(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043219
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】薬剤供給装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
A61J3/00 310K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148279
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長村 佳則
(72)【発明者】
【氏名】生島 弘一
(72)【発明者】
【氏名】弘永 雅之
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047JJ01
4C047JJ06
4C047JJ07
4C047JJ08
4C047JJ12
4C047KK03
4C047KK12
4C047KK25
(57)【要約】
【課題】状況に応じたフレキシブルな対応をすることを可能とする。
【解決手段】画像表示部170には、順次指示された複数の処方データの処理済リストが表示される。薬剤供給装置においては、処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を当該処方処理後のこの薬剤の在庫数量に加算することにより、記憶部に記憶されているこの少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の在庫数量を当該処方処理前の在庫数量に戻すことが可能である。
【選択図】
図71
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤が収容される複数のケースを収納するケースラックと、
前記複数のケースから選択された選択ケースが載置可能であり、前記選択ケースに対して前記薬剤を出し入れするための複数の載置部と、
前記ケースラックと前記複数の載置部との間で前記選択ケースを搬送する搬送ユニットと、
画像を表示する画像表示部と、
前記薬剤の在庫数量を記憶する記憶部とを備え、
前記画像表示部には、順次指示された複数の処方データの処理済リストが表示され、
前記処理済リストに表示されている前記複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、該少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を当該処方処理後の該薬剤の在庫数量に加算することにより、前記記憶部に記憶されている該少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の在庫数量を当該処方処理前の在庫数量に戻すことが可能である、薬剤供給装置。
【請求項2】
前記処理済リストには、処方処理前の在庫数量に戻された前記少なくとも一つの処方データが識別可能に表示される、請求項1に記載の薬剤供給装置。
【請求項3】
処方処理前の在庫数量に戻された前記少なくとも一つの処方データについては、前記処理済リストに表示されている前記複数の処方データのうちから再度選択して、該少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を前記記憶部に記憶されている該薬剤の在庫数量に再度加算することが不能である、請求項1または請求項2に記載の薬剤供給装置。
【請求項4】
前記処理済リストに表示されている前記複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、該少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の処方処理を再度実施可能である、請求項1に記載の薬剤供給装置。
【請求項5】
前記処理済リストに表示されている前記複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データが選択されると、該少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤が前記画像表示部に表示された一覧から処方処理を再度実施する少なくとも一つの薬剤を選択可能である、請求項4に記載の薬剤供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動薬剤供給装置の構成を開示した先行文献として、特開2011-78598号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された自動薬剤供給装置は、収納部と、薬剤ピッキング部と、ボックス移動機構と、トレイ載置台とを備える。収納部は、薬剤を収納するボックスを複数配列可能に構成されている。薬剤ピッキング部は、ボックスから薬剤を出し入れする。ボックス移動機構は、ボックスが収納部と薬剤ピッキング部との間を移動できるように構成されている。収納部が装置前面側に配設されるとともに、ボックス移動機構が装置背面側に配設されている。トレイ載置台には、ボックスから取り出した薬剤を収納するトレイが載置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬剤供給装置には、状況に応じたフレキシブルな対応をすることができることが求められている。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、状況に応じたフレキシブルな対応をすることができる、薬剤供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づく薬剤供給装置は、ケースラックと、複数の載置部と、搬送ユニットと、画像表示部と、記憶部とを備える。ケースラックは、薬剤が収容される複数のケースを収納する。複数の載置部は、複数のケースから選択された選択ケースが載置可能であり、選択ケースに対して薬剤を出し入れするために設けられている。搬送ユニットは、ケースラックと複数の載置部との間で選択ケースを搬送する。画像表示部は、画像を表示する。記憶部は、上記薬剤の在庫数量を記憶する。画像表示部には、順次指示された複数の処方データの処理済リストが表示される。薬剤供給装置においては、処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を当該処方処理後のこの薬剤の在庫数量に加算することにより、記憶部に記憶されているこの少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の在庫数量を当該処方処理前の在庫数量に戻すことが可能である。
【0007】
本発明の一形態においては、処理済リストには、処方処理前の在庫数量に戻された上記少なくとも一つの処方データが識別可能に表示される。
【0008】
本発明の一形態においては、薬剤供給装置において、処方処理前の在庫数量に戻された上記少なくとも一つの処方データについては、処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから再度選択して、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を記憶部に記憶されているこの薬剤の在庫数量に再度加算することが不能である。
【0009】
本発明の一形態においては、薬剤供給装置において、処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の処方処理を再度実施可能である。
【0010】
本発明の一形態においては、処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データが選択されると、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤が画像表示部に表示された一覧から処方処理を再度実施する少なくとも一つの薬剤を選択可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、状況に応じたフレキシブルな対応をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を正面側の上方から見た斜視図である。
【
図3】
図1の薬剤供給装置を右側から見た側面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を背面側の上方から見た斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置において搬送ユニットが載置部の上方に移動した状態を背面側の上方から見た斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るケースを上方から見た斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るケース本体を上方から見た斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るケース本体を下方から見た斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置において載置部が引き出された状態を正面側の上方から見た斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る調剤台ユニットにおける載置部の周辺を正面側の上方から見た斜視図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る載置部の周辺を背面側の下方から見た斜視図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る調剤台ユニットにおいて載置部を取り外した状態を上方から見た斜視図である。
【
図14】
図11の載置部の周辺をXIV-XIV線矢印方向から見た断面図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る調剤台ユニットにおける載置部が引き出された状態を側方から見た側面図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係る調剤台ユニットにおける引き出された載置部から選択ケースが取り外された状態を側方から見た側面図である。
【
図17】本発明の一実施形態に係る搬送ユニットの爪部が後退した状態を前方から見た斜視図である。
【
図18】
図17の状態を矢印XVIII方向から見た斜視図である。
【
図19】本発明の一実施形態に係る搬送ユニットの爪部が前進した状態を前方から見た斜視図である。
【
図20】
図19の搬送ユニットを矢印XX方向から見た斜視図である。
【
図21】ケースラックに収納されている選択ケースの縦断面図である。
【
図23】ストッパおよびガードの構成を示す斜視図である。
【
図24】ストッパおよびガードの構成を示す平面図である。
【
図25】ストッパおよびガードの構成を示す背面図である。
【
図26】
図25のストッパおよびガードをXXVI-XXVI線矢印方向から見た断面図である。
【
図27】ケースラックに収納されている選択ケースの斜視図である。
【
図28】ケースラックに収納されている選択ケースの後方に位置する搬送ユニットの爪部が前進した状態の縦断面図である。
【
図29】ケースラックに収納されている選択ケースの後方に位置する搬送ユニットにおいて、爪部が上昇するように回動した状態の縦断面図である。
【
図30】選択ケースの係合部の内面と係合した爪部が後退している状態を示す断面図である。
【
図31】選択ケースの係合部の内面と係合した爪部が後退し終えた状態の搬送ユニットを前方から見た斜視図である。
【
図32】
図31の搬送ユニットを矢印XXXII方向から見た斜視図である。
【
図33】一対の支持アームが退避位置に位置した状態を前方から見た正面図である。
【
図34】
図33の一対の支持アームが退避位置に位置した状態を矢印XXXIV方向から見た側面図である。
【
図35】本実施形態に係る薬剤供給装置が備える制御回路の構成を示すブロック図である。
【
図36】本実施形態に係る薬剤供給装置において、搬送ユニットが一の載置部に載置されている一の選択ケースをケースラックに搬送する際の動作を示すフローチャートである。
【
図37】本実施形態に係る薬剤供給装置の一例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の一の薬剤が収容された一の選択ケースを一の載置部に搬送した状態を示す図である。
【
図38】本実施形態に係る薬剤供給装置の一例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の他の薬剤が収容された他の選択ケースを他の載置部に搬送した状態を示す図である。
【
図39】本実施形態に係る薬剤供給装置の一例において、搬送ユニットが第2処方データに含まれる供給対象の薬剤が収容された選択ケースを特定載置部に順次搬送した状態を示す図である。
【
図40】本実施形態に係る薬剤供給装置の一例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の一の薬剤が収容された一の選択ケースを一の載置部からケースラックに搬送した状態を示す図である。
【
図41】本実施形態に係る薬剤供給装置の一例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の他の薬剤が収容された他の選択ケースを他の載置部からケースラックに搬送した状態を示す図である。
【
図42】本実施形態に係る薬剤供給装置の第1変形例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の一の薬剤が収容された一の選択ケースを一の載置部に搬送した状態を示す図である。
【
図43】本実施形態に係る薬剤供給装置の第1変形例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の他の薬剤が収容された他の選択ケースを他の載置部に搬送した状態を示す図である。
【
図44】本実施形態に係る薬剤供給装置の第1変形例において、搬送ユニットが第2処方データに含まれる供給対象の薬剤が収容された選択ケースを特定載置部に順次搬送した状態を示す図である。
【
図45】本実施形態に係る薬剤供給装置の第1変形例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の一の薬剤が収容された一の選択ケースを一の載置部からケースラックに搬送した状態を示す図である。
【
図46】本実施形態に係る薬剤供給装置の第1変形例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の他の薬剤が収容された他の選択ケースを他の載置部からケースラックに搬送した状態を示す図である。
【
図47】本実施形態に係る薬剤供給装置のタッチパネルの表示の一例を示す図である。
【
図48】本実施形態に係る薬剤供給装置における電源系統図である。
【
図49】本実施形態に係る薬剤供給装置における第1開閉検出部およびリレーを含む部分の電気回路図である。
【
図50】本実施形態に係る薬剤供給装置において、搬送ユニットの駆動中の制御部による安全確保動作を示すフローチャートである。
【
図51】本実施形態に係る薬剤供給装置の第2変形例のケースラックの背面図である。
【
図52】
図51のケースラックを矢印LII方向から見た側面図である。
【
図53】本実施形態に係る薬剤供給装置の第2変形例のケースラックの下部が引き出された状態を示す斜視図である。
【
図54】
図53のケースラックを矢印LIV方向から見た側面図である。
【
図55】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面の初期画面を示す図である。
【
図56】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、入力された2つの処方データのうち、一の処方データの処方状態が払出済、次の処方データの処方状態が指示待ちである状態を示す図である。
【
図57】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、選択ケースが載置されている載置部に対応する載置部表示領域に、充填ボタンが表示された状態を示す図である。
【
図58】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、入力された2つの処方データの処方状態が払出済である状態を示す図である。
【
図59】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、処方状態が払出済である2つの処方データのうちの一の処方データに含まれる供給対象の薬剤を収容している一の選択ケースが載置部からケースラックに搬送されて戻された状態を示す図である。
【
図60】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、2つの処方データのうちの一の処方データに含まれる供給対象の薬剤を収容している全ての選択ケースが載置部からケースラックに搬送されて戻された状態を示す図である。
【
図61】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、指示選択領域にロック解除ボタンが表示された状態を示す図である。
【
図62】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、入力された3つの処方データの処方状態が払出済である状態を示す図である。
【
図63】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、3つの処方データのうちの2つの処方データに含まれる供給対象の薬剤を収容している全ての選択ケースが載置部からケースラックに搬送されて戻された状態を示す図である。
【
図64】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、入力された2つの処方データのうち、一の処方データの処方状態が保留、次の処方データの処方状態が指示待ちである状態を示す図である。
【
図65】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される薬剤充填画面を示す図である。
【
図66】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される薬剤充填画面において、選択ケースに充填する薬剤の数量を入力可能な入力画面が表示された状態を示す図である。
【
図67】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される薬剤在庫画面である。
【
図68】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される搭載薬剤画面を示す図である。
【
図69】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される薬剤選択画面を示す図である。
【
図70】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示されるケース情報登録画面を示す図である。
【
図71】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、順次指示された3つの処方データの処方状態が処理済である状態を示す図である。
【
図72】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処理済処方情報画面を示す図である。
【
図73】本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示されるケース並び替え画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置について図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰返さない。なお、明細書中において、左右方向は、薬剤供給装置を正面側から見た際の方向で記載している。また、薬剤供給装置の正面を前面、薬剤供給装置の背面を後面と表現する場合がある。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を正面側の上方から見た斜視図である。
図2は、
図1の薬剤供給装置の正面図である。
図3は、
図1の薬剤供給装置を右側から見た側面図である。
図4は、
図1の薬剤供給装置の背面図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置を背面側の上方から見た斜視図である。
図3および
図5においては、調剤台ユニットの右側の側板を取り外した状態を図示している。
【0015】
図1~
図5に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置1は、調剤台ユニット100と、ケースラック200と、搬送ユニット400とを備える。本実施形態においては、正面から見て、調剤台ユニット100の左側に2つのケースラック200が並んで配置されているが、調剤台ユニット100およびケースラック200の配置は、これに限られず、調剤台ユニット100を左右に挟むように複数のケースラック200が配置されていてもよいし、調剤台ユニット100の左右いずれかに1つのケースラック200が配置されていてもよい。このように、調剤台ユニット100は、ケースラック200に左右方向に隣接配置されている。
【0016】
ケースラック200は、薬剤が収容される複数のケース300を収納する。ケースラック200は、第1収納部であり、第1薬剤を収納する。第1収納部としては、第1薬剤を収容する薬箱を収納するものでもよい。第1薬剤には、種々の薬剤が含まれる。ケースラック200は、ケースラック200の前方から複数のケース300を手動でも出し入れ可能に構成されている。
【0017】
ケースラック200は、筐体210と、棚板部220と、作業台230と、開閉部である開閉扉240と、第1開閉検出部251と、第2開閉検出部250と、ロック部260とを含む。複数の棚板部220は、上下方向に互いに間隔をあけて、筐体210の内部の前方側に配置されている。複数の棚板部220の各々に、複数のケース300が左右方向に並んで載置される。複数のケース300は、ケースラック200において前後方向に垂直な仮想平面に沿って規定位置に配列されている。
【0018】
本実施形態においては、筐体210の前側は、上下方向において、後述する調剤台120より上方に位置する上部領域と、調剤台120より下方に位置する下部領域とに区切られている。なお、必ずしも、筐体210の前側が上部領域と下部領域とに区切られていなくてもよい。
【0019】
作業台230は、ケースラック200の前方において複数のケース300に対して薬剤を出し入れする際に用いられる。作業台230は、薬剤を収容可能な図示しないトレイおよびケース300などを載置可能に構成されている。作業台230は、必ずしも配置されていなくてもよい。
【0020】
図3に示すように、作業台230は、ケースラック200の前面より前方に突出している第1状態と、ケースラック200の前面から後方側に位置している第2状態とに、切り替え可能に構成されている。
図4~
図6に示すように、ケースラック200には、作業台230を収納する収納空間S230が形成されている。作業台230は、第2状態において、収納空間S230に収納されている。
【0021】
本実施形態においては、作業台230は、収納空間S230に押し入れ可能であり、かつ、収納空間S230から引き出し可能である。作業台230は、筐体210の前方に引き出し可能に構成されている。作業台230は、作業台230の前面が押圧されることにより作業台230が前方に移動するように付勢するプッシュオープン機構231を含む。なお、作業台230の構成は、上記に限られず、たとえば、回動軸を中心に回動することにより前後方向に出入りする構成であってもよい。
【0022】
作業台230は、筐体210の上部領域と筐体210の下部領域との間に配置されている。
図2に示すように、ケースラック200は、複数の区画PLU,PRU,PLD,PRDに区分けされている。区画PLUは、ケースラック200の左側上部領域である。区画PRUは、ケースラック200の右側上部領域である。区画PLDは、ケースラック200の左側下部領域である。区画PRDは、ケースラック200の右側下部領域である。
【0023】
複数の開閉扉240は、筐体210の前方に配置されており、筐体210の前側を開閉可能に構成されている。複数の開閉扉240の各々は、ケースラック200の前面を開閉可能である。複数の開閉扉240は、複数の区画PLU,PRU,PLD,PRDを個別に開閉可能である。具体的には、筐体210の上部領域および下部領域の各々に1対の開閉扉240が設けられている。開閉扉240は、折り返しつつ左右方向に開閉可能に構成されている。
図1および
図2においては、正面から見て、右側の開閉扉240を図示していない。
【0024】
開閉扉240は、ロック状態とアンロック状態とに切り替え可能に構成されている。具体的には、ロック部260は、開閉扉240を閉じた状態でロックする。ロック部260は、後述する制御部と電気的に接続されている。複数の開閉扉240に1対1で対応して複数のロック部260が設けられている。
【0025】
ケースラック200は、開閉扉240がアンロックされて開いた状態において、ケースラック200の前方から複数のケース300を出し入れ可能に構成されている。逆に、開閉扉240が閉じてロックされた状態においては、ケースラック200の前方から複数のケース300を出し入れすることはできない。
【0026】
たとえば、
図2に示すように、複数の開閉扉240のうちの開状態にある開閉扉240によって開放されている区画PRU,PRDにおいては、複数のケース300を手動で出し入れ可能である。複数の開閉扉240のうちの閉状態にある開閉扉240によって閉鎖されている区画PLU,PLDにおいては、複数のケース300を手動で出し入れ不能である。
【0027】
複数の第1開閉検出部251は、複数の開閉扉240の開閉状態を1対1で対応して検出する。複数の第1開閉検出部251の各々は、たとえば、ドアスイッチである。
【0028】
複数の第2開閉検出部250は、複数の開閉扉240の開閉状態を1対1で対応して検出する。第2開閉検出部250は、後述する制御部と電気的に接続されている。複数の第2開閉検出部250の各々は、たとえば、ドアスイッチである。
【0029】
調剤台ユニット100は、載置部130および調剤台120を有する。調剤台ユニット100は、筐体110と、下部収納スペース140と、上部収納スペース150と、表示部160と、タッチパネル170と、コードリーダ180と、プリンタ190と、表示灯161とをさらに含む。調剤台ユニット100の前後方向の最大奥行き寸法は、たとえば、700mmである。
【0030】
筐体110において、載置部130から上方の部分は、調剤台120から下方の部分に比較して、前面位置が後ろ側に位置している。本実施形態においては、調剤台120より上方の筐体110の前面に、開口111が形成されている。5つの開口111が左右方向に並んで配置されている。なお、開口111の数は、5つに限られず、1つ以上であればよい。
【0031】
載置部130は、第1薬剤が載置可能であり、第1薬剤を出し入れするために設けられている。本実施形態においては、第1薬剤は、ケース300に収容されている。載置部130には、複数のケース300から選択された選択ケース300aが載置可能である。載置部130は、選択ケース300aに対して第1薬剤を出し入れするために設けられている。
【0032】
本実施形態においては、載置部130は、選択ケース300aが載置されるベース部131と、ベース部131の前端に取り付けられた壁面部132とを含む。壁面部132は、開口111を開閉可能に構成されている。なお、載置部130は、必ずしも壁面部132を含んでいなくてもよく、この場合、筐体110に開口111を開閉するシャッタが設けられていてもよい。
【0033】
載置部130は、開口111を通じて、筐体110に対して前後方向に引き出し可能に構成されている。すなわち、載置部130は、開閉可能な開口111を通じて外部と接続されている。なお、載置部130は、必ずしも引き出し可能に構成されていなくてもよく、この場合、筐体110における載置部130の上方に位置する部分に、選択ケース300aに対して薬剤を出し入れ可能とする開口が形成されている。本実施形態においては、5つの載置部130が左右方向に並んで配置されているが、載置部130の数は、5つに限られず、少なくとも1つあればよい。
【0034】
調剤台120は、薬剤を収容可能なトレイなどを載置可能に構成されている。調剤台120は、載置部130の周囲に位置し、本実施形態においては載置部130より下方に位置する。載置部130の下方に、調剤台120の一部が位置している。具体的には、調剤台120の後ろ側の部分が、載置部130の直下に位置している。調剤台120および載置部130は、上下方向に間隔をあけて設けられている。調剤台120と載置部130との間には、収容スペース112が形成されている。収容スペース112には、選択ケース300aから取り出した薬剤を収容するトレイなどを、前方から進入させることができる。
【0035】
図3に示すように、調剤台120は、左右方向から見て、ケースラック200の前端の位置より後ろ側に位置している。本実施形態においては、ケースラック200の前端は、開閉扉240の取っ手の前端である。
【0036】
載置部130の前端の位置は、ケースラック200の前端の位置より後ろ側に位置している。
図5に示すように、載置部130に載置された選択ケース300aは、ケースラック200に収納されている複数のケース300の各々に比較して、後ろ側に位置している。
【0037】
下部収納スペース140は、ケース300とは形状または大きさが異なる他のケース、または薬剤などを収納可能である。
図1および
図2に示すように、下部収納スペース140は、筐体110において、調剤台120および載置部130より下方の位置に形成されている。本実施形態においては、下部収納スペース140には、複数の引出しが配置されているが、これに限られず、棚が配置されていてもよい。下部収納スペース140は、必ずしも形成されていなくてもよい。下部収納スペース140は、第2収納部であり、第1薬剤とは種類の異なる第2薬剤を手動で出し入れ可能に収納する。第2収納部としては、第2薬剤を収容する薬箱を収納するものでもよい。第2薬剤には、種々の薬剤が含まれる。たとえば、第2薬剤は、第1薬剤に比べて処方頻度が高い薬剤である。
【0038】
上部収納スペース150は、ケース300とは形状または大きさが異なる他のケース、または薬剤などを収納可能である。上部収納スペース150は、筐体110において、調剤台120および載置部130より上方の位置に形成されている。本実施形態においては、上部収納スペース150には、棚が配置されているが、これに限られず、複数の引出しが配置されていてもよい。上部収納スペース150は、必ずしも形成されていなくてもよい。上部収納スペース150は、第2収納部であり、第2薬剤を手動で出し入れ可能に収納する。
【0039】
なお、第2収納部として、載置部130の側方に、図示しない側部収納スペースが設けられていてもよい。側部収納スペースは、ケース300とは形状または大きさが異なる他のケース、または薬剤などを収納可能である。側部収納スペースは、第2薬剤を手動で出し入れ可能に収納する。側部収納スペースは、たとえば、
図2に示す調剤台ユニット100の右側に配置され、5つの載置部130の右側方に設けられる。このように、第2収納部は、載置部130の周囲に設けられている。第2収納部は、載置部130の上方、下方および側方の少なくとも一方に設けられている。
【0040】
表示部160は、筐体110の前面において、開口111の上側に形成されている。表示部160は、載置部130に選択ケース300aが載置されている時に点灯することにより、載置部130に選択ケース300aが載置されていることを表示する。複数の載置部130に1対1で対応して複数の表示部160が設けられている。
【0041】
タッチパネル170は、画像を表示する画像表示部である。タッチパネル170は、筐体110の前面において、上下方向において表示部160と上部収納スペース150との間の位置、かつ、左右方向において筐体110の略中央の位置に設けられている。
【0042】
タッチパネル170は、患者の処方箋情報などを表示可能であり、また、複数のケース300から任意のケース300を選択する選択操作を受け付けることができる。タッチパネル170は、制御部と電気的に接続されている。
【0043】
読取部であるコードリーダ180は、筐体110の前面において、タッチパネル170の右側に設けられている。コードリーダ180は、薬剤が収容された箱に付されたバーコードなどのコードを読み取る。コードリーダ180は、制御部と電気的に接続されている。
【0044】
選択ケース300aに薬剤を補充する際に、コードリーダ180にてコードを読み取ることにより、補充される薬剤を制御部に認識させることができる。制御部は、補充すべき薬剤とは異なる薬剤を認識した場合は、タッチパネル170にアラームを表示させる。これにより、誤った薬剤が補充されることを抑制することができる。
【0045】
プリンタ190は、筐体110の前面において、タッチパネル170の左側に設けられている。プリンタ190は、患者の氏名および処方箋情報などを印字可能である。プリンタ190は、制御部と電気的に接続されている。
【0046】
表示灯161は、筐体110の天井に設けられている。表示灯161は、薬剤供給装置1の異常の有無を表示する。具体的には、薬剤供給装置1が正常である場合は緑色を表示し、薬剤供給装置1が異常である場合は橙色で表示する。表示灯161は、制御部と電気的に接続されている。
【0047】
図6は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置において搬送ユニットが載置部の上方に移動した状態を背面側の上方から見た斜視図である。
図3~
図6に示すように、搬送ユニット400は、ケースラック200および調剤台ユニット100の各々の後ろ側を移動可能に設けられている。搬送ユニット400は、ケースラック200と載置部130との間で選択ケース300aを搬送する。すなわち、搬送ユニット400は、第1収納部と載置部130との間で第1薬剤を搬送する。搬送ユニット400は、後述する処方データに基づいて第1薬剤を搬送する。本実施形態においては、搬送ユニット400は、ケース300に収容された第1薬剤を搬送する。搬送ユニット400は、複数のケース300から選択された複数の選択ケース300aをケースラック200から複数の載置部130に1つずつ順次載置可能である。
【0048】
搬送ユニット400は、水平移動機構500および垂直移動機構600と接続されていることにより、左右方向および上下方向に移動可能に構成されている。すなわち、水平移動機構500および垂直移動機構600は、搬送ユニット400の駆動機構である。搬送ユニット400、水平移動機構500および垂直移動機構600の各々は、制御部と電気的に接続されている。水平移動機構500および垂直移動機構600の各々は、たとえば、ベルト駆動機構である。
【0049】
搬送ユニット400は、開閉扉240が閉じてロックされた状態においてのみ移動可能に構成されている。具体的には、制御部は、開閉扉240がロックされた状態であることを認識したときのみ、搬送ユニット400、水平移動機構500および垂直移動機構600の各々を駆動させる。制御部は、搬送ユニット400の駆動を制御する。制御部は、水平移動機構500を駆動させることにより、搬送ユニット400を左右方向に駆動させる。制御部は、垂直移動機構600を駆動させることにより、搬送ユニット400を上下方向に駆動させる。
【0050】
図5に示すように、搬送ユニット400は、ケースラック200内を移動する際、棚板部220に載置されたケース300の後ろ側に位置している。
【0051】
図6に示すように、搬送ユニット400は、調剤台ユニット100の内部において、載置部130の上方を左右方向に移動する。搬送ユニット400は、調剤台ユニット100の内部において左右方向に移動する際、上下方向から見て、載置部130と重なっている。すなわち、搬送ユニット400は、上下方向から見て、載置部130に載置されている選択ケース300aと重なる位置を通過するように構成されており、載置部130に載置されている選択ケース300aと重ならずに選択ケース300aの後ろ側を通過するようには構成されていない。
【0052】
図1および
図2に示すように、複数のケース300の各々の前面に識別コード340が付されている。識別コード340は、ケース300に収納される薬剤を識別するためのコードである。ケース300に複数の薬剤が収納される場合は、ケース300に複数の識別コード340が付されていてもよい。識別コード340は、たとえば、バーコードまたはQRコード(登録商標)などである。識別コード340は、ケース300の前面ではなく、ケース300の側面に付されていてもよい。識別コード340は、必ずしもケース300に付されていなくてもよい。
【0053】
図4に示すように、複数のケース300の各々の後面に情報担持部である識別コード350が付されている。識別コード350は、個々のケース300を識別するためのコードである。識別コード350は、たとえば、バーコード、QRコード(登録商標)またはカメレオンコード(登録商標)などである。このように、複数のケース300の各々には、識別情報を担持する情報担持部が設けられている。識別コード350が担持するケース識別情報は、当該ケース300に収容される薬剤を識別するための薬剤識別情報と予め対応付けられている。なお、識別コード350が担持する識別情報は、当該識別コード350が付されているケース300に収容される薬剤の薬剤識別情報であってもよい。
【0054】
ここで、本実施形態に係るケース300について説明する。
図7は、本発明の一実施形態に係るケースを上方から見た斜視図である。
図8は、本発明の一実施形態に係るケース本体を上方から見た斜視図である。
図9は、本発明の一実施形態に係るケース本体を下方から見た斜視図である。
【0055】
図7~
図9に示すように、ケース300は、ケース本体310と、端数収容部320と、仕切板330とを含む。端数収容部320および仕切板330の各々は、ケース本体310の内部に配置可能に形成されている。
【0056】
端数収容部320は、たとえば、PTP(Press Through Package)包装シートに包装された薬剤の端数を収容する小ケースである。仕切板330は、ケース300内に複数の種類の薬剤を収容する際に、薬剤の種類毎に収容可能となるように、ケース本体310の内部を複数の領域に仕切る。
【0057】
ケース本体310は、底部310b、並びに、底部310bの周縁から立設された、前壁部310f、後壁部310rおよび1対の側壁部310sを有する。ケース本体310は、スリット317を間に挟んで前壁部310fと対向する透明支持部311をさらに有する。ケース本体310は、樹脂の一体成形により形成されている。
【0058】
透明支持部311は、上方からスリット317に挿入された薬剤名が記載されたカードをケース300の前方側から視認可能に支持する部分である。具体的には、透明支持部311の下端が後ろ側に曲折しており、当該曲折部にてカードを支持する。
【0059】
ケース本体310の一対の側壁部310sには、前後方向に延在する段部312が形成されている。ケース本体310の左右方向の外幅は、段部312の下側の部分より上側の部分が広くなっている。ケース本体310の左右方向の内幅も、段部312の下側の部分より上側の部分が広くなっている。
【0060】
ケース本体310の後壁部310rの上面に、左右方向に延在する一対の突出部313が形成されている。一対の突出部313は、ケース本体310の後壁部310rの上面における左右方向の両側に形成されている。一対の突出部313の各々の上面は、前方に行くにしたがって上方に位置するように傾斜している。
【0061】
図9に示すように、ケース本体310の底部310bの後端に、一対の凹部314が形成されている。一対の凹部314は、ケース本体310の底部310bにおける左右方向の両端部に形成されている。一対の凹部314の各々は、後方に開放している。すなわち、一対の凹部314の各々の内壁面は、左右方向に対向する一対の側壁面314sと、一対の側壁面314sを繋ぐ前壁面314fとから構成されている。
【0062】
図7および
図8に示すように、ケース本体310の一対の側壁部310sの内面において、段部312の上側の部分に、仕切板330の左右方向の両端部が挿入される複数の溝部315が形成されている。複数の溝部315の各々は、上下方向に延在している。
【0063】
ケース本体310の一対の側壁部310sの内面において、段部312の上側の部分に、端数収容部320の1対の側面の各々に形成された突起321と係合して端数収容部320を前後方向に位置決めする溝部316が形成されている。
【0064】
図9に示すように、ケース本体310の後壁部310rの上端部の後ろ側に、後述する搬送ユニット400の爪部と係合する係合部318が形成されている。係合部318は、後壁部310rの上端部と前後方向に間隔をあけて対向している。係合部318は、後壁部310rの上端部から後方に延在するフランジと繋がっている。
【0065】
ここで、本実施形態に係る載置部130の構成、および、調剤台ユニット100における載置部130の周辺の構成について説明する。
【0066】
図10は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置において載置部が引き出された状態を正面側の上方から見た斜視図である。
図11は、本発明の一実施形態に係る調剤台ユニットにおける載置部の周辺を正面側の上方から見た斜視図である。
図12は、本発明の一実施形態に係る載置部の周辺を背面側の下方から見た斜視図である。
図13は、本発明の一実施形態に係る調剤台ユニットにおいて載置部を取り外した状態を上方から見た斜視図である。
図14は、
図11の載置部の周辺をXIV-XIV線矢印方向から見た断面図である。
図15は、本発明の一実施形態に係る調剤台ユニットにおける載置部が引き出された状態を側方から見た側面図である。
図16は、本発明の一実施形態に係る調剤台ユニットにおける引き出された載置部から選択ケースが取り外された状態を側方から見た側面図である。
【0067】
図10に示すように、引き出されて最も前寄りに位置している状態の載置部130の前端の位置は、調剤台120の前端より後ろに位置している。
【0068】
図10、
図15および
図16に示すように、載置部130は、引き出されて最も前寄りに位置している状態において、載置部130の前端が載置部130の後端より下方に位置するように傾斜している。なお、載置部130の前端は壁面部132であり、載置部130の後端はベース部131の後端である。載置部130が引き出された状態において、開口111は、開放状態となっている。
【0069】
図15に示すように、開口111が開放状態の載置部130は、載置されている選択ケース300aによって、開口111を通じた外部からの異物の侵入を阻止可能に構成されている。具体的には、引き出されて開口111が開放状態の載置部130上に載置されている選択ケース300aが、開口111を通じて薬剤供給装置1の内部と外部との間が直線的に連通することを阻害している。
【0070】
図11および
図12に示すように、ベース部131は、平板状の形状を有している。
図12に示すように、ベース部131には、開口131hが形成されている。ベース部131の下部に、左右方向に間隔をあけて1対のローラ131rが設けられている。1対のローラ131rの各々は、左右方向に延在する回転軸周りに回転可能に設けられている。
図12、
図14~
図16に示すように、ベース部131の下部に、ドグ131aおよび被吸着部131pが設けられている。ドグ131aおよび被吸着部131pの各々は、曲げ加工された1枚の板金から構成されている。
【0071】
図11に示すように、壁面部132の下部には、手掛け132aが形成されている。手掛け132aに手を掛けて引くことにより、載置部130を引き出すことができる。
【0072】
壁面部132の上部には、開口132bが形成されている。壁面部132の後面に、開口132bを塞ぐ透明板133が取り付けられている。具体的には、
図12に示すように、壁面部132の後面に、1対の突起132cが設けられている。透明板133に形成されている1対の貫通孔に1対の突起132cを挿通した状態で、1対の突起132cの各々に止め輪134を嵌着することにより、壁面部132に透明板133が取り付けられている。
【0073】
これにより、壁面部132の前方側から透明板133および透明支持部311を通じて、選択ケース300aに付されている、薬剤名が記載されたカードを視認可能となっている。
【0074】
図12、
図14~
図16に示すように、壁面部132の後面の上部に、選択ケース300aの前端の上面と係合する突出部132dが形成されている。具体的には、壁面部132の後面の上部に、左右方向に延在する突出部132dが形成されている。突出部132dの下面は、平坦面である。
【0075】
図13、
図14~
図16に示すように、調剤台ユニット100における載置部130の周辺には、第1近接センサ10、第2近接センサ13、位置検出センサ11、電磁石12、案内レール113、支持ローラ114、当接部115、および、押さえローラ116が設けられている。第1近接センサ10、位置検出センサ11、電磁石12および第2近接センサ13の各々は、制御部と電気的に接続されている。
【0076】
第1近接センサ10は、載置部130に選択ケース300aが載置されたことを検出する。第1近接センサ10は、載置部130が引き出されていない状態のベース部131の開口131hの下方に配置されており、開口131hを通じてベース部131上の選択ケース300aの有無を検出する。
【0077】
第2近接センサ13は、引き出された状態の載置部130に選択ケース300aが載置されているか否かを検出する。第2近接センサ13は、載置部130が引き出された状態のベース部131の開口131hの下方に配置されており、開口131hを通じてベース部131上の選択ケース300aの有無を検出する。
【0078】
位置検出センサ11は、載置部130が引き出されていない状態のときの前後方向の原点位置に載置部130が位置したことを検出する。具体的には、位置検出センサ11は、ベース部131の下部に設けられたドグ131aを検出することにより、載置部130が原点位置に位置していることを検出する。位置検出センサ11がドグ131aを検出していないとき、開口111は開放状態となっている。位置検出センサ11は、載置部130が引き出されたことを検出する引出検出部である。本実施形態においては、位置検出センサ11は、マイクロフォトセンサであるが、これに限られず、たとえば、リミットスイッチなどでもよい。
【0079】
電磁石12は、載置部130が移動できないようにロック可能である。具体的には、電流を供給された電磁石12は、ベース部131の下部に設けられた被吸着部131pを吸着することにより、載置部130が原点位置から移動できないようにロックする。電磁石12への電流の供給が停止されると、載置部130のロックが解除される。この構成により、5つの載置部130において、載置されている選択ケース300aに対する薬剤の出し入れ可能状態と不能状態とに個別に切替可能である。
【0080】
案内レール113は、ベース部131の下部に設けられたローラ131rの移動軌跡を規定する。具体的には、載置部130の下方において、左右方向に間隔をあけて1対の案内レール113が前後方向に延在するように配置されている。1対の案内レール113の各々には、前後方向に延在する貫通溝が形成されている。貫通溝の前方側の一部は、前方側に行くにしたがって上方に位置するように傾斜している。ローラ131rは、貫通溝の内側を転がりながら移動する。これにより、載置部130が前後方向に移動する。
【0081】
図13~
図16に示すように、支持ローラ114は、載置部130が引き出される間にベース部131と転がり接触しつつ載置部130が回動して傾斜する際に支点となる。具体的には、支持ローラ114は、開口111の下側の部分の後ろの位置において、回転可能に支持されている。
【0082】
ローラ131rが案内レール113の貫通溝の傾斜部分を前進しつつ上昇するにしたがって、ベース部131は、支持ローラ114に支持されている部分を回動中心にして回動することにより傾斜する。
【0083】
図15に示すように、当接部115は、引き出されて最も前寄りに位置している状態の載置部130に載置されている選択ケース300aの後ろ側の部分の上方に位置している。当接部115は、載置部130が引き出されて傾斜した際の勢いで、載置部130に載置されている選択ケース300aの後ろ側の部分が浮き上がった際に、選択ケース300aの後ろ側の部分と当接して、選択ケース300aを載置部130上に保持する。具体的には、当接部115は、筐体110に設けられ、開口111の上側の部分の位置において、一対の突出部313の各々と係合可能に設けられている。本実施形態においては、当接部115は、板金で構成されているが、これに限られず、ゴムなどでもよい。
【0084】
図13~
図16に示すように、押さえローラ116は、支持ローラ114の上方において回転可能に支持されている。押さえローラ116と支持ローラ114との間にベース部131が挟まれており、押さえローラ116は、載置部130が引き出される間にベース部131と転がり接触する。
【0085】
載置部130上に載置されている選択ケース300aは、載置部130が傾斜した状態において、選択ケース300aの前端の上面が突出部132dによって押さえられ、選択ケース300aの後ろ側の部分に間隔をあけて当接部115が位置することにより、載置部130に取り外し可能に保持されている。このように、選択ケース300aが載置された載置部130において開口111が開いた開放状態では、選択ケース300aに対する薬剤の出し入れが可能であり、かつ、載置部130から選択ケース300aを取り外し可能である。
【0086】
上記開放状態において載置部130から外部に選択ケース300aが取り外されたとき、第1近接センサ10および第2近接センサ13の各々は、選択ケース300aを検出しない。一方、上記開放状態において載置部130上に選択ケース300aがあるとき、第1近接センサ10および第2近接センサ13の少なくとも一方は選択ケース300aを検出する。すなわち、上記開放状態において、第1近接センサ10および第2近接センサ13の両方が選択ケース300aを検出しなくなったとき、載置部130から外部に選択ケース300aが取り外されたことが検出される。このように、第1近接センサ10および第2近接センサ13は、上記開放状態において載置部130から外部に選択ケース300aが取り外されたか否かを検出する取外検出部である。
【0087】
ここで、搬送ユニット400の構成について説明する。
図17は、本発明の一実施形態に係る搬送ユニットの爪部が後退した状態を前方から見た斜視図である。
図18は、
図17の状態を矢印XVIII方向から見た斜視図である。
図19は、本発明の一実施形態に係る搬送ユニットの爪部が前進した状態を前方から見た斜視図である。
図20は、
図19の搬送ユニットを矢印XX方向から見た斜視図である。
図19においては、爪部450が上昇するように回動した状態を示しており、
図20においては、爪部450が下降した状態を示している。
【0088】
図17~
図20に示すように、搬送ユニット400は、筐体410と、モータ420と、一対の回動軸430と、一対の支持アーム440と、爪部450と、押し板460と、位置把握部であるコードリーダ470と、突当部490とを含む。爪部450、押し板460、コードリーダ470および突当部490は、筐体410の内部を前後方向に一緒に移動可能に構成されている。具体的には、爪部450、押し板460、コードリーダ470および突当部490は、送りねじ機構によって、前後方向に移動可能に構成されている。
【0089】
筐体410は、選択ケース300aを収容して支持できるように、前側下部および下側が開放している。筐体410は、搬送ユニット400を水平移動機構500および垂直移動機構600によって駆動可能とするために、垂直移動機構600が有する接続アタッチ630と接続されている。
【0090】
モータ420は、筐体410に固定されている。モータ420は、一対の回動軸430を駆動する。一対の回動軸430の各々は、筐体410の下部の対向する内面に1つずつ回動可能に取り付けられている。一対の回動軸430の各々は、前後方向に延在している。
【0091】
一対の支持アーム440は、一対の回動軸430に対して1つずつ取り付けられている。一対の支持アーム440の各々は、取り付けられている回動軸430を中心に回動軸430とともに回動する。一対の支持アーム440の各々は、選択ケース300aの段部312を下側から支えることにより、選択ケース300aを支持可能に構成されている。
【0092】
爪部450は、選択ケース300aの係合部318の内面と係合可能に構成されている。爪部450は、上下方向に回動可能に支持されている。
【0093】
押し板460は、選択ケース300aの係合部318の外面と当接可能に構成されている。押し板460は、爪部450の上方に位置している。
【0094】
コードリーダ470は、選択ケース300aに付されている識別コード350を読み取り可能に構成されている。コードリーダ470は、押し板460の後ろ側に位置している。
【0095】
突当部490は、後述するガードに突き当て可能に構成されている。突当部490は、押し板460の上方に位置しつつ、押し板460より前方に位置している。
【0096】
ここで、ケースラック200の棚板部220の構成について説明する。
図21は、ケースラックに収納されている選択ケースの縦断面図である。
図22は、2段の棚板部の縦断面図である。
図23は、ストッパおよびガードの構成を示す斜視図である。
図24は、ストッパおよびガードの構成を示す平面図である。
図25は、ストッパおよびガードの構成を示す背面図である。
図26は、
図25のストッパおよびガードをXXVI-XXVI線矢印方向から見た断面図である。
図27は、ケースラックに収納されている選択ケースの斜視図である。
図21においては、選択ケース300aの後部が浮き上がった状態を示している。
【0097】
図21~
図27に示すように、ケースラック200の棚板部220には、ストッパ223およびガード224が設けられている。ストッパ223は、ケースラック200に複数のケース300の各々が前方から入れられた際に、複数のケース300の各々の前後方向の位置を規制する。また、ストッパ223は、ケースラック200に複数のケース300の各々が後方から出し入れされる際には、複数のケース300の各々の前後方向の移動を許容する。ガード224は、ケースラック200に複数のケース300の各々が前方から入れられた際に、ストッパ223を複数のケース300の各々が乗り越えることを規制する。
【0098】
具体的には、ストッパ223およびガード224の各々は、支持プレート225に回動可能に支持されている。支持プレート225は、棚板部220の下面に取り付けられている。支持プレート225は、ストッパ223の回動軸226、および、ガード224の回動軸228の各々を支持している。回動軸226にトーションばね227が取り付けられていることにより、ストッパ223は上方に向けて付勢されている。
【0099】
ガード224は、自重で垂下するように回動軸228によって支持されている。ガード224は、垂下した状態で位置する第1位置から前方に回動して第2位置に変位可能に構成されている。垂下した状態のガード224の下部に、複数のケース300の各々の突出部313と上方から当接可能な当接面部224bが形成されている。当接面部224bは、ガード224が第1位置にあるときに、前方に行くにしたがって上方に位置するように傾斜している。
【0100】
図27に示すように、棚板部220には、ケースラック200にケース300を前方から入れる際に、左右方向のケース300の位置を規定する複数の案内壁221が設けられている。案内壁221同士の間に、ケース300が挿入される。
【0101】
棚板部220の後ろ側に、左右方向に間隔をあけて1対の開口222が形成されている。一対の開口222の各々から突出するように、2つのストッパ223が配置されている。2つのストッパ223の各々は、開口222から突出した状態と、開口222から突出していない状態とに、変化可能であり、開口222から突出する方向にトーションばね227によって付勢されている。
【0102】
ケースラック200にケース300が前方から入れられた際に、ケース本体310の底部310bに形成されている凹部314の前壁面314fとストッパ223とが当接することにより、ケース300が前後方向に位置決めされる。
【0103】
図21に示すように、ケースラック200にケース300が前方から入れられた際に、ケース300の後部が浮き上がったとき、第1位置にあるガード224の当接面部224bがケース300の突出部313と当接することにより、ケース300がストッパ223を乗り越えることが規制される。すなわち、第1位置にあるガード224は、複数のケース300の各々がストッパ223を乗り越えることを規制する。
【0104】
ケースラック200にケース300が後方から出し入れされる際には、ストッパ223は、ケース300の底部310bに上方から押圧されることで、開口222から突出していない状態になる。ストッパ223が開口222から突出していない状態になることで、ケース300の前後方向の移動が許容される。このとき、ガード224は、後述するように、第2位置に変位している。
【0105】
ここで、搬送ユニット400がケースラック200から選択ケース300aを収容して支持する際の動作について説明する。搬送ユニット400は、爪部450が後退した状態でケースラック200の後ろ側を移動して選択ケース300aの後方の位置で停止する。
【0106】
図28は、ケースラックに収納されている選択ケースの後方に位置する搬送ユニットの爪部が前進した状態の縦断面図である。
【0107】
図28に示すように、爪部450が前進することにより、爪部450は、選択ケース300aの係合部318の下方に位置する。このとき、突当部490は、ガード224に突き当たっている。突当部490に突き当てられたガード224は、回動軸228周りに前方に回動し、第2位置に変位している。すなわち、搬送ユニット400は、ケースラック200に収納されている選択ケース300aをケースラック200の後方に引き出す際に、ガード224を第1位置から第2位置に変位させる。
【0108】
第2位置に変位しているガード224は、選択ケース300aの突出部313から離間しており、このとき、選択ケース300aは、ストッパ223上を通過可能となっている。このように、ガード224は、複数のケース300の各々がストッパ223を乗り越えることを規制する第1位置と、選択ケース300aがストッパ223上を通過可能とする第2位置との間で、変位可能に構成されている。すなわち、ガード224は、搬送ユニット400がケースラック200に収納されている選択ケース300aをケースラック200の後方に引き出す際に、選択ケース300aがストッパ223上を通過可能となるように構成されている。
【0109】
図29は、ケースラックに収納されている選択ケースの後方に位置する搬送ユニットにおいて、爪部が上昇するように回動した状態の縦断面図である。
図29に示すように、爪部450が上昇するように回動することにより、爪部450が選択ケース300aの係合部318の内面と係合する。
【0110】
爪部450が選択ケース300aの係合部318の内面と係合した状態で搬送ユニット400が少し上昇することにより、
図29に示すように、選択ケース300aの後ろ側が持ち上げられて、選択ケース300aの凹部314とストッパ223との係合が解除される。なお、爪部450が上昇するように回動することにより、選択ケース300aの後ろ側が持ち上げられて、選択ケース300aの凹部314とストッパ223との係合が解除されるように構成されていてもよい。また、ストッパ223が選択ケース300aの凹部314から退避するように構成されてもよい。
【0111】
図30は、選択ケースの係合部の内面と係合した爪部が後退している状態を示す断面図である。
図30に示すように、送りねじ機構が駆動して、選択ケース300aの係合部318の内面と係合した状態の爪部450が後退することにより、選択ケース300aが棚板部220上を滑りながら後方に引き出される。このとき、ストッパ223は、選択ケース300aの底部310bに上方から押圧されて、開口222からほとんど突出していない状態となっている。
【0112】
上記のように、搬送ユニット400は、ケースラック200に収納されている選択ケース300aをケースラック200の後方に引き出す際に、突当部490をガード224に突き当てて第2位置に変位させてから、選択ケース300aをケースラック200の後方に引き出す。また、搬送ユニット400は、ケースラック200に収納されている選択ケース300aをケースラック200の後方に引き出す際に、選択ケース300aがストッパ223上を通過できるように選択ケース300aの後ろ側を持ち上げる。
【0113】
図31は、選択ケースの係合部の内面と係合した爪部が後退し終えた状態の搬送ユニットを前方から見た斜視図である。
図32は、
図31の搬送ユニットを矢印XXXII方向から見た斜視図である。
【0114】
搬送ユニット400は、ケースラック200に収納されている選択ケース300aをケースラック200の後方に引き出す際に、一対の支持アーム440の各々を、支持位置に位置させる。
【0115】
図31および
図32に示すように、選択ケース300aの係合部318の内面と係合した爪部450が後退し終えた状態の搬送ユニット400においては、一対の支持アーム440の各々は、支持位置に位置しており、選択ケース300aの段部312を下側から支えている。これにより、搬送ユニット400が選択ケース300aを収容して支持する。選択ケース300aを収容して支持した搬送ユニット400は、載置部130の上方の位置まで移動し、支持している選択ケース300aが載置部130のベース部131の直上に位置するまで下降する。
【0116】
図33は、一対の支持アームが退避位置に位置した状態を前方から見た正面図である。
図34は、
図33の一対の支持アームが退避位置に位置した状態を矢印XXXIV方向から見た側面図である。
【0117】
選択ケース300aが載置部130のベース部131の直上に位置しているときに、
図33および
図34に示すように、モータ420によって一対の回動軸430が駆動される。これにより、一対の支持アーム440の各々は、取り付けられている回動軸430を中心に回動軸430とともに回動し、一対の回動軸430の下方の退避位置に移動する。これにより、選択ケース300aが載置部130に載置される。
【0118】
ここで、本実施形態に係る薬剤供給装置1において、薬剤を取り出すまたは補充するための動作について説明する。本実施形態に係る薬剤供給装置1は、第1モードと第2モードとに択一的に切り替え可能である。
【0119】
第1モードでは、搬送ユニット400によって選択ケース300aを搬送可能である。すなわち、第1モードでは、調剤台ユニット100の前で、薬剤を取り出すまたは補充することができる。第1モードにおいてのみ、載置部130に載置されている選択ケース300aに対して薬剤を出し入れ可能である。
【0120】
第2モードでは、搬送ユニット400が停止しており、複数のケース300をケースラック200から手動で出し入れ可能である。すなわち、第2モードでは、ケースラック200の前で、薬剤を取り出すまたは補充することができる。第2モードにおいてのみ、ケースラック200に収納されている複数のケース300に対して薬剤を出し入れ可能である。
【0121】
まず、本実施形態に係る薬剤供給装置1において、調剤台ユニット100の前で、薬剤を取り出すまたは補充するための動作の一例について説明する。
図35は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備える制御回路の構成を示すブロック図である。
図35に示すように、薬剤供給装置1は、制御部90を備えている。制御部90は、後述する在庫数量把握部91および記録部94を含む。
【0122】
タッチパネル170にて、第1モードが選択されると、取り出すべき薬剤を収納しているケース、または、薬剤が補充されるべきケースが、制御部90が記憶している情報に基づいて、ケースラック200に収納されている複数のケースの中から選択ケースとして選択される。
【0123】
制御部90は、水平移動機構500および垂直移動機構600を稼働させて、
図5に示すように、ケースラック200に収納されている選択ケース300aの後方に搬送ユニット400を位置させる。
【0124】
制御部90は、搬送ユニット400に選択ケース300aを収容して支持させた後、水平移動機構500および垂直移動機構600を稼働させて、
図6に示すように、搬送ユニット400を載置部130の上方に位置させる。
【0125】
載置部130の上方に位置した搬送ユニット400は、支持している選択ケース300aが載置部130のベース部131の直上に位置するまで下降する。その後、一対の支持アーム440が回転して選択ケース300aの支持が解除され、選択ケース300aの底部310bの一部がベース部131上に載置される。その状態で押し板460が選択ケース300aの係合部318の外面を押しつつ前進することにより、選択ケース300aの前端が載置部130の壁面部132と当接し、選択ケース300aがベース部131上に載置される。
【0126】
選択ケース300aがベース部131上に載置されたことを第1近接センサ10が検出すると、当該載置部130に対応する表示部160が点灯するとともに、電磁石12のロックが解除され、載置部130を引き出すことが可能となる。
【0127】
図15に示すように、載置部130が引き出されて傾斜した状態において、選択ケース300aから収容されている薬剤を取り出し、または、選択ケース300aに薬剤を補充する。
【0128】
薬剤の取り出しまたは補充が完了して、載置部130が調剤台ユニット100内に戻されたことを位置検出センサ11が検出すると、電磁石12によって載置部130がロックされる。その後、当該載置部130に載置されている選択ケース300aは、搬送ユニット400によって搬送されて、制御部90の記憶部92に記憶されているケースラック200の元の位置に戻される。
【0129】
次に、本実施形態に係る薬剤供給装置1において、ケースラック200の前で、薬剤を取り出すまたは補充するための動作の一例について説明する。
【0130】
タッチパネル170にて、第2モードが選択されると、開閉扉240がアンロック状態にされ、搬送ユニット400は移動不能とされる。その状態で、ケースラック200に収納されている複数のケース300の中の任意のケース300をケースラック200の前方から出して、薬剤を取り出し、または、薬剤を補充することができる。
【0131】
薬剤の取り出しまたは補充が完了したケース300は、ケースラック200の前方からケースラック200に入れられる。このようにケース300を出し入れした場合、必ずしもケース300がケースラック200の元の位置に戻されないため、第1モードで運転する前に、ケースラック200内における複数のケース300の各々の配置を制御部90に把握させる必要がある。
【0132】
そこで、本実施形態に係る薬剤供給装置1においては、コードリーダ470は、第2モードから第1モードに切り替えられたとき、ケースラック200における複数のケース300の収納位置を把握するように駆動される。具体的には、搬送ユニット400がケースラック200の後ろ側で、ケースラック200における複数のケース300の配列に沿って移動して、コードリーダ470が複数のケース300の各々の識別コード350を読み取ることにより、ケースラック200における複数のケース300の収納位置が把握される。このとき、コードリーダ470は、ケース300と干渉しない程度に前進した位置に位置している。
【0133】
なお、コードリーダ470が、ケースラック200の複数の区画PLU,PRU,PLD,PRDのうち、複数の第2開閉検出部250によって開状態にある開閉扉240が検出された区画において、この検出後の区画の複数のケース300の収納位置が未把握である区画についてのみ複数のケース300の配列に沿って移動することにより、ケースラック200における複数のケース300の収納位置を把握するようにされてもよい。この場合は、コードリーダ470は、閉状態にある開閉扉240によって閉鎖されている区画における複数のケース300の収納位置の把握は行なわない。また、コードリーダ470は、開状態にある開閉扉240が検出された区画のうちの、開状態の検出後に複数のケース300の収納位置の把握をすでに行なった区画において開状態が再度検出されていない区画については、複数のケース300の収納位置の把握は行なわない。
【0134】
把握された複数のケース300の収納位置は、記憶部92に記憶され、この記憶情報に基づいて、第1モード運転時に選択ケース300aが搬送される。なお、ケースラック200における複数のケース300の収納位置が把握されたことにより、出し入れされたケース300がケースラック200の元の位置に戻されていないことが判明した場合、制御部90は、出し入れされたケース300をケースラック200の元の位置に戻すように案内する表示をタッチパネル170に表示させてもよい。もしくは、制御部90は、搬送ユニット400に、出し入れされたケース300をケースラック200の元の位置に戻させてもよい。
【0135】
ケースラック200の前方からケース300を出し入れする際、通常は、ケース300はケースラック200の元の位置に戻される。このことを前提として、第2モードから第1モードに切り替えられたときに、搬送ユニット400による選択ケース300aの搬送が指示されている場合、コードリーダ470は駆動されずに、搬送ユニット400による選択ケース300aの搬送が優先されるようにしてもよい。この場合、搬送ユニット400が選択ケース300aの収納位置に移動しても、その収納位置に選択ケース300aが存在しない、あるいは、その収納位置に別のケース300が存在することがあり得る。そのときは、タッチパネル170にその旨が表示されるとともに、コードリーダ470がケースラック200における複数のケース300の収納位置を把握するように駆動されてもよい。
【0136】
ケースラック200の前方からケース300を出し入れする際にケース300をケースラック200の元の位置に戻すケース300の配置維持が、徹底されていない場合もあれば、徹底されている場合もある。ケース300の配置維持が徹底されていない場合は、都度、第1モードで運転する前に、ケースラック200内における複数のケース300の各々の配置を制御部90に把握させる必要がある。ケース300の配置維持が徹底されている場合は、都度、第1モードで運転する前に、ケースラック200内における複数のケース300の各々の配置を制御部90に把握させる必要はない。このようにケース300の配置維持状態を考慮して、第2モードから第1モードに切り替えられたときにコードリーダ470が駆動されるか否かを設定可能としてもよい。
【0137】
次に、本実施形態に係る薬剤供給装置1において、搬送ユニット400が一の載置部130に載置されている一の選択ケース300aをケースラック200に搬送する際の動作の一例について説明する。
図36は、本実施形態に係る薬剤供給装置において、搬送ユニットが一の載置部に載置されている一の選択ケースをケースラックに搬送する際の動作を示すフローチャートである。
【0138】
図36に示すように、搬送ユニット400が一の載置部130に載置されている一の選択ケース300aをケースラック200に搬送する際には、まず、制御部90は、一の選択ケース300aに対する薬剤の出し入れの完了を示す完了操作が行なわれたかどうかを判断する(工程S1)。
【0139】
本実施形態においては、完了操作は、引き出された一の載置部130を元の位置にもどす操作であり、位置検出センサ11によって検出可能である。なお、完了操作は、タッチパネル170の表示において一の載置部130に対応する領域がタップされることによって入力されてもよい。または、複数の載置部130の各々の近傍にボタンが設けられており、一の載置部130の近傍のボタンが押下されることにより完了操作が入力されてもよい。
【0140】
完了操作が行なわれると、搬送ユニット400は、一の選択ケース300aを一の載置部130で一時待機させた後、一の載置部130からケースラック200に搬送する、搬送実行状態に設定される。
【0141】
本実施形態においては、搬送ユニット400は、搬送実行状態に設定されている間に、一の選択ケース300aを一の載置部130で一定時間経過するまで待機させた後、一の載置部130からケースラック200に搬送する。
【0142】
具体的には、制御部90は、完了操作が行なわれると、搬送ユニット400を搬送実行状態に設定する。次に、制御部90は、完了操作が行なわれてから一定時間が経過したか判断する(工程S2)。完了操作が行なわれてから一定時間が経過している場合、制御部90は、搬送ユニット400に、一の選択ケース300aをケースラック200に搬送させる(工程S3)。
【0143】
完了操作が行なわれてから一定時間が経過していない場合、制御部90は、他の選択ケース300aに対する薬剤の出し入れの開始を示す開始操作が行なわれたかどうかを判断する(工程S4)。当該開始操作は、他の選択ケース300aが載置されている他の載置部130が引き出される操作であり、位置検出センサ11によって検出可能である。
【0144】
他の選択ケース300aに対する開始操作が行なわれた場合、制御部90は、搬送ユニット400に、一の選択ケース300aをケースラック200に搬送させる(工程S3)。この場合のように、搬送ユニット400は、複数の選択ケース300aのうちの一の選択ケース300aに対する薬剤の出し入れの完了を示す完了操作が行なわれると、複数の選択ケース300aのうちの他の選択ケース300aに対する薬剤の出し入れの開始を示す開始操作が行なわれるまで、一の選択ケース300aを複数の載置部130のうちの一の載置部130で一時待機させた後、一の載置部130からケースラック200に搬送する。
【0145】
他の選択ケース300aに対する開始操作が行なわれていない場合、制御部90は、取消操作が行なわれたかどうかを判断する(工程S5)。一の載置部130での一の選択ケース300aの一時待機中に、一の載置部130はロックされずに引き出し可能である場合は、取消操作は、一の載置部130を再度引き出す操作であってもよい。なお、取消操作は、タッチパネル170の表示において一の載置部130に対応する領域がタップされることによって入力されてもよい。または、複数の載置部130の各々の近傍にボタンが設けられており、一の載置部130の近傍のボタンが押下されることにより取消操作が入力されてもよい。
【0146】
取消操作が行なわれた場合、工程S1に戻り、搬送ユニット400は、搬送実行状態が解除される。すなわち、搬送ユニット400は、一の載置部130での一の選択ケース300aの一時待機中に、完了操作を取り消す取消操作が行なわれると、搬送実行状態が解除される。取消操作が行なわれていない場合、工程S2に戻る。
【0147】
他の選択ケース300aに対する開始操作が行なわれていない場合、制御部90は、工程S5の前に、一の載置部130に搬送ユニット400が到達しているか否かをさらに判断してもよい。一の載置部130に搬送ユニット400が到達している場合、工程S3に進めばよい。一の載置部130に搬送ユニット400が到達していない場合、工程S5に進めばよい。このように、一の載置部130に搬送ユニット400が到達するまで、一の選択ケース300aを一の載置部130で待機させるようにしてもよい。
【0148】
なお、筐体110に開口111を開閉するシャッタが設けられている場合は、上記開始操作および上記取消操作における載置部130を引き出す操作は、シャッタを開く操作に変えることができ、上記完了操作は、シャッタを閉じる操作に変えることができる。
【0149】
次に、本実施形態に係る薬剤供給装置1において、複数の処方データに基づいて薬剤の出し入れを行なう場合の動作の一例について説明する。
図37は、本実施形態に係る薬剤供給装置の一例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の一の薬剤が収容された一の選択ケースを一の載置部に搬送した状態を示す図である。
【0150】
図37に示すように、搬送ユニット400が第1処方データに含まれる供給対象の一の薬剤が収容された一の選択ケース300aを一の載置部130に搬送した状態において、一の載置部130に対応する表示部160が点灯するとともに、一の載置部130はロックが解除され、一の選択ケース300aに対する薬剤の出し入れ可能状態となる。一の載置部130は、左から1番目に位置する載置部130である。
【0151】
図38は、本実施形態に係る薬剤供給装置の一例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の他の薬剤が収容された他の選択ケースを他の載置部に搬送した状態を示す図である。
【0152】
図38に示すように、搬送ユニット400が第1処方データに含まれる供給対象の他の薬剤が収容された他の選択ケース300aを他の載置部130に搬送した状態において、他の載置部130に対応する表示部160が点灯するとともに、他の載置部130はロックが解除され、他の選択ケース300aに対する薬剤の出し入れ可能状態となる。他の載置部130は、左から2番目に位置する載置部130である。
【0153】
第1処方データに含まれる供給対象の薬剤が2種類である場合、
図38に示すように、第1処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aをケースラック200から2つの載置部130に搬送した後、5つの載置部130において選択ケース300aが載置されていない特定載置部130が3つ存在することになる。3つの特定載置部130は、左から3番目~5番目に位置する載置部130である。
【0154】
図39は、本実施形態に係る薬剤供給装置の一例において、搬送ユニットが第2処方データに含まれる供給対象の薬剤が収容された選択ケースを特定載置部に順次搬送した状態を示す図である。
【0155】
図39に示すように、搬送ユニット400は、第1処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aをケースラック200から2つの載置部130に搬送した後、5つの載置部130において選択ケース300aが載置されていない特定載置部130がある場合は、第2処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された少なくとも一つの選択ケース300aをケースラック200から特定載置部130に搬送する。
【0156】
特定載置部130は、第1処方データに含まれる供給対象の薬剤の選択ケース300aに対する出し入れの完了を示す完了操作が行なわれるまで、第2処方データに含まれる供給対象の薬剤の選択ケース300aに対する出し入れ不能状態に維持される。
【0157】
よって、
図39に示すように、搬送ユニット400が第2処方データに含まれる供給対象の薬剤が収容された選択ケース300aを特定載置部130に搬送した状態において、特定載置部130に対応する表示部160が点灯するとともに、特定載置部130はロックされたまま維持される。
【0158】
5つの表示部160において、第1処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する表示部160は、互いに同一の表示態様を有しつつ、第2処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する表示部160とは、互いに異なる表示態様を有する。
【0159】
たとえば、第1処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aが載置されている左から1番目と2番目に位置する載置部130に対応する表示部160は、青色に発光し、第2処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aが載置されている左から3番目~5番目に位置する載置部130に対応する表示部160は、緑色に発光する。
【0160】
図40は、本実施形態に係る薬剤供給装置の一例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の一の薬剤が収容された一の選択ケースを一の載置部からケースラックに搬送した状態を示す図である。
【0161】
第1処方データに含まれる供給対象の一の薬剤の一の選択ケース300aに対する完了操作が行なわれると、
図40に示すように、搬送ユニット400が一の載置部130からケースラック200に一の選択ケース300aを搬送する。その結果、一の載置部130に対応する表示部160が消灯するとともに、一の載置部130はロックされる。
【0162】
図41は、本実施形態に係る薬剤供給装置の一例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の他の薬剤が収容された他の選択ケースを他の載置部からケースラックに搬送した状態を示す図である。
【0163】
第1処方データに含まれる供給対象の他の薬剤の他の選択ケース300aに対する完了操作が行なわれると、
図41に示すように、搬送ユニット400が他の載置部130からケースラック200に他の選択ケース300aを搬送する。その結果、他の載置部130に対応する表示部160が消灯するとともに、他の載置部130はロックされる。
【0164】
第1処方データに含まれる供給対象の薬剤のうちの載置部130から出し入れされる全ての薬剤の選択ケース300aに対する出し入れの完了操作が行なわれると、第2処方データに含まれる供給対象の薬剤が収容された選択ケース300aが載置されている3つの載置部130のロックが解除される。すなわち、5つの載置部130において、一の処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aが載置されている載置部130毎に、薬剤の出し入れ可能状態に切り替わる。
【0165】
なお、5つの載置部130において、選択ケース300aが載置されている載置部130が1つずつ順に択一的に、薬剤の出し入れ可能状態に切り替わるようにされてもよい。この場合の動作の一例を下記に説明する。
【0166】
図42は、本実施形態に係る薬剤供給装置の第1変形例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の一の薬剤が収容された一の選択ケースを一の載置部に搬送した状態を示す図である。
【0167】
図42に示すように、搬送ユニット400が第1処方データに含まれる供給対象の一の薬剤が収容された一の選択ケース300aを一の載置部130に搬送した状態において、一の載置部130に対応する表示部160が点灯するとともに、一の載置部130はロックが解除され、一の選択ケース300aに対する薬剤の出し入れ可能状態となる。一の載置部130は、左から1番目に位置する載置部130である。
【0168】
図43は、本実施形態に係る薬剤供給装置の第1変形例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の他の薬剤が収容された他の選択ケースを他の載置部に搬送した状態を示す図である。
【0169】
図43に示すように、搬送ユニット400が第1処方データに含まれる供給対象の他の薬剤が収容された他の選択ケース300aを他の載置部130に搬送した状態において、他の載置部130に対応する表示部160が点灯し、他の載置部130はロックされたまま維持される。他の載置部130は、左から2番目に位置する載置部130である。
【0170】
図44は、本実施形態に係る薬剤供給装置の第1変形例において、搬送ユニットが第2処方データに含まれる供給対象の薬剤が収容された選択ケースを特定載置部に順次搬送した状態を示す図である。
【0171】
図44に示すように、搬送ユニット400は、第1処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aをケースラック200から2つの載置部130に搬送した後、5つの載置部130において選択ケース300aが載置されていない特定載置部130がある場合は、第2処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された少なくとも一つの選択ケース300aをケースラック200から特定載置部130に搬送する。特定載置部130は、左から3番目~5番目に位置する載置部130である。
【0172】
特定載置部130は、第1処方データに含まれる供給対象の薬剤の選択ケース300aに対する出し入れの完了を示す完了操作が行なわれるまで、第2処方データに含まれる供給対象の薬剤の選択ケース300aに対する出し入れ不能状態に維持される。
【0173】
よって、
図44に示すように、搬送ユニット400が第2処方データに含まれる供給対象の薬剤が収容された選択ケース300aを特定載置部130に搬送した状態において、特定載置部130に対応する表示部160が点灯するとともに、特定載置部130はロックされたまま維持される。
【0174】
図45は、本実施形態に係る薬剤供給装置の第1変形例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の一の薬剤が収容された一の選択ケースを一の載置部からケースラックに搬送した状態を示す図である。
【0175】
第1処方データに含まれる供給対象の一の薬剤の一の選択ケース300aに対する完了操作が行なわれると、
図45に示すように、搬送ユニット400が一の載置部130からケースラック200に一の選択ケース300aを搬送し、他の載置部130のロックが解除される。その結果、一の載置部130に対応する表示部160が消灯するとともに、一の載置部130はロックされ、他の選択ケース300aに対する薬剤の出し入れ可能状態となる。
【0176】
図46は、本実施形態に係る薬剤供給装置の第1変形例において、搬送ユニットが第1処方データに含まれる供給対象の他の薬剤が収容された他の選択ケースを他の載置部からケースラックに搬送した状態を示す図である。
【0177】
第1処方データに含まれる供給対象の他の薬剤の他の選択ケース300aに対する完了操作が行なわれると、
図46に示すように、搬送ユニット400が他の載置部130からケースラック200に他の選択ケース300aを搬送する。その結果、他の載置部130に対応する表示部160が消灯するとともに、他の載置部130はロックされる。
【0178】
第1処方データに含まれる供給対象の薬剤のうちの載置部130から出し入れされる全ての薬剤の選択ケース300aに対する出し入れの完了操作が行なわれると、第2処方データに含まれる供給対象の薬剤が収容された選択ケース300aが載置されている3つの載置部130のうちの1つの載置部130のロックが解除される。上記のように、一の処方データに含まれる供給対象の薬剤が収容されている選択ケース300aが載置されている載置部130が、1つずつ順に択一的に、薬剤の出し入れ可能状態に切り替わる。
【0179】
選択ケース300aが載置されている載置部130におけるロック解除されているか否かが判るように、表示部160の表示態様を異ならせてもよい。たとえば、選択ケース300aが載置されているが、ロック解除されていない載置部130に対応する表示部160は、点灯させ、選択ケース300aが載置されており、ロック解除されている載置部130に対応する表示部160は、点滅させる。
【0180】
なお、上記の表示部160の表示態様は、タッチパネル170に表示されてもよい。
図47は、本実施形態に係る薬剤供給装置のタッチパネルの表示の一例を示す図である。
【0181】
図47に示すように、タッチパネル170には、複数の表示部が、複数の載置部130の配置に対応するように表示される。具体的には、タッチパネル170には、複数の載置部130の配置に対応するように複数の載置部領域R130が表示され、複数の載置部領域R130に1対1で対応して複数の表示領域R160が表示される。
【0182】
複数の表示領域R160の各々は、第1処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する表示領域R160は、互いに同一の表示態様を有しつつ、第2処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する表示領域R160とは、互いに異なる表示態様を有する。
【0183】
タッチパネル170には、複数の処方データを表示する処方データ領域RD、処方データを選択可能な選択領域RC、第1モードまたは第2モードに切替可能なモード切替領域R400、および、処方データに含まれる供給対象の薬剤の出し入れ完了を示す完了操作を入力する完了領域REが表示される。
【0184】
次に、本実施形態に係る薬剤供給装置1において、薬剤の在庫数量を把握するための動作の一例について説明する。
【0185】
図35に示す在庫数量把握部91は、ケースラック200に収納されている薬剤の在庫数量を把握する。在庫数量把握部91は、記憶部92および演算装置93で構成されている。第1収納部および第2収納部に収納されている薬剤の在庫数量は、制御部90と電気的に接続されている図示しないコンピュータによって把握されている。本実施形態においては、ケースラック200、下部収納スペース140および上部収納スペース150に収納されている薬剤の在庫数量は、コンピュータによって把握されている。
【0186】
在庫数量把握部91は、第1モードおよび第2モードのいずれのときも、処方データに含まれる供給対象の薬剤の出し入れ完了を示す完了操作が行なわれると、処方データに基づいて供給対象の薬剤の在庫数量を更新する。すなわち、在庫数量把握部91においては、完了操作が行なわれる度に、演算装置93が、記憶部92に記憶されている供給前の在庫数量から処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を減算して在庫数量を算出し、算出された在庫数量を記憶部92が記憶して在庫数量を更新する。
【0187】
薬剤供給装置1が第1モードのときは、完了操作は、引き出された一の載置部130を元の位置にもどす操作であり、位置検出センサ11によって検出可能である。なお、完了操作は、タッチパネル170の表示において一の載置部130に対応する載置部領域R130がタップされることによって入力されてもよい。または、複数の載置部130の各々の近傍にボタンが設けられており、一の載置部130の近傍のボタンが押下されることにより完了操作が入力されてもよい。
【0188】
薬剤供給装置1が第2モードのときは、完了操作は、
図47に示すタッチパネル170において、選択領域RCにチェックを入れていずれかの処方データを選択した状態で、完了領域REがタップされることによって入力される。
【0189】
なお、第2モードにおいて、複数の処方データに含まれる供給対象の薬剤の出し入れ完了を示す完了操作を一括で操作可能である。具体的には、
図47に示すタッチパネル170において、複数の選択領域RCにチェックを入れて複数の処方データを選択した状態で、完了領域REをタップすることによって、完了操作を一括で操作可能である。
【0190】
図35に示す記録部94は、薬剤の出し入れに関する履歴を記録する。記録部94は、処方データと、この処方データに含まれる供給対象の薬剤の出し入れが第1モードおよび第2モードのいずれで行なわれたかを示す実施モード情報とを、互いに関連付けて記録する。
【0191】
ここで、本実施形態に係る薬剤供給装置1において、載置部130から外部に選択ケース300aが取り外された際の搬送ユニット400の駆動制御の一例について説明する。
【0192】
図16に示すように、開口111が開放状態の載置部130から外部に選択ケース300aが取り外されたことを取外検出部である第1近接センサ10および第2近接センサ13が検出したとき、制御部90は、搬送ユニット400の駆動を停止させる。すなわち、上記開放状態において、第1近接センサ10および第2近接センサ13の両方が選択ケース300aを検出しなくなったとき、制御部90は、搬送ユニット400の駆動を停止させる。このとき、制御部90は、水平移動機構500および垂直移動機構600を停止させる。
【0193】
本実施形態においては、制御部90は、引出検出部である位置検出センサ11が載置部130が引き出されたことを検出し、かつ、取外検出部である第1近接センサ10および第2近接センサ13が載置部130から外部に選択ケース300aが取り外されたことを検出したとき、搬送ユニット400の駆動を停止させる。
【0194】
一方、取外検出部である第1近接センサ10および第2近接センサ13が上記開放状態の載置部130から外部に選択ケース300aが取り外されたことを検出していないとき、制御部90は、搬送ユニット400の駆動を継続させる。すなわち、上記開放状態において、第1近接センサ10および第2近接センサ13の少なくとも一方が選択ケース300aを検出しているとき、制御部90は、搬送ユニット400の駆動を継続させる。
【0195】
ここで、本実施形態に係る薬剤供給装置1における電源系統について説明する。
図48は、本実施形態に係る薬剤供給装置における電源系統図である。
図48に示すように、本実施形態に係る薬剤供給装置1においては、商用電源700から電力が供給される。商用電源700に操作部であるタッチパネル170が接続されている。
【0196】
商用電源700に、リレー730を介して第1電源部710が接続されている。第1電源部710は、搬送ユニット400を左右方向に駆動させる水平移動機構500、および、搬送ユニット400を上下方向に駆動させる垂直移動機構600の各々と、接続されている。このように、搬送ユニット400の駆動機構への電力供給経路にリレー730が設けられている。
【0197】
商用電源700に、第2電源部720が接続されている。第2電源部720は、搬送ユニット400の駆動機構である水平移動機構500および垂直移動機構600以外の負荷部740と接続されている。負荷部740には、制御部90、コードリーダ180、プリンタ190、表示部160、表示灯161、第1開閉検出部251、第2開閉検出部250およびロック部260などが含まれる。なお、搬送ユニット400における送りねじ機構を駆動するモータは、負荷部740に含まれていてもよい。
【0198】
図49は、本実施形態に係る薬剤供給装置における第1開閉検出部およびリレーを含む部分の電気回路図である。
図49に示すように、複数の第1開閉検出部251は、リレー730の入力側において互いに直列に接続されている。リレー730の入力側には、コイルが配置されている。複数の第1開閉検出部251のうちのいずれか1つの第1開閉検出部251が対応する開閉扉240の開状態を検出したとき、リレー730によって搬送ユニット400の駆動機構への電力供給経路が遮断される。なお、
図48に示すように、負荷部740は、第2電源部720と接続されているため、少なくとも1つの開閉扉240が開いた状態においても、負荷部740への電力供給は維持される。
【0199】
ここで、搬送ユニット400の駆動中の制御部90による安全確保動作の一例について説明する。
図50は、本実施形態に係る薬剤供給装置において、搬送ユニットの駆動中の制御部による安全確保動作を示すフローチャートである。
【0200】
図50に示すように、搬送ユニット400の駆動中において、制御部90は、第2開閉検出部250によって開閉扉240の開状態が検出されたかどうかを判断する(工程S11)。制御部90は、少なくとも1つの第2開閉検出部250が少なくとも1つの開閉扉240の開状態を検出したとき、搬送ユニット400の駆動を停止させる(工程S12)。すなわち、制御部90は、少なくとも1つの第2開閉検出部250が少なくとも1つの開閉扉240の開状態を検出したとき、水平移動機構500および垂直移動機構600を停止させる。
【0201】
制御部90は、搬送ユニット400の駆動を停止させた後、ロック部260による開閉扉240のロックを解除させる(工程S13)。これにより、開状態の開閉扉240を中途半端にロックしているロック部260があった場合に当該ロック部260によって開状態の開閉扉240を閉状態にすることが妨げられないようにすることができる。
【0202】
次に、制御部90は、全ての第2開閉検出部250によって全ての開閉扉240の閉状態が検出されたかどうかを判断する(工程S14)。全ての開閉扉240が閉状態になっていることが確認された後、制御部90は、ロック部260に開閉扉240をロックさせる(工程S15)。
【0203】
ロック部260に開閉扉240をロックさせた後、制御部90は、搬送ユニット400の駆動を再開させる(工程S16)。このように、制御部90は、搬送ユニット400の駆動を開始するとき、ロック部260に開閉扉240を閉じた状態でロックさせる。
【0204】
上記のように、本実施形態に係る薬剤供給装置1においては、少なくとも1つの開閉扉240が開いたとき、搬送ユニット400の駆動機構への電力供給が停止され、かつ、制御部90によって搬送ユニット400の駆動が停止される。
【0205】
なお、ケースラック200に、複数のケース300の各々が規定位置より後方に位置しているか否かを検出する位置検出部が設けられていてもよい。規定位置とは、ケース300を搬送ユニット400で搬送する際に、搬送ユニット400が安定してケース300を引き出すことができるケースラック200におけるケース300の載置位置である。ここで、位置検出部が設けられている本実施形態に係る薬剤供給装置の第2変形例について説明する。
【0206】
図51は、本実施形態に係る薬剤供給装置の第2変形例のケースラックの背面図である。
図52は、
図51のケースラックを矢印LII方向から見た側面図である。
図52においては、ケース300が規定位置に位置している状態を示している。
【0207】
図51および
図52に示すように、本実施形態に係る薬剤供給装置の第2変形例のケースラック200aには、複数のケース300の各々が規定位置より後方に位置しているか否かを検出する位置検出部270が設けられている。本変形例においては、位置検出部270は、光電センサ271および反射板272を含む。光電センサ271は、反射板272に光を照射する照射部、および、反射板272から反射された上記光を受ける受光部を含む。位置検出部270は、制御部90と電気的に接続されている。
【0208】
位置検出部270は、複数のケース300の上下方向の配列に沿って配置されている。ただし、位置検出部270は、複数のケース300の左右方向の配列に沿って配置されていてもよい。
【0209】
位置検出部270は、規定位置の後ろ側を通過する光を送受することにより、複数のケース300の各々が規定位置より後方に位置しているか否かを検出する。具体的には、光電センサ271の照射部から照射されて反射板272で反射した光が受光部で検出されることにより、位置検出部270は、光路に沿って配列された複数のケース300の各々が規定位置より後方に位置していないことを検出する。一方、光電センサ271の受光部が照射部から照射された光を検出しないことにより、位置検出部270は、光路に沿って配列された複数のケース300の中の少なくとも1つのケース300が規定位置より後方に位置して当該光を遮っていることを検出する。
【0210】
制御部90は、複数のケース300の中で規定位置より後方に位置しているケース300の存在を位置検出部270が検出したとき、搬送ユニット400の上下方向および左右方向の駆動を停止させる。すなわち、制御部90は、少なくとも1つの位置検出部270が少なくとも1つのケース300が規定位置より後方に位置している状態を検出したとき、水平移動機構500および垂直移動機構600を停止させる。
【0211】
本変形例においては、ケースラック200aに、ストッパ223およびガード224の各々は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0212】
図53は、本実施形態に係る薬剤供給装置の第2変形例のケースラックの下部が引き出された状態を示す斜視図である。
図54は、
図53のケースラックを矢印LIV方向から見た側面図である。
図54においては、ケースラック200aの右側面に位置する一部の部材を透視して図示している。
【0213】
図53および
図54に示すように、本実施形態に係る薬剤供給装置の第2変形例のケースラック200aの下部280は、ケースラック200aの本体から前方に引き出し可能に設けられている。具体的には、ケースラック200aの下部280は、スライドレール281によって前後方向に移動可能である。
【0214】
ケースラック200aの下部280は、筐体210の下部領域に配置された開閉扉240および棚板部220などを含む。ケースラック200aの下部280には、回路基板290が設けられている。回路基板290は、ケースラック200aの下部280における上部に設けられており、カバーで覆われている。回路基板290は、ケースラック200aの下部280に設けられている、第1開閉検出部251、第2開閉検出部252およびロック部260の各々と、図示しない配線を通じて電気的に接続されている。回路基板290によって、第1開閉検出部251および第2開閉検出部252の検出監視ならびにロック部260の開閉動作を行なうことができる。
【0215】
回路基板290は、ケースラック200aの下部280に設けられたドロワーコネクタ291およびケースラック200aの本体に設けられたドロワーコネクタ292を通じて制御部90と電気的に接続されている。すなわち、引き出されていたケースラック200aの下部280が、ケースラック200aの本体内に戻された際に、ドロワーコネクタ291とドロワーコネクタ292とが互いに接続されることにより、回路基板290が制御部90に電気的に接続されている。
【0216】
なお、回路基板290は、ケースラック200aの下部とは異なる箇所、たとえばケースラック200aの本体に設けられてもよい。この場合、ケースラック200aの下部280に設けられている、第1開閉検出部251、第2開閉検出部252およびロック部260の各々は、ケースラック200aの下部280に設けられたドロワーコネクタ291およびケースラック200aの本体に設けられたドロワーコネクタ292を通じて、回路基板290に電気的に接続される。
【0217】
以下、本実施形態に係る薬剤供給装置が備える画像表示部であるタッチパネルの表示および操作手順について説明する。
【0218】
図55は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面の初期画面を示す図である。
図55に示すように、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネル170に表示される処方画面P1には、処方データ領域RD、選択領域RC、ステータス領域RS、モード切替領域R400、未処理領域RB、処理済領域RA、ケース呼出領域RF、充填領域RG、指示選択領域RN、複数の載置部領域R130および複数の表示領域R160が表示される。
【0219】
処方データ領域RDには、処方データを識別可能な情報が表示される。たとえば、処方データ領域RDには、患者名が表示される。モード切替領域R400には、たとえば、第1モードであるときは稼働中、および、第2モードであるときは一時停止中、と表示される。
【0220】
複数の処方データの各々の処方状態が表示される。たとえば、ステータス領域RSには、処方処理の開始指示が入力される前の状態のときは指示待ち、処方処理の開始指示が入力されて処方データに含まれる供給対象の薬剤が収容された選択ケース300aがケースラック200から載置部130に搬送前のときは払出待ち、処方データに含まれる供給対象の薬剤が収容された選択ケース300aがケースラック200から載置部130に搬送済のときは払出済、処方データに含まれる供給対象の薬剤の処方処理が終了している状態のときは処理済、および、処方データに含まれる供給対象の薬剤の処方処理が保留されているときは保留、と表示される。
【0221】
未処理領域RBは、順次入力された複数の処方データの未処理リストを表示させるための選択ボタンである。処理済領域RAは、順次指示された複数の処方データの処理済リストを表示させるための選択ボタンである。ケース呼出領域RFは、ケースラック200に収納されている複数のケースの中から載置部130に搬送するケースを個別に選択するためのケース呼出画面を表示させるための選択ボタンである。充填領域RGは、ケースラック200に収納されている複数のケースの中から載置部130に搬送して薬剤を充填するケースを個別に選択するためのケース呼出画面を表示させるための選択ボタンである。
【0222】
指示選択領域RNには、処方処理に関する指示を選択可能な複数の選択ボタンが表示される。指示選択領域RNには、処方処理を手動で行なう手動モードと、自動で行なう自動モードとを、選択するための選択ボタンが表示される。手動モードが選択されているときは手動と表示され、自動モードが選択されているときは自動と表示される。手動モードのとき、入力された処方データのステータスは指示待ち状態になり、指示待ち状態の処方データの中から作業者が処方処理する処方データを選択することができる。自動モードのとき、入力された処方データのステータスは払出待ち状態となる。
【0223】
指示選択領域RNには、処方処理を保留させるための保留と表示される選択ボタン、薬品在庫を減算しつつ処方データを削除するためのピッキング済と表示される選択ボタン、および、薬品在庫を減算せずに処方データを削除するための削除と表示される選択ボタンなどが選択的に表示される。
【0224】
互いに対応する載置部領域R130および表示領域R160を合わせて、載置部表示領域と称する。すなわち、画像表示部であるタッチパネル170に、複数の載置部130に1対1で対応する複数の載置部表示領域が表示される。
【0225】
図56は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、入力された2つの処方データのうち、一の処方データの処方状態が払出済、次の処方データの処方状態が指示待ちである状態を示す図である。
図56においては、未処理リストが表示されている。
【0226】
図56に示すように、複数の載置部表示領域において、選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域に、選択ケースから取り出すべき薬剤の名称および数量が表示される。薬剤の名称は、薬剤の種類によって互いに異なる色で表示可能である。たとえば、劇薬は赤色、毒薬はオレンジ色、麻薬は青色などで表示される。これにより、薬剤の種類を容易に識別することができる。
【0227】
図56に示す例では、患者Aの処方データに含まれる供給対象の薬剤が、薬剤Aと薬剤Fの2種類である。薬剤Aを収容した選択ケース300aが右から1番目の載置部130に載置され、薬剤Fを収容した選択ケース300aが右から2番目の載置部130に載置されている。右から1番目の載置部表示領域の載置部領域R130に、選択ケース300aから取り出すべき薬剤の名称および数量として薬剤Aおよび14錠が表示され、右から2番目の載置部表示領域の載置部領域R130に、選択ケース300aから取り出すべき薬剤の名称および数量として薬剤Fおよび28錠が表示されている。
【0228】
一処方データに供給対象の薬剤が複数含まれる場合、選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域に、一処方内に含まれている薬剤の順番が識別可能に表示される。
図56に示す例では、右から1番目の載置部表示領域の表示領域R160に、一処方内に含まれる2種類の薬剤のうちの1番目の薬剤であることを示す1/2が表示され、右から2番目の載置部表示領域の表示領域R160に、一処方内に含まれる2種類の薬剤のうちの2番目の薬剤であることを示す2/2が表示されている。これにより、複数の処方データの各々の処方状態を容易に認識することができる。
【0229】
本実施形態においては、複数の載置部表示領域において、選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域に、上記数量とともに上記数量の目安が表示される。数量の目安とは、必要な数量に対応するシート枚数および錠数である。たとえば、1シートに10錠の薬剤が収容されている場合、必要な数量が14錠である場合、数量の目安は、1シートおよび4錠となる。
図56に示す例では、右から1番目の載置部表示領域の載置部領域R130に、数量の目安として1シートおよび4錠が表示され、右から2番目の載置部表示領域の載置部領域R130に、数量の目安として2シートおよび8錠が表示されている。なお、数量の目安の表示と非表示とは、選択可能である。
【0230】
本実施形態においては、複数の載置部表示領域において、選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域に、選択ケース300aから取り出すべき薬剤の上記数量が選択ケース300aに収容されている当該薬剤の数量より多い在庫不足であるか否かを識別可能に表示される。たとえば、
図56に示す例では、選択ケース300aに収容されている薬剤Fの数量が28錠未満である場合、右から2番目の載置部表示領域の載置部領域R130に表示される薬剤の数量が赤色などに変更されて表示される。
【0231】
本実施形態においては、載置部130が引き出されて選択ケース300aから薬剤を取り出した際、薬剤が収容された箱に付されたバーコードをコードリーダ180に読み取らせて照合する。
図56に示す例では、右から1番目の載置部130に載置されている選択ケース300aに収容されている薬剤の箱に付されたバーコードをコードリーダ180に読み取らせて、薬剤Aに対応付けされているバーコードであることを確認する。これにより、誤った薬剤がピッキングされることを抑制することができる。
【0232】
図57は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、選択ケースが載置されている載置部に対応する載置部表示領域に、充填ボタンが表示された状態を示す図である。
図57においては、未処理リストが表示されている。
【0233】
本実施形態においては、選択ケース300aが載置されている載置部130が引き出されたとき、
図57に示すように、当該載置部130に対応する載置部表示領域に充填ボタンRPが表示される。充填ボタンRPは、載置部130が引き出される度に、当該載置部130に対応する載置部表示領域に表示される。
【0234】
充填ボタンRPが選択されると、選択ケース300aに充填する薬剤の数量を入力可能な入力画面がタッチパネル170に表示される。
図57に示す例では、薬剤Aの充填数量を入力可能な、電卓画面のような入力画面が表示される。すなわち、引き出された載置部130に載置されている選択ケース300aに対して、薬剤の取り出しと薬剤の補充とを行なうことができる。入力された充填数量は、記憶部92に記憶されている薬剤の在庫数量に加算されて在庫数量が更新される。
【0235】
本実施形態においては、充填数量の入力前に、充填される薬剤が収容された箱に付されたバーコードをコードリーダ180に読み取らせて照合する。
図57に示す例では、充填される薬剤の箱に付されたバーコードをコードリーダ180に読み取らせて、薬剤Aに対応付けされているバーコードであることを確認する。これにより、誤った薬剤が補充されることを抑制することができる。
【0236】
本実施形態においては、載置部130が引き出されて開始操作が行なわれ後、数秒程度の所定時間が経過する前に、引き出された載置部130を元の位置にもどす完了操作が行なわれると、制御部90は、上記開始操作が行なわれなかったと判断する。これにより、薬剤の出し入れが完了していない選択ケース300aがケースラック200に搬送されることを抑制することができる。
【0237】
図58は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、入力された2つの処方データの処方状態が払出済である状態を示す図である。
図58においては、同時に取り出し可能な処方数が1に設定された状態を示している。
図58においては、未処理リストが表示されており、数量の目安は非表示にされている。
【0238】
入力された2つの処方データについて処方処理の開始指示が入力されると、搬送ユニット400は、一の処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aをケースラック200から複数の載置部130に搬送した後、複数の載置部130において選択ケース300aが載置されていない載置部130がある場合は、次の処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された少なくとも一つの選択ケース300aをケースラック200から選択ケース300aが載置されていない載置部130に搬送する。
【0239】
図58に示す例では、患者Aの処方データに含まれる供給対象の薬剤Aと薬剤Fがそれぞれ収容された選択ケース300aが搬送ユニット400によって載置部130に搬送された後、患者Bの処方データに含まれる供給対象の薬剤Cが収容された選択ケース300aが搬送ユニット400によって載置部130に搬送される。
【0240】
図58に示すように、患者Aの処方データに含まれる供給対象の薬剤Aと薬剤Fがそれぞれ収容された選択ケース300aが搬送された載置部130に対応する載置部表示領域の表示領域R160と、患者Bの処方データに含まれる供給対象の薬剤Cが収容された選択ケース300aが搬送された載置部130に対応する載置部表示領域の表示領域R160とは、互いに異なる表示態様で表示され、たとえば、互いに異なる色で表示される。
【0241】
複数の載置部130において、順次指示された少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aが載置されている載置部130は、薬剤の出し入れ可能状態に切り替わる。この薬剤の出し入れ可能状態に切り替わる上記少なくとも一つの処方データの数を設定可能である。
図58に示す例では、当該数が1に設定されている。すなわち、同時に取り出し可能な処方数が1に設定されている。そのため、患者Aの処方データに含まれる供給対象の薬剤Aと薬剤Fがそれぞれ収容された選択ケース300aが載置されている載置部130のみが薬剤の出し入れ可能状態に切り替わっており、患者Bの処方データに含まれる供給対象の薬剤Cが収容された選択ケース300aが載置されている載置部130は、薬剤の出し入れ不能状態に維持されている。
【0242】
図58に示すように、薬剤の出し入れ可能状態になっている載置部130に対応する載置部表示領域と、薬剤の出し入れ不能状態に維持されている載置部130に対応する載置部表示領域とは、互いに異なる表示態様で表示され、たとえば、薬剤の出し入れ不能状態に維持されている載置部130に対応する載置部表示領域の載置部領域R130は、灰色で表示される。
【0243】
図59は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、処方状態が払出済である2つの処方データのうちの一の処方データに含まれる供給対象の薬剤を収容している一の選択ケースが載置部からケースラックに搬送されて戻された状態を示す図である。
図59においては、未処理リストが表示されている。
【0244】
搬送ユニット400は、複数の選択ケース300aのうちの一の選択ケース300aに対する薬剤の出し入れの完了を示す完了操作が行なわれると、この選択ケース300aに収容されている薬剤が次の処方データに含まれていないときのみ、この選択ケース300aを載置部130からケースラック200に搬送する。
【0245】
図58および
図59に示す例では、薬剤Aを収容している選択ケース300aに対する薬剤Aの出し入れの完了を示す完了操作が行なわれると、次の患者Bの処方データに含まれる供給対象の薬剤に薬剤Aが含まれていないため、
図59に示すように、搬送ユニット400は薬剤Aを収容している選択ケース300aを載置部130からケースラック200に搬送する。
【0246】
図60は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、2つの処方データのうちの一の処方データに含まれる供給対象の薬剤を収容している全ての選択ケースが載置部からケースラックに搬送されて戻された状態を示す図である。
図60においては、未処理リストが表示されており、数量の目安は非表示にされている。
【0247】
図60に示すように、患者Aの処方データに含まれる供給対象の薬剤Aと薬剤Fがそれぞれ収容された選択ケース300aが載置部130からケースラック200に搬送されて戻されると、未処理リストから患者Aの処方データが削除されるとともに、次の患者Bの処方データに含まれる供給対象の薬剤Cが載置されている載置部130のみが薬剤の出し入れ可能状態に切り替わる。
【0248】
図61は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、指示選択領域にロック解除ボタンが表示された状態を示す図である。
図61においては、未処理リストが表示されており、数量の目安は非表示にされている。
【0249】
図58に示す、薬剤Cが収容された選択ケース300aが載置されて薬剤の出し入れ不能状態に維持されている載置部130に対応する載置部表示領域を選択すると、
図61に示すように、指示選択領域RNに、ロック解除ボタンが表示される。ロック解除ボタンが選択されると、薬剤Cが収容された選択ケース300aが載置されている載置部130は、薬剤の出し入れ可能状態に切り替わる。本実施形態においては、指示選択領域RNにロック解除ボタンが表示される時間は、たとえば3秒間であり、3秒経過後にロック解除ボタンは非表示となり、ロック解除できなくなる。
【0250】
このように、複数の載置部130において、薬剤の出し入れ可能状態に切り替わる上記少なくとも一つの処方データ以外の処方データに含まれる供給対象の薬剤が収容された選択ケース300aが載置されている載置部130は、薬剤の出し入れ可能状態に切り替え可能である。
【0251】
図62は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、入力された3つの処方データの処方状態が払出済である状態を示す図である。
図62においては、同時に取り出し可能な処方数が3に設定された状態を示している。
図62においては、未処理リストが表示されており、数量の目安は非表示にされている。
【0252】
図62に示す例では、患者Aの処方データに含まれる供給対象の薬剤Aと薬剤Fがそれぞれ収容された選択ケース300aが搬送ユニット400によって載置部130に搬送された後、患者Bの処方データに含まれる供給対象の薬剤Aと薬剤Cのうち薬剤Cが収容された選択ケース300aが搬送ユニット400によって載置部130に搬送され、さらにその後、患者Cの処方データに含まれる供給対象の薬剤Gが収容された選択ケース300aが搬送ユニット400によって載置部130に搬送される。
【0253】
同時に取り出し可能な処方数が3に設定されているため、3つの処方データに含まれる供給対象の薬剤を収容した選択ケース300aが載置されている4つの載置部130は、薬剤の出し入れ可能状態に切り替わっている。
【0254】
図62に示す例では、薬剤Aが患者Aの処方データと患者Bの処方データの両方に含まれているため、薬剤Aが収容された選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域の表示領域R160には、患者Aの処方処理が完了するまで、先の処方データである患者Aの処方データに対応して表示される。
【0255】
図62に示すように、次の処方データである患者Bの処方データに含まれる供給対象の薬剤Cが収容された選択ケース300aに対応する載置部表示領域の表示領域R160には、一処方内に含まれる2種類の薬剤のうちの2番目の薬剤であることを示す2/2が表示されている。
【0256】
図62に示すように、さらに次の処方データである患者Cの処方データに含まれる供給対象の薬剤Gが収容された選択ケース300aに対応する載置部表示領域の表示領域R160には、薬剤Gが収容された選択ケース300aに複数種類の薬剤が収容されていることを示す識別マークSNが表示されている。このように、本実施形態に係る薬剤供給装置においては、複数の載置部表示領域において、選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域に、選択ケース300aに複数種類の薬剤が収容されているか否かを識別可能に表示される。
【0257】
図63は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、3つの処方データのうちの2つの処方データに含まれる供給対象の薬剤を収容している全ての選択ケースが載置部からケースラックに搬送されて戻された状態を示す図である。
図63においては、未処理リストが表示されており、数量の目安は非表示にされている。
【0258】
図62および
図63に示す例では、患者Aの処方データに含まれる供給対象の薬剤Aを収容している選択ケース300aに対する薬剤Aの出し入れの完了を示す完了操作が行なわれても、次の患者Bの処方データに含まれる供給対象の薬剤に薬剤Aが含まれているため、
図63に示すように、搬送ユニット400は薬剤Aを収容している選択ケース300aを載置部130からケースラック200に搬送しない。
【0259】
このように、搬送ユニット400が選択ケース300aを搬送する条件として、載置部130からケースラック200に選択ケース300aを搬送して戻すよりも、ケースラック200から載置部130に選択ケース300aを搬送することが優先されるように設定されていてもよい。これにより、ケースラック200から載置部130に選択ケース300aが搬送されるのを待つ時間を少なくすることができる。
【0260】
または、搬送ユニット400が選択ケース300aを搬送する条件として、搬送ユニット400が選択ケース300aを保持した状態でケースラック200と載置部130との間を移動することが優先されるように設定されていてもよい。これにより、搬送ユニット400の移動回数を低減することができる。
【0261】
図63に示すように、薬剤Aが収容された選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域の表示領域R160には、患者Aの処方処理が完了すると、次の処方データである患者Bの処方データに対応して表示される。すなわち、複数の載置部表示領域において、収容されている薬剤が次の処方データに含まれている一の選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域は、完了操作の後、次の処方データに応じた表示に切り替わる。
【0262】
図63に示すように、患者Aの処方データに含まれる供給対象の薬剤Fおよび患者Cの処方データに含まれる供給対象の薬剤Gがそれぞれ収容された選択ケース300aが載置部130からケースラック200に搬送されて戻されると、未処理リストから患者Aおよび患者Cの処方データが削除される。
【0263】
図64は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、入力された2つの処方データのうち、一の処方データの処方状態が保留、次の処方データの処方状態が指示待ちである状態を示す図である。
図64においては、未処理リストが表示されている。
【0264】
図64に示すように、未処理リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の処方処理を保留可能である。たとえば、
図56に示す患者Aの処方データが選択された状態で指示選択領域RNに保留と表示されている選択ボタンが選択されると、患者Aの処方データの処方処理が保留される。
【0265】
未処理リストには、処方処理を保留された上記少なくとも一つの処方データが識別可能に表示される。
図64に示す例では、処方処理を保留された患者Aの処方データのステータス領域RSには、保留と表示される。
【0266】
処方処理を保留された上記少なくとも一つの処方データは、未処理リストの最後の位置に表示される。
図64に示す例では、未処理リストにおいて、処方処理を保留された患者Aの処方データは、次の患者Bの処方データの後に表示される。
【0267】
処方処理を保留された上記少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aにおいて、上記少なくとも一つの処方データが選択されて保留にされた時点で、搬送ユニット400によって複数の載置部130に搬送途中または搬送済の選択ケース300aは、上記少なくとも一つの処方データが選択されて保留にされた後、搬送ユニット400によってケースラック200に搬送されて戻される。
【0268】
たとえば、
図56に示すように、患者Aの処方データに含まれる供給対象の薬剤Aおよび薬剤Fをそれぞれ収容しており搬送ユニット400によって複数の載置部130に搬送済の選択ケース300aは、
図64に示すように、患者Aの処方データが選択されて保留にされた後、搬送ユニット400によってケースラック200に搬送されて戻される。
【0269】
なお、上記少なくとも一つの処方データが選択されて保留にされた時点で、当該処方データに含まれる供給対象の薬剤のうち、選択ケース300aからすでに取り出し済の薬剤については、当該処方データの処方処理が再開された際、搬送ユニット400によるケースラック200から載置部130への搬送は行なわれない。
【0270】
たとえば、
図59に示すように薬剤Aを収容した選択ケース300aに対する薬剤の出し入れの完了を示す完了操作が行なわれてこの選択ケース300aが載置部130からケースラック200に搬送された後、患者Aの処方データが選択されて保留にされた場合、患者Aの処方データの処方処理が再開された際、薬剤Aを収容した選択ケース300aの搬送ユニット400によるケースラック200から載置部130への搬送は行なわれない。
【0271】
上記のように、少なくとも一つの処方データが選択されて保留にされた時点で、当該処方データに含まれる供給対象の薬剤のうち、選択ケース300aからすでに取り出し済の薬剤については、取り出された薬剤の数量が、記憶部92に記憶されている当該薬剤の在庫数量から減算されて、在庫数量が更新される。
【0272】
未処理リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、当該処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を在庫数量から減算しつつ、この少なくとも一つの処方データを削除可能である。たとえば、患者Aの処方データが選択された状態で指示選択領域RNにピッキング済と表示されている選択ボタンが選択されると、患者Aの処方データ含まれている供給対象の薬剤の数量が当該薬剤の在庫数量から減算されつつ、患者Aの処方データが削除される。
【0273】
未処理リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、当該処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を薬品在庫を減算せずに、この少なくとも一つの処方データを削除可能である。たとえば、患者Aの処方データが選択された状態で指示選択領域RNに削除と表示されている選択ボタンが選択されると、患者Aの処方データ含まれている供給対象の薬剤の数量が当該薬剤の在庫数量から減算されずに、患者Aの処方データが削除される。
【0274】
図65は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される薬剤充填画面を示す図である。
図55に示す処方画面において、充填領域RGが選択されると、薬剤充填画面の初期画面がタッチパネル170に表示される。薬剤充填画面の初期画面がタッチパネル170に表示されている状態で、コードリーダ180によって薬剤が収容された箱に付されている識別コードが読み取られると、この識別コードに対応付けされた薬剤が収容された選択ケース300aが搬送ユニット400によってケースラック200から複数の載置部130に搬送される。
【0275】
本実施形態においては、コードリーダ180によって複数の薬剤の各々に付されている識別コードを連続して読み取り可能である。コードリーダ180によって識別コードが連続して読み取られると、各識別コードに対応付けされた薬剤が収容された複数の選択ケース300aが搬送ユニット400によってケースラック200から複数の載置部130に順次搬送される。
【0276】
図65に示すように、薬剤充填画面P2には、識別コード領域RK、薬剤名領域RT、在庫場所領域RW、在庫数量領域RXおよび使用期限領域RYが表示される。識別コード領域RKには、薬剤を収容しているケース300の識別コード350が表示される。薬剤名領域RTには、薬剤の名称が表示される。在庫場所領域RWには、第1収納部および第2収納部において薬剤が在庫されている場所が表示される。在庫数量領域RXには、薬剤の在庫数量が表示される。使用期限領域RYには、薬剤の使用期限が表示される。
【0277】
図65に示す例では、薬剤Xおよび薬剤Yの各々に付されている識別コードが読み取られて、各識別コードに対応付けされた薬剤が収容された2つの選択ケース300aが搬送ユニット400によってケースラック200から2つの載置部130に搬送されている。この2つの載置部130は、薬剤の出し入れ不能状態となっている。
【0278】
図66は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される薬剤充填画面において、選択ケースに充填する薬剤の数量を入力可能な入力画面が表示された状態を示す図である。
【0279】
上記識別コードに対応付けされた薬剤が収容された選択ケース300aが搬送ユニット400によってケースラック200から複数の載置部130に搬送された後、コードリーダ180によってこの薬剤の識別コードが読み取られると、この薬剤が収容された選択ケース300aが載置されている載置部130がこの薬剤の出し入れ可能状態に切り替わる。
【0280】
図65に示す例では、薬剤Xおよび薬剤Yが収容された選択ケース300aが搬送ユニット400によってケースラック200から複数の載置部130に搬送された後、コードリーダ180によって薬剤Xの識別コードが読み取られると、薬剤Xが収容された選択ケース300aが載置されている載置部130が薬剤Xの出し入れ可能状態に切り替わる。このとき、
図65に示すように、出し入れ可能状態に切り替わった載置部130に対応する載置部表示領域の表示領域R160は、出し入れ不能状態の載置部130に対応する載置部表示領域の表示領域R160とは異なる表示態様に切り替わる。たとえば、表示領域R160の色が変化する。
【0281】
薬剤の出し入れ可能状態に切り替わった載置部130が引き出されたとき、
図66に示すように、選択ケース300aに充填する薬剤の数量を入力可能な入力画面がタッチパネル170に表示される。
図66に示す例では、薬剤Xが収容された選択ケース300aが載置されている載置部130が引き出されたとき、薬剤Xが収容された選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域の載置部領域R130に、選択ケース300aに充填する薬剤の数量を入力するための薬剤数量入力領域RMが表示される。
【0282】
記憶部92は、薬剤が収容された箱に付されている識別コードと薬剤とを対応づけて記憶している。当該識別コードに、薬剤の使用期限に関する情報が含まれている場合は、コードリーダ180によって当該識別コードが読み取られたとき、記憶部92に記憶されている当該薬剤の使用期限が更新される。
【0283】
図67は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される薬剤在庫画面である。
図67に示すように、記憶部92に記憶されている薬剤の在庫情報に基づいて、タッチパネル170に薬剤在庫画面P3を表示させることができる。薬剤在庫画面P3には、識別コード領域RK、薬剤名領域RT、在庫場所領域RW、在庫数量領域RXおよび使用期限領域RYが表示される。
【0284】
なお、薬剤を補充する際に、搭載薬剤リストから薬剤を選択して、薬剤の充填数量を入力することも可能である。具体的には、薬剤充填画面の初期画面において
図65に示す指示選択領域RNに薬剤選択と表示されている選択ボタンを選択することにより、搭載薬剤画面を表示させることができる。
【0285】
図68は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される搭載薬剤画面を示す図である。
図68に示すように、記憶部92に記憶されている薬剤の搭載情報に基づいて、搭載薬剤画面P4には、ケースラック200に収納されているケース300に収容されている搭載薬剤の一覧が表示される。搭載薬剤画面P4には、識別コード領域RK、薬剤名領域RT、在庫数量領域RXおよび使用期限領域RYが表示される。
【0286】
搭載薬剤画面P4において、補充したい薬剤が選択されると、当該薬剤が収容された選択ケース300aが搬送ユニット400によってケースラック200から複数の載置部130に搬送され、
図65に示す薬剤充填画面P2がタッチパネル170に表示される。
【0287】
薬剤が収容された箱に付されている識別コードがコードリーダ180によって読み取られたときに、この識別コードが記憶部92に記憶されていない場合、記憶部92に記憶されている複数の薬剤がタッチパネル170に表示された一覧から一の薬剤を選択してこの識別コードと対応付け可能である。
【0288】
図69は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される薬剤選択画面を示す図である。
図69に示すように、薬剤選択画面P5には、選択領域RC、識別コード領域RK、薬剤名領域RT、警告数量領域RZ、在庫数量領域RXおよび使用期限領域RYが表示される。警告数量領域RZには、薬剤の在庫数量が一定の数量未満になった際にタッチパネル170に警告を表示させるための設定値が表示される。
【0289】
薬剤選択画面P5においては、記憶部92に記憶されている全ての薬剤、欠品中の薬剤、在庫数量が警告数量以下になっている薬剤、および、薬剤の名称の頭文字で絞り込まれた薬剤の、いずれか1つの表示態様を選択可能である。
【0290】
薬剤選択画面P5において1つの薬剤を選択することにより、上記の記憶されていなかった識別コードと当該薬剤とを対応付けして記憶部92に記憶させることができる。
【0291】
なお、ケース情報登録画面から薬剤を選択して、薬剤が収容された箱に付されている識別コードと薬剤とを対応付けすることも可能である。
図70は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示されるケース情報登録画面を示す図である。
【0292】
図70に示すように、ケース識別情報に基づいて、ケース情報登録画面P6には、複数のケース300に収容されている薬剤の一覧が表示される。ケース情報登録画面P6には、識別コード領域RK、薬剤名領域RT、規格領域RR、単位領域RUおよび警告数量領域RZが表示される。規格領域RRには、薬剤の規格が表示される。単位領域RUには、薬剤の単位数量、および、1シート当たりの薬剤の数量、および、1箱当たりの薬剤の数量が表示される。
【0293】
ケース情報登録画面P6に表示されている薬剤の一覧から1つの薬剤が選択された状態で、コードボタンRECが選択されるとともに、薬剤が収容された箱に付されている識別コードがコードリーダ180によって読み取られると、コード表示領域RQに読み取られた識別コードが表示されるとともに、当該識別コードと当該薬剤とが対応付けして記憶部92に記憶される。
【0294】
図71は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処方画面において、順次指示された3つの処方データの処方状態が処理済である状態を示す図である。
図71においては、処理済リストが表示されている。
【0295】
処方データに含まれる供給対象の薬剤の処方処理が完了すると、当該処方データは未処理リストから処理済リストに移行される。
図71に示すように、処方画面P1において、処理済領域RAが選択されると、順次指示された複数の処方データの処理済リストがタッチパネル170に表示される。処理済リストのステータス領域RSには、処理済と表示される。
【0296】
処理済となった処方データに含まれる供給対象の薬剤が返品された場合には、返品処理を行なうことが可能である。具体的には、処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を当該処方処理後のこの薬剤の在庫数量に加算することにより、記憶部92に記憶されているこの少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の在庫数量を当該処方処理前の在庫数量に戻すことが可能である。
【0297】
たとえば、
図62および
図71に示す患者Aの処方データに含まれる供給対象の薬剤が返品され、当該薬剤の在庫数量が処方処理前の在庫数量に戻す場合、処理済リストにおける患者Aの処方データのステータス領域RSを選択することにより、当該処方処理後の薬剤Aの在庫数量に14錠が加算されて当該処方処理前の在庫数量に戻されるとともに、当該処方処理後の薬剤Fの在庫数量に28錠が加算されて当該処方処理前の在庫数量に戻される。
【0298】
処理済リストには、処方処理前の在庫数量に戻された上記少なくとも一つの処方データが識別可能に表示される。たとえば、患者Dの処方データに含まれる供給対象の薬剤が返品されて、当該薬剤の在庫数量が処方処理前の在庫数量に戻された場合には、
図71に示すように、ステータス領域RSに識別マークSRが表示される。
【0299】
処方処理前の在庫数量に戻された上記少なくとも一つの処方データについては、処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから再度選択して、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を記憶部92に記憶されているこの薬剤の在庫数量に再度加算することが不能である。
【0300】
たとえば、患者Dの処方データに含まれる供給対象の薬剤が返品されて、当該薬剤の在庫数量が処方処理前の在庫数量に戻されている場合には、処理済リストにおける患者Dの処方データのステータス領域RSを再度選択して当該処方データに含まれる供給対象の薬剤の在庫数量を当該処方処理前の在庫数量に戻すことができない。
【0301】
載置部130を引き出して、選択ケース300aに対する薬剤の出し入れ中に誤って載置部130を元の位置に戻す完了操作が行なわれた場合、薬剤の出し入れ後に、薬剤の処方に必要な数量に対して過不足が判明した場合、または、薬剤の出し入れ後に、処方の修正が入った場合に、処理済の処方データを選択して処方処理の再指示をすることが可能である。
【0302】
具体的には、
図71に示す処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の処方処理を再度実施可能である。
【0303】
処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データが選択されると、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤がタッチパネル170に表示された一覧から処方処理を再度実施する少なくとも一つの薬剤を選択可能である。
【0304】
図72は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示される処理済処方情報画面を示す図である。たとえば、
図71に示す処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから患者Aの処方データが選択されると、
図72に示すように、患者Aの処方データに含まれる供給対象の薬剤の一覧を含む処理済処方情報画面P7がタッチパネル170に表示される。
【0305】
図72に示すように、処理済処方情報画面P7には、処方データ領域RD、識別コード領域RK、薬剤名領域RT、薬剤数量領域RV、単位領域RU、ステータス領域RSおよび選択領域RCが表示される。薬剤数量領域RVには、処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量が表示される。ステータス領域RSには、すでに完了操作が行なわれているときは完了、完了操作が行なわれていないときは未完了、と表示される。
【0306】
たとえば、
図72に示す処理済処方情報画面P7において、すでに完了操作が行なわれている薬剤Aを選択して再指示することにより、搬送ユニット400によって薬剤Aを収容している選択ケース300aをケースラック200から載置部130に搬送させることができる。
【0307】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、搬送ユニット400は、ケースラック200における複数のケース300の配置を変更可能である。具体的には、搬送ユニット400は、ケースラック200においてケース300が配置されていない位置を利用して、複数のケース300を順次移動させることにより、ケースラック200における複数のケース300の配置を変更する。
【0308】
記憶部92は、ケースラック200における複数のケース300の配置に関する複数の配置パターンを記憶する。記憶部92は、複数のケース300の搬送ユニット400による搬送履歴をさらに記憶している。記憶部92は、複数のケース300の各々に収容されている薬剤の名称をさらに記憶している。
【0309】
図73は、本実施形態に係る薬剤供給装置が備えるタッチパネルに表示されるケース並び替え画面を示す図である。記憶部92に記憶されている複数の記憶パターンに基づいて、
図73に示すように、ケース並び替え画面P8がタッチパネル170に表示される。ケース並び替え画面P8には、登録配置パターン領域RL、登録領域REP、第1選択領域RH1、第2選択領域RH2および第3選択領域RH3が表示される。登録配置パターン領域RLには、登録された複数の配置パターンの一覧が表示される。
【0310】
図73に示すケース並び替え画面P8がタッチパネル170に表示されると同時に、搬送ユニット400がケースラック200の後ろ側で、ケースラック200における複数のケース300の配列に沿って移動して、コードリーダ470が複数のケース300の各々の識別コード350を読み取ることにより、ケースラック200における複数のケース300の収納位置が把握される。
【0311】
記憶部92は、ケースラック200における現在の複数のケース300の配置を上記複数の配置パターンに含まれる新たな配置パターンとして記憶可能である。具体的には、
図73に示すケース並び替え画面P8において登録領域REPが選択されると、ケースラック200における現在の複数のケース300の配置が、新たな配置パターンとして記憶部92に記憶される。
【0312】
搬送ユニット400は、記憶部92に記憶されている複数の配置パターンのうちから選択された配置パターンに基づいて、ケースラック200における複数のケース300の配置を変更可能である。
【0313】
具体的には、
図73に示すケース並び替え画面P8において、登録配置パターン領域RLに表示されている複数の配置パターンのうちから1つの配置パターンが選択された状態で第1選択領域RH1が選択されると、当該1つの配置パターンとなるように、搬送ユニット400は、ケースラック200における複数のケース300の配置を変更する。
【0314】
搬送ユニット400は、記憶部92に記憶されている搬送履歴に基づいて、複数のケース300のうち搬送頻度の高いケースがケースラックにおける複数の載置部130の近くの位置に配置されるように複数のケース300の配置を変更可能である。
【0315】
具体的には、
図73に示すケース並び替え画面P8において第2選択領域RH2が選択されると、搬送ユニット400は、記憶部92に記憶されている搬送履歴に基づいて、複数のケース300のうち搬送頻度の高いケース300がケースラック200における複数の載置部130の近くの位置に配置されるように複数のケース300の配置を変更する。
【0316】
搬送ユニット400は、記憶部92に記憶されている薬剤の名称に基づいて、複数のケース300の各々に収容されている薬剤がケースラック200において五十音順に並ぶように複数のケース300の配置を変更可能である。
【0317】
具体的には、
図73に示すケース並び替え画面P8において第3選択領域RH3が選択されると、搬送ユニット400は、記憶部92に記憶されている薬剤の名称に基づいて、複数のケース300の各々に収容されている薬剤がケースラック200において五十音順に並ぶように複数のケース300の配置を変更する。
【0318】
搬送ユニット400は、記憶部92に記憶されている薬剤の薬効に基づいて、複数のケース300の各々に収容されている薬剤がケースラック200において薬効順に並ぶように複数のケース300の配置を変更可能であってもよい。
【0319】
具体的には、
図73に示すケース並び替え画面P8において、第4選択領域(不図示)がさらに設けられ、この第4選択領域が選択されると、搬送ユニット400は、記憶部92に記憶されている薬剤の薬効に基づいて、複数のケース300の各々に収容されている薬剤がケースラック200において薬効順に並ぶように複数のケース300の配置を変更するようになっていてもよい。
【0320】
搬送ユニット400は、選択ケース300aをケースラック200から搬出する際、この選択ケース300aの識別コード350に担持されている識別情報がコードリーダ470によって取得されたときのみ選択ケース300aをケースラック200から搬出するように設定されていてもよい。
【0321】
ここで、本実施形態に係る薬剤供給装置1において、搬送ユニット400が選択ケース300aをケースラック200から搬出する際、および、搬送ユニット400が選択ケース300aをケースラック200に搬入する際における、ケース300の収納位置を把握する動作の一例について説明する。
【0322】
搬送ユニット400は、開放状態から閉鎖状態に切り替わった後に複数のケース300の収納位置が未把握である区画に収納されている選択ケース300aをケースラック200から搬出する際、この選択ケース300aの識別コード350に担持されている識別情報がコードリーダ470によって取得されない場合、未把握である区画ついてのみ搬送ユニット400が複数のケース300の配列に沿って移動することにより、未把握である区画における複数のケース300の収納位置を把握する。
【0323】
すなわち、収納位置が未把握である区画に収納されている選択ケース300aをケースラック200から搬出するときは、当該区画が開放状態になる前に把握されたケース300の配置に基づいて、搬送ユニット400が選択ケース300aの後ろ側に移動し、この選択ケース300aの識別コード350に担持されている識別情報がコードリーダ470によって取得されると、搬送ユニット400が選択ケース300aをケースラック200から搬出し、収納位置が未把握である当該区画におけるケース300の収納位置を把握する動作は行なわれない。
【0324】
搬送ユニット400は、開放状態から閉鎖状態に切り替わった後に複数のケース300の収納位置が未把握である区画に複数の載置部130から選択ケース300aを搬入する際、未把握である区画ついてのみ搬送ユニット400が複数のケース300の配列に沿って移動することにより、未把握である区画における複数のケース300の収納位置を把握する。
【0325】
すなわち、収納位置が未把握である区画に搬送ユニット400によって選択ケース300aを戻すときは、当該区画ついてのみケース300の収納位置を把握する動作を行なった後、当該区画に搬送ユニット400によって選択ケース300aを搬入させる。
【0326】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、画像表示部に、複数の載置部130に1対1で対応する複数の載置部表示領域が表示される。複数の載置部表示領域において、選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域に、選択ケース300aから取り出すべき薬剤の名称および数量が表示される。これにより、薬剤をピッキングする作業者は、載置部表示領域に表示された取り出すべき薬剤の名称および数量を見て、必要な薬剤を必要な数量だけ取り出すことができるため、容易に薬剤をピッキングすることができる。
【0327】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、複数の載置部表示領域において、選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域に、上記数量とともに上記数量の目安が表示される。これにより、薬剤をピッキングする作業者は、載置部表示領域に表示された必要な数量の薬剤に対応するシート枚数および錠数を見て、薬剤を収容しているシートを必要な枚数だけ取り出すとともに端数の薬剤を必要な数量だけ取り出すことができるため、容易に薬剤をピッキングすることができる。
【0328】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、複数の載置部表示領域において、選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域に、選択ケース300aから取り出すべき薬剤の上記数量が選択ケース300aに収容されている当該薬剤の数量より多い在庫不足であるか否かを識別可能に表示される。これにより、薬剤をピッキングする作業者は、在庫不足である選択ケース300aに薬剤の補充が必要であることを容易に認識することができる。
【0329】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、複数の載置部表示領域において、選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域に、選択ケース300aに複数種類の薬剤が収容されているか否かを識別可能に表示される。これにより、薬剤をピッキングする作業者に、処方データに含まれている供給対象の薬剤ではない誤った薬剤を選択ケース300aから取り出さないように注意喚起することができる。
【0330】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、複数の載置部表示領域において、選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域に、充填ボタンRPがさらに表示される。充填ボタンRPが選択されると、選択ケース300aに充填する薬剤の数量を入力可能な入力画面が画面表示部に表示される。これにより、薬剤をピッキングするために載置部130に搬送した選択ケース300aに、薬剤を補充することができ、薬剤を補充するために選択ケース300aを搬送する回数を低減することができる。また、選択ケース300aから薬剤を取り出した際に、ついでに薬剤を補充して在庫数量を更新することができるので、作業者の手間を削減することができる。
【0331】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、選択ケース300aが載置されている載置部130が引き出されたとき、当該載置部130に対応する載置部表示領域に充填ボタンRPが表示される。これにより、薬剤をピッキングするために載置部130に搬送した選択ケース300aに薬剤を補充する際に、薬剤の充填数量を入力する入力画面を容易に表示させることができ、ひいては、薬剤の補充を容易にすることができる。
【0332】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、複数の載置部130において、順次指示された少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aが載置されている載置部130は、薬剤の出し入れ可能状態に切り替わる。この薬剤の出し入れ可能状態に切り替わる上記少なくとも一つの処方データの数を設定可能である。これにより、状況に応じたフレキシブルな対応をすることができる。具体的には、上記少なくとも一つの処方データの数を1に設定することにより、誤った薬剤がピッキングされる可能性を低減することができる。または、上記少なくとも一つの処方データの数を2以上の数に設定することにより、複数の作業者がそれぞれのピッキングを同時に行なうことが可能となり、効率よく薬剤をピッキングすることができる。
【0333】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、複数の載置部130において、薬剤の出し入れ可能状態に切り替わる上記少なくとも一つの処方データ以外の処方データに含まれる供給対象の薬剤が収容された選択ケース300aが載置されている載置部130は、薬剤の出し入れ可能状態に切り替え可能である。これにより、払出済の処方状態にある処方データの処方処理の順番を変更することが可能となり、状況に応じたフレキシブルな対応をすることができる。
【0334】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、搬送ユニット400は、複数の選択ケース300aのうちの一の選択ケース300aに対する薬剤の出し入れの完了を示す完了操作が行なわれると、この選択ケース300aに収容されている薬剤が次の処方データに含まれていないときのみ、この選択ケース300aを載置部130からケースラック200に搬送する。これにより、選択ケース300aの無駄な搬送がなくなり、効率よく選択ケース300aを搬送することができる。
【0335】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、複数の載置部表示領域において、収容されている薬剤が次の処方データに含まれている一の選択ケース300aが載置されている載置部130に対応する載置部表示領域は、先の処方データに関する処方処理における完了操作の後、次の処方データに応じた表示に切り替わる。これにより、次の処方データに含まれる供給対象の薬剤をピッキングする作業者は、載置部表示領域に表示された次の処方データに応じた表示を見て次の処方データに関するピッキングをすることができるため、容易に薬剤をピッキングすることができる。
【0336】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、未処理リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の処方処理を保留可能である。これにより、順次入力された処方データの処方処理の順番を変更することが可能となり、状況に応じたフレキシブルな対応をすることができる。
【0337】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、未処理リストには、処方処理を保留された上記少なくとも一つの処方データが識別可能に表示される。これにより、保留された処方データを容易に把握することができる。
【0338】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、処方処理を保留された上記少なくとも一つの処方データは、未処理リストの最後の位置に表示される。これにより、未処理リストにおいて、処方処理を保留された上記少なくとも一つの処方データが邪魔にならず、未処理リストを見やすくすることができる。
【0339】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、処方処理を保留された上記少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤がそれぞれ収容された選択ケース300aにおいて、上記少なくとも一つの処方データが選択されて保留にされた時点で、搬送ユニット400によって複数の載置部130に搬送途中または搬送済の選択ケース300aは、上記少なくとも一つの処方データが選択されて保留にされた後、搬送ユニット400によってケースラック200に搬送されて戻される。これにより、保留された処方データより後の処方データの処方処理を行なうことが可能となり、効率よく処方処理をすることができる。
【0340】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、薬剤充填画面の初期画面がタッチパネル170に表示されている状態で、コードリーダ180によって薬剤が収容された箱に付されている識別コードが読み取られると、この識別コードに対応付けされた薬剤が収容された選択ケース300aが搬送ユニット400によってケースラック200から複数の載置部130に搬送される。これにより、補充対象の薬剤を収容している選択ケース300aを載置部130に簡易に搬送させることができるため、簡易に選択ケース300aに薬剤を補充することができる。
【0341】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、薬剤が収容された箱に付されている識別コードに対応付けされた薬剤が収容された選択ケース300aが搬送ユニット400によってケースラック200から複数の載置部130に搬送された後、コードリーダ180によってこの薬剤の識別コードが読み取られると、この薬剤が収容された選択ケース300aが載置されている載置部130がこの薬剤の出し入れ可能状態に切り替わる。これにより、誤った薬剤が選択ケース300aに補充されることを抑制することができる。
【0342】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、コードリーダ180によって複数の薬剤の各々に付されている識別コードを連続して読み取り可能である。コードリーダ180によって識別コードが連続して読み取られると、各識別コードに対応付けされた薬剤が収容された複数の選択ケース300aが搬送ユニット400によってケースラック200から複数の載置部130に順次搬送される。これにより、1番目に補充される薬剤の補充作業中に、2番目以降に補充される薬剤について、搬送ユニット400によって当該薬剤が収容されている選択ケース300aがケースラック200から複数の載置部130に順次搬送されているため、2番目以降に補充される薬剤を補充する際、搬送ユニット400によって当該選択ケース300aが搬送されるまでの待機時間が生じず、効率よく選択ケース300aに薬剤を補充することができる。
【0343】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、薬剤の出し入れ可能状態に切り替わった載置部130が引き出されたとき、選択ケース300aに充填する薬剤の数量を入力可能な入力画面がタッチパネル170に表示される。これにより、選択ケース300aに充填する薬剤の数量を、入力画面から容易に入力することができる。
【0344】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、薬剤が収容された箱に付されている識別コードがコードリーダ180によって読み取られたときに、この識別コードが記憶部92に記憶されていない場合、記憶部92に記憶されている複数の薬剤がタッチパネル170に表示された一覧から一の薬剤を選択してこの識別コードと対応付け可能である。これにより、薬剤が収容された箱に付されている識別コードと当該薬剤とを容易に対応付けすることが可能であり、識別コードの変更に対して容易に対処することができる。
【0345】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を当該処方処理後のこの薬剤の在庫数量に加算することにより、記憶部92に記憶されているこの少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の在庫数量を当該処方処理前の在庫数量に戻すことが可能である。これにより、薬剤の返品に応じて当該薬剤の在庫数量を戻すことができ、ひいては、状況に応じたフレキシブルな対応をすることができる。
【0346】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、処理済リストには、処方処理前の在庫数量に戻された上記少なくとも一つの処方データが識別可能に表示される。これにより、供給対象の薬剤の在庫数量が戻された処方データを容易に把握することができる。
【0347】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、処方処理前の在庫数量に戻された上記少なくとも一つの処方データについては、処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから再度選択して、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を記憶部92に記憶されているこの薬剤の在庫数量に再度加算することが不能である。これにより、薬剤の在庫数量が過剰に戻されることを抑制することができる。
【0348】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の処方処理を再度実施可能である。これにより、処方処理済の処方データに含まれる供給対象の薬剤を収容している選択ケース300aを載置部130に簡易に搬送させることができるため、状況に応じたフレキシブルな対応をすることができる。
【0349】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、処理済リストに表示されている複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データが選択されると、この少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤がタッチパネル170に表示された一覧から処方処理を再度実施する少なくとも一つの薬剤を選択可能である。これにより、処方処理済の処方データに含まれる供給対象の複数の薬剤のうち必要な薬剤を収容している選択ケース300aのみを載置部130に簡易に搬送させることができるため、状況に応じたフレキシブルな対応をすることができる。
【0350】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、搬送ユニット400は、ケースラック200における複数のケース300の配置を変更可能である。これにより、ケースラック200における複数のケース300の配置を状況に応じて好適な配置に簡易に変更することが可能である。
【0351】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、記憶部92は、ケースラック200における複数のケース300の配置に関する複数の配置パターンを記憶する。搬送ユニット400は、記憶部92に記憶されている複数の配置パターンのうちから選択された配置パターンに基づいて、ケースラック200における複数のケース300の配置を変更可能である。これにより、複数の配置パターンのうちから1つの配置パターンを選択して複数のケース300の配置を変更することができるため、簡易にケースの配置を変更することができる。
【0352】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、記憶部92は、複数のケース300の搬送ユニット400による搬送履歴をさらに記憶している。搬送ユニット400は、記憶部92に記憶されている搬送履歴に基づいて、複数のケース300のうち搬送頻度の高いケース300がケースラック200における複数の載置部130の近くの位置に配置されるように複数のケース300の配置を変更可能である。これにより、使用頻度の高い薬剤が収容されているケース300を載置部130の近くに配置することができるため、処方処理の際に、効率よくケース300を搬送することができる。
【0353】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、記憶部92は、複数のケース300の各々に収容されている薬剤の名称をさらに記憶している。搬送ユニット400は、記憶部92に記憶されている薬剤の名称に基づいて、複数のケース300の各々に収容されている薬剤がケースラック200において五十音順に並ぶように複数のケース300の配置を変更可能である。これにより、ケースラック200から手動でケース300を取り出す際に、必要な薬剤が収容されているケース300を見つけやすくすることができる。
【0354】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、記憶部92は、複数のケース300の各々に収容されている薬剤の薬効をさらに記憶している。搬送ユニット400は、記憶部92に記憶されている薬剤の薬効に基づいて、複数のケース300の各々に収容されている薬剤がケースラック200において薬効順に並ぶように複数のケース300の配置を変更可能である。これにより、ケースラック200から手動でケース300を取り出す際に、必要な薬剤が収容されているケース300を見つけやすくすることができる。
【0355】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、記憶部92は、ケースラック200における現在の複数のケース300の配置を上記複数の配置パターンに含まれる新たな配置パターンとして記憶可能である。これにより、状況に応じた配置パターンを簡易に登録できる。
【0356】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、搬送ユニット400は、選択ケース300aをケースラック200から搬出する際、この選択ケース300aの識別コード350に担持されている識別情報がコードリーダ470によって取得されたときのみ選択ケース300aをケースラック200から搬出する。搬送ユニット400は、開放状態から閉鎖状態に切り替わった後に複数のケース300の収納位置が未把握である区画に収納されている選択ケース300aをケースラック200から搬出する際、この選択ケース300aの識別コード350に担持されている識別情報がコードリーダ470によって取得されない場合、未把握である区画ついてのみ搬送ユニット400が複数のケース300の配列に沿って移動することにより、未把握である区画における複数のケース300の収納位置を把握する。これにより、収納位置が未把握である区画についてケース300の収納位置を把握する動作を必ず行なってから選択ケース300aを搬出する場合に比較して、ケース300の収納位置を把握する動作の回数を低減することができる。
【0357】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、搬送ユニット400は、開放状態から閉鎖状態に切り替わった後に複数のケース300の収納位置が未把握である区画に複数の載置部130から選択ケース300aを搬入する際、未把握である区画ついてのみ搬送ユニット400が複数のケース300の配列に沿って移動することにより、未把握である区画における複数のケース300の収納位置を把握する。これにより、ケースラック200においてケース300がすでに配置されている位置に、搬送ユニット400によって選択ケース300aが戻されることを抑制することができる。
【0358】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、ケースラック200aの下部280は、ケースラック200aの本体から前方に引き出し可能に設けられている。これにより、ケースラック200aの下部280をケースラック200aの本体から前方に引き出した状態で、ケースラック200aの前側からケースラック200aの内部にアクセスすることができるため、容易に薬剤供給装置をメンテナンスすることができる。
【0359】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、ケースラック200aの下部280は、スライドレール281によって前後方向に移動可能である。これにより、簡易な構成で、ケースラック200aの下部280をケースラック200aの本体から前方に引き出し可能にすることができる。
【0360】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、ケースラック200aの下部280には、回路基板290が設けられている。これにより、ケースラック200aの下部280に設けられている電子部品の制御を回路基板290によって行なうことができる。回路基板290は、ケースラック200aの下部280における上部に設けられており、カバーで覆われている。したがって回路基板290が別の場所に設けられている場合に比べて、回路基板290を容易にメンテナンスすることができる。
【0361】
本実施形態に係る薬剤供給装置においては、回路基板290は、ケースラック200aの下部280に設けられたドロワーコネクタ291およびケースラック200aの本体に設けられたドロワーコネクタ292を通じて制御部90と電気的に接続されている。これにより、引き出されていたケースラック200aの下部280をケースラック200aの本体内に戻すだけで、回路基板290を制御部90に容易に電気的に接続することができる。
【0362】
(付記)
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0363】
(第1項)
薬剤が収容される複数のケースを収納するケースラックと、
前記複数のケースから選択された選択ケースが載置可能であり、前記選択ケースに対して前記薬剤を出し入れするための複数の載置部と、
前記ケースラックと前記複数の載置部との間で前記選択ケースを搬送する搬送ユニットと、
画像を表示する画像表示部と、
前記薬剤の在庫数量を記憶する記憶部とを備え、
前記画像表示部には、順次指示された複数の処方データの処理済リストが表示され、
前記処理済リストに表示されている前記複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、該少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を当該処方処理後の該薬剤の在庫数量に加算することにより、前記記憶部に記憶されている該少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の在庫数量を当該処方処理前の在庫数量に戻すことが可能である、薬剤供給装置。
【0364】
(第2項)
前記処理済リストには、処方処理前の在庫数量に戻された前記少なくとも一つの処方データが識別可能に表示される、第1項に記載の薬剤供給装置。
【0365】
(第3項)
処方処理前の在庫数量に戻された前記少なくとも一つの処方データについては、前記処理済リストに表示されている前記複数の処方データのうちから再度選択して、該少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の数量を前記記憶部に記憶されている該薬剤の在庫数量に再度加算することが不能である、第1項または第2項に記載の薬剤供給装置。
【0366】
(第4項)
前記処理済リストに表示されている前記複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データを選択して、該少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤の処方処理を再度実施可能である、第1項~第3項のいずれか1項に記載の薬剤供給装置。
【0367】
(第5項)
前記処理済リストに表示されている前記複数の処方データのうちから少なくとも一つの処方データが選択されると、該少なくとも一つの処方データに含まれる供給対象の薬剤が前記画像表示部に表示された一覧から処方処理を再度実施する少なくとも一つの薬剤を選択可能である、第4項に記載の薬剤供給装置。
【0368】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0369】
1 薬剤供給装置、10 第1近接センサ、11 位置検出センサ、12 電磁石、13 第2近接センサ、90 制御部、91 在庫数量把握部、92 記憶部、93 演算装置、94 記録部、100 調剤台ユニット、110,210,410 筐体、111,131h,132b,222 開口、112 収容スペース、113 案内レール、114 支持ローラ、115 当接部、116 押さえローラ、120 調剤台、130 載置部、310b 底部、131 ベース部、131a ドグ、131p 被吸着部、131r ローラ、132 壁面部、132c,321 突起、132d,313 突出部、133 透明板、134 止め輪、140 下部収納スペース、150 上部収納スペース、160 表示部、161 表示灯、170 タッチパネル、180,470 コードリーダ、190 プリンタ、200,200a ケースラック、220 棚板部、221 案内壁、223 ストッパ、224 ガード、224b 当接面部、225 支持プレート、226,228,430 回動軸、227 トーションばね、230 作業台、231 プッシュオープン機構、240 開閉扉、250 第2開閉検出部、251 第1開閉検出部、260 ロック部、270 位置検出部、271 光電センサ、272 反射板、280 下部、281 スライドレール、290 回路基板、291,292 ドロワーコネクタ、300 ケース、300a 選択ケース、310 ケース本体、310f 前壁部、310r 後壁部、310s 側壁部、311 透明支持部、312 段部、314 凹部、314f 前壁面、314s 側壁面、315,316 溝部、317 スリット、318 係合部、320 端数収容部、330 仕切板、340,350 識別コード、400 搬送ユニット、420 モータ、440 支持アーム、450 爪部、460 押し板、490 突当部、500 水平移動機構、600 垂直移動機構、630 接続アタッチ、700 商用電源、710 第1電源部、720 第2電源部、730 リレー、740 負荷部、PLD,PLU,PRD,PRU 区画、R130 載置部領域、R160 表示領域、R400 モード切替領域、RC 選択領域、RD 処方データ領域、RE 完了領域、S230 収納空間。