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特開2024-43267情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043267
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20240322BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240322BHJP
   G06Q 30/0217 20230101ALI20240322BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240322BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
G06Q50/10
G06Q30/02 338
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148359
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】青木 優佳
(72)【発明者】
【氏名】安藤 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】今村 豊覚
(72)【発明者】
【氏名】大川原 夕祐
(72)【発明者】
【氏名】大槻 もも
(72)【発明者】
【氏名】向井 稜
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049BB72
5L049CC11
5L055AA14
(57)【要約】
【課題】釣り銭をインセンティブへ変換するとともに、現金決済データを記憶する情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理装置を提供すること。
【解決手段】情報処理方法は、記憶部にアクセス可能なコンピュータが、店舗端末より、個人識別子、店舗識別子、日時、及び釣り銭額を含む現金決済データを受信し、受信した前記現金決済データを前記記憶部に記憶し、前記店舗端末へ釣り銭額の支払いは不要である旨の指示を送信し、前記店舗識別子に対応付けられた決済口座より、前記釣り銭額を引き落とす旨の引き落とし情報を前記日時と対応付けて前記記憶部に記憶し、前記釣り銭額に相当する数量のインセンティブを、前記個人識別子に対応付けられたインセンティブ残高に加算し、加算された旨を前記個人識別子に対応付けられたユーザ端末へ通知する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部にアクセス可能なコンピュータが、
店舗端末より、個人識別子、店舗識別子、日時、及び釣り銭額を含む現金決済データを受信し、
受信した前記現金決済データを前記記憶部に記憶し、
前記店舗端末へ釣り銭額の支払いは不要である旨の指示を送信し、
前記店舗識別子に対応付けられた決済口座より、前記釣り銭額を引き落とす旨の引き落とし情報を前記日時と対応付けて前記記憶部に記憶し、
前記釣り銭額に相当する数量のインセンティブを、前記個人識別子に対応付けられたインセンティブ残高に加算し、
加算された旨を前記個人識別子に対応付けられたユーザ端末へ通知する
処理を行う情報処理方法。
【請求項2】
前記個人識別子、前記店舗識別子、及び決済金額を含むキャッシュレス決済データを蓄積し、
前記現金決済データは決済金額を含み、
前記個人識別子ごとに、前記現金決済データ及び前記キャッシュレス決済データを、前記店舗識別子又は前記決済金額に基づく分析を行い、
分析結果を前記ユーザ端末へ送信する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記店舗識別子ごとに、前記現金決済データを含む決済データを分析し、
分析結果を前記店舗端末へ送信する
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記店舗端末より、前記現金決済データ又は前記キャッシュレス決済データと共に、購入された商品又はサービスの識別子を含む購買データを受信し、
前記ユーザ端末からの要求に応じて、現金決済をした商品又はサービス、及び、キャッシュレス決済をした商品又はサービスの一覧を、前記ユーザ端末へ送信する
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記個人識別子を取得し、
前記個人識別子に対応付けられたインセンティブ残高を取得し、
取得したインセンティブ残高に対応する金額を求め、
求めた前記金額をATM又はバンキングシステムへ送信する
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
記憶部にアクセス可能なコンピュータに、
店舗端末より、個人識別子、店舗識別子、日時、及び釣り銭額を含む現金決済データを受信し、
受信した前記現金決済データを前記記憶部に記憶し、
前記店舗端末へ釣り銭額の支払いは不要である旨の指示を送信し、
前記店舗識別子に対応付けられた決済口座より、前記釣り銭額を引き落とす旨の引き落とし情報を前記日時と対応付けて前記記憶部に記憶し、
前記釣り銭額に相当する数量のインセンティブを、前記個人識別子に対応付けられたインセンティブ残高に加算し、
加算された旨を前記個人識別子に対応付けられたユーザ端末へ通知する
処理を行わせる情報処理プログラム。
【請求項7】
店舗端末より、個人識別子、店舗識別子、日時、及び釣り銭額を含む現金決済データを受信する受信部と、
受信した前記現金決済データを記憶する支払い記憶部と、
前記店舗端末へ釣り銭額の支払いは不要である旨の指示を送信する送信部と、
前記店舗識別子に対応付けられた決済口座より、前記釣り銭額を引き落とす旨の引き落とし情報を前記日時と対応付けて記憶する引き落とし記憶部と、
前記釣り銭額に相当する数量のインセンティブを、前記個人識別子に対応付けられたインセンティブ残高に加算する加算部と、
加算された旨を前記個人識別子に対応付けられたユーザ端末へ通知する通知部と
を備える情報処理装置。
【請求項8】
記憶部にアクセス可能なコンピュータが、
店舗端末より、個人識別子、店舗識別子及び決済金額を含む決済データを受信し、
前記記憶部から、前記店舗識別子に対応付けられた決済手段を取得し、
現金決済及び取得した前記決済手段ごとに、前記決済金額で得られるインセンティブの数量を求め、
得られるインセンティブの数量が最も大きい決済手段を前記個人識別子に対応付けられたユーザ端末へ送信し、
現金決済が行われた場合、前記決済金額、釣り銭額を含む現金決済データを、前記店舗端末より受信し、
受信した前記現金決済データを前記個人識別子及び前記店舗識別子と対応付けて、前記記憶部に記憶し、
前記店舗端末に釣り銭額の支払いは不要である旨の指示を送信し、
前記店舗識別子に対応付けられた決済口座より、前記釣り銭額を引き落とす旨の引き落とし情報を前記記憶部に記憶し、
前記釣り銭額に相当する数量のインセンティブを、前記個人識別子に対応付けられたインセンティブ残高に加算し、
加算された旨を前記ユーザ端末に通知する
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金決済時の釣り銭をインセンティブに変換する情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子決済の普及に伴い、大量の貨幣を携帯することを避けたいと考えている消費者が存在する。そのような消費者は、硬貨が大量になると、それを入れている財布の重量や容積が増加してしまう点を、特に嫌っていると思われる。特許文献1には釣り銭額をサービスポイントへ変換し、ICカードに記憶する点数記憶装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2-306398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術において、釣り銭をポイント等のインセンティブへ変換することにより、現金決済時に受け取った釣り銭により、携帯する通貨の増加を抑制できる。しかしながら、釣り銭をインセンティブへ変換するために情報処理システムが利用されるものの、支払いデータを記憶しないため、決済データの活用がされていない。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものである。その目的は、釣り銭をインセンティブへ変換するとともに、現金決済データを記憶する情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の一態様に係る情報処理方法は、記憶部にアクセス可能なコンピュータが、店舗端末より、個人識別子、店舗識別子、日時、及び釣り銭額を含む現金決済データを受信し、受信した前記現金決済データを前記記憶部に記憶し、前記店舗端末へ釣り銭額の支払いは不要である旨の指示を送信し、前記店舗識別子に対応付けられた決済口座より、前記釣り銭額を引き落とす旨の引き落とし情報を前記日時と対応付けて前記記憶部に記憶し、前記釣り銭額に相当する数量のインセンティブを、前記個人識別子に対応付けられたインセンティブ残高に加算し、加算された旨を前記個人識別子に対応付けられたユーザ端末へ通知する。
【発明の効果】
【0007】
本願の一態様にあっては、現金決済データを記憶するため、当該データの活用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】Vchangeシステムの構成例を示す説明図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】ユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】ユーザDBの例を示す説明図である。
図5】加盟店DBの例を示す説明図である。
図6】現金決済DBの例を示す説明図である。
図7】釣り銭DBの例を示す説明図である。
図8】ポイントDBの例を示す説明図である。
図9】現金決済処理の手順例を示すフローチャートである。
図10】釣り銭決済処理の手順例を示すフローチャートである。
図11】ホーム画面の例を示す説明図である。
図12】決済手段選択画面の例を示す説明図である。
図13】コード読み取り画面の例を示す説明図である。
図14】決済完了画面の例を示す説明図である。
図15】決済完了通知画面の例を示す説明図である。
図16】ユーザ向け分析処理の手順例を示すフローチャートである。
図17】分析結果画面の例を示す説明図である。
図18】アカウントDBの例を示す説明図である。
図19】分析結果DBの例を示す説明図である。
図20】ユーザ向け分析処理の他の手順例を示すフローチャートである。
図21】獲得ポイント分析結果を示す結果表示画面の例を示す説明図である。
図22】品目分析結果を示す結果表示画面の例を示す説明図である。
図23】店舗向け分析処理の手順例を示すフローチャートである。
図24】分析結果DBの例を示す説明図である。
図25】店舗向け分析の結果を示す結果表示画面の例を示す説明図である。
図26】分析結果DBの例を示す説明図である。
図27】分析結果DBの例を示す説明図である。
図28】店舗向け分析の結果を示す結果表示画面の例を示す説明図である。
図29】規則DBの例を示す説明図である。
図30】決済手段提案処理の手順例を示すフローチャートである。
図31】提案画面の例を示す説明図である。
図32】ポイント交換処理の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下実施の形態を、図面を参照して説明する。図1はVchangeシステムの構成例を示す説明図である。Vchangeシステム100は釣り銭をポイントに変換するとともに、現金決済データを蓄積し、その有効活用を図るシステムである。Vchangeシステム100は情報処理装置1、店舗端末2、連携システム3、及び、ユーザ端末4を含む。情報処理装置1、店舗端末2、連携システム3、及び、ユーザ端末4はネットワークNにより互いに通信可能に接続されている。情報処理装置1はサーバコンピュータ、ワークステーション、PC(Personal Computer)等で構成する。情報処理装置1を複数のコンピュータからなるマルチコンピュータ、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシン又は量子コンピュータで構成しても良い。情報処理装置1の機能をクラウドサービスで実現してもよい。店舗端末2はPOSレジで構成する。それに限らず、店舗端末2をタブレットコンピュータ等の汎用コンピュータで構成してもよい。本実施の形態において、連携システム3は電子決済システム、電子決済等代行業者の決済システム等を想定している。ユーザ端末4はスマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートPC等で構成する。なお、本明細書において、現金決済とは主として現金払いを想定している。すなわち、物やサービスの提供を受けるのと同時にお金を支払う、即時決済のことである。
【0010】
図2は情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置1は制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、通信部14及び読み取り部15を含む。これら各構成はバスBにより接続されている。
【0011】
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有する。制御部11は、補助記憶部13に記憶された制御プログラム1P(プログラム、プログラム製品)を読み出して実行することにより、情報処理装置1に係る種々の情報処理、制御処理等を行い、受信部、支払い記憶部、送信部、引き落とし記憶部、加算部及び通知部等の機能部を実現する。
【0012】
主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等である。主記憶部12は主として制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
【0013】
補助記憶部13はハードディスク又はSSD(Solid State Drive)等であり、制御部11が処理を実行するために必要な制御プログラム1Pや各種DB(Database)を記憶する。補助記憶部13は、ユーザDB131、加盟店DB132、現金決済DB133、釣り銭DB134、ポイントDB135、アカウントDB136、分析結果DB137及び規則DB138を記憶する。補助記憶部13に記憶する各種DB等を、情報処理装置1とは異なるデータベースサーバやクラウドストレージに記憶してもよい。
【0014】
通信部14はネットワークNを介して、店舗端末2、連携システム3及びユーザ端末4と通信を行う。また、制御部11が通信部14を用い、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御プログラム1Pをダウンロードし、補助記憶部13に記憶してもよい。
【0015】
読み取り部15はCD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。制御部11が読み取り部15を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、補助記憶部13に記憶してもよい。また、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御部11が制御プログラム1Pをダウンロードし、補助記憶部13に記憶してもよい。さらにまた、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム1Pを読み込んでもよい。
【0016】
図3はユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末4は制御部41、主記憶部42、補助記憶部43、通信部44、表示パネル45、操作部46及び近距離通信部47を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0017】
制御部41は、一又は複数のCPU、MPU、GPU等の演算処理装置を有する。制御部41は、補助記憶部43に記憶された制御プログラム4P(プログラム、プログラム製品)を読み出して実行することにより、種々の機能を提供する。
【0018】
主記憶部42は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等である。主記憶部42は主として制御部41が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
【0019】
補助記憶部43はハードディスク又はSSD等であり、制御部41が処理を実行するために必要な各種データを記憶する。補助記憶部43はユーザ情報431を記憶する。ユーザ情報431はユーザID、メールアドレス、都道府県、生年月日及び性別を含む。ユーザIDはユーザがVchangeシステム100より付与されたIDである。メールアドレスはユーザが使用しているメールアドレスである。都道府県はユーザが在住している都道府県の名称である。生年月日はユーザの生年月日である。性別はユーザの性別である。
【0020】
通信部44はネットワークNを介して、情報処理装置1と通信を行う。また、制御部41が通信部44を用い、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御プログラム4Pをダウンロードし、補助記憶部43に記憶してもよい。
【0021】
表示パネル45は液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成する。操作部46は、例えば、表示パネル45に組み込まれたタッチパネルで構成する。操作部46はユーザが表示パネル45上で行う所定の操作を検出する。操作部46は、表示パネル45に表示したソフトウェアキ-ボード上の操作を行うことができる。操作部46は、ハードウェアキーボード、マウスなどでもよい。
【0022】
近距離通信部47はNFC(Near Field Communication)規格に従った通信を行う。近距離通信部47はBluetooth(登録商標)規格、赤外線通信(IrDA(Infrared Data Association))規格、WiFi(登録商標)規格などにしたがった通信を行ってもよい。
【0023】
図4はユーザDBの例を示す説明図である。ユーザDB131はユーザ情報を記憶する。ユーザは一般消費者を想定している。ユーザDB131はユーザID列、氏名列、住所列、生年月日列、性別列、電話番号列、携帯番号列及びメール列を含む。ユーザID列はユーザを一意に特定可能なユーザID(個人識別子)を記憶する。氏名列はユーザの氏名を記憶する。住所列はユーザの住所を記憶する。生年月日列ユーザの生年月日を記憶する。性別列はユーザの性別を記憶する。電話番号列はユーザが利用する固定電話の電話番号を記憶する。携帯番号列はユーザが利用する携帯電話の番号を記憶する。メール列はユーザが利用しているメールアドレスを記憶する。
【0024】
図5は加盟店DBの例を示す説明図である。加盟店DB132は加盟店の情報を記憶する。加盟店は主にVchangeシステム100に参加している小売店舗を想定している。加盟店DB132は加盟店ID列、名称列、住所列、電話番号列及び決済手段列を含む。加盟店ID列は加盟店を一意に特定可能な加盟店ID(店舗識別子)を記憶する。名称列は加盟店の名称を記憶する。住所列は加盟店の所在地住所を記憶する。電話番号列は加盟店の電話番号を記憶する。決済手段列は加盟店で利用できる決済手段を記憶する。加盟店で利用できる決済手段が複数の場合、決済手段列は複数の決済手段を記憶する。
【0025】
図6は現金決済DBの例を示す説明図である。現金決済DB133はユーザが加盟店で現金決済をした場合、その内容を記憶する。現金決済DB133は売上票番号列、ユーザID列、加盟店ID列、支払額列、釣り銭列、ポイント列及び決済日時列を含む。売上票番号列は支払いを特定する売上票番号を記憶する。売上票番号は支払い後にPOSレジが出力するレシートに付されている番号である。ユーザID列は現金決済したユーザのユーザIDを記憶する。加盟店ID列は現金決済が行われた加盟店の加盟店IDを記憶する。支払額列はユーザが支払った金額(決済金額)を記憶する。釣り銭列は発生した釣り銭の金額を記憶する。ポイント列は釣り銭のうちポイントとしてユーザに付与されたポイント数を記憶する。決済日時列は現金決済を行った日時を記憶する。
【0026】
図7は釣り銭DBの例を示す説明図である。釣り銭DB134は釣り銭に替えてポイントをユーザへ付与した内容(引き落とし情報)を記憶する。釣り銭DB134はポイント分の釣り銭を加盟店の決済口座から回収する際に用いる。釣り銭DB134は売上票番号列、加盟店ID列、釣り銭列、及び決済日時列を含む。売上票番号列は売上票番号を記憶する。加盟店ID列は加盟店IDを記憶する。釣り銭列はポイントとしてユーザ付与した釣り銭の額を記憶する。決済日時列は現金決済を行った日時を記憶する。釣り銭DB134は設けなくともよい。釣り銭DB134が記憶する情報を現金決済DB133が有しているからである。ポイント分の釣り銭を加盟店の決済口座から回収する際、現金決済DB133から必要な項目のみを抽出する。
【0027】
図8はポイントDBの例を示す説明図である。ポイントDB135はユーザが保有するポイントの数量を記憶する。ポイントDB135はユーザID列、ポイント列、及び更新日時列を含む。ユーザID列はユーザIDを記憶する。ポイント列はユーザが保有しているポイント数(インセンティブ残高)を記憶する。更新日時列はポイント数が更新された日時を記憶する。釣り銭に替えて付与するポイントは、Vchangeシステム100独自のポイントである必要はなく、すでに運用されているポイントを付与してもよい。そのため、Vchangeシステム100がポイントDB135を必ずしも保有している必要はない。Vchangeシステム100と異なるポイントシステムが、ユーザが保有するポイントの管理を行ってもよい。
【0028】
図9は現金決済処理の手順例を示すフローチャートである。ユーザは会計時に釣り銭をポイントで受け取ることを定員に伝える。ユーザはユーザ端末4を操作して、Vchangeシステム100用のアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」という。)を起動する。ユーザ端末4の制御部41は、コード(バーコードや2次元コード)を表示パネル45に表示させる(ステップS1)。当該コードにはユーザを特定するユーザIDなどを含む。店員はユーザ購入する商品又はサービスを店舗端末2へ登録後、Vchangeシステム100の利用モードに切り替える。ユーザは表示パネル45に表示されたコードを店舗端末2に読み取らせる。店舗端末2はコードを読み取る(ステップS2)。店舗端末2は、ユーザから預かった現金額を受け付ける(ステップS3)。店舗端末2は決済指示を受け付ける(ステップS4)。店舗端末2は現金決済データを情報処理装置1へ送信する(ステップS5)。現金決済データは、読み取ったコードから得たユーザID、加盟店ID、及び釣り銭額を少なくとも含む。現金決済データとして、支払額、売上票番号、決済日時を含んでもよい。釣り銭額は、預かった現金額から支払額を差し引いて求める。売上票番号は店舗端末2が発番する。情報処理装置1の制御部11は現金決済データを受信する(ステップS6)。制御部11は現金決済データから釣り銭に替えて付与するポイントの数量を算出する(ステップS7)。釣り銭をポイントへ替えるのは、釣り銭のうち硬貨での支払いとなる金額のみでもよいし、釣り銭全額でもよい。いずれにするかをユーザが選択可能としてもよい。制御部11は現金決済DB133に現金決済データを、釣り銭DB134に釣り銭の回収情報を記憶する(ステップS8)。制御部11は釣り銭の全部又は一部をポイントに替えてユーザに付与した旨の通知を店舗端末2へ送信する(ステップS9)。店舗端末2の店舗端末2は通知を受信する(ステップS10)。店舗端末2は通知を画面に表示する(ステップS11)。店員は必要に応じて紙幣の釣り銭と売上票(レシート)をユーザに渡す。店舗での処理は終了する。制御部11はユーザの保有するポイントを更新する(ステップS12)。制御部11はポイントを更新した旨の通知をユーザ端末4へ送信する(ステップS13)。ユーザ端末4の制御部41は通知を受信する(ステップS14)。制御部41は通知を表示パネル45に表示し(ステップS15)、処理を終了する。
【0029】
なお、図9において、ステップS9、S10をステップS5~S8より先に実行してもよい。また、ステップS9、S10とステップS5~S8とを並列処理してもよい。
【0030】
図10は釣り銭決済処理の手順例を示すフローチャートである。釣り銭決済処理は、釣り銭に替えてユーザへ付与したポイント分の金額を加盟店から回収するための処理である。釣り銭決済処理は上述の現金決済処理が実行されるたびに実行してもよいが、トランザクションの増加を防ぐために、例えば日次バッチで現金決済の複数回分をまとめて実行する。情報処理装置1の制御部11は釣り銭DB134を参照し、対象となる日の釣り銭額を加盟店ID毎に積算する(ステップS31)。制御部11は決済を行う(ステップS32)。制御部11は加盟店の銀行口座等から積算額を引き落とし、Vchangeシステム100の運営者の銀行口座等に入金するよう、連携システム3へ依頼する。決済は対象となる全ての加盟店について行う。制御部11は決済を実行したことの通知を加盟店へ送信する(ステップS33)。制御部11は処理を終了する。
【0031】
図11はホーム画面の例を示す説明図である。ホーム画面d01は、ユーザ端末4にてアプリを起動した際に最初に表示される画面である。ホーム画面d01はバーコードd011、2次元コードd012、残高表示d013、履歴アイコンd014、及び分析アイコンd015を含む。バーコードd011、2次元コードd012は、釣り銭をポイントで受け取る場合に、店舗端末2に読み取らせるコードである。残高表示d013はユーザが保有しているポイントの数量を表示する。履歴アイコンd014を選択すると、取引履歴が表示される。分析アイコンd015を選択すると、利用状況の分析結果を表示する。
【0032】
図12は決済手段選択画面の例を示す説明図である。決済手段選択画面d02は店舗端末2が表示する画面である。ユーザがVchangeシステム100を利用して釣り銭をポイントで受け取る旨を店員へ伝えると、店員は決済手段選択画面d02でVchangeアイコンd021を選択する。
【0033】
図13はコード読み取り画面の例を示す説明図である。コード読み取り画面d03は、決済手段選択画面d02で、決済手段としてVchangeが選択された場合に、店舗端末2が表示する画面である。コード読み取り画面d03に指示(d031)にしたがい、店員はユーザ端末4のホーム画面d01に含まれるバーコードd011又は2次元コードd012をコードリーダー等で読み取る。
【0034】
図14は決済完了画面の例を示す説明図である。決済完了画面d04はVchangeシステム100を利用した決済が完了した場合に、店舗端末2に表示される画面である。決済完了画面d04は預かり額表示d041、支払い額表示d042、釣り銭表示d043、紙幣表示d044、及びポイント表示d045を含む。預かり額表示d041はユーザから預かった金額を表示する。支払い額表示d042は商品・サービスの代金としてユーザが支払った金額を表示する。釣り銭表示d043は釣り銭の合計金額を表示する。紙幣表示d044は釣り銭のうち紙幣でユーザに戻せる額を表示する。ポイント表示d045は釣り銭のうちポイントに変換された額を表示する。
【0035】
図15は決済完了通知画面の例を示す説明図である。決済完了通知画面d05は、ユーザがVchangeシステム100を利用した場合、決済完了したときに、ユーザ端末4に表示される画面である。決済完了通知画面d05は預かり額表示d051、支払い額表示d052、釣り銭表示d053、紙幣表示d054、ポイント表示d055、残高表示d056、利用店舗d057及び利用日時d058を含む。預かり額表示d051が店舗に預けた現金の額を表示する。支払い額表示d052は商品・サービスの代金としてユーザが支払った金額を表示する。釣り銭表示d053は釣り銭の合計金額を表示する。紙幣表示d054は釣り銭のうち紙幣でユーザが受け取る額を表示する。ポイント表示d055は釣り銭のうちポイントとして受け取った額を表示する。残高表示d056はユーザが保有するポイントの残高を表示する。利用店舗d057はユーザが利用した店舗を表示する。利用日時d058をユーザが利用した日時を表示する。
【0036】
(集計・分析機能)
図16はユーザ向け分析処理の手順例を示すフローチャートである。ユーザ端末4の制御部41はユーザからの指示、又は、アプリの起動に伴い、分析要求を送信する(ステップS41)。当該分析要求には少なくとも、ユーザIDが含まれている。情報処理装置1の制御部11は分析要求を受信する(ステップS42)。制御部11はユーザに関する現金決済データ、電子決済データを取得する(ステップS43)。現金決済データは現金決済DB133から取得する。電子決済データは連携システム3から取得する。なお、電子決済データを取得するためのデータ、例えば電子決済システム毎のユーザのIDや、電子決済データを取得するための許可は、予めユーザが得ているものとする。制御部11は取得したデータを利用し、集計・分析を行う(ステップS44)。制御部11は集計・分析結果をユーザ端末4へ送信する(ステップS45)。ユーザ端末4の制御部41は集計・分析結果を受信する(ステップS46)。制御部41は集計・分析結果を表示パネル45に表示し(ステップS47)、処理を終了する。
【0037】
集計・分析は、例えば、決済方法毎の利用状況分析である。図17は分析結果画面の例を示す説明図である。図17は所定期間における利用額を、現金決済、電子マネー決済、クレジットカードの3つの決済方法に種別して集計し、全体に占める割合を分析した結果を表示する画面を示している。分析結果画面d06は円グラフd061と内訳表示d062とを含む。当該分析結果画面d06により、ユーザは利用金額を把握するとともに、いずれの決済方法で一番多く消費しているかを認識することが可能である。
【0038】
本実施の形態は、以下の効果を奏する。ユーザは釣り銭として受け取るのは釣り札のみとなるので、現金決済をせざる得ない場合でも、釣り銭硬貨による財布重量の増加を防ぐことが可能となる。ユーザは、現金決済の履歴とキャッシュレス決済の履歴(キャッシュレス決済データ)とを一元管理することが可能となる。ユーザ自らが多大な努力をしなくとも、消費の記録がほぼ漏れなく行われるので、自分の消費動向を把握することが可能となる。現金決済の記録を残すために、ユーザが手入力することや、レシートを撮影して入力することが不要となることは大きなメリットである。
【0039】
加盟店は、釣り銭として硬貨を準備することが不要、又は、準備する量を低減することが可能となり、開店準備の作業が軽減される。また、売り上げとして得た硬貨を預貯金口座へ入金する際の硬貨入金手数料を低減することが可能となる。ポイントに変換した分の釣り銭を加盟店の口座から引き落とす釣り銭決済処理を、一定期間毎、例えば1日毎にすることで、取引回数は増大しないので、加盟店が負担する払込手数料も低額に抑えることが可能となる。その結果、小売店舗が、顧客サービス向上のために、Vchangeシステム100の利用を前向きに検討することが期待できる。
【0040】
加盟店は、Vchangeシステム100のユーザにのみ対応可能な硬貨の入出金が行えない、紙幣のみの入出金を行うPOSレジを設置することが可能となる。そのようなPOSレジは、硬貨を入出金するための機構が不要となるため、維持費用の削減が期待できる。
【0041】
小売店舗がVchangeシステム100を利用するためには、二次元コードのリーダやNFCリーダの導入が必要となるが、これらの機器はキャッシュレス決済の利用にも必要である。キャッシュ決済システムを導入していない小売店舗は、Vchangeシステム100を導入するとともに、併せてキャッシュレス決済を導入することで、初期費用を軽減することが可能となる。キャッシュレス決済を導入済みの小売店舗は、Vchangeシステム100を導入するための機器導入費用を不要とすることが可能となる。特に、Vchangeシステム100の運用者が電子決済等代行業者である場合、システム利用料が低廉となることが期待でき、キャッシュ決済とVchangeシステム100との併用導入のメリットは大きいと思われる。
【0042】
Vchangeシステム100において、ユーザが得るポイントの原資は、加盟店の売り上げの一部ではなく、釣り銭である。そのため、従来のポイントシステムと異なり、加盟店はポイントの原資を負担する必要がないとの利点がある。
【0043】
(変換レート)
釣り銭をポイントへ変換するレートとしては、1円=1ポイントを基本とするが、それに限らない。Vchangeシステム100では、ユーザが現金決済で商品・サービスを購入した履歴が取得可能である。現金決済での購入履歴の取得は、従来、ポイントサービスにより購入代金の一部をポイントとしてユーザへ還元することで可能となっていた。しかし、Vchangeシステムは本来、ユーザが受けるべき釣り銭をポイントに変換しているため、購入代金を還元する必要がない。Vchangeシステム100の運営者のこのような経済的な利点に鑑みて、レートを1円=1.01ポイント等にしてもよい。また、後述するように、現金決済での購入履歴に加えて、キャッシュレス決済による購入履歴を、マーケティングデータとして利用することに承諾したユーザには、レートを更にユーザに有利としてもよい。
【0044】
(実施の形態2)
本実施の形態においては、連携システム3として、POSシステム、オンライバンキングシステム等を加えることで、ユーザに多様な分析機能を提供する形態に関する。
【0045】
図18はアカウントDBの例を示す説明図である。アカウントDB136はユーザが利用しているキャッシュ決済の情報を記憶する。アカウントDB136は、ユーザID列、決済1列、決済2列、決済3列、…、及び決済20列を含む。ユーザID列はユーザIDを記憶する。決済1列から決済20列それぞれは、キャッシュ決済毎のアカウント情報を記憶する。アカウント情報は決済手段の種別、決済サービスの名称、及びトークン情報である。決済手段の種別は、例えばクレジットカード、電子マネー等である。トークン情報はキャッシュレス決済のシステムからユーザの決済情報を取得する際に用いるトークン情報、例えばOAuthのアクセストークン、リフレッシュトークンである。アクセストークン、リフレッシュトークンはユーザの許可のもと、キャッシュレス決済のシステムから付与されたものである。図18の例では、最大20個のキャッシュレス決済のアカウント情報をアカウントDB136は記憶可能となっているが、更に多くのアカウント情報を記憶可能としてもよい。
【0046】
図19は分析結果DBの例を示す説明図である。分析結果DB137はユーザに提示する分析結果を記憶する。ユーザに有意義な分析の内容は複数想定され、内容毎に分析結果DB137のデータ項目が異なることが想定される。分析結果DB137はデータ項目が異なる複数種類のデータテーブルが集まったものである。分析結果DB137を構成するいずれにテーブルについても、分析結果DB137と記載して説明する。図19では、分析結果DB137の例として2種類のテーブルを示している。
【0047】
図19Aは獲得ポイント分析の結果を保存する分析結果DB137の例を示す。分析結果DB137はユーザID列、加盟店列、期間列、決済額列、税込決済額列、決済手段列、決済ポイント列、及び連携ポイント列を含む。ユーザID列はユーザIDを記憶する。加盟店列は加盟店の名称を記憶する。期間列は分析対象とした期間を記憶する。決済額列は税抜きの決済額を記憶する。税込決済額列は税込みの決済額を記憶する。決済手段列は決済手段を記憶する。決済ポイント列は決済業者から得たポイントを記憶する。連携ポイント列は加盟店から得たポイント、又は、加盟店が提携しているポイントサービスの業者から得たポイントを記憶する。連携ポイント列は名称列及び獲得ポイント列を含む。名称列はポイントの名称を記憶する。獲得ポイント列は獲得したポイント数を記憶する。
【0048】
図19Bは品目分析の結果を保存する分析結果DB137の例を示す。分析結果DB137はユーザID列、期間列、品目列、及び購入点数列を含む。ユーザID列はユーザIDを記憶する。期間列は分析対象とした期間を記憶する。品目列は商品の品目を記憶する購入点数列は品目毎に期間中に購入した点数を記憶する。なお、図19Bに示す例では、加盟店を絞り込んでいる。
【0049】
図20はユーザ向け分析処理の他の手順例を示すフローチャートである。ユーザ端末4の制御部41は、ユーザからの指示に応じて、分析メニューの要求を、情報処理装置1へ送信する(ステップS61)。情報処理装置1の制御部11は分析メニューの要求を受信する(ステップS62)。制御部11は分析メニュー画面をユーザ端末4へ送信する(ステップS63)。ユーザ端末4の制御部41は分析メニュー画面を受信する(ステップS64)。制御部41は分析メニュー画面を表示する(ステップS65)。ユーザは分析メニュー画面において実行したい分析を選択する。制御部41はユーザの選択を受け付け、受け付け選択情報を情報処理装置1へ送信する(ステップS66)。情報処理装置1の制御部11は選択情報を受信する(ステップS67)。制御部11はユーザが選択した分析についての設定画面をユーザ端末4へ送信する(ステップS68)。ユーザ端末4の制御部41は設定画面を受信し、表示する(ステップS69)。ユーザは設定画面において、分析の設定(期間、対象とする店舗、対象とする決済手段、対象とする品目等の設定)を行い、実行を指示する。制御部41は設定を受け付け、情報処理装置1へ送信する(ステップS70)。情報処理装置1の制御部11は設定を受信する(ステップS71)。制御部11は設定に基づき、分析に必要なデータを収集する(ステップS72)。制御部11は連携システム3からデータを収集する際には、必要に応じて、アカウントDB136に記憶してあるトークン情報を用いて、ユーザのデータを収集する。制御部11は収集したデータを用いて分析を行う(ステップS73)。制御部11は分析結果を示す結果表示画面を作成する(ステップS74)。制御部11は結果表示画面をユーザ端末4へ送信する(ステップS75)。ユーザ端末4の制御部41は結果表示画面を受信し、表示する(ステップS76)。制御部41は処理を終了する。
【0050】
図21は、獲得ポイント分析結果を示す結果表示画面の例を示す説明図である。結果表示画面d07は分析期間d071及びグラフd072を含む。分析期間d071は分析を行った期間を示す。グラフd072は加盟店別、ポイント種類別の獲得ポイント数を円グラフで示している。当該結果表示画面d07により、ユーザは加盟店毎に獲得しているポイントを把握することが可能である。
【0051】
図22は、品目分析結果を示す結果表示画面の例を示す説明図である。結果表示画面d08は加盟店名d081、分析期間d082、円グラフd083及び棒グラフd084を含む。加盟店名d081は集計対象とした加盟店の名称を示す。分析期間d082は分析を行った期間を示す。円グラフd083品目別の購入点数を表示する。棒グラフd084は品目として「その他」とした「惣菜」について内訳の購入点数を表示する。当該結果表示画面d08により、例えば、SPDマートで昼食を購入することを習慣としているユーザは、品目ごとの購入状況を把握することが可能である。
【0052】
なお、図22に示した結果は条件が絞り込まれているが、それに限らない。集計対象とする店舗を全店舗としてもよい。品目は食品のみが表示されているその他の品目が含まれてもよい。購入点数を集計しているが、購入金額を集計してもよい。食品を分析する場合、各商品の栄養成分を取得し、成分毎の摂取量を集計してもよい。それにより、ユーザは栄養バランスを確認することが可能となる。
【0053】
(実施の形態3)
本実施の形態は、加盟店向けの分析機能に関する。図23は店舗向け分析処理の手順例を示すフローチャートである。店舗端末2は分析機能の要求を情報処理装置1へ送信する(ステップS91)。情報処理装置1の制御部11は要求を受信する(ステップS92)。制御部11はメニュー画面を店舗端末2へ送信する(ステップS93)。店舗端末2はメニュー画面を受信する(ステップS94)。店舗端末2はメニュー画面を表示する(ステップS95)。店舗端末2は実行する分析機能の選択を受け付け、受け付けた選択内容を情報処理装置1へ送信する(ステップS96)。情報処理装置1の制御部11は選択内容を受信する(ステップS97)。制御部11は分析に必要なデータを取得する(ステップS98)。制御部11は取得したデータの分析を行う(ステップS99)。制御部11は分析結果を店舗端末2へ送信する(ステップS100)。店舗端末2は分析結果を受信する(ステップS101)。店舗端末2は受信結果を表示し(ステップS102)、処理を終了する。
【0054】
図24は分析結果DBの例を示す説明図である。分析結果DB137の例を示す説明図である。図24は加盟店の顧客となっているユーザが利用しているキャッシュレス決済の状況を分析した結果を示している。分析結果DB137は決済手段列、年代列、性別列、及び人数列を含む。決済手段列はキャッシュ決済手段を記憶する。年代列は集計対象の年代を記憶する。性別列は集計対象の性別を記憶する。ここでは、年代と性別とを用いて、C層、T層、M1層、M2層、M3層、F1層、F2層及びF3層の8つの区分に分けている。C層は4歳~12歳男女である。T層は13歳~19歳男女である。M1層は20歳~34歳の男性である。M2層は35歳~49歳の男性である。M3層は50歳以上の男性である。F1層は20歳~34歳の女性である。F2層は35歳~49歳の女性である。F3層は50歳以上の女性である。人数列は各決済手段を利用している人数を記憶する。
【0055】
図25は店舗向け分析の結果を示す結果表示画面の例を示す説明図である。図25に示す結果表示画面d09は対象加盟店d091、集計対象メニューd092、円グラフd093、及び単位d094を含む。対象加盟店d091は集計対象としている加盟店を示す。対象加盟店d091で示している加盟店での購入履歴があるユーザが集計対象となる。集計対象メニューd092は表示対象とする年代、性別等を選択可能なプルダウンメニューである。ここでは、上述の8区分+全世代の9区分から選択可能である。円グラフd093はキャッシュレス決済毎の利用人数を円グラフにて表現している。単位d094は集計値の単位を示す。
【0056】
図25に示す分析結果により、現金決済のみを行っている加盟店が、新たにキャッシュレス決済サービスの導入を検討する際、顧客が利用している決済手段を把握可能である。そして、加盟店は、いずれの決済サービスを導入するのが有用となるのかを判断することができる。既にキャッシュレス決済を導入している加盟店は、分析結果により、新たに導入するキャッシュレス決済サービスや、利用を停止するキャッシュレス決済サービスを検討することが可能である。なお、ここでは利用人数を集計したが、利用金額を集計してもよい。
【0057】
図26及び図27は、分析結果DBの例を示す説明図である。図26及び図27に示す分析結果DB137は、食品スーパにて、所定期間、現金決済での各商品の売上を集計した結果である。これらのデータは、現金決済DB133に記憶してある現金決済のデータと、当該データに含まれる売上票番号をキーとして取得したPOSデータから作成可能である。分析結果DB137は、分類1列、分類2列、分類3列、品名列、及び曜日・時間帯列を含む。分類1列は大分類を記憶する。分類2列は各大分類を細分類した中分類を記憶する。分類3列は各中分類を細分類した小分類を記憶する。小分類を必要としない場合、分類3列は値がなくともよい。大分類、中分類、小分類の分け方は、図26に示したものに限らず、他の分類方法でもよい。品名列は商品の一般名称を記憶する。曜日・時間帯列を含む。曜日・時間帯列は複数の曜日列を含む。曜日列は曜日ごとの売上を記憶する。日曜・祝日列は、日曜日の売上に、祝日の売上を加算した売上を記憶する。各曜日列は更に時間帯列を含む。各時間帯列は時間帯における売上を記憶する。時間帯の設定は図26及び図27に示したもの以外でもよい。
【0058】
図28は店舗向け分析の結果を示す結果表示画面の例を示す説明図である。結果表示画面d10は分類設定メニューd101、表示メニューd102及び結果グラフd103を含む。分類設定メニューd101は集計対象とする分類を設定するプルダウンメニューである。図28では、大分類を青果、中分類及び小分類を設定しないとしている。この場合、青果の売上を中分類毎(根菜、葉茎菜、果菜)、曜日毎、時間帯毎に集計する。表示メニューd102は集計結果の表示対象を設定するプルダウンメニューである。図28では売上1位と設定しているので、中分類毎に売上が1位の曜日、時間帯を表示する。結果グラフd103は表示対象の集計結果をグラフ表示する。図28に示す例では、果菜は金曜日・18時~20時が最も売上が高く、葉茎菜及び果菜が1番上売り上げる時間帯よりも売上が多いことがわかる。また、青果のタイムセールを行うとすると、金曜日の18時~20時は果菜に重点を置き、月曜日の16時~18時は葉茎菜に重点を置き、日曜日の16時~18時は根菜に重点を置けばよいことがわかる。時間帯毎の売上状況を把握することで、加盟店は適正な在庫管理が可能となる。図28に示した分析結果は、加盟店が現金決済のみ行っている場合は、現金決済に基づく売上である。加盟店がキャッシュレス決済も行っている場合は、現金決済の売上と、キャッシュレス決済の売上とを合算した売上である。加盟店が複数の決済手段を行っている場合、決済手段毎の売上を表示してもよい。
【0059】
(実施の形態4)
本実施の形態は、ユーザへ決済手段を提案する機能に関する。具体的には加盟店で決済するに際して、ポイントの付与率が有利な決済手段を提案するものである。図29は規則DBの例を示す説明図である。規則DB138は決済手段毎におけるインセンティブの付与規則を記憶する。図29では付与規則の一例として、ポイント還元率を記憶する。規則DB138は規則ID列、ポイント名称列、決済手段列、及び還元率列を含む。規則ID列は規則を一意に特定する規則IDを記憶する。ポイント名称列は付与されるポイントの名称を記憶する。決済手段列は決済手段を記憶する。還元率列はユーザの購入額から付与するポイント数を計算する際に用いる還元率を記憶する。付与ポイント=購入額×還元率である。
【0060】
図30は決済手段提案処理の手順例を示すフローチャートである。ユーザは加盟店へのチェックイン操作を行う。例えば、ユーザを加盟店の入口に設置されているチェックイン用の2次元コードをユーザ端末4に読み込ませる。また、ユーザ端末4が内蔵するGPS受信機等の位置検出部で検出した現在位置を示す位置座標と、予め加盟店の位置が設定されている電子地図とを対照して、ユーザがいる加盟店を判定する。判定した加盟店にいるか否かをユーザに確認する。ユーザは判定した加盟店に実際にいた場合には、YES等の肯定的な回答を入力する。ユーザのチェックイン操作により、ユーザ端末4の制御部41はユーザがいる加盟店の加盟店IDを取得する(ステップS91)。制御部41はチェックインした店舗の店舗IDと、ユーザIDとともに、情報処理装置1へ送信する(ステップS92)。情報処理装置1の制御部11は店舗ID、ユーザIDを受信する(ステップS93)。制御部11は利用可能の決済手段を取得する(ステップS94)。制御部11は店舗IDを検索キーにして、加盟店DB132等を検索し、チェックインされた加盟店で、ユーザが利用可能な決済手段を取得する。また、制御部11はユーザIDを検索キーにして、ユーザDB131等を検索し、ユーザが利用している決済手段を取得する。制御部11は加盟店で利用可能であって、ユーザが利用している決済手段を抽出する(ステップS95)。制御部11は抽出した各決済手段の還元率を、規則DB138より取得する(ステップS96)。制御部11は、還元率が最も高い決済手段を選択する(ステップS97)。制御部11は選択した決済手段での決済を提案する提案画面生成し、ユーザ端末4へ送信する(ステップS98)。ユーザ端末4の制御部41は提案画面を受信し表示する(ステップS99)。制御部41は処理を終了する。
【0061】
図31は提案画面の例を示す説明図である。提案画面d11は加盟店d111、決済手段d112、還元率d113、及び例示d114を含む。加盟店d111はチェックインした加盟店を表示する。決済手段d112はお勧めの決済手段を表示する。還元率d113はお勧めの決済手段の還元率を表示する。例示d114は決済手段で得られるポイント数を例示する。
【0062】
本実施の形態においては、ユーザへポイントの付与率が有利な決済手段を提案するので、ユーザの利用満足度を向上することが可能となる。
【0063】
(実施の形態5)
本実施の形態はVchangeシステム100で取得したポイントを現金に交換する形態に関する。ユーザはVchangeシステム100を利用することにより、定常的に硬貨を持ち歩かなくなるため、硬貨が必要となったときに、ポイントを現金に交換可能であると便利である。本実施の形態において、ユーザは店舗端末2又はATM(Automated [Automatic] Teller [Telling] Machine:現金自動預払機)を利用する。店舗端末2は主としてセルフレジを想定している。
【0064】
図32はポイント交換処理の手順例を示すフローチャートである。ユーザは店舗端末2を操作して、ポイント現金変換機能を選択する。ユーザは店舗端末2に認証情報を入力する。例えば、ユーザ端末4に認証情報をコード化した認証用二次元コードを表示し、店舗端末2に読み取らせる。または、ユーザ端末4と店舗端末2とをNFCにより通信させ、認証情報を店舗端末2へ送信する。店舗端末2は認証情報を受け付ける(ステップS111)。ユーザは受け取りたい現金の金額を入力する。金額に加えて金種(硬貨の種類)を指定可能としてもよい。店舗端末2は金額を受け付ける(ステップS112)。店舗端末2は認証情報と金額とを情報処理装置1へ送信する(ステップS113)。情報処理装置1の制御部11は認証情報と金額とを受信する(ステップS114)。制御部11はユーザ認証を行う(ステップS115)。制御部11は認証に成功したか否かを判定する(ステップS116)。制御部11は認証に成功したと判定した場合(ステップS116でYES)、ユーザが保有するポイントから受信した金額への交換が可能か否かを判定する(ステップS117)。制御部11はポイントDB135からユーザの保有ポイントを取得する。制御部11は取得したポイントの金銭的価値を求め、それが受信した金額以上であるか否かを判定する。制御部11はユーザ保有ポイントの金銭的価値が受信した金額以上であれば、交換可能と判定する。そうでない場合、制御部11は交換不可能と判定する。制御部11は、ユーザが保有するポイントから受信した金額への交換が可能と判定した場合(ステップS117でYES)、払い出し指示を店舗端末2へ送信する(ステップS118)。店舗端末2は払い出し指示を受信する(ステップS119)。店舗端末2はユーザが指定した金額を払い出す(ステップS120)。店舗端末2は払い出し完了を情報処理装置1へ送信する(ステップS121)。情報処理装置1の制御部11は払い出し完了を受信する(ステップS122)。制御部11はユーザの保有するポイントを払い出し金額分のポイントを差し引いた値に更新する(ステップS123)。制御部11は完了通知を送信する(ステップS124)。店舗端末2は完了通知を受信、表示する(ステップS125)。店舗端末2は処理を終了する。完了通知には更新後のユーザが保有するポイントの数量を含めてもよい。制御部11は認証に失敗したと判定した場合(ステップS116でNO)、又は、ユーザが保有するポイントから受信した金額への交換が不可能と判定した場合(ステップS117でNO)、不可通知を店舗端末2へ送信する(ステップS126)。不可通知には理由を含めてもよい。理由は例えば、認証失敗、ポイント不足等である。店舗端末2は不可通知を受信する(ステップS127)。店舗端末2は交換が不可であることを表示し(ステップS128)、処理を終了する。
【0065】
本実施の形態は以下の効果を奏する。ユーザはポイントを硬貨に交換可能であるので、迅速に硬貨を取得可能となる。例えば、災害などによりユーザが携帯電話を利用できず、公衆電話で電話を掛けたい場合に、硬貨を調達できる。また、ユーザが神社仏閣にお参りする際のお賽銭として5円玉を調達することも可能である。
【0066】
加盟店は、店舗端末2からユーザが硬貨を受け取ることにより、売上として得た硬貨を減らすことが可能となり、売上金を金融機関に預ける際の硬貨取り扱い手数料の低減が期待できる。
【0067】
本実施の形態ではVchangeシステム100のポイントを現金に交換する例を説明したが、それに限らない。キャッシュレス決済手段のチャージにポイントを利用可能としてもよい。チャージは店舗端末2で行えるとともに、ユーザ端末4で行えるようにしてもよい。また、Vchangeシステム100のポイントを現金に交換して、ユーザが直接受け取るのではなく、ポイントを交換して得られる金額を、バンキングシステムを利用して、ユーザが有する金融機関の口座へ入金するようにしてもよい。Vchangeシステム100とキャッシュレス決済システム又はバンキングシステムとにおいて、残高データ等のユーザデータを交換することを、予めユーザは許可しているものとする。キャッシュレス決済システムのユーザID、バンキングシステムのユーザIDや金融機関の口座情報などを、ユーザDB131に記憶しておいてもよい。なお,Vchangeシステム100のポイントを現金に交換する場合においても、ポイントを交換して得られる金額を、ユーザが有する金融機関の口座へ一度入金した後に、現金を払い出す手順としてもよい。
【0068】
(一覧表示)
上述した実施の形態2では、ユーザに提供する分析機能に説明したが、購入履歴(購買データ)を一覧にして、ユーザに提供してもよい。Vchangeシステム100により収集した現金決済の履歴と、キャッシュレス決済の履歴、さらにインターネットバンキングにより、口座の入出金履歴を取得できれば、ユーザは記録作業を殆ど行うことなく、Vchangeシステム100から、所謂家計簿データを取得・参照が可能となる。
【0069】
各実施の形態で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0070】
100 :Vchangeシステム
1 :情報処理装置
11 :制御部
12 :主記憶部
13 :補助記憶部
131 :ユーザDB
132 :加盟店DB
133 :現金決済DB
134 :釣り銭DB
135 :ポイントDB
136 :アカウントDB
137 :分析結果DB
138 :規則DB
14 :通信部
15 :読み取り部
16 :表示パネル
1P :制御プログラム
1a :可搬型記憶媒体
1b :半導体メモリ
2 :店舗端末
3 :連携システム
4 :ユーザ端末
41 :制御部
42 :主記憶部
43 :補助記憶部
431 :ユーザ情報
44 :通信部
45 :表示パネル
46 :操作部
47 :近距離通信部
4P :制御プログラム
B :バス
N :ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
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