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特開2024-43284情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043284
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20240322BHJP
【FI】
G06Q30/02 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148384
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】香田 夏輝
(72)【発明者】
【氏名】合田 寛都
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB03
(57)【要約】
【課題】対象の商品を段階的に販売する場合に対象の流行を判定すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、対象の販売済みの第1販売物の販売履歴から、対象の未販売の第2販売物の販売傾向を予測する予測部と、予測した第2販売物の販売傾向と実際に販売した第2販売物の販売傾向との比較結果に基づいて、対象が流行したか否かを判定する判定部と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の販売済みの第1販売物の販売履歴から、前記対象の未販売の第2販売物の販売傾向を予測する予測部と、
予測した前記第2販売物の前記販売傾向と実際に販売した前記第2販売物の販売傾向との比較結果に基づいて、前記対象が流行したか否かを判定する判定部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記予測部は、学習対象の前記第1販売物及び前記第2販売物の販売データを有する教師データを用いて、入力された前記販売履歴のデータから前記第2販売物の前記販売傾向を予測するように機械学習された予測モデルを用いて、前記第2販売物の販売傾向を予測する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記予測部は、前記学習対象の特徴と前記第1販売物及び前記第2販売物の販売データとを有する教師データを用いて、入力された前記販売履歴のデータから前記第2販売物の前記販売傾向を予測するように機械学習された前記予測モデルを用いて、前記第2販売物の販売傾向を予測する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、実際に販売した前記第2販売物の販売傾向が前記予測した前記第2販売物の前記販売傾向よりも上回った場合に、前記対象が流行したと判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記予測モデルは、前記対象の購入者の種別ごとに、前記学習対象の特徴と前記第1販売物及び前記第2販売物の販売データとを有する教師データを用いて、入力された前記販売履歴のデータ及び前記種別から前記第2販売物の前記販売傾向を予測するように機械学習されたモデルであり、
前記予測部は、前記予測モデルを用いて、前記対象の購入者の種別ごとに、前記対象の未販売の第2販売物の販売傾向を予測し、
前記判定部は、予測した前記第2販売物の前記販売傾向と実際に販売した前記第2販売物の販売傾向との比較結果に基づいて、前記対象が前記購入者の種別で流行したか否かを判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記対象は、複数の巻数からなる販売物であり、
前記予測部は、対象の販売済みの第1販売物の販売数から前記第2販売物の販売数を予測し、
前記判定部は、予測した前記第2販売物の前記販売数よりも実際に販売した前記第2販売物の販売数が多く、その差が所定の閾値を超える場合に、前記対象が流行したと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
対象の販売済みの第1販売物の販売履歴から、前記対象の未販売の第2販売物の販売傾向を予測することと、
予測した前記第2販売物の前記販売傾向と実際に販売した前記第2販売物の販売傾向との比較結果に基づいて、前記対象が流行したか否かを判定することと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
対象の販売済みの第1販売物の販売履歴から、前記対象の未販売の第2販売物の販売傾向を予測することと、
予測した前記第2販売物の前記販売傾向と実際に販売した前記第2販売物の販売傾向との比較結果に基づいて、前記対象が流行したか否かを判定することと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの飛躍的な普及に伴い、例えば、インターネット上の種々の情報を用いた分析に関する技術が提供されている。例えば、購買履歴データ等を用いて時期のトレンドを考慮して顧客を分析する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-146145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作品、コンテンツ等の対象(タイトル等)のシリーズを分割して複数の販売物を段階的に販売する場合、例えば、販売戦略を展開するうえで、当該対象が流行しているかを早急に把握することが望まれている。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、対象の商品を段階的に販売する場合に対象の流行を判定することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、対象の販売済みの第1販売物の販売履歴から、前記対象の未販売の第2販売物の販売傾向を予測する予測部と、予測した前記第2販売物の前記販売傾向と実際に販売した前記第2販売物の販売傾向との比較結果に基づいて、前記対象が流行したか否かを判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、対象の商品を段階的に販売する場合に対象の流行を判定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、対象の予測の販売数と実際の販売数との相関関係を示す散布図である。
図3図3は、図1に示す情報処理装置の動作例を説明するための図である。
図4図4は、図1に示す情報処理装置の動作の他の一例を説明するための図である。
図5図5は、図1に示す情報処理装置の動作の他の一例を説明するための図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理システムの情報処理装置の構成例を示す図である。
図7図7は、情報処理装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、情報処理装置100が実行する情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の一例を示す図である。
【0011】
図1では、情報処理システム1は、販売の対象に関する情報処理を行うシステムである。販売の対象は、例えば、漫画、書籍、コンテンツ等のタイトルを含む。対象は、同じタイトルのシリーズを分割した複数の販売物が、段階的に異なるタイミングで販売される。本実施形態では、対象が漫画のタイトルである場合の一例について説明する。この場合、対象の販売物である続きの書籍(コミック)は、1巻、2巻、・・・、n巻のように、異なる販売日に販売されるものとする。n巻の「n」は、整数である。本実施形態では、販売物は、書籍である場合について説明するが、段階的に異なるタイミングで配信されるコンテンツ等であってもよい。
【0012】
情報処理システム1は、管理対象のタイトルに対して、複数の販売物ごとの販売履歴、販売傾向等を管理する機能を提供できる。情報処理システム1は、タイトルの販売済みの販売物の販売履歴に基づいて、タイトルの未販売の販売物の販売傾向を予測する機能を提供できる。販売傾向は、例えば、販売物の販売後の売り上げの変化、性別や年代ごとの売り上げ等の特徴量を示す。情報処理システム1は、タイトルの販売物の販売傾向に基づいてタイトルの流行を判定する機能を提供できる。販売傾向は、売り上げ数を含む。
【0013】
〔1-1.情報処理の概要〕
図1に示すように、情報処理システム1は、管理装置10と、情報処理装置100と、を備える。管理装置10と情報処理装置100とは、不図示のネットワークを介して相互に通信可能な構成になっている。ネットワークは、例えば、有線または無線のネットワークを含む。なお、以下の説明では、説明を簡単化するために、情報処理システム1は、情報処理装置100と管理装置10とが一対一の関係である場合について説明するが、情報処理装置100が複数の管理装置10の各々と送受信を行う構成としてもよい。
【0014】
管理装置10は、対象の物販物の販売スケジュール、販売履歴等を管理可能なサーバ装置である。管理装置10は、例えば、コンピュータ、専用装置、EC(Electronic Commerce)サーバ等を含む。管理装置10は、対象の販売物ごとに販売データ500を管理し、外部からの要求に応じて対象の販売データ500を提供する。
【0015】
販売データ500は、販売物の販売履歴、販売数等を識別可能なデータである。販売データ500は、識別情報510と、発売後販売情報520と、性別毎販売情報530と、年代毎販売情報540と、を有する。識別情報510は、例えば、タイトルの販売物を識別可能な情報が設定される。発売後販売情報520は、例えば、識別情報510が示す販売物の発売後の日数ごとの販売履歴を示す情報が設定される。性別毎販売情報530は、例えば、識別情報510が示す販売物の性別ごとの販売履歴を示す情報が設定される。年代毎販売情報540は、例えば、識別情報510が示す販売物の年代ごとの販売履歴を示す情報が設定される。
【0016】
図1に示す一例では、複数の販売データ500は、1巻、2巻、・・・、n巻のいずれか1つを示す情報が、識別情報510に設定されている。複数の販売データ500の各々は、0日(発売日の当日)、1日、2日、・・・、m日ごとの販売履歴を示す情報が、発売後販売情報520に設定されている。m日の「m」は、整数である。複数の販売データ500の各々は、男性及び女性ごとの販売履歴を示す情報が、性別毎販売情報530に設定されている。複数の販売データ500の各々は、20代、30代、40代等ごとの販売履歴を示す情報が、年代毎販売情報540に設定されている。なお、販売データ500は、1巻、2巻、・・・、n巻の販売履歴を識別可能な1つのデータとしてもよい。
【0017】
情報処理装置100は、管理装置10から販売データ500を取得し、販売データ500が示す対象の販売履歴に基づいて対象の将来の販売傾向を予測する。情報処理装置100は、過去に販売した対象における複数の販売物の販売履歴の特徴から将来の販売傾向を予測するように機械学習された予測モデル400を用いて、対象の販売傾向を予測する。予測モデル400は、例えば、1巻からのデータだけでなく、任意の巻からのデータを用いて対象の販売傾向を予測するように機械学習されている。予測モデル400は、学習対象の第1販売物及び第2販売物の販売データ500を有する教師データを用いて、入力された販売履歴のデータから第2販売物の販売傾向を予測するように機械学習されている。予測モデル400は、例えば、対象の販売データ500が入力されると、当該販売データ500が示す販売履歴から将来の販売傾向を予測し、予測した販売傾向を出力する。
【0018】
図2は、対象の予測の販売数と実際の販売数との相関関係を示す散布図である。図2では、散布図600は、横軸が予測の販売数、縦軸が実際の販売数をそれぞれ示している。散布図600は、複数のアウトプット610と直線620とを示している。複数のアウトプット610は、予測の販売数と実際の販売数との相関関係を示している。直線620は、予測の販売数と実際の販売数とが一致する値を示す直線であり、予測の販売数と実際の販売数の比例式で表している。すなわち、実際の販売数が予測の販売数に近い場合、アウトプット610は、直線620の近くにプロットされる。このため、散布図600では、予測の販売数と実績の販売数とのアウトプット610が直線620から上振れている場合に、対象は「流行」であると判断することができる。上振れとは、予想の販売数よりも実際の販売数が上回ることを意味する。
【0019】
図2に示す一例では、情報処理装置100は、販売物のn-2巻のプロット610P-2、n-1巻のプロット610P-1、及び、n巻のプロット610Pが直線620から上振れている場合、対象が流行したと判定できる。なお、情報処理装置100は、例えば、最新巻の1つのプロットが直線620から所定の閾値よりも上振れている場合、対象が流行したと判定してもよい。また、情報処理装置100は、例えば、アウトプット610が直線620の近くにある場合、対象が流行したか否かの判定を保留できる。情報処理装置100は、例えば、アウトプット610が直線620から下振れている場合、対象がダウントレンドである、または、流行が終わったと判定できる。
【0020】
次に、図1を参照して、情報処理システム1における情報処理装置100の情報処理の手順の一例を、以下に説明する。
【0021】
図1に示すように、情報処理装置100は、対象の販売データ500を管理装置10から取得する(ステップS1)。例えば、情報処理装置100は、任意のタイミングで、販売済みの対象の1巻からn-x巻までの第1販売物の販売データ500を取得している。xは、整数である。第1販売物は、対象の販売済みの販売物である。
【0022】
情報処理装置100は、1巻からn-x巻までの販売データ500に基づいて、n巻の販売物の販売傾向を予測する(ステップS2)。例えば、情報処理装置100は、1巻からn-x巻までの販売データ500を予測モデル400に入力し、予測モデル400の出力に基づいてn巻の対象の販売傾向を予測する。例えば、n巻が4巻の場合、情報処理装置100は、販売済みの1巻から3巻までの販売データ500に基づいて、未発売の4巻の販売物の販売傾向(販売数)を予測する。例えば、情報処理装置100は、販売済みの任意の巻から任意の巻までの販売データ500に基づいて、未発売の販売物の販売傾向を予測してもよい。これにより、情報処理装置100は、対象の販売期間が長期間であっても、将来の対象の販売傾向を正確に予測することができる。情報処理装置100は、予測したn巻の対象の販売傾向を示す予測データを記憶する。なお、n巻の販売物は、第2販売物に相当する。
【0023】
n巻の販売物が販売された後、所定日数が経過すると、情報処理装置100は、n巻の販売物を示す販売データ500を管理装置10から取得する(ステップS3)。例えば、情報処理装置100は、取得したn巻の販売物の販売データ500を、1巻からn-x巻までの販売データ500に関連付けて記憶する。なお、情報処理装置100は、n巻の販売物を示す販売データ500を取得する場合に、1巻からn-x巻までの販売データ500を更新してもよい。
【0024】
情報処理装置100は、予測したn巻の販売物の販売傾向と実際に販売した第2販売物の販売傾向との比較結果に基づいて、対象が流行したか否かを判定する(ステップS4)。例えば、情報処理装置100は、n巻の販売物の予測した販売傾向と実際の販売傾向とを比較し、実施の販売傾向が予測した販売傾向よりも上振れている場合に、対象が流行したと判定する。例えば、情報処理装置100は、n巻の販売物の予測した販売傾向と実際の販売傾向との差分を算出し、差分が判定用閾値を超えた場合に、対象が流行したと判定する。判定用閾値は、例えば、過去の流行に基づいて設定された値、機械学習した値等を設定することができる。
【0025】
情報処理装置100は、対象の流行の判定結果を提供する(ステップS5)。例えば、情報処理装置100は、対象が流行したと判定した場合、対象の流行を通知可能な判定結果情報を生成し、当該判定結果情報を管理装置10に送信したり、管理装置10で通知させたりすることで、判定結果を提供する。例えば、情報処理装置100は、対象が流行したと判定した場合、対象の流行を通知可能な判定結果情報を生成し、当該判定結果情報をデータベースに登録することで、判定結果を提供する。
【0026】
図3は、図1に示す情報処理装置100の動作例を説明するための図である。図3に示すように、情報処理装置100は、予測対象がn巻発売後のm日間の販売履歴である場合、当該対象のn巻の発売後のm日間の販売履歴を示す販売データ500を管理装置10から取得する。情報処理装置100は、対象の販売済みの販売物の販売履歴から未販売(将来)のn巻の販売物の販売傾向を予測し、実際の販売傾向が予測した販売傾向よりも上振れていると、対象が流行したと判定する。情報処理装置100は、使用データがn-1巻までの販売履歴であり、対象が流行したと判定した判定結果を示す判定データ700を生成し、当該判定データ700を提供する。
【0027】
このように、情報処理装置100は、対象の販売済みの第1販売物の販売履歴から未販売(将来)の第2販売物の販売傾向を予測し、予測した販売傾向と第2販売物の実際の販売傾向の比較結果に基づいて、対象が流行したか否かを判定できる。これにより、情報処理装置100は、対象の商品を段階的に販売する場合に、対象の販売傾向から対象の流行を判定することができるので、対象が流行しているかを早急に把握することができる。
【0028】
〔1-2.その他の処理例〕
例えば、1巻から3巻までの販売傾向から4巻の販売傾向を予測する場合と、20巻から22巻までの販売傾向から23巻の販売傾向を予測する場合とでは、予測結果が異なる可能性がある。このため、情報処理装置100は、以下のように変形することができる。
【0029】
情報処理装置100は、予測対象がn巻発売後のm日間の販売履歴である場合、当該対象のn-x巻の発売後のm日間の販売履歴を示す販売データ500を管理装置10から取得する。x巻の「x」は、何巻前の販売データ500を販売履歴として用いるかを指定する値であり、nの値が大きくなるほど、xの値を小さくすることで、予測の精度を向上させることができる。情報処理装置100は、対象の販売済みのn-x巻の販売物の販売履歴から未販売(将来)のn巻の販売物の販売傾向を予測し、実際の販売傾向が予測した販売傾向よりも上振れていると、対象が流行したと判定することができる。
【0030】
情報処理装置100は、学習対象の特徴と第1販売物及び第2販売物の販売データ500とを有する教師データを用いて、入力された販売履歴のデータから第2販売物の販売傾向を予測するように機械学習された予測モデル400で、入力した第2販売物の販売傾向を予測することができる。学習対象の特徴は、例えば、対象のストーリ、絵柄(画像)、作者、出版社、ページ数等の販売数に影響する要因を含む。教師データは、これらの特徴をラベルとして販売データ500に関連付けられている。これにより、予測モデル400は、特徴に対応した販売データ500を機械学習することで、対象の特徴に応じた第2販売物の販売傾向を予測することができる。
【0031】
情報処理装置100は、対象の特徴を示す特徴データを取得し、特徴データと第1販売物の販売データ500とを予測モデル400に入力し、対象の特徴に基づいて予測した予測モデル400の出力を第2販売物の販売傾向の予測とする。これにより、情報処理装置100は、予測した販売傾向と第2販売物の実際の販売傾向の比較結果に基づいて対象が流行したか否かの判定精度を向上させることができる。
【0032】
予測モデル400は、対象の購入者の種別ごとに、学習対象の特徴と第1販売物及び第2販売物の販売データとを有する教師データを用いて、入力された販売履歴のデータ及び種別から第2販売物の販売傾向を予測するように機械学習されたモデルとすることができる。例えば、購入者の種別は、性別、年齢、それらの組み合わせ等を含む。教師データは、対象の購入者の性別分布、年齢分布等を識別するラベルが機械学習用の販売データ500に関連付けられている。これにより、予測モデル400は、購入者の種別に対応した販売データ500を機械学習することで、購入者の種別に応じた第2販売物の販売傾向を予測することができる。
【0033】
情報処理装置100は、判定対象とする購入者の種別を示す種別データを取得し、種別データと第1販売物の販売データ500とを予測モデル400に入力し、購入者の種別に基づいて予測した予測モデル400の出力を第2販売物の販売傾向の予測とする。これにより、情報処理装置100は、予測した販売傾向と第2販売物の実際の販売傾向の比較結果に基づいて、特定の種別で対象が流行したか否かを判定することができる。
【0034】
図4は、図1に示す情報処理装置100の動作の他の一例を説明するための図である。図4に示すように、情報処理装置100は、予測対象がn巻発売後のm日間の販売履歴、かつ、所定の性別である場合、当該対象のn巻の発売後のm日間の販売履歴を示す販売データ500を管理装置10から取得する。情報処理装置100は、対象の販売済みの販売物の所定の性別の販売履歴から未販売(将来)のn巻の販売物の販売傾向を予測し、実際の販売傾向が予測した販売傾向よりも上振れていると、対象が流行したと判定する。すなわち、情報処理装置100は、所定の性別で対象が流行したか否かを判定することができる。情報処理装置100は、使用データがn-1巻までの所定の性別の販売履歴であり、対象が流行したと判定した判定結果を示す判定データ700を生成し、当該判定データ700を提供する。例えば、情報処理装置100は、男性及び女性の各々で、対象が流行したか否かを判定し、男性及び女性の各々で流行したか否かの判定結果を示す判定データ700を提供してもよい。
【0035】
図5は、図1に示す情報処理装置100の動作の他の一例を説明するための図である。図5に示すように、情報処理装置100は、予測対象がn巻発売後のm日間の販売履歴、かつ、所定の年代である場合、当該対象のn巻の発売後のm日間の販売履歴を示す販売データ500を管理装置10から取得する。情報処理装置100は、対象の販売済みの販売物の所定の年代の販売履歴から未販売(将来)のn巻の販売物の販売傾向を予測し、実際の販売傾向が予測した販売傾向よりも上振れていないと、対象が流行していないと判定する。すなわち、情報処理装置100は、所定の年代で対象が流行したか否かを判定することができる。情報処理装置100は、使用データがn-1巻までの所定の年代の販売履歴であり、対象が流行していないと判定した判定結果を示す判定データ700を生成し、当該判定データ700を提供する。例えば、情報処理装置100は、異なる年代ごとに、対象が流行したか否かを判定し、異なる年代ごとで流行したか否かの判定結果を示す判定データ700を提供してもよい。
【0036】
なお、上述した処理は一例に過ぎず、情報処理システム1及び情報処理装置100は、様々な態様により対象が流行したか否かを判定してもよい。例えば、情報処理装置100は、n巻の販売物の販売傾向(販売数)の上振れ率を算出し、上振れ率と判定閾値とを用いて、対象が流行したか否かを判定してもよい。すなわち、情報処理装置100は、機械学習モデルを用いずに、算出プログラム等を用いて販売物の販売傾向を予測し、対象が流行したか否かを判定してもよい。例えば、情報処理装置100は、実際の販売物の販売傾向が予想よりも指数関数的に上振れている場合に、対象が流行したと判定してもよい。例えば、情報処理装置100は、最新の販売物の販売数と過去に販売した販売物の販売数との合計数を予測し、実際の合計数と比較して対象が流行したか否かを判定してもよい。
【0037】
〔2.情報処理システムの構成〕
情報処理システム1は、対象の販売データ500に基づいて対象の流行を判定するシステムである。図6は、実施形態に係る情報処理システム1の情報処理装置100の構成例を示す図である。図6に示すように、情報処理システム1は、管理装置10と、端末装置20と、情報処理装置100とを含む。管理装置10、端末装置20及び情報処理装置100は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図6に示す情報処理システム1には、複数台の管理装置10や、複数台の端末装置20や、複数台の情報処理装置100が含まれてもよい。また、情報処理システム1には、上記以外にも対象の流行を判定するために用いられる様々なコンピュータが含まれてもよい。
【0038】
管理装置10は、複数の対象の販売データ500を管理する機能を提供できる。管理装置10は、情報処理装置100が指定した対象の販売データ500を提供する機能を提供できる。管理装置10は、複数の対象ごとに、上述した巻ごとの販売データ500をデータベースとして構築する。例えば、対象の1巻から3巻の販売物が販売されている場合、管理装置10は、1巻から3巻の各々の販売データ500の生成、更新等を行う。管理装置10は、情報処理装置100が対象を指定すると、当該対象の販売データ500をデータベースから抽出して情報処理装置100に送信する。管理装置10は、実施形態における処理を実現可能であれば、どのような装置であってもよい。
【0039】
端末装置20は、ユーザによって利用される装置である。端末装置20は、ユーザが各種の情報を参照するために利用される。端末装置20は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。例えば、端末装置20は、情報処理装置100に対して各種データの提供を要求する。例えば、端末装置20は、ユーザによる入力を受け付け、受け付けたデータを情報処理装置100に送信する。端末装置20は、情報処理装置100が提供する各種データを、アプリケーションやブラウザにより表示する。端末装置20は、対象の流行判定を受け付けると、流行判定を情報処理装置100に要求する。端末装置20は、実施形態における処理を実現可能であれば、どのような装置であってもよい。
【0040】
実施形態に係る情報処理装置100は、管理装置10から対象の販売データ500を取得し、当該販売データ500に基づいて未販売(将来)の販売物の販売傾向を予測するコンピュータである。情報処理装置100は、対象の予測した販売傾向と実際の販売傾向との比較結果に基づいて対象が流行したか否かを判定する機能を提供できる。
【0041】
なお、情報処理システム1は、情報処理装置100と管理装置10とを備える構成になっているが、情報処理装置100と管理装置10とを1つの装置、コンピュータ等で実現してもよい。
【0042】
〔3.情報処理装置の構成〕
以下、上記した情報処理装置100が有する機能構成の一例について説明する。図6に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0043】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。
【0044】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、販売データ記憶部121と、予測モデル記憶部122と、判定データ記憶部123とを有する。なお、記憶部120は、上記に限らず様々な情報を記憶してもよい。
【0045】
(販売データ記憶部121)
販売データ記憶部121は、複数の対象の販売データ500等を記憶する。販売データ記憶部121は、管理装置10等から取得した1または複数の販売データ500を対象に関連付けて記憶する。例えば、販売データ記憶部121は、上述した販売データ500を販売物の巻の順番で記憶することで、1巻からn巻までの販売履歴を識別可能なデータベースを構築している。例えば、販売データ記憶部121は、1巻からn-1巻までの販売データ500が過去の販売履歴となり、n巻の販売データ500が最新刊の販売履歴となる。なお、販売データ記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0046】
(予測モデル記憶部122)
予測モデル記憶部122は、上述した予測モデル400等の機械学習済みモデルデータを記憶する。予測モデル記憶部122は、例えば、サーバ装置、機械学習装置等から取得した予測モデル400等のモデルデータを記憶する。予測モデル400は、教師データが有する対象の販売データ500及び正解データを用いて、販売データが示す販売数の特徴、規則性、パターン等を抽出し、正解データとの関係を機械学習することで、対象の将来の販売傾向を予測する学習モデルである。
【0047】
予測モデル400は、例えば、ニューラルネットワークを用いて機械学習を実行しており、入力層と、中間層と、出力層と、を有する。例えば、予測モデル400は、1巻からn-1巻の販売データ500が入力層に入力されると、中間層でn巻の販売物の販売傾向を予測し、予測した販売傾向を出力層が出力する。予測モデル400は、例えば、1巻からn-1巻の販売データ500と対象の特徴データが入力層に入力されると、中間層で対象の特徴と類似する商品の過去の販売履歴に基づいてn巻の販売物の販売傾向を予測し、予測した販売傾向を出力層が出力する。予測モデル400は、例えば、1巻からn-1巻の販売データ500と対象の購入者の種別データが入力層に入力されると、中間層で種別の過去の販売履歴に基づいてn巻の販売物の販売傾向を予測し、予測した販売傾向を出力層が出力する。
【0048】
(判定データ記憶部123)
判定データ記憶部123は、上述した判定データ700を記憶する。判定データ記憶部123は、情報処理装置100の制御部130が対象の流行を判定した結果を示す判定データ700を対象に関連付けて記憶する。本実施形態では、判定データ記憶部123は、異なる複数の対象に関連付けられた判定データ700を記憶できる。判定データ700は、判定に用いたデータを含んでもよいし、判定に用いたデータを関連付けてもよい。
【0049】
(制御部130)
制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0050】
図6に示すように、制御部130は、取得部131と、予測部132と、判定部133と、提供部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0051】
(取得部131)
取得部131は、各種データを取得する。取得部131は、通信部110を介して、管理装置10から対象の販売データ500を取得し、取得した販売データ500を対象に関連付けて記憶部120に記憶する。取得部131は、通信部110を介して、予測モデル400等のモデルデータを取得して記憶に120に記憶する。取得部131は、取得した対象の販売データ500が記憶部120に記憶されている場合、当該販売データ500を更新する。取得部131は、通信部110を介して、端末装置20等から対象の販売傾向の予測の要求データ等を取得する。
【0052】
(予測部132)
予測部132は、対象の販売済みの第1販売物の販売履歴から、対象の未販売の第2販売物の販売傾向を予測する。予測部132は、例えば、学習対象の第1販売物及び第2販売物の販売データを有する教師データを用いて、入力された販売履歴のデータから第2販売物の販売傾向を予測するように機械学習された予測モデル400で、入力した第2販売物の販売傾向を予測する。予測部132は、学習対象の特徴と第1販売物及び第2販売物の販売データ500とを有する教師データを用いて、入力された販売履歴のデータから対象の第2販売物の販売傾向を予測するように機械学習された予測モデル400で、入力した対象の第2販売物の販売傾向を予測する。予測部132は、例えば、出版物である対象のx巻からx+a巻の販売履歴から、y>x+a巻の販売傾向を予測する。y巻は、x+a巻の直後の巻であってもよいし、x+a巻から数巻後の巻であってもよい。
【0053】
(判定部133)
判定部133は、予測した第2販売物の販売傾向と実際に販売した第2販売物の販売傾向との比較結果に基づいて、対象が流行したか否かを判定する。判定部133は、予測した第2販売物の販売傾向と実際に販売した第2販売物の販売傾向との一致度が所定の閾値を超えている場合に、対象が流行したと判定する。判定部133は、予測した第2販売物の販売数よりも実際に販売した第2販売物の販売数が多く、その差が所定の閾値を超える場合に、対象が流行したと判定する。判定部133は、予測した第2販売物の販売傾向と実際に販売した第2販売物の販売傾向との比較結果に基づいて、対象が購入者の種別で流行したか否かを判定する。判定部133は、対象が流行したか否かの判定結果を識別可能な判定データ700を記憶部120に記憶する。
【0054】
(提供部134)
提供部134は、各種データを提供する。提供部134は、通信部110を介して、外部の装置へ各種データを送信することで、各種データを提供する。提供部134は、記憶部120に記憶している判定データ700を端末装置20、外部の装置等に提供する。提供部134は、対象が流行したか否かの判定結果を識別可能な判定データ700を端末装置20に提供する。
【0055】
〔4.処理手順〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の手順について説明する。図7は、情報処理装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0056】
図7に示すように、情報処理装置100は、管理装置10から対象の販売済みの販売データ500を取得する(ステップS101)。例えば、情報処理装置100は、通信部110を介して、管理装置10から対象の販売済みの販売データ500を取得し、当該販売データ500を対象に関連付けて記憶部120に記憶する。情報処理装置100は、ステップS101の処理が終了すると、処理をステップS102に進める。
【0057】
情報処理装置100は、対象の販売物の販売履歴から未販売の販売物の販売傾向を予測する(ステップS102)。例えば、情報処理装置100は、対象の販売データ500を予測モデル400に入力し、予測モデル400が予測した対象の未販売の販売物の販売傾向を出力すると、当該販売傾向を予測結果として得る。例えば、情報処理装置100は、予測プログラムを用いて、対象の販売データ500から対象の未販売の販売物の販売傾向を予測(算出)してもよい。情報処理装置100は、ステップS102の処理が終了すると、処理をステップS103に進める。
【0058】
情報処理装置100は、対象の流行の判定を実行するか否かを判定する(ステップS103)。例えば、情報処理装置100は、判定対象の販売物が発売されてから所定の日数が経過した場合、外部から流行の判定が要求された場合等を検出した場合に、対象の流行の判定を実行すると判定する。情報処理装置100は、対象の流行の判定を実行しないと判定した場合(ステップS103でNo)、処理をステップS103に戻し、処理を継続する。また、情報処理装置100は、対象の流行の判定を実行すると判定した場合(ステップS103でYes)、処理をステップS104に進める。
【0059】
情報処理装置100は、管理装置10から対象の最新の販売データ500を取得する(ステップS104)。例えば、情報処理装置100は、通信部110を介して、管理装置10から対象の販売済みの最新の販売データ500を取得し、当該販売データ500を対象に関連付けて記憶部120に記憶する。すなわち、情報処理装置100は、判定対象の最新の販売物が発売されてから所定の日数が経過した販売履歴を示す販売データ500を取得する。情報処理装置100は、ステップS104の処理が終了すると、処理をステップS105に進める。
【0060】
情報処理装置100は、対象が流行したか否かを判定する(ステップS105)。例えば、情報処理装置100は、対象の最新の販売物の販売データ500が示す実際の販売傾向と、ステップS102で予測した対象の販売傾向とを比較し、実際の販売傾向が予測の販売傾向から上振れている場合に、対象が流行したと判定する。情報処理装置100は、ステップS105の処理が終了すると、処理をステップS106に進める。
【0061】
情報処理装置100は、判定データ700を通知する(ステップS106)。例えば、情報処理装置100は、ステップS105の判定結果を示す判定データ700を販売データ500等に基づいて生成し、判定データ700を通知する通知処理を実行する。通知処理は、例えば、通信部110を介して、判定データ700を送信して通知させる処理、判定データ700を表示装置に表示させる処理、判定データ700をデータベース等に登録する処理等の少なくとも1つの処理を含む。情報処理装置100は、ステップS106の処理が終了すると、図7に示す処理手順を終了させる。
【0062】
図7に示す処理手順は、ステップS101からステップS102の処理手順と、ステップS104からステップS106の処理手順とを、異なる処理手順としてもよい。
【0063】
〔5.変形例〕
上述した情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
【0064】
情報処理装置100は、例えば、1巻からの販売データ500だけでなく、任意の巻から任意の巻までのデータを使用して販売傾向を予測することもできる。情報処理装置100は、将来の特定の巻の販売傾向を予測するのではなく、将来の一定期間に販売される巻の販売傾向や今度のトレンド等を予測するように構成してもよい。
【0065】
情報処理装置100は、対象の販売物の販売履歴に基づいて、対象の未販売の販売物の販売傾向を予測する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置100は、対象の特徴と類似した類似対象の販売履歴から対象の未販売の販売物の販売傾向を予測してもよい。
【0066】
情報処理システム1は、管理装置10と情報処理装置100とを備える構成について説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置100は、管理装置10、端末装置20等に組み込まれてもよい。
【0067】
〔6.プログラム〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば、図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、キャッシュ1040、メモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0068】
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0069】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0070】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0071】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0072】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0073】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。
【0074】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0075】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0076】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0077】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【0078】
〔8.効果〕
上述した態様1に係る情報処理装置100は、対象の販売済みの第1販売物の販売履歴から、対象の未販売の第2販売物の販売傾向を予測する予測部132と、予測した第2販売物の販売傾向と実際に販売した第2販売物の販売傾向との比較結果に基づいて、対象が流行したか否かを判定する判定部133と、を備える。
【0079】
このように、情報処理装置100は、対象の販売済みの第1販売物の販売履歴から未販売(将来)の第2販売物の販売傾向を予測し、予測した販売傾向と第2販売物の実際の販売傾向の比較結果に基づいて、対象が流行したか否かを判定できる。その結果、情報処理装置100は、対象の商品を段階的に販売する場合に、対象の販売傾向から対象の流行を判定することができるので、対象が流行しているかを早急に把握することができる。
【0080】
また、態様1に記載の情報処理装置100は、態様2として、予測部132は、学習対象の第1販売物及び第2販売物の販売データ500を有する教師データを用いて、入力された販売履歴のデータから第2販売物の販売傾向を予測するように機械学習された予測モデル400を用いて、第2販売物の販売傾向を予測する。
【0081】
このように、態様2に係る情報処理装置100は、第1販売物の販売データ500を予測モデル400に入力することで、第2販売物の販売傾向を予測することができる。その結果、情報処理装置100は、対象の第1販売物の販売データ500から予測する第2販売物の販売傾向の予測精度を向上させることができるので、対象が流行しているか否かの判定精度も向上させることができる。
【0082】
また、態様2に記載の情報処理装置100は、態様3として、予測部132は、学習対象の特徴と第1販売物及び第2販売物の販売データ500とを有する教師データを用いて、入力された販売履歴のデータから第2販売物の販売傾向を予測するように機械学習された予測モデルを用いて、第2販売物の販売傾向を予測する。
【0083】
このように、態様3に係る情報処理装置100は、学習対象の特徴を考慮して機械学習した適切な予測モデル400を用いることで、第2販売物の販売傾向を予測することができる。その結果、情報処理装置100は、対象の第1販売物の販売データ500から予測する第2販売物の販売傾向の予測精度をより一層向上させることができるので、対象が流行しているか否かの判定精度も向上させることができる。
【0084】
また、態様2または3に記載の情報処理装置100は、態様4として、判定部133は、実際に販売した第2販売物の販売傾向が予測した第2販売物の販売傾向よりも上回った場合に、対象が流行したと判定する。
【0085】
このように、態様4に係る情報処理装置100は、実際に販売した第2販売物の販売傾向と予測した第2販売物の販売傾向との比較だけで、対象が流行したか否かを判定することができる。その結果、情報処理装置100は、対象の商品を段階的に販売する場合に、対象の販売済みの販売物の販売傾向から対象の流行を容易に判定することができる。
【0086】
また、態様2~4のいずれか1つに記載の情報処理装置100は、態様5として、予測モデル400は、対象の購入者の種別ごとに、学習対象の特徴と第1販売物及び第2販売物の販売データとを有する教師データを用いて、入力された販売履歴のデータ及び種別から第2販売物の販売傾向を予測するように機械学習されたモデルであり、予測部132は、予測モデル400を用いて、対象の購入者の種別ごとに、対象の未販売の第2販売物の販売傾向を予測し、判定部133は、予測した第2販売物の販売傾向と実際に販売した第2販売物の販売傾向との比較結果に基づいて、対象が購入者の種別で流行したか否かを判定する。
【0087】
このように、態様5に係る情報処理装置100は、購入者の種別ごとに、実際に販売した第2販売物の販売傾向と予測した第2販売物の販売傾向との比較だけで、対象が流行したか否かを判定することができる。その結果、情報処理装置100は、対象の商品を段階的に販売する場合に、対象の販売済みの販売物の販売傾向から購入者の種別ごとの対象の流行を容易に判定することができる。
【0088】
また、態様1~5のいずれか1つに記載の情報処理装置100は、態様6として、対象は、複数の巻数からなる販売物であり、予測部132は、対象の販売済みの第1販売物の販売数から第2販売物の販売数を予測し、判定部133は、予測した第2販売物の販売数よりも実際に販売した第2販売物の販売数が多く、その差が所定の閾値を超える場合に、対象が流行したと判定する。
【0089】
このように、態様6に係る情報処理装置100は、実際に販売した第2販売物の販売数と予測した第2販売物の販売数との比較だけで、対象が流行したか否かを判定することができる。その結果、情報処理装置100は、対象の商品を段階的に販売する場合に、対象の販売済みの販売物の販売数から対象の流行を容易に判定することができる。
【0090】
上述した態様7に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、対象の販売済みの第1販売物の販売履歴から、対象の未販売の第2販売物の販売傾向を予測することと、予測した第2販売物の販売傾向と実際に販売した第2販売物の販売傾向との比較結果に基づいて、対象が流行したか否かを判定することと、を含む。
【0091】
このように、態様7に係る情報処理方法は、コンピュータが対象の販売済みの第1販売物の販売履歴から未販売(将来)の第2販売物の販売傾向を予測し、予測した販売傾向と第2販売物の実際の販売傾向の比較結果に基づいて、対象が流行したか否かを判定できる。その結果、情報処理方法は、対象の商品を段階的に販売する場合に、対象の販売傾向から対象の流行を判定することができるので、対象が流行しているかを早急に把握することができる。
【0092】
上述した態様8に係る情報処理プログラムは、対象の販売済みの第1販売物の販売履歴から、対象の未販売の第2販売物の販売傾向を予測することと、予測した第2販売物の販売傾向と実際に販売した第2販売物の販売傾向との比較結果に基づいて、対象が流行したか否かを判定することと、をコンピュータに実行させる。
【0093】
このように、態様8に係る情報処理プログラムは、コンピュータが対象の販売済みの第1販売物の販売履歴から未販売(将来)の第2販売物の販売傾向を予測し、予測した販売傾向と第2販売物の実際の販売傾向の比較結果に基づいて、対象が流行したか否かを判定できる。その結果、情報処理方プログラムは、対象の商品を段階的に販売する場合に、対象の販売傾向から対象の流行を判定することができるので、対象が流行しているかを早急に把握することができる。
【0094】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 情報処理システム
10 管理装置
20 端末装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 販売データ記憶部
122 予測モデル記憶部
123 判定データ記憶部
130 制御部
131 取得部
132 予測部
133 判定部
134 提供部
400 予測モデル
500 販売データ
600 散布図
700 判定データ
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8