本発明の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態の送受信装置の構成の一例を示す図である。
図1を参照すると、本発明の一実施形態の送受信装置10は、2つの送信部110、120とデジタルプリディストーション(DPD)部150を含む送信系100と、2つの送信部110、120と同数の受信部211、221と受信部211、221の各々に接続された選択部201を含む受信系200と、2つの送信部と同数のアンテナ310、320と、合成部300を含む。なお、本発明の一実施形態では、2つの送信部と2つの受信部を含む構成を記載しているが、これらは一例であり、送信部と受信部の数を2つに限定することを意図するものではない。
【0020】
アンテナ310は、送信部110と、選択部201に接続され、アンテナ320が、送信部120と、選択部201に接続される。
【0021】
送信部110、120の各々は、送信部110、120の入力信号から生成した、電力増幅した送信信号を前記アンテナに供給する電力増幅器111、121を含む。受信部211、221の各々は、アンテナ310、320で受信した受信信号をデジタル受信信号に変換する受信用アナログ/デジタル変換器212、222を含む。
【0022】
デジタルプリディストーション部150は、電力増幅器111、121の各々が出力する信号のフィードバック信号21、31に基づいて、電力増幅器111、121の各々の逆特性のひずみを有する係数を演算する演算部153と、各デジタル送信信号20、30に、前記送信部110、120の各々の前記電力増幅器111、121の逆特性のひずみを有する係数を乗算して、各デジタルプリディストーション処理された信号を、前記送信部110、120の各々へ前記入力信号として出力する乗算部151を含む。
【0023】
次に、
図2を参照して、デジタルプリディストーション(DPD)により電力増幅器の非線形性を補償する手法の概要について説明する。
図2は、DPDにより電力増幅器の非線形性を補償する手法の概要を示す図である。
【0024】
図2に示す「PAの特性80」のように、電力増幅器(PA)は、PAの入力信号レベルが大きくなっても、PAの出力信号レベルが比例して大きくならず、PAの出力信号が歪んでしまう。これを、電力増幅器(PA)の非線形性と呼ぶ。電力増幅器(PA)の非線形性を改善するために、DPDでは、
図2に示す「DPDの特性81」のように、PAの入力信号に、予め、PAの非線形性の逆特性のひずみを有する係数を乗算してから、PAへ入力することにより、
図2に示す「全体の特性82」のように、PAの入力信号レベルと出力信号レベルが、PAの理想特性となるように、補償する。
【0025】
次に、本発明の一実施形態の動作について、
図1を参照して説明する。本発明の一実施形態では、一例として、送受信装置10が、時分割複信(TDD、Time Division Duplex)方式の送信期間において送信を行っている場合の動作について説明する。TDDは、使用する周波数帯域を時間軸方向に細かく分割し交互に送信と受信を繰り返す通信方式である。TDD制御時の、送受信装置の送信中(例えば、送受信装置10が、無線基地局の場合には、ダウンリンク(DL)期間)は、受信系のADCが未使用となるため、受信系のADCをDPDの帰還系のADCとして活用することが可能となる。
【0026】
時分割複信方式の送信期間において、選択部201は、例えば、送信部の1つ110の電力増幅器111が出力する送信信号のフィードバック信号21を選択し、選択部出力信号22と32として出力し、少なくとも2つの受信用アナログ/デジタル変換器212と222の各々が、前記選択部出力信号22と32を、アナログ/デジタル変換して、少なくとも2つのデジタルフィードバック信号61と62を生成する。
【0027】
合成部300は、少なくとも2つのデジタルフィードバック信号61、62を合成して合成信号71を生成し、演算部153へ合成信号71を供給する。
【0028】
本発明の一実施形態では、DPD部150が、DPDの逆特性ひずみを有する係数を決定する演算部153と、デジタル送信信号に係数を乗算する乗算部151を含み、DPD部150には、アンテナ310、320端で折り返した送信信号がフィードバック信号21、31としてフィードバックされ、演算部153では、PAの理想の特性から、フィードバック信号21、31をアナログデジタル変換したデジタルフィードバック信号61、62により取得したPAの特性を引き、DPDの逆特性ひずみを有する係数を求め、乗算部151は、デジタル送信信号に、演算部153の決定した逆特性ひずみを有する係数を乗算して、PAの逆特性のひずみをデジタル送信信号に付加して出力する。このように、デジタル送信信号にPAの逆特性のひずみを与えて、PAの入力信号としてPAに入力することにより、DPD部の入力に対するPAの出力が、PAの理想の特性となるように、PAの非線形性を補償することができる。
【0029】
なお、選択部201は、送信信号のフィードバック信号21と31の入力の選択を定期的に切り替え、送信系100のデジタルプリディストーション部150の演算部153が、合成信号71を用いて、定期的に、デジタルプリディストーション処理を実行するための全ての前記電力増幅器111と121の逆特性のひずみを有する係数を生成するようにしてもよい。さらに、所定の期間内に送信信号のフィードバック信号21と31の入力の全てが選択されるように、入力の選択を切り替え、送信系100のデジタルプリディストーション部150の演算部153が、所定の期間内に、デジタルプリディストーション処理を実行するための全ての電力増幅器111と121の逆特性のひずみを有する係数を生成するようにしてもよい。
【0030】
上記のように、定期的に、又は、所定の期間内に生成された電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数は、再度の生成が行われるまでの間、乗算部151により、各デジタル送信信号に対して連続して乗算される。即ち、PA111に対して生成された電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数は、乗算部151により、Lane0のデジタル送信信号に連続して乗算されて、送信部110へ送られ、また、PA121に対して生成された電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数は、乗算部151により、Lane1のデジタル送信信号に連続して乗算されて、送信部120へ送られる。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態の送受信装置の合成部の構成の一例を示す図である。合成部300は、位相調整部301と302及び、加算部305を含む。位相調整部301と302は、受信用ADC212と受信用ADC222から受信したデジタルフィードバック信号61と62の位相を、最大のSN比となる合成信号71を得るように、同位相で合成し、即ち、同位相に調整した後に合成し、信号を強め合うことで利得を向上させ、加算部305で加算して、合成信号71を出力する。
【0032】
なお、利得の向上については、本発明の一実施形態においては、2つの受信用ADCを使用して生成したデジタルフィードバック信号61と62を、同位相で加算した場合に、デジタルフィードバック信号は相関があるため振幅が2倍となり、電力は4倍となる。一方、デジタルフィードバック信号に含まれるノイズについては、ノイズは無相関であり加算するノイズ同士は+か-かが不定なので、振幅での加算にならず電力の加算となる。従って、デジタルフィードバック信号とノイズの電力を差し引くと、利得は、3dBとなる。使用する受信用のADCの数を、4個、8個と増加させると、同様に、利得は、6dB、9dBとなる。
【0033】
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、時分割複信方式の送信期間において、送受信装置の使用されていない2つの受信系の2つのADCを、DPDの帰還系のADCとして使用することができる。更に、受信系の2つのADCの出力を合成して、向上したSN比を有するフィードバック信号を、DPD部の演算部に入力することができる。従って、本発明の一実施形態により、DPDの帰還系専用の高利得(高SN比)のADCを設けることなく、受信系のADCを用いてDPDの帰還系の所望のSN比を実現することを可能とすることに貢献する、送受信装置、送受信装置の制御方法、及び、プログラムを提供することができる。
【0034】
[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態の送受信装置について、図面を参照して説明する。本発明の第1の実施形態の送受信装置の構成の一例を示す図である。
図4において、
図1と同一の参照符号を付した構成要素は、同一の構成要素を示すものとする。本発明の第1の実施形態の送受信装置10は、送信系100が、4つの送信部110、120、130、140を含み、受信系200が、4つの受信部211、221、231、241を含み、及び4つのアンテナ310、320、330、340を含む。本発明の第1の実施形態は、送信部110、120、130、140の各々が、電力増幅器111、121、131、141と、アンテナ310、320、330、340の間に接続された、送信信号のフィードバック信号を出力するカプラ113、123、133、143を更に含み、また、選択部201が受信部と同数(4つ)のスイッチ(SW)215、225、235、245を含む場合の実施形態である。なお、4つの送信部と4つの受信部を含む構成は一例であり、送信部と受信部の数を、4に限定することを意図するものではない。
【0035】
図4を参照すると、各送信部110,120、130、140は、それぞれ、デジタル/アナログ変換器(DAC)112、122、132、142と、電力増幅器(PA)111、121、131、141と、カプラ113、123、133、143を含む。各カプラ113、123、133、143の送信信号の出力は、それぞれ、アンテナ310、320、330、340に接続されている
【0036】
スイッチ215、225、235、245の各々は、異なる送信部のカプラの分配出力信号であるフィードバック信号21、31、41、51と、各カプラ113、123、133、143の送信信号の出力のうち1つがそれぞれ供給される複数の入力と、前記受信用アナログ/デジタル変換器212、222、232、242の入力に接続された1つの出力を含む。
【0037】
送受信装置10が、受信動作の期間、即ち、時分割複信(TDD)方式の受信期間(例えば、送受信装置10が、無線基地局の場合には、アップリンク(UL)期間)においては、各スイッチ215、225、235、245は、入力4を選択し、アンテナ310の出力がSW215を介して受信用ADC212に供給され、受信用ADC212の出力はLane0のデジタル受信信号として処理され、アンテナ320の出力がSW225を介して受信用ADC222に供給され、受信用ADC222の出力はLane1のデジタル受信信号として処理され、アンテナ330の出力がSW235を介して受信用ADC232に供給され、受信用ADC232の出力はLane2のデジタル受信信号として処理され、アンテナ340の出力がSW245を介して受信用ADC242に供給され、受信用ADC242の出力はLane3のデジタル受信信号として処理される。
【0038】
送受信装置10が、送信動作の期間(例えば、送受信装置10が、無線基地局の場合には、ダウンリンク(DL)期間)、即ち、時分割複信方式の送信期間においては、選択部201のスイッチ215、225、235、245の各々は、複数の入力のうち、即ち、入力0から3のうち、送信部110、120、130、140のうちの1つの送信部、例えば送信部110の、カプラ113のフィードバック信号が供給されている入力0を選択し、選択部201の選択部出力信号22として、スイッチ出力信号22を出力する。
【0039】
受信部211、221、231、241のうちの少なくとも2つの、例えば4つの受信部211、221、231、241の受信用アナログ/デジタル変換器212、222、232、242の各々が、選択部201のスイッチ215、225、235、245の各々のスイッチ出力信号22、32、42、52を、アナログ/デジタル変換して、少なくとも2つの、例えば4つのデジタルフィードバック信号61、62、63、64を生成する。
【0040】
合成部300は、少なくとも2つの、例えば4つのデジタルフィードバック信号61、62、63、64を合成して合成信号71を生成し、演算部153へ合成信号71を供給する。
【0041】
本発明の第1の実施形態では、DPD部150が、DPDの逆特性ひずみを有する係数を決定する演算部153と、デジタル送信信号に係数を乗算する乗算部151を含み、DPD部150には、送信アンテナ310、320、330、340のアンテナ端でカプラ113、123、133、143により分配して折り返した送信信号の分配出力信号がフィードバック信号21、31、41、51としてフィードバックされ、演算部153では、PAの理想の特性からフィードバック信号21、31、41、51をアナログデジタル変換したデジタルフィードバック信号61、62、63、64の合成信号71により取得したPAの特性を引き、DPDの逆特性ひずみを有する係数を求め、乗算部151は、デジタル送信信号に、演算部153の決定した逆特性ひずみを有する係数を乗算して、PAの逆特性のひずみをデジタル送信信号に付加して出力する。このように、デジタル送信信号にPAの逆特性のひずみを与えて、各送信部へ入力し、DAC112、122、132、142によりアナログ信号に変換し、PA111、121、131、141の入力信号としてPA111、121、131、141に入力することにより、DPD部150の入力のLane0のデジタル送信信号、Lane1のデジタル送信信号、Lane2のデジタル送信信号、Lane3のデジタル送信信号に対するPA111、121、131、141の出力が、PAの理想の特性となるように、PAの非線形性を補償することができる。
【0042】
なお、本発明の第1の実施形態の合成部300の構成は、
図3を用いて説明した本発明の一実施形態の合成部300に、デジタルフィードバック信号63と64の位相調整を行う位相調整部303と304を追加し、加算部305を4入力の加算部とし、位相調整部303と304の出力も、4入力の加算部305で加算することにより、
図3を用いて説明した合成部300と同様に、構成することができる。
【0043】
なお、選択部201のスイッチ215、225、235、245は、送信信号のフィードバック信号21、31、41、51の入力の選択を定期的に切り替え、送信系100のデジタルプリディストーション部150の演算部153が、合成信号71を用いて、定期的に、デジタルプリディストーション処理を実行するための全ての前記電力増幅器111、121、131、141の逆特性のひずみを有する係数を生成するようにしてもよい。さらに、所定の期間内に送信信号のフィードバック信号21、31、41、51の入力の全てが選択されるように、入力の選択を切り替え、送信系100のデジタルプリディストーション部150の演算部153が、所定の期間内に、デジタルプリディストーション処理を実行するための全ての電力増幅器111、121、131、141の逆特性のひずみを有する係数を生成する、ようにしてもよい。
【0044】
上記のように、定期的に、又は、所定の期間内に生成された電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数は、再度の生成が行われるまでの間、乗算部151により、各デジタル送信信号に対して連続して乗算される。即ち、PA111に対して生成された電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数は、乗算部151により、Lane0のデジタル送信信号に連続して乗算されて、送信部110へ送られ、PA121に対して生成された電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数は、乗算部151により、Lane1のデジタル送信信号に連続して乗算されて、送信部120へ送られ、PA131に対して生成された電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数は、乗算部151により、Lane2のデジタル送信信号に連続して乗算されて、送信部130へ送られ、また、PA141に対して生成された電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数は、乗算部151により、Lane3のデジタル送信信号に連続して乗算されて、送信部140へ送られる。
【0045】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、時分割複信方式の送信期間において、送受信装置の使用されていない受信系の複数の受信部の各ADCを、DPDの帰還系のADCとして使用することができる。更に、受信系の複数の受信部の各ADCの出力を合成して、向上したSN比を有するフィードバック信号を、DPD部の演算部に供給することができる。従って、本発明の第1の実施形態により、DPDの帰還系専用の高利得(高SN比)のADCを設けることなく、受信系のADCを用いてDPDの帰還系の所望のSN比を実現することを可能とすることに貢献する、送受信装置、送受信装置の制御方法、及び、プログラムを提供することができる。
【0046】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態の送受信装置の構成の一例を示す図である。
図5において、
図4と同一の参照符号を付した構成要素は、同一の構成要素を示すものとする。
図5に示す第2の実施形態は、
図4に示す第1の実施形態の送受信装置10に、選択部201のスイッチ215、225、235、245を制御する、制御部400を設けた実施形態である。
【0047】
次に、本発明の第2の実施形態の送受信装置の動作について、図面を参照して説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態の送受信装置の制御部の動作の一例を示す図である。
図6は、
図5のスイッチ215、225、235、245のうち、スイッチ215のみを示したものであるが、他のスイッチ225、235、245も、スイッチ215と同様に、制御部400により制御される。
【0048】
図6は、TDDモードと、スイッチ215のスイッチ入力0から4の選択の一例を示すものである。スイッチ215の入力0には、フィードバック信号21が入力され、入力1には、フィードバック信号31が入力され、入力2には、フィードバック信号41が入力され、入力3には、フィードバック信号51が入力され、入力4には、アンテナ310の受信信号が入力される。他のスイッチ225、235、245の入力0から3は、スイッチ215の入力0から3と同一のフィードバック信号21から51が入力される。他のスイッチ225、235、245の入力4には、それぞれ、アンテナ320、330、340の受信信号が入力される。
【0049】
制御部400は、時分割複信(TDD)方式の送信期間と受信期間を示すTDDモード信号に従って、受信期間においては、各スイッチ215、225、235、245の入力4を選択し、アンテナ310の出力がSW215を介して受信用ADC212に供給され、アンテナ320の出力がSW225を介して受信用ADC222に供給され、アンテナ330の出力がSW235を介して受信用ADC232に供給され、アンテナ340の出力がSW245を介して受信用ADC242に供給される。
【0050】
一方、制御部400は、送信期間においては、各スイッチ215、225、235、245の入力0から3のいずれかを選択する。
【0051】
各送信期間において又はいくつかの送信期間を通して、制御部400は、スイッチ215、225、235、245の各々が、複数の入力0から3のうち、同じカプラが供給している分配出力信号(フィードバック信号)が供給されている入力、例えば、カプラ113が供給している分配出力信号(フィードバック信号21)が供給されている入力0を選択して、出力するように制御し、及び、入力0から3の選択を定期的に切り替えるように制御する。
【0052】
上記の定期的な選択の切替えが行われた場合には、送信系100のデジタルプリディストーション部150の演算部153が、合成信号71を用いて、定期的に、デジタルプリディストーション処理を実行するための全ての電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数を生成する。
【0053】
また、各送信期間において又はいくつかの送信期間を通して、制御部400は、スイッチ215、225、235、245の各々が、複数の入力0から3のうち、同じカプラが供給している分配出力信号が供給されている入力、例えば、カプラ113が供給している分配出力信号が供給されている入力0を選択して、出力するように制御し、及び、所定の期間内に入力0から3の全てが選択されるように、入力0から3の選択を切り替えるように制御する。
【0054】
上記の所定の期間内に入力0から3の全てが選択されるように切替えが行われた場合には、送信系のデジタルプリディストーション部150の演算部153が、所定の期間内に、デジタルプリディストーション処理を実行するための全ての電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数を生成する。
【0055】
上記のように、定期的に、又は、所定の期間内に生成された電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数は、再度の生成が行われるまでの間、乗算部151により、各デジタル送信信号に対して連続して乗算される。即ち、PA111に対して生成された電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数は、乗算部151により、Lane0のデジタル送信信号に連続して乗算されて、送信部110へ送られ、PA121に対して生成された電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数は、乗算部151により、Lane1のデジタル送信信号に連続して乗算されて、送信部120へ送られ、PA131に対して生成された電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数は、乗算部151により、Lane2のデジタル送信信号に連続して乗算されて、送信部130へ送られ、また、PA141に対して生成された電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数は、乗算部151により、Lane3のデジタル送信信号に連続して乗算されて、送信部140へ送られる。
【0056】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、時分割複信方式の送信期間において、送受信装置の使用されていない受信系の複数の受信部の各ADCを、DPDの帰還系のADCとして使用することができる。更に、定期的に、デジタルプリディストーション処理を実行するための全ての電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数を生成することができ、また、所定の期間内に、デジタルプリディストーション処理を実行するための全ての電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数を生成することができる、送受信装置、送受信装置の制御方法、及び、プログラムを提供することができる。
【0057】
また、受信系の複数の受信部の各ADCの出力を合成して、向上したSN比を有するフィードバック信号を、DPD部の演算部に入力することができる。従って、本発明の一実施形態により、DPDの帰還系専用の高利得(高SN比)のADCを設けることなく、受信系のADCを用いてDPDの帰還系の所望のSN比を実現することを可能とすることに貢献する、送受信装置、送受信装置の制御方法、及び、プログラムを提供することができる。
【0058】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示した送受信装置の構成、各要素の構成、制御装置の動作は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。また、「A及び/又はB」は、A又はBの少なくともいずれかという意味で用いる。
【0059】
また、上記した一実施形態から第2の実施形態に示した手順は、本発明の送受信装置又は送受信装置の制御部として機能するコンピュータ(
図7の9000)に、送受信装置又は送受信装置の制御部としての機能を実現させるプログラムにより実現可能である。このようなコンピュータは、
図7のCPU(Central Processing Unit)9010、通信インタフェース9020、メモリ9030、補助記憶装置9040を備える構成に例示される。すなわち、
図7のCPU9010にて、送受信装置又は送受信装置の制御部の制御プログラムを実行し、その補助記憶装置9040等に保持された各計算パラメータの更新処理を実施させればよい。
【0060】
メモリ9030は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
【0061】
即ち、上記した一実施形態から第2の実施形態に示した送受信装置又は送受信装置の制御部の各部(処理手段、機能)は、上記コンピュータのプロセッサに、そのハードウェアを用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することができる。
【0062】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第1の形態]
(上記第1の視点による送受信装置を参照)
[第2の形態]
(上記第2の視点による送受信装置を参照)
[第3の形態]
第1又は2の形態に記載の送受信装置は、前記送信系の前記デジタルプリディストーション部の前記演算部が、前記合成信号を用いて、定期的に、デジタルプリディストーション処理を実行するための全ての前記電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数を生成する、ことが好ましい。
[第4の形態]
第1又は2の形態に記載の送受信装置は、前記送信系の前記デジタルプリディストーション部の前記演算部が、所定の期間内に、デジタルプリディストーション処理を実行するための全ての前記電力増幅器の逆特性のひずみを有する係数を生成する、ことが好ましい。
[第5の形態]
第1の形態に記載の送受信装置は、前記合成部は、前記少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を、同位相に調整する位相調整部を含み、前記少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を同位相に調整した後に合成する、ことが好ましい。
[第6の形態]
第2の形態に記載の送受信装置は、前記合成部は、前記少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を、同位相に調整する位相調整部を含み、前記少なくとも2つのデジタルフィードバック信号を同位相に調整した後に合成する、ことが好ましい。
[第7の形態]
第2または6の形態に記載の送受信装置は、前記スイッチを制御する制御部を更に含み、
前記制御部は、前記スイッチの各々が、前記複数の入力のうち、同じカプラが供給している分配出力信号が供給されている入力の選択を行ない、出力するように制御し、及び、前記入力の選択を定期的に切り替えるように制御する、ことが好ましい。
[第8の形態]
第2または6の形態に記載の送受信装置は、前記スイッチを制御する制御部を更に含み、
前記制御部は、前記スイッチの各々が、前記複数の入力のうち、同じカプラが供給している分配出力信号が供給されている入力の選択を行い、出力するように制御し、及び、所定の期間内に前記入力の全てが選択されるように、前記入力の選択を切り替えるように制御する、ことが好ましい。
[第9の形態]
(上記第3の視点による送受信装置の制御方法を参照)
[第10の形態]
(上記第4の視点によるプログラムを参照)
【0063】
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0064】
10 送受信装置
100 送信系
110、120、130、140 送信部
111、121、131、141 電力増幅器
112、122、132、142 デジタル/アナログ変換器
113、123、133、143 カプラ
150 デジタルプリディストーション(DPD)部
151 乗算部
153 演算部
200 受信系
201 選択部
211、221、231、241 受信部
212、222、232、242 受信用アナログ/デジタル変換器
215、225、235、245 スイッチ(SW)
300 合成部
301、302、303、304 位相調整部
305 加算部
310、320、330、340 アンテナ
400 制御部
9000 コンピュータ
9010 CPU
9020 通信インタフェース
9030 メモリ
9040 補助記憶装置