(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004325
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】マッサージ装置制御システム、マッサージ装置制御プログラム及びマッサージ装置
(51)【国際特許分類】
A61H 19/00 20060101AFI20240109BHJP
A61H 23/02 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
A61H19/00
A61H23/02 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103936
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】514293008
【氏名又は名称】株式会社東亜産業
(72)【発明者】
【氏名】劉 凱鵬
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074AA01
4C074CC13
4C074DD03
4C074FF05
4C074GG12
4C074HH09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】予め記憶された動画でなくても、その内容に応じて好適なマッサージを行うことができる、マッサージ装置制御システムとマッサージ装置制御プログラム及びマッサージ装置を提供する。
【解決手段】マッサージ装置制御システム1は、通信端末2と、マッサージ装置3と、通信端末に搭載されたマッサージ装置制御プログラム22とを備え、通信端末は、動画再生機能21を有し、有線または無線で前記マッサージ装置に対して通信可能に接続され、マッサージ装置は、マッサージ動作を行う動作部31と、通信端末と通信を行う通信部32と、通信部で受信した信号に基づいて、動作部の動作を制御する制御部33とを有し、マッサージ装置制御プログラムは動画再生機能により再生された動画の内容を解析し、動画が所定の内容であった場合には、制御を行う信号を送信し、動作部を動作させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体をマッサージするためのマッサージ装置制御システムであって、
通信端末と、マッサージ装置と、前記通信端末に搭載された前記マッサージ装置制御プログラムと、を備え、
前記通信端末は、動画再生機能を有し、有線または無線で前記マッサージ装置に対して通信可能に接続され、
前記マッサージ装置は、マッサージ動作を行う動作部と、前記通信端末と通信を行う通信部と、前記通信部で受信した信号に基づいて、前記動作部の動作を制御する制御部と、を有し、
前記マッサージ装置制御プログラムは前記動画再生機能により再生された動画の内容を解析し、前記動画が所定の内容であった場合には、有線または無線通信を介して前記マッサージ装置の動作の制御を行う信号を送信し、
前記マッサージ装置は、前記信号に基づいて、前記動作部の動作を制御する、
ことを特徴とする、マッサージ装置制御システム。
【請求項2】
前記マッサージ装置の前記動作部には、人体に直接作用する作用部が該動作部に着脱自在に取り付けられている、
ことを特徴とする、請求項1に記載のマッサージ装置制御システム。
【請求項3】
前記マッサージ装置は、操作部を有し、該操作部により自動または手動のいずれでも前記動作部の制御が可能である、
ことを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載のマッサージ装置制御システム。
【請求項4】
動作中に、使用者が前記操作部を手動で操作して前記動作部の制御を行った場合、前記通信部がこれを前記通信端末に送信し、前記マッサージ装置制御プログラムがその内容を記憶する、ことを特徴とする、請求項3に記載のマッサージ装置制御システム。
【請求項5】
通信端末に搭載される、人体へのマッサージ装置制御プログラムであって、
前記通信端末は、動画再生機能を有し、
前記マッサージ装置制御プログラムは、前記動画再生機能により再生された動画の内容を解析し、前記動画が、所定の内容であった場合には、有線または無線通信を介してマッサージ装置の動作の制御を行う信号を送信する、
ことを特徴とする、マッサージ装置制御プログラム。
【請求項6】
前記動画の前記所定の内容は、性的行為を伴う、
ことを特徴とする、請求項5に記載のマッサージ装置制御プログラム。
【請求項7】
前記動作の制御は、前記マッサージ装置の動作の速度や範囲の制御を含む、
ことを特徴とする、請求項5または6のいずれか一項に記載のマッサージ装置制御プログラム。
【請求項8】
人体をマッサージするためのマッサージ装置であって、
前記マッサージ装置は、マッサージ動作を行う動作部と、動作部の動作を制御する制御部と、通信端末と通信をするための通信部と、操作部と、を有し、
前記動作部には、人体に直接作用する作用部が該動作部に着脱自在に取り付けられており、
前記動作部の制御は、前記通信部で受信した信号により自動、または前記操作部を用いて手動のいずれでもが可能であり、
前記動作部の動作機構は、側面にネジを形成した軸に、該ネジに対応するナットを挿通させ、該ナットに前記動作部を接続し、電気的な動力により軸を回転させることで前記ナットを移動させるものである、
ことを特徴とする、マッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体をマッサージするためのマッサージ装置制御システムと、マッサージ装置制御プログラム及びマッサージ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
性欲を処理するための手段の一つとして、人体、特に生殖器をマッサージするための装置が一般に用いられている。特に、高齢者や障がい者のように、自力でマッサージを行うことが難しい者にとっては、その必要性が高い。
【0003】
このような目的で用いられるマッサージ装置は、従来では専ら男性の生殖器に対してピストン運動のようなマッサージを行うものであった。この場合、使用者は、視覚的情報などの外部情報とは関係なく生殖器をマッサージされている状態であり、有効な性欲処理を行うことが難しかった(例えば特許文献1参照)。
【0004】
これに対して、使用者が視聴している動画内での性行為に対応し、マッサージの強度を変更するようなものもあるが、これも所定の動画に対して、その性行為の態様に応じ、使用者により予め装置内に記録されたマッサージ強度を再現するものであり、対応できる動画が限定されるという問題があった(例えば特許文献2参照)。
【0005】
さらには、従来のマッサージ装置は、速度や動作範囲が一定のものであったり、人体に直接作用する作用部が一定のものであったりと、使用者の嗜好や身体的特徴に合わせたマッサージを行うことが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-81721号公報
【特許文献2】特許第6995237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上記事情に鑑み、予め記憶された動画でなくても、その内容に応じて好適なマッサージを行うことができる、マッサージ装置制御システムとマッサージ装置制御プログラムを提供することである。
【0008】
また、無段階で任意の速度と動作範囲の調整ができる、マッサージ装置を提供することである。
【0009】
また、人体に直接作用する作用部を、使用者の嗜好や身体的特徴に合わせて変更することが可能な、マッサージ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、人体をマッサージするためのマッサージ装置制御システムであって、通信端末と、マッサージ装置と、前記通信端末に搭載された前記マッサージ装置制御プログラムと、を備え、前記通信端末は、動画再生機能を有し、有線または無線で前記マッサージ装置に対して通信可能に接続され、前記マッサージ装置は、マッサージ動作を行う動作部と、前記通信端末と通信を行う通信部と、前記通信部で受信した信号に基づいて、前記動作部の動作を制御する制御部と、を有し、前記マッサージ装置制御プログラムは前記動画再生機能により再生された動画の内容を解析し、前記動画が所定の内容であった場合には、有線または無線通信を介して前記マッサージ装置の動作の制御を行う信号を送信し、前記マッサージ装置は、前記信号に基づいて、前記動作部の動作を制御する、ことを特徴とする、マッサージ装置制御システムである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマッサージ装置制御システムであって、前記マッサージ装置の前記動作部には、人体に直接作用する作用部が該動作部に着脱自在に取り付けられている、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれか一項に記載のマッサージ装置制御システムであって、前記マッサージ装置は、操作部を有し、該操作部により自動または手動のいずれでも前記動作部の制御が可能である、ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のマッサージ装置制御システムであって、動作中に、使用者が前記操作部を手動で操作して前記動作部の制御を行った場合、前記通信部がこれを前記通信端末に送信し、前記マッサージ装置制御プログラムがその内容を記憶する、ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、通信端末に搭載される、人体へのマッサージ装置制御プログラムであって、前記通信端末は、動画再生機能を有し、前記マッサージ装置制御プログラムは、前記動画再生機能により再生された動画の内容を解析し、前記動画が、所定の内容であった場合には、有線または無線通信を介してマッサージ装置の動作の制御を行う信号を送信する、ことを特徴とする、マッサージ装置制御プログラムである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のマッサージ装置制御プログラムであって、前記動画の前記所定の内容は、性的行為を伴う、ことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6のいずれか一項に記載のマッサージ装置制御プログラムであって、前記動作の制御は、前記マッサージ装置の動作の速度や範囲の制御を含む、ことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、人体をマッサージするためのマッサージ装置であって、前記マッサージ装置は、マッサージ動作を行う動作部と、動作部の動作を制御する制御部と、通信端末と通信をするための通信部と、操作部と、を有し、前記動作部には、人体に直接作用する作用部が該動作部に着脱自在に取り付けられており、前記動作部の制御は、前記通信部で受信した信号により自動、または前記操作部を用いて手動のいずれでもが可能であり、前記動作部の動作機構は、側面にネジを形成した軸に、該ネジに対応するナットを挿通させ、該ナットに前記動作部を接続し、電気的な動力により軸を回転させることで前記ナットを移動させるものである、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1から7に記載の発明によれば、人工知能アルゴリズムであるマッサージ装置制御プログラムにより、動画を限定せずに、その内容に連動してマッサージ装置を動作させることが可能であり、これにより好適なマッサージを行うことで満足感を向上させることが可能である。
【0012】
また、動画内での動きの大きさや速度に応じて、マッサージ装置の動きの大きさや速度を制御するので、さらに好適なマッサージを行うことが可能である。
【0013】
請求項2、8に記載の発明によれば、人体に直接作用する作用部がマッサージ装置と別構成になっているため、使用者の嗜好や身体的特徴に合わせて作用部を変更することが可能であり、また、作用部単体で洗浄が容易であるため、常に清潔な状態でマッサージを行うことが可能である。
【0014】
請求項3、8に記載の発明によれば、マッサージ装置は自動と手動のいずれでも操作できるため、マッサージの強度を任意に変更することが可能であり、さらなる満足感を得ることが可能である。
【0015】
請求項8に記載の発明によれば、マッサージ装置が無段階で速度と動作範囲の調整ができるため、使用者の嗜好や身体的特徴に合わせたマッサージを行うことができ、さらなる満足感を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る、マッサージ装置制御システムの概略の構成ブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る、マッサージ装置の概略の正面図(a)、側面図(b)、背面図(c)である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る、マッサージ装置の動作部の概略の正面図(a)、斜視図(b)である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るマッサージ装置の動作機構を示す概略の正面図(a)と側面図(b)である。
【
図5】本発明の実勢の形態に係る、マッサージ装置制御システムの概略のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、図面におい て、図面中の各部の構成の大きさ、間隔、数、その他詳細は、視認と理解の助けのために 、実際の物に比べて大幅に簡略化して表現している。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る、人体をマッサージするためのマッサージ装置制御システム1の概略の構成ブロック図であり、
図2は、マッサージ装置3の概略の正面図(a)、側面図(b)、背面図(c)である。
【0019】
図1に示した通り、マッサージ装置制御システム1は、通信端末2と、マッサージ装置3と、通信端末2に搭載されたマッサージ装置制御プログラム22から構成されている。
【0020】
通信端末2は、スマートフォンやタブレット、パソコンのような、他の電子機器との通信が可能である電子機器であり、動画を再生し、表示するための動画再生機能21と、マッサージ装置制御プログラム22と、他の電子機器と通信を行うための通信機能23を備えている。
【0021】
動画再生機能21は、通信端末2の内部に記憶された動画または外部より通信機能23により受信した動画を再生するものであり、そのための処理機能と画面とスピーカーを有しており、前述のスマートフォンやタブレット、パソコンに標準的に装備されているものである。
【0022】
マッサージ装置制御プログラム22は、いわゆる人工知能アルゴリズムであり、動画再生機能21により再生された動画の内容を解析して、その動画が所定の内容であった場合には、有線または無線通信を介してマッサージ装置3の動作の制御を行う信号をマッサージ装置3に対して送信する。
【0023】
ここで、所定の内容とは、動画内の人物による性的行為を伴うものである。本実施の形態では、マッサージ装置制御プログラム22は、動画の画像情報から、動画内の人物が性的行為を行ったことを認識する。性的行為かどうかは、例えばピストン運動的な往復運動が反復されたり、その速度が一定以上であったりする場合に、性的行為であると判断する。
【0024】
動画の内容の解析は、画像の全てのピクセルの特徴(三つのRGBチャンネル)を抽出して、動画内の人物を特定する。そして、特定された人物の動きについて、移動の範囲、速度を数値化して計算する。計算は、人物が行うピストン運動の動作の初期を0、動作の終期を1として、その間を100分割し、0.01単位で数値化をして、これを人の動きとして計算をする(ピストン運動の初期を1、終期を0としてもよい)。また、背景との区別は、比較的大きなピクセルの変化を個別に抽出する。
【0025】
通信機能23は、赤外線通信、近距離無線通信、無線LANといった無線方式や、通信ケーブルを介した有線方式により、他の電子機器と通信を行うための機能であり、これもまた、スマートフォンやタブレット、パソコン等の通信機器に標準的に装備されているものである。本実施の形態では、近距離無線通信であるBluetooth(登録商標)を用いた。
【0026】
マッサージ装置3は、人体のマッサージに供される装置であり、内部機器類を収納する筐体であるとともに使用時に使用者に把持される部分となる本体部30と、マッサージ動作を行う動作部31と、通信端末2と通信を行う通信部32(図示略)と、通信部32で受信した信号に基づいて、動作部31の動作を制御する制御部33(図示略)と、使用者自身で動作部31を操作する場合に使われる操作部34を有している。また、マッサージ装置3の動作部31には、人体に直接作用する作用部4が動作部31に着脱自在に取り付けられている。
【0027】
本体部30は、本実施の形態では、一部を切り欠いた中空の円柱形状をしている。材質はプラスチックで構成されており、大きさは使用者が把持しやすいように、円柱の上面または底面の最大直径が5~10cm、長さが20~30cmに設定されている。
【0028】
動作部31は、本体部30に接続されており、一定の動きをするものである。本実施の形態では、後述するように、本体部30に収納されている機械的動作を創出する動作機器に接続されており、本体部の長手方向Dに沿ってスライドするようにピストン運動的な往復運動をするように構成されている。
【0029】
ここで、動作部31の動作機構について、
図3、
図4に基づいて説明する。本実施の形態では、側面にネジを形成した軸に、該ネジに対応するナットを挿通させ、ナットと軸の間に金属製の小球を介在させ、電気的な動力により軸を回転させる力を用いて、ナットを軸の長手方向に移動させる「ボールねじ式」を用いた。
【0030】
図3は、動作部31の概略の正面図(a)、斜視図(b)である。動作部31は、作用部4を取り付ける取付部311と、動作部31の動力を創出する駆動部313と、動作部31と駆動部313を接続する接続部312を備えている。素材は、主にプラスチックで形成されている。
【0031】
取付部311は、作用部4を取り付けられるような形状をしており、本実施の形態では、円筒形状の作用部4を取り付けられるように、長方形の平板を円弧状に歪ませた形状に形成されている。ここで、取付部311に作用部4を固定するための方法として、本実施の形態ではベルトBを用いたが、ベルトBを取付部311に接続する手段としては、取付部311にベルト穴を形成したり、面ファスナーを使用したりする方法が考えられる。
【0032】
駆動部313は、動作部31が動く向きに貫通孔である駆動孔H1、ガイド孔H2が形成されている。駆動孔H1は、後述するように、動作部31をボールねじ式で動かすために、内部にナットが備えられている(図示略)。駆動孔H1の径はΦ5~10mmで形成されている。
【0033】
ガイド孔H2は、動作部31が動作中にブレないように、その動作方向を制限して、動作精度を確保するためのものである。こちらには駆動孔H1のようなナットを備える必要はないが、スムースな摺動を確保するために、内壁に金属製のパイプまたはスライド用のベアリングを備えることが好ましい。ガイド孔H2の径は、Φ3~10mmで形成されている。
【0034】
図4は、マッサージ装置3の動作機構を示す概略の正面図(a)と側面図(b)である。動作機構は、動作部31と、駆動孔H1に挿通したスクリューロッドSRと、ガイド孔H2に挿通したガイドロッドGRと、スクリューロッドSRに接続されたモータMと、スクリューロッドSRを回転できるように取り付けられたベアリングプーリーBPを備えている。ここで、ガイドロッドGR、モータM、ベアリングプーリーBPは、本体部30の内側に固定されている。固定部分や固定するための部品の詳細の説明と図示は省略するが、周知の手段を用いることができる。また、前述のように、駆動孔H1の内部のナットとスクリューロッドSRのネジの隙間には、摺動用に金属製の小球が介在している。接続部312の一部と取付部311は、本体部30に形成されたスリット状の穴から、本体部30から外に出ている。
【0035】
スクリューロッドSRは、側面にネジが形成された金属製の円柱であり、一端がモーターMの回転軸にソケット(図示略)により接続されており、他端がベアリングプーリーBPの穴に取り付けられている。モーターMが回転することで、その長手方向を軸として、図の回転方向Rの向きに回転運動をする。回転の向きは、モーターMの回転方向に伴い、変化する。スクリューロッドSRのネジは、前述の動作部31の駆動孔H1の内部のナットと介在する小球に対応する大きさと形状で形成されている。
【0036】
モーターMの回転に伴い、スクリューロッドSRが回転方向Rの向きで回転することで、スクリューロッドSRのネジが、駆動孔H1内部のナットを動かし、これにより動作部31がスクリューロッドSRの長手方向に沿った運動をする。動作の向きとストローク範囲、速さは、モーターMの回転方向、回転量、回転速度を変えることで、無段階で調整できる。
【0037】
次に、通信部32は、通信端末2と通信を行うためのものであり、前述のとおり、有線または無線で通信機能23と通信を行う。本実施の形態では、Bluetooth(登録商標)アンテナを使用している。
【0038】
制御部33は、通信部32で受信した信号に基づいて、動作部31の動作を制御するためのものである。本実施の形態では、制御部33は、マイクロコントローラーチップが使用されている。
【0039】
図2において、操作部34は、ボタン類で構成されており、制御部33を介して動作部31のストローク範囲や速度を手動で変更する場合に使用される。
【0040】
作用部4は、人体に直接触れてマッサージを行う部位であり、本実施の形態では、一方向がドーム状の蓋により塞がれた、中空の円筒形状をしている。中空内部は、緊張した男性の生殖器が適度な圧迫感をもって挿入される程度の長さと径で形成されている。素材は、シリコンゴムのような弾力性を有したエラストマー材料が使用されている。
【0041】
また、作用部4は、前述のとおり、動作部31にベルトBにより着脱自在に取り付けられている。
【0042】
次に、
図5に基づいて、本発明の実施に係る、人体へのマッサージ装置制御システム1によるマッサージ方法について説明をする。
【0043】
まず、通信端末2において動画の再生を開始するとともに、マッサージ装置3の電源をONに、作用部4に使用者の生殖器を挿入して、使用可能な状態にする。
【0044】
次に、マッサージ装置制御プログラム22を開始する(ステップS1)。
【0045】
マッサージ装置制御プログラム22は、前述の方法で動画を解析して、それが性的行為を伴う内容であるかどうかを解析する(ステップS2、S3)。
【0046】
動画の内容が性的行為を伴うものではない場合には、動画内で性的行為が開始されるまで解析を繰り返す。一方、性的行為が伴われている、と判断した場合には、動画内での人物の動きの大きさや速度に応じて、その動作部31のストローク範囲や速度の制御を行う信号を、通信機能23により、マッサージ装置3に対して送信する(ステップS4)。
【0047】
マッサージ装置3の通信部32は、通信端末2から送信された信号を受信し、制御部33はその情報に基づいたストローク範囲と速度で動作部31を制御する(ステップS5)。
【0048】
ステップS5まで終了したら、20ミリ秒のインターバルをおく(ステップS6)。
【0049】
マッサージ装置制御プログラム22が終了するまで、ステップS2からS6を繰り返す。ここで、マッサージ装置制御プログラム22の終了は、使用者が任意で行うことができる。
【0050】
この発明によれば、人工知能アルゴリズムであるマッサージ装置制御プログラム22により、動画を限定せずに、その内容に連動してマッサージ装置3を動作させることが可能であり、好適なマッサージをすることができ、満足感を向上させることが可能である。
【0051】
また、動画内での動きの大きさや速度に応じて、マッサージ装置3の動きの大きさや速度を制御するので、さらに好適なマッサージを行うことが可能である。
【0052】
また、人体に直接作用する作用部4がマッサージ装置3と別構成になっているため、使用者の嗜好や身体的特徴に合わせて作用部4を変更することが可能であり、また、作用部4単体で洗浄が容易であるため、常に清潔な状態でマッサージを行うことが可能である。
【0053】
また、マッサージ装置3は自動と手動のいずれでも操作できるため、マッサージの強度を任意に変更することが可能であり、さらなる満足感を得ることが可能である。
【0054】
また、マッサージ装置3が無段階で速度と動作範囲の調整ができるため、使用者の嗜好や身体的特徴に合わせたマッサージを行うことができ、さらなる満足感を得ることが可能である。
【0055】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本願発明の範囲は以上の実施の形態に
限られるものではなく、これと同視しうる他の形態に対しても及ぶ。
【0056】
例えば、本実施の形態では、動画の解析は画像情報のみによって行っていたが、音声も解析の対象とすることで、さらに詳細な解析が可能であり、より満足感を得ることが可能である。
【0057】
また、マッサージ装置3と作用部4が別構成になっているため、マッサージ装置3をテーブルなどの重量物に固定することで、使用者が本体部30を把持せずにフリーハンドで行うことができるので、独力で行うことが難しい障がい者や高齢者でもマッサージを行うことが可能となる。
【0058】
さらには、本実施の形態は、専ら男性を対象としているが、例えば作用部4を男性の生殖器を模した形状とすることで、女性向けとしても使用することが可能である。
【0059】
また、ステップS1からS7の自動動作中に、使用者が操作部34を操作して、動作部31のストローク範囲や速度を手動で調整し、マッサージ装置3の通信部32がこれを通信端末2に送信し、マッサージ装置制御プログラム22がその内容(例えば動作部31のストローク範囲や速さ)を記憶し、以降の動作に反映させることで、より使用者の好みに合わせることが可能となる。
【0060】
また、本実施の形態では、使用者は通信端末2に映し出された動画を直接目視していたが、本発明はヴァーチャルリアリティ動画にも対応可能であるため、これを専用のゴーグルで3D画像として視聴することで、使用者はより現実の性行為に近い体験をすることができるので、さらに満足感を得ることが可能である。
【0061】
さらに、通信端末2で再生された動画を、テレビに映し出す場合でも、マッサージ装置制御プログラム22は動画の内容を解析することができるので、使用者は大きな画面で動画を視聴することができるので、より大きな満足感を得ることが可能である。
【0062】
また、動作部31の動作機構は、動作部31のストロークが変更できるように、両端を接続して無限軌道状に閉じたベルトに動作部31を接続して、滑車でベルトを滑動させることで動作部31を移動させる「ベルト式」でもよい。
【0063】
また、スクリューロッドSRと駆動孔H1内のナットの隙間に金属製の小球を介在させず、ナット側にもスクリューロッドSRと略同じ形状のネジを形成して、ナットがスクリューロッドSR状を直接摺動する構成でもよい。この場合、スクリューロッドSRとナットのネジの潤滑性を十分確保する必要があるが、より構成を簡略化することが可能である。
【0064】
また、ナットは、必ずしも動作部31と別構成にするする必要はなく、貫通孔H1の内壁にネジを形成してこれをナットとし、これにスクリューロッドSRを挿通することで、さらに構成の簡略化が可能である。この場合、ナット側のネジの摩耗を抑えるために、駆動部313の素材はなるべく高硬度のものを使うとより効果的である。
【0065】
さらに、マッサージは性欲処理に限定されずに、取付部311にマッサージの目的に応じた作用部4を取り付けることで、肩や腰など、人体の様々な部位のマッサージに使用できる。この場合,動画の内容は、性的行為を伴うものではなく、例えばスポーツの動画や映画のシーンなどに対応して、マッサージ装置3が動作するように、マッサージ装置制御プログラム22を設定することも可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 マッサージ装置制御システム
2 通信端末
21 動画再生機能
22 マッサージ装置制御プログラム
23 通信機能
3 マッサージ装置
30 本体部
31 動作部
311 取付部
312 接続部
313 駆動部
32 通信部
33 制御部
34 操作部
4 作用部
H1 駆動孔
H2 ガイド孔
SR スクリューロッド
GR ガイドロッド
BP ベアリングプーリー
M モーター