(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043161
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】作業管理方法、作業管理システム、及び作業管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240322BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148189
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】三谷 英樹
(72)【発明者】
【氏名】吉峰 拓海
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】ユーザによる進捗管理を支援する。
【解決手段】作業管理方法は、収穫物がまとめられた収穫物群が圃場500に排出された排出位置と排出時刻とを表す排出情報と、収穫物群を回収したことを表す回収情報とに基づき、収穫物群のうち、圃場500に残っている残留群を抽出することを含む。また、作業管理方法は、抽出された残留群の数量に基づき、収穫物群の回収に関する進捗状況を表す進捗情報を出力することを含む。進捗情報は、残留群の数量を表す残留情報510を含んでもよい。また、進捗情報は、圃場において排出された収穫物群の数量を表す情報を含んでもよい。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫物がまとめられた収穫物群が圃場に排出された排出位置と排出時刻とを表す排出情報と、前記収穫物群を回収したことを表す回収情報とに基づき、前記収穫物群のうち、前記圃場に残っている残留群を抽出することと、
抽出された前記残留群の数量に基づき、前記収穫物群の回収に関する進捗状況を表す進捗情報を出力することと、
を含む作業管理方法。
【請求項2】
前記進捗情報は、前記残留群の数量を表す残留情報を含む請求項1に記載の作業管理方法。
【請求項3】
前記進捗情報は、前記圃場において排出された前記収穫物群の数量を表す情報を含む請求項1または2に記載の作業管理方法。
【請求項4】
前記残留群が前記圃場に置かれた前記排出時刻からの経過時間を決定することをさらに含み、
前記進捗情報は、前記経過時間を表す情報を含む
請求項1に記載の作業管理方法。
【請求項5】
前記進捗情報において、前記残留群のうち、前記経過時間が所定の時間以上である第1残留群を、他の残留群と識別可能に表示することをさらに含む
請求項4に記載の作業管理方法。
【請求項6】
前記収穫物を収穫する作業装置の稼働情報に基づき、前記収穫物群が排出された前記排出位置と、前記排出時刻とを決定することをさらに含む
請求項1に記載の作業管理方法。
【請求項7】
前記排出時刻を決定することは、
前記稼働情報に基づき、前記収穫物群が排出されるときの前記作業装置の状態となった排出候補時刻を決定することと、
前記稼働情報において、隣接する2つの排出候補時刻の間に、前記作業装置が収穫を行っている状態を表す情報が含まれるとき、前記隣接する2つの排出候補時刻のうち後の排出候補時刻を前記排出時刻として決定することと、
を含む
請求項6に記載の作業管理方法。
【請求項8】
隣接する2つの前記排出時刻の間に、作業装置が前記収穫物を収穫する作業に対応する前記作業装置の稼働情報に基づき、前記収穫物群が次に排出される排出推定時刻を決定することをさらに含み、
前記進捗情報は、前記排出推定時刻を表す情報を含む
請求項1に記載の作業管理方法。
【請求項9】
収穫物がまとめられた収穫物群が圃場に排出された排出位置と排出時刻とを表す排出情報と、前記収穫物群を回収したことを表す回収情報とに基づき、前記収穫物群のうち、前記圃場に残っている残留群を抽出する残留抽出部と、
抽出された前記残留群の数量に基づき、前記収穫物群の回収に関する進捗状況を表す進捗情報を出力する出力部と、
を備える作業管理システム。
【請求項10】
収穫物がまとめられた収穫物群が圃場に排出された排出位置と排出時刻とを表す排出情報と、前記収穫物群を回収したことを表す回収情報とに基づき、前記収穫物群のうち、前記圃場に残っている残留群を抽出することと、
抽出された前記残留群の数量に基づき、前記収穫物群の回収に関する進捗状況を表す進捗情報を出力することと、
を演算装置に実行させる作業管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業管理方法、作業管理システム、及び作業管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、栽培管理の分析に圃場における作業に関する情報を用いることが研究されている。
【0003】
特許文献1には、収穫物を収容する容器に付された情報媒体から取得する識別情報を用いて、収穫物の情報、例えば収量、品質、収穫された位置などを管理することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、収穫物の情報を管理することができるが、実際に収穫物が収容された容器の回収に関する進捗状況を適切に把握することができない。収穫物、例えばサトウキビなどは、収穫してから時間が経過すると品質が劣化する。このため、回収の進捗状況を把握することが重要である。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、収穫物の回収に関する進捗状況を適切に報知することで、ユーザによる進捗管理を支援することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理方法は、収穫物がまとめられた収穫物群が圃場(500)に排出された排出位置と排出時刻とを表す排出情報と、収穫物群を回収したことを表す回収情報とに基づき、収穫物群のうち、圃場(500)に残っている残留群を抽出することを含む。また、作業管理方法は、抽出された残留群の数量に基づき、収穫物群の回収に関する進捗状況を表す進捗情報を出力することを含む。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理システム(1000)は、残留抽出部(160)と、出力部(180)とを備える。残留抽出部(160)は、収穫物がまとめられた収穫物群が圃場(500)に排出された排出位置と排出時刻とを表す排出情報と、収穫物群を回収したことを表す回収情報とに基づき、収穫物群のうち、圃場(500)に残っている残留群を抽出する。出力部(180)は、抽出された残留群の数量に基づき、収穫物群の回収に関する進捗状況を表す進捗情報を出力する。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理プログラム(430)は、収穫物がまとめられた収穫物群が圃場(500)に排出された排出位置と排出時刻とを表す排出情報と、収穫物群を回収したことを表す回収情報とに基づき、収穫物群のうち、圃場(500)に残っている残留群を抽出することを演算装置(120、220)に実行させる。また、作業管理プログラム(430)は、抽出された残留群の数量に基づき、収穫物群の回収に関する進捗状況を表す進捗情報を出力することを演算装置(120、220)に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記の形態によれば、ユーザは、収穫物の回収に関して、効率よく進捗管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施の形態における作業管理システムの概略図である。
【
図2】一実施の形態における作業装置の概略図である。
【
図3】一実施の形態において、端末により表示される進捗情報を表す図である。
【
図4A】一実施の形態における作業装置が作業を行っているときの排出装置の概略図である。
【
図4B】一実施の形態における作業装置が収穫物群を排出しているときの排出装置の概略図である。
【
図5】一実施の形態における作業管理装置の構成を表す図である。
【
図6】一実施の形態における作業データの構成を表す図である。
【
図7】一実施の形態における圃場データの構成を表す図である。
【
図8】一実施の形態における作業管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
【
図9】一実施の形態における端末の構成を表す図である。
【
図10】一実施の形態において、作業装置から稼働情報を取得したときに作業管理システムが行う処理を表すフローチャートである。
【
図11】一実施の形態において、端末により表示される進捗情報を表す図である。
【
図12】一実施の形態において、端末により表示される進捗情報を表す図である。
【
図13】一実施の形態において、収穫物群が回収されたときに作業管理システムが行う処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
本発明の本実施の形態による作業管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、
図1に示すように、作業管理システム1000は、作業管理装置100と、端末200とを備える。作業管理装置100は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、1つ以上の端末200と、作業装置30と通信可能に接続されている。
【0014】
作業装置30は、圃場で栽培されている作物、例えばサトウキビを収穫し、収穫した作物をまとめて圃場に排出する。作業装置30は、例えば、作物を収穫する収穫装置を牽引するトラクター、収穫装置と一体に形成された収穫機などを含む。作業装置30は、例えば、
図2に示すように、引起し装置310と、刈取装置320と、搬送装置330と、風選装置340と、排出装置350とを備える。引起し装置310は、圃場で倒れているサトウキビを引き起こす。引き起こされたサトウキビは、刈取装置320により刈り取られる。搬送装置330は、刈り取られたサトウキビを、所定の寸法で切断しながら風選装置340に搬送する。風選装置340は、収穫物となるサトウキビの茎と、サトウキビの葉や塵とを分別し、サトウキビの茎を排出装置350に搬送し、サトウキビの葉や塵を側方または後方に排出する。排出装置350は、サトウキビの茎を収容容器、例えば袋に収容し、サトウキビの茎が所定の量を超えると、収容容器を圃場に排出する。
【0015】
また、作業装置30は、圃場で作業を行っているときに、各時刻における稼働状態を表す稼働情報を作業管理装置100に送信する。例えば、稼働情報は、作業装置30の位置情報を含む。作業装置30は、測位装置、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機を備え、作業装置30が移動した各時刻の位置を表す位置情報を取得する。稼働情報は、例えば作業装置30の各機械の状態、例えば各種クラッチのON/OFF状況、排出装置350が収容容器を排出するときに稼働する機構の状態などを表す情報を含んでもよい。また、作業装置30が作業機械を牽引する車両、例えばトラクターであるとき、稼働情報には、作業機械に動力を伝達するときのPTO(power take-off)回転数、作業機械の姿勢を示すヒッチ高さやリフトアーム角度などの情報が含まれてもよい。
【0016】
図1に示す作業管理装置100は、作業装置30から取得する稼働情報に基づき、収穫物をまとめた収穫物群、例えば収容容器の位置と、収穫物群が排出された時刻とを決定する。決定された収穫物群の位置と、排出された時刻とを表す情報は、作業管理装置100から端末200に出力される。
【0017】
収穫物群の位置と、排出された時刻とを表す情報は、例えば、第1端末200-1に表示され、ユーザ、例えば、圃場に排出された収穫物群を回収する作業者に報知される。例えば、端末200は、
図3に示すように、収穫物群が存在する圃場500、例えば第1圃場500-1と、第2圃場500-2と、第3圃場500-3と、第4圃場500-4とを、他の圃場500と識別可能に表示する。例えば、端末200は、圃場500ごとに、作業装置30から排出された収穫物群の数量と、未回収の収穫物群の数量とを表す残留情報510を表示する。また、端末200は、排出された時刻からの経過時間に応じて、残留情報510の表示形式、例えば色彩、模様などを変更した画像を表示してもよい。ユーザは、端末200に表示された画像に基づき、収穫物群を回収する優先度を決定することができる。
【0018】
また、収穫物群の位置と、排出された時刻とを表す情報は、第2端末200-2に表示され、ユーザ、例えば、ポストハーベスト施設において回収作業の進捗状況を確認する管理者に報知されてもよい。管理者は、端末200に表示された画像に基づき、収穫物群の回収作業における進捗状況を確認することができる。これにより、管理者は、収穫物群を回収する作業者に、回収する収穫物群を指示してもよい。
【0019】
なお、回収された収穫物群を表す情報は、ユーザ、例えば収穫物群を回収する作業者により、端末200に登録される。これにより、作業管理装置100は、排出された収穫物群のうち、圃場500に残留している残留群を決定し、残留群の数量と、排出された時刻とを表す情報を端末200に出力する。このため、ユーザは、リアルタイムに、回収作業に関する進捗状況を確認することができる。これにより、ユーザは、効率的に回収作業を行い、排出された時刻から回収されるまでの経過時間を低減し得る。
【0020】
ここで、作業装置30が出力する稼働情報は、排出装置350が収穫物群を排出するときに稼働する機構の状態を表す情報を含んでもよい。例えば、排出装置350は、
図4A、
図4Bに示すように、油圧シリンダ351と、容器係止部352と、収容容器353とを備える。例えば、
図4Bに示すように、排出装置350が収穫物群、具体的には収容容器353を排出するとき、油圧シリンダ351は伸ばされる。このため、稼働情報は、各時刻における油圧シリンダ351の圧力を表す情報を含んでもよい。また、稼働情報は、各時刻における油圧シリンダ351の長さを表す情報を含んでもよい。
【0021】
また、容器係止部352は、排出装置350が収容容器353を排出するとき、傾斜する。このため、稼働情報は、各時刻における容器係止部352の傾斜角度を表す情報を含んでもよい。また、排出装置350の各接続部、例えば油圧シリンダの端の接続部は、排出装置350が収容容器353を排出するとき、接続相手に対して相対的に回転する。このため、稼働情報は、排出装置350の各接続部における相対角度を表す情報を含んでもよい。また、稼働情報は、排出装置350が収容容器353を排出するときに操作される操作部、例えば操作レバーの状態を表す情報を含んでもよい。
【0022】
また、排出装置350が収穫物群を排出すると、収容容器353に収容された収穫物の高さが低くなる。このため、稼働情報は、収容容器353に収容された収穫物の高さを表す情報を含んでもよい。
【0023】
(作業管理システムの構成)
図1に示す作業管理システム1000に含まれる作業管理装置100の構成を説明する。作業管理装置100は、
図5に示すように、入出力装置110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とを備える。作業管理装置100は、例えば、コンピュータである。入出力装置110には、演算装置120が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置110は、演算装置120が処理を実行した結果を出力する。入出力装置110は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置110は省略されてもよい。
【0024】
通信装置130は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。例えば、通信装置130は、作業装置30から取得する稼働情報を演算装置120に転送する。また、演算装置120が生成した信号を端末200に転送する。通信装置130は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0025】
記憶装置140は、圃場500において排出された収穫物群の回収作業の進捗状況を決定するための様々なデータ、例えば作業データ410と、圃場データ420と、作業管理プログラム430とを格納する。記憶装置140は、作業管理プログラム430を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。作業管理プログラム430は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0026】
作業データ410は、作業装置30から排出される収穫物群に関する情報を格納する。例えば、作業データ410は、各収穫物群について、作業装置30から排出されてからポストハーベスト施設に搬入されるまでの作業に関する情報を格納する。例えば、作業データ410は、
図6に示すように、収穫物群を排出した作業装置30と、収穫物群が排出された時刻を表す排出時刻と、収穫物群を識別するための収穫物群番号と、収穫物群が排出された位置を表す排出位置とを対応付けた情報を格納する。収穫物群番号は、収穫物を収容する収容容器に付された識別子を表してもよい。また、作業データ410は、収穫物群を回収した回収装置40と、回収された時刻とを表す情報を格納する。作業データ410は、回収装置40が収穫物群をポストハーベスト施設に搬入した時刻を表す搬入時刻を格納する。さらに、作業データ410は、各収穫物群の状態を表すステータスを格納してもよい。作業データ410に格納される情報は、1つの収穫物群に関する作業を表す作業番号に対応付けて格納される。
【0027】
図6は、例えば、2022年1月11日10時における作業データ410を表す。
図6に示す例において、「作業番号」が「1」である作業は、1つの収穫物群が排出されてからポストハーベスト施設に搬入されるまでの作業を表す。
図6は、「作業番号」が「1」である作業において、「第1作業装置」が収穫作業を行い、「2022/1/8 11:30」に収穫物群が排出されたことを表す。また、
図6は、「作業番号」が「1」である作業において、排出された収穫物群の識別子、例えば収容容器353に付された識別子が「1」であり、収穫物群が座標「X1、Y1」に排出されたことを表す。また、
図6は、「作業番号」が「1」である作業において、収穫物群が回収装置40により回収されていないことを表す。また、「作業番号」が「1」である作業の「ステータス」は、排出時刻からの経過時間が所定の期間を越えていることを表す「警告」に設定されている。
【0028】
また、
図6は、「作業番号」が「2」である作業において、「第2作業装置」が収穫作業を行い、「2022/1/10 10:30」に収穫物群が排出されたことを表す。「作業番号」が「2」である作業における収穫物群の識別子が「2」であり、収穫物群が座標「X2、Y2」に排出されたことを表す。また、
図6は、この収穫物群が「第1回収装置」により「2022/1/10 12:00」に回収され、「2022/1/10 12:30」にポストハーベスト施設に搬入されたことを表す。このため、「作業番号」が「2」である作業の「ステータス」は、ポストハーベスト施設に搬入されていることを表す「搬入済み」に設定されている。
【0029】
このように、作業データ410は、作業装置30から排出された各収穫物群に関する情報を格納する。
【0030】
図5に示す圃場データ420は、作業装置30が作業を行う圃場500に関する情報を格納する。例えば、圃場データ420は、
図7に示すように、圃場500の位置と、領域と、収穫物群番号と、残留群番号とを格納する。圃場500の位置を表す「圃場位置」は、例えば圃場500の幾何中心を表す。圃場500の領域を表す「圃場領域」は、例えば圃場500に含まれる領域を表す。「収穫物群番号」は圃場500で排出された収穫物群の収穫物群番号を表し、「残留群番号」は圃場500に残っている残留群の収穫物群番号を表す。また、圃場データ420は、圃場500で行われた作業を表す
図6の「作業番号」を格納してもよい。
【0031】
図5に示す演算装置120は、作業管理プログラム430を実行して、圃場500において排出された収穫物群の回収作業の進捗状況を決定するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置120は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0032】
演算装置120は、作業管理プログラム430を読み出し実行することで、
図8に示すように、排出決定部150と、残留抽出部160と、経過時間決定部170と、出力部180とを実現する。排出決定部150は、作業装置30の稼働情報に基づき、収穫物群が排出された排出位置と、排出時刻とを決定する。残留抽出部160は、圃場500に排出された収穫物群から、圃場500に残留している収穫物群を表す残留群を抽出する。経過時間決定部170は、残留群について、排出時刻から経過した時間を決定する。出力部180は、残留群の数量に基づき、回収作業に関する進捗状況を表す進捗情報を出力する。
【0033】
次に、端末200の構成を説明する。端末200は、
図9に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。端末200は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0034】
通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。例えば、通信装置230は、作業管理装置100から取得する情報を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を作業管理装置100に転送する。通信装置230は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0035】
記憶装置240は、作業管理装置100から取得する情報を表示するための様々なデータ、例えば表示プログラム440を格納する。記憶装置240は、表示プログラム440を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。表示プログラム440は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0036】
演算装置220は、表示プログラム440を実行して、作業管理装置100から取得する情報を表示するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置220は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0037】
演算装置220は、表示プログラム440を読み出し実行することで、入出力装置210と協働して、
図8に示すように、表示部250を実現する。表示部250は、作業管理装置100から取得した進捗情報を表示する。また、表示部250は、ユーザによる入力操作に応じて、回収装置40により回収された収穫物群を表す回収情報を作業管理装置100に出力する。
【0038】
(作業管理装置の動作)
最初に、作業装置30が収穫物群を圃場500に排出したときの作業管理システム1000の動作を説明する。作業装置30は、圃場500で作業を行っているとき、作業管理装置100に稼働情報を出力する。作業管理装置100の演算装置120は、作業装置30から稼働情報を受信すると、作業管理プログラム430を読み出し実行する。作業管理プログラム430を実行することで、演算装置120は、作業管理方法の一部である
図10に示す処理を実行する。
【0039】
ステップS110において、演算装置120により実現される排出決定部150は、作業装置30の稼働情報に基づき、作業装置30により収穫物群が排出されたときの排出位置と排出時刻とを決定する。例えば、収穫物群を排出するときの排出装置350の機構の状態を表す稼働情報に基づき、排出決定部150は、排出位置と排出時刻とを決定する。例えば、排出決定部150は、稼働情報が
図4Bに示す油圧シリンダ351が伸ばされていることを表すとき、その稼働情報に表される位置を測位位置として決定し、その稼働情報が対応する時刻、例えば稼働情報が測定された時刻を排出時刻として決定する。
【0040】
また、排出決定部150は、収穫物群を排出するときの排出装置350の機構の状態を表す稼働情報と、収穫物を収穫しているときの刈取装置320の機構の状態を表す稼働情報とに基づき、排出位置と排出時刻とを決定してもよい。例えば、排出決定部150は、収穫物群を排出するときの排出装置350の機構の状態を表す稼働情報に基づき、排出時刻候補を決定する。決定された2つの排出時刻候補の間に、収穫物を収穫していることを表す稼働情報が含まれるとき、排出決定部150は、2つの排出時刻候補のうち、後の排出時刻候補を、収穫物群が排出された排出時刻として決定する。排出決定部150は、決定された排出時刻に対応する位置を排出位置として決定する。なお、排出決定部150は、作業装置30の任意の装置に含まれる機構が収穫物を収穫しているときの状態を稼働情報が表しているとき、作業装置30が収穫物を収穫していると判定してもよい。排出決定部150は、収穫物を収穫しているときの稼働情報を用いることで、より精度よく排出時刻を決定することができる。排出決定部150は、稼働情報を出力した作業装置30の名称と、決定された排出時刻と、排出位置とを関連付けて作業データ410に記憶する。また、排出決定部150は、他と重ならないように収穫物群番号を決定して、決定した収穫物群番号を作業データ410に記憶する。稼働情報が収穫物群を識別する識別子を含むとき、排出決定部150は、収穫物群の識別子を収穫物群番号として作業データ410に記憶する。
【0041】
さらに、排出決定部150は、作業装置30が作業を行った圃場500に対応付けて、収穫物群番号を、
図7に示す圃場データ420に記憶する。なお、作業装置30が作業を行った圃場500は排出決定部150により決定される。例えば、排出決定部150は、圃場データ420に基づき、作業装置30の位置を領域に含む圃場500を抽出し、抽出された圃場500を作業装置30により作業が行われた圃場500として決定する。例えば、排出決定部150は、作業装置30が収穫物群を排出した排出位置を含む圃場500を、作業装置30が作業を行った圃場500として決定する。また、排出決定部150は、収穫物群を排出した排出時刻の直前に作業装置30が進入していた圃場500を、作業装置30が作業を行った圃場500として決定してもよい。また、排出決定部150は、収穫物を収穫しているときの作業装置30の位置を含む圃場500を、作業装置30が作業を行った圃場500として決定してもよい。
【0042】
図10に示すステップS120において、残留抽出部160は、作業データ410に基づき、圃場500に残っている収穫物群を抽出する。例えば、残留抽出部160は、作業データ410において、回収装置40により回収されていない収穫物群を圃場500に残っている残留群として抽出する。例えば、残留抽出部160は、作業データ410において、回収時刻が記録されていない作業、例えば「作業番号」を抽出し、抽出された作業に対応する収穫物群番号を、残留群の収穫物群番号として決定する。決定された残留群の収穫物群番号は、残留抽出部160により作業データ410に残留群が残されている圃場500と関連付けて記憶される。なお、残留群が残されている圃場500は、残留群が排出された排出位置と、圃場500の領域とに基づき、決定される。残留抽出部160は、残留群が排出された排出位置を含む圃場500を、残留群が残されている圃場500として決定する。
【0043】
残留抽出部160は、
図6に示す例において、「回収時刻」または「回収装置」が記録されていない作業として、「作業番号」が「1」である作業と、「5」である作業とを抽出する。残留抽出部160は、「作業番号」が「1」である作業に対応する「収穫物群番号」である「1」と、「作業番号」が「5」である作業に対応する「収穫物群番号」である「5」と抽出する。また、「作業番号」が「1」である作業について、残留抽出部160は、「排出位置」が「X1、Y1」を含む圃場500、例えば第2圃場500-2を残留群が残されている圃場500として決定する。残留抽出部160は、
図7に示す圃場データ420の第2圃場500-2に、「作業番号」が「1」である作業の「収穫物群番号」である「1」を記憶する。同様に、残留抽出部160は、「収穫物群番号」が「5」である残留群が排出された「X5、Y5」を含む第1圃場500-1の「残留群番号」に対応する収穫物番号である「5」を記憶する。
【0044】
図10に示すステップS130において、経過時間決定部170は、圃場500に残された残留群について、排出時刻から経過した経過時間を決定する。例えば、経過時間決定部170は、
図6の作業データ410に示すように、決定された経過時間に応じて、残留群が圃場500に残されている作業の「ステータス」を決定してもよい。例えば、経過時間決定部170は、経過時間が所定の時間、例えば48時間以上である作業について、「ステータス」に「警告」を記憶する。経過時間が所定の時間より小さい作業について、「ステータス」に「収穫済み」を記憶する。圃場500に収穫物群が残されている作業における「ステータス」は、経過時間に応じて3以上の状態を表してもよい。例えば、経過時間決定部170は、経過時間と2以上の所定の時間とを比較して、作業の「ステータス」を決定する。
【0045】
ステップS140において、出力部180は、収穫物群の回収に関する進捗状況を表す進捗情報を端末200に出力する。例えば、出力部180は、圃場500に残っている残留群の数量に基づき、進捗状況を決定する。例えば、出力部180は、
図3に示すように、各圃場500の残留群の数量、例えば、第1圃場500-1の残留群の数量である「1」、第2圃場500-2の残留群の数量である「1」などを進捗状況として決定する。また、出力部180は、各圃場500の残留群の数量に加えて、圃場500において排出された収穫物群の数量、例えば第1圃場500-1の収穫物群の数量である「4」、第2圃場500-2の収穫物群の数量である「1」などを進捗状況として決定してもよい。
【0046】
図10に示すステップS150において、端末200の表示部250は、作業管理装置100から取得する進捗情報を入出力装置210に表示する。例えば、表示部250は、
図3に示すように、圃場500ごとに、排出された収穫物群の数量と、残っている残留群の数量とを地図上に表す画像を表示する。例えば、圃場500は、圃場500ごとに、圃場500に残されている残留群の数量を表す残留情報510を表示する。残留情報510は、分数の形式で表示されてもよい。例えば、排出された収穫物群の数量が分母として表示され、残留している残留群の数量が分子として表示される。
【0047】
図3に示す例では、第1圃場500-1に対応する第1残留情報510-1は、収穫物群の数量が「4」であることと、残留群の数量が「1」であることとを表す。第2圃場500-2に対応する第2残留情報510-2は、収穫物群の数量が「1」であることと、残留群の数量が「1」であることとを表す。第3残留情報510-3は、収穫物群の数量が「3」であり、残留群の数量が「1」であることを表す。第4残留情報510-4は、収穫物群の数量が「6」であり、残留群の数量が「2」であることを表す。
【0048】
また、残留情報510の表示形式、例えば色彩、模様、輪郭線の太さなどは、残留群の排出時刻から経過した経過時間に応じて異なってもよい。例えば、経過時間が所定の時間以上の残留群を含む圃場500に対応する残留情報510は赤色に表示され、経過時間が所定の時間以上の残留群を含まない圃場500に対応する残留情報510は青色に表示されてもよい。例えば、第2残留情報510-2は、対応する第2圃場500-2に、経過時間が所定の時間以上の残留群を含むため、赤色に表示される。また、第1残留情報510-1は、対応する第1圃場500-1に、経過時間が所定の時間以上の残留群を含まないため、青色に表示される。表示部250は、経過時間に応じて、圃場500を3以上に分類し、圃場500の分類に応じて、対応する残留情報510を3以上の表示形式で表示してもよい。
【0049】
表示部250は、表示する地図の縮尺に応じて、進捗情報を異なる形式で表示してもよい。例えば、
図11に示すように、表示部250は、縮尺が閾値より小さいとき、地域単位で進捗情報を表示してもよい。例えば、表示部250は、排出時刻からの経過時間が所定の時間以上である残留群を含む地域を、他の地域と識別可能に地図上に表した画像を表示する。例えば、表示部250は、経過時間が所定の時間以上の残留群を含む地域を赤色で表示する。
図11に示す例において、「地域C」を表す領域は赤色に表示され、「地域A」と「地域B」とを表す領域は他の色、例えば白色に表示される。表示部250は、経過時間に応じて、地域を3以上に分類し、地域の分類に応じて、対応する領域を3以上の表示形式で表した画像を表示してもよい。なお、地域は、任意の方法で分けられた領域を表し、行政区分により分けられた領域を表してもよく、緯度と経度とに基づき分けられた領域を表してもよい。
【0050】
また、表示部250は、
図12に示すように、地域ごとに、排出されてから経過した経過時間に応じて分類した残留群の数量を表してもよい。表示部250は、排出時刻からの経過時間が所定の時間以上である残留群に対する数量を他の残留群に対する数量と識別可能に表示してもよい。例えば、
図12に示すように、表示部250は、経過時間が所定の時間以上である残留群に対する数量を表す領域を、他の残留群に対する数量を表す領域と異なる表示形式で表示してもよい。例えば、表示部250は、「地域C」において、経過時間が48時間以上の残留群の数量を表す領域を赤色に表示し、他の残留群の数量を表す領域を白色に表示する。
【0051】
このように、ユーザ、例えば管理者は、端末200に表示された画像に基づき、収穫物群の回収作業における進捗状況を確認することができる。管理者は、特に、経過時間が所定の時間以上の残留群を容易に見つけることができる。このため、管理者は、経過時間が所定の時間以上の残留群を優先して回収することを指示することができる。同様に、収穫物群を回収する作業者も、経過時間が所定の時間以上の残留群を優先して回収することができる。これにより、ユーザは、効率的に収穫物群を回収でき、長く圃場500に放置される収穫物群が低減される。
【0052】
次に、作業者が収穫物群を回収するときの作業管理システム1000の動作を説明する。作業者は、回収装置40に積載する収穫物群の情報を端末200の入出力装置210に入力する。作業者が回収する収穫物群の情報を入力するための操作を端末200の入出力装置210に入力すると、端末200の演算装置220は、作業管理方法の一部である
図13に示す処理を実行する。
【0053】
ステップS112において、端末200の演算装置220により実現される表示部250は、収穫物群の回収作業に関する進捗情報を入出力装置210に表示する。例えば、表示部250は、進捗情報を作業管理装置100に要求して、作業管理装置100から進捗情報を取得する。進捗情報を取得すると、表示部250は、進捗情報を表示する。例えば、表示部250は、圃場500に残っている残留群の情報を入出力装置210に表示する。例えば、表示部250は、地図上に、圃場500に残っている残留群の位置を表す画像を表示する。作業者は、入出力装置210に、地図上に表された残留群のうち、回収する残留群を選択する選択操作を入力する。表示部250は、選択された残留群を表す回収情報を作業管理装置100に出力する。例えば、回収情報は、選択された残留群の位置と、選択された時刻とを表す。回収情報は、選択された残留群の収穫物群番号と、選択された時刻とを表してもよい。また、回収情報は、作業者が操作する回収装置40の識別子を含む。
【0054】
ステップS114において、作業管理装置100の残留抽出部160は、端末200から取得された回収情報を作業データ410に記憶する。例えば、残留抽出部160は、
図6に示すように、回収情報に表された時刻と、回収装置40の識別子とを、回収情報に表された残留群の収穫物群番号に対応付けて作業データ410に記憶する。
【0055】
例えば、作業者が、端末200の入出力装置210において、「2022/1/10 13:00」に「収穫物群番号」が「4」である残留群を選択したとする。このとき、回収情報は、選択された時刻である「2022/1/10 13:00」と、選択された残留群の「収穫物群番号」である「4」と、作業者が操作する回収装置40の識別子とを表す。このため、残留抽出部160は、「収穫物群番号」が「4」に対応する「作業番号」が「4」である作業について、回収時刻に選択された時刻である「2022/1/10 13:00」を記憶し、「回収装置」に作業者に対応する「第2回収装置」を記憶する。
【0056】
また、残留抽出部160は、回収情報に基づき、作業データ410の「ステータス」を更新する。例えば、残留抽出部160は、回収情報に対応する作業について、「ステータス」を「搬送中」に更新する。
【0057】
図13に示すステップS120において、残留抽出部160は、作業データ410に基づき、圃場500に残っている収穫物群を抽出する。ステップS120以降の処理は、
図10に示すステップS120以降の処理と同様のため、説明を省略する。
【0058】
次に、作業者が収穫物群をポストハーベスト施設に搬入するときの作業管理システム1000の動作を説明する。作業者がポストハーベスト施設に収穫物群を搬入することを表す情報を端末200の入出力装置210に入力すると、端末200の演算装置220は、作業管理方法の一部の処理を実行する。演算装置220により実現される表示部250は、ポストハーベスト施設に収穫物群を搬入したことを表す搬入情報を作業管理装置100に出力する。例えば、搬入情報は、情報が入力された時刻と、作業者が操作する回収装置40の識別子とを表す。
【0059】
作業管理装置100の残留抽出部160は、搬入情報に基づき、
図6に示す作業データ410を更新する。例えば、残留抽出部160は、作業データ410において、搬入情報に表される回収装置40の識別子に対応する作業を抽出する。例えば、
図6に示す例において、搬入情報に表された回収装置40の識別子が「第1回収装置」を表すとき、残留抽出部160は、「第1回収装置」により作業が行われる「作業番号」が「2」である作業と、「作業番号」が「3」である作業とを抽出する。抽出された作業について、残留抽出部160は、搬入情報に表される時刻、例えば情報が入力された時刻を「搬入時刻」として作業データ410に記憶する。また、残留抽出部160は、抽出された作業の「ステータス」を「搬入済み」に更新する。
【0060】
これにより、作業データ410は、現時点における収穫物群の回収状況を表す。このため、作業管理システム1000は、作業データ410に格納された情報に基づき、ユーザに収穫物群の回収状況を報知することができる。
【0061】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。例えば、
図13に示すステップS112において、回収装置40が、回収した収穫物群に関する回収情報を作業管理装置100に出力してもよい。例えば、回収装置40は、回収する残留群の位置を測定し、測定された残留群の位置を表す回収情報を作業管理装置100に出力する。作業管理装置100の残留抽出部160は、排出位置が回収情報に表される位置に最も近い残留群を、回収装置40に回収された残留群として決定する。また、回収装置40が出力する回収情報は、残留群を回収した時刻と、回収装置40の識別子とを表す情報を含む。
【0062】
また、回収装置40がポストハーベスト施設に収穫物群を搬入するとき、ポストハーベスト施設に設けられた装置が、収穫物群を搬入する回収装置40の識別子を表す搬入情報を作業管理装置100に出力してもよい。例えば、ポストハーベスト施設に設けられた装置は、回収装置40のナンバーを読み取ることで、回収装置40の識別子を決定する。決定された回収装置40の識別子は、搬入情報として作業管理装置100に出力される。また、回収装置40が、搬入情報を作業管理装置100に出力してもよい。例えば、回収装置40は、自機がポストハーベスト施設の領域に入るときに、回収情報を出力してもよい。
【0063】
作業管理システム1000は、収穫物群が排出される時刻を推定し、推定された時刻を表す情報を端末200の入出力装置210に表示してもよい。例えば、排出決定部150は、作業装置30の稼働情報に基づき、次に収穫物群が排出される排出推定時刻を推定する。例えば、排出決定部150は、収穫していることを表す稼働情報と、排出時刻とに基づき、次に収穫物群が排出される排出推定時刻を推定する。例えば、排出決定部150は、過去の稼働情報において、隣接する2つの排出時刻の間における収穫作業の稼働情報に基づき、次に収穫物群が排出される排出推定時刻を推定する。例えば、排出決定部150は、隣接する2つの排出時刻の間において、作業装置30による収穫作業に関する情報、例えば作業時間、収穫量などの統計値、例えば平均値、中央値、最小値、最大値などに基づき、排出推定時刻を推定する。例えば、排出決定部150は、作業装置30が前回収穫物群を排出してからの作業時間を決定し、決定された作業時間と、隣接する2つの排出時刻の間における過去の作業時間との差を、作業装置30が収穫物群を排出するまでに作業を行う時間として決定する。決定された排出推定時刻は、進捗情報として、端末200に出力される。
【0064】
また、排出決定部150は、隣接する2つの排出時刻の間において、作業装置30による収穫作業に関する情報に基づき、収穫物群を排出するまでの進捗率を推定してもよい。例えば、排出決定部150は、作業装置30が前回収穫物群を排出してからの作業時間を決定し、決定された作業時間と、隣接する2つの排出時刻の間における過去の作業時間との比を、進捗率として決定する。決定された進捗率は、進捗情報として、端末200に出力される。端末200は、進捗情報に含まれる進捗率を表示する。
【0065】
作業管理システム1000は、作業装置30が圃場500に収穫物群を排出し、回収装置40が排出された収穫物群を回収する任意の作業の進捗管理を支援してもよい。例えば、収穫物群は、牧草ロールや、麦稈ロールでもよい。また、作業管理システム1000は、収穫物群の排出だけでなく、収穫物の刈り倒し、収穫物の反転などを管理してもよい。この場合、
図6に示す作業データ410は、収穫物を刈り倒す刈り倒し時刻と、1つ以上の収穫物を反転する反転時刻とを表す情報を格納する。経過時間決定部170は、刈り倒し時刻からの経過時間と、反転時刻からの経過時間とを決定し、決定された経過時間に基づき、作業のステータスを更新する。ここで、経過時間は、刈り倒し時刻または反転時刻からの日照時間を表してもよい。
【0066】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、作業管理装置100の一部、または、すべての処理を端末200が実行してもよい。また、端末200の一部、または、すべての処理を作業管理装置100が実行してもよい。
【0067】
例えば、作業管理装置100の経過時間決定部170は、端末200で実現されてもよい。この場合、経過時間決定部170は、
図10に示すステップS130において、作業データ410の「ステータス」を更新しなくてもよい。作業管理プログラム430は、表示プログラム440を含んでもよい。さらに、作業管理装置100の出力部180は、端末200で実現されてもよい。この場合、端末200の出力部180は、進捗情報を表示部250に出力する。
【0068】
また、作業管理システム1000は、端末200を含まず、作業管理システム1000に含まれない外部端末に、進捗情報を表示させてもよい。進捗情報は、圃場500に残された残留群の数量と、圃場500に排出された収穫物群の数量と、残留群の排出時刻からの経過時間との任意の組み合わせを含んでもよく、いずれか1つのみを含んでもよい。
【0069】
(付記)
各実施の形態で記載した作業管理方法と、作業管理システムと、作業管理プログラムとは以下のように言うことができる。
【0070】
第1の態様に係る作業管理方法は、
収穫物がまとめられた収穫物群が圃場に排出された排出位置と排出時刻とを表す排出情報と、前記収穫物群を回収したことを表す回収情報とに基づき、前記収穫物群のうち、前記圃場に残っている残留群を抽出することと、
抽出された前記残留群の数量に基づき、前記収穫物群の回収に関する進捗状況を表す進捗情報を出力することと、
を含む。
【0071】
第2の態様に係る作業管理方法は、第1の態様に係る作業管理方法であって、
前記進捗情報は、前記残留群の数量を表す残留情報を含む。
【0072】
第3の態様に係る作業管理方法は、第1または第2の態様に係る作業管理方法であって、
前記進捗情報は、前記圃場において排出された前記収穫物群の数量を表す情報を含む。
【0073】
第4の態様に係る作業管理方法は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る作業管理方法であって、
前記残留群が前記圃場に置かれた前記排出時刻からの経過時間を決定することをさらに含み、
前記進捗情報は、前記経過時間を表す情報を含む。
【0074】
第5の態様に係る作業管理方法は、第4の態様に係る作業管理方法であって、
前記進捗情報において、前記残留群のうち、前記経過時間が所定の時間以上である第1残留群を、他の残留群と識別可能に表示することをさらに含む。
【0075】
第6の態様に係る作業管理方法は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る作業管理方法であって、
前記収穫物を収穫する作業装置の稼働情報に基づき、前記収穫物群が排出された前記排出位置と、前記排出時刻とを決定することをさらに含む。
【0076】
第7の態様に係る作業管理方法は、第6の態様に係る作業管理方法であって、
前記排出時刻を決定することは、
前記稼働情報に基づき、前記収穫物群が排出されるときの前記作業装置の状態となった排出候補時刻を決定することと、
前記稼働情報において、隣接する2つの排出候補時刻の間に、前記作業装置が収穫を行っている状態を表す情報が含まれるとき、前記隣接する2つの排出候補時刻のうち後の排出候補時刻を前記排出時刻として決定することと、
を含む。
【0077】
第8の態様に係る作業管理方法は、第1から第7のいずれか1つの態様に係る作業管理方法であって、
隣接する2つの前記排出時刻の間に、作業装置が前記収穫物を収穫する作業に対応する前記作業装置の稼働情報に基づき、前記収穫物群が次に排出される排出推定時刻を決定することをさらに含み、
前記進捗情報は、前記排出推定時刻を表す情報を含む。
【0078】
第9の態様に係る作業管理システムは、
収穫物がまとめられた収穫物群が圃場に排出された排出位置と排出時刻とを表す排出情報と、前記収穫物群を回収したことを表す回収情報とに基づき、前記収穫物群のうち、前記圃場に残っている残留群を抽出する残留抽出部と、
抽出された前記残留群の数量に基づき、前記収穫物群の回収に関する進捗状況を表す進捗情報を出力する出力部と、
を備える。
【0079】
第10の態様に係る作業管理プログラムは、
収穫物がまとめられた収穫物群が圃場に排出された排出位置と排出時刻とを表す排出情報と、前記収穫物群を回収したことを表す回収情報とに基づき、前記収穫物群のうち、前記圃場に残っている残留群を抽出することと、
抽出された前記残留群の数量に基づき、前記収穫物群の回収に関する進捗状況を表す進捗情報を出力することと、
を演算装置に実行させる。
【符号の説明】
【0080】
1、2 :記憶媒体
20 :ネットワーク
30 :作業装置
40 :回収装置
100 :作業管理装置
110 :入出力装置
120 :演算装置
130 :通信装置
140 :記憶装置
150 :排出決定部
160 :残留抽出部
170 :経過時間決定部
180 :出力部
200 :端末
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :表示部
310 :引起し装置
320 :刈取装置
330 :搬送装置
340 :風選装置
350 :排出装置
351 :油圧シリンダ
352 :容器係止部
353 :収容容器
410 :作業データ
420 :圃場データ
430 :作業管理プログラム
440 :表示プログラム
500 :圃場
510 :残留情報
1000 :作業管理システム