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  • 特開-露光装置及び汚染除去装置 図1
  • 特開-露光装置及び汚染除去装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043199
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】露光装置及び汚染除去装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
G03F7/20 503
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148245
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】田中 のぞみ
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 慎介
(72)【発明者】
【氏名】西原 功修
(72)【発明者】
【氏名】砂原 淳
(72)【発明者】
【氏名】城崎 知至
(72)【発明者】
【氏名】王 雨波
(72)【発明者】
【氏名】小澤 謙
(72)【発明者】
【氏名】上山 真司
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197GA05
2H197GA12
2H197GA20
2H197GA23
2H197GA24
(57)【要約】
【課題】露光装置のミラーを汚染するスズ化合物を除去できる露光装置及び汚染除去装置を提供すること。
【解決手段】露光装置100は、真空チャンバー101内にターゲットドロップレットを供給するドロップレット供給部102と、ターゲットドロップレットにパルス状のレーザを照射する駆動レーザ部103と、真空チャンバー101内に設けられ、ターゲットドロップレットにレーザが照射されることにより、ターゲットドロップレットから発せられる光を集光する集光ミラー104と、集光ミラー表面104に沿って水素ガスを流すための水素ガス供給部105と、ターゲットドロップレットの供給条件及び前記レーザの条件を、露光条件と異なる条件に変更して、真空チャンバー101内での水素ラジカル生成量を増加させる制御部106と、真空チャンバー101内を排気する排気ポンプ107と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバー内にターゲットドロップレットを供給するドロップレット供給部と、
前記ターゲットドロップレットにパルス状のレーザを照射する照射部と、
前記真空チャンバー内に設けられ、前記ターゲットドロップレットに前記レーザが照射されることにより、前記ターゲットドロップレットから発せられる光を集光する集光ミラーと、
前記集光ミラー表面に沿って水素ガスを流すための水素ガス供給部と、
前記ターゲットドロップレットの供給条件及び前記レーザの条件を、露光条件と異なる条件に変更して、前記真空チャンバー内での水素ラジカル生成量を増加させる制御部と、
真空チャンバー内を排気する排気ポンプと、を備える露光装置。
【請求項2】
前記照射部はEUV発生用レーザを発するEUV発生用レーザ部と、VUV発生用レーザを発するVUV発生用レーザ部とを備え、
前記制御部は、露光時に前記EUV発生用レーザ部から前記ターゲットドロップレットにパルス状のEUV発生用レーザを照射し、
前記制御部は、クリーニング時に、前記VUV発生用レーザ部から前記ターゲットドロップレットにパルス状のVUV発生用レーザを照射する、請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記制御部は、クリーニング時に発するレーザの強度を、露光時に発するレーザの強度より弱くする、請求項1に記載の露光装置。
【請求項4】
前記制御部は、クリーニング時に供給するターゲットドロップレットの密度を、露光時に供給するターゲットドロップレットの密度より高くする、請求項1に記載の露光装置。
【請求項5】
前記照射部は、露光時に前記ターゲットドロップレットにプレ照射するプレパルスレーザ部を備え、
前記制御部は、露光時に予め前記プレパルスレーザ部から前記ターゲットドロップレットにパルス状のレーザを照射し、
前記制御部は、クリーニング時に、前記プレパルスレーザ部からレーザを発しない、請求項4に記載の露光装置。
【請求項6】
前記制御部は、クリーニング時に供給するターゲットドロップレットのサイズを、露光時に供給するターゲットドロップレットのサイズより大きくする、請求項1に記載の露光装置。
【請求項7】
真空チャンバーと、
駆動レーザを発する駆動レーザ部と、
キセノン、アルゴン及び窒素のいずれかを単体又は混合物を駆動レーザの集光位置に供給する光源ターゲットと、
前記光源ターゲットから発せられたレーザを集光するVUV集光レンズと、
洗浄対象物を収容するクリーニングセルと、
前記クリーニングセルに水素ガスを供給する水素ガス供給部と、
前記クリーニングセル内を排気する排気ポンプとを備え、
前記光源ターゲットに前記駆動レーザから駆動レーザが照射されることにより、前記光源ターゲットから発せられ、
前記クリーニングセル内で前記水素ガスに前記レーザが照射することにより、前記クリーニングセル内の水素ラジカルを増大させ、前記洗浄対象物の表面に付着したスズ化合物を除去する汚染除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は露光装置及び汚染除去装置に関し、例えば、真空紫外光を用いた露光装置及び真空紫外光を用いたEUV光学部品汚染除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィとは、半導体製造プロセスにおいて、配線パタンなどを形成する際に写真現像技術である光によるパタンの転写技術である。リソグラフィは、例えば、スマートフォンの中で使用されているアプリケーションプロセッサと呼ばれる半導体チップやDRAM(Dynamic Random Access Memory)やフラッシュメモリと呼ばれる記憶素子の製造に用いられている。
【0003】
近年、EUV(Extreme ultraviolet)光による露光装置が開発され、7nmノードと呼ばれるLSI(Large Scale Integration)チップの微細パタンの形成で利用可能である。ArFやArF液浸における波長は193nmである。一方、EUV光の波長は13.5nmであり、従来の露光機と比べて波長が短く回折限界が小さいことが特徴である(非特許文献1)。
【0004】
EUVリソグラフィ技術では、光学系の反射率を最大化するために13.5nm±2%bwの狭帯域光が用いられる。対象材料はスズ(Sn)である。
【0005】
ここで、駆動レーザがスズ液滴ターゲットをアブレーションすると、原子、イオン、中性粒子、クラスターなどのスズの破片もソースから放出され、最初のコレクターミラーの表面に蓄積する。そして、ミラーが損傷またはスズ汚染の層を受け取り、反射率が低下してしまう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】S.Borkar,"Design challenges for gigascale integration," presented at the 37th IEEE/ACM Int. Symp. Microarchitecture, Portland OR, 2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、汚染されたミラーは光源の外側で化学的に洗浄されており、リソグラフィマシンのデューティサイクルに大きな影響を与えてしまう。
【0008】
このように、汚染されたミラーから効率よくスズ化合物を除去することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態の露光装置は、真空チャンバー内にターゲットドロップレットを供給するドロップレット供給部と、前記ターゲットドロップレットにパルス状のレーザを照射する照射部と、前記真空チャンバー内に設けられ、前記ターゲットドロップレットに前記レーザが照射されることにより、前記ターゲットドロップレットから発せられる光を集光する集光ミラーと、前記集光ミラー表面に沿って水素ガスを流すための水素ガス供給部と、前記ターゲットドロップレットの供給条件及び前記レーザの条件を、露光条件と異なる条件に変更して、前記真空チャンバー内での水素ラジカル生成量を増加させる制御部と、真空チャンバー内を排気する排気ポンプと、を備えるようにした。
【0010】
一実施形態の露光装置によれば、ターゲットドロップレットの供給条件及びレーザの条件を、露光条件と異なる条件に変更して、真空チャンバー内での水素ラジカル生成量を増加させることにより、ミラーに付着したスズがより多く水素ラジカルと反応してSnH4になり、ミラーから汚染を効率よく除去できる。
【0011】
一実施形態の露光装置は、前記駆動レーザ部は、極端紫外線を発するためのEUV発生用レーザ部と、真空紫外線を発するためのVUV発生用レーザ部とを備え、前記制御部は、露光時に前記EUV用レーザ部から前記ターゲットドロップレットにパルス状のEUV発生用レーザを照射し、前記制御部は、クリーニング時に、前記VUV発生用レーザ部から前記ターゲットドロップレットにパルス状のVUV発生用レーザを照射するようにした。
【0012】
一実施形態の露光装置によれば、クリーニング時にプラズマ放射光の波長を長くすることにより、水素ラジカル生成量が増加し、ミラーに付着したスズが水素ラジカルと反応してSnH4になり、ミラーから除去できる。
【0013】
一実施形態の露光装置は、前記制御部は、クリーニング時に発するレーザの強度を、露光時に発するレーザの強度より弱くするようにした。
【0014】
一実施形態の露光装置によれば、クリーニング時にレーザの強度を弱くすることにより、水素ラジカル生成量が増加し、ミラーに付着したスズが水素ラジカルと反応してSnH4になり、ミラーから除去できる。
【0015】
一実施形態の露光装置は、前記制御部は、クリーニング時に供給するターゲットドロップレットの密度を、露光時に供給するターゲットドロップレットの密度より高くするようにした。
【0016】
一実施形態の露光装置によれば、クリーニング時に供給するターゲットドロップレットの密度を、露光時に供給するターゲットドロップレットの密度より高くすることにより、水素ラジカル生成量が増加し、ミラーに付着したスズが水素ラジカルと反応してSnH4になり、ミラーから除去できる。
【0017】
一実施形態の露光装置は、前記照射部は、露光時に前記ターゲットドロップレットにプレ照射するプレパルスレーザ部を備え、前記制御部は、露光時に予め前記プレパルスレーザ部から前記ターゲットドロップレットにパルス状のレーザを照射し、前記制御部は、クリーニング時に、前記プレパルスレーザ部からレーザを発しないようにした。
【0018】
一実施形態の露光装置によれば、クリーニング時に、駆動レーザからプレパルスレーザを発しないことにより、クリーニング時に供給するターゲットドロップレットの密度を、露光時に供給するターゲットドロップレットの密度より高くすることができる。
【0019】
一実施形態の露光装置は、前記制御部は、クリーニング時に供給するターゲットドロップレットのサイズを、露光時に供給するターゲットドロップレットのサイズより大きくするようにした。
【0020】
一実施形態の露光装置によれば、クリーニング時に供給するターゲットドロップレットのサイズを、露光時に供給するターゲットドロップレットのサイズより大きくすることにより、水素ラジカル生成量が増加し、ミラーに付着したスズが水素ラジ
カルと反応してSnH4になり、ミラーから除去できる。
【0021】
一実施形態の汚染除去装置は、真空チャンバーと、駆動レーザを発する駆動レーザ部と、キセノン、アルゴン及び窒素等の不活性ガスのいずれか単体又は混合物を駆動レーザの集光点に連続的に供給する光源ターゲットと、前記光源ターゲットから発せられたプラズマ放射光を集光するVUV集光レンズと、洗浄対象物を収容するクリーニングセルと、前記クリーニングセルに水素ガスを供給する水素ガス供給部と、前記クリーニングセル内を排気する排気ポンプとを備え、前記光源ターゲットに前記駆動レーザから駆動レーザが照射されることにより、前記光源ターゲットから発せられ、前記クリーニングセル内で前記水素ガスに前記放射光が照射することにより、前記クリーニングセル内に水素ラジカルを発生させ、前記洗浄対象物の表面に付着したスズ化合物を除去するようにした。
【0022】
一実施形態の汚染除去装置によれば、クリーニングセル内で水素ガスにVUV光が照射することにより、クリーニングセル内の水素ラジカルを増大させ、スズ化合物と反応してSnH4とすることにより、洗浄対象物の表面に付着したスズ化合物を除去する。
【発明の効果】
【0023】
本開示の露光装置及び汚染除去装置によれば、露光装置のミラーを汚染するスズ化合物を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施の形態1にかかる露光装置の概略構成を示す図である。
図2】実施の形態1にかかる露光装置の動作を説明する略図である。
図3】実施の形態2にかかる汚染除去装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態1にかかる露光装置の概略構成を示す図である。図1において、露光装置100は、真空チャンバー101と、ドロップレット供給部102と、駆動レーザ部103と、集光ミラー104と、水素ガス供給部105と、制御部106と、排気ポンプ107と、を備える。
【0026】
真空チャンバー101は、内部を真空にするための容器である。真空チャンバー101は、内部に集光ミラー104を有する。また、真空チャンバー101は、ドロップレット供給部102、駆動レーザ部103、水素ガス供給部105、制御部106及び排気ポンプ107が真空チャンバー101の内部にアクセスできるポートを有する。
【0027】
ドロップレット供給部102は、真空チャンバー101内にターゲットドロップレットを供給する。具体的には、ターゲットドロップレットが駆動レーザ部103から発せられるレーザに当たるようにターゲットドロップレットが供給される。
【0028】
駆動レーザ部103は、ターゲットドロップレットにパルス状のレーザを照射する構成である。具体的には駆動レーザ部103は、EUV発生用レーザ部131と、VUV発生用レーザ部132と、プレパルスレーザ部133とを備える。EUV発生用レーザ部131は、赤外、近赤外の波長のレーザを発する。例えば、EUV発生用レーザ部131は、COレーザである。VUV発生用レーザ部132は、近赤外、可視、紫外の波長のレーザを発する。例えば、VUV発生用レーザ部132は、Nd:YAGレーザである。また、プレパルスレーザ133は、露光時にターゲットドロップレットにプレパルスレーザを照射する。例えば、プレパルスレーザ部133は、Nd:YAGレーザである。
【0029】
集光ミラー104は、真空チャンバー101内に設けられている。そして、ターゲットドロップレットにレーザが照射されることにより、ターゲットドロップレットから発せられる光を集光する。
【0030】
水素ガス供給部105は、水素ガスを真空チャンバー101内に供給し、集光ミラー表面に沿って水素ガスを流す。
【0031】
制御部106は、ドロップレット供給部102及び駆動レーザ部103を制御する。そして、制御部106は、ターゲットドロップレットの供給条件及びレーザの条件を、露光条件と異なる条件に変更して、真空チャンバー101内での水素ラジカル生成量を増加させる。
【0032】
例えば、制御部106は、露光時にEUV発生用レーザ部131からターゲットドロップレットにパルス状のEUV発生用レーザを照射するのが好適である。そして、制御部106は、クリーニング時に、VUV発生用レーザ部132からターゲットドロップレットにパルス状の真空紫外線レーザを照射するのが好適である。
【0033】
また、例えば、制御部106は、クリーニング時に発するレーザの強度を、露光時に発するレーザの強度より弱くするのが好適である。
【0034】
また、制御部106は、クリーニング時に供給するターゲットドロップレットの密度を、露光時に供給するターゲットドロップレットの密度より高くするのが好適である。
【0035】
制御部106は、露光時に予めプレパルスレーザ部133からターゲットドロップレットにパルス状のレーザを照射するのが好適である。そして、制御部106は、クリーニング時に、プレパルスレーザ部133からレーザを発しないのが好適である。
【0036】
制御部106は、クリーニング時に供給するターゲットドロップレットのサイズを、露光時に供給するターゲットドロップレットのサイズより大きくするのが好適である。
【0037】
排気ポンプ107は、真空チャンバー101内を排気するポンプである。
【0038】
次に、水素ラジカル生成量を増加させる条件について説明する。図2は、実施の形態1にかかる露光装置の動作を説明する略図である。図2の説明では、露光時とクリーニング時で、レーザの波長、レーザの強度、プレ照射の有無、ターゲットドロップの密度及びサイズの全てを変化させる例について説明する。
【0039】
図2Aは、露光時の露光装置の状態を示している。露光時は、ターゲットドロップレット201にEUV発生用レーザ202が照射されている。また、露光時のEUV発生用レーザ202の強度は、1010~1011w/cmである。また、露光時は、予めプレ照射により、ターゲットドロップレット201にレーザ203が照射される。このプレ照射により、ターゲットドロップレット204は、加熱され、密度が低くなる。また、供給されるターゲットドロップレット201のサイズは小さい。
【0040】
他方、図2B、クリーニング時の露光装置の状態を示している。クリーニング時は、ターゲットドロップレット211にVUV発生用レーザ212が照射されている。また、クリーニング時のVUVレーザ212の強度は、10w/cmより低い。また、クリーニング時にプレ照射は行われない。したがってクリーニング時のターゲットドロップレット214の密度は、露光時のターゲットドロップレット204の密度より高い。また、クリーニング時に供給されるターゲットドロップレット214のサイズは、露光時に供給されるターゲットドロップレット204のサイズより大きい。
【0041】
このように実施の形態1の露光装置によれば、ターゲットドロップレットの供給条件及びレーザの条件を、露光条件と異なる条件に変更して、真空チャンバー内での水素ラジカル生成量を増加させることにより、ミラーに付着したスズが水素ラジカルと反応してSnH4になり、ミラーから除去できる。
【0042】
また、実施の形態1の露光装置によれば、露光時に前記EUV発生用レーザ部からターゲットドロップレットにパルス状のEUV発生用レーザを照射し、クリーニング時にVUVレーザ部かららターゲットドロップレットにパルス状のVUV発生用レーザを照射することにより、クリーニング時にレーザの波長を短くし、水素ラジカル生成量が増加し、ミラーに付着したスズが水素ラジカルと反応してSnH4になり、ミラーから除去できる。
【0043】
また、実施の形態1の露光装置によれば、前記制御部は、クリーニング時に発するレーザの強度を、露光時に発するレーザの強度より弱くすることにより、水素ラジカル生成量が増加し、ミラーに付着したスズが水素ラジカルと反応してSnH4になり、ミラーから除去できる。
【0044】
また、実施の形態1の露光装置によれば、クリーニング時に供給するターゲットドロップレットの密度を、露光時に供給するターゲットドロップレットの密度より高くすることにより、水素ラジカル生成量が増加し、ミラーに付着したスズが水素ラジカルと反応してSnH4になり、ミラーから除去できる。
【0045】
また、実施の形態1の露光装置によれば、クリーニング時に、プレパルスレーザ部からレーザを発しないことにより、クリーニング時に供給するターゲットドロップレットの密度を、露光時に供給するターゲットドロップレットの密度より高くすることができる。
【0046】
また、実施の形態1の露光装置によれば、前記制御部は、クリーニング時に供給するターゲットドロップレットのサイズを、露光時に供給するターゲットドロップレットのサイズより大きくすることにより、水素ラジカル生成量が増加し、ミラーに付着したスズが水素ラジカルと反応してSnH4になり、ミラーから除去できる。
【0047】
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2にかかる汚染除去装置の概略構成を示す図である。図3において、汚染除去装置300は、真空チャンバー301と、駆動レーザ部302と、光源ターゲット303と、VUV集光ミラー304と、クリーニングセル305と、水素ガス供給部306と、排気ポンプ307とを備える。
【0048】
真空チャンバー301は、内部を真空にするための容器である。真空チャンバー301は、内部に集光ミラー304、真空チャンバー301は、光源ターゲット303、クリーニングセル305を有する。また真空チャンバー301は、水素ガス供給部306、排気ポンプ307、駆動レーザが真空チャンバー301の内部にアクセスできるポートを有する。
【0049】
駆動レーザ部302は、駆動レーザを発する。そして、駆動レーザ部302は、駆動レーザを光源ターゲット303に照射する。
【0050】
光源ターゲット303は、キセノン、アルゴン及び窒素等の不活性ガスのいずれか単体又は混合物を駆動レーザの集光点に連続的に供給する装置である。
【0051】
VUV集光ミラー304は、光源ターゲットから発せられたプラズマ放射光を集光する。そして、集光したプラズマ放射光は、クリーニングセル305内に照射される。
【0052】
クリーニングセル305は、洗浄対象物を収容する。また、クリーニングセル305は、光源ターゲットから発せられたプラズマ放射光を内部に照射させる開口を有する。また、クリーニングセル305は、洗浄対象物を出し入れする洗浄対象物挿入ポート351を有する。
【0053】
水素ガス供給部306は、クリーニングセル305に水素ガスを供給する。
【0054】
排気ポンプ307は、クリーニングセル305内を排気する。
【0055】
汚染除去装置300は、光源ターゲット303に駆動レーザ部302から駆動レーザが照射されることにより、光源ターゲット表面からVUV光が発せられる。そして、汚染除去装置300は、クリーニングセル305内で水素ガスにVUV光が照射することにより、クリーニングセル305内に水素ラジカルを生成する。そして、汚染除去装置300は、洗浄対象物の表面に付着したスズ化合物を除去する。
【0056】
このように、実施の形態2の汚染除去装置によれば、クリーニングセル内で水素ガスにVUV光が照射することにより、クリーニングセル内に水素ラジカルを生成させ、スズ化合物と反応してSnH4とし排気ポンプ307で排気することにより、洗浄対象物の表面に付着したスズ化合物を除去する。
【0057】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施の形態1の露光装置に半導体露光装置の一般的な構成を備えるようにしてもよい。
【0058】
また、制御部106のように、様々な処理を行う機能ブロックとして図面に記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU、メモリ、その他の回路で構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0059】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0060】
100 露光装置
101、301 真空チャンバー
102 ドロップレット供給部
103 駆動レーザ部
104、304 集光ミラー
104 集光ミラー表面
105、306 水素ガス供給部
106 制御部
107、307 排気ポンプ
131 EUV発生用レーザ部
132 VUV発生用レーザ部
133 プレパルスレーザ部
201、204、211、214 ターゲットドロップレット
202 EUV発生用レーザ
203 レーザ
212 VUV発生用レーザ
300 汚染除去装置
302 駆動レーザ部
303 光源ターゲット
305 クリーニングセル
351 洗浄対象物挿入ポート
図1
図2
図3