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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004318
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】層転写装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/00 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
B65C9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103923
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】市川 智也
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095BA03
3E095DA06
3E095DA82
3E095EA28
3E095EA34
3E095EA36
3E095FA03
(57)【要約】
【課題】メモリに記憶された情報を読み出すこと、および、多層フィルムのたるみを抑制する。
【解決手段】層転写装置1Aは、シートSに転写層を転写する層転写装置であって、開口を有する筐体本体21と、開口21Aから筐体本体21に着脱可能なカートリッジ(層転写用フィルムカートリッジFC)と、電気接点150Aと、抵抗付与部材RMと、を備える。カートリッジは、転写層F22と転写層F22を支持する支持層F1とを有する多層フィルムFが巻回された供給リール31と、多層フィルムFを巻き取るための巻取リール35と、接触面を有するメモリ100Aと、を有する。電気接点150Aは、カートリッジが筐体本体21に装着された場合に、接触面と接触する。抵抗付与部材RMは、供給リール31の回転に抵抗を付与する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに転写層を転写する層転写装置であって、
開口を有する筐体本体と、
前記開口から前記筐体本体に着脱可能なカートリッジであって、
前記転写層と、前記転写層を支持する支持層と、を有する多層フィルムが巻回された供給リールと、
前記多層フィルムを巻き取るための巻取リールと、
接触面を有するメモリと、を有するカートリッジと、
前記カートリッジが前記筐体本体に装着された場合に、前記接触面と接触する電気接点と、
前記供給リールの回転に抵抗を付与する抵抗付与部材と、を備えることを特徴とする層転写装置。
【請求項2】
前記開口は、前記筐体本体の上部に位置し、
前記メモリは、前記カートリッジの上面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の層転写装置。
【請求項3】
開位置と閉位置に移動可能であり、前記開位置に位置する場合に前記開口を覆わず、前記閉位置に位置する場合に前記開口を覆うアッパーカバーを備え、
前記電気接点は、
前記アッパーカバーに配置され、
前記アッパーカバーが前記開位置に位置する場合に前記メモリと接触せず、
前記アッパーカバーが前記閉位置に位置する場合に前記メモリと接触することを特徴とする請求項2に記載の層転写装置。
【請求項4】
前記カートリッジは、前記供給リールを回転可能に保持する供給ホルダをさらに有し、
前記メモリは、前記供給ホルダに配置されていることを特徴とする請求項3に記載の層転写装置。
【請求項5】
前記カートリッジは、前記巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダをさらに有し、
前記メモリは、前記巻取ホルダに配置されていることを特徴とする請求項3に記載の層転写装置。
【請求項6】
前記カートリッジは、
前記供給リールを回転可能に保持する供給ホルダと、
前記巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダと、
前記供給ホルダと前記巻取ホルダを連結する連結部と、をさらに有し、
前記メモリは、前記連結部に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の層転写装置。
【請求項7】
前記開口は、前記筐体本体の上部に位置し、
前記カートリッジは、前記巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダをさらに有し、
前記メモリは、前記巻取ホルダの下面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の層転写装置。
【請求項8】
前記シートと前記転写層を重ねた状態で加熱および加圧する転写部を備え、
前記転写部は、前記カートリッジが前記筐体本体に装着された状態で、前記シートの搬送方向において前記供給リールと前記巻取リールとの間に位置し、
前記供給リールは、前記搬送方向の上流側に位置し、
前記カートリッジは、前記供給リールを回転可能に保持する供給ホルダをさらに有し、
前記メモリは、前記搬送方向における前記供給ホルダの上流側の端面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の層転写装置。
【請求項9】
前記シートと前記転写層を重ねた状態で加熱および加圧する転写部を備え、
前記転写部は、前記カートリッジが前記筐体本体に装着された状態で、前記シートの搬送方向において前記供給リールと前記巻取リールとの間に位置し、
前記巻取リールは、前記シートの搬送方向の下流側に位置し、
前記カートリッジは、前記巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダをさらに有し、
前記メモリは、前記搬送方向における前記巻取ホルダの下流側の端面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の層転写装置。
【請求項10】
前記巻取リールは、前記供給リールより下に位置することを特徴とする請求項9に記載の層転写装置。
【請求項11】
前記開口は、前記カートリッジが前記筐体本体に装着された状態における前記供給リールの軸に沿った軸方向において、前記筐体本体の一方側に位置し、
前記メモリは、前記カートリッジが前記筐体本体に装着された状態で、前記軸方向において、前記カートリッジの前記一方側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の層転写装置。
【請求項12】
開位置と閉位置に移動可能であり、前記開位置に位置する場合に前記開口を覆わず、前記閉位置に位置する場合に前記開口を覆うサイドカバーを備え、
前記電気接点は、
前記サイドカバーに配置され、
前記サイドカバーが前記開位置に位置する場合に前記メモリと接触せず、
前記サイドカバーが前記閉位置に位置する場合に前記メモリと接触することを特徴とする請求項11に記載の層転写装置。
【請求項13】
前記カートリッジは、前記供給リールを回転可能に保持する供給ホルダをさらに有し、
前記メモリは、前記供給ホルダに配置されていることを特徴とする請求項12に記載の層転写装置。
【請求項14】
前記カートリッジは、前記巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダをさらに有し、
前記メモリは、前記巻取ホルダに配置されていることを特徴とする請求項12に記載の層転写装置。
【請求項15】
前記カートリッジは、
前記供給リールを回転可能に保持する供給ホルダと、
前記巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダと、
前記供給ホルダと前記巻取ホルダを連結する連結部と、をさらに有し、
前記メモリは、前記連結部に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の層転写装置。
【請求項16】
開位置と閉位置に移動可能であり、前記開位置に位置する場合に前記開口を覆わず、前記閉位置に位置する場合に前記開口を覆うサイドカバーを備え、
前記電気接点は、前記軸方向において、前記筐体本体の他方側に位置し、
前記カートリッジは、前記巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダをさらに有し、
前記メモリは、前記軸方向において、前記巻取ホルダの他方側に配置され、
前記カートリッジは、前記カートリッジが前記筐体本体に装着された状態で、前記電気接点と前記サイドカバーの間に位置することを特徴とする請求項11に記載の層転写装置。
【請求項17】
開位置と閉位置に移動可能であり、前記開位置に位置する場合に前記開口を覆わず、前記閉位置に位置する場合に前記開口を覆うサイドカバーを備え、
前記電気接点は、前記軸方向において、前記筐体本体の他方側に位置し、
前記カートリッジは、
前記供給リールを回転可能に保持する供給ホルダと、
前記巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダと、
前記供給ホルダと前記巻取ホルダを連結する連結部と、をさらに有し、
前記メモリは、前記軸方向において、前記連結部の他方側に配置され、
前記カートリッジは、前記カートリッジが前記筐体本体に装着された状態で、前記電気接点と前記サイドカバーの間に位置することを特徴とする請求項11に記載の層転写装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに転写層を転写する層転写装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートに転写層を転写する層転写装置が知られている(特許文献1参照)。この装置には、転写層の取り替えを容易にするためのカートリッジが装着可能である。カートリッジは、箔が巻回されたリール(コア)と、転写層を巻き取るためのリール(コア)を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-290685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、フィルムカートリッジの仕様や、フィルムカートリッジの使用履歴などの情報をメモリに記憶させ、メモリに記憶された情報に基づいて層転写装置を制御することが求められている。
また、フィルムカートリッジの多層フィルムは、たるみやすいので、たるみを抑制することが求められている。
【0005】
そこで、本発明は、層転写装置において、メモリに記憶された情報を読み出すこと、および、多層フィルムのたるみを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明に係る層転写装置は、シートに転写層を転写する層転写装置であって、開口を有する筐体本体と、開口から筐体本体に着脱可能なカートリッジと、電気接点と、抵抗付与部材と、を備える。
カートリッジは、転写層と転写層を支持する支持層とを有する多層フィルムが巻回された供給リールと、多層フィルムを巻き取るための巻取リールと、接触面を有するメモリと、を有する。電気接点は、カートリッジが筐体本体に装着された場合に、接触面と接触する。抵抗付与部材は、供給リールの回転に抵抗を付与する。
【0007】
この構成によれば、メモリに記憶された情報を読み出すことができると共に、多層フィルムのたるみを抑制することができる。
【0008】
また、前記した層転写装置において、開口は、筐体本体の上部に位置し、メモリは、カートリッジの上面に配置されている構成としてもよい。
【0009】
この構成によれば、カートリッジが筐体本体の上方向から着脱され、メモリがカートリッジの上面に配置されているため、カートリッジの着脱時にメモリが電気接点と擦れてしまうことを抑制することができる。
【0010】
また、前記した層転写装置において、開位置と閉位置に移動可能であり、開位置に位置する場合に開口を覆わず、閉位置に位置する場合に開口を覆うアッパーカバーを備え、電気接点は、アッパーカバーに配置され、アッパーカバーが開位置に位置する場合にメモリと接触せず、アッパーカバーが閉位置に位置する場合にメモリと接触する構成としてもよい。
【0011】
この構成によれば、アッパーカバーを閉じた場合にだけ電気接点がメモリと接触するため、カートリッジを着脱するときに電気接点とメモリが不必要に接触することを抑制することができる。また、アッパーカバーを閉じた場合にだけメモリと通信可能であることで、カートリッジが装着され、かつ、カバーが閉じられたことをメモリとの通信に基づいて検知することができる。
【0012】
また、前記した層転写装置において、カートリッジは、供給リールを回転可能に保持する供給ホルダをさらに有し、メモリは、供給ホルダに配置されている構成としてもよい。
【0013】
また、前記した層転写装置において、カートリッジは、巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダをさらに有し、メモリは、巻取ホルダに配置されている構成としてもよい。
【0014】
また、前記した層転写装置において、カートリッジは、供給リールを回転可能に保持する供給ホルダと、巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダと、供給ホルダと巻取ホルダを連結する連結部と、をさらに有し、メモリは、連結部に配置されている構成としてもよい。
【0015】
また、前記した層転写装置において、開口は、筐体本体の上部に位置し、カートリッジは、巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダをさらに有し、メモリは、巻取ホルダの下面に配置されている構成としてもよい。
【0016】
この構成によれば、カートリッジを筐体本体の上方向から着脱する場合、メモリが巻取ホルダの下面に位置することで、着脱時にメモリが擦れてしまうことを抑制することができる。また、カートリッジの装着後は、カートリッジの重みで電気接点とメモリの接触が安定する。
【0017】
また、前記した層転写装置において、シートと転写層を重ねた状態で加熱および加圧する転写部を備え、転写部は、カートリッジが筐体本体に装着された状態で、シートの搬送方向において供給リールと巻取リールとの間に位置し、供給リールは、搬送方向の上流側に位置し、カートリッジは、供給リールを回転可能に保持する供給ホルダをさらに有し、メモリは、搬送方向における供給ホルダの上流側の端面に配置されている構成としてもよい。
【0018】
この構成によれば、メモリを転写部からなるべく離れた位置に配置できる。このため、熱によるメモリの劣化を抑制することができる。
【0019】
また、前記した層転写装置において、シートと転写層を重ねた状態で加熱および加圧する転写部を備え、転写部は、カートリッジが筐体本体に装着された状態で、シートの搬送方向において供給リールと巻取リールとの間に位置し、巻取リールは、シートの搬送方向の下流側に位置し、カートリッジは、巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダをさらに有し、メモリは、搬送方向における巻取ホルダの下流側の端面に配置されている構成としてもよい。
【0020】
この構成によれば、メモリを転写部からなるべく離れた位置に配置できる。このため、熱によるメモリの劣化を抑制することができる。
【0021】
また、前記した層転写装置において、巻取リールは、供給リールより下に位置する構成としてもよい。
【0022】
この構成によれば、カートリッジの装着後は、カートリッジの重みで電気接点とメモリの接触が安定する。
【0023】
また、前記した層転写装置において、開口は、カートリッジが筐体本体に装着された状態における供給リールの軸に沿った軸方向において、筐体本体の一方側に位置し、メモリは、カートリッジが筐体本体に装着された状態で、軸方向において、カートリッジの一方側に配置されている構成としてもよい。
【0024】
この構成によれば、カートリッジを軸方向に着脱する構成において、メモリが軸方向の一方側に配置されるので、カートリッジを着脱する場合に、メモリが擦れることが抑制される。
【0025】
また、前記した層転写装置において、開位置と閉位置に移動可能であり、開位置に位置する場合に開口を覆わず、閉位置に位置する場合に開口を覆うサイドカバーを備え、電気接点は、サイドカバーに配置され、サイドカバーが開位置に位置する場合にメモリと接触せず、サイドカバーが閉位置に位置する場合にメモリと接触する構成としてもよい。
【0026】
この構成によれば、サイドカバーを閉じた場合にだけ電気接点がメモリと接触するため、カートリッジを装着するときに電気接点とメモリが不必要に接触しない。また、メモリと通信することで、カートリッジが装着されたこと、および、カバーが閉じられたことを検知することができる。
【0027】
また、前記した層転写装置において、カートリッジは、供給リールを回転可能に保持する供給ホルダをさらに有し、メモリは、供給ホルダに配置されている構成としてもよい。
【0028】
また、前記した層転写装置において、カートリッジは、巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダをさらに有し、メモリは、巻取ホルダに配置されている構成としてもよい。
【0029】
また、前記した層転写装置において、カートリッジは、供給リールを回転可能に保持する供給ホルダと、巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダと、供給ホルダと巻取ホルダを連結する連結部と、をさらに有し、メモリは、連結部に配置されている構成としてもよい。
【0030】
また、前記した層転写装置において、開位置と閉位置に移動可能であり、開位置に位置する場合に開口を覆わず、閉位置に位置する場合に開口を覆うサイドカバーを備え、電気接点は、軸方向において、筐体本体の他方側に位置し、カートリッジは、巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダをさらに有し、メモリは、軸方向において、巻取ホルダの他方側に配置され、カートリッジは、カートリッジが筐体本体に装着された状態で、電気接点とサイドカバーの間に位置する構成としてもよい。
【0031】
この構成によれば、カートリッジを着脱する場合に、メモリが擦れることを抑制することができる。
【0032】
また、前記した層転写装置において、開位置と閉位置に移動可能であり、開位置に位置する場合に開口を覆わず、閉位置に位置する場合に開口を覆うサイドカバーを備え、電気接点は、軸方向において、筐体本体の他方側に位置し、カートリッジは、供給リールを回転可能に保持する供給ホルダと、巻取リールを回転可能に保持する巻取ホルダと、供給ホルダと巻取ホルダを連結する連結部と、をさらに有し、メモリは、軸方向において、連結部の他方側に配置され、カートリッジは、カートリッジが筐体本体に装着された状態で、電気接点とサイドカバーの間に位置する構成としてもよい。
【0033】
この構成によれば、カートリッジを着脱する場合に、メモリが擦れることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、層転写装置において、メモリに記憶された情報を読み出すこと、および、多層フィルムのたるみを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】第1実施形態に係る層転写装置を示す図(a)と、多層フィルムの構成を示す断面図(b)である。
図2】カバーを開けて層転写装置から層転写用フィルムカートリッジを取り出した状態を示す図である。
図3】層転写用フィルムカートリッジと筐体本体を示す斜視図である。
図4】供給リールの軸方向の一端側の構造を示す断面図であり、第1抵抗付与部材を説明する図である。
図5】供給リールの軸方向の他端側の構造を示す断面図であり、第2抵抗付与部材を説明する図である。
図6】第2実施形態に係る層転写装置を示す図である。
図7】第3実施形態に係る層転写装置を示す図である。
図8】第4実施形態に係る層転写装置を示す図である。
図9】第5実施形態に係る層転写装置を示す図(a)と、第6実施形態に係る層転写装置を示す図(b)である。
図10】第7実施形態に係る層転写装置を示す図である。
図11】第8実施形態に係る層転写装置を示す図である。
図12】第9実施形態に係る層転写装置を示す図である。
図13】第10実施形態に係る層転写装置を示す図である。
図14】第11実施形態に係る層転写装置を示す図(a)と、第12実施形態に係る層転写装置を示す図(b)である。
図15】第13実施形態に係る層転写装置を示す図(a)と、第14実施形態に係る層転写装置を示す図(b)である。
図16】第15実施形態に係る層転写装置を示す図(a)と、第16実施形態に係る層転写装置を示す図(b)と、第17実施形態に係る層転写装置を示す図(c)である。
図17】第18実施形態に係る層転写装置を示す図(a)と、第19実施形態に係る層転写装置を示す図(b)と、第20実施形態に係る層転写装置を示す図(c)である。
図18】第21実施形態に係る層転写装置を示す図(a)と、第22実施形態に係る層転写装置を示す図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明では、供給リール31の回転軸X1に沿った第1軸方向または巻取リール35の回転軸X2に沿った第2軸方向を、単に「軸方向」とも称する。また、回転軸X1,X2を結ぶ直線に沿った軸間方向を、単に「軸間方向」とも称する。また、軸方向と直交し、かつ、軸間方向と直交する方向を、単に「直交方向」とも称する。
【0037】
図1(a)に示すように、層転写装置1Aは、シートSに転写層を転写する装置である。層転写装置1Aは、例えば、画像形成装置等でシートSにトナー像を形成した後、シートSのトナー像の上にアルミニウム等の箔を有する転写層を転写する。つまり、層転写装置1Aは、シートSのトナー像の上に箔を転写することで、シートSに箔の画像を形成している。層転写装置1Aは、筐体2と、シート搬送部10と、フィルム供給部30と、転写部50と、電気接点150Aと、制御部160と、メインモータ170と、抵抗付与部材RMを備えている。
【0038】
図1(b)に示すように、多層フィルムFは、複数の層からなるフィルムである。詳しくは、多層フィルムFは、支持層F1と、被支持層F2とを有する。支持層F1は、高分子材料からなるテープ状の透明な基材であり、被支持層F2を支持している。被支持層F2は、例えば、剥離層F21と、転写層F22と、接着層F23とを有する。剥離層F21は、支持層F1から転写層F22を剥離しやすくするための層であり、支持層F1と転写層F22との間に配置されている。剥離層F21は、支持層F1から剥離しやすい透明な材料、例えばワックス系樹脂を含んでいる。
【0039】
転写層F22は、トナー像に転写される層であり、箔を含んでいる。箔とは、金、銀、銅、アルミニウム等の金属であって薄く形成された金属である。また、転写層F22は、金色、銀色、赤色などの着色材料と、熱可塑性樹脂とを含む。転写層F22は、剥離層F21と接着層F23との間に配置されている。
【0040】
接着層F23は、転写層F22をトナー像に接着しやすくするための層である。接着層F23は、後述する転写部50によって加熱されたトナー像に付着しやすい材料、例えば塩化ビニル系樹脂やアクリル系樹脂を含んでいる。
【0041】
図1(a)に示すように、筐体2は、筐体本体21と、カバーの一例としてのアッパーカバー22とを備えている。
【0042】
筐体本体21は、開口21Aと、第1ガイドGD1と、第2ガイドGD2と(図2も参照)を有している。本実施形態では、開口21Aは筐体本体21の上部に位置する(図3も参照)。開口21Aは、筐体本体21に後述する層転写用フィルムカートリッジFCを着脱するための開口である。第1ガイドGD1および第2ガイドGD2は、後述するカートリッジの一例としての層転写用フィルムカートリッジFCが筐体本体21に着脱される際に層転写用フィルムカートリッジFCをガイドする溝である。
【0043】
アッパーカバー22は、開口21Aを開閉するための部材である。アッパーカバー22は、筐体本体21に回動可能に支持されている。アッパーカバー22は、開口21Aを覆う閉位置(図1(a)の位置)と、開口21Aを覆わない開位置(図2の位置)との間で移動可能となっている。なお、図3では、図を見やすくするためのアッパーカバー22を省略している。
【0044】
シート搬送部10は、シート供給機構11と、シート排出機構12とを備えている。シート搬送部10は、メインモータ170によって回転駆動される。シート供給機構11は、図示せぬシートトレイ上のシートSを一枚ずつ転写部50に向けて搬送する機構である。
【0045】
シート排出機構12は、転写部50を通過したシートSを筐体2の外部に排出する機構である。
【0046】
フィルム供給部30は、シート供給機構11から搬送されたシートSに重ねるように多層フィルムFを供給する部分である。フィルム供給部30は、カートリッジの一例としての層転写用フィルムカートリッジFCと、第1案内軸41と、第2案内軸42とを備えている。第1案内軸41および第2案内軸42は、筐体本体21に設けられている(図2参照)。
【0047】
図2に示すように、層転写用フィルムカートリッジFCは、開口21Aを通して筐体本体21に着脱可能となっている。層転写用フィルムカートリッジFCは、多層フィルムFを支持するカートリッジである。
【0048】
図3に示すように、層転写用フィルムカートリッジFCは、供給部310と、巻取部350と、連結部70と、ハンドル80と、支持部材90と、メモリ100Aと、を備えている。
【0049】
供給部310は、供給リール31と、供給ホルダ32を有する。供給リール31は、多層フィルムFが巻回されたリールである。供給リール31は、多層フィルムFが巻回される供給軸部31Aを有している。供給軸部31Aには、多層フィルムFの一端が固定されている。供給ホルダ32は、供給リール31を収容するケース状のホルダである。供給ホルダ32は、中空の略円柱状に形成されている。本実施形態では、メモリ100Aは、供給ホルダ32の上面に配置されている。
【0050】
巻取部350は、巻取リール35と、巻取ギヤ35Cと、巻取ホルダ36と、シャフト43とを有する。巻取リール35は、多層フィルムFを巻き取るためのリールである。巻取リール35は、多層フィルムFを巻き取るための巻取軸部35Aを有している。巻取軸部35Aには、多層フィルムFの他端が固定されている。巻取軸部35Aは、メインモータ170によって回転駆動される。巻取ギヤ35Cは、メインモータ170からの駆動力を受けるギヤである。巻取ホルダ36は、巻取リール35を収容するケース状のホルダである。巻取ホルダ36は、中空の略円柱状に形成されている。
【0051】
シャフト43は、軸方向に沿って延びる軸形状を有している。シャフト43は、巻取ホルダ36から離れて配置されている。
【0052】
連結部70は、供給ホルダ32と巻取ホルダ36とを連結する部材である。本実施形態では、連結部70は、第1連結部71と、第2連結部72とを有している。第1連結部71および第2連結部72は、軸方向と直交する方向に延びている。第1連結部71は、軸方向における供給部310の一端と、軸方向における巻取部350の一端とを連結している。第2連結部72は、軸方向における供給部310の他端と、軸方向における巻取部350の他端とを連結している。
【0053】
ハンドル80は、ユーザの指がフックされることを許容する部位である。ハンドル80は、第1ハンドル81と、第2ハンドル82とを有している。第1ハンドル81は、軸方向に延びるように供給部310に配置されている。第2ハンドル82は、軸方向に延びるように巻取部350に配置されている。
【0054】
支持部材90は、シャフト43を支持する部材である。支持部材90は、第1側板91と、第2側板92とを有している。第1側板91および第2側板92は、巻取ホルダ36または連結部70に固定されている。
【0055】
メモリ100Aは、情報を記憶する媒体であり、例えばICチップである。前述したように、本実施形態では、メモリ100Aは、層転写用フィルムカートリッジFCの上面に配置されている。メモリ100Aは、接触面120を有する。
【0056】
本実施形態では、接触面120は、層転写用フィルムカートリッジFCを装着する装着方向を向いている。図2に示すように、本実施形態では、装着方向は、直交方向である。なお、例えば、軸方向および軸間方向に直交する方向に対して多少傾いた角度(例えば、±20°の範囲内の角度)を向く方向を、着脱方向としてもよい。
【0057】
メモリ100Aは、多層フィルムFの仕様情報および使用履歴情報を記憶可能である。多層フィルムFの仕様情報は、多層フィルムFの種類、多層フィルムFの幅、新品の多層フィルムFの長さなどである。多層フィルムFの使用履歴情報は、多層フィルムFを使用した長さ、多層フィルムFの残量すなわち未使用の多層フィルムFの長さ、層転写用フィルムカートリッジFCを初めて使用してからの経過時間、などである。なお、多層フィルムFを使用した長さは、回転軸や巻取ギヤの回転量から算出されてもよい。
【0058】
第1案内軸41は、多層フィルムFを案内する軸である。詳しくは、第1案内軸41は、供給リール31から引き出される多層フィルムFに接触して、多層フィルムFの進行方向を変更する。第1案内軸41は、例えば、SUS(ステンレス鋼)からなっている。
【0059】
第2案内軸42は、多層フィルムFを案内する軸である。詳しくは、第2案内軸42は、第1案内軸41で案内された多層フィルムFに接触して、多層フィルムFの進行方向を変更する。第2案内軸42は、例えば、SUSからなっている。
【0060】
層転写用フィルムカートリッジFCが筐体本体21に装着された状態において、第1案内軸41および第2案内軸42は、多層フィルムFの面のうち支持層F1によって形成される第1面FA(図1(b)参照)に接触している。また、層転写用フィルムカートリッジFCが筐体本体21に装着された状態において、第1案内軸41と第2案内軸42の間に張架される多層フィルムFの面のうち第1面FAと反対側の面であって、転写層F22を含む被支持層F2によって形成される第2面FB(図1(b)参照)が、シート搬送部10によって搬送されるシートSや、加圧ローラ51と、接触する。
【0061】
シャフト43は、シートSから多層フィルムFを剥離させるときの多層フィルムFの角度を調整するための部材であり、多層フィルムFの第2面FBに接触している。シャフト43は、第2案内軸42で案内された多層フィルムFに接触して、多層フィルムFの進行方向を変更する。シャフト43が第2案内軸42と巻取リール35の間で張架される多層フィルムFの第2面FBに押し当てられることで、第2案内軸42で案内された多層フィルムFの進行方向が変更され、第2案内軸42を起点に折り曲げられた多層フィルムFの角度(以下、「剥離角度」ともいう。)がより小さくなるように調整されている。
【0062】
第1案内軸41は、トナー像が形成された面を下にした状態で搬送されるシートSに対して、供給リール31から引き出された多層フィルムFを下から重ねるように案内している。第1案内軸41は、供給リール31から引き出された多層フィルムFの搬送方向を変えて、シートSの搬送方向と略平行に多層フィルムFを案内する。
【0063】
第2案内軸42は、転写部50を通過した多層フィルムFと接触し、転写部50を通過した多層フィルムFの搬送方向をシートSの搬送方向とは異なる方向に変更することで、多層フィルムFをシートSから離れる方向に案内する剥離ローラである。転写部50を通過してシートSと重なった状態で搬送された多層フィルムFは、第2案内軸42を通過する際にシートSとは異なる方向に案内され、シートSから剥離される。
【0064】
転写部50は、シートSと多層フィルムFを重ねた状態で加熱および加圧することで、シートSに形成されたトナー像の上に転写層F22を転写するための部分である。転写部50は、加圧ローラ51と、加熱ローラ61とを備えている。転写部50は、加圧ローラ51と加熱ローラ61のニップ部において、シートSと多層フィルムFを重ねて加熱および加圧する。
【0065】
加圧ローラ51は、円筒状の芯金の周囲をシリコンゴムからなるゴム層で被覆したローラである。加圧ローラ51は、多層フィルムFの上側に配置され、シートSの裏面(トナー像が形成された面と反対側の面)と接触可能となっている。
【0066】
加圧ローラ51は、両端部がアッパーカバー22に回転可能に支持されている。加圧ローラ51は、加熱ローラ61との間でシートSおよび多層フィルムFを挟み、メインモータ170によって回転駆動されることで加熱ローラ61を従動回転させる。このように加圧ローラ51と加熱ローラ61との間でシートSおよび多層フィルムFを挟んだ状態で、加圧ローラ51および加熱ローラ61が回転することで、シートSおよび多層フィルムFが搬送される。
【0067】
加熱ローラ61は、円筒状に形成された金属管の内部にヒータを配置したローラであり、多層フィルムFおよびシートSを加熱している。加熱ローラ61は、多層フィルムFの下側に配置され、多層フィルムFの第1面FAと接触している。
【0068】
電気接点150Aは、アッパーカバー22に配置されている。電気接点150Aは、アッパーカバー22が開位置に位置する場合にメモリ100Aと接触せず、アッパーカバー22が閉位置に位置する場合にメモリ100Aと接触するようになっている。このように、電気接点150Aは、層転写用フィルムカートリッジFCが筐体本体21に装着された場合に、メモリ100Aの接触面120と接触するようになっている。
【0069】
制御部160は、CPU,ROM,RAM、不揮発性メモリなどを有し、予め用意されたプログラムに基づいて各種制御を行うように構成される。ROM,RAM、不揮発性メモリなどには、層転写制御に必要なデータとして、例えば、多層フィルムFの使用情報や多層フィルムFの使用履歴情報が記憶されている。制御部160は、電気接点150Aを介してメモリ100Aと通信可能である。具体的には、制御部160は、メモリ100Aに記憶された情報を読み込むことが可能である。また、制御部160は、層転写に応じて更新された多層フィルムFの使用履歴情報などの情報をメモリ100Aに書き込むことも可能である。
【0070】
メインモータ170は、筐体本体21内に位置する。メインモータ170は、制御部160からの指令によって、図示せぬギヤ列を介して、シート搬送部10および巻取リール35を駆動させる。
【0071】
抵抗付与部材RMは、供給リール31の回転に抵抗を付与する部材である。本実施形態において、抵抗付与部材RMは、第1抵抗付与部材RM1と、第2抵抗付与部材RM2を有している。第1抵抗付与部材RM1は、供給リール31の軸方向の一端に設けられている(図4参照)。第2抵抗付与部材RM2は、供給リール31の軸方向の他端に設けられている(図5参照)。
【0072】
第1抵抗付与部材RM1は、供給リール31を回転可能に支持する供給ホルダ32との間で摩擦力を発生させることで供給リール31に負荷トルクを付与する。
【0073】
図4に示すように、第1抵抗付与部材RM1は、供給リール31に固定される固定部材RM11と、固定部材RM11に対して軸方向に移動可能な可動部材RM12と、固定部材RM11と可動部材RM12との間に配置されるコイルバネRM13と、供給ホルダ32に固定される摩擦パッドRM14とを備えている。
【0074】
固定部材RM11は、円筒状に形成された供給軸部31Aに嵌合されることで、供給軸部31Aに固定されている。可動部材RM12は、固定部材RM11によって軸方向に移動可能に支持されている。
【0075】
そして、可動部材RM12は、コイルバネRM13によって摩擦パッドRM14に付勢されている。第1抵抗付与部材RM1は、供給リール31が回転すると、可動部材RM12と摩擦パッドRM14との間で摩擦力が生じることで、供給リール31に負荷トルクを付与するようになっている。
【0076】
図5に示すように、本実施形態では、第2抵抗付与部材RM2は、供給リール31に負荷トルクを付与するトルクリミッタである。第2抵抗付与部材RM2は、筐体ギヤ21GおよびクラッチCTを介して供給リール31のギヤ機構130に連結されている。
【0077】
ギヤ機構130は、フレームギヤ131と、ギヤ列132とを備えている。フレームギヤ131は、筐体本体21に設けられる筐体ギヤ21Gと噛み合うギヤである。フレームギヤ131は、筐体ギヤ21GおよびクラッチCTを介して、第2抵抗付与部材RM2に連結されている。
【0078】
ギヤ列132は、フレームギヤ131と供給ギヤ31Gを連結するギヤ列である。ギヤ列132は、第1ギヤ133と、第2ギヤ134とを備えている。第1ギヤ133は、フレームギヤ131に噛み合っている。第2ギヤ134は、2段ギヤであり、大径ギヤ部134Aと、小径ギヤ部134Bとを有する。
【0079】
大径ギヤ部134Aは、小径ギヤ部134Bよりも大径のギヤである。大径ギヤ部134Aは、第1ギヤ133に噛み合っている。小径ギヤ部134Bは、供給ギヤ31Gに噛み合っている。第2抵抗付与部材RM2は、クラッチCTが接続された状態で、供給リール31が回転すると、供給リール31に負荷トルクを付与するようになっている。
【0080】
このように構成された層転写装置1Aでは、図1に示すように、シートSの表面を下向きにして図示せぬシートトレイに載置されたシートSが、シート供給機構11により一枚ずつ転写部50に向けて搬送される。シートSは、転写部50のシート搬送方向における上流側で、供給リール31から供給された多層フィルムFと重ねられ、シートSのトナー像と多層フィルムFが接触した状態で転写部50に搬送される。
【0081】
転写部50においては、シートSと多層フィルムFが加圧ローラ51と加熱ローラ61の間のニップ部を通過する際に、加熱ローラ61と加圧ローラ51により加熱および加圧され、トナー像の上に転写層F22が転写される。なお、以下の説明では、トナー像への転写層F22の転写を、単に「層転写」とも称する。
【0082】
層転写が行われた後、シートSと多層フィルムFは密着した状態で第2案内軸42まで搬送される。シートSと多層フィルムFが第2案内軸42を通過すると、多層フィルムFの搬送方向がシートSの搬送方向と異なる方向に変わるため、シートSから多層フィルムFが剥離される。
【0083】
シートSから剥離された多層フィルムFは、巻取リール35に巻き取られていく。一方、多層フィルムFが剥離されたシートSは、シート排出機構12によって、箔が転写された表面を下に向けた状態で、筐体2の外部に排出される。
【0084】
以上の構成によれば、本実施形態において次のような作用・効果を得ることができる。
層転写装置1Aは、装置本体に装着される層転写用フィルムカートリッジFCがメモリ100Aを有する。このため、層転写装置1Aは、メモリ100Aから層転写用フィルムカートリッジFCの仕様などのデータを読み出すことで、層転写カートリッジに関する情報を得ることができる。この結果、その層転写用フィルムカートリッジFCの仕様に応じた最適な条件で層転写することが可能である。
また、層転写装置1Aは、層転写用フィルムカートリッジFCが供給リール31に抵抗を付与する抵抗付与部材として、第1抵抗付与部材RM1および第2抵抗付与部材RM2を有する。この第1抵抗付与部材RM1および第2抵抗付与部材RM2が供給リール31の回転に抵抗を付与することで、多層フィルムFのたるみを抑制することができる。
このように、層転写装置1Aによれば、メモリ100Aに記憶された情報を読み出すことができると共に、多層フィルムFのたるみを抑制することができるので、適切な層転写を実行することができる。
【0085】
また、筐体本体21の開口21Aは、筐体本体21の上部に位置し、これに対応して、メモリ100Aは、層転写用フィルムカートリッジFCの上面に配置されている。すなわち、層転写用フィルムカートリッジFCが筐体本体21の上方向から着脱され、メモリ100Aが層転写用フィルムカートリッジFCの上面に配置されている。このため、メモリ100Aの接触面120は、層転写用フィルムカートリッジFCの着脱方向と略直交する方向を向いている。この結果、層転写用フィルムカートリッジFCの着脱時にメモリ100Aが電気接点150Aと擦れてしまうことを抑制することができる。
【0086】
また、メモリ100Aの接触面120と接触する電気接点150Aは、アッパーカバー22が開位置に位置する場合にメモリ100Aと接触せず、アッパーカバー22が閉位置に位置する場合にメモリ100Aと接触する。このため、アッパーカバー22を閉じた場合にだけ電気接点150Aがメモリ100Aと接触する。この結果、層転写用フィルムカートリッジFCを着脱するときに電気接点150Aとメモリ100Aが不必要に接触することを抑制することができる。また、アッパーカバー22を閉じた場合にだけメモリ100Aと通信可能であることで、層転写用フィルムカートリッジFCが装着され、かつ、アッパーカバー22が閉じられたことをメモリとの通信に基づいて検知することができる。具体的には、制御部160は、メモリ100Aと通信できたと判定した場合に、層転写用フィルムカートリッジFCが装着され、かつ、アッパーカバー22が閉じられたと判定する。
【0087】
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態では、メモリの配置場所が第1実施形態と異なる。
図6に示すように、第2実施形態の層転写装置1Bでは、メモリ100Bが巻取ホルダ36の上面に配置されている。メモリ100Bの接触面は、上方を向いている。そして、層転写装置1Bの電気接点150Bは、アッパーカバー22が閉位置に位置する場合にメモリ100Bと接触する位置に配置されている。電気接点150Bは、アッパーカバー22が閉位置に位置する場合に下方を向いている。
【0088】
この構成により、第2実施形態の層転写装置1Bも、第1実施形態と同様に、アッパーカバー22が閉位置に位置する場合にメモリ100Bと接触するようになっている。この第2実施形態によっても、第1実施形態と同様に、メモリ100Bに記憶された情報を読み出すことができると共に、多層フィルムFのたるみを抑制することができるので、適切な層転写を実行することができる。
【0089】
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、メモリの配置場所が第1実施形態および第2実施形態と異なる。
図7に示すように、第3実施形態の層転写装置1Cでは、メモリ100Cが連結部70Cの上面に配置されている。メモリ100Cの接触面は、上方を向いている。そして、層転写装置1Cの電気接点150Cは、アッパーカバー22が閉位置に位置する場合にメモリ100Cと接触する位置に配置されている。なお、層転写装置1Cの連結部70Cは、第1実施形態のように、軸間方向に直線状に延びておらず、折れ曲がった形状を有している。電気接点150Cは、アッパーカバー22が閉位置に位置する場合に下方を向いている。
【0090】
この構成により、第3実施形態の層転写装置1Cも、第1実施形態と同様に、アッパーカバー22が閉位置に位置する場合にメモリ100Cと接触するようになっている。この第3実施形態によっても、第1実施形態と同様に、メモリ100Cに記憶された情報を読み出すことができると共に、多層フィルムFのたるみを抑制することができるので、適切な層転写を実行することができる。
【0091】
次に、第4実施形態について説明する。
第4実施形態では、メモリの配置場所が第2実施形態と異なる。
図8に示すように、第4実施形態の層転写装置1Dでは、メモリ100Dは、巻取ホルダ36の下面に配置されている。メモリ100Dの接触面は、下方を向いている。そして、層転写装置1Dの電気接点150Dは、筐体本体21内のメモリ100Dと接触する位置に配置されている。電気接点150Dは、上方を向いている。
【0092】
この構成により、第4実施形態の層転写装置1Dも、第2実施形態と同様に、メモリ100Cに記憶された情報を読み出すことができると共に、多層フィルムFのたるみを抑制することができるので、適切な層転写を実行することができる。また、層転写用フィルムカートリッジFCを筐体本体21の上方向から着脱する場合、メモリ100Dが巻取ホルダ36の下面に位置することで、着脱時にメモリ100Dが他の部材と擦れてしまうことを抑制することができる。また、層転写用フィルムカートリッジFCの装着後は、層転写用フィルムカートリッジFCの重みで電気接点150Dとメモリ100Dの接触が安定する。
【0093】
次に、第5実施形態について説明する。
第5実施形態では、メモリの配置場所が第1実施形態と異なる。
図9(a)に示すように、第5実施形態の層転写装置1Eでは、メモリ100Eが搬送方向における供給ホルダ32の上流側の端面(図9(a)における右端)に配置されている。メモリ100Eの接触面は、搬送方向の上流側を向いている。そして、層転写装置1Eの電気接点150Eは、筐体本体21内のメモリ100Eと接触する位置に配置されている。電気接点150Eは、搬送方向の下流側を向いている。
【0094】
この構成によれば、メモリ100Eを転写部50からなるべく離れた位置に配置できる。このため、熱によるメモリ100Eの劣化を抑制することができる。同様に、電気接点150Eを転写部50からなるべく離れた位置に配置できる。このため、熱による電気接点150Eの劣化を抑制することができる。
【0095】
次に、第6実施形態について説明する。
第6実施形態では、メモリの配置場所が第2実施形態と異なる。
図9(b)に示すように、第6実施形態の層転写装置1Fでは、メモリ100Fが搬送方向における巻取ホルダ36の下流側の端面(図9(b)における左端)に配置されている。メモリ100Fの接触面は、搬送方向の下流側を向いている。そして、層転写装置1Fの電気接点150Fは、筐体本体21内のメモリ100Fと接触する位置に配置されている。電気接点150Fは、搬送方向の上流側を向いている。
【0096】
この構成によれば、メモリ100Fを転写部50からなるべく離れた位置に配置できる。このため、熱によるメモリ100Fの劣化を抑制することができる。同様に、電気接点150Fを転写部50からなるべく離れた位置に配置できる。このため、熱による電気接点150Fの劣化を抑制することができる。
また、本実施形態では、巻取リール35は、供給リール31より重力方向における下に位置するので、層転写用フィルムカートリッジFCの装着後は、層転写用フィルムカートリッジFCの重みで電気接点150Fとメモリ100Fの接触が安定する。
【0097】
次に、第7実施形態について説明する。
第7実施形態では、メモリの配置場所が第1実施形態と異なる。
図10に示すように、第7実施形態の層転写装置1Gでは、メモリ100Gは、供給ホルダ32の軸方向における一方側の端面に配置されている。そして、層転写装置1Gの電気接点150Gは、筐体本体21内のメモリ100Gと接触する位置に配置されている。
【0098】
この構成により、第7実施形態の層転写装置1Gも、第1実施形態と同様に、メモリ100Cに記憶された情報を読み出すことができると共に、多層フィルムFのたるみを抑制することができるので、適切な層転写を実行することができる。
【0099】
次に、第8実施形態について説明する。
第8実施形態では、メモリの配置場所が第2実施形態と異なる。
図11に示すように、第8実施形態の層転写装置1Hでは、メモリ100Hは、巻取ホルダ36の軸方向における一方側の端面に配置されている。メモリ100Hの接触面は、軸方向の一方側を向いている。そして、層転写装置1Hの電気接点150Hは、筐体本体21内のメモリ100Hと接触する位置に配置されている。電気接点150Hは、軸方向の他方側を向いている。
【0100】
この構成により、第8実施形態の層転写装置1Hも、第1実施形態と同様に、メモリ100Hに記憶された情報を読み出すことができると共に、多層フィルムFのたるみを抑制することができるので、適切な層転写を実行することができる。
【0101】
次に、第9実施形態について説明する。
第9実施形態では、メモリの配置場所が第3実施形態と異なる。
図12に示すように、第9実施形態の層転写装置1Iでは、メモリ100Iは、連結部70の軸方向における一方側の端面に配置されている。メモリ100Iの接触面は、軸方向の一方側を向いている。そして、層転写装置1Iの電気接点150Iは、筐体本体21内のメモリ100Iと接触する位置に配置されている。電気接点150Iは、軸方向の他方側を向いている。
【0102】
この構成により、第8実施形態の層転写装置1Iも、第1実施形態と同様に、メモリ100Iに記憶された情報を読み出すことができると共に、多層フィルムFのたるみを抑制することができるので、適切な層転写を実行することができる。
【0103】
次に、第10実施形態について説明する。
第10実施形態では、層転写用フィルムカートリッジFCの装着方向が第1実施形態と異なる。
図13に示すように、第10実施形態の層転写装置1Jでは、筐体本体21の開口21Kは、層転写用フィルムカートリッジFCが軸方向において、筐体本体21の一方側に位置する。そして、層転写装置1Jは、開位置と閉位置に移動可能であり、開位置に位置する場合に開口21Kを覆わず、閉位置に位置する場合に開口21Kを覆うサイドカバー22Sを備える。
【0104】
層転写用フィルムカートリッジFCのメモリ100Jは、層転写用フィルムカートリッジFCが筐体本体21に装着された状態で、軸方向において、層転写用フィルムカートリッジFCの一方側に配置されている。このとき、メモリ100Jの接触面は、軸方向の一方側を向いている。
【0105】
電気接点150Jは、サイドカバー22Sに配置され、サイドカバー22Sが開位置に位置する場合にメモリ100Jと接触せず、サイドカバー22Sが閉位置に位置する場合にメモリ100Jと接触する。電気接点150Jは、サイドカバー22Sが閉位置に位置する場合に軸方向の他方側を向いている。
【0106】
メモリ100Gは、供給ホルダ32の軸方向における一方側の端面に配置されている。
【0107】
この構成により、第10実施形態の層転写装置1Jは、サイドカバー22Sが閉位置に位置する場合にメモリ100Jと接触するようになっている。この第10実施形態によっても、メモリ100Jに記憶された情報を読み出すことができると共に、多層フィルムFのたるみを抑制することができるので、適切な層転写を実行することができる。
【0108】
また、この第10実施形態の層転写装置1Jによれば、層転写用フィルムカートリッジFCを軸方向に着脱する構成において、メモリ100Jが軸方向の一方側に配置されるので、層転写用フィルムカートリッジFCを着脱する場合に、メモリ100Jが擦れることが抑制される。
【0109】
また、サイドカバー22Sを閉じた場合にだけ電気接点150Jがメモリ100Jと接触するため、層転写用フィルムカートリッジFCを装着するときに電気接点150Jとメモリ100Jが不必要に接触しない。また、制御部160がメモリ100Jと通信することで、層転写用フィルムカートリッジFCが装着されたこと、および、サイドカバー22Sが閉じられたことを検知することができる。
【0110】
次に、第11,12実施形態について説明する。
第11,12実施形態では、メモリの配置場所が第10実施形態と異なる。
図14(a),(b)に示すように、第11,12実施形態の層転写装置1K,1Lでは、第10実施形態と同様に、筐体本体21の開口21Kは、層転写用フィルムカートリッジFCが軸方向において、筐体本体21の一方側に位置する。
【0111】
しかし、図14(a)に示すように、第10実施形態と異なり、第11実施形態の層転写装置1Kでは、メモリ100Kは、巻取ホルダ36の軸方向の一方側に配置されている。このとき、メモリ100Kの接触面は、軸方向の一方側を向いている。そして、電気接点150Kは、サイドカバー22Sのメモリ100Kに対応する位置に配置されている。電気接点150Kは、サイドカバー22Sが閉位置に位置する場合に軸方向の他方側を向いている。
【0112】
また、図14(b)に示すように、第10実施形態と異なり、第12実施形態の層転写装置1Lでは、メモリ100Lは、巻取ホルダ36の軸方向の他方側に配置されている。このとき、メモリ100Lの接触面は、軸方向の他方側を向いている。そして、電気接点150Lは、筐体本体21のメモリ100Kに対応する位置に配置されている。電気接点150Lは、軸方向の一方側を向いている。すなわち、電気接点150Lは、軸方向において、筐体本体21の他方側に位置し、メモリ100Lは、軸方向において、巻取ホルダ36の他方側に配置されている。このため、層転写用フィルムカートリッジFCは、層転写用フィルムカートリッジFCが筐体本体21に装着された状態で、電気接点150Lとサイドカバー22Sの間に位置する。
【0113】
この構成により、第11,12実施形態の層転写装置1K,1Lも、第1実施形態と同様に、メモリ100K,Lに記憶された情報を読み出すことができると共に、多層フィルムFのたるみを抑制することができるので、適切な層転写を実行することができる。また、層転写用フィルムカートリッジFCを着脱する場合に、メモリ100K,100Lが擦れることを抑制することができる。
【0114】
次に、第13,14実施形態について説明する。
第13,14実施形態では、メモリの配置場所が第10実施形態と異なる。
図15(a),(b)に示すように、第12,14実施形態の層転写装置1M,1Nでは、第10実施形態と同様に、筐体本体21の開口21Kは、層転写用フィルムカートリッジFCが軸方向において、筐体本体21の一方側に位置する。
しかし、図15(a)に示すように、第10実施形態と異なり、第13実施形態の層転写装置1Mでは、メモリ100Mは、連結部70の軸方向の一方側に配置されている。このとき、メモリ100Mの接触面は、軸方向の一方側を向いている。そして、電気接点150Mは、サイドカバー22Sのメモリ100Mに対応する位置に配置されている。電気接点150Mは、サイドカバー22Sが閉位置に位置する場合に軸方向の他方側を向いている。
また、図15(b)に示すように、第10実施形態と異なり、第14実施形態の層転写装置1Nでは、メモリ100Nは、連結部70の軸方向の他方側に配置されている。このとき、メモリ100Nの接触面は、軸方向の他方側を向いている。そして、電気接点150Nは、筐体本体21のメモリ100Nに対応する位置に配置されている。電気接点150Nは、軸方向の一方側を向いている。すなわち、電気接点150Nは、軸方向において、筐体本体21の他方側に位置し、メモリ100Nは、軸方向において、連結部70の他方側に配置されている。このため、層転写用フィルムカートリッジFCは、層転写用フィルムカートリッジFCが筐体本体21に装着された状態で、電気接点150Nとサイドカバー22Sの間に位置する。
【0115】
この構成により、第13,14実施形態の層転写装置1M,1Nも、第1実施形態と同様に、メモリ100M,Nに記憶された情報を読み出すことができると共に、多層フィルムFのたるみを抑制することができるので、適切な層転写を実行することができる。また、層転写用フィルムカートリッジFCを着脱する場合に、メモリ100M,100Nが擦れることを抑制することができる。
【0116】
次に、第15,16,17実施形態について説明する。
第15,16,17実施形態では、メモリの配置場所が第10実施形態と異なる。
図16(a)に示すように、第15実施形態の層転写装置1Pでは、メモリ100Pが供給ホルダ32の上面に設けられている。メモリ100Pの接触面は、上方を向いている。電気接点150Pは、メモリ100Pに対応して筐体本体21の内側上面に設けられている。電気接点150Pは、下方を向いている。
図16(b)に示すように、第16実施形態の層転写装置1Qでは、メモリ100Qが供給ホルダ32の下面に設けられている。メモリ100Qの接触面は、下方を向いている。電気接点150Qは、メモリ100Qに対応して筐体本体21の内側下面に設けられている。電気接点150Qは、上方を向いている。
図16(c)に示すように、第17実施形態の層転写装置1Rでは、メモリ100Rが搬送方向における供給ホルダ32の上流側の端面(図16(c)における右上端)に配置されている。メモリ100Rの接触面は、搬送方向の上流側を向いている。電気接点150Rは、メモリ100Rに対応して筐体本体21の搬送方向上流側の内面に設けられている。電気接点150Rは、搬送方向の下流側を向いている。
【0117】
次に、第18,19,20実施形態について説明する。
第18,19,20実施形態では、メモリの配置場所が第10実施形態と異なる。
図17(a)に示すように、第18実施形態の層転写装置1Sでは、メモリ100Sが巻取ホルダ36の上面に設けられている。メモリ100Sの接触面は、上方を向いている。電気接点150Sは、メモリ100Sに対応して筐体本体21の内側上面に設けられている。電気接点150Sは、下方を向いている。
図17(b)に示すように、第19実施形態の層転写装置1Tでは、メモリ100Tが巻取ホルダ36の下面に設けられている。メモリ100Tの接触面は、下方を向いている。電気接点150Tは、メモリ100Sに対応して筐体本体21の内側下面に設けられている。電気接点150Tは、上方を向いている。
図17(c)に示すように、第20実施形態の層転写装置1Uでは、メモリ100Uが搬送方向における巻取ホルダ36の上流側の端面(図17(c)における左下端)に配置されている。メモリ100Uの接触面は、搬送方向の下流側を向いている。電気接点150Uは、メモリ100Uに対応して筐体本体21の搬送方向下流側の内面に設けられている。電気接点150Uは、搬送方向の上流側を向いている。
【0118】
次に、第21,22実施形態について説明する。
第21,22実施形態では、メモリの配置場所が第13実施形態と異なる。
図18(a)に示すように、第21実施形態の層転写装置1Vでは、メモリ100Vが連結部70の上面に設けられている。メモリ100Vの接触面は、上方を向いている。電気接点150Vは、メモリ100Vに対応して筐体本体21の内側上面に設けられている。電気接点150Vは、下方を向いている。
図18(b)に示すように、第22実施形態の層転写装置1Wでは、メモリ100Wが連結部70の下面に設けられている。メモリ100Wの接触面は、下方を向いている。電気接点150Wは、メモリ100Sに対応して筐体本体21の内側下面に設けられている。電気接点150Wは、上方を向いている。
【0119】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0120】
前記実施形態では、層転写装置として、シートSのトナー像の上に転写層を転写するための装置を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、層転写装置は、転写層をサーマルヘッドでシートに転写する装置であってもよい。
【0121】
前記実施形態では、箔を含む転写層F22を例示したが、本発明はこれに限定されず、転写層は、例えば、箔や着色材料を含まず、熱可塑性樹脂から形成されていてもよい。
【0122】
前記実施形態では、多層フィルムFを4層で構成したが、本発明はこれに限定されず、多層フィルムは、転写層と支持層を有していれば、層の数はいくつであってもよい。
【0123】
前記実施形態では、連結部は、第1連結部と、第2連結部とを有する構成であったが、何れか一方を有する構成であってもよく、3つ以上の連結部を有していてもよい。
【0124】
前記実施形態では、抵抗付与部材は、第1抵抗付与部材と、第2抵抗付与部材を有する構成であったが、抵抗付与部材が第1抵抗付与部材および第2抵抗付与部材の何れか一方を有する構成であってもよく、さらに別の抵抗付与部材を設けてもよい。
【0125】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0126】
1A 層転写装置
2 筐体
21 筐体本体
21A 開口
22 アッパーカバー
31 供給リール
32 供給ホルダ
35 巻取リール
36 巻取ホルダ
50 転写部
70 連結部
100A メモリ
120 接触面
150A 電気接点
160 制御部
170 メインモータ
F 多層フィルム
F1 支持層
F2 被支持層
F21 剥離層
F22 転写層
F23 接着層
FC 層転写用フィルムカートリッジ
RM 抵抗付与部材
S シート
図1
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