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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043350
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
A63F5/04 661
A63F5/04 631
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148482
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】503106797
【氏名又は名称】株式会社エンターライズ
(74)【代理人】
【識別番号】100129791
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】竹端 洸彩
(72)【発明者】
【氏名】相地 潤
(72)【発明者】
【氏名】南 宗樹
(72)【発明者】
【氏名】内海 一弥
(72)【発明者】
【氏名】小倉 寛規
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518CA01
2C518CA03
2C518CA06
2C518CA10
2C518DA06
2C518DA07
2C518DA20
2C518EA05
2C518EA09
2C518EA12
2C518EB01
2C518EB07
2C518EB16
(57)【要約】
【課題】目押しの醍醐味を残しつつ、目押しが苦手な遊技者を楽しませることができる遊技機を実現すること。
【解決手段】スロットマシンが、遊技価値のベットを伴う遊技において、ストップスイッチの操作により全ての回転リールに対して第1図柄が停止する第1停止系と、ストップスイッチの操作により少なくとも1つの回転リールに対して第1図柄が停止し、残りの回転リールに対して第1図柄以外の第2図柄が停止する第2停止系とが含まれる複数の停止系を有し、第1停止系および第2停止系が、全ての回転リールが停止した後に第1状態から第1状態とは異なる第2状態に遷移させることが可能であり、全ての回転リールが停止する前に第1図柄が報知され、回転リールが第1停止系または第2停止系で停止可能に構成されている。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値のベットを伴う遊技において、ストップスイッチの操作により全ての回転リールに対して第1図柄が停止する第1停止系と、前記ストップスイッチの操作により少なくとも1つの前記回転リールに対して前記第1図柄が停止し、残りの前記回転リールに対して前記第1図柄以外の第2図柄が停止する第2停止系とが含まれる複数の停止系を有し、
前記第1停止系および前記第2停止系は、全ての前記回転リールが停止した後に第1状態から前記第1状態とは異なる第2状態に遷移させることが可能であり、
全ての前記回転リールが停止する前に前記第1図柄が報知され、前記回転リールが前記第1停止系または前記第2停止系で停止可能に構成されている、遊技機。
【請求項2】
前記第2図柄は、前記第1図柄を狙って前記ストップスイッチを操作した際に停止可能に配置されている、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1図柄の報知は、特定条件を充足可能な場合にのみ実行される、請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記特定条件は、充足により遊技状態が変化する条件である、請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記第1停止系および前記第2停止系のいずれかで前記回転リールが停止した場合、前記第1状態から前記第2状態への遷移以外の特典を付与可能に構成されている、請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技で当せん可能なフラグとして、前記第1停止系により入賞可能な第1役と、前記第2停止系により入賞可能な第2役とが重複当せんするフラグを含む、請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項7】
所定の操作態様で前記ストップスイッチが操作されて全ての前記回転リールが停止したときの停止系であって、前記第1状態から前記第2状態に遷移させることが可能な前記第1停止系および前記第2停止系を含む複数の停止系のうち前記第1停止系に対応する前記ストップスイッチの第1操作態様を報知可能に構成されていると共に、
報知された前記第1操作態様とは異なる操作態様で前記ストップスイッチの少なくとも1つが操作されたが、全ての前記回転リールが停止する前でありかつ前記第1操作態様に対応する前記第1停止系とは異なる前記第2停止系をとることが可能である場合、報知する操作態様を、前記第1操作態様から前記第2停止系に対応する第2操作態様に切り替える切り替え制御を実行可能に構成されている、請求項1に記載の遊技機。
【請求項8】
報知する操作態様を前記第1操作態様から前記第2操作態様に切り替える場合、前記第2操作態様のうち、すでに操作された前記ストップスイッチの操作態様を報知しない、請求項7に記載の遊技機。
【請求項9】
報知する操作態様を前記第1操作態様から前記第2操作態様に切り替える場合、前記第2操作態様のうち、まだ操作されていない前記ストップスイッチの操作態様を報知する、請求項7に記載の遊技機。
【請求項10】
前記切り替え制御は、特定条件を充足可能な場合に実行される、請求項7~9のいずれかに記載の遊技機。
【請求項11】
前記特定条件は、AT開始条件である、請求項10に記載の遊技機。
【請求項12】
前記操作態様は、所定のタイミングで前記ストップスイッチを操作する態様である、請求項7~9のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、報知状態(ボーナス状態)を開始させるために目押し操作を行う必要がある遊技機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-001336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技機では、目押し操作をミスすると報知状態が開始されないため、目押し操作が苦手な遊技者を楽しませることができない場合がある。
【0005】
本発明は、目押しの醍醐味を残しつつ、目押しが苦手な遊技者を楽しませることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の遊技機は、
遊技価値のベットを伴う遊技において、ストップスイッチの操作により全ての回転リールに対して第1図柄が停止する第1停止系と、前記ストップスイッチの操作により少なくとも1つの前記回転リールに対して前記第1図柄が停止し、残りの前記回転リールに対して前記第1図柄以外の第2図柄が停止する第2停止系とが含まれる複数の停止系を有し、
前記第1停止系および前記第2停止系は、全ての前記回転リールが停止した後に第1状態から前記第1状態とは異なる第2状態に遷移させることが可能であり、
全ての前記回転リールが停止する前に前記第1図柄が報知され、前記回転リールが前記第1停止系または前記第2停止系で停止可能に構成されている。
【発明の効果】
【0007】
前記遊技機によれば、目押しの醍醐味を残しつつ、目押しが苦手な遊技者を楽しませることができる遊技機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の遊技機であるスロットマシンの前面図。
図2図1のスロットマシンのブロック図。
図3図1のスロットマシンの回転リールの配列を示す図。
図4図1のスロットマシンの有効ラインを示す模式図。
図5図1のスロットマシンの第1遊技状態を説明するための図。
図6図1のスロットマシンの第2遊技状態を説明するための図。
図7図1のスロットマシンの第3遊技状態を説明するための図。
図8図1のスロットマシンの遊技区間を説明するための図。
図9図1のスロットマシンの内部抽せんテーブルの内容を説明するための図。
図10図1のスロットマシンで実行可能な報知態様の切り替え制御処理を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態の遊技機の一例であるスロットマシン1は、図1に示すように、直方体形状の筺体10を備えている。筺体10は、前面(例えば、図1の紙面貫通方向の手前側の面)に図示しない開口部と、この開口部を開閉可能な板状の前扉20とを有している。
【0010】
前扉20は、その略中央部分に設けられた透光性の表示窓21を有し、筺体10に対してロック可能に取り付けられている。表示窓21は、前扉20により筺体10の開口部を閉鎖した状態で、後述する各回転リール41,42,43の表面に配置された複数の図柄を視認可能に配置されている。
【0011】
筺体10は、表示装置の一例の液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24を有している。液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24の各々は、前扉20の表示窓21の上部に配置されている。遊技中の各種の演出は、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を用いて行われる。例えば、液晶表示装置22は、遊技中に各種の演出画像(演出動画)を表示したり、所定の情報等を表示したりする。また、電飾装置23は、所定の条件を満たした場合に、所定のパターンで点灯または消灯し、スピーカ24は、所定の条件を満たした場合に、所定の音を出力する。
【0012】
筺体10は、メダルが払い出される払い出し口25、払い出し口25から払い出されたメダルを貯留する下皿26および操作部30を有している。払い出し口25、下皿26および操作部30の各々は、前扉20の表示窓21の下部に配置されている。
【0013】
操作部30は、遊技価値の一例としてのメダルを投入するためのメダル投入口31と、メダルをベットするためのベットスイッチ32と、前扉20に操作可能に設けられ操作により各回転リール41,42,43を回転させるスタートスイッチ33と、前扉20に操作可能に設けられ操作により回転中の各回転リール41,42,43を停止させるストップスイッチ34,35,36とを有している。操作部30の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。また、メダル投入口31には図示しないメダルセンサが設けられており、遊技者によるメダル投入口31へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。
【0014】
操作部30には、他に、精算スイッチ(図示せず)および表示部の一例の貯留メダル表示部(図示せず)等が設けられている。この貯留メダル表示部は、貯留されたメダルの数に加えて、後述する遊技区間が有利区間であることが表示可能に構成されている。
【0015】
スロットマシン1は、図2に示すように、スロットマシン1全体を制御する制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44、および、メダルを払い出すホッパーユニット50を備えている。制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44、および、ホッパーユニット50は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示せず)、スロットマシン1の設定値を変更するときに管理者が操作する設定部45等と共に、筺体10の内部に配置されている。
【0016】
回転リールユニット40は、筺体10の内部の略中央に配置され、複数の回転リール(この実施形態では、3つの回転リール41,42,43)と、この回転リール41,42,43を駆動するステッピングモータ61,62,63とで構成されている。各回転リール41,42,43は、略円筒状で、その表面には、図3に示すように、各回転リール41,42,43の周方向に沿って間隔を空けて配列された複数の図柄と、基準点(図示せず)とが設けられている。基準点は、例えば、回転リール41,42,43のゼロ番の図柄(ベルA)の中心に配置されている。
【0017】
ここで、図1図9を参照して、スロットマシン1で行われる遊技の概要について説明する。
【0018】
図1に示すように、スロットマシン1で遊技を行う場合、まず、メダルをメダル投入口31から投入する、または、ベットスイッチ32を操作することにより貯留しているメダル(すなわち、クレジット)を使用して、メダルをベットする。予め設定されている規定の枚数(例えば、1~3枚)のメダルがベットされると、有効ライン70が有効化され、スタートスイッチ33の操作が可能な状態、すなわち、遊技が開始可能な状態になる。このとき、遊技状態等に応じて設定されている規定の枚数を超えて投入されたメダルは、クレジットとして貯留される。
【0019】
有効ライン70は、図4に示すように、役の入賞を決定するための仮想ラインであり、有効ライン70によって、表示窓21に表示される各回転リール41,42,43の図柄が、それぞれ1つずつ連結されている。スロットマシン1では、有効ライン70は、例えば、右下がりラインで構成され、所定枚数(例えば、3枚)のメダルがベットされることにより有効化される。一例として、スロットマシン1の表示窓21に表示される図柄は、各回転リールにつき3図柄である。
【0020】
遊技が開始可能な状態でスタートスイッチ33が操作されると、スロットマシン1内で行われる電子計算機によるくじ(以下、内部抽せんという。)が行われ、各回転リール41,42,43の回転が開始される。この状態で、いずれかのストップスイッチ34,35,36が操作されると、操作されたストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43が停止し、表示窓21に、当せんした役に応じた結果が表示される。全ての回転リール41,42,43が停止すると、入賞した役に応じて、所定の枚数のメダルが払い出され、1ゲームが終了する。例えば、全ての回転リール41,42,43が停止した状態で、内部抽せんにより当せんした役毎に設定された図柄の組み合わせが、有効ライン70上に配置された場合に、有効ライン70上に配置された図柄の組み合わせに対応する役が入賞したと判定される。なお、有効ライン70上に役に対応する図柄の組み合わせが停止しなかった場合(いわゆるハズレ時)も、役の入賞に含んでもよい。
【0021】
このように、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33およびストップスイッチ34,35,36を操作して、遊技の結果を得る一連の動作を遊技という。遊技の単位はゲームであり、1ゲームを単位遊技という。
【0022】
遊技中は、複数の遊技区間の中から1つの遊技区間が設定され、複数の遊技状態の中から1つ遊技状態が設定される。そして、設定された遊技区間および遊技状態に基づいて、内部抽せんが行われる。遊技状態には、図5図7に示すように、第1遊技状態、第2遊技状態および第3遊技状態が含まれる。
【0023】
第1遊技状態は、内部抽せんにより当せんするフラグ(言い換えると、条件装置。以下、フラグという。)のうち、リプレイ等のフラグの種類(図9参照)およびその当せん確率を決定するための遊技状態であり、一例として、図5に示すように、RT0と、RT1とで構成されている。RT0およびRT1のいずれか1つが第1遊技状態として設定される。
【0024】
RT0は、第2遊技状態が特別役実施状態から特別役非持ち越し状態に移行した場合、または、遊技状態の初期化時(例えば、RAMクリア時)に設定される(すなわち、第1遊技状態がRT1からRT0に移行する)。また、スロットマシン1が店舗等に設置された直後の第1遊技状態もRT0に設定されている。言い換えると、第1遊技状態は、一種BBが実施されている場合を除いて、全てRT0に設定されている。
【0025】
RT1は、第2遊技状態が特別役非持ち越し状態から特別役実施状態に移行した場合に設定される(すなわち、第1遊技状態がRT0からRT1に移行する)。RT1では、図9に示すように、リプレイ役および一種BBに当せんする可能性はない。
【0026】
第2遊技状態は、内部抽せんにより当せんした一種BBの入賞が持ち越されていない特別役非持ち越し状態と、内部抽せんにより当せんした一種BBの入賞が持ち越されている特別役持ち越し状態と、入賞した一種BBを実施するための特別役実施状態とを含む。特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態のいずれか1つが第2遊技状態として設定される。
【0027】
特別役非持ち越し状態は、特別役実施状態に移行したときから払い出されたメダルが所定数(例えば、180枚または2枚)を超えた場合、または、遊技状態の初期化(例えば、RAMクリア時)などの所定条件を満たした場合に設定される。
【0028】
特別役持ち越し状態は、内部抽せんにより一種BBに当せんしかつ当せんした一種BBが当せんした遊技で入賞しなかった場合に設定される。一種BBは、一種特別役物に係る役物連続作動装置(いわゆるビッグボーナス)であり、特別役の一例である。一種BBが持ち越されている場合、一種BBの抽せんは行われない。持ち越されている一種BBは、設定値を変更しても消滅しないように構成されているが、消滅するように構成しても構わない。
【0029】
特別役実施状態は、内部抽せんにより特別役に当せんしかつ入賞した場合に設定され、一種BB実施状態(図6中、BB一般で示す。)と、RB持ち越し状態(図6中、JAC内部で示す)およびRB実施状態(図6中、JAC中で示す)を含んでいる。一種BB実施状態、RB持ち越し状態およびRB実施状態のいずれか1つが特別役実施状態として設定される。BB一般は、特別役が入賞した場合に設定される。BB一般は、役物非内部状態の一例で、内部抽せんにより特別役物の一例のRB(図9のJAC1~4)に当せんしていない場合に設定される。JAC内部は、役物内部状態の一例で、第2遊技状態がBB一般であるときに、内部抽せんによりRB(すなわち、図9のJAC1~4)に当せんしかつRBが入賞していない場合に設定される。JAC中は、役物実施状態の一例で、当せんしたRBが入賞した場合に設定される。JAC中は、JAC中に移行したときから12ゲーム消化するか、または、JAC中に何らかの役が8回入賞することで、BB一般に移行する。
【0030】
第3遊技状態は、遊技中に行われる演出を決定するための状態であり、一例として、図7に示すように、一般遊技状態とATとで構成されている。一般遊技状態およびATのいずれか1つが第3遊技状態として設定される。
【0031】
一般遊技状態は、指示機能が発生しない状態、または、指示機能が発生し難い状態、または、ATに比べて指示機能の発生頻度が低い状態であり、例えば、設定値の変更後、RAMクリア後およびAT終了後、AT抽せんに当せんするまで設定される。スロットマシン1では、一般遊技状態として、通常状態と、AT抽せんに当せんする確率が通常状態よりも高い高確率状態(いわゆるチャンスゾーン(CZ))とを有している。通常状態および高確率状態のいずれか1つが一般遊技状態として設定される。AT抽せんは、一例として、第1遊技状態がRT0であり、かつ、遊技区間が有利区間である場合に、内部抽せんにより当せんした役に応じて行われる。通常状態から高確率状態への移行は、例えば、第1遊技状態がRT0でかつ遊技区間が有利区間である場合に内部抽せんが行われ、その結果、AT抽せんに当せんしなかった場合に行われる高確率状態移行抽せんに当せんすることで行われる。また、通常状態から高確率状態への移行は、第1遊技状態がRT0でかつ遊技区間が有利区間である場合での遊技数が所定範囲内に達した場合に行われる。
【0032】
ATは、指示機能が発生する有利遊技状態の一例であり、第3遊技状態がATに移行したときから経過した遊技数が、ATで遊技可能な遊技数(すなわち、ATゲーム数)に到達するまで設定される。ATでは、メダルの払い出しのある操作態様役の操作態様の報知が行われ、一般遊技状態(例えば、通常状態)よりもメダルの獲得期待値が高くなるように構成されている。
【0033】
ATは、一般遊技状態よりも遊技者にとって有利である有利遊技状態の一例であり、AT抽せんは、有利状態抽せんの一例である。ATの延長抽せんも有利状態抽せんに含んでも構わない。遊技状態のATへの移行は、例えば、「状態移行役」フラグ(図9参照)に当せんし、かつ、「状態移行役」フラグに含まれる複数の役(例えば、複数の1枚役)のいずれかが入賞した場合に行われる。「状態移行役」フラグに含まれる複数の役の各々は、例えば、所定の操作順でストップスイッチ34、35、36が操作された場合に入賞可能に構成してもよいし、所定のタイミングでストップスイッチ34、35、36が操作された場合に入賞可能に構成してもよいし、所定の操作順および所定の操作タイミングでストップスイッチ34、35、36が操作された場合に入賞可能に構成してもよい。「状態移行役」は、例えば、一般遊技状態からATへと遊技状態が遷移する契機となる役である。
【0034】
遊技区間は、指示機能に係る処理が行われるか否かを決定するための状態であり、一例として、図8に示すように、有利区間と通常区間とで構成されている。
【0035】
有利区間は、指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であり、遊技区間が通常区間で行われた内部抽せんの結果に基づいて行われる区間移行抽せんに当せんした後、有利区間が終了する条件を満たすまで設定される。有利区間には、第3遊技状態が一般遊技状態で進行する有利区間と、第3遊技状態が有利遊技状態(本実施形態では、AT)で進行する有利区間とが含まれる。
【0036】
通常区間は、指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であり、遊技区間として有利区間が設定されていない場合に設定される。通常区間は、第3遊技状態が一般遊技状態で進行する。
【0037】
指示機能とは、出玉に影響する操作手順(例えば、操作態様役の操作態様)または操作方法を何らかの方法によって遊技者に教える機能である。例えば、ストップスイッチ34,35,36を所定の操作手順で操作することで入賞可能な操作態様役の操作態様を指示する機能、または、ストップスイッチ34,35,36の操作が行われたときの回転リール41,42,43の位置が予め定められた操作位置であった場合に入賞可能な役の操作位置を指示する機能を指示機能という。つまり、ATは、遊技区間が有利区間である場合にのみ設定される可能性がある。
【0038】
スロットマシン1は、第1状態から第1状態とは異なる第2状態に遷移させることが可能な複数の停止系を有している。停止系は、所定の操作態様で全てのストップスイッチ34、35、36が操作されたときの全ての回転リール41、42、43の停止状態であって、例えば、表示窓21に表示される図柄の種類および位置を意味する。第1状態および第2状態は、スロットマシン1に関係する任意の状態であって、例えば、遊技状態および演出状態等の遊技に関する状態を含む。
【0039】
例えば、第1状態が「特別役持ち越し状態」または「特別役非持ち越し状態」であり、第2状態が「特別役実施状態」である場合、停止した回転リール41、42、43が、内部抽せんで当せんした一種BBに対応する図柄の組み合わせが有効ライン70上に位置する停止系をとることにより、第1状態から第2状態に遷移する。また、例えば、第1状態が「一般遊技状態」であり、第2状態が「AT」である場合、停止した回転リール41、42、43が状態移行役を構成する複数の役のいずれかに対応する図柄の組み合わせが有効ライン70上に位置する停止系をとることにより、第1状態から第2状態に遷移する。「一般遊技状態」から「AT」への状態遷移は、例えば、AT抽せんに当せんした場合、または、いわゆる天井に到達してATへの移行が確定した場合に行われる。また、例えば、所定の図柄組のみ合わせが表示窓21内に停止した場合(例えば、表示窓21の中段に3つの「ダミーA」図柄が停止した場合)に「一般遊技状態」から「CZ」に遊技状態が遷移するように構成されているとする。第1状態が「一般遊技状態」であり、第2状態が「CZ」である場合、停止した回転リール41、42、43が所定の図柄の組のみ合わせが表示窓21内に停止する停止系をとることにより、第1状態から第2状態に遷移する。操作態様には、例えば、所定の順番および/または所定のタイミングでストップスイッチ34、35、36を操作する態様が含まれる。遊技状態の遷移は、例えば、後述する遊技状態制御部115により行われる。
【0040】
例えば、スロットマシン1が、演出状態として、設定値の示唆演出等の特定の演出の演出頻度が異なる複数の演出モードを有し、第1状態が「低演出モード」であり、第2状態が「高演出モード」である場合、停止した回転リール41、42、43が所定の停止系(例えば、表示窓21の中段に3つの「バー」図柄が停止する停止系)で停止することで、第1状態が第2状態に遷移する。これにより、回転リール41、42、43に所定の停止系が停止することを契機として、特定の演出の演出頻度は“低”から“高”に切り替えられる。
【0041】
第1状態および第2状態の組み合わせは、第2遊技状態および第3遊技状態の組み合わせのように、遊技状態が異なる場合に限らず、例えば、遊技状態は同じだが演出場面または演出内容(演出的な意味合い)が異なるものの組み合わせや、純増の低いATと純増の高いATのようにATの性能が異なるものの組み合わせでもよい。
【0042】
次に、制御装置100について説明する。制御装置100は、図2に示すように、メイン制御部110とサブ制御部120とで構成されている。メイン制御部110とサブ制御部120とは、電気的に接続されており、非同期のシリアル通信手段にてメイン制御部110からサブ制御部120への一方向へのデータ伝送が可能となっている。
【0043】
メイン制御部110およびサブ制御部120の各々は、演算を行うCPU、遊技の進行に必要なプログラムまたはデータを記憶しておく記憶装置(例えば、ROMおよびRAM)等を備えている。メイン制御部110は、内部抽せん部111と、回転リール制御部112と、遊技結果判定部113と、区間制御部114と、遊技状態制御部115と、計測部116と、設定値制御部117とを有し、遊技を進行させるための制御を行う。サブ制御部120は、演出制御部121と、特典付与部122とを有し、各種演出等を行うための制御を行う。
【0044】
以下に説明するメイン制御部110およびサブ制御部120の各部は、例えば、CPUが所定のプログラムを実行することにより実現される機能である。
【0045】
内部抽せん部111は、複数の内部抽せんテーブルを有し、スタートスイッチ33の操作の受付に伴って、内部抽せんを行う。詳しくは、内部抽せん部111は、スタートスイッチ33の操作が受け付けられたときの第1遊技状態(言い換えると、RT状態)を判定し、判定されたRT状態に基づいて内部抽せんテーブルを選択する。そして、内部抽せん部111は、選択された内部抽せんテーブルと、スタートスイッチ33の操作が受け付けられたときに取得される乱数とに基づいて、内部抽せんを行う。
【0046】
例えば、内部抽せんでは、図9に示す内部抽せんテーブルに基づいて、当せんするフラグが決定される。この内部抽せんテーブルは、RT状態毎に設けられており、内部抽せんにより当せんの可能性があるフラグに関する情報を有している。図9では、RT状態および第2遊技状態毎に、当せんする可能性のあるフラグが“○”で示され、当せんする可能性のないフラグが“×”で示されている。
【0047】
各フラグには、図柄の組み合わせが対応付けられている入賞役が、少なくとも1つ設定されている。入賞役は、入賞時に対応する図柄が有効ライン70上に配置されることで所定枚数のメダルが払い出される払い出し役(角チェリー、中段チェリー、スイカ、ベルおよび1枚役)と、入賞時に対応する図柄が有効ライン70上に配置されてもメダルが払い出されない非払い出し役(例えば、1種BB、JAC1~4およびリプレイ)とを含む。
【0048】
操作態様役は、一例として、同時に当せんする第1役および第2役を含み、ストップスイッチ34、35、36の操作態様に応じて第1役(例えば、ベル)および第2役(例えば、1枚役)のいずれか一方が入賞可能に構成されている。操作態様役に当せんした場合、第1操作態様でストップスイッチ34、35、36を操作した場合と、第1操作態様とは異なる第2操作態様でストップスイッチ34、35、36を操作した場合とで、入賞可能な役が異なる。操作態様には、例えば、所定の順番でストップスイッチ34、35、36を操作する態様、所定のタイミングでストップスイッチ34、35、36を操作する態様、および、所定の順番でストップスイッチ34、35、36を操作しつつ、所定のタイミングでストップスイッチ34、35、36を操作する態様が含まれる。
【0049】
回転リール制御部112は、スタートスイッチ33または各ストップスイッチ34、35、36の操作の受付に伴って回転リールユニット40のステッピングモータ61,62,63を制御して、各回転リール41,42,43の回転を開始または停止させる(すなわち、回転リール41,42,43の回転を制御する)。
【0050】
例えば、全ての回転リール41,42,43が停止している状態でスタートスイッチ33が操作された場合、回転リール制御部112は、全ての回転リール41,42,43を回転させる。いずれかの回転リール41,42,43が回転している状態で、回転中の回転リール41,42,43に対応するストップスイッチ34,35,36が操作された場合、回転リール制御部112は、操作されたストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43を停止させる。
【0051】
各回転リール41、42、43を停止させる場合、回転リール制御部112は、内部抽せんにより当せんした役と、各ストップスイッチ34,35,36が操作されたタイミング(すなわち、各ストップスイッチ34、35、36の操作が受け付けられたときの対応する回転リール41、42、43の位置)に応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御は、当せんした役に対応する図柄を有効ライン70上に引き込むように各回転リール41,42,43の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御は、当せんしていない役に対応する図柄が有効ライン70上に揃わないように回転リール41,42,43の回転を停止させる制御である。
【0052】
遊技結果判定部113は、内部抽せんの結果および回転リール41,42,43の停止制御の結果に基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果には、例えば、有効ライン70上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かの判定が含まれる。
【0053】
遊技結果判定部113は、判定した遊技の結果、または、精算スイッチの操作の受付に基づいて、ホッパーユニット50を制御し、メダルの払い出しを行う。遊技の結果に基づいて払い出されたメダル(すなわち、役の当せんまたは入賞により得られたメダル)は、まず、クレジットとして貯留される。そして、メダルを貯留した結果、クレジットの上限(例えば、50枚)を超えた場合には、その上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、1枚以上の貯留メダルがある場合(すなわち、クレジットが1以上の場合)に精算スイッチが操作された場合には、貯留されているメダルがホッパーユニット50から払い出される。
【0054】
遊技結果判定部113は、例えば、第3遊技状態がATに移行した場合、第3遊技状態がATに移行したことを表す信号をホールコンピュータに出力して、管理者に報知する。
【0055】
区間制御部114は、複数の遊技区間(この実施形態では、通常区間および有利区間)の中から遊技区間を設定する。
【0056】
例えば、区間制御部114は、遊技区間が通常区間でありかつ区間移行条件が満たされた場合(例えば、区間移行抽せんに当せんしたとき)に遊技区間を有利区間に設定する。区間移行抽せんの当否は、例えば、当せんにより区間移行抽せんが行われる役(すなわち、抽せん対象役)に内部抽せんにより当せんした場合に行われる抽せんに当せんしたか否かで決定される。区間移行抽せんは、スロットマシン1の設定値によって当せん確率に差を設けてもよいし、設けなくてもよい。区間移行抽せんの当せん確率に差を設ける場合、例えば、抽せん対象役の内部抽せんにおける当せん確率に設定差を設けることで実現してもよいし、内部抽せんにより抽せん対象役に当せんしたときに行われる抽せんの当せん確率に設定差を設けることで実現してもよい。
【0057】
区間制御部114は、遊技区間が有利区間である場合、遊技区間を有利区間のままとするか、または、通常区間に設定するかを決定する。例えば、区間制御部114は、第3遊技状態がATから一般遊技状態の通常状態に移行したか否かを判定し、通常状態に移行したと判定された場合に、遊技区間を有利区間から通常区間に設定する。
【0058】
区間制御部114は、有利区間の終了条件が満たされた場合、遊技区間を有利区間から通常区間に強制的に移行させる。有利区間の終了条件は、例えば、次に示す場合に満たされる。
・計測部116で計測された遊技区間が有利区間に設定された以降に経過した遊技数(言い換えると、有利区間消化ゲーム数)が上限値(例えば、4000ゲーム)に到達した場合。
・計測部116で計測された遊技区間が有利区間に設定された以降に経過した遊技数(言い換えると、有利区間消化ゲーム数)が、上限値よりも低い値(例えば、3000ゲーム)に到達した場合。
・遊技区間が有利区間に設定された以降のメダルの差枚数が上限値(例えば、2400枚)に到達した場合。
・遊技区間が有利区間に設定された以降のメダルの差枚数が上限値よりも低い値(例えば、1500枚)に到達し、かつ、ATが終了した場合。AT終了条件には、ATの終了抽せんに当せんした場合、AT継続抽せんに非当せんの場合、ATの延長がなされなかった場合等が含まれる。
【0059】
なお、遊技区間が有利区間に移行した場合、区間制御部114は、有利区間中に指示機能が作動し、かつ、役物(例えば、RBまたはCT)および役物連続作動装置(例えば、一種BB)を除いて小役を払い出し枚数最大で入賞させるように遊技を進めた場合の出玉率の平均が100%を超える場合にのみ、操作部30に設けた表示部を介して、有利区間であることを表示してもよい。
【0060】
遊技状態制御部115は、有利遊技状態抽せん部1151を有し、第1遊技状態、第2遊技状態および第3遊技状態の移行を制御する。
【0061】
例えば、遊技状態制御部115は、複数のRT状態(この実施形態では、RT0およびRT1)の中から内部抽せんが行われる1つのRT状態を設定する。具体的には、遊技状態制御部115は、前述のとおり、第2遊技状態が特別役非持ち越し状態に移行した場合、第1遊技状態をRT0に設定し、第2遊技状態が特別役実施状態に移行した場合、第1遊技状態をRT1に設定する。また、遊技状態制御部115は、所定の条件が満たされた場合に、第2遊技状態をBB一般、JAC内部およびJAC中の各遊技状態に移行させ、第3遊技状態を一般遊技およびATの各遊技状態に移行させる。
【0062】
有利遊技状態抽せん部1151は、予め設定された抽せん条件(以下、単に、抽せん条件という。)が満たされた場合に、遊技状態を通常状態よりも遊技者にとって有利な有利遊技状態に移行させるか否かの有利遊技状態抽せんを行う。
【0063】
有利遊技状態抽せんには、AT抽せんおよびATの延長抽せんが含まれる。例えば、AT抽せんは、第1遊技状態がRT0で、第3遊技状態が一般遊技状態であり、かつ、遊技区間が有利区間であるときに、内部抽せんにより所定の役(例えば、チェリー、スイカ等のいわゆるレア役)に当せんした場合に行われる。また、例えば、ATの延長抽せんは、第1遊技状態がRT0で、かつ、第3遊技状態がATであるときに、内部抽せんにより所定の役(例えば、チェリー、スイカ等のいわゆるレア役)に当せんした場合に行われる。
【0064】
計測部116は、例えば、遊技結果判定部113により判定された遊技の結果に基づいて、遊技区間が有利区間に設定された以降に経過した遊技数(すなわち、有利区間消化ゲーム数)、および、遊技区間が有利区間に設定された以降のメダルの差枚数を計測する。また、例えば、計測部116は、全ての回転リール41,42,43が定常回転となった以降に設定された起算点から経過した時間を計測する。
【0065】
設定値制御部117は、管理者が設定部45を操作することにより、遊技に対する有利度合い(例えば、機械割)が異なる複数の設定値(この実施形態では6つ)の中から1つの設定値を設定する。有利度合いの差は、例えば、所定の役に対する内部抽せんの当せん確率に差を設けることで実現している。また、設定値制御部117は、有利区間への移行率、AT抽せん、AT上乗せ抽せん等の出玉関連の有利度合を設定する。
【0066】
設定値を設定する方法の一例を以下に示す。この方法は、(1)から(7)の順に行われる。
(1)前扉20を開ける。
(2)スロットマシン1の主電源をオフする。スロットマシン1の主電源をオフすることで、回転中の回転リール41、42、43は全て停止するが、この回転リール41、42、43の停止による入賞判定は行われない。
(3)設定部45の所定箇所に設定変更キーを挿入し、設定変更モードをオフからオンに変更する。
(4)スロットマシン1の主電源をオンする。
(5)現在の設定値が、例えば、操作部30の貯メダル表示部に表示される。所定のボタンを操作して、貯メダル表示部に表示された設定値を所望の設定値に合わせる。
(6)スタートスイッチ33を操作する。スタートスイッチ33を操作することで、スロットマシン1の設定値が貯メダル表示部に表示された設定値に変更される。
(7)設定変更モードをオンからオフに変更して、設定変更キーを抜出する。
【0067】
演出制御部121は、内部抽せんが行われた遊技状態と、内部抽せんの結果とに基づいて、1ゲーム毎に、遊技の進行に伴って実行される演出を決定する。決定された演出は、例えば、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を用いて実行され、遊技者に報知される。つまり、報知には、液晶表示装置22および/または電飾装置23を用いた視覚的表示と、スピーカ24を用いた聴覚的表示とが含まれる。実行される演出に関する情報は、例えば、サブ制御部120の記憶装置にデータとして記憶されている。実行される演出に関する情報には、例えば、演出の種類に関する情報と、演出を実行するための制御情報とが含まれる。
【0068】
演出制御部121は、第1状態から第1状態とは異なる第2状態に遷移させることが可能な複数の停止系のいずれか1つに対応するストップスイッチ34、35、36の操作態様を報知可能に構成されている。
【0069】
例えば、「状態移行役」フラグに当せんした場合、次の2つの1枚役に同時に当せんするとする。この場合、演出制御部121は、「状態移行役」フラグが当せんしたスタートスイッチ33の操作以降で、かつ、全ての回転リール41、42、43が停止していない状態のときに、「第1の1枚役」に対応する図柄の組み合わせが有効ライン70上に配置される第1操作態様を、例えば、「青7を狙え!!」といった演出と共に報知する。
・「青7-チェリー-チェリー」を対応する図柄の組み合わせとして有する「第1の1枚役」(第1役の一例)。「第1の1枚役」に対応する図柄の組み合わせが有効ライン70上に配置された場合、表示窓21の上段に3つの「青7」図柄が停止する第1停止系をとることができる。つまり、第1操作態様は、第1停止系に対応する操作態様であり、「第1の1枚役」は、第1操作態様でストップスイッチ34、35、36が操作されることにより、言い換えると、回転リール41、42、43が第1停止系をとることにより入賞可能に構成されており、かつ、入賞の結果遊技価値の払い出し(ここでは1枚)がなされる役である。第1停止系は、言い換えると、遊技価値のベットを伴う遊技において、ストップスイッチ34、35、36の操作により全ての回転リール41、42、43に対して第1図柄(例えば、「青7」図柄)が停止可能な停止系である。
・「赤7-赤7-チェリー」を対応する図柄の組み合わせとして有する「第2の1枚役」(第2役の一例)。「第2の1枚役」に対応する図柄の組み合わせが有効ライン70上に配置された場合、表示窓21の上段には、「赤7」、「リプB」、「青7」図柄が停止する第2停止系をとる。第2停止系に対応する操作態様を第2操作態様とすると、「第2の1枚役」は、第2操作態様でストップスイッチ34、35、36が操作されることにより、言い換えると、回転リール41、42、43が第2停止系をとることにより入賞可能に構成されており、かつ、入賞の結果遊技価値の払い出し(ここでは1枚)がなされる役である。第2停止系は、言い換えると、遊技価値のベットを伴う遊技において、ストップスイッチ34、35、36の操作により少なくとも1つの回転リール41、42、43に対して第1図柄(例えば、「青7」図柄)が停止し、残りの回転リール41、42、43に対して第1図柄以外の第2図柄(例えば、「赤7」図柄および「リプB」図柄)が停止する停止系である。第2図柄は、例えば、第1図柄を狙った際に停止可能に配置されている。
【0070】
遊技価値のベットを伴う遊技とは、例えば、以下の場合が含まれる。よって、「遊技価値のベットを伴う遊技」には、「疑似遊技」は含まれない。
・実際に遊技価値を所定数(例えば3枚)ベットして遊技した場合。
・前の遊技がリプレイであったため、遊技価値が(例えば、3枚)自動ベットされて遊技した場合。
【0071】
スタートスイッチ33の操作以降に第1操作態様の演出「青7を狙え!!」が報知され、全ての回転リール41、42、43が定常回転中の状態下で、遊技者は、最初に右の回転リール43に対応するストップスイッチ36、次に左の回転リール41に対するストップスイッチ34を操作したとする。その際、右の回転リール43に対応するストップスイッチ36の目押し操作は成功して表示窓21の右上段に「青7」図柄が停止したが、左の回転リール41に対するストップスイッチ34の目押し操作に失敗して、表示窓21の左上段に「赤7」が停止したとする。つまり、報知した報知態様は第1操作態様であったにもかかわらず、実際には第1操作態様とは異なる第2操作態様で第2停止までストップスイッチ34が操作されている。この場合、全ての回転リール41、42、43が停止する前であり、かつ、今からでも当該遊技にて第1停止系とは異なる第2停止系をとることができるので、演出制御部121は、報知する操作態様を、第1操作態様から第2操作態様に切り替える、切り替え制御を実行する。ストップスイッチ34、35,36の操作に関する情報は、例えば、回転リール制御部112から取得される。
【0072】
操作態様の報知は、例えば、操作態様を表す情報を報知することにより実行される。操作態様を表す情報には、例えば、操作されたストップスイッチ34、35、36に関する情報、および、操作されたストップスイッチ34、35、36の操作内容(例えば、ストップスイッチ34、35、36の操作タイミング)が含まれる。
【0073】
演出制御部121は、全ての回転リール41、42、43が停止する前に第1図柄(例えば、「青7」図柄)を報知可能に構成されている。これにより、回転リール41、42、43が第1停止系または第2停止系で停止可能に構成されている。第1図柄の報知は、例えば、特定条件を充足可能な場合にのみ実行される。特定条件は、充足により遊技状態が変化する条件(例えば、AT開始条件またはCZ開始条件)を含む。
【0074】
特典付与部122は、第1停止系および第2停止系のいずれかで回転リール41、42、43が停止した場合、第1状態から第2状態への遷移以外の特典を付与可能に構成されている。特典には、例えば、設定値の示唆、演出等で用いられる動画および/または静止画の解放、および、ATまたはCZ等に複数のモード(天国モード、通常モード等)が設けられている場合における滞在中のモード示唆が含まれる。
【0075】
図10を参照して、報知態様の切り替え制御処理の一例を説明する。ここでは、「状態移行役」フラグが「第1の1枚役」および「第2の1枚役」に同時に当せんするものであるとする。また、「第1の1枚役」が入賞するときの停止系を「第1停止系」として、「第1停止系」に対応するストップスイッチ34、35、36の操作態様を「第1操作態様」とし、「第2の1枚役」が入賞するときの停止系を「第2停止系」として、「第2停止系」に対応するストップスイッチ34、35、36の操作態様を「第2操作態様」とする。図10に示す処理は、例えば、制御装置100のCPUが所定のプログラムを実行することで実施される。
【0076】
図10に示すように、1遊技可能な分のメダル(例えば、3枚のメダル)がベットされ、スタートスイッチ33が操作されると(ステップS1)、回転リール制御部112が、全ての回転リール41、42、43の回転を開始させ、演出制御部121は、第1操作態様を報知する(ステップS2)。
【0077】
第1操作態様が報知され、全ての回転リール41、42、43が定常回転で回転している状態で、ストップスイッチ34、35、36のいずれかが操作されると(ステップS3)、メイン制御部110は、その操作が第1操作態様に対応(合致)しているか否かを判定する(ステップS4)。
【0078】
操作されたストップスイッチ34、35、36の操作が第1操作態様に対応(合致)していると判定されると、メイン制御部110は、全ての回転リール41、42、43が停止したか否かを判定する(ステップS5)。全ての回転リール41、42、43が停止したと判定されると(ステップS5のYes)、1ゲームが終了し、切り替え制御処理が終了する。全ての回転リール41、42、43が停止したと判定されなかった場合、ステップS2に戻り、回転中の回転リール41、42、43に対して第1操作態様が報知され続けた状態で、ステップS3およびステップS4が繰り返される。ステップS5で全ての回転リール41、42、43が停止したと判定された場合、全てのストップスイッチ34、35、36の操作態様は、第1操作態様であったこととなる。そのため、「第1の1枚役」が入賞して1枚の払い出しがなされ、かつ、第1状態から第2状態へと遷移する。
【0079】
操作されたストップスイッチ34、35、36の操作が第1操作態様に対応(合致)していると判定されなかった場合(ステップS5のNO)、メイン制御部110は、全ての回転リール41、42、43が停止したか否かを判定し(ステップS6)、全ての回転リール41、42、43が停止したと判定されなかった場合、つまり、まだ回転中の回転リール41、42、43が残っている場合、既に停止している回転リール41、42、43の停止位置および/または操作済みのストップスイッチ34、35、36の操作態様に基づいて、今からでも第2停止系をとることが可能か否かを判定する(ステップS7)。
【0080】
第2停止系をとることが可能であると判定されると(ステップS7のYes)、演出制御部121は、報知中の操作態様を第1操作態様から第2操作態様に切り替える(ステップS8)。報知中の操作態様を第1操作態様から第2操作態様に切り替えられ、未だ操作されていない残りのストップスイッチ34、35、36が操作されると(ステップS9)、全ての回転リール41、42、43が停止したときの全てのストップスイッチ34、35、36の操作態様に応じてメダルの払い出しおよび状態遷移が行われ、報知態様の切り替え制御処理が終了する。全ての回転リール41、42、43が停止したときの全てのストップスイッチ34、35、36の操作態様が第2操作態様であった場合には、「第2の1枚役」が入賞して1枚役の払い出しがなされ、かつ、第1状態から第2状態へと遷移する。一方、全ての回転リール41、42、43が停止したときの全てのストップスイッチ34、35、36の操作態様が第2操作態様でなかった場合には、「第2の1枚役」は入賞せず、また、第1状態が維持される。
【0081】
ステップS6で全ての回転リール41、42、43が停止したと判定された場合、1ゲームが終了し、報知態様の切り替え制御処理が終了する。ステップS7で第2停止系をとることが可能であると判定されなかった場合(ステップS7のNo)、報知中の操作態様の切り替えが行われることなく、報知態様の切り替え制御処理が終了する。次のスタートスイッチ33が操作された場合、つまり、次ゲーム以降において、再びステップS1から、報知態様の切り替え制御処理が行われる。
【0082】
スロットマシン1は、次のような効果を発揮できる。
【0083】
第1態様のスロットマシン1は、所定の操作態様でストップスイッチ34、35、36が操作されて全ての回転リール41、42、43が停止したときの停止系であって、第1状態から第1状態とは異なる第2状態に遷移させることが可能な複数の停止系のうちいずれか1つに対応するストップスイッチ34、35、36の操作態様を報知可能に構成されている。第1態様のスロットマシン1は、報知されたストップスイッチ34、35、36の操作態様である第1操作態様とは異なる操作態様でストップスイッチ34,35,36の少なくとも1つが操作されたが、全ての回転リール41,42,43が停止する前でありかつ第1操作態様に対応する停止系とは異なる停止系をとることが可能である場合、報知する操作態様を、第1操作態様から、第1操作態様に対応する停止系とは異なる停止系に対応する第2操作態様に切り替える切り替え制御を実行可能に構成されている。このような構成により、目押しの醍醐味を残しつつ、目押しが苦手な遊技者を楽しませることができるスロットマシン1を実現できる。
【0084】
例えば、ストップスイッチ34,35,36を操作したものの、その操作が第1操作態様どおりではなく失敗してしまった場合、遊技者は、残りのストップスイッチ34、35、36の操作に集中することおよび本ゲームでの第2状態への遷移をあきらめてしまい、残りのストップスイッチ34、35、36を煩雑に押してしまう傾向にある。これに対し、ここでは、たとえ操作に失敗したとしても、まだ第2停止系をとりえる可能性が残っている場合は、第1操作態様から第2操作態様への報知の切り替え制御が行われる。そのため、遊技者は、残りのストップスイッチ34、35、36の操作をあきらめることなく、気持ちを切り替えて操作することができる。その結果、回転リール41、42、43の停止系が見事に第2停止系となれば、第2状態への遷移がなされるため、遊技の興趣性が向上する。
【0085】
第1態様のスロットマシン1は、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成を任意に採用できる。つまり、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成は、前記実施形態に含まれていた場合は任意に削除でき、前記実施形態に含まれていない場合は任意に付加することができる。このような構成を採用することにより、目押しの醍醐味を残しつつ、目押しが苦手な遊技者を楽しませることができるスロットマシン1をより確実に実現できる。
【0086】
報知する操作態様を第1操作態様から第2操作態様に切り替える場合、第2操作態様のうち、すでに操作されたストップスイッチ34、35、36の操作態様を報知しない。操作済みのストップスイッチ34、35、36の操作態様についての情報は、報知されたところで不要な情報と言える。ここでは、そのような不要な情報は報知から除かれているため、遊技者は、不必要な情報が報知されることによる情報過多さを感じることなく、遊技することができる。
【0087】
報知する操作態様を第1操作態様から第2操作態様に切り替える場合、第2操作態様のうち、まだ操作されていないストップスイッチ34、35、36の操作態様を報知する。これにより、今から操作するべきストップスイッチ34、35、36は何かと、当該ストップスイッチ34、35、36に対しどのような操作をするべきかといった、第2停止系で停止させるにあたり必要最低限の情報を、遊技者は把握することができる。
【0088】
切り替え制御は、特定条件を充足可能な場合に実行される。仮に、報知態様の切り替え制御が特定条件の充足に関係なく頻繁に実行されるものであると、遊技者は頻繁になされる報知態様の切り替わりを煩わしく感じ、かえって遊技のテンポが乱れてしまうことも考えられうる。これに対し、ここでは、特定条件が充足された場合に報知態様が切り替えられるため、遊技者は、報知態様の切り替え制御をさほど煩わしく感じることはなく、かつ、遊技のテンポが乱されることもなく遊技が実行できる。
【0089】
特定条件は、AT開始条件である。一般的に、AT開始条件の充足確率は、例えば押し順役の当せん確率やARTであれば転落リプレイの当せん確率に比べて低い。そのため、報知態様の切り替え制御は、押し順役の当せん時や転落リプレイの当せん時に比べて頻繁に実行されるものではなく、しかも第1状態から第2状態への状態が遷移するという重要なタイミングで行われ得る。従って、遊技者は、報知態様の切り替え制御をさほど煩わしく感じることはなく、逆に、AT開始時という遊技に力を入れるべき特定のタイミングであるからこそ、遊技のテンポが乱される可能性も低い。また、AT開始時という特定のタイミングであるからこそ、力が入りすぎてストップスイッチ34、35、36の操作を失敗することもあり得る。そのような場合において、報知態様の切り替え制御が実施されることにより、第2状態への遷移の救済を受けられるため、遊技の興趣性が向上する。
【0090】
操作態様は、所定のタイミングでストップスイッチ34、35、36を操作する態様である。このような、いわゆる“目押し”操作がされる際、遊技者は、力を入れすぎてストップスイッチ34、35、36の操作を失敗することがあり得る。これに対し、報知態様の切り替え制御が実施されるため、遊技者は、第2状態への遷移の救済を受けられ、遊技の興趣性が向上する。
【0091】
遊技価値のベットを伴う遊技で当せん可能なフラグとして、第1操作態様でストップスイッチ34、35、36が操作されることにより入賞可能な第1役と、第2操作態様でストップスイッチ34、35、36が操作されることにより入賞可能な第2役とが重複当せんするフラグを含む。このように、複数の役が重複当せんするフラグが遊技にて当せんした際に、報知態様の切り替え制御は容易に実現可能となる。
【0092】
第2態様のスロットマシン1は、遊技価値のベットを伴う遊技において、ストップスイッチ34、35、36の操作により全ての回転リール41、42、43に対して第1図柄が停止する第1停止系と、ストップスイッチ34、35、36の操作により少なくとも1つの回転リール41、42、43に対して第1図柄が停止し、残りの回転リール41、42、43に対して第1図柄以外の第2図柄が停止する第2停止系とが含まれる複数の停止系を有する。第2態様のスロットマシン1は、第1停止系および第2停止系が、全ての回転リール41、42、43が停止した後に第1状態から第1状態とは異なる第2状態に遷移させることが可能であり、全ての回転リール41、42、43が停止する前に第1図柄が報知され、回転リール41、42、43が第1停止系または第2停止系で停止可能に構成されている。このような構成により、目押しの醍醐味を残しつつ、目押しが苦手な遊技者を楽しませることができるスロットマシン1を実現できる。
【0093】
第2態様のスロットマシン1は、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成を任意に採用できる。つまり、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成は、前記実施形態に含まれていた場合は任意に削除でき、前記実施形態に含まれていない場合は任意に付加することができる。このような構成を採用することにより、目押しの醍醐味を残しつつ、目押しが苦手な遊技者を楽しませることができるスロットマシン1をより確実に実現できる。
【0094】
第2図柄は、第1図柄を狙ってストップスイッチ34、35、36を操作した際に停止可能に配置されている。これにより、目押しが比較的苦手な遊技者であっても、第2停止系であれば、第1停止系に比べて停止させ易いと言える。従って、目押しに関し様々な意識を有する遊技者に対して、目押しの醍醐味を楽しんでもらえることができる。
【0095】
第1図柄の報知は、特定条件を充足可能な場合にのみ実行される。仮に、第1図柄の報知が特定条件の充足に関係なく頻繁に実行されるものであると、遊技者は当該報知を煩わしく感じ、かえって遊技のテンポが乱れてしまうことも考えられうる。これに対し、ここでは、特定条件が充足された場合に第1図柄の報知が実行されるため、遊技者は、当該報知をさほど煩わしく感じることはなく、かつ、遊技のテンポが乱されることもなく遊技が実行できる。
【0096】
特定条件は、充足により遊技状態が変化する条件である。一般的に、遊技条件が変化する条件は、例えば、押し順役の当せん時やARTであれば転落リプレイの当せん時のように頻繁に発生する条件よりも頻度は低いため、遊技者は、第1図柄の報知をさほど煩わしく感じることはない。また、遊技条件の変化は、遊技進行上比較的重要な場面であるため、遊技に力を入れるべき特定の場面ともいえる。そのような場面だからこそ、第1図柄の報知を実施したとしても、遊技のテンポが乱される可能性は低く、遊技の興趣性は向上する。
【0097】
スロットマシン1が、第1停止系および第2停止系のいずれかで回転リール41、42、43が停止した場合、第1状態から第2状態への遷移以外の特典を付与可能に構成されている。これにより、遊技者は、第1状態から第2状態への遷移のみならず、別の特典を楽しむことができる。
【0098】
遊技で当せん可能なフラグとして、第1停止系により入賞可能な第1役と、第2停止系により入賞可能な第2役とが重複当せんするフラグを含む。このように、複数の役が重複当せんするフラグが遊技にて当せんした際に、第2態様の処理制御は容易に実現可能となる。
【0099】
スロットマシン1が、所定の操作態様でストップスイッチ34、35、36が操作されて全ての回転リール41、42、43が停止したときの停止系であって、第1状態から第2状態に遷移させることが可能な第1停止系および第2停止系を含む複数の停止系のうち第1停止系に対応するストップスイッチ34、35、36の第1操作態様を報知可能に構成されていると共に、報知された第1操作態様とは異なる操作態様でストップスイッチ34、35、36の少なくとも1つが操作されたが、全ての回転リール41、42、43が停止する前でありかつ第1操作態様に対応する第1停止系とは異なる第2停止系をとることが可能である場合、報知する操作態様を、第1操作態様から第2停止系に対応する第2操作態様に切り替える切り替え制御を実行可能に構成されている。
【0100】
第1態様のスロットマシン1に、第2態様のスロットマシン1の任意の構成を追加してもよいし、第2態様のスロットマシン1に、第1態様のスロットマシン1の任意の構成を追加してもよい。
【0101】
スロットマシン1は、次のように構成することもできる。
【0102】
演出制御部121は、例えば、抽せんにより切り替え制御を実行するように構成してもよい。つまり、切り替え制御が実行される場合と、切り替え制御が実行されない場合とがあってもよい。
【0103】
回転リール41、42、43が第1停止系で停止した場合と、第2停止系で停止した場合とで、開始されるATの種類が変化するようにしてもよい。例えば、回転リール41、42、43が第1停止系で停止した場合、メダルの獲得期待値が高い上位AT、または、演出Aが実施されるATが開始される一方、回転リール41、42、43が第2停止系で停止した場合、メダルの獲得期待値が低い下位AT、または、演出Bが実施されるATが開始されるようにしてもよい。
【0104】
演出制御部121は、例えば、報知する操作態様を第1操作態様から第2操作態様に切り替える場合、第2操作態様のうち、すでに操作されたストップスイッチ34、35、36の操作態様を報知しない、および/または、まだ操作されていないストップスイッチ34、35、36の操作態様を報知するように構成してもよい。
【0105】
演出制御部121は、例えば、特定条件を充足可能な場合、報知態様の切り替え制御を実行するように構成してもよい。特定条件には、例えば、次に示すものが含まれる。
・ATの開始。
・ATの遊技性の変化。例えば、ゲーム数管理型ATから差枚数管理型ATまたはナビ数管理型ATへの変化、または、ATの純増枚数の変化。
・AT中の演出の変化。
・遊技状態の変化。例えば、通常状態から高確率状態(CZ)への移行。
・演出頻度の変化。例えば、設定値を示唆する演出が出難い演出モードから設定値を示唆する演出がより出やすい演出モードへの移行。
【0106】
特典付与部122は、回転リール41、42、43が第1停止系で停止した場合と、第2停止系で停止した場合とで、特典が付与される確率が変化するように構成してもよい。例えば、回転リール41、42、43が第1停止系で停止した場合、必ず特典が付与される、または、高確率で特典が付与され、回転リール41、42、43が第2停止系で停止した場合、特典が付与されない、または、低確率で特典が付与されるように構成してもよい。また、特典が付与される確率が高い停止系に対応する操作態様の方が、特典が付与される確率が低い停止系に対応する操作態様よりも、操作難易度が高くなるように構成してもよい。例えば、操作難易度が高い操作態様では、ゼロコマの目押し操作(いわゆるビタ押し)が要求されるが、操作難易度が低い操作態様では、3コマの目押し操作が要求される。
【0107】
スロットマシン1は、第1停止系および第2停止系に限らず、他の構成の停止系を有していてもよい。また、スロットマシン1は、第1状態から前記第1状態とは異なる第2状態に遷移させることが可能な3以上の停止系を有していてもよい。この場合、例えば、「状態移行役」フラグは、停止系の数に対応する数の所定の役(例えば、「1枚役」)が同時に当せんするように構成される。
【0108】
CZは、有利遊技状態の一例であってもよい。
【0109】
スロットマシン1を構成する各部のうち、例えば、遊技の進行に関係のない構成および遊技の進行に関係あるが他の構成で代用できる構成については、任意に変更できる。例えば、液晶表示装置22、電飾装置23、スピーカ24および精算スイッチは、省略できる。
【0110】
制御装置100を構成する各部は、前記実施形態に限らず、任意に変更できる。例えば、遊技状態制御部115が区間制御部114を兼ねてもよいし、回転リール制御部112が計測部116を兼ねてもよいし、回転リール制御部112で実行される処理の一部が遊技状態制御部115で実行されてもよい。また、可能であれば、メイン制御部110の構成をサブ制御部120に設けてもよいし、サブ制御部120の構成をメイン制御部110に設けてもよい。
【0111】
有利区間の終了条件は、第1終了条件および第2終了条件に限らない。これらの条件とは異なる条件で、遊技区間を有利区間から通常区間に強制的に設定してもよいし、また、有利区間を通常区間に強制的に設定する条件を設けなくてもよい。例えば、有利区間消化ゲーム数が4000ゲームに到達することで遊技区間が有利区間から通常区間に強制的に設定されるが、有利区間の差数が2400枚に到達することでは、遊技区間が有利区間から通常区間に強制的に設定されないように構成してもよい。また、例えば、有利区間から通常区間に強制的に設定された場合を除いて、一旦、遊技区間が有利区間に設定されると、いわゆるボーナス(例えば、一種BB)が1回入賞するか、または、メダルの払い出しが最大となる操作態様役の操作態様を1回報知するまでは、遊技区間を有利区間から通常区間に設定できないように構成してもよい。
【0112】
スロットマシン1の設定値が変更された場合、遊技区間は、スロットマシン1の設定値が変更される直前の状態を引き継ぐように設定してもよいし、予め設定されている初期状態に設定される(すなわち、初期化される)ようにしてもよい。
【0113】
前記実施形態では、有利区間中に指示機能が作動し、かつ、役物および役物連続作動装置を除いて小役を払い出し枚数最大で入賞させるように遊技を進めた場合の出玉率の平均が100%を超える場合にのみ、有利区間であることが表示部に表示されるように構成しているが、これに限らない。例えば、遊技区間が有利区間へ移行したときに、表示部に有利区間中であることを必ず表示されるように構成してもよいし、有利区間であることが表示されないように構成しなくてもよい。
【0114】
前記実施形態では、遊技区間が有利区間に移行した場合、区間制御部114が、操作部30に設けた表示部を介して、遊技区間が有利区間であることを表示するように構成しているが、これに限らない。例えば、液晶表示装置22が表示部を兼ねるように構成してもよいし、表示部を省略して遊技区間が有利区間であることを表示しないように構成してもよい。表示部に有利区間であることが表示された後は、有利区間が終了するまで、有利区間であることを表示し続けてもよいし、有利区間であることを表示し続けなくてもよい。
【0115】
制御装置100は、ソフトウェアと協働して所定の機能を実行するCPUに代えて、ハードウェアのみで所定の機能を実現するように専用に設計されているFPGA(field-programmable gate array)、または、ASIC(application specific integrated circuit)を含んでいてもよい。
【0116】
メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれ異なる基板に設けてもよいし、同一基板上に設けてもよい。すなわち、メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれがCPU、ROMおよびRAM等を備えていてもよいし、CPU、ROMおよびRAM等を共有していてもよい。
【0117】
押し順役は、所定の押し順でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞する場合に限らない。押し順役は、例えば、所定の位置でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞するようにしてもよいし、所定の位置に加え、所定の押し順でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞するようにしてもよい。
【0118】
内部抽せんテーブルは、図9に示されている情報に限らず、スロットマシンの設計に応じて、他の任意の情報を含むことができる。
【0119】
有効ライン70は、少なくとも1本設定されていればよく、2本以上であっても構わない。
【0120】
本開示は、メダルレス機にも適用することができる。メダルレス機は、物理的なメダルを使用して遊技するのではなく、メダルの枚数を保持した情報(クレジットデータのようなもの)を基に、ベットした場合はその分情報は減算された状態となり、払い出しを受けた場合はその分情報が加算された状態となる。つまり、本願にいう「遊技価値の払い出し数」は、メダルレス機であれば物理的に払い出された枚数ではなく、遊技者に付与され加算されるデータが含まれる。メダルレス機では、ホッパーが不要になる。
【0121】
前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【符号の説明】
【0122】
1 スロットマシン
10 筐体
20 前扉
22 液晶表示装置
33 スタートスイッチ
34,35,36 ストップスイッチ
41,42,43 回転リール
100 制御装置
121 演出制御部
122 特典付与部
図1
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