(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043338
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】半導体集積回路、受信装置、及びメモリシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 25/03 20060101AFI20240322BHJP
G11C 7/10 20060101ALI20240322BHJP
H04L 25/02 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H04L25/03 C
G11C7/10 460
H04L25/02 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148466
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 真一
(72)【発明者】
【氏名】川上 愼也
【テーマコード(参考)】
5K029
【Fターム(参考)】
5K029CC01
5K029DD12
5K029DD24
5K029EE01
5K029HH03
5K029HH05
5K029LL14
(57)【要約】
【課題】信号のデューティ比の補正に要する時間を短縮し且つコストを抑制すること。
【解決手段】実施形態の半導体集積回路22は、イコライザ回路31と、トグル検出回路34とを含む。イコライザ回路31は、外部から入力された第1信号RCV及び/RCVを増幅して出力する。トグル検出回路34は、第1信号RCV及び/RCVがトグルしているか否かを検出する。トグル検出回路34は、第1信号RCV及び/RCVがトグルしているか否かに基づいて、イコライザ回路31の利得を動的に切り替える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入力された第1信号を増幅して出力するイコライザ回路と、
前記第1信号がトグルしているか否かを検出し、前記第1信号がトグルしているか否かに基づいて、前記イコライザ回路の利得を動的に切り替えるトグル検出回路と、を備える、
半導体集積回路。
【請求項2】
前記トグル検出回路は、前記イコライザ回路の低周波数帯の利得を切り替える、
請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記トグル検出回路が前記第1信号のトグルを検出している場合における前記イコライザ回路の前記低周波数帯の利得は、前記トグル検出回路が前記第1信号のトグルを検出していない場合における前記イコライザ回路の前記低周波数帯の利得よりも低い、
請求項2に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記第1信号は、第2信号と、前記第2信号の反転信号である第3信号とを含む差動信号であり、
前記イコライザ回路は、連続時間線形イコライザ(CTLE:Continuous Time Linear Equalizer)である、
請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項5】
前記イコライザ回路は、第1電流源と、第2電流源と、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第1抵抗器と、第2抵抗器と、可変抵抗器とを含み、
前記第1電流源及び前記第2電流源のそれぞれの一端は、第1電源ノードに接続され、前記第1電流源の他端は、前記第1トランジスタの一端に接続され、前記第2電流源の他端は、前記第2トランジスタの一端に接続され、前記第1トランジスタの他端は、前記第1抵抗器の一端に接続され、前記第2トランジスタの他端は、前記第2抵抗器の一端に接続され、前記第1抵抗器及び前記第2抵抗器のそれぞれの他端は、前記第1電源ノードと異なる第2電源ノードに接続され、
前記可変抵抗器の一端は、前記第1電流源と前記第1トランジスタとの間を接続する第1ノードに接続され、前記可変抵抗器の他端は、前記第2電流源と前記第2トランジスタとの間を接続する第2ノードに接続され、
前記第1トランジスタと前記第1抵抗器との間を接続する第3ノードと、前記第2トランジスタと前記第2抵抗器との間を接続する第4ノードとのそれぞれが、前記イコライザ回路の出力に対応する、
請求項4に記載の半導体集積回路。
【請求項6】
前記イコライザ回路の利得の制御パラメータを含む第1制御信号と、前記トグル検出回路によるトグルの検出結果を含む第2制御信号とが供給され、前記第1制御信号と前記第2制御信号とに基づいて前記可変抵抗器の抵抗値を切り替える第1制御回路をさらに備える、
請求項5に記載の半導体集積回路。
【請求項7】
前記トグル検出回路は、第3電流源と、第4電流源と、第5電流源と、第6電流源と、第4トランジスタと、第5トランジスタと、第1容量素子と、第2容量素子と、論理和回路と、インバータとを含み、
前記第3電流源及び前記第4電流源のそれぞれの一端は、第3電源ノードに接続され、前記第3電流源の他端は、前記第4トランジスタの一端に接続され、前記第4電流源の他端は、前記第5トランジスタの一端に接続され、前記第4トランジスタの他端は、前記第5電流源の一端に接続され、前記第5トランジスタの他端は、前記第6電流源の一端に接続され、前記第4トランジスタのゲート端に前記第2信号が入力され、前記第5トランジスタのゲート端に前記インバータを介した前記第3信号が入力され、前記第5電流源及び前記第6電流源のそれぞれの他端は、前記第3電源ノードよりも低い電圧が印加される第4電源ノードに接続され、
前記第1容量素子の一端は、前記第4トランジスタと前記第5電流源との間を接続する第5ノードに接続され、前記第1容量素子の他端は、前記第4電源ノードに接続され、
前記第2容量素子の一端は、前記第5トランジスタと前記第6電流源との間を接続する第6ノードに接続され、前記第2容量素子の他端は、前記第4電源ノードに接続され、
前記論理和回路の第1入力端及び第2入力端は、前記第5ノード及び前記第6ノードにそれぞれ接続され、前記論理和回路の出力は、前記第2制御信号に対応する、
請求項6に記載の半導体集積回路。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体集積回路と、
前記イコライザ回路の第1入力端に接続された第1パッドと、
前記イコライザ回路の第2入力端に接続された第2パッドと、を備え、
前記第1信号は、第2信号と、前記第2信号の反転信号である第3信号とを含む差動信号であり、前記第1パッドに前記第2信号が入力されるように構成され、前記第2パッドに前記第3信号が入力されるように構成される、
受信装置。
【請求項9】
請求項8に記載の受信装置と、
前記第1信号を送信する送信装置とを備え、
前記送信装置及び前記受信装置の一方は、データを不揮発に記憶可能なメモリセルを有するメモリデバイスであり、
前記送信装置及び前記受信装置の他方は、前記メモリデバイスを制御するメモリコントローラであり、
前記受信装置は、前記送信装置から送信された前記第1信号に基づいて、前記送信装置からデータ信号を受信する、
メモリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体集積回路、受信装置、及びメモリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
受信装置は、伝送路を介して送信装置に接続される。送信装置は、伝送路を介して受信装置に信号を送信する。受信装置は、伝送路を通過したことに伴い損失が発生した信号を受信する。受信装置は、受信した信号を処理する半導体集積回路として、イコライザ回路を備える。受信装置は、イコライザ回路の利得(ゲイン)を調整することによって、送信装置から伝送された信号のデューティ比を補正し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
信号のデューティ比を好適に補正する半導体集積回路、受信装置、及びメモリシステムを提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体集積回路は、イコライザ回路と、トグル検出回路とを含む。イコライザ回路は、外部から入力された第1信号を増幅して出力する。トグル検出回路は、第1信号がトグルしているか否かを検出する。トグル検出回路は、第1信号がトグルしているか否かに基づいて、イコライザ回路の利得を動的に切り替える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る伝送システムの構成の一例を示すブロック図。
【
図2】第1実施形態に係る受信装置が備える受信回路の回路構成の一例を示す回路図。
【
図3】第1実施形態に係る受信回路に含まれたCTLEの回路構成の一例を示す回路図。
【
図4】第1実施形態に係るCTLEが備える可変抵抗器及び可変部制御回路の回路構成の一例を示す回路図。
【
図5】第1実施形態に係るCTLEの周波数特性の一例を示すグラフ。
【
図6】第1実施形態に係るCTLEの出力特性の一例を示すタイミングチャート。
【
図7】第1実施形態に係る受信回路に含まれるトグル検出回路の回路構成の一例を示す回路図。
【
図8】第1実施形態に係るトグル検出回路の出力特性の一例を示すタイミングチャート。
【
図9】第1実施形態に係るCTLEが備える可変抵抗器及び可変部制御回路の動作の第1例を示す概略図。
【
図10】第1実施形態に係るCTLEが備える可変抵抗器及び可変部制御回路の動作の第2例を示す概略図。
【
図11】第1実施形態に係る受信回路の動作のシミュレーション結果を示すタイミングチャート。
【
図12】第1実施形態に係る受信回路による利得の切り替えイメージを示す概略図。
【
図13】第2実施形態に係るメモリシステムの構成の一例を示すブロック図。
【
図14】第2実施形態に係るメモリシステムが備えるメモリデバイスの構成の一例を示すブロック図。
【
図15】第2実施形態に係るメモリシステムが備えるメモリコントローラ及びメモリデバイスのインターフェース部分の構成の一例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、各実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は、模式的又は概念的なものである。構成の図示は、適宜省略されている。本明細書において、略同一の機能及び構成を有する構成要素には、同一の符号が付加されている。参照符号に付加された数字や文字などは、同じ参照符号により参照され、且つ類似した要素同士を区別するために使用される。
【0008】
<1>第1実施形態
以下に、第1実施形態に係る伝送システムTSについて説明する。
【0009】
<1-1>構成
<1-1-1>伝送システムTSの構成
図1は、第1実施形態に係る伝送システムTSの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、伝送システムTSは、送信装置1、受信装置2、及び伝送路TLを備える。伝送システムTSは、デジタル信号を送信装置1から受信装置2へ伝送し得る。送信装置1は、伝送路TLを介して受信装置2に接続される。伝送路TLは、デジタル信号を送信装置1から受信装置2へ伝送するための構造的又は空間的な伝送媒体である。
【0010】
(送信装置1の構成)
送信装置1は、送信信号TR及び/TRを伝送路TLに出力する装置である。送信信号TR及び/TRは、差動信号である。送信信号TR及び/TRは、例えば、送信装置1の動作に応じて出力されるクロック信号である。伝送路TLを通過した送信信号TR及び/TRは、伝送路TLの伝送特性(例えば、周波数特性)に応じた損失を受ける。以下では、伝送路TLによる損失を受けた送信信号TR及び/TRのことを、それぞれ受信信号RCV及び/RCVと呼ぶ。送信信号/TRは、送信信号TRの反転信号に対応する。受信信号/RCVは、受信信号RCVの反転信号に対応する。
【0011】
送信装置1は、例えば、PLL(Phase Looked Loop)回路11、クロック分配回路12、マルチプレクサ(MUX)13、送信回路(TX)14、及び端子部15を備える。
【0012】
PLL回路11は、位相同期回路である。PLL回路11は、クロック信号の発振器を含む。PLL回路50は、例えば、周波数の逓倍により分周比を変えることによって、複数種類のクロック信号を生成し得る。複数種類のクロック信号は、同期した位相を有する。そして、PLL回路11は、生成したクロック信号を、クロック分配回路12へ出力する。
【0013】
クロック分配回路12は、PLL回路11から入力された複数種類のクロック信号を、送信装置1に含まれた複数の回路要素に分配する回路である。本実施形態では、クロック分配回路12は、PLL回路11から入力された複数種類のクロック信号のうち一つをマルチプレクサ13に転送している。
【0014】
マルチプレクサ13は、クロック分配回路12から入力されたクロック信号に基づいて、第1状態と第2状態とを切り替え可能に構成される。マルチプレクサ13の第1状態は、第1入力端及び第2入力端がそれぞれ第1出力端及び第2出力端に接続された状態である。マルチプレクサ13の第2状態は、第1入力端及び第2入力端がそれぞれ第2出力端及び第1出力端に接続された状態である。マルチプレクサ13の第1入力端及び第2入力端には、それぞれ“0”及び“1”データに対応する電圧が供給される。すなわち、マルチプレクサ13は、相補信号を出力可能に構成される。
【0015】
送信回路14は、マルチプレクサ13から入力されたデジタル信号に対応する信号を、伝送路TLとインピーダンス整合を図ったうえで送信する送信回路である。そして、送信回路14は、端子部15及び伝送路TLを介して受信装置2に信号を送信する。送信回路14の第1入力端及び第2入力端は、マルチプレクサ13の第1出力端及び第2出力端にそれぞれ接続される。送信回路14の第1出力端及び第2出力端から出力される信号が、それぞれ送信信号TR及び/TRに対応する。
【0016】
端子部15は、送信装置1と受信装置2との接続に使用される複数のパッドPDを含む。送信装置1の複数のパッドPDは、送信回路14の第1出力端に接続されたパッドPD1と、送信回路14の第2出力端に接続されたパッドPD2とを含む。
【0017】
(受信装置2の構成)
受信装置2は、伝送路TLから受信信号RCV及び/RCVを受信する装置である。受信装置2は、受信信号RCV及び/RCVが入力されるイコライザ回路を備える。受信装置2は、受信信号RCV及び/RCVを、送信信号TR及び/TRに対応するデジタル信号に変換する。また、受信装置2は、送信装置1によるデジタル信号の送信の有無に基づいて、イコライザ回路の利得(ゲイン)を切り替え可能に構成される。
【0018】
受信装置2は、例えば、端子部21、受信回路(RX)22、処理回路23、及び制御回路24を備える。
【0019】
端子部21は、送信装置1と受信装置2との接続に使用される複数のパッドPDを含む。端子部21は、受信信号RCVを受けるパッドPD3と、受信信号/RCVを受けるパッドPD4とを含む。すなわち、受信装置2のパッドPD3及びPD4は、互いに異なる伝送路TLを介して、送信装置1のパッドPD1及びPD2にそれぞれ接続される。
【0020】
受信回路22は、端子部21を介して入力された信号をデジタル信号として受信する回路である。そして、受信回路22は、受信したデジタル信号を処理回路23に入力する。受信回路22の第1入力端及び第2入力端には、それぞれ受信信号RCV及び/RCVが入力される。受信回路22の第1出力端及び第2出力端からは、それぞれ出力信号OUT及び/OUTが出力される。受信回路22は、利得を切り替え可能なイコライザ回路として、連続時間線形イコライザ(CTLE:Continuous Time Linear Equalizer)を備える。CTLEの詳細については後述する。
【0021】
処理回路23は、受信回路22で受信したデジタル信号を取り扱う処理部である。処理回路23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサや、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの記憶装置を含み得る。処理回路23は、NAND型フラッシュメモリ、又はNAND型フラッシュメモリを制御するコントローラ回路を含んでもよい。処理回路23は、受信装置2に外部接続されてもよい。
【0022】
制御回路24は、例えば、受信回路22及び処理回路23を制御する。具体的には、制御回路24は、受信回路22に、制御信号BSTを供給する。制御信号BSTは、受信回路22に含まれたイコライザ回路の利得の変更に使用される制御パラメータである。制御信号BSTは、例えば、バイナリーコードであり、3ビットの情報(BST[2:0]、すなわちBST0、BST1、及びBST3の組)を含む。制御信号BSTの設定値は、固定されてもよいし、適宜変更されてもよい。制御信号BSTは、1ビット、2ビット、又は4ビット以上の情報を含んでいてもよい。
【0023】
<1-1-2>受信回路22の構成
図2は、第1実施形態に係る受信装置2が備える受信回路22の回路構成の一例を示す回路図である。
図2に示すように、受信回路22は、例えば、CTLE31、プログラマブルゲインアンプ(PGA:Programmable Gain Amplifier)32、フルスケールアンプ(FS:Full Scale Amplifier)33、及びトグル検出回路34を備える。
【0024】
CTLE31は、線形等化器としての機能を有するアナログフィルタである。CTLE31は、EQブーストコード(以下、“EQcode”とも呼ぶ)に応じて受信信号RCV及び/RCVの高周波数帯の利得を増幅(ブースト)して、等化信号EQS及び/EQSを生成する。そして、CTLE31は、生成した等化信号EQS及び/EQSを、PGA32に出力する。EQブーストコードは、制御信号BSTに対応する。具体的には、EQcode=0は、BST[2:0]=000に対応し、EQcode=1は、BST[2:0]=001に対応し、…、EQcode=6は、BST[2:0]=110に対応し、EQcode=7は、BST[2:0]=111に対応する。CTLE31は、EQブーストコードに基づいて、CTLE31に含まれた可変抵抗器の抵抗値や可変容量の容量値などを調整し得る。
【0025】
PGA32は、DC利得を変更することが可能な増幅回路である。PGA32は、CTLE31から入力された等化信号EQS及び/EQSのDC利得を調整する。そして、PGA32は、調整された等化信号EQS及び/EQSを、FS33に入力する。なお、PGA32の替わりに、可変ゲインアンプ(VGA:Variable Gain Amplifier)が使用されてもよい。
【0026】
FS33は、PGA32を介して調整された等化信号EQS及び/EQSをCMOSレベルに変換する回路である。そして、FS33は、CMOSレベルに変換した等化信号EQS及び/EQSを、それぞれ出力信号OUT及び/OUTとして出力する。すなわち、FS33の出力は、受信回路22の第1出力端及び第2出力端に対応する。なお、本明細書において、CMOSレベルは、“0”データ又は“1”データに対応する論理レベルである。以下では、“0”データに対応する論理レベルの電圧のことを、“L”レベルとも呼び、“1”データに対応する論理レベルの電圧のことを、“H”レベルとも呼ぶ。
【0027】
トグル検出回路34は、それぞれが受信信号RCV及び/RCVに対応する出力信号OUT及び/OUTがトグルしているか否かを検出する回路である。トグル検出回路34は、出力信号OUT及び/OUTに基づいて、制御信号DETを生成する。制御信号DETは、トグル検出回路34によるトグルの検出結果を含む。トグル検出回路34は、例えば、出力信号OUT及び/OUTがトグルしていない場合に制御信号DETを“L”レベルに設定し、出力信号OUT及び/OUTがトグルしている場合に制御信号DETを“H”レベルに設定する。なお、本明細書において、“トグル”は、信号の状態が第1状態(例えば、“H”レベル)と第2状態(例えば、“L”レベル)とで交互に切り替わる状態のことを示している。
【0028】
<1-1-3>CTLE31の構成
図3は、第1実施形態に係る受信回路22に含まれたCLTE31の回路構成の一例を示す回路図である。
図3に示すように、CTLE31は、例えば、定電流源CS1及びCS2、トランジスタT1及びT2、抵抗器R1及びR2、寄生容量素子C1及びC2、可変部311、可変部制御回路312、並びにノードND1~ND4を含む。
【0029】
定電流源CS1及びCS2のそれぞれは、出力電流を一定に制御する回路である。定電流源CS1の一端及び他端は、電源ノードVDD及びノードND1にそれぞれ接続される。定電流源CS2の一端及び他端は、電源ノードVDD及びノードND2にそれぞれ接続される。電源ノードVDDには、電源電圧が印加される。
【0030】
トランジスタT1及びT2のそれぞれは、P型のMOSトランジスタである。トランジスタT1のソース端及びドレイン端は、ノードND1及びND3にそれぞれ接続される。トランジスタT1のゲート端には、受信信号RCVが入力される。トランジスタT2のソース端及びドレイン端は、ノードND2及びND4にそれぞれ接続される。トランジスタT2のゲート端には、受信信号/RCVが入力される。
【0031】
抵抗器R1及びR2のそれぞれは、CTLE31の負荷として使用される抵抗である。抵抗器R1の一端及び他端は、ノードND3及び接地ノードVSSにそれぞれ接続される。抵抗器R2の一端及び他端は、ノードND4及び接地ノードVSSにそれぞれ接続される。接地ノードVSSは、接地される。“接地される”とは、例えばCTLE31が動作する際の基準電位となる電圧が印加される配線に接続されることである。なお、接地ノードVSSは、電源電圧よりも低い接地電圧が印加されるノードであってもよい。CTLE31の負荷としては、インダクタが使用されてもよい。
【0032】
寄生容量素子C1及びC2は、CTLE31の出力ノードに接続される寄生容量である。寄生容量素子C1の一端及び他端は、ノードND3及び接地ノードVSSにそれぞれ接続される。寄生容量素子C2の一端及び他端は、ノードND4及び接地ノードVSSにそれぞれ接続される。つまり、CTLE31は、ノードND3及びND4から、等化信号/EQS及びEQSをそれぞれ出力する。
【0033】
可変部311は、例えば、可変容量素子VC、及び可変抵抗器VRを含む。可変容量素子VCの容量値と可変抵抗器VRの抵抗値とのそれぞれは、可変である。可変容量素子VCの一端及び他端は、ノードND1及びND2にそれぞれ接続される。可変抵抗器VRの一端及び他端は、ノードND1及びND2にそれぞれ接続される。
【0034】
可変部制御回路312は、制御信号BST[2:0]及び制御信号DETに基づいて、可変部311に含まれた可変容量素子VCの容量値と、可変抵抗器VRの抵抗値とを切り替える。なお、可変部制御回路312は、少なくとも可変抵抗器VRの抵抗値を切り替え可能に構成されていればよい。CTLE31に含まれた可変部311及び可変部制御回路312は、CTLE31の利得を調整可能に構成されていればよい。
【0035】
なお、CTLE31の回路構成は、その他の構成であってもよい。本実施形態では、CTLE31がP型のMOSトランジスタ(トランジスタT1及びT2)を利用した構成である場合について例示しているが、これに限定されない。CTLE31は、N型のMOSトランジスタを利用した構成であってもよい。CTLE31がN型のMOSトランジスタを利用して構成される場合、CTLE31は、例えば、
図3に示されたCTLE31の回路構成において、トランジスタT1及びT2がN型のMOSトランジスタに置き換えられ、電源ノードVDDと接地ノードVSSとが入れ替えられた構成を有する。
【0036】
(可変抵抗器VR及び可変部制御回路312の回路構成)
図4は、第1実施形態に係るCTLE31が備える可変抵抗器VR及び可変部制御回路312の回路構成の一例を示す回路図である。
図4に示すように、可変抵抗器VRは、例えば、スイッチ部RS1~RS3を含む。可変部制御回路312は、例えば、論理和(OR)回路O1~O3を含む。
【0037】
スイッチ部RS1~RS3のそれぞれは、ノードND1及びND2の間で並列に接続される。スイッチ部RS1~RS3のそれぞれは、可変部制御回路312の制御に基づいて、ノードND1及びND2の間を、対応する抵抗器を介して電気的に接続可能に構成される。具体的には、スイッチ部RS1は、トランジスタT3L及びT3R並びに抵抗器R3を含む。スイッチ部RS2は、トランジスタT4L及びT4R並びに抵抗器R4を含む。スイッチ部RS3は、トランジスタT5L及びT5R並びに抵抗器R5を含む。トランジスタT3L、T4L及びT5Lのそれぞれの一端は、ノードND1に接続される。トランジスタT3L、T4L及びT5Lのそれぞれの他端は、抵抗器R3、R4及びR5のそれぞれの一端にそれぞれ接続される。抵抗器R3、R4及びR5のそれぞれの他端は、トランジスタT3R、T4R及びT5Rのそれぞれの一端にそれぞれ接続される。トランジスタT3R、T4R及びT5Rのそれぞれの他端は、ノードND2に接続される。本実施形態では、抵抗器R3、R4及びR5の抵抗値が、1:2:4の比率で構成される。
【0038】
OR回路O1~O3は、それぞれスイッチ部RS1~RS3を制御する論理回路である。OR回路O1の第1入力端及び第2入力端には、制御信号BST0及びDETがそれぞれ入力される。OR回路O1の出力端は、スイッチ部RS1のトランジスタT3L及びT3Rのそれぞれのゲート端に接続される。OR回路O2の第1入力端及び第2入力端には、制御信号BST1及びDETがそれぞれ入力される。OR回路O2の出力端は、スイッチ部RS2のトランジスタT4L及びT4Rのそれぞれのゲート端に接続される。OR回路O3の第1入力端及び第2入力端には、制御信号BST2及びDETがそれぞれ入力される。OR回路O3の出力端は、スイッチ部RS3のトランジスタT5L及びT5Rのそれぞれのゲート端に接続される。これにより、可変部制御回路312は、制御信号DETが“L”レベルである場合に、制御信号BSTに基づいて、複数のスイッチ部RSの各々に含まれたトランジスタをオン状態又はオフ状態に制御する。また、可変部制御回路312は、制御信号DETが“H”レベルである場合に、複数のスイッチ部RSの各々に含まれたトランジスタをオフ状態に制御する。
【0039】
なお、可変抵抗器VR及び可変部制御回路312の回路構成は、その他の構成であってもよい。可変抵抗器VR及び可変部制御回路312の回路構成は、EQブーストコードのビット数に応じた数のスイッチ部RS及びOR回路の組をさらに備えていてもよい。可変抵抗器VR及び可変部制御回路312は、後述されるように制御信号BST及びDETに基づいて可変抵抗器VRの抵抗値を切り替え可能であればよい。
【0040】
(CTLE31の周波数特性)
図5は、第1実施形態に係るCTLE31の周波数特性の一例を示すグラフである。
図5に示されたグラフの縦軸は、CTLE31における電圧利得[dB]を示している。
図5に示されたグラフの横軸は、周波数[Hz]を示している。本明細書において、低周波数帯域は、数100MHzよりも低い周波数帯である。高周波数帯域は、ナイキスト周波数(Nyq.)を含むGHzオーダーの周波数帯である。
【0041】
図5に示すように、CTLE31の等化特性は、低周波数領域の利得よりも高周波数帯域の利得が高くなるように設定される。例えば、CTLE31は、ナイキスト周波数の近傍の利得が高くなるような等化特性を有している。CTLE31のブースト量は、例えば、CTLE31の等化特性における低周波数帯の利得と高周波数帯の利得との差として定義される。CTLE31のブースト量が大きくなるほど、低周波数帯の利得と高周波数帯の利得の差は大きくなる。
【0042】
具体的には、EQcode=6における低周波数帯の利得と高周波数帯の利得の差は、EQcode=0における低周波数帯の利得と高周波数帯の利得の差よりも大きい。EQcode=7の場合、可変抵抗器VRに含まれたスイッチ部RSのそれぞれがオフ状態であり、CTLE31のノードND1及びND2の間がオープン状態になっている。このため、EQcode=7の場合における低周波数帯の利得と高周波数帯の利得の差は、他のEQcodeの設定よりも顕著に大きくなっている。すなわち、EQcode=7の場合、CTLE31は、ハイパスフィルタとして動作する。
【0043】
(CTLE31の出力特性)
図6は、第1実施形態に係るCTLE31の出力特性の一例を示すタイミングチャートである。
図6において、縦軸は電圧値を示し、横軸は時間を示す。
図6の(A)、(B)、(C)及び(D)のそれぞれでは、0[V]からV1[V]までの範囲における各信号の電圧値の変化が示されている。
図6の(A)は、受信装置2のパッドPD3及びPD4(パッド端)に入力される受信信号RCV及び/RCVの電圧値の変化を示している。
図6の(B)、(C)及び(D)のそれぞれは、
図6の(A)に示された受信信号RCV及び/RCVが入力されたCTLE31から出力される等化信号EQS及び/EQSの電圧(CTLE出力)値の変化を示している。
図6の(B)、(C)及び(D)は、CTLE31に適用されるEQブーストコードがEQcode=0、EQcode=6、及びEQcode=7にそれぞれ設定された場合に対応する。
【0044】
なお、
図6に示された時刻t1は、パッド端において受信信号RCV及び/RCVのトグルが開始するタイミングと、CTLE31においてトグルを開始した受信信号RCV及び/RCVに基づいた等化信号EQS及び/EQSが出力されるタイミングとに対応する。
図6に示された時刻t2は、パッド端において受信信号RCV及び/RCVのトグルが停止するタイミングと、CTLE31においてトグルを停止した受信信号RCV及び/RCVに基づいた等化信号EQS及び/EQSが出力されるタイミングとに対応する。時刻t1及びt2の間は、時刻t1を起点とした所定の期間に対応する期間P1と、期間P1の終点から時刻t2までの期間に対応する期間P2に分けられている。時刻t2から先は、期間P3として示されている。
【0045】
まず、
図6の(A)を参照して、パッド端に入力される受信信号RCV及び/RCVの変化の一例について説明する。トグルを開始する前(時刻t1の前)の受信信号RCV及び/RCVは、それぞれ“1”及び“0”に対応する電圧に固定されている。つまり、CTLE31には、DC信号が入力されている。そして、時刻t1において、受信信号RCV及び/RCVのトグルが開始する。本実施形態では、トグルしている受信信号RCV及び/RCVのそれぞれの谷部分の電圧値(振幅)及び山部分の電圧値(振幅)がそれぞれ異なっている。このような波形は、受信信号RCV及び/RCVのデューティ比が異なっていることを示している。それから、時刻t2において、受信信号RCV及び/RCVのトグルが停止する。トグルを停止した後の受信信号RCV及び/RCVは、時刻t1の前の電圧と同じになるように遷移する。
【0046】
次に、
図6の(B)を参照して、EQcode=0の場合のCTLE31から出力される等化信号EQS及び/EQSの変化の一例について説明する。時刻t1の前において、等化信号EQS及び/EQSは、“1”及び“0”に対応する電圧に固定されている。時刻t1及びt2の間において、EQcode=0の場合のCTLE31から出力される等化信号EQS及び/EQSのデューティ比は、CTLE31による高周波数帯の増幅により、パッド端におけるデューティ比よりも改善している。時刻t2より後において、等化信号EQS及び/EQSは、時刻t1の前の電圧と同じになるように遷移する。
【0047】
次に、
図6の(C)を参照して、EQcode=6の場合のCTLE31から出力される等化信号EQS及び/EQSの変化の一例について説明する。時刻t1の前において、等化信号EQS及び/EQSは、EQcode=0の場合よりも小さい電圧差で、“1”及び“0”に対応する電圧に固定されている。時刻t1及びt2の間において、EQcode=6の場合のCTLE31から出力される等化信号EQS及び/EQSのデューティ比は、EQcode=0の場合よりも高周波数帯及び低周波数帯の利得差が大きいため、EQcode=0の場合におけるデューティ比よりも改善している。時刻t2より後において、等化信号EQS及び/EQSは、時刻t1の前の電圧と同じになるように遷移する。
【0048】
次に、
図6の(D)を参照して、EQcode=7の場合のCTLE31から出力される等化信号EQS及び/EQSの変化の一例について説明する。EQcode=7は、ノードND1及びND2の間の可変抵抗器VRがオープン状態、すなわち可変抵抗器VRの抵抗値が∞Ωに相当する状態である。このため、時刻t1より前における等化信号EQS及び/EQSの電圧差は、他のEQブーストコードの設定と比べて著しく小さくなっている。時刻t1及びt2の間において、EQcode=7の場合のCTLE31から出力される等化信号EQS及び/EQSのデューティ比は、EQcode=6の場合よりも高周波数帯及び低周波数帯の利得差が大きいため、EQcode=6の場合におけるデューティ比よりも改善している。時刻t2より後において、等化信号EQS及び/EQSは、時刻t1の前の電圧と同じになるように遷移する。
【0049】
ここで、EQcode=6の場合とEQcode=7の場合とに注目して、期間P1~P3における受信信号RCV及び/RCVの波形について説明する。
【0050】
EQcode=6の場合、期間P1に対応する等化信号EQS及び/EQSの波形W1の形状と、期間P2に対応する等化信号EQS及び/EQSの波形W2の形状とは、類似している。また、EQcode=6の場合、期間P3に対応する等化信号EQS及び/EQSの波形W3では、等化信号EQS及び/EQS間の電圧差は定常的に一定レベルとなる。このため、波形W3に対応する差動信号を取り扱うPGA32及びFS33による誤検知が抑制される。
【0051】
EQcode=7の場合、期間P1に対応する等化信号EQS及び/EQSの波形W4の形状は、期間P2に対応する等化信号EQS及び/EQSの波形W5の形状に対してばらついている。すなわち、EQcode=7の場合、CTLE31は、受信信号RCV及び/RCVのトグルが開始した後に、等化信号EQS及び/EQSのトグル(すなわち、デューティ比)が安定するまで所定の時間を要する。また、EQcode=7の場合、期間P3に対応する等化信号EQS及び/EQSの波形W6では、等化信号EQS及び/EQS間の電圧差が、EQcode=6の場合における波形W3と比べて小さくなる。このため、波形W6に対応する差動信号を取り扱うPGA32及びFS33による誤検知が発生するおそれがある。
【0052】
<1-1-4>トグル検出回路34の構成
図7は、第1実施形態に係る受信回路22に含まれるトグル検出回路34の回路構成の一例を示す回路図である。
図7に示すように、トグル検出回路34は、例えば、定電流源CS3及びCS4、トランジスタT6及びT7、定電流源CS5及びCS6、容量素子C3及びC4、論理和(OR)回路O4、インバータINV、並びにノードND5及びND6を含む。
【0053】
定電流源CS3及びCS4のそれぞれは、出力電流を一定に制御する回路である。定電流源CS3及びCS4のそれぞれの一端は、電源ノードVDDに接続される。定電流源CS3及びCS4のそれぞれの出力電流は、“電流I1”に調整される。
【0054】
トランジスタT6及びT7のそれぞれは、P型のMOSトランジスタである。トランジスタT6のソース端及びドレイン端は、定電流源CS3の他端及びノードND5にそれぞれ接続される。トランジスタT6のゲート端には、出力信号OUTが入力される。トランジスタT7のソース端及びドレイン端は、定電流源CS4の他端及びノードND6にそれぞれ接続される。トランジスタT7のゲート端には、インバータINVを介した出力信号/OUTが入力される。すなわち、トランジスタT7のゲート端には、出力信号/OUTの反転信号が入力される。
【0055】
定電流源CS5及びCS6のそれぞれは、出力電流を一定に制御する回路である。定電流源CS5の一端及び他端は、ノードND5及び接地ノードVSSにそれぞれ接続される。定電流源CS6の一端及び他端は、ノードND6及び接地ノードVSSにそれぞれ接続される。定電流源CS5及びCS6のそれぞれの出力電流は、“電流I2”に調整される。なお、トグル検出回路34では、I1>I2となるように、定電流源CS3~CS6のそれぞれの出力電流が設定される。
【0056】
容量素子C3及びC4は、OR回路O4の入力端に接続される容量である。容量素子C3の一端及び他端は、ノードND5及び接地ノードVSSにそれぞれ接続される。容量素子C4の一端及び他端は、ノードND6及び接地ノードVSSにそれぞれ接続される。容量素子C3の容量値及びC4の容量値は、同等の値に設定される。以下では、容量素子C3及びC4の容量値のことを、“容量C”と呼ぶ。
【0057】
OR回路O4は、ノードND5及びND6の電圧値の論理和の演算結果を出力する論理回路である。すなわち、OR回路O4の第1入力端及び第2入力端は、ノードND5及びND6にそれぞれ接続される。OR回路O4の出力端から出力される信号が、トグル検出回路34から出力される制御信号DETに対応する。
【0058】
なお、トグル検出回路34の回路構成は、その他の構成であってもよい。本実施形態では、トグル検出回路34がP型のMOSトランジスタ(トランジスタT6及びT7)を利用した構成について例示しているが、これに限定されない。トグル検出回路34は、N型のMOSトランジスタを利用した構成であってもよい。トグル検出回路34がN型のMOSトランジスタを利用して構成される場合、トグル検出回路34は、例えば、
図7に示されたトグル検出回路34の回路構成において、トランジスタT6及びT7がN型のMOSトランジスタに置き換えられた構成を有する。
【0059】
(トグル検出回路34の出力特性)
図8は、第1実施形態に係るトグル検出回路34の出力特性の一例を示すタイミングチャートである。
図8において、縦軸は電圧値を示し、横軸は時間を示す。
図8の(A)は、
図6の(A)と同様のパッド端に入力される受信信号RCV及び/RCVの電圧値(振幅)の変化を示している。
図8の(B)は、トグル検出回路34に含まれたノードND5及びND6の電圧値VNDの0[V]から電圧V2[V]までの範囲における変化を示している。
図8の(C)は、トグル検出回路34に含まれたOR回路O4の出力信号、すなわち制御信号DETの電圧の変化を2値(“L”レベル及び“H”レベル)で示している。
図8に示された時刻t1及びt2は、それぞれ
図6に示された時刻t1及びt2と同様のタイミングに関連付けられている。
【0060】
図8に示すように、時刻t1の前の電圧VNDは、0Vの近傍を推移している。すなわち、時刻t1の前では、電圧VNDが“L”レベルに相当する電圧である。このため、OR回路O4は、第1入力端(ノードND5)及び第2入力端(ノードND6)のそれぞれの電圧VNDが“L”レベルであることに基づいて、“L”レベルの制御信号DETを出力する。
【0061】
時刻t1になると、受信信号RCV及び/RCVのトグルが開始する。すると、トグル検出回路34のトランジスタT6が、受信信号RCVが“L”レベルであるタイミングにおいてオン状態になり、受信信号RCVが“H”レベルであるタイミングにおいてオフ状態になる。同様に、トグル検出回路34のトランジスタT7が、受信信号/RCVが“H”レベルであるタイミング(すなわち、トランジスタT7のゲート端の電圧が“L”レベルになるタイミング)においてオン状態になり、受信信号/RCVが“L”レベルであるタイミング(すなわち、トランジスタT7のゲート端の電圧が“H”レベルになるタイミング)においてオフ状態になる。トランジスタT6及びT7のそれぞれがオン状態であるときに、電流I1及びI2の差に基づいて、ノードND5及びND6にそれぞれ接続された容量素子C3及びC4が充電される。トランジスタT6及びT7のそれぞれがオフ状態であるときに、電流I2に基づいて、容量素子C3及びC4が放電される。
【0062】
受信信号RCV及び/RCVがトグルを継続している場合、電圧VNDは、容量素子C3及びC4の充電及び放電の繰り返しによって、容量Cに基づく所定の電圧まで上昇し得る。電圧VNDは、0V近傍からの電圧上昇によって閾値電圧Vthを超えると、“L”レベルから“H”レベルに遷移する。閾値電圧Vthは、OR回路O4がCMOSレベルの判定基準として用いる電圧である。すると、OR回路O4は、電圧VNDが“H”レベルに遷移したことに基づいて、“H”レベルの制御信号DETを出力する。
図8では、制御信号DETが“L”レベルから“H”レベルに遷移するタイミングが、時刻t1’として示されている。
【0063】
時刻t2になると、受信信号RCV及び/RCVのトグルが停止する。すると、受信信号RCV及び/RCVがそれぞれ“H”レベル及び“L”レベルになる。つまり、トグル検出回路34のトランジスタT6及びT7のそれぞれのゲート端に“H”レベルの電圧が印加され、トランジスタT6及びT7がオフ状態になる。これにより、電流I2に基づいて容量素子C3及びC4が放電される。
【0064】
受信信号RCV及び/RCVがトグルの停止を継続している場合、電圧VNDは、0V近傍まで徐々に下降する。電圧VNDは、“H”レベルからの電圧下降によって閾値電圧Vthを下回ると、“H”レベルから“L”レベルに遷移する。すると、OR回路O4は、電圧VNDが“L”レベルに遷移したことに基づいて、“L”レベルの制御信号DETを出力する。
図8では、制御信号DETが“H”レベルから“L”レベルに遷移するタイミングが、時刻t2’として示されている。
【0065】
トグル検出回路34が、受信信号RCV及び/RCVのトグルの開始と停止を検出するタイミングは、電流I1及びI2の大きさと、容量Cの大きさとに応じて変化する。言い換えると、トグル検出回路34が受信信号RCV及び/RCVのトグルの開始と終了を検出する感度は、電流I1及びI2の大きさと、容量Cの大きさとに基づいて調整され得る。例えば、電流I1及びI2が固定された状態では、容量Cが大きいほど電圧VNDの充電及び放電に伴う振幅が大きくなり、ノイズの影響が抑制される。電流I2と容量Cが固定された状態では、電流I1が大きいほど電圧VNDが早く充電され、受信信号RCV及び/RCVのトグルの開始が早く検知され得る。電流I1と容量Cが固定された状態では、電流I2が大きいほど電圧VNDが早く放電され、受信信号RCV及び/RCVのトグルの停止が早く検知され得る。
【0066】
なお、OR回路O4の各入力端において、電圧VNDの“L”レベルから“H”レベルへの遷移を検出する閾値電圧Vthと、電圧VNDの“H”レベルから“L”レベルへの遷移を検出する閾値電圧Vthとは異なっていてもよい。すなわち、トグル検出回路34は、ヒステリシス回路を備えていてもよい。トグル検出回路34は、ヒステリシス回路を備えることによって、閾値電圧Vth近傍のノイズの影響を抑制することができる。
【0067】
<1-2>動作
以下に、第1実施形態に係る受信装置2による受信信号RCV及び/RCVの受信方法に関する受信回路22の動作について説明する。
【0068】
<1-2-1>可変抵抗器VR及び可変部制御回路312の動作
まず、可変部311及び可変部制御回路312の動作の具体例について説明する。
【0069】
(制御信号DET=“0”の場合)
図9は、第1実施形態に係るCTLE31が備える可変部311及び可変部制御回路312の動作の第1例を示す概略図である。
図9は、制御信号DET=“0”であり、且つ制御信号BST[2:0]=“110”である場合の可変抵抗器VR及び可変部制御回路312の動作を示している。
【0070】
図9に示すように、制御信号DET=“0”である場合、可変部制御回路312のOR回路O1~O3のそれぞれの第1入力端には、“0”に対応する電圧(すなわち、“L”レベル)が入力される。この場合、OR回路O1~O3のそれぞれは、第2入力端に入力された電圧、すなわちEQブーストコードに基づいて、出力する電圧を切り替える。
【0071】
本実施形態では、OR回路O1の出力は、制御信号BST0=“0”であることに基づいて、“L”レベルになる。すると、スイッチ部RS1では、OR回路O1の出力が“L”レベルであることに基づいてトランジスタT3L及びT3Rがオン状態になり、ノードND1及びND2の間における抵抗器R3を介した電流経路が形成される。
【0072】
OR回路O2の出力は、制御信号BST1=“1”であることに基づいて、“H”レベルになる。すると、スイッチ部RS2では、OR回路O2の出力が“H”レベルであることに基づいてトランジスタT4L及びT4Rがオフ状態になり、ノードND1及びND2の間における抵抗器R4を介した電流経路が遮断される。
【0073】
OR回路O3の出力は、制御信号BST2=“1”であることに基づいて、“H”レベルになる。すると、スイッチ部RS3では、OR回路O3の出力が“H”レベルであることに基づいてトランジスタT5L及びT5Rがオフ状態になり、ノードND1及びND2の間における抵抗器R5を介した電流経路が遮断される。
【0074】
(制御信号DET=“1”の場合)
図10は、第1実施形態に係るCTLE31が備える可変部311及び可変部制御回路312の動作の第2例を示す概略図である。
図10は、制御信号DET=“1”であり、且つ制御信号BST[2:0]=“110”である場合の可変抵抗器VR及び可変部制御回路312の動作を示している。
【0075】
図10に示すように、制御信号DET=“1”である場合、可変部制御回路312のOR回路O1~O3のそれぞれの第1入力端には、“1”に対応する電圧(すなわち、“H”レベル)が入力される。このため、OR回路O1~O3のそれぞれの出力は、第2入力端に入力された電圧、すなわちEQブーストコードに依らずに、“H”レベルとなる。この場合、スイッチ部RS1~RS3のそれぞれにおいて、ノードND1及びND2の間の電流経路が遮断される。すなわち、制御信号DET=“1”である場合に、CTLE31は、EQcode=7の場合と同じ状態となり、ハイパスフィルタとして動作する。
【0076】
<1-2-2>受信回路22の動作のシミュレーション結果
図11は、第1実施形態に係る受信回路22の動作のシミュレーション結果を示すタイミングチャートである。
図11の(A)は、
図6の(A)と同様のパッド端に入力される受信信号RCV及び/RCVの電圧値の変化を示している。
図11の(B)は、第1実施形態に係るCTLE31によって出力される等化信号EQS及び/EQSの電圧(CTLE出力)値の変化を示している。
図11の(C)は、FS33によって出力される出力信号OUT及び/OUTの電圧(FS出力)値の変化を示している。
図11の(D)は、パッド端におけるデューティ比が50%から±20%の範囲で設定された場合のデューティ比の変化を示している。
図11の(E)は、
図11の(D)に示された複数の条件におけるCTLE31の出力電圧のデューティ比の変化を示している。
図11の(F)は、
図8の(B)と同様のノードND5及びND6の電圧値VNDの変化を示している。
図11の(G)は、
図8の(C)と同様の制御信号DETの電圧の変化を示している。
図11に示された時刻t1、t1’、t2、及びt2’は、それぞれ
図8に示された時刻t1、t1’、t2、及びt2’と同様のタイミングに関連付けられている。本実施形態では、受信回路22の制御パラメータとして、EQcode=6(すなわち、BST[2:0]=110)が設定されていると仮定する。
【0077】
図11の(A)に示された受信信号RCV及び/RCVの電圧の変化は、
図11の(D)に示されたデューティ比の設定のうちの一つに対応している。
図11の(B)に示すように、第1実施形態に係るCTLE31により出力される等化信号EQS及び/EQSは、制御信号DETの変化に応じた波形となる。
【0078】
具体的には、時刻t1及びt1’の間において制御信号DETが“L”レベルであるため、等化信号EQS及び/EQSは、EQcode=6に対応する波形(
図6の(C)の波形W1)に基づく形状となる。時刻t1’及びt2の間において制御信号DETが“H”レベルであるため、等化信号EQS及び/EQSは、EQcode=7に対応する波形(
図6の(D)の波形W5)に基づく形状となる。時刻t2及びt2’の間において制御信号DETが“H”レベルであるため、等化信号EQS及び/EQSは、EQcode=7に対応する波形(
図6の(D)の波形W6)に基づく形状となる。時刻t2’の後において制御信号DETが“L”レベルであるため、等化信号EQS及び/EQSは、EQcode=6に対応する波形(
図6の(C)の波形W3)に基づく形状となる。時刻t1及びt1’の間隔と、時刻t2及びt2’の間隔とのそれぞれの長さは、トグル検出回路34の回路構成に応じて変わり得る。
【0079】
本実施形態では、
図11の(D)に示すように、時刻t1’及びt2の間において、パッド端におけるデューティ比が50%から±20%の範囲に設定される。この場合に、第1実施形態に係るCTLE31では、
図11の(E)に示すように、時刻t1’及びt2の間におけるCTLE出力のデューティ比が、±2%の範囲内に収まる。
【0080】
<1-3>第1実施形態の効果
以上で説明された第1実施形態に係る受信装置2に依れば、送信装置により送信された信号のデューティ比の補正に要する時間を短縮し且つ受信装置のコストを抑制することができる。以下に、第1実施形態の効果の詳細について説明する。
【0081】
通信の高速化に伴い帯域内の信号の損失が増加し、送信装置及び受信装置間の信号の伝送は困難となるため、クロック信号CLKの品質が重要となる。通常、受信装置は、クロック信号CLKの品質向上を目的としてのデューティ補正回路を備え、送信装置からデータを受け取る前に、補正回路がクロック信号CLKのデューティ比を補正するためのトレーニング期間を設ける。
【0082】
しかしながら、このような補正回路の回路規模は大きく、受信装置の製造コスト増の要因となり得る。また、トレーニング期間は、データの送受信のレイテンシ増大の要因となり得る。また、第1実施形態においてCTLE31が最初からハイパスフィルタとして機能する設定である場合、CTLE31の出力は電圧差の小さい信号となる。この場合、差動振幅が0V付近になり、受信回路22に含まれた差動増幅回路の出力が不安定になる。すなわち、差動振幅が0V付近になることは、信号の誤検知の要因となり得る。
【0083】
そこで、第1実施形態に係る受信装置2が備える受信回路22は、受信信号RCV及び/RCVに基づいて、イコライザ回路(CTLE31)の利得を動的に切り替え可能な構成を有する。具体的には、受信回路22は、受信信号RCV及び/RCVのトグルを検出可能なトグル検出回路34を備える。そして、受信回路22は、トグル検出回路34によるトグルの検出結果に対応する制御信号DETに基づいて、CTLE31の利得を動的に切り替える。言い換えると、トグル検出回路34によって、CTLE31の利得が動的に切り替えられる。トグル検出回路34が切り替えるCTLE31の利得は、ナイキスト周波数を含まない低周波数帯の利得である、
図12は、第1実施形態に係る受信回路22による利得の切り替えの概要を示す概略図である。
図12の(A)は、
図6の(C)と同様の、EQcode=6の場合にCTLE31から出力される等化信号EQS及び/EQSの電圧の変化を示している。
図12の(B)は、
図6の(D)と同様の、EQcode=7の場合にCTLE31から出力される等化信号EQS及び/EQSの電圧の変化を示している。
図12の(C)は、
図8の(C)に示された制御信号DETの変化に伴うEQブーストコードの変化を示している。
図12に示された時刻t1、t1’、t2、及びt2’は、それぞれ
図8に示された時刻t1、t1’、t2、及びt2’と同様のタイミングに関連付けられている。
【0084】
図12に示すように、受信回路22は、例えば、トグル検出回路34から出力される制御信号DETが“L”レベルである場合に、任意のEQブーストコード(例えば、EQcode=6)を適用する。一方で、受信回路22は、制御信号DETが“H”レベルである場合に、EQブーストコードの設定に依らずに、特定のEQブーストコード(例えば、EQcode=7)を適用する。受信回路22が使用するEQブーストコードの設定としては、CTLE31にDC信号が入力されている場合に、高周波数帯及び低周波数帯の利得差が相対的に小さい設定(例えば、EQcode=6)が適用されることが好ましい。また、CTLE31にトグルしている信号(AC信号)が入力されている場合に、高周波数帯及び低周波数帯の利得差が相対的に大きく、CTLE31がハイパスフィルタとして機能する設定(例えば、EQcode=7)が適用されることが好ましい。言い換えると、受信回路22は、トグル検出回路34が信号のトグルを検出している場合に、CTLE31のDC利得を小さくすることによって、デューティ比を補正するような構成を有する。さらに言い換えると、受信回路22は、トグル検出回路34が受信信号RCV及び/RCVのトグルを検出している場合におけるCTLE31の低周波数帯の利得が、トグル検出回路34が受信信号RCV及び/RCVのトグルを検出していない場合におけるCTLE31の低周波数帯の利得よりも低くなるように設計される。
【0085】
これにより、CTLE31は、送信装置1から受け取った信号(受信信号RCV及び/RCV)がトグルしていない場合においても、ECcode=6の設定により電圧差の大きいDC信号を出力することができる。つまり、CTLE31が電圧差の小さいDC信号を出力することによる、差動増幅回路の出力の不安定化が抑制される。また、受信回路22では、受信信号RCV及び/RCVがトグルを開始してから、トグル検出回路34がトグルを検出するまで時間差が発生する。このため、CTLE31は、トグルが開始してから所定の期間において、EQcode=6の場合の波形W1のような安定した波形を出力することができ、EQcode=7の場合の波形W4のような振幅が不安定な出力を抑制することができる。そして、CTLE31は、制御信号DETが“L”レベルから“H”レベルに遷移することに伴い、より好ましいデューティ比を実現することが可能なEQcode=7の場合の波形を出力することができる。さらに、CTLE31は、制御信号DETが“H”レベルから“L”レベルに遷移することに伴い、EQcode=6の場合の波形W3のような電圧差の大きいDC信号を出力することができる。
【0086】
以上で説明されたように、第1実施形態に係る受信回路22は、トグル検出回路34によってトグルが検出されたか否かに基づいて、CTLE31の利得を切り替える。トグル検出回路34は、簡素な回路構成により実現することが可能である。このため、第1実施形態に係る受信回路22の回路面積は、特別な補正回路を設ける場合よりも抑制され得る。また、第1実施形態に係る受信回路22は、詳細な補正量を算出せずに、予め決定された2値のEQブーストコードを切り替える。このため、第1実施形態に係る受信回路22は、デューティ補正に係るトレーニングの時間を、通常のデューティ補正回路を利用する場合よりも短縮することができる。従って、第1実施形態に係る受信回路22は、送信装置により送信された信号のデューティ比の補正に要する時間を短縮し且つ受信装置のコストを抑制することができる。
【0087】
なお、受信回路22では、受信信号RCV及び/RCVがトグルを停止してから、トグル検出回路34が制御信号DETを“H”レベルから“L”レベルに切り替えるまで時間差が発生する。このため、CTLE31は、受信信号RCV及び/RCVがトグルを停止してから、EQcode=7の場合の波形W6のような電圧差の小さいDC信号を出力する場合がある。これに対して、第1実施形態に係る受信回路22は、トグル検出回路34における定電流源CS3~CS6や容量素子C3及びC4の設定が調整されることによって、電圧差の小さいDC信号の入力に伴うノイズの発生を抑制することができる。
【0088】
<2>第2実施形態
第2実施形態は、第1実施形態で説明された伝送システムTSがNAND型フラッシュメモリを備えるメモリシステムMSのインターフェース回路に利用される場合の具体例に関する。以下に、第2実施形態に係るメモリシステムMSについて説明する。
【0089】
<2-1>構成
<2-1-1>メモリシステムMSの構成
図13は、第2実施形態に係るメモリシステムMSの構成の一例を示すブロック図である。
図13に示すように、メモリシステムMSは、ホスト機器HDに接続される。ホスト機器HDは、メモリシステムMSの外部の情報処理装置である。ホスト機器HDは、例えば、パーソナルコンピュータ、又はデータセンタに設置されるサーバである。ホスト機器HDは、様々な要求をメモリシステムMSに送信し得る。
【0090】
メモリシステムMSは、例えば、SDTMカード、UFS(universal flash storage)デバイス、SSD(solid state drive)などの記憶装置である。メモリシステムMSは、ホスト機器HDからの要求に応じてデータの書込み動作、読出し動作、消去動作などを実行し得る。メモリシステムMSは、例えば、メモリコントローラMCと、複数のメモリデバイスMD1~MD4とを含む。
【0091】
メモリコントローラMCは、例えば、SoC(system-on-a-chip)のような集積回路である。メモリコントローラMCは、ホスト機器HDからの要求に基づいて、メモリデバイスMDを制御する。具体的には、メモリコントローラMCは、例えば、ホスト機器HDからの書き込み要求に基づいて、データの書き込みをメモリデバイスMDに命令する。また、メモリコントローラMCは、ホスト機器HDからの読み出し要求に基づいて、データの読み出しをメモリデバイスMDに命令し、メモリデバイスMDから読み出されたデータをホスト機器HDに送信する。
【0092】
メモリコントローラMCは、例えば、ホストインターフェース回路(ホストI/F)40、CPU41、RAM42、バッファメモリ43、及びメモリインターフェース回路(メモリI/F)44を含む。メモリコントローラMCの機能は、ハードウェア構成、又はハードウェア資源とファームウェアとの組み合せ構成のいずれでも実現可能である。
【0093】
ホストインターフェース回路40は、メモリコントローラMCとホスト機器HDとの間の通信を司る半導体集積回路である。ホストインターフェース回路40は、ホストバスを介してホスト機器HDに接続される。ホストバスは、複数の信号線を含む。ホストバスは、例えば、SDTMインターフェース、SAS(serial attached SCSI(small computer system interface))、SATA(serial ATA(advanced technology attachment))、及びPCIeTM(peripheral component interconnect express)などの規格に準拠する。ホスト機器HDから要求を受信する際、ホストインターフェース回路40の一部の回路は、第1実施形態に係る受信装置2として機能し得る。
【0094】
CPU41は、メモリコントローラMCの全体の動作を制御する。例えば、CPU41は、ホスト機器HDから受信した書き込み要求に応答して、コマンド、アドレスなどを含む書き込み命令を発行する。発行された書き込み命令は、メモリデバイスMDに転送され、メモリデバイスMDが、書き込み命令に基づいた書き込み動作を実行する。CPU41は、読み出し動作についても、書き込み動作と同様に実行し得る。
【0095】
RAM42は、例えば、揮発性メモリである。RAM42は、CPU41の作業領域として使用される。RAM42は、複数のメモリデバイスMDを管理するためのファームウェアや、各種の管理テーブルなどを保持する。RAM42としては、SRAM(Static Random Access Memory)や、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリが使用される。RAM42は、メモリコントローラMCに外部接続されてもよい。
【0096】
バッファメモリ43は、例えば、揮発性メモリである。バッファメモリ43は、例えば、SRAM(static random access memory)である。バッファメモリ43は、メモリコントローラMCがメモリデバイスMDから受信したデータや、メモリコントローラMCがホスト機器HDから受信したデータなどを一時的に記憶(バッファリング)する。バッファメモリ43は、メモリコントローラMCに外部接続されてもよいし、RAM42と統合されてもよい。
【0097】
メモリインターフェース回路44は、メモリコントローラMCとメモリデバイスMDとの間の通信を司る半導体集積回路である。メモリインターフェース回路44は、メモリバスを介して複数のメモリデバイスMD1~MD4に接続される。メモリバスは、複数の信号線を含む。メモリバスは、例えば、SDR(single data rate)インターフェース、トグルDDR(double data rate)インターフェース、及びONFI(Open NAND flash interface)の何れかに準拠する。メモリバスは、複数のチャネルを有し得る。メモリバスの各チャネルには、複数のメモリデバイスMDが接続されてもよい。メモリデバイスMDにデータを送信する際、メモリインターフェース回路44の一部の回路は、第1実施形態における送信装置1として機能し得る。メモリデバイスMDからデータを受信する際、メモリインターフェース回路44の一部の回路は、第1実施形態に係る受信装置2として機能し得る。
【0098】
メモリデバイスMDは、不揮発性メモリであり、例えば、NAND型フラッシュメモリである。メモリデバイスMDは、複数のメモリセルを備え、データを不揮発に記憶する。メモリデバイスMD1~MD4の各々は、例えば、個別のチップイネーブル信号を受ける、又は、個別のチップアドレスが予め割当てられることによって一意に識別可能に構成される。従って、メモリデバイスMD1~MD4の各々は、メモリコントローラMCの指示によって独立に動作可能である。なお、メモリシステムMSが備えるメモリデバイスMDの数は、1つ以上であればよい。
【0099】
<2-1-2>メモリデバイスMDの構成
図14は、第2実施形態に係るメモリシステムMSが備えるメモリデバイスMDの構成の一例を示すブロック図である。
図14に示すように、メモリデバイスMDは、例えば、メモリセルアレイ51、入出力回路52、ロジックコントローラ53、レジスタ回路54、シーケンサ55、ドライバ回路56、ロウデコーダモジュール57、及びセンスアンプモジュール58を備える。
【0100】
メモリセルアレイ51は、データを不揮発に記憶することが可能な複数のメモリセルトランジスタの集合である。メモリセルアレイ51は、複数のブロックBLKに分割される。ブロックBLKは、例えば、データの消去単位として使用される。また、メモリセルアレイ51には、複数のビット線BLと、複数のワード線WLとが設けられる。各メモリセルトランジスタは、1本のビット線BLと1本のワード線WLとに関連付けられる。
【0101】
入出力回路52は、例えば、8ビット幅の信号DQ<7:0>と、信号DQS及び/DQSとを、メモリコントローラMCとの間で送受信可能に構成される半導体集積回路である。信号DQは、データ、ステータス情報、アドレス情報、コマンドなどを含み得る。信号DQは、データ信号と呼ばれてもよい。信号DQS及び/DQSは、信号DQの送受信タイミングを規定する信号である。信号DQS及び/DQSは、互いに逆の位相を有する信号対である。また、入出力回路52は、センスアンプモジュール58との間でデータDATを送受信し得る。
【0102】
さらに、入出力回路52は、信号DQS及び/DQSに対応して、第1実施形態に係る受信回路22を含む。信号DQS及び/DQSは、第1実施形態で説明された受信信号RCV及び/RCVにそれぞれ対応する。メモリデバイスMDは、信号DQ<7:0>、DQS及び/DQSの入出力に使用される複数のパッドPD(入出力端子)を含む端子部21を含む。すなわち、メモリデバイスMDに含まれた複数のパッドPDは、メモリコントローラMCのメモリインターフェース回路44に接続される。なお、入出力回路52は、メモリデバイスMDのメモリインターフェース回路と呼ばれてもよい。信号DQ<7:0>は、“データ信号”と呼ばれてもよい。信号DQS及び/DQSは“データストローブ信号及びその反転信号”と呼ばれてもよい。信号DQS及び/又は/DQSは、“クロック信号”、“動作クロック信号”、“ストローブ信号”、“タイミング制御信号”と呼ばれてもよい。
【0103】
ロジックコントローラ53は、メモリコントローラMCから受信した制御信号に基づいて、入出力回路52及びシーケンサ55を制御する。ロジックコントローラ53が取り扱う制御信号としては、例えば、信号/CE、CLE、ALE、/WE、/RE、/WP、及び/RBが使用される。信号/CEは、メモリデバイスMDをイネーブルにする信号である。信号CLEは、受け取った信号DQがコマンドCMDであることを入出力回路52に通知する信号である。信号ALEは、受け取った信号DQがアドレス情報であることを入出力回路52に通知する信号である。信号/WEは、信号DQの入力を入出力回路52に命令する信号である。信号/REは、信号DQの出力を入出力回路52に命令する信号である。信号/WPnは、メモリシステムMSの電源のオンオフ時にメモリデバイスMDを保護状態にする信号である。信号RBnは、メモリデバイスMDがレディ状態(外部からの命令を受け付ける状態)であるかビジー状態(外部からの命令を受け付けない状態)であるかを、メモリコントローラMCに通知する信号である。
【0104】
レジスタ回路54は、ステータス情報、アドレス情報、及びコマンドなどを保持する。ステータス情報は、メモリコントローラMCからの指示に基づいてメモリコントローラMCに出力される。アドレス情報は、ブロックアドレス、ページアドレス、カラムアドレスなどを含み得る。コマンドは、メモリデバイスMDの各種動作に関する命令を含む。
【0105】
シーケンサ55は、メモリデバイスMDの全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ55は、レジスタ回路54に保持されたコマンド及びアドレス情報に基づいて、読み出し動作、書き込み動作、消去動作などを実行し得る。また、シーケンサ55は、メモリデバイスMDの動作及び状態に基づいて、レジスタ回路54に保持されたステータス情報を更新し得る。
【0106】
ドライバ回路56は、読み出し動作、書き込み動作、消去動作などで使用される電圧を生成する。そして、ドライバ回路56は、生成した電圧を、メモリセルアレイ51、ロウデコーダモジュール57、及びセンスアンプモジュール58に供給する。
【0107】
ロウデコーダモジュール57は、ブロックアドレスに基づいて、動作対象のブロックBLKを選択する。そして、ロウデコーダモジュール57は、ドライバ回路56から供給された電圧を、選択したブロックBLKのワード線WLなどに転送する。
【0108】
センスアンプモジュール58は、読み出し動作時に、メモリセルアレイ51からデータDATを読み出し、読み出したデータDATを入出力回路52に転送する。また、センスアンプモジュール58は、書き込み動作時に、入出力回路52から受け取ったデータDATに基づいて、ビット線BLに所望の電圧を印加する。
【0109】
<2-1-3>メモリシステムMSのインターフェース部分の構成
図15は、第2実施形態に係るメモリシステムMSが備えるメモリコントローラMC及びメモリデバイスMDのインターフェース部分の構成の一例を示すブロック図である。
図15は、メモリコントローラMCが送信装置1として動作し、メモリデバイスMDが受信装置2として動作する場合を示している。
図15に示すように、メモリコントローラMCは、PLL回路11、クロック分配回路12、マルチプレクサ13及び61、送信回路14及び62、並びに端子部15を備える。メモリデバイスMDは、端子部21、受信回路22、制御回路24、クロック分配回路71、サンプラ72、及び処理回路73を備える。メモリコントローラMCとメモリデバイスMDとの間は、端子部15に含まれた複数のパッドPDと、伝送路TLと、端子部21に含まれた複数のパッドPDとを介して接続される。
【0110】
メモリコントローラMCにおいて、PLL回路11、クロック分配回路12、マルチプレクサ13及び61、送信回路14及び62は、メモリインターフェース回路44に対応する。第2実施形態のクロック分配回路12は、PLL回路11から入力された複数種類のクロック信号のうち一つをマルチプレクサ61に転送している。第2実施形態のマルチプレクサ13及び送信回路14は、第1実施形態と同様に動作する。第2実施形態では、送信回路14の出力が、信号DQS及び/DQSに対応する。
【0111】
マルチプレクサ61には、メモリコントローラMCからメモリデバイスMDに送信されるデータ(送信データ)が入力される。マルチプレクサ61は、クロック分配回路12から入力されたクロック信号に基づいて、送信データに対応するデジタル信号を送信回路62に転送する。送信回路62は、マルチプレクサ61から入力されたデジタル信号に対応する信号を送信する回路である。そして、送信回路62は、信号を、端子部15及び伝送路TLを介してメモリデバイスMDに送信する。送信回路62から出力される信号が、信号DQ[7:0]に対応する。すなわち、メモリコントローラMCは、図示が省略されているが、信号DQの本数に対応して、マルチプレクサ61、送信回路62、及びパッドPDを有する。
【0112】
メモリデバイスMDにおいて、受信回路22、制御回路24、クロック分配回路71、及びサンプラ72は、入出力回路52に対応する。処理回路73は、例えば、レジスタ回路54や、センスアンプモジュール58に対応する。第2実施形態の受信回路22には、端子部21を介して、信号DQS及び/DQSが入力される。また、第2実施形態の受信回路22の出力信号OUT及び/OUTは、クロック分配回路71に入力される。
【0113】
クロック分配回路71は、受信回路22から入力された出力信号OUT及び/OUT、すなわち復元された信号DQ及び/DQSに基づくクロック信号CKを生成する。そして、クロック分配回路71は、生成したクロック信号CKを、送信装置1に含まれた複数の要素に分配する。本実施形態では、クロック分配回路71は、生成したクロック信号CKを、サンプラ72に転送している。サンプラ72には、端子部21を介して、信号DQ[7:0]が入力される。サンプラ72は、クロック信号CKにより示されたタイミングに基づいて、信号DQ[7:0]のデータをサンプリングする。そして、サンプラ72は、信号DQ[7:0]のサンプリング結果を、処理回路73に転送する。
図15では、1つのサンプラ72が示されているが、これに限定されない。入出力回路52は、信号DQに対応する信号線の数に応じた数のサンプラ72を備えていてもよい。
【0114】
なお、図示が省略されているが、メモリインターフェース回路44は、情報(データ)を符号化して送信することが可能な半導体集積回路を含む。そして、メモリインターフェース回路44は、符号化した情報を信号DQ[7:0]として、伝送路TLに入力する。信号DQは、例えば、パルス信号である。信号DQに含まれた各パルスは、変調されたデータに対応する。データの変調方式としては、例えば、パルス振幅変調(Pulse-Amplitude Modulation)が使用される。パルス振幅変調は、パルスの電圧(振幅)によりデータを伝送する変調方式である。データの変調方式としてパルス振幅変調が使用された場合、信号DQのパルス毎の電圧レベルが、1ビットデータ又は複数ビットデータに対応する。なお、メモリコントローラMCが受信装置2として動作し、メモリデバイスMDが送信装置1として動作してもよい。この場合、例えば、メモリコントローラMCが、
図15に示された入出力回路52に含まれた構成を有し、メモリデバイスMDが、
図15に示されたメモリインターフェース回路44含まれた構成を有する。
【0115】
以上で説明されたメモリシステムMSは、信号DQをやりとりする際に、送信側の装置が信号DQS及び/DQSを受信側の装置に送信する。そして、受信側の装置は、受信した信号DQS及び/DQSから生成されたクロック信号CKに基づくタイミングで、信号DQをサンプリングする。例えば、受信側の装置がメモリデバイスMDある場合に、サンプラ72によりサンプリングされたデータは、メモリセルアレイ51に記憶される。なお、メモリシステムMSでは、信号DQのやりとりが行われない場合に、信号DQS及び/DQSの送信が停止する。すなわち、メモリシステムMSは、データの送受信に間欠クロックを使用する。そして、第2実施形態に係るメモリシステムMSは、第1実施形態と同様に、受信回路22に含まれたCTLE31の利得を動的に切り替えることができる。
【0116】
<2-2>第2実施形態の効果
第2実施形態に係るメモリシステムMSで使用される受信回路22は、第1実施形態と同様に、送信装置(例えば、メモリコントローラMC)により送信された信号のデューティ比の補正に要する時間を短縮し且つ受信装置(例えば、メモリデバイスMD)のコストを抑制することができる。
【0117】
また、第2実施形態に係るメモリデバイスMDは、受信回路22に含まれたCTLE31により利得が切り替えられることによって、サンプラ72で使用されるクロック信号CKのデューティ比を補正し得る。これにより、第2実施形態に係るメモリデバイスMDは、サンプラ72が、信号DQ[7:0]をサンプリングする際のタイミングマージンを確保することができる。さらに、第2実施形態に係るメモリシステムMSは、間欠クロックが使用される場合に、クロック信号が送信されないときに信号DQS及び/DQSの差動振幅がゼロになる期間を第1実施形態と同様に短くすることができる。
【0118】
その結果、第2実施形態に係るメモリシステムMSは、メモリコントローラMC及びメモリデバイスMDの間の通信におけるサンプリング精度を向上させ、且つ信号品質の低下を抑制することができる。また、第2実施形態に係るメモリシステムMSは、間欠クロックの利用により、消費電力を抑制することができる。
【0119】
<3>その他
上記実施形態で説明された受信装置2の構成は、あくまで一例である。第2実施形態では、信号DQが単相信号(パルス信号)である場合について例示したが、信号DQは、差動信号であってもよい。上記実施形態では、パルス毎の電圧レベルが1ビットデータに対応する場合について例示したが、これに限定されない。受信装置2は、1パルスに複数ビットデータが割り当てられる場合においても、動的にCTLE31の利得を切り替えることによって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。第2実施形態では、受信回路22がメモリデバイスMDに搭載される場合について例示したが、これに限定されない。受信回路22は、ホストインターフェース回路40に搭載されてもよいし、メモリインターフェース回路44に搭載されてもよい。各実施形態において説明された処理のそれぞれは、専用のハードウェアによって実現されてもよい。例えば、制御回路24としては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等)が使用されてもよい。
【0120】
本明細書において“H”レベルの電圧は、2値でデータを判定する際に、閾値以上の電圧に対応する。“L”レベルの電圧は、2値でデータを判定する際に、閾値よりも低い電圧に対応する。本明細書において、“接続”とは、電気的に接続されている事を示し、例えば間に別の素子を介することを除外しない。受信装置2によって受信されたデータを処理する装置は、“データ処理装置”と呼ばれてもよい。本明細書において、トランジスタの一端及び他端のそれぞれは、トランジスタのソース又はドレインに対応する。本明細書において、デューティ比は、1サイクルの信号内の“H”レベルの信号の比率を示している。本明細書において、“第1導電型”は、“P型”及び“N型”の一方に対応し、“第2導電型”は、“P型”及び“N型”の他方に対応する。本明細書において、“論理レベル”は、“H”レベル及び“L”レベルのいずれかに対応する。
【0121】
なお、上記各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下に限られるものではない。
【0122】
[付記1]
外部から入力された第1信号を増幅して出力するイコライザ回路と、
前記第1信号がトグルしているか否かを検出し、前記第1信号がトグルしているか否かに基づいて、前記イコライザ回路の利得を動的に切り替えるトグル検出回路と、を備える、
半導体集積回路。
【0123】
[付記2]
前記トグル検出回路は、前記イコライザ回路の低周波数帯の利得を切り替える、
付記1に記載の半導体集積回路。
【0124】
[付記3]
前記トグル検出回路が前記第1信号のトグルを検出している場合における前記イコライザ回路の前記低周波数帯の利得は、前記トグル検出回路が前記第1信号のトグルを検出していない場合における前記イコライザ回路の前記低周波数帯の利得よりも低い、
付記2に記載の半導体集積回路。
【0125】
[付記4]
前記低周波数帯は、ナイキスト周波数を含まない、
付記2又は付記3に記載の半導体集積回路。
【0126】
[付記5]
前記第1信号は、第2信号と、前記第2信号の反転信号である第3信号とを含む差動信号であり、
前記イコライザ回路は、連続時間線形イコライザ(CTLE:Continuous Time Linear Equalizer)である、
付記1に記載の半導体集積回路。
【0127】
[付記6]
前記イコライザ回路は、第1電流源と、第2電流源と、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第1抵抗器と、第2抵抗器と、可変抵抗器とを含み、
前記第1電流源及び前記第2電流源のそれぞれの一端は、第1電源ノードに接続され、前記第1電流源の他端は、前記第1トランジスタの一端に接続され、前記第2電流源の他端は、前記第2トランジスタの一端に接続され、前記第1トランジスタの他端は、前記第1抵抗器の一端に接続され、前記第2トランジスタの他端は、前記第2抵抗器の一端に接続され、前記第1抵抗器及び前記第2抵抗器のそれぞれの他端は、前記第1電源ノードと異なる第2電源ノードに接続され、
前記可変抵抗器の一端は、前記第1電流源と前記第1トランジスタとの間を接続する第1ノードに接続され、前記可変抵抗器の他端は、前記第2電流源と前記第2トランジスタとの間を接続する第2ノードに接続され、
前記第1トランジスタと前記第1抵抗器との間を接続する第3ノードと、前記第2トランジスタと前記第2抵抗器との間を接続する第4ノードとのそれぞれが、前記イコライザ回路の出力に対応する、
付記5に記載の半導体集積回路。
【0128】
[付記7]
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとのそれぞれは、P型のトランジスタであり、前記第1電源ノードに印可される電圧は、前記第2電源ノードに印可される電圧よりも高い、
付記6に記載の半導体集積回路。
【0129】
[付記8]
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとのそれぞれは、N型のトランジスタであり、前記第1電源ノードに印可される電圧は、前記第2電源ノードに印可される電圧よりも低い、
付記6に記載の半導体集積回路。
【0130】
[付記9]
前記イコライザ回路の利得の制御パラメータを含む第1制御信号と、前記トグル検出回路によるトグルの検出結果を含む第2制御信号とが供給され、前記第1制御信号と前記第2制御信号とに基づいて前記可変抵抗器の抵抗値を切り替える第1制御回路をさらに備える、
付記6に記載の半導体集積回路。
【0131】
[付記10]
前記トグル検出回路は、前記第1信号がトグルしていない場合に、前記第2制御信号を第1論理レベルに設定し、前記第1信号がトグルしている場合に、前記第2制御信号を前記第1論理レベルと異なる第2論理レベルに設定し、
前記第1制御回路は、前記第2制御信号が前記第1論理レベルである場合に、前記イコライザ回路に前記第1制御信号に基づいた利得で前記第1信号を増幅させ、前記第2制御信号が前記第2論理レベルである場合に、前記イコライザ回路に前記第2制御信号に基づいた利得で前記第1信号を増幅させる、
付記9に記載の半導体集積回路。
【0132】
[付記11]
前記可変抵抗器は、各々が前記第1ノードと前記第2ノードとの間に直列に接続された第3トランジスタ及び第3抵抗器を含む複数のスイッチ部を含み、
前記第1制御回路は、前記第2制御信号が前記第1論理レベルである場合に、前記第1制御信号に基づいて、前記複数のスイッチ部のそれぞれをオン状態又はオフ状態に制御し、前記第2制御信号が前記第2論理レベルである場合に、前記複数のスイッチ部の各々の前記第3トランジスタをオフ状態に制御する、
付記9に記載の半導体集積回路。
【0133】
[付記12]
前記トグル検出回路は、第3電流源と、第4電流源と、第5電流源と、第6電流源と、第4トランジスタと、第5トランジスタと、第1容量素子と、第2容量素子と、論理和回路と、インバータとを含み、
前記第3電流源及び前記第4電流源のそれぞれの一端は、第3電源ノードに接続され、前記第3電流源の他端は、前記第4トランジスタの一端に接続され、前記第4電流源の他端は、前記第5トランジスタの一端に接続され、前記第4トランジスタの他端は、前記第5電流源の一端に接続され、前記第5トランジスタの他端は、前記第6電流源の一端に接続され、前記第4トランジスタのゲート端に前記第2信号が入力され、前記第5トランジスタのゲート端に前記インバータを介した前記第3信号が入力され、前記第5電流源及び前記第6電流源のそれぞれの他端は、前記第3電源ノードよりも低い電圧が印加される第4電源ノードに接続され、
前記第1容量素子の一端は、前記第4トランジスタと前記第5電流源との間を接続する第5ノードに接続され、前記第1容量素子の他端は、前記第4電源ノードに接続され、
前記第2容量素子の一端は、前記第5トランジスタと前記第6電流源との間を接続する第6ノードに接続され、前記第2容量素子の他端は、前記第4電源ノードに接続され、
前記論理和回路の第1入力端及び第2入力端は、前記第5ノード及び前記第6ノードにそれぞれ接続され、前記論理和回路の出力は、前記第2制御信号に対応する、
付記9に記載の半導体集積回路。
【0134】
[付記13]
前記イコライザ回路の出力信号を増幅するプログラマブルゲインアンプ(PGA:Programmable Gain Amplifier)をさらに備える、
付記1に記載の半導体集積回路。
【0135】
[付記14]
前記プログラマブルゲインアンプの出力信号をCMOSレベルに増幅するフルスケールアンプ(FS:Full Scale Amplifier)をさらに備える、
付記13に記載の半導体集積回路。
【0136】
[付記15]
付記1に記載の半導体集積回路と、
前記イコライザ回路の第1入力端に接続された第1パッドと、
前記イコライザ回路の第2入力端に接続された第2パッドと、を備え、
前記第1信号は、第2信号と、前記第2信号の反転信号である第3信号とを含む差動信号であり、前記第1パッドに前記第2信号が入力されるように構成され、前記第2パッドに前記第3信号が入力されるように構成される、
受信装置。
【0137】
[付記16]
前記イコライザ回路の利得の制御パラメータを含む第1制御信号を前記イコライザ回路に供給する第2制御回路をさらに備える、
付記15に記載の受信装置。
【0138】
[付記17]
前記イコライザ回路により増幅された前記第1信号に基づいた第4信号が入力される処理回路をさらに備え、
前記第4信号は、クロック信号を含み、
前記処理回路は、前記クロック信号に基づいて動作する、
付記15に記載の受信装置。
【0139】
[付記18]
付記15に記載の受信装置と、
前記第1信号を送信する送信装置とを備え、
前記送信装置及び前記受信装置の一方は、データを不揮発に記憶可能なメモリセルを有するメモリデバイスであり、
前記送信装置及び前記受信装置の他方は、前記メモリデバイスを制御するメモリコントローラであり、
前記受信装置は、前記送信装置から送信された前記第1信号に基づいて、前記送信装置からデータ信号を受信する、
メモリシステム。
【0140】
[付記19]
前記受信装置は、前記送信装置から受信した前記データ信号をサンプリングするサンプラと、前記イコライザ回路により増幅された前記第1信号に基づいた第4信号が入力される分配回路とをさらに備え、
前記第4信号は、クロック信号を含み、
前記分配回路は、前記クロック信号を前記サンプラに供給し、
前記サンプラは、前記クロック信号に基づいたタイミングで、前記データ信号をサンプリングする、
付記18に記載のメモリシステム。
【0141】
[付記20]
前記メモリデバイスは、複数の前記メモリセルを含むメモリセルアレイを備え、前記サンプラによりサンプリングされたデータを、前記メモリセルアレイに記憶させる、
付記19に記載のメモリシステム。
【0142】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0143】
1…送信装置、2…受信装置、11…PLL回路、12…クロック分配回路、13…マルチプレクサ、14…送信回路、15…端子部、21…端子部、22…受信回路、23…処理回路、24…制御回路、31…CTLE、311…可変部、312…可変部制御回路、32…プログラマブルゲインアンプ、33…フルスケールアンプ、34…トグル検出回路、40…ホストインターフェース回路、41…CPU、42…RAM、43…バッファメモリ、44…メモリインターフェース回路、50…PLL回路、MS…メモリシステム、MD…メモリデバイス、MC…メモリコントローラ、51…メモリセルアレイ、52…入出力回路、53…ロジックコントローラ、54…レジスタ回路、55…シーケンサ、56…ドライバ回路、57…ロウデコーダモジュール、58…センスアンプモジュール、61…マルチプレクサ、62…送信回路、71…クロック分配回路、72…サンプラ、73…処理回路、BST…制御信号、CS1~CS6…定電流源、ND1~ND6…ノード、O1~O4…論理和回路、R1~R5…抵抗器、C1~C4…容量素子、VR…可変抵抗器、VC…可変容量素子、RS1~RS3…スイッチ部、T1、T2、T3L、T3R、T4L、T4R、T5L、T5R、T6、T7…トランジスタ