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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043300
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】リモコン
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240322BHJP
   H01H 9/16 20060101ALI20240322BHJP
   H01H 13/02 20060101ALI20240322BHJP
   H01H 13/14 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H04Q9/00 371B
H01H9/16 A
H01H13/02 A
H01H13/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148415
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【弁理士】
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】山口 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】塩田 光平
【テーマコード(参考)】
5G052
5G206
5K048
【Fターム(参考)】
5G052AA35
5G052AA40
5G052BB01
5G052JA02
5G052JA09
5G052JB05
5G052JC04
5G206AS33H
5G206AS35H
5G206CS01J
5G206DS02J
5G206DS11J
5G206DS13J
5G206GS14
5G206HU03
5G206HU13
5G206KS03
5G206MS00
5G206QS02
5G206RS04
5G206RS14
5G206RS24
5G206RS32
5G206RS42
5K048AA04
5K048BA14
5K048FB10
5K048HA11
5K048HA24
(57)【要約】
【課題】押下ボタンの操作感を向上しつつ発光部からの光が押下ボタンの周囲から漏れるのを防止できるリモコンを提供する。
【解決手段】リモコン1は、ケース本体3と押下ボタン11を備える。ケース本体3の前面側にはスイッチ21,22とLED31が設けられる。押下ボタン11は、スイッチ21,22とLED31の前側を覆うように装着される。押下ボタン11は穴113を備える。押下ボタン11は、後方に押し込み操作された際にスイッチ21,22を押下する。押下ボタン11とケース本体3の前面との間には、弾性シート9が配置される。弾性シート9は、導光部97と覆い部901を備える。導光部97はLED31と穴113の間に配置され、透光性を有し且つLED31からの光を穴113に導光する。覆い部901は黒色であって、導光部97の周囲と接続し且つLED31の周囲を前方から覆う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチと発光部が前面側に設けられるケース本体と、前記スイッチと前記発光部の前側を覆うように前記ケース本体に装着され、前記発光部からの光を前方に透過させる透光部を有し、後方に押し込み操作された際に前記スイッチを押下する押下ボタンとを備えたリモコンにおいて、
前記押下ボタンと前記ケース本体の前記前面との間には、シート状の弾性部材が配置され、
前記弾性部材は、
前記発光部と前記透光部の間に配置され、透光性を有し且つ前記発光部からの光を前記透光部に導光する導光部と、
前記導光部の周囲と接続し且つ前記発光部の周囲を前方から覆う覆い部と
を備え、
前記覆い部は光の透過を遮断する不透明色であること
を特徴とするリモコン。
【請求項2】
前記覆い部は、
前記発光部の周囲を取り囲むようにして配置され、後端部が前記ケース本体の前記前面と当接する周壁部と、
前記ケース本体の前記前面の前方に隙間を空けて配置され、自身の周縁部が前記周壁部の前端部と接続し、前記押下ボタンの後面と当接する当接壁部と
を備え、
前記導光部は、前記当接壁部における前記発光部と前記透光部に対向する位置に設けられたこと
を特徴とする請求項1に記載のリモコン。
【請求項3】
前記押下ボタンの後面には、後方に突出し、前記覆い部を取り囲む突状部が設けられたこと
を特徴とする請求項1又は2に記載のリモコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯器に有線で接続されたリモコンが知られている(例えば特許文献1参照)。このリモコンは回路基板が収納されるケース本体を備える。ケース本体の前面部には透光部を有する押下ボタンが装着される。さらに、ケース本体において押下ボタンの後方にはタクトスイッチと発光部が近接して設けられる。発光部と押下ボタンの間には透明樹脂の透光部が配置される。押下ボタンには透光部の前端部が挿入される開口が設けられる。押下ボタンが押下されるとタクトスイッチが押し込まれ、発光部が所定のパターンで発光する。発光部からの光は透光部を通じて前方に透過する。使用者は押下ボタンの開口に挿入された透光部が光ったり消えたりすることによって、給湯器がどのような状態にあるか認識できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-115957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のリモコンの構造では、タクトスイッチが押下されたときの衝撃が直接的に手に伝わってしまうという問題があった。また、発光部からの光が透光部を通じて前方に透過するが、透光部全体が光ることから、押下ボタンの周囲から光が漏れてしまう可能性もあった。
【0005】
本発明の目的は、押下ボタンの操作感を向上しつつ発光部からの光が押下ボタンの周囲から漏れるのを防止できるリモコンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1のリモコンは、スイッチと発光部が前面側に設けられるケース本体と、前記スイッチと前記発光部の前側を覆うように前記ケース本体に装着され、前記発光部からの光を前方に透過させる透光部を有し、後方に押し込み操作された際に前記スイッチを押下する押下ボタンとを備えたリモコンにおいて、前記押下ボタンと前記ケース本体の前記前面との間には、シート状の弾性部材が配置され、前記弾性部材は、前記発光部と前記透光部の間に配置され、透光性を有し且つ前記発光部からの光を前記透光部に導光する導光部と、前記導光部の周囲と接続し且つ前記発光部の周囲を前方から覆う覆い部とを備え、前記覆い部は光の透過を遮断する不透明色であることを特徴とする。
【0007】
請求項2のリモコンの前記覆い部は、前記発光部の周囲を取り囲むようにして配置され、後端部が前記ケース本体の前記前面と当接する周壁部と、前記ケース本体の前記前面の前方に隙間を空けて配置され、自身の周縁部が前記周壁部の前端部と接続し、前記押下ボタンの後面と当接する当接壁部とを備え、前記導光部は、前記当接壁部における前記発光部と前記透光部に対向する位置に設けられてもよい。
【0008】
請求項3のリモコンの前記押下ボタンの後面には、後方に突出し、前記当接壁部を取り囲む突状部が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0009】
請求項1のリモコンによれば、押下ボタンでスイッチを押し込んだときの衝撃を弾性部材で緩和できる。さらに、弾性部材の覆い部が光の透過を遮断する不透明色なので、発光部から周囲に光が漏れるのを軽減できる。
【0010】
請求項2のリモコンによれば、発光部の周囲を周壁部と当接壁部で取り囲むことができる。また、押下ボタンが操作されたとき、当接壁部がケース本体側に向けて撓む状態になるものの、周壁部については後端部がケース本体の前面に当接した状態を維持される。これにより、発光部からの光が押下ボタンの周囲から漏れるのを低減できる。また、当接壁部と押下ボタンの間に所定の空間が形成されるので、押下ボタンを押し込むときの感触を軽くできるので、操作感を向上できる。
【0011】
請求項3のリモコンによれば、押下ボタンの操作が繰り返し行われたとしても、弾性部材に位置ずれが生じるのを抑制できる。よって、弾性部材による押下ボタンの操作感向上の効果、及び発光部からの光漏れ抑制の効果を長期にわたって維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】リモコン1の斜視図である。
図2】リモコン1の分解斜視図である。
図3】ケース本体3の分解斜視図である。
図4】弾性シート9の左斜め前方からの斜視図である。
図5】弾性シート9の右斜め後方からの斜視図である。
図6】押下ボタン11~13の左斜め前方からの斜視図である。
図7】押下ボタン11~13の右斜め後方からの斜視図である。
図8】カバーケース7に弾性シート9を取り付けた状態の斜視図である。
図9図1に示すI-I線で切断したリモコン1の断面斜視図である。
図10図1に示すI-I線矢視方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に記載される装置構成などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明する為に用いられるものである。本実施形態では、図中に示す前後、左右、上下の向きを使用して説明する。
【0014】
図1を参照し、リモコン1の外観構造について説明する。リモコン1はガス器具(例えば給湯器)を遠隔操作する為のリモートコントローラである。リモコン1は台所の壁面に取り付けられる台所リモコンであり、浴室の壁面に設置される浴室リモコンであり、例えば浴室の壁面に設置される浴室リモコン(図示略)と通信可能である。リモコン1はケース本体3を備える。ケース本体3は正面視矩形の箱状である。ケース本体3の前面上半分の左右方向略中央部には、透明な矩形状の窓部65が設けられる。窓部65の後方には、ケース本体3の内部に設けられた液晶36(図3参照)が配置される。液晶36には、例えば給湯温度、風呂温度、時計等の各種情報が表示される。ユーザは窓部65を介して液晶36に表示される各種情報を視認できる。
【0015】
窓部65の下側には、3つの押下ボタン11~13が横並びに設けられる。押下ボタン11は左側、押下ボタン12は中央、押下ボタン13は右側に配置される。押下ボタン11は追い焚き、又はふろ温度まで沸かし直すときに押下される。押下ボタン12は自動でお湯はりするときに押下される。押下ボタン13はリモコン1の運転の入/切を切り替えるときに押下される。
【0016】
押下ボタン11には穴113が設けられ、その穴113には導光部97が後方から挿入されている。押下ボタン12には穴123が設けられ、その穴123には導光部98が後方から挿入されている。押下ボタン13には穴133が設けられ、その穴133には導光部99が後方から挿入されている。導光部97~99は、ケース本体3の内部に設けられた後述のLED31~33からの光を前方に導き、押下ボタン11~13の夫々の押下操作に応じて光るようになっている。なお、中央の押下ボタン12の導光部98のみは穴123から前方にやや突出している。これにより、ユーザはその突出した導光部98を手掛かりとして機能させることで、押下ボタン12を押下ボタン11,13に対して容易に識別させることができる。
【0017】
ケース本体3の前面下半分で且つ押下ボタン11~13の下側には、蓋カバー10が下端部を中心に手前側に開閉可能に設けられる。閉じた状態の蓋カバー10の前面左側には3本のスリット102が設けられる。スリット102からは、リモコン1の内部に設けられたスピーカ38(図3参照)から出力されるアラームやガイド音声等が聞こえるようになっている。蓋カバー10を手前に開くと、操作部57(図2参照)が前方に露出する。操作部57には複数のボタン571が設けられ、例えば給湯温度やタイマ等の各種設定を行う為に押下される。
【0018】
図2図8を参照し、リモコン1の構成について具体的に説明する。図2に示すように、リモコン1は、ケース本体3、弾性シート9、押下ボタン11~13、蓋カバー10を備える。
【0019】
ケース本体3の構成について説明する。図3に示すように、ケース本体3は後ろ側から順に、リアパネル5、回路基板6、カバーケース7を備える。リアパネル5は正面視略矩形状の樹脂部材であって、ケース本体3の後面側を形成する。リアパネル5の前面には、その外周部に沿うようにして正面視略矩形枠状のリブ5Aが前方に突出して設けられる。そのリブ5Aの内側に、回路基板6が前方から嵌め込まれて固定される。
【0020】
回路基板6は正面視略矩形の板状に形成され、その左下角部には縁部6Aが設けられる。縁部6Aは切り欠かれることによって正面視略逆L字状に形成され、リアパネル5の前面左下部に固定されるスピーカ38との干渉を避けている。回路基板6の前面には、液晶36、6個のスイッチ21~26、3個のLED31~33、スイッチ群37等が設けられる。液晶36は回路基板6の前面上半分の左右方向略中央部に設けられ、正面視略矩形状に形成される。
【0021】
スイッチ21~26は、操作時に明瞭なクリック感を生じる押しボタンスイッチであり、例えばタクトスイッチ(登録商標)を適用できる。これらスイッチ21~26は、液晶36の下側において2個一組で横並びに設けられる。スイッチ21,22は回路基板6の左側であって、押下ボタン11の左右両側に対応する位置に配置される。スイッチ23,24は回路基板6の中央であって、押下ボタン12の左右両側に対応する位置に配置される。スイッチ25,26は回路基板6の右側であって、押下ボタン13の左右両側に対応する位置に配置される。
【0022】
LED31~33は、押下ボタン11~13(図2参照)の夫々に対応して設けられる。LED31は押下ボタン11に対応する領域に設けられ、スイッチ21の右隣に配置される。LED32は押下ボタン12に対応する領域に設けられ、スイッチ23の右隣に配置される。LED33は押下ボタン13に対応する領域に設けられ、スイッチ25の右隣に配置される。スイッチ群37はスイッチ21~26の下側に設けられ、複数のメンブレンスイッチ371で構成される。複数のメンブレンスイッチ371は、後述のカバーケース7に設けられた操作部57の複数のボタン571の夫々に対応して設けられる。なお、メンブレンスイッチは、薄いシート状のスイッチでフィルムに回路と接点を印刷して貼り重ねたものである。
【0023】
図3に示すように、カバーケース7は、正面視略矩形状の樹脂部材であって、その外周部に沿うようにして枠部7Aが後方に突出して設けられる。カバーケース7は、ケース本体3の前面側を形成する。カバーケース7は、上側部61、装着部62、下側部63を備える。上側部61はカバーケース7の上側略半分を形成し、正面視略矩形状である。上側部61の左右方向中央部には開口部611が設けられる。開口部611は正面視略矩形状に形成される。開口部611の内側には、上記の窓部65が固定されている。窓部65は透明樹脂で形成される。
【0024】
装着部62は、上側部61と下側部63に上下から挟まれる位置に設けられ、正面視左右方向に延びる略矩形状に形成される。装着部62の前面には、押下ボタン11~13が横並びに装着される。装着部62には、丸穴71~76、矩形穴81~83、上側係止穴801~806、下側係止穴807~812、差込穴815~817、小穴821,822等が設けられる。
【0025】
丸穴71~76は2個一組で横並びに設けられ、装着部62を前後方向に貫通する。丸穴71,72は押下ボタン11が装着される領域に左右方向に離間して設けられ、丸穴73,74は押下ボタン12が装着される領域に左右方向に離間して設けられ、丸穴75,76は押下ボタン13が装着される領域に左右方向に離間して設けられる。ケース本体3において、丸穴71,72は回路基板6のスイッチ21,22と対向し、丸穴73,74は回路基板6のスイッチ23,24と対向し、丸穴75,76は、回路基板6のスイッチ25,26と対向する。矩形穴81は丸穴71の右側、矩形穴82は丸穴73の右側、矩形穴83は丸穴75の右側に夫々設けられる。ケース本体3において、矩形穴81~83は、回路基板6のLED31~33の夫々と対向する。
【0026】
上側係止穴801,802は、丸穴71,72の夫々の上側に設けられる。上側係止穴803,804は、丸穴73,74の夫々の上側に設けられる。上側係止穴805,806は、丸穴75,76の夫々の上側に設けられる。これら上側係止穴801~806は、左右方向に長いスリット状に形成される。下側係止穴807,808は、丸穴71,72の夫々の下側に設けられる。下側係止穴809,810は、丸穴73,74の夫々の下側に設けられる。下側係止穴811,812は、丸穴75,76の夫々の下側に設けられる。これら下側係止穴807~812も、左右方向に長いスリット状に形成される。差込穴815は、下側係止穴807と808の間の中央に設けられる。差込穴816は、下側係止穴809と810の間の中央に設けられる。差込穴817は、下側係止穴811と812の間の中央に設けられる。差込穴815~818も、左右方向に延びるスリット状に形成される。小穴821は、丸穴72の右側に設けられる。小穴822は、丸穴75の左側に設けられる。
【0027】
下側部63はカバーケース7の下側略半分を形成し、正面視略矩形状に形成される。下側部63には操作部57が設けられる。操作部57は略矩形状の複数のボタン571を備える。複数のボタン571は、回路基板6に設けられた複数のメンブレンスイッチ371の夫々に対応して設けられる。操作部57の中央には磁石67が埋設される。カバーケース7の前面の左下角部にはスリット58が設けられる。スリット58は、スピーカ38に対応する位置に配置される。下側部63の下端部の左右両側には、軸支部631,632が設けられる。軸支部631,632は、蓋カバー10の下端部を回動可能に軸支する。
【0028】
図4図5を参照し、弾性シート9の形状について説明する。弾性シート9は正面視左右方向に細長い帯状に形成されたシート状の弾性体である。弾性シート9の材質は光透過性の樹脂であり、例えば金型に樹脂を流し込み冷やして固めたものである。弾性シート9の左右方向の長さは、押下ボタン11~13を左右方向に並べたときの左右方向の長さと略同一である。弾性シート9の上下方向の長さは、押下ボタン11~13の夫々の上下方向の長さと略同一である。
【0029】
図4に示すように、弾性シート9の前面9Aには、3つの覆い部901~903、6個の丸穴91~96、3つの導光部97~99が設けられる。覆い部901は押下ボタン11に対応する領域に設けられ、覆い部902は押下ボタン12に対応する領域に設けられ、覆い部903は押下ボタン13に対応する領域に設けられる。覆い部901~903は左右方向に離間して横並びに配置される。覆い部901は正面視左右方向に長い矩形状に形成され、周壁部905と当接壁部906を備える。周壁部905は正面視左右方向に長い矩形枠状に形成され、前面9Aから前方に突出する。周壁部905の後端部907は後面9Bと面一である。当接壁部906は正面視左右方向に長い矩形状に形成され、周壁部905の前側の開口を閉塞するように周壁部905の前端部と接続する。よって、覆い部901は前面9Aから前方に突出し且つ断面視後方に向けて開口する略U字状に形成される。覆い部901の大きさは、押下ボタン11の後面に設けられた後述の内側リブ11Bの内側に嵌る程度の大きさである。なお、覆い部902,903の形状は、覆い部901の形状と同一なので説明を省略する。
【0030】
丸穴91~96は、左側から順に2個一組で横並びに設けられ、弾性シート9を前後方向に貫通する。丸穴91,92は、覆い部901の左右両端部に設けられる。丸穴93,94は、覆い部902の左右両端部に設けられる。丸穴95,96は、覆い部903の左右両端部に設けられる。弾性シート9がカバーケース7の装着部62の前面に装着されたとき、丸穴91,92は、装着部62の左側の丸穴71,72と対向する。丸穴93,94は、装着部62の中央の丸穴73,74と対向する。丸穴95,96は、装着部62の右側の丸穴75,76と対向する。
【0031】
図4図5に示すように、覆い部901において丸穴91の右側には、左導光部97が設けられる。左導光部97は前側導光部971(図4参照)と後側導光部972(図5参照)を前後方向に備える。前側導光部971は、覆い部901の前面から前方に突出する正面視縦長の略角柱状に形成される。後側導光部972は、覆い部901の後面から後方に突出する背面視縦長の略角柱状に形成される。覆い部902においても丸穴93の右側には、中央導光部98が設けられる。中央導光部98も左導光部97と同一形状であって、前側導光部981(図4参照)と後側導光部982(図5参照)を前後方向に備える。覆い部903においても丸穴95の右側には、右導光部99が設けられる。右導光部99も左導光部97及び中央導光部98と同一形状であって、前側導光部991(図4参照)と後側導光部992(図5参照)を前後方向に備える。従って、覆い部901~903は、対応する導光部97~99の夫々の前後方向(長手方向)の中間部の外周部と接続している。
【0032】
なお、中央導光部98の前側導光部981の前方に突出する長さは、左導光部97の前側導光部971、及び右導光部99の前側導光部991の夫々の前方に突出する長さよりも長い。
【0033】
図5に示すように、弾性シート9の後面9Bにおいて、覆い部901と902の間の領域には突起部911が設けられ、覆い部902と903の間の領域には突起部912が設けられる。突起部911,912は短軸略円柱状であって後面9Bから後方に突出する。これら突起部911,912は、カバーケース7の装着部62に設けられた小穴821,822(図3参照)の夫々に対応する。
【0034】
そして、上記形状を備える弾性シート9の表面は、左導光部97、中央導光部98、右導光部99以外の部分は黒色の塗料でコーティングされている。つまり、左導光部97、中央導光部98、右導光部99は透明又は半透明であって光を透過する性質を有し、それ以外の部分は黒色で光を外部に透過させない性質を有する。
【0035】
図6図7を参照し、押下ボタン11~13の形状について説明する。なお、押下ボタン11~13について、前面に印刷されている文字以外は構造が互いに同一なので、本実施形態では押下ボタン11の形状を中心に説明する。図6に示すように、押下ボタン11は正面視左右方向に長い略矩形状の樹脂製板部材である。押下ボタン11の前面中央よりやや左側には矩形状の穴113が設けられ、押下ボタン11を前後方向に貫通する。穴113の右隣には「おいだき」の文字が印刷される。
【0036】
図7に示すように、押下ボタン11の後面において、上下方向略中段には左右方向に並ぶ一対の突出部111,112が設けられる。突出部111,112は、押下ボタン11の後面から後方に突出する。押下ボタン11の後面の外周部に沿うようにして外側リブ11Aが設けられる。外側リブ11Aは背面視左右方向に長い矩形枠状に形成され、後方に突出する。その外側リブ11Aの内側の中央には内側リブ11Bが設けられる。内側リブ11Bも背面視左右方向に長い矩形枠状に形成され、後方に突出する。内側リブ11Bの大きさは、弾性シート9の覆い部901を内側に嵌めることができる程度の大きさである。一対の突出部111,112、穴113は、内側リブ11Bの内側の領域に設けられる。
【0037】
外側リブ11Aの上端部の左側には、上側突起115が設けられる。上側突起115は脚部15Aと係止部15Bを備える。脚部15Aは背面視左右方向に延びる直線状であって押下ボタン11の後面から後方に突出する。係止部15Bは脚部15Aの後端部に設けられ、側面視略三角形状で上方に突出する。外側リブ11Aの上端部の右側には、上側突起116が設けられる。上側突起116は上側突起115と同一形状であり、脚部16Aと係止部16Bを備える。
【0038】
また、外側リブ11Aの下端部の左側には下側突起117が設けられ、下端部の右側には下側突起118が設けられる。下側突起117,118も上側突起115と同一形状である。下側突起117は脚部17Aと係止部17Bを備え、下側突起118は脚部18Aと係止部18Bを備える。なお、下側突起117,118の係止部17B,18Bは、脚部17A,18Aの夫々の後端部から下方に突出する。外側リブ11Aの下端部の中央部であって、下側突起117,118に挟まれる間には、差込片119が設けられる。差込片119は背面視左右方向に延びる直線状であって、押下ボタン11の後面から後方に突出する。
【0039】
なお、詳述しないが、押下ボタン12も押下ボタン11と同様に、前面左側には矩形状の穴123が設けられる。穴123の右隣には「自動」の文字が印刷される(図6参照)。図7に示すように、押下ボタン12の後面側には、押下ボタン11と同様に、一対の突出部121,122、外側リブ12A、内側リブ12B、上側突起125,126、下側突起127,128、差込片129が設けられる。また、押下ボタン13も押下ボタン11,12と同様に、前面左側には矩形状の穴133が設けられる。穴133の右隣には「運転 入/切」の文字が印刷される(図6参照)。押下ボタン13の後面側には、押下ボタン11、12と同様に、一対の突出部131,132、外側リブ13A、内側リブ13B、上側突起135,136、下側突起137,138、差込片139が設けられる。
【0040】
図2を参照し、蓋カバー10の形状について説明する。蓋カバー10は正面視略矩形状である。蓋カバー10の中央には金属板103が埋設される。蓋カバー10はその下端部がカバーケース7の前面下側の軸支部631,632に軸支され、開閉可能な状態となる。蓋カバー10が閉じた状態において、金属板103は、カバーケース7の磁石67に対向する。これにより、蓋カバー10は、磁石67による磁力に吸着され、閉じた状態でその姿勢が保持される。
【0041】
リモコン1の組付工程について説明する。なお、図8では蓋カバー10が省略されている。先ず図2に示すように、作業者はケース本体3を予め一体して組み立てる。作業者はカバーケース7の装着部62の前面に対して、弾性シート9を前方から組み付ける。このとき、弾性シート9の後面9Bに設けられた突起部911,912(図5参照)を、装着部62に設けられた小穴821,822に係合させる。これと同時に、弾性シート9の導光部97,98,99の夫々の後側導光部972,982,992(図5参照)を、装着部62の矩形穴81,82,83に前方から挿入する。これにより、装着部62の前面に対して弾性シート9が位置決めされて装着される(図8参照)。
【0042】
弾性シート9が装着部62に装着された状態では、弾性シート9の丸穴91~96の夫々は、装着部62の丸穴71~76(図2参照)の夫々に重ねて配置される。この状態でカバーケース7を正面から見たとき、弾性シート9の丸穴91~96の夫々の内側には、装着部62の丸穴71~76の夫々を介して、回路基板6のスイッチ21~26が露出する。装着部62の前面において、弾性シート9の上側には、上側係止穴801~806が前方に向けて露出し、弾性シート9の下側には、下側係止穴807~812及び差込穴815~817が前方に向けて露出する。なお、覆い部901の後面9Bにおいて、周壁部905の後端部907(図5参照)はカバーケース7の装着部62の前面と当接する。その他の覆い部902,903においても同様である。
【0043】
次いで、弾性シート9が取り付けられたカバーケース7の装着部62(図8参照)に対して、押下ボタン11~13を順に組み付ける。先ず、押下ボタン11を組み付ける為、押下ボタン11の後面の上側突起115,116(図7参照)を、装着部62の上側係止穴801,802(図8参照)に前方から差し込んで係合させる。次いで、押下ボタン11の後面の下側突起117,118(図7参照)を、装着部62の下側係止穴807,808に差し込んで係合させる。このとき、押下ボタン11の後面の差込片119も、装着部62の差込穴815に差し込む。これにより、押下ボタン11が弾性シート9を間に挟んだ状態で、装着部62の前面に組み付けられる(図9図10参照)。
【0044】
ここで、押下ボタン11の上側突起115の脚部15A、上側突起116の脚部16A、下側突起117の脚部17A、下側突起118の脚部18Aは、装着部62の板厚よりも長い。これにより、押下ボタン11は、弾性シート9を装着部62から取り外した状態では、装着部62の前面から前方に向けて所定ストローク移動可能となる。そして、押下ボタン11が装着部62の前面から最大限移動したとき、上側突起115の係止部15Bが上側係止穴801の内縁部に後方から係止し、上側突起116の係止部16Bが上側係止穴802の内縁部に後方から係止し、下側突起117の係止部17Bが下側係止穴807の内縁部に後方から係止し、下側突起118の係止部18Bが下側係止穴808の内縁部に後方から係止する。これにより、上側突起115,116及び下側突起117,118が上側係止穴801,802、及び下側係止穴807,808から前方に抜けないようになっている。従って、リモコン1は、押下ボタン11が装着部62から外れてしまうのを防止できる。
【0045】
そして、上記のように、押下ボタン11が装着部62の前面に組み付けられることによって、押下ボタン11の後面から突出する一対の突出部111,112が、弾性シート9の丸穴91,92、及び装着部62の丸穴71,72を介してスイッチ21,22の夫々と前方から当接する。さらに、押下ボタン11の穴113に対して、弾性シート9の左導光部97の前側導光部971を後方から挿入する。
【0046】
そして、押下ボタン11の後面に設けられた内側リブ11Bの内側に、弾性シート9の前面9Aに設けられた覆い部901を嵌め合わせる。このとき、覆い部901の当接壁部906の前面に対して、押下ボタン11の後面が平行に接触する。これにより、押下ボタン11は、弾性シート9を間に挟んだ状態で、装着部62の前面に対して偏りなく平行に組み付けられる(図9図10参照)。
【0047】
続いて、押下ボタン12を押下ボタン11と同じ方法で組み付ける。押下ボタン12の後面の上側突起125,126(図7参照)を、装着部62の上側係止穴803,804(図8参照)に差し込んで係合させ、押下ボタン12の後面の下側突起127,128を、装着部62に設けられた下側係止穴809,810に差し込んで係合させる。このとき、押下ボタン11の後面の差込片129も装着部62の差込穴816に差し込む。これにより、押下ボタン12は、弾性シート9を間に挟んだ状態で、装着部62の前面に組み付けられる。
【0048】
そして、押下ボタン12の後面から突出する一対の突出部121,122は、弾性シート9の丸穴93,94、及び装着部62の丸穴73,74を介してスイッチ23,24の夫々と前方から当接する。また、押下ボタン12の穴123に対して、弾性シート9の中央導光部98の前側導光部981を後方から挿入する。そして、押下ボタン12の後面に設けられた内側リブ12B(図7参照)の内側に、弾性シート9の前面9Aに設けられた覆い部902を嵌め合わせる。これにより、押下ボタン12も押下ボタン11と同様に、弾性シート9を間に挟んだ状態で、装着部62の前面に対して偏りなく平行に組み付けられる。
【0049】
続いて、押下ボタン13を押下ボタン11、12と同じ方法で取り付ける。押下ボタン13の後面の上側突起135,136(図7参照)を、装着部62の上側係止穴805,806(図8参照)に差し込んで係合させ、押下ボタン13の後面の下側突起137,138を、装着部62に設けられた下側係止穴811,812に差し込んで係合させる。このとき、押下ボタン12の後面の差込片139も装着部62の差込穴817に差し込む。これにより、押下ボタン13は、弾性シート9を間に挟んだ状態で、装着部62の前面に組み付けられる。
【0050】
そして、押下ボタン13の後面から突出する一対の突出部131,132は、弾性シート9の丸穴95,96、及び装着部62の丸穴75,76を介してスイッチ25,26の夫々と前方から当接する。また、押下ボタン13の穴133に対して、弾性シート9の右導光部99の前側導光部991を後方から挿入する。そして、押下ボタン13の後面に設けられた内側リブ13B(図7参照)の内側に、弾性シート9の前面9Aに設けられた覆い部903を嵌め合わせる。これにより、押下ボタン13も押下ボタン11,12と同様に、弾性シート9を間に挟んだ状態で、装着部62の前面に対して偏りなく平行に組み付けられる。このようにしてリモコン1の組付工程が完了する。
【0051】
図2図9図10を参照し、弾性シート9による押下ボタン11~13の操作感の向上効果について説明する。リモコン1の内部構造において、押下ボタン11の後面の突出部111,112の夫々の先端部は、弾性シート9の丸穴91,92(図2参照)、装着部62の丸穴71,72(図2参照)を介して、回路基板6のスイッチ21,22と当接する(図9図10参照)。また、押下ボタン12の後面の突出部121,122の夫々の先端部は、弾性シート9の丸穴93,94、装着部62の丸穴73,74を介して、回路基板6のスイッチ23,24と当接する。また、押下ボタン13の後面の突出部131,132の夫々の先端部は、弾性シート9の丸穴95,96、装着部62の丸穴75,76を介して、回路基板6のスイッチ25,26と当接する。
【0052】
この状態で、装着部62と押下ボタン11~13との間に挟まれた弾性シート9の覆い部901~903が、押下ボタン11~13の夫々の後面に当接してこれらを前方に常時付勢する。これにより、リモコン1は、押下ボタン11~13でスイッチ21~26を押し込んだときの衝撃を弾性シート9による弾性力で緩和できる。よって、リモコン1は押下ボタン11~13の操作感を向上できる。
【0053】
例えば、図10に示すように、覆い部901において、当接壁部906が装着部62の前面に対して前方に隙間を空けて配置され、その当接壁部906の前面に対して押下ボタン11の後面が当接している。つまり、当接壁部906と押下ボタン11の間には所定の空間が形成される。これにより、押下ボタン11を押し込むときの感触を軽くできる。
【0054】
また、覆い部901は、押下ボタン11の後面に設けられた内側リブ11Bの内側に挿入されることによって、その周囲が内側リブ11Bによって取り囲まれている。これにより、押下ボタン11の押下が繰り返し行われたとしても、装着部62の前面に対して弾性シート9に位置ずれが生じるのを抑制できるので、弾性シート9による押下ボタン11の操作感の向上効果を長期にわたって維持できる。
【0055】
図4図10に示すように、覆い部901~903による光漏れの防止効果について説明する。ここでは、覆い部901による光漏れの防止効果について説明する。図4図5に示すように、弾性シート9は、左導光部97、中央導光部98、右導光部99以外の部分が黒色の塗料でコーティングされている。図9図10に示すように、弾性シート9がリモコン1の内部に取り付けられた状態において、覆い部901の周壁部905は、その周壁部905を前方から見た場合にLED31の周囲を取り囲むようにして配置されている。そして、その周壁部905の後端部907(図5参照)はカバーケース7の装着部62の前面に当接している。また、上記の通り、覆い部901の当接壁部906は、装着部62の前面に対して前方に隙間を空けて配置され、その当接壁部906の前面に対して押下ボタン11の後面が当接している(図9図10参照)。
【0056】
このような構造を備えることにより、リモコン1はLED31の周囲を弾性シート9の周壁部905と当接壁部906で取り囲むことができる。これにより、LED31から照射された光が押下ボタン11の周囲に漏れるのを低減できる。そして、左導光部97は当接壁部906におけるLED31と押下ボタン11の穴113とに対向する位置に設けられている。つまり、覆い部901は、左導光部97の周囲と接続し且つLED31の周囲を前方から覆っている。これにより、LED31から照射される光のうち、前方に向かう光は左導光部97を通過して押下ボタン11の穴113に良好に導かれる。それ以外の光は黒色の覆い部901によって遮断されるので、LED31から照射された光が押下ボタン11の周囲から漏れるのを低減できる。
【0057】
また、押下ボタン11が押下されたとき、当接壁部906が装着部62側に向けて撓む状態になるものの、周壁部905については後端部907(図5参照)が装着部62の前面に当接した状態が維持される。これにより、押下ボタン11の押下時においても、LED31から照射された光が覆い部901から外部に漏れるのを低減できる。なお、覆い部902,903は覆い部901と同一の構造なので、覆い部901と同様に、LED32,33から照射された光が押下ボタン12,13の夫々の周囲から漏れるのを低減できる。
【0058】
また、覆い部901は、押下ボタン11の後面に設けられた内側リブ11Bの内側に挿入されることによって、その周囲が内側リブ11Bによって取り囲まれている。これにより、押下ボタン11の押下が繰り返し行われたとしても、弾性シート9に位置ずれが生じるのを抑制できるので、弾性シート9による光の漏れ防止効果についても長期にわたって維持できる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態のリモコン1は、ケース本体3と押下ボタン11~13を備える。ケース本体3の前面側には、スイッチ21~26とLED31~33が設けられる。押下ボタン11~13は、スイッチ21~26とLED31~33の前側を覆うように装着される。押下ボタン11~13は、穴113,123,133を備える。穴113,123,133はLED31~33からの光を前方に透過させる。押下ボタン11~13は、後方に押し込み操作された際にスイッチ21~26を押下する。押下ボタン11~13とケース本体3の前面との間には、弾性シート9が配置される。弾性シート9は、導光部97~99と覆い部901~903を備える。導光部97~99はLED31~33と穴113,123,133の間に配置され、透光性を有し且つLED31~33からの光を穴113,123,133に導光する。覆い部901~903は光の透過を遮断する不透明色であって、導光部97,98,99の周囲と接続し且つLED31~33の周囲を前方から覆う。このような構成を備えることにより、リモコン1は押下ボタン11~13でスイッチ21~26を押し込んだときの衝撃を弾性シート9で緩和できる。さらに、弾性シート9の覆い部901~903が黒色なので、LED31~33から周囲に光が漏れるのを低減できる。
【0060】
また、覆い部901は周壁部905と当接壁部906を備える。周壁部905は、前方から見たときにLED31の周囲を取り囲むようにして配置され、周壁部905の後端部907はケース本体3の前面と当接する。当接壁部906は、ケース本体3の前面の前方に隙間を空けて配置され、自身の周縁部が周壁部905の前端部と接続し、押下ボタン11の後面と当接する。そして、導光部97は、当接壁部906におけるLED31と穴113に対向する位置に設けられる。これにより、LED31の周囲を周壁部905と当接壁部906で取り囲むことができる。また、押下ボタン11が操作されたとき、当接壁部906がケース本体3側に向けて撓む状態になるものの、周壁部905については後端部907がケース本体3の前面に当接した状態を維持される。これにより、LED31からの光が押下ボタン11の周囲から漏れるのを低減できる。また、当接壁部906と押下ボタン11の間に所定の空間が形成されるので、押下ボタン11を押し込むときの感触を軽くできるので、操作感を向上できる。
【0061】
また、押下ボタン11の後面には、内側リブ11Bが設けられる。内側リブ11Bは押下ボタン11の後面から後方に突出し、ケース本体3に取り付けられた状態で覆い部901を取り囲む。これにより、押下ボタン11の操作が繰り返し行われたとしても、弾性シート9に位置ずれが生じるのを抑制できる。よって、弾性シート9による押下ボタン11の操作感向上の効果、及びLED31からの光漏れ抑制の効果を長期にわたって維持できる。なお、これらの効果は押下ボタン12,13においても同様に得られる。
【0062】
上記説明において、押下ボタン11の内側リブ11Bは本発明の「突状部」の一例である。弾性シート9は本発明の「弾性部材」の一例である。穴113は本発明の「透光部」の一例である。LED31は本発明の「発光部」の一例である。
【0063】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。リモコン1はガス器具(例えば給湯器)を遠隔操作する為のリモートコントローラであるが、その他用途のリモコンにも本発明の適用が可能である。例えば、リモコン1は台所リモコンであるが、浴室リモコンであってもよい。リモコン1は正面視略矩形状であるが、それ以外の形状であってもよい。
【0064】
弾性シート9は導光部97~99以外の表面が黒色であるが、光の透過を遮断する不透明色であればよく、黒色以外に例えばグレーであってもよい。また、弾性シート9は、覆い部901~903と導光部97~99を樹脂で一体成型しているが、例えば夫々を別々に作成して互いに接着してもよい。また、弾性シート9の表面を黒色の塗料でコーティングする以外に、例えば黒色の材料で導光部97~99以外の部分を作成し、その後で導光部97~99を接着してもよい。
【0065】
また、回路基板6にはLED31~35が設けられ、本発明の「発光部」として例示したが、発光するものであればよく、例えばランプ等の電球であってもよい。
【0066】
リモコン1の前面には3つの押下ボタン11~13が設けられているが、押下ボタンの数、形状、配置については上記実施形態に限定されない。押下ボタン11~13の配置についても横並びではなく、上下方向、斜め方向に並んでいてもよい。例えば窓部65の位置を下方に移動し、その窓部65の上側に押下ボタン11~13を配置してもよい。窓部65の左側又は右側に縦方向に配置してもよい。回路基板6の液晶36は省略してもよい。
【0067】
押下ボタン11の後面には一対の突出部111,112を設け、回路基板6の対応する一対のスイッチ21,22に当接して押下するようになっているが、突起部の数は押下するスイッチの数に対応させればよいので、一対に限らず2つ以上、又は一つであってもよい。突出部111,112の位置は押下ボタン11の左右両側の各位置でなくてもよいが、押下時において押下ボタン11にかかる力を均等に分散するには、押下ボタン11の左右両側の各位置がよい。
【0068】
弾性シート9には左導光部97、中央導光部98、右導光部99が同一の材質で一体的に形成されているが、別部材として設けてもよい。回路基板6にLED31~35が無ければ省略してもよい。省略する場合、弾性シート9は透明でなくてよい。
【0069】
弾性シート9の左導光部97は、前側導光部971と後側導光部972を備えるが、例えば左導光部97を、弾性シート9の前面及び後面と同一平面状に形成してもよい。中央導光部98、右導光部99も同様である。例えば黒色の塗料でコーティングされた弾性シート9において、同一平面に形成された左導光部97、中央導光部98、右導光部99の各部分のみを透明にしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 リモコン
3 ケース本体
9 弾性シート
11~13 押下ボタン
11B 内側リブ
21~26 スイッチ
31,32 LED
97 左導光部
98 中央導光部
99 右導光部
113,123,133 穴
901~903 覆い部
905 周壁部
906 当接壁部
907 後端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10