IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社Michele Holdingsの特許一覧

特開2024-43298電子会議支援方法、プログラム及び電子会議支援システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043298
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】電子会議支援方法、プログラム及び電子会議支援システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20240322BHJP
   H04M 3/56 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H04N7/15
H04M3/56 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148410
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】521010849
【氏名又は名称】株式会社Michele Holdings
(74)【代理人】
【識別番号】110004093
【氏名又は名称】弁理士法人アクセル特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉掛 正治
(72)【発明者】
【氏名】荒川 清晟
(72)【発明者】
【氏名】山田 大典
【テーマコード(参考)】
5C164
5K201
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164MA03S
5C164VA00P
5K201AA05
5K201BB09
5K201BC16
5K201BC29
5K201BD04
5K201CA06
5K201DC06
5K201EC06
5K201EF10
(57)【要約】
【課題】電子会議におけるコミュニケーションの活性化を支援する。
【解決手段】一実施形態にかかる電子会議支援方法は、複数の情報処理装置がネットワークを介して接続される電子会議支援システムが実行する電子会議支援方法であって、複数の参加者がそれぞれ利用する前記情報処理装置の間で電子会議を実施する会議実行ステップと、複数の前記参加者のうち、前記電子会議中に個別に実施する電子会議である個別電子会議への参加を要請する特定の前記参加者を決定する特定参加者決定ステップと、前記個別電子会議の実施を、前記特定参加者決定ステップにて決定された特定の前記参加者へ所定のタイミングにて提案する提案ステップと、前記特定参加者選択ステップにて選択された特定の前記参加者からの操作により前記個別電子会議を実施する個別会議実行ステップと、を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置がネットワークを介して接続される電子会議支援システムが実行する電子会議支援方法であって、
複数の参加者がそれぞれ利用する前記情報処理装置の間で電子会議を実施する会議実行ステップと、
複数の前記参加者のうち、前記電子会議中に個別に実施する電子会議である個別電子会議への参加を要請する特定の前記参加者を決定する特定参加者決定ステップと、
前記個別電子会議の実施を、前記特定参加者決定ステップにて決定された特定の前記参加者へ所定のタイミングにて提案する提案ステップと、
前記特定参加者決定ステップにて決定された特定の前記参加者からの操作により前記個別電子会議を実施する個別会議実行ステップと、
を行う電子会議支援方法。
【請求項2】
前記電子会議支援システムは、前記電子会議の仮想の参加者として前記参加者へ向けて表示する司会者アバタを生成すると共に、前記提案ステップにおいて前記個別電子会議の実施を当該司会者アバタから特定の前記参加者へ向けて提案する、
請求項1に記載の電子会議支援方法。
【請求項3】
前記電子会議支援システムは、前記提案ステップにおいて、前記個別電子会議の実施を前記司会者アバタの所定の動作と共に提案する、
請求項2に記載の電子会議支援方法。
【請求項4】
前記電子会議支援システムは、前記提案ステップにて前記個別電子会議の実施を提案した特定の前記参加者に対して、所定の通知により前記個別電子会議の開始を促す、
請求項1に記載の電子会議支援方法。
【請求項5】
前記電子会議支援システムは、前記提案ステップにて前記個別電子会議を実施する実施タイミングを含めて提案する、
請求項1に記載の電子会議支援方法。
【請求項6】
前記電子会議支援システムは、前記特定参加者決定ステップにて選択された特定の前記参加者へ向けて、前記個別電子会議への参加の要請が決定した理由を明示する、
請求項1に記載の電子会議支援方法。
【請求項7】
前記電子会議支援システムは、前記特定参加者決定ステップにて選択された特定の前記参加者へ向けて、前記個別電子会議への参加の要請が決定した理由を明示しない、
請求項1に記載の電子会議支援方法。
【請求項8】
複数の参加者がそれぞれ利用する前記情報処理装置の間で電子会議を実施する会議実行ステップと、
複数の前記参加者のうち、前記電子会議中に個別に実施する電子会議である個別電子会議への参加を要請する特定の前記参加者を決定する特定参加者決定ステップと、
前記個別電子会議の実施を、前記特定参加者決定ステップにて決定された特定の前記参加者へ所定のタイミングにて提案する提案ステップと、
前記特定参加者決定ステップにて決定された特定の前記参加者からの操作により前記個別電子会議を実施する個別会議実行ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
複数の情報処理装置がネットワークを介して接続される電子会議支援システムであって、
複数の参加者がそれぞれ利用する前記情報処理装置の間で電子会議を実施する会議実行ステップと、
複数の前記参加者のうち、前記電子会議中に個別に実施する電子会議である個別電子会議への参加を要請する特定の前記参加者を決定する特定参加者決定ステップと、
前記個別電子会議の実施を、前記特定参加者決定ステップにて決定された特定の前記参加者へ所定のタイミングにて提案する提案ステップと、
前記特定参加者決定ステップにて決定された特定の前記参加者からの操作により前記個別電子会議を実施する個別会議実行ステップと、
を行う電子会議支援システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子会議支援方法、プログラム及び電子会議支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、電子会議システムが開示されている。この電子会議システムでは、複数の情報処理装置がネットワークを介して接続されており、電子会議の参加者はそれぞれ情報処理装置を介して各自の発言等を、ネットワークを介して他の参加者と共有することで電子会議を実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-164203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現実空間で実施される一般的な会議では、会議中に他の参加者と個別に話したい場合は、小声で話しかける、等によって容易に行うことができるが、電子会議の場合は、実施中の会議とは別に、いわゆるブレイクアウトセッションやブレイクアウトルームと呼ばれる個別の電子会議(以下、単に「個別電子会議」と称する。)を設定する必要がある。しかしながら、個別電子会議を行いたい場合には、自発的に個別電子会議の設定が必要となるため、心理的ハードルが高い。したがって、個別電子会議も活用することで、電子会議におけるコミュニケーションの活性化を図る点において、改良の余地がある。
【0005】
本発明は上記課題を考慮し、電子会議におけるコミュニケーションの活性化を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態にかかる電子会議支援方法は、複数の情報処理装置がネットワークを介して接続される電子会議支援システムが実行する電子会議支援方法であって、複数の参加者がそれぞれ利用する前記情報処理装置の間で電子会議を実施する会議実行ステップと、複数の前記参加者のうち、前記電子会議中に個別に実施する電子会議である個別電子会議への参加を要請する特定の前記参加者を決定する特定参加者決定ステップと、前記個別電子会議の実施を、前記特定参加者決定ステップにて決定された特定の前記参加者へ所定のタイミングにて提案する提案ステップと、前記特定参加者選択ステップにて選択された特定の前記参加者からの操作により前記個別電子会議を実施する個別会議実行ステップと、を行う。
【0007】
一実施形態にかかるプログラムは、複数の参加者がそれぞれ利用する前記情報処理装置と、管理を行う前記情報処理装置との間で電子会議を実施する会議実行ステップと、複数の前記参加者のうち、前記電子会議中に個別に実施する電子会議である個別電子会議への参加を要請する特定の前記参加者を決定する特定参加者決定ステップと、前記個別電子会議の実施を、前記特定参加者決定ステップにて決定された特定の前記参加者へ所定のタイミングにて提案する提案ステップと、前記特定参加者選択ステップにて選択された特定の前記参加者からの操作により前記個別電子会議を実施する個別会議実行ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0008】
一実施形態にかかる電子会議支援システムは、複数の情報処理装置がネットワークを介して接続される電子会議支援システムであって、複数の参加者がそれぞれ利用する前記情報処理装置と、前記電子会議支援システムの管理を行う前記情報処理装置との間で電子会議を実施する会議実行ステップと、複数の前記参加者のうち、前記電子会議中に個別に実施する電子会議である個別電子会議への参加を要請する特定の前記参加者を決定する特定参加者決定ステップと、前記個別電子会議の実施を、前記特定参加者決定ステップにて決定された特定の前記参加者へ所定のタイミングにて提案する提案ステップと、前記特定参加者選択ステップにて選択された特定の前記参加者からの操作により前記個別電子会議を実施する個別会議実行ステップと、を行う。
【発明の効果】
【0009】
一実施形態によれば、電子会議におけるコミュニケーションの活性化を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る電子会議支援システムの概要を示す概略図である。
図2】第1実施形態に係るサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る利用者端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係るサーバの機能構成を示すブロック図である。
図5】第1実施形態に係る利用者端末の機能構成を示すブロック図である。
図6A】第1実施形態に係る電子会議支援システムにおいて電子会議を実施する際の画面表示例を示す模式図である。
図6B】第1実施形態に係る電子会議支援システムにおいて個別電子会議を実施する際の第1の画面表示例を示す模式図である。
図6C】第1実施形態に係る電子会議支援システムにおいて個別電子会議を実施する際の第2の画面表示例を示す模式図である。
図6D】第1実施形態に係る電子会議支援システムにおいて個別電子会議を実施する際の第3の画面表示例を示す模式図である。
図6E】第1実施形態に係る電子会議支援システムにおいて個別電子会議を実施中の画面表示例を示す模式図である。
図7】第1実施形態に係る電子会議支援システムのサーバ側の動作の一例を示すフローチャートである。
図8】第1実施形態に係る電子会議支援システムの利用者端末側の動作の一例を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態に係る電子会議支援システムの概要を示す概略図である。
図10】第2実施形態に係るサーバの機能構成を示すブロック図である。
図11】第2実施形態に係る利用者端末の機能構成を示すブロック図である。
図12A】第2実施形態に係る電子会議支援システムにおいて電子会議を実施する際の画面表示例を示す模式図である。
図12B】第2実施形態に係る電子会議支援システムにおいて個別電子会議を実施する際の第1の画面表示例を示す模式図である。
図12C】第2実施形態に係る電子会議支援システムにおいて個別電子会議を実施する際の第2の画面表示例を示す模式図である。
図12D】第2実施形態に係る電子会議支援システムにおいて個別電子会議を実施中の画面表示例を示す模式図である。
図13】第2実施形態に係る電子会議支援システムのサーバ側の動作の一例を示すフローチャートである。
図14】第2実施形態に係る電子会議支援システムの利用者端末側の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、図1図8を用いて、本発明に係る電子会議支援システムの第1実施形態について説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0012】
<システム概要>
まず、本実施形態に係る電子会議支援システム10の概要について説明する。図1に示されるように、電子会議支援システム10は、複数の参加者P間にて電子会議を行うシステムである。具体的には、参加者Pがそれぞれ使用する情報処理装置としての利用者端末12と、システムを管理する図示しない管理者により管理される情報処理装置としてのサーバ14との間で情報の共有を行い、リアルタイムに例えば、映像、音声、テキスト、などの各種データを用いてコミュニケーションを実現するものである。
【0013】
電子会議支援システム10は、複数の参加者Pにて行われている電子会議中に、さらに個別の電子会議である個別電子会議を実施可能とされている。個別電子会議に参加するのは、電子会議に参加している複数の参加者Pのうち、後述する方法により選ばれた特定の参加者PSとされている。なお、以下の説明にて単に「電子会議」と称する場合は、参加者Pが参加している全体的な会議を指し、特定の参加者PSが参加している「個別電子会議」とは異なるものである。
【0014】
<システム構成>
本実施形態に係る電子会議支援システム10は、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続された、サーバ14と利用者端末12と、を備える。ネットワークNは、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、インターネット、公衆回線網、モバイルデータ通信網、又はこれらの組み合わせである。図1の例では、電子会議支援システム10は、サーバ14を1つ、利用者端末12を2つ備えるが、これに限らず、それぞれ2つ以上備えてもよい。
【0015】
サーバ14は、電子会議の実施と進行を支援する各種機能を利用者端末12へ提供する情報処理装置である。サーバ14は、例えばPC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、またはマイクロコンピュータであるが、これに限られない。サーバ14について、詳しくは後述する。
【0016】
利用者端末12は、参加者Pから発信される発信情報をサーバ14へ送信すると共に、電子会議を表示する情報処理装置である。利用者端末12は、一例として、PC、スマートフォン、タブレット端末、またはマイクロコンピュータであるが、これに限られない。利用者端末12及び発信情報については、詳しくは後述する。
【0017】
<ハードウェア構成(サーバ)>
次に、サーバ14のハードウェア構成について説明する。図2は、サーバ14のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、サーバ14は、バスBを介して相互に接続された、プロセッサ140と、メモリ142と、ストレージ144と、通信I/F146と、入出力I/F148と、出力装置150と、入力装置152と、ドライブ装置154と、を備える。
【0018】
プロセッサ140は、ストレージ144に記憶されたプログラムをメモリ142に展開して実行することにより、サーバ14の各構成を制御し、サーバ14の機能を実現する。プロセッサ140がプログラムを実行することにより、サーバ14の機能が実現される。プロセッサ140は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、又はこれらの組み合わせである。
【0019】
メモリ142は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はこれらの組み合わせである。ROMは、例えば、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、又はこれらの組み合わせである。RAMは、例えば、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)、又はこれらの組み合わせである。
【0020】
ストレージ144は、OS等のプログラム及び各種のデータを記憶する。ストレージ144は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、SCM(Storage Class Memories)、又はこれらの組み合わせである。
【0021】
通信I/F146は、サーバ14を、ネットワークNを介して、外部装置に接続し、通信を制御するためのインタフェースである。通信I/F146は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Ethernet(登録商標)、又は光通信(例えば、Fibre Channel)に準拠したアダプタであるが、これに限られない。
【0022】
入出力I/F148は、サーバ14に出力装置150及び入力装置152を接続するためのインタフェースである。
【0023】
出力装置150は、サーバ14が保持した各種の情報を出力する装置である。出力装置150は、例えば、ディスプレイ、プロジェクタ、プリンタ、スピーカ、バイブレータ、又はこれらの組み合わせである。
【0024】
入力装置152は、管理者の操作を受け付け、受け付けた操作に応じた情報をサーバ14に入力するための装置である。入力装置152は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、マイク、スキャナ、カメラ、各種センサ、操作ボタン、又はこれらの組み合わせである。
【0025】
ドライブ装置154は、ディスクメディア156のデータを読み書きする。ドライブ装置154は、例えば、磁気ディスクドライブ、光学ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブ、又はこれらの組み合わせである。ディスクメディア156は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、FD(Floppy Disk)、MO(Magneto-Optical disk)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、又はこれらの組み合わせである。
【0026】
なお、サーバ14のハードウェア構成は、上記の例に限られない。サーバ14は、上記のハードウェア機能構成の一部を備えてもよいし、上記以外のハードウェア構成を備えてもよい。
【0027】
また、各種のプログラムは、サーバ14の製造段階でメモリ142又はストレージ144に書き込まれてもよいし、ネットワークNを介してサーバ14に提供されてもよいし、ディスクメディア156などの非一時的でコンピュータ読み取り可能な記録媒体を介してサーバ14に提供されてもよい。
【0028】
<ハードウェア構成(利用者端末)>
次に、利用者端末12のハードウェア構成について説明する。図3は、利用者端末12のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、利用者端末12は、バスBを介して相互に接続された、プロセッサ120と、メモリ122と、ストレージ124と、通信I/F126と、入出力I/F128と、出力装置132と、入力装置134と、を備える。
【0029】
プロセッサ120は、ストレージ124に記憶されたプログラムをメモリ122に展開して実行することにより、利用者端末12の各構成を制御し、利用者端末12の機能を実現する。プロセッサ120がプログラムを実行することにより、利用者端末12の機能が実現される。プロセッサ120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、又はこれらの組み合わせである。
【0030】
メモリ122は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はこれらの組み合わせである。ROMは、例えば、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、又はこれらの組み合わせである。RAMは、例えば、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)、又はこれらの組み合わせである。
【0031】
ストレージ124は、OS等のプログラム及び各種のデータを記憶する。ストレージ124は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、SCM(Storage Class Memories)、又はこれらの組み合わせである。
【0032】
通信I/F126は、利用者端末12を、ネットワークNを介して、外部装置に接続し、通信を制御するためのインタフェースである。通信I/F126は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Ethernet(登録商標)、又は光通信(例えば、Fibre Channel)に準拠したアダプタであるが、これに限られない。
【0033】
入出力I/F128は、利用者端末12に出力装置132及び入力装置134を接続するためのインタフェースである。
【0034】
出力装置132は、利用者端末12が保持した各種の情報を出力する装置である。出力装置132は、例えば、ディスプレイ、プロジェクタ、プリンタ、スピーカ、バイブレータ、又はこれらの組み合わせである。
【0035】
入力装置134は、参加者Pの操作を受け付け、受け付けた操作に応じた情報を利用者端末12に入力するための装置である。入力装置134は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、マイク、スキャナ、カメラ、各種センサ、操作ボタン、又はこれらの組み合わせである。
【0036】
なお、利用者端末12のハードウェア構成は、上記の例に限られない。利用者端末12は、上記のハードウェア機能構成の一部を備えてもよいし、上記以外のハードウェア構成を備えてもよい。
【0037】
また、各種のプログラムは、利用者端末12の製造段階でメモリ122又はストレージ124に書き込まれてもよいし、ネットワークNを介して利用者端末12に提供されてもよいし、ディスクメディア156(図2参照)などの非一時的でコンピュータ読み取り可能な記録媒体を介して利用者端末12に提供されてもよい。
【0038】
<機能構成(サーバ)>
図4は、サーバ14の機能構成の一例を示す図である。図4に示すように、サーバ14は、通信部20と、記憶部22と、処理部24と、を備える。
【0039】
通信部20は、通信I/F146(図2参照)により実現される。通信部20は、利用者端末12との間で電子会議プログラム220、映像、音声、テキスト等の情報の送受信を行う。
【0040】
記憶部22は、メモリ142及びストレージ144(図2参照)により実現される。記憶部22は、処理部24が実行する電子会議プログラム220を記憶すると共に、学習済モデル222、ユーザDB224及び発信情報DB226を含む各種の情報を記憶する。
【0041】
学習済モデル222は、発信情報の入力に対して、当該発信情報の要約を出力するように予め機械学習された学習済みの学習済モデルである。具体的には、学習済モデル222は、一例として、発信情報における重要な部分を抽出することで要約とするいわゆる抽出型要約による手法、発信情報の全体の意味を捉えてそれを基に要約を作成するいわゆる抽象型要約による手法、又はこれらを組み合わせた手法により発信情報の要約を行う。なお、要約を実施する際の手法については、これらに限られない。また、学習済モデル222は、複数の発信情報ごとの特徴を抽出して、共通する特徴(トピック)ごとに分類ラベルの付与を行う。
【0042】
学習済モデル222の学習処理及び再学習処理は、例えば、サーバ14により行われるが、これに限られない。学習済モデル222の学習処理及び再学習処理は、サーバ14以外の他の装置で行われ、サーバ14に提供されてもよい。学習済モデル222は、例えば、DNN(Deep Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、CNN(Convolutional Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)等のニューラルネットワークであるが、これに限られない。学習済モデル222は、決定木、SVM(Support Vector Machine)等の学習済モデルであってもよい。また、学習済モデル222の学習方法においては、パラメトリックモデルを用いる場合のパラメータ更新方法は、例えば、勾配降下法、確率的勾配降下法であり、多層ニューラルネットワークにおける勾配計算方法は誤差逆伝播法であるが、これに限られない。
【0043】
ユーザDB224は、参加者Pに関する情報が格納されるデータベースである。ユーザDB224は、例えば、利用者端末12を介して登録された参加者Pの識別情報である固有のID情報、参加済または今後参加する予定の電子会議の識別情報である会議ID情報、参加済の電子会議における発信情報などである。なお、ユーザDB224に格納される情報はこれらに限らず、参加者Pの職業、職位、居住地等その他の情報を含んでもよい。
【0044】
発信情報DB226は、利用者端末12より取得された過去の発信情報、その要約及びトピックに関する分類ラベルに関する情報が格納されるデータベースである。
【0045】
処理部24は、プロセッサ140がメモリ142又はストレージ144(図2参照)からプログラムを読み出して実行し、他のハードウェア構成と協働することにより実現される。処理部24は、会議制御部242と、発信情報取得部244と、要約生成部246と、個別会議制御部248と、表示処理部250と、を備える。
【0046】
会議制御部242は、電子会議の開始、終了を制御すると共に、電子会議を実施中の利用者端末12との間で電子会議実施のための各種情報の送受信の制御を行う。
【0047】
発信情報取得部244は、利用者端末12から送信された発信情報を受信する。受信された発信情報は、発信情報の発信元である利用者端末12ひいては参加者Pと紐付けられて発信情報DB226に格納される。また、発信情報取得部244は、取得された発信情報のうち予めテキスト情報とされた情報以外を適宜テキスト化する。テキスト化される発信情報は、一例として、音声情報や画像情報とされている。音声情報の場合は、図示しない音声文字化処理部により音声情報を元にテキスト化(いわゆる文字起こし)される。画像情報の場合は、図示しないOCR処理部により画像情報を元にテキスト化される。
【0048】
要約生成部246は、取得した発信情報の要約を生成する。要約の生成については、学習済モデル222を用いて要約を生成する。また、要約生成部246は、要約を生成するために必要な情報量を取得できたタイミングや要約を生成するように操作されたタイミングなど、様々なタイミングにて要約の生成が可能とされている。また、要約を生成する対象となる発信情報については、参加者Pごとの発信情報に基づいて要約を生成してもよいし、電子会議全体での発信情報に基づいて要約を生成してもよい。その他にも、分類ラベル情報に基づいた会議のトピックごとやグループごとなど任意の発信情報に基づいて要約を生成してもよい。
【0049】
個別会議制御部248は、電子会議中に実施する個別電子会議の開始、終了、参加者PSの選定及び決定、個別電子会議を実施中の利用者端末12との間で各種情報の送受信の制御を行う。以下、個別電子会議の流れに沿って各制御を説明する。
【0050】
個別電子会議の開始について、個別会議制御部248は、参加者Pから個別電子会議の開催を希望する旨の操作があった場合に個別電子会議を開始するための処理を行う。なお、本実施形態では、個別会議制御部248は、参加者Pから個別電子会議の開催を希望する旨の操作があった場合に個別電子会議を開始するための処理を開始するが、これに限らず、所定の条件に一致した場合に個別電子会議を開始するための処理を開始してもよい。この所定の条件には、「ある参加者P間での発言ラリーが続いた時」、「参加者Pの発言(発信情報)が少なくなった、又は止まった時」、「トピックが変わった時」及び「予め決められたタイミング(決められた休憩時など)になった時」などが該当する。
【0051】
個別会議制御部248は、個別電子会議を開始するための処理として、所定の参加者条件に基づいて個別電子会議への参加を要請する参加者PSの決定を行う。所定の参加者条件の一例として、分類ラベル情報に基づく電子会議の複数のトピックのうち選択された任意のトピックにて発言量が多い参加者Pを特定の参加者PSとして決定する。なお、「所定の参加者条件」は前述のものに限らず、「トピックとの関連性が高い発信情報を発信」、「トピックにおいて発言量が少」、「継続的な発言ラリーの実施」、「対立的な発信情報を発信」、「トピックにおいて重要な発信情報を発信」、「参加者Pによる選択」、「参加者Pの職業、職位、居住地による分類」、及びこれらの組合せ、などが該当する。なお、「参加者Pの職業、職位、居住地による分類」では、参加者Pのこれら分類が同一(一例として参加者P全員が同一の職業)となるようにしてもよいし、参加者Pのこれら分類が同一とならないようにしてもよい。
【0052】
個別会議制御部248は、個別電子会議を開始するための処理として、特定の参加者PSに対して所定のタイミングで個別電子会議への参加を提案する。具体的には、個別会議制御部248は、電子会議にて発信情報量が少なくなったタイミングで特定の参加者PSへ個別電子会議への参加を提案する。なお、「所定のタイミング」は、前述の「電子会議にて発信情報量が少なくなったタイミング」に限らず、「ある参加者P間での発言ラリーが続いた時」、「参加者Pの発言(発信情報)が止まった時」、「トピックが変わった時」、「予め決められたタイミング(決められた休憩時など)になった時」及びこれらの組合せ、などが該当する。
【0053】
個別会議制御部248は、特定の参加者PSへ個別電子会議への参加を提案する際に、個別電子会議の実施タイミングを含めて提案する。実施タイミングは、「(操作された時や所定の条件に一致した時における)今すぐ」、「ある参加者P間での発言ラリーが続いた時」、「参加者Pの発言(発信情報)が少なくなった、又は止まった時」、「トピックが変わった時」、「予め決められたタイミング(決められた休憩時など)」、「参加者Pによる直接的な指定(一例として「5分後に」、等)」、及びこれらの組合せ、などが該当する。
【0054】
また、個別会議制御部248は、特定の参加者PSへ個別電子会議への参加を提案する際に、特定の参加者PSへ個別電子会議への参加を提案した理由を参加者PSへ明示する(図6C参照)。この理由については、参加者PSの決定を行なった際の所定の参加者条件がそのまま明示されてもよいし、適宜表現を変えて明示してもよい。
【0055】
さらに、個別会議制御部248は、特定の参加者PSへ個別電子会議への参加を提案する際に、個別電子会議を開催する理由に関する情報を参加者PSへ明示してもよい。個別電子会議を開催する理由としては、一例として、「参加者Pから個別電子会議の開催を希望する旨の操作があった」ことや、「個別電子会議の状態が所定の条件に一致した」こと(段落
【0056】
参照)などが挙げられる。さらにまた、個別会議制御部248は、前述の場合とは逆に、個別電子会議の開催を希望する参加者Pが「自分をきっかけに個別電子会議を開催することを知られたくない」場合などを考慮し、個別電子会議を開催する理由に関する情報を参加者PSへ明示しなくてもよい。
【0057】
さらに、個別会議制御部248は、参加者PSへ個別電子会議への参加を提案した後に参加者PSから個別電子会議への参加を承諾(以下、単に「参加承諾」と称する。)をする旨の操作がない場合は、参加承諾をする旨の操作を行なっていない参加者PSへ、個別電子会議への参加承諾(個別電子会議がまだ実施されていない場合)又は参加をして個別電子会議を開始する(個別電子会議が実施中の場合)ように促す催促表示を行うように処理する(図6D参照)。なお、この催促表示が、請求項4に記載の「所定の通知」に相当する。
【0058】
個別会議制御部248は、参加者PSから個別電子会議へ参加する旨の操作がなされた際に、個別電子会議を実施する(図6E参照)。個別電子会議の実施においては、会議制御部242と同様に、個別電子会議を実施中の参加者PSの利用者端末12との間で個別電子会議実施のための各種情報の送受信の制御を行う。また、個別会議制御部248は、参加者PSから個別電子会議を終了する旨の操作が行なわれた際に(一例として図6E中の「個別会議終了」ボタンのクリック)、個別電子会議を終了して当該参加者PSが電子会議へ参加するように処理を行う。
【0059】
表示処理部250は、個別会議制御部248から個別電子会議への参加を提案する際や、催促表示、個別電子会議を実施する際に、参加者Pの利用者端末12にそれぞれ各種情報が表示されるように情報の送信を行う。
【0060】
<機能構成(利用者端末)>
図5は、利用者端末12の機能構成の一例を示す図である。図5に示すように、利用者端末12は、通信部30と、記憶部32と、処理部36と、を備える。
【0061】
通信部30は、通信I/F126(図3参照)により実現される。通信部30は、サーバ14との間で映像、音声、テキスト等の情報の送受信を行う。
【0062】
記憶部32は、メモリ122及びストレージ124(図3参照)により実現される。記憶部32は、処理部36が実行する電子会議プログラム220を含む各種の情報を記憶する。
【0063】
処理部36は、プロセッサ120がメモリ122(図3参照)からプログラムを読み出して実行し、他のハードウェア構成と協働することにより実現される。処理部36は、会議制御部362と、発信情報取得部364と、表示処理部366と、を備える。
【0064】
会議制御部362は、参加者Pによる電子会議及び個別電子会議の開始操作、終了操作、個別電子会議の開催を希望する旨の操作、電子会議中の各種操作及び個別電子会議中の各種操作を取得してサーバ14へ送信及び利用者端末12自体の制御を行うと共に、サーバ14との間で電子会議及び個別電子会議の実施のための各種情報の送受信の制御を行う。
【0065】
発信情報取得部364は、利用者端末12の入力装置152から取得される各種情報を取得して発信情報を生成する。すなわち、入力装置152を介して参加者Pが入力したテキスト情報、選択結果情報、音声情報、共有ファイル情報、及び、参加者Pの顔画像などを含む映像などの各種情報を元に発信情報を生成する。発信情報取得部364は、生成した発信情報を適宜サーバ14へと送信する。
【0066】
表示処理部366は、サーバ14から受信した各種情報を利用者端末12の出力装置132(図3参照)に表示する。一例として、表示処理部366は、電子会議の様子を画面に表示している出力装置132において、前述のように個別電子会議への参加を提案する画面及び催促表示等を電子会議中の画面の一部にいわゆるポップアップして表示する(図6B図6C図6D参照)。また、表示処理部366は、電子会議の様子を画面に表示している出力装置132において、電子会議に代えて実施中の個別電子会議を画面に表示する(図6E参照)。
【0067】
<サーバ14が実行する処理>
次に、電子会議支援システム10の作用について説明する。図7は、サーバ14による電子会議支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。プロセッサ140がストレージ144に記憶された電子会議プログラム220を読み出して、メモリ142に展開して実行することにより、電子会議支援処理が行われる。なお、図示しないが、プロセッサ140は、電子会議支援システム10の作動終了操作情報、又は実施中の電子会議において参加者全員の利用者端末Pより参加終了の情報(これらを単に「終了操作」と称する)を受信した場合は、処理中の電子会議プログラム220に基づく処理を終了する。
【0068】
プロセッサ140は、会議実行ステップにて電子会議が実施されている際に、利用者端末12から送信された発信情報を受信したか否かを判定する(ステップS100)。発信情報を受信していない場合(ステップS100:NO)、プロセッサ140は、後述するステップS108へ処理を移行する。一方、発信情報を受信した場合(ステップS100:YES)、プロセッサ140は、発信情報を取得する(ステップS102)。そして、プロセッサ140は、発信情報を要約する。(ステップS104)。なお、ここでの要約とは、一例として、発信情報を構成する文章を要約するものである。
【0069】
プロセッサ140は、発信情報及び生成された要約を基に、電子会議に関する情報を生成する(ステップS106)。具体的には、会議のトピックの分類を行うと共に、参加者Pごとの発信情報の多寡や、発言ラリーの有無、発信情報が当該トピックと関連性が高いか否か、対立的な発信情報の有無、重要と想定される発信情報の有無、などがトピックごとに参加者Pに関する情報と合わせて生成される。
【0070】
プロセッサ140は、個別電子会議を開催するか否かを判定する(ステップS108)。なお、個別電子会議を開催するか否かについては、前述のように参加者Pからの操作の有無により判定してもよいし、個別電子会議を開催するための所定の条件に一致するか否かにより判定してもよい。個別電子会議を開催しない場合(ステップS108:NO)、プロセッサ140は、ステップS100へ処理を移行する。一方、個別電子会議を開催する場合(ステップ108:YES)、プロセッサ140は、個別電子会議への参加を要請する特定の参加者PSが決定されているか否かを判定する(ステップS109)。なお、ステップS100からステップS108を「発信情報取得ステップ」の一部と称する。
【0071】
特定の参加者Pが決定されていない場合(ステップS109:NO)、プロセッサ140は、ステップS106にて生成された電子会議に関する情報に基づいて個別電子会議への参加を要請する特定の参加者PSを選定するための参加者選定情報を利用者端末12へ送信する(ステップS110)。本実施形態では、一例として、会議の特定のトピックについてさらに詳しい会議を行いたい参加者Pが、特定のトピックに関して個別電子会議を実施したい旨の操作を行う。このため、前述のステップS110では、参加者選定情報として、個別電子会議で議論したいトピックを選択するための情報が利用者端末12へ送信される。
【0072】
プロセッサ140は、個別電子会議でのトピックについて選択操作されたか否かを判定する(ステップS112)。選択操作されていない場合(ステップS112:NO)、プロセッサ140は、ステップS112へ処理を移行する。一方、選択操作された場合(ステップS112:YES)、プロセッサ140は、一例として、ステップS106にて生成された電子会議に関する情報を基に、選択されたトピックにおける発言量が多い参加者Pの数名を特定の参加者PSとして決定し(ステップS114)、後述するステップS116へ処理を移行する。なお、ステップS109からステップS114が請求項1に記載の「特定参加者決定ステップ」の一部に相当する。
【0073】
特定の参加者Pが決定されている場合(ステップS109:YES)、プロセッサ140は、電子会議の状態が、予め設定された特定の参加者PSに対して個別電子会議への参加を提案する所定のタイミングに一致するか否かを判定する(ステップS116)。電子会議の状態が所定のタイミングに一致しない場合(ステップS116:NO)、プロセッサ140は、ステップS116へ処理を移行する。一方、電子会議の状態が所定のタイミングに一致した場合(ステップS116:YES)、プロセッサ140は、当該タイミングにて特定の参加者PSに対して個別電子会議への参加を提案するよう参加者PSの利用者端末12へ情報を送信する(ステップS120)。
【0074】
プロセッサ140は、参加者PSが個別電子会議への参加承諾をしたか否かを判定する(ステップS122)。参加者PSが個別電子会議への参加承諾をした場合(ステップ122:YES)、プロセッサ140は、個別電子会議を実施する(ステップS130)。一方、参加者PSが個別電子会議への参加承諾をしていない場合(ステップS122:NO)、プロセッサ140は、参加承諾をしていない参加者PSの利用者端末12へ催促表示を行うように情報を送信する(ステップS124)。その後、プロセッサ140は、参加者PSが個別電子会議への参加承諾をしたか否かを再度判定する(ステップS128)。参加者PSが個別電子会議への参加承諾をした場合(ステップ128:YES)、プロセッサ140は、ステップS130へ処理を移行する。一方、参加者PSが個別電子会議への参加承諾をしていない場合(ステップS128:NO)、プロセッサ140は、当該参加者PSを個別電子会議へ参加する特定の参加者PSから除外して(ステップS129)、ステップS130へ処理を移行する。なお、ステップS116からステップS128が請求項1に記載の「提案ステップ」の一部に相当する。
【0075】
プロセッサ140は、個別電子会議を終了する操作がされたか否かを判定する(ステップS132)。操作がされていない場合(ステップS132:NO)、プロセッサ140は、ステップS130へ処理を移行する。一方、操作がされた場合(ステップS132:YES)、プロセッサ140は、当該参加者PSが個別電子会議を終了して電子会議へ参加するように処理を行い(ステップS134)、電子会議プログラム220に基づく処理を終了する。なお、ステップS130からステップS132が請求項1に記載の「個別会議実行ステップ」に相当する。
【0076】
<利用者端末12が実行する処理>
図8は、利用者端末12による電子会議支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。プロセッサ120がストレージ124に記憶された電子会議プログラム220を読み出して、メモリ122に展開して実行することにより、電子会議支援処理が行われる。
【0077】
プロセッサ120は、会議実行ステップにて図6Aに示されるような電子会議が実施されている際に、参加者Pから各種情報が入力されたか否かを判定する(ステップS200)。各種情報が入力されていない場合(ステップS200:NO)、プロセッサ120は、後述するステップS206へ処理を移行する。一方、各種情報が入力された場合(ステップS200:YES)、プロセッサ120は、入力された各種情報から発信情報を生成し(ステップS202)、当該発信情報をサーバ14へ送信し(ステップS204)、後述するステップS213へ処理を移行する。なお、ステップS200からステップS204が前述の「発信情報取得ステップ」の残りの一部に相当する。
【0078】
プロセッサ120は、個別電子会議の開催を希望する旨の操作が行われたか否かを判定する(ステップS206)。操作が行われた場合(ステップS206:YES)、プロセッサ120は、サーバ14から参加者選定情報(本実施形態では個別電子会議で議論したいトピックを選択するための情報)を受信してこれを表示(ステップS210、図6B参照)し、後述するステップS212へ処理を移行する。
【0079】
プロセッサ120は、トピックの選択操作がされたか否かを判定する(ステップS212)。選択がされていない場合(ステップS212:NO)、プロセッサ120は、ステップS210へ処理を移行する。なお、ステップS206からステップS212が前述の「特定参加者決定ステップ」の残りの一部に相当する。一方、選択された場合(ステップ212:YES)、プロセッサ120は、選択された操作情報をサーバ14へ送信すると共に、後述するステップS214へ処理を移行する。
【0080】
ステップS206にて操作が行われていない場合(ステップS206:NO)、プロセッサ120は、個別電子会議への参加を提案する情報を受信したか否かを判定する(ステップS213)。受信していない場合(ステップS213:NO)、プロセッサ120は、ステップS200へ処理を移行する。一方、受信した場合(ステップ213:YES)、プロセッサ120は、後述するステップS214へ処理を移行する。
【0081】
プロセッサ120は、個別電子会議への参加を提案する情報をサーバ14より受信してこれを表示する(ステップS214、図6C参照)。
【0082】
プロセッサ120は、個別電子会議への参加承諾の操作がされたか否かを判定する(ステップS216)。参加承諾の操作がされていない場合(ステップS216:NO)、プロセッサ120は、参加承諾をしていない旨をサーバ14へ送信して、サーバ14より受信される催促表示に関する情報に基づいて催促表示を行う(ステップS218、図6D参照)。
【0083】
プロセッサ120は、個別電子会議への参加承諾の操作をしたか否かを再度判定する(ステップS219)。参加承諾の操作をした場合(ステップ219:YES)、ステップS220へ処理を移行する。一方、参加承諾の操作がされていない場合(ステップS219:NO)、プロセッサ120は、後述するステップS226へ処理を移行する。なお、ステップS213からステップS219が前述の「提案ステップ」の残りの一部に相当する。
【0084】
ステップS216にて参加承諾の操作がされた場合(ステップ216:YES)、プロセッサ120は、参加者PSが個別電子会議への参加承諾をした旨をサーバ14へ送信して、個別電子会議が実施される所定のタイミングにて電子会議に代えて個別電子会議を画面に表示することで個別電子会議を実施する(ステップS220)。そして、プロセッサ120は、個別電子会議を終了する操作が行なわれたか否かを判定する(ステップS224)。操作が行われていない場合(ステップS224:NO)、プロセッサ120は、ステップS220へ処理を移行する。一方、操作が行われた場合(ステップ224:YES)、プロセッサ120は、当該参加者PSが個別電子会議を終了して電子会議へ参加するように処理を行う(ステップS226)。なお、ステップS220からステップS224が前述の「個別会議実行ステップ」の残りの一部に相当する。
【0085】
プロセッサ120は、電子会議への参加終了操作が参加者Pによりされたか否かを判定する(ステップS228)。参加終了操作がされていない場合(ステップS228:NO)、プロセッサ120は、ステップS200へ処理を移行する。一方、参加終了操作がされた場合(ステップS228:YES)、プロセッサ120は、当該操作が入力された利用者端末12において電子会議を終了する旨をサーバ14へ送信すると共に、電子会議プログラム220に基づく処理を終了する。
【0086】
上述のフローチャートでは、サーバ14及び利用者端末12はそれぞれ、「発信情報取得ステップ」と「特定参加者決定ステップ」と「提案ステップ」と「個別会議実行ステップ」とが順に処理されているが、これに限らず、発信情報取得ステップ」、「特定参加者決定ステップ」、「提案ステップ」及び「個別会議実行ステップ」のいずれかのステップの処理中にその他のステップを同時並行的に処理してもよい。
【0087】
(第1実施形態の作用効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0088】
本実施形態に係る電子会議支援システム10によれば、電子会議中に所定のタイミング、すなわち「電子会議にて発信情報量が少なくなったタイミング」、「ある参加者P間での発言ラリーが続いた時」、「参加者Pの発言(発信情報)が止まった時」、「トピックが変わった時」及び「予め決められたタイミング(決められた休憩時など)になった時」などで個別電子会議への参加を特定の参加者PSに提案することから、参加者P自身が個別電子会議を提案するタイミングを見計らうことが不要となる。つまり、個別電子会議を実施する際の心理的ハードルが低くなる。したがって、電子会議においても、必要に応じて積極的に個別電子会議が実施できるようになり、よりコミュニケーションの活性化を図ることができる。これにより、電子会議におけるコミュニケーションの活性化を支援することができる。
【0089】
また、電子会議支援システム10は、個別電子会議への参加を要請する特定の参加者PSを、所定の参加者条件、すなわち「電子会議の複数のトピックのうち選択されたトピックにて発言量が大」、「トピックとの関連性が高い発信情報を発信」、「トピックにおいて発言量が少」、「継続的な発言ラリーの実施」、「対立的な発信情報を発信」、「トピックにおいて重要な発信情報を発信」、「参加者Pの職業、職位、居住地による分類」、「参加者Pによる選択」及びこれらの組合せ、などに基づいて決定する。したがって、個別電子会議へ参加者PSの選定を適切に行うことができる。また、所定の参加者条件によっては、参加者PSの選定が容易となる。これにより、電子会議における更なるコミュニケーションの活性化を支援することができる。
【0090】
さらに、電子会議支援システム10は、参加者PSへ個別電子会議への参加の提案を行う際は、提案した理由を明示するため、提案された参加者PSは自分がなぜ個別電子会議への参加を提案されたかその理由を把握することができる。したがって、参加者PSの不審感を低減することができる。これにより、個別電子会議への参加を促すことができるので、電子会議におけるコミュニケーションの活性化を一層支援することができる。
【0091】
(第2実施形態)
次に、図9図14を用いて、本発明の第2実施形態に係る電子会議支援システム40について説明する。図9に示される第2実施形態に係る電子会議支援システム40は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、仮想現実空間上にて電子会議が実施されかつ仮想の参加者として参加する司会者アバタが生成される点に特徴がある。
【0092】
すなわち、本実施形態に係る電子会議支援システム40は、図12Aに示されるように、参加者PとしてのアバタPA及び仮想の参加者として司会者アバタFAが行動する仮想現実空間SP上にて電子会議が実施可能とされている。仮想現実空間SPとは、コンピュータ上に構築された現実を模した世界あるいは作成された世界のことである。また、アバタPAとは、仮想現実空間SP上における参加者Pの分身となるキャラクタのことであり、ユーザキャラクタと呼称されることもある。なお、以下の説明では、個別電子会議への参加が要請される特定の参加者PSに対応するアバタPAは、他のアバタPAと区別するためにアバタASとも称する。
【0093】
司会者アバタFAは、仮想現実空間SP上において実施される電子会議をファシリテートする役割として、電子会議支援システム40が生成した仮想のキャラクタである。なお、仮想現実空間SP、アバタPA及び司会者アバタFAは、いずれも3次元表現のみに限らず、2次元表現でもよい。そして、図9に示されるように、電子会議支援システム40は、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続された、サーバ42と利用者端末44と、を備える。
【0094】
<ハードウェア構成(利用者端末)>
利用者端末44のハードウェア構成について説明する。利用者端末44は、バスBを介して相互に接続された、プロセッサ120と、メモリ122と、ストレージ124と、通信I/F126と、入出力I/F128(図3参照)と、出力装置442と、入力装置444と、を備える。
【0095】
出力装置442は、一例として、参加者Pが自身の頭に装着するヘッドマウントディスプレイ型の装置とされている。参加者Pは、出力装置442を装着し、装置内にて表示される映像を目視することで、仮想現実空間SPを視認することができる。また、出力装置442には、図示しないスピーカが内蔵されており、参加者Pはスピーカから電子会議での音声を聴取可能とされている。
【0096】
入力装置444は、一例として、参加者Pが手で把持した状態で各種キー操作ができるコントローラとされている。入力装置444の操作によって、参加者Pは仮想現実空間SP上の自身に対応したアバタPAの行動や、参加者Pが仮想現実空間SP上にて視認する方向などの操作を行うことができる。また、入力装置444には、図示しないマイクが内蔵されており、参加者Pはマイクを介して自身の音声を電子会議にて共有することができる。
【0097】
<機能構成(サーバ)>
図10は、サーバ42の機能構成の一例を示す図である。図10に示すように、サーバ42は、通信部20と、記憶部52と、処理部54と、を備える。
【0098】
記憶部52は、メモリ142及びストレージ144(図2参照)により実現される。記憶部52は、処理部54が実行する電子会議プログラム522を記憶すると共に、学習済モデル222、ユーザDB224及び発信情報DB226を含む各種の情報を記憶する。
【0099】
処理部54は、プロセッサ140(図2参照)がメモリ142及びストレージ144からプログラムを読み出して実行し、他のハードウェア構成と協働することにより実現される。処理部54は、会議制御部542と、発信情報取得部244と、要約生成部246と、個別会議制御部544と、表示処理部546と、を備える。
【0100】
会議制御部542は、仮想現実空間SP上にて実施される電子会議に係る処理を実行する。すなわち、仮想現実空間SP上にて参加者PのアバタPAや仮想の参加者としての司会者アバタFAを生成して映像として出力するように制御する(図12A参照)。参加者PのアバタPAは、参加者Pの入力装置444による操作に応じて仮想現実空間SP上で動作やコメントの投稿などが可能とされている。また、司会者アバタFAは、電子会議プログラム522に基づくサーバ42の処理に応じて仮想現実空間SP上で動作やコメントの投稿などが可能とされている。さらに、会議制御部542は、電子会議の開始、終了を制御すると共に、電子会議を実施中の利用者端末44との間で各種情報の送受信の制御を行う。
【0101】
個別会議制御部544は、第1実施形態の個別会議制御部248と同様に、電子会議中に実施する個別電子会議の開始、終了、参加者PSの選定及び決定、個別電子会議を実施中の利用者端末12との間で各種情報の送受信の制御を行う。
【0102】
また、個別会議制御部544は、個別電子会議への参加の提案を司会者アバタFAから所定の動作と共に特定の参加者PS(のアバタAS)へ向けて提示するように司会者アバタFAの動作を制御する。なお、「所定の動作」とは、司会者アバタFAが個別電子会議への参加の提案を行う際の動作のことであり、具体的には、「司会者アバタFAが特定の参加者PSのアバタASへ近づく動作(図12C参照)」、「司会者アバタFAがアバタASへ話しかける動作(図12B参照)」及び「司会者アバタFAがアバタASを指す動作」などが該当する。
【0103】
個別会議制御部544は、特定の参加者PS(アバタAS)へ個別電子会議への参加を提案する際に、個別電子会議への参加を提案した理由を参加者PSへ明示せずに提案を行う(図12B参照)。
【0104】
表示処理部546は、会議制御部542にて制御された仮想現実空間SP上にて実施される電子会議の様子を利用者端末44にて表示するように情報の送信を行う。また、個別会議制御部544から個別電子会議への参加を提案する際や、催促表示、個別電子会議を実施する際に、仮想現実空間SP上にて各種情報が参加者Pの利用者端末44にそれぞれ各種情報が表示されるように情報の送信を行う。
【0105】
<機能構成(利用者端末)>
図11は、利用者端末44の機能構成の一例を示す図である。図11に示すように、利用者端末44は、通信部30と、記憶部60と、処理部62と、を備える。
【0106】
記憶部60は、メモリ122及びストレージ124(図3参照)により実現される。記憶部60は、処理部62が実行する電子会議プログラム522を含む各種の情報を記憶する。
【0107】
処理部62は、プロセッサ120(図3参照)がメモリ122からプログラムを読み出して実行し、他のハードウェア構成と協働することにより実現される。処理部62は、会議制御部622と、発信情報取得部364と、表示処理部624と、を備える。
【0108】
会議制御部622は、参加者Pによる電子会議及び個別電子会議の開始操作、終了操作及び電子会議中の各種操作を取得してサーバ42へ送信及び利用者端末44自体の制御を行うと共に、サーバ42との間で各種情報の送受信の制御を行う。一例として、会議制御部622は、仮想現実空間SP上のアバタPAの動作を制御するために、入力装置444の操作情報を取得してサーバ42へ送信する。
【0109】
表示処理部624は、サーバ42から受信した各種情報を利用者端末44の出力装置442に表示する。一例として、表示処理部624は、仮想現実空間SP上の電子会議の様子を画面に表示している出力装置442において、個別電子会議への参加を提案する画面、催促表示等を司会者アバタFAの所定の動作と共に表示する(図12B図12C参照)。また、表示処理部624は、電子会議の様子を画面に表示している出力装置442において、電子会議に代えて個別電子会議を画面に表示する(図12D参照)。
【0110】
<サーバ42が実行する処理>
次に、電子会議支援システム40の作用について説明する。図13は、サーバ42による電子会議支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。プロセッサ140がストレージ144に記憶された電子会議プログラム522を読み出して、メモリ142に展開して実行することにより、電子会議支援処理が行われる。なお、第1実施形態と同一の処理については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0111】
ステップS116において、電子会議の状態が所定のタイミングに一致した場合(ステップS116:YES)、プロセッサ140は、当該タイミングにて司会者アバタFAの所定の動作と共に特定の参加者PSに対して個別電子会議への参加を提案するよう利用者端末44へ共有情報を送信する(ステップS300)。
【0112】
ステップS122において、参加者PSが個別電子会議への参加承諾をしていない場合(ステップS122:NO)、プロセッサ140は、参加承諾をしていない参加者PSの利用者端末12へ司会者アバタFAの所定の動作と共に催促表示を行うように情報を送信する(ステップS306)。
【0113】
<利用者端末44が実行する処理>
図14は、利用者端末44による電子会議支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。プロセッサ120がストレージ124に記憶された電子会議プログラム522を読み出して、メモリ122に展開して実行することにより、電子会議支援処理が行われる。なお、第1実施形態と同一の処理については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0114】
ステップS212において、参加者選定情報が選択された場合(ステップ212:YES)、及び、ステップS213において、個別電子会議への参加を提案する情報を受信した場合(ステップS213:YES)、プロセッサ120は、個別電子会議への参加を提案する情報をサーバ42より受信してこれを司会者アバタFAの所定の動作と共に表示する(ステップS400、図12B参照)。なお、当該提案は、参加者PS(アバタAS)だけに見えるように表示してもよいし、他の参加者P(アバタPA)にも見えるように表示してもよい。
【0115】
ステップS216において、参加承諾の操作がされていない場合(ステップS216:NO)、プロセッサ120は、参加承諾をしていない旨をサーバ42へ送信して、サーバ42より受信される催促表示に関する情報に基づいて司会者アバタFAの所定の動作と共に催促表示を行う(ステップS402、図12C参照)。
【0116】
(第2実施形態の作用・効果)
次に、第2実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0117】
上記構成によっても仮想現実空間SP上にて電子会議が実施されかつ仮想の参加者として参加する司会者アバタFAが生成される点以外は第1実施形態の電子会議支援システム10と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、電子会議支援システム40は、電子会議の仮想の参加者として参加者Pへ向けて表示する司会者アバタFAを生成すると共に、個別電子会議への参加の提案を当該司会者アバタFAから参加者PS(アバタAS)へ向けて提示する。つまり、司会者アバタFAが参加者Pの立場や役割などに依らず中立的な立場から個別電子会議への参加を提案することから、個別電子会議を実施する際の心理的ハードルが低くなる。したがって、仮想現実空間SP上にて実施される電子会議においても、必要に応じて積極的に個別電子会議が実施できるようになり、より一層コミュニケーションの活性化を図ることができる。これにより、電子会議の円滑な進行を支援することができる。
【0118】
また、電子会議支援システム40は、個別電子会議への参加への提案において、当該提案が司会者アバタFAの所定の動作と共に行われる。したがって、参加者PS
の注意を提案へ向けやすくなるので、参加者PSが当該提案を把握し易くなる。
【0119】
また、電子会議支援システム40は、参加者PSへ個別電子会議への参加の提案を行う際は、提案した理由を明示しないため、参加者Pが個別電子会議の実施を希望する場合においても、個別電子会議の実施を躊躇することを抑制できる。すなわち、個別電子会議を行いたい参加者Pがちょっとした話がしたくて個別電子会議を実施したい場合などでは、理由が明示されることに対して心理的負担を感じて個別電子会議の実施を躊躇することが考えられるが、このような状況においても個別電子会議の実施を躊躇することを抑制できる。
【0120】
なお、上述した第1実施形態では、参加者PSへ個別電子会議への参加の提案を行う際は、提案した理由を明示する一方、第2実施形態では提案した理由を明示しない構成とされているが、これに限らず、参加者PSの決定を行う所定の参加者条件ごとに、提案した理由の明示または非明示を選択的に行なってもよい。
【0121】
また、第1、第2実施形態では、参加者PSへ個別電子会議への参加の提案を行なった後に参加者PSから個別電子会議への参加承諾をする旨の操作がない場合は、催促表示を行う構成とされているが、これに限らず、催促表示を行わなくてもよい。
【0122】
さらに、第1、第2実施形態では、個別電子会議への参加を要請する特定の参加者PSを選定するための参加者選定情報を利用者端末12へ送信する構成とされているが(図7のステップS110参照)、これに限らず、参加者選定情報を送ることなく特定の参加者PSを決定してもよい。
【0123】
さらにまた、第2実施形態では、個別電子会議への参加の提案が司会者アバタFAの所定の動作と共に行われるが、これに限らず、所定の動作を行わずに当該提案が行われてもよい。さらに、司会者アバタFAを介さずに、参加者PSへ直接的に提案を表示するようにしてもよい。
【0124】
また、個別電子会議への参加の提案は、テキスト情報とされているが、これに限らず、音声情報など他の情報を含んでもよいし、テキスト情報以外の情報のみで構成されていてもよい。
【0125】
<付記>
本実施形態は、以下の開示を含む。
【0126】
(付記1)
複数の情報処理装置がネットワークを介して接続される電子会議支援システムが実行する電子会議支援方法であって、
複数の参加者がそれぞれ利用する前記情報処理装置の間で電子会議を実施する会議実行ステップと、
複数の前記参加者のうち、前記電子会議中に個別に実施する電子会議である個別電子会議への参加を要請する特定の前記参加者を決定する特定参加者決定ステップと、
前記個別電子会議の実施を、前記特定参加者決定ステップにて決定された特定の前記参加者へ所定のタイミングにて提案する提案ステップと、
前記特定参加者選択ステップにて選択された特定の前記参加者からの操作により前記個別電子会議を実施する個別会議実行ステップと、
を行う電子会議支援方法。
【0127】
(付記2)
前記電子会議支援システムは、前記電子会議の仮想の参加者として前記参加者へ向けて表示する司会者アバタを生成すると共に、前記提示ステップにおいて前記個別電子会議の実施を当該司会者アバタから特定の前記参加者へ向けて提案する、
付記1に記載の電子会議支援方法。
【0128】
(付記3)
前記電子会議支援システムは、前記提案ステップにおいて、前記個別電子会議の実施を前記司会者アバタの所定の動作と共に提案する、
付記2に記載の電子会議支援方法。
【0129】
(付記4)
前記電子会議支援システムは、前記提案ステップにて前記個別電子会議の実施を提案した特定の前記参加者に対して、所定の通知により前記個別電子会議の開始を促す、
付記1に記載の電子会議支援方法。
【0130】
(付記5)
前記電子会議支援システムは、前記提案ステップにて前記個別電子会議を実施する実施タイミングを含めて提案する、
付記1に記載の電子会議支援方法。
【0131】
(付記6)
前記電子会議支援システムは、前記特定参加者決定ステップにて選択された特定の前記参加者へ向けて、前記個別電子会議への参加の要請が決定した理由を明示する、
付記1に記載の電子会議支援方法。
【0132】
(付記7)
前記電子会議支援システムは、前記特定参加者決定ステップにて選択された特定の前記参加者へ向けて、前記個別電子会議への参加の要請が決定した理由を明示しない、
付記1に記載の電子会議支援方法。
【0133】
(付記8)
複数の参加者がそれぞれ利用する前記情報処理装置と、管理を行う前記情報処理装置との間で電子会議を実施する会議実行ステップと、
複数の前記参加者のうち、前記電子会議中に個別に実施する電子会議である個別電子会議への参加を要請する特定の前記参加者を決定する特定参加者決定ステップと、
前記個別電子会議の実施を、前記特定参加者決定ステップにて決定された特定の前記参加者へ所定のタイミングにて提案する提案ステップと、
前記特定参加者選択ステップにて選択された特定の前記参加者からの操作により前記個別電子会議を実施する個別会議実行ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0134】
(付記9)
複数の情報処理装置がネットワークを介して接続される電子会議支援システムであって、
複数の参加者がそれぞれ利用する前記情報処理装置と、前記電子会議支援システムの管理を行う前記情報処理装置との間で電子会議を実施する会議実行ステップと、
複数の前記参加者のうち、前記電子会議中に個別に実施する電子会議である個別電子会議への参加を要請する特定の前記参加者を決定する特定参加者決定ステップと、
前記個別電子会議の実施を、前記特定参加者決定ステップにて決定された特定の前記参加者へ所定のタイミングにて提案する提案ステップと、
前記特定参加者選択ステップにて選択された特定の前記参加者からの操作により前記個別電子会議を実施する個別会議実行ステップと、
を行う電子会議支援システム。
【0135】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0136】
10 電子会議支援システム
12 利用者端末(情報処理装置)
14 サーバ(情報処理装置)
40 電子会議支援システム
42 サーバ(情報処理装置)
44 利用者端末(情報処理装置)
FA 司会者アバタ
N ネットワーク
P 参加者
PS 特定の参加者

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14