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特開2024-43148自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043148
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240322BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
G05D1/02 P
A01B69/00 303F
A01B69/00 303M
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148169
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】安達 雅人
(72)【発明者】
【氏名】黒田 晃史
(72)【発明者】
【氏名】村山 昌章
(72)【発明者】
【氏名】西別府 慎也
(72)【発明者】
【氏名】西井 康人
【テーマコード(参考)】
2B043
5H301
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043AB15
2B043AB19
2B043BA02
2B043BB01
2B043DA17
2B043EA32
2B043EB05
2B043EB15
2B043EC12
2B043EC13
2B043EC15
2B043EC16
2B043ED16
5H301AA01
5H301BB01
5H301BB02
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD02
5H301DD06
5H301DD17
5H301KK03
5H301KK08
5H301QQ01
(57)【要約】
【課題】複数の領域間において複数の作業車両を作業効率を低下させることなく自動走行させることが可能な自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムを提供する。
【解決手段】走行処理部211は、圃場間経路R17に従って作業車両10aを自動走行させ、圃場間経路R85に従って作業車両10bを自動走行させる。回避処理部212は、圃場間経路R17の少なくとも一部と圃場間経路R85の少なくとも一部とが同一の道路R0に設定され、作業車両10a及び作業車両10bの一方が他方の走行を阻害する場合に、圃場間経路に関する経路情報、各圃場内における作業内容に関する作業情報、及び、道路R0に関する道路情報の少なくともいずれかに基づいて、作業車両10a及び作業車両10bの少なくともいずれかに回避動作を実行させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域及び第2領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第1領域間経路に従って前記第1領域から前記第2領域まで第1作業車両を自動走行させることと、
第3領域及び第4領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第2領域間経路に従って前記第3領域から前記第4領域まで第2作業車両を自動走行させることと、
前記第1領域間経路の少なくとも一部と前記第2領域間経路の少なくとも一部とが同一の接続路に設定され、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の一方が他方の走行を阻害する場合に、領域間経路に関する経路情報、各領域内における作業内容に関する作業情報、及び、接続路に関する接続路情報の少なくともいずれかに基づいて、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに回避動作を実行させることと、
を実行する自動走行方法。
【請求項2】
前記第2領域における前記第1作業車両の入口が、前記第3領域における前記第2作業車両の出口よりも前記第2作業車両の進行方向側に位置する場合に、前記第2作業車両に前記第2領域間経路上で回避動作を実行させる、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項3】
前記第2領域間経路の開始位置が前記第1領域間経路上に位置する場合に、前記第2作業車両に前記第3領域内で回避動作を実行させる、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項4】
前記同一の接続路が、前記第1作業車両及び前記第2作業車両が互いにすれ違うことが可能な幅を有する場合に、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかを減速走行させる、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項5】
前記同一の接続路のうち交差点において、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに回避動作を実行させる、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項6】
前記同一の接続路のうち作業車両が退避可能な退避領域において、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに回避動作を実行させる、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項7】
前記第2領域における前記第1作業車両の入口が、前記第3領域における前記第2作業車両の出口よりも前記第2作業車両の進行方向側に位置する場合であって、前記第1作業車両が前記第1領域間経路の自動走行を開始する時点で前記第2作業車両の現在位置が前記第2領域の入口よりも前記第3領域側に位置する場合に、前記第2作業車両に、前記第2領域間経路上における、前記第2領域の入口よりも前記第3領域側の位置で回避動作を実行させる、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項8】
前記第1作業車両及び前記第2作業車両のそれぞれの作業内容に基づいて、前記第1作業車両及び前記第2作業車両のうち回避動作を実行させる作業車両を決定する、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項9】
前記第1作業車両及び前記第2作業車両のそれぞれの作業の進捗状況に基づいて、前記第1作業車両及び前記第2作業車両のうち回避動作を実行させる作業車両を決定する、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項10】
前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに回避動作を実行させる位置を、ユーザーの選択操作に基づいて設定する、
請求項1~9のいずれかに記載の自動走行方法。
【請求項11】
第1領域及び第2領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第1領域間経路に従って前記第1領域から前記第2領域まで第1作業車両を自動走行させ、第3領域及び第4領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第2領域間経路に従って前記第3領域から前記第4領域まで第2作業車両を自動走行させる走行処理部と、
前記第1領域間経路の少なくとも一部と前記第2領域間経路の少なくとも一部とが同一の接続路に設定され、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の一方が他方の走行を阻害する場合に、領域間経路に関する経路情報、各領域内における作業内容に関する作業情報、及び、接続路に関する接続路情報の少なくともいずれかに基づいて、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに回避動作を実行させる回避処理部と、
を備える自動走行システム。
【請求項12】
第1領域及び第2領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第1領域間経路に従って前記第1領域から前記第2領域まで第1作業車両を自動走行させることと、
第3領域及び第4領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第2領域間経路に従って前記第3領域から前記第4領域まで第2作業車両を自動走行させることと、
前記第1領域間経路の少なくとも一部と前記第2領域間経路の少なくとも一部とが同一の接続路に設定され、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の一方が他方の走行を阻害する場合に、領域間経路に関する経路情報、各領域内における作業内容に関する作業情報、及び、接続路に関する接続路情報の少なくともいずれかに基づいて、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに回避動作を実行させることと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための自動走行プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両を自動走行させる自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の圃場を接続する農道などの接続路を自動走行することが可能な作業車両が知られている。例えば、前記接続路に対して自動走行用の経路(圃場間経路)を設定して、作業車両を一の圃場から他の圃場まで圃場間経路に従って自動走行させる技術が知られている。また、前記接続路を複数の作業車両が同じタイミングで走行する場合に、作業車両同士の衝突を回避するために、一方の作業車両が通過するまで他方の作業車両を圃場内で待機させる技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-32804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一方の作業車両が通過するまで他方の作業車両を圃場内で待機させる構成を一律に採用すると、特に待機動作を実行する作業車両の作業効率が低下する問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、複数の領域間において複数の作業車両を作業効率を低下させることなく自動走行させることが可能な自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る自動走行方法は、第1領域及び第2領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第1領域間経路に従って前記第1領域から前記第2領域まで第1作業車両を自動走行させることと、第3領域及び第4領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第2領域間経路に従って前記第3領域から前記第4領域まで第2作業車両を自動走行させることと、前記第1領域間経路の少なくとも一部と前記第2領域間経路の少なくとも一部とが同一の接続路に設定され、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の一方が他方の走行を阻害する場合に、領域間経路に関する経路情報、各領域内における作業内容に関する作業情報、及び、接続路に関する接続路情報の少なくともいずれかに基づいて、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに回避動作を実行させることと、を実行する自動走行方法である。
【0007】
本発明に係る自動走行システムは、走行処理部と回避処理部とを備える。前記走行処理部は、第1領域及び第2領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第1領域間経路に従って前記第1領域から前記第2領域まで第1作業車両を自動走行させ、第3領域及び第4領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第2領域間経路に従って前記第3領域から前記第4領域まで第2作業車両を自動走行させる。前記回避処理部は、前記第1領域間経路の少なくとも一部と前記第2領域間経路の少なくとも一部とが同一の接続路に設定され、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の一方が他方の走行を阻害する場合に、領域間経路に関する経路情報、各領域内における作業内容に関する作業情報、及び、接続路に関する接続路情報の少なくともいずれかに基づいて、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに回避動作を実行させる。
【0008】
本発明に係る自動走行プログラムは、第1領域及び第2領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第1領域間経路に従って前記第1領域から前記第2領域まで第1作業車両を自動走行させることと、第3領域及び第4領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第2領域間経路に従って前記第3領域から前記第4領域まで第2作業車両を自動走行させることと、前記第1領域間経路の少なくとも一部と前記第2領域間経路の少なくとも一部とが同一の接続路に設定され、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の一方が他方の走行を阻害する場合に、領域間経路に関する経路情報、各領域内における作業内容に関する作業情報、及び、接続路に関する接続路情報の少なくともいずれかに基づいて、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに回避動作を実行させることと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるための自動走行プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の領域間において複数の作業車両を作業効率を低下させることなく自動走行させることが可能な自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る自動走行システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る作業車両の一例を示す外観図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場間経路の一例を示す図である。
図4A図4Aは、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場内の目標経路の一例を示す図である。
図4B図4Bは、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場内の目標経路の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場間経路の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場間経路の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場間経路の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場間経路の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場間経路の一例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場間経路の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場間経路の一例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る自動走行システムによって実行される自動走行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、本発明の実施形態に係る操作端末の操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る自動走行システム1は、作業車両10と管理装置20と操作端末30とを含んでいる。また、自動走行システム1には、複数の作業車両10が含まれる。各作業車両10と管理装置20と操作端末30とは、通信網N1を介して通信可能である。例えば、各作業車両10と管理装置20と操作端末30とは、携帯電話回線網、パケット回線網、又は無線LANを介して通信可能である。
【0013】
本実施形態では、作業車両10がトラクターである場合を例に挙げて説明する。なお、他の実施形態として、作業車両10は、田植機、コンバイン、建設機械、又は除雪車などであってもよい。作業車両10は、作業領域である圃場内を予め設定された目標経路に従って自動走行(自律走行)可能な構成を備えている。また、作業車両10は、圃場内において自動走行しながら所定の作業を行うことが可能である。さらに、作業車両10は、複数の圃場間を接続する道路(接続路)を予め設定された圃場間経路に従って自動走行可能な構成を備えている。作業車両10は、測位装置16により算出される作業車両10の現在位置の位置情報に基づいて、圃場内及び圃場外(道路)において予め設定された目標経路及び圃場間経路に従って自動走行する。
【0014】
例えば、作業車両10aは、図3及び図4Aに示す圃場F1において、予め設定された目標経路R1(作業経路)に従って自動走行しながら所定の作業を行う。作業車両10aは、圃場F1の作業が終了すると、道路R0を予め設定された圃場間経路R17(移動経路)を自動走行して圃場F7に移動する。例えば、作業車両10aは、圃場F1の出入口H1と圃場F7の出入口H7とを接続する圃場間経路R17を自動走行する。作業車両10aは、圃場F7に到着すると、圃場F7(図3及び図4B参照)において、予め設定された目標経路R7(作業経路)に従って自動走行しながら所定の作業を行う。圃場F1内の目標経路R1及び圃場F7内の目標経路R7は、それぞれの作業内容に応じて適宜設定される。また、道路R0の圃場間経路R17は、オペレータ(ユーザー)による操作(ティーチング操作など)に応じて設定される。
【0015】
また例えば、作業車両10bは、図5に示す圃場F8において、予め設定された目標経路(作業経路)に従って自動走行しながら所定の作業を行う。作業車両10bは、圃場F8の作業が終了すると、道路R0を予め設定された圃場間経路R85(移動経路)を自動走行して圃場F5に移動する。例えば、作業車両10bは、圃場F8の出入口H8と圃場F5の出入口H5とを接続する圃場間経路R85を自動走行する。作業車両10bは、圃場F5に到着すると、圃場F5において、予め設定された目標経路(作業経路)に従って自動走行しながら所定の作業を行う。圃場F8内の目標経路及び圃場F5内の目標経路は、それぞれの作業内容に応じて適宜設定される。また、道路R0の圃場間経路R85は、オペレータによる操作に応じて設定される。
【0016】
本実施形態では、作業車両10が2つの圃場間を移動する例を挙げるが、作業車両10が3つ以上の圃場間を移動してもよい。作業車両10が3つ以上の圃場を順に移動する場合、圃場間経路はそれぞれの圃場間に設定される。圃場間経路R17、R85は、本発明の領域間経路の一例である。なお、本発明の領域間経路は、圃場から圃場へと移動するための経路(圃場間経路)ではなく、単に道路R0上の第1地点から第2地点へと移動するための経路(地点間経路)であってもよい。また、前記第1地点及び前記第2地点は、地図上でユーザーが指定して位置であってもよい。
【0017】
また、本発明の接続路は、農道、林道、公道、私道、自動車道など、作業車両専用の道路であってもよいし、一般車両(乗用車など)が通行可能な道路であってもよい。
【0018】
[作業車両10]
図1及び図2に示すように、作業車両10は、車両制御装置11、記憶部12、走行装置13、作業機14、通信部15、測位装置16などを備える。車両制御装置11は、記憶部12、走行装置13、作業機14、測位装置16などに電気的に接続されている。なお、車両制御装置11及び測位装置16は、無線通信可能であってもよい。
【0019】
通信部15は、作業車両10を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理装置20、操作端末30などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。作業車両10は、通信部15を介して管理装置20及び操作端末30のそれぞれと無線通信を行うことが可能である。
【0020】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。記憶部12には、車両制御装置11に後述の自動走行処理(図12参照)を実行させるための自動走行プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記自動走行プログラムは、フラッシュROM、EEPROM、CD、又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。なお、前記自動走行プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して作業車両10にダウンロードされて記憶部12に記憶されてもよい。また、記憶部12には、操作端末30において生成される目標経路及び圃場間経路の経路データが記憶されてもよい。
【0021】
走行装置13は、作業車両10を走行させる駆動部である。図2に示すように、走行装置13は、エンジン131(駆動源)、前輪132、後輪133、トランスミッション134、フロントアクスル135、リアアクスル136、ハンドル137などを備える。なお、前輪132及び後輪133は、作業車両10の左右にそれぞれ設けられている。また、走行装置13は、前輪132及び後輪133を備えるホイールタイプに限らず、作業車両10の左右に設けられるクローラを備えるクローラタイプであってもよい。
【0022】
エンジン131は、不図示の燃料タンクに補給される燃料を用いて駆動するディーゼルエンジン又はガソリンエンジンなどの駆動源である。走行装置13は、エンジン131とともに、又はエンジン131に代えて、電気モーターを駆動源として備えてもよい。なお、エンジン131には、不図示の発電機が接続されており、当該発電機から作業車両10に設けられた車両制御装置11等の電気部品及びバッテリー等に電力が供給される。なお、前記バッテリーは、前記発電機から供給される電力によって充電される。そして、作業車両10に設けられている車両制御装置11及び測位装置16等の電気部品は、エンジン131の停止後も前記バッテリーから供給される電力により駆動可能である。
【0023】
エンジン131の駆動力は、トランスミッション134及びフロントアクスル135を介して前輪132に伝達され、トランスミッション134及びリアアクスル136を介して後輪133に伝達される。また、エンジン131の駆動力は、PTO軸(不図示)を介して作業機14にも伝達される。作業車両10が自動走行を行う場合、走行装置13は、車両制御装置11の命令に従って走行動作を行う。
【0024】
作業機14は、例えば耕耘機、播種機、草刈機、プラウ、施肥機、散布機などであって、作業車両10に着脱可能である。これにより、作業車両10は、作業機14各々を用いて各種の作業を行うことが可能である。図2には、作業機14が耕耘機である場合を示している。
【0025】
作業車両10は、道路R0(図3参照)を走行する場合に、作業機14を装着した状態で走行してもよいし、作業機14を取り外した状態で走行してもよい。例えば、作業車両10aが圃場F1及び圃場F8のそれぞれにおいて耕耘作業を行う場合、作業車両10aは、圃場F1の耕耘作業が終了した後、作業機14を上昇させた状態で道路R0を走行して圃場F8に移動し、圃場F8に到着すると作業機14を下降させて耕耘作業を行う。また例えば、圃場F1及び圃場F8のそれぞれにおいて異なる作業を行う場合、作業車両10aは、圃場F1の作業が終了した後、作業機14を取り外した状態で道路R0を走行して圃場F8に移動し、圃場F8において作業機14を装着して作業を行う。
【0026】
ハンドル137は、オペレータ又は車両制御装置11によって操作される操作部である。例えば走行装置13では、車両制御装置11によるハンドル137の操作に応じて、不図示の油圧式パワーステアリング機構などによって前輪132の角度が変更され、作業車両10の進行方向が変更される。オペレータが例えばティーチング操作を行う場合、オペレータはハンドル137を操作して作業車両10を手動走行させる。
【0027】
また、走行装置13は、ハンドル137の他に、車両制御装置11によって操作される不図示のシフトレバー、アクセル、ブレーキ等を備える。そして、走行装置13では、車両制御装置11による前記シフトレバーの操作に応じて、トランスミッション134のギアが前進ギア又はバックギアなどに切り替えられ、作業車両10の走行態様が前進又は後進などに切り替えられる。また、車両制御装置11は、前記アクセルを操作してエンジン131の回転数を制御する。また、車両制御装置11は、前記ブレーキを操作して電磁ブレーキを用いて前輪132及び後輪133の回転を制動する。
【0028】
測位装置16は、測位制御部161、記憶部162、通信部163、及び測位用アンテナ164などを備える通信機器である。例えば、測位装置16は、図2に示すように、オペレータが搭乗するキャビン138の上部に設けられている。また、測位装置16の設置場所はキャビン138に限らない。さらに、測位装置16の測位制御部161、記憶部162、通信部163、及び測位用アンテナ164は、作業車両10において異なる位置に分散して配置されていてもよい。なお、前述したように測位装置16には前記バッテリーが接続されており、測位装置16は、エンジン131の停止中も稼働可能である。また、測位装置16として、例えば携帯電話端末、スマートフォン、又はタブレット端末などが代用されてもよい。
【0029】
測位制御部161は、一又は複数のプロセッサーと、不揮発性メモリ及びRAMなどの記憶メモリとを備えるコンピュータシステムである。記憶部162は、測位制御部161に測位処理を実行させるためのプログラム、及び測位情報、移動情報などのデータを記憶する不揮発性メモリなどである。例えば、前記プログラムは、フラッシュROM、EEPROM、CD、又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部162に記憶される。なお、前記プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して測位装置16にダウンロードされて記憶部162に記憶されてもよい。
【0030】
通信部163は、測位装置16を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して基地局(不図示)などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0031】
測位用アンテナ164は、衛星から発信される電波(GNSS信号)を受信するアンテナである。
【0032】
測位制御部161は、測位用アンテナ164が衛星から受信するGNSS信号に基づいて作業車両10の現在位置を算出する。例えば、作業車両10が圃場、道路R0などを自動走行する場合に、測位用アンテナ164が複数の衛星のそれぞれから発信される電波(発信時刻、軌道情報など)を受信すると、測位制御部161は、測位用アンテナ164と各衛星との距離を算出し、算出した距離に基づいて作業車両10の現在位置(緯度及び経度)を算出する。また、測位制御部161は、作業車両10に近い基地局(基準局)に対応する補正情報を利用して作業車両10の現在位置を算出する、リアルタイムキネマティック方式(RTK-GNSS測位方式(RTK方式))による測位を行ってもよい。このように、作業車両10は、RTK方式による測位情報を利用して自動走行を行う。なお、作業車両10の現在位置は、測位位置(例えば測位用アンテナ164の位置)と同一位置であってもよいし、測位位置からずれた位置であってもよい。
【0033】
車両制御装置11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、車両制御装置11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより作業車両10を制御する。
【0034】
車両制御装置11は、作業車両10に対する各種のユーザー操作に応じて当該作業車両10の動作を制御する。また、車両制御装置11は、測位装置16により算出される作業車両10の現在位置と、予め設定される目標経路及び圃場間経路とに基づいて、当該作業車両10の自動走行処理を実行する。また、車両制御装置11は、管理装置20からの命令に従って、作業車両10の自動走行動作を制御する。
【0035】
車両制御装置11は、前記CPUで前記自動走行プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記自動走行プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0036】
具体的には、車両制御装置11は、操作端末30から走行開始指示を取得すると作業車両10の自動走行を開始させる。例えば、操作端末30の操作画面においてオペレータがスタートボタンを押下すると、操作端末30は走行開始指示を作業車両10に出力する。車両制御装置11は、操作端末30から走行開始指示を取得すると、作業車両10の自動走行を開始させる。これにより、例えば、作業車両10aは、圃場F1内において目標経路R1(図4A参照)に従って自動走行を開始し、作業機14による作業を開始する。また、作業車両10aは、例えば圃場F7内において目標経路R7(図4B参照)に従って自動走行を開始し、作業機14による作業を開始する。また、作業車両10aは、例えば道路R0において圃場間経路R17(図3参照)に従って自動走行を行う。すなわち、車両制御装置11は、圃場外の道路R0において圃場間経路R17に従って作業車両10aを自動走行させることが可能である。例えば、車両制御装置11は、圃場F1と圃場F7とを接続する道路R0を、道路R0上に設定された圃場間経路R17に従って作業車両10aを自動走行させる。
【0037】
なお、作業車両10aが自動走行する目標経路及び圃場間経路R17は、例えば操作端末30において生成される。作業車両10aは、操作端末30から目標経路及び圃場間経路R17に対応する経路データを取得して、目標経路及び圃場間経路R17に従って自動走行する。
【0038】
作業車両10bも同様に、作業車両10bの車両制御装置11は、圃場F8内において目標経路に従って作業及び自動走行させ、道路R0上に設定された圃場間経路R85(図5参照)に従って作業車両10bを自動走行させ、圃場F5内において目標経路に従って作業及び自動走行させる。作業車両10bが自動走行する目標経路及び圃場間経路R85は、例えば操作端末30において生成される。作業車両10bは、操作端末30から目標経路及び圃場間経路R85に対応する経路データを取得して、目標経路及び圃場間経路R85に従って自動走行する。
【0039】
また、車両制御装置11は、操作端末30から走行停止指示を取得すると作業車両10の自動走行を停止させる。例えば、操作端末30の操作画面においてオペレータがストップボタンを押下すると、操作端末30は走行停止指示を作業車両10に出力する。
【0040】
また、車両制御装置11は、作業車両10が障害物を検出した場合に作業車両10の自動走行を停止させる。例えば、作業車両10に搭載される障害物検出装置(不図示)が作業車両10の前方3m~8mの範囲で障害物を検出した場合に、車両制御装置11は、作業車両10を減速走行させる。また前記障害物検出装置が作業車両10の前方3mまでの範囲で障害物を検出した場合に、車両制御装置11は、作業車両10を停止させる。
【0041】
また、各作業車両10の車両制御装置11は、管理装置20から後述する回避動作の実行指示を取得すると、作業車両10に所定の回避動作(一時停止、減速、後進など)を実行させる。
【0042】
[操作端末30]
図1に示すように、操作端末30は、操作制御部、記憶部、操作表示部、及び通信部(いずれも不図示)などを備える情報処理装置である。操作端末30は、タブレット端末、スマートフォンなどの携帯端末で構成されてもよい。また、操作端末30は、複数の作業車両10に対して1台配置されてもよいし、作業車両10ごとに1台ずつ配置されてもよい。
【0043】
通信部は、操作端末30を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して複数の作業車両10などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0044】
操作表示部は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。オペレータは、前記表示部に表示される操作画面において、前記操作部を操作して各種情報(後述の作業車両情報、圃場情報、作業情報など)を登録する操作を行うことが可能である。
【0045】
また、オペレータは、前記操作部において、作業車両10を複数の圃場を接続する道路R0(接続路)を自動走行させるための圃場間経路を設定する操作(ティーチング操作)を行う。
【0046】
また、オペレータは、前記操作部を操作して作業車両10に対する走行開始指示、走行停止指示などを行うことが可能である。さらに、オペレータは、作業車両10から離れた場所において、操作端末30に表示される走行軌跡により、各圃場及び道路R0において目標経路及び圃場間経路に従って自動走行する作業車両10の走行状態を把握することが可能である。
【0047】
記憶部は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどの不揮発性の記憶部である。記憶部には、制御部21に各種処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、フラッシュROM、EEPROM、CD、又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部に記憶される。なお、前記制御プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して操作端末30にダウンロードされて記憶部に記憶されてもよい。
【0048】
また、記憶部には、作業車両10を自動走行させるための専用アプリケーションがインストールされている。操作制御部は、前記専用アプリケーションを起動させて、作業車両10に関する各種情報の設定処理、作業車両10の目標経路及び圃場間経路の生成処理、作業車両10に対する自動走行指示などを行う。
【0049】
また、記憶部には、作業車両10に関する情報である作業車両情報、目標経路に関する情報である目標経路情報などのデータが記憶される。前記作業車両情報には、作業車両10ごとに、車両番号、型式などの情報が含まれる。前記車両番号は、作業車両10の識別情報である。前記型式は、作業車両10の型式である。なお、記憶部には、1台の作業車両10に関する前記作業車両情報が記憶されてもよいし、複数台の作業車両10に関する前記作業車両情報が記憶されてもよい。例えば、特定のオペレータが複数台の作業車両10を所有する場合、各作業車両10に関する前記作業車両情報が記憶部に記憶される。
【0050】
前記目標経路情報には、目標経路ごとに、経路名、圃場名、住所、圃場面積、作業時間などの情報が含まれる。前記経路名は、操作端末30において生成された目標経路の経路名である。前記圃場名は、前記目標経路が設定された作業対象の圃場の名称である。前記住所は、前記圃場の住所であり、前記圃場面積は、前記圃場の面積である。前記作業時間は、作業車両10により前記圃場の作業に要する時間である。
【0051】
前記目標経路が道路R0に対応する経路(圃場間経路)である場合、前記目標経路情報には、経路名、住所、走行距離、走行時間などの情報が含まれる。前記経路名は道路R0の名称であり、前記住所は道路R0の住所である。前記走行距離は、作業車両10が道路R0を走行する距離であり、一の圃場から他の圃場までの距離である。前記走行時間は、作業車両10が道路R0を走行する時間であり、一の圃場から他の圃場までの移動に要する時間である。
【0052】
なお、記憶部には、一つの目標経路に関する前記目標経路情報が記憶されてもよいし、複数の目標経路に関する前記目標経路情報が記憶されてもよい。例えば、特定のオペレータが、自身が所有する一又は複数の圃場に対して複数の目標経路を生成した場合、各目標経路に関する前記目標経路情報が記憶部に記憶される。なお、一つの圃場に対して、一つの目標経路が設定されてもよいし、複数の目標経路が設定されてもよい。また一組の圃場に対して、一つの圃場間経路が設定されてもよいし、複数の圃場間経路が設定されてもよい。本実施形態では、記憶部に、複数の作業車両10のそれぞれの前記目標経路情報が記憶される。例えば、記憶部に、作業車両10aの前記目標経路情報である、圃場F1を走行する目標経路R1(図4A参照)に対応する目標経路情報と、圃場F7を走行する目標経路R7(図4B参照)に対応する目標経路情報と、道路R0を走行する圃場間経路R17(図3参照)に対応する目標経路情報とが記憶され、作業車両10bの前記目標経路情報である、圃場F8を走行する目標経路に対応する目標経路情報と、圃場F5を走行する目標経路に対応する目標経路情報と、道路R0を走行する圃場間経路R85(図5参照)に対応する目標経路情報とが記憶される。
【0053】
他の実施形態として、前記作業車両情報、前記目標経路情報などの情報の一部又は全部が、操作端末30からアクセス可能なサーバー(例えば管理装置20)に記憶されてもよい。オペレータは、前記サーバー(例えばパーソナルコンピュータ、クラウドサーバーなど)において前記作業車両情報及び前記目標経路情報を登録する操作を行ってもよい。
【0054】
操作制御部は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリとして使用される。そして、操作制御部は、前記ROM又は記憶部に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより操作端末30を制御する。
【0055】
操作制御部は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0056】
具体的には、操作制御部は、作業車両10に関する情報(以下、作業車両情報という。)、圃場に関する情報(以下、圃場情報という。)、作業を具体的にどのように行うかに関する情報(以下、作業情報という。)を設定する。操作制御部は、設定画面(不図示)においてオペレータの設定操作を受け付けて各設定情報を登録する。
【0057】
具体的には、操作制御部は、作業車両10の機種、作業車両10において測位用アンテナ164が取り付けられている位置、作業機14の種類、作業機14のサイズ及び形状、作業機14の作業車両10に対する位置、作業車両10の作業中の車速及びエンジン回転数、作業車両10の旋回中の車速及びエンジン回転数等の情報について、オペレータが操作端末30において登録する操作を行うことにより当該情報を設定する。
【0058】
また、操作制御部は、圃場の位置及び形状、作業を開始する作業開始位置(走行開始位置)及び作業を終了する作業終了位置(走行終了位置)、作業方向等の情報について、操作端末30において登録する操作を行うことにより当該情報を設定する。
【0059】
圃場の位置及び形状の情報は、例えばオペレータが作業車両10に搭乗して圃場の外周に沿って一回り周回するように運転し、そのときの測位用アンテナ164の位置情報の推移を記録することで、自動的に取得することができる。また、圃場の位置及び形状は、操作端末30に地図を表示させた状態でオペレータが操作端末30を操作して当該地図上の複数の点を指定することで得られた多角形に基づいて取得することもできる。取得された圃場の位置及び形状により特定される領域は、作業車両10を走行させることが可能な領域(走行領域)である。
【0060】
例えば、操作制御部は、図4Aに示す圃場F1の圃場情報と、図4Bに示す圃場F7の圃場情報とを登録する。
【0061】
また、操作制御部は、作業情報として、作業車両10(無人トラクタ)と有人の作業車両10の協調作業の有無、作業車両10が枕地において旋回する場合にスキップする作業経路の数であるスキップ数、枕地の幅、及び非耕作地の幅等を設定可能に構成されている。
【0062】
また、操作制御部は、前記各設定情報に基づいて、圃場において作業車両10を自動走行させる目標経路を生成する。具体的には、操作制御部は、圃場設定で登録した走行開始位置及び走行終了位置に基づいて圃場内の目標経路を生成する。例えば図4Aに示すように、操作制御部は、オペレータの設定操作に基づいて、走行開始位置S1、走行終了位置G1、直進経路r1(図4Aの実線部分)、旋回経路r2(図4Aの点線部分)を含む目標経路R1を生成する。また例えば図4Bに示すように、操作制御部は、オペレータの設定操作に基づいて、走行開始位置S7、走行終了位置G7、直進経路r1(図4Bの実線部分)、旋回経路r2(図4Bの点線部分)を含む目標経路R7を生成する。操作制御部は、生成した目標経路R1を圃場F1に関連付けて登録し、生成した目標経路R7を圃場F7に関連付けて登録する。
【0063】
また、操作制御部は、以下に示すように、オペレータによる操作(ティーチング操作)に基づいて、複数の圃場間を接続する道路R0の圃場間経路を生成する。
【0064】
具体的には、操作制御部は、オペレータの走行操作を受け付ける。例えば、操作制御部は、圃場F1から圃場F7まで作業車両10を手動走行させる走行操作(手動操舵)を受け付ける。操作制御部は、オペレータによる前記走行操作に基づいて圃場F1と圃場F7とを接続する道路R0を走行する作業車両10の位置情報を測位装置16から取得する。操作制御部は、オペレータによる前記走行操作に基づいて取得される前記位置情報に基づいて、作業車両10を圃場F1と圃場F7との間を自動走行させる圃場間経路R17を生成する。操作制御部は、生成した圃場間経路R17を圃場F1及び圃場F7に関連付けて登録する。
【0065】
操作制御部は、記憶部に、圃場間経路の識別情報(経路ID)、圃場間経路の経路開始位置に対応する開始圃場、圃場間経路の経路終了位置に対応する終了圃場、圃場間経路の位置を示す位置情報、圃場間経路の作業車両10の走行速度である速度情報などを含む圃場間経路情報を記憶する。
【0066】
オペレータが、例えば作業車両10aの選択操作、圃場F1及び圃場F7の選択操作、圃場F1内の目標経路R1及び圃場F7内の目標経路R7の選択操作、圃場F1及び圃場F7間を移動する圃場間経路R17の選択操作をなど行ってスタートボタンを押下すると、操作制御部は、前記目標経路及び前記圃場間経路の経路データを作業車両10aに出力する。
【0067】
また、オペレータが、例えば作業車両10bの選択操作、圃場F8及び圃場F5の選択操作、圃場F8内の目標経路及び圃場F5内の目標経路の選択操作、圃場F8及び圃場F5間を移動する圃場間経路R85の選択操作などを行ってスタートボタンを押下すると、操作制御部は、前記目標経路及び前記圃場間経路の経路データを作業車両10bに出力する。なお、操作制御部は、前記各経路データを管理装置20に出力してもよい。
【0068】
各作業車両10は、操作端末30において生成された経路データが作業車両10に転送されると、記憶部12に記憶する。作業車両10は、測位用アンテナ164により作業車両10の現在位置を検出しつつ前記経路データに基づいて自動走行処理を実行する。
【0069】
また、作業車両10は、現在位置が圃場内の走行開始位置に一致している場合に、圃場内を自動走行できるように構成されている。また、作業車両10は、現在位置が圃場の出入口の経路開始位置に一致している場合に、圃場間経路を自動走行できるように構成されている。
【0070】
例えば、作業車両10aは、現在位置が圃場F1の走行開始位置S1と一致している場合に、オペレータにより操作画面(不図示)においてスタートボタンが押下されて走行開始指示が与えられると、作業車両10aの車両制御装置11によって、目標経路R1の自動走行を開始する。
【0071】
車両制御装置11は、圃場F1において、目標経路R1に従って作業車両10aを走行開始位置S1から走行終了位置G1まで自動走行させる(図4A参照)。作業車両10aが走行終了位置G1に到達すると、車両制御装置11は、作業車両10aを、走行終了位置G1から出入口H1まで自動走行又は手動走行により移動させる。
【0072】
作業車両10aの現在位置が出入口H1に一致すると、車両制御装置11は、圃場間経路R17に従って、作業車両10aを出入口H1から圃場F7の出入口H7まで自動走行させる(図3参照)。なお、車両制御装置11は、作業車両10が圃場F1から道路R0に出る際に作業車両10aを一時停止させて、オペレータによる安全確認を要求してもよい。
【0073】
車両制御装置11は、圃場間経路R17に関連付けられた位置情報、速度情報などに基づいて作業車両10aを自動走行させる。例えば、車両制御装置11は、前記速度情報に対応する走行速度を上限速度に設定して、作業車両10aの走行速度を制御しながら自動走行させる。なお、車両制御装置11は、作業車両10aが道路R0を自動走行中に障害物を検出した場合には、障害物を回避しながら圃場間経路R17に従って自動走行させる。
【0074】
また、車両制御装置11は、作業車両10aが道路R0から圃場F7に入る際に作業車両10aを一時停止させる。作業車両10aが出入口H7に到達すると、車両制御装置11は、作業車両10aを、出入口H7から圃場F7の走行開始位置S7まで自動走行又は手動走行により移動させる。
【0075】
作業車両10aの現在位置が走行開始位置S7に一致すると、車両制御装置11は、目標経路R7に従って、作業車両10aを走行開始位置S7から走行終了位置G7まで自動走行させる(図4B参照)。作業車両10aが走行終了位置G7に到達すると、車両制御装置11は自動走行を終了させる。このように、車両制御装置11は、作業車両10aを、圃場F1内を自動走行させ、その後に圃場F1から圃場F7まで圃場間経路R17を自動走行させ、その後に圃場F7内を自動走行させる。
【0076】
オペレータは、作業車両10が自動走行している間、操作端末30において、圃場F1内における走行状態、圃場F1と圃場F7とを接続する道路R0における走行状態、圃場F7内における走行状態を把握することが可能である。
【0077】
なお、操作端末30は、サーバー(例えば管理装置20)が提供する農業支援サービスのウェブサイト(農業支援サイト)に通信網N1を介してアクセス可能であってもよい。この場合、操作端末30は、操作制御部によってブラウザプログラムが実行されることにより、前記サーバーの操作用端末として機能することが可能である。そして、前記サーバーは、上述の各処理部を備え、各処理を実行する。
【0078】
上述の構成により、複数の作業車両10のそれぞれは、道路R0に設定された圃場間経路に従って圃場間を自動走行することが可能となる。ここで、各作業車両10に対して設定された圃場間経路の一部又は全部が互いに重複する場合、各作業車両10が道路R0を自動走行する際に互いに衝突する恐れがある。例えば、圃場F1から圃場F7に移動する作業車両10aに対して設定された圃場間経路R17(図3参照)と、圃場F8から圃場F5に移動する作業車両10bに対して設定された圃場間経路R85(図5参照)とは一部で重複する。このため、作業車両10a及び作業車両10bが、同じタイミングで道路R0を自動走行すると互いに衝突する恐れがある。
【0079】
そこで、例えば、作業車両10aが道路R0を自動走行する場合に、作業車両10bを圃場F8内(例えば出入口H8)に停止させ、作業車両10aの圃場F7への移動が完了した後に作業車両10bの道路R0における自動走行を開始する構成とすることが考えられる。しかし、この構成を一律に採用すると、作業車両10bによる作業の効率が低下する問題が生じる。これに対して、本実施形態に係る管理装置20は、以下に示すように、複数の圃場間において複数の作業車両10を、作業効率を低下させることなく自動走行させることが可能な構成を備えている。
【0080】
[管理装置20]
図1に示すように、管理装置20は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信部24などを備えるサーバーである。なお、管理装置20は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよい。また、管理装置20で実行される各種の処理を、一又は複数のプロセッサーが分散して実行してもよい。また、管理装置20と操作端末30とが一体の機器で構成されてもよい。
【0081】
通信部24は、管理装置20を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して複数の作業車両10などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0082】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0083】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部22には、各作業車両10に対して設定される目標経路及び圃場間経路に関する目標経路情報、各作業車両10の現在位置の位置情報、各作業車両10の作業内容及び作業状況に関する作業情報などのデータが記憶される。
【0084】
なお、他の実施形態として、前記目標経路情報、前記位置情報、及び前記作業情報の一部又は全部が、管理装置20から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバーに記憶されてもよい。この場合、管理装置20の制御部21は、前記他のサーバーから前記情報を取得して、後述の自動走行処理(図12参照)などの各処理を実行してもよい。
【0085】
また、記憶部22には、制御部21に前記自動走行処理を実行させるための自動走行プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記自動走行プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理装置20が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。
【0086】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理装置20を制御する。
【0087】
具体的には、制御部21は、図1に示すように、走行処理部211、回避処理部212などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記自動走行プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記自動走行プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0088】
走行処理部211は、複数の圃場を接続する道路R0に対して予め設定される圃場間経路に従って、一の圃場から他の圃場まで作業車両10を自動走行させる。例えば、走行処理部211は、作業車両10aを予め設定された圃場間経路R17に従って圃場F1から圃場F7まで自動走行させ(図3参照)、作業車両10bを予め設定された圃場間経路R85に従って圃場F8から圃場F5まで自動走行させる(図5参照)。
【0089】
回避処理部212は、複数の作業車両10が道路R0を走行する際に互いに走行を阻害する状態(競合状態)が生じる場合に、作業車両10に回避動作を実行させる。具体的には、回避処理部212は、第1圃場間経路の少なくとも一部と第2圃場間経路の少なくとも一部とが同一の道路R0に設定され、第1作業車両10及び第2作業車両10の一方が他方の走行を阻害する場合に、圃場間経路に関する経路情報、及び、道路R0に関する道路情報(本発明の接続路情報に相当)の少なくともいずれかに基づいて、第1作業車両10及び第2作業車両10の少なくともいずれかに回避動作(一時停止、減速、後進など)を実行させる。以下、前記回避動作の具体例を説明する。
【0090】
[回避動作の具体例1]
例えば図3及び図5に示す例では、作業車両10aの移動先(目的地)の圃場F7の出入口H7は、作業車両10bの移動元の圃場F8の出入口H8よりも作業車両10bの進行方向側に位置している。すなわち、道路R0における、出入口H8から出入口H7までの区間は、作業車両10a及び作業車両10bが競合しない(走行を阻害しない)区間となっている。この場合には、図6に示すように、回避処理部212は、作業車両10bを道路R0上の所定の位置P1(出入口H8から出入口H7までの間の位置)で待機(一時停止)させる。位置P1は、例えば、圃場間経路R85上の出入口H7の手前の位置である。走行処理部211は、作業車両10bを出入口H8から圃場間経路R85に従って自動走行させ、作業車両10bが位置P1に到達すると、回避処理部212は作業車両10bを一時停止させる。また走行処理部211は、作業車両10aを圃場間経路R17に従って自動走行させる。
【0091】
作業車両10bが位置P1で停止し、作業車両10aが圃場間経路R17を自動走行して圃場F7の出入口H7に到達すると、走行処理部211は、作業車両10bの自動走行を再開させる。
【0092】
具体例1の構成によれば、作業車両10bを位置P1まで移動させて一時停止(待機)させ、作業車両10aが通過した時点で位置P1から自動走行を再開するため、作業車両10bを出入口H8で待機させる構成よりも作業車両10bを目的地(圃場F5)に早く移動させることができる。このため、作業車両10bの作業効率の低下を防ぐことができる。
【0093】
[回避動作の具体例2]
図7には、作業車両10aが圃場F1から圃場F8まで圃場間経路R18に従って自動走行し、作業車両10bが圃場F7から圃場F5まで圃場間経路R75に従って自動走行する例を示している。図7に示す例では、作業車両10bの圃場間経路R75の道路R0上の開始位置P2が、作業車両10aの圃場間経路R18上に位置している。すなわち、作業車両10bの移動元の圃場F7の出入口H7が、作業車両10aの移動元の圃場F1と目的地の圃場F8との間に位置している。
【0094】
この場合、回避処理部212は、図7に示すように、作業車両10bを圃場F7内で待機させる。例えば、回避処理部212は、作業車両10bを圃場F7の出入口H7で一時停止させる。また走行処理部211は、作業車両10aを圃場間経路R18に従って自動走行させる。作業車両10aが圃場間経路R18を自動走行して開始位置P2を通過すると、走行処理部211は、作業車両10bに圃場間経路R75の自動走行を開始させる。
【0095】
なお、圃場F7の出入口H7が傾斜している場合には、回避処理部212は、作業車両10bを圃場F7内における出入口H7の手前の平坦地に一時停止させてもよい。
【0096】
具体例2の構成によれば、作業車両10aが位置P2を通過するまで作業車両10bを圃場F7内に一時停止(待機)させるため、作業車両10a及び作業車両10bの安全を確保することができる。また、作業車両10aが位置P2を通過した時点で作業車両10bの自動走行が開始されるため、作業車両10bの作業効率の低下を防ぐことができる。
【0097】
[回避動作の具体例3]
図8に示すように、道路R0が、作業車両10a及び作業車両10bが互いにすれ違うことが可能な幅を有する場合には、回避処理部212は、作業車両10a及び作業車両10bの少なくともいずれかを減速走行又は一時停止させる。例えば、道路R0を走行する作業車両10aの現在の車速が、道路R0を走行する作業車両10bの現在の車速よりも速い場合には、回避処理部212は、作業車両10bを減速走行又は一時停止させる。これにより、作業車両10aを優先して目的地(圃場F8)に移動させることができる。
【0098】
また、作業車両10a及び作業車両10bのうち現在位置から目的地までの残りの距離が長い方を、減速走行又は一時停止させてもよい。これにより、目的地に近い作業車両10を優先して目的地に移動させることができる。
【0099】
また、作業車両10a及び作業車両10bのうち車両サイズが大きい方を、減速走行又は一時停止させてもよい。また、作業車両10a及び作業車両10bのうち車両重量が重い方を、減速走行又は一時停止させてもよい。これにより、車両サイズが小さい又は車両重量が軽い作業車両10を優先して安全に通過させることができる。
【0100】
[回避動作の具体例4]
図9に示すように、道路R0に交差点が存在する場合には、回避処理部212は、作業車両10a及び作業車両10bの少なくともいずれかを交差点において回避動作を実行させる。例えば、回避処理部212は、作業車両10a及び作業車両10bのうち交差点に先に進入した作業車両10bを、交差点において圃場間経路R75をオフセットさせて減速走行又は一時停止させる。これにより、作業車両10a及び作業車両10bを交差点において安全にすれ違いさせることができる。
【0101】
また、回避処理部212は、作業車両10a及び作業車両10bのうち車両サイズが小さい方又は車両重量が軽い方を、交差点において圃場間経路をオフセットさせてもよい。このように、小回りが利く作業車両10bに回避動作を実行させることにより、作業車両10a及び作業車両10bを道路R0において安全にすれ違いさせることができる。
【0102】
[回避動作の具体例5]
図10に示すように、道路R0に退避領域A1が存在する場合には、回避処理部212は、作業車両10a及び作業車両10bの少なくともいずれかを退避領域A1において回避動作を実行させる。図10に示す例では、道路R0の圃場F3側に所定の退避領域A1が存在している。この場合、回避処理部212は、作業車両10a及び作業車両10bのうち作業車両10aを、退避領域A1において減速走行又は一時停止させる。これにより、作業車両10a及び作業車両10bを安全にすれ違いさせることができる。
【0103】
なお、図10に示す例において、作業車両10bが作業車両10aよりも先に退避領域A1に到達する場合には、回避処理部212は、作業車両10bを退避領域A1において減速走行又は一時停止させてもよい。これにより、作業車両10が退避領域A1に留まる時間を短縮することができるため、作業効率の低下を防ぐことができる。
【0104】
[回避動作の具体例6]
図11には、作業車両10aが圃場F1から圃場F8まで圃場間経路R18に従って自動走行し、作業車両10bが圃場F7から圃場F6まで圃場間経路R76に従って自動走行する例を示している。図11に示す例では、作業車両10bが道路R0の自動走行を開始する時点(出入口H7に位置する時点)で、作業車両10aが、作業車両10bの目的地(圃場F6)の出入口H6よりも手前に位置する場合に、回避処理部212は、作業車両10aを、圃場間経路R18上における出入口H6よりも手前の位置P3(出入口H1から出入口H6までの間の位置)で待機(一時停止)させる。走行処理部211は、作業車両10aを出入口H1から圃場間経路R18に従って自動走行させ、作業車両10aが位置P3に到達すると、回避処理部212は作業車両10aを一時停止させる。
【0105】
作業車両10aが位置P3で停止し、作業車両10bが圃場間経路R76を自動走行して圃場F6の出入口H6に到達すると、走行処理部211は、作業車両10aの自動走行を再開させる。
【0106】
具体例6の構成によれば、作業車両10aを位置P3まで移動させて一時停止(待機)させ、作業車両10bが通過した時点で位置P3から自動走行を再開するため、作業車両10aを出入口H1で待機させたり、作業車両10bを出入口H7で待機させたりする構成よりも、作業車両10を目的地に早く移動させることができる。このため、作業車両10の作業効率の低下を防ぐことができる。
【0107】
このように、圃場F6(本発明の第2領域の一例)における作業車両10b(第1作業車両)の出入口H6が、圃場F1(本発明の第3領域の一例)における作業車両10a(第2作業車両)の出入口H1よりも作業車両10aの進行方向側に位置する場合であって、作業車両10bが圃場間経路R76の自動走行を開始する時点で作業車両10aの現在位置が圃場F6の出入口H6よりも圃場F1側に位置する場合に、回避処理部212は、作業車両10aを圃場間経路R18上における、圃場F6の出入口H6よりも圃場F1側の位置P3で待機させる。
【0108】
以上のように、回避処理部212は、複数の作業車両10が道路R0において競合状態になった場合に、作業車両10に上述の回避動作を実行させる。なお、回避処理部212は、上述の具体例1~6のいずれかの回避動作を実行してもよいし、具体例1~6の少なくとも2つの回避動作を組み合わせて実行してもよい。また、オペレータが、操作端末30において、具体例1~6の少なくともいずれかの回避動作を選択可能であってもよい。この場合、回避処理部212は、オペレータの選択操作により設定された回避動作を実行する。
【0109】
[自動走行処理]
以下、図12を参照しつつ、自動走行システム1が実行する前記自動走行処理の一例について説明する。
【0110】
なお、本発明は、前記自動走行処理に含まれる一又は複数のステップを実行する自動走行方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記自動走行処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。なお、前記自動走行処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは管理装置20の制御部21が前記自動走行処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、一又は複数のプロセッサーが当該自動走行処理における各ステップを分散して実行する自動走行方法も他の実施形態として考えられる。
【0111】
ステップS1において、制御部21は、圃場間の道路R0において作業車両10が自動走行を開始するか否かを判定する。例えば、作業車両10aのオペレータが、圃場F1及び圃場F7を接続する圃場間経路R17(図3参照)に従って作業車両10aを自動走行させる指示を行うと、制御部21は、作業車両10aが自動走行を開始すると判定する。制御部21は、各作業車両10の状態を監視し、各作業車両10が自動走行を開始するか否かを判定する。制御部21は、いずれかの作業車両10が自動走行を開始すると判定すると(S1:Yes)、処理をステップS2に移行させる。制御部21は、いずれかの作業車両10が自動走行を開始するまで待機する(S1:No)。
【0112】
ステップS2において、制御部21は、競合する作業車両10が存在するか否かを判定する。例えば、作業車両10aが圃場F1から圃場F7に移動し(図3参照)、作業車両10bが圃場F8から圃場F5に移動する場合において(図5参照)、作業車両10a及び作業車両10bが同じタイミングで道路R0を走行する場合、互いに走行を阻害するため競合状態となる。制御部21は、競合する作業車両10が存在すると判定した場合に(S2:Yes)、処理をステップS3に移行させる。
【0113】
一方、制御部21は、競合する作業車両10が存在しないと判定すると(S2:No)、処理をステップS8に移行させる。例えば、作業車両10aに対応する圃場間経路R17(図3参照)の少なくとも一部と、作業車両10bに対応する圃場間経路R85(図5参照)の少なくとも一部とが重複する場合であっても、作業車両10a及び作業車両10bが異なるタイミングで道路R0を走行する場合には、互いに走行を阻害しないため競合状態は生じない。制御部21は、作業車両10aに競合する作業車両10が存在しない場合には(S2:No)、作業車両10aを圃場間経路R17に従って自動走行を実行させる。
【0114】
ステップS3において、制御部21は、競合する作業車両10同士が道路R0においてすれ違い可能か否かを判定する。例えば、圃場間経路が設定される道路R0の幅が、競合する作業車両10同士がすれ違い可能な幅を有する場合(図8参照)、道路R0に交差点が存在する場合(図9参照)、又は、道路R0に退避領域A1が存在する場合(図10参照)に、制御部21は、競合する作業車両10同士が道路R0においてすれ違い可能であると判定する。制御部21は、競合する作業車両10同士が道路R0においてすれ違い可能であると判定すると(S3:Yes)、処理をステップS31に移行させる。一方、制御部21は、競合する作業車両10同士が道路R0においてすれ違い可能ではないと判定すると(S3:No)、処理をステップS4に移行させる。
【0115】
ステップS31では、制御部21は、競合する複数の作業車両10の少なくともいずれかを減速走行させる。例えば図8に示す例において、制御部21は、作業車両10a及び作業車両10bがすれ違う位置の前後において、作業車両10a及び作業車両10bのそれぞれの車速を減速させる。
【0116】
他の実施形態として、制御部21は、作業車両10a及び作業車両10bがすれ違う位置において、車両サイズが大きい方の作業車両10又は重量が重い方の作業車両10を、減速又は一時停止させてもよい。制御部21は、ステップS31の後、処理をステップS6に移行させる。
【0117】
ステップS4では、制御部21は、道路R0に、作業車両10に回避動作を実行させる回避位置が存在するか否かを判定する。例えば、制御部21は、道路R0において、一方の作業車両10が通過するまで他方の作業車両10が待機可能な場所が存在するか否かを判定する。例えば図6に示すように、作業車両10aの目的地(圃場F7)の出入口H7が、作業車両10bの走行開始位置である圃場F8の出入口H8よりも作業車両10bの進行方向側に位置する場合に、制御部21は、出入口H8と出入口H7との間の位置P1を作業車両10bの回避位置として設定する。
【0118】
また例えば図9に示すように、道路R0に交差点が存在する場合には、制御部21は、交差点を作業車両10bの回避位置として設定する。
【0119】
また例えば図10に示すように、道路R0に退避領域A1が存在する場合には、制御部21は、退避領域A1を作業車両10bの回避位置として設定する。
【0120】
また例えば図11に示すように、作業車両10bが道路R0の自動走行を開始する時点(出入口H7に位置する時点)で、作業車両10aが、作業車両10bの目的地(圃場F6)の出入口H6よりも手前に位置する場合に、制御部21は、出入口H1と出入口H6との間の位置P3を作業車両10bの回避位置として設定する。
【0121】
制御部21は、道路R0に回避位置が存在すると判定すると(S4:Yes)、処理をステップS5に移行させる。制御部21は、道路R0に回避位置が存在しないと判定すると(S4:No)、処理をステップS41に移行させる。例えば図7に示すように、作業車両10bの圃場間経路R75の道路R0上の開始位置P2が、作業車両10aの圃場間経路R18上に位置している場合であって、作業車両10aの現在位置が、作業車両10bの目的地(圃場F5)の出入口H5よりも開始位置P2側に位置している場合に、制御部21は、道路R0に作業車両10bを回避させる回避位置が存在しないと判定する(S4:No)。
【0122】
ステップS5において、制御部21は、作業車両10を回避位置で一時停止させる。例えば図6に示す例では、制御部21は、位置P1で作業車両10bを一時停止させる。また例えば図9に示す例では、制御部21は、交差点で作業車両10bを一時停止させる。また例えば図10に示す例では、制御部21は、退避領域A1で作業車両10aを一時停止させる。また例えば図11に示す例では、制御部21は、位置P3で作業車両10aを一時停止させる。制御部21は、ステップS5の後、処理をステップS6に移行させる。
【0123】
ステップS41において、制御部21は、作業車両10を圃場内で一時停止させる。例えば図7に示す例では、制御部21は、圃場F7の出入口H7で作業車両10bを一時停止させる。制御部21は、ステップS41の後、処理をステップS6に移行させる。
【0124】
ステップS6において、制御部21は、複数の作業車両10による競合状態が解消したか否かを判定する。例えば図6に示す例において、作業車両10aが圃場F7の出入口H7に到達した場合に、制御部21は、作業車両10a及び作業車両10bの競合状態が解消したと判定する。また例えば図9に示す例において、作業車両10aが交差点を通過した場合に、制御部21は、作業車両10a及び作業車両10bの競合状態が解消したと判定する。また例えば図10に示す例において、作業車両10bが退避領域A1を通過した場合に、制御部21は、作業車両10a及び作業車両10bの競合状態が解消したと判定する。また例えば図11に示す例において、作業車両10bが圃場F6の出入口H6に到達した場合に、制御部21は、作業車両10a及び作業車両10bの競合状態が解消したと判定する。
【0125】
また例えば図7に示す例において、作業車両10aが位置P2を通過した場合に、制御部21は、作業車両10a及び作業車両10bの競合状態が解消したと判定する。
【0126】
また例えば図8に示す例において、作業車両10a及び作業車両10bが道路R0においてすれ違った場合に、制御部21は、作業車両10a及び作業車両10bの競合状態が解消したと判定する。
【0127】
制御部21は、複数の作業車両10による競合状態が解消したと判定した場合に(S6:Yes)、処理をステップS7に移行させる。制御部21は、複数の作業車両10による競合状態が解消するまで待機する(S6:No)。
【0128】
ステップS7において、制御部21は、回避動作を実行させた作業車両10の自動走行を再開させる。例えば、制御部21は、一時停止させた作業車両10の走行を再開させる。また、制御部21は、減速させた作業車両10の車速を設定速度に戻す。また、制御部21は、オフセットさせた圃場間経路を元に戻す。
【0129】
次にステップS8において、制御部21は、作業車両10の圃場間移動が終了したか否かを判定する。制御部21は、作業車両10の圃場間移動が終了すると(S8:Yes)、前記自動走行処理を終了する。一方、制御部21は、作業車両10の圃場間移動が終了していない場合(S8:No)、処理をステップS2に移行させて上述の処理を繰り返し実行する。制御部21は、以上のようにして前記自動走行処理を実行する。
【0130】
本発明の他の実施形態として、制御部21は、第1作業車両10及び第2作業車両10の一方が他方の走行を阻害する場合に、各圃場F内における作業内容に関する作業情報に基づいて、第1作業車両10及び第2作業車両10の少なくともいずれかに回避動作を実行させてもよい。例えば、作業車両10a及び作業車両10bが競合状態になった場合に、制御部21は、当日の作業計画の進捗状況に基づいて、回避動作を実行させる作業車両10を決定してもよい。例えば、作業車両10aによる当日の作業の進捗状況が作業計画に対して遅れが少なく、作業車両10bによる当日の作業の進捗状況が作業計画に対して遅れが多い場合に、制御部21は、作業車両10aに回避動作(一時停止、減速など)を実行させて、作業車両10bの自動走行(圃場間移動)を優先させる。
【0131】
また例えば、作業車両10a及び作業車両10bが競合状態になった場合に、制御部21は、作業車両10aによる作業内容と、作業車両10bによる作業内容とを比較して、作業を急ぐ必要のない方の作業車両10に回避動作を実行させ、作業を急ぐ必要のある方の作業車両10の自動走行を優先させる。例えば、作業車両10aが、耕耘作業が既に完了している圃場に移動して播種作業を行う場合には、耕耘作業後すぐに播種作業を行うことが望ましいため、制御部21は、作業車両10bに回避動作を実行させて、作業車両10aの自動走行を優先させる。
【0132】
また例えば、作業車両10a及び作業車両10bのそれぞれの目的地が同一の圃場に設定されている場合に、制御部21は、作業車両10aによる作業内容と、作業車両10bによる作業内容とを比較して、回避動作を実行させる作業車両10を決定してもよい。例えば、制御部21は、同一の圃場において作業車両10aが耕耘作業を行い作業車両10bが播種作業を行う場合には、播種作業の前に耕耘作業を行う必要があるため、作業車両10bに回避動作を実行させて、作業車両10aの自動走行を優先させる。
【0133】
以上のように、本実施形態に係る自動走行システム1は、第1圃場及び第2圃場のそれぞれを接続する道路R0に対して予め設定される第1圃場間経路に従って第1圃場から第2圃場まで第1作業車両10を自動走行させ、第3圃場及び第4圃場のそれぞれを接続する道路R0に対して予め設定される第2圃場間経路に従って第3領域から第4領域まで第2作業車両10を自動走行させる。また、自動走行システム1は、第1圃場間経路の少なくとも一部と第2圃場間経路の少なくとも一部とが同一の道路R0に設定され、第1作業車両10及び第2作業車両10の一方が他方の走行を阻害する場合に、圃場間経路に関する経路情報、各圃場内における作業内容に関する作業情報、及び、道路R0に関する道路情報の少なくともいずれかに基づいて、第1作業車両10及び第2作業車両10の少なくともいずれかに回避動作を実行させる。
【0134】
上記構成によれば、前記経路情報、前記作業情報、及び、前記道路情報の少なくともいずれかに基づいて、作業車両10に回避動作を実行させるため、作業車両10を一律に圃場内に一時停止させる構成と比較して作業車両10の作業効率の低下を防ぐことができる。なお、前記第2圃場と前記第4圃場とが同一の圃場、すなわち第1作業車両10の目的地と第2作業車両10の目的地とが同一であってもよい。
【0135】
本発明の他の実施形態として、制御部21は、作業車両10に回避動作を実行させる位置を、オペレータの選択操作に基づいて設定してもよい。例えば図13に示すように、制御部21は、操作端末30の操作画面D1に、選択可能な複数の待機可能位置を表示させて、オペレータの選択操作を受け付ける。オペレータが作業車両10bの回避位置として、いずれかの待機可能位置を選択すると、制御部21は、選択された待機可能位置を、作業車両10bに回避動作を実行させる位置(回避位置)として設定する。また、制御部21は、複数の待機可能位置の中から、前記経路情報、前記作業情報、及び、前記道路情報の少なくともいずれかに基づいて最適な待機可能位置をオペレータに提示(推奨)してもよい。
【0136】
また他の実施形態として、例えば3台以上の作業車両10が競合状態になった場合、制御部21は、前記経路情報、前記作業情報、及び、前記道路情報の少なくともいずれかに基づいて、作業車両10を優先して走行させる順位を決定し、順位に応じて作業車両10の自動走行及び回避動作を実行させてもよい。例えば、3台の作業車両10x、10y、10zのうち、最も早く作業を行う必要のある作業車両10xを最優先して自動走行を実行させ、他の2台の作業車両10y、10zに回避動作を実行させる。作業車両10xとの競合状態が解消されると、次に2台の作業車両10y、10zのうち先に作業を行う必要のある作業車両10yを優先して自動走行を実行させ、作業車両10zに回避動作を実行させる。これにより、3台の作業車両10の作業効率の低下を防ぐことができる。
【0137】
また他の実施形態として、複数の作業車両10が競合状態になった場合に、制御部21は、回避動作の回数が少なくて済む作業車両10に回避動作を実行させ、回避動作の回数が多くなる作業車両10を自動走行させてもよい。
【0138】
上述の実施形態では、管理装置20(例えばクラウドサーバー)が、複数の作業車両10を管理して走行を制御する構成であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、各作業車両10が、管理装置20の走行処理部211及び回避処理部212の機能を備えてもよい。この構成では、各作業車両10が、他の作業車両10とデータ通信を行って、互いの経路情報及び位置情報を比較して回避動作を実行してもよい。
【0139】
以上のように、上述の実施形態では、自動走行システム1が本発明に係る自動走行システムに相当するが、本発明に係る自動走行システムは、管理装置20単体で構成されてもよいし、作業車両10単体で構成されてもよい。
【0140】
[発明の付記]
以下、上述の報知処理に係る各実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0141】
<付記1>
第1領域及び第2領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第1領域間経路に従って前記第1領域から前記第2領域まで第1作業車両を自動走行させることと、
第3領域及び第4領域のそれぞれを接続する接続路に対して予め設定される第2領域間経路に従って前記第3領域から前記第4領域まで第2作業車両を自動走行させることと、
前記第1領域間経路の少なくとも一部と前記第2領域間経路の少なくとも一部とが同一の接続路に設定され、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の一方が他方の走行を阻害する場合に、領域間経路に関する経路情報、各領域内における作業内容に関する作業情報、及び、接続路に関する接続路情報の少なくともいずれかに基づいて、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに回避動作を実行させることと、
を実行する自動走行方法。
【0142】
<付記2>
前記第2領域における前記第1作業車両の入口が、前記第3領域における前記第2作業車両の出口よりも前記第2作業車両の進行方向側に位置する場合に、前記第2作業車両に前記第2領域間経路上で回避動作を実行させる、
付記1に記載の自動走行方法。
【0143】
<付記3>
前記第2領域間経路の開始位置が前記第1領域間経路上に位置する場合に、前記第2作業車両に前記第3領域内で回避動作を実行させる、
付記1又は2に記載の自動走行方法。
【0144】
<付記4>
前記同一の接続路が、前記第1作業車両及び前記第2作業車両が互いにすれ違うことが可能な幅を有する場合に、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに減速走行させる、
付記1~3のいずれかに記載の自動走行方法。
【0145】
<付記5>
前記同一の接続路のうち交差点において、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに回避動作を実行させる、
付記1~4のいずれかに記載の自動走行方法。
【0146】
<付記6>
前記同一の接続路のうち作業車両が退避可能な退避領域において、前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに回避動作を実行させる、
付記1~5のいずれかに記載の自動走行方法。
【0147】
<付記7>
前記第2領域における前記第1作業車両の入口が、前記第3領域における前記第2作業車両の出口よりも前記第2作業車両の進行方向側に位置する場合であって、前記第1作業車両が前記第1領域間経路の自動走行を開始する時点で前記第2作業車両の現在位置が前記第2領域の入口よりも前記第3領域側に位置する場合に、前記第2作業車両に、前記第2領域間経路上における、前記第2領域の入口よりも前記第3領域側の位置で回避動作を実行させる、
付記1~6のいずれかに記載の自動走行方法。
【0148】
<付記8>
前記第1作業車両及び前記第2作業車両のそれぞれの作業内容に基づいて、前記第1作業車両及び前記第2作業車両のうち回避動作を実行させる作業車両を決定する、
付記1~7のいずれかに記載の自動走行方法。
【0149】
<付記9>
前記第1作業車両及び前記第2作業車両のそれぞれの作業の進捗状況に基づいて、前記第1作業車両及び前記第2作業車両のうち回避動作を実行させる作業車両を決定する、
付記1~8のいずれかに記載の自動走行方法。
【0150】
<付記10>
前記第1作業車両及び前記第2作業車両の少なくともいずれかに回避動作を実行させる位置を、ユーザーの選択操作に基づいて設定する、
付記1~9のいずれかに記載の自動走行方法。
【符号の説明】
【0151】
1 :自動走行システム
10 :作業車両
11 :車両制御装置
20 :管理装置
21 :制御部
30 :操作端末
211 :走行処理部
212 :回避処理部
A1 :退避領域
D1 :設定画面
F :圃場(第1領域~第4領域)
R0 :道路(接続路)
R1 :目標経路
R7 :目標経路
R17 :圃場間経路(領域間経路)
R18 :圃場間経路(領域間経路)
R75 :圃場間経路(領域間経路)
R76 :圃場間経路(領域間経路)
R85 :圃場間経路(領域間経路)
H1~H8:(圃場の)出入口
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13