(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043274
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】電気機器
(51)【国際特許分類】
B25F 5/02 20060101AFI20240322BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20240322BHJP
H02K 5/08 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
B25F5/02
B25F5/00 G
H02K5/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148370
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲賛▼
(72)【発明者】
【氏名】原田 哲祐
【テーマコード(参考)】
3C064
5H605
【Fターム(参考)】
3C064AA01
3C064AA02
3C064AA03
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA03
3C064BA07
3C064BA33
3C064BB01
3C064BB71
3C064BB76
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA10
3C064CA24
3C064CA27
3C064CA29
3C064CA53
3C064CA60
3C064CA61
3C064CB07
3C064CB08
3C064CB17
3C064CB32
3C064CB42
3C064CB62
3C064CB73
3C064CB76
3C064CB86
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC01
5H605CC02
5H605DD09
5H605GG06
5H605GG18
(57)【要約】
【課題】ハウジングの摩耗又はハウジングとモータの位置ずれを抑制することの可能な電気機器を提供する。
【解決手段】モータ20の後側インシュレータ26は、左突出部41及び右突出部42を有する。ねじ45、46は、テールカバー14並びに左突出部41及び右突出部42を貫通し、モータ収容部11に螺着する。これにより、テールカバー14がモータ収容部11の後部開口を覆った状態で固定されると共に、後側インシュレータ26の左突出部41及び右突出部42が前後方向においてテールカバー14とモータ収容部11に挟まれる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータと、前記ロータの径方向外側に設けられるステータと、を有するモータと、
前記モータを収容し、前記モータの軸方向の一方側が開口するハウジングと、
前記ハウジングの前記開口に接続されるカバーと、
を備えた電気機器であって、
前記ステータは、外周部に径方向外側に突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記軸方向において前記ハウジングと前記カバーとで挟まれる、
ことを特徴とする電気機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電気機器であって、
前記ハウジングは、互いに分割可能な第1及び第2ハウジングで前記ステータを挟む、
ことを特徴とする電気機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電気機器であって、
前記突出部を前記ハウジングに対して前記軸方向に締め付けるねじを有する、
ことを特徴とする電気機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電気機器であって、
前記ねじは、前記カバーと前記ハウジングとを固定する、
ことを特徴とする電気機器。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の電気機器であって、
前記ハウジングは、前記突出部が挿入される挿入部を有する、
ことを特徴とする電気機器。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の電気機器であって、
前記ステータは、ステータコア及びインシュレータを有し、
前記突出部は前記インシュレータに設けられる、
ことを特徴とする電気機器。
【請求項7】
請求項6に記載の電気機器であって、
前記インシュレータは、前記ステータコアに対して前記軸方向の一方側に位置する一方側インシュレータと、前記ステータコアに対して前記軸方向の他方側に位置する他方側インシュレータと、を有し、
前記突出部は、前記一方側インシュレータと前記他方側インシュレータの少なくとも一方に設けられる、
ことを特徴とする電気機器。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の電気機器であって、
前記ステータは、ステータコアを有し、
前記突出部は、前記ステータコアに設けられる、
ことを特徴とする電気機器。
【請求項9】
請求項2に記載の電気機器であって、
前記突出部は、前記第1ハウジングと対向する第1突出部と、前記第2ハウジングと対向する第2突出部と、を有する、
ことを特徴とする電気機器。
【請求項10】
請求項6に記載の電気機器であって、
前記ステータコアは、外周部に径方向外側に突出する凸部を有し、
前記ハウジングの内面には、前記凸部が嵌合する嵌合部が設けられる、
ことを特徴とする電気機器。
【請求項11】
ロータと、前記ロータの径方向外側に設けられるステータと、を有するモータと、
前記モータを収容するハウジングと、
を備えた電気機器であって、
前記ステータは、外周部に径方向外側に突出する突出部を有し、
前記突出部を前記ハウジングに対して前記軸方向に締め付けるねじを有する、
ことを特徴とする電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器、例えば電動工具は、一般に、ハウジングにモータを収容している。特許文献1は、ハウジングの内面に設けた凹部にモータ外周に設けた凸部を嵌合することでハウジング内にモータを支持した構成を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、電気機器の動作中に発生する振動等により、ハウジングとモータの嵌合部分に摩擦が発生してハウジングが摩耗したり、両者の位置がずれたりする可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、ハウジングの摩耗又はハウジングとモータの位置ずれを抑制することの可能な電気機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、電気機器である。この電気機器は、
ロータと、前記ロータの径方向外側に設けられるステータと、を有するモータと、
前記モータを収容し、前記モータの軸方向の一方側が開口するハウジングと、
前記ハウジングの前記開口に接続されるカバーと、
を備えた電気機器であって、
前記ステータは、外周部に径方向外側に突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記軸方向において前記ハウジングと前記カバーとで挟まれる。
【0007】
本発明の別の態様は、電気機器である。この電気機器は、
ロータと、前記ロータの径方向外側に設けられるステータと、を有するモータと、
前記モータを収容するハウジングと、
を備えた電気機器であって、
前記ステータは、外周部に径方向外側に突出する突出部を有し、
前記突出部を前記ハウジングに対して前記軸方向に締め付けるねじを有する。
【0008】
本発明は「作業機」や「電動工具」等と表現されてもよく、そのように表現されたものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ハウジングの摩耗又はハウジングとモータの位置ずれを抑制することの可能な電気機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る電気機器1の右側面図。
【
図4】
図3においてテールカバー14を取り外した図。
【
図6】ハウジング10の左部とテールカバー14の要部右側面図。
【
図8】ハウジング10及びその内部構成の分解斜視図。
【
図9】(A)は、電気機器1におけるステータ組の分解斜視図。(B)は、ステータ組の斜視図。
【
図10】本発明の実施の形態2に係る電気機器の要部断面図。
【
図11】本発明の実施の形態3に係る電気機器の要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
図1~
図9は、本発明の実施の形態1に係る電気機器1に関する。電気機器1は、作業機であり、具体的にはインパクトドライバである。
図1~
図7により、電気機器1における互いに直交する前後、上下、左右方向を定義する。前後方向は、モータ軸21と平行な方向(モータ軸方向)である。
【0012】
電気機器1は、ハウジング10を有する。ハウジング10は、例えば左右二分割構造の樹脂成形体である。ハウジング10は、モータ収容部11、ハンドル部12、及び電池パック装着部13を含む。
【0013】
モータ収容部11は、中心軸が前後方向と略平行な筒状部である。ハンドル部12は、上端がモータ収容部11の前後方向の中間部に接続されて前記中間部から下方に延びる。電池パック装着部13は、ハンドル部12の下端に設けられ、電池パック17を着脱可能に装着できる。電気機器1は、電池パック17の電力で動作する。
【0014】
電気機器1は、モータ収容部11の後側の開口に接続されて当該開口を覆うテールカバー14を有する。テールカバー14は、ねじ45、46によってモータ収容部11に固定される。
図8に示すように、テールカバー14は、ねじ45、46を通すための貫通孔55、56を左部と右部に有する。
【0015】
電気機器1は、モータ収容部11の前部に接続されたハンマケース18を有する。ハンマケース18は、例えば金属製であり、モータ収容部11に保持されてモータ収容部11から前方に延びる。
【0016】
電気機器1は、ハンドル部12の上端部に、ユーザがモータ20の駆動、停止を切り替えるためのトリガスイッチ15を有する。電気機器1は、モータ収容部11とハンドル部12との境界部付近に、ユーザがモータ20の正転、逆転を切り替えるための正逆切替スイッチ16を有する。電気機器1は、電池パック装着部13内に第1制御基板35を有する。第1制御基板35は、モータ20の駆動を制御するマイコン等の制御部を搭載する。
【0017】
作業機1は、モータ収容部11及びハンマケース18の内側に、モータ20、減速機構28、スピンドル29、回転打撃機構30、ファン34を有する。
【0018】
モータ20は、インナーロータ型のブラシレスモータであり、前後方向と平行なモータ軸21を有する。モータ20は、ロータ22、ステータコア23、ステータコイル24、前側インシュレータ25、後側インシュレータ26を含む。
図5、
図8、
図9では、ステータコイル24の図示が省略される。
【0019】
ロータ22は、モータ軸21の周囲に設けられ、モータ軸21と一体に回転する。ステータコア23、ステータコイル24、前側インシュレータ25、後側インシュレータ26は、電気機器1のステータを構成する。なお、
図9では、ステータに後述の第2制御基板36を加えたものをステータ組と定義している。
【0020】
ステータコア23は、ロータ22の径方向外側に設けられる。ステータコイル24は、ステータコア23に設けられる。前側インシュレータ25は、ステータコア23の前部に設けられる。後側インシュレータ26は、ステータコア23の後部に設けられる。前側インシュレータ25及び後側インシュレータ26は、例えば樹脂成形体であり、ステータコア23とステータコイル24との間を絶縁する。
【0021】
前側インシュレータ25の前部には、第2制御基板36が取り付けられる。第2制御基板36は、モータ20の回転位置を検出するためのホールIC等の磁気センサや、ステータコイル24に駆動電流を供給するためのスイッチング素子(インバータ回路)を搭載する。
【0022】
減速機構28は、モータ20の回転を減速してスピンドル29に伝達する。スピンドル29は、回転打撃機構30を駆動する。回転打撃機構30は、電気機器1の出力部であってモータ20により駆動される。
【0023】
回転打撃機構30は、スプリング31、ハンマ32、アンビル33を含む。アンビル33に図示しないビット等の先端工具が保持される。ハンマ32は、スピンドル29とカム係合し、かつスプリング31によって前方に付勢される。スピンドル29によって駆動されるハンマ32がアンビル33を回転打撃する。回転打撃機構30の構成、動作は周知なのでこれ以上の詳細な説明を省略する。
【0024】
ファン34は、ロータ22の後方においてモータ軸21に取り付けられ、モータ軸21と一体に回転し、モータ20等を冷却する冷却風を発生する。
【0025】
電気機器1は、モータ20の保持構成に特徴を有する。
【0026】
図4、
図5、
図7、
図8に示すように、後側インシュレータ26は、ステータの外周部に対して径方向外側に突出する左突出部41及び右突出部42を有する。左突出部41は第1突出部の例示であり、右突出部42は第2突出部の例示である。
【0027】
図8及び
図9に示すように、後側インシュレータ26は、外周面の左後部から後方に延びる延長部57を有し、延長部57の後端部に左突出部41を有する。左突出部41は、延長部57の後端部から径方向外側すなわち左方に突出する。また、後側インシュレータ26は、外周面の右後部から後方に延びる延長部58を有し、延長部58の後端部に右突出部42を有する。右突出部42は、延長部58の後端部から径方向外側すなわち右方に突出する。左突出部41及び右突出部42は、それぞれ前後方向と垂直な板状部であって、ねじ45、46を通すための貫通孔43、44を有する。
【0028】
図8に示すように、ハウジング10は、第1ハウジングとしての左ハウジング51及び第2ハウジングとしての右ハウジング52をねじ止め等により互いに組み合わせて一体化したものであり、左ハウジング51及び右ハウジング52でステータコア23を挟む。左ハウジング51は、左突出部41が挿入される左挿入部47を有する。右ハウジング52は、右突出部42が挿入される右挿入部48を有する。左挿入部47及び右挿入部48は、モータ収容部11の後端部において前方に凹む凹部として構成される。左挿入部47及び右挿入部48には、ねじ45、46が螺着するねじ穴53、54がそれぞれ開口する。
【0029】
ねじ45、46は、テールカバー14の貫通孔55、56、並びに後側インシュレータ26の左突出部41及び右突出部42の貫通孔43、44を貫通し、左ハウジング51及び右ハウジング52のねじ穴53、54に螺着する。これにより
図7に示すように、テールカバー14がモータ収容部11の後部開口を覆った状態で固定されると共に、後側インシュレータ26の左突出部41及び右突出部42が前後方向においてテールカバー14とモータ収容部11に挟まれてモータ収容部11に対して締め付けられる。
【0030】
図8に示すように、ステータコア23は、外周部に径方向外側に突出する凸部59を有する。図示の例では、4つの凸部59が約90度間隔で周方向に設けられる。ハウジング10は、各凸部59が嵌合する嵌合部60(凹部)を内面に有する。凸部59の個数は任意に変更できる。
【0031】
本実施の形態は、下記の作用効果を奏する。
【0032】
(1) 後側インシュレータ26が左突出部41及び右突出部42を有し、左突出部41及び右突出部42が前後方向においてテールカバー14とモータ収容部11に挟まれる。このため、ステータコア23の凸部59とハウジング10の嵌合部60との嵌合による支持のみの場合と比較して、ハウジング10に対するステータの支持(固定)が強固となる。よって、作業中等の振動によるハウジング10の嵌合部60の摩耗やハウジング10に対するモータ20の位置ずれを抑制できる。ハウジング10に対するモータ20の前後方向の位置ずれや、モータ20の周方向の位置ずれを抑制できる。
【0033】
(2) 左突出部41及び右突出部42は、自身を貫通するねじ45、46の締結力により、前後方向においてテールカバー14とモータ収容部11に挟持される。このため、ハウジング10に対するステータの支持(固定)が強固となり、上述したハウジング10の嵌合部60の摩耗やハウジング10に対するモータ20の位置ずれの抑制効果が高められる。ハウジング10に対するモータ20の前後方向の位置ずれや、モータ20の周方向の位置ずれの抑制効果が高められる。
【0034】
(3) ねじ45、46は、テールカバー14をハウジング10に固定するねじのため、左突出部41及び右突出部42に対する挟持力を発生するための部品点数の増加を抑制できる。
【0035】
(4) ハウジング10の左挿入部47及び右挿入部48に後側インシュレータ26の左突出部41及び右突出部42を挿入することで、ステータコア23の凸部59とハウジング10の嵌合部60との位置合わせができるため、組立性が良い。また、突出部を挿入部に挿入することで、モータ20をハウジング10に対して径方向に固定でき、ハウジング10に対する前後方向の位置ずれや、モータ20の周方向の位置ずれを抑制できる。
【0036】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2に係る電気機器の要部断面図である。以下、
図7と対比しながら実施の形態1との相違点を中心に説明する。本実施の形態において、実施の形態1の後側インシュレータ26に対応する後側インシュレータ126は、後側インシュレータ26が有する左突出部41及び右突出部42を有するものの貫通孔43及び44を有さない。左突出部41及び右突出部42は、実施の形態1のそれらよりも、モータ20(ステータコア23)の外周から径方向外側に突出する突出量が小さくなっている。突出量は、モータ収容部11の内径部よりも径方向外側まで延びている。モータ収容部11には、左突出部41及び右突出部42のそれぞれが挿入される挿入部が設けられる。これにより、モータ20は、左突出部41及び右突出部42が前後方向においてテールカバー14とモータ収容部11とによって挟まれる。一方、実施の形態1の前側インシュレータ25に対応する前側インシュレータ125は、左突出部41及び右突出部42に対応する左突出部141及び右突出部142を有する。左突出部141及び右突出部142はねじ45、46を通す貫通孔を有する。モータ収容部11に対応するモータ収容部111は、左突出部141及び右突出部142が挿入される左挿入部147及び右挿入部148を有する。モータ収容部111は、実施の形態1と同様、ねじ45、46が螺着するねじ穴53、54(
図8参照)を有する。本実施の形態も、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。本実施の形態において、左突出部141及び右突出部142のねじ45、46を通す貫通孔をねじ穴とし、モータ収容部111に設けるねじ45、46を通す穴にはねじを設けなくてもよい(貫通孔としてもよい)し、或いは、左突出部141及び右突出部142よりも前方に位置する部分のみにねじ45、46が螺着するねじ穴としてもよい。
【0037】
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3に係る電気機器の要部断面図である。以下、
図7と対比しながら実施の形態1との相違点を中心に説明する。本実施の形態において、実施の形態1の後側インシュレータ26に対応する後側インシュレータ126は、後側インシュレータ26が有する左突出部41及び右突出部42を有するものの貫通孔43及び44を有さない。左突出部41及び右突出部42、モータ収容部11の挿入部は、実施の形態2と同様に構成されている。一方、実施の形態1のステータコア23に対応するステータコア123は、左突出部41及び右突出部42に対応する左突出部241及び右突出部242を有する。モータ収容部11に対応するモータ収容部111は、左突出部241及び右突出部242が挿入される左挿入部147及び右挿入部148を有する。モータ収容部111は、実施の形態1と同様、ねじ45、46が螺着するねじ穴53、54(
図8参照)を有する。左突出部241及び右突出部242は、ねじ45、46を通す貫通孔を有する。本実施の形態も、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。本実施の形態において、左突出部241及び右突出部242のねじ45、46を通す貫通孔をねじ穴とし、モータ収容部111に設けるねじ45、46を通す穴にはねじを設けなくてもよい(貫通孔としてもよい)し、或いは、左突出部241及び右突出部242よりも前方に位置する部分のみにねじ45、46が螺着するねじ穴としてもよい。
【0038】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、本発明は実施の形態に限定されない。実施の形態で具体的に説明した各事項には請求項に記載の範囲で種々の変形が可能である。
【0039】
実施の形態では突出部が2つである場合を例示したが、突出部は1つ又は3つ以上であってもよい。突出部が左右に2つあることでステータの支持(固定)をバランス良く且つ強固にできるが、突出部が1つの場合でもハウジング10の嵌合部60の摩耗やハウジング10に対するモータ20の位置ずれの抑制に一定の効果は得られる。あるいは、突出部は、ステータの全周に渡って設けられてもよい。また、突出部は、前側インシュレータ、後側インシュレータ、ステータコアのいずれかに設けられる場合を例示したが、これらを組み合わせて、前側インシュレータ、後側インシュレータ、ステータコアのうちの2つ以上に設けられてもよい。
【0040】
本発明の電気機器は、テールカバー14に対応するカバーを有さないタイプであってもよい。この場合でも、ハウジングに対して突出部を前後方向からねじ止めすることで、ハウジングに対するステータの支持(固定)を強固にし、ハウジング10の嵌合部60の摩耗やハウジング10に対するモータ20の位置ずれを抑制できる。
【0041】
本発明の電気機器は、インパクトドライバに限定されず、インパクトレンチや振動ドリルドライバ等の他の種類のものであってもよい。本発明は、使用中の振動が大きい種類の電気機器に特に有効であるが、それに限定されることはなく、モータを有する電気機器全般に適用できる。
【符号の説明】
【0042】
1…電気機器、10…ハウジング、11…モータ収容部、12…ハンドル部、13…電池パック装着部、14…テールカバー、15…トリガスイッチ、16…正逆切替スイッチ、17…電池パック、18…ハンマケース、20…モータ、21…モータ軸、22…ロータ、23…ステータコア、24…ステータコイル、25…前側インシュレータ、26…後側インシュレータ、28…減速機構、29…スピンドル、30…回転打撃機構、31…スプリング、32…ハンマ、33…アンビル、34…ファン、35…第1制御基板、36…第2制御基板、41…左突出部(第1突出部)、42…右突出部(第2突出部)、43、44…貫通孔、45、46…ねじ、47…左挿入部、48…右挿入部、51…左ハウジング(第1ハウジング)、52…右ハウジング(第2ハウジング)、53、54…ねじ穴、55、56…貫通孔、57、58…延長部、59…凸部、60…嵌合部、111…モータ収容部、123…ステータコア、125…前側インシュレータ、126…後側インシュレータ、141…左突出部(第1突出部)、142…右突出部(第2突出部)、147…左挿入部、148…右挿入部、241…左突出部(第1突出部)、242…右突出部(第2突出部)。