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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043311
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】天井構造物
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/34 20060101AFI20240322BHJP
   E04B 9/00 20060101ALI20240322BHJP
   E04B 9/18 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
E04B9/34 Z
E04B9/00 M
E04B9/18 B
E04B9/18 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148429
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(71)【出願人】
【識別番号】593123683
【氏名又は名称】株式会社オクジュー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大屋 泰輝
(72)【発明者】
【氏名】岡村 吉展
(72)【発明者】
【氏名】服部 俊一
(57)【要約】
【課題】意匠性がある天井を構築するための天井構造物を提供する。
【解決手段】天井構造物30は、相互に平行に配置された複数の第1のルーバー部材51~59と、相互に平行に配置された複数の第2のルーバー部材61~69とを備える。第1のルーバー部材51~59と、第2のルーバー部材61~69とは直交するように配置されている。第1のルーバー部材51~59の端部と第2のルーバー部材61~69の端部とが、隙間をおいて突き合わせるように配置される。そして、隣接する隙間を繋げるような形状を有し隙間に配置されるアーチプレート71,72を更に備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のルーバー部材を並べることにより構成される天井構造物であって、
前記ルーバー部材は、相互に平行に配置された複数の第1のルーバー部材と、相互に平行に配置された複数の第2のルーバー部材とを備え、
前記第1のルーバー部材の第1端部と、前記第2のルーバー部材の第2端部とが、それぞれ隙間をおいて突き合わせるように配置され、
隣接する前記隙間を繋げるような形状を有し前記隙間に配置される境界部材を更に備えたことを特徴とする天井構造物。
【請求項2】
前記第1のルーバー部材及び前記第2のルーバー部材は、野縁受けに吊り下げられた吊り部材に固定された円弧形状の取付部材に、クリップ部材を用いて掛止されることにより配置されていることを特徴とする請求項1に記載の天井構造物。
【請求項3】
前記取付部材には、隣接する複数のルーバー部材が掛止されることを特徴とする請求項2に記載の天井構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のルーバー部材を並べることにより構成される天井構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のルーバー部材を並べることにより天井を構成する天井構造物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のルーバーは、チャンネル部材が、長尺の受部に設けられることにより形成されている。ここで、チャンネル部材は、底部及び一対のフランジ部の先に各々口部を有し、受部は、チャンネル部材の口部をそれぞれ係合させる一対の係合部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-247274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のルーバーを並べて配置する場合、ルーバーを異なる方向に延在させて配置することもある。ここで、同じ断面形状のルーバーを異なる方向で突き合わせる場合、それぞれの端面形状が異なることがある。例えば、同じ断面形状のルーバーを直交して突き合わせる場合、突き合わせる端面が45度以外の角度では、端面形状が異なる。この場合、両者の端面にずれが生じるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する天井構造物は、複数のルーバー部材を並べることにより構成される天井構造物であって、前記ルーバー部材は、相互に平行に配置された複数の第1のルーバー部材と、相互に平行に配置された複数の第2のルーバー部材とを備え、前記第1のルーバー部材の第1端部と、前記第2のルーバー部材の第2端部とが、それぞれ隙間をおいて突き合わせるように配置され、隣接する前記隙間を繋げるような形状を有し前記隙間に配置される境界部材を更に備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、意匠性がある天井を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態における天井構造物を説明する下方から見上げた斜視図である。
図2】実施形態における天井構造物の正面図である。
図3】実施形態における天井構造物の右側面図である。
図4】実施形態における天井構造物のルーバー部材及びアーチプレートの配置を説明する斜視図である。
図5】実施形態における天井構造物の要部の天井伏図である。
図6】実施形態における天井構造物の上端部周辺の要部の正面図である。
図7】実施形態における天井構造物の下端部周辺の要部の正面図である。
図8】実施形態における天井構造物の下端部周辺の要部の右側面図である。
図9】実施形態における天井構成物の天井伏図における中央部周辺の図である。
図10図9における10-10線方向から見た断面図である。
図11図9における11-11線方向から見た断面図である。
図12】変更例における天井構造物を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1図11を用いて、天井構造物を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態の天井構造物は、片側に配置された1対の柱に支持された梁等で囲まれた空間内に設けられる。
【0009】
図1は、天井構造物を下方から斜めに見上げた斜視図である。図2及び図3は、それぞれ天井構造物の正面図及び右側面図である。図4は、天井構造物のルーバー部材とアーチプレートのみを表示した斜視図であり、図5は、天井構造物を下から見た平面図の一部である。
【0010】
図1に示すように、天井構造物30は、梁等によって区画された区画天井部材13によって囲まれた直方形状の配置空間S1に配置される。区画天井部材13の片側は、離間した1対(2本)の柱部材14に支持されている。また、区画天井部材13の配置空間S1側の長手方向及び短手方向の下端部には、それぞれ見切り部材23,24が配置されている。
【0011】
図2及び図3に示すように、複数の野縁受け17,18が、構造部材(図示せず)に吊り下げられた吊りボルト15やブレース部材16によって固定されている。
複数の吊りボルト15には、格子状に配置された複数の野縁受け17,18が取り付けられている。具体的には、野縁受け17の下側には、野縁受け17と直交する方向に延在する野縁受け18が配置される。そして、野縁受け17,18には、吊りボルト25及び固定部材27を介して天井構造物30が吊り下げられる。
【0012】
本実施形態の天井構造物30は、垂直な方向に立設する鉛直面C1,C2を中心とする対称形状で構成される。
図1に示すように、本実施形態の天井構造物30は、交差リブヴォールトのように配置される2枚ずつのアーチプレート71,72を備える。各アーチプレート71,72は、境界部材として機能し、配置空間S1において対角線に延在して、クロス形状に見えるように配置される。アーチプレート71は、柱部材14側に配置され、柱部材14と反対側のアーチプレート72とは、下端部における取付先に応じて形状が異なる。
【0013】
図4に示すように、アーチプレート71,72によって区画された三角形状の各領域においては、第1のルーバー部材51~59(第2のルーバー部材61~69)を、中央が一番長く、かつ両端部に向かって段々と短くなるように配置する。この場合、各第1のルーバー部材51~59(及び各第2のルーバー部材61~69)を、天井構造物30の長手方向(及びこれに直交する短手方向)に離間して並べる。本実施形態では、複数のルーバー部材51~69は、天井構造物30の長手方向及び短手方向の長さに対応する曲率半径が異なる2つの円弧形状(アーチ型)に沿って並べる。天井構造物30の頂点における高さが同じため、長手方向に並べられる第1のルーバー部材51~59は、短手方向に並べられる第2のルーバー部材61~69より緩やかな円弧に沿って配置される。
【0014】
更に、第1のルーバー部材51~59と第2のルーバー部材61~69とは、アーチプレート71,72の近傍で、それぞれ1対1で対応するように配置されている。なお、頂点における第1のルーバー部材51及び第2のルーバー部材61は、1対1だけでなく、1対2となるようにも対応している。
また、各ルーバー部材51~69は、縦断面形状が同じである。
【0015】
図2及び図3に示すように、これらルーバー部材51~69は、吊りボルト25及び固定部材27により吊り下げられる。
ルーバー部材の下方で見切り部材23,24の上方には、ルーバー部材51~69が配置される円弧形状に対応する外形を有する扇形状の鏡21,22が取り付けられている。
【0016】
(取付部材及びルーバー部材の詳細)
図6及び図7は、図2に示した天井構造物30の正面図における上端部及び下端部の拡大図であり、図8は、図3に示す天井構造物30の右側面図における下端部の拡大図である。なお、天井構造物30の右側面図の上端部の構成は、正面図の上端部の構成とほぼ同じである。図9は、天井構造物30の最上部付近の拡大図である。図10及び図11は、それぞれ図9における10-10線方向、11-11線方向の断面図である。なお、図10において、アーチプレート71を取り付けるための部材は図示を省略している。
【0017】
図6に示すように、天井構造物30の中心付近の野縁受け17,18には、固定部材27を介して、取付部材31(32,41,42)が吊り下げられている。
更に、図7及び図8に示すように、天井構造物30の中心付近以外の野縁受け17,18には、吊りボルト25及び自在ハンガH1を介して、取付部材33~36,43~47が吊り下げられている。なお、自在ハンガH1としては、例えば、オクジュー社製の製品NWD-C13を用いることができる。
また、図7に示すように、ブレース部材28を介して、野縁受け17と取付部材とを固定してもよい。
【0018】
図5に示すように、取付部材31,32,33,34,35,36は、第1のルーバー部材51,52,53,54,55,56,57a,57b,57c,57d,58a,58b,58c,59を円弧形状に配置して掛止するためのガイド部材である。取付部材41,42,43,44,45,46,47は、第2のルーバー部材61,62,63,64,65,66,67a,67b,67c,67d,68a,68b,68c,69を円弧形状に配置して掛止するためのガイド部材である。各取付部材31~36,41~47は、全体が円弧形状に曲がったC型鋼で構成されている。
【0019】
具体的には、取付部材31,32は、第1のルーバー部材51~59の外側の端部に離間して配置され、取付部材41,42は、第2のルーバー部材61~69の外側の端部に離間して配置されている。更に、取付部材33(43)は、第1長さL1以上のルーバー部材51~57a(61~67c)を把持するために配置されている。取付部材34(44)は、第2長さL2(≒2×L1>L1)よりも長いルーバー部材51~54(61~64)を把持するために配置されている。更に、取付部材35(45)は、第3長さL3(>L2)よりも長いルーバー部材51,52(61,62)の端部を固定するために配置される。また、取付部材36(46)は、隣接する長さの異なる3本のルーバー部材を固定するために配置されている。この場合、取付部材36(46)は、固定する3本のルーバー部材のうち最も短いルーバー部材の先端部に位置する。また、取付部材47は、隣接する長さの異なる4本のルーバー部材67d,68a~68cを固定する。なお、最下端に位置する一番短いルーバー部材59(69)は、取付部材31,32(41,42)によってのみ固定されている。
【0020】
図6図8に示すように、各取付部材31~36,41~47には、複数のクリップ部材WC1が、各ルーバー部材51~69の配置位置に対応して取り付けられる。各クリップ部材WC1は、各取付部材31~36,41~47の上面に引っ掛けられるとともに、各取付部材31~36,41~47の側面にビス止めされることにより固定される。各クリップ部材WC1の下端部は、取付部材31~36,41~47の下面から突出する。この下端部の両側面には、クリップ部材WC1における水平方向に延在する係合部が設けられている。この係合部には、各ルーバー部材51~69に形成された係止部が嵌合する。各ルーバー部材51,52(~69)は、C型鋼で構成され、上端部が、クリップ部材WC1の係合部に引っ掛けて固定する係止部を有する。
【0021】
更に、図9に示すように、各ルーバー部材51,52(~59),61,62(~69)は、アーチプレート71,72側の端部(第1端部51e,52e及び第2端部61e,62e)が斜めに切断された傾斜部を有している。この傾斜部は、アーチプレート71,72と平行となるような傾斜を有する。そして、各第1のルーバー部材51~59の傾斜部と、それぞれに対応する第2のルーバー部材61~69の傾斜部とは、傾斜の長さが異なっているが、アーチプレート71,72と平行となるように対向して配置される。
【0022】
(アーチプレートの取付構造の詳細)
図9に示すように、アーチプレート71(72)は、天井構造物30の中心(頂点)においてクロス形状に見えるように配置される。そして、天井構造物30の頂点の近傍の4個のネコアングルLA1及び吊りボルト25を介して、野縁受け17,18に、アーチプレート71,72を支持する。
【0023】
図11に示すように、アーチプレート72(71)は、ネコアングルLA1の反対側において、取付部材45に、L字アングルLA2及び取付板P1を介して固定される。なお、アーチプレート71,72を、他の部材に、L字アングルや取付部材を介して固定してもよい。
【0024】
図10に示すように、各アーチプレート71(72)の頂点側の端部は、鉛直面C1に沿った形状を有している。この端部の近傍には、固定孔71h(72h)が設けられている。また、アーチプレート71(72)は、その下面が、各ルーバー部材51,52(~69)の下端部より少し(例えば15mm程度)突出するような大きさ(高さ)を有する。
【0025】
そして、図9に示すように、アーチプレート71(72)の頂点側の端部は、V字形状の固定板75,76に挟まれる。各固定板75,76に形成された貫通孔とアーチプレート71(72)の固定孔71h(72h)とをボルト締めすることにより、4枚のアーチプレート71,72の端部を、固定板75,76の角度で、天井構造物30の頂点において固定する。これにより、アーチプレート71,72は、第1のルーバー部材51~59の第1端部(51e,52e)と、第2のルーバー部材61~69の第2端部(61e,62e)とを突き合せた隙間を繋げる直線形状で形成される。
【0026】
(作用)
第1のルーバー部材51~59の第1端部(51e,52e)及び第2のルーバー部材61~69の第2端部(61e,62e)は、傾斜した傾斜部を有している。第1のルーバー部材51~59と第2のルーバー部材61~69の傾斜部の間に、アーチプレート71,72を配置する。アーチプレート71,72によって、各ルーバー部材51~69の傾斜部の長さのずれを吸収する意匠となる。
【0027】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の天井構造物30は、直交する方向に延在して配置された第1のルーバー部材51~59と第2のルーバー部材61~69を有する。第1のルーバー部材51~59の第1端部(51e,52e)及び第2のルーバー部材61~69の第2端部(61e,62e)は、1対1で対応しているとともに、平行だが長さが異なる傾斜部を有している。そして、第1のルーバー部材51~59と第2のルーバー部材61~69の傾斜部の間に、アーチプレート71,72を配置する。このため、アーチプレート71,72によって、各ルーバー部材51~69の端部の連続性が視覚的に一度切れて見える。従って、対応するルーバー部材51~59,61~69の傾斜部の長さが異なっていても、違和感なく連続的に配置されているように見えるので、意匠性のある天井構造物30を構築することができる。
【0028】
(2)本実施形態では、第1のルーバー部材51~59及び第2のルーバー部材61~69は、曲率半径の異なる円弧形状に沿って並べられる。これにより、複数のルーバー部材51~69で、交差リブヴォールトの形状の意匠性を想起させることができる。
【0029】
(3)本実施形態では、野縁受け17,18に、吊りボルト25、円弧形状の取付部材31~36,41~47及びクリップ部材WC1を介して、ルーバー部材51~69を取り付ける。各ルーバー部材51~69は、クリップ部材WC1の下端部の係合部に係合する形状を有する。従って、取付部材31~36,41~47に沿ってルーバー部材51~69を取り付けるだけで、ルーバー部材51~69を円弧形状に並べることができるので、効率的に構築することができる。
【0030】
(4)本実施形態では、第1長さより長い隣接するルーバー部材51~57a(61~67c)を取付部材33(43)でまとめて固定した。更に、第2長さより長いルーバー部材51~54(61~64)を取付部材34(44)でまとめて固定した。これにより、ルーバー部材51~57a,61~67aを効率的に固定することができる。
【0031】
(5)本実施形態では、ルーバー部材51~59(61~69)の根元を取付部材31,32(41,42)で、先端部を取付部材31~36,41~47により固定する。このため、地震等によるルーバー部材51~69の揺れを効率的に抑えることができる。
【0032】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、配置空間S1において、ルーバー部材51~59,61~59をそれぞれ円弧形状となるように配置した。これに代えて、同一平面上に、各ルーバー部材を配置してもよい。
【0033】
具体的には、図12に示す天井構造物80は、水平方向に十字に延在するプレート81を有する。そして、各プレート81によって区画される各三角形状の領域に、平行に複数のルーバー部材85,86を配置する。この場合において、各第1のルーバー部材85は、プレート81側の第1端部が、第2のルーバー部材86の第2端部と1対1で対応する。
【0034】
・上記実施形態の天井構造物30は、十字形状に配置したアーチプレート71,72で区画された各領域において平行に複数のルーバー部材51~59,61~69を配置した。天井構造物を構成するルーバー部材の配置は、これに限られない。例えば、上述した天井構造物30の一部分の構成を用いた天井構造物としてもよい。具体的には、天井構造物30の片側の構成や縦横半分にした構成を有する天井構造物としてもよい。
また、上記実施形態では、取付部材31~36,41~47は複数のルーバー部材51~59を固定した。取付部材に固定されるルーバー部材の数は限定されず、例えば、1個の取付部材に1個のルーバー部材が取り付けられてもよい。
【0035】
・上記実施形態では、第1のルーバー部材51~59と第2のルーバー部材61~69は直交するように配置したが、これらは直交する場合に限られない。例えば、直交とは異なる角度で延在するように配置してもよい。この場合、境界部材(プレート)側における第1のルーバー部材の第1端部と第2のルーバー部材の第2端部との長さが同じ場合であっても、間にプレートを設けることにより、配置のずれを吸収することができる。また、第1のルーバー部材及び第2のルーバー部材を、延在方向が同じで太さが異なるルーバー部材で構成してもよい。この場合においても、第1のルーバー部材の第1端部と第2のルーバー部材の第2端部とを突き合せた部分にプレートを配置する。これにより、配置のずれ(太さの変化)を目立たなくさせることができるので、意匠性がある天井構造物を構築することができる。
【0036】
・上記実施形態では、水平投影面において直線形状であるアーチプレート71,72を用いた。異なる方向に延在する第1のルーバー部材の第1端部と、第2のルーバー部材の第2端部との間に配置されるプレートは、この形状に限られない。例えば、水平投影面におけるプレートの形状が直線形状でなく円弧形状であってもよい。この場合、突き合わせる第1端部と第2端部を、プレートの円弧形状に応じた円弧形状に切断した傾斜部を設けた形状としてもよいし、直線形状の傾斜部を設けた形状としてもよい。また、プレートは、突き合わせられる第1のルーバー部材の第1端部と第2のルーバー部材の第2端部との間に配置される部分を繋げた形状であればよく、円弧形状と直線形状とを組み合わせた形状としてもよい。
【0037】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(a)前記第1のルーバー部材と前記第2のルーバー部材とは直交するように配置され、複数の前記第1のルーバー部材及び複数の前記第2のルーバー部材は、それぞれ曲率半径が異なる円弧形状に沿って配置されていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の天井構造物。
【0038】
(b)第1長さ以上のルーバー部材が隣接して配置される部分を有し、前記第1長さ以上のルーバー部材を、前記取付部材の1つに取り付けたことを特徴とする請求項3又は前記(a)に記載の天井構造物。
【符号の説明】
【0039】
C1,C2…鉛直面、P1…取付板、S1…配置空間、LA1…ネコアングル、LA2…L字アングル、WC1…クリップ部材、13…区画天井部材、14…柱部材、15,25…吊りボルト、16,28…ブレース部材、17,18…野縁受け、21,22…鏡、23,24…見切り部材、27…固定部材、30,80…天井構造物、31,32,33,34,35,36,41,42,43,44,45,46,47…取付部材、51,52,53,54,55,56,57a,57b,57c,57d,58a,58b,58c,59,85…第1のルーバー部材、51e,52e…第1端部、61,62,63,64,65,66,67a,67b,67c,67d,68a,68b,68c,69,86…第2のルーバー部材、61e,62e…第2端部、71,72…境界部材としてのアーチプレート、71h…固定孔、75,76…固定板、81…境界部材としてのプレート。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12