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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043153
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】カゴ洗浄機
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20240322BHJP
   B08B 9/30 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
B08B3/02 C
B08B9/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148177
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】福井 健太
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA26
3B116AA46
3B116AB14
3B116BB23
3B201AA26
3B201AA46
3B201AB14
3B201BB23
3B201CB01
(57)【要約】
【課題】カゴの取手を十分に洗浄する。
【解決手段】カゴ洗浄機(1)は、洗浄部(9)に配置されたレール(10)であって、コンベヤ(7)によって搬送されるカゴ(2)の本体部(3)に当接することにより本体部(3)を無端搬送体(8)から離れた位置で支持するレール(10)を備えている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、前記本体部に回動可能に接続された取手と、を有したカゴを洗浄するカゴ洗浄機であって、
搬送される前記カゴが載置される無端搬送体を有するコンベヤと、
液体を用いて前記カゴを洗浄する洗浄部と、
前記洗浄部に配置されたレールであって、前記コンベヤによって搬送される前記カゴの前記本体部に当接することにより前記本体部を前記無端搬送体から離れた位置で支持するレールと、を備えている、カゴ洗浄機。
【請求項2】
前記カゴは、前記取手の回動によって、前記取手が前記本体部の開口の縁に沿うようになる平坦状態を取り得るカゴであり、
前記レールは、前記本体部を前記無端搬送体から離れた位置に支持することによって、前記取手を前記平坦状態の位置から解放させる、請求項1に記載のカゴ洗浄機。
【請求項3】
前記コンベヤは、前記取手を下にした前記平坦状態のカゴを搬送し、
前記レールは、前記本体部を前記無端搬送体から離れた位置に支持することによって、前記取手の自重により前記取手を前記平坦状態の位置から解放させる、請求項2に記載のカゴ洗浄機。
【請求項4】
前記コンベヤには、前記無端搬送体に固定された係止部であって、前記本体部が前記レール上に支持された状態の前記カゴに係止し得る係止部が設けられている、請求項1に記載のカゴ洗浄機。
【請求項5】
前記係止部は、前記取手に係止する、請求項4に記載のカゴ洗浄機。
【請求項6】
前記レールは、前記コンベヤによって搬送される前記カゴの前記本体部に対して、始端部が上りの傾斜となっており、終端部が下りの傾斜となっている、請求項1に記載のカゴ洗浄機。
【請求項7】
前記カゴは、前記取手を2つ有しており、
前記レールは、2つの取手の間にて前記本体部を支持する、請求項1から6のいずれか1項に記載のカゴ洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カゴ洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器を洗浄部へ搬送し、洗浄部にて液体を用いて容器を洗浄する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-57634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洗浄対象の容器が、本体部と、本体部に回動可能に接続された取手と、を有したカゴである場合がある。この場合、従来技術においては、取手の裏側(後述する平坦状態において本体部に面する部分)に対して液体が届きにくいため、取手の洗浄が不十分になるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るカゴ洗浄機は、本体部と、前記本体部に回動可能に接続された取手と、を有したカゴを洗浄するカゴ洗浄機であって、搬送される前記カゴが載置される無端搬送体を有するコンベヤと、液体を用いて前記カゴを洗浄する洗浄部と、前記洗浄部に配置されたレールであって、前記コンベヤによって搬送される前記カゴの前記本体部に当接することにより前記本体部を前記無端搬送体から離れた位置で支持するレールと、を備えている。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、カゴの取手を十分に洗浄できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施形態に係るカゴ洗浄機の概略図である。
図2】カゴ全体を洗浄する洗浄系の概略図である。
図3】カゴ全体を洗浄する洗浄系の概略図である。
図4】カゴ全体を洗浄する洗浄系の概略図である。
図5】カゴ全体を洗浄する洗浄系の概略図である。
図6】取手の洗浄に特化した洗浄系の概略図である。
図7】取手の洗浄に特化した洗浄系の概略図である。
図8】取手の洗浄に特化した洗浄系の概略図である。
図9】取手の洗浄に特化した洗浄系の概略図である。
図10】カゴの平坦状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示を実施するための形態について説明する。説明の便宜上、先に説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない場合がある。
【0009】
図1は、本開示の実施形態に係るカゴ洗浄機1の概略図である。図2図5それぞれは、カゴ2全体を洗浄する洗浄系の概略図である。図6図9それぞれは、取手4の洗浄に特化した洗浄系の概略図である。図2および図6それぞれは、カゴ2の搬送経路における下流側から見た斜視図である。図3および図7それぞれは、カゴ2の搬送経路における上流側から見た斜視図である。図4および図8それぞれは、側面図である。図5および図9それぞれは、カゴ2の搬送経路における下流側から見た正面図である。
【0010】
カゴ洗浄機1は、カゴ2を洗浄するものである。
【0011】
カゴ2は、本体部3と、本体部3に回動可能に接続された取手4と、を有している。カゴ2は、取手4の回動によって、取手4が本体部3の開口5の縁6に沿うようになる平坦状態(図10参照)を取り得るカゴである。当該平坦状態であるカゴ2を複数積み重ねることが可能であってもよい。カゴ2は、取手4を2つ有している。カゴ2の一例として、主に店舗で使用される買い物カゴが挙げられる。
【0012】
カゴ洗浄機1は、コンベヤ7、洗浄部9、およびレール10を備えている。
【0013】
コンベヤ7は、無端搬送体8を有している。無端搬送体8は、カゴ洗浄機1において搬送されるカゴ2が載置されるものである。コンベヤ7は、取手4を下にした平坦状態のカゴ2を搬送する。無端搬送体8の一例として、ベルトおよびチェーンが挙げられる。
【0014】
カゴ洗浄機1に加え、カゴ洗浄機1を基準としてカゴ2の搬送経路における上流に、カゴ洗浄機1による洗浄前のカゴ2に対して特定の処理を行う洗浄前処理装置が設けられていてもよい。コンベヤ7は、当該洗浄前処理装置からカゴ洗浄機1へと延伸しており、当該洗浄前処理装置によって処理されたカゴ2をカゴ洗浄機1へと搬送してもよい。当該洗浄前処理装置の一例として、カゴ2が複数積み重ねられてなるカゴ群から個々のカゴ2を取り出してコンベヤ7へ順次送り出すカゴバラし装置、およびカゴ2を上下に反転させるカゴ反転装置が挙げられる。
【0015】
カゴ洗浄機1に加え、カゴ洗浄機1を基準としてカゴ2の搬送経路における下流に、カゴ洗浄機1による洗浄後のカゴ2に対して特定の処理を行う洗浄後処理装置が設けられていてもよい。コンベヤ7は、カゴ洗浄機1から当該洗浄後処理装置へと延伸しており、カゴ洗浄機1によって洗浄されたカゴ2を当該洗浄後処理装置へと搬送してもよい。当該洗浄後処理装置の一例として、カゴ2を乾燥させるカゴ乾燥装置が挙げられる。
【0016】
洗浄部9は、液体を用いてカゴ2を洗浄する。当該液体の一例として、水、およびカゴ2用途の洗浄液が挙げられる。
【0017】
洗浄部9は、第1アーチ12および第2アーチ13を含んでいる。第1アーチ12および第2アーチ13それぞれは、例えばノズルが形成されており、このノズルによって当該液体を噴射可能に構成されている。第1アーチ12および第2アーチ13それぞれは、無端搬送体8を跨いでおり、カゴ洗浄機1において搬送されるカゴ2が洗浄部9をくぐることが可能に構成されている。当該構成によれば、洗浄部9を通過中のカゴ2の外面に対して、洗浄部9から当該液体が噴射され、これによってカゴ2の外側からカゴ2が洗浄される。
【0018】
第1アーチ12は、レール10を基準としてカゴ2の搬送経路における上流に配置されており、カゴ2全体の洗浄を担うものである。第2アーチ13は、レール10を跨ぐように配置されており、取手4の洗浄に特化したものである。
【0019】
洗浄部9は、第1アーチ12および第2アーチ13の替わりに、第1アーチ12の機能および第2アーチ13の機能を兼ね備えた1つのアーチを含んでいてもよい。当該1つのアーチは、カゴ2の搬送経路に沿って可動であってもよい。
【0020】
レール10は、洗浄部9に配置されている。レール10は、コンベヤ7によって搬送されるカゴ2の本体部3に当接することにより本体部3を無端搬送体8から離れた位置で支持する。レール10は、本体部3を無端搬送体8から離れた位置に支持することによって、取手4の自重により取手4を平坦状態の位置から解放させる。換言すれば、搬送されたカゴ2の本体部3をレール10が支持することで、このカゴ2の取手4が、重力によって回動し、収納された状態から取手として機能し得る状態に遷移する。レール10は、2つの取手4の間にて本体部3を支持しており、これにより、無端搬送体8および洗浄部9等の配置に対して無理がないように、レール10を配置することができる。
【0021】
レール10は、コンベヤ7によって搬送されるカゴ2の本体部3に対して、始端部16が上りの傾斜となっており、終端部17が下りの傾斜となっている。また、当該上りの傾斜と当該下りの傾斜との間は、少なくとも段差が存在していないことが好ましく、平坦であることがより好ましい。レール10に段差が設けられていないことにより、搬送されるカゴ2がレール10に引っ掛かってその挙動を乱したり、搬送されるカゴ2がレール10に衝突したりするおそれを低減することができる。
【0022】
取手4を平坦状態の位置から解放させることを、取手4の自重により行うことは必須でない。例えば、本体部3を無端搬送体8から離れた位置に支持するときに取手4を平坦状態の位置から解放させるための構造をカゴ洗浄機1に設け、当該構造により取手4を平坦状態の位置から解放させてもよい。
【0023】
取手4の洗浄は、以下のメカニズムで行われる。レール10は、本体部3を無端搬送体8から離れた位置で支持する。このとき、取手4は、平坦状態の位置から、取手4の回動軸14を軸として、本体部3に対して回動する。これにより、取手4における平坦状態において本体部3に面していた部分(取手の裏側15)が本体部3から離れるため、この部分に対してカゴ2を洗浄する液体が届きやすくなる。従って、カゴ洗浄機1によれば、カゴ2の取手4を十分に洗浄できる。
【0024】
係止部11は、コンベヤ7に設けられている。係止部11は、無端搬送体8に固定されている。係止部11は、本体部3がレール10上に支持された状態のカゴ2に係止し得る。係止部11は、取手4に係止する。
【0025】
係止部11は、無端搬送体8と連動する。ここでは、無端搬送体8に係止部11が固定され、連動を実現する。レール10上以外では、無端搬送体8がカゴ2を搬送する。係止部11は、カゴ2に係止していても係止していなくてもよい(カゴ2の推進力を与えるものは、あくまで無端搬送体8であるため)。レール10上では、搬送されたカゴ2の本体部3がレール10に乗り上げることによって、カゴ2が無端搬送体8から離れる。このときに、平面状のレール10上をカゴ2が進めるように、係止部11は、カゴ2の搬送経路における上流側から取手4に係止し、無端搬送体8と連動することでカゴ2の搬送経路における下流に向けてカゴ2を押し込む。
【0026】
レール10が本体部3を無端搬送体8から離れた位置で支持している状態においては、無端搬送体8単独でカゴ2を搬送することが困難である。そこで、当該状態においては、係止部11が、カゴ2の搬送経路における下流に向けてカゴ2を押し込む。これにより、当該状態において、カゴ2を搬送することが可能である。
【0027】
カゴ洗浄機1は、カゴ2の洗浄に特化したものである。一方、本開示に係る技術は例えば、取手4の乾燥に特化したものに応用されてもよい。例えば、レール10がカゴ乾燥装置(洗浄後処理装置)にまで延在されていれば、取手4を平坦状態の位置から解放させた状態を維持してカゴ2を乾燥させることができるため、取手の裏側15を十分乾燥させることができる。
【0028】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係るカゴ洗浄機は、本体部と、前記本体部に回動可能に接続された取手と、を有したカゴを洗浄するカゴ洗浄機であって、搬送される前記カゴが載置される無端搬送体を有するコンベヤと、液体を用いて前記カゴを洗浄する洗浄部と、前記洗浄部に配置されたレールであって、前記コンベヤによって搬送される前記カゴの前記本体部に当接することにより前記本体部を前記無端搬送体から離れた位置で支持するレールと、を備えている。
【0029】
本開示の態様2に係るカゴ洗浄機は、前記態様1において、前記カゴは、前記取手の回動によって、前記取手が前記本体部の開口の縁に沿うようになる平坦状態を取り得るカゴであり、前記レールは、前記本体部を前記無端搬送体から離れた位置に支持することによって、前記取手を前記平坦状態の位置から解放させる。
【0030】
本開示の態様3に係るカゴ洗浄機は、前記態様2において、前記コンベヤは、前記取手を下にした前記平坦状態のカゴを搬送し、前記レールは、前記本体部を前記無端搬送体から離れた位置に支持することによって、前記取手の自重により前記取手を前記平坦状態の位置から解放させる。
【0031】
本開示の態様4に係るカゴ洗浄機は、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記コンベヤには、前記無端搬送体に固定された係止部であって、前記本体部が前記レール上に支持された状態の前記カゴに係止し得る係止部が設けられている。
【0032】
本開示の態様5に係るカゴ洗浄機は、前記態様4において、前記係止部は、前記取手に係止する。
【0033】
本開示の態様6に係るカゴ洗浄機は、前記態様1から5のいずれかにおいて、前記レールは、前記コンベヤによって搬送される前記カゴの前記本体部に対して、始端部が上りの傾斜となっており、終端部が下りの傾斜となっている。
【0034】
本開示の態様7に係るカゴ洗浄機は、前記態様1から6のいずれかにおいて、前記カゴは、前記取手を2つ有しており、前記レールは、2つの取手の間にて前記本体部を支持する。
【0035】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
1 カゴ洗浄機
2 カゴ
3 本体部
4 取手
5 本体部の開口
6 本体部の開口の縁
7 コンベヤ
8 無端搬送体
9 洗浄部
10 レール
11 係止部
12 第1アーチ
13 第2アーチ
14 取手の回動軸
15 取手の裏側
16 レールの始端部
17 レールの終端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10