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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043330
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/0175 20060101AFI20240322BHJP
   G11C 7/10 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H03K19/0175 220
G11C7/10 405
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148456
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 郁弥
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 稔史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 一彦
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 正一
(72)【発明者】
【氏名】久保田 賢郎
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 厚子
(72)【発明者】
【氏名】土屋 亮汰
(72)【発明者】
【氏名】阿部 花海
【テーマコード(参考)】
5J056
【Fターム(参考)】
5J056AA05
5J056BB28
5J056BB40
5J056BB60
5J056CC09
5J056DD13
5J056DD29
5J056EE14
5J056FF07
5J056FF09
5J056GG01
5J056GG13
(57)【要約】
【課題】 ZQキャリブレーションに要する時間を増大させることなく、正確な調整を可能にする。
【解決手段】 実施形態の半導体装置は、第1送信信号が与えられる第1パッドと、第2送信信号が与えられる第2パッドと、前記第1パッドに対応して設けられ、前記第1パッドに前記第1送信信号を出力する第1出力ドライバと、前記第2パッドに対応して設けられ、前記第2パッドに前記第2送信信号を出力する第2出力ドライバと、前記第1パッドに対応して設けられた第1基準抵抗と、前記第2パッドに対応して設けられた第2基準抵抗と、前記第1基準抵抗を用いて前記第1出力ドライバの抵抗値をキャリブレーションする第1設定回路と、前記第2基準抵抗を用いて前記第2出力ドライバの抵抗値をキャリブレーションする第2設定回路と、を具備する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1送信信号が与えられる第1パッドと、
第2送信信号が与えられる第2パッドと、
前記第1パッドに対応して設けられ、前記第1パッドに前記第1送信信号を出力する第1出力ドライバと、
前記第2パッドに対応して設けられ、前記第2パッドに前記第2送信信号を出力する第2出力ドライバと、
前記第1パッドに対応して設けられた第1基準抵抗と、
前記第2パッドに対応して設けられた第2基準抵抗と、
前記第1基準抵抗を用いて前記第1出力ドライバの抵抗値をキャリブレーションする第1設定回路と、
前記第2基準抵抗を用いて前記第2出力ドライバの抵抗値をキャリブレーションする第2設定回路と、
を具備する半導体装置。
【請求項2】
外付け基準抵抗を用いて、前記第1基準抵抗の抵抗値及び前記第2基準抵抗の抵抗値をそれぞれキャリブレーションする基準抵抗設定回路を更に具備する、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記基準抵抗設定回路は、前記第1基準抵抗の抵抗値をキャリブレーションした後、前記第2基準抵抗の抵抗値をキャリブレーションし、
前記第1及び第2設定回路は、それぞれ前記第1出力ドライバの抵抗値のキャリブレーションと前記第2出力ドライバの抵抗値のキャリブレーションとを個別に実行する、
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の基準抵抗は、前記第1パッドと前記第1出力ドライバの出力端との経路上と電源端子との間に設けられ、
前記第2の基準抵抗は、前記第2パッドと前記第2出力ドライバの出力端との経路上と電源端子との間に設けられる、
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記外付け基準抵抗が接続される第3パッドと、
前記第1パッドに対応して設けられ、前記第1パッドと前記第1出力ドライバの出力端との経路上と前記第3パッドとの間に設けられる第1スイッチと、
前記第2パッドに対応して設けられ、前記第2パッドと前記第2出力ドライバの出力端との経路上と前記第3パッドとの間に設けられる第2スイッチと、を更に具備する、
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1スイッチと前記第3パッドとの間の経路上の電圧と基準電圧とを比較すると共に、前記第2スイッチと前記第3パッドとの間の経路上の電圧と前記基準電圧とを比較する第1比較器を更に具備し、
前記基準抵抗設定回路は、前記第1比較器の出力を所定値に収束させるように前記第1基準抵抗の抵抗値をキャリブレーションすると共に、前記第1比較器の出力を所定値に収束させるように前記第2基準抵抗の抵抗値をキャリブレーションする、
請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1パッドに対応して設けられ、前記第1パッドと前記第1出力ドライバの出力端との経路上の電圧と前記基準電圧とを比較する第2比較器と、
前記第2パッドに対応して設けられ、前記第2パッドと前記第2出力ドライバの出力端との経路上の電圧と前記基準電圧とを比較する第3比較器と、を更に具備し、
前記第1設定回路は、前記第2比較器の出力を所定値に収束させるように前記第1出力ドライバの抵抗値をキャリブレーションし、
前記第2設定回路は、前記第3比較器の出力を所定値に収束させるように前記第2出力ドライバの抵抗値をキャリブレーションする
請求項5に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2比較器は、前記第1パッドに対応して設けられ、前記第1パッドを介して受信される受信信号と前記基準電圧とを比較する第1受信レシーバにより構成され、
前記第3比較器は、前記第2パッドに対応して設けられ、前記第2パッドを介して受信される受信信号と前記基準電圧とを比較する第2受信レシーバにより構成される
請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1基準抵抗は、前記第1パッドに対応して設けられる第1終端抵抗により構成され、
前記第2基準抵抗は、前記第2パッドに対応して設けられる第2終端抵抗により構成される
請求項7に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高速伝送が可能なOCD(オフチップドライバ)回路の出力ドライバには、温度や電圧変動によるインピーダンスずれを抑制するためのキャリブレーション(以下、ZQキャリブレーションという)を実行するキャリブレーション回路が採用されることがある。キャリブレーション回路は、出力ドライバを構成するトランジスタのオン抵抗の調整を行う。
【0003】
しかしながら、ZQキャリブレーションは、調整値の算出に比較的長時間を要するとともに、正確な調整が困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-152147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態は、ZQキャリブレーションに要する時間を増大させることなく、正確な調整を可能にすることができる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の半導体装置は、第1送信信号が与えられる第1パッドと、第2送信信号が与えられる第2パッドと、前記第1パッドに対応して設けられ、前記第1パッドに前記第1送信信号を出力する第1出力ドライバと、前記第2パッドに対応して設けられ、前記第2パッドに前記第2送信信号を出力する第2出力ドライバと、前記第1パッドに対応して設けられた第1基準抵抗と、前記第2パッドに対応して設けられた第2基準抵抗と、前記第1基準抵抗を用いて前記第1出力ドライバの抵抗値をキャリブレーションする第1設定回路と、前記第2基準抵抗を用いて前記第2出力ドライバの抵抗値をキャリブレーションする第2設定回路と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に関わるメモリシステムの構成例を示すブロック図。
図2】本実施形態の不揮発性メモリの構成例を示すブロック図。
図3】ロジック制御回路21の構成の一部を示す回路図。
図4】入出力回路22の一部の構成を示すブロック図。
図5】OCD回路50の構成の一例を示す回路図。
図6】抵抗回路500の具体的な構成の一例を示す回路図。
図7】ZQキャリブレーションの処理の流れを示す説明図。
図8】実施形態の動作を説明するための回路図。
図9】実施形態の動作を説明するための回路図。
図10】実施形態の動作を説明するための回路図。
図11】第2の実施形態を示す回路図。
図12】第3の実施形態を示す回路図。
図13】ODT回路700の具体的な構成の一例を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
NAND型メモリ等の半導体装置は、各種信号の伝送のために、複数のDQパッドを有する。一般的なZQキャリブレーションでは、1つの外付け抵抗を利用し、1つのZQパッドに接続される出力ドライバのオン抵抗を調整するための調整値を求め、求めた調整値を用いて全てのDQパッドに接続される出力ドライバのオン抵抗のキャリブレーションを実施する。しかし、各DQパッドに接続された出力ドライバは、それぞれ、チップにおける位置が異なり、出力ドライバを構成するトランジスタの特性が、製造プロセスのばらつきにより、異なる場合がある。したがって、上記の場合には、各DQパッドに接続された出力ドライバのオン抵抗をチップ内で一律に設定する場合、出力ドライバ間で出力特性のばらつきを補正することができない可能性がある。そこで、全出力ドライバのオン抵抗をばらつき無く設定するために、1つの外付け抵抗を利用し、各DQパッドに接続されたOCD回路毎に、出力ドライバのオン抵抗のキャリブレーションを順に実施する手法が考えられる。しかしながら、この場合には、全てのDQパッドに接続される出力ドライバ毎に調整値を求める必要があり、ZQキャリブレーションの実施に極めて長い時間を要する。
【0010】
そこで、本実施形態は、DQパッド毎に設けられた各OCD回路内にそれぞれ基準抵抗を設けることで、各DQの出力ドライバのZQキャリブレーションを同時に実施可能にするものである。なお、本実施形態はNAND型メモリの出力ドライバに適用する例を説明するが、これに限定されるものではない。
【0011】
(メモリシステムの構成)
図1は、実施形態に関わるメモリシステムの構成例を示すブロック図である。本実施形態のメモリシステムは、メモリコントローラ1と不揮発性メモリ2A~2D(以下、これらの不揮発性メモリ2A~2Dを区別する必要が無い場合に、不揮発性メモリ2という)とを備える。メモリシステムは、ホストと接続可能である。ホストは、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末などの電子機器である。
【0012】
不揮発性メモリ2は、データを不揮発に記憶する半導体装置であり、例えば、NAND型メモリにより構成される。本実施形態では、不揮発性メモリ2は、メモリセルトランジスタあたり3bitを記憶可能なメモリセルトランジスタを有するNANDメモリ、すなわち3bit/Cell(TLC:Triple Level Cell)のNANDメモリであってもよいが、これに限定されるものではない。不揮発性メモリ2は、3次元化されている。
【0013】
メモリコントローラ1は、ホストからの書き込みリクエストに従って不揮発性メモリ2へのデータの書き込みを制御する。また、メモリコントローラ1は、ホストからの読み出しリクエストに従って不揮発性メモリ2からのデータの読み出しを制御する。メモリコントローラ1は、RAM(Random Access Memory)11、プロセッサ12、ホストインターフェイス13、ECC(Error Check and Correct)回路14およびメモリインターフェイス15を備える。RAM11、プロセッサ12、ホストインターフェイス13、ECC回路14およびメモリインターフェイス15は、互いに内部バス16により接続される。
【0014】
ホストインターフェイス13は、ホストから受信したリクエスト、ユーザデータである書き込みデータなどを内部バス16に出力する。また、ホストインターフェイス13は、不揮発性メモリ2から読み出されたユーザデータ、プロセッサ12からの応答などをホストへ送信する。
【0015】
メモリインターフェイス15は、プロセッサ12の指示に基づいてユーザデータ等を不揮発性メモリ2へ書き込む処理および不揮発性メモリ2から読み出す処理を制御する。
【0016】
プロセッサ12は、メモリコントローラ1を統括的に制御する。プロセッサ12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等である。プロセッサ12は、ホストからホストインターフェイス13経由でリクエストを受けた場合に、そのリクエストに従った制御を行う。例えば、プロセッサ12は、ホストからのリクエストに従って、不揮発性メモリ2へのユーザデータおよびパリティの書き込みをメモリインターフェイス15へ指示する。また、プロセッサ12は、ホストからのリクエストに従って、不揮発性メモリ2からのユーザデータおよびパリティの読み出しを、メモリインターフェイス15へ指示する。
【0017】
プロセッサ12は、RAM11に蓄積されるユーザデータに対して、不揮発性メモリ2上の格納領域(以下、メモリ領域という)を決定する。ユーザデータは、内部バス16経由でRAM11に格納される。プロセッサ12は、メモリ領域の決定を、書き込み単位であるページ単位のデータ、すなわちページデータ、に対して実施する。本明細書では、不揮発性メモリ2の1ページに格納されるユーザデータをユニットデータと定義する。ユニットデータは、例えば、符号化されて符号語として不揮発性メモリ2に格納される。
【0018】
なお、符号化は必須ではない。メモリコントローラ1は、符号化せずにユニットデータを不揮発性メモリ2に格納してもよいが、図1では、一構成例として符号化を行う構成を示している。メモリコントローラ1が符号化を行わない場合には、ページデータはユニットデータと一致する。また、1つのユニットデータに基づいて1つの符号語が生成されてもよいし、ユニットデータが分割された分割データに基づいて1つの符号語が生成されてもよい。また、複数のユニットデータを用いて1つの符号語が生成されてもよい。
【0019】
プロセッサ12は、ユニットデータごとに書き込み先の不揮発性メモリ2のメモリ領域を決定する。不揮発性メモリ2のメモリ領域には物理アドレスが割当てられている。プロセッサ12は、ユニットデータの書き込み先のメモリ領域を、物理アドレスを用いて管理する。プロセッサ12は、決定したメモリ領域の物理アドレスを指定してユーザデータを不揮発性メモリ2へ書き込むようメモリインターフェイス15へ指示する。プロセッサ12は、ユーザデータの論理アドレス(ホストが管理する論理アドレス)と物理アドレスとの対応を管理する。プロセッサ12は、ホストからの論理アドレスを含む読み出しリクエストを受信した場合は、論理アドレスに対応する物理アドレスを特定し、物理アドレスを指定してユーザデータの読み出しをメモリインターフェイス15へ指示する。
【0020】
ECC回路14は、RAM11に格納されたユーザデータを符号化して符号語を生成する。また、ECC回路14は、不揮発性メモリ2から読み出された符号語を復号する。
【0021】
RAM11は、ホストから受信したユーザデータを不揮発性メモリ2へ記憶するまでに一時格納したり、不揮発性メモリ2から読み出したデータをホストへ送信するまでに一時格納する。RAM11は、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの汎用メモリである。
【0022】
図1では、メモリコントローラ1が、ECC回路14とメモリインターフェイス15をそれぞれ備える構成例を示した。しかしながら、ECC回路14がメモリインターフェイス15に内蔵されていてもよい。また、ECC回路14が、不揮発性メモリ2に内蔵されていてもよい。
【0023】
ホストから書き込みリクエストを受信した場合、メモリコントローラ1は次のように動作する。プロセッサ12は、書き込みデータをRAM11に一時記憶させる。プロセッサ12は、RAM11にストアされたデータを読み出し、ECC回路14に入力する。ECC回路14は、入力されたデータを符号化し、符号語をメモリインターフェイス15に与える。メモリインターフェイス15は、入力された符号語を不揮発性メモリ2に書き込む。
【0024】
ホストから読み出しリクエストを受信した場合、メモリコントローラ1は次のように動作する。メモリインターフェイス15は、不揮発性メモリ2から読み出した符号語をECC回路14に与える。ECC回路14は、入力された符号語を復号し、復号されたデータをRAM11にストアする。プロセッサ12は、RAM11にストアされたデータを、ホストインターフェイス13を介してホストに送信する。
【0025】
(不揮発性メモリの概略構成)
図2は、本実施形態の不揮発性メモリの構成例を示すブロック図である。
【0026】
不揮発性メモリ2は、ロジック制御回路21、入出力回路22、レジスタ26、シーケンサ27、入出力用パッド群32、ロジック制御用パッド群34、電源入力用パッド群35、複数のプレーンPB0,PB1,…(以下、これらのプレーンPB0,PB1,…を区別する必要がない場合にはプレーンPBという)及び、チップ内電源生成回路40を備えている。なお、図2ではプレーンPBのプレーン数が4の例を示しているが、不揮発性メモリ2が備えるプレーンの数はこれに限られるものではない。例えば、不揮発性メモリ2が備えるプレーンの数は2、3、8、16等であってもよい。
【0027】
入出力用パッド群32は、メモリコントローラ1との間でデータを含む各信号の送受信を行うため、信号DQ<7:0>に対応する、及び、データストローブ信号DQS、/DQSに対応する複数の端子(パッド)を備えている。
【0028】
先頭に記号"/"が付された信号 は、アクティブ・ローまたは負論理であることを示す。すなわち、先頭に記号"/"が付されていない信号は、"H"レベルのときにアクティブになるのに対して、先頭に記号"/"が付された信号は、"L"レベルのときにアクティブになる。
【0029】
ロジック制御用パッド群34は、メモリコントローラ1との間で各信号の送受信を行うため、チップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE、/RE、ライトプロテクト信号/WP、及びレディー/ビジー信号R/Bに対応する複数の端子(パッド)を備えている。
【0030】
信号/CEは、不揮発性メモリ2の選択を可能にする。信号CLEは、信号DQとして送信されるコマンドをコマンドレジスタにラッチすることを可能にする。信号ALEは、信号DQとして送信されるアドレスをアドレスレジスタにラッチすることを可能にする。信号/WEは、書き込みを可能にする。信号RE,/REは、読み出しを可能にする。信号/WPは、書き込み及び消去を禁止する。信号R/Bは、不揮発性メモリ2がレディー状態(外部からの命令を受け付けることが可能である状態)であるか、ビジー状態(外部からの命令を受け付けることができない状態)であるかを示す。メモリコントローラ1は、信号R/Bを受けることで、不揮発性メモリ2の状態を知ることができる。
【0031】
電源入力用パッド群35は、外部から不揮発性メモリ2に、種々の動作電源を供給するため、電源電圧VCC、VCCQ、VPPと、接地電圧VSSを入力する複数の電源パッドを備えている。電源電圧VCCは、動作電源として一般的に外部から与えられる回路電源電圧であり、例えば3.3V程度の電圧である。電源電圧VCCQは、例えば1.2Vの電圧である。電源電圧VCCQは、メモリコントローラ1と不揮発性メモリ2との間で信号を送受信する際に用いられる。電源電圧Vppは、電源電圧VCCよりも高圧の電源電圧であり、例えば12Vの電圧である。
【0032】
電源入力用パッド群35からの各種電圧は、チップ内電源生成回路40に供給される。電源入力用パッド群35の各電源パッドには、外部の電源回路から、直接又はメモリコントローラ1経由で上述した各種電源電圧が供給される。チップ内電源生成回路40は、電源入力用パッド群35を介して供給される電源電圧を用いて不揮発性メモリ2の各部を動作させるための内部電源電圧を生成する。即ち、チップ内電源生成回路40は、電源入力用パッド群35の各電源パッドを介して電圧VPP,VCC,VCCQ,VSSが与えられ、電圧VCC,VCCQ,VSSをそのまま不揮発性メモリ2の各部に供給すると共に、電圧VRFF,VDDを生成して不揮発性メモリ2の各部に供給する。チップ内電源生成回路40は、電源電圧VDDについては、電源パッドVCCを介して入力された電圧VCCを用いて生成し、生成した電源電圧VDDを、VDD配線を経由して不揮発性メモリ2の各部に供給する。
【0033】
ロジック制御回路21及び入出力回路22は、NANDバスを介して、メモリコントローラ1に接続される。入出力回路22は、メモリコントローラ1との間でNANDバスを介して、信号DQ(例えばDQ0~DQ7)を送受信する。
【0034】
ロジック制御回路21は、メモリコントローラ1からNANDバスを介して、外部制御信号(例えば、チップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、書き込みイネーブル信号/WE、読み出しイネーブル信号RE,/RE、及びライトプロテクト信号/WP)を受信する。また、ロジック制御回路21は、NANDバスを介して、メモリコントローラ1にレディー/ビジー信号R/Bを送信する。
【0035】
レジスタ26は、コマンドレジスタ、アドレスレジスタ、及びステータスレジスタなどを備える。コマンドレジスタは、コマンドを一時的に保持する。アドレスレジスタは、アドレスを一時的に保持する。ステータスレジスタは、不揮発性メモリ2の動作に必要なデータを一時的に保持する。レジスタ26は、例えばSRAMから構成される。
【0036】
制御回路としてのシーケンサ27は、レジスタ26からコマンドを受け、このコマンドに基づくシーケンスに従って不揮発性メモリ2を制御する。
【0037】
各プレーンPBには、それぞれ図示しない電圧生成回路、メモリセルアレイ、センスアンプ及びロウデコーダが設けられている。メモリセルアレイには、複数のメモリセルトランジスタ(メモリセル)が構成される。メモリセルトランジスタに印加する電圧を制御するために、各プレーンPBには、複数のビット線、複数のワード線、及びソース線などが配設される。
【0038】
電圧生成回路により生成された電圧がセンスアンプ及びロウデコーダに与えられて、センスアンプ及びロウデコーダにより、複数のビット線、複数のワード線、及びソース線などに各種電圧が供給されて、メモリセルトランジスタに対する書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作が行われる。
【0039】
図3はロジック制御回路21の構成の一部を示す回路図である。ロジック制御回路21は、ロジック制御用パッド群33の各端子毎に、入力レシーバ21a及び/又は出力ドライバ21bを含む。入力レシーバ21aは、各端子を介して入力された信号を受信する。出力ドライバ21bは、各端子を介して出力する信号を送信する。
【0040】
図4は入出力回路22の一部の構成を示すブロック図である。図4に示すように、入出力回路22は、入出力用パッド群32の各パッドDQ<0>~DQ<9>(以下、これらを代表してパッドDQ<x>(xは0~9)という)にそれぞれ接続されるOCD回路50<0>~50<9>(以下、OCD回路50<0>~50<9>を区別しない場合には、OCD回路50という)を含む。OCD回路50<0>~50<9>は、相互に同一構成である。OCD回路50は、入力レシーバIREC及び出力ドライバ510を含む。入力レシーバIRECは、各パッドDQ<x>を介して入力された信号を受信し、出力ドライバ510は、各パッドDQ<x>を介して送信する信号を出力する。
【0041】
また、OCD回路50は、抵抗回路500、判定回路600、Ron設定回路610及びスイッチ504を含む。スイッチ504は、出力ドライバの510出力端と、抵抗回路500及び判定回路600との間を導通又は非導通とする。
【0042】
入出力回路22は、制御回路60を含む。制御回路60は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いたプロセッサによって構成されていてもよい。制御回路60は、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って動作して各部を制御するものであってもよいし、ハードウェアの電子回路で機能の一部又は全部を実現するものであってもよい。
【0043】
制御回路60は、各OCD回路50を制御する。制御回路60は、基準抵抗設定回路613を含む。基準抵抗設定回路613は、各OCD回路50にそれぞれ設けられた後述する抵抗回路500の抵抗値を設定する。
【0044】
入出力回路22は、スイッチ52及び比較器53を含む。スイッチ52は、一端が外付け抵抗を接続するためのパッドZQに接続され、他端が各OCD回路50に接続される。スイッチ52は、制御回路60に制御されてオン,オフし、パッドZQと各OCD回路50の判定回路600とを導通させるか又は非導通にする。スイッチ52の他端には、比較器53の一方入力端が接続される。比較器53の他方入力端には、チップ内電源生成回路40からの電圧VREFが与えられる。比較器53は、スイッチ52の他端の電圧と電圧VREFとを比較して、両者の差分に基づく信号FLG1を制御回路60に出力する。制御回路60中の基準抵抗設定回路613は、この信号FLG1を用いて、後述するように、抵抗回路500の抵抗値を設定するようになっている。
【0045】
図5はOCD回路50の構成の一例を示す回路図である。OCD回路50<0>~<9>は、それぞれ入出力用パッド群32の対応するパッドDQ<0>~パッドDQ<9>に接続される。OCD回路50は、パッドDQ<x>を介して入力される信号を受信するインプットレシーバIRECと、パッドDQ<x>を介して送信する信号を出力する出力ドライバ510を含む。出力ドライバ510は、プルアップ回路511Pとプルダウン回路511Nとを含む。
【0046】
プルアップ回路511Pは、PチャネルMOSトランジスタMP0~MP4(以下、これらのトランジスタMP0~MP4を区別する必要が無い場合には、代表してトランジスタMPという)により構成される。プルダウン回路511Nは、NチャネルMOSトランジスタMN0~MN4(以下、これらのトランジスタMN0~MN4を区別する必要が無い場合には、代表してトランジスタMNという)により構成される。なお、トランジスタMP及びMNの個数は、後述するインピーダンス制御信号PCODEB,NCODEBに応じて適宜設定可能である。なお、プルアップ回路511Pは、PチャネルMOSトランジスタにより構成するものでなくてもよく、プルダウン回路511Nは、NチャネルMOSトランジスタにより構成するものでなくてもよい。
【0047】
電源端子には電圧VCCQが印加され、基準電位点には電圧VSSが印加される。なお、電源端子には、外部電源が供給されるようになっていてもよい。この電源端子と基準電位点との間には、複数のトランジスタMPのソース・ドレイン路及び複数のトランジスタMNのドレイン・ソース路が接続される。トランジスタMPのドレインとトランジスタMNのドレインとの接続点は、パッドDQ<x>に接続される。
【0048】
トランジスタMPのソースは電源端子に接続され、ドレインはパッドDQ<x>に接続される。即ち、各トランジスタMPのソース・ドレイン路は並列接続される。トランジスタMPの各ゲートには、それぞれ制御信号P0~P4が供給される。トランジスタMNのソースは基準電位点に接続され、ドレインはパッドDQ<x>に接続される。即ち、各トランジスタMNのドレイン・ソース路は並列接続される。トランジスタMNの各ゲートには、それぞれ制御信号N0~N4が供給される。
【0049】
プルアップ回路511P及びプルダウン回路511Nの各トランジスタMP,MNは、Ron設定回路610により制御される。即ち、Ron設定回路610は、送信データに応じた制御信号P0~P4(以下、これらを区別しない場合には制御信号Pという),N0~N4(以下、これらを区別しない場合には制御信号Nという)を、トランジスタMP0~MP4,MN0~MN4の各ゲートに与える。制御信号P,Nにより、トランジスタMP0~MP4のいずれかがオンとなりトランジスタMNがオフとなることでパッドDQ<x>はハイレベル(以下、Hレベルという)となる。また、制御信号P,Nにより、トランジスタMPがオフとなり,トランジスタMN0~MN4のいずれかがオンとなることでパッドDQ<x>はローレベル(以下、Lレベルという)となる。パッドDQ<x>からは制御信号P,Nに応じたデータが送信される。
【0050】
トランジスタMP,MNのうちオンとなる(活性化する)トランジスタに応じて、出力ドライバ510の抵抗値が決定する。トランジスタの抵抗値(オン抵抗)は、ゲート長,ゲート幅等の設定により変更することが可能である。例えば、各トランジスタMP,MNの抵抗値を、それぞれ2のべき乗の重みを付す等の相互に異なる値に設定することで、少ないトランジスタ数で広範囲の抵抗値を微調整することが可能である。制御信号P,Nによって、オンにする(活性化する)トランジスタを制御することで、出力ドライバ510のオン抵抗Ronを調整するZQキャリブレーションが可能である。
【0051】
図5に示すように、Ron設定回路610は、PMOS側Ron設定回路611PとNMOS側Ron設定回路611Nと、NAND回路620~624,630~634,640~644,650~654とを備える。
【0052】
NAND回路620~624はそれぞれ、第1入力端にインピーダンス制御信号PCODEB<0>~PCODEB<4>(以下、インピーダンス制御信号PCODEB<0>~PCODEB<4>を代表してインピーダンス制御信号PCODEBという)が入力される。また、NAND回路620~624は、第2入力端にプルアップ信号DOPが入力される。NAND回路620~624はそれぞれ、インピーダンス制御信号PCODEB<0>~PCODEB<4>とプルアップ信号DOPとのNAND演算の結果を、NAND回路630~634の第1入力端に出力する。NAND回路630~634の第2入力端には、それぞれインピーダンス制御信号PCODEB<0>~PCODEB<4>が入力され、NAND回路630~634は、2入力のNAND演算を行って、演算結果を制御信号P0~P4としてそれぞれトランジスタMP0~MP4のゲートに与える。
【0053】
NAND回路640~644はそれぞれ、第1入力端にインピーダンス制御信号NCODEB<0>~NCODEB<4>が入力される。また、NAND回路640~644は、第2入力端にプルダウン信号DONが入力される。NAND回路640~644はそれぞれ、インピーダンス制御信号NCODEB<0>~NCODEB<4>とプルダウン信号DONとのNAND演算の結果を、NAND回路650~654に出力する。NAND回路650~654は、それぞれNAND回路640~644の出力を反転させて出力する。NAND回路650~654の出力は、それぞれ制御信号N0~N4としてトランジスタMN0~MN4のゲートに供給される。
【0054】
インピーダンス制御信号PCODEBがLレベルの場合には、プルアップ信号DOPの極性によらず、NAND回路630~634の出力はHレベルとなる。即ち、この場合には、トランジスタMPはオフである。また、インピーダンス制御信号PCODEBがHレベルの場合には、プルアップ信号DOPと同じ極性の出力をNAND630~634が出力する。従って、プルアップ信号DOPのLレベルに対応する制御信号PがLレベルとなって、当該Lレベルの制御信号Pがゲートに印加されるトランジスタMPがオンとなる。
【0055】
インピーダンス制御信号NCODEBがLレベルの場合には、プルダウン信号DOPの極性によらず、NAND回路650~654の出力はLレベルとなる。即ち、この場合には、トランジスタMNはオフである。また、インピーダンス制御信号NCODEBがHレベルの場合には、プルダウン信号DONと同じ極性の出力をNAND650~654が出力する。従って、プルダウン信号DONのHレベルに対応する制御信号PがHレベルとなって、当該Hレベルの制御信号Pがゲートに印加されるトランジスタMNがオンとなる。
【0056】
従って、プルアップ信号DOPをLレベル、プルダウン信号DONをLレベルにすることにより、Hレベルのインピーダンス制御信号PCODEBに対応するトランジスタMPがオンとなり、トランジスタMNがオフとなって、パッドDQ<x>はHレベルの出力が現れる。この場合には、出力ドライバ510のオン抵抗Ronは、インピーダンス制御信号PCODEBによりオンとなったトランジスタMPに応じた抵抗値となる。
【0057】
また、プルアップ信号DOPをHレベル、プルダウン信号DONをHレベルにすることにより、トランジスタMPがオフとなり、Hレベルのインピーダンス制御信号NCODEBに対応するトランジスタMNがオンとなって、パッドDQ<x>はLレベルの出力が現れる。この場合には、出力ドライバ510のオン抵抗Ronは、インピーダンス制御信号NCODEBによりオンとなったトランジスタMNに応じた抵抗値となる。
【0058】
PMOS側Ron設定回路611P及びNMOS側Ron設定回路611Nには、ZQキャリブレーション時に信号FLG2が供給される。PMOS側Ron設定回路611P及びNMOS側Ron設定回路611Nは、後述するように、インピーダンス制御信号PCODEB,NCODEBをNAND回路620~624,640~644に与えると共に、信号FLG2の値に応じて、インピーダンス制御信号PCODEB,NCODEBを変化させることで、オン抵抗Ronが所定値に最も近づいたときのインピーダンス制御信号PCODEB,NCODEBを求める。
【0059】
PMOS側Ron設定回路611Pは、レジスタ612Pを備えており、信号FLG2が最も所定値に近づいたときのインピーダンス制御信号PCODEBを調整値としてレジスタ612Pに格納する。PMOS側Ron設定回路611Pは、レジスタ612Pに記憶されているインピーダンス制御信号PCODEBをNAND回路620~624に出力する。
【0060】
また、NMOS側Ron設定回路611Nは、レジスタ612Nを備えており、信号FLG2が最も所定値に近づいたときのインピーダンス制御信号NCODEBを調整値としてレジスタ612Nに格納する。NMOS側Ron設定回路611Nは、レジスタ612Nに記憶されているインピーダンス制御信号NCODEBをNAND回路640~644に出力する。
【0061】
このように、信号FLG2に基づいてインピーダンス制御信号PCODEB,NCODEBが決定することで、出力ドライバ510のオン抵抗Ronが設定される。なお、後述するように、制御回路60は、各OCD回路50のRon設定回路610に対して、同時にオン抵抗Ronの調整を指示するようになっている。これにより、各OCD回路50は、相互に独立して、且つ同時に、Ron設定回路610によるZQキャリブレーションを実施する。
【0062】
本実施形態においては、各OCD回路50のオン抵抗Ronを個別に制御するための信号FLG2を得るために、各OCD回路50には、それぞれ抵抗回路500が設けられる。
【0063】
基準抵抗として機能する抵抗回路500の一端は電圧VCCQを供給する電源端子に接続され、抵抗回路500の他端(ノードPT)はスイッチ503,52を介してパッドZQに接続される。スイッチ503及び後述するスイッチ504は、制御回路60により、オン,オフが制御されるようになっている。抵抗回路500は、制御回路60の基準抵抗設定回路613からの制御信号によって、抵抗値が可変に構成される。例えば、抵抗回路500は、ドレイン・ソース路が並列接続された複数のトランジスタによって構成することができる。
【0064】
図6は抵抗回路500の具体的な構成の一例を示す回路図である。
【0065】
抵抗回路500は、複数のNMOSトランジスタMTにより構成することができる。各トランジスタMTのドレインは電源端子に共通接続される。また、各トランジスタMTのソースはノードPTに接続可能である。各トランジスタMTのゲートには、それぞれ基準抵抗設定回路613からインピーダンス制御信号CODEA<0>~CODEA<n>(nは1以上の整数)が供給される。トランジスタMTは、Hレベルとなったインピーダンス制御信号CODEA<0>~CODEA<n>(以下、インピーダンス制御信号CODEA<0>~CODEA<n>を代表してインピーダンス制御信号CODEAという)によってオンとなり、オンとなったトランジスタのオン抵抗によって、抵抗回路500の抵抗値(以下、パッド毎基準抵抗ともいう)が決定する。
【0066】
基準抵抗設定回路613は、不揮発性のレジスタ614を有しており、基準抵抗設定回路613は、抵抗回路500の抵抗値を設定するための調整値をレジスタ614に格納する。なお、各OCD回路50はそれぞれ抵抗回路500を有しており、レジスタ614は、各OCD回路50の抵抗回路500毎に調整値を記憶するようになっている。
【0067】
なお、抵抗回路500とノードPTとの間は非導通とする場合があるが、抵抗回路500を図6に示すトランジスタMTにより構成した場合には、全トランジスタMTをオフにすることにより、抵抗回路500とノードPTとを非導通にすることができる。
【0068】
図5において、ノードPTは、スイッチ504を介してパッドDQ<x>に接続されると共に、VREF供給回路502にも接続される。VREF供給回路502は、電圧VREFをインプットレシーバIRECの一方入力端に供給する。インプットレシーバIRECは、他方入力端がパッドDQ<x>に接続されている。インプットレシーバIRECは、例えばバッファとして機能し、パッドDQ<x>を介して入力された信号とVREF供給回路502からの電圧VREFとを比較することで入力信号の論理を判定し、入力信号を例えば不揮発性メモリ2内で処理するための適正な電圧レベルに変換して、不揮発性メモリ2内の他の回路に転送する。
【0069】
本実施形態においては、VREF供給回路502は電圧VREFを比較器501の一方入力端にも供給するようになっている。比較器501は、他方入力端にノードPTの電圧が印加される。比較器501は、2入力の差に応じたレベルの信号FLG2を出力するようになっている。なお、VREF供給回路502からの電圧VREFの供給先は、制御回路60により制御されるようになっている。比較器501、VREF供給回路502及びスイッチ503によって、判定回路600が構成される。
【0070】
次に、このように構成された実施形態の動作について図7から図10を参照して説明する。図7はZQキャリブレーションの処理の流れを示す説明図であり、図8から図10は実施形態の動作を説明するためのは回路図である。図8から図10において図3及び図5と同一の構成要素には同一符号を付してある。なお、図8から図10は、図5のOCD回路50の構成を簡略化して示している。
【0071】
本実施形態におけるZQキャリブレーションは、各パッドDQ<x>に接続されたOCD回路50内の抵抗回路500の抵抗値(パッド毎基準抵抗)を設定する第1ステップと、抵抗回路500を用いて出力ドライバ510のオン抵抗Ronを調整する第2ステップとを含む。図8は第1ステップを説明するものであり、図9及び図10は、第2ステップを説明するものである。
【0072】
図7に示すように、ZQキャリブレーションの第1ステップは、各OCD回路50の抵抗回路500を規定の抵抗値に順次補正するものである。図8は太線にて第1ステップにおける接続状態を示している。第1ステップでは、パッドZQと外部の基準電位点との間に基準抵抗RZQを接続する。また、制御回路60は、スイッチ504をオフにし、スイッチ52、503をオンにし、抵抗回路500の抵抗値を初期値に設定する。
【0073】
スイッチ52,503がオンであるので、パッドZQとノードPTとの間が電気的に接続される。これにより、電源端子から抵抗回路500、ノードPT、スイッチ503、スイッチ52、パッドZQ及び基準抵抗RZQを介して外部の基準電位点に電流が流れる。ノードPTの電圧は、抵抗回路500の抵抗値と基準抵抗RZQの抵抗値とによって決まる。いま、電源端子に電圧VCCQを印加するものとし、抵抗回路500の抵抗値が基準抵抗RZQの抵抗値に一致しているものとすると、ノードPTの電圧は、VCCQ/2となる。比較器53は、ノードPTの電圧と電圧VREF(例えばVCCQ/2)とを比較し、2入力の差分を信号FLG1として制御回路60に出力する。
【0074】
抵抗回路500の抵抗値が基準抵抗RZQの抵抗値よりも大きい場合にはノードPTの電圧は電圧VREFよりも低くなり、抵抗回路500の抵抗値が基準抵抗RZQの抵抗値よりも小さい場合にはノードPTの電圧は電圧VREFよりも高くなる。例えば、比較器53は、抵抗回路500の抵抗値が基準抵抗RZQの抵抗値よりも大きい場合には負の信号FLG1を出力し、抵抗回路500の抵抗値が基準抵抗RZQの抵抗値よりも小さい場合には正の信号FLG1を出力する。制御回路60の基準抵抗設定回路613は、抵抗回路500の抵抗値を変化させながら、信号FLG1の出力を所定の値に収束させることで、抵抗回路500の抵抗値を基準抵抗RZQの抵抗値に一致させる。なお、抵抗回路500の抵抗値の分解能によっては、抵抗回路500の抵抗値を基準抵抗RZQの抵抗値に完全に一致させることができないことがある。この場合には、抵抗回路500の抵抗値を基準抵抗RZQの抵抗値に最も近くなる抵抗値に設定する。以下の説明においても、抵抗値を一致させるという語句は、このような場合を含むものとする。基準抵抗設定回路613は、抵抗回路500の抵抗値が基準抵抗RZQに一致したときの調整値(インピーダンス制御信号CODEA)をレジスタ614に格納する。
【0075】
制御回路60がスイッチ503をオンにすることによって、OCD回路50内の抵抗回路500について抵抗値の補正が実施される。制御回路60は、スイッチ503をオンにするOCD回路50を順次切換えることで、図7に示すように、各OCD回路50の抵抗回路500の抵抗値を基準抵抗RZQに一致させるための調整値を順次求めて、レジスタ614に格納する。
【0076】
このような第1ステップは、例えば、工場出荷前のセル評価時に実行してもよい。これに対し、第2ステップは、例えば、工場出荷後の所定のタイミングで実施してもよい。なお、本実施形態では、第1ステップでは、基準抵抗RZQを用いたが、第2ステップでは抵抗回路500を利用するので、基準抵抗RZQは不要である。従って、例えば出荷後のZQキャリブレーションに際して、基準抵抗RZQを用意する必要は無い。
【0077】
第2ステップにおいては、出力ドライバ510中のトランジスタMNのオン抵抗Ronの調整と、トランジスタMPのオン抵抗Ronの調整とを別々に行う。先ず、トランジスタMNのオン抵抗Ronの調整を行う。図9は太線にて第2ステップにおけるトランジスタMNのオン抵抗Ron調整時の接続状態を示している。この場合には、制御回路60は、第1ステップで求めた調整値(インピーダンス制御信号CODEA)を抵抗回路500に設定することで、抵抗回路500の抵抗値を基準抵抗RZQの抵抗値に一致させる。また、制御回路60は、スイッチ503をオフにし、スイッチ504をオンにする。また、制御回路60は、Ron設定回路610を制御して、トランジスタMNの抵抗値を初期値に設定し、トランジスタMPをオフにする。また、制御回路60は、VREF供給回路502からのVREFを比較器501に与える。
【0078】
スイッチ504がオンであるので、ノードPTとトランジスタMNのドレインとの間は電気的に接続される。これにより、電源端子から抵抗回路500、ノードPT、スイッチ504、初期設定によりオンとなったトランジスタMNの電流経路を介して内部の基準電位点に電流が流れる。ノードPTの電圧は、抵抗回路500の抵抗値とトランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値とによって決まる。いま、電源端子に電圧VCCQを印加するものとし、トランジスタMNのオン抵抗Ronが抵抗回路500の抵抗値に一致しているものとすると、ノードPTの電圧は、VCCQ/2となる。比較器501は、ノードPTの電圧と電圧VREF(=VCCQ/2)とを比較し、2入力の差分を信号FLG2としてRon設定回路610に出力する。
【0079】
抵抗回路500の抵抗値がトランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値よりも大きい場合にはノードPTの電圧は電圧VREFよりも低くなり、抵抗回路500の抵抗値がトランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値よりも小さい場合にはノードPTの電圧は電圧VREFよりも高くなる。例えば、比較器501は、抵抗回路500の抵抗値がトランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値よりも大きい場合には負の信号FLG2を出力し、抵抗回路500の抵抗値がトランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値よりも小さい場合には正の信号FLG2を出力する。Ron設定回路610のNMOS側Ron設定回路611Nは、トランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値を変化させながら、信号FLG2の出力を所定の値に収束させることで、トランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値を抵抗回路500の抵抗値に一致させる。Ron設定回路610のNMOS側Ron設定回路611Nは、トランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値が抵抗回路500の抵抗値に一致したときの調整値をレジスタ612Nに格納する。
【0080】
各OCD回路50には、基準抵抗RZQを用いて抵抗値が調整された抵抗回路500がそれぞれ設けられており、トランジスタMNのオン抵抗Ronの調整は、図7に示すように、全てのOCD回路50において同時に実施可能である。
【0081】
次に、トランジスタMPのオン抵抗Ronの調整を行う。図10は太線にて第2ステップにおけるトランジスタMPのオン抵抗Ron調整時の接続状態を示している。この場合には、制御回路60は、スイッチ503をオフにし、スイッチ504をオンにし、抵抗回路500とノードPTとの間の導通を遮断する。例えば、制御回路60は、抵抗回路500を構成する全てのトランジスタをオフにすることで、抵抗回路500とノードPTとの導通を遮断することができる。制御回路60は、VREF供給回路502からのVREFを比較器501に与える。
【0082】
Ron設定回路610のNMOS側Ron設定回路611Nは、レジスタ612Nに記憶されている調整値に基づくインピーダンス制御信号NCODEBを出力する。このインピーダンス制御信号NCODEBに基づいて制御信号Nが各トランジスタMNに与えられて、プルダウン回路511Nのオン抵抗Ronが設定される。この状態で、制御回路60は、Ron設定回路610を制御して、トランジスタMPの抵抗値を初期値に設定する。
【0083】
トランジスタMN中の制御信号Nに基づく一部のトランジスタ及び初期設定に基づくトランジスタMPの一部のトランジスタはオンであり、電源端子と基準電位点との間が、オンとなったトランジスタMP,MNを介して導通する。これにより、電源端子からオンとなったトランジスタMP及びオンとなったトランジスタMNを介して基準電位点に電流が流れる。
【0084】
ノードPTの電圧は、トランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値とトランジスタMPのオン抵抗Ronの抵抗値とによって決まる。いま、電源端子に電圧VCCQを印加するものとし、トランジスタMNのオン抵抗RonがトランジスタMPのオン抵抗Ronの抵抗値に一致しているものとすると、ノードPTの電圧は、VCCQ/2となる。比較器501は、ノードPTの電圧と電圧VREF(=VCCQ/2)とを比較し、2入力の差分を信号FLG2としてRon設定回路610に出力する。
【0085】
トランジスタMPのオン抵抗Ronの抵抗値がトランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値よりも大きい場合にはノードPTの電圧は電圧VREFよりも低くなり、トランジスタMPのオン抵抗Ronの抵抗値がトランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値よりも小さい場合にはノードPTの電圧は電圧VREFよりも高くなる。Ron設定回路610のPMOS側Ron設定回路611Pは、トランジスタMPのオン抵抗Ronの抵抗値を変化させながら、信号FLG2の出力を所定の値に収束させることで、トランジスタMPのオン抵抗Ronの抵抗値をトランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値に一致させる。PMOS側Ron設定回路611Pは、トランジスタMPのオン抵抗Ronの抵抗値がトランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値に一致したときの調整値をレジスタ612Pに格納する。
【0086】
このトランジスタMPのオン抵抗Ronの調整についても、図7に示すように、全てのOCD回路50において同時に実施可能である。以後、実使用時には、PMOS側Ron設定回路611Pは、レジスタ612Pに記憶された調整値に基づくインピーダンス制御信号PCODEBをNAND回路620~624に与え、NMOS側Ron設定回路611Nは、レジスタ612Nに記憶された調整値に基づくインピーダンス制御信号NCODEBをNAND回路640~644に与える。こうして、各OCD回路50それぞれにおいて抵抗回路500を利用したZQキャリブレーションが可能であり、OCD回路50間の出力特性のばらつきを抑制することが可能である。
【0087】
このように本実施形態においては、各DQパッドに接続されたOCD回路毎に、ZQキャリブレーションのための基準抵抗を設けており、全てのDQパッドに接続される出力ドライバ毎のZQキャリブレーションを同時に実行することを可能にすることがきる。これにより、ZQキャリブレーションの実施に要する時間を短縮することができる。
【0088】
また、本実施形態においては、ZQキャリブレーションに用いる電圧VREFを、各DQパッドに接続されたOCD回路毎に設定することが可能である。上記説明では、トランジスタMNのオン抵抗RonとトランジスタMPのオン抵抗Ronとを一致させる例を説明したが、電圧VREFの調整により、トランジスタMNのオン抵抗RonとトランジスタMPのオン抵抗Ronとを相互に異なる値に設定することが可能である。この場合において、本実施形態では、トランジスタMNのオン抵抗RonとトランジスタMPのオン抵抗Ronとの比率を各OCD回路毎に個別に設定することができるという利点がある。
【0089】
また、上記説明では、抵抗回路500の抵抗値を基準抵抗RZQの抵抗値に一致させ、トランジスタMNの抵抗値を抵抗回路500の抵抗値に一致させ、トランジスタMPの抵抗値をトランジスタMNの抵抗値に一致させる例を説明した。しかし、基準抵抗RZQの抵抗値が比較的大きい場合には、トランジスタMN,MPの分解能によっては、オン抵抗Ronの微調整が困難な場合が考えられる。そこで、Ron設定回路610は、トランジスタMNの抵抗値を抵抗回路500の抵抗値に一致させる調整値を求めた後、この調整値をトランジスタMNの抵抗値を低下させるように演算により変更した後、レジスタ612Nに記憶させるようになっていてもよい。例えば、基準抵抗RZQが300Ωの場合に、トランジスタMNのオン抵抗Ronを100Ωに設定する等の調整が考えられる。これにより、トランジスタMN,MPのオン抵抗Ronをより微調整することが可能となる。
【0090】
(第2の実施形態)
図11は第2の実施形態を示す回路図である。図11において図8と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態は、OCD回路50に代えてOCD回路50Aを採用するものである。本実施形態におけるOCD回路50Aは、OCD回路50から比較器501及びスイッチ504を省略する。比較器501は、VREF供給回路502から電圧VREFが与えられて、ノードPTの電圧と電圧VREFとの比較を行った。本実施形態においては、パッドDQ<x>からの入力信号の論理を電圧VREFを用いて判定するインプットレシーバIRECを利用して、ノードPTの電圧と電圧VREFとを比較するようになっている。
【0091】
インプットレシーバIRECの一方入力端には、VREF供給回路502からの電圧VREFが供給される。本実施形態においては、インプットレシーバIRECの他方入力端は、スイッチ505を介してノードPTに接続される。また、ノードPTは、スイッチ503,52を介してパッドZQに接続される。
【0092】
(作用)
このように構成された実施形態のZQキャリブレーションにおいても、第1の実施形態と同様に、各パッドDQ<x>に接続されたOCD回路50A内の抵抗回路500の抵抗値を設定する第1ステップと、抵抗回路500を用いて出力ドライバ510のオン抵抗Ronを調整する第2ステップとを含む。即ち、本実施形態においても、図7と同様の処理が行われる。
【0093】
ZQキャリブレーションの第1ステップにおいては、各OCD回路50Aの抵抗回路500が規定の抵抗値に順次補正される。第1ステップでは、パッドZQと基準電位点との間に基準抵抗RZQを接続する。また、制御回路60は、スイッチ505をオフにし、スイッチ52、503をオンにし、抵抗回路500の抵抗値を初期値に設定する。
【0094】
スイッチ52,503がオンであるので、パッドZQとノードPTとの間が電気的に接続される。これにより、電源端子から抵抗回路500、ノードPT、スイッチ503、スイッチ52、パッドZQ及び基準抵抗RZQを介して基準電位点に電流が流れる。比較器53は、ノードPTの電圧と電圧VREF(=VCCQ/2)とを比較し、2入力の差分を信号FLG1として制御回路60に出力する。
【0095】
制御回路60の基準抵抗設定回路613は、抵抗回路500の抵抗値を変化させながら、信号FLG1の出力を所定の値に収束させることで、抵抗回路500の抵抗値を基準抵抗RZQの抵抗値に一致させる。基準抵抗設定回路613は、抵抗回路500の抵抗値が基準抵抗RZQに一致したときの調整値をレジスタ614に格納する。
【0096】
制御回路60によりスイッチ503がオンとなり、OCD回路50A内の抵抗回路500について抵抗値の補正が実施される。制御回路60は、スイッチ503をオンにするOCD回路50Aを順次切換えることで、図7に示すように、各OCD回路50Aの抵抗回路500の抵抗値を基準抵抗RZQに一致させるための調整値を順次求めて、レジスタ614に格納する。
【0097】
第2ステップにおいては、出力ドライバ510中のトランジスタMNのオン抵抗Ronの調整と、トランジスタMPのオン抵抗Ronの調整とを別々に行う。先ず、トランジスタMNのオン抵抗Ronの調整を行う。即ち、制御回路60は、第1ステップで求めた調整値を抵抗回路500に設定することで、抵抗回路500の抵抗値を基準抵抗RZQに一致させる。制御回路60は、スイッチ503をオフにし、スイッチ505をオンにし、VREF供給回路502からの電圧VREFをインプットレシーバIRECに与える。Ron設定回路610は、制御回路60に制御されて、トランジスタMNの抵抗値を初期値に設定し、トランジスタMPをオフにする。
【0098】
スイッチ505がオンであるので、ノードPTとトランジスタMNのドレインとの間が電気的に接続される。これにより、電源端子から抵抗回路500、ノードPT、スイッチ505、初期設定によりオンとなったトランジスタMNの電流経路を介して基準電位点に電流が流れる。インプットレシーバIRECには、ノードPTの電圧が供給されると共に、VREF供給回路502からの電圧VREFが供給される。インプットレシーバIRECは、ノードPTの電圧と電圧VREF(=VCCQ/2)とを比較し、2入力の差分を信号FLG2としてRon設定回路610に出力する。
【0099】
Ron設定回路610のNMOS側Ron設定回路611Nは、トランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値を変化させながら、信号FLG2の出力を所定の値に収束させることで、トランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値を抵抗回路500の抵抗値に一致させる。NMOS側Ron設定回路611Nは、トランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値が抵抗回路500の抵抗値に一致したときの調整値をレジスタ612Nに格納する。
【0100】
各OCD回路50Aには、基準抵抗RZQを用いて抵抗値が調整された抵抗回路500が設けられており、トランジスタMNのオン抵抗Ronの調整は、図7に示すように、全てのOCD回路50Aにおいて同時に実施可能である。
【0101】
次に、トランジスタMPのオン抵抗Ronの調整を行う。この場合には、制御回路60は、スイッチ503,505をオフにし、ノードPTとインプットレシーバIRECの他方入力端との間の導通を遮断する。制御回路60は、VREF供給回路502からのVREFをインプットレシーバIRECに与える。
【0102】
Ron設定回路610のNMOS側Ron設定回路611Nは、レジスタ612Nに記憶されている調整値に基づくインピーダンス制御信号NCODEBを出力する。このインピーダンス制御信号NCODEBに基づいて制御信号Nが各トランジスタMNに与えられて、プルダウン回路511Nのオン抵抗Ronが設定される。この状態で、Ron設定回路610は、制御回路60に制御されて、トランジスタMPの抵抗値を初期値に設定する。
【0103】
トランジスタMN中の制御信号Nに基づく一部のトランジスタ及び初期設定に基づくトランジスタMPの一部のトランジスタはオンであり、電源端子と基準電位点との間が、オンとなったトランジスタMP,MNを介して導通する。これにより、電源端子からオンとなったトランジスタMP及びオンとなったトランジスタMNを介して基準電位点に電流が流れる。
【0104】
インプットレシーバIRECは、トランジスタMNのドレインの電圧(トランジスタMPのソースの電圧)と電圧VREF(=VCCQ/2)とを比較し、2入力の差分を信号FLG2としてRon設定回路610に出力する。Ron設定回路610のPMOS側Ron設定回路611Pは、トランジスタMPのオン抵抗Ronの抵抗値を変化させながら、信号FLG2の出力を所定の値に収束させることで、トランジスタMPのオン抵抗Ronの抵抗値をトランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値に一致させる。PMOS側Ron設定回路611Pは、トランジスタMPのオン抵抗Ronの抵抗値がトランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値に一致したときの調整値をレジスタ612Pに格納する。
【0105】
このトランジスタMPのオン抵抗Ronの調整についても、図7に示すように、全てのOCD回路50Aにおいて同時に実施可能である。以後、実使用時には、PMOS側Ron設定回路611Pは、レジスタ612Pに記憶された調整値に基づくインピーダンス制御信号PCODEBをNAND回路620~624に与え、NMOS側Ron設定回路611Nは、レジスタ612Nに記憶された調整値に基づくインピーダンス制御信号NCODEBをNAND回路640~644に与える。こうして、各OCD回路50Aそれぞれにおいて抵抗回路500を利用したZQキャリブレーションが可能であり、OCD回路50A間の出力特性のばらつきを抑制することが可能である。
【0106】
このように本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態は、比較器を省略することで、回路面積を削減することができるという利点がある。
【0107】
(第3の実施形態)
図12は第3の実施形態を示す回路図である。図12において図8と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態はOCD回路50に代えてOCD回路50Bを採用するものである。本実施形態におけるOCD回路50Bは、OCD回路50から抵抗回路500を省略するものである。各パッドDQ<x>に対して、終端抵抗回路として機能するODT(On-Die Termination)回路が接続されることがある。本実施形態は、このODT回路の抵抗をパッド毎基準抵抗として用いるものである。なお、本実施形態は、第1の実施形態に適用する例を説明するが、第2の実施形態にも同様に適用可能である。
【0108】
パッドDQ<x>とインプットレシーバIREC及び出力ドライバ510との間にはODT回路700が接続される。
【0109】
図13はODT回路700の具体的な構成の一例を示す回路図である。ODT回路700は、PMOSトランジスタ群701PとNMOSトランジスタ群701Nとを含む。PMOSトランジスタ群701Pは、PチャネルMOSトランジスタMTP0~MTPm(mは自然数)(以下、これらのトランジスタMTP0~MTPmを区別する必要が無い場合には、代表してトランジスタMTPという)により構成される。NMOSトランジスタ群701Nは、NチャネルMOSトランジスタMTN0~MTNj(jは自然数)(以下、これらのトランジスタMTN0~MTNjを区別する必要が無い場合には、代表してトランジスタMTNという)により構成される。なお、トランジスタMTP及びMTNの個数は、適宜設定可能である。
【0110】
なお、本実施形態においては、後述するように、トランジスタMTPは、パッド毎基準抵抗として用いるられることから、より高精度に抵抗値を設定するために、トランジスタMTNに比べて多くの個数のトランジスタを含むことがある。
【0111】
電源端子には電圧VCCQが印加され、この電源端子と基準電位点との間には、複数のトランジスタMTPのソース・ドレイン路及び複数のNチャネルMOSトランジスタMTNのドレイン・ソース路が接続される。トランジスタMTPのドレインとトランジスタMTNのドレインとの接続点(以下、ノードPOという)は、パッドDQ<x>及び出力ドライバ510のトランジスタMPのドレインとトランジスタMNのドレインとの接続点に接続される。
【0112】
トランジスタMTPのソースは電源端子に接続され、ドレインはノードPOに接続される。即ち、各トランジスタMTPのソース・ドレイン路は並列接続される。トランジスタMTPの各ゲートには、それぞれ制御信号が供給される。トランジスタMTNのソースは基準電位点に接続され、ドレインはノードPOに接続される。即ち、各トランジスタMTNのドレイン・ソース路は並列接続される。トランジスタMTNの各ゲートには、それぞれ制御信号が供給される。
【0113】
PMOSトランジスタ群701P及びNMOSトランジスタ群701Nには、PMOS側ODT設定回路702P、NMOS側ODT設定回路702N及びセレクタ703によって制御信号が供給される。なお、図13中のPMOS側ODT設定回路702P、NMOS側ODT設定回路702N及びセレクタ703は、OCD回路50B毎に設けられる(図12では図示省略)。また、図13中の基準抵抗設定回路702については、OCD回路50Bの外部、例えば図4の制御回路60内に設けられるようになっている。
【0114】
PMOS側ODT設定回路702Pは、トランジスタMTPをオン,オフ制御するための制御信号を記憶するレジスタ702Prを有しており、このレジスタ702Prに記憶された制御信号をセレクタ703を介して各トランジスタMTPに与えて各トランジスタMTPをオン,オフ制御する。また、NMOS側ODT設定回路702Nは、トランジスタMTNをオン,オフ制御するための制御信号を記憶するレジスタ702Nrを有しており、このレジスタ702Nrに記憶された制御信号を各トランジスタMTNに与えて各トランジスタMTNをオン,オフ制御する。
【0115】
トランジスタMTP,MTNのうちオンとなる(活性化する)トランジスタに応じて、ODT回路700の抵抗値、即ち、各パッドDQ<x>と電源端子との間の抵抗値及び各パッドDQ<x>と基準電位点の間の抵抗値が決定する。例えば、各トランジスタMTP,MTNの抵抗値を、それぞれ2のべき乗の重みを付す等の相互に異なる値に設定することで、少ないトランジスタ数で広範囲の抵抗値を微調整することが可能である。
【0116】
本実施形態においては、トランジスタMTPについては、基準抵抗設定回路702によってもオン,オフ制御することができるようになっている。基準抵抗設定回路702には、比較器53からの信号FLG1が供給される。基準抵抗設定回路702は、信号FLG1に基づいて、トランジスタMTPの抵抗値を基準抵抗RZQに一致させるための調整値(制御信号)を求める。基準抵抗設定回路702は、不揮発性のレジスタ702rを有しており、求めた制御信号をレジスタ702rに格納すると共に、ZQキャリブレーション時には、レジスタ702rに記憶した制御信号を出力するようになっている。
【0117】
セレクタ703は、制御回路60に制御されて、ZQキャリブレーション時には、基準抵抗設定回路702からの制御信号を選択してトランジスタMTPに与え、ZQキャリブレーション時以外には、PMOS側ODT設定回路702Pからの制御信号を選択してトランジスタMTPに与えるようになっている。
【0118】
(作用)
このように構成された実施形態のZQキャリブレーションにおいては、各パッドDQ<x>に接続されたODT回路700のPMOSトランジスタ群701Pの抵抗値をパッド毎基準抵抗の抵抗値として設定する第1ステップと、ODT回路700を用いて出力ドライバ510のオン抵抗Ronを調整する第2ステップとを含む。
【0119】
ZQキャリブレーションの第1ステップにおいては、各OCD回路50B中のODT回路700のPMOSトランジスタ群701Pの抵抗値を基準抵抗RZQに一致させる。即ち、第1ステップでは、パッドZQと基準電位点との間に基準抵抗RZQを接続する。制御回路60は、スイッチ52、503、504をオンにし、セレクタ703に基準抵抗設定回路702からの制御信号を選択させる。基準抵抗設定回路702は、PMOSトランジスタ群701Pの抵抗値を初期値に設定する。また、基準抵抗設定回路702はトランジスタMTNをオフにする。なお、トランジスタMP,MNについてもオフである。
【0120】
スイッチ52,503,504がオンであるので、パッドZQとノードPOとの間が電気的に接続される。これにより、電源端子からPMOSトランジスタ群701PのオンとなったトランジスタMTP、ノードPO、スイッチ504,503,52、パッドZQ及び基準抵抗RZQを介して基準電位点に電流が流れる。比較器53は、ノードPOの電圧と電圧VREF(=VCCQ/2)とを比較し、2入力の差分を信号FLG1として基準抵抗設定回路702に出力する。
【0121】
基準抵抗設定回路702は、PMOSトランジスタ群701Pの抵抗値(パッド毎基準抵抗の抵抗値)を変化させながら、信号FLG1の出力を所定の値に収束させることで、PMOSトランジスタ群701Pの抵抗値を基準抵抗RZQの抵抗値に一致させる。基準抵抗設定回路702は、PMOSトランジスタ群701Pの抵抗値が基準抵抗RZQに一致したときの調整値(制御信号)をレジスタ702rに格納する。
【0122】
制御回路60がスイッチ503,504をオンにするOCD回路50Bを順次切換えることで、基準抵抗設定回路702は、各OCD回路50BのPMOSトランジスタ群701Pの抵抗値を基準抵抗RZQに一致させるための調整値を順次求めて、OCD回路50B毎の調整値をレジスタ702rに格納する。
【0123】
第2ステップにおいては、出力ドライバ510中のトランジスタMNのオン抵抗Ronの調整と、トランジスタMPのオン抵抗Ronの調整とを別々に行う。先ず、トランジスタMNのオン抵抗Ronの調整を行う。第2ステップにおいても、制御回路60は、セレクタ703に基準抵抗設定回路702の出力を選択させる。基準抵抗設定回路702は、制御回路60に制御されて、第1ステップで求めた調整値をPMOSトランジスタ群701Pに設定することで、PMOSトランジスタ群701Pの抵抗値を基準抵抗RZQに一致させる。即ち、PMOS側ODT設定回路702P及びNMOS側ODT設定回路702Nは、制御回路60に制御されて、調整値に従ったトランジスタMTPをオンにし、トランジスタMTNをオフにする。また、Ron設定回路610は、制御回路60に制御されて、トランジスタMPをオフにし、トランジスタMNを初期値に従ってオンにする。また、制御回路60は、スイッチ503をオフにし、スイッチ504をオンにし、VREF供給回路502からの電圧VREFを比較器501に与える。
【0124】
スイッチ503はオフであり、電源端子からPMOSトランジスタ群701PのトランジスタMTP、ノードPO、初期設定によりオンとなったトランジスタMNの電流経路を介して基準電位点に電流が流れる。比較器501には、ノードPOの電圧が供給されると共に、VREF供給回路502からの電圧VREFが供給される。比較器501は、ノードPOの電圧と電圧VREF(=VCCQ/2)とを比較し、2入力の差分を信号FLG2としてRon設定回路610に出力する。
【0125】
Ron設定回路610のNMOS側Ron設定回路611Nは、トランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値を変化させながら、信号FLG2の出力を所定の値に収束させることで、トランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値をPMOSトランジスタ群701Pの抵抗値に一致させる。NMOS側Ron設定回路611Nは、トランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値がPMOSトランジスタ群701Pの抵抗値に一致したときの調整値をレジスタ612Nに格納する。
【0126】
各OCD回路50Bには、基準抵抗RZQを用いて抵抗値が調整されたPMOSトランジスタ群701Pが設けられており、トランジスタMNのオン抵抗Ronの調整は、全てのOCD回路50Bにおいて同時に実施可能である。
【0127】
次に、トランジスタMPのオン抵抗Ronの調整を行う。この場合には、制御回路60は、基準抵抗設定回路702、NMOS側ODT設定回路702Nを制御して、トランジスタMTP及びトランジスタMTNをオフにする。また、制御回路60は、スイッチ503をオフにし、スイッチ504をオンにする。また、制御回路60は、VREF供給回路502からのVREFを比較器501に与える。
【0128】
Ron設定回路610は、NMOS側Ron設定回路611Nからレジスタ612Nに記憶されている調整値に基づくインピーダンス制御信号NCODEBを出力する。このインピーダンス制御信号NCODEBに基づいて制御信号Nが各トランジスタMNに与えられて、プルダウン回路511Nのオン抵抗Ronが設定される。この状態で、PMOS側Ron設定回路611Pは、トランジスタMPの抵抗値を初期値に設定する。
【0129】
トランジスタMN中の制御信号Nに基づくトランジスタ及び初期設定に基づくトランジスタMPの特定のトランジスタはオンであり、電源端子と基準電位点との間が、オンとなったトランジスタMP,MNを介して導通する。これにより、電源端子からオンとなったトランジスタMP及びオンとなったトランジスタMNを介して基準電位点に電流が流れる。
【0130】
比較器501は、トランジスタMNのドレインの電圧(トランジスタMPのソースの電圧)と電圧VREF(=VCCQ/2)とを比較し、2入力の差分を信号FLG2としてRon設定回路610に出力する。Ron設定回路610のPMOS側Ron設定回路611Pは、トランジスタMPのオン抵抗Ronの抵抗値を変化させながら、信号FLG2の出力を所定の値に収束させることで、トランジスタMPのオン抵抗Ronの抵抗値をトランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値に一致させる。PMOS側Ron設定回路611Pは、トランジスタMPのオン抵抗Ronの抵抗値がトランジスタMNのオン抵抗Ronの抵抗値に一致したときの調整値をレジスタ612Pに格納する。
【0131】
このトランジスタMPのオン抵抗Ronの調整についても、全てのOCD回路50Bにおいて同時に実施可能である。以後、実使用時には、PMOS側Ron設定回路611Pは、レジスタ612Pに記憶された調整値に基づくインピーダンス制御信号PCODEBをNAND回路620~624に与え、NMOS側Ron設定回路611Nは、レジスタ612Nに記憶された調整値に基づくインピーダンス制御信号NCODEBをNAND回路640~644に与える。こうして、各OCD回路50BそれぞれにおいてPMOSトランジスタ群701Pを利用したZQキャリブレーションが可能であり、OCD回路50B間の出力特性のばらつきを抑制することが可能である。
【0132】
このように本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態は、パッド毎基準抵抗となる抵抗回路を省略することで、回路面積を削減することができるという利点がある。
【0133】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0134】
1…メモリコントローラ、2…不揮発性メモリ、11…RAM、12…プロセッサ、13…ホストインターフェイス、14…ECC回路、15…ホストインターフェイス、16…内部バス、21…ロジック制御回路、22…入出力回路、26…レジスタ、27…シーケンサ、32…入出力用パッド群、34…ロジック制御用パッド群、35…電源入力用パッド、40…チップ内電源生成回路、50…OCD回路、52…スイッチ、53…比較器、60…制御回路、61…Ron設定回路、500…抵抗回路、501…比較器、502…VREF供給回路、503~505…スイッチ、510…出力ドライバ、511N…プルダウン回路、511P…プルアップ回路、512N,512P…抵抗、610…Ron設定回路、611N…NMOS側Ron設定回路、611P…PMOS側Ron設定回路、612N,612P,614…レジスタ、613…基準抵抗設定回路、IREC…インプットレシーバ、MN…トランジスタ、MP…トランジスタ、RZQ…基準抵抗、ZQ,DQ<x>…パッド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13