(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043357
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】描画装置および描画方法
(51)【国際特許分類】
G03F 9/00 20060101AFI20240322BHJP
G03F 7/20 20060101ALN20240322BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148502
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】和田 晃生
(72)【発明者】
【氏名】久野 真士
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA09
2H197CA01
2H197CA13
2H197CC05
2H197CD02
2H197CD06
2H197CD12
2H197CD18
2H197EA03
2H197EA19
2H197EB23
2H197HA02
2H197HA03
(57)【要約】
【課題】タクトタイムの増大を抑制しつつ描画ヘッドのキャリブレーションを行う。
【解決手段】描画装置1のステージ21には、基板9を保持する基板保持部25が設けられる。描画ヘッド41は、基板9に変調された光を照射する。目盛部52は、ステージ21上において基板保持部25と主走査方向に隣接して設けられる。キャリブレーションカメラ53は、目盛部52が描画ヘッド41の下方のキャリブレーション位置に位置する状態で、描画ヘッド41から目盛部52に照射された所定のキャリブレーションパターンを撮像する。描画装置1では、基板保持部25に対する基板9の搬出入が行われる搬出入位置にステージ21が位置している状態で、目盛部52がキャリブレーション位置に位置する。これにより、タクトタイムの増大を抑制しつつ描画ヘッド41のキャリブレーションを行うことができる。
【選択図】
図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に光を照射してパターンの描画を行う描画装置であって、
基板を保持する基板保持部が設けられたステージと、
前記基板に変調された光を照射する描画ヘッドと、
前記基板の上面に平行な主走査方向に、前記ステージを前記描画ヘッドに対して相対的に移動する主走査機構と、
前記ステージ上において前記基板保持部と前記主走査方向に隣接して設けられる目盛部と、
前記目盛部が前記描画ヘッドの下方のキャリブレーション位置に位置する状態で、前記描画ヘッドから前記目盛部に照射された所定のキャリブレーションパターンを撮像するキャリブレーションカメラと、
前記キャリブレーションカメラにより取得された前記目盛部および前記キャリブレーションパターンを含む検査画像に基づいて、前記描画ヘッドからの光の照射位置の補正に用いられる補正情報を求める補正情報取得部と、
描画データおよび前記補正情報に基づいて前記描画ヘッドおよび前記主走査機構を制御することにより、前記描画ヘッドに対して前記基板を前記主走査方向に相対移動させつつ前記描画ヘッドに前記基板に対する描画を実行させる描画制御部と、
を備え、
前記基板保持部に対する基板の搬出入が行われる搬出入位置に前記ステージが位置している状態で、前記目盛部が前記キャリブレーション位置に位置することを特徴とする描画装置。
【請求項2】
請求項1に記載の描画装置であって、
前記基板上のアライメントマークを撮像するアライメントカメラと、
前記アライメントカメラにより取得された前記アライメントマークの画像に基づいて、前記描画ヘッドに対する前記基板の相対位置の補正に用いられるアライメント情報を求めるアライメント情報取得部と、
をさらに備え、
前記アライメントカメラは、前記主走査方向に関して、前記描画ヘッドを挟んで前記搬出入位置に位置する前記ステージの前記基板保持部と反対側に位置することを特徴とする描画装置。
【請求項3】
請求項2に記載の描画装置であって、
前記ステージの上方において前記描画ヘッドを支持する支持部をさらに備え、
前記アライメントカメラも、前記支持部により支持されることを特徴とする描画装置。
【請求項4】
請求項1に記載の描画装置であって、
前記目盛部は、前記ステージの上面に配置された透光性目盛部材であり、
前記キャリブレーションカメラは、前記透光性目盛部材の下方にて前記ステージに取り付けられ、前記透光性目盛部材を透過した前記キャリブレーションパターンを撮像し、
前記キャリブレーションカメラの上端部に低反射加工が施されていることを特徴とする描画装置。
【請求項5】
請求項1に記載の描画装置であって、
前記目盛部上における前記キャリブレーションパターンの前記主走査方向における位置は、前記ステージが静止した状態で前記描画ヘッドによって変更可能であることを特徴とする描画装置。
【請求項6】
請求項1に記載の描画装置であって、
前記描画ヘッドは、互いに異なる波長の光を出射する複数の光源を備え、
前記基板に対する描画時に、前記複数の光源のうち2以上の光源が使用され、
前記目盛部への前記キャリブレーションパターンの照射時に、前記複数の光源のうち1つの光源のみが使用されることを特徴とする描画装置。
【請求項7】
請求項1に記載の描画装置であって、
前記描画ヘッドを含むとともにそれぞれが前記基板に変調された光を照射する複数の描画ヘッドが、前記基板の上面に平行かつ前記主走査方向に対して傾斜する配列方向に配列されており、
前記キャリブレーションカメラは、前記目盛部が前記キャリブレーション位置に位置する状態で、前記複数の描画ヘッドから前記目盛部にそれぞれ照射された複数のキャリブレーションパターンを、前記配列方向に移動しつつ順次撮像することを特徴とする描画装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1つに記載の描画装置であって、
前記キャリブレーションカメラによる前記検査画像の取得に要する時間は、前記基板保持部から一の基板を搬出して新たな基板を前記基板保持部に搬入するために必要な時間よりも短いことを特徴とする描画装置。
【請求項9】
請求項1ないし7のいずれか1つに記載の描画装置であって、
前記キャリブレーションカメラによる前記検査画像の取得は、前記基板保持部への基板の搬入毎に行われることを特徴とする描画装置。
【請求項10】
基板に光を照射してパターンの描画を行う描画方法であって、
a)基板を保持する基板保持部と、前記基板の上面に平行な主走査方向において前記基板保持部に隣接する目盛部と、が設けられたステージが、前記基板保持部に対する基板の搬出入が行われる搬出入位置に位置する状態で、描画ヘッドの下方のキャリブレーション位置に位置する前記目盛部に、前記描画ヘッドから照射された所定のキャリブレーションパターンを撮像する工程と、
b)前記a)工程において取得された前記目盛部および前記キャリブレーションパターンを含む検査画像に基づいて、前記描画ヘッドからの光の照射位置の補正に用いられる補正情報を求める工程と、
c)前記描画ヘッドに対して前記主走査方向に相対移動する前記基板に、描画データおよび前記補正情報に基づいて前記描画ヘッドから変調された光を照射して前記基板に対する描画を行う工程と、
を備えることを特徴とする描画方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に光を照射してパターンの描画を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント基板や半導体基板等(以下、「基板」という。)に対するパターンの描画において、基板上に形成された感光材料に変調された光を照射し、当該光の照射領域を走査することによりパターンを直接的に描画する描画装置が利用されている。
【0003】
このような描画装置では、描画開始からの時間経過に伴う描画ヘッドの温度上昇や装置周辺の温度変化等により、描画ヘッドからの光の基板上における照射位置が変動し、基板上に描画されるパターンの位置ずれが生じることがある。そこで、特許文献1では、温度変化による上記照射位置の変動データを予め取得しておき、測定された温度に合わせて当該照射位置を補正するキャリブレーション方法が提案されている。ただし、温度を指標とした間接的なキャリブレーションでは、キャリブレーション精度が不足する場合がある。
【0004】
一方、特許文献1のように照射位置の変動を温度から間接的に求める場合と異なり、描画ヘッドからの光をカメラで観察して照射位置の変動を直接的に求めるキャリブレーション方法も知られている。この場合、基板が載置されたステージを移動して描画ヘッドの鉛直下方にカメラを位置させてキャリブレーションを行い、キャリブレーションが終了した後、ステージを描画ヘッドの鉛直下方へと移動して基板に対する描画が行われる。したがって、1回のキャリブレーションに比較的長い時間が必要となる。このため、タクトタイム(すなわち、1枚の基板に対する描画作業にかかる時間であり、サイクルタイムとも呼ばれる。)の短縮の観点から、1枚の基板に対する描画が終了する毎にキャリブレーションを行うことは難しく、所定の描画時間が経過する毎に、あるいは、2枚以上の所定枚数の基板に対する描画が終了する毎にキャリブレーションが行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のような描画装置では、描画位置精度の更なる向上が望まれており、キャリブレーションの頻度を増大する必要がある一方で、生産性の低下を抑制する必要もある。そこで、タクトタイムの増大を抑制しつつ描画ヘッドのキャリブレーションを行うことが求められている。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、タクトタイムの増大を抑制しつつ描画ヘッドのキャリブレーションを行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様1は、基板に光を照射してパターンの描画を行う描画装置であって、基板を保持する基板保持部が設けられたステージと、前記基板に変調された光を照射する描画ヘッドと、前記基板の上面に平行な主走査方向に、前記ステージを前記描画ヘッドに対して相対的に移動する主走査機構と、前記ステージ上において前記基板保持部と前記主走査方向に隣接して設けられる目盛部と、前記目盛部が前記描画ヘッドの下方のキャリブレーション位置に位置する状態で、前記描画ヘッドから前記目盛部に照射された所定のキャリブレーションパターンを撮像するキャリブレーションカメラと、前記キャリブレーションカメラにより取得された前記目盛部および前記キャリブレーションパターンを含む検査画像に基づいて、前記描画ヘッドからの光の照射位置の補正に用いられる補正情報を求める補正情報取得部と、描画データおよび前記補正情報に基づいて前記描画ヘッドおよび前記主走査機構を制御することにより、前記描画ヘッドに対して前記基板を前記主走査方向に相対移動させつつ前記描画ヘッドに前記基板に対する描画を実行させる描画制御部と、を備える。前記基板保持部に対する基板の搬出入が行われる搬出入位置に前記ステージが位置している状態で、前記目盛部が前記キャリブレーション位置に位置する。
【0009】
本発明の態様2は、態様1の描画装置であって、前記描画装置は、前記基板上のアライメントマークを撮像するアライメントカメラと、前記アライメントカメラにより取得された前記アライメントマークの画像に基づいて、前記描画ヘッドに対する前記基板の相対位置の補正に用いられるアライメント情報を求めるアライメント情報取得部と、をさらに備える。前記アライメントカメラは、前記主走査方向に関して、前記描画ヘッドを挟んで前記搬出入位置に位置する前記ステージの前記基板保持部と反対側に位置する。
【0010】
本発明の態様3は、態様2の描画装置であって、前記描画装置は、前記ステージの上方において前記描画ヘッドを支持する支持部をさらに備える。前記アライメントカメラも、前記支持部により支持される。
【0011】
本発明の態様4は、態様1(態様1ないし3のいずれか1つ、であってもよい。)の描画装置であって、前記目盛部は、前記ステージの上面に配置された透光性目盛部材である。前記キャリブレーションカメラは、前記透光性目盛部材の下方にて前記ステージに取り付けられ、前記透光性目盛部材を透過した前記キャリブレーションパターンを撮像する。前記キャリブレーションカメラの上端部に低反射加工が施されている。
【0012】
本発明の態様5は、態様1(態様1ないし4のいずれか1つ、であってもよい。)の描画装置であって、前記目盛部上における前記キャリブレーションパターンの前記主走査方向における位置は、前記ステージが静止した状態で前記描画ヘッドによって変更可能である。
【0013】
本発明の態様6は、態様1(態様1ないし5のいずれか1つ、であってもよい。)の描画装置であって、前記描画ヘッドは、互いに異なる波長の光を出射する複数の光源を備える。前記基板に対する描画時に、前記複数の光源のうち2以上の光源が使用される。前記目盛部への前記キャリブレーションパターンの照射時に、前記複数の光源のうち1つの光源のみが使用される。
【0014】
本発明の態様7は、態様1(態様1ないし6のいずれか1つ、であってもよい。)の描画装置であって、前記描画ヘッドを含むとともにそれぞれが前記基板に変調された光を照射する複数の描画ヘッドが、前記基板の上面に平行かつ前記主走査方向に対して傾斜する配列方向に配列されている。前記キャリブレーションカメラは、前記目盛部が前記キャリブレーション位置に位置する状態で、前記複数の描画ヘッドから前記目盛部にそれぞれ照射された複数のキャリブレーションパターンを、前記配列方向に移動しつつ順次撮像する。
【0015】
本発明の態様8は、態様1ないし7のいずれか1つの描画装置であって、前記キャリブレーションカメラによる前記検査画像の取得に要する時間は、前記基板保持部から一の基板を搬出して新たな基板を前記基板保持部に搬入するために必要な時間よりも短い。
【0016】
本発明の態様9は、態様1ないし7のいずれか1つ(態様1ないし8のいずれか1つ、であってもよい。)の描画装置であって、前記キャリブレーションカメラによる前記検査画像の取得は、前記基板保持部への基板の搬入毎に行われる。
【0017】
本発明の態様10は、基板に光を照射してパターンの描画を行う描画方法であって、a)基板を保持する基板保持部と、前記基板の上面に平行な主走査方向において前記基板保持部に隣接する目盛部と、が設けられたステージが、前記基板保持部に対する基板の搬出入が行われる搬出入位置に位置する状態で、描画ヘッドの下方のキャリブレーション位置に位置する前記目盛部に、前記描画ヘッドから照射された所定のキャリブレーションパターンを撮像する工程と、b)前記a)工程において取得された前記目盛部および前記キャリブレーションパターンを含む検査画像に基づいて、前記描画ヘッドからの光の照射位置の補正に用いられる補正情報を求める工程と、c)前記描画ヘッドに対して前記主走査方向に相対移動する前記基板に、描画データおよび前記補正情報に基づいて前記描画ヘッドから変調された光を照射して前記基板に対する描画を行う工程と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、タクトタイムの増大を抑制しつつ描画ヘッドのキャリブレーションを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一の実施の形態に係る描画装置を示す斜視図である。
【
図2】キャリブレーション部近傍を拡大して示す平面図である。
【
図3】キャリブレーション部および描画ヘッドの内部の構成を示す図である。
【
図7A】描画装置の主要な構成を模式的に示す正面図である。
【
図7B】描画装置の主要な構成を模式的に示す正面図である。
【
図7C】描画装置の主要な構成を模式的に示す正面図である。
【
図7D】描画装置の主要な構成を模式的に示す正面図である。
【
図7E】描画装置の主要な構成を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る描画装置1を示す斜視図である。描画装置1は、空間変調された略ビーム状の光を基板9上の感光材料に照射し、当該光の照射領域を基板9上にて走査することによりパターンの描画を行う直接描画装置である。
図1では、互いに直交する3つの方向をX方向、Y方向およびZ方向として矢印にて示している。
図1に示す例では、X方向およびY方向は互いに垂直な水平方向であり、Z方向は鉛直方向(すなわち、上下方向)である。他の図においても同様である。
【0021】
基板9は、例えば、略矩形平板状のプリント基板である。基板9の(+Z)側の主面(以下、「上面91」とも呼ぶ。)では、感光材料により形成されたレジスト膜が銅層上に設けられる。描画装置1では、基板9の当該レジスト膜に回路パターンが描画(すなわち、形成)される。なお、基板9の種類および形状等は様々に変更されてよい。
【0022】
図1に示すように、描画装置1は、ステージ21と、ステージ移動機構22と、アライメント部3と、描画部4と、キャリブレーション部5と、制御部10とを備える。制御部10は、ステージ移動機構22、アライメント部3、描画部4およびキャリブレーション部5等を制御する。
【0023】
ステージ21は、アライメント部3および描画部4の下方(すなわち、(-Z)側)に配置された略矩形平板状の部材である。ステージ21は、水平状態の基板9を下側から保持する基板保持部25を備える。基板保持部25は、例えば、基板9の下面を吸着して保持するバキュームチャックである。基板保持部25は、バキュームチャック以外の構造を有していてもよく、例えば、メカニカルチャックであってもよい。基板保持部25上に載置された基板9の上面91は、Z方向に対して略垂直であり、X方向およびY方向に略平行である。
【0024】
ステージ移動機構22は、ステージ21をアライメント部3および描画部4に対して水平方向(すなわち、基板9の上面91に略平行な方向)に相対的に移動する移動機構である。ステージ移動機構22は、第1移動機構23と、第2移動機構24とを備える。第2移動機構24は、ステージ21をガイドレールに沿ってX方向に直線移動する。第1移動機構23は、ステージ21を第2移動機構24と共にガイドレールに沿ってY方向に直線移動する。第1移動機構23および第2移動機構24の駆動源は、例えば、リニアサーボモータ、または、ボールネジにモータが取り付けられたものである。第1移動機構23および第2移動機構24の構造は、様々に変更されてよい。
【0025】
描画装置1では、Z方向に延びる回転軸を中心としてステージ21を回転するステージ回転機構が設けられてもよい。また、ステージ21をZ方向に移動するステージ昇降機構が描画装置1に設けられてもよい。ステージ回転機構として、例えば、サーボモータが利用可能である。ステージ昇降機構として、例えば、リニアサーボモータが利用可能である。ステージ回転機構およびステージ昇降機構の構造は、様々に変更されてよい。
【0026】
アライメント部3は、X方向に配列される複数(
図1に示す例では、2つ)のアライメントカメラ31を備える。各アライメントカメラ31は、ステージ21およびステージ移動機構22を跨いで設けられる支持部40により、ステージ21およびステージ移動機構22の上方にて支持される。支持部40は、Y方向における1つの位置に設けられる単一の部材である。
図1に示す例では、支持部40は、ステージ21およびステージ移動機構22を跨ぐ門形の部材(いわゆる、ガントリー)である。
【0027】
図1に示す例では、2つのアライメントカメラ31は、支持部40の(+Y)側の側面に取り付けられる。2つのアライメントカメラ31のうち、例えば、一方のアライメントカメラ31は支持部40に固定されており、他方のアライメントカメラ31は支持部40上においてX方向に移動可能である。これにより、2つのアライメントカメラ31間のX方向の距離を変更することができる。なお、アライメント部3のアライメントカメラ31の数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
【0028】
各アライメントカメラ31は、図示省略の撮像素子および光学系を備える。各アライメントカメラ31は、例えば、2次元の画像を取得するエリアカメラである。各アライメントカメラ31では、図示省略の照明光源から基板9の上面91へと導かれた照明光の反射光が、光学系を介して撮像素子へと導かれる。当該撮像素子は、基板9の上面91からの反射光を受光し、略矩形状の撮像領域の画像を取得する。アライメントカメラ31は、基板9の上面91に予め設けられているアライメントマーク(図示省略)を撮像する。上記照明光源としては、LED(Light Emitting Diode)等の様々な光源が利用可能である。なお、アライメントカメラ31は、ラインカメラ等、他の種類のカメラであってもよい。
【0029】
アライメントカメラ31により取得されたアライメントマークを含む画像(以下、「アライメント画像」とも呼ぶ。)は、
図1に示す制御部10に送られる。制御部10では、アライメント画像に基づいて基板9のアライメント(すなわち、後述する描画ヘッド41に対する基板9の相対位置の補正)が行われる。
【0030】
描画部4は、X方向に配列される複数(
図1に示す例では、6つ)の描画ヘッド41を備える。複数の描画ヘッド41は、略同じ構造を有する。各描画ヘッド41は、変調された(すなわち、空間変調された)光を下方に向けて照射する空間光変調器を備える。各描画ヘッド41は、上述の支持部40によってステージ21およびステージ移動機構22の上方にて支持される。
図1に示す例では、6つの描画ヘッド41は、支持部40の(-Y)側の側面に取り付けられる。換言すれば、6つの描画ヘッド41は、Y方向に関して、支持部40を挟んで上述の2つのアライメントカメラ31とは反対側に配置される。さらに換言すれば、2つのアライメントカメラ31は、Y方向に関して、6つの描画ヘッド41を挟んで、後述する搬出入位置に位置するステージ21の基板保持部25とは反対側に位置する。
【0031】
図1に示す例では、6つの描画ヘッド41は、X方向に略平行に略直線状に配列される。また、6つの描画ヘッド41とステージ21上の基板9の上面91との間のZ方向の距離は略同じである。換言すれば、6つの描画ヘッド41の配列方向は、基板9の上面91に略平行、かつ、Y方向に対して略垂直である。さらに換言すれば、6つの描画ヘッド41のY方向およびZ方向における位置は略同じである。
【0032】
なお、上述の描画ヘッド41の配列方向は、Y方向に対して傾斜する方向であればよく、必ずしもX方向に平行である必要はない。描画部4では、複数の描画ヘッド41は、必ずしも一直線上に配列される必要はなく、例えば、千鳥状に配列されてもよい。また、描画部4では、描画ヘッド41の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
【0033】
描画装置1では、基板9に対するパターン描画は、いわゆるマルチパス方式で行われる。具体的には、描画部4の複数の描画ヘッド41から変調された光を基板9の上面91上に照射しつつ、ステージ移動機構22の第1移動機構23により基板9をY方向に移動して描画ヘッド41の下方を通過させる。これにより、複数の描画ヘッド41からの光の照射領域が基板9上にてY方向に走査され、基板9に対する描画が行われる。続いて、第2移動機構24により、基板9をX方向に所定距離だけステップ移動させる。そして、第1移動機構23による基板9のY方向への移動、および、当該移動と並行した描画ヘッド41から基板9への光の照射が再度行われ、基板9に対する描画が行われる。描画装置1では、Y方向に移動する基板9への光の照射と、X方向への基板9のステップ移動とが交互に行われることにより、基板9に対するパターンの描画が行われる。
【0034】
以下の説明では、Y方向を「主走査方向」とも呼び、X方向を「副走査方向」とも呼ぶ。主走査方向および副走査方向は、基板9の上面91に略平行な方向である。ステージ移動機構22では、第1移動機構23は、ステージ21を描画ヘッド41に対して主走査方向に相対的に移動する主走査機構である。また、第2移動機構24は、ステージ21を描画ヘッド41に対して副走査方向に相対的に移動する副走査機構である。なお、描画装置1では、基板9を描画ヘッド41に対してY方向に1回のみ相対移動することにより基板9上へのパターンの描画が完了するシングルパス方式(ワンパス方式とも呼ばれる。)により、基板9に対する描画が行われてもよい。この場合、パターンの描画時には、第2移動機構24による基板9の副走査(すなわち、X方向へのステップ移動)は行われない。
【0035】
キャリブレーション部5は、ステージ21上において基板保持部25の(+Y)側に設けられる。キャリブレーション部5は、描画ヘッド41のキャリブレーション(すなわち、描画ヘッド41からの光の照射位置の測定および補正)に用いられる。
【0036】
図2は、描画装置1のキャリブレーション部5近傍を拡大して示す平面図である。
図3は、キャリブレーション部5および描画ヘッド41の構成を示す正面図である。
図3では、キャリブレーション部5の鉛直上方に描画ヘッド41が位置する状態を示す。
図3では、ステージ21の内部の構成、および、1つの描画ヘッド41の内部の構成を図示している。他の描画ヘッド41の構造は、当該1つの描画ヘッド41の構造と略同じである。
【0037】
図3に示すように、描画ヘッド41は、光源部42と、照明光学系43と、空間光変調器44(以下、単に「光変調器44」とも呼ぶ。)と、投影光学系45とを備える。光源部42から出射された光は、照明光学系43により光変調器44へと導かれ、光変調器44にて変調された後、投影光学系45により描画ヘッド41の下方(すなわち、(-Z)方向)へと導かれる。
【0038】
光源部42は、互いに異なる波長の光を出射する複数の光源を備える。
図3に示す例では、光源部42は、3つの光源421~423を備える。光源421~423としては、LD(Laser Diode)等の様々な光源が利用可能である。基板9に対するパターンの描画時には、基板9上の感光材料の種類等に合わせて、例えば、光源421~423のうち2つ以上の光源が使用される。なお、光源部42に設けられる光源の数は、1つまたは2つであってもよく、4つ以上であってもよい。光源部42に設けられる光源は、LDには限定されず、様々な種類のものが利用可能である。
【0039】
照明光学系43および投影光学系45はそれぞれ、図示省略の複数のレンズ等の光学素子を備える。光変調器44としては、DMD(Digital Micro Mirror Device)やGLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(シリコン・ライト・マシーンズ(サニーベール、カリフォルニア)の登録商標)等の様々な光変調器が利用可能である。光変調器44は、上記例には限定されず、様々な種類のものが利用可能である。
【0040】
キャリブレーション部5は、撮像部51と、目盛部52とを備える。目盛部52は、ステージ21上に設けられる略平板状の部材である。目盛部52は、ステージ21の上面に配置され、基板保持部25の(+Y)側に隣接する(すなわち、近接して配置される)。
図2に示す例では、目盛部52は、X方向に略平行に延びる略矩形帯状の部材であり、透光性を有する。目盛部52の(+Z)側の主面には、当該主面上におけるX方向の位置を示す多数の目盛が設けられている。換言すれば、目盛部52は、透光性目盛部材であり、例えば、略透明なガラススケールである。目盛部52の当該目盛は、例えば、クロスパターンまたは他の形状のパターンである。なお、目盛部52は、半透明の部材であってもよい。
【0041】
撮像部51は、目盛部52の下方にてステージ21の内部に取り付けられる。撮像部51は、キャリブレーションカメラ53と、カメラ移動機構54とを備える。キャリブレーションカメラ53は、目盛部52の鉛直下方において、上方を向けて配置される。キャリブレーションカメラ53は、例えば、CCD(Charged Coupled Devices)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を撮像素子として有するデジタルカメラである。なお、キャリブレーションカメラ53の種類や性能は、適宜設定されてよい。
【0042】
キャリブレーションカメラ53の上端部(すなわち、目盛部52を介して描画ヘッド41と対向する部位)には、低反射加工が施されている。具体的には、例えば、キャリブレーションカメラ53の対物レンズのフレームに、反射率を低減させるための反射防止フィルムが貼付される。これにより、アライメントカメラ31による撮像時に、キャリブレーションカメラ53からの反射光が意図に反して撮像されることを抑制することができる。なお、上記低反射加工は、反射防止フィルム以外の様々な構造および方法により行われてよい。
【0043】
カメラ移動機構54は、ステージ21の内部において、キャリブレーションカメラ53をガイドレールに沿ってX方向に直線移動する移動機構である。カメラ移動機構54の駆動源は、例えば、リニアサーボモータ、または、ボールネジにモータが取り付けられたものである。カメラ移動機構54の構造は、様々に変更されてよい。
【0044】
描画装置1では、複数の描画ヘッド41がキャリブレーション部5の目盛部52の鉛直上方に位置する状態で、カメラ移動機構54によりキャリブレーションカメラ53が移動され、キャリブレーション対象である1つの描画ヘッド41の鉛直下方に配置される。当該1つの描画ヘッド41からは、所定のキャリブレーションパターン(すなわち、描画ヘッド41のキャリブレーションに利用されるパターン)が目盛部52に向けて出射される。キャリブレーションパターンは、例えば、十字型のパターンである。キャリブレーションパターンの形状は、重心位置を算出可能な形状であれば様々に変更されてよい。
【0045】
キャリブレーションカメラ53は、目盛部52上における描画ヘッド41からの光の照射領域(すなわち、キャリブレーションパターン)を、目盛部52上に予め形成されている上記目盛と共に、下方から目盛部52を介して撮像する。換言すれば、キャリブレーションカメラ53は、目盛部52を透過したキャリブレーションパターンを目盛と共に撮像する。キャリブレーションカメラ53により取得された画像(以下、「検査画像」とも呼ぶ。)は、
図1に示す制御部10に送られる。制御部10では、検査画像に基づいて上記1つの描画ヘッド41のキャリブレーションが行われる。また、他の描画ヘッド41のキャリブレーションが行われる場合、カメラ移動機構54によりキャリブレーションカメラ53がX方向へと移動し、当該他の描画ヘッド41の鉛直下方に位置した後、同様の手順にてキャリブレーションが行われる。
【0046】
図4は、制御部10として機能するコンピュータ100の構成を示す図である。コンピュータ100は、プロセッサ101と、メモリ102と、入出力部103と、バス104とを備える通常のコンピュータである。バス104は、プロセッサ101、メモリ102および入出力部103を接続する信号回路である。メモリ102は、プログラムおよび各種情報を記憶する。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されるプログラム等に従って、メモリ102等を利用しつつ様々な処理(例えば、数値計算や画像処理)を実行する。入出力部103は、操作者からの入力を受け付けるキーボード105およびマウス106、並びに、プロセッサ101からの出力等を表示するディスプレイ107を備える。なお、制御部10は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)や回路基板等であってもよく、これらと1つ以上のコンピュータとの組み合わせであってもよい。
【0047】
図5は、コンピュータ100により実現される制御部10の機能を示すブロック図である。
図5では、制御部10以外の構成も併せて示す。制御部10は、記憶部111と、撮像制御部112と、位置検出部113と、補正情報取得部114と、アライメント情報取得部115と、描画制御部116とを備える。記憶部111は、主にメモリ102により実現され、基板9に描画される予定のパターンのデータ(すなわち、描画データ)等の各種情報を予め記憶する。撮像制御部112、位置検出部113、補正情報取得部114、アライメント情報取得部115および描画制御部116は、主にプロセッサ101により実現される。
【0048】
撮像制御部112は、描画ヘッド41および撮像部51を制御することにより、記憶部111に予め格納されているキャリブレーションパターンを描画ヘッド41から目盛部52(
図2および
図3参照)に照射させ、上述のキャリブレーション用の検査画像を撮像部51に取得させる。当該検査画像は、撮像部51から制御部10へと送られて、記憶部111に格納される。
【0049】
位置検出部113は、目盛部52およびキャリブレーションパターンの画像を含む当該検査画像に基づいて、目盛部52上における描画ヘッド41からの光の照射位置(以下、「測定位置」とも呼ぶ。)を求める。上述のように、目盛部52はステージ21上に固定されているため、目盛部52の基板保持部25に対する相対位置も固定されている。したがって、目盛部52の上記多数の目盛上におけるキャリブレーションパターンの照射位置を検出することにより、描画ヘッド41から照射される光の照射位置の基板保持部25に対する相対的な位置が求められる。
【0050】
補正情報取得部114は、位置検出部113により求められた上記測定位置に基づいて、描画ヘッド41からの光の基板9上における照射位置の補正に用いられる補正情報を求める。具体的には、上記測定位置と、描画ヘッド41から照射されるキャリブレーションパターンの目盛部52上における設計上の照射位置(以下、「設計位置」とも呼ぶ。)とが比較され、測定位置と設計位置との間のX方向およびY方向における距離(すなわち、設計位置からのずれ量)が求められる。補正情報取得部114は、当該ずれ量に基づいて、描画ヘッド41からの光の照射位置が設計位置に一致するように補正するための補正情報を求める。当該補正情報は、例えば、基板9上に描画されるパターンの描画データを上記ずれ量に合わせて補正するための情報である。あるいは、当該補正情報は、基板9に対するパターンの描画の際に、ステージ移動機構22による基板9の移動を補正するための情報であってもよい。
【0051】
アライメント情報取得部115は、アライメント部3のアライメントカメラ31により取得された上述のアライメントマークの画像(以下、「アライメント画像」とも呼ぶ。)に基づいて、基板9のアライメント(すなわち、描画ヘッド41に対する基板9の相対位置の補正)に用いられるアライメント情報を取得する。具体的には、アライメント画像中のアライメントマークの位置に基づいて、基板保持部25上における基板9の位置が求められ、基板保持部25上における基板9の設計位置からのずれ量が求められる。換言すれば、描画ヘッド41に対する基板9の相対位置の設計位置からのずれ量が求められる。アライメント情報取得部115は、当該ずれ量に基づいて、描画ヘッド41に対する基板9の相対位置が設計位置と一致するように補正するためのアライメント情報を求める。当該アライメント情報は、例えば、基板9に対するパターンの描画の際に、ステージ移動機構22による基板9の移動を補正するための情報である。あるいは、当該アライメント情報は、基板9上に描画されるパターンの描画データを上記ずれ量に合わせて補正するための情報であってもよい。
【0052】
描画制御部116は、記憶部111に記憶されている描画データ、補正情報取得部114により求められた補正情報、および、アライメント情報取得部115により求められたアライメント情報等に基づいて、描画ヘッド41およびステージ移動機構22を制御することにより、描画ヘッド41に対して基板9を相対的に移動させつつ、描画ヘッド41に基板9への描画を実行させる。
【0053】
次に、描画装置1によるパターンの描画について、
図6および
図7A~
図7Eを参照しつつ説明する。
図6は、基板9に対するパターン描画の流れの一例を示す図である。
図7A~
図7Eは、描画装置1の動作を説明するために、描画装置1の主要な構成を模式的に示す正面図である。
図7A~
図7Eでは、ステージ21の内部の構成も実線にて示す。
【0054】
基板9に対する描画の際には、まず、ステージ21が
図7Aに示す位置に位置する。以下の説明では、
図7Aに示すステージ21のY方向の位置を「搬出入位置」とも呼ぶ。描画装置1では、ステージ21が搬出入位置に位置する状態で、描画装置1における描画が既に終了している基板9が、二点鎖線にて示すようにステージ21から描画装置1の外部へと搬出される。また、新たな基板9(すなわち、描画装置1による描画が行われる予定の基板9)が描画装置1に搬入され、基板保持部25のステージ21上に保持される(ステップS11)。すなわち、ステップS11では、ステージ21が搬出入位置に位置する状態において、基板9の基板保持部25に対する搬出入が行われる。基板9の搬出入は、例えば、図示省略の搬出入装置により行われてもよく、作業員の手作業により行われてもよい。ステージ21が当該搬出入位置に位置する状態では、基板保持部25は、支持部40(
図1参照)に取り付けられた描画部4の複数の描画ヘッド41および複数のアライメントカメラ31よりも(-Y)側に位置する。
【0055】
図7Aに示す状態では、キャリブレーション部5の目盛部52は、描画ヘッド41の鉛直下方に位置する。以下の説明では、
図7Aに示す目盛部52のY方向の位置を「キャリブレーション位置」とも呼ぶ。描画装置1では、ステージ21が搬出入位置に位置するとともに目盛部52がキャリブレーション位置に位置する状態で、ステップS11における基板9の搬出入と並行して、複数の描画ヘッド41のキャリブレーションが行われる。
【0056】
具体的には、カメラ移動機構54(
図2および
図3参照)によりキャリブレーションカメラ53が移動され、キャリブレーション対象である1つの描画ヘッド41の鉛直下方に配置される。そして、当該描画ヘッド41の光源部42および光変調器44(
図3参照)等が制御部10によって制御されることにより、当該描画ヘッド41から目盛部52に上述のキャリブレーションパターンが照射される。光源部42では、キャリブレーションパターンの照射時には、上述の光源421~423(
図3参照)のうち、予め決められている1つの光源のみが使用される。これにより、目盛部52上のキャリブレーションパターンが、単一の波長の光により形成される。
【0057】
キャリブレーションカメラ53は、キャリブレーション位置に位置する目盛部52に照射されたキャリブレーションパターンを、目盛部52の目盛と共に撮像して検査画像を取得する。取得された検査画像は、制御部10へと送られて記憶部111(
図5参照)に格納される。
【0058】
検査画像を取得する際には、キャリブレーションパターンがY方向に比較的大きくずれて、キャリブレーションカメラ53の視野から外れている場合等がある。この場合、キャリブレーションパターンがキャリブレーションカメラ53の視野内に収まるように、目盛部52上のキャリブレーションパターンのY方向における位置が修正された後、検査画像の取得が行われる。キャリブレーションパターンのY方向における位置の修正は、ステージ21が静止した状態で(すなわち、ステージ21をY方向に移動させることなく)、描画ヘッド41によって行われる。
【0059】
具体的には、例えば、Y方向における位置が異なる複数のキャリブレーションパターンのデータが記憶部111に予め格納されており、目盛部52上におけるキャリブレーションパターンの位置が(+Y)側にずれている場合、現状のデータよりもキャリブレーションパターンが(-Y)側に位置するデータが、当該現状のデータと交換される。そして、交換後のデータに基づいて描画ヘッド41が制御されることにより、目盛部52上におけるキャリブレーションパターンの位置が(-Y)側に移動される。
【0060】
これにより、ステージ21を移動させることなく(すなわち、目盛部52を移動させることなく)、キャリブレーションパターンの好適な撮像が可能となるため、描画ヘッド41のキャリブレーションに要する時間を短縮することができる。また、上述のように、描画ヘッド41のキャリブレーションは、基板9の搬出入と並行して行われているため、ステージ21の移動によって基板9の搬出入に対する悪影響(例えば、ステージ21の移動中における搬出入作業の中断)が生じることが防止される。なお、描画ヘッド41によるキャリブレーションパターンの位置変更は、上述の方法には限定されず、他の方法により行われてもよい。
【0061】
続いて、カメラ移動機構54によりキャリブレーションカメラ53がX方向に移動され、検査画像取得済みの描画ヘッド41にX方向において隣接する次の描画ヘッド41の鉛直下方に配置される。そして、上記と同様に、当該次の描画ヘッド41から目盛部52に照射されたキャリブレーションパターンが撮像され、当該次の描画ヘッド41の検査画像が取得される。描画装置1では、描画部4の全ての描画ヘッド41について、キャリブレーションカメラ53による検査画像の取得が順次行われる(ステップS12)。換言すれば、当該1つのキャリブレーションカメラ53は、複数の描画ヘッド41から目盛部52にそれぞれ照射された複数のキャリブレーションパターンを、X方向(すなわち、複数の描画ヘッド41の配列方向)に移動しつつ順次撮像する。
【0062】
描画装置1では、ステップS12の所要時間(すなわち、複数の描画ヘッド41全ての検査画像取得に要する時間)は、ステップS11において一の基板9を基板保持部25から搬出して新たな基板9を基板保持部25に搬入するために必要な時間よりも短いことが好ましい。また、描画装置1では、一の描画ヘッド41の検査画像取得時は、他の描画ヘッド41からのキャリブレーションパターンの照射は停止されていてもよく、他の描画ヘッド41から目盛部52にキャリブレーションパターンが照射されていてもよい。
【0063】
描画装置1では、一の描画ヘッド41の検査画像が取得されると、当該検査画像に基づいて、目盛部52上における描画ヘッド41からの光の照射位置(すなわち、キャリブレーションパターンの測定位置)が位置検出部113(
図5参照)によって求められる。そして、当該キャリブレーションパターンの測定位置に基づいて、上記一の描画ヘッド41からの光の照射位置に関する補正情報が補正情報取得部114(
図5参照)によって求められる(ステップS13)。このように、描画装置1では、複数の描画ヘッド41の検査画像の取得と、検査画像に基づく補正情報の取得とが並行して行われることが好ましい。
【0064】
基板9の搬出入(ステップS11)および、全ての描画ヘッド41についての検査画像の取得(ステップS12)が終了すると、ステージ移動機構22の第1移動機構23によってステージ21が(+Y)方向へと移動される。ステージ21の(+Y)方向への移動は、例えば、全ての描画ヘッド41について上記補正情報が取得されるよりも前に(すなわち、ステップS13が終了するよりも前に)開始される。この場合、ステップS13は、基板9の移動中も継続して行われる。なお、ステージ21の移動は、ステップS13の終了後に開始されてもよい。
【0065】
ステージ21は、(+Y)方向へと移動することにより、
図7Bに示すように、アライメントカメラ31の下方を通過し、
図7Cに示す待機位置へと移動して停止する。
図7Bに示すように、ステージ21がアライメントカメラ31の下方を通過する際には、基板保持部25上の基板9に予め設けられているアライメントマーク(図示省略)が、アライメントカメラ31により撮像される。アライメントマークの撮像時には、アライメント部3の上記照明光源から、パルス状の照明光(すなわち、閃光)がアライメントカメラ31の撮像領域へと照射される。これにより、移動中の基板9上のアライメントマークが精度良く撮像される。上述のように、アライメントカメラ31の下方を通過するキャリブレーション部5では、キャリブレーションカメラ53の上端部に低反射加工が施されているため、上記照明光のキャリブレーションカメラ53による反射光がアライメントカメラ31に入射することが抑制または防止される。
【0066】
アライメントカメラ31により取得されたアライメントマークを含む画像(すなわち、アライメント画像)は、制御部10へと送られて記憶部111(
図5参照)に格納される。アライメント情報取得部115では、当該アライメント画像に基づいてアライメント情報が求められる。そして、当該アライメント情報に基づいて、描画制御部116による基板9のアライメント処理が行われる(ステップS14)。アライメント処理では、基板9の位置を所定の設計位置に一致させるために、例えば、ステージ21のX方向およびY方向へのシフト(すなわち、微小距離の移動)や回転、あるいは、基板9上に描画されるパターンの描画データの補正等が行われる。
【0067】
上述のアライメント処理が終了すると、待機位置に位置するステージ21の(-Y)方向への移動が開始される。キャリブレーション部5では、ステージ21の(-Y)方向への移動開始よりも前に、キャリブレーションカメラ53がX方向に移動され、目盛部52の鉛直下方から(+X)側または(-X)側にある退避位置へと退避する。すなわち、退避位置は、ステージ21において目盛部52が設けられた位置よりも、(+X)側または(-X)側に位置する。これにより、パターンの描画に用いられる比較的高強度の光がキャリブレーションカメラ53に入射することを抑制または防止することができる。
【0068】
描画装置1では、
図7Dに示すように、基板保持部25に保持された基板9が描画ヘッド41の下方を通過する。そして、描画制御部116(
図5参照)により、上述の描画データおよび補正情報等に基づいて描画ヘッド41およびステージ移動機構22が制御されることにより、描画ヘッド41の下方においてY方向に移動するステージ21上の基板9に、描画ヘッド41から変調された光が照射されてパターンが描画される(ステップS15)。
【0069】
本実施の形態では、上述のように、基板9に対するパターン描画がマルチパス方式で行われるため、描画ヘッド41の下方にてY方向に往復移動する基板9に対して、描画ヘッド41から変調された光が照射されてパターンが描画される。また、基板9に対するパターンの描画時には、各描画ヘッド41において、光源部42の3つの光源421~423(
図3参照)のうち、2つ以上の光源が使用されることが好ましい。これにより、基板9上の感光材料の種類等に合わせて好適なパターン描画を行うことができる。
【0070】
基板9に対するパターンの描画が終了すると、ステージ21が
図7Eに示す搬出入位置へと移動される(ステップS16)。このとき、キャリブレーションカメラ53は、退避位置からX方向に移動して、目盛部52の鉛直下方へと戻される。これにより、1枚の基板9に対するパターンの描画が終了する。
【0071】
実際の描画装置1では、ステップS16からステップS11に戻り、ステップS11~S16が繰り返されて複数の基板9に対するパターンの描画が順次行われる。描画装置1では、このように、キャリブレーションカメラ53による検査画像の取得(ステップS12)が、基板保持部25への基板9の搬入(ステップS11)毎に行われることにより、複数の基板9に対するパターン描画を連続して行う場合であっても、基板9に対するパターン描画の精度を高い状態で維持することができる。
【0072】
描画装置1では、全ての描画ヘッド41についての補正情報の取得(ステップS13)、および、基板9のアライメント処理(ステップS14)は、基板9に対するパターンの描画開始までに終了していればよい。また、ステップS13の終了は、ステップS14の終了よりも前または後であってもよく、略同時であってもよい。
【0073】
以上に説明したように、基板9に光を照射してパターンの描画を行う描画装置1は、ステージ21と、描画ヘッド41と、主走査機構(すなわち、第1移動機構23)と、目盛部52と、キャリブレーションカメラ53と、補正情報取得部114と、描画制御部116とを備える。ステージ21には、基板9を保持する基板保持部25が設けられる。描画ヘッド41は、基板9に変調された光を照射する。第1移動機構23は、基板9の上面91に平行な主走査方向(上記例では、Y方向)に、ステージ21を描画ヘッド41に対して相対的に移動する。目盛部52は、ステージ21上において基板保持部25と主走査方向に隣接して設けられる。キャリブレーションカメラ53は、目盛部52が描画ヘッド41の下方のキャリブレーション位置に位置する状態で、描画ヘッド41から目盛部52に照射された所定のキャリブレーションパターンを撮像する。補正情報取得部114は、キャリブレーションカメラ53により取得された目盛部52およびキャリブレーションパターンを含む検査画像に基づいて、描画ヘッド41からの光の照射位置の補正に用いられる補正情報を求める。描画制御部116は、描画データおよび補正情報に基づいて描画ヘッド41および第1移動機構23を制御することにより、描画ヘッド41に対して基板9を主走査方向に相対移動させつつ描画ヘッド41に基板9に対する描画を実行させる。描画装置1では、基板保持部25に対する基板9の搬出入が行われる搬出入位置にステージ21が位置している状態で、目盛部52がキャリブレーション位置に位置する。これにより、描画装置1に対する基板9の搬出入と並行して描画ヘッド41のキャリブレーションを行うことが可能となる。したがって、タクトタイムの増大を抑制しつつ描画ヘッド41のキャリブレーションを行うことができる。
【0074】
上述のように、描画装置1は、アライメントカメラ31と、アライメント情報取得部115とをさらに備えることが好ましい。アライメントカメラ31は、基板9上のアライメントマークを撮像する。アライメント情報取得部115は、アライメントカメラ31により取得されたアライメントマークの画像(すなわち、アライメント画像)に基づいて、描画ヘッド41に対する基板9の相対位置の補正に用いられるアライメント情報を求める。アライメントカメラ31は、主走査方向に関して、描画ヘッド41を挟んで搬出入位置に位置するステージ21の基板保持部25と反対側に位置することが好ましい。これにより、アライメントカメラ31が、描画ヘッド41と搬出入位置に位置するステージ21の基板保持部25との間に位置する場合に比べて、ステージ21を主走査方向に関して小型化することができる。その結果、描画装置1を主走査方向に関して小型化することができる。
【0075】
上述のように、描画装置1は、ステージ21の上方において描画ヘッド41を支持する支持部40をさらに備えることが好ましい。また、アライメントカメラ31も、支持部40により支持されることが好ましい。これにより、描画ヘッド41用の支持部とアライメントカメラ31用の支持部とが別々に設けられる場合に比べて、描画装置1の構造を簡素化することができるとともに、描画装置1を主走査方向に関して小型化することができる。また、描画ヘッド41用の支持部とアライメントカメラ31用の支持部とが別々に設けられる場合、2つの支持部の熱変形等の差により、描画ヘッド41およびアライメントカメラ31の相対位置のずれが大きくなる可能性があるが、上述のように、1つの部材である支持部40を描画ヘッド41およびアライメントカメラ31の支持に共用することにより、描画ヘッド41およびアライメントカメラ31の相対位置のずれを抑制することができる。
【0076】
上述のように、目盛部52は、ステージ21の上面に配置された透光性目盛部材であることが好ましい。キャリブレーションカメラ53は、当該透光性目盛部材の下方にてステージ21に取り付けられ、当該透光性目盛部材を透過したキャリブレーションパターンを撮像する。好ましくは、キャリブレーションカメラ53の上端部に低反射加工が施されている。これにより、アライメントカメラ31による撮像の際等に、キャリブレーションカメラ53からの反射光(例えば、対物レンズのフレームからの反射光)がアライメントカメラ31に入射することを抑制することができる。したがって、アライメントカメラ31による撮像時に、キャリブレーションカメラ53を目盛部52の下方から退避させる必要が無いため、タクトタイムを短縮することができる。
【0077】
上述のように、好ましくは、目盛部52上におけるキャリブレーションパターンの主走査方向における位置は、ステージ21が静止した状態で描画ヘッド41によって変更可能である。これにより、キャリブレーションパターンが目盛部52上の所定位置から主走査方向に比較的大きくずれている場合であっても、ステージ21を移動することなくキャリブレーションパターンの撮像が可能となる。したがって、キャリブレーション時のステージ21の移動によるタクトタイムの増大を防止することができる。
【0078】
上述のように、描画ヘッド41は、互いに異なる波長の光を出射する複数の光源(上記例では、光源421~423)を備えることが好ましい。また、基板9に対する描画時に、当該複数の光源のうち2以上の光源が使用され、目盛部52へのキャリブレーションパターンの照射時に、当該複数の光源のうち1つの光源のみが使用されることが好ましい。これにより、基板9に対するパターンの描画時に、基板9上の感光材料の種類等に合わせて使用光源および光量比等を選択して好適なパターン描画を行うことができる。また、キャリブレーションカメラ53を上記1つの光源からの光の波長に合わせて設定することにより、キャリブレーションパターンを精度良く撮像することができる。
【0079】
上述のように、描画装置1では、複数の描画ヘッド41が、基板9の上面91に平行かつ主走査方向に対して傾斜する配列方向に配列されていることが好ましい。当該複数の描画ヘッド41は、上述の描画ヘッド41を含むとともに、それぞれが基板9に変調された光を照射する。また、キャリブレーションカメラ53は、目盛部52がキャリブレーション位置に位置する状態で、複数の描画ヘッド41から目盛部52にそれぞれ照射された複数のキャリブレーションパターンを、上述の配列方向に移動しつつ順次撮像することが好ましい。これにより、キャリブレーション部5に複数のキャリブレーションカメラを設ける場合に比べて、描画装置1の構造を簡素化することができ、描画装置1の製造コストを低減することができる。
【0080】
上述のように、キャリブレーションカメラ53による検査画像の取得(ステップS12)に要する時間は、基板保持部25から一の基板9を搬出して新たな基板9を基板保持部25に搬入するために必要な時間よりも短いことが好ましい。これにより、基板9の搬出入の終了後、すぐにステージ21の移動を開始することができる。したがって、キャリブレーションによるタクトタイムの増大を防止することができる。
【0081】
上述のように、キャリブレーションカメラ53による検査画像の取得は、基板保持部25への基板9の搬入毎に行われることが好ましい。これにより、タクトタイムの増大を抑制しつつ、高精度な描画を実現することができる。
【0082】
上述の描画方法は、基板9を保持する基板保持部25と、基板9の上面91に平行な主走査方向において基板保持部25に隣接する目盛部52と、が設けられたステージ21が、基板保持部25に対する基板9の搬出入が行われる搬出入位置に位置する状態で、描画ヘッド41の下方のキャリブレーション位置に位置する目盛部52に、描画ヘッド41から照射された所定のキャリブレーションパターンを撮像する工程(ステップS12)と、ステップS12において取得された目盛部52およびキャリブレーションパターンを含む検査画像に基づいて、描画ヘッド41からの光の照射位置の補正に用いられる補正情報を求める工程(ステップS13)と、描画ヘッド41に対して主走査方向に相対移動する基板9に、描画データおよび補正情報に基づいて描画ヘッド41から変調された光を照射して基板9に対する描画を行う工程(ステップS15)と、を備える。これにより、上記と同様に、タクトタイムの増大を抑制しつつ描画ヘッド41のキャリブレーションを行うことができる。
【0083】
上述の描画装置1および描画方法では、様々な変更が可能である。
【0084】
例えば、描画ヘッド41の光源部42では、検査画像の撮像時にも2つ以上の光源から光が出射されてもよい。また、光源部42は、必ずしも複数の光源を備える必要はなく、1つの光源のみを備えていてもよい。
【0085】
描画装置1では、目盛部52上におけるキャリブレーションパターンのY方向の位置は、必ずしも描画ヘッド41によって変更される必要はなく、ステージ21がY方向に移動することにより変更されてもよい。
【0086】
描画装置1では、キャリブレーションカメラ53による検査画像の取得(ステップS12)に要する時間は、基板保持部25から一の基板9を搬出して新たな基板9を基板保持部25に搬入するために必要な時間よりも長くてもよく、略同じであってもよい。いずれの場合であっても、基板9の搬出入と描画ヘッド41のキャリブレーションとを並行して行うことにより、タクトタイムを短くすることができる。
【0087】
描画装置1では、キャリブレーション部5の撮像部51において、複数の描画ヘッド41にそれぞれ対応する複数(すなわち、描画ヘッド41と同数)のキャリブレーションカメラ53が、目盛部52の鉛直下方においてX方向に配列され、複数の描画ヘッド41の検査画像が略同時に取得されてもよい。
【0088】
描画装置1では、キャリブレーションカメラ53の上端部における低反射加工は、必ずしも施される必要はない。この場合、アライメントカメラ31によるアライメント画像の取得時には、キャリブレーションカメラ53は、必要に応じて、目盛部52の鉛直下方から(+X)側または(-X)側の退避位置へと退避してもよい。
【0089】
描画装置1では、キャリブレーションカメラ53の退避位置は、必ずしも目盛部52よりも(+X)側または(-X)側でなくてもよい。例えば、当該退避位置は、X方向において隣接する2つの描画ヘッド41の間となるように設定されてもよい。この場合、退避位置を目盛部52よりも(+X)側または(-X)側に設ける場合に比べて、キャリブレーションカメラ53の退避時のX方向の移動量を減らすことができるため、タクトタイムをさらに短縮することができる。
【0090】
描画装置1では、描画ヘッド41およびアライメントカメラ31は、必ずしも1つの支持部40により支持される必要はなく、Y方向に関して離間して配置される別々の部材である2つの支持部によって、それぞれ支持されてもよい。
【0091】
描画装置1では、アライメントカメラ31は、描画ヘッド41と搬出入位置に位置するステージ21の基板保持部25との間に設けられてもよい。
【0092】
描画装置1では、目盛部52は、必ずしも透光性を有する必要はなく、キャリブレーションカメラ53も、必ずしもステージ21に取り付けられる必要はない。例えば、目盛部52は、描画ヘッド41から照射される光を所定の方向に反射する反射板であってもよい。キャリブレーションカメラ53は、例えば、ステージ21から離間した位置にて描画装置1のフレーム等に固定され、目盛部52からの反射光を受光することにより、目盛部52上に照射されたキャリブレーションパターンおよび目盛部52上の目盛を含む検査画像を撮像してもよい。
【0093】
ステージ21は、第1移動機構23により描画ヘッド41に対して主走査方向に相対的に移動すればよい。したがって、例えば、ステージ21が固定されており、ステージ21の上方において、描画ヘッド41が第1移動機構23により主走査方向に移動されてもよい。同様に、描画ヘッド41が第2移動機構24により副走査方向に移動されてもよい。
【0094】
描画装置1では、必ずしも基板9を搬入する毎にキャリブレーションが行われる必要はなく、例えば、2枚以上の所定枚数の基板9に対するパターンの描画が終了する毎に、描画ヘッド41のキャリブレーションが行われてもよい。
【0095】
上述の基板9は、必ずしもプリント基板には限定されない。描画装置1では、例えば、半導体基板、半導体パッケージ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置等のフラットパネル表示装置用のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板、太陽電池パネル用の基板等に対するパターンの描画が行われてもよい。
【0096】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0097】
1 描画装置
9 基板
21 ステージ
23 第1移動機構
25 基板保持部
31 アライメントカメラ
40 支持部
41 描画ヘッド
51 撮像部
52 目盛部
53 キャリブレーションカメラ
91 (基板の)上面
114 補正情報取得部
115 アライメント情報取得部
116 描画制御部
421~423 光源
S11~S16 ステップ