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特開2024-43322情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043322
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/08 20120101AFI20240322BHJP
【FI】
G06Q30/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148444
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高杉 祐介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB73
(57)【要約】
【課題】出品者が出品物を出品する場合に、出品者のニーズに合った購入者を選択可能な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】 情報処置装置は、第一ユーザ端末から出品物情報を取得する出品物情報取得部と、第一ユーザ端末から質問コメントを取得する質問取得部と、第二ユーザに出品物情報及び質問コメントを公開する情報公開部と、第二ユーザ端末から購入希望を受け付ける購入希望受付部と、第二ユーザ端末から質問コメントに対する応答コメントを受け付ける応答コメント受付部と、出品物の購入を希望する複数の第二ユーザの応答コメントを含む選定要求を第一ユーザ端末に送信する選定要求送信部と、第一ユーザ端末から選定された第二ユーザに関する売却先情報を取得する売却先取得部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ユーザが所有する第一ユーザ端末から、出品物に関する出品物情報を取得する出品物情報取得部と、
前記第一ユーザ端末から、前記出品物の購入を希望する第二ユーザに対する質問コメントを取得する質問取得部と、
前記出品物の購入を希望する前記第二ユーザに前記出品物情報及び前記質問コメントを公開する情報公開部と、
前記第二ユーザが所有する第二ユーザ端末から、前記出品物の購入を希望する旨の購入希望を受け付ける購入希望受付部と、
前記第二ユーザ端末から、前記質問コメントに対する応答コメントを受け付ける応答コメント受付部と、
前記出品物を売却する前記第二ユーザの選定を要求する選定要求であって、前記出品物の購入を希望する複数の前記第二ユーザの前記応答コメントを含む前記選定要求を前記第一ユーザ端末に送信する選定要求送信部と、
前記第一ユーザ端末から、選定された前記第二ユーザに関する売却先情報を取得する売却先取得部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記購入希望受付部は、前記出品物に対する入札額を受け付け、
前記選定要求送信部は、前記入札額が上位の複数の前記第二ユーザの前記応答コメントを前記第一ユーザ端末に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記選定要求送信部は、前記入札額が上位の予め設定された所定数の前記第二ユーザの前記応答コメントを前記第一ユーザ端末に送信する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザに関するユーザ情報を取得するユーザ情報取得部を備え、
前記選定要求送信部は、前記第二ユーザの前記応答コメントに加え、さらに前記第二ユーザの前記ユーザ情報を前記第一ユーザ端末に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記選定要求送信部は、前記第二ユーザの前記ユーザ情報のうち、前記出品物に関連する情報を前記第一ユーザ端末に送信する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザ情報は、前記出品物に関連する物品に対する購入履歴、売買履歴、検索履歴、及びソーシャルネットワークサービスに対する投稿履歴の少なくともいずれかを含む履歴情報を有する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記選定要求送信部は、前記履歴情報に基づいて、前記出品物に対する前記第二ユーザの関心スコアを求め、前記ユーザ情報として前記関心スコアを前記第一ユーザ端末に送信する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータにより情報を処理する情報処理方法であって、
前記コンピュータは、出品物情報取得部と、質問取得部と、購入希望受付部と、情報公開部と、応答コメント受付部と、選定要求送信部と、売却先取得部とを備え、
前記出品物情報取得部が、第一ユーザが所有する第一ユーザ端末から、出品物に関する出品物情報を取得する出品物情報取得ステップと、
前記質問取得部が、前記第一ユーザ端末から、前記出品物の購入を希望する第二ユーザに対する質問コメントを取得する質問取得ステップと、
前記情報公開部が、前記出品物の購入を希望する前記第二ユーザに前記出品物情報及び前記質問コメントを公開する情報公開ステップと、
前記購入希望受付部が、前記第二ユーザが所有する第二ユーザ端末から、前記出品物の購入を希望する旨の購入希望を受け付ける購入希望受付ステップと、
前記応答コメント受付部が、前記第二ユーザ端末から、前記質問コメントに対する応答コメントを受け付ける応答コメント受付ステップと、
前記選定要求送信部が、前記出品物の購入を希望する複数の前記第二ユーザの前記応答コメントを前記第一ユーザ端末に送信し、前記出品物を売却する前記第二ユーザの選定を要求する選定要求送信ステップと、
前記売却先取得部が、前記第二ユーザ端末から、選定された前記第二ユーザに関する売却先情報を取得する売却先取得ステップと、
を実施する、情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータにより読み取り実行可能な情報処理プログラムであって、
前記コンピュータを請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させる、ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを介してオークション形式で商品を売買する電子商取引サービスを提供する情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介して商品を売買する電子商取引としてオークションサイトが知られている。オークションサイトでは、売り手が出品した商品に対して、最も高い金額を入札した買い手がその商品を買い取る(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-288526公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のオークションでは、最高金額を入札した買い手が落札者となるが、この場合、売り手は、落札者がどのような人であるかを知ることができない。商品をオークションに出品する売り手には、落札後も商品を大切に使ってもらいたいとのニーズも一定数存在し、従来のオークションサイトでは、そのニーズに応えることができないとの課題がある。
また、上記はオークションサイトの例であるが、フリーマーケットサイトでも、同様の課題がある。
【0005】
本発明は、出品者が出品物を出品する場合に、出品者のニーズに合った購入者を選択可能な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第一態様に係る情報処理装置は、第一ユーザが所有する第一ユーザ端末から、出品物に関する出品物情報を取得する出品物情報取得部と、前記第一ユーザ端末から、前記出品物の購入を希望する第二ユーザに対する質問コメントを取得する質問取得部と、前記出品物の購入を希望する前記第二ユーザに前記出品物情報及び前記質問コメントを公開する情報公開部と、前記第二ユーザが所有する第二ユーザ端末から、前記出品物の購入を希望する旨の購入希望を受け付ける購入希望受付部と、前記第二ユーザ端末から、前記質問コメントに対する応答コメントを受け付ける応答コメント受付部と、前記出品物を売却する前記第二ユーザの選定を要求する選定要求であって、前記出品物の購入を希望する複数の前記第二ユーザの前記応答コメントを含む前記選定要求を前記第一ユーザ端末に送信する選定要求送信部と、前記第一ユーザ端末から、選定された前記第二ユーザに関する売却先情報を取得する売却先取得部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の情報処理装置は、出品物情報と、売り手である第一ユーザの質問コメントとを取得する。そして、第二ユーザがその出品物の購入を希望する場合、第二ユーザ端末から、購入希望に加えて、質問コメントに対する応答を記載した応答メッセージが情報処理装置に送信され、これにより、売り手である第一ユーザは、複数の第二ユーザの応答コメントに基づいて、出品物を売りたい第二ユーザを第一ユーザ自身の意思で決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第一実施形態の情報処理装置であるサーバ装置を備えたオークションシステムの概略を示す模式図。
図2】第一実施形態のサーバ装置の概略構成を示すブロック図。
図3】第一実施形態の情報処理方法を示すフローチャート。
図4】第一実施形態における出品案内コンテンツの一例を示す図。
図5】第一実施形態における出品コンテンツの一例を示す図。
図6】第二実施形態のサーバ装置の概略構成を示すブロック図。
図7】第二実施形態における出品案内コンテンツの一例を示す図。
図8】第二実施形態における出品コンテンツの一例を示す図。
図9】第二実施形態の情報処理方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の情報処理装置であるサーバ装置を備えたオークションシステムの概略を示す模式図である。
本実施形態のオークションシステム1は、サーバ装置10と、当該サーバ装置10とインターネットを介して接続される複数のユーザ端末20とを備える。ここで、オークションシステム1を利用して、商品を出品する出品者が本開示の第一ユーザであり、出品者が所有するユーザ端末20を第一ユーザ端末20Aとする。また、オークションシステム1で出品された商品の購入を希望する購入希望者(入札者)が第二ユーザであり、購入希望者が所有するユーザ端末20を第二ユーザ端末20Bとする。
以下、各構成について説明する。
【0010】
[サーバ装置10の構成]
図2は、サーバ装置10の概略構成を示すブロック図である。
サーバ装置10は、コンピュータにより構成され、本発明の情報処理装置として機能する。このサーバ装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、等を含んで構成されている。ここで、サーバ装置10を構成するコンピュータの数は特に限定されない。例えば、1台のコンピュータによってサーバ装置10が構成されてもよく、複数のコンピュータをネットワークで接続して構築されるクラウドサーバをサーバ装置10としてもよい。
【0011】
通信部11は、例えばLAN等を介してネットワーク(インターネット)に接続されており、ユーザ端末20等と通信する。
記憶部12は、例えばメモリ、ハードディスク等により構成されたデータ記録装置である。この記憶部12は、ユーザ情報記憶部(ユーザDB121)、出品情報記録部(出品DB122)等を備えている。また、記憶部12には、サーバ装置10を制御するための情報処理プログラム(ソフトウェア)が記録されている。
なお、ここでは、サーバ装置10の記憶部12に、ユーザDB121、及び出品DB122が設けられる例を示すが、サーバ装置10とネットワークを介して通信可能に接続された他のデータサーバやクラウドストレージに、これらの、ユーザDB121、及び出品DB122が設けられる構成としてもよい。
【0012】
ユーザDB121は、オークションシステム1を利用するユーザに関する各種情報を記録したデータベースであり、個々のユーザ毎のユーザ情報が記憶されている。
このユーザ情報には、例えば、アカウント情報、ユーザ個人情報、ユーザ属性情報、履歴情報、公開許可情報等を含む。
アカウント情報は、例えば、ユーザIDや、ユーザ名、メールアドレス等のユーザを識別するための情報が記録される。
ユーザ個人情報は、ユーザの年齢層、性別、居所、職業等を記録する。
ユーザ属性情報は、ユーザの趣味、特技等を記録する。
履歴情報は、ユーザの各種行動履歴を記録する。履歴情報としては、例えば、インターネット上での検索履歴、商取引における購入履歴、オークションサービスやフリマサービスにおける出品履歴、コンテンツの閲覧履歴、SNS(ソーシャルネットワークサービス)への投稿履歴、移動履歴等が含まれる。
【0013】
公開許可情報は、ユーザが他のユーザに対して公開を許可する範囲を示す情報であり、ユーザによって適宜設定される。例えば、ユーザ個人情報に年齢層、性別、居所が含まれる場合、年齢層、性別、居所のそれぞれに対して、公開を許可するか不許可とするかを示すフラグ情報が、公開許可情報として記録される。
【0014】
出品DB122は、オークションシステム1が提供するオークションサービスにおいて出品された出品物に関する出品情報を記録したデータベースであり、個々の出品毎の出品情報が記憶されている。
この出品情報には、例えば、出品ID、出品者情報、出品物情報、質問コメント情報、出品価格情報、入札者情報、投稿情報等が含まれる。
出品IDは、個々の出品情報を識別するための識別情報である。
出品者情報は、出品者に関する情報であり、例えば、出品者のアカウント情報が記録される。
出品紹介情報は、出品物に関する情報であり、例えば、出品物の画像(写真やイラスト、動画等)、出品物の製品名や紹介文、出品物の発送方法等を含む。
【0015】
質問コメント情報は、出品者によって適宜設定される情報であり、出品者の任意の質問コメントが記録される。例えば、出品物に関する熱意を問う質問が記録されていてもよく、出品物に関するクイズ等が記録されていてもよく、入札者の人柄を問うような任意の内容であってもよい。
【0016】
出品価格情報は、オークションの開始価格、最低入札額、即決価格、現在の最高入札額等が記録される。
入札者情報は、出品物の購入希望者(入札者)に関する情報であり、例えば、入札者のアカウント情報、入札額の他、応答コメントが記録される。応答コメントは、出品者によって設定された質問コメントに対する応答内容が記録される情報であり、出品者以外のユーザには非公開となる情報である。
【0017】
投稿情報は、出品物に対する質問等のコメントが記録される。投稿情報は、オークションサービスにおいて公開される出品コンテンツに記載されるコメントであり、第三者のユーザも自由に閲覧可能な公開情報である。
【0018】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路、RAM(Random Access Memory)等の記録回路により構成される。制御部13は、記憶部12等に記録されている情報処理プログラムをRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働により各種処理を実行する。そして、制御部13は、記憶部12に記録された情報処理プログラムを読み込み実行することで、図2に示すように、ユーザ情報取得部131、出品情報取得部132、情報公開部133、入札受付部134、選定要求送信部135、売却先取得部136、及び売買処理部137として機能する。
【0019】
ユーザ情報取得部131は、ユーザ端末20からユーザ情報を取得する。ユーザ情報取得部131は、例えば、オークションシステム1を利用するユーザがユーザ登録を行う際にユーザ端末20で入力されたユーザ情報を取得する。また、ユーザ端末20において検索処理や電子商取引処理等の所定の処理が実施された場合に、その履歴情報をサーバ装置10に送信するように設定されてもよい。この場合、ユーザ情報取得部131は、ユーザ端末20から送信される履歴情報を取得する。
【0020】
出品情報取得部132は、本開示の出品物情報取得部、及び質問取得部として機能する。すなわち、出品情報取得部132は、第一ユーザ端末20Aからの出品物に関する出品物情報と、出品物の購入を希望する入札者に対する質問コメントとを、第一ユーザ端末20Aから取得する。
なお、質問コメントの取得は、出品物情報の取得時に同時に取得してもよく、入札額上位の複数の入札者が確定した後に、質問コメントを取得してもよい。
【0021】
情報公開部133は、出品物情報や質問コメントを、出品物の購入を希望する第二ユーザ(入札者)やその他のユーザに公開する。例えば、情報公開部133は、出品物情報及び/又は質問コメントに基づいて、出品物に関する出品コンテンツを生成し、ユーザが閲覧可能にインターネット上に公開する。
【0022】
入札受付部134は、本開示の購入希望受付部及び応答コメント受付部として機能する。すなわち、入札受付部134は、オークションコンテンツに対して第二ユーザ端末20Bから出品物の購入を希望する旨の購入希望と、応答コメントとを受け付ける。なお、オークションサービスにおいて、出品物に対して入札を行う行為が購入希望に相当する。
【0023】
選定要求送信部135は、入札額が上位となる複数の入札者から、出品物の落札者を選定する旨の選定要求を第一ユーザ端末20Aに送信する。
この際、選定要求送信部135は、入札額が上位となる複数の入札者の応答コメントを第一ユーザ端末20Aに送信する。選定要求送信部135は、さらに、入札額が上位となる複数の入札者のユーザ情報を第一ユーザ端末20Aに送信する。送信されるユーザ情報は、入札者が予め許可した情報とすることが好ましく、かつ、ユーザ情報のうち、出品物に関連する情報とすることが好ましい。
【0024】
売却先取得部136は、第一ユーザ端末20Aから、出品物の落札者に関する情報(売却先情報)を取得する。
売買処理部137は、出品者である第一ユーザと、出品者により選定された落札者である第二ユーザとの間での出品物の売買を支援する。例えば、出品者が指定した支払方法を落札者に案内して、決済処理を促す。
【0025】
[ユーザ端末20の構成]
ユーザ端末20は、ユーザが保有する端末装置であり、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピューター等のコンピュータにより構成されている。ユーザ端末20の具体的な構成の図示は省略するが、ユーザ端末20は、一般的なコンピュータが有する基本的な構成を有する。すなわち、ユーザ端末20は、ユーザの操作を受け付ける入力操作部、画像情報を表示させるディスプレイ、各種情報を記録する記録装置、各種情報を演算処理する演算回路(CPU等)を備えている。
【0026】
[情報処理方法]
次に、本実施形態のオークションシステム1における情報処理方法について説明する。
図3は、本実施形態の情報処理方法を示すフローチャートである。
まず、サーバ装置10の出品情報取得部132は、第一ユーザ端末20Aから出品情報を取得する(ステップS1:出品物情報取得ステップ,質問取得ステップ)。
本実施形態のオークションシステム1において、出品物のオークションへの出品を希望する出品者は、第一ユーザ端末20Aを操作し、サーバ装置10が公開する出品案内コンテンツ30(図4参照)にアクセスする。そして、出品者が、第一ユーザ端末20Aを操作し、出品案内コンテンツ30の案内に従って、出品物に関する各種情報を入力することで第一ユーザ端末20Aから出品情報が送信され、サーバ装置10は、当該出品情報を受信する。
【0027】
図4は、出品案内コンテンツ30の一例を示す図である。出品案内コンテンツは、出品者が出品する出品物の紹介内容を入力する複数の入力欄を有する。例えば、図4の例では、出品案内コンテンツ30は、出品名入力欄31、画像添付欄32、詳細入力欄33、開始額入力欄34、期間入力欄35、及び選定モード選択欄36等を備える。
出品名入力欄31は、出品物の名称や品名を入力可能な入力欄である。
画像添付欄32は、出品物の画像を添付する入力欄である。
詳細入力欄33は、出品物の販売元やブランド名等、出品物の詳細な紹介を入力する入力欄である。
開始額入力欄34は、オークションにおける開始金額や、入札者が入札する際の最低入札額を記入する入力欄である。
期間入力欄35は、オークションの終了タイミングを示す入力欄である。
【0028】
選定モード選択欄36は、落札者の選定方法を選択する選択欄である。本実施形態では、入札額のみで落札者を選定する「第一選択モード」、及び、設定した質問コメントに対して入力される応答コメントと入札額とにより落札者を選定する「第二選択モード」とを選択できるように構成されている。
また、第二選択モードが選択される場合には、質問コメントを入力する質問コメント入力欄361が表示される。この質問コメント入力欄361は、第一選択モードが選択された場合に非表示となるように構成されていてもよい。
さらに、第二選択モードが選択される場合に、質問コメントを先に設定するか、オークション終了後に質問を設定するかの選択が可能な選択ボタンが設けられていてもよい。
さらに、入札額のうち、何名の入札者のコメントを参照するかを示すコメント参照人数を設定できてもよく、最高入札額からどの程度の金額範囲の入札者のコメントを参照するかを示すコメント参照金額を設定できてもよい。
【0029】
さらに、出品案内コンテンツ30は、出品確定ボタン37を備え、第一ユーザ端末20Aで出品確定ボタン37が選択されることで、第一ユーザ端末20Aからサーバ装置10に出品情報が送信される。出品情報には、出品名入力欄31、画像添付欄32、詳細入力欄33、開始額入力欄34、及び期間入力欄35に入力された情報を含む出品物情報が含まれる。また、選定モード選択欄36で第二選択モードが選択された場合は、出品情報には、質問コメント入力欄361に入力された質問コメントが含まれる。
【0030】
この後、情報公開部133は、受信した出品情報に基づいて、オークションサービスにおける出品コンテンツを生成する(ステップS2:情報公開ステップ)。生成された出品コンテンツは、記憶部12に記憶され、インターネット上でユーザ端末20から閲覧可能に公開される。
図5は、出品コンテンツ40の一例を示す図である。
出品コンテンツ40は、例えば、出品物を紹介するための出品タイトル、出品物の写真やイラスト、動画などの画像情報、出品物の名称(品名)、製造元、サイズ、使い方等の紹介テキスト等を含む、物品紹介情報41を備える。
また、出品コンテンツ40は、出品者や閲覧者のコメントを表示するコメント表示部42を備える。このコメント表示部42に表示されるコメントは、出品物に対する出品者の追加の説明、出品物に対する閲覧者の質問、当該質問に対する出品者の応答等が表示される部分である。
また、出品コンテンツ40には、入札者が入札を実施するために必要な入札表示部43が設けられる。入札表示部43には、オークションモード表示部431、入札期間表示部432、現在額表示部433、入札額入力欄434、オークションコメント部435、及び入札実行ボタン436等を含む。
【0031】
オークションモード表示部431は、「第一選択モード」及び「第二選択モード」のいずれかを示す情報が記録される。
例えば、出品情報として「第一選択モード」が選択されている場合は、オークションモード表示部431に、最高入札額が落札する旨が表示される。出品情報として「第二選択モード」が選択されている場合は、オークションモード表示部431に、入札額が上位の入札者の応答コメントに基づいて出品者が落札者を選定される旨が表示される。
【0032】
入札期間表示部432は、例えば、出品案内コンテンツ30の期間入力欄35に入力されたオークションの終了タイミングを表示する。
現在額表示部433は、現在の最高入札額を表示する。
入札額入力欄434は、入札者が入札金額を入力する入力欄である。
オークションコメント部435は、第二選択モードに対応する出品コンテンツ40に設けられ、出品時に設定された質問コメント435Aが表示される。また、質問コメント435Aに対する応答コメントを入力する応答コメント入力欄435Bが設けられる。
なお、上述したように、出品情報として、オークション終了後に質問を設定する旨が含まれる場合には、オークションコメント部435が表示されなくてもよい。
入札実行ボタン436は、入札の実行を指令するためのアイコンである。入札実行ボタン436が入札者によって選択されることで、入札者のユーザ端末20(第二ユーザ端末20B)からサーバ装置10に、入札情報(購入希望情報)が送信される。入札情報としては、第一選択モードの出品コンテンツ40の場合、ユーザID、及び入札額であり、第一選択モードの出品コンテンツ40の場合、ユーザID、入札額、及び応答コメントである。
【0033】
一方、第二ユーザが第二ユーザ端末20Bを操作し、サーバ装置10が公開するオークションコンテンツにアクセスすることで、サーバ装置10は、第二ユーザ端末20Bにオークションコンテンツを送信する。
オークションコンテンツは、出品物の検索や一覧表示等を案内するオークションサービスのコンテンツである。第二ユーザ端末20Bで所定の出品物が選択されることで、サーバ装置10は、図4に示すような出品コンテンツ40を第二ユーザ端末20Bに送信して表示させる。
【0034】
ここで、第一選択モードの出品コンテンツに対するオークションサービスに係る処理、つまり、入札額のみによって落札者が選定される処理は、従来のオークションサービスと同一であるため、ここでの説明は省略し、以降、第二選択モードの出品コンテンツ40に対するオークションサービスに係る処理について説明する。
【0035】
サーバ装置10の入札受付部134は、複数の第二ユーザ端末20Bから送信される入札情報(購入希望情報)を受信し、出品情報に関連付けて記憶部12に記録する(ステップS3:購入希望受付ステップ,応答コメント受付ステップ)。
また、入札受付部134は、出品コンテンツ40に係るオークション期間が終了したか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4においてNOと判定される場合は、ステップS3に戻る。ステップS4でYESと判定された場合、入札受付部134は、以降の入札情報を受け付けず、入札を締め切る。
【0036】
そして、ステップS4でYESと判定される場合、選定要求送信部135は、入札受付部134が受信した各入札情報に、入札者(第二ユーザ)を示すユーザID、入札額に加え、応答コメントが含まれているか否かを判定する(ステップS5)。つまり、出品コンテンツ40が、第二選択モードであり、出品者が質問コメントを先に設定した出品であるか否かを判定する。
【0037】
ステップS5でYESと判定される場合、選定要求送信部135は、入札額が上位の複数名の入札者(第二ユーザ)を選択し、入札情報と、ユーザ情報とを含む選定要求を第一ユーザ端末20Aに送信する(ステップS6:選定要求送信ステップ)。
ここで、選定要求送信部135は、出品情報にコメント参照人数が含まれている場合、コメント参照人数の数だけ最高入札額から上位の入札者を選択する。また、選定要求送信部135は、出品情報にコメント参照金額が含まれている場合、最高入札額から、コメント参照金額の範囲の入札額を入力した入札者を選択する。
なお、出品情報にコメント参照人数やコメント参照金額がない場合では、予め設定されたデフォルト人数またはデフォルト金額を用いればよい。
【0038】
また、ステップS6において、選定要求送信部135は、選択した入札者のユーザ情報をユーザDB121から取得し、第一ユーザ端末20Aに送信する。ここで選択されるユーザ情報は、入札者が予め許可した情報に限定される。
この際、選定要求送信部135は、出品情報に基づいて、第一ユーザ端末20Aに送信するユーザ情報の内容を絞り込んでもよい。例えば、ユーザ情報のユーザ属性情報や履歴情報から、出品物の品名や製造元やブランド名、出品物の商品カテゴリーを含む情報、またはこれらに関連するキーワードを含む情報を抽出してもよい。
【0039】
これにより、選定要求を受信した第一ユーザ端末20Aは、サーバ装置10から送信された複数名の入札者の入札額、応答コメント、及びユーザ情報を例えばディスプレイに表示し、出品者に落札者を選定させる。
出品者が落札者を決定する旨の設定入力を行うと、第一ユーザ端末20Aからサーバ装置10に対して、選定された落札者に関する売却先情報が送信される。
【0040】
サーバ装置10の売却先取得部136が、第一ユーザ端末20Aから売却先情報を受信し(ステップS7:売却先取得ステップ)、売買処理部137は、出品者と、落札者となる第二ユーザとの間での出品物の売買の支援を行う売買処理(例えば決済処理)を実施する(ステップS8)。
つまり、本実施形態では、第二選択モードの出品情報(出品コンテンツ)に対して、入札額のみで落札者を選定するのではなく、出品者が、応答コメントやユーザ情報を参照して落札者を選定する。
なお、ステップS8の売買処理(決済処理)としては、従来の手法を用いることができる。例えば、出品者が予め送金先を登録しておき、落札者がサーバ装置10を介して決済を実施する。この場合、落札者が、サーバ装置10が指定する送金先に購入費用を送金する決済処理を実施した後、売買処理部137が、出品者が登録した送金先に当該購入費用を送金する。決済方法としては特に限定されず、例えばクレジットカードを用いた支払い、電子決済を用いた支払い、銀行振込を用いた支払い等の複数の決済方法に対応することができる。
【0041】
一方、ステップS5でNOと判定される場合、つまり、出品コンテンツ40が、第二選択モードではあるが、質問コメントが設定されていない場合、出品情報取得部132は、第一ユーザ端末20Aに、応答コメントの要否、及び応答コメントが要の場合の質問コメントの設定を促す質問設定要求を送信する(ステップS9)。
【0042】
第一ユーザ端末20Aは、質問設定要求を受信すると出品者に応答コメントの要否を入力するように促し、出品者に応答コメントが必要である旨が入力されると、さらに、質問コメントの入力を促す。第一ユーザ端末20Aは、応答コメントが不要である旨が入力された場合、応答コメントが不要である旨の質問設定応答をサーバ装置10に返す。また、第一ユーザ端末20Aは、応答コメントが必要であり、かつ質問コメントが入力された場合、質問コメントを含む質問設定応答をサーバ装置10に返す。
これにより、サーバ装置10の出品情報取得部132は、第一ユーザ端末20Aから質問設定応答を受信する(ステップS10)。
ここで、応答コメントが不要である旨の質問設定応答を受信した場合は、通常の入札額に基づいた落札者の選定処理を実施する。この場合は、従来のオークションと同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0043】
一方、質問コメントを含み、応答コメントを必要とする旨の質問設定応答を受信した場合、情報公開部133は、第二ユーザ端末20Bに対して、質問コメントを送信し、質問コメントに対する応答コメントを要求する応答コメント要求を送信する(ステップS11)。ここで、応答コメント要求の送信先となる第二ユーザ端末20Bは、対象の出品物に対して入札した入札者の全員であってもよく、入札額が上位の複数の入札者であってもよい。例えば、入札受付部134は、出品情報にコメント参照人数が含まれている場合、コメント参照人数の数だけ最高入札額から上位の入札者を選択する。また、情報公開部133は、出品情報にコメント参照金額が含まれている場合、最高入札額から、コメント参照金額の範囲の入札額を入力した入札者を選択する。
なお、出品情報にコメント参照人数やコメント参照金額がない場合では、予め設定されたデフォルト人数またはデフォルト金額を用いて入札者を選択してもよく、入札した入札者全員を対象としてもよい。
【0044】
応答コメント要求が受信した第二ユーザ端末20Bは、例えばディスプレイに質問コメントを表示させ、入札者に応答コメントの入力を促す。入札者が応答コメントを入力することで、第二ユーザ端末20Bからサーバ装置10に応答コメントが送信される。これにより、入札受付部134は、第二ユーザ端末20Bから応答コメントを受信する(ステップS12:応答コメント受付ステップ)。
この後、選定要求送信部135は、ステップS6と同様、入札情報と、ユーザ情報とを含む選定要求を第一ユーザ端末20Aに送信する(ステップS13:選定要求送信ステップ)。
なお、ステップS11において、応答コメント要求の送信先が、例えばコメント参照人数やコメント参照金額等に基づいて選定されている場合、ステップS13での入札者の選定はスキップしてもよい。
また、ステップS13では、選定要求送信部135は、例えば、予め設定された期間 (例えば24時間等)の経過後に、当該期間の間で受信した応答コメントと、当該応答コメントを送信した入札者の入札額及びユーザ情報とを含む選定要求を第一ユーザ端末20Aに送信する。
以上の後、ステップS7及びステップS8の処理を実施する。
【0045】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態のサーバ装置10は、記憶部12と制御部13とを備え、制御部13は、記憶されたプログラムを読み込み実行することで、出品情報取得部132、情報公開部133、入札受付部134、選定要求送信部135、及び売却先取得部136として機能する。
出品情報取得部132は、本開示の出品物情報取得部及び質問取得部として機能し、出品物に関する出品物情報と、出品物の購入を希望する入札者に対する質問コメントとを取得する。
情報公開部133は、出品物の購入を希望する入札者に出品物情報及び質問コメントを送信する。
入札受付部134は、本開示の購入希望受付部及び応答コメント受付部として機能し、第二ユーザ端末20Bから、出品物に対する入札額(つまり、出品物の購入を希望する旨の購入希望)と、質問コメントに対する応答コメントと、を受け付ける。
選定要求送信部135は、複数の入札者の応答コメントを第一ユーザ端末20Aに送信し、出品物を売却する第二ユーザ(つまり落札者)の選定を要求する。
売却先取得部136は、第一ユーザ端末20Aから、落札者に関する売却先情報を取得する。
以上のような本実施形態のサーバ装置10では、オークションサービスにおいて、入札金額のみではなく、入札者の応答コメントに基づいて、出品者が落札者を選定することができる。これにより、出品者は、入札者がどのような人であるかを知ることができる。例えば、出品者が思い入れのある出品物を落札者に大事に使って貰いたいと考えた場合、出品者は各入札者の応答コメントに基づいて、出品物を大事に使って貰えそうな入札者を選定することができる。このように、本実施形態では、単に入札額のみによって落札者を選定するだけでなく、出品者の他の様々なニーズに対応した落札者を出品者自身が選定することができ、出品者の満足度の向上を図ることができる。
また、従来のオークションサービスでは、入札額が僅差であっても、最高入札額の入札者が落札者となる。したがって、例えば、出品物に多大な熱意を有する入札者が、オークション終了時間の間際に出品コンテンツにアクセスできない場合に、入札額を更新することができず、出品物を入手できない場合もあった。これに対して、本実施形態では、入札額が最高入札額に対して届かない場合でも、応答コメントによって、出品者にその熱意を伝えることで、落札者として選定される可能性がある。これにより、入札者の満足度の向上をも図ることができる。
【0046】
本実施形態では、入札受付部134は、出品物に対する入札額を受け付け、選定要求送信部135は、入札額が上位の複数の入札者の応答コメントを第一ユーザ端末20Aに送信する。
出品物に対して入札を行った全ての入札者の応答コメントを第一ユーザ端末20Aに送信する場合、出品者は、多数の応答コメントを確認しなければいけない場合もあり、出品者の確認作業が煩雑となる。これに対して、本実施形態では、入札額が上位の複数の入札者の応答コメントを第一ユーザ端末20Aに送信するので、出品者は応答コメントの確認を容易に行える。
また、入札額の大小は、出品物に対する入札者の熱意を示す指標でもあり、入札額が極端に低い入札者は、出品物に対する熱意も低い可能性が高い。このような入札者の応答コメントをフィルタリングすることで、出品者が望む理想の落札候補をシステム的に絞り込むことができる。
【0047】
この際、選定要求送信部135は、入札額が上位の予め設定された所定数(コメント参照人数)の入札者の応答コメントを第一ユーザ端末20Aに送信してもよい。
このようなコメント参照人数に基づいて入札者を選択することで、出品者による応答コメントの確認作業を簡素にできる。
【0048】
また、選定要求送信部135は、最高入札額から予め設定された所定範囲内の入札額(コメント参照金額)の入札者の応答コメントを前記第一ユーザ端末に送信してもよい。
選定要求送信部135が、コメント参照人数に基づいて、第一ユーザ端末20Aに応答コメントを送信する対象の入札者を選択する場合、入札額が僅差である場合に、出品物に対して熱意を有する入札者が選択されない場合がある。例えば、入札額が1000円である入札者A1、入札額が990円である入札者A2、入札額が980円である入札者A3、入札額が970円である入札者A4、入札額が500円である入札者A5が出品物に入札した場合を例示する。コメント参照人数が3人である場合、入札者A4は、たとえ出品物に対して他の入札者よりも強い熱意を持っていた場合でも選択されない。
これに対して、コメント参照金額として、例えば、100円が設定されている場合、1000円(最高入札額)から900円までの範囲の入札者が選択される。この場合、最高入札額から大きく離れている入札額の入札者A5は選択されず、最高入札額に対して僅差となる入札額の入札者A4は選択されることになる。
これにより、出品者は、出品物に対して熱意を有する入札者をより適切に選定することができる。また、出品物に対して強い熱意を有する入札者も、落札者として選定される可能性が高くなる。これにより、出品者及び入札者の双方の満足度の向上を図ることができる。
【0049】
本実施形態では、制御部13は、さらに、ユーザに関するユーザ情報を取得するユーザ情報取得部131を備える。そして、選定要求送信部135は、入札者の応答コメントに加え、さらに当該入札者のユーザ情報を第一ユーザ端末に送信する。
これにより、出品者は、応答コメントのみならず、入札者のユーザ情報に基づいて、落札者を選定することができる。例えば、質問コメントに対する応答コメントのみでは、入札者が本当に出品物に対して興味や熱意を持っているかが疑わしい場合もある。これに対して、ユーザ情報として登録された趣味、検索履歴、売買履歴が応答コメントとともに送信されることで、出品者は応答コメントの真偽を確認することもできる。
【0050】
ここで、選定要求送信部135は、入札者のユーザ情報のうち、出品物に関連する情報を第一ユーザ端末20Aに送信することが好ましい。
第一ユーザ端末20Aに送信されるユーザ情報は、ユーザによって適宜公開の可否が設定されており、公開が許可された情報のみが第一ユーザ端末20Aに送信される。しかしながら、ユーザが許可している場合であっても、出品物に関係のない内容を第一ユーザ端末20Aに送信することは好ましくない。これに対して、本実施形態では、ユーザ情報のうち、出品物に関連する情報、すなわち、出品物の品名、ブランド名、製造元、カテゴリー等のキーワードや、当該キーワードに関連する関連キーワードが含まれる情報を第一ユーザ端末20Aに送信する。例えば、車両の部品の出品を例示すると、第二ユーザのユーザ情報から、車両の部品に関する売買履歴、検索履歴のみを抽出して入札者のユーザ情報として第一ユーザ端末20Aに送信する。また、ユーザ属性の趣味として、車両関係の趣味が登録されている場合のみ、当該趣味をユーザ情報として第一ユーザ端末20Aに送信し、車両と関係ない趣味が登録されている場合は、趣味に関するユーザ情報は送信しない。
これにより、入札者のプライバシーを守ることができ、入札者が安心して入札を行うことができる。
【0051】
また、選定要求送信部135は、第二ユーザのユーザ情報に基づいて出品物に対する関心スコアを求め、当該関心スコアを第二ユーザのユーザ情報として送信してもよい。
例えば、本実施形態では、ユーザ情報の履歴情報として、第二ユーザの履歴情報、つまり、インターネット上における検索履歴、購入履歴、出品履歴、SNSへの投稿履歴等が蓄積される。また、ユーザ属性として、ユーザの興味や趣味等が登録される。そして、複数のユーザに関するユーザ情報を教師データとして、履歴情報の入力により、各カテゴリに対するユーザの関心スコアを出力する機械学習モデルを生成する。各カテゴリは、各ユーザが登録するユーザ属性に加え、過去の出品情報の出品物やそのカテゴリを用いてもよい。
このような機械学習モデルを用いる場合、選定要求送信部135は、第二ユーザの履歴情報を機械学習モデルに入力することで、各カテゴリに対する第二ユーザの関心スコアが得られ、そのうち、対象となる出品物に対応するカテゴリの関心スコアを取得して、応答コメントとともに第一ユーザ端末20Aに送信する。
【0052】
また、上記は、機械学習モデルを用いて関心スコアを算出する例であるが、所定のルールに基づいて関心スコアを算出する等としてもよい。例えば、選定要求送信部135は、出品物の名称やブランド名、出品物のカテゴリ等の出品物に関連するキーワードが、履歴情報に含まれる数、頻度、時期に応じて関心スコアを算出してもよい。具体的には、選定要求送信部135は、履歴情報に含まれるキーワード総数、過去から現在に至るまでにおいてキーワードが検出されるようなった時期(昔から興味があったか、最近興味を持ったか)、過去から現在に亘るキーワード数の増減傾向(一定期間に含まれるキーワード数を頻度として頻度の増減傾向)等のルールに基づいて予め係数を設定しておく。そして、選定要求送信部135は、例えば予め設定された基本スコアに対して、上記のルールに従った係数を加減算、又は乗積算することで、関心スコアを算出する。
【0053】
第一ユーザ端末20Aに送信する入札者のユーザ情報として、上記のような関心スコアを用いることで、入札者のプライバシーをより適切に保護することができる。
【0054】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。
上記第一実施形態では、オークションサービスを提供するサーバ装置10を一例として説明したが、インターネットを介して出品物を販売するフリーマーケット(以降、フリマと略す)サービスを提供する場合にも適用することが可能である。第二実施形態では、フリマサービスを提供する情報処理装置について説明する。
図6は、第二実施形態の情報処理装置としてのサーバ装置10Aの概略構成を示すブロック図である。なお、以降の説明において、既に説明した構成と同一の構成は同符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
【0055】
サーバ装置10Aは、第一実施形態と同様、コンピュータにより構成され、通信部11、記憶部12、及び制御部13を備える。そして、制御部13は、記憶部12に記憶された情報処理プログラムを読み込み実行することで、ユーザ情報取得部131、出品情報取得部132、情報公開部133、交渉受付部134A、選定要求送信部135、売却先取得部136、及び売買処理部137として機能する。
出品情報取得部132は、第一実施形態と同様、出品者からフリマに出品する出品物に関する出品情報を取得する。出品情報取得部132は、例えば出品案内コンテンツ30A(図7参照)の各入力欄に出品者が入力操作を行うことで出品情報を取得する。
【0056】
図7は、本実施形態の出品案内コンテンツ30Aの一例を示す図である。
ここで、本実施形態の出品案内コンテンツ30Aは、図4に示す第一実施形態の出品案内コンテンツ30と略同様の構成を有するが、出品案内コンテンツ30の開始額入力欄34、期間入力欄35、選定モード選択欄36に替えて、希望額入力欄34A、期間入力欄35A、選定モード選択欄36Aが設けられる。
希望額入力欄34Aは、出品物の販売価格を記入する入力欄である。
期間入力欄35Aは、応答コメントの締切期限を入力する入力欄である。
選定モード選択欄36Aは、応答コメントを参照せずに購入希望者に対して出品物を販売する旨の第三選択モードと、応答コメントを参照して購入者を選定する旨の第四選択モードとを選択できるように構成される。
【0057】
情報公開部133は、出品情報取得部132により得られた出品情報に基づいて出品コンテンツを生成する。
図8は、第二実施形態の出品コンテンツの一例を示す図である。
本実施形態の出品コンテンツ40Aは、図5に示す第一実施形態の出品コンテンツ40と略同様の構成を有するが、入札表示部43に替えて、販売条件情報44が表示される。
販売条件情報44は、販売価格441、質問コメント442、応答コメントの締切期限443、応答コメント入力欄444、及び購入希望ボタン445等を備える。
販売価格441は、出品者が設定した出品物の価格である。質問コメント442は、出品情報において、出品者が設定した質問コメントである。
応答コメントの締切期限443は、出品者が設定した質問コメントに対する応答コメントの入力可能期間である。
応答コメント入力欄444は、出品物の購入を希望する第二ユーザが入力可能な応答コメントの入力欄である。なお、第三選択モードに基づいた出品情報では、質問コメント442、応答コメントの締切期限443、及び応答コメント入力欄444は表示されない。
購入希望ボタン445は、第二ユーザによって選択されることで、第二ユーザ端末20Bからサーバ装置10Aに、出品物の購入を希望する旨の交渉情報を送信するアイコンである。第四選択モードに基づいた出品コンテンツで購入希望ボタン445が選択される場合、交渉情報には応答コメントが含まれる。
【0058】
交渉受付部134Aは、本開示の購入希望受付部及び応答コメント受付部として機能する。交渉受付部134Aは、応答コメントの締切期限までの間で、第二ユーザ端末20Bから送信される交渉情報を受信する。
【0059】
選定要求送信部135は、第一実施形態と同様であるが、本例のフリマサービスでは、締切期限までに受信した交渉情報に基づいて、複数の購入希望者の応答コメントを含む選定要求を第一ユーザ端末20Aに送信する。ここで、オークションサービスとは異なり、フリマサービスは入札額の入力が不要であるため、応答コメントを含む交渉情報であれば、出品者による選定の候補となる。
売却先取得部136、及び売買処理部137は、第一実施形態と略同様である。
【0060】
このようなフリマサービスを提供するサーバ装置10Aでは、上記実施形態と略同様の方法により売買支援を行うことができる。
図9は、第二実施形態の情報処理方法を示すフローチャートである。
第二実施形態では、第一実施形態と同様、ステップS1で、出品情報取得部132が、第一ユーザ端末20Aから出品情報を取得し、ステップS2で、情報公開部133が、出品情報に基づいた出品コンテンツ40Aを生成する。
また、第二ユーザが第二ユーザ端末20Bを操作し、サーバ装置10Aが公開するフリマコンテンツにアクセスすることで、サーバ装置10Aは、第二ユーザ端末20Bにフリマコンテンツを送信する。フリマコンテンツは、出品物の検索や一覧表示等を案内するフリマサービスのコンテンツである。第二ユーザ端末20Bで所定の出品物が選択されることで、サーバ装置10Aは、図8に示すような出品コンテンツ40Aを第二ユーザ端末20Bに送信して表示させる。
【0061】
ここで、第三選択モードの出品コンテンツに対するオークションサービスに係る処理、つまり、出品者が応答コメントを必要としない場合の処理は、従来のフリマサービスと同一であるため、ここでの説明は省略し、以降、第四選択モードの出品コンテンツに対するオークションサービスに係る処理について説明する。
【0062】
サーバ装置10Aの交渉受付部134Aは、複数の第二ユーザ端末20Bから送信される交渉情報を受信し、出品情報に関連付けて記憶部12に記録する(ステップS3A)。
また、交渉受付部134Aは、応答コメントの締切期限となったか否かを判定する(ステップS4A)。ステップS4AにおいてNOと判定される場合は、ステップS3Aに戻る。
ステップS4AでYESと判定された場合、交渉受付部134Aは、以降の交渉情報を受け付けない。そして、選定要求送信部135は、受信した各交渉情報(応答コメントを含む)と、購入希望者(第二ユーザ)を示す例えばユーザID等の情報とを含む選定要求を第一ユーザ端末20Aに送信する(ステップS6A)。この際、第一実施形態と同様、選定要求送信部135は、選択した購入希望者のユーザ情報をユーザDB121から取得し、第一ユーザ端末20Aに送信する。ここで選択されるユーザ情報は、購入希望者が予め許可した情報に限定される。また、出品情報に基づいて、第一ユーザ端末20Aに送信するユーザ情報の内容を絞り込んでもよい。さらには、履歴情報に基づく関心スコアを、機械学習モデルから取得、または、所定のルールに従って算出し、第一ユーザ端末20Aに送信してもよい。
【0063】
これにより、選定要求を受信した第一ユーザ端末20Aは、サーバ装置10Aから送信された複数名の購入希望者の応答コメントを例えばディスプレイに表示し、出品者に購入者を選定させる。
出品者が購入者を決定する旨の設定入力を行うと、第一ユーザ端末20Aからサーバ装置10Aに対して、選定された購入者に関する売却先情報が送信される。
【0064】
この後ステップS7及びステップS8が実施される。つまり、サーバ装置10Aの売却先取得部136が、第一ユーザ端末20Aから売却先情報を受信し、売買処理部137は、出品者と、購入者となる第二ユーザとの間での出品物の売買の支援を行う売買処理(例えば決済処理)を実施する。
【0065】
[変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で、以下に示される変形をも含むものである。
【0066】
[変形例1]
上記第一実施形態では、質問コメントの設定タイミング及び応答コメントの受付タイミングとして、出品者(第一ユーザ)が、入札時と、オークション終了後とで選択できる例を示したが、いずれか一方に固定されていてもよい。
【0067】
[変形例2]
上記第一実施形態では、選定要求送信部135は、入札額が上位の複数の第二ユーザの応答コメントを第一ユーザ端末20Aに送信する例を示したが、上述したように、入札を行った全ての第二ユーザの応答コメントを送信するようにしてもよい。
【0068】
[変形例3]
上記第一実施形態及び第二実施形態において、選定要求送信部135は、第二ユーザの応答コメントに加え、当該第二ユーザのユーザ情報を送信する例を示すが、応答コメントのみを送信するようにしてもよい。
【0069】
また、応答コメントと、ユーザ情報との送信タイミングを異ならせてもよい。例えば、選定要求送信部135は、最初に複数の第二ユーザの応答コメントのみを第一ユーザ端末20Aに送信する。そして、第一ユーザが、送信された複数の第二ユーザから数名の第二ユーザを絞り込み、第一ユーザ端末20Aから絞り込まれた第二ユーザのユーザ情報の開示を要求するユーザ情報要求を送信する。そして、選定要求送信部135は、受信したユーザ情報要求に基づいて、絞り込まれた第二ユーザのユーザ情報のみを第一ユーザ端末20Aに送信してもよい。
或いは、選定要求送信部135は、最初に複数の第二ユーザのユーザ情報を送信し、第一ユーザが、ユーザ情報に基づいて数名の第二ユーザを絞り込み、その後、選定要求送信部135は、絞り込まれた第二ユーザの応答コメントを第一ユーザ端末20Aに送信してもよい。
【符号の説明】
【0070】
10,10A…サーバ装置(情報処理装置)、11…通信部、12…記憶部、13…制御部、20…ユーザ端末、20A…第一ユーザ端末、20B…第二ユーザ端末、131…ユーザ情報取得部、132…出品情報取得部(出品物情報取得部,質問取得部)、133…情報公開部、134…入札受付部(購入希望受付部,応答コメント受付部)、134A…交渉受付部(購入希望受付部,応答コメント受付部)、135…選定要求送信部、136…売却先取得部、137…売買処理部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9