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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024043416
(43)【公開日】2024-03-29
(54)【発明の名称】運転代行サービス管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240322BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022148596
(22)【出願日】2022-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154380
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100081972
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 豊
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴亮
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】運転代行サービス利用者の利便性の向上をはかる。
【解決手段】運転代行サービス管理装置100は、道路情報および飲食店の店舗情報を含む地図情報を記憶する地図記憶部11と、出発地情報、目的地情報、運転代行開始時刻情報および利用店舗情報を含む、運転代行希望情報を受付ける利用受付部12と、運転代行者を運ぶ車両の車両ID、車両を運転する運転者の運転者IDおよび運転代行者の運転代行者IDを含む管理情報を記憶する管理情報記憶部13と、予約情報を記憶する予約情報記憶部14と、サービス利用者に対する迎え位置を利用店舗の位置へ変更可能にする設定部15と、設定部15による変更可能情報をサービス利用者へ提示するために出力する情報出力部16と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転代行者がサービス利用者の車両を前記サービス利用者に代わって運転する運転代行サービスを管理する運転代行サービス管理装置であって、
道路情報および飲食店の店舗情報を含む地図情報を記憶する地図記憶部と、
運転代行開始場所である出発地情報、運転代行終了場所である目的地情報、運転代行開始時刻情報および前記サービス利用者が利用する利用店舗情報を含む、運転代行希望情報を受付ける利用受付部と、
所定の待機場所から前記運転代行開始場所へ前記運転代行者を運ぶとともに、前記運転代行終了場所から前記待機場所へ前記運転代行者を運ぶ車両の車両ID、前記車両を運転する運転者の運転者IDおよび前記運転代行者の運転代行者IDを含む管理情報を記憶する管理情報記憶部と、
複数の前記運転代行希望情報を前記管理情報と関連付けるとともに、前記運転代行希望情報毎に前記地図情報を参照して算出された運転代行サービスの所要時間情報を予約情報として記憶する予約情報記憶部と、
前記利用受付部で第1のサービス利用者からの前記運転代行希望情報が受付けられる際に、前記予約情報を参照し、前記運転代行希望情報に係る第1の運転代行サービスの前の時間帯に第2のサービス利用者から予約されている第2の運転代行サービスおよび前記第1の運転代行サービスに関する時間情報に基づいて、前記第1のサービス利用者に対する迎え位置を、前記第1のサービス利用者の車両の駐車位置から前記運転代行希望情報に基づく利用店舗の位置へ変更可能にする設定部と、
前記設定部による変更可能情報を前記第1のサービス利用者へ提示するために出力する情報出力部と、
を備えることを特徴とする運転代行サービス管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転代行サービス管理装置において、
前記設定部は、前記第2の運転代行サービスの所要時間情報が第1の所定時間よりも長い場合に、前記第1のサービス利用者に対する迎え位置を変更可能にすることを特徴とする運転代行サービス管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の運転代行サービス管理装置において、
前記設定部は、前記運転代行希望情報の受付けから前記運転代行希望情報に係る前記第1の運転代行サービスの開始までの時間間隔情報が第2の所定時間よりも短い場合に、前記第1のサービス利用者に対する迎え位置を変更可能にすることを特徴とする運転代行サービス管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の運転代行サービス管理装置において、
前記設定部は、前記第2の運転代行サービスの終了から前記第1の運転代行サービスの開始までの時間間隔情報が第3の所定時間よりも短い場合に、前記第1のサービス利用者に対する迎え位置を変更可能にすることを特徴とする運転代行サービス管理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の運転代行サービス管理装置において、
前記地図記憶部は、前記店舗情報として店舗規模情報または協力店舗情報を記憶し、
前記設定部は、前記店舗情報を参照して、前記利用店舗が所定の要件を満たす場合に、前記第1のサービス利用者に対する迎え位置を変更可能にすることを特徴とする運転代行サービス管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転代行サービスを管理する運転代行サービス管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運転代行者が、サービス利用者の車両をサービス利用者に代わって運転する運転代行サービスが普及している。運転代行サービスでは、サービス利用者自身または、サービス利用者が訪れた飲食店の従業員等が、運転代行サービスを提供する事業者等に出発地および目的地等を伝えた上でサービスを利用する。
このような運転代行サービスを、簡単な操作で予約する運転代行サービス提供システムが知られている(特許文献1参照)。このシステムでは、運転代行依頼情報を記録した二次元コードが飲食店に掲示され、サービス利用者が二次元コードを携帯端末で読み取ってサーバ上で運転代行サービスを依頼する。サーバは、携帯端末から送信された二次元コードに含まれた飲食店会員番号から、迎え先であるサービス利用者の居場所を特定する。
【0003】
運転代行サービスが普及することで、例えば飲酒を伴う会食後等の自分で車両を運転できない場合でも自家用車による移動が可能となり、交通の利便性が向上する。また、飲酒状態等の不適切な状態で運転してしまうおそれがなくなり、交通の安全性が向上する。これにより、持続可能な輸送システムの発展に寄与することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-191896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サービス利用者の利便性について鑑みると、迎え先は、飲食店の位置よりもサービス利用者の車両が置かれた駐車場の位置とする方が望ましい場合も存在する。しかしながら、従来の技術ではこのような場合への対応が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である運転代行サービス管理装置は、運転代行者がサービス利用者の車両をサービス利用者に代わって運転する運転代行サービスを管理する運転代行サービス管理装置であって、道路情報および飲食店の店舗情報を含む地図情報を記憶する地図記憶部と、運転代行開始場所である出発地情報、運転代行終了場所である目的地情報、運転代行開始時刻情報およびサービス利用者が利用する利用店舗情報を含む、運転代行希望情報を受付ける利用受付部と、所定の待機場所から運転代行開始場所へ運転代行者を運ぶとともに、運転代行終了場所から待機場所へ運転代行者を運ぶ車両の車両ID、車両を運転する運転者の運転者IDおよび運転代行者の運転代行者IDを含む管理情報を記憶する管理情報記憶部と、複数の運転代行希望情報を管理情報と関連付けるとともに、運転代行希望情報毎に地図情報を参照して算出された運転代行サービスの所要時間情報を予約情報として記憶する予約情報記憶部と、利用受付部で第1のサービス利用者からの運転代行希望情報が受付けられる際に、予約情報を参照し、運転代行希望情報に係る第1の運転代行サービスの前の時間帯に第2のサービス利用者から予約されている第2の運転代行サービスおよび第1の運転代行サービスに関する時間情報に基づいて、第1のサービス利用者に対する迎え位置を、第1のサービス利用者の車両の駐車位置から運転代行希望情報に基づく利用店舗の位置へ変更可能にする設定部と、設定部による変更可能情報を第1のサービス利用者へ提示するために出力する情報出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、運転代行サービス利用者の利便性の向上をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る運転代行サービス管理装置の全体構成の一例を概略的に示すブロック図。
図2図1のサーバで実行される運転代行サービス管理処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
発明の実施の形態に係る運転代行サービス管理装置は、事業者等が提供する運転代行サービスの利用希望を示す情報(運転代行希望情報と呼ぶ)をサービス利用者から受付け、運転代行希望情報に含まれる運転代行の出発地、目的地、出発時刻等の情報に基づいて、あらかじめ登録されている運転代行者の中から、その時間帯にサービス利用者の車両(第1車両と呼ぶ)を運転代行することが可能な運転代行者を決定する。運転代行サービス管理装置には、二種免許を保有する複数の運転代行者が登録されている。
決定を受けた運転代行者は、事業者等が用意する別の車両(第2車両と呼ぶ)に乗車して、所定の待機場所から上記出発地へ第2車両の運転者とともに移動する。運転代行者がサービス利用者を乗せて第1車両を出発地から目的地まで運転代行する際、第2車両の運転者は第2車両を出発地から目的地まで運転する。運転代行を終えた運転代行者は、第2車両に乗って第2車両の運転者とともに上記待機場所へ戻る。
【0010】
一般に、サービス利用者が利用する飲食店等の店舗もしくは店舗近隣の駐車場に第1車両が駐車されるため、サービス利用者に対する迎え位置は、第1車両の駐車位置であることが多い。運転代行サービスを提供する事業者等から見ると、サービス利用者に対する迎え位置は、第1車両の駐車位置である方が迎え位置がサービス利用者の利用する店舗である場合よりも好ましいからである。
より詳しく説明すると、第1車両の駐車位置を迎え位置とする場合は、運転代行者を乗せた第2車両でそのまま迎え位置までアクセスできて時間短縮に貢献するのに対し、店舗を迎え位置とする場合は、運転代行者が第2車両から降りて徒歩で迎え位置までアクセスしなければならず、運転代行サービスの所要時間の増加、換言すると、事業者等の不利益につながるからである。
【0011】
一方、運転代行サービスのサービス利用者から見ると、運転代行者が第2車両の運転者とともに待機場所から出発地へ移動する移動時間が長引いた場合には、サービス利用者が迎え位置(第1車両の駐車位置)で運転代行者を長時間待つことになってしまい、サービス利用者の不利益につながる。一般に、駐車位置で待つ場合は店舗で待つ場合と比べて暑さ、寒さ等の周囲の環境の影響を受けやすく、サービス利用者の負担が大きくなる。
【0012】
このような運転代行サービスを円滑に提供するには、運転代行サービスの事業者側の時間短縮による利益と、事業者側の移動時間がかさむ場合のサービス利用者側の不利益とを比較考量し、状況に応じて適切な対応を行うことが好ましい。そこで、実施の形態では、時間帯が前後する2つの運転代行サービスの間の時間に基づいて、後の運転代行サービスのサービス利用者に対する迎え位置を、第1車両の駐車位置から店舗へ変更可能に設定する。このような運転代行サービス管理装置の詳細について、以下に説明する。
【0013】
<装置の概要>
図1は、本発明の実施の形態に係る運転代行サービス管理装置100の全体構成の一例を概略的に示すブロック図である。図1に示すように、運転代行サービス管理装置100は、サーバ10と、運転代行サービスに登録された運転代行者が携帯する代行者端末20と、運転代行サービスの利用を希望するサービス利用者が使用する利用者端末30とを主に有する。サーバ10と代行者端末20と利用者端末30とは、インターネット等のネットワーク40を介して互いに通信可能に接続される。
【0014】
<サーバ>
サーバ10は、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM(メモリ)、その他の周辺回路等を有するコンピュータを含んで構成される。サーバ10は、地図記憶部11と、利用受付部12と、管理情報記憶部13と、予約情報記憶部14と、設定部15と、情報出力部16として機能する。
【0015】
<代行者端末>
代行者端末20は、スマートフォン等の携帯可能な通信端末として構成される。代行者端末20には、測位衛星からの信号を受信して現在位置を測定するGPS(Global Positioning System)等の測位センサ、加速度を検出する加速度センサ等を含むセンサ21が搭載される。代行者端末20には、運転代行サービス用のアプリケーションがあらかじめインストールされる。運転代行者が運転代行を開始してから終了するまでにセンサ21により測定、検出された時系列の現在位置および加速度の情報は、運転代行者ごとの走行情報として、運転代行者のID情報とともに代行者端末20からサーバ10に送信可能に構成されている。
【0016】
<利用者端末>
利用者端末30は、スマートフォンやパソコン等の通信端末として構成される。利用者端末30にも、運転代行サービス用のアプリケーションがあらかじめインストールされる。各サービス利用者は、利用者端末30を介し、運転代行開始場所である出発地情報、運転代行終了場所である目的地情報、運転代行開始時刻情報およびサービス利用者が利用する利用店舗情報を含む、運転代行希望情報を入力することができる。入力された運転代行希望情報は、利用者端末30からサーバ10に送信可能に構成されている。
【0017】
サーバ10の機能的構成について説明する。
<地図記憶部>
地図記憶部11は、道路情報と、複数の飲食店の店舗情報とを含む地図情報を記憶する。店舗情報には、飲食店の客席数等の飲食店の規模を示す店舗規模情報、および、運転代行者の到着が運転代行開始時刻に間に合わない場合等に、サービス利用者が店舗に留まることを認める店舗(協力店舗と呼ぶ)であるか否かを示す協力店舗情報の少なくとも一方の情報を記憶する。
【0018】
<利用受付部>
利用受付部12は、サービス利用者の利用者端末30から送信された運転代行希望情報を受付ける。上述したように、運転代行希望情報には出発地情報、目的地情報、運転代行開始時刻情報および利用店舗情報が含まれる。
【0019】
<管理情報記憶部>
管理情報記憶部13は、運転代行サービスを提供する事業者等が用意する車両(上記第2車両)の車両ID、第2車両を運転する運転者の運転者IDおよび運転代行者の運転代行者IDを含む管理情報を記憶する。上述したように第2車両は、運転代行者を所定の待機場所から出発地へ運ぶとともに、運転代行を終えた運転代行者を目的地から上記待機場所へ運ぶための車両である。
【0020】
<予約情報記憶部>
予約情報記憶部14は、サーバ10により地図情報を参照して運転代行希望情報毎に算出された運転代行サービスの所要時間情報を、予約情報として記憶する。予約情報は、運転代行者の運転代行者IDに関連付けて記憶される。
利用受付部12で受付けた複数の運転代行希望情報は、サーバ10により、それぞれ上記管理情報と関連付けられる。
サーバ10は、不図示のルート探索部を含む。サーバ10は、運転代行の出発地から目的地までの標準的な走行経路をルート探索部で探索し、この走行経路を利用するときの標準的な所要時間を運転代行サービスの所要時間として算出する。
【0021】
<設定部>
設定部15は、利用受付部12で第1のサービス利用者からの運転代行希望情報が受付けられる際に予約情報記憶部14に記憶された予約情報を参照し、運転代行希望情報に係る第1の運転代行サービスの前の時間帯に第2のサービス利用者から予約されている第2の運転代行サービスと、第1の運転代行サービスとの間の時間に基づいて、第1のサービス利用者に対する迎え位置を第1のサービス利用者の第1車両の駐車位置から運転代行希望情報に基づく利用店舗の位置(例えば店舗入口等)へ変更可能にする。変更可能にするとは、直ちに変更するのではなく、第1のサービス利用者が変更を希望する場合に変更することをいう。
【0022】
設定部15は、例えば第2の運転代行サービスの所要時間情報が第1の所定時間よりも長い場合に、第1のサービス利用者に対する迎え位置を利用店舗の位置へ変更可能にする。
【0023】
また、設定部15は、運転代行希望情報の受付けから運転代行希望情報に係る第1の運転代行サービスの開始までの時間間隔情報が第2の所定時間よりも短い場合に、第1のサービス利用者に対する迎え位置を利用店舗の位置へ変更可能にしてもよい。
【0024】
さらに、設定部15は、第1の運転代行サービスの終了から第2の運転代行サービスの開始までの時間間隔情報が第3の所定時間よりも短い場合に、第1のサービス利用者に対する迎え位置を利用店舗の位置へ変更可能にしてもよい。
【0025】
さらにまた、設定部15は、店舗規模情報または協力店舗情報を参照して、第1のサービス利用者が利用する利用店舗が所定の要件を満たす場合に、第1のサービス利用者に対する迎え位置を利用店舗の位置へ変更可能にしてもよい。所定の要件は、例えば客席数が10席まで、または、利用店舗が協力店舗に該当する等である。要件は、運転代行サービスを提供する事業者等が適宜設定して構わない。
【0026】
<情報出力部>
情報出力部16は、設定部15が第1のサービス利用者に対する迎え位置を利用店舗の位置へ変更可能にしたことを示す変更可能情報を、第1のサービス利用者へ提示するために第1のサービス利用者の利用者端末30へ出力する。
【0027】
<フローチャートの説明>
図2は、あらかじめメモリに記憶されたプログラムに従いサーバ10で実行される運転代行サービス管理処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す運転代行サービス管理処理は、一例として、利用者端末30からサーバ10に運転代行希望情報が送信される度に実行されるものとする。
【0028】
ステップS10において、サーバ10は、利用者端末30から運転代行希望情報を取得し、利用希望を受付けてステップS20へ進む。上述したように、運転代行希望情報には運転代行開始場所である出発地情報、運転代行終了場所である目的地情報、運転代行開始時刻情報およびサービス利用者が利用する利用店舗情報が含まれている。
【0029】
ステップS20において、サーバ10は、ステップS10で受付けた運転代行希望情報に基づいて、運転代行の出発地から目的地までの標準的な走行経路を探索した上で標準的な所要時間を算出し、ステップS30へ進む。
【0030】
ステップS30において、サーバ10は、予約情報記憶部14に記憶されている予約情報を参照し、運転代行者の予定に空きがあるか否かを判定する。より具体的には、運転代行希望情報に含まれる運転代行の出発地、目的地、出発時刻等の情報に基づいて、あらかじめ登録されている運転代行者の中に、その時間帯にサービス利用者の車両(第1車両)を運転代行することが可能な運転代行者が存在する場合にステップS30を肯定判定してステップS40へ進む。サーバ10は、運転代行することが可能な運転代行者が存在しない場合には、ステップS30を否定判定してステップS70へ進む。
【0031】
ステップS40において、サーバ10は、ステップS20で算出した運転代行サービス(第1のサービス利用者に対する第1の運転代行サービスに対応)の所要時間情報と、運転代行することが可能な運転代行者の運転代行者IDとを関連付け、予約情報記憶部14に予約情報として記録してステップS50へ進む。
【0032】
ステップS50において、サーバ10は、ステップS40で記録した予約情報に係る第1の運転代行サービスの前の時間帯に別のサービス利用者から予約されている運転代行サービス(第2のサービス利用者に対する第2の運転代行サービスに対応)と、第1の運転代行サービスとの間の時間に余裕があるか否かを判定する。サーバ10は、余裕があると判定した場合にステップS50を肯定判定してステップS60へ進む。サーバ10は、余裕がないと判定した場合にステップS50を否定判定してステップS70へ進む。サーバ10は、例えば十分な回送時間が確保できる場合を時間の余裕があると判断する。回送時間は、事業者等の用意する第2車両で運転代行者が第2の運転代行サービスの目的地から所定の待機場所まで移動する時間をいう。
なお、運転代行者が、第2の運転代行サービスの目的地から第1の運転代行サービスの出発地へ、待機場所へ戻ることなく直行する場合には、事業者等の用意する第2車両で運転代行者が第2の運転代行サービスの目的地から第1の運転代行サービスの出発地まで移動する時間を回送時間と呼んでもよい。
【0033】
ステップS60において、サーバ10は、設定部15により、第1の運転代行サービスの第1のサービス利用者に対する迎え位置を利用店舗の位置へ変更可能に設定してステップS70へ進む。
【0034】
ステップS70において、サーバ10は、迎え位置を利用店舗の位置へ変更可能に設定したことを第1のサービス利用者に提示する。より具体的には、情報出力部16により、迎え位置を利用店舗の位置へ変更可能にしたことを示す変更可能情報をステップS10で利用希望を受けた利用者端末30へ出力する。また、予約内容を示す情報も利用者端末30へ出力する。このように構成したので、利用者端末30には、迎え位置を利用店舗の位置へ変更可能である旨と予約内容とが、予約番号とともに不図示の表示部に表示される。さらに、例えば「迎え位置をご利用の店舗の位置へ変更可能です。変更を希望しますか?」というメッセージが表示される。
【0035】
サーバ10は、第1のサービス利用者によって利用者端末30の不図示の表示部に表示されている「はい」ボタンがタップ操作されると、第1のサービス利用者に対する迎え位置を、第1のサービス利用者の第1車両の駐車位置から運転代行希望情報に基づく利用店舗の位置へ変更するとともに、予約情報記憶部14で記憶する予約情報に、迎え位置を利用店舗の位置へ変更した旨の情報を追加する。
【0036】
ステップS80において、サーバ10は、ステップS10で利用希望を受けた利用者端末30に対する処理を終了してよいか否かを判定する。サーバ10は、OKである場合にステップS80を肯定判定して図2による処理を終了する。サーバ10は、OKでない場合にステップS80を否定判定してステップS10へ戻り、上述した処理を繰り返す。OKである場合とは、例えば、利用者端末30から予約情報を確認したことを示す信号を受けた場合が該当する。また、OKでない場合とは、例えば、利用者端末30から運転代行希望情報の変更、または、迎え位置を利用店舗の位置へ変更したことの取消等を目的にしたリトライ(retry)要求を受けた場合が該当する。
【0037】
上述した実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)運転代行サービス管理装置100は、道路情報および飲食店の店舗情報を含む地図情報を記憶する地図記憶部11と、運転代行開始場所である出発地情報、運転代行終了場所である目的地情報、運転代行開始時刻情報およびサービス利用者が利用する利用店舗情報を含む、運転代行希望情報を受付ける利用受付部12と、所定の待機場所から運転代行開始場所へ運転代行者を運ぶとともに、運転代行終了場所から待機場所へ運転代行者を運ぶ第2車両の車両ID、第2車両を運転する運転者の運転者IDおよび運転代行者の運転代行者IDを含む管理情報を記憶する管理情報記憶部13と、複数の運転代行希望情報を管理情報と関連付けるとともに、運転代行希望情報毎に地図情報を参照して算出された運転代行サービスの所要時間情報を予約情報として記憶する予約情報記憶部14と、利用受付部12で第1のサービス利用者からの運転代行希望情報が受付けられる際に、予約情報を参照し、運転代行希望情報に係る第1の運転代行サービスの前の時間帯に第2のサービス利用者から予約されている第2の運転代行サービスおよび第1の運転代行サービスに関する時間情報に基づいて、第1のサービス利用者に対する迎え位置を、第1のサービス利用者の第1車両の駐車位置から運転代行希望情報に基づく利用店舗の位置へ変更可能にする設定部15と、設定部15による変更可能情報を第1のサービス利用者へ提示するために出力する情報出力部16とを備える。
このように構成したので、例えば、第1のサービス利用者から予約される第1の運転代行サービスと、第1の運転代行サービスの前の時間帯に第2のサービス利用者から予約されている第2の運転代行サービスとの間の時間がどのように確保されているかにより、第1のサービス利用者に対する迎え位置を、上記第1車両の駐車位置と、上記利用店舗の位置との間で適切に変更することが可能になる。変更可能にした結果、変更した場合は第1のサービス利用者の待ち時間の負担軽減(利用店舗で待つ方が駐車位置で待つよりも負担が小さい)となり、サービス利用者側の利便性が向上する。また、変更しない場合は運転代行サービスの時間短縮となり、運転代行サービスを提供する側の利益となる。つまり、サービス利用者側の利便性と、サービス提供者側の利益とをバランスよく両立させることが可能となる。
【0038】
(2)上記(1)の運転代行サービス管理装置100において、設定部15は、第2の運転代行サービスの所要時間情報が第1の所定時間よりも長い場合に、第1のサービス利用者に対する迎え位置を変更可能にする。
例えば、第1の運転代行サービスの前の時間帯に第2のサービス利用者から予約されている第2の運転代行サービスの標準的な所要時間が60分よりも長い場合、予測できない渋滞発生等により第1の運転代行サービスの開始時刻が遅れる可能性がある。このような状況の場合、第1のサービス利用者に対する迎え位置を利用店舗に変更可能にすることにより、サービス利用者側の利便性の向上をはかることが可能になる。また、サービス利用者が利用店舗に留まることで、その利用店舗の売上げにも貢献することが可能になる。
【0039】
(3)上記(1)の運転代行サービス管理装置100において、設定部15は、運転代行希望情報の受付けから運転代行希望情報に係る第1の運転代行サービスの開始までの時間間隔情報が第2の所定時間よりも短い場合に、第1のサービス利用者に対する迎え位置を変更可能にする。
例えば、第1の運転代行サービスに関し、運転代行希望情報の受付けからサービス開始までの時間間隔が30分よりも短い「急な予約」である場合、運転代行希望情報通りに第1の運転代行サービスの出発地に到着できない可能性がある。このような状況の場合、第1のサービス利用者に対する迎え位置を利用店舗に変更可能にすることにより、サービス利用者側の利便性の向上をはかることが可能になる。また、サービス利用者が利用店舗に留まることで、その利用店舗の売上げにも貢献することが可能になる。
【0040】
(4)上記(1)の運転代行サービス管理装置100において、設定部15は、第2の運転代行サービスの終了から第1の運転代行サービスの開始までの時間間隔情報が第3の所定時間よりも短い場合に、第1のサービス利用者に対する迎え位置を変更可能にする。
例えば、第1の運転代行サービスに関し、第1の運転代行サービスの前の時間帯に第2のサービス利用者から予約されている第2の運転代行サービスの終了から、第1の運転代行サービスの開始までの時間間隔が30分よりも短い「予約」である場合、運転代行希望情報通りに第1の運転代行サービスの出発地に到着できない可能性がある。このような状況の場合、第1のサービス利用者に対する迎え位置を利用店舗に変更可能にすることにより、サービス利用者側の利便性の向上をはかることが可能になる。また、サービス利用者が利用店舗に留まることで、その利用店舗の売上げにも貢献することが可能になる。
【0041】
(5)上記(1)~(4)の運転代行サービス管理装置100において、地図記憶部11は、店舗情報として店舗規模情報または協力店舗情報を記憶し、設定部15は、店舗情報を参照して、利用店舗が所定の要件を満たす場合に、第1のサービス利用者に対する迎え位置を変更可能にする。
このように構成したので、迎え位置を利用店舗へ変更した場合に、例えば運転代行者が当該店舗で第1の利用者とすぐに会える規模の店舗であること、また、第1のサービス利用者が利用店舗に留まることが当該店舗の利用時間の規定に抵触しないこと等、の要件を設定することが可能になる。
【0042】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【符号の説明】
【0043】
10 サーバ、11 地図記憶部、 12利用受付部、13 管理情報記憶部、14 予約情報記憶部、15 設定部、16 情報出力部、20 代行者端末、21 センサ、30 利用者端末、40 ネットワーク、100 運転代行サービス管理装置
図1
図2