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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043354
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】スイッチ回路
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/40 20150101AFI20240322BHJP
   H03K 17/00 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H04B1/40
H03K17/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148497
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】田部井 慎
【テーマコード(参考)】
5J055
5K011
【Fターム(参考)】
5J055AX28
5J055AX52
5J055BX05
5J055CX03
5J055CX24
5J055DX12
5J055DX61
5J055EY01
5J055EY21
5J055GX01
5J055GX02
5J055GX04
5K011AA06
5K011BA04
5K011DA02
5K011DA12
5K011DA27
5K011JA01
5K011KA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】端子間のアイソレーションを改善することができるスイッチ回路を提供する。
【解決手段】通信装置5において、スイッチ回路1は、入出力端子101及び入出力端子102を含む基板と、前記基板に配置され、ソース端子31S、ゲート端子31G及びドレイン端子31Dを含み、ソース端子31Sが電力増幅器11の入力端に接続され、ドレイン端子31Dが第1入出力端子101に接続されるスイッチ31と、前記基板に配置され、ゲート端子31Gに接続される電圧制御回路41と、前記基板に配置され、ソース端子32S、ゲート端子32G及びドレイン端子32Dを含み、ソース端子32Sが第2入出力端子102に接続され、ドレイン端子32Dが電力増幅器11の出力端に接続されるスイッチ32と、前記基板に電圧制御回路41と離間して配置され、ゲート端子32Gに接続される電圧制御回路42と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1入出力端子及び第2入出力端子を含む基板と、
前記基板に配置され、第1ソース端子、第1ゲート端子及び第1ドレイン端子を含み、前記第1ソース端子が電力増幅器の入力端に接続され、前記第1ドレイン端子が前記第1入出力端子に接続される第1スイッチと、
前記基板に配置され、前記第1ゲート端子に接続される第1電圧制御回路と、
前記基板に配置され、第2ソース端子、第2ゲート端子及び第2ドレイン端子を含み、前記第2ソース端子が前記第2入出力端子に接続され、前記第2ドレイン端子が前記電力増幅器の出力端に接続される第2スイッチと、
前記基板に前記第1電圧制御回路と離間して配置され、前記第2ゲート端子に接続される第2電圧制御回路と、を備える、
スイッチ回路。
【請求項2】
前記第1電圧制御回路及び前記第1スイッチの間の距離は、前記第1電圧制御回路及び前記第2スイッチの間の距離よりも短い、
請求項1に記載のスイッチ回路。
【請求項3】
前記第2電圧制御回路及び前記第2スイッチの間の距離は、前記第2電圧制御回路及び前記第1スイッチの間の距離よりも短い、
請求項1又は2に記載のスイッチ回路。
【請求項4】
前記第1電圧制御回路は、前記第1ゲート端子に第1ゲート電圧を印加するよう構成され、
前記第2電圧制御回路は、前記第2ゲート端子に前記第1ゲート電圧と同レベルの第2ゲート電圧を前記第1ゲート電圧と同期して印加するよう構成される、
請求項1又は2に記載のスイッチ回路。
【請求項5】
前記スイッチ回路は、さらに、
前記基板に配置され、前記第1電圧制御回路と前記第1ゲート端子との間に接続される第1ローパスフィルタと、
前記基板に配置され、前記第2電圧制御回路と前記第2ゲート端子との間に接続される第2ローパスフィルタと、を備える、
請求項1又は2に記載のスイッチ回路。
【請求項6】
前記スイッチ回路は、さらに、
前記基板に配置され、前記第1電圧制御回路に接続される第1入力論理回路と、
前記基板に前記第1入力論理回路と離間して配置され、前記第2電圧制御回路に接続される第2入力論理回路と、を備える、
請求項1又は2に記載のスイッチ回路。
【請求項7】
前記スイッチ回路は、さらに、
前記基板に配置された低雑音増幅器と、
前記基板に配置され、第3ソース端子、第3ゲート端子及び第3ドレイン端子を含み、前記第3ソース端子が前記第1入出力端子に接続され、前記第3ドレイン端子が前記低雑音増幅器の出力端に接続される第3スイッチと、
前記基板に配置され、前記第3ゲート端子に接続される第3電圧制御回路と、
前記基板に配置され、第4ソース端子、第4ゲート端子及び第4ドレイン端子を含み、前記第4ソース端子が前記低雑音増幅器の入力端に接続され、前記第4ドレイン端子が前記第2入出力端子に接続される第4スイッチと、
前記基板に前記第3電圧制御回路と離間して配置され、前記第4ゲート端子に接続される第4電圧制御回路と、を備える、
請求項1又は2に記載のスイッチ回路。
【請求項8】
前記第3電圧制御回路及び前記第3スイッチの間の距離は、前記第3電圧制御回路及び前記第4スイッチの間の距離よりも短い、
請求項7に記載のスイッチ回路。
【請求項9】
前記第4電圧制御回路及び前記第4スイッチの間の距離は、前記第4電圧制御回路及び前記第3スイッチの間の距離よりも短い、
請求項7に記載のスイッチ回路。
【請求項10】
前記第3電圧制御回路は、前記第3ゲート端子に第3ゲート電圧を印加するよう構成され、
前記第4電圧制御回路は、前記第4ゲート端子に前記第3ゲート電圧と同レベルの第4ゲート電圧を前記第3ゲート電圧と同期して印加するよう構成される、
請求項7に記載のスイッチ回路。
【請求項11】
前記スイッチ回路は、さらに、
前記第3電圧制御回路と前記第3ゲート端子との間に接続される第3ローパスフィルタと、
前記第4電圧制御回路と前記第4ゲート端子との間に接続される第4ローパスフィルタと、を備える、
請求項7に記載のスイッチ回路。
【請求項12】
SPnT型のスイッチ回路であって、
共通端子、第1選択端子及び第2選択端子を含む基板と、
前記基板に配置され、第1ソース端子、第1ゲート端子及び第1ドレイン端子を含み、前記第1ドレイン端子が前記共通端子に接続され、前記第1ソース端子が前記第1選択端子に接続される第1スイッチと、
前記基板に配置され、前記第1ゲート端子に接続される第1電圧制御回路と、
前記基板に配置され、第2ソース端子、第2ゲート端子及び第2ドレイン端子を含み、前記第2ドレイン端子が前記共通端子に接続され、前記第2ソース端子が前記第2選択端子に接続される第2スイッチと、
前記基板に前記第1電圧制御回路と離間して配置され、前記第2ゲート端子に接続される第2電圧制御回路と、を備える、
スイッチ回路。
【請求項13】
前記第1電圧制御回路及び前記第1スイッチの間の距離は、前記第1電圧制御回路及び前記第2スイッチの間の距離よりも短い、
請求項12に記載のスイッチ回路。
【請求項14】
前記第2電圧制御回路及び前記第2スイッチの間の距離は、前記第2電圧制御回路及び前記第1スイッチの間の距離よりも短い、
請求項12又は13に記載のスイッチ回路。
【請求項15】
前記第1電圧制御回路は、前記第1ゲート端子に第1ゲート電圧を印加するよう構成され、
前記第2電圧制御回路は、前記第2ゲート端子に前記第1ゲート電圧と逆レベルの第2ゲート電圧を前記第1ゲート電圧と同期して印加するよう構成される、
請求項12又は13に記載のスイッチ回路。
【請求項16】
前記スイッチ回路は、さらに、
前記基板に配置され、第3ソース端子、第3ゲート端子及び第3ドレイン端子を含み、前記第3ドレイン端子が前記第1ソース端子及び前記第1選択端子の間の経路に接続され、前記第3ソース端子がグランドに接続される第3スイッチと、
前記基板に配置され、第4ソース端子、第4ゲート端子及び第4ドレイン端子を含み、前記第4ドレイン端子が前記第2ソース端子及び前記第2選択端子の間の経路に接続され、前記第4ソース端子がグランドに接続される第4スイッチと、を備え、
前記第1電圧制御回路は、さらに、前記第3ゲート端子に接続され、
前記第2電圧制御回路は、さらに、前記第4ゲート端子に接続されている、
請求項12又は13に記載のスイッチ回路。
【請求項17】
前記第1電圧制御回路及び前記第3スイッチの間の距離は、前記第1電圧制御回路及び前記第4スイッチの間の距離よりも短い、
請求項16に記載のスイッチ回路。
【請求項18】
前記第2電圧制御回路及び前記第4スイッチの間の距離は、前記第2電圧制御回路及び前記第3スイッチの間の距離よりも短い、
請求項16に記載のスイッチ回路。
【請求項19】
前記第1電圧制御回路は、前記第1ゲート端子に第1ゲート電圧を印加し、かつ、前記第3ゲート端子に前記第1ゲート電圧と逆レベルの第3ゲート電圧を前記第1ゲート電圧と同期して印加するよう構成され、
前記第2電圧制御回路は、前記第2ゲート端子に前記第1ゲート電圧と逆レベルの第2ゲート電圧を前記第1ゲート電圧と同期して印加し、かつ、前記第4ゲート端子に前記第2ゲート電圧と逆レベルの第4ゲート電圧を前記第2ゲート電圧と同期して印加するよう構成される、
請求項16に記載のスイッチ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信機器では、一般的に複数のスイッチが実装される。例えば、特許文献1には、電力増幅器と低雑音増幅器とを切り替えるためのスイッチ回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0226367号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、スイッチ回路に含まれる複数の端子間のアイソレーションが不足する場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、端子間のアイソレーションを改善することができるスイッチ回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るスイッチ回路は、第1入出力端子及び第2入出力端子を含む基板と、基板に配置され、第1ソース端子、第1ゲート端子及び第1ドレイン端子を含み、第1ソース端子が電力増幅器の入力端に接続され、第1ドレイン端子が第1入出力端子に接続される第1スイッチと、基板に配置され、第1ゲート端子に接続される第1電圧制御回路と、基板に配置され、第2ソース端子、第2ゲート端子及び第2ドレイン端子を含み、第2ソース端子が第2入出力端子に接続され、第2ドレイン端子が電力増幅器の出力端に接続される第2スイッチと、基板に第1電圧制御回路と離間して配置され、第2ゲート端子に接続される第2電圧制御回路と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係るスイッチ回路は、SPnT型のスイッチ回路であって、共通端子、第1選択端子及び第2選択端子を含む基板と、基板に配置され、第1ソース端子、第1ゲート端子及び第1ドレイン端子を含み、第1ドレイン端子が共通端子に接続され、第1ソース端子が第1選択端子に接続される第1スイッチと、基板に配置され、第1ゲート端子に接続される第1電圧制御回路と、基板に配置され、第2ソース端子、第2ゲート端子及び第2ドレイン端子を含み、第2ドレイン端子が共通端子に接続され、第2ソース端子が第2選択端子に接続される第2スイッチと、基板に第1電圧制御回路と離間して配置され、第2ゲート端子に接続される第2電圧制御回路と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、端子間のアイソレーションを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る通信装置の回路構成図である。
図2図2は、実施の形態1に係るスイッチの回路構成図である。
図3図3は、実施の形態1に係るスイッチに印加されるゲート電圧とスイッチの開閉動作とを示すグラフである。
図4図4は、実施の形態1に係るスイッチ回路の平面図である。
図5図5は、実施の形態1の変形例に係るスイッチ回路の回路構成図である。
図6図6は、実施の形態2に係るスイッチ回路の回路構成図である。
図7図7は、実施の形態2に係るスイッチに印加されるゲート電圧とスイッチの開閉動作とを示すグラフである。
図8図8は、実施の形態2に係るスイッチ回路の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0011】
なお、各図は、本発明を示すために適宜強調、省略、又は比率の調整を行った模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではなく、実際の形状、位置関係、及び比率とは異なる場合がある。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡素化される場合がある。
【0012】
以下の各図において、x軸及びy軸は、基板の主面と平行な平面上で互いに直交する軸である。具体的には、平面視において基板が矩形状を有する場合、x軸は、基板の第1辺に平行であり、y軸は、基板の第1辺と直交する第2辺に平行である。また、z軸は、基板の主面に垂直な軸であり、その正方向は上方向を示し、その負方向は下方向を示す。
【0013】
本発明の回路構成において、「接続される」とは、接続端子及び/又は配線導体で直接接続される場合だけでなく、他の回路素子を介して電気的に接続される場合も含む。「A及びBの間に接続される」とは、A及びBの間でA及びBの両方に接続されることを意味し、A及びBを結ぶ経路に直列配置される意味する。
【0014】
本発明に回路構成おいて、「端子」とは、要素内の導体が終了するポイントを意味する。なお、要素間の導体のインピーダンスが十分に低い場合には、端子は、単一のポイントだけでなく、要素間の導体上の任意のポイント又は導体全体と解釈される。
【0015】
本発明の部品配置において、「部品が基板に配置される」とは、部品が基板と接触した状態で基板上に配置されることに加えて、基板と接触せずに基板の上方に配置されること(例えば、部品が、基板上に配置された他の部品上に積層されること)、及び、部品の一部又は全部が基板内に埋め込まれて配置されることを含む。
【0016】
また、本発明の部品配置において、「A及びBの間の距離」とは、A及びBの間の最短距離を意味する。つまり、「A及びBの間の距離」とは、Aの表面上の任意の点とBの表面上の任意の点とを結ぶ複数の線分のうち最も短い線分の長さを意味する。
【0017】
また、「平行」及び「垂直」などの要素間の関係性を示す用語、及び、「矩形」などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表すのではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の誤差をも含むことを意味する。
【0018】
(実施の形態1)
実施の形態1について説明する。本実施の形態に係る通信装置5は、セルラーネットワーク又は無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network)におけるユーザ端末(UE:User Equipment)又はWLANデバイスに相当し、典型的には、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ウェアラブル・デバイス等である。なお、通信装置5は、IoT(Internet of Things)センサ・デバイス、医療/ヘルスケア・デバイス、車、無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)(いわゆるドローン)、無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)であってもよい。
【0019】
本実施の形態に係る通信装置5及びスイッチ回路1の回路構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る通信装置5の回路構成図である。
【0020】
なお、図1は、例示的な回路構成であり、通信装置5及びスイッチ回路1は、多種多様な回路実装及び回路技術のいずれかを使用して実装され得る。したがって、以下に提供される通信装置5及びスイッチ回路1の説明は、限定的に解釈されるべきではない。
【0021】
[1.1 通信装置5の回路構成]
まず、本実施の形態に係る通信装置5の回路構成について図1を参照しながら説明する。通信装置5は、スイッチ回路1と、アンテナ2と、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)3と、電力増幅器11と、フィルタ12と、を備える。
【0022】
スイッチ回路1は、アンテナ2とRFIC3との間で高周波信号を伝送する。スイッチ回路1の回路構成については後述する。
【0023】
アンテナ2は、フィルタ12の一端に接続される。アンテナ2は、スイッチ回路1からフィルタ12を介して供給される高周波信号を外部に出力する。また、アンテナ2は、通信装置5の外部から高周波信号を受信してスイッチ回路1へ供給する。なお、アンテナ2は、通信装置5に含まれなくてもよい。また、通信装置5は、アンテナ2に加えて、さらに1以上のアンテナを備えてもよい。
【0024】
RFIC3は、高周波信号を処理する信号処理回路の一例である。具体的には、RFIC3は、BBIC(Baseband Integrated Circuit)(図示せず)から入力された送信信号をアップコンバート等により信号処理し、当該信号処理して生成された高周波送信信号を、スイッチ回路1に出力する。さらに、RFIC3は、スイッチ回路1の受信経路を介して入力された高周波受信信号を、ダウンコンバート等により信号処理し、当該信号処理して生成された受信信号をBBICへ出力してもよい。また、RFIC3は、スイッチ回路1及び/又は電力増幅器11等を制御する制御部を有する。なお、RFIC3の制御部としての機能の一部又は全部は、RFIC3の外部に構成されてもよく、例えば、スイッチ回路1に構成されてもよい。
【0025】
電力増幅器11は、スイッチ回路1に接続される。具体的には、電力増幅器11の入力端は、スイッチ回路1のPA接続端子111に接続され、電力増幅器11の出力端は、スイッチ回路1のPA接続端子112に接続される。この接続構成において、電力増幅器11は、電源(図示せず)から供給される電力を用いて、RFIC3からPA接続端子111及びスイッチ31を介して受けた入力信号(送信信号)を増幅することができる。そして、電力増幅器11は、増幅された送信信号を、PA接続端子112、スイッチ32及び入出力端子102を介してアンテナ2に出力することができる。なお、電力増幅器11は、スイッチ回路1に含まれてもよい。
【0026】
フィルタ12は、所定バンドの送信帯域を含む通過帯域を有するバンドパスフィルタである。なお、フィルタ12は、バンドパスフィルタに限定されず、ローパスフィルタ又はハイパスフィルタであってもよい。フィルタ12は、スイッチ回路1の入出力端子102とアンテナ2との間に接続される。具体的には、フィルタ12の一端は、アンテナ2に接続され、フィルタ12の他端は、入出力端子102に接続される。なお、フィルタ12は、通信装置5に含まれなくてもよい。
【0027】
所定バンドは、無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)を用いて構築される通信システムのための周波数バンドである。所定バンドは、標準化団体など(例えば3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)及びIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)等)によって予め定義される。通信システムの例としては、5GNR(5th Generation New Radio)システム、LTE(Long Term Evolution)システム及びWLAN(Wireless Local Area Network)システム等を挙げることができる。
【0028】
[1.2 スイッチ回路1の回路構成]
次に、本実施の形態に係るスイッチ回路1の回路構成について図1を参照しながら説明する。スイッチ回路1は、低雑音増幅器21と、減衰器22と、スイッチ31~36と、電圧制御回路41~46と、入力論理回路51及び52と、デジタル制御回路53と、入出力端子101及び102と、PA接続端子111及び112と、制御端子121と、を備える。
【0029】
入出力端子101は、第1入出力端子の一例であり、スイッチ回路1の外部接続端子(RFIC接続端子)である。入出力端子101は、RFIC3から送信信号を受けるための入力端子として機能し、かつ、RFIC3に受信信号を供給するための出力端子として機能する。入出力端子101は、スイッチ回路1の外部でRFIC3に接続され、スイッチ回路1の内部でスイッチ31、33及び35に接続される。
【0030】
入出力端子102は、第2入出力端子の一例であり、スイッチ回路1の外部接続端子(アンテナ接続端子)である。入出力端子102は、アンテナ2に送信信号を供給するための出力端子として機能し、かつ、アンテナ2から受信信号を受けるための入力端子として機能する。入出力端子102は、スイッチ回路1の外部でフィルタ12の他端に接続され、スイッチ回路1の内部でスイッチ32、34及び36に接続される。
【0031】
PA接続端子111は、スイッチ回路1の外部接続端子であり、電力増幅器11に送信信号を供給するための出力端子として機能する。PA接続端子111は、スイッチ回路1の外部で電力増幅器11の入力端に接続され、スイッチ回路1の内部でスイッチ31を介して入出力端子101に接続される。
【0032】
PA接続端子112は、スイッチ回路1の外部接続端子であり、電力増幅器11から増幅された送信信号を受けるための入力端子として機能する。PA接続端子112は、スイッチ回路1の外部で電力増幅器11の出力端に接続され、スイッチ回路1の内部でスイッチ32を介して入出力端子102に接続される。
【0033】
制御端子121は、スイッチ回路1の外部接続端子であり、RFIC3からデジタル制御信号を受けるための入力端子として機能する。制御端子121は、スイッチ回路1の外部でRFIC3に接続され、スイッチ回路1の内部でデジタル制御回路53に接続される。なお、制御端子121は、複数の端子で構成されてもよい。この場合、制御端子121を構成する複数の端子は、クロック信号を受けるための端子とデータ信号を受けるための端子とを含んでもよい。
【0034】
低雑音増幅器21は、入出力端子101及び102の間に接続される。具体的には、低雑音増幅器21の入力端は、スイッチ34を介して入出力端子102に接続される。低雑音増幅器21の出力端は、スイッチ33を介して入出力端子101に接続される。この接続構成において、低雑音増幅器21は、電源(図示せず)から供給される電力を用いて、アンテナ2から入出力端子102及びスイッチ34を介して受けた入力信号(受信信号)を増幅することができる。そして、低雑音増幅器21は、増幅された受信信号をスイッチ33及び入出力端子101を介してRFIC3に供給することができる。なお、低雑音増幅器21は、スイッチ回路1に含まれなくてもよい。
【0035】
減衰器22は、入出力端子101及び102の間に接続される。具体的には、減衰器22の一端は、スイッチ35を介して入出力端子101に接続される。減衰器22の他端は、スイッチ36を介して入出力端子102に接続される。この接続構成において、減衰器22は、アンテナ2から入出力端子102及びスイッチ36を介して受けた入力信号(受信信号)を減衰することができる。そして、減衰器22は、減衰された受信信号をスイッチ35及び入出力端子101を介してRFIC3に供給することができる。なお、減衰器22は、スイッチ回路1に含まれなくてもよい。
【0036】
スイッチ31は、第1スイッチの一例であり、入出力端子101及び電力増幅器11の間に接続される。具体的には、スイッチ31は、ソース端子31S、ゲート端子31G及びドレイン端子31Dを含む。ソース端子31Sは、第1ソース端子の一例であり、PA接続端子111を介して電力増幅器11の入力端に接続される。ゲート端子31Gは、第1ゲート端子の一例であり、電圧制御回路41に接続される。ドレイン端子31Dは、第1ドレイン端子の一例であり、入出力端子101に接続される。
【0037】
この構成により、スイッチ31は、電圧制御回路41から供給されるゲート電圧VG1に基づいてソース端子31S及びドレイン端子31Dの間の接続及び非接続を切り替えることができる。スイッチ31は、例えば、SPST(Single-Pole Single-Throw)型のスイッチ回路で構成される。
【0038】
スイッチ32は、第2スイッチの一例であり、電力増幅器11及び入出力端子102の間に接続される。具体的には、スイッチ32は、ソース端子32S、ゲート端子32G及びドレイン端子32Dを含む。ソース端子32Sは、第2ソース端子の一例であり、入出力端子102に接続される。ゲート端子32Gは、第2ゲート端子の一例であり、電圧制御回路42に接続される。ドレイン端子32Dは、第2ドレイン端子の一例であり、PA接続端子112を介して電力増幅器11の出力端に接続される。
【0039】
この構成により、スイッチ32は、電圧制御回路42から供給されるゲート電圧VG2に基づいてソース端子32S及びドレイン端子32Dの間の接続及び非接続を切り替えることができる。スイッチ32は、例えば、SPST型のスイッチ回路で構成される。
【0040】
スイッチ33は、第3スイッチの一例であり、低雑音増幅器21及び入出力端子101の間に接続される。具体的には、スイッチ33は、ソース端子33S、ゲート端子33G及びドレイン端子33Dを含む。ソース端子33Sは、第3ソース端子の一例であり、入出力端子101に接続される。ゲート端子33Gは、第3ゲート端子の一例であり、電圧制御回路43に接続される。ドレイン端子33Dは、第3ドレイン端子の一例であり、低雑音増幅器21の出力端に接続される。
【0041】
この構成により、スイッチ33は、電圧制御回路43から供給されるゲート電圧VG3に基づいてソース端子33S及びドレイン端子33Dの間の接続及び非接続を切り替えることができる。スイッチ33は、例えば、SPST型のスイッチ回路で構成される。
【0042】
スイッチ34は、第4スイッチの一例であり、入出力端子102及び低雑音増幅器21の間に接続される。具体的には、スイッチ34は、ソース端子34S、ゲート端子34G及びドレイン端子34Dを含む。ソース端子34Sは、第4ソース端子の一例であり、低雑音増幅器21の入力端に接続される。ゲート端子34Gは、第4ゲート端子の一例であり、電圧制御回路44に接続される。ドレイン端子34Dは、第4ドレイン端子の一例であり、入出力端子102に接続される。
【0043】
この構成により、スイッチ34は、電圧制御回路44から供給されるゲート電圧VG4に基づいてソース端子34S及びドレイン端子34Dの間の接続及び非接続を切り替えることができる。スイッチ34は、例えば、SPST型のスイッチ回路で構成される。
【0044】
スイッチ35は、第5スイッチの一例であり、減衰器22及び入出力端子101の間に接続される。具体的には、スイッチ35は、ソース端子35S、ゲート端子35G及びドレイン端子35Dを含む。ソース端子35Sは、第5ソース端子の一例であり、入出力端子101に接続される。ゲート端子35Gは、第5ゲート端子の一例であり、電圧制御回路45に接続される。ドレイン端子35Dは、第5ドレイン端子の一例であり、減衰器22の一端に接続される。
【0045】
この構成により、スイッチ35は、電圧制御回路45から供給されるゲート電圧VG5に基づいてソース端子35S及びドレイン端子35Dの間の接続及び非接続を切り替えることができる。スイッチ35は、例えば、SPST型のスイッチ回路で構成される。
【0046】
スイッチ36は、第6スイッチの一例であり、入出力端子102及び減衰器22の間に接続される。具体的には、スイッチ36は、ソース端子36S、ゲート端子36G及びドレイン端子36Dを含む。ソース端子36Sは、第6ソース端子の一例であり、減衰器22の他端に接続される。ゲート端子36Gは、第6ゲート端子の一例であり、電圧制御回路46に接続される。ドレイン端子36Dは、第6ドレイン端子の一例であり、入出力端子102に接続される。
【0047】
この構成により、スイッチ36は、電圧制御回路46から供給されるゲート電圧VG6に基づいてソース端子36S及びドレイン端子36Dの間の接続及び非接続を切り替えることができる。スイッチ36は、例えば、SPST型のスイッチ回路で構成される。
【0048】
なお、スイッチ31~36の各々において、ソース端子及びドレイン端子は、信号(電子)が流れる向きにより便宜的に呼び分けられているが、特に区別されなくてもよい。また、低雑音増幅器21がスイッチ回路1に含まれない場合には、スイッチ33及び34は、スイッチ回路1に含まれなくてもよい。また、減衰器22がスイッチ回路1に含まれない場合には、スイッチ35及び36は、スイッチ回路1に含まれなくてもよい。
【0049】
電圧制御回路41は、第1電圧制御回路の一例であり、入力論理回路51及びゲート端子31Gに接続される。電圧制御回路41は、入力論理回路51の出力信号に基づいてゲート端子31Gにゲート電圧VG1を印加することができる。
【0050】
電圧制御回路42は、第2電圧制御回路の一例であり、入力論理回路52及びゲート端子32Gに接続される。電圧制御回路42は、入力論理回路52の出力信号に基づいてゲート端子32Gにゲート電圧VG2を印加することができる。
【0051】
電圧制御回路43は、第3電圧制御回路の一例であり、入力論理回路51及びゲート端子33Gに接続される。電圧制御回路43は、入力論理回路51の出力信号に基づいてゲート端子33Gにゲート電圧VG3を印加することができる。
【0052】
電圧制御回路44は、第4電圧制御回路の一例であり、入力論理回路52及びゲート端子34Gに接続される。電圧制御回路44は、入力論理回路52の出力信号に基づいてゲート端子34Gにゲート電圧VG4を印加することができる。
【0053】
電圧制御回路45は、第5電圧制御回路の一例であり、入力論理回路51及びゲート端子35Gに接続される。電圧制御回路45は、入力論理回路51の出力信号に基づいてゲート端子35Gにゲート電圧VG5を印加することができる。
【0054】
電圧制御回路46は、第6電圧制御回路の一例であり、入力論理回路52及びゲート端子36Gに接続される。電圧制御回路46は、入力論理回路52の出力信号に基づいてゲート端子36Gにゲート電圧VG6を印加することができる。
【0055】
電圧制御回路41~46としては、例えばレベルシフタが用いられる。なお、電圧制御回路41~46は、レベルシフタに限定されない。
【0056】
なお、スイッチ33及び34がスイッチ回路1に含まれない場合には、電圧制御回路43及び44は、スイッチ回路1に含まれなくてもよい。また、スイッチ35及び36がスイッチ回路1に含まれない場合には、電圧制御回路45及び46は、スイッチ回路1に含まれなくてもよい。
【0057】
入力論理回路51は、第1入力論理回路の一例であり、電圧制御回路41、43及び45に接続される。入力論理回路51は、デジタル制御回路53の出力信号に基づいて電圧制御回路41、43及び45に制御信号を出力することができる。つまり、入力論理回路51は、デジタル制御回路53から出力された入力論理回路51のための制御信号を処理して、電圧制御回路41、43及び45のための制御信号を生成することができる。
【0058】
入力論理回路52は、第2入力論理回路の一例であり、電圧制御回路42、44及び46に接続される。入力論理回路52は、デジタル制御回路53の出力信号に基づいて電圧制御回路42、44及び46に制御信号を出力することができる。つまり、入力論理回路52は、デジタル制御回路53から出力された入力論理回路52のための制御信号を処理して、電圧制御回路42、44及び46のための制御信号を生成することができる。
【0059】
なお、入力論理回路51及び52は、単一の入力論理回路として実現されてもよく、3以上の入力論理回路として実現されてもよい。例えば、単一の入力論理回路は、電圧制御回路41~46に接続され、電圧制御回路41~46に制御信号を出力してもよい。
【0060】
デジタル制御回路53は、入力論理回路51及び52に接続される。デジタル制御回路53は、RFIC3から制御端子121を介して受けたデジタル制御信号に基づいて、入力論理回路51及び52に制御信号を送信することができる。つまり、デジタル制御回路53は、デジタル制御信号を処理して入力論理回路51及び52のための制御信号を生成することができる。デジタル制御信号としては、ソース同期方式のデジタル制御信号を用いることができる。なお、デジタル制御信号は、ソース同期方式の制御信号に限定されない。例えば、デジタル制御信号として、クロック埋め込み方式の制御信号が用いられてもよい。
【0061】
[1.3 スイッチ31~36の回路構成]
次に、スイッチ31の回路構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態に係るスイッチ31の回路構成図である。
【0062】
なお、図2は、例示的な回路構成であり、スイッチ31は、多種多様な回路実装及び回路技術のいずれかを使用して実装され得る。したがって、以下に提供されるスイッチ31の説明は、限定的に解釈されるべきではない。また、スイッチ32~36の回路構成は、スイッチ31の回路構成と同様であるので、図示及び説明を省略する。
【0063】
スイッチ31は、トランジスタT1~T4と、抵抗R1~R8とを備える。トランジスタT1~T4は、電界効果トランジスタであり、スイッチ31のドレイン端子31Dとソース端子31Sとの間に直列接続される。
【0064】
トランジスタT1のドレイン端は、スイッチ31のドレイン端子31Dに接続され、トランジスタT1のソース端は、トランジスタT2のドレイン端に接続される。さらに、トランジスタT1のゲート端は、抵抗R1を介して、スイッチ31のゲート端子31Gに接続され、トランジスタT1のドレイン端は、抵抗R5を介して、トランジスタT1のソース端に接続される。
【0065】
トランジスタT2のドレイン端は、トランジスタT1のソース端に接続され、トランジスタT2のソース端は、トランジスタT3のドレイン端に接続される。さらに、トランジスタT2のゲート端は、抵抗R2を介して、スイッチ31のゲート端子31Gに接続され、トランジスタT2のドレイン端は、抵抗R6を介して、トランジスタT2のソース端に接続される。
【0066】
トランジスタT3のドレイン端は、トランジスタT2のソース端に接続され、トランジスタT3のソース端は、トランジスタT4のドレイン端に接続される。さらに、トランジスタT3のゲート端は、抵抗R3を介して、スイッチ31のゲート端子31Gに接続され、トランジスタT3のドレイン端は、抵抗R7を介して、トランジスタT3のソース端に接続される。
【0067】
トランジスタT4のドレイン端は、トランジスタT3のソース端に接続され、トランジスタT4のソース端は、スイッチ31のソース端子31Sに接続される。さらに、トランジスタT4のゲート端は、抵抗R4を介して、スイッチ31のゲート端子31Gに接続され、トランジスタT4のドレイン端は、抵抗R8を介して、トランジスタT4のソース端に接続される。
【0068】
このような回路構成により、スイッチ31は、電圧制御回路41からゲート端子31Gに印加されるゲート電圧VG1に基づいて、ドレイン端子31D及びソース端子31Sの間の接続及び非接続を切り替えることができる。
【0069】
なお、スイッチ31に含まれるトランジスタの数は、4つに限定されない。例えば、スイッチ31は、3つ以下のトランジスタのみを含んでもよいし、5つ以上のトランジスタを含んでもよい。また、スイッチ31は、ドレイン端子31D及びソース端子31Sの間の経路とグランドとの間に接続される1以上のトランジスタを含んでもよい。
【0070】
[1.4 スイッチ31~36の動作]
次に、スイッチ31~36の動作の一例について、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施の形態に係るスイッチ31~36に印加されるゲート電圧VG1~VG6とスイッチ31~36の開閉動作とを示すグラフである。図3において、縦軸は電圧レベルを表し、横軸は時間を表す。V及びVは、ハイレベル及びローレベルをそれぞれ表す。
【0071】
スイッチ31のゲート端子31Gに印加されるゲート電圧VG1と、スイッチ32のゲート端子32Gに印加されるゲート電圧VG2とには、同一の電圧レベルが設定される。つまり、電圧制御回路41は、ゲート電圧VG2と同レベルのゲート電圧VG1をゲート端子31Gに印加し、電圧制御回路42は、ゲート電圧VG1と同レベルのゲート電圧VG2をゲート端子32Gに印加する。これにより、スイッチ31及び32では、互いに同期して同一の開閉動作が行われる。
【0072】
同様に、スイッチ33のゲート端子33Gに印加されるゲート電圧VG3と、スイッチ34のゲート端子34Gに印加されるゲート電圧VG4とには、同一の電圧レベルが設定される。つまり、電圧制御回路43は、ゲート電圧VG4と同レベルのゲート電圧VG3をゲート端子33Gに印加し、電圧制御回路44は、ゲート電圧VG3と同レベルのゲート電圧VG4をゲート端子34Gに印加する。これにより、スイッチ33及び34では、互いに同期して同一の開閉動作が行われる。
【0073】
一方、ゲート電圧VG1とゲート電圧VG3とには、反対の電圧レベルが設定される。つまり、電圧制御回路41は、ゲート電圧VG3と逆レベルのゲート電圧VG1をゲート端子31Gに印加し、電圧制御回路43は、ゲート電圧VG1と逆レベルのゲート電圧VG3をゲート端子33Gに印加する。これにより、スイッチ31及び33では、互いに同期して反対の開閉動作が行われる。
【0074】
同様に、ゲート電圧VG2とゲート電圧VG4とには、反対の電圧レベルが設定される。つまり、電圧制御回路42は、ゲート電圧VG4と逆レベルのゲート電圧VG2をゲート端子32Gに印加し、電圧制御回路44は、ゲート電圧VG2と逆レベルのゲート電圧VG4をゲート端子34Gに印加する。これにより、スイッチ32及び34では、互いに同期して反対の開閉動作が行われる。
【0075】
なお、図3では、スイッチ35及び36は常に閉じられているが、スイッチ35及び36の動作は、このような動作に限定されない。例えば、スイッチ35及び36の動作は、スイッチ33及び34の動作と入れ替えられてもよい。つまり、スイッチ35及び36は、スイッチ31及び32と同期して反対の開閉動作が行われてもよい。
【0076】
[1.5 スイッチ回路1の実装例]
次に、スイッチ回路1の実装例について図4を参照しながら説明する。図4は、本実施の形態に係るスイッチ回路1の平面図であり、基板91の内部を透視した図である。なお、図4では、基板91上及び基板91内の配線及び導体の一部については図示が省略されている。また、図4では、各回路部の配置関係が容易に理解できるように、各回路部にその機能を表す略称(「LNA」など)が付されている場合があるが、実際の各回路部には、当該略称は付されなくてもよい。
【0077】
なお、図4は、例示的な構成であり、スイッチ回路1は、多種多様な回路実装及び回路技術のいずれかを使用して実装され得る。したがって、以下に提供されるスイッチ回路1の説明は、限定的に解釈されるべきではない。
【0078】
図4に示すように、スイッチ回路1は、半導体集積回路であり、基板91に実装されている。基板91は、半導体基板であり、ダイ又はチップと呼ばれる場合もある。半導体材料としては、シリコン単結晶、窒化ガリウム(GaN)又は炭化シリコン(SiC)などを用いることができる。
【0079】
基板91には、低雑音増幅器21(LNA)と、減衰器22(ATT)と、スイッチ31~36(SW)と、電圧制御回路41~46(LS)と、入力論理回路51及び52(ILC)と、デジタル制御回路53(DCC)と、が配置されている。さらに、基板91には、外部接続端子として、入出力端子101及び102と、PA接続端子111及び112と、制御端子121と、が配置されている。
【0080】
電圧制御回路41は、電圧制御回路42と離間して配置されている。電圧制御回路41及びスイッチ31の間の距離は、電圧制御回路41及びスイッチ32の間の距離よりも短い。電圧制御回路41は、スイッチ31の近傍に配置されている。
【0081】
電圧制御回路42は、電圧制御回路41と離間して配置されている。電圧制御回路42及びスイッチ32の間の距離は、電圧制御回路42及びスイッチ31の間の距離よりも短く、電圧制御回路42は、スイッチ32の近傍に配置されている。
【0082】
電圧制御回路43は、電圧制御回路44と離間して配置されている。電圧制御回路43及びスイッチ33の間の距離は、電圧制御回路43及びスイッチ34の間の距離よりも短く、電圧制御回路43は、スイッチ33の近傍に配置されている。
【0083】
電圧制御回路44は、電圧制御回路43と離間して配置されている。電圧制御回路44及びスイッチ34の間の距離は、電圧制御回路44及びスイッチ33の間の距離よりも短く、電圧制御回路44は、スイッチ34の近傍に配置されている。
【0084】
電圧制御回路45は、電圧制御回路46と離間して配置されている。電圧制御回路45及びスイッチ35の間の距離は、電圧制御回路45及びスイッチ36の間の距離よりも短く、電圧制御回路45は、スイッチ35の近傍に配置されている。
【0085】
電圧制御回路46は、電圧制御回路45と離間して配置されている。電圧制御回路46及びスイッチ36の間の距離は、電圧制御回路46及びスイッチ35の間の距離よりも短く、電圧制御回路46は、スイッチ36の近傍に配置されている。
【0086】
入力論理回路51は、入力論理回路52と離間して配置されている。入力論理回路51と電圧制御回路41、43及び45との間の距離は、入力論理回路51と電圧制御回路42、44及び46との間の距離よりも短く、入力論理回路51は、電圧制御回路41、43及び45の近傍に配置されている。
【0087】
入力論理回路52は、入力論理回路51と離間して配置されている。入力論理回路52と電圧制御回路42、44及び46との間の距離は、入力論理回路52と電圧制御回路41、43及び45との間の距離よりも短く、入力論理回路52は、電圧制御回路42、44及び46の近傍に配置されている。
【0088】
[1.6 効果など]
以上のように、本実施の形態に係るスイッチ回路1は、入出力端子101及び102を含む基板91と、基板91に配置され、ソース端子31S、ゲート端子31G及びドレイン端子31Dを含み、ソース端子31Sが電力増幅器11の入力端に接続され、ドレイン端子31Dが入出力端子101に接続されるスイッチ31と、基板91に配置され、ゲート端子31Gに接続される電圧制御回路41と、基板91に配置され、ソース端子32S、ゲート端子32G及びドレイン端子32Dを含み、ソース端子32Sが入出力端子102に接続され、ドレイン端子32Dが電力増幅器11の出力端に接続されるスイッチ32と、基板91に電圧制御回路41と離間して配置され、ゲート端子32Gに接続される電圧制御回路42と、を備える。
【0089】
これによれば、スイッチ31のゲート端子31Gに接続される電圧制御回路41と、スイッチ32のゲート端子32Gに接続される電圧制御回路42と、が互いに離間して基板91に配置される。したがって、スイッチ32のドレイン端子32D及びソース端子32Sの間を流れる高周波信号が、ゲート端子32Gに接続される電圧制御回路42を介して、スイッチ31のゲート端子31Gに流入することを抑制することができる。つまり、スイッチ31及び32(すなわち、入出力端子101及び102)の間のアイソレーションを改善することができる。その結果、電力増幅器11の入力端及び出力端の間のアイソレーションを改善することができ、電力増幅器11の利得の低下及び安定係数の低下を抑制することができる。特に、電力増幅器11の入力端及び出力端にそれぞれ接続されるスイッチ31及び32は、単一の電圧制御回路で制御されることが多いため、スイッチ31及び32のための電圧制御回路を2つの電圧制御回路41及び42に分離することによるアイソレーションの改善効果は大きい。
【0090】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1において、電圧制御回路41及びスイッチ31の間の距離は、電圧制御回路41及びスイッチ32の間の距離よりも短くてもよい。
【0091】
これによれば、電圧制御回路41をスイッチ31の近傍に配置することができ、電圧制御回路41とスイッチ31のゲート端子31Gとの間を結ぶ制御配線の長さを短縮することができる。したがって、スイッチ31及び32の制御配線間の結合を抑制することができ、スイッチ32の制御配線に流入した高周波信号がスイッチ31の制御配線を介して、スイッチ31に流入することを抑制することができる。つまり、スイッチ31及び32の間のアイソレーションをさらに改善することができる。
【0092】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1において、電圧制御回路42及びスイッチ32の間の距離は、電圧制御回路42及びスイッチ31の間の距離よりも短くてもよい。
【0093】
これによれば、電圧制御回路42をスイッチ32の近傍に配置することができ、電圧制御回路42とスイッチ32のゲート端子32Gとの間を結ぶ制御配線の長さを短縮することができる。したがって、スイッチ31及び32の制御配線間の結合を抑制することができ、スイッチ32の制御配線に流入した高周波信号がスイッチ31の制御配線を介して、スイッチ31に流入することを抑制することができる。つまり、スイッチ31及び32の間のアイソレーションをさらに改善することができる。
【0094】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1において、電圧制御回路41は、ゲート端子31Gにゲート電圧VG1を印加するよう構成されてもよく、電圧制御回路42は、ゲート端子32Gにゲート電圧VG1と同レベルのゲート電圧VG2をゲート電圧VG1と同期して印加するよう構成されてもよい。
【0095】
これによれば、同レベルの2つのゲート電圧VG1及びVG2を同期して印加するための電圧制御回路が2つの電圧制御回路41及び42で実現される。つまり、単一の回路で実現可能な電圧制御回路が2つの電圧制御回路41及び42に分離されるので、スイッチ31及び32の間のアイソレーションの改善効果は大きい。
【0096】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1は、さらに、基板91に配置され、電圧制御回路41に接続される入力論理回路51と、基板91に入力論理回路51と離間して配置され、電圧制御回路42に接続される入力論理回路52と、を備えてもよい。
【0097】
これによれば、電圧制御回路41及び42に接続される入力論理回路51及び52も互いに離間して配置されるので、スイッチ31及び32の間のアイソレーションをさらに改善することができる。
【0098】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1は、さらに、基板91に配置された低雑音増幅器21と、基板91に配置され、ソース端子33S、ゲート端子33G及びドレイン端子33Dを含み、ソース端子33Sが入出力端子101に接続され、ドレイン端子33Dが低雑音増幅器21の出力端に接続されるスイッチ33と、基板91に配置され、ゲート端子33Gに接続される電圧制御回路43と、基板91に配置され、ソース端子34S、ゲート端子34G及びドレイン端子34Dを含み、ソース端子34Sが低雑音増幅器21の入力端に接続され、ドレイン端子34Dが入出力端子102に接続されるスイッチ34と、基板91に電圧制御回路43と離間して配置され、ゲート端子34Gに接続される電圧制御回路44と、を備えてもよい。
【0099】
これによれば、スイッチ33のゲート端子33Gに接続される電圧制御回路43と、スイッチ34のゲート端子34Gに接続される電圧制御回路44と、が互いに離間して基板91に配置される。したがって、スイッチ33のドレイン端子33D及びソース端子33Sの間を流れる高周波信号が、ゲート端子33Gに接続される電圧制御回路43を介して、スイッチ34のゲート端子34Gに流入することを抑制することができる。つまり、スイッチ33及び34(すなわち、入出力端子101及び102)の間のアイソレーションを改善することができる。その結果、低雑音増幅器21の入力端及び出力端の間のアイソレーションを改善することができ、低雑音増幅器21の利得の低下及び安定係数の低下を抑制することができる。特に、低雑音増幅器21の入力端及び出力端にそれぞれ接続されるスイッチ33及び34は、単一の電圧制御回路で制御されることが多いため、スイッチ33及び34のための電圧制御回路を2つの電圧制御回路43及び44に分離することによるアイソレーションの改善効果は大きい。
【0100】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1において、電圧制御回路43及びスイッチ33の間の距離は、電圧制御回路43及びスイッチ34の間の距離よりも短くてもよい。
【0101】
これによれば、電圧制御回路43をスイッチ33の近傍に配置することができ、電圧制御回路43とスイッチ33のゲート端子33Gとの間を結ぶ制御配線の長さを短縮することができる。したがって、スイッチ33及び34の制御配線間の結合を抑制することができ、スイッチ33の制御配線に流入した高周波信号がスイッチ34の制御配線を介して、スイッチ34に流入することを抑制することができる。つまり、スイッチ33及び34の間のアイソレーションをさらに改善することができる。
【0102】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1において、電圧制御回路44及びスイッチ34の間の距離は、電圧制御回路44及びスイッチ33の間の距離よりも短くてもよい。
【0103】
これによれば、電圧制御回路44をスイッチ34の近傍に配置することができ、電圧制御回路44とスイッチ34のゲート端子34Gとの間を結ぶ制御配線の長さを短縮することができる。したがって、スイッチ33及び34の制御配線間の結合を抑制することができ、スイッチ33の制御配線に流入した高周波信号がスイッチ34の制御配線を介して、スイッチ34に流入することを抑制することができる。つまり、スイッチ33及び34の間のアイソレーションをさらに改善することができる。
【0104】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1において、電圧制御回路43は、ゲート端子33Gにゲート電圧VG3を印加するよう構成され、電圧制御回路44は、ゲート端子34Gにゲート電圧VG3と同レベルのゲート電圧VG4をゲート電圧VG3と同期して印加するよう構成されてもよい。
【0105】
これによれば、同レベルの2つのゲート電圧VG3及びVG4を同期して印加するための電圧制御回路が2つの電圧制御回路43及び44で実現される。つまり、単一の回路で実現可能な電圧制御回路が2つの電圧制御回路43及び44に分離されるので、スイッチ33及び34の間のアイソレーションの改善効果は大きい。
【0106】
(実施の形態1の変形例)
次に、上記実施の形態1の変形例について説明する。本変形例では、電圧制御回路とスイッチとの間にローパスフィルタが接続される点が、上記実施の形態1と主として異なる。以下に、上記実施の形態1と異なる点を中心に、本変形例について図5を参照しながら説明する。
【0107】
[1.7 スイッチ回路1Aの回路構成]
図5は、本変形例に係るスイッチ回路1Aの回路構成図である。なお、図5は、例示的な回路構成であり、スイッチ回路1Aは、多種多様な回路実装及び回路技術のいずれかを使用して実装され得る。したがって、以下に提供されるスイッチ回路1Aの説明は、限定的に解釈されるべきではない。
【0108】
スイッチ回路1Aは、低雑音増幅器21と、減衰器22と、スイッチ31~36と、電圧制御回路41~46と、入力論理回路51及び52と、デジタル制御回路53と、ローパスフィルタ61~66と、入出力端子101及び102と、PA接続端子111及び112と、制御端子121と、を備える。
【0109】
ローパスフィルタ61は、電圧制御回路41とスイッチ31のゲート端子31Gとの間に接続される。ローパスフィルタ62は、電圧制御回路42とスイッチ32のゲート端子32Gとの間に接続される。ローパスフィルタ63は、電圧制御回路43とスイッチ33のゲート端子33Gとの間に接続される。ローパスフィルタ64は、電圧制御回路44とスイッチ34のゲート端子34Gとの間に接続される。ローパスフィルタ65は、電圧制御回路45とスイッチ35のゲート端子35Gとの間に接続される。ローパスフィルタ66は、電圧制御回路46とスイッチ36のゲート端子36Gとの間に接続される。
【0110】
[1.8 効果など]
以上のように、本実施の形態に係るスイッチ回路1Aは、さらに、基板91に配置され、電圧制御回路41とゲート端子31Gとの間に接続されるローパスフィルタ61と、基板91に配置され、電圧制御回路42とゲート端子32Gとの間に接続されるローパスフィルタ62と、を備えてもよい。
【0111】
これによれば、ローパスフィルタ61及び62によって、スイッチ31及び32の制御配線に流入した高周波信号を減衰させることができるので、スイッチ31及び32の間のアイソレーションをさらに改善することができる。
【0112】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1Aは、さらに、電圧制御回路43とゲート端子33Gとの間に接続されるローパスフィルタ63と、電圧制御回路44とゲート端子34Gとの間に接続されるローパスフィルタ64と、を備えてもよい。
【0113】
これによれば、ローパスフィルタ63及び64によって、スイッチ33及び34の制御配線に流入した高周波信号を減衰させることができるので、スイッチ33及び34の間のアイソレーションをさらに改善することができる。
【0114】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態では、スイッチ回路がSPnT型のスイッチ回路である点が上記実施の形態1と主として異なる。以下に、上記実施の形態1と異なる点を中心に、本実施の形態について図6図8を参照しながら説明する。
【0115】
[2.1 スイッチ回路1Bの回路構成]
まず、スイッチ回路1Bの回路構成について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施の形態に係るスイッチ回路1Bの回路構成図である。なお、図6は、例示的な回路構成であり、スイッチ回路1Bは、多種多様な回路実装及び回路技術のいずれかを使用して実装され得る。したがって、以下に提供されるスイッチ回路1Bの説明は、限定的に解釈されるべきではない。
【0116】
本実施の形態に係るスイッチ回路1Bは、SPDT(Single-Pole Double-Throw)型のスイッチ回路であり、スイッチ31B~34Bと、電圧制御回路41B及び42Bと、入力論理回路51B及び52Bと、デジタル制御回路53Bと、共通端子101Bと、選択端子102B及び103Bと、制御端子121Bと、を備える。
【0117】
共通端子101B、選択端子102B及び103B、並びに、制御端子121Bは、スイッチ回路1Bの外部接続端子である。例えば、共通端子101B並びに選択端子102B及び103Bの各々は、外部から高周波信号を受けるための入力端子、及び/又は、外部に高周波信号を供給するための出力端子として用いることができる。また例えば、制御端子121Bは、外部からデジタル制御信号を受けるための端子として用いることができる。
【0118】
スイッチ31Bは、第1スイッチの一例であり、共通端子101B及び選択端子102Bの間に接続される。具体的には、スイッチ31Bは、ソース端子31S、ゲート端子31G及びドレイン端子31Dを含む。ソース端子31Sは、第1ソース端子の一例であり、選択端子102Bに接続される。ゲート端子31Gは、第1ゲート端子の一例であり、電圧制御回路41Bに接続される。ドレイン端子31Dは、第1ドレイン端子の一例であり、共通端子101Bに接続される。
【0119】
この構成により、スイッチ31Bは、電圧制御回路41Bから供給されるゲート電圧VG1Bに基づいてソース端子31S及びドレイン端子31Dの間の接続及び非接続を切り替えることができる。
【0120】
スイッチ32Bは、第2スイッチの一例であり、共通端子101B及び選択端子103Bの間に接続される。具体的には、スイッチ32Bは、ソース端子32S、ゲート端子32G及びドレイン端子32Dを含む。ソース端子32Sは、第2ソース端子の一例であり、選択端子103Bに接続される。ゲート端子32Gは、第2ゲート端子の一例であり、電圧制御回路42Bに接続される。ドレイン端子32Dは、第2ドレイン端子の一例であり、共通端子101Bに接続される。
【0121】
この構成により、スイッチ32Bは、電圧制御回路42Bから供給されるゲート電圧VG2Bに基づいてソース端子32S及びドレイン端子32Dの間の接続及び非接続を切り替えることができる。
【0122】
スイッチ33Bは、第3スイッチの一例であり、共通端子101B及び選択端子102Bの間に接続される。具体的には、スイッチ33Bは、ソース端子33S、ゲート端子33G及びドレイン端子33Dを含む。ソース端子33Sは、第3ソース端子の一例であり、グランドに接続される。ゲート端子33Gは、第3ゲート端子の一例であり、電圧制御回路41Bに接続される。ドレイン端子33Dは、第3ドレイン端子の一例であり、スイッチ31Bのソース端子31Sと選択端子102Bとの間の経路に接続される。
【0123】
この構成により、スイッチ33Bは、電圧制御回路41Bから供給されるゲート電圧VG3Bに基づいてソース端子33S及びドレイン端子33Dの間の接続及び非接続を切り替えることができる。
【0124】
スイッチ34Bは、第4スイッチの一例であり、共通端子101B及び選択端子103Bの間に接続される。具体的には、スイッチ34Bは、ソース端子34S、ゲート端子34G及びドレイン端子34Dを含む。ソース端子34Sは、第4ソース端子の一例であり、グランドに接続される。ゲート端子34Gは、第4ゲート端子の一例であり、電圧制御回路42Bに接続される。ドレイン端子34Dは、第4ドレイン端子の一例であり、スイッチ32Bのソース端子32Sと選択端子103Bとの間の経路に接続される。
【0125】
この構成により、スイッチ34Bは、電圧制御回路42Bから供給されるゲート電圧VG4Bに基づいてソース端子34S及びドレイン端子34Dの間の接続及び非接続を切り替えることができる。
【0126】
なお、スイッチ31B~34Bの回路構成については、実施の形態1に係るスイッチ31と同様であるので、図示及び説明を省略する。
【0127】
電圧制御回路41Bは、第1電圧制御回路の一例であり、入力論理回路51B並びにゲート端子31G及び33Gに接続される。電圧制御回路41Bは、入力論理回路51Bの出力信号に基づいて、ゲート端子31Gにゲート電圧VG1Bを印加し、ゲート端子33Gにゲート電圧VG3Bを印加することができる。
【0128】
電圧制御回路42Bは、第2電圧制御回路の一例であり、入力論理回路52B並びにゲート端子32G及び34Gに接続される。電圧制御回路42Bは、入力論理回路52Bの出力信号に基づいて、ゲート端子32Gにゲート電圧VG2Bを印加し、ゲート端子34Gにゲート電圧VG4Bを印加することができる。
【0129】
入力論理回路51Bは、電圧制御回路41Bに接続される。入力論理回路51Bは、デジタル制御回路53Bの出力信号に基づいて電圧制御回路41Bに制御信号を出力することができる。つまり、入力論理回路51Bは、デジタル制御回路53Bから出力された入力論理回路51Bのための制御信号を処理して、電圧制御回路41Bのための制御信号を生成することができる。
【0130】
入力論理回路52Bは、電圧制御回路42Bに接続される。入力論理回路52Bは、デジタル制御回路53Bの出力信号に基づいて電圧制御回路42Bに制御信号を出力することができる。つまり、入力論理回路52Bは、デジタル制御回路53Bから出力された入力論理回路52Bのための制御信号を処理して、電圧制御回路42Bのための制御信号を生成することができる。
【0131】
なお、入力論理回路51B及び52Bは、単一の入力論理回路として実現されてもよい。例えば、単一の入力論理回路は、電圧制御回路41B及び42Bに接続され、電圧制御回路41B及び42Bに制御信号を出力してもよい。
【0132】
デジタル制御回路53Bは、入力論理回路51B及び52Bに接続される。デジタル制御回路53Bは、制御端子121Bを介して受けたデジタル制御信号に基づいて、入力論理回路51B及び52Bに制御信号を送信することができる。つまり、デジタル制御回路53Bは、デジタル制御信号を処理して入力論理回路51B及び52Bのための制御信号を生成することができる。デジタル制御信号としては、ソース同期方式のデジタル制御信号を用いることができる。なお、デジタル制御信号は、ソース同期方式の制御信号に限定されない。例えば、デジタル制御信号として、クロック埋め込み方式の制御信号が用いられてもよい。
【0133】
[2.2 スイッチ31B~34Bの動作]
次に、スイッチ31B~34Bの動作の一例について、図7を参照しながら説明する。図7は、本実施の形態に係るスイッチ31B~34Bに印加されるゲート電圧VG1B~VG4Bとスイッチ31B~34Bの開閉動作とを示すグラフである。図7において、縦軸は電圧レベルを表し、横軸は時間を表す。
【0134】
スイッチ31Bのゲート端子31Gに印加されるゲート電圧VG1Bと、スイッチ32Bのゲート端子32Gに印加されるゲート電圧VG2Bとには、反対の電圧レベルが設定される。つまり、電圧制御回路41Bは、ゲート電圧VG2Bと逆レベルのゲート電圧VG1Bをゲート端子31Gに印加し、電圧制御回路42Bは、ゲート電圧VG1Bと逆レベルのゲート電圧VG2Bをゲート端子32Gに印加する。これにより、スイッチ31B及び32Bでは、互いに同期して反対の開閉動作が行われる。
【0135】
また、スイッチ31Bのゲート端子31Gに印加されるゲート電圧VG1Bと、スイッチ33Bのゲート端子33Gに印加されるゲート電圧VG3Bとには、反対の電圧レベルが設定される。つまり、電圧制御回路41Bは、互いに反対の電圧レベルを有するゲート電圧VG1B及びVG3Bをゲート端子31G及び33Gにそれぞれ印加する。これにより、スイッチ31B及び33Bでは、互いに同期して反対の開閉動作が行われる。
【0136】
同様に、スイッチ32Bのゲート端子32Gに印加されるゲート電圧VG2Bと、スイッチ34Bのゲート端子34Gに印加されるゲート電圧VG4Bとには、反対の電圧レベルが設定される。つまり、電圧制御回路42Bは、互いに反対の電圧レベルを有するゲート電圧VG2B及びVG4Bをゲート端子32G及び34Gにそれぞれ印加する。これにより、スイッチ32B及び34Bでは、互いに同期して反対の開閉動作が行われる。
【0137】
[2.3 スイッチ回路1Bの実装例]
次に、スイッチ回路1Bの実装例について図8を参照しながら説明する。図8は、本実施の形態に係るスイッチ回路1Bの平面図であり、基板91Bの内部を透視した図である。なお、図8では、基板91B上及び基板91B内の配線及び導体については、その一部のみが表されている。また、図8では、各回路部の配置関係が容易に理解できるように、各回路部にその機能を表す略称(「LNA」など)が付されている場合があるが、実際の各回路部には、当該略称は付されなくてもよい。
【0138】
なお、図8は、例示的な構成であり、スイッチ回路1Bは、多種多様な回路実装及び回路技術のいずれかを使用して実装され得る。したがって、以下に提供されるスイッチ回路1Bの説明は、限定的に解釈されるべきではない。
【0139】
図8に示すように、スイッチ回路1Bは、基板91Bに実装されている。基板91Bは、半導体基板であり、ダイ又はチップと呼ばれる場合もある。半導体材料としては、実施の形態1に係る基板91と同様に、シリコン単結晶、窒化ガリウム(GaN)又は炭化シリコン(SiC)などを用いることができる。
【0140】
基板91Bには、スイッチ31B~34Bと、電圧制御回路41B及び42B(LS)と、入力論理回路51B及び52B(ILC)と、デジタル制御回路53B(DCC)と、が配置されている。さらに、基板91Bには、外部接続端子として、共通端子101Bと、選択端子102B及び103Bと、制御端子121Bと、グランド端子と、が配置されている。
【0141】
電圧制御回路41Bは、電圧制御回路42Bと離間して配置されている。電圧制御回路41B及びスイッチ31Bの間の距離は、電圧制御回路41B及びスイッチ32Bの間の距離よりも短く、電圧制御回路41Bは、スイッチ31Bの近傍に配置されている。
【0142】
電圧制御回路42Bは、電圧制御回路41Bと離間して配置されている。電圧制御回路42B及びスイッチ32Bの間の距離は、電圧制御回路42B及びスイッチ31Bの間の距離よりも短く、電圧制御回路42Bは、スイッチ32Bの近傍に配置されている。
【0143】
入力論理回路51Bは、入力論理回路52Bと離間して配置されている。入力論理回路51Bと電圧制御回路41Bとの間の距離は、入力論理回路51Bと電圧制御回路42Bとの間の距離よりも短く、入力論理回路51Bは、電圧制御回路41Bの近傍に配置されている。
【0144】
入力論理回路52Bは、入力論理回路51Bと離間して配置されている。入力論理回路52Bと電圧制御回路42Bとの間の距離は、入力論理回路52Bと電圧制御回路41Bとの間の距離よりも短く、入力論理回路52Bは、電圧制御回路42Bの近傍に配置されている。
【0145】
なお、スイッチ回路1Bは、SPDT型のスイッチ回路に限定されない。例えば、スイッチ回路1Bは、SP3T型、SP4T型、又は、SP5T型のスイッチ回路であってもよい。つまり、スイッチ回路1Bは、SPnT型のスイッチ回路である。また、スイッチ回路1Bは、複数のSPnT型のスイッチ回路を含んでもよい。つまり、スイッチ回路1Bは、nPnT型のスイッチ回路であってもよい。
【0146】
[2.4 効果など]
以上のように、本実施の形態に係るスイッチ回路1Bは、SPnT型のスイッチ回路であって、共通端子101B、選択端子102B及び103Bを含む基板91Bと、基板91Bに配置され、ソース端子31S、ゲート端子31G及びドレイン端子31Dを含み、ドレイン端子31Dが共通端子101Bに接続され、ソース端子31Sが選択端子102Bに接続されるスイッチ31Bと、基板91Bに配置され、ゲート端子31Gに接続される電圧制御回路41Bと、基板91Bに配置され、ソース端子32S、ゲート端子32G及びドレイン端子32Dを含み、ドレイン端子32Dが共通端子101Bに接続され、ソース端子32Sが選択端子103Bに接続されるスイッチ32Bと、基板91Bに電圧制御回路41Bと離間して配置され、ゲート端子32Gに接続される電圧制御回路42Bと、を備える。
【0147】
これによれば、スイッチ31Bのゲート端子31Gに接続される電圧制御回路41Bと、スイッチ32Bのゲート端子32Gに接続される電圧制御回路42Bと、が互いに離間して基板91Bに配置される。したがって、スイッチ31Bのドレイン端子31D及びソース端子31Sの間を流れる高周波信号が、ゲート端子31Gに接続される電圧制御回路41Bを介して、スイッチ32Bのゲート端子32Gに流入することを抑制することができる。逆に、スイッチ32Bのドレイン端子32D及びソース端子32Sの間を流れる高周波信号が、ゲート端子32Gに接続される電圧制御回路42Bを介して、スイッチ31Bのゲート端子31Gに流入することを抑制することもできる。つまり、スイッチ31B及び32Bの間のアイソレーションを改善することができる。その結果、選択端子102B及び103Bの間のアイソレーションを改善することができる。特に、SPnT型のスイッチ回路の選択端子102B及び103Bにそれぞれ接続されるシリーズスイッチであるスイッチ31B及び32Bは、単一の電圧制御回路で制御されることが多いため、スイッチ31B及び32Bのための電圧制御回路を2つの電圧制御回路41B及び42Bに分離することによるアイソレーションの改善効果は大きい。
【0148】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1Bにおいて、電圧制御回路41B及びスイッチ31Bの間の距離は、電圧制御回路41B及びスイッチ32Bの間の距離よりも短くてもよい。
【0149】
これによれば、電圧制御回路41Bをスイッチ31Bの近傍に配置することができ、電圧制御回路41Bとスイッチ31Bのゲート端子31Gとの間を結ぶ制御配線の長さを短縮することができる。したがって、スイッチ31B及び32Bの制御配線間の結合を抑制することができ、スイッチ31B及び32Bの間のアイソレーションをさらに改善することができる。
【0150】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1Bにおいて、電圧制御回路42B及びスイッチ32Bの間の距離は、電圧制御回路42B及びスイッチ31Bの間の距離よりも短くてもよい。
【0151】
これによれば、電圧制御回路42Bをスイッチ32Bの近傍に配置することができ、電圧制御回路42Bとスイッチ32Bのゲート端子32Gとの間を結ぶ制御配線の長さを短縮することができる。したがって、スイッチ31B及び32Bの制御配線間の結合を抑制することができ、スイッチ31B及び32Bの間のアイソレーションをさらに改善することができる。
【0152】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1Bにおいて、電圧制御回路41Bは、ゲート端子31Gにゲート電圧VG1Bを印加するよう構成されてもよく、電圧制御回路42Bは、ゲート端子32Gにゲート電圧VG1Bと逆レベルのゲート電圧VG2Bをゲート電圧VG1Bと同期して印加するよう構成されてもよい。
【0153】
これによれば、逆レベルの2つのゲート電圧VG1B及びVG2Bを同期して印加するための電圧制御回路が2つの電圧制御回路41B及び42Bで実現される。つまり、単一の回路で実現可能な電圧制御回路が2つの電圧制御回路41B及び42Bに分離されるので、スイッチ31B及び32Bの間のアイソレーションの改善効果は大きい。
【0154】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1Bは、さらに、基板91Bに配置され、ソース端子33S、ゲート端子33G及びドレイン端子33Dを含み、ドレイン端子33Dがソース端子31S及び選択端子102Bの間の経路に接続され、ソース端子33Sがグランドに接続されるスイッチ33Bと、基板91Bに配置され、ソース端子34S、ゲート端子34G及びドレイン端子34Dを含み、ドレイン端子34Dがソース端子32S及び選択端子103Bの間の経路に接続され、ソース端子34Sがグランドに接続されるスイッチ34Bと、を備えてもよく、電圧制御回路41Bは、さらに、ゲート端子33Gに接続されてもよく、電圧制御回路42Bは、さらに、ゲート端子34Gに接続されてもよい。
【0155】
これによれば、スイッチ33Bのゲート端子33Gに接続される電圧制御回路41Bと、スイッチ34Bのゲート端子34Gに接続される電圧制御回路42Bと、が互いに離間して基板91Bに配置される。したがって、スイッチ33B及び34Bの間のアイソレーションを改善することができ、選択端子102B及び103Bの間のアイソレーションを改善することができる。特に、SPnT型のスイッチ回路の選択端子102B及び103Bにそれぞれ接続されるシャントスイッチであるスイッチ33B及び34Bは、単一の電圧制御回路で制御されることが多いため、スイッチ33B及び34Bのための電圧制御回路を2つの電圧制御回路41B及び42Bに分離することによるアイソレーションの改善効果は大きい。
【0156】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1Bにおいて、電圧制御回路41B及びスイッチ33Bの間の距離は、電圧制御回路41B及びスイッチ34Bの間の距離よりも短くてもよい。
【0157】
これによれば、電圧制御回路41Bをスイッチ33Bの近傍に配置することができ、電圧制御回路41Bとスイッチ33Bのゲート端子33Gとの間を結ぶ制御配線の長さを短縮することができる。したがって、スイッチ33B及び34Bの制御配線間の結合を抑制することができ、スイッチ33B及び34Bの間のアイソレーションをさらに改善することができる。
【0158】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1Bにおいて、電圧制御回路42B及びスイッチ34Bの間の距離は、電圧制御回路42B及びスイッチ33Bの間の距離よりも短くてもよい。
【0159】
これによれば、電圧制御回路42Bをスイッチ34Bの近傍に配置することができ、電圧制御回路42Bとスイッチ34Bのゲート端子34Gとの間を結ぶ制御配線の長さを短縮することができる。したがって、スイッチ33B及び34Bの制御配線間の結合を抑制することができ、スイッチ33B及び34Bの間のアイソレーションをさらに改善することができる。
【0160】
また例えば、本実施の形態に係るスイッチ回路1Bにおいて、電圧制御回路41Bは、ゲート端子31Gにゲート電圧VG1Bを印加し、かつ、ゲート端子33Gにゲート電圧VG1Bと逆レベルのゲート電圧VG3Bをゲート電圧VG1Bと同期して印加するよう構成されてもよく、電圧制御回路42Bは、ゲート端子32Gにゲート電圧VG1Bと逆レベルのゲート電圧VG2Bをゲート電圧VG1Bと同期して印加し、かつ、ゲート端子34Gにゲート電圧VG2Bと逆レベルのゲート電圧VG4Bをゲート電圧VG2Bと同期して印加するよう構成されてもよい。
【0161】
これによれば、同レベル又は逆レベルの4つのゲート電圧VG1B、VG2B、VG3B及びVG4Bを同期して印加するための電圧制御回路が2つの電圧制御回路41B及び42Bで実現される。つまり、単一の回路で実現可能な電圧制御回路が2つの電圧制御回路41B及び42Bに分離されるので、スイッチ31B及び33Bとスイッチ32B及び34Bとの間のアイソレーションの改善効果は大きい。
【0162】
(他の実施の形態)
以上、本発明に係るスイッチ回路について、実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明に係るスイッチ回路は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。上記実施の形態及びその変形例における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態又はその変形例に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、上記スイッチ回路を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
【0163】
例えば、上記各実施の形態に係るスイッチ回路の回路構成において、図面に開示された各回路素子及び信号経路を接続する経路の間に、別の回路素子及び配線などが挿入されてもよい。例えば、実施の形態1に係るスイッチ回路1において、スイッチ31及びPA接続端子111の間の経路とグランドとの間にスイッチが挿入されてもよく、スイッチ32及びPA接続端子112の間の経路とグランドとの間にスイッチが挿入されてもよい。
【0164】
また例えば、実施の形態2と実施の形態1の変形例とが組み合わされてもよい。具体的には、実施の形態2に係るスイッチ回路1Bにおいて、電圧制御回路41B及びスイッチ31Bの間にローパスフィルタが挿入されてもよく、電圧制御回路42B及びスイッチ32Bの間にローパスフィルタが挿入されてもよい。さらに、電圧制御回路41B及びスイッチ33Bの間にローパスフィルタが挿入されてもよく、電圧制御回路42B及びスイッチ34Bの間にローパスフィルタが挿入されてもよい。
【0165】
また、上記各実施の形態において、スイッチ回路は、単一の半導体集積回路に実装されていたが、複数の半導体集積回路に分かれて実装されてもよい。
【0166】
以下に、上記各実施の形態に基づいて説明したスイッチ回路の特徴を示す。
<1>第1入出力端子及び第2入出力端子を含む基板と、
前記基板に配置され、第1ソース端子、第1ゲート端子及び第1ドレイン端子を含み、前記第1ソース端子が電力増幅器の入力端に接続され、前記第1ドレイン端子が前記第1入出力端子に接続される第1スイッチと、
前記基板に配置され、前記第1ゲート端子に接続される第1電圧制御回路と、
前記基板に配置され、第2ソース端子、第2ゲート端子及び第2ドレイン端子を含み、前記第2ソース端子が前記第2入出力端子に接続され、前記第2ドレイン端子が前記電力増幅器の出力端に接続される第2スイッチと、
前記基板に前記第1電圧制御回路と離間して配置され、前記第2ゲート端子に接続される第2電圧制御回路と、を備える、
スイッチ回路。
<2>前記第1電圧制御回路及び前記第1スイッチの間の距離は、前記第1電圧制御回路及び前記第2スイッチの間の距離よりも短い、
<1>に記載のスイッチ回路。
<3>前記第2電圧制御回路及び前記第2スイッチの間の距離は、前記第2電圧制御回路及び前記第1スイッチの間の距離よりも短い、
<1>又は<2>に記載のスイッチ回路。
<4>前記第1電圧制御回路は、前記第1ゲート端子に第1ゲート電圧を印加するよう構成され、
前記第2電圧制御回路は、前記第2ゲート端子に前記第1ゲート電圧と同レベルの第2ゲート電圧を前記第1ゲート電圧と同期して印加するよう構成される、
<1>~<3>のいずれか1つに記載のスイッチ回路。
<5>前記スイッチ回路は、さらに、
前記基板に配置され、前記第1電圧制御回路と前記第1ゲート端子との間に接続される第1ローパスフィルタと、
前記基板に配置され、前記第2電圧制御回路と前記第2ゲート端子との間に接続される第2ローパスフィルタと、を備える、
<1>~<4>のいずれか1つに記載のスイッチ回路。
<6>前記スイッチ回路は、さらに、
前記基板に配置され、前記第1電圧制御回路に接続される第1入力論理回路と、
前記基板に前記第1入力論理回路と離間して配置され、前記第2電圧制御回路に接続される第2入力論理回路と、を備える、
<1>~<5>のいずれか1つに記載のスイッチ回路。
<7>前記スイッチ回路は、さらに、
前記基板に配置された低雑音増幅器と、
前記基板に配置され、第3ソース端子、第3ゲート端子及び第3ドレイン端子を含み、前記第3ソース端子が前記第1入出力端子に接続され、前記第3ドレイン端子が前記低雑音増幅器の出力端に接続される第3スイッチと、
前記基板に配置され、前記第3ゲート端子に接続される第3電圧制御回路と、
前記基板に配置され、第4ソース端子、第4ゲート端子及び第4ドレイン端子を含み、前記第4ソース端子が前記低雑音増幅器の入力端に接続され、前記第4ドレイン端子が前記第2入出力端子に接続される第4スイッチと、
前記基板に前記第3電圧制御回路と離間して配置され、前記第4ゲート端子に接続される第4電圧制御回路と、を備える、
<1>~<6>のいずれか1つに記載のスイッチ回路。
<8>前記第3電圧制御回路及び前記第3スイッチの間の距離は、前記第3電圧制御回路及び前記第4スイッチの間の距離よりも短い、
<7>に記載のスイッチ回路。
<9>前記第4電圧制御回路及び前記第4スイッチの間の距離は、前記第4電圧制御回路及び前記第3スイッチの間の距離よりも短い、
<7>又は<8>に記載のスイッチ回路。
<10>前記第3電圧制御回路は、前記第3ゲート端子に第3ゲート電圧を印加するよう構成され、
前記第4電圧制御回路は、前記第4ゲート端子に前記第3ゲート電圧と同レベルの第4ゲート電圧を前記第3ゲート電圧と同期して印加するよう構成される、
<7>~<9>のいずれか1つに記載のスイッチ回路。
<11>前記スイッチ回路は、さらに、
前記第3電圧制御回路と前記第3ゲート端子との間に接続される第3ローパスフィルタと、
前記第4電圧制御回路と前記第4ゲート端子との間に接続される第4ローパスフィルタと、を備える、
<7>~<10>のいずれか1つに記載のスイッチ回路。
<12>SPnT型のスイッチ回路であって、
共通端子、第1選択端子及び第2選択端子を含む基板と、
前記基板に配置され、第1ソース端子、第1ゲート端子及び第1ドレイン端子を含み、前記第1ドレイン端子が前記共通端子に接続され、前記第1ソース端子が前記第1選択端子に接続される第1スイッチと、
前記基板に配置され、前記第1ゲート端子に接続される第1電圧制御回路と、
前記基板に配置され、第2ソース端子、第2ゲート端子及び第2ドレイン端子を含み、前記第2ドレイン端子が前記共通端子に接続され、前記第2ソース端子が前記第2選択端子に接続される第2スイッチと、
前記基板に前記第1電圧制御回路と離間して配置され、前記第2ゲート端子に接続される第2電圧制御回路と、を備える、
スイッチ回路。
<13>前記第1電圧制御回路及び前記第1スイッチの間の距離は、前記第1電圧制御回路及び前記第2スイッチの間の距離よりも短い、
<12>に記載のスイッチ回路。
<14>前記第2電圧制御回路及び前記第2スイッチの間の距離は、前記第2電圧制御回路及び前記第1スイッチの間の距離よりも短い、
<12>又は<13>に記載のスイッチ回路。
<15>前記第1電圧制御回路は、前記第1ゲート端子に第1ゲート電圧を印加するよう構成され、
前記第2電圧制御回路は、前記第2ゲート端子に前記第1ゲート電圧と逆レベルの第2ゲート電圧を前記第1ゲート電圧と同期して印加するよう構成される、
<12>~<14>のいずれか1つに記載のスイッチ回路。
<16>前記スイッチ回路は、さらに、
前記基板に配置され、第3ソース端子、第3ゲート端子及び第3ドレイン端子を含み、前記第3ドレイン端子が前記第1ソース端子及び前記第1選択端子の間の経路に接続され、前記第3ソース端子がグランドに接続される第3スイッチと、
前記基板に配置され、第4ソース端子、第4ゲート端子及び第4ドレイン端子を含み、前記第4ドレイン端子が前記第2ソース端子及び前記第2選択端子の間の経路に接続され、前記第4ソース端子がグランドに接続される第4スイッチと、を備え、
前記第1電圧制御回路は、さらに、前記第3ゲート端子に接続され、
前記第2電圧制御回路は、さらに、前記第4ゲート端子に接続されている、
<12>~<15>のいずれか1つに記載のスイッチ回路。
<17>前記第1電圧制御回路及び前記第3スイッチの間の距離は、前記第1電圧制御回路及び前記第4スイッチの間の距離よりも短い、
<16>に記載のスイッチ回路。
<18>前記第2電圧制御回路及び前記第4スイッチの間の距離は、前記第2電圧制御回路及び前記第3スイッチの間の距離よりも短い、
<16>又は<17>に記載のスイッチ回路。
<19>前記第1電圧制御回路は、前記第1ゲート端子に第1ゲート電圧を印加し、かつ、前記第3ゲート端子に前記第1ゲート電圧と逆レベルの第3ゲート電圧を前記第1ゲート電圧と同期して印加するよう構成され、
前記第2電圧制御回路は、前記第2ゲート端子に前記第1ゲート電圧と逆レベルの第2ゲート電圧を前記第1ゲート電圧と同期して印加し、かつ、前記第4ゲート端子に前記第2ゲート電圧と逆レベルの第4ゲート電圧を前記第2ゲート電圧と同期して印加するよう構成される、
<16>~<18>のいずれか1つに記載のスイッチ回路。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明は、フロントエンド部に配置されるスイッチ回路として、携帯電話などの通信機器に広く利用できる。
【符号の説明】
【0168】
1、1A、1B スイッチ回路
2 アンテナ
3 RFIC
5 通信装置
11 電力増幅器
12 フィルタ
21 低雑音増幅器
22 減衰器
31、31B、32、32B、33、33B、34、34B、35、36 スイッチ
31D、32D、33D、34D、35D、36D ドレイン端子
31G、32G、33G、34G、35G、36G ゲート端子
31S、32S、33S、34S、35S、36S ソース端子
41、41B、42、42B、43、44、45、46 電圧制御回路
51、51B、52、52B 入力論理回路
53、53B デジタル制御回路
61、62、63、64、65、66 ローパスフィルタ
91、91B 基板
101、102 入出力端子
101B 共通端子
102B、103B 選択端子
111、112 PA接続端子
121、121B 制御端子
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8 抵抗
T1、T2、T3、T4 トランジスタ
G1、VG1B、VG2、VG2B、VG3、VG3B、VG4、VG4B、VG5、VG6 ゲート電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8